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野球TRPGボールパーク!

真面目な野球ドラマ、超人野球、コミック・アニメの野球。
高校野球や草野球、社会人野球にSF・超人野球まで。
全て人々を引き付ける魅惑のスポーツ――野球。
これは、そんな野球の夢と情熱を再現したTRPGシステムである。 シナリオ『少年たちの夏』リプレイ

青空に届くなら!

 ◆さぁ野球をやろう♪

GM:さて、今回は野球TRPGボールパーク!をやります!
一同:『おお〜〜!!』
GM:この野球TRPGボールパークは……その名の通り、野球をやっちゃおうというTRPGです。
プレイヤーA:じゃあ荷物片して外に行こうか!
GM:行ってどうする! 普通に野球しても意味無いだろうが!(一同爆笑)
プレイヤーA:だってその方が早いじゃないか。
GM:そういう根本的な部分を否定しない。それにTRPGだからこそ可能な野球だってある。
プレイヤーA:それは?
GM:漫画やアニメであるような破天荒な野球! プレイヤー達では体験できない甲子園の夏! 哀愁漂う万年ベンチの2軍選手……などなど、このボールパークはどんな事でも野球なら再現可能なのです!
一同:『おお〜〜!!(本日二度目)』
GM:わかってくれたかな? そして今回のセッションは『小学生』をやってもらいます。メインはリトルリーグ! どんな感じかと言うと――

百年町第二野球場。
青空球場のここは昔から地域の少年野球チームのグラウンドとして使われていた。
しかし、スポーツといえば野球という時代は終わり、
第二球場をつかう少年野球チーム百年リトルも、
ついに試合を行えない人数へと減ってしまっていた。

「もうしわけありませんね監督、地域開発は決まったことなんですよ」

野球の出来ないチームのために、いつまでも土地を遊ばせておくわけにはいかない。
百年町の町長が言うことは正しい。
このままでは少年たちの野球場が潰される。

「もっとも、あの弱小チームが地域の活性化に繋がるほど強ければ別だったかもしれませんが」


プレイヤーA:試合に勝たないと野球場とチームが潰される!?
GM:その通り! 少年たちは自分達のグラウンドを守るため、この夏を皆で一緒に過ごすため、最後の試合に臨む!
※解説1 「ボールパーク!」
 こういった解説において、今回プレイする『野球TRPGボールパーク!』の説明を補助的に入れていきたいと思う。上記で説明したシステムの目的は……まったくそのまま、ずばり野球をするTRPGである。セッションは『野球パート』『アドベンチャーパート』に別れており、野球パートはその名の通り野球の試合を行うパート。アドベンチャーパートはそれ以外の日常や練習風景を再現する会話主体のパートである。
GM:今回は9人に満たない地元の弱小少年野球チームが舞台です。チーム名は百年リトル。キミ達はメンバーを9人集めて、この百年リトルで試合に勝つことが基本ストーリー!
プレイヤーA:わかりやすいなぁ(笑)
GM:で、ここからはキャラクター作成に入ろう。まずは名前と性別、どうやって百年リトルに関わるかを決めて欲しい。関わり方が思いつかない場合は一応いくつかポジションの例を考えてはあるから聞いて欲しい。
一同:『はーい』
そして……。
GM:では名前とかは決まりましたね? 年齢は全員小学6年生。順番に自己紹介を。
昴:えっとじゃあ僕から。名前は白石昴(しらいし すばる)、都会から引っ越してきた転校生で(笑)
GM:お約束な(笑)
昴:野球大好きな少年だから、もちろんこっち(百年町)でも野球をやるつもりです!
GM:うん、なんとか9人集めて百年リトルを勝たせて下さい(笑)
昴:わかった! なんとかするさ!
リキ:次は俺かな? 名前は九重力(ここのえ りき)……かつて強豪リトルのエースで4番だったけど、強がって無理をしたら肩を……。
GM:壊したの!?
リキ:壊した。そして自棄になって野球をやめた。
GM:やめたんだ。
リキ:でも自信過剰で強がりなので、学校では今だにその強豪リトルのエースで4番だと嘘ぶいている。
昴:そういう奴いそうだなぁ(笑)
GM:エースで4番だったのなら肩壊した後打者に専念すれば良いのに。
リキ:そこは小学生、ピッチャーで4番じゃなきゃ意味が無いっ! って(笑)
GM:ありそうなプライドだ。うん、OK。じゃあ次の人。
つばさ:えっと名前は大空翼(おおぞら つばさ)。
一同:『おいーーーっ!』(一同爆笑)
※大空翼――某超有名サッカー漫画の金字塔。その主人公の名前である。「ボールは友達だ!」
つばさ:そして女の子。
リキ:女の子かっ! サッカー少女?
つばさ:いや、スポーツ万能だけど何もやってはいない。クラスで委員長とかやってるタイプ。
昴:それでどうやって野球に絡むの?
つばさ:うん、まぁそこはおいおい考える。とにかく野球に関係無いキャラをやりたかったから(笑)
リキ:そ、そうか……。
GM:まぁ皆の協力があれば、野球の素人がチームに入るのも大丈夫でしょう。
リキ:人数合わせも大事だし(笑)
昴:それは最終手段だけどね(笑)
GM:では最後。
修一:ああ、名前は五百川修一(いよかわ しゅういち)。典型的な地元の野球少年。昴が元気で前向き、九重がエリートで強がり系だから、俺は小学生にしては少し落ち着いてる感じかな?
つばさ:野球少年という事は学校の野球部とか?
修一:いや、百年小学校には野球部は無いって設定で。
GM:了解(笑)
修一:俺はその百年リトルのキャプテン。先輩が卒業してメンバーが自分を入れて6人になっても1人黙々と頑張っている。
つばさ:しかし周りのチームメイトは――
昴:『あ、ごめん、今日は塾だから』
リキ:『今日あがっても良いかな? 見たいTVがあってさ』
GM:ありえるなぁ(笑)
修一:そんな中、なんとかならないかと頑張っている。そしてやってくる転校生の昴!
GM:いいね。なんかシナリオの本筋が完成だ(笑)

◆百年リトルチームメイト作成

GM:さぁキャラクター作成に入ります。氏名と性別は決まったので次に行きます。まず『センス』の決定。1D6をして決定します。
昴:これって高い方が良いの?
GM:うん、高い方が良い。ただセンスが高いと引退が早くなる。
つばさ:引退?(笑)
GM:センスが無い選手は努力でコツコツのし上がっていくから息が長いんだ。センスだけで野球を続けると途中で息切れする。
リキ:つまりイチローは作れないわけか。
※イチロー――超一流の野球選手。センスを持ち努力を怠らない日本の侍。メジャーリーグで活躍。
GM:ゲームなので(笑) あと、能力値も割り振り制だからエースで4番とかを作るのもけっこう厳しい。
修一:そうか……。
GM:あ、ちなみにそれぞれやりたいポジションある?
昴:ピッチャー(笑)
リキ:まぁそこはな(笑)
修一:俺は1番打者か3番打者かな? 外野ならどこでも良い。
リキ:渋い選択だなぁ。
つばさ:そういうリキは?
リキ:オレは元ピッチャーだしキャッチャーで。あと4番(笑)
GM:つばさはどうする?
つばさ:野球は素人の設定だし余ったところでいいかな?
GM:了解(それぞれの希望ポジションをメモリつつ)……では、脇道にそれちゃったけど、いい加減センスを振って下さい。
昴&リキ&修一:『(コロコロ)……3』
つばさ:4。
GM:3人は『E』、つばさだけ『E+』。なんで素人の子の方が才能あるのか(笑)
つばさ:ふふん♪

GM:
さぁ次がキャラ作のポイント! キャラクタータイプの選択です!
昴:キャラクタータイプ?
GM:簡単に行ってクラスとかジョブとか職業だね。打つのが得意な[豪腕]とか、走るのが得意な[韋駄天]とか、計14種類のタイプから好きなのものを2種類選んで取得して下さい。
※解説2 「キャラクタータイプ」
 キャラクタータイプは全部で14種類。ホームラン狙いの[豪腕]、技巧派な[匠]、俊足の[韋駄天]、派手な攻守を見せる[お祭り野郎]、チャンスに頼れる[ヒーロー]、いぶし銀な縁の下[仕事人]、野球の事しか頭にない[野球狂い]、ありえない活躍を約束された[超人]、孤高の達人[狼]、不思議な雰囲気で流れを呼び込む[ミスティック]、ピッチャー用の[投手]、キャッチャー用の[捕手](ピッチャーやキャッチャーをやる場合、必ずそのタイプを組み合わせる必要がある)。その才能と潜在能力は超ド級[ルーキー]、そして監督やスコアラー・審判といった人用の[裏方]。ちなみに最後の裏方は本当に監督などの裏方用なので『監督・コーチのみ使用可能』などと明記されている。素人にはお奨めしない。
GM:後で取る≪特殊能力≫は、ここでとった2つと、誰でも取れる共通特殊能力からしか取れないので、しっかり選んで取ると良いです。
昴:でも僕は片方[ピッチャー]が固定で、もう1つを何にするか……か。
リキ:オレは片方が[キャッチャー]固定で、もう1つは[ピッチャー]か?
つばさ:なんで?
リキ:いや、元ピッチャーって設定だし(笑)
GM:そこは自由に(笑) ただ、現在の自分が行える野球技術って意味合いが強いから、肩を壊してるのに[ピッチャー]を取っても無駄になるんじゃない?
リキ:それもそうか。じゃあ[狼]にしよう。
修一:俺は[韋駄天]と[お祭り野郎]にするか。守備をメインになんでもできるような感じだ。
GM:誰か[豪腕]やらないの? けっこうメインよ?
つばさ:昴は?
昴:[投手][ヒーロー]、やっぱり百年リトルに勝利を導くヒーローにならないと(笑)
つばさ:じゃあ私が[豪腕]を取りましょう。あとは……[超人]。スポーツ万能なので。
GM:解りました。それでは続いて、利き腕をダイスでランダムで決定。その後、【体力】【器用】【敏捷】【知覚】【判断】【精神】の能力値を決定しましょう。身体能力はポイント割り振り制で、最低でも1、最大で6です。
昴とリキが凸凹した特化型能力値、つばさと修一が山の無い平均型能力値になる。
GM:では続いてキャラクターの経歴を決めます。幼年期、少年期、思春期と3つ設定できて、1つ決めるごとにセンスか能力値を1つ上げる事が可能です。
リキ:6より上がっても良いのか?
GM:構いません。ただ、今回やってもらうのは小学生なので[思春期]は無しで。残り2つを決めましょう。
一同:『はーい』
そして微妙に間が空く。
GM:あれ? どうしたの?
昴:いや、経歴チャートとかあるんじゃないの? 1D6? D66?
GM:いや、どこの話を……チャートなぞ、そんなものは無い(笑)
昴:無いの!?
GM:無い!
昴:えっと……じゃあ、どうしろと?
GM:もちろん、好きに作って良し! 自分の思うがままの経歴を作ると良い。それを1つ作るごとに、好きな能力値かセンス、好きな方を1つアップできます。だから強引になにか設定を作ろう(笑)
つばさ:よし! 任せて! そういうの好きだから(笑)
修一:了解(笑)
GM:それと経歴や背景に関係した【キーワード】を3つまで決めて下さい。
昴:きーわーど?
GM:はい。【プロ野球選手になる】とか【熱血】とか【メガネ】とか、キャラを表現するキーワードなら何でも良いです。
リキ:それを決めると何かなるのか?
GM:セッション中にその【キーワード】に関連したロールプレイを行うと、1つの【キーワード】につき1回だけ、直後の判定に3D6のボーナスをもらえます。
昴:じゃあ使いやすい【キーワード】が良いんだね。
GM:そうだね。【甲子園】とかやっぱり野球関係が使いやすいけど……その辺は任せます。他にも技能とか各野球能力(投手能力や選球眼やら)も決めちゃってキャラクター作成は終了しましょう。
※解説3 「キャラ作で省略された事」
 本リプレイでは省略したが、キャラ作には大学野球生活・就職野球生活・プロ野球選手生活(1軍・2軍)にどれだけ所属したかで、その所属年数回ダイスを振り、得られる特殊能力の数を決める判定がある(今回は小学生なので一律3回までとした)。その他に、キーワードの代わりに得られる[技能](野球以外で取得した技能に関係する判定を行う場合達成値に+1が貰える)がある。

◆自己紹介

GM:では最初は白石昴から。
昴:はい。転校生は決定として……せっかくなので僕のお父さんを決めました。
一同:『お父さん?』
昴:パパはメジャーリーガー♪(一同爆笑)
つばさ:有りだね!(笑)
リキ:じゃあアレか! TVつけるとメジャーに親父が出てるのか!
GM:出てる出てる(笑)
修一:親父さんは外国人?
昴:いや日本人メジャーリーガー! もちろんピッチャー! お母さんはナイスバディ(笑)
つばさ:お母さんの設定意味無くない?
昴:なんとなく(笑)
GM:ではお金もあるし都会の喧騒を離れてこの百年町に引っ越してきたのかな?
昴:そんな感じ。お父さんは「野球をするなら都会の方が設備も……」って電話越しに言って来たけど、僕は――野球なんてボールとバットがあればどこだってできる!――って。
GM:じゃあ引越し前に母親が百年町の事を調べといてくれて、こんな情報をくれます。
昴:はい。
GM:「昴、百年町には弱小リトルチームしか無いらしいから、野球をするなら隣町の黒船リトルに入った方が良いみたいよ?」
昴:そうなんだ。うん、わかった。その黒船リトルって強いの?
GM:「小学生の全国大会にもときどき出てくるチームみたい」
昴:へぇ……それは楽しみだ。


白石 昴 (しらいし すばる)
年齢性別:12歳(男の子)
ポジション:ピッチャー
利き腕:右投げ/右打ち
キャラクタータイプ:[投手]/[ヒーロー]
センスと潜在能力:センスE+/潜在力3

