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アリアンロッドRPG
――母なる大地エリンディル。
4つの時代と3つの滅びを越え、この世界は平和な時代を迎えていた。
しかし妖魔達は滅びていなかった。魔族や邪神を蘇らせるべく彼等は再び活動を開始した。
――そんな世界で、自らの危険をかえりみない者達がいた。
世界の謎を、精霊の謎を、そして神々の手がかりを求めて冒険する者達――『冒険者』が……。
2004年6月12日セッション開始
シナリオ『エネミーアイランド』リプレイ


みっしょん00:

ロード・オブ・カイザー


◆PrePlay

ルールが発売されてより一ヶ月弱のこの日、某会議室には4人のメンバーが集まっていた。
相原あきと:さぁ、今日はアリアンロッドのリプレイをとります!
西蓮:おお〜〜!ってPLは3人なのですか?
相原あきと:(以下GM)うむ。なんか都合がつかなかったりでこうなった。でも2人ともアリアンロッドのルールは知っているから問題無い!
ででん:発売されてすぐにGMやったから大丈夫です!
TATSU:そのクエストにPLで参加したから問題無いです!
西蓮:そうなんだ……じゃあ俺だけが初心者……。
ででん:つまり主人公ですね!
TATSU:じゃあ俺は脇役をやろう(笑)
西蓮:待て、なんでいきなり初心者だと主人公なんだ?
GM:というより、ハンドアウトとか無いし全員が主人公だぞ(笑)
ででん:そう言えばそうだった!
TATSU:良く考えたらででんのクエストでも主人公いないじゃん。
ででん:うん。
西蓮:じゃあ言うなよ(笑)
※解説1 「クエストとミッション」
 こういった解説において、今回プレイするアリアンロッドの説明を補助的に入れていきたいと思う。まずはさっきからPLが言っているクエスト。ぶっちゃけ、クエストとはキャンペーンの事であり、ミッションとは一回限りの単発セッションの事である。
GM:ではまずキャラクター作成の前にシナリオの今回予告です。
ででん:どのクラスを選ぶかの指針ですね。
TATSU:俺は関係無いけどな(笑)
西蓮:いや、関係しろよ(笑)
GM:では――


大腐海に浮かぶ孤島の調査。
  その島はエネミーの楽園であり、調査は難航を極める。
  襲い掛かるエネミー達、仕掛けられた天然のトラップ。
  そしてエネミー達の妨害を抜けた時、そこには人間の子供がいた。

「我は魔族だ……人間など実験体で十分であろう」

 アリアンロッド「エネミーアイランド」
  冒険の舞台がキミを待つ!


ででん:強い敵がボスっぽいですね。
TATSU:おお、トラップがある。やっぱり俺はシーフやろう(笑)
GM:さて、予告も読んだしこれよりキャラクターを作ってもらいます。アリアンロッドは最初にメインクラスを4種類ある中から選んでもらいます。それが決まったらサポートクラスを決めてもらいます。
ででん:今回は3人ですから4つのメインクラスからどれかが外れますね。
西蓮:メインってどれが重要?
GM:ウォーリア(戦士)、アコライト(持祭)、シーフ(盗賊)、メイジ(魔法遣い)の4つ。どれも重要だけど、まぁ今回は気にしないで下さい。そこまで難しいシナリオじゃないので(笑)
TATSU:俺はシーフにしよう。
ででん:じゃあメイジにします。
西蓮:早いな! えっと……ウォーリアにしましょう。戦士がいないとやはり格好がつかない(笑)
GM:では次はサポートクラスを選んで下さい。ちなみにサポートクラスにさっき言ったメインクラスを選ぶ事も可能です。メイジ/メイジとか重ねると強くなります。
ででん:思いっきり偏りますけどね(笑) アルケミストにします。遠距離から魔法とマスケット銃を撃ちます。
TATSU:俺はバードやるよ。遠距離から歌って援護しよう(笑)
西蓮:お前等揃って遠距離かよ!
GM:確実に前衛だね(笑)
西蓮:GMも言ってましたし、こうなったらウォーリア/ウォーリアの重ね取りします。これで完全前衛でしょう! やってやりますよ!
ででん:アコライトが居ないから回復ができないパーティーになるけど……。
西蓮:じゃあどっちかがやれよ。俺は前衛だ(笑)
TATSU:俺はバードやるから嫌。
ででん:じゃあ仕方ありませんね。
結局誰もアコライトをやらないで決定……。
GM:クラスが決まったら次は種族を決めます。ヒューリン(人間)、エルダナーン(エルフ)、ネヴァーフ(ドワーフ)、フィルボル(ホビット)、ドゥアン(亜人)、ヴァーナ(獣人)の6種族がいます。好きに選んでいいよ。
TATSU:フィルボル! 俺は絶対にフィルボルにする! でバードで歌いながら盗賊! もう皆が頑張って仕事している時に、それを鼻歌でも歌いながら見て笑ってるようなキャラ!
ででん:典型的だなぁ……とは言え、私も魔術系が強いエルダナーンにします。
西蓮:ここでネヴァーフ! とか言ってみたいですが(笑) 止めておきましょう、リプレイにもなるならヒューリンにしておきます。
ででん:リーダー。
TATSU:リーダーは任せた!(笑)
西蓮:うむ、もう幾らでも来い!(笑)
GM:次はそれぞれのクラスから自動取得スキルを取った後、メインクラスから2つ、サポートクラスから1つ、スキルと取って下さい。最後に装備品や所持品を買って終了です。ちなみにスキルのところに書いてある「2レベル以上にはできない」って記述は「1レベルしか取ってはいけない」って意味だから(笑)
一同:『了解』
………………………………………………………………………………………………

