1999年9月20日 BEAST BIND 魔獣の絆R.P.G 発売
本格ロマンホラーRPG ――エゴなくして我にあらず―― ――愛なくして人にあらず―― それは日本最後のオリジナルTRPGだった。 第4話 五月雨に濡れる花 GM・シナリオ作成 相原あきと 登場キャラクター 不死川京介/天涯
その街は綺麗なモノも汚いモノも飲み込んでいく。
昼は人間が煩雑に歩き周り、夜は魔物が闊歩する街。 ――新宿―― 兄弟の木を探してこの街へやって来た1人の乙女。 青薔薇の化身である青藍。 コンクリートで作られし巨大な森で彼女は出会う。 太陽は明る過ぎるが、暗闇に1人佇む事も出来ない者達。 半魔達に…… ■零章■ GM:それでは魔獣の絆のプレイを始めます! GMはリプレイ執筆こと相原あきとです。不死川:第1話以来ですね。そして相原さんがGMという事は……。 GM:はい、今回チャチャは出てきません、フッキーはイタズラに悩まされない平和な時間を過ごせます(笑) 不死川:まったくだ(笑) 光:今回は4人もPLがいるんだね? GM:そうです。新規参入が一気に2名です。では不死川と光は別に良いので、新規のお2人自己紹介をお願いします。 葵:まずは私から参りましょう。香坂葵(こうさか あおい)と申します。外見年齢18歳ですが、落ち着いた雰囲気を持っているのでそれ以上に見られる女性です。キャラクター作成時は家政婦で作ったのですが……。 GM:まだ今回のお話では家政婦ではありません。なぜなら葵がこの新宿へ出てきたばかりの話なので(笑) 葵:はい。魔の名は青藍(せいらん)、兄弟の樹は"青い薔薇"です。地方の神聖な森で暮らしていたのですが、最近人間によって兄弟の樹である青い薔薇が連れて行かれました。 光:それは悪ですね! 是非あたしに相談して下さい! 葵:連絡が取れればそう致しますね(笑) 不死川:前回一緒にプレイしたわりに、私と光は絆を結ばずに終ったからな(笑) 光:不思議不思議(笑) 葵:まだ右も左もわからない田舎者ですが、どうぞ宜しくお願い致します。 一同:『宜しくお願いします』 GM:では4人目、どうぞ。 白竜:名前は王白竜(ワン バイロン)、外見20歳男性のフリーター。正体は400歳の白い雷龍だ。だが、龍族にとって400歳ってのはまだまだ子供でな、ワシは同じ龍族達からは"小龍(シャオロン)"と呼ばれている。 不死川:子ども扱いされていても一人称はワシなのですね。 白竜:人間世界で生きるうえで、自分達龍族こそ支配者であるという"おごり"を持っているからな。若いだけに血気盛ん、いずれこの世界を龍族が再び治める世界にしようと里を飛び出してきた。 葵:確かに若いキャラクターの設定ですね。 白竜:もっとも、何をやれば良いか解っておらんので、毎日ジャンクフードを食べてはゲーセン通いか喧嘩三昧の駄目青年と化している。 不死川:本当駄目だな。 GM:ちなみに白竜のもとには親族元から、定期的に大量の仕送りが来るので実はお金持ちです。 白竜:遊びにしか使わないけどな(笑) GM:ではそんな4人で今回のプレイを開始します。ちなみに今回の話ですが……ちょっとだけ世界の危機です。気をつけてセッションに臨んで下さい。 光:世界の危機! 世界は危機に満ちている!!――ってS=Fじゃん(笑) GM:それでは第四話を始めましょう。
※なお登場キャラクターのデータは最後に載せてあります。
■序章■
1999年5月、日本は例年より早く梅雨入りし、月も半ばになる頃から暗雲の日々が続いていた。
GM:では最初は不死川よりスタートします。梅雨入りが早かった5月の中頃、いつものアパートで適当にテレビを流しているとニュースが始まります。その暗い日々に追い討ちをかけるように、街で不吉な病気が流行り出す……―― 不死川:今日は原稿も書き終わって、見る気も無いテレビを流し見している感じだ。 GM:『……さて次のニュースです。近頃、急激な高熱で動けなくなる病気が新宿を中心に広がっています。新種のインフルエンザだろうと言われていますが、未だはっきりした事はわかっておりません。お出かけの際には十分注意して下さい……』 不死川:ふむ……ま、私には関係無いな――と言うより、魔物も病気になるのだろうか? GM:さぁ、わかりません。 不死川:とりあえずチャチャに注意するよう言っておくか。 GM:とか、そんなこんなでお昼頃です。部屋がノックされます――トントン♪ 不死川:開いてます。 GM:ドカッ……「先生、原稿の調子はどうですか?」――担当の山川さんです。 不死川:ああ、ちょうど良いところに来た。実は短編を書いたのだが見てくれないか? 題名は『人形遊びの夜』(笑) GM:「へぇ〜すごいじゃないですか! あとで会社戻ったら読ませてもらいますね」――と両手一杯の買い物袋を部屋に置きます。 不死川:その荷物は? GM:「ああ、これですか? 先生はいつも適当なものしか食べて無いと思って買ってきたんです」 不死川:それなりに作っているから構わないぞ? GM:「駄目ですよそれなりじゃ、チャチャちゃんだっているんだから、しっかり栄養考えて作らないと!」 不死川:そうか――と言いつつ、やっぱり魔物でも栄養とか重要なのだろうか? とか思っていよう(笑) GM:「じゃあ台所借りますね。まだお昼は食べていないのでしょう?」 不死川:ああ、ありがとう。 GM:トントントン…とまな板で切りつつ――「ところで先生、オリジナルの短編も良いんですけど、連載コラムの方はもう終っているんですよね?」 不死川:ああ……そういえば、やってないな。 GM:「やって無いって――っ痛っ!!」――包丁の音が止まります――「せ、せんせ〜絆創膏ありませんかぁ?」(泣) 不死川:絆創膏……持って無さそうな気も……いや、確かチャチャが勝手に買って来ていたのが――と可愛らしいプリントの入った絆創膏を渡そう。 GM:「……ずいぶん可愛いのを使ってますね」 不死川:チャチャのだからな。それより、あまり料理をしないんじゃないのか? 無理はしないで良いぞ。 GM:「大丈夫です。さっきのは先生の言葉に動揺して失敗しただけですから」 不死川:もっと精神を鍛えた方が良いな。 GM:「その前に先生がしっかり原稿を書いてくれればその必要も無いんです!(笑) 料理を作ってますから、少しでも原稿早くあげてください!!」――台所へ戻って行きます。 不死川:じゃあ原稿を書くかぁ。 ――その後、料理を食べてから……数時間後―― 不死川:帰らないのか? GM:「明日〆切じゃないですか」 不死川:ふむ――(コロコロ)……成功した。 GM:ではチャチャが帰ってくる前に書き終わりました。 不死川:よし!(笑) GM:では山川さんは原稿を受け取ると――「え、えっと……あ、あがったんですね? よかった……1、2、3……あれ? 1ページ多いような……まぁいいか、それじゃあ私は……」――とバタンと倒れます、触れば解りますが凄い熱です。 不死川:噂のインフルエンザか?――おい、山川君、しっかりしろ! 山川君!! GM:とそんな所で不死川にはSAをあげます――『身近な人々を守る』です。 ■第一章■
天条光は友達である白石沙穂の家へお見舞いに来ていた。
GM:次は光です。光は友達の白石沙穂の家に来ています。彼女はベッドで横になっており……つまりはお見舞いにやって来た所です。と言うのも、彼女が高熱を出して学校を休んでいたからだ。今日でもう3日目になる。 原因は明々白々。雨の中、傘も差さずに突撃取材と称して張り込みをしていたからだ。 光:沙穂! どうしちゃったの!?――とベッドに両手をバンッと付いて勢い良く! GM:「あうう……光、あんまりベッド揺らさないで……」 光:あ、ごめんごめん――と適当に椅子を持って来て座ろう。 GM:「お医者さんが言うには、たぶん流行のインフルエンザじゃないかって言うんだけど……。熱っぽくて動けなくってさ……うう……今にも陰謀が私を呼んでいるって言うのに……」 光:無理しない方がいいよ?……う〜ん、これじゃあ事件を追うのは無理かぁ。 GM:「3日前の雨の中の張り込みは、やっぱり無理があったみたい」 光:張り込み? ああ、あたしが殺人犯を見た路地での張り込みね?(笑) GM:「あんたも傘差してなかったのに、なんで私だけ……」 光:それはほら、あれよ、あれ……正義の力?(笑) GM:「いや、全然違うから……はぁ、良いよねぇ光は、私は根が張ったみたいに体が重くってさ……」 光:布団をバッと引っぺがす。 GM:? 別に普通だけど? 光:なんだ、別に根なんて張ってないじゃない。 GM:「例えよ例え! 本当に根が張ってたら大変でしょうが! これでも病人なんだから疲れさせないでよ!」(一同爆笑) 光:ご、ごめん。ま、次の学校新聞はあたしがなんとかしておくから安心して! GM:「あのマイナーな漫画の記事載せちゃ駄目だからね」――と絆判定を要求。 光:さすが沙穂、あたしの行動が宣言前に読まれているとは(コロコロ)……成功。愛を1点貰って――うん、わかった――(コロコロ)……エゴ「人間の記憶に残りたい」判定成功――半分に抑えとく(一同爆笑) GM:「半分って何よ半分って! 全然解って無いじゃない!!」(笑) 光:じゃ、早く元気になってねぇ〜♪――と出て行きましょう。
その帰り道。
GM:そこには黒服の男が倒れている。近づいてみると息をゼーゼーとかいており、体中からは汗が噴出している。雨が降りそうなどんよりとした雲の下。人気の無い路地を通っていると、ドサリと言う音が聞こえた。 光が何かを感じて走っていくと……―― 光:駆け寄って――大丈夫ですか!? GM:そう光が駆け寄った瞬間だった――「う…うがーーー!!」――という叫びと共に、男の体中からキノコが次々に生え、その男を全身キノコ人間と化す。 光:ヒッ!? GM:やがて目の部分だけ侵食されなかったのか、最後まで見えていた瞳の部分から、生と言う色が失われて動かなくなります。 光:死ん……じゃった?――「正義を行いたい」(コロコロ)……こんな死に方はありえない! 異常よ!? これは……きっと悪の仕業だわ。 GM:では光にSAを渡します。『事件を解決する』です。 光:わかりました――男の人をそこに置いて119番してからその場を去ります――何が起こっているのかわからないけど……正義の出番ね! ■第ニ章■
シンカンセンという乗り物に乗り、私は今「新宿」という街にやって来ました。
