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アリアンロッドRPG
――母なる大地エリンディル。
4つの時代と3つの滅びを越え、この世界は平和な時代を迎えていた。
しかし妖魔達は滅びていなかった。魔族や邪神を蘇らせるべく彼等は再び活動を開始する。
――そんな世界で、自らの危険をかえりみない者達がいた。
世界の謎を、精霊の謎を、そして神々の手がかりを求めて冒険する者達――そう冒険者が!!!


みっしょん10:

ラスト・ライン


◆PrePlay01◆最後のレベルアップ申告を!

GM:ではアリアンロッドキャンペーン最終回を始めます!
一同:『おおおおお〜!!!』
フェイ:はいGM! 一つ質問があります。
GM:いきなりだね(笑)
フェイ:『経験値の持込みは可』って言われているから毎回注ぎ込んでいたけど……最終回って事で、遠慮せずに全部注ぎ込んで良い?
GM:それは素晴らしい案だね♪……却下します。
フェイ:駄目か(笑)
駄目に決まっている。
GM:上級職にギリギリならないように9LVで止めてくれ、頼むから(笑)
フェイ:了解しました。
オルフィ:じゃあ9LVに上げようっと……――
………………………………………………………………………………………………
GM:はい! じゃあフェイから申告して下さい!
フェイ:邪悪化侵食率が148点。
GM:そっちじゃないって!(笑)
フェイは魔族の脅迫を受け、邪神の瘴気が入った杯を一気飲みし、永続邪悪化の侵食を受けている。それがどこまで進んでいるかを数値化したのが『邪悪化侵食率』である。
マーナル:やばいですね(笑)
オルフィ:フェイ、あなたはどこへ行っちゃうのよ?(笑)
フェイ:もう糸の切れた凧状態だからなぁ……まぁそれはともかく、≪バッシュ≫を3LVにして≪パワーブレイク≫を取った。あとフェイトを1点上昇させた。
GM:了解、オルフィは?
オルフィ:私は≪ソアスポット≫を2LVに、あと≪コンシールアタック≫を取得した。
フェイ:どんどん闇の世界へ(笑)
オルフィ:邪悪化のフェイよりはマシでしょーが。
フェイ:おうっ!
マーナル:次は私ですね。ついに≪フレイムロード≫が5に! これ以上は上がらない。あとは≪ウィークポイント≫を取得して、フェイトも1点上げました。
GM:了解……最後パルン。
パルン:まずフェイトを1点上昇。それに≪ワンコインショット≫を3LVに、さらに≪ブレットレイブ≫を取得。
GM:OK! では最終回『ラスト・ライン』を始めましょう!!!

◆PrePlay02◆キャラクター紹介

フェイ=スレニオン
メインクラス :ウォーリア
サポートクラス:サムライ
年齢:17  性別:男  種族:ヒューリンとヴァーナ(猫族)のハーフ
身長:160cm  髪:深緑  瞳:碧  肌:肌色
レベル:9  フェイト:9  HP:79  MP:43

種族スキル:≪ハーフブラッド(アクロバット)≫
ウォーリアスキル:
≪ボルテクスアタック≫1/≪インヴィジブルアタック≫1/≪バッシュ≫3/≪オートガード≫1/
≪カヴァーリング≫1
サムライスキル:
≪トルネードブラスト≫1/≪スピリット・オブ・サムライ≫3/≪カタナマスタリー≫1/
≪トゥーハンドアタック≫4/≪ストライクバック≫2/≪トゥルーアイ≫1/≪コンバットセンス≫1/
≪パワーブレイク≫1

備考:
  かつてモンスターばかりが棲む孤島で唯一の人間として育った。しかし今より15年前、<至高の皇帝>ギルドにより孤島から人間世界へ連れ出される。孤島時代からの友であるポメロのソイ、冒険者になってから意気投合した親友のアルフを失い、失意の中、仲間のノアを自分の手で殺した。現在永続魔族化進行中。



オルフィ=メイヨール
メインクラス :シーフ
サポートクラス:ニンジャ(元サモナー)
年齢:15  性別:女  種族:ヒューリン
身長:156cm  髪:黒  瞳:灰緑  肌:白
レベル:9  フェイト:9  HP:51  MP:70(+90)

種族スキル:≪プロヴィデンス≫
シーフスキル:
≪ファインドトラップ≫1/≪ヴィジランテ≫1/≪リムーヴトラップ≫1/≪バタフライダンス≫1/
≪シャドウストーク≫1/≪ダガーマスタリー≫1/≪アンビデクスタリティ≫1/≪フェイント≫1
ニンジャスキル:
≪バーストブレイク≫1/≪イメージボディ≫1/≪トラブルセンス≫1/≪ソアスポット≫2/
≪コンシールアタック≫1
サモナースキル:
≪ファミリア≫1/≪サモン・ファーブニル≫1/≪サモン・アラクネ≫2/≪ブラッド・パクト≫1/
≪サモン・シームルグ≫1/≪マジック・サークル≫1/≪ハイサモナー≫1

備考:
  <至高の皇帝>ギルドマスターであるハディス=メイヨール(通称"皇帝")の実の娘。なにやら秘密を知ってしまい皇帝右腕の錬金術師の策謀でフェイと共に街に置き去りにされる。フェイとは幼馴染である。
  前回、フェイの友達の復活を願い、ソイとアルフが復活するも、どうやらアルフは敵だったようで……。



マーナル=ファゾル
メインクラス :メイジ
サポートクラス:セージ
年齢:27  性別:男  種族:ドゥアン(天翼族)
身長:176cm  髪:青  瞳:金  肌:白
レベル:9  フェイト:8  HP:42  MP:83

種族スキル:≪ウィング≫
メイジスキル:
≪マジックフォージ≫2/≪マジックブラスト≫1/≪ファイアボルト≫5/≪コンセントレイション≫1/
≪エアリアルウェポン≫1/≪マジックロック≫1/≪アースブレッド≫1/≪フレイムロード≫5
セージスキル:
≪エンサイクロペディア≫1/≪トレジャーマニア≫1/≪マジックオペレーション≫1/≪アトリビュート≫1/≪ウィークポイント≫1

備考:
  大金持ちを養父に持ったフェイとオルフィの兄的保護者……なのだが、家が没落してお金に困り出してから性格が破綻、金銭至上主義者と化す。美形な羽持ちで天使と見紛うばかりなのが勿体無い。
  金の為なら仲間を売るようなお人。今欲しいものベスト3は「豪邸」「宝石」「カネ」。



パルン=オーストリッチ
メインクラス :アコライト
サポートクラス:ガンスリンガー
年齢:23  性別:女  種族:ヴァーナ(猫族)
身長:161cm  髪:ピンク  瞳:金(時に紫)  肌:肌色
レベル:9  フェイト:9  HP:66  MP:52

種族スキル:≪アクロバット≫
ライフパス/異種族の親(魔族に育てられた):≪プロヴィデンス≫
アコライトスキル:
≪ヒール≫1/≪ブリンク≫1/≪ブレッシング≫1/≪ヘイスト≫2
ガンスリンガースキル:
≪キャリバー(魔銃クイーダ・オーレ)≫1/≪エクシードショット≫3/≪キャリバーマスタリー≫1/
≪スナイピング≫/≪ファニング≫1/≪フェイドアウェイ≫1/≪クイックドロウ≫1/
≪ワンコインショット≫3/≪デスターゲット≫1/≪ブレットレイブ≫1

備考:
  魔族に育てられ邪神に啓示を受けて冒険者になった……とは本人談。実際には怪しい方言を使う美食ハンター。だいたいその方言を喋る魔族がいるのか?という部分から疑問である。2本のシッポを持つ猫又らしい。
  邪神の啓示を受けフェイ達と行動を共にする魔族側のスパイ。最終回、どうなることやら。

◆Opening01◆マグドゥーラの姫

魔族レヴェナを倒した『碧い烈風』の面々だが、その一同に声をかけて来た人物に驚愕する。それは死んだと思っていたフェイの友、アルフとソイだった。アルフ達は禍々しいオーラを放ちながら去っていく、フェイに一言――「ラインで待ってるぜ」――と言付けて……。
GM:邪悪な雰囲気を纏ったアルフと、翼が生え黒くなったソイが消え、街に静寂が戻ります。
フェイ:なんで……何がどうなってるんだよ……アルフもソイも、あれじゃあまるで……。
パルン:魔族……やな。
オルフィ:パルン!!
パルン:ウチは事実を言ったまでや。こないな所まで来て、真実から目を逸らす訳にはいかんやろ?
オルフィ:う……。
マーナル:私は、広場の中心で十字架に貼り付けにされていた人を助けましょう。生きていればですが。
GM:その人は生きています。助けた事でいいです。
マーナル:大丈夫ですか?
GM:「ええ、ありがとう。あなた達が来てくれて助かりました……私はマグドゥーラの姫、サングリエルです」
マーナル:おお、あなたが!?
パルン:ウチが≪ヒール≫しとくで(コロコロ)……。
GM:では多少生気を取り戻します――「私を助けて下さった事にはお礼を言います。しかし、大変な事になってしまいました……」
オルフィ:あの…教えてくれますか? 魔族レヴェナはこの街で何を行っていたのですか? あのラインへ飛んで行った黒い欲望はいったい……。
GM:「あの魔族はフォモールの王を再び復活させようとしていたのです」
マーナル:フォモールの王を? ですが、あの王はすでに滅んだのでは?
GM:「はい、冒険者達の力でかの王は滅びました……しかしあの魔族は、私と私の作った魔杯リーアグナスを使うことで、再びかの王を復活させたのです」
マーナル:どういう事です? あなたと魔杯は、魔王を封印するために力を使ったと……。
GM:「そうです。かつて私は魔杯を作り、また私自身もフォモールの王の精神を封じる事で王の封印を行いました……しかし、あの魔族はそれを逆に利用したのです」
オルフィ:逆に利用?
GM:「はい。私を媒介に王の精神を呼び起こし、魔杯の力で復活に必要な邪気を集めた……そして――」――サングリエル姫が魔力を集中させると、空に映像が浮びます。それはラインの街なのですが、その周囲には数万のエネミーが展開しています。
オルフィ:街が!?
マーナル:妖魔の軍勢……まさか本当にフォモールキングが……。
GM:――と、映像がブツリと切れ、サングリエル姫が膝を付きます――「すいません……今の私では……これが限界……」
マーナル:無理はなさらないで下さい。ラインの危機は十分に理解できましたから。王が復活して妖魔が集ってきてる……。
パルン:状況は最悪やな。
オルフィ:行こうラインヘ。あそこには……私達の大切な人がたくさんいる。
マーナル:そうですね。おじさんも皇帝様も、私達を助けてくれた方がいますからね。
パルン:フェイはん?
フェイ:……ああ、行こう。こんな所でぐずぐるしてはいられない。