 キャラクラー作成に入ってから時間は刻々と流れ――
GM:ふぅ……やっとデータ部分が終ったか……長かった。
西蓮:やっぱサムライではなくウォーリア/ウォーリアに戻ってきました。
ででん:みんなスキル選ぶのに時間掛かりすぎです。種族変わりそうになってた人もいるし。
TATSU:大丈夫、やっぱフィルボルになったし(笑)
GM:はい、それではライフパスに入ります。西蓮からD66を振ってみてくれ。まずは[出自]ね。
西蓮:(コロコロ)……61。[始祖の紋章]――神や精霊王の力を肉体の一部に宿している! おお、なんかいきなり強そうなものが! この力を持って俺は最強になる!
ででん:リーダー頑張って下さい(笑)
西蓮:ああ任せておけ(笑)
GM:次は[境遇]を振ってくれ。
西蓮:(コロコロ)……42。
GM:[略奪]――あなたは何か大切なものを奪われた。
TATSU:大切なもの……紋章が奪われましたね(笑)
西蓮:いきなり紋章かよ!(爆笑)
ででん:貧弱になりましたねぇ(笑)
GM:最後は[運命]を振ってください。
西蓮:なんてこった…最高の力を手に入れたと思った瞬間、奪われたよ(笑)(コロコロ)……[運命]は15。
GM:[栄光]! あなたは栄光を手に入れるだろう!
西蓮:やった! 未来できっと俺は紋章を取り返すんだな! これで昔の自分に戻れる!(笑)
ででん:とりあえず、勝手に冒険者やってる理由まで決まりましたね。
西蓮:そうだな。俺は自分の奪われた紋章を追って冒険者をやっているんだろうな(笑)
GM:ま、そんな感じです。残りの2人も振ってくれ。
ででん:はい(コロコロ)……[出自]が44です。
GM:[犯罪者]……親は世間に知れ渡っている犯罪者らしい。
ででん:アルケミストですしね。親は人体実験とかする錬金術師だったわけです。そして幾人もの人の命を研究に使ってしまった……そんな設定がいいです。
TATSU:酷い親だ。よく子供の自分が実験材料にされなかったね(笑)
ででん:私には優しかったのですよ。では[境遇]が(コロコロ)……34。
GM:[贖罪]――あなたは過去に犯した罪を償って生きている。
ででん:しまった! 実は私も親と一緒に人体実験していました!(一同爆笑)
西蓮:してたのかよ!(笑)
TATSU:ひでー親子だ。一緒にやってたんじゃ実験材料にはされねーよ(笑)
ででん:エルダナーンに伝わりし錬金術の家系です。最後は[運命](コロコロ)……24。
GM:[真理]――あなたは真理に到達するだろう。
西蓮:錬金術師で人体練成でさらには真理か! 狙いすぎだぞそのコンボは!(笑)
ででん:いえ、全てダイスですし(笑)
GM:はい、最後はTATSU振ってくれ。
TATSU:(コロコロ)……[出自]が25――[魔術師]らしい。
GM:親が魔術師だったのか。フィルボルの魔術師……しかも子供はシーフ/バード……意味わからんな。
TATSU:とにかく次を振りましょう(コロコロ)……[境遇]が56。
GM:[復讐]――あなたは復讐しなければならない相手がいる。
TATSU:両親がいきなり死亡した(笑)
西蓮:殺されたのか(笑)
ででん:あのフェイボルの魔術師夫婦は良い実験材料だった……。
西蓮:って、殺したのお前かよ!!(笑)
TATSU:くそぅ…いつか仇を取ってやる! 俺は裏の情報を知る為にシーフに、表の噂話を集めるためにバードになったんだ。もちろん、目的は俺の両親を殺した錬金術師を探すため!(笑)
………………………………………………………………………………………………
西蓮:ま、キャラ作はこんな所で終了ですか?
GM:うん終了。では次はギルドを作ってもらいます。
西蓮:ギルド?
※解説2 「冒険者とギルド」
 現在は何でも屋と認識されている冒険者達だが、神々の武具探索のために聖都ディアスロンドより派遣された者達が発祥である。それゆえ、今でも冒険者は登録制を取っており、それを取り仕切っているのは神殿である。
 その冒険者達だが、やがて数人でチームを組むようになっていき、そして出来上がったのがギルドである。ギルドは冒険者達の相互扶助組合のようなものである。ギルドには数人規模のものから百人規模のものまであり、ギルドに入会するとそのギルドごとの特典(ギルドスキル)の恩恵を受けられる。
西蓮:それを先に作っておくのですか?
GM:そうです。
ででん:ギルドマスター(パーティーリーダー)は西蓮さんで決定ですね。
西蓮:わかった。少なくともキミらは危険人物だ。任せておけない(笑)
GM:ではギルド名を決めてくれ。
西蓮:なんか考えないといけないの?
GM:いや、一応ランダムギルド名決定表があるにはあるが……酷いことになるかもしれんぞ?
西蓮:別に構わないから、それでやります。
GM:じゃあD66を2回振ってくれ。
西蓮:(コロコロ)……63。
GM:<至高の>
ででん:至高ですか、かっこいいじゃないですか(笑)
TATSU:次が<カバ>とかだと最悪だけど(笑)
GM:いや、カバは表に入ってないから(笑)
西蓮:じゃあ振ります(コロコロ)……64。
GM:<皇帝>!?
西蓮:<至高の皇帝>!! すげーカッコいい!
ででん:皇帝凄いです!
TATSU:皇帝がいればギルドは安泰です(笑)
西蓮:………………もしや俺の呼び名が勝手に決定か?
ででん:何言っているのですか皇帝!(笑)
TATSU:一生ついていきますよ皇帝(笑)
西蓮:………………。
その後、ギルドスキル等を決め、キャラ/ギルドともに完成したのだった。
  <至高の皇帝>ギルド、誕生の瞬間であった。
GM:では自己紹介お願いします。
皇帝:名前はハディス=メイヨール。
ノイシュ:皇帝で良いよ(笑)
皇帝:お前がいうなフィルボル!
GM:で、設定は?
皇帝:15才の少年だった頃、我は<至高の皇帝>というギルドのギルドマスターだった。
GM:15歳だった頃にはすでに作ってたんだ(笑)
皇帝:そう、圧倒的なカリスマ、そして神々の力を宿した始祖の紋章を使いこなし、我が率いる<至高の皇帝>ギルドは最強とも噂されるようになった。
ノイシュ:でも[略奪](笑)
皇帝:そう…ある日、突然敵が攻めてきて我の紋章を奪い、そして<至高の皇帝>ギルドは全滅した。
GM:全滅したんだ(笑)
皇帝:我だけは――「惨めに生き恥をさらすがいい!」と敵に生かされた。あれから3年、我は奪われた紋章を取り返すべく、再び冒険者の道を歩み始めたのだ。ちなみに18歳のヒューリン。
GM:やっぱ自分の命より仲間の命を取るようなキャラなのかな?
皇帝:違う。我が選ぶは自分の名誉。仲間は確かに大切だが、自分の命より大事な物は我の名誉だ(笑)
ノイシュ:皇帝〜!(笑)
ナイア:覇道…覇道ですね!
皇帝:現在、あらたに<至高の皇帝>ギルドを復活させた――って設定。
ノイシュ:まだギルド員は2人だけどね(笑)

GM:次は錬金術師。
ナイア:名前はナイア=メーア。21歳女性のエルダナーンです。親と一緒に危険な錬金術の研究を行っていましたが、いろいろあって親は死亡しました。その後、私は旅に出ましたがしっかり研究は引き継いでいます。
皇帝:引き継いでいるんだ(笑)
ナイア:親の研究を引き継ぐことこそ、私の贖罪です。
ノイシュ:罪の意識あんまねーなー。
ナイア:ちなみに他人の命より研究が大切です。(笑)
ノイシュ:やっぱ償ってないってソレ(笑)

GM:最後はフィルボル。
ノイシュ:ノイシュ=ノクターン。20歳の男性フィルボル。かつてソディー=ラップという親友が居たのですが、いつの間にか行方不明になってしまい、その行方を追って旅をしています。
ナイア:ソディー…ソディー……ああ、あのコードNo102−TUの事ね。
ノイシュ:なんで!? やっぱ誘拐したのお前なのかよ!
ナイア:実験体の固体識別名なんていちいち覚えていないわ。
ノイシュ:そうか……その設定で突っ走るならそれでいいさ。俺がギルドに入った理由は決まった! ソディーの犯人として最有力候補であるナイアを発見して、その尻尾を掴む為に<至高の皇帝>に入ったんだ!
ナイア:じゃあ最初が皇帝1人、次が私、最後がノイシュね。
皇帝:ではノイシュが一番下っ端か。
ナイア:そうですね皇帝。何なりとお申し付けください――ノイシュに(笑)
皇帝:うむ。
ノイシュ:いやいやいや、真顔で『うむ』とか言わないでよ皇帝(笑)


ハディス=メイヨール(皇帝)
メインクラス :ウォーリア
サポートクラス:ウォーリア
年齢:18  性別:男  種族:ヒューリン
備考:
  今より3年前、神より受け継ぎし始祖の紋章を持って<至高の皇帝>という100人規模のギルドマスターを若干15歳ながら務めていた。しかし、敵の襲撃に遭いギルドは全滅、始祖の紋章は奪われハディスは惨めに1人だけ生かされた。他人からは皇帝と呼ばれ、自分のことは我と呼ぶ。名誉重視な帝王である。



ナイア=メーア
メインクラス :メイジ
サポートクラス:アルケミスト
年齢:21  性別:女  種族:エルダナーン
備考:
  悪の錬金術師である。エルダナーンに伝わりし禁忌の錬金術を継承せし女性。子供の頃より両親と共に人体実験・人体練成を繰り返し、とある事件でその両親を失ってからは"なり"を潜めている。
現在は<至高の皇帝>ギルドに身を置くが、どうもその狙いは最高の素材である皇帝にあるらしい。



ノイシュ=ノクターン
メインクラス :シーフ
サポートクラス:バード
年齢:20  性別:男  種族:フィルボル
備考:
  行方不明になった親友のソディーを探して冒険者になったフィルボル。風の噂でナイアという女性がソディーに何かしたらしいと聞きつけ、ナイアの監視の為<至高の皇帝>ギルドに入った。冒険者としての常識にも優れ、文句を言いつつ世話好きで人が良い。あとあと皇帝の従者としてのポジションを得る。


