ダブル+クロス The 2nd Edition ――僕は、昨日と同じ今日が、明日も続くと思っていた―― 今より19年前、人知れず変貌の種は蒔かれた……それは風に乗り世界中へと根を降ろす。 ――でも、ふと振り向けばそこにあった昨日は、今日から見たら異質のもので―― レネゲイド・ウィルス…人の肉体を変容させ、人の精神を蝕むもの。 ――それでも昨日と同じ明日を、きっと僕は望むから―― オーヴァード…覚醒せし者には二つの道が待っていた。すなわち被害者と加害者。もう日常へは戻れない。 ――日常を……僕は望むから……―― そんな中、二つの道をどちらも選ばなかった者達がいる。日常を諦めなかった者達が。 ――僕は…ダブルクロス<裏切り者>でも構わない―― 2004年3月27日セッション開始
シナリオ『Twinkle Heart』リプレイ闇に瞬くひと欠片 ■プリ・プレイ■ GM:それではダブルクロス2のリプレイを取りたいと思います。一同:宜しくお願いします。 GM:さて、集まってもらった皆さんに、今日は先に一つ言っておきます。 一同:??? GM:今日はシリアスリプレイを取ります! ガルチラ:本気ですか? GM:個人的な趣味だけど、ダブルクロスは『カッコ良い』セッションの方が好きなんだ。だから今日はそれで行きたい。 西蓮:でもダブルクロス2は日常と非日常の間を揺れる葛藤が重要なところですよ?そこをカッコ良くやれと? GM:うむ、カッコ良く葛藤してくれ。大丈夫! それをやるのは君達であって、俺はそれを編集すればいいだけだ! ガルチラ:毎度のことならがいい加減……じゃない自分勝手な(笑) 西蓮:でもそれなら、今日のプレイには全員ベテランで挑んだ方が良かったんじゃないですか? クラゲ:かなりダブルクロス離れが進んでいます。半年以上は確実に触っていません(笑) ebi:私1〜2回しかやった事ありません。 GM:大丈夫、ダブルクロスには慣れてなくてもTRPGには慣れている人たちを集めたから! 兎に角、今日はシリアスにカッコ良く行こう!!! 西蓮:(ボソっ)最近『(一同爆笑)』とかのリプレイばっか書いてて疲れたらしいぞ。 ガルチラ:(ボソっ)なんとなくそれはわかります(笑) ◆キャラクター作成 GM:さて、ダブルクロス2の時代背景は現代です。そんな中、キミ達はレネゲイド・ウィルスに侵され力に覚醒したオーヴァードをやってもらいます。ebi:はい! 良くわかりません! GM:うん、ごめん。今から19年前、世界中に人知れずあるウィルスがバラ撒かれました。そのウィルス(レネゲイド・ウィルス)に感染・発病した者はオーヴァードと呼ばれ、大きく11つに分類された能力を身に付けます。ちなみに覚醒した者は、覚醒の際に伴う肉体的苦痛と本能の増大によって死亡する人も多いです。また、覚醒に耐えたとしても、その後に続く衝動(アージ)と呼ばれる、背徳的な行動欲求に負けて暴走状態となる者も多いです。 ebi:じゃあ私達は特別に感染した人ですか? GM:感染は殆ど世界中の人間が感染してる。キミ達はその覚醒衝動に耐え切って、かつ自意識を保ったままの人だ。ちなみにオーヴァードと呼ばれます。 ガルチラ:ちなみに感染者の覚醒率は1%にも満たないです。 西蓮:人知れずに世界が変わるわけだな。 GM:さて、世界の説明はそれぐらいで……キャラクターシートは受け取りましたね? まずはシンドロームを2種類選んで下さい。同じシンドロームを重ねて選んでも構いません。レネゲイド・ウィルスに覚醒した人は、"エフェクト"と呼ばれる特殊能力を発揮します。そのエフェクトの効果は大まかに分けて11個の系統に分類され、その系統の事を"シンドローム"と呼びます。 ※解説1 「シンドローム」