能力値:【体力4】【器用6】【敏捷2】【知覚2】【判断3】【精神5】
個別センス:<走1/攻2/守0>
野球能力1:【打撃力5】【選球眼4】【守備力2】【投手力8】
野球能力2:<バント力6><走力2><肩3><スタミナ6><SAP27>
特殊能力:≪能力値UP≫≪目覚める獅子≫≪特殊投法(サブマリン)≫≪剛速球≫≪超遅球≫

幼少期:お父さんはメジャーリーガー。ヨンキースで活躍しているピッチャー。
少年期:チームを優勝に導く。
思春期:――
キーワード:【父親の帽子】【負けん気】【仲間】



つばさ:私は親から野球の英才教育を小さい頃から受けて育ったんです。
昴:そうなの!?
つばさ:うん。でもある日の練習に行く途中、たまたま寝坊したとかそんな理由で焦っていたら事故にあって、私は野球に関する記憶を失いました。
リキ:記憶喪失か(笑)
つばさ:野球限定のね。それでお父さんはその事で……野球の事ばかり優先させてしまっていた事に深く反省し、今や立派な野球嫌いです。
GM:お父さんは野球嫌いっと……。
つばさ:私が野球の「や」の字も言おうものなら烈火のごとく怒り出します。それで私は「お父さんは野球が大っ嫌いなんだなぁ」って思って野球には触れないようにしている。
昴:でもバットを持てば……。
つばさ:体は何故かボールに反応すると思う(笑) まぁこれで[超人]で[豪腕]なのが証明された!
GM:確かに。
つばさ:それでやりたいシーンは1つだけ!
昴:やりたいシーン?
つばさ:うん。野球に関わっていくつばさを見て、これ以上隠すわけにはいかないと決断するお父さん……そして隠してあったバットを私に渡す(笑)
GM:「つばさ、これを……」(一同爆笑)
つばさ:そう! それがやりたい!!
GM:考慮しましょう(笑)

大空 翼 (おおぞら つばさ)
年齢性別:12歳(女の子)
ポジション:ファースト
利き腕:右投げ/右打ち
キャラクタータイプ:[超人]/[豪腕]
センスと潜在能力:センスD+/潜在力2

能力値:【体力4】【器用4】【敏捷4】【知覚4】【判断5】【精神3】
個別センス:<走0/攻3/守1>
野球能力1:【打撃力7】【選球眼7】【守備力6】【投手力――】
野球能力2:<バント力5><走力4><肩5><スタミナ7><SAP19>
特殊能力:≪能力値UP≫≪能力値UP≫≪ジャストミート≫≪フルスイング≫

幼少期:巨人の星。野球の英才教育を父親に受けた。
少年期:記憶喪失。事故に合い野球の記憶を失う。
思春期:――
キーワード:【野球は怖い】【夏の空】
技能:<まじめ>



リキ:オレは黒船リトルでエースで4番。誰にも追随を得ないエリート野球人生……それを歩むべくして歩んでいる。
昴:おおっ!!
リキ:つもりだった。
一同:『だったのか!』(一同爆笑)
リキ:肩を壊してからはピッチャーを外され、それでもエースピッチャーだったプライドは決して代わらず、チームメイトとは反りも合わない。
つばさ:合わないというか……きっとピッチャー時代から見下してたような(笑)
リキ:ああ、見下してたね(笑)――ふん、足手まといどもが!――って。
修一:それが今や自分が足手まといか。
リキ:そう。監督からは打者に専念しろと言われるけど、再びマウンドにっていう気持ちが捨てきれず、打者にも集中できない。そしてオレは……黒船リトルの練習に参加しなくなった。
つばさ:ダメな子だなぁ。
リキ:ちなみに父親は凄い厳格で野球に厳しい人。だから父親に黒船リトルをサボっている事は言って無い。嘘付いてる(笑)
GM:じゃあ忙しい父親が家に帰って来てキミに言う――「今日はどうだった?そろそろ練習試合も近いだろう」
リキ:あ、ああ、調子は悪く無いよ。オレはまたエースで4番だし。
昴:(笑)
つばさ:(父親)「そうか、さすがは私の子だ。しかし残念だな。その日は仕事で応援に行けない」
リキ:いいさ。どうせオレが完封するだけの試合だし。見に来たってすぐに終わってしまうから。
つばさ:(父親)「まったく、お前のようなすばらしい息子を持って、私も鼻が高い! はっはっはっはっ」
リキ:まったくだね! オレがいないと何もできないんだあのチームは(笑) じゃあオレは学校の予習があるから。
つばさ:(父親)「ああ、文武両道、それができてこその九重の嫡男だ」
リキ:それで部屋に入った所で肩を押さえてうずくまる……――チクショウ……チクショウ……(一同爆笑)

九重 力 (ここのえ りき)
年齢性別:12歳(男の子)
ポジション:キャッチャー
利き腕:左投げ/右打ち
キャラクタータイプ:[狼]/[捕手]
センスと潜在能力:センスD+/潜在力2

能力値:【体力5】【器用2】【敏捷2】【知覚1】【判断6】【精神6】
個別センス:<走0/攻3/守1>
野球能力1:【打撃力9】【選球眼4】【守備力7】【投手力――】
野球能力2:<バント力3><走力3><肩6><スタミナ8><SAP24>
特殊能力:≪能力値UP≫≪センスUP≫≪センスUP≫≪打者観察≫≪不動の構え≫≪野次≫

幼少期:天才。野球の神童と呼ばれ4番でピッチャーだった。
少年期:挫折。肩を壊して暗いトンネルの中に……。
思春期:――
キーワード:【見栄っ張り】【悪】【黒船リトル】



修一:これは野球のリプレイだ。
GM:何を今更。
修一:というわけで……俺は双子だ(一同爆笑)
GM:なにが「というわけで」だよ!(笑)
修一:いや、そのままパクったりはしない。弟(修二という名前らしい)は百年リトルには入ってないんだ。
昴:もしかして隣町の黒船リトル?
リキ:何っ!?
修一:黒船リトルじゃない……弟の修二が入っているのは『百年ジュニアフットボールチーム』
GM:ジュニアふっとぼーる?……サッカーチームじゃないか(笑)
修一:そう。弟は「野球なんていつまでも古いスポーツやってんなよ? 時代はサッカーだぜ?」と野球を辞めてどっぷりサッカーの世界に。
つばさ:なんか……それはそれで有りそうなシチュエーション(笑)
修一:それで弟は百年リトルの人数少ない現状を知っていて、事あるごとに俺をサッカーに誘ってくる。
GM:「なぁ兄貴、一緒にサッカーの世界でツートップを狙おうぜ? 兄貴の運動神経があればサッカーでもすぐレギュラーだって!」
修一:馬鹿を言うなよ。小さい頃からやって来た野球を、今更辞められるか。
GM:「小さいって……兄貴だって俺と同じ小6だろ!(笑) 辞めるなら今だって!」
修一:うるさいな。もうすぐ試合なんだよ、お前だってサッカーの試合が近いって行ってたじゃないか。
GM:「そりゃ俺は試合できるけど……兄貴のチームは人数が――」
修一:なんとかするさ!……――でバットを磨きながらブツブツと――……なんとか、してみせるさ。

五百川 修一 (いよかわ しゅういち)
年齢性別:12歳(男の子)
ポジション:ライト
利き腕:左投げ/左打ち
キャラクタータイプ:[韋駄天]/[お祭り野郎]
センスと潜在能力:センスE+/潜在力3

能力値:【体力4】【器用5】【敏捷6】【知覚4】【判断4】【精神2】
個別センス:<走1/攻0/守2>
野球能力1:【打撃力5】【選球眼4】【守備力8】【投手力――】
野球能力2:<バント力7><走力7><肩5><スタミナ6><SAP9>
特殊能力:≪能力値UP≫≪能力値UP≫≪能力値UP≫≪チャンス≫

幼少期:双子の弟:修二という双子の弟がいる。昔は弟も野球をやっていた。
少年期:弟との決別:修二はサッカーチームへ入った。最近はサッカーチームに勧誘してくる。
思春期:――
キーワード:【弟】【試合は最終回ツーアウトから】【グラウンド】

◆百年リトル

東や西の大都市から離れた地方都市、その中心地から少し郊外に外れた場所に……ここ、百年町はある。
県の中心地へは電車で30分もあれば到着するロケーションだが、百年町自体は住宅街なせいか
あまりパッとはしていなかった。

百年町町役場。昭和時代から続く歴史ある建物は、今年塗り直したばかりの壁だけが真新しく感じられる。

「――と言うわけで、このままあの空き地を放置しておくのは勿体無いので……ねぇ監督さん?」

「そんな! 横暴な!!」

役場にある会議室に2人の人物がいた。1人はバーコードな頭を揺らすでっぷりとした百年町の町長。もう1人は20代後半かと思われる『監督』と呼ばれた活発そうな女性。

「あそこは子供達の野球場です。確かに私たち百年リトルは弱小かもしれない。
けれど、子供達は勝つ事以外の事も野球を通じて学んでいるんです! それを……その野球をするグラウンドを勝手に潰す計画なんて!!」

「でもねぇ鈴木監督。毎年一回戦負けはまだ良いでしょう。しかし、今年からはメンバーが9人すら揃ってないとか? そんな状態じゃ試合もまともに組めやしない。情操教育がどうこう言える以前の問題でしょう?」

「そ、それは……」

  町長の言い分に監督――鈴木一子が唇を噛む。確かに今年になって上級生が抜けてからの百年リトルは、メンバー6人という試合さえ助っ人を要する状態に陥っている。チームが解体しないのは、百年リトル創設期のOB達が、なんとか掛け合ってくれているからだった。
しかし、その抵抗もすでに限界が来ていた。試合もできない弱小チームにグラウンドを明け渡しておく必要は無い。町起こしの一貫として野球のグラウンドに白羽の矢が立ったのだった。
  苦虫を噛み潰す一子に対し、いやらしい笑みを浮かべて町長が言う。

「まぁ、グラウンドを潰すことに反対するなら……そうですね。隣町の黒船リトルぐらい強くないと」

  黒船リトル。隣町である黒船町に存在するリトルリーグで、時には全国大会に顔を出すほどの有名チームだった。たとえ人数が9人揃っていたとしても、百年リトルに勝てるみこみは無い。

「それはつまり……黒船リトルに勝てるようなチームなら、グラウンドを潰すのを撤廃してくれるんですね」

  一子の口から漏れた言葉に、町長がしてやったりと笑みを浮かべる。

「ええ、もちろん。人数も揃ってちゃんとした試合を行い、それでいて勝てたら……考えましょう。ただし、もしそれで負けるような事があったら……。商店街の創設期メンバーをあなたの口から説得して下さい」

  百年町の町役場も一枚岩では無い。町起こしの為にグラウンドを潰す計画に、異を唱える勢力(主に百年リトル創設期メンバー)がおり、目の上のたんこぶなのである。それをチームの監督である一子の口から説得させる。それが今回、一子を呼び出した町長の思惑だった。
  そして一子にとって、それは迷える選択肢でない。

「いいわ! 黒船リトルと試合をして、こっちが負けるようならグラウンドの取り潰しに納得してあげようじゃない!!」

◆謎の少年

百年町第二グラウンド。町の少年野球チーム百年リトルのホームであり、長年野球場として使われてきたこのグラウンドも、今年でどれほどの年月が経っただろう。
今日も青空の下、少年たちの声が木霊する。
GM:ではプレイ開始です! 場所はとある地方都市より少しだけ郊外の中規模の町、百年町。常に草むしりしないと勝手に名も無き草が生えてくる百年町第二グラウンドではたった6名の野球チーム、百年リトルが練習しています。
修一:じゃあ監督がノックでもしているのかな?――「お願いしますっ!」
GM:「ほら、次々行くよ! もっと腰下げて! そんなんじゃ早い打球来たら対応できないでしょう!!」――キンッ! キンッ!!――と連続してノックをしています。すると途中で監督がミスります。打った打球はグラウンドを外れて飛んでいきます。
修一:それは取りに行こう。きっと金とかそんな無いからボールは大事なはず(笑)
GM:じゃあそこで……やっぱり昴に登場してもらいしょうか。
昴:うん、今日引っ越して来て町をフラフラと散歩してたことにします。
GM:そんな昴の足元に野球のボールが転がってきます。
昴:拾おう。
修一:じゃあ遠くの方で拾ってくれたのを見て叫ぼう――「おーーいっ! そのボール、こっちに返してくれないかーー?」
GM:それ良いね! [情熱チップ]をどうぞ。
昴:[情熱チップ]?
※解説4 「情熱チップ」
 情熱チップとは、PLが【キーワード】に関するロールプレイをした場合、他のPCのキーワードを引き出すロールプレイをした場合、シナリオの進行を助けた場合、かっこいい台詞や面白い台詞、感動的なロールプレイを行った時、他のPLやGM(または観客)は、そのファインプレーに対して情熱チップを発行する事ができる。情熱チップは1枚消費するごとに、判定時のダイスを1つ増やす事が可能。
修一:ではありがたく頂こう。
昴:じゃあ僕はボールを一回宙に投げて感触を確かめた後、グッと握って修一に返球しよう。本気のアンダースロー、無論ノーバン(笑)
修一:なっ!?――ズバンと手を振るように上げていたグローブに力強く返球されて驚く。
GM:監督も今の返球に注目します。
修一:今のは……ちょっとキミ! 待ってくれ!!
昴:しかし返球終わったら散歩の続きに行っちゃって、僕はもういない(笑)
つばさ:チップをあげます(笑)
※以降、情熱チップは頻繁に飛び交いますが、リプレイ上では省略します。
修一:じゃあ見失いました。グラウンドにもどって監督に――
GM:「ええ、私も見てたわ。今の子……どこの子かしら? ねぇ、誰か知ってる?」
昴:しかし、他の5人は誰も僕の顔を知らないと。
リキ:「え? 見てなかったんすけど」――と町田君。(←5人のエキストラの1人らしい)
昴:やる気無いなぁ(笑)
つばさ:「それより今日はもう帰って良いですか? そろそろ塾の時間何ですが」――と相模原君。(←5人の…以下略)
修一:って! このチームはそんなヤツばっかりなのか!(笑)
GM:まぁ残り3人(座間、海老名、厚木に決定した)も、野球は嫌いじゃないけどイマイチ情熱は薄いって事で。
修一:勝ったことが無いチームじゃ、仲良し遊びだよなぁ。あ、オープニングであったグラウンド取り潰しの話はすでに知っているのかな? できればすでに知っていたい。
GM:じゃあ監督は話しました。
修一:あんなヤツがうちのチームに入ってくれたら……――とか呟いて終わり(笑)