◆Opening01◆皇帝立つ

エリンディル北方に存在する大腐海。そこは魔界への入り口があるとさえ言われる危険な場所であり、その海は常に瘴気に侵されていた。そんな大腐海に港を持つ町があった。その港町の名は――『ベニバ』と言う。
GM:ではこれからプレイを開始しますが、一応その前に聞いておきましょう。各自所持金は幾らですか?
皇帝:30G(ゴールド)残っている。
ノイシュ:なんか勝手に使い切ったぞ(笑)
ナイア:私は実験費につぎ込みすぎて0Gです。まぁMPポーションとか買ったからですけれど。
皇帝:それでは街に着いた時点で宿にも泊まれるかどうかわからんな。
ナイア:大部屋1人10Gですから問題ありません。
皇帝:一晩だけな(笑)
ノイシュ:いいじゃん別に、いざとなったら神殿に泊めて貰えばさ、冒険者はタダで神殿に泊まれるんでしょ? しかも食事までついて。
GM:まぁタダで泊まれます。食事とかは最低限の食事だけどね。
皇帝:神殿に泊まるのは物乞いしているようで我の名誉が傷つく、宿に行くぞ。
ノイシュ:賛成〜(笑)
ナイア:ま、すぐに依頼を受ければいい事ですしね。
GM:さて、突然ですがあなた達は大腐海の港町ベニバに来ています。ここは大腐海に浮かぶトリー島、その島にある唯一の街・魔都ベルヴェへと渡れる船がある港町です。
ノイシュ:魔都ベルヴェって言ったらかつて魔族の支配していた街じゃん! 今だって時々魔族や妖魔がやってくるからって不老不死の特別なエルダナーン達が監視してるって所でしょ?
ナイア:レベル1で来るには分不相応な危険な場所です。
皇帝:なにを言う、コレぐらいが丁度いいのだ。さぁ宿に着いたら食事を取り、すぐに依頼所へ行くぞ。
GM:と、そんな感じでご飯を食べてると――ドンッ!とノイシュが突き飛ばされます。
ノイシュ:ぐはぁッ…べちょっとご飯に顔が(笑)
皇帝:おい! 我のギルドメンバーに何をした! 謝罪しろ。
ノイシュ:そうだそうだ!
皇帝:お前は黙っていろ!!!
ノイシュ:ええ!?
GM:「あぁん? なんだてめぇは、俺様は(コロコロ)……<闇のワイバーン>ギルドの者だ。神殿で認定されたギルドレベルは6だぜ。お前等はいくつよ?」――ちなみに戦士っぽいドゥアンの男です。
皇帝:む……。
ナイア:10です。
GM:は?
ナイア:私達のギルドレベルは10です。<至高の皇帝>という名…聞いた事ぐらいはあるのでは?
GM:「あの<至高の皇帝>ギルドだと……ちっ……悪かったな」と去っていきます。
皇帝:うむ、よくやったナイア。
ナイア:いいえ、あのような輩に皇帝の手を煩わせる事はありません。
皇帝:それに比べてノイシュ、お前はあれぐらい避けないか。
ノイシュ:いや無理でしょ、いきなり演出入ったし(笑)
ナイア:GM、この街はやっぱりああいう野蛮な冒険者が集まっているのですか?
GM:そうだね。なんかこの港町は荒んでいる感じだね。
皇帝:まぁいい、食事も終った。冒険者の依頼所へ行くぞ。
※解説3 「神殿と依頼所」
 冒険者を取り仕切っているのは神殿である。現在の冒険者は何でも屋の様相を呈している為、その仕事は土木作業から妖魔退治まで多岐に渡る。その仕事の依頼は神殿に併設されている依頼所で受ける事が可能である。また、時には依頼所を通さずに直接依頼人から仕事を頼まれる事もある。
GM:では依頼所にやって来ました。
ノイシュ:なんか楽して稼げる危険じゃない依頼無い?(笑)
ナイア:大腐海の港町ですし絶対的に危険な依頼しかありませんよ。
皇帝:望む所だ。
GM:受付の人は――「すいません、実は今は1つの依頼しかないんですよ」
ノイシュ:え〜〜。
GM:「ほら、あそこの掲示板に依頼のチラシが束になって釣り下がっていると思います。あの依頼だけなんです」
ノイシュ:じゃあそのチラシを取る。
皇帝:よし、読めノイシュ。
ノイシュ:えっと……――
唯一の依頼:
『魔都ベルヴェで不穏な動き有り。腕に自信のある冒険者へ。ともに探索願う。 
                                   ギルド:<ハイ・フォレスト> 代表クルートル』
ノイシュ:やっぱ止めません皇帝? 魔都ベルヴェの探索ってめっちゃ危険なんですけど?
皇帝:何を言う。我等に相応しい依頼じゃないか。その<ハイ・フォレスト>のクルートルに会いに行くぞ。
ノイシュ:はぁ…まったくこの人は……。
GM:では<ハイ・フォレスト>の一団が宿泊している宿屋にやってきました。
皇帝:我が槍グングニルを持って堂々と行くぞ、威厳オーラを撒き散らしながら(笑)
ノイシュ:グングニル?
皇帝:我は≪スピアマスタリー≫を取得している槍使いだからな。
ノイシュ:いや、そうじゃなくて…その如何にも神具っぽい槍は何?
GM:同じく。グングニルって何? そんなの渡した覚えないんだが?
皇帝:グングニルはかつて<至高の皇帝>100人規模の時代に持っていた愛槍です。あの襲撃で失われたけど、せめて名前だけでもと普通の槍をグングニルと呼んでいるのです。
ノイシュ:なんだ、普通の槍かよ(笑)
皇帝:そういう言い方はよせ、気分が大事なんだ(笑) というわけでグングニルを持って高貴にドアを入っていく。
ナイア:私はマスケット銃を担いで入りましょう。静かに。
ノイシュ:じゃあ皇帝の従者のような感じで(笑)
皇帝:やっと自分の立場がわかったか(笑)
GM:と、宿屋の中には数人の冒険者がいるのですが、その中で明らかに雰囲気の違う高レベルのエルダナーンの男がいます。
皇帝:どうやら奴のようだな。
ノイシュ:皇帝、あいつめちゃくちゃ強いですよ!
皇帝:だからどうした。もっと堂々としていろ。
ノイシュ:はい解りました!――おい、そこのエルダナーン! 何をしている!(一同爆笑)
ナイア:それは堂々じゃない。無礼です。
皇帝:グングニルでノイシュを打ち払おう――大変失礼した。貴殿がクルートル殿か?
ノイシュ:吹っ飛びながら言う……皇帝に言われた通りにしたのに〜(笑)
GM:そのエルダナーンは――「いかにも、もしや依頼所で張り紙を見て、ここへ来てくれたのですか?」
皇帝:ええ、微力ながら我も力を貸しましょう。
GM:「それは助かります。私は<ハイ・フォレスト>のギルドマスターをやっているクルートルです。宜しく」
皇帝:我は<至高の皇帝>ギルドマスターのハディス=メイヨールだ。
ノイシュ:皇帝で良いよ(笑)
ナイア:初対面でそれは言えないと思う。
GM:「ほう、あなたがあの<至高の皇帝>の……しかし、そのギルドは魔族の襲撃によって壊滅したと聞いていましたが……」
皇帝:ゆえに今は2人しかギルド員がいないのです。大丈夫、例えギルドが壊滅しても我の名誉は失っておりませんから。
ノイシュ:それって凄いの?
皇帝:余計な突っ込みはするな(笑)
GM:と、クルートル以外にその場にいた冒険者の1人がやってきて――「おいおい、弱い足手まといはいらねーぜ?」――<闇のワイバーン>の男だ(笑)
皇帝:あいつか。
GM:「クルートルさん、こんな弱っちぃ奴等を仲間にする必要ありませんぜ? どうせ名前ばっかの奴等ですって!」
ノイシュ:なんだとー! 皇帝が足手まといで弱虫で卑屈だとー!!(笑)
皇帝:いや、そこまで言ってないだろう。
GM:「おい、コウテイだっけか? ちょっくら俺がお前の力を試してやるよ」――とテーブルに腕を乗せて腕相撲を挑みます。
ナイア:皇帝に挑むとは…無謀ね。
皇帝:ナイアの言うとおり……が、いいだろう相手をしてやる。テーブルに腕を乗せます。
GM:では【筋力】の対決判定しましょう。
※解説4 「判定方法」
 基本となる能力値に2D6を足した値が判定時の達成値である。通常なら達成値が難易度を超えれば成功である。誰かと競ったりする対決判定ではお互いにその判定をして、達成値の高かった方が勝つ事になる。この時、お互いの達成値が同値の場合、対応側の方が能動側に勝つ事になる。これを対応側優先の法則と言う。
皇帝:我の筋力は6か。
GM:こっちは8とします。では2Dを振り足して(コロコロ)……1と2!? 合計11。
皇帝:(コロコロ)……ふっ、14成功だ。バンッ! と机ごと叩き折る。クルートル殿、これでわかっていただけたかな?
GM:「いや、十分ですよ。では明日の朝港へお越しください。一緒に頑張りましょう」
ノイシュ:さすが皇帝(笑)
皇帝:それでは、また明日。