GM:次は葵です。葵は森を出て新宿までやって来たところです。この街は緑が少なくとても息苦しいです。 森の近くにあった人間の友達が住む"村"と違い、どこもかしこも灰色をしています。 人間達でさえ灰色です。まるで誰もが「自分に構うな」と言っているように……。 葵:兄弟の樹の気配を辿って歩いています。 GM:すると駅を降りた辺りから、気配がわからなくなります。あまりにも人間が多いからか、もっと別の理由なのかは不明ですが……。 葵:仕方ありません。こんなにも人間が多いのでは……私も少し疲れました、自然の多い公園のベンチに座って休憩致します。 GM:「自然が恋しい」を振ってもいいですよ? 葵:(コロコロ)……成功です。なるべく木々の多い場所にあるベンチに座りましょう。できれば影が差すようなベンチで――都会とはこうも疲れる場所だったのですね……。 GM:木陰のベンチで休む葵ですが、木漏れ日のように陽光はベンチのところどころを照らします。 葵:都会は怖い所、汚い所だと聞かされて来ましたが……こうやって木漏れ日に当たっていると、ここもあの森も同じ地球上なんだと感じます――ゆっくりとしてましょう。回復です(笑) GM:ではそんな所で<発見>を振ってみて下さい。成功したら【知性】でもお願いします。 葵:(コロコロ)……成功。【知性】は(コロコロ)……4成功。 GM:木陰に1人の少女を発見します。おかっぱ髪の少女……あなたはすぐに同族だと気が付きます。 葵:森の乙女? でも知性の4成功で気がつけたって事はすでに最終段階ですか? GM:いえ、あまり姿を隠そうとしていないので−2、同族なので−4の修正が入るので、第0段階でも4以上でばれるのです。 葵:話しかけましょう――あなた、森の乙女でしょう? GM:「ええ!? なんでわかるの?」――葵に不思議な感じを抱いて近づいていた子は驚きます。 葵:私も同族ですから……でも、このような土地でも同族がいるなんて驚きです。私の名前は青藍(せいらん)です。あなたは何と言うお名前ですか? GM:「スズって言うの」 葵:スズさん、こんな所で会ったのは何かの縁です。お互い仲良く致しましょう。 GM:「うん♪」 葵:ではスズさんに絆を取ります――スズさんはどうしてこちらに? このような都会でも兄弟の樹が生えているのでしょうか? GM:「ううん……あのね青藍、スズの兄弟が連れて行かれちゃったの、助けて! 黒い服の人間に連れて行かれちゃったの!」 葵:まぁ! それは大変な事です……実は、かく言う私も同じなのです。人間達に兄弟の樹を連れて行かれてしまいまして……気配を追ってここまでやって来たのですが……。 GM:「そっか……じゃあ青藍の兄弟の樹も探してあげないと!」 葵:スズさんは自分のご兄弟をお探しにならないのですか? GM:「う〜ん」――とスズは悩み出します。 葵:くすり…と笑って――ではスズさん、こうしたらどうでしょう? 私もスズさんの兄弟を探します。だからスズさんも私の兄弟の樹を一緒に探してくれませんか? GM:スズはパァァッと輝かせて――「うん! わかった! ありがとう青藍♪」 葵:いいえ、どう致しまして。 GM:と、ここで青藍にはSA『同族を助ける』をあげましょう。 ■第三章■
駅前のロータリを越えて大手電気屋が建つ区域に入れば、そこにはいくつものゲーセンがある。
GM:さて、いつものごとくゲーセンで格闘ゲームをしている白竜ですが……今日は途中で乱入されます。龍族の末裔である白竜はこのゲーセンというのがお気に入りだった。 今日も今日とて太陽がまた中天に来る前から、銀色の人間世界の価値ある金属を投入する。 白竜:む、ワシに勝負を挑むとは愚か者が。伊達に毎日鍛えておらんわ! GM:では【知性】でゲームの判定をしましょう。 白竜:【知性】か(コロコロ)……失敗だと!? 筐体から身を乗り出してワシに勝った不届き者の顔を見る――誰だ貴様は!? GM:と、対戦台の向こうには、いつもゲーセンで会う小学生――秋山大介(あきやま だいすけ)――がいます。 白竜:拍子抜けしよう――なんだまたお前か! このゲームはまだ練習中だったというのに!(笑) GM:その小学生はゲームを続けたまま――「やぁ兄ちゃん! まだまだだね」 白竜:だからまだ練習中だったと言っているだろう! ったく、また両替して来なければいかん。 GM:「ああ、だったらこっちの台で続けていいよ? 俺、兄ちゃんがやってるの見えたから乱入しただけで、ちょっと用事の途中なんだ」――と席を立ち上がります。 白竜:用事だと? 勝ち逃げは許さん!! GM:「う〜ん、ごめん。今回ばっかりは勘弁(笑) 待っている女の子がいるんだ。この続きはまた今度つけるって事でさ」 白竜:ほう、このワシに対して次回まで待てと? だいたい小童の分際で彼女持ちか? 生意気な(笑) GM:「べ、べつにそう言うんじゃ無いって! ただ、公園でお腹空いたってあの子が言ってたから……」――良く見れば大介は手にコンビニの袋を持っています。お菓子がいっぱい入っているようです。 白竜:あの子? 知り合いじゃないのか? それにそんなものを持って行く気か? GM:「知り合いじゃないよ。公園で今日初めて会ったんだ。元気無いみたいだから話しかけたら、『お腹空いてるっ』……って、だから俺が大好きなお菓子を持って行ってあげるんだ!」 白竜:馬鹿め、そんなもので腹が膨れるか。付いて来い、ワシがもっと良いものを買ってやろう。だいたい菓子では栄養に悪い。 GM:「まぁ、兄ちゃんがそう言うなら」――とゲーセンから出て白竜についていく大介。 白竜:ハンバーガーショップでセットを4人前頼んで――これが一番だ。 GM:「おもいっきりジャンクフードじゃん」(笑) 白竜:どうした? こんなに美味い物はなかなかないぞ?――と1人前はすでに歩きながら食い始めておる(笑) GM:移動しながら食うのかよ!(笑)――「さっき栄養が云々言ってたのに……まぁ、いいけどさ、どうせ兄ちゃんの金だし」 白竜:ではそのお前の意中の女子がいるという公園へ行こうじゃないか。 GM:「彼女じゃないって! だいたい兄ちゃんだっていつもゲーセンに1人じゃないか!」 白竜:ワシは良いのだ。我が一族復興のために日夜忙しく働いているのだからな、お前だって学校というものに行かずにゲーセンに来ているではないか? 今日だって。 GM:「今日は日曜なんだからいいんだよ! 平日だってちゃんと学校行ってから来てるんだから!」(笑) 白竜:はっはっはっ、そんな規則など破るのが男というものだ。まだまだ小さいなお前は(笑) GM:「いや、世の小学生は殆どその規則を守ると思うけど……はぁ、世間じゃ新型のインフルエンザが猛威を振るっているっていうのに……兄ちゃんは絶対風邪引かないよね」 白竜:無論だ! 風邪などという軟弱な病気に、わしがかかるわけなかろう! GM:「そうだよねえ」(一同爆笑) 白竜:なんだ大介? 今のニュアンスは微妙にわしを馬鹿にしておるな?(笑) GM:そんな感じで公園に向かうのですが、途中で電気屋のテレビからはニュースで――『……すでに動けなくなり入院を余儀なくされた患者は100名を超え……』――とかやってます。 白竜:(コロコロ)……「旧支配者のおごり」で成功――所詮は人間よ……脆弱な奴等だ。 ■第四章■
新宿総合病院は、次々と増える新型インフルエンザの患者で病室が埋まっていた。
GM:次は不死川。さっきの続きです。特に、発病が知られ始めた頃の患者は酷かった……そしてついに1人目の犠牲者が……。 しかし、その最後に病院の医師達は誰もが目を疑った。 そして数時間後、新宿総合病院に数人の警察が訪れる。その手帳には『資料編纂課』と書かれていた。 不死川:『夕飯は勝手に』と置手紙をして救急車を呼ぶ――山川君しっかりしろ。今救急車を呼んだ。 GM:では山川さんは救急車で運ばれ新宿総合病院へと運ばれました。とりあえず入院という事になり手続きの代理人として多少書類を書き終わって、不死川は解放されたところです。 不死川:病院のロビーを玄関へ向かって歩きながら――ふぅ、野白さんから貰った戸籍が役にたったな。 GM:と、目の前をその野白さんが通り過ぎます。 不死川:ん、野白さん? GM:野白さんは突然名前を呼ばれて驚きますが――「あなたは……どうしてあなたが病院に」 不死川:知り合いが流行りの新型インフルエンザで倒れてしまってな。 GM:「そう……ですか……それはお気の毒に」 不死川:まぁ、すぐに良くなるんじゃないか? こういう病に対する人間の技術は著しいしな。 GM:「え、ええ、そうね……それじゃあ」――と野白さんは去って行くのですが、途中で立ち止まって引き返し――「ちょっと、いいかしら?」 不死川:ん? ――霊安室 GM:場所を霊安室に移すと深刻な顔で野白さんが言います――「単刀直入に言うわ。この新型インフルエンザと呼ばれている症状だけど、これは魔物の仕業よ」 不死川:………………。 GM:「これを見て」――と野白さんは数枚の写真を見せます。そこにはキノコが体中から生えて死んでいる人間の姿です――「一週間前、この病院に運び込まれた例の症状の患者よ」 不死川:運び込まれた時の容態は? GM:「病院の人の話だと"高熱で体が動かなくなって"入院したそうよ」 不死川:噂の新型インフルエンザか……。 GM:「そう考えて間違い無いと思うわ」 不死川:つまり、写真のようになるまでの期限は一週間……この結果から見て、キノコの菌に感染したせいで発病したと言うわけか。 GM:「ええ、私達の結論もそう」 不死川:……それで、この菌をばら撒いたのが魔物だという理由は? GM:「私達の鑑識によれば、このキノコは自然の理を無視してる……通常、こんな事になるキノコは存在しない……つまり、魔物っていう事」 不死川:なるほど、そしてこの菌の感染源である魔物が新宿にいる……というわけか。 GM:「ええ、ニュースで知っていると思うけど、この症状は新宿を中心に広まっているの。でも、この新宿をくまなく探すだけの人手が足りなくって……本当は巻き込みたくないのだけど、今は猫の手も借りたい状況なのよ。どんな些細な情報でも良い、何かあったら私に知らせて欲しいの」 不死川:ああ、わかった。野白さんにはチャチャを見てもらった借りもある。そのおかげで今は楽しくやっているしな。 GM:「ありがと……でも」――と野白さんは笑い出す。 不死川:なんだ? GM:「死神のあなたでも"楽しい"なんて言うものなのね(笑)」 不死川:くっ! 「心の動揺を見せたく無い」(コロコロ)……失敗! 少し口の端で笑って――私は半魔だからな(笑) ■第五章■ GM:次の場面は白竜と大介が新宿の大きな公園――新都中央公園――へとやって来た所です。白竜:おい、ここにいるのか? GM:「うん、奥にあるベンチに座って待ってるように言ったんだ……あ、ほらあそこ」――と言うわけで葵も登場です。 葵:ではスズと一緒にベンチに座っていましょう。兄弟の樹を探しに行く前に休憩中です(笑) 白竜:む、あのベンチに座っている姉妹のことか? GM:「そうそう!」 葵:私は近づいてくる人間の2人組に気が付くわけですね? スズに警戒を呼びかけましょう。 GM:スズは言います――「大丈夫、あの男の子は友達だよ? さっきお話したの」 葵:そうですか……では警戒を少しだけ解きます。 GM:では大介がやってきて――「ほら、約束通り美味しいご飯買ってきたよ? あれ……姉ちゃん(葵)は誰さ?」 葵:私は――と、そこまで言ったところで、私は森を出る時に聞いた言葉を思い出します……――