◆Opening02◆かつての約束〜回想〜

それはまだフェイがエネミー島から連れ出されて1年の月日が経った頃だった。
至高の皇帝はノイシュとナイアを連れ、ある街外れの民家へと来ていた。
GM:では最終回という事で、いったん回想シーンが入ります。
オルフィ:あ、良いね。凄いモチベーションが上がる(笑)
フェイ:小さい頃のかぁ……俺って喋れないんだよなぁ(笑)
GM:場面はフェイが皇帝に連れられ、皇帝の嫁さんの家にやって来た所です。皇帝の目的は嫁さんと実の娘を旅の仲間(ギルドメンバー)にする事です。
………………………………………………………………………………………………
マーナル:(ノイシュになって)『へぇ〜、ここが皇帝のお嫁さんが居る家かぁ……普通だね』
GM:至高の皇帝が言います――「貴様、愚弄する気か!」
マーナル:(ノイシュ)『えええ!? 別にそんなつもりじゃ……』
GM:と、ここでナイアが――「フェイ、ソイ、あなた達は外で待っていなさい」――皇帝達3人は民家へと入って行きます。
フェイ:じゃあ勝手に外をフラフラする。ソイを追うようにポテポテと歩いて行く。
GM:すると先に跳ねて行ったソイが、家の角を曲がった所で悲鳴を上げます――『ソイッーーー!!』
フェイ:「……!?」――ダッシュ!
GM:行くと、ソイが女の子――オルフィに捕まっています。
オルフィ:じゃあブニ〜と引っ張ってる。
GM:ソイは涙目です(笑)
フェイ:あうあう――オタオタ。
オルフィ:ん? 何よあなた。
フェイ:ソイを指差す。
オルフィ:何? これは私が見つけたの。だから私のものなの――ポーンポーン♪
ファーストインパクト……ジャイアニズム。
GM:『ソイッ♪ ソイッ♪』
フェイ:一生懸命、首を横に振る!
オルフィ:あははは、おもしろーい♪――ソイを高い高い。フェイなんて見ない(笑)
フェイ:涙流す(笑)
GM:ソイは『ソイソイッ♪』とちょっと楽しげ。
オルフィ:変な鳴き声だねキミ♪ そうだ! あなたの名前はソイにしよう。ね、素敵でしょ?
GM:『ソイソイッ♪』
オルフィ:気に入ったみたい(笑)
GM:フェイにはソイが――『最初からソイって名前だよ?』って言っているのが解ります(笑)
フェイ:あう、あおう――と言葉にならない声で。
オルフィ:ソイを胸に抱いて――ちょっと、まだ居たの? なんなのよ気持ち悪いわね。
フェイ:うう……――俯いて泣き出す。
オルフィ:じゃあね! 変な子――って、ソイを抱いたまま家に帰る。
人間の女の子にソイを取られ、なす術も無く帰ってきたフェイは、1人で皇帝達のベースキャンプ(つまりはテント)で、しょんぼりしていた。
フェイ:ソイを取られた……うう……。
GM:と、テントの所に皇帝達が帰ってきます。
フェイ:テテテーっとテントから出て、ノイシュに助けを求めよう。
GM:フェイが行くと、ナイアとノイシュと一緒に、皇帝の横には見知らぬ女性が一緒です。さらにその女性の横には、さっきの女の子がいます。
フェイ:パクパクパク(笑)
マーナル:(ノイシュ)『ああフェイ、紹介しますね。えっと……皇帝様の奥さんとご息女です。今日から仲間になって一緒に行動するから仲良くするんだよ?」
GM:奥さんは笑顔で会釈してくれます。
オルフィ:私はソイを抱えたまま睨んでよう。さっきの変な子だ……――って思いながら。
フェイ:ビクッ!!(笑)
マーナル:(ノイシュ)『――という方と、こちらのご息女はオルフィちゃんって言うんだ、フェイもちゃんと挨拶しないさい――』
フェイ:ナイアの影に隠れて警戒。
オルフィ:じゃあ私から話し掛けよう――ねぇ、あなたさっきの泣き虫でしょ?
フェイ:ううう……。すでに半べそだよ(笑)
GM:ソイソイッっと嬉しそうにソイは戻ってきます。
オルフィ:それは戻さない。暴れないよう締めてソイを抱えたまま――何よ、あなた言葉も喋れないの? 泣いてばかりいないで何か言いなさいよ!
マーナル:(ノイシュ)『オルフィちゃん、それが無理なんだよ。この子は生まれた時からエネミーと一緒に育ったせいで、どうも言葉を忘れているみたいなんだ』
オルフィ:へぇ……――珍しいモノでも見るみたいに――まぁいいわ。これから宜しくね、泣き虫君。
フェイ:うう……睨んでる。
オルフィ:ふんっ! て、思って――やっぱ変な子、じゃあね。行こうソイ――とソイを抱えて行っちゃう。

――返せよ!!

オルフィ:えっ? と立ち止まる。
GM:ナイアがガシャンと持っていた食器を落とす。
マーナル:(ノイシュ)『フェイが……フェイが喋った!?』
フェイ:そこで初めて口を開く。泣きながら搾り出すように――ソイは……僕んだ……返して……よ。
………………………………………………………………………………………………

それからの数年、至高の皇帝ギルドは少しずつ、しかし確実に仲間を増やしていった。
しかし、フェイやオルフィ並に小さい子供はいなく、2人は常に一緒だった。
ある晴れた日、皇帝達は森の奥深くにある遺跡へと調査に向かった。
フェイとオルフィは留守番組である。
GM:出会いから数年後、まだまだ子供のフェイとオルフィですが、その日は森の中のテントで生活班の人達とお留守番です。適当に森で遊んでいると思って下さい。
オルフィ:でも遊び相手はフェイとソイぐらいでしょ?
GM:そうですね。小さい子は2人だけです。そして2人が遊んでいると――
オルフィ:あ、私が迷子になるってことで(笑)
GM:了解です(笑) ではオルフィは迷子になりました。気が付くとフェイもソイも居ない。2人を呼んでみても返事は無く、薄暗い森が不気味に思えてきます。
オルフィ:子供なんだよね……すっごい怖いと思う。どこか大きな木の根元、洞っぽい所に座ってジッとしてる。きっとお父さんとかが迎えに来てくれるって思いながら。
GM:ではオルフィは1D6振ってみて?
オルフィ:(コロコロ)……4。
GM:4時間が経ちました。いつの間にか夜です。真っ暗闇。
オルフィ:一生懸命涙を我慢しながらジッとしてる――大丈夫、きっとお父さんが来てくれる。ノイシュだって私が居ないのがわかれば大騒ぎしてくれるはずだし、ナイアなら何か不思議な力ですぐに見つけてくれる……何より、お母さんが黙ってないわ。そうよ、だから大丈夫……大丈夫なんだから――とブツブツ洞の中で。
パルン:じゃあポツポツ……と雨が降ってくるって事で(笑)
GM:オルフィが気が付く頃には大雨になっています。さっきまで見えていた星も消え、森はますますをもって不気味に。まるで一生ここにいなくちゃいけないような気になってきます。
オルフィ:我慢できなくって叫ぶ!――お父さーーん!! お母さーーん!! ノイシューー!! ナイアーー!! うう……私は、ここだよーーー、ねぇ、誰かあーー、ねぇーー! きてよーーーー!!!――最後は涙声で。
少女の声は雨音に消され、次第に声も擦れて出なくなっていく。
雨音はさらに強さを増し、森の暗さは少女を閉じ込めるように深まっていく。
オルフィ:うう……どうしよう……誰か来てよ……私イヤだよ……死にたくない……会いたいよ……みんな……ううう…………。
その時だった。ガサガサと繁みが揺れたのは。
オルフィ:ビクッ! とする。
フェイ:じゃあ草をかき分けて顔を出します。
オルフィ:う……うう……フェイ〜〜!!!――抱きつく。それでワンワン泣いちゃう。
フェイ:普段見ないオルフィに驚きながら、いつも大人達が自分が泣いている時にやってくれるように、オルフィの頭をなでる。無言で。
オルフィ:うう……フェイ遅い!
フェイ:ビクッ! 条件反射(笑)
オルフィ:こういう時、男の子なんだからすぐに助けに来てくれないと駄目じゃない!!――泣きながら(笑)
フェイ:………………。ごめん。
オルフィ:待ってたんだから! もっと早く来るべきでしょ!
フェイ:………………。ごめん。今度はもっと早く来る。ごめん。
オルフィ:……もう、別に怒ってないわよ! 謝らないでよ!!
フェイ:じゃあ困った顔をしつつ……――ごめん。あ……。
オルフィ:だから謝るなって言ったそばから!――って言いつつ、笑い出す。
フェイ:俺もなんとなく笑おう。オルフィが元気になったみたいで安心だし。
………………………………………………………………………………………………
GM:フェイはテントまでの道を解っていいです。森とか自然の中はお手の物だろうし。
フェイ:育ちが育ちだしな(笑)
オルフィ:じゃあ夜の森を2人で歩きながら……あ、もちろん手は繋いでます(笑)
フェイ:俺が引っ張ってる感じかな。道解るし。でも雨降ってるんだよな……でっかい葉っぱを傘代わりにしてるって事で。
オルフィ:うん、一緒に傘に入りながら――ねぇフェイ、今度フェイが道に迷った時、その時は私がお手本を見せてあげる。
フェイ:お手本?
オルフィ:あなたが道に迷った時、絶対に見つけてあげる。それもあなたなんかと違って、すぐに見つけちゃうんだから!
フェイ:……でも、俺は道に迷わないぞ? 森に居ても怖く無いし。
オルフィ:怖いって言われて顔を赤くして、バシッっとフェイのお尻を蹴る。
フェイ:この頃からすでに暴力なのかよ!(笑)――痛っ!
オルフィ:何よ! それじゃあまるで私が怖がってたみたいじゃない!!
フェイ:ご、ごめん。
オルフィ:ふーーんだ! どうせ私は怖がりよ! フェイは何も怖いもの無くていいわよね!
GM:蹴られたのフェイは、1人傘からはみ出して雨の中。
フェイ:あう(笑)
オルフィ:私はツーンとそっぽ向く、葉っぱ傘を差しながら。
フェイ:じゃあ雨の中、消えそうな声で呟く――……あるよ。俺にだって怖いものが……。
オルフィ:それを聞き取ってフェイの方を向いて――何よ、言ってみなさいよ!
フェイ:雨に濡れながら俯いて――1人が……怖い。
オルフィ:え?
フェイ:ずっと……ずっと1人だった……ソイと出会うまではずっと……。俺は……1人が……凄い怖い……怖いんだ……と泣き出すかな(笑)
オルフィ:逆にオロオロしつつ、傘差してフェイの手を取って立たせる――ちょ、ちょっと、泣かないの! ほら、みんな待っているんだから早く帰りましょう? 夕ご飯だってきっと待っていてくれてるわ!
フェイ:オルフィ?
オルフィ:大丈夫、フェイは1人じゃないでしょ? 私も居るし父さんも母さんもノイシュもナイアもいる。それにソイだってずっと一緒じゃない! 違う?
フェイ:……うん……うん!
GM:じゃあその辺で、遠くからノイシュ達の声が聞こえてくるってことで(笑)
マーナル:(ノイシュ)『オルフィーーー!! フェーーイ!!!』(笑)
オルフィ:ね?――と笑顔で(笑)
フェイ:うん♪――俺も笑顔で頷き返す。