◆転校生

百年町にある公立小学校。百年小学校。
1学年3クラスのこの学校は、町のほとんどの子供が通っていた。
勉強は普通、かといって運動ができるわけでもない。
取り立てて目立つ運動部は一つとて無い学校だった。
GM:小学校6年1組。つばさもリキも修一も同じクラスです。
リキ:ならオレは「オレはエースで4番、お前等とは出来が違うんだ」とばかりに偉そうな感じで窓際に座ってる。
つばさ:私は一番後ろの席です。隣の机は空いています。
GM:隣の机が空いてる?……ああ、了解(笑)
修一:俺は双子だし、廊下側の席で弟の修二と並んで座ってる。
つばさ:双子の兄弟が同じクラスなの!? ありえないでしょう(笑)
※小学校などでは、双子などは、まず別々のクラスになるようクラス替え時に調整される。
GM:まぁ面白いから許可。では先生が入ってきて――「はい委員長」
つばさ:きりーつ! 気を付け! 礼! おはようございます!!
リキ:お前が委員長かよ(笑)
つばさ:キャラが薄いから委員長に……つい。
GM:ではつばさの号令で朝の挨拶が終わり、先生が――「はい、今日から7月です。これから暑い日が続きますが、皆さん気をつけましょう……さて、今日は皆さんに新しいお友達を紹介します」
昴:ガララっと扉を開けてクラスに入ってきます。
GM:「自己紹介を」――と先生が促します。
昴:黒板に『白石昴』って書いて――しらいしすばるです! 宜しく! 先週までアメリカにいて……と(笑)
修一:あいつは!?――と気が付く(笑)

GM:
では時間が流れて昼休みです。昴は空いていたつばさの横の席という事で。
つばさ:私、大空翼。宜しく。
昴:ああ、宜しく。
つばさ:ねぇ、昴君ってアメリカにいたって本当?
昴:うん。本当だよ? パパがそっちで野球の仕事をしているんだ。
つばさ:へぇ〜〜すごいね!
昴:そうでもないよ。あっちに居たからって何か特別なわけでもないしさ(笑)
つばさ:ふぅん。……昴君って趣味とかあるの?
昴:野球だね!――嬉々として言おう。
つばさ:一瞬嫌な顔をする。お父さんから野球に話題をするな!って怒られてるから――野球……なんだ。でも残念だね。この学校には野球部無いし、町にある草野球チームも弱いって噂だよ?
リキ:それなら……黒船リトルに入れば良いのさ――と窓際の席から挑戦的な笑みを浮かべて昴に言おう。
昴:そうだね。僕も黒船リトルに入ろうと思ってるんだ。まぁ、ボールとバットがあればどこだって良いんだけどさ(笑)
修一:そんな! 待ってくれ!――割って入ろう。
昴:キミは?
修一:俺は五百川修一。弱小って言われた百年リトルのキャプテンやってるんだ。キミ、昨日俺に返球してくれた子だろう? 今、うちは凄い人数不足なんだ。是非とも入ってくれないか?
リキ:ふん。まぁそうだな、ウチは修一のところと違って強豪だし、そう簡単に入れないぜ? すぐにレギュラーになりたいんなら、黒船じゃなくって百年リトルにしておくんだな? くくく――と(笑)
修一:嫌なやつだな!(笑)
つばさ:ちょっとリキ! そんな言い方無いじゃない!!――とリキと幼馴染って設定作っても良いかな?
リキ:あ、いいぜ? でも幼馴染だからって「俺が黒船リトルのエースで4番を降ろされている」事実を教えて無いからな(笑)
つばさ:う〜ん……了解。まぁリキが喧嘩売るような口調だったから注意した感じで。
リキ:オレは本当のことを言っただけだぜ? おい、転校生、お前希望ポジションはどこだよ?
昴:ポジションかい? アメリカのチームじゃピッチャーやってたけど。
修一:百年リトルは?
GM:当たり前だけどピッチャーはいません(笑)
修一:(笑)
リキ:はっはっはっ! よりにもよってピッチャーかよ! じゃあ諦めるんだな!
つばさ:小声で昴君に――リキってば黒船リトルのエースで4番なんだ――って説明。
昴:へぇ〜凄いじゃないか――素直に感心。同じクラスにそんな子がいるなんて楽しいって思ってます(笑)
GM:じゃあそこでクラスの女子が間髪入れずに――「ねぇ昴君! 昴君のお父さんってもしかしてメジャーリーガーの白石イチローだったりしない?」
昴:え? うん、そうだよ?――と普通に(笑)
GM:では周囲の男子も女子も驚いて騒ぎます。
昴:今までアメリカにいたので、日本でパパがヒーロー視されている事に気が付いてなかったという事で。逆に僕はパパの有名具合に驚きます(笑)
修一:あの白石イチロー選手の……――俺は呆然と。
リキ:……あのイチローの………………けっ!!

GM:
ではさらに時間が経って放課後。1組の教室に2組にいる鷹峰丈二という子が尋ねて来ます。
つばさ:丈二? どんな子?
GM:百年町に住んでいながら黒船リトルのエースを務める少年です。柄が悪くいじめっ子なので嫌われています。
修一:リキのアッパーバージョンか。
リキ:丈二と一緒にするな! オレは群れるのが嫌いな一匹狼タイプだ! サル山の大将気取りな丈二とは違う!!
つばさ:でも、黒船リトルのエースって事は……。
GM:そうです、リキが肩を壊してから黒船のエースになった奴で、百年小学校では唯一リキが黒船でエースで4番では無い事を知っている人物です。
つばさ:バラしてないんだ。実はリキの友達?
GM:いや、性格が悪いのでリキが見栄を張って言う嘘を、横からニヤニヤしつつ――「ああ、こいつはいつもチームの皆から信頼されててよ」――と同意して、リキの弱みを握ったつもりになっているガキです。
リキ:それはマジで性格悪いな! でもきっとオレは逆らえない、バラされたくないから(笑)
GM:というわけで丈二が入って来ます――「おいっ! リキ! 修一のヤツはどこだ!」
リキ:なんだ丈二か……修一ならあそこにいるぜ?
修一:じゃあ「なんだ?」とばかりに。
GM:「はっ! 聞いたぜ修一! 百年リトルがついにつぶれるんだってな? お前達の使ってるグラウンド、取り壊されるって話じゃないか」
修一:何をふざけた事を……それに、まだ取り壊しが決定したわけじゃない!
GM:「はんっ! 良く言うぜ……なぁリキ、お前も聞いただろ?」
リキ:ぁん?
GM:「こいつら、もし俺達黒船リトルに試合で勝ったら、グラウンドの取り潰しは中止になるんだってよ! 人数すら揃ってないのに俺達に勝つ? バカも休み休み言えよな!」
リキ:……まったくだ。
修一:人数なら……試合までには揃えてみせるさ。
GM:「おいおい、人数揃えたからって俺達に勝てるわけじゃねーだろ? だいたい、4番のお前以外、誰も使える奴いないじゃねーか」――ちなみに百年リトル、町田君、相模原君、座間君、海老名君、厚木君の5人は能力値オール3の凡人ズです。
修一:本当に使えない(笑)――勝てるさ。少なくとも、お前の凡球ぐらい俺がホームランにしてやる!
GM:その言葉に丈二はカチンと来ます――「てめぇ……良い度胸じゃねーか! 表に出ろや! 1打席勝負してやる! 誰のボールが凡球なのかその目で確かめやがれ」
修一:いいだろう。相手になってやる。
GM:「おいリキ! お前キャッチャーやれ!」
リキ:ぁあん? なんで俺が!
GM:「いいからやれよ! 黒船のエースさんよぉ?」
リキ:……ああ、やってやるよ!

◆1打席勝負

百年小学校のグラウンド。家路へ急ぐ子供達と、そのまま学校で遊んでいる少年達が見守る中。百年リトルの修一と、黒船リトルの丈二、2人の戦いが始まる。
GM:「黒船の実力、思い知らせてやる!」――というわけで、簡単に野球パートの模擬戦を行いましょう。
修一:俺は打者だな。
GM:そうです。丈二は投手です。
※解説5 「野球パート・投手」
 まずは投手側が直球か変化球か、どちらを投げるかを決める[球種カード]と、S(ストライク)→S、S→B(ボール)、B→B、B→Sの、どのコースに投げるかを決める[コースカード]の二種類があり、投手はそれらを組み合わせ、打者に見えないよう裏向きでセットする。
GM:……よし、この球でこのコースにしよう。
修一:次は俺だな。
※解説6 「野球パート・打者」
 打者は投手の投げてくる球を推理し[直球カード][変化球カード]を選び、その後、直球に強く当たればホームランの可能性が高い[パワフル]か、変化球でを打ちやすい半面、長打力に欠ける[テクニカル]の2種の打者カードをセットし、投手に見えないよう後向きにセットします。この時、バントを行う場合は[バント]の、球がボールだと推測したり走者を走らせるために見逃したい場合は[ウェイト]を選ぶことも可能です。
修一:……俺もセット完了。
GM:ではまずは投手である丈二がカードを公開します。球種は[直球]、コースは「S→S」です。
昴:直球ど真ん中で勝負かぁ(笑) あ、僕はギャラリーとして2人の勝負を見ています。
※解説7 「コントロール判定・球威判定」
 投手・打者、両方がカードをオープンしたら、投手のほうから判定を解決します。投手はコントロール判定と球威判定に、自身の[投手力]の数値分のダイスの数に振り分けます。この時、直球なら1つでも成功があればOK、変化球なら2つ以上成功のものが無ければ、ボールになったりします。そして球威判定に残しておいたダイスの個数は、打者が打つときの判定にマイナス分として適応されます。
GM:コントロール判定に3つ振り分けて(コロコロ)……よし、成功。
修一:こっちの狙いは[直球]の[テクニカル]! 直球は読み通り。
GM:S→Sの球をテクニカルで打つ場合、[選球眼]判定によってはヒットになるか、凡打になるか決まるね。
修一:選球眼判定(コロコロ)……失敗。
GM:凡打です。キンッと打った球はふらふらを舞い上がり、ピッチャーの丈二の上げた手に収まる。
修一:クッ……――カランカランと手が痺れてバットを落とす。
GM:「試合なんてするまでもねぇ! まともに打てもしないくせに、でしゃばるな!」
昴:カチンと来るな――じゃあキミ達なら打てたっていうのかい?
GM:「ぁあん? てめぇ誰だ!」
昴:カバンからミットを取り出しながら――僕かい? 僕は百年リトルの新しいピッチャーだ。
GM:「百年リトルの新しいピッチャーだぁ? ふん、いいだろう。おいリキ! お前が相手してやれ」
リキ:オレがだと?
GM:「黒船リトルの4番様だろう?」
リキ:くっ……おい転校生。オレを討ち取ってみな!
昴:いいよ。……誰かキャッチャーを……
修一:俺がやろう。
GM:では野球判定です。昴は投手カードセットしたね? リキは打者カードを……OK。じゃあ投手カードオープン。
昴:球種は[変化球]、コースは[S→B]です。ちなみにアンダースローじゃなくって、普通に上投げです。
リキ:狙い球は[変化球]で合ってたけど、スイングカードが[パワフル]だ。この場合……。
修一:ットライーーーク!!
GM:だね。リキは空振りしました。
修一:けど、この前見た時と投げ方が違うような……と思いつつ再びミットを構えよう。
GM:では2球目――
その後、再び[S→B]のボール球を降らせカウント2−0と追い込まれるリキ。
GM:「おいリキ! 何簡単に追い込まれてるんだ!」
リキ:うるせぇ! 今打ってやんよ!
GM:では3球目――
昴:[直球]の[S→S]。
リキ:[ウェイト]して1球見ると思ったか!? こっちは[直球]狙いの[パワフル]だ!!
GM:おお、ドンピシャ!
昴:コントロール判定は(コロコロ)……成功。球威に3つ。
リキ:3修正入れて(コロコロ)……2個成功。
GM:狙い目が当たってたりのボーナスを入れて強烈な内野安打! ヒットです。――「はん、でかい口叩いてた割にたいした事ねーな」
昴:それはどーも。でも、九重リキ君が凄いって話じゃないかな? さすがは黒船リトルの4番だね。
リキ:………………。おい丈二、オレはもう付き合ってらんねー。帰るぜ?
GM:じゃあ丈二も帰ります――「修一、試合をしたってどうせ恥をかくだけだ。諦めるんだな! もっとも、人数集らずに試合すらできねーと思うがよぉ? はっはっはっはっ」
昴:丈二とリキに言おう――「人数は集めて見せるさ。次は試合で……"本気"の勝負をしよう」
リキ:あぁん?
昴:ニコっと笑顔で。
リキ:気持ち悪い奴だ……と思いつつ退場。
修一:じゃあリキと丈二がいなくなってから昴に――白石、さっきの話だが……百年リトルに入ってくれるって本当か?
昴:うん、僕は野球ができれば良いんだ。弱小って言うなら僕達で強くしてやろう。宜しく……キャプテン。
修一:修一で良いさ。
昴:なら、僕のことも昴で良いよ。それより、チームが潰れるとかなんとか、詳しい話を教えてくれないか?
修一:ああ、実は――