『人間の住む街へ行ったら、魔物である事は隠すように』
葵:――香坂、香坂葵(こうさか あおい)と申します。スズとは……そうですね、姉妹のようなものです――と言いつつ、2人を警戒します。そう言ったのは森で一番長生きしている老木の精でした。私は不思議に思って聞き返し―― 『かつての人はわし等と上手く共存しておった……しかし、時は流れ人は自分の力で生きる術を手に入れた……それは、自分以外を犠牲にする生き方だ』 私は理解できませんでした。それではまるで……人間は悪い生き物だと言わんばかりだったので……。 『青藍、お前は村の人間とも仲が良い。だがな、そんな人間は一握りだ……悲しいかな、お前の兄弟の樹を浚ったのは誰だ? それは人間だ。人間は人間以外を同等に扱わぬのだ。お前が森を出るの事を止めはしない……だが、人間に会ったら魔物である事は隠すのだ……それが、わしからの最後の助言だ』 白竜:じゃあその些細な警戒に気が付こう――どうした? 美味い飯を買ってきたというのに、警戒するとは失礼な人間だな。 葵:人間に……見えるのでしょうか?――「人間へのあこがれ」(コロコロ)……成功。 白竜:人間以外に――GM、正体を見破る判定をして良いか? "一応"って意味合いだけどな。 GM:構いませんよ? スズは第0段階ですから難易度10ですし。 葵:私も第0段階です。 白竜:まず解らないか(コロコロ)……クリティカル!(笑) 葵:そんなっ!?(笑) GM:2人の正体を白竜は見破ります。 白竜:大介に500円玉を渡して――何か飲み物を買って来い。 GM:「え? セットを買ってきたんだから飲み物ぐらい……」 白竜:いいから買って来い! そこの2人、何か飲みたいものはあるか? 葵&GM:『お水(ハモッて)』(一同爆笑) GM:「わかった、すぐ買ってくるよ!」(笑) 白竜:ワシの分は炭酸飲料を頼んだ。 GM:「あ〜はいはい」(笑)――大介はいなくなります。 白竜:大介が居なくなると雰囲気が変わって――お前等、そろって森の乙女だな? こんな所に何しに来た。返答次第では…ただで済まさん!――演出だけど、ワシの右手拳がパリパリと雷を纏います。
『青藍、それともう一つ言っておく』
葵:――という忠告を思い出します。スズを自分の後ろに隠します。私が去ろうとした時、老木の精は私を引き止めました。 『人間の社会にお前が行くように、この森とは比べ物にならぬくらい街には様々な魔物がいる。気をつけるのだぞ青藍……』 その言葉を最後に、私は森を出ました。 白竜:正直に言った方が身のためだぞ。それと……ワシはあまり気が長い方じゃない。 GM:ああ、ちょうどいいのでここで白竜にSAを渡しましょう。白竜のSAは『友達を助ける』です。絆判定して下さい。 白竜:友達……大介の事かな?(笑) 確かにこのままでは魔物達と関わってしまう(コロコロ)……成功。やれやれ、ワシがなんとかしてやろう。 葵:私のSAも『同族を助ける』です。スズのいるここで引くわけには行きません。怖気ず無言で立ちます。 白竜:ほう、どうやらワシの言葉は理解できぬと見えるな。 葵:自然は意味の無い力を振るいません。あなたは……どうして私達に危害を加えようと言うのです。 白竜:お前が魔物だからだ。それと……質問しているのはワシだ。答えろ! 葵:……兄弟の樹を探しに来ました。私の兄弟は悪い人間達によってこの街に連れてこられました。スズも同じです。 白竜:ほう……では、どうしてこんな公園でウロウロしている。居場所がわかるならさっさとそこに向かえば良いだろう。 葵:解らないのです……この街に入ってからずっと……。こんな事は今までありませんでした……何かが、何かが起こっているとしか……。 GM:スズも同意するように頷きます。 白竜:ふむ……。 葵:今度はこちらの質問に答えて下さい。あなたは何者です? どうして"タダの人間"が私達の事を知っているのです。魔物のことを。 GM:と、白熱している最中申し訳ないが、それぞれ【感情】か<発見>で判定してくれ。 葵:(コロコロ)……失敗しました。 白竜:……成功だ。 GM:では白竜はその気配を察します。葵達のいる後ろ、森の方からスルスルと触手が伸びてきます。いきなり魔物の奇襲です。 白竜:気が付いているのはワシだけか? GM:近くに他の人はいません、奥まったベンチだったので。 白竜:スッと手を葵達の方へ突き出す。 葵:身構えます。 白竜:人間のまま<雷>を強引に使う(コロコロ)……6成功。ワシの手から雷がほどばしる!! GM:触手に攻撃だよね?(コロコロ)……回避失敗。 白竜:(コロコロ)……10点ダメージ(コロコロ)……暴走はせず(コロコロ)……社会注目も問題無い。 GM:その触手のバケモノは四散します。 葵:その時になって初めて後ろから来ていた触手に気が付きます――あなたは……。 白竜:見ての通り……ワシも魔物だ。
人間だと思っていた男性が、手から雷を放ちました。
白竜:目の前の2人は無害のようだな……ツカツカ進んで触手を検分しよう。そしてその人間は言います……『ワシも魔物だ』――と。 雷撃が収まると、私達の後ろで何かが倒れました。見れば雷で焼け焦げた触手の魔物。 もしかして、私達を助けてくれたのでしょうか? でも……どうして? GM:すでに死んでいます。森の乙女と縁の深い植物の魔物ですね。異形です。 白竜:死んでいる事を確認してから……お前達、この魔物に見覚えはあるか? 葵:いえ、このような方は存じません。初めて見る方です。 GM:スズも葵に同意するように首を振ります。 葵:この街では……このような事は多いのでしょうか? 白竜:馬鹿を言え、魔物が真昼間から襲ってくるなんてあってたまるか。 葵:では……。 白竜:一時休戦だ。お前達の話も半分は信じてやる。どうやら……何かが起こっているようだしな。 GM:と、その辺で大介が戻ってきます――「兄ちゃー――あっ!!」――ズベシャッ!!――思いっきりコケます。 白竜:何をやっている!(笑) GM:「いたたたた……」――座ったまま膝を立てて、擦りむいた膝を見ます。じわっと赤い血が滲みます。 葵:買って来てくれたのはペットボトルの水でしょうか? GM:水だと……それしか無いしね。 葵:転んだ拍子に転がった水のペットボトルを拾って、その水で傷を洗います。 GM:「あ、ありがとう……」――と、葵を見て大介はお礼を言いますが――「大丈夫?」とスズに聞かれると、すぐに立ち上がって――「こんなの余裕さ! ぜんっぜん痛くねー」(笑) 葵:微笑みましょう。 白竜:やれやれ……大介、場所を変えるぞ。ワシは腹が減った。 GM:「さっき食べてたじゃん!」 白竜:うるさい。いいから行くぞ――と大介が買って来た炭酸ジュースをプシュっと――
その人が缶ジュースを開けた途端、茶色い泡だった炭酸が勢い良く吹き出し、その人をびしょ濡れにしました。人間の少年はそれを見て大笑いしています。すぐに怒ったその人が少年を追いかけ始めました。
その人は自分の事を魔物だと言いました。しかし、その姿はかつて森の近くにあった、人間の村で見た事がる光景でした。 私には人間の少年と魔物の青年がまるで……兄弟のように見たのです。 ■第六章■
救急車に連絡をして、すぐにその場を離れた光は悩んでいた。
GM:次は光なのですが……できれば不死川あたりと今度こそ合流して欲しいのですけど(笑)全身に茸を噴出して死亡した男性。どういう事だろう……。 ふと、通り沿いのTVからニュースが流れてくる。『新型インフルエンザの流行は留まる事を――』 嫌な予感がする。脳裏にさっきの男と沙穂の姿が重なった。 光:じゃあ病院から出てくる不死川さんを、偶然発見するってのはどうかな? 不死川:私は構わない。 GM:ではそれで行きましょう。野白さんと2人で病院を出てくる不死川、偶然通りかかる光。 不死川:目が合う私達。 光:!? あああーー!!!――思いっきり指差す!(笑) 不死川:む、あの子は確かロゼの……。 光:ダーっと走って行ってその手を掴む!――もう逃さないんだから! GM:「知り合い?」――野白さんが聞きます。 不死川:知り合いと言う程では無いが……。 光:お姉さん大丈夫でしたか! この人は殺人犯なんです! 早く警察を呼ばないと!!――不死川さんの手を持ったまま背中に回る。しょっ引く感じで(笑) GM:「ああ、どんな事情があるのか知らないけど、話は聞くわよ?」――と野白さんは手帳を出します。 光:お姉さん警察だったの!? そんな……殺人犯と一緒に警察が……汚職! さては汚職警官ね! 世界は闇献金とワイロって奴だわ!!(一同爆笑) 不死川:そろそろその暴走を止めろプレイヤー(笑)――黙れ。と言ってビシッとチョップを顔面に。 光:あいた!(笑) GM:「………………」 光:何するのよ! そ、そうか……真実を知ってしまったあたしを消すつもりね! でも無駄よ! あたしは正義の使者なんだから! あなた達のような悪には絶対に負けない!! GM:「えっと……ごめんなさい。お姉さん達仕事中でね。忙しいの。わかる?」 光:殺人犯と一緒に仕事中!? いったい誰を暗殺するつもり!(一同爆笑) GM:チャチャをやっている私が言うのもなんだが……どうしたものやら(笑) 葵:自分で言わないで下さい。(←その2人を相手にGMしてた人) GM:さすがに注目も浴び出したし、野白さんは言おう――「この時間が無いって時に……仕方無いわね」――と携帯を取り出して電話をかけます。 不死川:その携帯を取り上げてプツリと切ります。たぶん警察を呼ぼうとしてたんだろうし。 GM:まぁその通りです。 不死川:野白さん……猫の手も借りたい程の忙しさなんだろう? ちょうどいい……正義の味方に手伝ってもらおうじゃないか――と意味深に光を見ます。 光:???