◆Middle01◆皇帝上陸

次の日の朝、ベニバの港で一隻の大型船に乗り込む<至高の皇帝>ギルドの3人。船にはすでに数十組のギルドメンバーが乗っており、今回の探索の規模が伺えた。
GM:では船の上で数日経ったある日、キミ達3人は主催のクルートルに呼ばれます。
皇帝:島に着きましたか?
GM:いえ、確かに魔都ベルヴェがあるトーリ島は甲板の上から見えますが、まだまだ上陸はできません。クルートルは――「実はですね。トーリ島も大事ですが、その周辺の島もしらみ潰しに探索しておきたいのです。ここから近い小島の探索をあなた達に頼んでよいですか?」
ノイシュ:トーリ島じゃないの?
GM:「ええ、そうです。トーリ島でなにかあった際は、あなた達を守る事ができないと思うので」――とクルートルはきみ達の実力を把握した上で言います。
皇帝:我等を守るだと? 無礼な! 我が名誉を愚弄するか!(笑)
GM:「いえ、あなたの仲間であるお2人は見たところ1Lv、少々それでは厳しいと思うのです。実際、その島へもあなた達だけではなく、もう1組・2組のギルドを一緒回したいのですが……」
皇帝:その必要は無い。確かにナイアやノイシュの事を考えればトーリ島本島は危険かもしれない。だが、あの程度の小島の探索なら、我等だけで十分だ。
GM:「わかりました。あの島はあなた達にお任せします。宜しくお願いしますね」
ナイア:その島ってこの船からも見えているのですか?
GM:見えています。トーリ島ほど大きくは無い。どっちかっていうと小さい。4日もあれば全部見て回れる程度の島です。
ナイア:ではその島を見ながら――でも、あの島へどうやって渡れと?
GM:「小船(ボ−ト)を一隻お貸しします。一週間後にトーリ島の探索を終え、あなた方をお迎えに参ります。もし私達が戻らなかった場合は待たなくて構いません。ベニバまであなた方だけで帰って来て下さい」
ナイア:わかりました。
ノイシュ:帰ってこなかったら…か。これってスンゴクやばい依頼なんじゃないかな皇帝?
皇帝:我はすでにボートの船首に仁王立ちだ(一同爆笑)
ノイシュ:皇帝早いよ!!(笑)
ナイア:じゃあ私はボートの船尾で銃を抱えながら座ってます(笑)
ノイシュ:そっちもかい!!(笑)
皇帝:さぁ何をしているノイシュ! 早く行くぞ!
ノイシュ:はいはい――と俺もボートに乗って……? もしやオールで手漕ぎのボート?
ナイア:じゃないの? だから船尾に座ったんだし。
皇帝:島を見つめて仁王立ちだ。
ノイシュ:漕ぐの俺だけかよ! なんだよソレ! フィルボルに肉体労働やらせるなよ!!(一同爆笑)
皇帝:よし、では出発だ!
ノイシュ:だーーー! 聞いてねーし! もういい、ギッコギッコ漕いで行くぞ!(笑)
GM:では3人を乗せたボートは大腐海へ乗り出します。ボートを漕いでいるノイシュは【器用】の難易度12を3回判定して?
ノイシュ:(コロコロ)……1回目12! 2回目14!(コロコロ)……3回目10(笑)
GM:ノイシュがオール操作に間違って船が突然大きく揺れます。全員【敏捷】判定12をお願いします。失敗すると大腐海へ投げ出されます。
ナイア:(コロコロ)……ゔ、落ちた。
ノイシュ:うわっ! 俺もドボンだ(笑)
皇帝:14。我は立っているぞ(一同爆笑)
ノイシュ:なんで皇帝だけ! 一番バランス悪いのに!(笑)
皇帝:ノイシュ、ボートが揺れたぞ? もっと前を見て漕がないか!
ノイシュ:ボートなんだから前は見れないって! 前見るのは船首で立ってる皇帝の役目じゃないか!(笑)
皇帝:と、そこでボートが進んでいないのに気がついて振り返る――2人とも何をしている?(笑)
ナイア:ずぶ濡れでボートに登ります。
ノイシュ:同じく。
GM:ちなみに腐海の水は痛いです。すぐに上がったとは言え1D6のHPへの実ダメージを受けて下さい。
ナイア:(コロコロ)……1点。
ノイシュ:3点。
なんだかんだで島へ上陸する3人。
皇帝:服を乾かしてから行くか?
ノイシュ:そうしたいな。気持ち悪い。
ナイア:私は服が濡れて体のラインがモロです。
ノイシュ:おお! 魔法使いのスケスケ!(一同爆笑)
ナイア:(コロコロ)……命中8でマスケット銃、撃った。避けなくていい。
ノイシュ:避けるさ!(コロコロ)……16で回避成功! 何するんだよナイア! 本気で撃つ事ないだろ!!
ナイア:目がいやらしい。私は1人で小型のファイアーボールを出して服を脱がずに乾かします。
GM:1時間で完全に乾いていいよ。
ノイシュ:俺は服を脱いでその辺に落ちてる棒に引っ掛けて、走り回って乾かそう。ナイアも脱ごうよサービスシーンじゃん(笑)
ナイア:嫌。
GM:ノイシュは2時間くらいで乾きます。
ナイア:皇帝は暇ですね。
皇帝:海を眺めて砂浜で仁王立ちだ。
ナイア:仁王立ち好きですね(笑)
ノイシュ:2時間経った?
GM:じゃあ経ちました。服は完全に乾きましたよ。
ノイシュ:皇帝、乾いたから出発しよう!
皇帝:そうか――と2時間ずっと同じポーズで仁王立ちしていた我がやっと動く(一同爆笑)
ノイシュ:ずっと仁王立ちだったのかよ(笑)
皇帝:無論だ(笑)

◆Middle02◆皇帝休憩

その島の浜辺は海岸線が続いており、そのまま一周するのはさして難しい事ではなさそうだった。
ノイシュ:やはり島を海岸線にそって一周してみましょう!
皇帝:そうだな、。我もそう思っていたところだ。
ナイア:でも皇帝、こういう仕事は従者がやるべきです。
皇帝:うむ、それもそうだな。まかせたぞノイシュ(笑)
ノイシュ:わかりましたよ〜俺が1人で行ってきます。
GM:了解しました。では1人で海岸線沿いに島をグルッと一周しているノイシュは【感知】12で判定して下さい。
ノイシュ:(コロコロ)……成功!
GM:どうも誰かに見られているようだね。
ノイシュ:ビシッ! と指差して――そこっ!!!と叫ぶ!
一同:『………………』
GM:ガサガサガサっと逃げて行きました。
ノイシュ:あ…あれ?(一同爆笑)
皇帝:何がしたかったんだノイシュ?
ナイア:脳味噌溶けているのですか?
ノイシュ:いや……そんなつもりじゃ(笑)
GM:ではあと2回【感知】12で判定して下さい。
ノイシュ:(コロコロ)…………う、駄目だ。両方失敗した。
GM:以降は何事も無く島を一周します。
ノイシュ:う〜〜ん、さっきの視線はなんだったんだろう?
皇帝:我は、お前の行動の方が『なんだったんだろう?』だがな(笑)
ノイシュ:そう言われてもなぁ(笑)
ナイア:………………。
一方。皇帝とナイアは魔都ベルヴェのあるトーリ島に近い大腐海の側だと言うのに、どこから取り出したか、ゆったりとティータイム中だった。
皇帝:うむ、良い香りだ。
ナイア:クッキーもありますよ皇帝。
皇帝:ああ、頂こう。
GM:ではノイシュが島を一周しに行ってからかなりの時間が経って……どうぞ皇帝とナイア、2人とも【感知】12で振ってください。
皇帝:(コロコロ)……うむ、成功した。
ナイア:(コロコロ)……私も成功しました。
GM:なんか少し離れた所にポヨポヨしたのがいる。エネミー識別して下さい。【知力】判定です。
皇帝:(コロコロ)……12。
ナイア:16です。
GM:(基本ルールブックのP278に載っているイラストを見せ)――ポメロという可愛いモンスターですね。
ナイア:あ、可愛い。
皇帝:む。
GM:と、そのティータイムのクッキーに釣られて、ついつい茂みから出てしまったポメロを追うように、2歳位の男の子が現れポメロを抱えて急いで逃げていきます。
ナイア:2歳?
皇帝:待たぬか少年!
GM:無視して走っていきます。
皇帝:無視か……我を愚弄するか!!!(一同爆笑)
ノイシュ:皇帝、2歳相手に大人気ないです(笑)
GM:追うなら【感知】12、成功したら【敏捷】12。これで追跡できます。
皇帝:(コロコロ)……1ゾロ。ファンブルってあるのか?(笑)
※解説5 「クリティカルとファンブル」
 難易度に関わらず振ったダイスのうち2つ以上が6の場合、判定は自動成功となりこれをクリティカルと呼ぶ。そして振ったダイスが全て1の場合、判定は自動失敗となりファンブルとなる。対決判定の場合はクリティカルを出した方が自動勝利、ファンブルを出した方が自動敗北、そして両方がクリティカルを出した場合は「対応側優先の法則」により対応側が勝利となる。
皇帝:ふッ……1ゾロだった(笑) 森の中少年を見失い。しかも海岸への帰り道もわからなくなった(笑)