ebi:じゃあ私キュマイラ! 爪生やしたり翼生やしたりします!こういった解説において、今回プレイするダブルクロス2の説明を補助的に入れて行こうと思う。シンドロームの11種類は光を操る"エンジェルハイロウ"、電気を操作する"ブラックドック"、血を使う"ブラム=ストーカー"、肉体変化で獣の力を発揮する"キュマイラ"、肉体を軟化させる"エグザイル"、神経伝達を早め常人離れしたスピードを手に入れる"ハヌマーン"、物質・物体を創造する"モルフェウス"、思考能力がずば抜けた"ノイマン"、領域を支配する"オルクス"、熱と冷気を統べる"サラマンダー"、化学物質を生成する"ソラリス"等がある。 GM:もう一つは? ebi:わからないし重ねます。その方が強くなりそうだし(笑) クラゲ:私はバラバラに取りますよ。エグザイルとハヌマーンにします。両方肉体が強いので物理攻撃主体ですね。 ガルチラ:では俺はオルクス/エンジェル・ハイロウで遠距離系にしましょう。レーザーを操る支配者やります。 西蓮:ぬ、そうすると俺は援護系だな……ノイマンと……やっぱ個人的にイメージが好きなサラマンダーを組み合わせる。 GM:了解。ではどんどん行きます。ワークス(本当の職業)とカヴァー(表の顔)を決め、エフェクト(特殊能力)と技能を選びます。シンドロームとワークスが決まったら能力値が算出できるので、そこからHPやイニシアチブも決定します。そこまで行ったら、ライフパス(その人の人生がどうであったか)に移りましょう! ◆ライフパス GM:まずは"生まれ表"を振って下さい。ebi:私振る〜(コロコロ)……10『父親不在』? お父さんが居ないらしいです。お母さんっ子になりました。 GM:では他の人もどうぞ。 クラゲ:(コロコロ)……3『母親不在』? 私は逆に母親が居ません。ちょっと荒んだ家庭環境しか思い浮かびません。 ebi:あれですよ! きっと離婚したんです! つまり私とクラゲさんは実の兄弟なんです! クラゲ:ああ、それ面白そう(笑) じゃあそれで(笑) 西蓮:おいガルチラ、向こうは勝手に兄弟になってるぞ? こっちも何か対抗しようぜ! ガルチラ:でもダイス目でしょう? 振ってから考えませんか? 西蓮:それもそうか(コロコロ)……83『親類との疎遠』らしい。つまりガルチラと俺は親戚らしいぞ。 ガルチラ:ずいぶん簡単ですね(コロコロ)……99『犯罪者の子』。 西蓮:ゴメンこうむる! やっぱ赤の他人にしよう(笑) ガルチラ:偉い偏見ですな(笑) GM:はい、生まれが決定したら、次は"経験表"に行きます。それぞれ好きな場所を2つ選んで振って下さい。 ebi:"幼少"と"学生(波乱万丈)"にします。 GM:ではまず"幼少"の経験表を振って下さい。 ebi:(コロコロ)……『大事故』、じゃあお父さんが出てった理由になった大事故です。 クラゲ:お父さんの方が出てったの? 普通はお母さんが出るんじゃない? ebi:いえ、私が振っちゃったので、その大事故っていうのは私が原因なんです。小さい頃にレネゲイド・ウィルスの衝動に耐え切れなくなってやっちゃったんです。 クラゲ:そこをお父さんに見られて――『こんなバケモノ! 俺の子供じゃない! 一緒になんて暮せるか!!』 ebi:それです(笑) GM:嫌な父親だな。 ebi:2つ目は"学生(波乱万丈)"の(コロコロ)……『永劫の別れ』。お母さん死んじゃった。 クラゲ:ええ!? ebi:だってお母さん以外に一緒にいる人居ないもん。お父さん達と別れたのは小さい頃だから違うし。 GM:まぁ問題無いですよ。ハンドアウト的にピッタリなのもありますから(笑) クラゲ:じゃあ私は"学生(波乱万丈)"と"その後"で(コロコロ)……『命を賭けた恋』。恋人が出来た。あと(コロコロ)……『屈辱』? 親族に侮蔑される? ebi:お父さんに「お前もバケモノか! 出て行け!!」って言われたんですよ(笑) クラゲ:ウチのお父さんって本当に理解無いな。 ガルチラ:それが一般的な市民の反応ですよ。そんなものです。 クラゲ:まぁお兄さんな設定にするので、恋は大学生時代にしたって事にします。恋人の彼女は同じくオーヴァードで良き理解者です。そして唯一の家族! やっぱお父さんとは別れました(笑) 西蓮:次は俺か"学生(平穏)"(コロコロ)……『小さな名誉』と、"その後"で(コロコロ)……『被害者』? 何かガルチラの親の起こした犯罪に巻き込まれたらしい(笑) ガルチラ:俺ですか!? いや、まぁ確かに親は犯罪者だから有り得ますが(コロコロ)……俺は"幼少"で『行方不明』。 