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光:えええええっ!!! ど、どうしてあたしがロゼである事を!? 誰にも知られちゃいけないのに!とりあえず事情を話すと野白の車へと移動する3人。そして警視庁資料編纂課……いや死霊課について説明する不死川、そして……―― 不死川:死霊課はこの街の平和を守るのが仕事だ。味方になってくれるだろう魔物については調べてある。もちろん、敵になるだろう悪の魔物についてもな。 GM:死神である事はあくまで黙るのですね? 不死川:自分の生活を壊される可能性があるからな。 GM:では野白さんは黙ってます。 光:そ、そうだったんだ……そんな正義の組織があったなんて、あたしは知らなかった……。 不死川:私があの事件現場に居合わせたのは調査のためだ。もっとも、あの時点で敵に正体がばれるわけにはいかないから姿を消したが……キミには誤解されてしまったようだな。 光:そうだったんだ……ごめんなさい! あたしったら早とちりで。 不死川:気にするな。 光:不死川さんに絆取っておく〜♪ 優しくって心の広い大人だ(笑) GM:じゃあタイミングを計って、運転しながら野白さんが話し出します――「私達の事はわかってもらえたみたいだけど……この街で起こっている事件については解ってるかしら? ロズヴァイゼさん?」 光:光で良いです! もしくはロゼで(笑) ちなみに街で起こっている事件については、黒服の人が全身茸で死んだのを見たぐらいで、何も解ってません。悪は深く静かに侵攻していると見ます!――グッとこぶしを! GM:キキーッ!と急ブレーキです!――「全身茸の黒服ですって!? あなた、それをどこで見たの!?」 光:ガンッ!と思いっきり頭ぶつけながら……――えっと――と説明します、救急車呼んだ事も。 GM:野白さんは車を再出発させながら、携帯片手に死霊課の仲間に連絡します。その黒服の確保と隠蔽作業の指示です。 光:やっぱアレって事件なのかな? 不死川:電話しながら運転か……1999年だからこそ可能な行動だ(リアル世界だと法律が施行されて無理である)(笑)――野白さんが電話している間に、かいつまんで事件について説明しよう。 GM:じゃあ光は聞きました。 光:新型インフルエンザが!? それじゃあ……。 GM:沙穂の絆を振っていいです。 光:(コロコロ)……成功! 不死川:潜伏期間は1週間だ。それを過ぎれば……キミの見た通りになる。 光:そんな……。 GM:野白さんが電話を終えて――「黒服の方はなんとかなりそう……それより、追加情報よ。胞子の感染方法がわかったわ。切り傷や擦り傷……具体的に言って人体に付いた傷から空気感染……間違い無いそうよ」 不死川:それで山川君は感染したのか。 光:ねぇGM、沙穂はいつから寝込んでたっけ? GM:3日前からです。 光:それじゃ、あと4日しかないじゃない!――お願いです野白さん、あたしも事件解決に協力させて下さい。正義の心なら誰にも負けません! GM:「そうね。そう言ってもらえると心強いわ。携帯は……持って無いようだし、今住んでいる住所を教えてくれないかしら?」 光:教えました。 GM:「これで登録可能っと……ええ、それじゃあお願いするわ」 光:はい! ■第七章■
若者が雑多に集り、他愛の無い話題で雑音が木霊する。
白竜:やはりここは落ち着く。飯も美味いしな(笑)――とハンバーガーショップに移動して、そこで食べてるぞ。そこは今や日本一のジャンクフードチェーン店。ハンバーガーショップである。 GM:またハンバーガーかよ(笑)――「本当、兄ちゃんってこう言うの好きだよな」 白竜:これ以上に美味いものはあるまい(笑)――あ、ちなみにここに来る前に洋服屋に寄ったって事で。ワシは服を新調している。ついでに森から出てきた葵も新しい服を買ってやろう。 GM:そういえばスズも変な服でした。 白竜:スズの分も買った事にしてやろう。 葵:普通の服になりました。 GM:「さすが兄ちゃん、太っ腹だね」(笑) 白竜:そうか?――お金の使い方は当たり前だと思っているから不思議には感じない。とりあえず大介もいるので適当な話をしておく。 GM:ではその途中です――「うう……あれ、なんか俺……」――大介が倒れます。 白竜:大介!? おい、大丈夫か! GM:お店の人が来てすぐに救急車が呼ばれます。救急車の隊員が――「たぶん流行のインフルエンザですね、すぐに病院に搬送します」「ったく、今日だけで何人目だよ? 10や20じゃ効かないぞ?」――とか話しながら大介は病院に運ばれます。 葵:大丈夫でしょうか? 白竜:あいつは人間だからな、病気にもかかる。人間の治療は人間がするべきだ。あとは任せておこう。 葵:……そうですね。
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不死川:(コロコロ)……成功だ。その日の夕方。野白と別れ徒歩で調査に当たっていた不死川と光だったが、不信な車に付けられている事に気が付く。 光:私も<発見>で成功! GM:では2人は付けられているのに気が付きます。黒いバンですね。 光:あたしを付けるとは悪なる証拠! 振り返って―― 不死川:光、気が付かないフリをしろ。 光:「目立ちたい」(コロコロ)……成功だけど不死川さんの絆で(コロコロ)……うん、抑えた。 不死川:公園の公衆電話とかで野白さんに連絡――もしもし、資料編纂課ですか? GM:「ん? この番号を知っているって事は……おたくは?」 不死川:不死川と言います。野白さんに連絡を頼みたい。 GM:「ああ、それなら俺から伝えとく」 不死川:ではさっきさり気なく見ていた黒いバンのナンバーを伝えて、調べておいてくれるように頼みます。 GM:「……ああ、わかったこっちで調べておく。俺の名前は長沢僚、キミの噂は野白から聞いているよ。ずいぶん人の良い死神なんだってな?」 不死川:「人に動揺を見せたくない」(コロコロ)……失敗(笑)――そんな事は無い。 GM:「はは、キミは正直だな。機会が合ったら会いたいものだ……じゃあ、調査の方は頼むよ」――電話は切れます。 不死川:憮然としていよう。 光:どうでした? 応援はすぐですか? それとも断られました? それならいっそあたしが! 不死川:いや、奴等は泳がせる。その間に奴等の身元がわかるだろう。 光:そう……ですか――残念でなりません(笑) GM:公園で電話って事は新都中央公園ってことでいいかな? 不死川:そのつもりだ(笑) GM:時刻は夕方ですが……公園の奥の方で人だかりが出来ています。 光:不死川さん、あっちでみんなが集ってますけど……なんだろう? 不死川:行ってみるか。 GM:人だかりの中心には黒い服を着た、"こんもり"とした元人間が倒れています。完全に茸に覆われて事切れています。 光:!? 不死川:光、お前はこの野次馬を公園から追い出せ、私はさっきの所に戻って死霊課に連絡してくる――走って戻ります。 光:追い出せって言われてもなぁ……あ! こんな事もあろうかと!(笑) 人間のまま≪こんなこともあろうかと!≫を使用します!(コロコロ)……暴走はしない! 警察手帳を出して全員を公園から追い出します! GM:業まで使うなら追い出された事にしよう(笑) 新都中央公園から人間がいなくなります。 光:じゃあ静まりかえった場所で1人、沙穂の事を考えよう……絶対、助けてあげるから(コロコロ)……絆判定成功。 GM:不死川もしていいですよ? 不死川:走りながら考えてよう……山川君(コロコロ)……失敗、野白さん(コロコロ)……も失敗、家にチャチャ1人(コロコロ)……成功。心配だ……。 GM:そっちかよ(笑)
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白竜:しかし……あの公園には触手の異形がいるぞ?急に倒れた大介を見送った後、葵達の事情を詳しく聞くと白竜達は再び新都中央公園に戻る事にする。 GM:「でも……私の兄弟の気配はあの公園の近くからするの……」――と、スズ。 葵:私の方は? GM:葵の方はまったく感じません。 葵:仕方ありません、いまはスズを優先させましょう――公園へ戻りましょう。 GM:そして3人が公園に来ると、昼間見たより明らかに人間が減ってる……ってかいない。 白竜:ん? この時間帯で誰もいないなんて……。 光:そこに登場!――これ以上は進入禁止です! 白竜:だが、こちらはこの付近に用があるんだ。そうだろスズ。 GM:「はい!」 光:何を言われようと駄目なものは駄目です。 白竜:「旧支配者のおごり」(コロコロ)……ワシに命令するな!――ズカズカ入って行く。 光:!!! 葵:付いて行きます。たぶんですが、触手の方が現れた方向が怪しいですし……。 白竜:じゃあそこに向かうか。 光:駄目です! これ以上先は危険なんですよ!? あたしは警察です! これは本物の手帳です! 白竜:……バシッ! と手帳を振り払って――ワシはワシの自由に動く、人間どもの治安組織など関係ない。 光:ああ、めちゃくちゃ自分勝手な人だ(笑) 葵:ごめんなさい。どうしても調べないといけない事があるんです――奥へ進んで行きます。 光:う〜〜全身茸の人は死んでるし……わかりました! ここはあたしに任せて下さい! あたしも一緒について行きます! 世界は悪意に満ちています! 白竜:邪魔なだけだ。来るな。 光:そうはいきません! 無垢な一般人が危険にさらされるかもしれないと言うのに、このあたしが見過ごすわけには行きません! 白竜:やれやれ……勝手にしろ。 ■第八章■
不死川は今、図書館へ来ていた。