◆チームメイト募集

次の日の朝。事情を聞いた昴は早速行動に出ていた。
まずはチームメイトを9人まで増やさなければならない。
朝の小学校に昴の声が響く。
昴:百年リトルをお願いしまーす! 野球にちょっとでも興味があったら一緒にやろう! 百年リトルをお願いしまーす!――と朝の学校でビラを配ってる。
修一:なにーー!? いきなりか!
昴:僕はやると言ったらやるよ? 一晩で用意したビラを学校の掲示板に貼って、余りを校門で野球に興味有りそうな奴らに配ってる。
つばさ:昴君!? 何やってるの?
昴:何って……百年リトルの勧誘さ。まずは9人集めないとね。
つばさ:だからってこんなやり方……――私は先生に報告に(笑)
修一:委員長だ(笑)
リキ:ふん、こんなもの……集るわけねーじゃねーか――と言いつつビラはポケットに(笑)
昴:くっそー、美味しいなぁ(笑)
GM:ではつばさから報告を受けた先生は、勝手にそういう事をしないよう後で注意しておくと言ってくれます。
つばさ:ああ、それならさっさと私から言っておきます――と言うわけで戻って来て昴君に辞めるよう言います。
昴:え? ダメなの?
つばさ:当たり前でしょう?個人でそんな事をして……もしやるにしても先生達に一言言ってからじゃないと!
昴:そっか……――残念そうにビラをカバンに戻そう。
つばさ:じゃあそんな昴君を見つつ――だいだい、今更チームメイト集めたって無理よ? 集まるわけ無いじゃない。
昴:そうかな? 僕はそうは思わない。野球は楽しいからね……一度やって見れば誰だってきっと好きになると思うんだ。
つばさ:………………。
昴:たとえ女の子だってさ――と最後のビラはカバンにしまわずに大空さんに渡す。
つばさ:それは拒否する――いらない。お父さんが大の野球嫌いなの、私が野球をやったら卒倒しちゃうわ?
昴:そっか……。
つばさ:それに……いくら人数集めたって無理よ? 昨日だってリキに簡単に打たれてたじゃない。
昴:ああ、昨日の見てたの?
つばさ:ま、まぁね。
昴:アレはまだお互い本気じゃなかったから……次の試合の時はどうなるか解らないさ。
つばさ:それって……。
GM:キーンコーンカーンコーン――とチャイムが鳴り始めます。

GM:では少しだけ時間が戻って朝の教室です。修一が教室へ入ってくると、サッカー部の朝練で早く来てた双子の弟修二が近寄ってきます――「おい兄貴!」
修一:ん?
GM:昴の配ってたビラを机の前に置いて――「これは兄貴の差し金かよ! あのグラウンドは俺達の新しいサッカー場になるんだから余計な事するなよ!」
修一:バカな事を言うな。あのグラウンドは親父の時代からずっと百年リトルのグラウンドだったんだ。そうやすやすと明け渡せるわけないだろ。
GM:「だけどよぅ、ここにも書いてるじゃねーか『あと2人足りない』って。それに学校だってあと2週間で夏休みなんだぜ? 集るわけねーって!」
修一:なにごとも諦めたら終わりだろう? 野球は2アウトからが面白いんだ。今日から運動部に入ってる奴らに片っ端から声をかけようと思ってる。2人ぐらいすぐ集るさ。
GM:「兄貴……例えそれで9人集ったって、丈二やリキのいる黒船リトルだぜ? 勝てるわけねーじゃねーか!」
修一:言っただろう。それはやってみないとわからないって!
GM:「わかるだろう!? 兄貴……いい加減野球なんてやめて一緒にサッカーやろうぜ? 野球なんて今更流行らねーって」
修一:お前こそ、昔は一緒に野球をやってたっていうのに……。
つばさ:でも修二は誘わないのね。
修一:こいつがサッカーを好きなのは知ってるから。解っているからこそ誘わない。

◆黒船リトル

百年町の隣町・黒船町。
常連とまでは行かないが、全国に名を知られているリトルとして黒船リトルは存在する。
システマティックな野球をするこのチームは、海山雄三という厳格な監督の下、常に厳しい練習が行われていた。
GM:ではそろそろリキにカメラを移して黒船リトルを描写しましょう。
リキ:じゃあ監督に食ってかかってる場面――なんでオレがレギュラーを降ろされなきゃならないんだ!!
GM:周囲ではチームメイトがリキを無視して練習に励んでいます。監督だけがリキに向き直り――「何を言っている。打者に転向しろと言ったのに、ピッチャーでなければやらないと逃げ出したのはお前だろう。今更戻って来て何を言う」
リキ:昨日の昴との再戦を思ってもう一度レギュラーにって黒船リトルを尋ねてます。
昴:なるほど(笑)
GM:「お前の打撃センスは買っているんだ。打者で良いならレギュラー復帰の可能性はある」
リキ:違う! 俺がやりたいのはエースで4番だ! 適当な下位打線なんて興味ねー!
GM:「エース? 俺の指示を無視して肩を壊したお前が、再びボールを投げれると思っているのか?」
リキ:投げれるさ! 見てろ!!――とボールを投げるが……ヒュー…ボテボテ……。
GM:「見た事か!」
リキ:くっ……肩を押さえて膝をつく。
GM:「リキ、いい加減ピッチャーは諦めろ。なんでそこまでピッチャーにこだわる」
リキ:決まってるだろう。ピッチャーが野球の花形だからだ!
GM:「馬鹿者が!!! そんな事だから、お前は大成できなかったんだ! お前はまだ先がある! 打者でだって十分野球の花形にはなれる」
リキ:う、うるせーー!! ずっと、ずっと俺はピッチャーだったんだ! 今更打者になんてなれるか!!――逃げ出します。
昴:逃げるんだ(笑)
つばさ:なんてヘタレ(笑)
修一:美味しいポジションだなぁ。
GM:じゃあ黒船リトルから逃げだそうと球場を出た所で、丈二に呼び止められます――「おいリキ!」
リキ:なんだ……丈二か。
GM:「お前、戻ってこないのか? せっかく監督に泣きつきに来たんだろう?」
リキ:泣きつきに来た? 違げーよ! エースで4番に戻ってくれって言われて、こっちから断りに来ただけだ!
GM:「はっ、そうだよな。だが……4番でならまだやれたんじゃねーのか?」
リキ:……何?
GM:「昨日の転校生との1打席勝負、あいつの球は中学レベルだ。普通の奴には打つのは難しいぜ」
リキ:……ああ、まぁな。4番のオレだから打てたんだ。お前の顔を潰さないでやったんだ、オレに感謝しろ。
GM:「てめぇ」
リキ:まぁ、お前が泣いて頭下げるなら4番に戻ってやっても良いけどな。
GM:と、そこで球場のほうから恐ろしく快音が聞こえてきます。常に4番だったリキは解って良いです。打撃練習でホームラン級のバッティングを連発している奴がいるらしい。
リキ:丈二……最近、誰か入ったのか?
GM:「ん? ああ、藤田総一郎って生意気な奴だ。黒船リトルの名前を知ってお前と入れ違いに入って来た。今じゃ黒船の4番さ」
リキ:何っ!?
GM:「残念だがリキ、例えお前が戻って来ても4番の席は総一郎のもんだぜ? あいつのセンスは並じゃねー。俺や……肩を壊す前のお前の球ですら、きっとあいつには棒球さ」
リキ:っざけんな! お前のヘロ球とオレのウィニングボールを一緒にすんじゃねー! はっ! 泣いて頼めばエースで4番に戻ってやろうとしたってのによー!
GM:「てめぇ、こっちが下手に出てみれば!!」
リキ:……じゃあな! せいぜい足元掬われないようにするんだな。

◆大空父

大空翼の父親は、かつて百年リトル創設に関わった1人である。
百年リトルにその人有りと呼ばれた伝説の4番。
だが、翼にとっては野球嫌いの父親でしか無かった。
GM:「つばさ! 最近、野球に関わったって?」――夜、父親が帰宅すると、つばさに対して少し怒り気味に言ってきます。
つばさ:別に関わったわけじゃないよ……リキがやってるのを見ているだけだよ。
GM:「幼馴染の面倒を見ることを悪い事だとは言わん。だがな、野球に関わるな!」
つばさ:なんで!? どうしてお父さんは野球を嫌うの?
GM:「それは!!!」
つばさ:ビクッ――として。
GM:「とにかく! 野球にだけは関わるな!」
つばさ:でも……。
GM:「返事は!!!」
つばさ:……はい。
GM:「……それでいい。おい、母さん、ビール」
つばさ:じゃあ少し落ち着いてから昴君が配っていたビラを見せよう。グラウンド取り潰しとかの書いてある部分強調して――お父さん、コレ知ってる? あのグラウンドなくなっちゃうんだって。
GM:「これは……本当なのか!?」
つばさ:うん、リトルチームの修一も運動部のみんなに声かけてたし、かなり切羽詰まってるみたい。
GM:「鈴木さんは何をやってるんだ!?」
つばさ:じゃあ私は勉強してくるね。
GM:つばさが部屋に引っ込んだところで――「母さん、鈴木スポーツ店の電話番号ってわかるか?」
リキ:なんか、さっきの黒船の監督もだが……つばさの親父も良い人っぽいなぁ(笑)
昴:うん、心の中ではすっごい野球好きって感じがする(笑)

◆勧誘

学校ではいつも一番だった。
黒船リトルのエースで4番、それは今まで積み重ねてきた努力の結果手に入れた、
誰にも譲れない特等席。
しかし、今やエースの座は奪われ、4番の席すらなくなった……。
学校に行けば父親がメジャーリーガーなどと言う転校生が注目を浴びている。
その日、九重力は学校を休んだ。
GM:「リキちゃん! 大丈夫? ご飯、ここに、扉の前に置いておくわよ?」――母親が心配そうに声をかけます。
リキ:食わねーって言ってんだろ!
GM:「でも、食べないと元気でないから……」
リキ:勝手にしろ!!
GM:「学校の方にはお母さんから連絡入れておいたから……心配しないでね」
リキ:……別に。
つばさ:なんて引きこもりだ!(笑)
修一:へタレめ。
GM:「ああ、そうだ。今日の野球の練習はどうするの? お休みする? お母さん監督さんに連絡しておくわね?」
リキ:はぁ!! 勝手な事すんじゃねーよ!
GM:「でも、エースで4番のリキちゃんが練習に来なかったらきっと監督さんも困ってしまうわ?」
リキ:関係ねーよ! もう……オレは黒船リトルを辞めたんだ!!
GM:「えええ!?」
リキ:オレから辞めてやったんだ! あんな弱小チーム、オレから願い下げだね!
GM:「で、でも、リキちゃん……」
リキ:いいんだよ! オレはプロの野球選手になるんだ。あんなところで足踏みしてるわけにはいかねー! わかったら電話なんてするなよな!
GM:「わ、わかったわ、リキちゃんがそういうなら……」
リキ:ふん。
GM:しかし、本気でダメな子だなぁ(笑)
リキ:TVゲームして過ごす(笑)
つばさ:じゃあ放課後、昴君と尋ねて行っちゃダメかな? 学校のプリントとか渡しつつ。
昴:僕も?
つばさ:野球の勧誘、全滅してるんでしょう? 私は親の都合で無理だけど、リキなら力になってくれるかもしれないし。
昴:でも、彼は黒船リトルのエースなんだろう? 敵チームに入ってくれるとは思わないけど……。
つばさ:いいんじゃない? 黒船リトルってたくさんいるんでしょう? それならリキ一人ぐらいいなくったって大丈夫よ?――と、素人考えで簡単に言います(笑)
修一:メンツとか何も解ってない考え方だ(笑)
昴:でもあえて乗ろう!(笑)
GM:じゃあ学校が終わって程なくした時間――『ピンポーン♪』「ああ、はいはい、ちょっと待っててね」――と玄関が開いてリキ母が出てきます――「あらつばさちゃん、学校のプリント?ありがとう。あら、そちらの子は?」
昴:白石昴です。ちょっとリキ君にお願いごとがあって。
GM:「リキちゃーーん。お友達が見えてるわよー?」
リキ:じゃあ母親を追い出して、玄関で対応しよう――なんだよ? オレは風邪なんだ。安静にしてたいんだ。
つばさ:昴君がどうしてもリキに頼みたい事があるんだって。
リキ:はぁ、オレに?
昴:うん。百年リトルで一緒に野球をやらないか?
リキ:………………はあ?
昴:だから、僕らと一緒に野球をやろう。
リキ:ふ、ふざけんなよ!! オレは……オレは黒船リトルのエースだ! なんでお前等敵と一緒に戦わなきゃならねーんだよ!!
昴:だってほら、黒船の奴と一緒にいたけど、あんまり楽しそうじゃなかったじゃないか。
リキ:ムカツク丈二の顔が思い浮かびます――うるせぇな! どうでもいいだろうそんな事!!
昴:どうでも良くないよ。
リキ:ああん?
昴:野球って、もっと楽しいものじゃないか――すっと目を見て話す。
リキ:野球が……楽しい?――オレにとって野球は自分が輝ける場所だから、注目を浴びれる場所だからやってた。楽しいなんて……。
昴:百年リトルでなら、きっとキミも楽しい野球ができると思うよ。
リキ:お前、何言ってるんだ? だいたい、弱小の百年リトルが勝てるわけねーじゃねーか!
昴:勝てるよ。僕が投げて、その僕の球を打った君が4番をやってくれるなら。
リキ:ドキっとしよう(笑)
修一:今の台詞良いわぁ(笑)
リキ:……ふん――扉を閉めよう。
つばさ:リキ!……ごめんね。昴君、私が変な提案したから……。
昴:いや、そんな事無いよ。ありがとう。