◆Opening03◆最後の戦いへ

サングリエル姫は、すぐにラインへ向かおうとする一行を止め、傷と力が回復してから出発するよう説得した。その間、サングリエル姫は再び街を幻影で閉ざし、何者にも不可侵の結界で覆う。
そして朝が来る。出発の朝が……――。
GM:もう、最終回ですからバンバン2人にシーン回します。パルンとマーナルはごめんねー(笑)
マーナル:構いません! 保護者として2人が頑張れるのなら、幾らでも応援します。
パルン:ウチは脇役やから、遠慮せんでいいでー(笑)
GM:では朝です。フェイが朝早く起きた時――
フェイ:いや、俺は最終決戦を控えて寝れなかったって事で。体を休めるため座禅とかしてるけど、ずっと意識はあった。
GM:了解です。そんなフェイの顔に朝日が……。
オルフィ:じゃあ邪魔しないように後ろに。
フェイ:すっと目を開けて――オルフィか?
オルフィ:邪魔……しちゃったかな?
フェイ:いや、眠れなかったからやってただけだし、別に構わないさ。
オルフィ:横に腰を下ろそう。体育座りで両腿を手で抱えるように。
フェイ:朝日見つめてる。
オルフィ:そんなフェイの顔を見つつ――フェイも変わったよね。
フェイ:何がだよ?
オルフィ:だって……最初会った頃は、何も喋らなくって泣いてばかりだったのに。
フェイ:なんだよソレ(笑)
オルフィ:強くなったって事だよ。
フェイ:ふん、お前に苛められ続けたからな。
オルフィ:何よソレ、嫌味?
フェイ:違うよ……――オルフィの目を見て――感謝してるよ、今の俺がいるのはオルフィのおかげだからさ。
オルフィ:ちょっと赤くなって目を逸らそう――な、何よ、改まって! いいのよフェイは、今度の戦いだって私がいるんだし、危なくなったら私が助けてあげるわよ!
フェイ:じっと見てから――いや、今度ばかりはそうはいかない。俺がオルフィを助ける。
オルフィ:え?
フェイ:GM、俺は邪悪化が後戻りできないレベルまで来ていると気が付いているのです。つまり俺には時間が無い……。悲壮感漂ってます(笑)
マーナル:ちなみに幾つ?
フェイ:158(笑)
オルフィ:フェイ?――心配そうに。
フェイ:また朝日に視線を戻して――オルフィ、この戦いに勝てたらさ、今度は世界中を冒険して回ろうぜ? できればその……2人で……さ。
オルフィ:え?……ますます真っ赤になって――な、何言ってるのよ!! そういうのは勝ってから言いなさいよ!――と、フェイに完全に背を向ける。恥ずかしくて顔向けらんない!(笑)
フェイ:約束するよ、オルフィは俺が守る。この戦いにも勝つ、絶対に。
オルフィ:フェイ……――振り向く。潤む瞳。
フェイ:オルフィ……。
マーナル:おおお!(笑)
パルン:なんでウチは寝てるんや!(笑)
脇役だからである。
オルフィ:目を閉じます。
フェイ:オルフィ……。
朝日が優しく2人を包む。
結界に覆われた街は、まるで世界が2人だけのもののように静かだった。
そして――
フェイ:……[碧星の髪飾り]をつける。
オルフィ:………………。重さに眼を開く。
フェイ:オルフィに似合うと思って買っておいたんだ。
オルフィ:あ、ありがとう……。
フェイ:よし、何が何でも勝つぞー!!と去る。俺退場で。
マーナル:なっ!
パルン:チキンや! あんたは勇者失格や!!
フェイ:うるせーー!!(笑)
オルフィ:私は髪飾りを見て――意気地無しなんだから……馬鹿……。

◆Middle01◆黒い旋風

丘陵を越え、今まさに眼下にラインの街を見下ろす位置までやって来て、フェイ達一行はその目を疑った。
マグドゥーラでサングリエル姫の遠目魔術で見ていたとはいえ、自分の目で見ると信じられなくなる。
GM:ラインが見える丘の上までやって着ました。
パルン:早っ! しかもウチ等の決戦前夜はカットかい(笑)
マーナル:まぁいいじゃないですか、どうせたいした事無いですし(笑)
フェイ:で、ラインが妖魔に囲まれてたってのは見たけど……実際は?
GM:ラインの街を囲むように黒山の妖魔だかりです。全員[エネミー識別]して下さい。
マーナル:≪エンサイクロペディア≫(コロコロ)……クリティカル!
GM:めんどいので全種類解った事にしましょう。ゴブリン(モブ)、フォモール(モブ)、バグベア(モブ)、トロール(モブ)、オウガ(モブ)が各1万ずつです。
マーナル:はっ!? そんなに!?
パルン:ぜんぶで5万の大群やないか!!
マーナル:……勝てるわけないですね。地下道とか別ルートを探しますか、ラインならありそうですし。
オルフィ:でもモブでしょ? フェイの≪トルネードブラスト≫で一発じゃない。
フェイ:無理だよ、エンゲージバラバラだろうし……あ、いや、≪エンゲージコントロール≫って使えるのか?
GM:無論、使えます。ただし代償は払ってもらいます。
フェイ:じゃあここは俺に任せて。
オルフィ:駄目よ!
マーナル:そうです。別の方法を探しましょう。わざわざ代償なんて払う必要ありません。
パルン:まぁとりあえず、その代償って具体的には何やねんな?
GM:邪悪化侵食値が+5D6増えます。
フェイ:ちなみにそろそろ教えて欲しいんだけど、この侵食値ってどうなるとヤバイの? 邪悪化しないって事もあるの?
GM:もちろん元に戻ることも可能です。ただし、このセッションの最後、侵食値の十の位を難易度に、【精神】ジャッジをしてもらいます。失敗した場合は邪悪化が完成です。
フェイ:フェイトは?
GM:使えます。
フェイ:現在160だから難易度16か。
オルフィ:フェイの【精神】は?
フェイ:【精神】判定の基準値は4だ。【幸運】が3だから、フェイト使っても5D振りが最大。
マーナル:5D6の期待値が17.5。それに4を足して約21ですか。
フェイ:ラスト戦闘までのシーン数は最低でも6〜8回はあると考えて……上昇幅は20〜30。侵食値180〜200……ここで≪エンゲージコントロール≫を使うと約+20は上がるから難易度20〜22。キツイな。
オルフィ:ほらフェイ、別のルートを――
フェイ:でもやる! こんな所で手間取ってられるか!
オルフィ:フェイ!!!
パルン:手を掴む――行かせてやりい。あの顔は……覚悟をしている顔や。
オルフィ:くっ……見守ろう。
マーナル:フェイ、気をつけなさい。
フェイ:歩きながら後ろに手だけ振っておく――大丈夫だ――と。
ラインの街を取り囲む軍勢。
その中の1匹が、無謀にもこちらへやって来る哀れな生贄を発見する。
街への突入命令が来ず、痺れを切らしているのは1人だけじゃない。
軍勢のほぼ全てが我先にと走り出す。
目標はただ1人。ゆっくりと歩いてくる人間の冒険者だった。
フェイ:身体の奥から邪悪な瘴気を沸きあがらせる! それが俺の刀に集り怨念のような風を巻き起こす!!
GM:その風に脚を止めるエネミー軍団だが、後ろから後ろから押されているため、その波は止まらない。
フェイ:上段に構えて斜めに2回斬り裂く!――≪エンゲージコントロール≫≪トルネードブラスト≫!――対象はシーンに登場している全てのエネミーだ!!!
GM:OK! 全ての軍勢が一瞬で崩壊する。
フェイ:俺が刀を振るうと共に、黒い竜巻が巻き起こって全てを薙ぎ払っていく。後には累累たる死体の山と、Vの字型にラインの街だけを外した2筋の剣跡が残る。
GM:ではフェイは5D6を。
フェイ:(コロコロ)……くっは! 20も増えた。
マーナル:しかし……今の敵だけで今日の経験値が13万点ですよ。4人で割っても1人3万点。
GM:どうせ最終回だし、幾らあげたって今日で終わりだから怖くない(笑)
オルフィ:私はフェイの力に愕然として――なに……あの力は……。
パルン:邪神の力やな……せやけど、あれじゃあもう……。
フェイ:1人、敵が全滅した場所で立っていよう。
マーナル:私は普通に声をかけましょう――やりましたねフェイ。さぁラインの街へ戻りますよ。
フェイ:あ、ああ……そうだな――実は自分自身で信じられない程の力に驚いてる(笑)

◆Middle02◆偽りの街

街の中は驚くほどに静かだった。人々の気配はあり、少なくとも街の人間は家に閉じこもっている事は解る。家々が壊れた様子もなく、街を囲んでいたエネミー達の侵入はなかったようだ。
GM:すっごい静かです。人の気配はしますが、通りを歩いている人はいません。
マーナル:近くに人は居ないのですか?
GM:そうですね……では街の門を守護する衛士が、門の近くに作られた監視室で、もくもくと1人でサイコロを振っています。
マーナル:コンコン……って窓を叩いて――すいません、ちょっと良いですか?
GM:男はちょっと不機嫌そうな顔をしてから窓を開け――「なんだ、今チンチロチンの練習してんだ。邪魔するなよ」
マーナル:それは失礼しました。それより何か変わりはありませんでした?
GM:「変わり? そりゃあるさ。街をエネミーに囲まれて出るに出られないって事と、王城が魔族だか何だかによって爆破されたって事ぐらいか」
マーナル:ええ!? 城が!?
GM:「ああ、そうだよ。それよりせっかくだ、勝負しよう。チンチロリンで良いよな? 俺は好きなんだ……じゃあまず――」
マーナル:逃げます。そして合流。
GM:では合流できました。
マーナル:さっきの爆破について説明します。とにかくこの状態は異常です。エネミーに囲まれたり王城が爆発したって言うのに、何か街の人々が無関心な感じというか……。
オルフィ:マーナル、私とフェイは小鹿亭を見てくるよ。
マーナル:解りました。では私とパルンは王城へ行ってみます。
パルン:せやな。
フェイ:じゃあ後で……2人とも、気を付けて!
………………………………………………………………………………………………
GM:では先に王城に向かった2人ですが、確かに言われた通り、かつて王城があった場所には何も無くなっています。
マーナル:どんな感じで?
GM:何か爆発があった感じですかね。マーナルなら魔力的な何かの仕業だと感じます。
マーナル:魔術士の仕業でしょうか?
パルン:エレウォンド王が暴走したとか……。
マーナル:あ、それはありえますね……。とりあえず付近の人から、王様達がどうなったか聞きましょう。
その後、一心不乱に料理を貪っていた人から――『王様達なら脱出して旧王城に移った』――との情報を聞き出す。そして――
マーナル:旧王城に向かいます。
GM:では旧王城です。行くと門番に見たことのある騎士が立っています。
パルン:キルヒ副団長やな?(笑)
GM:その通り――「お前達、生きていたのか!」
マーナル:当たり前です。それより、何がどうなったのですか!!
GM:さっきまでと同じ内容です。あと、王城が爆発したのはキミ達がマグドゥーラに居た頃らしい。
マーナル:なるほど……。
パルン:キルヒはんは、ここで何やってるんや?
GM:「見て解らないか? 門番だ。俺は任務を受けたのだ。ここは誰も通さん!(笑)」
マーナル:まぁそれは置いておいて……どう思いますパルン?
パルン:せやなぁ、旧王城のことも、街の人たちの事も、もしかしたらアルフが先回りしたんちゃうかなぁ。
マーナル:アルフ……――と、呟いてから走り出す――……フェイ達が危ない!!