◆Middle03◆皇帝追跡

ノイシュが島を一周して戻ってくると、そこではティータイムセットを片付けているナイア1人だけがいた。
ノイシュ:ただいまー! ってお前だけなの? 皇帝は?
ナイア:森を指差します。
ノイシュ:1人で行かせたのかよ! あの人は1人じゃなにもできないんだぞ! 早く俺達も行くぞ!(笑)
ナイア:コクリと頷きます。
ノイシュ:皇帝〜! と叫びながら森を探します。
GM:ではノイシュとナイアが皇帝を探して森を歩いていると――
皇帝:仁王立ちで森の中で立っていよう(笑)
ノイシュ:あ、いた(笑) 皇帝、どうしたの? なにかあったの?
皇帝:ノイシュか。この島の中にはエネミー以外の存在がいるぞ。具体的に言って人間の子供がいた。
ノイシュ:そんな馬鹿な! ベルヴェに近いこんな怪物島に人間の子なんているわけないじゃないですか? 頭悪いですよ皇帝(一同爆笑)
皇帝:グングニルを上段から打ち下ろす――我がこの目で見たのだ。間違いは無い。ノイシュ…お前はそれらしき影を見なかったか?
ノイシュ:何も見なかった…ですよ。
皇帝:視線か何かでもいい。感じなかったか?
ノイシュ:なんか感じた気もするけど……きっと気のせいだよ(笑)
ナイア:適当な……。
皇帝:従者だからな…仕方あるまい。とにかく我は正しい。もう少し森の中を探すぞ。
ナイア:皇帝がそう言うなら従います。
ノイシュ:なんかこのまま放っておくのも気持ち悪いしね。
皇帝:よし、ではノイシュ、さっそくここで足跡追跡をして欲しい。我はここでその少年を見失った。
GM:足跡追跡するなら【感知】の10ね。
ノイシュ:(コロコロ)……成功。こっちです皇帝、足跡を追跡します!
GM:そのままノイシュが進むと、少し先に行った所にある草むらが、ガザガザと――
ノイシュ:回り込む!
GM:ではポメロ5匹と2歳ぐらいの少年がいます。少年はブスっとした無表情ですが、ポメロ達は大騒ぎ! 少年と一緒に急いで逃げ出します!
皇帝:少年の襟首を捕まえるぞ。
GM:じゃあポメロ達は逃げない。ポメー! ポメー! と騒ぐだけです。
皇帝:さっきのクッキーをやろう。食うといい。
GM:ポメロは4匹が地面にいるのですが、残り1匹が少年の頭の上に乗っています。その頭上ポメロがまずはクッキーを食べます。安全が確認されてから少年もクッキーを口に入れます。
ノイシュ:こうやって懐柔して従者を増やしたのか!
ナイア:あなたはそうやって懐柔されたの? ポメロ並じゃない(笑) ちなみに私は皇帝に興味があるからギルドに入ったから、あなたと一緒にしないで。
ノイシュ:俺だってポメロと一緒にするな! その程度では懐柔されないぞ(笑)
皇帝:うるさいぞ2人とも…それより少年、キミは何だ?
GM:少年は答えず、ポメロがポメポメ言う。ここで【知力】ジャッジ14。
皇帝:(コロコロ)……無理だ。9。
ナイア:余裕です(コロコロ)……17。
ノイシュ:……あ、14だ!
GM:成功した人は、少年と頭上ポメロは意思疎通ができているらしい事に気がつきました。
ノイシュ:皇帝! こいつポメロの言葉がわかるみたいですよ!
皇帝:馬鹿を言うなノイシュ! そんな事あるまい。脳味噌トロけたか?(笑)
ノイシュ:そうか…皇帝は失敗したのか(笑)
ナイア:いえ皇帝、この少年は確かに意思疎通が可能のようです。
皇帝:なるほどな。
ノイシュ:なんでナイアだと即信じて、俺の場合は脳味噌溶けてるとか言われるんだ! 納得いかねーー!(笑)
ナイア:と、いうわけで私はポメロを懐柔するのが良いと思います。
皇帝:いや、それを言うならその前に少年だろう?……しかし、なんで"懐柔"って言うんだお前等(一同爆笑)
ナイア:いえ、なんとなく(笑)
ノイシュ:皇帝っぽいし(笑)
GM:と、ここで危険感知を難易度14で振って下さい!
ノイシュ:(コロコロ)……失敗。
ナイア:……同じく失敗。
皇帝:ふっ…我は気がついた!
GM:では『エアリアルスラッシュ!!!』と言う声を皇帝だけが聞きます。
皇帝:ナイアを突き飛ばす!
その瞬間、なにか衝撃が皇帝達のいた地面をえぐり、もうもうと土煙が舞った。
ノイシュ:皇帝〜〜なんでナイアだけなんですか〜! 従者をちゃんと守ってくださいよ!
皇帝:ナイアはメイジだからHPが低いだろう! シーフが文句を言うな!
GM:では皇帝とノイシュは【幸運】で判定して5以下が出ると命中します。
皇帝:(コロコロ)……9だな。
ノイシュ:(コロコロ)……6! 良かった(笑)
ナイア:いったい何が起こったのですか?
GM:上空から魔法攻撃にあった、と思って下さい。土煙が晴れると、ポメロ4匹を騎馬のようにして頭にポメロを乗せた少年が逃げていきました。
ナイア:皇帝、あの少年が。
皇帝:うむ、逃がすな! 追えーー!
GM:1番行動値の早い人から行動してくれ。
ナイア:私はマスケット銃を持っているので遅いです。
ノイシュ:俺と皇帝は同じ行動値だから先にどうぞ皇帝。
皇帝:わかった。では少年を追って我は全力でダッシュを――
その瞬間だった。ノイシュとナイアの目の前で皇帝の姿がかき消えたのだ。皇帝は危険感知失敗である。
皇帝:なに!?
GM:落とし穴です。5+2D6点の物理ダメージです。
ナイア:トラップ!?
ノイシュ:皇帝! 何やってるんですか!
皇帝:ノイシュ、お前こそシーフだろう?
ノイシュ:だって皇帝が先に行くからですよ。
ナイア:先に皇帝を行かせたのはノイシュだと思う。
落とし穴から這い出てくる皇帝。ポメロ少年は見失ってしまったが、足跡を追跡するのは難しい事ではなかった。
ナイア:油断していましたね。
ノイシュ:トラップがあるとは思わなかったな(笑)
皇帝:ノイシュ……。
ノイシュ:うぃ、足跡だね。まかせてくれ!
皇帝:いや、それもそうだが……お前が先頭を行け(笑)
ナイア:うん。
ノイシュ:何!? それは俺に捨て駒になれっていう事!?
皇帝:だからお前はシーフだろうが!