◆リンチ

ドガッ!!
横合いから飛んできた蹴りを横腹にくらい、グラリとよろめく。
お返しとばかりに相手の顔を殴りつけるも、すぐに別の奴に背中から押さえつけられる。
夕暮れの空き地。
五百川修一は、数人相手にボコボコにされかかっていた。
GM:――というわけで、帰り際の空き地です。修一は運動部系に全員声をかけましたが、皆良い返事はもらえませんでした。目をそらして断られます。
修一:まぁ最後の一人まで勧誘して……こんな遅い帰りになったって所か。
GM:そうです。そして帰り際、何人かの顔見知りに連れられ空き地でリンチにあってます。
修一:リンチ確定か! なんで俺は空き地について行ったんだよ(笑)
GM:ああ、相手が鷹峰丈二と黒船リトルの何人かだからかな?
つばさ:丈二たちの嫌がらせ! なんてわかりやすいバカなの(笑)
修一:微妙に試合の話とか言われると付いて行きそうだ。そして途中から口論になって殴りあいか……ありえる(笑)
GM:「おらぁ!」――ボッコー!
修一:ぐはっ! くそ、こんな事して恥かしくないのか!!
GM:じゃあ判定してみましょう。【体力】の対抗判定です。
※解説8 「通常の判定」
 通常の判定は【体力】や【判断】など使用する能力値を指定し、その能力値分のダイスを振り成功数を求めます。成功数は1〜3の出目が出たダイスの数です。4〜6の出目のダイスは失敗です。基本的に判定は1つでも成功すれば"成功"とみなします。
GM:丈二の成功数は(コロコロ)……2です。
修一:(コロコロ)……俺も2だ。
GM:じゃあ修一は数人に囲まれているにも関わらず、持ち前の運動神経で互角に渡り合ってます――「けっ! さっさと諦めれば良いものを!」
修一:俺はあきらめ無い。野球は2アウトからが本番だ。まだ、試合が終わったわけじゃない!
つばさ:(丈二)『生意気な! おい、こいつの腕集中的にやっちまえ!』
修一:や、やめてくれ!(一同爆笑)
昴:そこで僕登場! 石を投げて丈二にぶつける!
つばさ:(丈二)『痛っ! 誰だ!!』
GM:すると夕陽の逆光の中、1人立ってる少年。
昴:やめろ!!――走ってくる。
つばさ:(丈二)『てめぇは白石!!!』
昴:なんでそんな事をするんだ!!
つばさ:(丈二)『生意気だからだよ! 下手クソは下手クソらしく諦めりゃあ良いってのによ!』
リキ:丈二……なんて馬鹿なキャラなんだ(笑)
つばさ:(丈二)『だいたいてめぇがいけないんだぜ? なんだあの汚らしいビラはよぅ? うざってーんだよ! 目障りだ。消えろ!!』(一同爆笑)
修一:くそ……プレイヤー的に丈二が面白い(笑)
GM:つばさのプレイヤーに情熱チップをあげよう(笑)
つばさ:(丈二)『それに、今だにお前を入れたって7人じゃねーか? あと2人? 集んねーよ! 運動部の奴らも全員断られたんだろう?』
修一:じゃあ全員目を逸らして断られたのを思い出して――まさか! 裏で手を回したのはお前か!!!(笑)
つばさ:(丈二)『さぁな、なんの事やら?』
GM:『へっへっへっへっ』……と周りの取り巻きも笑う(笑)
つばさ:(丈二)『たった7人じゃ試合はできない。残念だったな! はっはっはっはっ』
リキ:そこで登場!――7人? それは違うな。
(一同爆笑)
修一:くそー美味しいなぁ(笑)
つばさ:(丈二)『リキ! てめぇどういう意味だ』
リキ:聞こえなかったのか? あと一人だって言ったんだよ。
修一:リキ……どういう。
リキ:オレは、こいつらと一緒にてめぇらぶっ潰してやんよ。
つばさ:(丈二)『てめぇ、黒船リトルを裏切るのか!!』
リキ:裏切る? 違うな……見限ってやったんだよ!!(一同爆笑)
昴:九重君。ありがとう。
リキ:勘違いするなよ! お前の言う楽しい野球が気になったからじゃねー。こいつ等には借りがあるからな、それを返すのに丁度良いと思っただけだ。
昴:ああ、わかった(笑)
つばさ:(丈二)『おいリキ。こいつらに肩入れするって事は、もう黒船にお前の居場所は無くなるって事だぜ? もう戻って来たいって言っても……わかってんだろうな!!』
リキ:居場所が無くなる? 元々オレみたいな名プレイヤーに黒船リトルじゃ器が追いつかないんだよ。せいぜいお前等レベルが球遊びしてるのが丁度良い。それに……なんで戻る必要がある。
つばさ:(丈二)『なんだと?』
リキ:こいつが投げて、オレが打つ。お前等黒船がオレ達に勝てると思ってるのか?
つばさ:(丈二)『てめぇ!! 肩壊してエースも4番も降ろされたお前が、ずいぶん舐めた事言ってくれるんじゃねーか!!』
リキ:オレの秘密が……バレた(笑)
修一:リキ……お前、それは本当か!?
昴:九重君……。
リキ:………………。
つばさ:(丈二)『そうさ。学校じゃあ見栄を張ってたみたいだが、そいつは春の大会で、監督に肩の異常を報告せず続投して、やってしまいやがったのさ。今じゃ外野からの遠投だって無理のはずだ』
リキ:だから……だからどうした。お前等にはちょうどいいハンデだろう?
昴:はははははっ、確かに! ちょうど良いハンデかもね(笑)
修一:黒船相手にハンデかよ……はは(笑)――俺も笑おう。
つばさ:(丈二)『こいつら……』
GM:丈二……というかつばさ、そろそろシーンを切ろう(笑)
つばさ:(丈二)『後悔すんじゃねーぞ。おい、行くぞ!』――退場します(笑)
GM:はい、NPC軍団はいなくなります(笑)

◆つばさの勧誘

百年リトルにリキが助っ人として入り。メンバーは8人となった。
しかし、丈二達の根回しも手伝い、結局9人目を見つける事ができずに一学期が終了する。
黒船リトルとの運命の試合は8月の頭……あと1週間と少しに迫っていた。
GM:では練習の帰り道。鈴木一子監督の方でも手を尽くしているらしいですが、今だ9人目は見つかっていません。
昴:じゃあ薄暗くなった街灯の下を3人で歩いてる――あと、一週間後には試合かぁ。
リキ:おいっ! なんでそんなにのんびりしてるんだ! まだメンバーだって足りてないんだぞ!
修一:……本当だ。このままじゃ没収試合だ。かといって学校は全滅だったし……どうしたら……。
昴:本当に誰もいないの?
リキ:おい修一! なんで修二を誘わねーんだ! あいつも昔は野球やってたんだろう!
修一:あいつは……言っても野球はしないさ。今じゃサッカーひとすじだし。
リキ:そんな事言ってる場合か! お前キャプテンだろうが!!
修一:仕方無いだろ! だいたい、それを言うならお前が大空を誘えば良いだろう。あいつの運動神経は桁外れだ。
昴:そうなの?
リキ:う゛……ま、まぁな。昔っからつばさの奴は何をやっても運動ならトップだったからな。
昴:問題は野球嫌い……か。
リキ:あいつの親父さんがな。あいつ自身は野球に対してそれほど偏見持ってるわけじゃねーよ。
昴:つまり、やった事無いけど、父親がやるなとうるさいからやってない?
リキ:そんな感じだな。まぁ、つばさは強情だから、あいつを勧誘するなら修二を誘った方が早いんだよ!
修一:ふぅ……わかったわかった。今日帰ったら頼み込んでみるさ。でも、期待するなよ。
リキ:ふん。

昴:
その日の帰り道。僕は大空さんの家に寄り道する。
GM:いいでしょう。場所はリキから教えてもらえると思うし。
リキ:ちなみにオレは帰る。無駄だぜきっと……とか言い残して(笑)
GM:では最初は母親が対応しますが、やがてつばさが呼ばれて玄関のところまで出てくる……で良い?
つばさ:うん。わかった――はぃ? 何、こんな時間に。野球ならやらないよ?
リキ:ほらみろ(笑)
昴:明日、9時からあのグラウンドで練習があるんだ。キミに見に来てもらいたくってさ。
つばさ:嫌だよ。野球を見に行くのがバレたら、お父さんに怒られちゃうもの。
昴:違う違う、僕達の練習を見て欲しいんだ。それだけ。
つばさ:でも……。
昴:じゃあ僕達は9時からやってるから! 待ってるからね!!――と言って帰る(笑)
つばさ:ちょ、ちょっと!! 行かないよ! 私行くなんて言ってないからね!!

GM:
では次の日です。9時から練習です。つばさは来る?
つばさ:う〜ん、親の目もあるし午前中からは行かない……迷いに迷って……お昼の2時ぐらいに行く。
GM:すると昴やリキが練習してます。その顔はとても生き生きとしてます。
リキ:オレはすごい楽しそうだぞ。久しぶりに野球の練習に汗を流せて、あらためてオレは野球が好きなんだと実感している(笑)
修一:俺は逆かなぁ、この練習の日々がずっと続けば良いのに……と。楽しいんだけど時々寂しさが過ぎる。
昴:僕は……自信満々(笑) 9人目も必ず集るってなぜか確信しているんだ。
つばさ:じゃあ木陰からその風景を見てる……そして何か胸の中からふつふつと溢れてきそうになる気持ちに戸惑います。幼い頃、ずっと野球の練習を叩き込まれてきたので、記憶を失った今でも体がそれを覚えている。
GM:じゃあそこでつばさに気が付くか判定してみようか? 昴たちは【知覚】で判定ね。
つばさ:見つかるの!? 嫌だ、見つかる前に隠れて帰る!
GM:ならつばさは【敏捷】で対抗してみると良い。
つばさ:(コロコロ)……うん、2つ成功した。
昴:(コロコロ)……ダメ、1個しか成功しない。【知覚】2しかないし(笑)
リキ:……おら! 何やってんだ! そんな球も取れないでどうすんだ!!……と夢中になってる(笑)
つばさ:まぁリキは【知覚】1しか無いから無理でしょう。
リキ:まーな(笑)
修一:よし、3個成功した。帰っていく大空の後姿を見るって感じかな?
つばさ:うん、私はそのまま家に帰っちゃうから。
修一:じゃあ休憩時間に昴やリキに言おう――さっき、大空が見に来てたぞ?
リキ:本当かよ!?
修一:ああ、嘘なんかついてどうする。少しの間こっちを見てたみたいだけど……気が付いたらいなくなってた。
昴:やっぱり、来てくれたんだ――と笑顔で。
リキ:おい昴、いったい何をしたんだ? あのつばさが自分から野球を見に来るなんて。
昴:ここでパパからもらった野球帽を弄りながら――親に言われたからって、自分の気持ちは裏切れないさ。
リキ:……どういう事だよ?
昴:いや、なんでも無い。それより今日の帰り、大空さんに頼みに言ってみるよ。それで……9人さ。

GM:
一方つばさは?
つばさ:家に帰って普通に部屋で……夏休みの宿題でもやってる――はぁ、なんで見に行っちゃったんだろう――とか思いつつ。あんまり勉強に身が入らない。
GM:では時間は進み百年リトルの練習時間も終了。つばさの家に昴がやってくるのかな?
昴:うん、ピンポーンとチャイムを鳴らします。
GM:(コロコロ)……「なんだキミは?」――お父さんが出てきました。
リキ:いきなり最大の障害が(笑)
GM:まぁダイスで決めたので(笑)
昴:つばささんは?
GM:「つばさなら」――と昴の練習帰りのユニホームを見て――「悪いが忙しい、また今度にしてくれ」
昴:待って下さい。一つ教えて欲しいんです。
GM:お父さんは玄関のドアを閉めるのを途中で止めます。
昴:どうして……どうしてつばささんに野球をやらせたがらないんです。
GM:「……キミには関係無い話だ」
昴:関係あります。
GM:お父さんはピクっと不機嫌に固まります。
昴:今度の黒船リトルとの試合、つばささんの力が必要なんです。
GM:「ふざけるな! 野球の試合ならつばさでなくとも別の子供を誘えば良いだろう!」
昴:いえ……つばささんじゃないとダメなんです。
GM:「なぜだ!!!」
昴:だってつばささんは……今日も、僕達の練習を見に来ていたんですから……。
GM:「なん……だと?」
昴:それに……ただ人数合わせで誰でも良いってわけじゃないんです。次の試合で負けちゃったら……。
GM:「あのグラウンドが……しいては百年リトルがなくなってしまうのだろう……」
昴:驚く。
GM:「町内会の連絡でな……そうか、そんなに人数も集っていなかったのか………………入りなさい。少し話をしよう」
昴:おじゃまします。
GM:では大空家のリビングで冷たい麦茶とか出されつつ――「キミは、最近こっちに来た転校生、だったね」
昴:……はい。
GM:「そのキミがどうして、そこまで百年リトルに肩入れする」
昴:楽しそうだったから。
GM:「何?」
昴:この町へ来てグラウンドで練習してる百年リトルの人達が楽しそうだったんです。なんか、僕も一緒にあそこで野球をしたいって……そう思って――はにかむ様に素直な笑顔を。
つばさ:それはお父さんの脳裏に、昔百年リトルで仲間達と練習した日々が蘇るね(笑)
リキ:つばさ父の頭の中に、過去の仲間達の掛け声やボールを打つバットの快音が聞こえたりするんだよ(笑)
GM:ありうる(笑) じゃあお父さんはじっと目をつむった後、確認するように昴を見つめ聞きます――「白石昴君と言ったね」
昴:はい。
GM:「キミは……野球が好きか?」
(無駄にGMへ飛ばされる情熱チップ)
昴:まっすぐ見つめ返して――はい!
GM:お父さんは席を立って部屋を出て行くと、古いバットを持って戻ってきます。
昴:それは……?
GM:「昔、つばさが使っていた素振り用のバットだ」
昴:つばささんが昔野球を?
GM:「ああ、つばさは昔、野球のせいでとある大事故にあってね。その時、一命は取り留めたんだが……野球に関する記憶を失ったんだ。私は、二度とあの子に野球を近づけさせないと誓った。いや、誓っていたんだ……」
昴:そんな理由が……。
GM:「だが、そのつばさが野球の練習を自分から見に行っていたか……」
昴:………………。
GM:「昴君、明日も……つばさを野球の練習に誘ってくれるか?」
昴:もちろんです!!