◆Middle03◆パーティーの開始

旧王城。その謁見の間から街を睥睨し、この街の王と、その傍に経つ青年は言った。
「さぁ、パーティーの始まりだ」
GM:マーナルが小鹿亭に走っていくと、通りの向こうで小鹿亭から追い出される2人組を見ます。もちろんフェイとオルフィだ。
オルフィ:ええ!? アリアやバルドさんは居なかったの?
GM:居ました。最初はちょっとボウっとしているけど、普通に平和だと感じたのですが……いきなり豹変、アリアは冒険に連れて行けと強引に言ってきて、バルドは娘の悪い虫は許さないと怒り出しました。そして現在、2人はナイフや包丁を後ろから投げられ、店から慌てて逃げ出しました。
オルフィ:ちょ、ちょっとアリア!!
フェイ:バルドさん、落ち着いて! そんなモノ刺さったら死ぬから!!(笑)
マーナル:フェイ! オルフィ!!
オルフィ:ああ、マーナル!! もう何なのよ! いきなりみんな変になっちゃって!!
マーナル:解りません。しかし、アルフの仕業で街の人達全員が操られているのかも……。
パルン:そこらで合流。そして踊る小鹿亭を指差して――悠長に話している暇無いで〜。見てみぃ、仰山連れて来おったで〜。
GM:では小鹿亭からは割れたビンやフォークなどを手に、1階で飲んでいた人達がアリアとバルドを先頭にこっちに向かってきます。
フェイ:街の人達だし怪我させるわけにはな……。
マーナル:兎に角逃げましょう。作戦会議はその後です!
オルフィ:じゃあアリア達の方へ向かってお金を投擲!――チャリーン!
マーナル:ああ、勿体無い! キャッチ!(笑)
オルフィ:今のうちにダーッシュ!!(一同爆笑)
フェイ:じゃあダッシュ。
パルン:ダッシュやー!(笑)
マーナル:えええ!? みんなして私を置いていくのですか! 助けに来て下さいよ!!
マーナルを囮に逃げ出す3人。しかし裏路地を行こうと、街の人々は次々現れ立ち塞がる。
フェイ:どうなってるんだ!?
オルフィ:これじゃあキリが無い! せっかくマーナルに押し付けたのに、街中の人に追われるんじゃ意味が無いわ!
GM:ではここで、裏路地を走っているキミ達ですが、先頭を走っている1人が横から急に飛び出した腕に捕まれ隠し部屋へと連れ込まれます。
オルフィ:フェイが捕まった!?
フェイ:やっぱ俺かーー!(笑)
GM:まぁ隠し扉は解っていいです。
オルフィ:フェイ!――そこに飛び込む!
パルン:ウチもや! せめて味方でありますように(笑)
GM:ではフェイが最初に気が付くでしょう。その腕の主はランバック料理長です。
フェイ:ランバックさん!
GM:「とりあえず、キミ達は大丈夫のようだな」―― 一息ついて言います。
オルフィ:ランバックさんこそ正気なんですよね?
GM:「若い頃、ずいぶん鍛えたからね」
パルン:さすがランバックさんや、鍛えたの一言で済ましおったで(笑)
オルフィ:それで……あの、いったいこの街で何が起こったんですか!?
GM:「俺にもわからない。ただ、今の街の人々の雰囲気……ケストナー様の騎士が、前に暴走した時のようだ」
オルフィ:あの時の……つまり、街の人々が全員邪悪化?
GM:「かもしれない……だが、それならばその根源を断てばなんとかなるかもしれない。ただ、何を倒せと?」
フェイ:一瞬息を飲み込んでから――フォモールキング・エラザンデル。
GM:「なんだと!? 再びエラザンデルが復活したと言うのか!?」――と、言うと共に多くの人の足音が迫ってきます――「ちっ、見つかったか!」
パルン:別のドアから逆側に逃げるで〜!
オルフィ:ランバックさんも一緒に!
GM:別の扉を開け――「いや、キミ達が先に行け、ここは私が……今の私ではこの街を救え無い。キミ達だけが希望だ……旧王城へ迎え! 明らかに邪悪なオーラを発しだしている!!」
オルフィ:はいっ!
GM:キミ達が隠し部屋を出ると共に、後ろからはランバックの声、街の人々の怒号、そして『ソイッ♪ ソイッ♪』っと(笑)
フェイ:えええ!!(笑)
………………………………………………………………………………………………

旧王城へ向けて走りだす3人、途中、上空へ逃れたマーナルが合流する。
マーナル:酷いですよオルフィ!!!
オルフィ:今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!!
マーナル:まぁ、それはそうですが……。
パルン:≪ワンコインショット≫で部位狙い! 脚とか撃って脚止めしながら進むで〜!
オルフィ:なら≪サモン・アラクネ≫とかで私も足止め!
フェイ:GM、走りながら話すぞ。
GM:どうぞ。
フェイ:マーナル、街中が邪悪化しているってランバックさんは言ってたけど……どう思う?
マーナル:邪悪化ですか……しかし、普通の邪悪化の場合、浮んでくる邪念は憎悪だったり欲望だったり嫉妬だったり……つまりは様々なはずです。しかしこの街の人達は全員――
オルフィ:欲望。
マーナル:そうです。そして欲望で思い出すのは……欲望の女神マハディルグ。
パルン:そして魔剣ラインハルト……やな。
フェイ:そうか……アレを使っているんだな……アルフが。
マーナル:確証は持てませんが……9割方正解でしょう。
………………………………………………………………………………………………

逃げ始めてから数分、すぐに旧王城は見えてきた。
そこはラインの北。なだらかな丘の上に建っていた。
GM:旧王城が見えてきました。旧王城は丘の上に建っています。後ろを振り向けば、手に手に武器を持った街の人々が、ウツロな目をして丘を歩いてやって来ます。
オルフィ:本気で街中の人が敵だわこりゃ。
パルン:確か旧王城の門番はキルヒ副団長やったな? 悪いけどどいてもらうでー!!
GM:キルヒは――「止めれ! 何人たりともここは通さん!」
フェイ:キルヒさん! 今はそんな事言ってる場合じゃないんだ! 旧王城へ行かせてくれ!!
GM:「どんな理由があろうとも、私が受けた命はここを誰も通さぬ事、命令をこなす事こそ私の至福……誰にも邪魔はさせん!!」――シャキンッ!と剣を抜きます。
マーナル:任務遂行が欲望ですか……めんどくさい人ですね!(笑)
オルフィ:でも止まらない! そのまま進む!
GM:「ええい止まれ! 止まらないのなら!」――(コロコロ)……マーナルに対して切ってきます(コロコロ)……19命中!
マーナル:なんで私!?(コロコロ)……無理です!
GM:(コロコロ)……ダメージは低いな、26点。
マーナル:十分痛いですって!
GM:「通すわけにはいかん!」――そして、どやどやとやって来る街の人々、押し寄せてきます。
オルフィ:パターン的に言うと、マーナルが「ここは任せて」って言うべきじゃない?(一同爆笑)
マーナル:さっき小鹿亭でやったでしょうが! それも強制的に!(笑) もう嫌ですよ、普通に死にます!!
フェイ:じゃあキルヒさんには悪いけど……強引に通させてもらう! 強行突破!!!
GM:ではここは[封鎖]状態です。【行動値】で対抗判定して、キルヒに勝てば通り抜けられます。3回失敗すると民衆に追いつかれてボコられます。キルヒの【行動値】は14(コロコロ)……難易度20で!!
オルフィ:高い! でもこんな所で足踏みしてらんないのよ!(コロコロ)……21! 突破!
フェイ:フェイト1点使用……成功!
マーナル:フェイト使用で(コロコロ)……ギリギリ成功です。
パルン:ウチは使わずに普通に22で成功や!!

◆Middle04◆魔王城

旧王城の中はどんよりと空気が濁り、淀んでいた。
この城に自分達のほかに人間がいるのか?と聞かれれば、誰もが首を横に振るだろう。
それほどまでに、旧王城の中は瘴気に満ちていたのだ……。
フェイ:人の気配がしない……いるのは……エネミー達だけって事か。
GM:少なくとも周囲にはね(とマップを取り出す)。
オルフィ:長っ!(笑)
パルン:ダンジョン?(笑)
マーナル:これは往年の……魔王城って奴ですか?
GM:そのとーり! しかもちゃんとランダムエンカウンターで敵が出てくるから。
パルン:敵が出てくるんかぁ……これやとラスボスに到着する頃には、ボロボロになってまうで?
フェイ:それでも、選択肢は残ってないんだ。行こう。
マーナル:そうですね。敵が出てきても全て倒せば良いのです。
オルフィ:罠なら私に任せて、シーフの腕の見せ所なんだから!
パルン:ウチも今回は回復専念やろか。
そして、最終回ダンジョンの踏破に挑む一行。以下は魔王城(仮)を攻略中に出てきたエネミーの種類である。順不同だが、今回の戦いで基本ルールブックとファーストクエストに掲載されているエネミー。その全種類と戦った事になる。
アースエレメンタル:2LVアイアンゴーレム:3LV イーグル:2LV
ウォーターエレメンタル:2LVウッドゴーレム:1LVウルフ:2LV
エアエレメンタル:3LVオウガ:4LVガーゴイル:3LV
キマイラ:5LVギルマン:1LVギルマンアーチャー:2LV
ギルマンチーフ4LVギルマンメイジ:2LVグレムリン:2LV
ゴブリン:1LVスケルトン:1LVスティールゴーレム:4LV
スライム:3LVゼラチナスウォール:2LVゾンビ:2LV
ダークエレメンタル:5LVデュラハン:5LVトロウル:3LV
ハーピィ:3LVパイソン:3LVバグベア:3LV
ファイアエレメンタル:4LVフェニックス:8LVフォモール:2LV
ブロンズゴーレム:2LVベア:3LVペガサス:5LV
マンティコア:6傭兵:3LVルミナスエレメンタル:5LV