◆Middle04◆皇帝不闘

足跡を追って森を進む皇帝一行、すると目の前には切り立った崖(傾斜角40°ぐらい)が現れ、見ればその頂上にポメロ少年が待っていた。
GM:坂の距離は30m、さらに少年の近くにはエネミーが2体浮かんでいます。
ナイア:エネミー識別(コロコロ)……16です。
GM:フェアリーだね。風の精霊で蝶の羽を生やした小さな女の子です。それが2体いる。
ナイア:さっきの魔法を放ったのはこの子達ですね。
皇帝:フェアリーは少年を守っているのか?
GM:そんな感じですね。見たところ少年の仲間っぽいです。
皇帝:ふむ。
ナイア:ノイシュこの坂を調べて下さい。なにか怪しいです。
ノイシュ:ヤダよ! なんかフェアリー達、こっちが坂道登るの待ってるみたいだし!
皇帝:ガツンとグングニルの柄で一発!
ノイシュ:いてっ!(笑)
皇帝:シーフがトラップ探知を拒否してどうする!
ナイア:もっともな意見です皇帝。
ノイシュ:うう……反論できねー。
反論してどうする。
ナイア:安心しなさいノイシュ、専守防衛で守りますから。
ノイシュ:そ、そうかわかった。行ってみる。
皇帝:それは向こうが攻撃してこない限り、こっちも攻撃しないという事だなナイア。
ナイア:………………。
ノイシュ:せめて答えてよ!(笑)
ノイシュが恐々調べてみると、その坂道は行動ごとに敏捷判定が必要で、難易度13に失敗すると[転倒]してしまう事が発覚する。[転倒]すると起き上がるまで全ての判定にマイナス1D6されるのだ。
ノイシュ:と、いう感じです。フェアリー達は30mギリギリに近づいても何もしてこなかったです。
皇帝:ここは話し合いだな――少年の横に飛んでいるフェアリーよ。お前達は何だ?
GM:「あんたこそ何よ! えっらそーに!」
皇帝:我は至高の皇帝だ!!!
GM:「しこうのこーてー? 何それ? わたしそんなの知らないもーん!」
皇帝:おのれ! 我を愚弄するか!!!(一同爆笑)
ノイシュ:ちょ、ちょっと皇帝!? 話が余計にこじれるって!!(笑)
皇帝:むう、実は我もそう思った。止めてくれて感謝する(笑)
GM:フェアリー達は言います――「もういーよ! 人間なんて怖くないもんね! みんなやっちゃえー!」――と皇帝達の後ろ5m付近から、ポメロが4匹現れます! こっからは戦闘です。行動値順に解決していきます。ポメロの行動値は2、フェアリーは4です。
ノイシュ:俺は8だよ。
ナイア:マスケット銃が重いから私は2です。
皇帝:我も8だな。
ノイシュ:皇帝、先にどーぞ。
皇帝:グングニルを地面に突き刺し、槍から手を放してフェアリーにもう一度叫ぼう――我はキミ達に攻撃しない。信じて欲しい。
GM:では2匹のフェアリー達が不思議そうに顔を見合わせる。
ノイシュ:次は俺だね。(コロコロ)……ポメロに接敵して命中9。
GM:(コロコロ)……それは回避した。
ノイシュ:ちっ!
皇帝:何やってんだノイシュ!!!(一同爆笑)
皇帝の交渉が台無しである。
GM:「人間はやっぱ嘘つきだーーー!」とフェアリー達(笑)
皇帝:ノイシュ……貴様……。
ノイシュ:だってエネミーですよ? 俺達冒険者はこういうモンスターを倒すために存在するんですから、見たら殺っとかないと!
ナイア:冒険者として正統な意見です。
皇帝:ぬぅ。
ナイア:とは言え私も攻撃しません。
ノイシュ:あ、ズリィ!!(笑)
その後、ポメロが4回攻撃をするも全て回避され次のターンへ。
皇帝:やはり少年を助けたい。しかしエネミー達も少年を守っているしな。ここは仁王立ちしたまま山のように動かない。待機だ。
ノイシュ:皇帝、皇帝、エネミーを全滅させれば少年は解放されますって!
皇帝:だからエネミーは少年の友達っぽいから殺すのは止めろと言っているだろう!
ノイシュ:まぁいいや、自分の作戦を実行します!
皇帝:だったら最初から我に聞くなお前は!!(一同爆笑)
ノイシュ:いや、一応皇帝は立てないと(笑)(コロコロ)……ポメロに命中10!
皇帝:避けろポメロ!
GM:(コロコロ)……11で避けた(笑)
ノイシュ:なんでポメロに避けられるんだ!?
皇帝:我が避けろと言ったからだ!(笑)
ノイシュ:皇帝〜!
ナイア:フェアリー達は待機しているのですよね?
GM:そうです。
ナイア:ならマスケット銃を撃ちます。当てはしません。フェアリーはたぶん≪エアリアルスラッシュ≫の射程である20mに入ってくるのを待っているようですが、こっちには射程70mの攻撃手段がある事を知らしめます。パァンッ!と撃ちました。
GM:ではフェアリー達は驚きます。そのまま待機だった行動でフェアリーは10m飛行しながら坂を下ります。少年の頭上ポメロは大慌てです。少年は仏頂面のままです。
ナイア:あのポメロが少年の感情を代弁している?
皇帝:次は我だな…26m進む! 坂を登るぞ!
※解説6 「移動」
 移動する際にはキャラクターの移動力分移動する事が可能である。皇帝の場合なら13m基本で移動できる。戦闘時にはマイナーアクションとメジャーアクションがあり、その両方を移動に費やす事で、それぞれ移動力分移動でき、皇帝ならマイナーで13m、メジャーで13m、計26mの移動が可能なのだ。
GM:ではトラップの坂道(滑る床)だから敏捷判定で難易度13です。
皇帝:(コロコロ)……12! しまった!?(笑)
GM:転倒します。全ての判定にマイナス1D6ね。
皇帝:ここで転ぶのは格好悪いから、一生懸命に走っている事にしよう。滑ってて全く進まないがな(笑)
ノイシュ:いや、どっちにしろ馬鹿っぽいよ皇帝(一同爆笑)
ナイア:ノイシュ、≪ジョイフル・ジョイフル≫でもう一度皇帝に動いてもらったら?
ノイシュ:あ、そうか。バードの技能でそんなのあったな…え〜と……。
※≪ジョイフル・ジョイフル≫――バードのスキルで行動済みとなったキャラクターを、もう一度未行動状態にするものである。
ノイシュ:駄目だ、射程が20mって書いてある。
皇帝:くっ、20m近づいた所で終了しておけばよかったか。
ノイシュ:でも次は俺だ。マイナーで皇帝のいるところまでは無理だっけ?
※解説7 「エンゲージと離脱」
 敵とエンゲージ(接敵)している場合、そこから離脱するにはメジャーアクションで離脱を宣言しなければならない。戦闘行動などはメジャーアクションを消費する事で攻撃等が可能なので、離脱をするとそのターンの行動が殆どできなくなるのだ。
GM:ポメロ4体と接敵しているから無理だね。
ノイシュ:こりゃあ無理だね、皇帝頑張って下さい(一同爆笑)
ナイア:諦め早いわね(笑)
ノイシュ:いや、だって無理だし(笑)
皇帝:なぜ嬉しそうに言うノイシュよ。
ノイシュ:じゃあポメロに攻撃(コロコロ)……命中6!?
GM:(コロコロ)……避けた(笑)
ノイシュ:あ〜あぁ〜避けられちゃったよ皇帝〜(一同爆笑)
皇帝:だからなぜ嬉しそうにする!!(笑)
GM:さて、今回は皇帝に≪エアリアルスラッシュ≫が2回飛びます。(コロコロ)……って、1匹目がファンブルで自動失敗、2匹目が(コロコロ)……12命中。
皇帝:(コロ)……駄目だ、1Dしか振れないからあたる。
GM:では風属性の魔法ダメージ8点。魔法ダメージは精神力点しかダメージ減少なされません。
皇帝:きついな…物理なら問題なかったんだが……。
GM:次はナイアです。
ナイア:今回は容赦せずに撃ちます。狙いは皇帝にダメージを与えたフェアリーで(コロコロ)……命中10のダメージ15点。
GM:(コロコロ)……「きゃーー!」と命中、悲鳴を上げますが死亡はしません。そしてここでポメロ達は逃げていきます。フェアリーも頭上にポメロを乗せた少年も坂道の向こうに逃げていきます。
皇帝:ナイア、ノイシュ、追うぞ!!

◆Middle05◆皇帝追撃

そこは島の中心部に近い森だった。外周部とは違い鬱蒼と茂りジャングルの様相を見せていた。
GM:このジャングルにいる間はトラップのプールにいるのと同じ状態になります。【移動力】−2で、全ての判定にマイナス1D6です。
皇帝:またか……。
ナイア:蔦やらなんやらのせいですね。
ノイシュ:燃やしちゃわない?
皇帝:森ごと燃えて状況悪化だと思うぞ。
ノイシュ:じゃあ止めよう(笑)
GM:さて、全員危険感知を難易度12でやって下さい。
皇帝:(コロコロ)……クリティカル成功!
ナイア:……14で成功です。
ノイシュ:11で失敗(笑)
ナイア:先頭なのに……。
その瞬間だった。先頭を歩くノイシュの足元から巨大な葉っぱが一対現れ、ノイシュの姿を一気に飲み込んだ――
GM:バクンッ!
皇帝:食われたな。
ナイア:食われましたね。
ノイシュ:皇ー帝ー! とーけーるー!?
皇帝:ナイア。
ナイア:仕方ありませんね。(コロコロ)……ファイアーボール。
そして燃え盛る巨大食虫植物(ディオネス)を見つめる皇帝とナイア。
皇帝:植物ごときが。
ナイア:良く燃えましたね。
ノイシュ:俺のことを忘れるなよ!……一緒に燃えたじゃないか!
ナイア:忘れてはいない。知っててやったんだから(笑)
ノイシュ:なおさら悪いわ!!(笑)
そのまま追跡を続ける皇帝達、すると正面に洞窟らしい穴が見えてくる。洞窟の入り口には頭上にポメロを乗せた少年が待っており、皇帝達を見るとすぐに洞窟の中へと入っていった。
皇帝:誘っているのか?
ナイア:行くしかありませんね。
ノイシュ:さぁ皇帝、先にどうぞ(笑)
ナイア:あなたがシーフでしょう?
ノイシュ:いや、いささか自分のシーフとしての存在意義について疑問を感じてちゃって(笑)
皇帝:まぁいい、誘われている可能性もある。我が1人で先に入る。
ナイア:頑張って下さい。
ノイシュ:死なないようにね、トラップに気をつけて(笑)
そして本当に1人で洞窟に入っていく皇帝。
GM:少し進んだところで危険感知12をどうぞ。
皇帝:(コロコロ)……11で失敗。
GM:では次は敏捷12で判定してみて?
皇帝:(コロコロ)……13! それは成功!
GM:では皇帝は踏みとどまります。目の前で床がバカッと割れ、足元の小石がその落とし穴の中へ落ちて"ジュワ〜"と解ける。底は酸の水だ。
皇帝:危ないところであった。飛び越えられるか?
GM:敏捷判定の難易度13に成功すれば飛び越えられるよ。失敗すると落ちます。
皇帝:ふむ、行くか。
ノイシュ:って、皇帝戻ってこないの!?
皇帝:この程度で頼っていられるか! 敏捷(コロコロ)……12!
ノイシュ:落ちてんじゃん!!(一同爆笑)
GM:皇帝の足元ではシューシュー言ってます。毎ターン3ポイント、HPが減っていきます。
ナイア:洞窟の外でノイシュと話しています。今、洞窟の中で何か音がしませんでしたか?
皇帝:じゃあガラガラと足を踏み外した音が聞こえます。
ノイシュ:そうだね、行こう!
GM:では2人が洞窟へ入っていくのですね。そうすると洞窟の途中に落とし穴が開いています。
ノイシュ:落とし穴の中を見ます。
皇帝:穴の中ではシュワシュワ足を溶かされながら仁王立ちしている皇帝がいる(一同爆笑)
ナイア:皇帝大丈夫ですか?(笑)
皇帝:今の所問題無い。
ノイシュ:今ロープ投げるよ。
皇帝:……助かる(笑)
ノイシュ:片方を皇帝に投げて、もう片方を……洞窟の中だしなぁ……ナイアの銃にでも縛ろう。
ナイア:何言っているの? そんな事させない。あなたが引っ張ればいいじゃない。
ノイシュ:やだよ! 何でいつも俺が肉体労働なんだよ! おかしいじゃん!
ナイア:私は非力なエルダナーンだし。
ノイシュ:俺だって小さなフィルボルだよ!
ナイア:パァンッとノイシュをマスケット銃で撃ちます。
ノイシュ:それは避ける!
ナイア:避けるな。
ノイシュ:避けるさ!!!(笑)
ナイア:……本気でやるわよ。ズオォォーとファイアーボールを――
ノイシュ:あっ!?
ナイア:今更遅い。私に意見した事を後悔して――
ノイシュ:いや……と、ここで穴を覗く。皇帝の事忘れてた(笑)
ナイア:あ゙。
皇帝:いつか気付いてくれると、仁王立ちのまま我慢中だ(一同爆笑)
そして助けられた皇帝の第一声は――「ポーションを飲む」――だった。