GM:では次の日の朝、つばさは母親から――「つばさー! お友達がきてるわよー」と呼ばれます。
つばさ:それで玄関に行くと……。
昴:僕が練習の誘いに来てるわけね(笑)
GM:そういう事。
つばさ:じゃあ慌てる――ちょっと! 何しに来たのよ! 私はお父さんが嫌ってるから野球はしないって言ったじゃない!!
昴:でも、どうしてもキミの力が必要なんだ。
つばさ:どうしてもも、こうしてもも……――困った所でお父さん登場して下さい(笑)
GM:じゃあお父さんがやって来て――「つばさ、百年リトルの話は聞いた。つばさはどうしたいんだ」
つばさ:え……私?――野球といえば理由も無く嫌う父親が、話を聞いてくれるって事に驚きです。
GM:「お前が本当は野球に興味があるのなら……お父さんはそこまで反対はしない」
つばさ:で、でも、私は別に……野球に興味があるわけじゃ……。
GM:お父さんは無言で話を聞きます。
つばさ:じゃあゴクンと飲み込んで言おう――ただ、友達が困っているのなら、助けてあげたいって……。
昴:大空さん。
つばさ:それに……あのグラウンドって昔お父さんが百年リトルにいた頃からのものなんでしょ? なくなっちゃうのは……寂しいよ。
GM:「つばさ……お前……」――お父さん涙を堪え中――「行ってきなさい、つばさ。お父さんは野球をやる事に反対はしない」
つばさ:お父さん……ありがとう――そこで昴君に振り返って――でも、私は本当に野球素人だよ? それなのに良いの?
昴:うん、大歓迎さ! 絶対勝てる!
つばさ:……わかった! 私もできる限り頑張るよ! じゃあ用意してくるから先にグラウンドに行ってて!
昴:ああ。皆や監督には僕から伝えておくよ――と先に行きます。
つばさ:じゃあ用意して玄関に来たところで傘立てに入ってるバットに気がつきます――あれ? うちにバットなんてあったっけ?
GM:「それはつば――父さんが昔使っていた金属バットだ。持って行きなさい」――紛れもなく手にしっくりくるバットです(笑)
つばさ:少し握りを確かめて、何か懐かしく思いつつ持って行きます――それじゃあ、行ってきます!!
GM:「いってらっしゃい」――お父さんとお母さんが見送ります。
つばさ:私は何かワクワクとした気分で空を上げます。真っ白な雲がひとつだけ浮かぶ夏の空は、なぜだか心を期待で埋め尽くす――よし、行こう!!

◆バッティングセンターでの出会い

ついに9人目のメンバーつばさが入り、あとは試合までに練習を積み重ねるだけとなった。
素人と言いつつ恐ろしい野球センスを見せ付けるつばさは、実際"打つ"事に関しては、
4番のリキに次ぐ打率を誇っていた。(その分、バントや守備に不安は大変残っていたが……)
そして黒船リトルとの公式試合もあと5日と迫った日。
「今日からは黒船のピッチャーに会わせてバッティングセンターに行ってもらうわ」
修一:バッティングセンター……ですか?
GM:監督は頷きます――「ええ、そうよ。相手のピッチャーは2軍を使ってこない限り、剛速球投手の鷹峰丈二君を使ってくるはず」
修一:嫌な顔をしよう。
リキ:同じく(笑)
GM:「悪いけど昴君は速球派というより変化球で三振を取るタイプだから、鷹峰君の練習にはならないわ」
昴:確かに……。
GM:「だから、今日からは毎日、練習を早めに切り上げてバッティングセンターで速球打ちの練習をしてきて欲しいの」
つばさ:してきて……って、監督は来てくれないんですか?
GM:「う〜ん、ちょっとバッティングセンター分は頑張らないといけないから」――と苦笑いです。
リキ:どういう事だよ?
つばさ:それは肘で黙らせます。きっとバッティングセンターの代金の分働くって意味よ!
修一:ああ、そうか……それでこんなギリギリになってその話になったのか。
GM:「とにかく、そういうわけだからサボらないでしっかりやるのよ?」

GM:
――と、言うわけで、黒船町と百年町の境にあるバッティングセンターにやってきました。
リキ:黒船町まで? そんな遠くまで行くのか。
GM:いろいろ取り揃えているのはここだけなのです。
修一:じゃあ監督の名前を言って――百年リトルです。宜しくお願いします。
GM:「ああ、鈴木の嬢ちゃんから聞いてるよ。今日から4日間、速球打ちの練習なんだって? 一番端がもうすぐ空くから、そしたら専用に使っていいぞ」
修一:ありがとう御座います!
GM:「それにしても……そのユニフォームを見るのも久しぶりだね」
修一:知ってるんですか?
GM:「ああ、俺も昔は九重の奴と組んでバッタバッタと三振を取りまくったもんだ」(笑)――おじさんは笑います。
リキ:創設期メンバー。というか俺のところのも創設期メンバーか(笑)
修一:しかもこの人ピッチャーっぽいからリキの親父さんはキャッチャーだな(笑)
GM:「俺が抑えて大空が打って……あの頃は楽しかったなぁ」
つばさ:今度は私のお父さんか……4番だったんだ……と(笑)
GM:「おっと、こんなおっさんの昔話につき合せちゃ悪いな。とにかく、頑張れよ!!」
修一:ええ、ありがとう御座います!!
リキ:じゃあ一番端のボックスへ行こう。
GM:すると先客の人が120km/時を打ってます。全てホームランですね。
つばさ:甲子園球児でもいるの?
GM:いや、背丈はつばさと同じぐらいですね。彼は残りの球を全てホームランにするとボックスから出てきます。
昴:すごいねキミ。あの速球をあんなに軽々と!――素直に褒めます(笑)
GM:じゃあ近寄ってきた昴を……そのユニフォームを見て――当たり前だろう。お前達ゴミとは違うんだ。
昴:なっ!?
つばさ:ちょっと!! あなた初対面の昴君に向かっていくらなんでも酷いんじゃないの!!
GM:「……ふん」――無表情でどこか冷徹な雰囲気があります。
リキ:お前……黒船リトルの藤田総一郎だな。
GM:その通り、黒船リトル現4番、藤田総一郎です――「へぇ、キミはこの前来ていた……逃げ出したって聞いたけど……本当だったんだ」――リキの方を見て言います。
リキ:ギリ……と奥歯を噛もう。
つばさ:リキ、誰よこいつ。知り合いなの?
リキ:ああ、黒船リトルの現4番さ。
GM:百年リトルの皆がドヤドヤと(笑)
リキ:なんでお前がこんなところにいるんだ。バッティングの練習なら、黒船で好きなだけやれるだろうが!
GM:「別に……暇つぶしに来ただけさ」
修一:暇つぶしで120km/時か……。
GM:「キミ達こそ、こんなところで何をしているんだい」
リキ:練習に決まってるだろう。オレはともかく他の奴らも丈二の球を打てるようになる必要があるからな。
GM:「……ふん、無駄なことを」
つばさ:どういう事よ!
GM:「才能の無い奴が、幾ら努力しても無駄だって言ったんだよ」
つばさ:なんですって!
昴:意外と大空さんが熱い(笑)
つばさ:野球が楽しくって練習も面白いさかりだから(笑) それに元々真面目だから、こんなふうに努力を否定するような馬鹿にされ方が許せないの。
GM:「……無駄だって言ったんだ。二度も言わすなゴミが」
つばさ:こいつむかつく。丈二よりキライかも。
昴:そんな事無いよ。確かにここにいる殆どが120km/時なんて打った事無い。大空さんに至ってはつい最近、野球を始めたばかりだよ。でも、だからって練習が無駄になんてならない。
GM:「……無駄さ。何度も言わすな」
つばさ:あんたいい加減にしなさいよね! 黒船の4番だかなんだか知らないけど、試合じゃ私がホームラン打ってみせるわ! 覚えておきなさい!!
GM:「……素人に丈二の球は打てないね。まぁ、無駄な時間を過ごすと良い」――言いたい事だけ言って、藤田総一郎は帰って行きます。
つばさ:あったま来た! 絶対打てるようになってやる!!
昴:リキ君、今のが黒船の4番っていうのは本当かい?
リキ:ああ、オレほどじゃねーけどな……だが、ストレートにはめっぽう強い。
昴:そっか……でも、勝つのは僕達だ。
リキ:……当たり前だろ? お前が抑えてオレが打つ。それで終わりだ。

◆決戦前夜

7月31日。明日に試合を控え、それそれは何を思うのだろうか……。
今日寝て起きれば――運命の試合当日。
GM:決戦前夜。それぞれの思い入れを演出しよう。まずは修一から。
修一:じゃあ部屋で弟の修二と話していよう。
GM:修二は呆れるように言います――「まさか、本当に9人集るとはなぁ。俺がJリーガーになる夢が少しだけ遠のいたぜ」(笑)
修一:すまないな。だが、あの思い出のグランドを、チームを失いたくないんだ。
GM:「そっか……わかった。俺も昔あのチームにはいたんだ。明日は応援に行くよ」
修一:ああ、ありがとう。絶対勝つさ。
GM:「ああ、がんばれよな」



GM:続いてリキです。
リキ:オレはもう寝てて、一階のリビングで父親と母親が話している……というシーン。
つばさ:リキは?
リキ:リキは寝てるのでオレは母親をやります――『お帰りなさい、あなた』
昴:母親やるんだ、斬新だなぁ(笑)
GM:じゃあ帰って来た父親が――「リキはどうした?」
リキ:(母親)『あの子ならもう寝てしまいました。なんでも明日試合があるとかで』
GM:「明日か……丁度良い。久々に明日は空いている。試合会場はどこだ?」
リキ:(母親)『百年リトルの……あのグラウンドです』
GM:「あそこか……なら行けるな。」
リキ:(母親)『あの……明日はゴルフだと言っていませんでしたか?』
GM:「ああ、その予定が延期になってな。それで時間が空いたんだ。久々に黒船リトルで活躍するリキの晴れ舞台を見に行くか」
リキ:(母親)『あ、え、でも……』
GM:「風呂は沸いているか?」
リキ:(母親)『え、ええ……』――そして風呂場へ行く旦那を見送りつつ、ぼそりと――『ごめん、母さん、あなたを守れなかったわ……』(笑)



つばさ:父さん! 毎日が凄い楽しいの! 野球って面白いね!!
GM:では大空つばさ邸ですね(笑)
つばさ:私は楽しそうに野球の練習を報告してます。で、最後に疑問に思ってる事を――ねぇお父さん、私って……昔野球やってないよね? 何か……ボールを打ってると初めての気がしなくって。
GM:お父さんは無言です。
つばさ:気のせい、気のせいだよね――慌てます。やっぱりお父さんは野球嫌いだったのかーと(笑)
GM:お父さんは席を立つと、本棚から一冊のアルバムを持ってきます。そこには小さい頃、バットで素振りするつばさや、バッティング大会で優勝するつばさの写真が載ってます。
つばさ:これは……!?
GM:「つばさは、昔はすごい野球少女だったんだ。だが、あの大事故で……」――とお父さんは過去を語ります。
つばさ:そっか……そうだったんだ……。
GM:「お前の為を思って、野球から遠ざけてきたが……それは間違いだったのかもしれないな」
つばさ:お父さん?
GM:「なんせ今のお前は……本当に楽しそうだからな」(笑)
つばさ:じゃあちょっと照れつつ――それを言うなら。
GM:ん?
つばさ:お父さんだって最近嬉しそうだよ? いっつもニコニコしてる(笑)
GM:「そ、そんなわけあるか! わ、私はいつもこんな感じだ!」――慌てて弁明。
リキ:そこに母親がやって来て――『つばさ、お父さんったら明日のために横断幕をね』――と楽しそうに(笑)
GM:「か、母さん! 何を!!」(笑)



GM:では最後、昴です。
昴:じゃあアメリカのパパと電話する。
GM:「どうした昴? 元気か?」
昴:「うん、元気だよ」――と、その後、明日の試合と百年リトルが無くなるかもって話をする。
GM:「――そうか、大事な試合なんだな……だが、あの約束は守るんだぞ」
昴:あの約束?
GM:「サブマリン(アンダースロー)は使わないという約束だ」
昴:………………でも。
GM:「アンダースローは…特にあの地面いっぱいから手を突き出すサブマリンは、身体の出来てない小学生には危険すぎる」
昴:それは……わかってるけど。
GM:「けど?……けど、どうした? お前には未来がある。そんな所で肩を壊してどうする? もう二度と……投げられなくなるかもしれないんだぞ?」
昴:だけど、明日の試合はどうしても勝ちたいんだ!
GM:「駄目だ!……だが、どうしても使いたいというなら……最終回だけにしなさい」
昴:パパ!?
GM:「最終回、リトルだと7回だな。7回だけ許可しよう。あとは使うな」
昴:ううん、1回あれば十分だよ。
GM:「そうか……海の向こうから、パパも応援しているぞ」
昴:パパこそ、頑張ってね!
GM:「ああ」――という感じで電話は切れます。
昴:じゃあ電話を置いて天井を見上げる。この前あった藤田君を思い出す……サブマリン無しで2回はあいつを押さえないといけないのか……。
GM:まぁそれは無理じゃないか……って思います。
つばさ:無理なんだ(笑)
昴:いや、僕には頼りになる仲間がいる。僕は僕のピッチングを思いっきりやるだけだ!

◆プレイボール!

修一:さぁこれから本番だ。やるべき事はやって来た。この試合が最後だと思わず、楽しんでやろう! そして……全力を出しきって勝利を掴もう!! 俺たちは強い! 黒船に勝つぞ!!!!
昴&リキ&つばさ&他メンバー:『おーーーーー!!!!!』
8月1日。快晴。
照りつけるような太陽の下、百年リトルと黒船リトル。
チーム存亡をかけた試合がプレイボールされる。
GM:ではここから[野球パート]です。表が黒船リトルの攻撃、裏が百年リトルの攻撃です(と、いろいろボードを広げたりするGM)。
つばさ:あれ? スコアボードにすでに点数が描かれてない?