GM:――はい、ではフェニックスを倒すと、目の前にはやっと謁見の間らしき扉が見えます。
マーナル:やっと到着です。
GM:こっちもやる事は全てやりました。これで基本ルールブックと、ファーストクエストに乗っているエネミーは、このキャンペーン中に全種出しました(笑)
オルフィ:よくもそんなに……。
パルン:回復してええんか?
GM:それぞれメジャーを消費して行う回復を2回ずつ行って良いです。
フェイ:って言われてもなぁ、殆ど使い切ったし……みんなはあと何が残ってる?
オルフィ:私は万能薬1個しか残ってない。MPは使い魔がいるから余裕あるけど、HPは残り30点。フェイトはあと5点。
マーナル:私は毒消し2つと、ハイMPポーション2つと、ハイHPポーションが1つ。HPは残り12点、MPは残り54点、フェイトは残り6点です。
パルン:ウチも毒消し1つと、万能薬2つ、それにハイMPポーションが1つや。HPは66点でフルやけど、MPはほぼ0点や。フェイトは残り5点やな。
オルフィ:フェイのHPとかは?
フェイ:HPは60、MPは24だ。フェイトは6点余ってる……これは最後の≪蘇生≫使うか?
マーナル:それが一番効率良いでしょう。MPの方は、オルフィ以外の3人がハイMPポーションを飲むべきですかね。
オルフィ:うん、私は平気。
フェイ:じゃあ≪蘇生≫使用! これでHPは全員全快!
さらにハイMPポーションでMPを回復させる3人。
オルフィ:ねぇフェイ、ギルドスキルで残ってるのは?
フェイ:えっと……≪祝福≫が1回と、≪限界突破≫が1回。それで打ち止めだ。
マーナル:そろそろ後が無いですね。
パルン:それでも、≪祝福≫が残っているのは唯一の希望やな。
GM:では準備はいいかな?
一同:『OK!!!』
フェイ:謁見の間の扉を開いて中へ入っていく。

◆Middle05◆邪悪化エレウォンド王強襲

謁見の間。
フェイ達がその部屋に入った時、まず目にしたのは部屋の中心に立つエレウォンド王だった。
王は2本の脚でしっかりと立ち、威風堂々と身体中からオーラを発していた。
もっとも、それは瘴気と言う名のオーラであったが……――。
フェイ:エレウォンド王!!
GM:王はゆっくりをこちらを向きます。その白眼の部分は全て真っ黒。身体中から瘴気が吹き上げ、手には魔剣ラインハルトを握っています。
マーナル:やはり……すでに落ちていましたか。
パルン:もう公式NPCがどうこうって問題じゃなくなって来たで(笑)
GM:「我こそは王なり」
フェイ:何を……当たり前な事を……エレウォンド王! 街に欲望の瘴気を巻いたのも王ですね! どうしてそんな事を!!
GM:「我は王なり……しかし、我が名はエレウォンドに非ず」
オルフィ:非ず? じゃあもしかして……――
GM:「我が名はフォモールの王、エラザンデル。よくこの城のここまで来た。褒めてやろう。だが、それもここまでだ。なぜなら、お前達はここで……死ぬのだから」――魔剣を伝わり黒い炎が燃え上がる。
マーナル:復活したエラザンデルに取り付かれましたか……。
パルン:でもなんで憑依してるんや?
GM:まぁぶっちゃけ、一度滅んだエラザンデルなので、頑張っても精神しか復活できなかった……って感じです。
パルン:GMからネタばらしや(笑)
マーナル:セージの私が説明しましょう。街の人達はエラザンデルの魔力で邪悪化したのでしょう。なら、奴を倒せば……。
オルフィ:アリア達は元に戻るんだよね。
マーナル:そうです。
GM:「くっくっくっ……この肉体はこの国の王のものだ。我を斬ると言う事は、この王も斬るという事……貴様ら人間にそれが出来るかな?」
フェイ:正直、それは出来ない……けれど、お前を倒してエレウォンド王を元に戻す事ならできる!!!
GM:言い切るかキミは(笑)
フェイ:確かエラザンデルってフォモールの王で、邪神から瘴気を貰って強くなったんだよね? なら俺と同格のはず……同格ならきっと何とかできる。
GM:その推測は悪くない。ただ、フォモールキングを倒せたらの話だ!――「愚かな人間どもよ。我はフォモールの王! 三眼の魔王エラザンデル!! 貴様ら矮小な人間ごときに倒せる存在では無いわ!!!」――ドッと黒い魔力がエラザンデルを中心に渦を巻きだす!
オルフィ:そんなの! やって見ないと解らない!!
マーナル:そうです。人間の力、舐めないで貰いましょう。

――1ラウンド

GM:では戦闘開始です。こちらの行動値は28ですが、人間を舐めているので最初は待機です。しかしそれと共にイベントが入ります。エラザンデルは急に苦しそうな顔をして――「グハァ…出て来るな…」――そして顔を上げると、それは優しくも威厳ある瞳だ。
オルフィ:王様!!(笑)
GM:「……今だ……お前達……このまま私を……切れ」
フェイ:了解!(一同爆笑)
GM:簡単だな、おい!!
フェイ:すでに1人殺った! こうなったら1人も2人も変わらん!!(笑)
マーナル:その考え方は危険ですよフェイ、反省しなさい(笑)
GM:とりあえず、こっちの[回避]は常に0です。出目でクリティカル以外は避けれないと思っていいです。
オルフィ:ありがとうエレウォンド王♪ じゃあ私ね、マイナーで接敵! メジャーで≪フェイント≫(コロコロ)……20命中!
GM:(コロコロ)……当たり。
オルフィ:(コロコロ)……20点物理!
GM:キンッ!
オルフィ:キンッ? 効いてない?
GM:鎧に弾かれました。
オルフィ:物理ダメージじゃ無理なの!?
パルン:次はウチや! 遠くから撃つでぇ!(コロコロ)……16命中の(コロコロ)……ダメージは26点や!
GM:む、少し来たか。次はフェイ。
フェイ:マイナーで接敵、メジャーで≪バッシュ≫(コロコロ)……19命中!(コロコロ)……47点ダメージ!
GM:ちょっとよろめく。
マーナル:≪ファイアボルト≫(コロコロ)……命中はした、ダメージは(コロコロ)……53点。
GM:王様がもうHP半減だ。しかし、待機したこっちの番だな――「ほう、人間にしては良くやる……だが」――マイナーで≪スマッシュ≫使用、メジャーで≪ブランディッシュ≫の全体攻撃(コロコロ)……23命中。
フェイ:フェイトを2点消費!(コロコロ)……23で回避!
オルフィ:……私は無理。
GM:ダメージは(コロコロ)……67点!
オルフィ:≪サモン・アラクネ≫(コロコロ)……8点軽減! 防護点が11だから……いきなり残りHP3点!(笑)
フェイ:オルフィは後ろに下がってろ! 前線は俺1人で良い!

――2ラウンド

フェイ:≪コンバットセンス≫で最初に行動! ≪インビジブルアタック≫≪バッシュ≫を組み合わせて(コロコロ)……命中23!
GM:「おのれ人間の王が!! 脚が……脚が動かん!!!」――と当たります。
フェイ:(コロコロ)……44点ダメージ!
GM:「ふははははは…その程度か? その程度の力で我に歯向かうか?」――さっきと同じく≪スマッシュ≫≪ブランディッシュ≫(コロコロ)……28命中!
フェイ:(コロコロ)……14、当たる。
オルフィ:フェイト1点使って(コロコロ)……クリティカルで回避!
GM:ダメージが(コロコロ)……1、1、1、1、2、駄目じゃん。
オルフィ:エレウォンド王が軌道を逸らしてくれたんだ(笑)
GM:ダメージは58点。
フェイ:くそっ……さすがに一撃一撃が桁外れに重い……持久戦は不利だ。
オルフィ:私は後列に後退。ただパルン達とは違うエンゲージにする。
GM:了解。
パルン:≪ギルドスキル≫が無い今、[戦闘不能]は致命的や……フェイはんを回復させておくで≪ヒール≫(コロコロ)……51点回復。
フェイ:よし、マックス行った。
マーナル:遠慮せずに≪ファイアボルト≫(コロコロ)……命中18! ダメージは(コロコロ)……47点の炎!
GM:マーナルの炎に包まれたエラザンデルですが、ゆらりとその姿を現します――「さて、そろそろ1人ぐらい見せしめが欲しい所か……」

――3ラウンド

GM:では≪スマッシュ≫≪バッシュ≫で(コロコロ)……フェイ単体に35命中!
フェイ:35!?(コロコロ)……無理!
GM:ダメージ振るよ〜。
マーナル:10個も?
オルフィ:そのうち5個は1だから。
GM:馬鹿め〜(コロコロ)……なに、本気で5つが1だと!? それでも75点ダメージだ!
オルフィの予言恐るべし。
フェイ:17点残った。
GM:ちぃ、ダイス目さえ良ければ。
オルフィ:メジャーで隠密になる。終了。
パルン:MPが無い。ギルドスキルを!
フェイ:よし、ギルドスキル≪祝福≫!
パルン:それならできるで〜〜≪デスターゲット≫、フェイト1点注ぎ込んで(コロコロ)……18命中。
GM:(コロコロ)……ピンゾロ(笑)
オルフィ:本当に王様が助けてくれてる?(笑)
パルン:≪ワンコインショット≫にフェイト注ぎ込んで(コロコロ)……43点。
GM:その一撃で王様が倒れます。そして王様の身体から黒い影が抜け出し、エレウォンド王は――「まずいぞ……奴が……」
フェイ:奴が何ですか!?
GM:「奴は……奴は器を変えるつもりだ……」――ガクッ。気絶します。