GM:図書館で調べるなら<情報>で判定して下さい。公園で警察を呼んだ後、現場に戻ってみればすでに光の姿はなかった。 とりあえず死霊課が到着するのを待ってから再調査に乗り出したが、今度は足で歩き回るのではなく、腰を据えて情報を集める事にしたのだ。 不死川:(コロコロ)……成功3。 GM:ではこんな記事を見つけます――『N県にあったメルキセデク・グループのバイオプラントラボ全壊! 同研究所では花粉や胞子の研究を行い、その目的は花粉症を失くす特効薬を作るという夢の実験施設であり――』 不死川:胞子……今回起こっている茸の病気……気になるな。この記事を野白さんへFAXをしておこう。その後、普通にアパートへ帰る。 GM:光はいいの? 不死川:あいつも魔物だ。自分でなんとかするさ。 GM:では不死川がアパートに帰ってきた所で大家さんが――「ああ、ちょうど良いところに帰ってきた、あなたに電話よ?」 不死川:どうも――と挨拶して出ます――もしもし? GM:「野白です」 不死川:ああ、野白さんか。 GM:「実は黒いバンについて調べが付きました……どうやらメルキセデク系列の会社が借りている車です」 不死川:繋がったか……でもなぜ? GM:「MMMという存在をご存知ですか?」 不死川:……いや、知らないな。 GM:「Melchizedek Monster Miner(メルキセデク怪物利用機関)……略称はMMM(エムスリー)。その目的は魔物を捕獲・研究してその原理を企業の技術に取り入れる事です」 不死川:そんな組織が本当に存在するのか? GM:「確かな情報です。メルキセデク・グループはこの組織の力で、大きくなったと言っても過言ではありません」 不死川:野白さんに新聞の記事を話そう。公園で見つけた第二の茸人間の話も。 GM:「……そんな事が……MMMがこの件にどうやって関わっているかは引き続き死霊課で調べます。ですが、私も今からその公園へ向かいます。不死川さんはそのまま自宅で待機していて下さい、途中でそちらに寄りますから合流しましょう」 不死川:わかった――チン…と電話を切って――MMMの人間にとって、魔物は研究材料……か。どうして人間は、命の重さに差をつけるのだろうな……。
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GM:では少し経って、野白さんがアパートにやって来ます。不死川:それを窓から見てすぐに車に乗り込もう。 GM:野白さんは不死川が乗り込むと車を公園に向けて走らせます。 不死川:その後の進展は? GM:「少しだけ……MMMのバイオプラントの事故だけど、そこの研究所の所長だった男が姿をくらましているみたいなの。男の名前は椎名武(しいな たけし)40歳。最近、新宿の方にビルを一棟借りたそうよ」 不死川:ビルを一棟……もしかして新都中央公園付近か? GM:「どんぴしゃ。本当は死霊課で動きたかったんだけど……確証も無く仲間達を動員するわけにもいかなくて……」 不死川:構わないだろう。それに、いざという時、人間がいないほうが私達は戦い易い。 GM:「無理はしないでね。もしもの時は私も応援に入るわ」 不死川:ああ……、だがそれまでに片をつけるさ。 ■第九章■
その女の子は天条光と名乗りました。
白竜:ツタの足跡を追跡するしかないな。心配で放っておけないからと言って私達に付いて来ます。 たぶん、その言葉に嘘偽りは無いのでしょう。 損得を考えずに他人に尽くす――こういう人間がいるから……私は人間に憧れるのです。 GM:では<発見>をして下さい。 ――全員失敗。 光:こっちです! 何を探しているか解らないけど…もう悪の気配がビシバシです!――ビシッ! と一方行を指差します! 白竜:ほう、そっちか。では行くぞ皆の者。 葵:<花との会話>でツタの来た方向を聞きたいと思います。 GM:教えてくれます。光の指差す方向とはまったく別です。 葵:……こちらですね。行きましょうスズ。 GM:「うん」 白竜:なんだ? そっちなのか――と葵達に付いて行く。 GM:森の中なのにヒュゥ〜と風が(一同爆笑) 光:ま、待ってよ〜!!!(笑)
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GM:やがて公園の端っこまでやって来ます。目の前にはあまり車の通ってない暗い道路があります。植物達の話を元に公園の中を突き進むと、やがて目の前を道路が横切りる。公園の端の道路だった。 葵:花に聞いてみます――この先から来たのですか? GM:『あの石の集まりから出て来たのを見たよ』――と花が言うのは道路脇の古いビルですね。 葵:どうやら、あのビルからツタはやって来たようですが……。 白竜:では行くぞ。ワシに喧嘩を売るとは良い度胸だ。おい、お前。 光:光です。 白竜:光、ワシ等はここから公園を出る。もうお前は付いてこないで良いぞ。 光:そうは行きません! 何を探しているのかは知りませんが、困っている人を見過ごすわけにはいきません! 白竜:やれやれ……解っていないようだからもう一度説明するぞ。ワシ等はある事情であのビルへ入る。だが、あのビルは大変危険な可能性がある。たかが人間が興味本位で首を突っ込んで良い話では無い! 光:大丈夫です! あたしはただの人間じゃありませんから! GM:え? 白竜:なんだと? 光:あたしは正義の使者です! この愛と正義が胸に宿る限り、あたしは何者にも負けません!! 白竜:………………。ワシは何があっても知らんからな――ビルへ入って行きます。 GM:ビルは真っ暗で人気はありません、ドアに施錠はしてありません。南京錠が壊れて落ちています。どうやら内側からドアが強引に開けられて、その時壊れたようです。 白竜:ワシが先に進む。光、お前は最後だ。 光:後ろからの不意打ちは危険ですからね! 解りました任せて下さい! 葵:白竜さんに続いて歩きながら小声で言いましょう――やはり、あなたは優しい方ですね。 白竜:なっ!? いきなり何を言う! 葵:何かあってからでは困るから、光さんを最後尾にしたのでしょう? 白竜:ふん、脆弱な人間は何一つ自分ではできぬからな、弱者を守るのは強者の務めだ。 葵:白竜さんに絆を結びます。 白竜:ちっ……ワシも葵に絆を取ろう。 GM:では2人とも芽生えチェックをして絆を結んでおいて下さい。
そのビルの1階は駐車場になっていた。シャッターの降り切った車庫には一台も車は無い。
白竜:事務所か……何か怪しいものが無いか調べたいぞ。そして2階は事務所のようであり、デスクが数台置いてあるだけであり……―― GM:では<発見>をお願いします。 ――再び全員失敗。 光:これは!!! 白竜:なんだ!? 何か見つかったか!! 光:この机の引き出しに美少女戦姫ワルキュリアの漫画が!(笑) GM:あるわけがありません。 光:目の錯覚でした(一同爆笑) 白竜:紛らわしいことをするな!!(笑)
結局、2階の事務所には何も無く、4人は3階へ向かう事にする。しかし、3階への階段は踊り場に鋼鉄の扉が付けられており、それ以上進む事は不可能になっていた。
葵:ふと……適当に書類を捜したりするより、ツタがここから公園へやって来たと仮定するなら、その痕跡を探した方が良いのでは無いでしょうか?GM:ではもう一度<発見>をお願いします。難易度は4です。 白竜:(コロコロ)……失敗だ。 葵:私もです。 光:……5! 成功した!――ねぇ見て見て! こっち来て! 白竜:なんだ、また目の錯覚か? GM:通気口が壊れているのを発見しました。 白竜:なるほど……ここを通ってツタは外に出たらしいな。 葵:では行きましょう。 白竜:いや、待て――ここからツタが来たと言うなら、これ以上は連れて行けないだろう。光の方を向いて――お前はここで待っていろ。これ以上は邪魔なだけだ。 光:何を言っているんですか! 通気口がこんな風に壊れているなんて妖しさ大爆発です! 明らかに悪! 正義の出番です! 白竜:いい加減にしろ! これは子供の遊びじゃないだ! 貴様のような足手まといはいらん! 人間は人間らしくワシの言う事に従っていれば良いのだ!!――「旧支配のおごり」(コロコロ)……成功。 光:で、でも!――うう〜ここで人間じゃない!とは言えないし……。 葵:光さん、私達はちゃんと戻ってきます。あなたの事を忘れたりしませんから……だから、待っていて下さい。 光:くっ(コロコロ)……絆成功――うん。わかった。待ってます。 白竜:では行くぞ。 葵:はい。 光:絆に成功しちゃったしなぁ……ここは我慢かぁ。 GM:「じゃあねお姉ちゃん」――スズも一緒について行きます。 白竜:それは何も言わない。 葵:言う理由がありません。 光:じゃあそれを見送ってから……って! なんであんな小さな子が良くて、あたしが除け者なのよ! 納得いかない!!(一同爆笑) ――通気ダクトを通って3階へやって来た3人だったが、3階へ付くやいなやシュルシュルと音を立てて数本の触手が襲い掛かってくる。 白竜:どうやら……光を置いてきたのは正解だったな。 葵:ツタの異形を見て言います――どうして……こんな姿に……。 GM:「可哀そう……」 光:明らかに魔物ですね。葵さん達は下がっていて下さい。 白竜:ああ、ここはワシが……ん? 光:あ、登場しました。 白竜:もう登場したのか貴様は!! さっきの今で3分も経ってないじゃないか!!(一同爆笑) 光:仕方ありません。「目立ちたい」のエゴ判定に成功してしまったのです。 GM:ではこっちは遠慮なく戦闘に入ります。全員イニシアチブ振って下さい。ツタの異形は3体です。
◆1ラウンド◆
白竜:ふん、ワシの力を――[1]白竜(10) [2]葵(8) [3]ツタの異形×3(7) [4]光(6) 葵:スッと手を出して静止します――白竜さん、この方々はきっと昔は私の同族だった人達です。私にやらせて下さい……。 白竜:腕組んで何もしない。 葵:ありがとう……(ツタの異形に向き直り)心を失ったあなた方に、森への回帰と安息を(コロコロ)……変身しました。 光:森の精? 白竜:あれは森の乙女と言うのだ。 光:へぇ〜…とりあえず正義の味方だね。 葵:<蒼花乱舞>(コロコロ)……8成功のダメージ7点。 GM:(コロコロ)……駄目、1匹死亡。そして残り2匹が(コロコロ)……葵と(コロコロ)……葵にいきます。 葵:集中されています。 GM:(コロコロ)……8成功の10点ダメージ。(コロコロ)……9成功の11点ダメージ。 葵:そんな……倒れました。 GM:スズが「葵!?」 白竜:やれやれ……やはりワシの―― 光:変身します!!――「世界は愛と希望で満ちているのよ! 美少女戦姫ヴァルキュリア、光の戦士ロズヴァイゼ見参!! 白竜:あんぐりと口を開けてよう。 光:ごめんなさい白竜さん、実はあたし……正義の味方だったんです! 白竜:あ……そ……(一同爆笑)
そりゃそういうリアクションしか取れないわな(笑)