1回
2回
3回
4回
5回
6回
7回
黒船リトル
百年リトル
※少年リトルの場合は、全9回では無く全7回までである。
リキ:しかもこっちが負けてるじゃん!
GM:うん、基本的にキミ等4人以外は問答無用で三振アウトなので……って言うのもあるけど、実際に7回全部試合してたら大変でしょ? だから最初と最後だけやります。
修一:という事は、昴が最後押さえるのは前提として、1回でできるだけ点を取って、最終回で逆転しないと無理なのか。
つばさ:なんで4回だけ点を取られてるの? 1回の表は0点なのに。
リキ:どうせ初回は相手が油断して4番の藤田まで回らなかったんじゃないか?
GM:うん、そんな所。打者一巡してからは本気になって4回で一気に大量得点。その後、黒船は進塁まではするけど昴がギリギリ抑えて最終回……という話。
昴:僕の投球は最終回だけなんだね。責任重大だ。
リキ:そういえばオーダーは決まってるのか?
GM:ああ、打順とかはそっちで決めていいよ?
リキ:よし、オレは4番として……。
ここでプレイヤー達、打順やポジションで相談を始める。そして……――
1番・中堅手(外野):五百川修一
2番・一塁手(内野):大空つばさ
3番・投手(ピッチャー):白石昴
4番・捕手(キャッチャー):九重リキ
5番・二塁手(内野):町田
6番・三塁手(内野):相模原
7番・遊撃手(内野):座間
8番・右翼手(外野):海老名
9番・左翼手(外野):厚木

修一:エキストラの町田たちが全員三振なら、俺たちを1〜4番で固めるしかない。
昴:そうだね、一回の攻撃でできるだけ4点を取ろう。
リキ:最低でも2点は欲しい。そうじゃないと最終回がキツ過ぎる。
つばさ:とにかく、打って点を取らないと駄目なのね。気合入れて行きましょう!

◆一回の裏・百年リトルの攻撃

GM:マウンドでは丈二が練習球を投げて――「さぁ、一番は誰だ? 誰から血祭りに上げてやろうか?」
修一:一番バッターは俺だ。
GM:「ほぅ、良かったなぁ、なんとか9人揃ってよ(にやり)」
修一:ああ、誰かさんが学校で汚い根回しをしてくれたからな……かなり大変だったよ。
GM:「はん、ご苦労なこった」――ではカードをセットしましょう。こっちは球種[直球]、コースは「S→S」(コロコロ)……おっと失敗(笑)
修一:いきなりか!?(笑)
GM:(コロコロ)……2だから打者の方へ球が……か。じゃあ修一の顔面向かってビーンボールが!
修一:なんだと!
GM:修一は[選球眼]で判定して下さい。こっちの[球威]がBdになるので8ペナ。
修一:こっちの[選球眼]判定のダイスが−8か……。
リキ:修一……死んだな(笑)
修一:俺の[選球眼]は4なので……情熱チップを5つ使って9にブースト! これなら9−8で1個は振れる!
GM:その1個で3以下が出れば成功ね。
修一:確率50%! 行くぜ(コロコロ)……2! 成功! エビぞってぎりぎりかわした。
リキ:おい丈二! どういうつもりだ!!
GM:「いやぁ……悪い悪い! 手が滑った」
リキ:嘘付け! 思いっきりマスタースクリーンの裏で振ってたじゃないか!(一同爆笑)
GM:そういう事を言うな!(笑)
修一:別に手が滑ったらそれでいいさ。次を投げて来いよ!
GM:「良い度胸だ……」――では第2球! こっちは[直球]のコースは[B→B]。もうここからは全部オープンダイスで行くぜ(コロコロ)……うおっ! 今度は0成功! 球威が0のヘロヘロ球を投げてしまった(笑)
修一:こっちは[テクニカル]だったから、見逃してボール2だね。
GM:では第3球。こっちは[変化球]の[S→B]だ。
つばさ:待ってGM! そのカードは[S→S]よ?
GM:なに!? しまった! カードを間違えた!(笑)
昴:その場合は?
GM:うむ、故意であろうとなかろうと、変化球で[S→S]や[B→B]、直球で[S→B][B→S]をセットしてしまった場合は……ボークになる。
リキ:何やってるんだ丈二は! っていうかGM!!(一同爆笑)
GM:素でカードを置き間違えてしまった(笑) カウントが0−3と追い詰められてしまった。
昴:馬鹿だ……馬鹿すぎる(笑)
GM:ええい! 次はちゃんとする! こっちはセット完了! そっちはOK?……じゃあ公開だ。丈二は[変化球]で[B→S]。(コロコロ)……コントロールは成功。
修一:こっちは[ウェイト]だったから見逃し1ストライクだ。
GM:じゃあ第5球! 再び[変化球]で[B→S]。(コロコロ)……コントロールは成功! 威力は6だ。
修一:[直球]狙いの[パワフル]。まず[選球眼]に情熱チップ使って(コロコロ)……ぎりぎり1成功。
GM:それは引っ掛けたね。三塁手がゴロをキャッチして一塁へ送球。1アウトです。
修一:くそっ、パワーで押し切られた。

GM:次は、2番、ファースト、つばさ。
修一:すれ違いざまに――あいつの球はかなり重い、気をつけろよ――とアドヴァイスを。
つばさ:うん、わかった――ギュっと握ってバッターボックスに入る。
GM:「おいおい、人数揃わなかったからって女かよ?」
つばさ:女で悪かったわね。でも、あんたの球は絶対に打つ!――黒船の四番を睨みつつ。
GM:藤田総一郎はサードにいます。興味無さそうにそっぽを向きます。
つばさ:ムカツク!――さぁ来なさいよ!!!
GM:では第一球……[変化球]で[B→S]。(コロコロ)……コントロールは成功。球威は6。
つばさ:こっちは[直球]の[パワフル]だから、[選球眼]……ダイスは7つ振れるから、チップを2個使って(コロコロ)……成功。
GM:では普通に[打撃判定]が可能です。
つばさ:じゃあチップを3つ使って(コロコロ)……よし、3成功! ライナー!!
GM:「そんな!? 俺の球が女なんかに!」――いきなり二塁打か! 守備力判定(コロコロ)……駄目だ。そのまま三塁狙う?
つばさ:ううん、二塁でとまる。走力にはあんまり自信無いし。その代わりサードの藤田総一郎に、してやったり、って笑顔を向ける。
GM:総一郎は驚いてるんだけど、つばさの視線に気づいてキッっと顔を背ける。
つばさ:ぜったい勝ってやるんだから! 昴くーーん! 続いてねー! 進塁すればリキがなんとかしてくれるよー!!

GM:次は、3番、ピッチャー、昴。
昴:よし、併殺は怖いけど、なんとか塁に出るかな(笑)
GM:つばさは進塁する?
つばさ:いや、走るの苦手だから進塁はしない。
GM:では投球にうつります。丈二が――「っざけんな! ピッチャーに俺の球が打てるかよ!!」――[直球]の[S→S]! 球威は8だ!
昴:あちゃー真逆だ。[変化球]の[ウェイト]だと思ってた。
修一:いや、ウェイトなら1ストライクになるだけだから問題無い。
昴:そっか……――うん、確かに早くて重そうだ。
GM:つばさは進塁?
つばさ:しない。
GM:「ふん、所詮ピッチャーか……打撃はカラッキシってか!?」――[直球]の[S→S]。球威は同じく8だ!
昴:だと思った! [直球][パワフル]で情熱チップを一気に8枚ブースト!
リキ:やる気だな(笑)
昴:この程度の投手に、勝ち星はあげられない!(コロコロ)……4個成功!
つばさ:フライ(遠)ね♪ 1塁打!
昴:よしっ!
リキ:いや、違う(笑)
昴:え、違うの?
修一:違う。[パワフル]で[S→S]を打った場合は、★★って2つ星マークがあるだろう? この★は1つにつき打撃判定の達成値が1上がるんだ。
昴:じゃあ2つだから4成功じゃなくって、6成功?
リキ:そう。ただ、さっき昴は相手の球種が[直球]だと狙い球で的中させてただろ? その場合は、さらに★が1つ追加だ。
昴:えっとつまり……僕は7成功?
つばさ:7成功だと……[ホームラン]?
GM:そう、昴が打ったフライはぐんぐん伸びて、下がっていく外野手の頭を越えてギリギリフェンスの向こうへとポトンと落ちる(一同大爆笑)
昴:すげーーー!(笑)
リキ:あの転校生……オレの見せ場を取って行きやがって(笑)
修一:監督!!
GM:「ええ、彼は本当に……救世主かもね」(笑)
つばさ:ホームベースを踏んで帰って来ます――まず1点!
GM:「ありえねー! 俺の……俺の球が打たれるなんて!?」
昴:僕も帰ってこよう。そして――もう一点宜しく!
リキ:ああ、まかせとけ!

GM:次は、4番、キャッチャー、リキ。
リキ:さぁ来な!
GM:「舐めやがって!!」――こっちは[直球]の[B→B]、球威は8!
リキ:[変化球]狙いの[パワフル]にしてしまった。ちっ、読みすぎたか。(コロコロ)……選球眼は失敗。ボール球に手を出して空振りか。
GM:じゃあ1ストライク――「ふん、本気を出せばこんなもんよ」――続いて第二球……再び[直球]の[B→B]、球威は7!
リキ:[ウェイト]だから見逃し。
修一:1−1(1ストライクー1ボール)か。
GM:「なんだぁ? 手ぇださねーつもりか?」――第三球……[直球]の[S→S]で球威は8!
リキ:ふっ、お前の事だ。頭に血が上ったら得意の直球しか投げて来ないと思ったぜ! こっちも[直球]狙いの[パワフル]だ!――カッとボールをバットが捕える!
GM:だが、その球は重たいぞ! 球威分をマイナスだ。
リキ:オレの打撃力は9だから……振れるダイスが1。情熱チップでブースとして7個振ろう(コロコロ)……おかしい、2個成功しかしない。
修一:★のボーナスが3入るから5成功。ゴロ(強)で1塁打か。
リキ:じゃあ一塁に出てから手がぶらぶらさせる――くそ、まだ痺れてやがる……なんて重たい球を。
GM:丈二は怒りMAXです。そして5番、6番はエキストラなのでそのまま凡退。チェンジします。 修一:帰って来た5番6番に声をかけて――ドンマイ、ドンマイ! さぁ気持ちを切り替えて行くぞ!!
昴:さぁ僕の出番だ。
GM:と、キミ達が守備へ行こうとしたところで、こんな声が聞こえてきます――「どういう事だ! おい、どうしてうちのリキが百年リトルから出ているんだ!!」
つばさ:……もしかしてリキのお父さん?
リキ:そうか、誤解を解かずにおいたから。
GM:その通り。
リキ:親父やめろよ! 恥かしいだろうが!!――そっち行きます。
GM:「それはこちらのセリフだ! どうして黒船リトルから出てない!」
リキ:決まっているだろう! より強い奴らと戦うためさ!!
つばさ:上手いこと言った(笑)
修一:しかもちょっとリキっぽい(笑)
GM:お父さんはワナワナを震えます。そして――「貴様は!」――バチコーンッ!!
一同:『ぶったーー!!』(一同爆笑)
リキ:な、何するんだ!?
GM:「リキ……母さんから聞いたぞ。黒船リトルを勝手にやめたんだってな」
一同:『知られてたー!』(笑)
GM:「お前は……どうしてそんな言い訳ばかりする。エースを降ろされたからって逃げるのか! 努力して再びマウンドを奪い返そうという気概がお前には無いのか!!」
リキ:親父……オレだって、最初はエースに戻ろうとしたさ……だけど……もう、無理なんだ。
GM:「……どういう事だ」
リキ:肩を……やっちまったんだ。もうオレは……投げられないんだよ!!
GM:「リキ……お前」
リキ:親父の言うとおりレギュラーは外されたさ。それでも打者ならベンチ入りもあるって言われたさ。だけどな! オレはそんなお情けでチームにいたくないんだよ! オレは、オレの力を認めさせて、オレの居場所を作るんだ!!
GM:「何を言っているのか解っているのか」
リキ:解ってるさ。だから、黙って見ててくれ。肩を壊そうが……黒船リトルを辞めようが……オレが、エースだって所を。
GM:「……いいだろう。だがなリキ、お前は母さんに心配をかけすぎた。もしこの試合で負けるような事があったら……二度と野球はやらせん! 今日の試合が最後だ!!」
リキ:ああ、いいぜ。約束してやる! オレ達は負けるつもりは無いからな!

◆最終回の表・黒船リトルの攻撃

その後、4回に大量得点を許すも、その後は気魄のピッチングで昴が黒船打線を0点へ抑える。
一方、黒船リトルの丈二も2回からは冷静になり、本来の速球で押さえつけるピッチングに立ち戻り、百年リトルの攻撃を0点に抑え続ける。
そして百年リトルが2点を追う状態のまま最終回が始まる。
GM:では現在。1塁に走者が1人います。
昴:すでに打たれている?
GM:ただ、すでに2アウトです。
昴:そっか……つまりそこで打者は……――
GM:『4番、サード、藤田総一郎……』――黒船リトルの4番がボックスに入ってきます。監督からは『歩かせても良い』とサインが(笑)
修一:プレイヤー的にはそれはありだと思う(笑)
リキ:まぁな(笑)
昴:リキ君のミットに首を振ります。
リキ:じゃあターイム!(笑) マウンドに駆けて行って――監督のサイン見えなかったのか? 無理に勝負する必要は無いだろう。
昴:でも、黒船リトルに勝つには……あの4番を押さえないといけないだろう。
リキ:何言ってんだ! ここで1発出たらどうする!
昴:それでも……黒船リトルより、僕達が凄いって解らせるにはここで勝負しないと。
リキ:お前、何を――
昴:僕はチラリとリキ君のお父さんを見ます。
つばさ:ああ!!(笑)
修一:それで勝負か(笑)
リキ:オレも気が付こう――お前……オレのために……。
昴:もちろん、チームの勝ちが最優先だよ。だけど、打たれるつもりも無い。
リキ:……信じて、良いんだな。
昴:うん。
リキ:……配置に戻ります。
GM:総一郎がボソっと呟きます――「いくらゴミが集っても、無意味さ」
リキ:それはどうかな? 才能よりも凄い力ってのを見せてやるよ――特殊能力≪野次≫を使用。相手の打者の打撃力−2。
GM:集中力が乱されている(笑)
昴:ここで僕は本気の投げ方になります。グッと深く沈んだ下投げ。地面すれすれのアンダースロー! 特殊能力≪特殊投法≫を初解除!――これが僕の……サブマリンだ!!!――[変化球]の[S→B]! さらに≪眠れる獅子≫を使ってダイスボーナス4! 情熱チップも使って(コロコロ)……球威は12!!
GM:こっちは[変化球]の[テクニカル]! 狙いは悪く無いんだが……12個マイナスは……駄目だ。[選球眼]失敗。空振りした。
リキ:ナイスボー!!――これで1ストライクだ!
GM:「なんだ……今の球は!?」――総一郎が驚きます。
昴:悪いけど、もう二度と、僕の球には触れさせないよ。――第二球は[直球]の[B→B]で同じコンボ! 再び残った情熱チップを全部使って(コロコロ)……今度は球威14!
GM:[直球][パワフル]……狙いは合ってるんだがマイナスが……無理、[選球眼]失敗で空振り――「そんな、まだボールの下を振っているのか!?」
修一:黒船の4番は特殊能力持ってないのか?
GM:いや、実は能力値アップとセンスアップにつぎ込んで、小手先の特殊能力は取ってないんだよね。ただ、おかげで打撃能力は13個振れる。
リキ:高ッ!(笑)
GM:だが、情熱チップは使い果たしたはず! 総一郎相手に持久戦は分が悪いぜ!
昴:だから【キーワード】を使う!!
※解説9 「キーワード」
 キーワードに関する行動や発言を行った際、そのPCは1つにつき3つのGdをもらえます。これは1セッション中に1つのキーワードにつき1回という制限があります。
昴:パパ、ここは勝負しないといけないんだ……ここで負けるわけには行かない、この百年リトルの皆と、もっと……野球がしたいから!!!
GM:キーワード【父親の帽子】【負けん気】【仲間】を許可しましょう。
昴:これで9個のボーナス!
リキ:それで≪野次≫!――勝負してやるよ総一郎。直球のストライクだ。お前に打てるか?――≪野次≫の効果で相手の打撃力−2。
昴:ついでに≪剛速球≫も使用![直球][S→S]――これが……僕の、サブマリンだ!!!(コロコロ)……コントロールは成功! 球威は13!
GM:それは無理だ! 総一郎は盛大に空振りします!!――「そんな……馬鹿な……」
昴:うしっ!!!