◆Middle05◆猜疑の子アルフ

「よくやってくれた……さすがオレの親友だ」
謁見の間に声が響き渡る。
その声と共に、エレザンデルの黒い瘴気が玉座の周辺に集っていく。
そこにはいつの間にか声の主が立っていた。瘴気はその主を中心に収束し、やがて声の主の身体へと吸収される。
GM:エラザンデルの魂をアルフが吸収します。肩には黒い羽の生えたポメロ――「よくやってくれた……さすがはオレの親友だ」
フェイ:アルフ!!!
マーナル:どういう事です? まるで倒されて良かった……そんな口ぶりで。
GM:「俺は強さが欲しかった。このフォモールキングの力をな!」
フェイ:そんな力……人であるお前が使いこなせるものか!
GM:「こなせるさ、オレはお前と同じように……人間では無いのだから」――と、その瞬間アルフから圧倒的な瘴気が巻き起こる!! さて、皆HPはどのくらいかな?
フェイ:17。
オルフィ:4。
マーナル:マックス。
パルン:マックス。
GM:「フェイ。オレと一緒に来ないか? お前が覚醒すればオレより強くなれる」
フェイ:なぜ俺を誘う。
GM:「親友だからさ」――ソイも『ソイッ♪ ソイッ♪』
フェイ:うう。
GM:「知っているだろう? 人間達の中に居ても、お前は孤独だ。お前はオレ達と共にあるべきなんだ。寂しくないぞ、孤独ではないぞ。人間の中にいたとしても……お前は仲間はずれにされるだけだ」
フェイ:孤独のトラウマが鎌首を持ち上げだして、俺は虚ろな目をしてフラフラと……(笑)
GM:「さぁ、オレの手を取れ」
フェイ:スッと手を――
オルフィ:ガシッ! フェイの腕を掴んで止める!
フェイ:オルフィ?
オルフィ:行っちゃ駄目!
GM:「迷うなフェイ、お前はオレ達と共に来るべきなんだ」――と、宙空に巨大な手が2つ現れ、空間を切り裂き異次元への亀裂を開きます。アルフはその亀裂の前に浮き上がり手を差し伸べる――「行こう、ともに。オレ達は親友だ」
フェイ:アルフは初めての親友だ。ソイだってそう……でも、マーナルは? それにオルフィだって大切じゃないのか? 俺はどうすれば……――マーナルを見る。
マーナル:フェイ、私はすでに二度言いました。あなたはまた誰かを悲しませるのですか? この後に及んでまだ甘えているのですか? もう一度言います。今度こそ、あなたが考え決断しなさい。
フェイ:何が大切なのか……俺にとって大切なのは……フェイにとって……それは――友達――……おずおずとアルフの手を……。
オルフィ:行くんだ……。フェイ。
マーナル:行くのですね……。フェイ。
パルン:フェイはん、行ってらっしゃい(一同爆笑)
オルフィ&マーナル:『うぉおおおーーい!!!』(笑)
オルフィ:何言ってるのよ! ドゲシっ!!(笑)
パルン:いや、ここはボケとかなアカンかと(笑)――吹っ飛びましょう。
フェイ:ああ、そうか……俺はそのやり取りにビクッとして、アルフの手をバシっと払いのける!――悪いアルフ、ソイ、やっぱ俺はお前達と一緒に行けない。
GM:「フェイ?」『ソイソイッ?』
フェイ:俺は今でも、お前の事を親友だと思っている。そして俺の知ってるお前なら、こんな事はしないはずだ。俺とお前は、阿吽の呼吸で意気投合できたじゃないか!!
GM:「何を言っているんだ? お前は?」
フェイ:今のアルフは、邪神に操られているんだろう? でなきゃ――
GM:「はーーーはっはっはっはっ! フェイ、考えずに物を言うのも大概にした方が良いぞ。オレは元々邪神側の存在さ」
フェイ:ウソを付くな!! ならラインでも、ゲブラ山でも、どうしてオレを助けてくれた! アレは全部ウソだったって言うのか!!
GM:「ああ、嘘さ。なんせオレは……猜疑の女神ミーヴァルの遣いだからな」――その口調は自信に溢れ、とてもウソを言っているようには見えない。
フェイ:そ、そんな――
GM:「だがな、お前を親友と思っているのは本当だぜ?」
フェイ:なぜだ。どうしてそんな嘘を……――言いながら、どんどん心の中が孤独で一杯に……。
GM:「簡単な事だ。オレ達は同じ目的で作られた。つまり、同じ存在だからだ」
フェイ:同じ?
GM:「そう。魔族に保護され、孤独に育った造られし存在。猜疑の女神ミーヴァルのがオレ、そして欲望の女神マハディルグの……それがお前だ」
フェイ:………………。
GM:「お前のことを理解できるのは同じ存在であるオレ達だけだ。来い、フェイ! ココこそ、お前の居るべき場所なんだ! 何を躊躇う事がある!!」
オルフィ:フェイ!
マーナル:フェイ!!
フェイ:2人を見て――だが……俺には……今、仲間が……。
GM:「仲間だと? そいつ等がか? 笑わせるな! フェイ、お前は解っているはずだ、そいつらと一緒に居ても、結局孤独であった事を! 孤独になった時、結局誰も助けてくれなかったと言う事を!!!」
オルフィ:そんな事無い! 私達はフェイを見捨てるような事はしない!!
マーナル:そうですとも、私達の事を何も知らずに、勝手な事を言うと許しませんよ。
パルン:せやけど……ゲブラ山から帰ってきた時、確かフェイはんは1人きりで……――と、トラウマをつっつく(笑)
フェイ:あ、そうか……確かにそうだ……俺は1人だった……結局仲間が居ても助けてくれなかった……。
GM:「心の底では解っているはずだ。お前は仲間を必要としていない」
オルフィ:違う!! そんな事無い!!!――悲鳴のように叫ぶ!
GM:「違うくは無いさ……でなければ、仲間を自分の手で殺せるわけが無い」
フェイ:ピシャーーンッと頭の中で雷だよ(笑) 脳裏に浮ぶノアの死に顔!!――アレは……だけど……オレは……俺を、必要と、してくれる人が……――とオルフィを最後の希望とばかりに見つめる。
オルフィ:フェイ……。
フェイ:だから俺は……残る。それ……だけだ。
オルフィ:………………。
マーナル:凄い悲しい目でフェイを見る――(どうして解ってくれないのです……)と言う視線で。
GM:「そうか……そういう事か(深々と)」――アルフは溜息交じりに言います。
パルン:なんちゅーかフェイはん、思いっきり自分勝手な理由やなぁ。
マーナル:さすが欲望の子。
フェイ:マーナルに言われたくは無いぞ。
オルフィ:でも……もうちょっと他人の為に残るって言い方して欲しかったな……キレイ事でも良いから。
フェイ:う゛。
GM:アルフは目を閉じ祈ります――「神よ邪神よ……今、この時だけで良い。オレの思うがまま願いを叶えたまえ……」――さぁパルン、邪神の囁き判定だ。
パルン:ここで来るンかい!!(一同爆笑)
オルフィ:超重要だ(笑)
マーナル:分岐点ですね(笑)  パルンがどっち側でエンディングを迎えるかの分岐点でもある。 GM:難易度は20! フェイトを使うかどうかはパルンの自由でいいぞ。失敗したらフェイがここに残る理由を摘み取れ!
マーナル:まさに邪神の啓示。
オルフィ:私はフェイの両肩に手をかけて叫んでいよう――フェイ、しっかりして! フェイには私が付いてる! 私が助けてあげる!――
パルン:ウチは……――と、今までの冒険を振り返って……――みんなの死角、後ろから魔銃クイーダを構える。組み合わせられるだけ組み合わせて(コロコロ)……――ダメージは37点。

――ズキューーーンッ!!!!!

オルフィ:私は絶対、フェイの――

――その時だった。一筋の光と化した銃弾が、オルフィの胸を貫いたのは……。

オルフィ:え?――って言いながらスローで倒れる。
マーナル:なっ!?
フェイ:オ、オルフィーーー!!!

◆Middle06◆欲望の子フェイ

「オ、オルフィーーー!!!」
フェイの声が魂をも震わす。
最初は怒り、そして悲しみ、やがて虚無。
自分と世界を繋ぐたった一つのピースが、その瞬間……消えたのだった。
マーナル:パルン!!!――驚きならが見る!!
パルン:ウチはガクガクしながらクイーダから手も放せずその場にヘタリこむ。涙と恐怖を浮べながら――手……手が勝手に……ウチ……ウチ……(一同爆笑)
オルフィ:キャラクター達を騙し通す気か!?(笑)
パルン:PLにはバレても、キャラクターにはバラさない! 味方のフリしたままエンディング迎えちゃる!!
オルフィ:さ、最終回とは思えない発言だ(笑)
パルン:こうなったらウソも貫き通すのみ! 敵を裏切ってヒーローになるなんてやってられへん!(一同爆笑)
GM:まぁ好きにしなさい。こっちはどっちでも良い(笑) とりあえずパルンの行動にアルフはニヤリと笑う。
マーナル:じゃあそのアルフを見て――パルン、やっと解りました……あなたは、邪神に操られていたんですね。
パルン:ウ、ウチは……そんな……――と恐慌状態(笑)
マーナル:オルフィ、オルフィ!?――とオルフィに駆け寄って抱き起こす。
GM:「おやおや、手が勝手に動いたかな?」
パルン:ナイスフォローや!(笑)――あんたが、あんたがウチを操ったんか!!(笑)
GM:「フェイ、これで未練は何も無いはず。お前がこの世界にいる理由は…無い。来い、フェイ」

――そして少年は決断する――

フェイ:そうだな……こんな世界なら……いらない――俺の声に答えよ……。と、魔剣ラインハルトが倒れているエレウォンド王の手から離れ、俺の手の中に収まる。

――その歩みを止める者無く――

GM:おお! じゃあ邪悪化侵食値を5D6プレゼントだ(笑)
フェイ:(コロコロ)……222! もう帰れない!
オルフィ:フェ…イ……――と声にならない祈り。
パルン:駄目や……。
フェイ:俺は魔剣を掲げその力を解放する――足りない、もっと力があるはずだ……魔剣ラインハルトよ、欲望の女神マハディルグよ……この街の全ての者から力の源たる欲望を吸い尽くしたまえ!
GM:ではその力で街の人々は次々に倒れていく。この謁見の間の窓からも、周囲を囲んでいた人々が倒れていくのが見える。その中にはアリアやバルドさんなんかもいる。
フェイ:街の人々から、黒い邪悪な瘴気が立ち上り、一滴残らずラインハルトに吸収され俺のモノになる――うおおおおお!!!!!(笑)
マーナル:やめなさいフェイ! 街の人々まで殺す気ですか!!
フェイ:言っただろ。もう、何もかもいらない。俺は……俺が居ればいい!!――ガッとマーナルを睨む! その瞳に映るのはギラつく欲望!
マーナル:フェイ……だから、三度目は無いと言ったのに……。
フェイ:アルフの方に歩いて行く。剣を持ったまま。
GM:フェイの肩に黒いソイが止まります――『ソイッ♪ ソイッ♪』
フェイ:先に行ってるぜ。やはり俺には、親友のお前と、ソイが居てくれればいい。
GM:「ふん、最初からそう言っただろうが」
フェイ:ニヤリと口元を上げて――「こんな世界……全てぶっ壊してやる」――次元の狭間へと消えて行く。
GM:ではアルフが1人残ります。
マーナル:憎憎しげに言おう――お前は……行かないのですか?
GM:「オレの親友は馬鹿でね。あいつの代わりにオレが……トドメを刺さなきゃならない」――とオルフィを見ます。
マーナル:それは間に立ちます――させません。
GM:「ふん、ひ弱な魔術師ごときが、オレに勝てるわけないだろう」
マーナル:それはどうでしょう。私としては、さすがにオルフィまで失うわけには行きません。そしてフェイも返してもらいます。
GM:「強気だな……それができるのか? そんなボロボロの体で」
マーナル:出来る出来ないじゃないんです。人間には、やらなければならない時があるのです。そう……今のようにね!!!