西蓮:ほらお父さんに誘拐された(笑) ガルチラ:なんで実の父親に誘拐されなきゃいけないんですか! する必要が無いじゃないですか! 西蓮:まぁなんで俺もその事件で被害者になるのか意味不明だが(笑) ガルチラ:本当ですよ(笑)(コロコロ)……"学生(不良)"が『三面記事』です。親がそんなんなので不良になりました。そこで事件を起こして新聞に載りました。 西蓮:その記事を見て、俺はキミの存在を知るわけだ――「あいつはあの誘拐事件の時の少年…生きていたのか」 GM:では最後にどうやって覚醒したか"覚醒表"を、その人の衝動は何か"衝動表"で決定して下さい。そのあと、3人まで自分の大切な人をロイスとして書き込んで、名前等のパーソナリティーを決定してキャラクター作成は終了です! ◆キャラクターデータ "翼獅子<グリフィス>"輝野 優鷹(カガノ・ユタカ) 17歳(男)シンドローム:キュマイラ/キュマイラ ワークス:高校生 カヴァー:高校生
エフェクト: ≪完全獣化≫3、≪鬼の一撃≫2、≪破壊の爪≫1 ≪ハンティング・スタイル≫1、≪鷹の翼≫1 "沈黙する蛇<サイレント>"嶺村 薫(ミネムラ・カヲル) 27歳(男) シンドローム:ハヌマーン/エグザイル ワークス:ボディガード カヴァー:研究員
エフェクト: ≪オールレンジ≫2、≪貪欲なる拳≫1、≪歪みの体≫1、≪骨の武具≫1 ≪マシラのごとく≫1、≪崩れずの群れ≫1、≪アクティブソナー≫1 "知識の守り手<スチーム・ハイブロウ>"霧ケ峰 理(キリガミネ・オサム) 28歳(男) シンドローム:ノイマン/サラマンダー ワークス:UGNエージェント カヴァー:UGNエージェント
エフェクト: ≪天性のひらめき≫2、≪プロファイリング≫1、≪アドヴァイス≫1 ≪生き字引≫1、≪マインドリーディング≫1、≪アナライズ≫2 "高き支配者<テンペスト>"天城 義久(アマギ・ヨシヒサ) 17歳(男) シンドローム:オルクス/エンジェルハイロウ ワークス:高校生 カヴァー:高校生
エフェクト: ≪絶対の空間≫2、≪完全なる世界≫1、≪縛鎖≫1、≪支配の領域≫1 ≪ミラー・コート≫1、≪光の弓≫1、≪黒き明かり≫1 ■オープニング・フェイズ■ ◆輝野 優鷹 いつもと変わらぬ学校からの帰り道。
GM:最初は優鷹のシーンです。登場による侵蝕率の上昇をお願いします。その日、輝野 優鷹は一人で帰路についていた。昨日と同じ夕方の大通り…ガードレールの向こうは車が通り、車道の奥には商店が並んで買い物帰りの主婦や、部活帰りの学生が歩いていた。 優鷹:(コロコロ)……8上がった。 ※解説2 「侵蝕率」
GM:シーンの描写です。学校からの帰り道、キミは車道の向こうの商店街を母親と妹の光(ひかる)が歩いているのを見つけます。どうやら夕飯の買い物帰りのようで2人はスーパーの袋を持っています。侵蝕率とはどれだけそのPCがレネゲイド・ウィルスに侵蝕されているかを表す数値である。レネゲイド・ウィルスはエフェクトを使った場合、シーンに登場した場合(1D10上昇)、精神的なショックを受けた場合(後述の衝動判定)や、見知らぬ能力者が力を使ったのを目撃した場合(同じく衝動判定)等に上昇する。また、侵蝕率が上昇するとそれに伴ってエフェクトで発揮される超常的な力は強力になっていく。 優鷹:妹? GM:1歳年下の妹です。名前は光、母親はパートで忙しいので家事は妹がこなしています。 優鷹:了解。 薫:俺にも妹できたな。 天城:繋がってますしね、そこ(笑) 優鷹:ふと思ったんだが、オレの母親はすでに他界しているぞ? どうして生きているんだ? GM:それはあとでわかります。母と光、2人は談笑しながら帰ってます。まだキミには気が付いていません。 優鷹:別に悪い事をしたわけじゃないけど、バツが悪いから気が付かないフリして通り過ぎる。高校生で親に会うのはなぜか恥ずかしいしな(笑) GM:では車道を挟んですれ違います。と、数秒歩いたところで車道の向こう側で獣のような叫び声が上がります――『ガアァァァアアアアア!!!』 優鷹:バッと振り向く、車道の向こうという事は母さん!? GM:母親と妹の光、その後ろを歩いていた男は叫び声を上げながら体を異形なる怪物へと変貌させる! 