◆Middle06◆皇帝決戦

洞窟を抜けた先は花畑などが美しい島の中心部だった。湧き出る泉から美しい水が流れ、木立は風に揺れ、蝶や花びらが舞っていた。
GM:そして奥に頭にポメロを乗せた少年がいます。
皇帝:ついに追い詰めたか!
GM:そしてその少年の前になにやらエネミーが1体。
ナイア:エネミー識別(コロコロ)……15!
GM:魔族ハゲンティです。
ナイア:魔族!?
ノイシュ:皇帝、なんか強そうなのいますよ?
※解説8 「魔族」
 魔族とは邪神が作り出した直属のエネミーである。その知力、魔力、力は他のエネミー達とは別格である。PCのボス的存在としてベーシックに存在している。
ナイア:ハゲンティのレベルは6です。錬金術師の魔族です。
皇帝:今度は遠慮しないで良さそうだな。
GM:「ふん、愚かな人間が本当にここまで来るか。よもやここまで来て引き返すことはあるまい?」
皇帝:無論。貴様のような輩を見つけたからには見逃すわけにはいかん。
ナイア:魔族よ、後ろの人間の少年…いっだいどうしたのです。
GM:「実験だよ。その材料だ……ここで死ぬお前達には関係の無い話だ」
ノイシュ:関係あるさ、だって俺達はここで死なないしね。
皇帝:そういうことだ。死ぬのは魔族、貴様の方だ。
GM:「……愚かな。自分と相手の実力差もわからぬか……」
皇帝:実力など関係無いな。我には負けられない理由がある。故に貴様に負ける事は無い。ぐるんとグングニルを回して構えよう。
GM:「負けられない理由か……そうだろうな、命より大切な理由はあるまい」
ノイシュ:皇帝の負けられない理由って名誉じゃん(笑)
ナイア:自分の命より名誉な人だしね(笑)
皇帝:馬鹿者、我の負けられぬ理由とは残してきた妻子の事だ!(一同爆笑)
爆弾発言である。
ノイシュ:奥さんいたのかよ皇帝!(笑)
ナイア:皇帝って18歳じゃなかったですか!?
ノイシュ:しかも妻子って子供ももういるの?(爆笑)
皇帝:そうか、我は18歳だった! ついつい皇帝って言葉から実年齢を忘れていた(一同爆笑)
ノイシュ:馬鹿じゃん(笑)
皇帝:いや、子供は今年生まれた事にしよう、それなら問題無い(笑)
ノイシュ:まぁなんでもいいよ。どうせここで死ぬつもりは無いし。
ナイア:同じく。
皇帝:よし、ギルド<至高の皇帝>…参る!!!
GM:「愚かな……背を見せ逃げれば苦しまずに殺したものを……」――と魔族は黄色い小ビンを皇帝達の周りに投げて割ります。小さな粉が巻き散ると、皇帝の足元から60体のキノコがニョキニョキ生えてきてエネミーになります。判別値は6。
ナイア:(コロコロ)……成功です。
GM:ペリクラというザコエネミー(モブ)です。能力的には弱いですが<インベナム>を使って毒を与えてくるのが厄介です。ちなみにモブなので60体いますが、6体扱いで戦闘します。
ノイシュ:ま、ザコが何体居ても皇帝の敵じゃないって!
ナイア:でも毒を受けた場合はポーション:毒消しか、アコライトの魔法がないと治らない。
ノイシュ:じゃあ毒消し飲めばいいじゃん?
ナイア:私は持ってない。
皇帝:我もだ。
ノイシュ:えっと……俺も持ってないよ?
一同:………………。
皇帝:かまわん! 一撃も食らわずに倒せばいいことだ! 我を信じていろ!
ナイア:さすが皇帝です。
ノイシュ:じゃあキノコは任せるね(笑)
皇帝:ああ、任せろ! ポメロを頭に乗せた少年よ! 良く見ておけ、これが本当の力奪われたとはいえ、かつて百人規模のギルドを束ねた至高の皇帝の力だ!
ノイシュ:おお、皇帝が本気に(笑)
GM:では戦闘に入りましょう。<至高の皇帝>ギルドの3人と地中から湧き出したペリクラ60体(6体扱い)は同じエンゲージとします。そこから20m離れた所に魔族がいる。魔族ハゲンティの行動値は14、ペリクラは3!
皇帝:くっ、魔族の方が早いか。
GM:魔族は何もせずに行動終了。ペリクラ60体相手にどう闘うか見物だからな。
ノイシュ:皇帝! あいつ余裕ぶってますよ!
皇帝:ああ、わかっている。あの余裕を一瞬で吹き飛ばしてやる。次は我の番だな? ≪スマッシュ≫使ってダメージ+6! さらに≪ブランディッシュ≫を使って攻撃を範囲攻撃に変更! ペリクラ60体を吹き飛ばす!(コロコロ)……命中13!
GM:(コロコロ)……1部隊だけ回避した。あとは命中。
皇帝:ダメージが(コロコロ)……22!
GM:なッ! 5部隊が消滅した(笑)
ノイシュ:次は俺だ! 皇帝もう一度! ≪ジョイフルジョイフル≫を皇帝に!
皇帝:では返す槍でもう一薙ぎ! (コロコロ)……10命中! ダメージは14点!
GM:(コロコロ)……無理だ。魔族が――「馬鹿な! 60体のペリクラが一瞬で全滅だと!?」
ナイア:驚くのはいささか早すぎですよ……≪ファイアーボール≫を撃ちます(コロコロ)……命中は18です。
GM:(コロコロ)……回避16! 駄目だ命中した!
ナイア:≪マジックフォージ≫を使用、さらにフェイトを2点使ってダメージは6D6で(コロコロ)……24点!!
※解説9 「フェイト」
 フェイトとはPC達の持っている運命に関与する力である。使用すればダイスを振る際に使用した分だけダイス数を増やす事が可能である。ちなみに一度に使用できるフェイトの数は、そのPCの【幸運】点までである。フェイトにはこのようなダイスブースト以外に、判定に失敗した時、フェイトを一点使う事で一度だけその判定を振り直す事ができたりもする。
GM:ではナイアの火球が驚愕していた魔族を直撃する! ゴウゴウと炎をが吹き荒れる!
ナイア:皇帝だけが強いと思ったら間違えです。
ノイシュ:あ〜〜俺も活躍したいなぁ(笑)
皇帝:ノイシュ、まだまだ残念がるのは早いぞ……魔族よ、よもやこれで終わりという事はあるまい。
GM:ご期待に答えよう。ゴウゴウと燃え上がる炎が蒸発するかの如く消えうせる!――「どうやら、久々に骨のある人間どものようだ……いいだろう、我が錬金術の成果…身を持って知るがいい!」――次のターンです。魔族は10m近づいて懐から小ビンを取り出すと、それを皇帝達のエンゲージに投げつけます(コロコロ)……命中は17。範囲攻撃だから全員回避してね。
皇帝:(コロコロ)……10で失敗だ。
ナイア:……9です。
ノイシュ:俺は17だ! 対応側優勢だから回避した!
ナイア:さすが≪バタフライダンス≫で回避を3D振ってるだけありますね。
ノイシュ:曲がりなりにもシーフだい(笑)
GM:では小ビンが大爆発を巻き起こし、皇帝とナイアは巻き込まれます。ダメージは7D6なので(皇帝:7Dだと!?)(コロコロ)……期待値か、23点の物理!
皇帝:防護点で引いても残りHPが14か……アコライト不在が痛いな。
ノイシュ:それよりナイアは大丈夫?
ナイア:HPが21で物理防御が4点です。ギリギリ2点残っています。フェイトを使って回避すれば良かったですね。
ノイシュ:れ、冷静に言うなぁ…ヘタしたら一撃で死んでたじゃん!?
ナイア:今生きている私がいる、そして皇帝もあなたも倒れていない。なら何も問題はない。
皇帝:ああ、その通りだ。次は我の行動だな。マイナーアクションで魔族の場所まで移動! メジャーで攻撃! フェイトを3点命中につぎ込む! クリティカルよ来い…クリティカルよ(コロコロ)……よし! クリティカルだ!!!
ノイシュ:さすが皇帝!!!(笑)
※解説10 「命中時のクリティカル」
 命中でクリティカルを出すと、相手がクリティカルをしない限り絶対命中である。そればかりか、その後のダメージ判定時にボーナスが付く。命中時に6が出たダイスの数だけ、ダメージ判定時にダイスがブーストされるのだ。
皇帝:さらに1シナリオ1回の≪ボルテクスアタック≫も次ぎ込んで、ダメージは6D6+9!(コロコロ)……33点!!!
GM:ぐッ…なんか異様にHPの減りが早い(笑) 皇帝の槍が魔族の脇腹を貫く! 口から血を流す魔族! だが――「この程度で…死ぬ魔族がいると思うな!!!」
皇帝:くそッ…次にあの小ビン爆弾を食らうとまずいのに、これでも倒れないのか!
ノイシュ:皇帝諦めんな! あんたがやらなきゃ誰がやる! ≪ジョイフルジョイフル≫!!
皇帝:ああ、その通りだ(コロコロ)……命中13!
GM:舐めるな! こっちは基本で回避値7もあるんだ(コロコロ)……14で回避! 皇帝が槍を抜いて再び攻撃しようとすると、魔族はガッシと脇腹に刺さった槍を握って放さない!
皇帝:基本で7か…命中にフェイト使わないと当たらん! 我は命中が3しかない(笑)
ノイシュ:こ、皇帝!?(笑)
GM:次はナイアだ。
ナイア:敵の攻撃は射程20mだからマイナーで距離をとりたいけど……――
ノイシュ:それでいいんじゃない? 離れてマスケット銃で撃てばいいし。
ナイア:マスケット銃だと命中が2しかない。……ここで保身に走るのは良く無い。今ここであの人を失う訳にはいかない! 最高の実験材料なんだから!
皇帝&ノイシュ:実験材料かよ!!!(一同爆笑)
ナイア:私がそう思っている事は秘密です。なのでさっきのセリフは私の心の叫びだと解釈して下さい。
ノイシュ:皇帝、あの女が一番怖いです!!(笑)
皇帝:うむ、ノイシュがかわいく見えるぞ(笑)
ナイア:では攻撃します。このまま≪ファイアーボール≫(コロコロ)……命中は17!
GM:(コロコロ)……低いな、12しかない。
ナイア:ダメージにはフェイトを1点使って(コロコロ)……13点。
GM:4点だけ通ったね。
ナイア:さすが魔族ですね、魔法防御が高い。
皇帝:次のターンか……あの小ビン爆弾か……来るなら来い!!
GM:「ふッ……」
皇帝:何がおかしい。
GM:魔族は槍を握ったまま、もう片方の手で小ビンを取り出します。――「至高の皇帝とか言ったか……貴様の名を聞いておこう」
皇帝:いいだろう。我が名は至高の皇帝ハディス=メイヨール! 死への駄賃だ覚えておくがいい。
GM:「そうか……ならばハディスよ……貴様の絶望した顔を観察するとしよう」――小ビンを"ノイシュとナイアのいるエンゲージ"へ投げます!
皇帝:なに! 我じゃないのか!?
ノイシュ:あれって俺も一発食らったら死ぬかも知れないのにーー!!
皇帝:貴様!!
GM:魔族は槍を放さずニヤリと笑おう。(コロコロ)……命中は21!
ノイシュ:さっきより高いじゃん!
GM:何を言う、これでも期待値だぞ。
ナイア:私はこの事を予想してフェイトを2点残してあるから、これを全部つぎ込んで回避(コロコロ)……21! ギリギリ避けた!
ノイシュ:そうか、俺フェイト余りまくってるじゃん! 3点使って回避が6D6+5(笑)(コロコロ)……23で回避! 余裕余裕! 皇帝、こっちの事は気にしないで遠慮しないでやっちゃって!(笑)
ナイア:私はもう駄目、次の皇帝の一撃で決めてくれないと死亡すると思う。
皇帝:心配するな。次で決める! マイナーで≪スマッシュ≫使用! さらにフェイトを3点…いや2点使って(コロコロ)……やばいか、18命中だ!
GM:(コロコロ)……駄目だ17回避。
皇帝:よし! グングニルを脇腹から引き抜いて止めとばかりに胸を狙う!
ノイシュ:俺も≪ディスコード≫を皇帝に使う! 皇帝のダメージに1D6追加! 演奏はクライマックス!(笑)
皇帝:我に相応しい曲でな(笑) さらに残しておいたフェイト1点を使って4D6+15(コロコロ)……30点丁度!
GM:9点引いて……駄目だ。死んでしまった。せめてナイアぐらい道連れにしたかったのに。
皇帝:「至高の皇帝の名、地獄の果てまで持っていくがいい」
GM:「お…の…れ……魔族である私が……人間ごときに……」
ナイア:相手がただの人間ではなかった。それに気がつかなかったのはあなた…。ただ、それだけよ。
GM:「ふっ……言っテ…くレ……ル……」――と魔族は消滅します。
ノイシュ:消えた?
皇帝:終ったな。あとは――