◆Climax01◆オルフィ覚醒!!

夢を見ていた……。
大好きなあの人が、どこか遠くへ行ってしまう夢。
小さい頃から一緒だった。
晴れた日も、雨の日も、山の中でも、海の上でも、どんな日だって一緒だった。
そんなあの人が、私を置いてどこか遠くへ行ってしまう夢。

私はふわふわと漂いながら、その夢が現実である事を理解している。
だから私は目覚め無い。
このまま白い何かに包まれていれば、起きて辛い現実を知る事は無いから……。
目が覚めて、あの人と会えない事を気が付かないでいられるから……。

だんだん全てに力が入らなくなって来る。
感覚も無くなって来た。
重たい重力から解放されて、まるで空でも飛べるよう。
もし空を飛べたのなら、行ってしまったあの人に追いつけるだろうか?
もし追いつけるのなら、私は躊躇わずに行くだろう。
大好きなあの人を追って……どこまでも……どこまでも……。

馬の足音が聞こえる。
すでに目は見えない……当たり前だ、これは夢で私は寝ているのだから……。
でも、私のすぐ傍に馬が止まる。
馬には誰か人が乗っているようだった。
でも、それが誰だかは気にならない。
だって、大好きなあの人以外は、私のとっては関係の無い――

「……オルフィ、お前は戦う理由を見つけたのだな」

その人が言った気がした。
もっと前に聞いた気もした。

「お前がやろうと決めた事だ。何も言わん。ただ……信じよ」

誰を信じろと言うのだろう?
あの人はもういないのに……いったい誰を?
 
いや、そんな事は最初からわかっている。
信じるのは自分。
自分が決めた事を信じる事。
それは私が戦うと決めた理由。
全てはあの人の為……

私の信じるあの人は?
あの人が自分の都合だけで遠くへ行くの?
私を置いて、自分勝手にどこか遠くへ? そんな事は無い。
ありえない。

 
なら、私のやる事は一つだ。ずっとそうだった。だから、これからもそうすれば良い。
だって、私にはフェイがいるから……。


GM:オルフィは【精神】で判定して下さい! 難易度は20! 失敗すると暴走します。
オルフィ:暴走? なんだか解らないけどフェイト使う!(コロコロ)……22!!
GM:では制御可能か。
オルフィ:制御?
GM:その瞬間、黒いオーラがオルフィから吹き上がる!!
パルン:邪悪化? ってかウチのせい!?(笑)
GM:オルフィは心の底から力が沸いてきます。しかしそれは独善的な力です。全てを圧倒する自信。
パルン:ん? 欲望とはちゃうんか……。
マーナル:自信?……もしや皇帝様の力? さっきの演出は馬だったし(笑)
オルフィ:確かに皇帝っぽい。傲慢の女神が私を見込んだ?
GM:まぁどう思ってもらっても構いません。とりあえず邪神の指針は傲慢で良いです。
マーナル:さすが皇帝様の子です!(笑)
GM:オルフィはHP、MP、フェイトが全て全快して良いよ。まさにキミは今、邪悪なる力を支配した!
オルフィ:私の運命だね。ライフパスの(笑)
マーナル:オルフィ……その力は?
オルフィ:ゆっくり立ち上がって、吹き上がる黒い力に少し戸惑ってから、そのまま視線を次元の狭間へ――探しに行かないと……きっと心で迷ってる……。
マーナル:そうですね。フェイのことを一番解っているのは……オルフィ、あなたですから。
GM:「なんだ!? 何が起こったんだ! 似たような力を……さっさと死ね!!!」――魔力の光弾をオルフィに放ちます!
オルフィ:それは吹き上がる黒いオーラに当たって消滅する!
GM:「そんな馬鹿な! こ、この力はいったい!?」
オルフィ:そうだマーナル、さっきはかばってくれてありがとう。嬉しかったよ。
マーナル:少しは保護者らしい事をさせて下さい。
オルフィ:うん……さ、アルフ。どいてくれる? 探しに行かなくちゃいけないの。
GM:「探しに? フェイをか! ふん、無駄だね! 今更追いつけるはずが無い!!」
オルフィ:追いつける……昔、約束したから――ゆっくりと、落ち着いた声で。
GM:「っざけるな! 貴様らはここで死ぬんだ! オレに殺されてな!!! フェイは、フェイは渡さん! アレはオレ達の仲間だ! 貴様ら人間どもとは、相容れぬ存在なんだ!!」――そう言うと共に、宙空に浮んでいた2つの手が、バリバリと次元の狭間を広げ始めます。
パルン:なんや!? 何をするつもりや!!
GM:周囲が次元の狭間に飲み込まれだします――「オレと違い、次元を行き来する能力が無い貴様らは、ここに入れば二度と出られない! 永遠の次元を彷徨うがいい!!!」――アルフはそのまま次元の狭間へと消えて行きます。
マーナル:逃げた!?
GM:次元の狭間はまだ広がっています。そのスピードはゆるくなっていっていますが、この謁見の間程度は飲み込むでしょう。
パルン:オルフィちゃん、マーナルはん、逃げな飲み込まれるで!!
マーナル:解っています! でも――
オルフィ:マーナルの手を取る。
マーナル:オルフィ?
オルフィ:私の手は今までにない程に力強い。
GM:そう、その力で強引に投げられでもしたら、きっと逆らえないだろうというほどに!!
マーナル:じゃあ――ハッ!?――とします――駄目ですオルフィ! 私も、私もフェイを追います!!
オルフィ:話も聞かずに片手で投げる!!
マーナル:投げられながら叫ぶ――オルフィ、あなたは1人で戦う気ですか!! 私も……私も一緒に……オルフィーーーーー!!!!
オルフィ:そしてマーナルの叫びは異次元の狭間へと消えて行ったのだった……。
マーナル:………………。は?
オルフィ:だぁかぁらぁ、マーナルを次元の狭間へ投げ込んだ。
GM:マーナルは気が付くと黒い異次元空間にいる。どこから入って来たのか出口は無い。ただ、目の前にはアルフがいるのみ。
マーナル:……え? ……あれ? ……お、お、お……オルフィーーーー!!!(一同大爆笑)

◆Climax02◆アルフ=エラザンデル! ラストバトル!!

オルフィがマーナルを投げ込んで数分、マーナルはまったくと行って出てこない。
どうやら、二度と出られないというのも、あながち間違いでは無さそうである。
オルフィ:どうやら、入ったら出られないのは本当みたい。
マーナル:それが試したかったんですか!? もっと別の方法にしてくれればいいものを!(笑)
オルフィ:そんなマーナルは置いておいて(笑)――パルン、あなたはどうする? 無理はしないでいいよ。フェイの事だから、あなたには関係薄いし。
パルン:う〜ん……いや、ウチも行くで! ここまで関わったからには一蓮托生や!――それに、ウチの正体をアルフにバラされるわけにもいかへんし。
オルフィ:素直に言おう――ありがとう、パルン。
パルン:最後の戦いや、気張るで!!
オルフィ:うん……フェイを、助ける!!!!
………………………………………………………………………………………………

そこは何処とも知れぬ黒い世界だった。
星々のような煌きが遠くにはある。
次元の狭間の向こう側、亜空間とでも言うべきだろうか……。
GM:ではマーナルに遅れて数分、オルフィとパルンもやって来ました。
マーナル:遅いですよ! そに何するんですオルフィ!! 危うく二重の意味で死ぬ所でしたよ!(笑)
オルフィ:黙れ(一同爆笑)
マーナル:ああ、皇帝様に似ちゃって(笑)
パルン:嬉しいんかい!
GM:「ふん、馬鹿騒ぎもココまでだ。エラザンデルの力を取り込んだこのオレに、貴様等が勝てる見込みは無い! 見よ、これが三眼の魔王が力だ!!!」――その瞬間、アルフがゾロっとした服装を纏い、そのまま巨大化します。
マーナル:く……この威圧感!? 本当にフォモールキングの力を!!
オルフィ:そう? 私は感じない。
GM:ではイニシアです。こっちはアルフは14です。
オルフィ:私は12。
パルン:ウチも12や。
マーナル:私は7ですね。右手と左手は動かないの?
GM:動こうと思えば動けますが、それはフェイが居た場合にバランスなので、今回はアルフ本体のみでお相手します。

――1ラウンド

GM:とはいえ、まずアルフの行動です。≪魔力枯渇≫(コロコロ)……3人まとめて命中29で攻撃。
一同:『当たるよ!!(笑)』
GM:HPに実ダメージ8D6。各自自分でダメージを振ると良い。
オルフィ:(コロコロ)……35。
パルン:……33。
マーナル:24、魔力で押し返した感じで!
オルフィ:近づいて行って≪フェイント≫(コロコロ)……命中19!
GM:(コロコロ)……当たる。16だ。
オルフィ:ダメージは(コロコロ)……24点!
GM:「その程度か?」――巨大なエラザンデルに聞いた感じは見えません。
パルン:ならこれならどうや! ≪デスターゲット≫で(コロコロ)……20命中!
GM:(コロコロ)……1と2で当たる。
パルン:≪ワンコインショット≫(コロコロ)……32点!
GM:「ふ……まだまだ」
マーナル:≪ファイアボルト≫(コロコロ)……25命中!
GM:……当たります。
マーナル:ダメージは58点!
GM:「く……この程度の炎で」
マーナル:さすがに1ラウンドじゃ死にませんか。

――2ラウンド目

オルフィ:最後のギルドスキル使う! ≪限界突破≫!!!
GM:良かろう。そのまま行くぞ! ≪三眼の魔力≫!!(コロコロ)……25命中! 対象はマーナルとパルン!
パルン:出目10以上で回避可能(コロコロ)……11! 避けた!
マーナル:フェイト使用で(コロコロ)……29! 回避!!
GM:「なんだと!?」
オルフィ:そのスキを逃さない! 体当たりのように突撃! それと共に≪バーストブレイク≫!! フェイト4点注ぎ込んで(コロコロ)……≪ソアスポット≫(コロコロ)……59点の実ダメージ!! 突っ込んで爆発!! 自分も傷だらけ!(笑)
GM:「ぐあぁ……」――結構ボロボロになった――「貴様! 自分が死ぬのが怖くないのか!?」
オルフィ:ええ、怖くない。あなたは怖いの?
GM:なんて傲慢な!!
マーナル:さすがオルフィです(笑)
パルン:ま、ダークサイドオルフィやし(笑)
GM:次はパルン!
パルン:ビジュアル重視! ジョン・ウーアタック! ≪ブリング≫で接敵して超至近距離からの≪バレットレイブ≫&≪エクシードショット≫!!!(コロコロ)……30命中や!! クイーダ・オーレッ!!!(笑)
GM:それはムリだ……こっちは10。
パルン:≪ワンコインショット≫で、どたまぶち抜いたる!(コロコロ)……67点!!!――すまんな、あんたとは信じるモノが合わんようや。――ってか宗派がな(笑)
GM:「こ、こんな所で……オレは……」――まだ死なない!
マーナル:そして私、カメラが私に向くと、じっくりと魔力を練っている私がいる……≪ファイアボルト≫(コロコロ)……21命中!
GM:(コロコロ)……無理!
マーナル:≪マジックフォージ≫使用!! ダメージは……88点!!
GM:……まだ残ってる!!!
マーナル:そんな……私の全力を賭けたのに……MP、フェイト、全て空っぽ。アイテムもギルドスキルも無い。打つ手なし。