光:悪しき魂よ浄滅せよ!(コロコロ)……5命中(コロコロ)……14点ダメージ!GM:1匹死亡、残り1体です。2ラウンド目ですね。 ――しかし、2ラウンド目で再び一番高いイニシアチブを取った白竜が一撃(人間のまま<竜の尾>を使い)。最後の一匹が吹き飛び、そのまま死亡。戦闘は終了する。 白竜:なんかワシ……地味だな……。 光:正義は必ず勝つのです!!……って、ポーズ決めてる場合じゃなかった!? 葵さん! 大丈夫ですか!? 白竜:葵の側に座って確認――死んでいるな。 GM:「葵!」――とスズも叫びます。 光:正義の味方が……こんな簡単に死ぬわけありません! ――その時だった。葵の周りに集っていた3人は気が付く。自分達の真後ろからのゾクっとした気配に…… ――そして振り向いた先には、死の気配を纏った黒装束の男が1人立っていた……。 不死川:――と言うわけで、死神天涯で登場する。 白竜:この気配……死神か。悪いが彼女の命は刈り取らせんぞ。 不死川:………………。 光:あ! あの時の死神さん!! 白竜:知り合いか? 光:あの人は良い人なんです! 白竜:死神が良い人なわけがあるか!(一同爆笑) 光:そ、そう言われるとそうだけど(笑) 不死川:キミは……ロゼだったかな? 光:いえ、今は天条光です――と元に戻ります――あ、そう言えばあなたは? 不死川:私の名は天涯(てんがい)。その者からはまだ死の匂いを感じない……まだ死ぬには早すぎる――と葵に近づくと復活させます(コロコロ)……成功。 GM:では復活させた人は「罪」を5点。復活させられた人は〔人間性〕が減ります。 不死川:よし。
私は故郷の森の中を1人歩いていました。普段と違和感を覚えます。森が静か過ぎるのです。
葵:気が付きます……ここは……私は?それでも私は森を歩きます。この先に待っている子は、私の半身である青い薔薇だったからです。 ですが……―― そこに青い薔薇はありませんでした。誰かに掘り起こされた跡……数人の足跡……人間です。 私は急ぎ森の外の村へ走りました。人間の友達に話を聞くためです。 たまたま見つけた一番仲の良い人間に尋ねます。私の半身を……青い薔薇を知らないか?――と。 その人間が知っていたのは都会から来ていたお客さんが、急いで帰って行ったと言う話だけでした。 どうしてそんな事をするのでしょう……私には理解できません。 村の人々は八方に手を尽くして、その都会の人間を追ってくれました。けれど結果は……。 私から半身を奪ったのは身勝手な人間です。私の半身を取り戻そうと親身になってくれたのも人間です。人間とはどちらが本当の人間なのでしょう……。 GM:「葵!」――とスズが抱きついて泣き出します。 光:あそこの死神さんが生き返らせてくれたんだよ?――と指差す(笑) 不死川:………………。 葵:ありがとう……ございます。私にはまだ、生きてやらないといけない事があるので……。 不死川:お前からは死の匂いがしなかった……ただ、それだけだ。 葵:……はい。 GM:ではその辺で、部屋の植物達が次々と枯れていきます。 白竜:どうやら、ツタの異形達がドミニオン的な空間を形成していたのかもしれんな――枯れた後の部屋はどんな感じだ? GM:研究室ですね。特に目を引くのは部屋の角に作られた小型のガラスハウス。中にいくつか鉢植えが置いてあります。それと共にスズが――「あ!? やっと会えた〜♪」と走って行きます。 葵:植木鉢に入っている鈴蘭があるのですね? GM:その通りです。 白竜:どうやら……一件落着のようだな。 葵:スズ……あなたはやっと自分の半身と出会えたのですね。よかった。 GM:しかし、ガラスハウスの中に青い薔薇はありません。 葵:……でも、私の目的はまだのようです……。 不死川:私は研究の書類などを調べよう。元々それが目的だ。 GM:研究の机とかがあり、そこに家族の写真があったりします。書類には椎名武(しいな たけし)と書いてあります。 光:何見ているんですか? 不死川:お前はあの死霊課から聞いていないのか? 流行の奇病……あの原因を作った男だ。たぶんな。 光:ええ!? 白竜:流行の奇病? 何の事を言っている。 不死川:……部外者には関係の無い事だ。 白竜:「旧支配者のおごり」(コロコロ)……成功――ほう、ワシに隠し事とはいい度胸だ。 不死川:「死を与えたい」(コロコロ)……成功――死に急ぐか? 光:待った待った待った!! 死神さん、この白竜さんは良い人です! 白竜さんもさっき死神さんが葵さんを生き返らせてくれたのを見たじゃないですか! それに、奇病の話だったらあたしがしますから! 不死川&白竜:(コロコロ)……(←光の絆判定) 光:――と言うわけで、事件のあらましを説明します。 ■第十章■ 白竜:そんな……発病してから一週間で死亡だと!? ワシを謀っているのでは無いな?不死川:事実だ。 光:あたしの友達も……あと3日の猶予しか無いんだ……。 白竜:ここで脳裏を過ぎる昼間の大介……転んで怪我をして膝から血が滲むシーン……そして急な熱で搬送される大介……――チィッ! 不死川:私は死霊課に協力してその事件を追っている。 光:あたしもそうなの。このままじゃ新宿が……ううん、日本中が危ないの! 白竜:その死霊課とやらはどこに居る。ワシもその捜査の仲間に入れろ。 不死川:死霊課なら……下で待機している。片手に白い長手袋をした女に言えば大丈夫だ――と、机にあった椎名武の資料を光に投げよう。そして目だけで下に行けと言う。 光:頷いて――行こう白竜さん! 世界は危機に瀕しています!――退場。 白竜:世界などどうでもいいが……その菌を撒き散らした魔物。ワシの庭を無断で荒らしまわった事、後悔させねば気がすまん――退場。 不死川:……お前はどうする? 葵:私には謎の奇病も菌を撒き散らす魔物も関係ありません。 不死川:だろうな――立ち去ろう。 葵:でも―― 不死川:立ち止まる。 葵:この実験を行った人間には聞きたい事がありますから……。 不死川:……好きにしろ。
そう一言呟いて死神は去りました。
GM:ビルを出ると車に野白さんが乗って待っています。光はわかりますね。スズの兄弟の樹を奪っていたのは、その椎名武という人間でしょう。 なぜそのような事をするのか……半身を裂かれる思いがどれほどのものか……。 私は聞きたかったのです。 ……………………………………………………………………………………………… 光:野白さん! GM:「光ちゃん? 不死川さんから聞いたのかしら、早かったじゃない……それで椎名武はいた?」 光:えっと……ううん、いませんでした。でも、部屋に居た良い死神さんがこれを――と資料を渡します。 GM:受け取ってペラペラと見てから――「それで、その男性は誰?」 光:正義の白竜さんです! GM:「???」 不死川:お仲間……って事だろう――人間状態で登場。 白竜:また新しい人間がご登場か。 不死川:名前は白竜……どんな魔物かは知らんが、少なくとも人間じゃない。 白竜:どうやら、ここに集っているのは皆人間では無いようだな、貴様こそ何者だ。 不死川:人にものを聞くときはまず自分からだろう? 白竜:ワシは竜だ。いずれ脆弱たる人間達を、そしてこの世界を再び支配する存在だ。 光:とりあえず正義の味方です(一同爆笑) 白竜:貴様! ワシの邪魔をするな! どうして世界を支配するワシが正義の味方なんだ! 理由を言え理由を!!(笑) 光:あたしの目に狂いは無いからです! 白竜:………………。 不死川:助手席に乗って――で、そっちの調査は進んだか?――と野白さんに。 白竜:ワシは無視か? GM:「本人の居場所はまだ不明よ。ここに居てくれればよかったんだけど……ただ、家族の住所は解ったわ。離婚しているけど元妻だった木野恵理子と娘の舞の住所がね」 不死川:そこへ行こう。 白竜:そこに行けばこの奇病が治るのか?――とワシも車に乗ろう。 GM:「正確に言うと違うわ……でも、この原因を椎名武は知っているはず。もしかしたらワクチンを持っているかも……どちらにせよ、彼を見つけないと意味は無いわ」 光:あたしも車に乗ります。後ろの真ん中の席。 白竜:おい、狭いだろうが。端っこに乗れ(笑) 葵:バタン――と白竜さんと逆側の席に乗り込みます。膝の上に鈴蘭の鉢を抱えたスズが乗っています――私も連れて行って下さい。 ■第十一章■
雨が降り出しました。都会に振る雨も、森に降る雨と変りません。
GM:いつの間にか雨が降り出しています。木野家に着く頃にはすでに夜で、雨も本降りになっています。ある一軒の家が見える位置に野白さんは車を止めます――「あの家が木野家よ」私達は大所帯で椎名武の家族の家へ向かっています。 家族……人間に取っては、私達の兄弟の樹と同じ意味合いを持つと、村に住む仲の良い人間に教えて貰いました。 自分にもそんな大切な人がいるのに……椎名武はスズの兄弟の樹を誘拐したのでしょうか……。 どうして……そんな事を……。 白竜:では乗り込もう。あそこに椎名武がいるのだろう? 光:悪・即・斬ですね! 不死川:いや、少し様子を見よう……もし、椎名武が接触していなかった場合、彼女達の生活を乱すことになる。 GM:少し経つと、家から小さな女の子が犬の散歩に出かけます。傘を差して出てきたのは写真に写っていた女の子です。 光:確か……犯人の娘さん? 不死川:車から降りる――光、お前は野白さんと一緒にここで見張っていてくれ。椎名武が現れる確率はこちらの方が高い。 光:(コロコロ)……成功――はい、任せて下さい! 正義の名にかけて! GM:「気をつけて」 白竜:あの男1人では心配だ。ワシも行く――車を降りて不死川と一緒に行く。 葵:私も無言で降ります。 GM:では舞をつける3人組は、それぞれ<発見>か【感情】で振って下さい。 一同:『(コロコロ)……成功』 GM:では舞が路地裏に入った所で、誰かと話しているのが解ります。近づけば一発なので言いますが……椎名武です――「わかったかい舞、早くこの町を離れて田舎へ行くんだ」 白竜:自分の子供は可愛いか! 他者は死んでも良いのか! これだから人間は!!!(コロコロ)……「人間への憎悪」成功。 不死川:白竜を止める――止めろ。あの人間の子には何の罪も無い。 白竜:(コロコロ)……止まった。不死川には【肉体】の好敵手で取っているからな、いまいち釈然としてない。 GM:待つなら――「とにかくここにいると危険なんだ。それとお父さんと会った事は内緒だ」――「う〜ん、わからないけど……わかった! お母さんに言っておく、じゃあねお父さん!」――と舞はいなくなります。椎名武は舞の姿が見えなくなるまで見送って―― 葵:私が目の前に現れます。傘も差さずに立っています。 GM:「な、なんだお前は!?」 葵:あなたが……スズの兄弟の樹を盗んだ犯人ですね。 GM:「兄弟の樹?……貴様、森の乙女か!」 葵:そうです。教えて下さい。あの女の子はあなたの家族ですね? 私達にとって兄弟の樹は家族以上に大切な存在です。それを引き離される事がどれだけ辛い事か……あなたにはそれが解らなかったのですか?