◆Ending01◆皇帝再臨

その少年はぶすっとした顔で皇帝を見上げていた。もっとも、少年の頭上にいるポメロがビクビク震えて少年の感情を代弁してはいたが……
皇帝:ナイア、ノイシュ…この少年をどうするべきか。
ノイシュ:連れて帰るしかないんじゃない? ここであの魔族に実験だか研究だかで飼われてたみたいだし。
ナイア:逆にあの魔族がいなくなっては、この子は1人で生きていけない可能性もある。
皇帝:そうか……いや、そうだな。
ノイシュ:でも誰が育てるのさ? 俺達は冒険者だしこんな子供を連れて行くわけにはいかないしさ。
ナイア:神殿に預けるのが一番適切だと思う。
ノイシュ:ああ、それがいいかなぁ。
皇帝:……いや、この子は我がギルドで預かろう。
ノイシュ:はぁ!? 何いってんのさ?
皇帝:この我をジッと見つめる視線、物怖じしない性格、そしてなにより全てを見ても動揺しない強き心、まさしく後継者だ(笑)
ノイシュ:ただ単に感情を表す事ができないだけじゃない?
ナイア:感情は頭上のポメロが代弁してますから、相当少年は怖がっていると思いますよ。
皇帝:お前等の話は聞かん(笑) いくぞ少年、我はお前を気に入った。お前は我が後を継ぎ覇道を歩むのだ!
ナイア:ま、皇帝が決断したなら私は反対しませんよ。
ノイシュ:子供なんていたって絶対邪魔になるだけだって! だいたい皇帝には実の子供がいるんじゃなかったの?
皇帝:実の子供は娘なんだ。危ない橋を渡らせるわけにはいかん(笑)
GM:と、キミ達がそんな会話をしていると、北の方で恐ろしい勢いで暗雲が立ち込み黒い爆発が起こる! それは遠くから見れば暗黒ドームのような形状だね。
皇帝:ナイア、ノイシュ嫌な予感がする。すぐにこの島を離れるぞ!
ナイア:船のところまで戻らないといけませんね。
ノイシュ:しょうがないから、子供をおぶろう。どうせ皇帝は抱っこしたりしないだろうし。
皇帝:うむ、任せる(笑)
ノイシュ:いいさいいさ、どうせこの子の面倒は俺が見る事になるんだよ(笑)
GM:あ、少年の頭の上にいるポメロはそのままついて来ます。
ノイシュ:いいよ別に、いてくれた方が感情がわかってやりやすいし。
皇帝:ではボートの所まで戻って船首に立つか。
ナイア:少年とポメロを預かって船尾に座りましょう。
ノイシュ:あ、ナイアずりぃよ! 俺が子供理由に楽しようと思ったのに!!!(笑)
その後、街へと戻って来た<至高の皇帝>ギルドだったが、1週間を過ぎても魔都ベルヴェへ探索に行った冒険者達は帰ってこなかった。確たる証拠は無いが噂ではあの日、トーリ島を包んだ暗黒ドームに飲み込まれたのでは無いか…との事だった。そして魔都ベルヴェ探索部隊の中、唯一生還したギルドとして<至高の皇帝>ギルドの名声はここより再び高まっていくのであった。
ノイシュ:皇帝、皇帝、これからどうするのさ?
皇帝:これからか?
ナイア:それよりノイシュ、あの子がなにかお腹空いたといっているわよ。ポメロがグーグー言っている(笑)
ノイシュ:そんなの俺に言うなよ、勝手になにか買ってあげればいいだろ!
ナイア:そういう雑用は従者の役目。
ノイシュ:なんで俺が従者なんだよ! それにお前にまでアゴで使われる筋合いは無いぞ!?
ナイア:後ろの方にいる少年を振り返って――ほら、ポメロが今度は騒ぎ出した。
ノイシュ:だーー! いったい何がどうしたんだよ! と少年の相手をしよう。皇帝だけでも手がかかるってのに(笑)
ナイア:では皇帝。最後は。
皇帝:うむ。ナイア、ノイシュ……参ろうではないか(笑)
アリアンロッドRPG
みっしょん00
『ロード・オブ・カイザー』 了

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