――3ラウンド

GM:3ラウンド目です。このターンで決めないとジリ貧で負けるでしょう。
マーナル:ならばせめて――≪ウィークポイント≫発動! オルフィ、パルン、あそこを……あの3つ目の眼を狙うんです!!
GM:オルフィとパルンのダメージに+7!
パルン:せやけど、ウチにはもうクイーダも……。
GM:ではこちらだ。≪三眼の魔力≫でオルフィとパルンを対象(コロコロ)……25命中。
パルン:(コロコロ)……駄目や……。
オルフィ:(コロコロ)……クリティカル!!!
GM:(コロコロ)……ダメージは71点! だが――「ちっ、一匹逃したか!?」
パルン:ウチは――ジュッ!(笑)
その効果音は消滅してしまいます(笑)
オルフィ:パルン!! よくも……――フェイト1点ずつ使って≪フェイント≫(コロコロ)……(コロコロ)……26命中!
GM:(コロコロ)……3と1か、無理だ。
オルフィ:ダメージ(コロコロ)……≪ソアスポット≫で振り直して(コロコロ)……31点!
GM:ちっ、ここでオーバーキル20点か――「馬鹿な……このオレが……こんな所で……ならばせめて……」――≪魔力枯渇≫≪マジックフォージ≫!! 自分ごと自爆!!!!!
マーナル:私は離れているから大丈夫ですよね?
パルン:でもウチが[戦闘不能]状態だから、これでトドメや……やっぱスパイなんて悪い事するもんじゃないで……。
マーナル:GM、それは庇いたい! 駄目でしょうか?
GM:いいだろう。マーナルはとっさに飛び上がり、パルンを範囲外に弾き飛ばし、その身代わりになると。
パルン:そんな……ウチなんかの為に……。
マーナル:仲間ですから……ね。
GM:ではマーナルとオルフィは各自14D6を実ダメージで。自分達で振るが良い。
オルフィ:こんな所で死んでたまるか!!(コロコロ)……よし低い! 私生きてる!
マーナル:……駄目です。マイナス11点で[戦闘不能]
パルン:ウチは元々[戦闘不能]や。
GM:ではオルフィだけ見る。アルフが倒れて、亜空間の世界が壊れ出します。
オルフィ:マーナル! パルン!!
GM:気絶しているのか、2人はぐったりとしたまま動きません。勝手に漂いだします。
オルフィ:同じエンゲージだったのはマーナルか……マーナルだけは手を掴む!
GM:了解。ではマーナルの手はぎりぎり掴めましたが、パルンには手が届かず、パルンはどこかへと漂流して行きました。
オルフィ:フェイ……必ず……必ず約束は守るから……。

◆Ending01◆運命は旅立ち

パリス同盟が1都市、遺跡の街ライン。今、この都市は復興の最中だった。
数日前に起こった三眼の魔王エラザンデル復活事件、それにより倒壊した王城の修繕。
また住人の大半が邪悪化しかけるという大惨事になりかけた事もあり、街としての機能を取り戻すのには、一日や二日では無理な話だった。
GM:ではエンディングです。まずはパルンから――場所はラインです。
パルン:おお、ウチは次元の狭間から無事ラインへ戻ってこれたんやね。
GM:まぁキミには最強の背後霊が憑いているから、大概の事では死にはしないぞ。
パルン:さすが邪神様(笑)
GM:と、まぁパルンが戻ると、ランバックが「やってくれると思っていたぞ」とか、キルヒ副団長が「あの時は本当にすまなかった……キミ達が倒してくれて助かったよ」とか、みんなから感謝されます。
パルン:いやぁ、ウチ1人の力や無いさかい(笑)――ああ、そういえば王様はどうだったん?
GM:無論元気です。
パルン:さよか……でも、どうして元に戻ったんやろ?
GM:王様や神官長の話だと、突然欲望の力が吸い取られるようにして消えたらしい。
パルン:吸い取られるように……か。ウチは空でも見上げつつ――もしかしてフェイはん、あんたはその為に……。
フェイ:え?(笑)
GM:建設中の王城を見上げつつ、パルンの横でエレウォンド王が言います――「我々は勝った。しかし、あまりに代償は大きかった……なんせ、英雄はキミ1人しか帰ってこなかったのだからな……」
パルン:奇跡が起こったんやで……――とラストバトルをかなり美化して話す(笑)
GM:では最後に王様が――「パルン=オーストリッチよ、実は頼みがあるのだが……この街が復興するまで、ここに留まってはくれないか?」
パルン:う〜ん、悪いけど遠慮しとくわ。ウチ、長いこと一つ所に留まるのは性に合わんのや。
GM:「そうか」――王様は残念そうに言います。
パルン:それに……早く消えないと正体バレそうだし(一同笑)
そしてパルン旅立ちの朝。
街の住人はまだ寝ており、昇ったばかりの太陽だけが、1人パルンを見送ろうとしていた。
しかし――
GM:旅立ちの朝。街を出ようとするキミを――「パルンさん!」――踊る小鹿亭のアリアです。
パルン:止まろう。
GM:「あの……みんなは……オルフィやフェイ、マーナルさんは、本当に死んでしまったのでしょうか?」
パルン:それには一瞬迷うけど……――さぁ、それはどうやろうね――ニヤリと笑って、そのまま去って行く。

◆Ending02◆そして物語は続く……

オルフィが気がついた時、その景色は見知らぬ地平線だった。
ふと視線を横に移せば、そこには青々とした海が広がっている。
あの爆発で次元を彷徨ってから、気がつけばここに落ちていたらしい。
オルフィ:起き上がりながら――うう、ここは……。
マーナル:横で言いましょう――どうやら、大陸の南のようですよオルフィ。
オルフィ:そうなの?
マーナル:海からの季節風と、太陽の位置、それにあの植物は南方にしか生えないものです。まず間違いないでしょう。
オルフィ:そう、なんだ……で、ここはどこなの?
マーナル:だから、南方ですって。それ以上は解りませんよ。
オルフィ:………………。
結局、あの戦いでフェイに追いつく事はできなかった。
次元の狭間の崩壊、フェイもきっとどこかへ落ちているはずだった。
オルフィ:ねぇマーナル。
マーナル:なんですオルフィ?
オルフィ:フェイはきっと、今もどこかで孤独に泣いているんだろうね……。
マーナル:それを見つけるのがオルフィ、あなたの約束ではないのですか?
オルフィ:……うん。そうだね。
マーナル:立ち上がって歩き出しましょう――なら、こんな所で座っているわけにはいきませんね。
オルフィ:うん!
少年と少女の冒険は、誰もが想像しなかった結末を迎えた。
しかし、それが終わりではない。
少年を探して少女は歩く。
信じている限り、少女に終わりはやって来ない。
オルフィ:ったく! 勝手に1人で先行っちゃうなんて許せないわよね!
マーナル:そうですねぇ。
オルフィ:探しだして……それで一発入れないと気がすまないわ♪
マーナル:それは私も同感です。その時は協力しましょう(笑)
旅は続く。
終わりの来る……その日まで。

アリアンロッドRPGリプレイ
みっしょん10 『ラスト・ライン』
FIN


◆PL達の感想

●ででん(フェイPL)より――
  このキャンペーンは本当大変でした。慣れない主人公! なんかいつの間にか恋愛ゲームの主人公なポジション! 何よりセリフが出てこない!! それでも一生懸命頑張った事もあり、かなり楽しく遊べました!
  ――1番好きなシーン:みっしょん10「ラスト・ライン」
ニヤリと口元を上げて――「こんな世界……全てぶっ壊してやる」――次元の狭間へと消えて行く。



●西蓮(オルフィPL)より――
  ヒロインポジションに初挑戦の自分なりに試練キャンペーン! でもヒロインは結構美味しいと気が付きました(笑) 主役を立てる最高の脇役にもなれ、それでいてイザとなったら主役も張れる! これは凄い!
  ――1番好きなシーン:みっしょん04「タキシード・シャドー」
ノア:「こ、このクソガキが〜……いいか良く聞け! あたいはあんな男に興味は無い! あたいはショタコンなんだよ!!!



●TATSU(マーナルPL)より――
  本当に楽しかったです。まだまだマーナルで遊びたいですね。ってか、最初はこんなキャラで良いのか? とも思いましたが、読者様からのカキコミで今日まで突き進んでこれました。ありがとうございます(笑)
  ――1番好きなシーン:みっしょん02「ゴブリン・バスターズ」
マーナル:(おもむろに2D6"だけ"を握り)……失敗――「そうでした。金が手に入るのでしたね」



●りぎょ(パルンPL)より――
  途中さんかで、さらに終盤ではサブマスターでした(笑) でも主人公が仲間殺す判断したりするようなセッションだったので、自分の立場はGM的には楽だった(?)んじゃないかな……と。特殊でしたかね(笑)
  ――1番好きなシーン:みっしょん06「グルメ・キングス」
パルン:お、こんな所にも――サクッ! とソイをフォークで(一同爆笑)


◆Opening00◆何処か闇の中で

上も下もわからぬ闇の中。
その少年は意識を失ったまま流れていた。
漂流していた……そう表現した方がより正確だろう。  

そこへ1人の大人と、その大人に連れられて1人の少女がやって来た。
この闇の世界に、どうやって2人が入って来たのか……それは解らないが……。
大人は近くまで来ると立ち止まり、少女は大事な何かを見つけたかのように少年に駆け寄る。

よく見れば少年も少女も純粋な人間ではない。
少年は猫の耳があり、少女も少し長く垂れた耳だが、それはウサギの耳だった。
つまるところ、少年も少女もヴァーナである。  

少女は愛しそうに眠っている少年の髪を撫でる。
その頬は上気し、瞳には愛より深い情熱があった。
少女は眠ったままの少年の手を取り胸元へ近づける。

「約束通り、待っていました……ご主人様……」
少女は少年の手を胸に抱き呟く。
少女にとって、場所も時間も関係なかった。
この少年の傍に居る事、それだけが幸せだったから。  

その2人を見守る1人の大人。
その目は少なくとも親のソレでは無く、冷たく結果だけを見守る目だった。
大人が2人に背を向け、その空間から出て行く。
声に出さず、唇だけである言葉を残して……――



――計画が……動き出す……――


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