都会に降る雨が私に容赦なく降り注がれます。
GM:「悪いが……あの兄弟の樹をラボに持ってきたのはMMMの実働隊だ。俺は関係無い……俺はアレをエサにして寄ってきた魔物達を、言われた通りに研究して実験を行っただけだ」雨は冷たく私から熱を奪っていきました。 でも、でも私は……私の心はそれ以上に冷たく、瞳は氷のように目の前の人間を見据えます。 これからこの男が口にする言葉が……まるで解っているかのように……―― 葵:実行したのが自分でなかったのなら……他人から与えられた物なら、あなたは人の家族でさえ犠牲にできるのですか? GM:「何を言っている? お前達魔物がどうなろうと、俺達人間には関係無い事だ」 葵:………………。 GM:「悪いが俺はもうあの研究には携わってない。アレが暴走したせいでな……ラボは壊滅、なんとかしようと実験器具と材料を持って都心までやって来たが……結局、アレに見つかって新しい研究所も崩壊した。俺が知っているのはそれだけだ。解ったらそこをどけ、俺はこの街から逃げる」 白竜:自分の事しか考えない……これだから人間には虫唾が走るんだ!――登場。 不死川:もっとも、人間の中でもこいつのような考え方をする者は、少ないと思うがな――登場しよう。 GM:「き、貴様ら……MMMか!?」 不死川:死霊課……と言っておこう。 白竜:椎名武だな! 今流行っている奇病を止める方法を教えろ! ワクチンをどこにやった!! GM:「ワクチンなど意味が無い。魔物が散布する胞子に、いったい人間の化学力がどこまで通じると思う?」 白竜:くっ……じゃ、じゃあ、どうすればこの奇病は治る! 貴様なら解るだろう! いや、貴様しか知らないはずだ!! GM:「簡単な事だ……元を正せば良い……アレを消滅させることができれば……もしくは……」 白竜:そのアレとはどこにいるんだ! GM:「わからん……ただし、そこまで移動が可能だとは思えん。新宿より外には移動していないだろう……問題はこの雨だ」 不死川:雨? GM:「これだけの水分を吸えば、奴は全力で胞子を飛ばすだろう……ラボの時はガラスで囲っていたが、今の奴を止めるものは何もない。雨が止んだ時、新宿……いや、東京中にあの胞子が飛ばされるだろう。そういう森の乙女だ」 葵:植物にとって雨は、まさに恵みです。 不死川:その魔物がいる場所は? GM:「知らんよ。ただ、奴は低いところで開花する。もしくは暗がりだ」 不死川:………………。 白竜:おい、一つ教えろ。新都中央公園近くのビルで、ツタの異形に会った。アレはなんだ。 GM:「あれは失敗作だ。兄弟の樹をエサに連れてきた森の乙女を、意のままに使う実験結果だ。ラボの消滅とともに何体か連れて来たが……ま、所詮は実験材料だ。どーという事はない」
その時、私の中に彼女の悲鳴が響きました。
――『返して! それに触らないで! いや、何でもする、何でもするからやめて!!』
その声が聞こえたのは一瞬です……でも、私にとってそれは……私"達"にとってそれは……――
葵:「自然を守る」(コロコロ)……首をガッと持って吊り上げる――あなた達は、私達を、なんだと思っているのです!GM:「ふ、ふん…この世界は…人間のものだ。…森や自然など…人間が生きる為に…存在する……」 葵:力を込めます!!――あなた達のような人間がいるから! この世界から自然が次々に失われていくのです! あなたの……お前のような人間がいるから!!!!! 白竜:やめろ(コロコロ)……「旧支配者のおごり」で成功。人の世などまどろみの一時だ。落ち着け葵。 葵:(コロコロ)……絆判定成功――ですが……このような方が……いる……限り。 白竜:だが、このような愚者だけでもあるまい。それはお前も解っているのではないのか? 葵:それは……。 GM:「人間へのあこがれ」で振って下さい。 葵:(コロコロ)……くっ、成功、です。 白竜:それに、もし人間がそういう者どもばかりになったら、そのおごりと共に、我等が滅びを与えるまでだ。 葵:椎名武を降ろします。 GM:「ゴホッ…ゴホッ……」 不死川:さて、それより件の森の乙女だ。暗く低い場所……。 白竜:やはり地下か? 不死川:その森の乙女の容姿は? GM:「女だ。それもかなりの美人のな。雰囲気的には高価な感じだ」 白竜:解りにくいな。 GM:「ああ! それと特徴的なのが1つ! あいつは良い香りがする。高い香水のような……な」 葵:香水? 良い香り? 白竜:人狼族でもいれば助かったのだがな。 不死川:野白さんの所へ連れて行こう。 GM:では野白さんに椎名武は逮捕されます――「まぁ、早くするんだな。奴を倒せば奇病は治る。駄目なら……朝日と共に奇病が広まり東京は壊滅だ」 光:そうはさせません!!! GM:椎名武は連れて行かれながら、イっちゃった目で言います――「この星は……ガイアは汚れきっているんだ!!」 葵:でも……その星を汚したのはあなた達、人間です。
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不死川:ここからは別々に探そう。その暴走した森の乙女をな。白竜:ワシにまかせろ。なんとかしてやる。 光:正義は必ず勝つ!! 葵:野白さん……スズの事で――と車の後ろでは寝ているスズが居ます――この事件に最後まで私はご協力いたします。だから、スズは故郷に兄弟の樹と共に返してあげて下さい。 GM:野白さんは頷きます。もとよりスズの処遇はそうするつもりだったしね。 葵:ありがとう、人間が全て……あなたのような方ばかりなら良かったのに……。 ■第十ニ章■
雨。
GM:では皆気合い入れて下さい。この章の結果次第でエンディングが変ります! 椎名武が言う暴走した森の乙女……彼女を探すわけですが、皆さんどこを探しますか? 1人ずつ宣言して下さい。私はその雨を肌で感じ、森との違いを知りました。 私の体を濡らす都会の雨は、冷たく硬く……そして重たい。 何者をも拒絶する雨……隣人さえ理解しようとせず、自らのみで生きようとする人間達。 まるで……都会を象徴するような雨。 光:川沿いを調べる! 特に橋の下とか! 暗くてジメジメしてるし! GM:了解です。他の人は? 不死川:誇り高き竜よ。私とともに来てくれないか? 白竜:ワシの力を借りたいと? 不死川:ああ、私の考えが正しければ、空を飛べる竜の力が必要だ。 白竜:いいだろう、ワシの力を貸してやる。 葵:私は花達からの話を聞きながら追跡します。 GM:良いでしょう。では光からやりましょう……――
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GM:光は都内の川を探しています。特に橋の下なんかを重点的に。光:ここか!!――とか言いながら探してます。 GM:結果から言いましょう……はずれです。どこにも居ません。 光:……どういう事? どこにもいないじゃない!!
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GM:次は葵です。ここは<情報>で判定して下さい。葵:(コロコロ)……<情報>で7成功。 GM:新都中央公園の子達が知っています。どうやらこの公園の付近にいるらしいね。無条件にラストバトルのシーンに登場する権利をあげよう。 葵:では居場所を詳しく聞き――まさか、そんな所に!?
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GM:では最後に不死川&白竜です。どこを調べるのですか?不死川:GMに質問、地名とかは私の(PLの)知識にある場所ですよね? GM:TRPGですから(笑) 白竜:しかし不死川よ。奴は低く暗い場所にいるのだろう? <飛行>が役にたつとは思えんぞ? 不死川:椎名武……あいつの言っていた事は半分が本当で、半分が嘘だ。 白竜:なんだと? 不死川:歩きながら話そう――雨が降り終って太陽の光を浴びた時、胞子を撒き散らして東京が壊滅する……これは本当だ。 白竜:……で、嘘は? 不死川:奴の居場所が低く暗い場所と言うところだ。東京にばら撒かれる胞子。低い場所のはずがないだろう。まして地下なわけがない。だから奴がいるのはこの東京で高い場所の……どこかだ。 白竜:なるほどな……筋は通っている。だが、高い所などいくらでもあるぞ? 見当はついているのか? 不死川:奴が最初居たビルが新都中央公園付近……――ぶっちゃけ、新宿中央公園ですよね? GM:まぁ、その通りだ(笑) 不死川:そこから見える一番高い建物……つまり、あそこだ!――指差す。 ――不死川が指差したのは、新宿の空に突き立つ2本の塔――新宿都庁だった。 ■第十三章■
新宿を……そして東京を司る都庁。
GM:都庁へ行くと気が付きます。エレベーターやドアは破壊されており、警備員は全員キノコ人間と化して倒れて死亡している事に。雨闇の空に浮かぶ2本の尖塔を思わせるシルエットは、今、静寂の中だった。 シトシトと雨音だけが木霊する。 不死川:まずいな……白竜、先に行ってくれ。 白竜:魔物変化! 白き龍に戻るぞ――不死川、貴様はどうするつもりだ。 不死川:私はここで……。 白竜:ふん、よかろう…あとは任せておけ――ゴウウッ! と轟音と共にエレベーターに突っ込んで行く。そのままエレベーター内を巨大な龍が上昇して行く! 不死川:ああ…頼む。
白き龍がエレベーターシャフト内をギリギリの幅で上昇して行く。
白竜:都庁上空から屋上にいる異形を睥睨します。そして、勢いに任せて天井を突き破ると、龍は上空から都庁の屋上を見下ろす。 そこには……異形の乙女がいた。 GM:そこには上半身が気品溢れる女性、下半身が菌糸でできたスライムに覆われた森の乙女がいます。現れた白竜を警戒して上を睨みつけます。 白竜:貴様か……この奇病を撒き散らしている輩は。 GM:「……だとしたら?」 白竜:今すぐその下らん行動を止めるんだな。 GM:「……どうして? 菌をばら撒き全てを自然に帰す事の何が悪いの?」 白竜:別に悪いとは言っておらん。ただ、この街にはワシの遊び相手も少々存在するからな、オモチャをみすみす壊されるのは気分が悪い。 GM:「……じゃあ、また新しいオモチャを手に入れればいい」 白竜:同じオモチャは二度と手に入らんものでな……その行動を止める気が無いなら、お前自身を壊すまでだ。 GM:「……私は……人間を滅ぼして全てを自然に戻したいだけ……」 白竜:人間どもを滅ぼすのはワシだ。そしてワシ等龍族が、再びこの世界を席巻する……どうやら、話は平行線のようだな。 GM:「………………」――戦闘に入りましょう。 白竜:後悔するが良い。史上最強である龍族に逆らった事を!!!