服を突き破り無数の触手が生え、ゆらゆらを獲物を求めるように蠢く! 優鷹:走って行くぞ! 母さんと光が危ない! GM:キミが車道へと飛び出した瞬間、男の触手が伸び周囲を無差別に破壊する。そしてキミの目の前でスローモーションのようにスーパーの買い物袋が空に舞う。 優鷹:か、母さん!? 光ーーー!! その触手のジャームはまだ暴れているのか! GM:暴れてはいますが、付近に"なぜか"居たUGN関係のオーヴァードが引きつけている。 優鷹:なぜUGNがこんなバッチリなタイミングで……いや、今はそんなことはどうでもいい! 母さん! 光大丈夫か! GM:咄嗟に母親が庇ったのか、光は怪我をしてはいますが致命傷ではありません、今は気絶中です。問題は母親です――。 優鷹:そんな……母さんの傷を見てショックな顔をしよう。母さん……。 GM:母親が自分の血で染まった手をキミの頬に伸ばします――「光を……お願いね……優鷹……」 優鷹:喋らなくてもいい! 母さん、母さんと光はオレのたった2人の家族なんだ、絶対助ける! だから、そんな諦めたような事を言わないでくれ! GM:母親はその言葉に嬉しそうに微笑み、首を横に振る。 優鷹:母さん!! GM:「優鷹…良く聞いて……あなたと光は覚えていないかもしれないけど、あなた達にはお兄ちゃんがいるの……」 優鷹:オレと光に……兄さんが? GM:「だから、私が居なくなっても……家族は3人……きっと大丈夫だから……ね?」 優鷹:知ってる……知ってるよ母さん、オレが3歳の頃に父さんと一緒に出て行った人だろ? でも……オレは3人より、母さんも一緒に4人で……母さん? 母さん!? GM:母親はそこで息絶えます。衝動判定をして下さい。 優鷹:<RC>で(コロコロ)……9で成功。(コロコロ)……侵蝕率は2Dだから13点上昇だ。 GM:ではそこでシーンは切れます。光にロイスを結んで下さい。何か最後に一言ありますか? 優鷹:そんな…そんな……こんな簡単に……うおおおおお! と叫ぶと共に背中には翼が生え、手は鉤爪状になる! 憎しみに満ちた瞳でジャームを振り返ったところで終わるぞ! ※解説3 「衝動判定」
精神的なショックを受けた場合、見知らぬ相手が能力を使った場合、衝動判定が起る。<PC>で7(またはGMの任意)を目標値として判定する。失敗するとキャラクター作成時に決定した衝動が沸き上がってくる。演出はPLの自由。判定の成否に関わらず侵蝕率は2D10上昇する。 ◆嶺村 薫 UGN K市研究所…嶺村 薫はその研究員である。今薫は夕方の買い物客が通る道を、一人の男の跡をつけながら歩いていた。なぜなら、薫が所属する研究班の北見班長に言われ、覚醒しつつある対象を尾行・監視する事が今の任務だからだ。
GM:さてキミは、研究班班長に言われて覚醒の可能性がある対象を尾行・監視しているわけだが、キミ一人で行っているわけではない。キミの横には同じ研究班であり、恋人でもある秋山 響がいる。薫:同じ職場で恋人なのか……学生時代の『命を賭けた恋』は彼女だった設定だから、そのまま一緒にオーヴァードとして2人でここに就職したのかもしれない。 GM:じゃあそういう設定にしよう。ちなみに薫は何歳だっけ? 薫:27歳。彼女…響とは5年以上付き合っている。 GM:では2人して対象を尾行・監視しているのですが、彼女がキミに話し掛けてきます――「ほら薫、どうしたの? ぼーとしちゃって?」 薫:いや、別に……監視を始めてどれくらいになる? GM:だいたい1ヶ月ぐらい。その間、対象に変化は無いね。 薫:それは注意力も下がってくるか、仕方が無いな。 GM:「あのさ薫、今週の日曜日……2人とも休みだよね? この前の約束……覚えてるかな?」 薫:そんな約束はわからないが……ふむ――式場の下見の話だろ? ちゃんと覚えている。 GM:「うん」――響は幸せそうに照れながら笑います。秋山 響にロイスを結んで下さいね。 天城:本当に幸せそうだな。 霧ケ峰:だが、その幸せも長くは続かない、そんな平和な一時はあっと言う間に過ぎていき―― GM:いや、確かにその通り(笑) その瞬間、監視対象が『ガアァァァアアアアア!!!』と獣の咆哮を上げます! 衝動判定をして下さい! 