◆最終回の裏・百年リトル最後の攻撃

昴のサブマリンが唸り0点で押さえた七回の表。
そして攻撃権は百年リトルへ移る。
泣いても笑ってもこれで最終回、2点以上取らなければ百年リトルの夏は終わる。
GM:では最後の攻撃です。
つばさ:こういう時はアレじゃない? 肩を組んで丸くなる奴。
修一:わかった、皆で円陣を組もう。
GM:じゃあ他のメンバーも加わって円陣を組みました。
修一:たった2点ぐらい、今の俺たちなら取り戻せるはずだ。これが最後だ! だけど、俺たちの百年リトルは最後じゃない! 最後まで諦めずに、全力で行くぞ!! 百年リトルーー!!!
一同:『おーーーーー!!!!』 (一同爆笑)

GM:1番、ライト、修一 ――というわけで最終回は1番バッターから始まります。
修一:わかった。なんとしても塁に出る。
つばさ:一応聞いておくと……5番以降の打者は?
GM:自動的にアウトになります。
つばさ:やっぱり(笑)
リキ:オレたちで3点目を取ってサヨナラか……やってやろうぜ!!(笑)
昴:ああ、最悪でも2点で良いよ。僕がまた抑えてみせる。
修一:そのセリフに少し怪訝な顔をする。素振りしつつ心の中で思う――(昴はもう限界だ。あのサブマリンは肩に負担をかけすぎる……なんとしてもこの回で終わらせないと)
昴:まぁ実際、情熱チップも【キーワード】も全部使い果たしたからね。延長戦は正直きついかも。
つばさ:大丈夫、私たちで3点取ればそれで終わりだって!
昴:……うん!
GM:ではバッターボックスに入った修一に――「さぁお前等を三振に討ち取って、このめんどくせー試合も終わりにするか」
修一:無言で打つことに集中。
GM:「ちっ……いいだろう。打てるものなら打ってみな!!」――カードはセット! [直球]の[S→S]!さらに特殊能力≪剛速球≫を使用!
つばさ:≪剛速球≫?
昴:打者がスイングカード[テクニカル]を選んでた場合、完全に振り遅れてストライクになる特殊能力だよ。まさに速球投手の必殺技さ。
リキ:へ、ついに本気の本気ってわけか(笑)
GM:くらえ! 球威は8だ!
修一:ここで【キーワード】を使う!――修二、サッカーも良いかもしれないが……野球も良いもんだぜ? なんたって……最終回のこの場面、これほど気持ちの良い場面は野球でしか味わえないんだからな。
GM:【弟】と【試合は最終回ツーアウトから】を許可しよう!
修一:そして俺の狙いは[バント]だ!!
GM:なんだってー!?
リキ:この場面で……初球バントか!! やるなぁ!!
修一:このグラウンドは俺たち百年リトルのものだ!!!――最後のキーワード【グラウンド】も使ってダイス+9! 俺は打撃力よりバント力の方が高いんだ!(コロコロ)……よし、6成功!
GM:「てめぇえ! 修一!!!!!」――丈二が叫びます。
修一:一塁で冷静に丈二へ言い換えそう――野球は一人でやるもんじゃないんだぜ?
つばさ:なにそのカッコイイセリフ(笑)
修一:監督にサインで『走りますか?』って聞くけど。
GM:(他のプレイアーに視線で任せると合図)
昴:いや、いいんじゃないかな。後ろを頼ってくれてさ。
リキ:ああ、下手に刺されても怖いしな。
つばさ:大丈夫、私が繋ぐよ!
修一:了解。必ず進めてくれるって信じて待つよ。

GM:
2番、ファースト、つばさ。
つばさ:さぁ、あなたの速球にも慣れてきたし、そろそろ行くよ!
GM:「なめるな!」――と言いつつ初球は牽制球。
修一:普通に一塁へ戻る。プレッシャー分だけは毎回リードするけど本気じゃない。
GM:「ふん、走る気無しかよ」
つばさ:さぁ来なさい!!
GM:「おらっ!!」――[直球][B→B]の≪剛速球≫! 球威は8!!
つばさ:[ウェイト]で見逃す。
GM:1ボール――「おうおう、早すぎて手が出ないか?」
つばさ:いったんギュッとバットを握りなおして――(確かに、今までで一番早いかも……打てなくは無いけど、それでどこまで飛ばせるかは……)
リキ:なんか考えてる(笑)
つばさ:来なさい!――ボックスに入ります。
GM:では第二球! [直球][B→B]の≪剛速球≫! 球威は8!!
つばさ:[ウェイト]で見逃します。
GM:またか……2ボール。
つばさ:同じようにボックスから出て、再び入る。
昴:大空さん……なにか狙ってるね。
リキ:ああ、確実にな。
GM:「気持ち悪ぃな。振らないなら遠慮無く行くぜ!!」――第四球は[直球][S→S]の≪剛速球≫! 球威は8!
つばさ:今だ!! 特殊能力≪フルスイング≫発動! スイングカード[ウェイト]を[パワフル]に変更!
GM:何!?
つばさ:ここから【キーワード】使っていくよ!――野球は怖いと思ってた……だけど、この夏の空に吸い込まれる白球を見ていたら、いつの間にかそんな気持ちは消えていた。
昴:おおっ!(笑)
つばさ:さらに連続で≪ジャストミート≫も使う! これで★が1つ増える! リキだってこの試合に賭けてる、みんなだってそう……私も……もっと皆と野球がしたい!!!
GM:【野球は怖い】【夏の空】が発動で+6D6か。
つばさ:さらに情熱チップも全部使う!
GM:それでもそっちにマイナス8個のペナルティだ! 丈二の球威を舐めるな!
つばさ:キンッ! ボールを真芯で捕える!(コロコロ)……5個成功に★が追加されて8成功!
GM:「なっ!?」――丈二は場外へ飛んでいくボールを唖然として見送ります。
つばさ:ん…………やったーーー!!!
修一:悠々と帰ってこよう。
つばさ:私も帰ってくる――これで4対4、同点だね!!  しかしその後、【キーワード】も情熱チップも使い切った昴は、特殊能力を駆使する丈二に凡退する。

昴:
ごめん。
修一:いや、昴がいなかったらここまで戦えなかった。
つばさ:ええ、あとは……――リキの方を見ます。
リキ:じゃあバッターボックスに入る前に立ち止まって――昴、お前言ったよな?
昴:
リキ:『お前が投げて、俺が打つ、そしたら勝てる』って……。
昴:……ああ、言った。
リキ:見とけよ。その言葉、本当にして来るぜ。

GM:次は……4番、キャッチャー、リキ。
リキ:ブンブンと素振りしてボックスへ入る。
GM:「リキ、解ってるのか? お前が打てなきゃ後ろは無いぜ?」
リキ:……だから?
GM:「お前が三振すれば百年リトルはここで終わりって事さ」
リキ:オレを三振に? ふん、やってみろよ。
GM:「生意気な……この蝙蝠野郎が!!」――それでは第一球……[変化球][S→B]の球威は6!
リキ:何!? ≪剛速球≫じゃないのか……普通に[直球]狙いの[パワフル]だったから……。
GM:それは変化球に対応できなくて空振りだね。まずは1ストライク。
リキ:最後の最後で、丈二も冷静ってわけか。だが……
GM:「いくぜ」――それでは第二球……[変化球][S→B]の球威は6!
リキ:……くそ、[パワフル]だ。2連続で空振った!!
つばさ:リキーー!! 落ち着いて!!
修一:お前なら見える!
昴:打てる! 僕の言った事を現実にしてくれるんだろ!!
リキ:ボックスから出て深呼吸だ……ふぅ……。そして入る――よし、来いっ!!
GM:本気で行くぜ――」――第三球……[直球][B→B]の≪剛速球≫で球威は7!
リキ:そうだと思ったぜ。こっちは[ウェイト]だ!
GM:2ストライク1ボールか……それでも追い詰めてるのはこっちだ。第四球行くぞ!
リキ:ああ、来いっ!
GM:こっちは……[直球][B→B]の≪剛速球≫で……しまった。すっぽ抜けた(笑)
一同:『おおっ!?』
GM:(コロコロ)……いや、球は打者のいないほうへ行った(コロコロ)……うん、キャッチャーが掴んで1ボール。
リキ:くそ、緊張する(笑)
修一:2−2か。最終回っぽいな(笑)

GM:
「これで最後だ!」――≪ウィニングボール≫≪直球狙い殺し≫≪鉛球≫を使用! 相手の打撃力に−4、相手が直球狙いの場合は打撃力−5、さらに★は1つマイナス!
リキ:へぇ、オレが[直球]狙いの[パワフル]って良くわかったじゃねーか!
GM:「終わりだ!!!」(コロコロ)……よしっ! コントロールはギリ成功! 球威は9だ!!!
リキ:マイナス14個されるのか……。オレの打撃値が9だから、このままだとマイナス5個。
つばさ:【キーワード】使って!!
リキ:ああ、オレは……黒船リトルを辞めてからも、ずっと黒船のエースで4番だって見栄を張ってきた……だけど、もうそんな過去とはおさらばだ!オレは……百年リトルの4番だ。ここで打てずに……何が4番か!!!
GM:キーワード【見栄っ張り】と【黒船リトル】はOK! 【悪】は良いの?
リキ:この場面にそぐわないから諦める。それでも+6D6で1個は振れるようになった。そこに残ってる情熱チップを11枚使って振れるダイスを12個までブースト。
修一:確か自分のチップも相手に渡せるんだよな?
GM:[情熱交換]ね。でも1枚だけだよ?
修一:頼む! 打ってくれ!!!――というわけで1枚リキに譲渡!
リキ:これで13個振れる。★は3つだけど≪鉛球≫でマイナス1個。13個振って5個以上ならホームラン!
つばさ:出る出る!!!
リキ:行くぞ!!(コロコロ)……4、5、6、7成功!! ★を足して9だ!
白球が……真夏の青空へと吸い込まれていった……。
百年リトルの夏は、今まさに始まったばかり。

野球TRPGボールパーク!
『青空に届くなら!』 了

◆感想

GM:4人ともお疲れ様でした!
一同:『お疲れ様でした〜!』
GM:では感想戦と行きましょうか。
リキ:これは……。
修一:うん。
つばさ:野球パートが楽しい(笑)
昴:楽しいっていうか、なんか凄いよね!
修一:野球なら全て可能っていううたい文句なだけある。確かに再現できる(笑)
GM:読み合いっていうのも面白い。
リキ:これはプレイヤー同士の対戦とかやっても楽しそうだ。
修一:ああ、今回は勝負したりなんだりって部分もピックアップしてたけど……もっとシビアにするのもしてみたいね。
昴:なんだかんだで相手の4番とは勝負しちゃったし(笑)
GM:まぁそこはリプレイなので勝負してくれないと……。
昴:まぁね(笑)
つばさ:でも、野球部分がメインであるから、どうしてもアドベンチャーパートはプレイヤーとマスターの力次第になっちゃうね。
GM:でも、情熱チップを投げあったりするから、勝手にカッコイイシーン作りたくなるし問題無いんじゃないかな?
リキ:ああ、それはある(笑)
修一:リキは美味しいポジションだったなぁ(笑)
リキ:そうかぁ? キャプテンだって円陣で気合入れたり面白そうだったぞ?
昴:それを言ったら大空さんのお父さんが最高に良い親父かと(笑)
つばさ:なんかみんなと絡むより、お父さんと話してる方が多かった印象がある(笑)
GM:アドベンチャーパートでモチベーションを上げて、野球パートで発散って作りだしね。あれはあれでよかったと思うよ?
昴:僕は逆に最初っからモチベーションは高い方だったからなぁ、でも野球パートじゃ一人だけ投手側を楽しめたから良かったかな。
リキ:あれは面白そうだった。今度はオレ投手するよ。肩壊してないキャラ作って(笑)
GM:うんうん……まぁ、それは今度の機会って事にして。それじゃあ今日はこの辺で一端締めましょう。それでは皆さん、本当にお疲れ様でした!
一同:『お疲れ様でしたーー!!』

昴:
でも百年リトルってさ。
GM:???
昴:絶対小学生の集りじゃないよね(一同爆笑)

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