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葵:都庁の1階に登場します――不死川さん?不死川:来たか……キミの仲間は屋上だ。急いだ方がいい、白竜が怒っている…手遅れになるぞ。 葵:頷いて登っていきます。 不死川:では葵が登ってから――どうやら光は来ないか……真面目に川辺でも探しているのだろう――と、死神天涯へ変身――さて、私も行くとしよう。一握りの友人達を失わないために――影に消えます。
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◆1ラウンド◆
GM:不死川と葵は好きなタイミングでどうぞ。[1]不死川(11) [2]茸の山の乙女(8) [3]白竜(6) 不死川&葵:了解。 白竜:貴様は……何が目的だ。 GM:「……この世を全て自然に帰す。私の胞子が世界を覆い、菌で覆われた世界はやがて世界を、土を、水を浄化する」 白竜:今を生きる者達はどうする? GM:「……植物以外は死滅する」 白竜:ふん……短絡的だな。 GM:「……踏まれ続けてきた私達の気持ちなど、そのような高みから見続けたものにはわかりまい」 不死川:そこで≪神出鬼没≫で登場――それはどうかな?(コロコロ)……いきなり斬りつける。8成功。 GM:「……?」――(コロコロ)……8で受けた。 不死川:誰とも関わりを持たず1人で考えた結論ほど、的外れな事は無い。 白竜:天涯! 不死川:受けられたなら離れよう――この世界は良く出来ている。死ぬのは1人で出来るくせに、1人で生きていくには難しい。 GM:「……私は……私は1人では無かった! それを……兄弟の樹を……人間ドモが!!!」 不死川:む……タブーを言ってしまったか? GM:「おのれ……オノレ!!!」――近距離の業<菌糸の戒め>を不死川に(コロコロ)……9成功。 不死川:(コロコロ)……6だ。 GM:ダメージは(コロコロ)……19点。 不死川:くっ……痛いなマジで(笑) 残り4点だ。 白竜:死神天涯……あとはワシに任せておけ――スゥっと大きく息を吸って、一気に吐き出す!(コロコロ)……<雷>が6で成功、ダメージは19点! 屋上を舐めるように広がる落雷! GM:(コロコロ)……シュウシュウ言うが、森の乙女は死んでいません。 白竜:ほう。あれに耐えるか。 不死川:乙女と距離を取りつつ白竜に――ずいぶんと大雑把な業だな。 白竜:怖いなら離れているが良い。 不死川:ふん、死神に怖いなどという感情は無い。
◆2ラウンド◆
光:ここで登場!<鮮やかな登場>発動! 都庁の避雷針の上に出てくる――邪悪なる魂よ![1]光、不死川(11) [2]茸の山の乙女(10) [3]白竜(6) [4]葵(4) GM:一瞬だけ全員の視線が集る(笑) 光:これ以上、この世界を…人々を苦しませる事は許さない! 世界は愛と希望に満ちています! 美少女戦姫ワルキュリア、光の戦士ロズヴァイゼ参上! GM:いつの間にか雨が止み、一瞬だけ光を雲間からの月光が照らす! 光:あたしの手に光の槍が出現! 必殺!<戦乙女の光槍>(コロコロ)……8成功! GM:<自然の守り:菌糸>(コロコロ)……9成功で回避。その槍を、周囲に纏う菌糸で受け流します。 光:はじかれた!? GM:「……邪魔な魔物どもが……」 不死川:<影分身>(コロコロ)……6成功だから6体出現で〔人間性〕も6点減少――さぁ、的は多いぞ――さらに割り込みで「罪」を消費、<影切り>の絶対命中(コロコロ)……ダメージは13点! その後ロングレンジに離れます。 GM:「おのれおのれおのれ!!!」――腹を膨らませると一気にブハァ!! 全員【知性】で抵抗判定して下さい。失敗すると踊り狂います。効果は丸一日の菌糸による範囲攻撃です。 光:(コロコロ)……成功。 白竜:「罪」を使って(コロコロ)……成功。 不死川:私も同じく使って(コロコロ)……成功だな。 GM:くそ、特性の茸菌が……。 白竜:そしてワシだ。上空より<雷>(コロコロ)……7成功。 GM:(コロコロ)……8で回避だ。 白竜:キノコのくせに、意外と早い(笑) GM:ではやっと葵の登場です。 葵:はい、登場致します。私はその屋上の光景を見て――どうして……こんな……。 GM:「この世界の自然を! この汚れた世界を!」――叫んでいます。 葵:エゴ判定(コロコロ)……成功――あなたが人に利用され苦しんだのは解ります。だけど、心を失い暴れてはいけない。人間には良い人も悪い人もいる……決め付けてはいけない。 GM:「人々など……人々など! どうなっても構いやしない!!」 葵:お願い、目を覚まして下さい。この世界も人間も……全ては自然の一部です。 GM:「自然を拒絶したのは人間だ! お前だって人はキライなはずだ!」 葵:確かに……その通りです。でも、信じられる人もいます。 GM:「わからずやめ!!!」 葵:ごめんなさい――攻撃(コロコロ)……<蒼花乱舞>で(コロコロ)……9成功。 GM:回避が(コロコロ)……6だからあたる。 葵:ダメージは(コロコロ)……12点<通常>です。 GM:死にはしない。 不死川:それは困るな、同じ森の乙女の攻撃で死んでこそ花がある……「罪」使って追加行動<時間停止>(コロコロ)……成功! そしてダメージが18点。見えない所で魂を刈り取る! そして止まったままの時の中で退場。 GM:まるで葵の攻撃で敵が倒れたかのように時が動き出す。 不死川:その通り。 GM:では葵の攻撃でその森の乙女は倒れました。 葵:とどめを刺しに近づきます。抱きしめるように浄化……とどめです。1点しか「罪」が無い。でもこれで良いのかも……――本当に些細な間だけ、おやすみなさい。
私の腕の中で、人間を…そして世界を拒絶した仲間は死んで行きました。
GM:雨も止み雲も飛び、いつの間にか都庁に朝日が上がってきます。私に親切にしてくれた人間、私の兄弟を奪って行った人間。 どちらも人間です。 そう……人間も私達も、この世界を含む全ては……同じ自然の子なのです。 私は彼女を抱きしめた恰好のまま、心の中で考えていました。 全ては同じ命……だから愛しい。それなのに……私の中では、あの疑問に答えは出ません。 白竜:元に戻ろう――ん? あの死神はどうした? 光:正義は何も言わずに去るのです! では白き竜よ、世界のどこかでまた会いましょう!――<エンディング>使用。退場します。 白竜:やれやれ……忙しい一日だったものだ。おい、葵と言ったな。ワシは帰る。オモチャの具合が心配だからな……――と退場します。 葵:私は抱いたままの恰好で朝日を見ています。
私は昇り出る朝の光に問いかけていました……人間とはなんなのか……と。
■最終章■
新宿から始まった新型インフルエンザのニュースは、翌日には下火になっていた。
GM:ではここからエンディングです。事件は解決して沙穂も大介も山川さんもすぐに回復します。急に患者が回復していった事もあるが、どこからか大きな圧力が掛かった事は確かだった。 五月雨の悪夢は終ったのだ……。 光:じゃあ私は学校で沙穂に会おう。そしていつものように事件とスクープを探して走りまわる! 白竜:ワシはゲーセン……いや、公園辺りで大介にスズの事を話そう。 GM:スズは家出少女という扱いになり、北海道に警察が送ってくれたという事になります。 白竜:大介……そう気を落とすな。人には誰しも帰るべき家がある。あの子は自分の居場所に帰っただけだ、この街はあの子の家じゃなかった……それだけだ。それだけ言ってワシはゲーセンへ行く。まるでそこがワシの帰るべき場所であるかのように(笑) GM:不死川は? 不死川:山川君が復活したならそれで良い。ただ、私が家に帰るとチャチャから『1人で美味しい物食べてたでしょ! この匂い何!?』って追求されるんだ(笑) チャチャ:「あ、美味しい匂い発見! そうか、1人で美味しいもの食べるために私を置いていったのか!? こ、この匂い! マツタケ! 焼マツタケに茶碗蒸し、炊き込みご飯!!」 不死川:そんな感じだな(笑)
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GM:「こんな所にいたのね……探したのよ、香坂葵さん」――公園のベンチで休んでいた葵の前に、死霊課の野白さんが立ちます。私は1人、初めて都会に来た時に休んだベンチに座っています。 雨は止み、太陽の光が木々の隙間から私を照らします。この1日だけでいろいろな事がありました。 人間は支配するものだと宣言しながらも、人間の為に戦う魔物に会いました。 人間は守るものだと明言し、その言葉通りに身体を張る魔物にも会いました。 人間と協力する魔物にも、そして人間を滅ぼそうとする魔物にも会いました。 結局のところ、人間も魔物も同じなのでしょうか……。様々な魔物が居て、様々な人間がいる。 でも私には信じられないのです。 優しくしてくれた友達と、自分以外を認めない人間達が、同じ"人"であるなんて……。 葵:あなたは……スズは、無事に故郷へ帰れたでしょうか? GM:「その件は安心して、ちゃんと私の仲間が北海道まで送って行ったから」 葵:ホッとします――ありがとう。何かお礼をした方が良いですね……。 GM:「いいえ、誘拐された子供を連れ帰るのは警察の仕事。私は当たり前の事をしただけよ?」 葵:そうですか……やはりあなたは素敵な人です。野白さんとなら、私は友達になれそうです。 GM:「……久理子でいいわ、私の事を友達だと思ってくれるなら」 葵:なら私の事は……青藍(せいらん)と呼んで下さい。それが私の本当の名前です。 GM:野白さんはちょっと照れながら――「…青藍、ちょっと聞きたかったんだけど、青藍はこのまま新宿に居続けるの?」 葵:はい。私もスズのように兄弟の樹を探しています。見つけるまで帰る事はできませんから……。 GM:「そう……実は青藍に紹介したい人がいるの」――そう言うと、久理子の後ろから真っ赤なコートを着た黒い長髪の男。久理子が――「私の上司である紅(くれない)さん」 葵:警戒します。
その男から私は、違和感を感じました。
GM:紅が言います――「キミは新宿へ来たばかりで暮らす場所も無いのだろう? 俺の家は1人で住むには広すぎてな……この社会の常識を掴むまで、部屋を貸してやらないでも無い」人間のようで人間では無い――かと言って魔物と断言する事もできない……。 葵:久理子を見ます。 GM:大丈夫……と言うように優しく頷きます。 葵:解りました。宜しくお願いします。 GM:「公園の外に真っ赤なポルシェがある、先に行っていてくれ」
青い薔薇の乙女が公園の外へと向かうと、奥まった公園で2人の死霊課が言葉を交わす。
――紅さん、良いのですか? 青藍は解ってないけど……あの子MMMに……。 ――だからこそ目の届く所へ置いておく必要があるんだ。もしもの時は……頼むぞ。 去っていく紅色のコートの背に、野白久理子は1人思う。 自分達が今、全貌さえ掴めぬ大きな闇の渦へと、一歩足を踏み出した事を……。
BEAST BIND 魔獣の絆R.P.G
第4話『五月雨に濡れる花』 FIN
◆登場キャラクターデータ◆
★ビバ雑記 その4★ さて、旧ビバの昔話もとっととネタが尽きたので、今回のセッションについてでも書きましょう(笑)今までの1話〜3話と、今回の4話は明らかな相違点があります。今までのシリーズがキャラクターそれぞれの"成長"を個別に描いていた物だとすると、今回のはそう……成長していません。主軸である葵は「人間は良い存在か悪い存在か」で悩みます。しかし、最後まで読んで頂いた方なら解るように、葵はその悩みを引きずったままこの街で生きていく事になります。 これはどうしてか……実はちゃんと理由があります。この旧ビバのシェアワールドキャンペーンを始めた時、メインGMのSINと打ち合わせた時に――「お互い大きな事件を平行して起そう」と言うのがありました。そして私の担当する大事件のメインとなるのが……――……なわけです。 今回の話はその事件の始まりです。大事件勃発とPCが関わりだすのは、まだまだ先の事ですが、これからのシナリオでも少しずつ伏線が小出しにされるかもしれません。そんな所も、ほんのちょっとだけこだわって読んで頂ければ幸いです(笑) |