薫:いきなりか! (コロコロ)……衝動は7で成功(コロコロ)……だが16点も侵蝕率が上がった。 GM:響も――「え、ウソ!? ジャーム化!」 薫:響は一般人を! 俺はあいつを止める! GM:ちなみに暴走した対象は、体中から触手を伸ばして無差別に攻撃します。 薫:『崩れずの群れ』で可能な限りカヴァーリングして一般人に被害が出ないようにする! GM:ではあなたが"いる側"の一般人は助かります。ただ、対象の歩いていた先、あなた達と"逆側にいた"一般人が触手で貫かれる。 優鷹:やっぱりか! そこで貫かれるのは買い物袋を持った母親と、その娘らしき女子高生ぐらいの女の子だ。 薫:そこまで冷静に識別は出来ない。ただ、一般人に被害が出た事は理解できる。『ワーディング』エフェクトで一般人を離して戦闘する。 GM:優鷹も登場できますよ。 優鷹:オレはもちろん登場だ! GM:では戦闘です。優鷹は自分のイニシアチブの順番になったら登場して下さい。まずは薫です。 薫:響! 負傷者を頼む!――貫かれた一般人……まぁ優鷹達の前に立ち塞がって、そこから攻撃します。エフェクトは『オールレンジ』『貪欲なる拳』『骨の武具』で(コロコロ)……17、技能が4Lvだから合計21。俺の腕が骨によって槍状になって、的を一突き。 天城:敵は触手を立体的な蜘蛛の巣のように伸ばしまくっているんです。まるで茨で出来た牢獄のように! GM:それをバキバキと突き破って、薫の腕が対象の胸を貫く! 回避は失敗です。 薫:(コロコロ)……11点。 GM:それはまだ倒れません。 優鷹:次はオレだ! 『ハンティングスタイル』『鷹の翼』『破壊の爪』を発動! 背中から鷹の翼が生え、手は鉤爪に変わる! バキバキって作られた道を滑空! そのまま爪で攻撃――よくもっ! (コロコロ)……命中29! ダメージは16! GM:(コロコロ)……優鷹の攻撃で倒れます。 優鷹:「光! 母さん!!」――とって返すぞ! 薫:俺はその声で初めて気がつこう。まさか……。 GM:お母さんと光は担架で運ばれる所です。辺りにはすでにUGN関係者が証拠隠滅に取り掛かっています。 優鷹:担架に付き添っていく。 薫:俺は運ばれていく担架に母親の顔を見つけて呟こう――そんな……。 GM:その後、被害にあった2人のうち、母親が死亡したと伝えられます。 薫:愕然とします。自分の不注意で……しかも気が付かなかったとは言え、実の母親を俺は見殺しに……。 GM:ただ、その母親の娘である光という少女は、咄嗟に響が使った『ヨモツヘグリ』のおかげで一命を取り留めました。 優鷹:ふぅ……。 GM:しかし―― 優鷹:しかし!? GM:事件の後、キミと響は班長の北見に呼び出されます――「被害にあった娘さんの方については、記憶操作が不可能な程あの場面(母親の死の場面)が脳に焼きついてしまった」北見はキミ達2人を見回します。 優鷹:「そう……ですか……それはつまり――」 「そうだ。彼女には世界の真実を語らねばならん。レネゲイド・ウィルスと我々UGNの事も……な」
◆霧ケ峰 理 街外れの薄暗い倉庫の中、UGNの仲間達が屍となって倒れていた。霧ケ峰――UGNでも選りすぐりのエージェントである――は、その男と対峙していた。その男――仲間達を殺したファルスハーツのエージェント――フェイク・フェイスが口を開く。
※解説4 「UGNとファルスハーツ」
GM:仲間達の死体の中、キミは敵ファルスハーツのエージェントであるフェイク・フェイスと対峙しています。ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク(通称UGN)は、オーヴァードによる世界的な相互援助組織。目的はオーヴァードと非オーヴァードである一般人との共存であり、レネゲイド関連の事件については各国政府に変わって解決するなどの業務を行っている。逆にファルスハーツはオーヴァードによる犯罪を引き起こしている組織、その構成員の殆どがオーヴァードであり、その目的は不明である。UGNが正義の味方ならファルスハーツは悪役である。 霧ケ峰:仲間は全員死んだか……だが、私は追い詰めた。お前とは短い付き合いだったな、フェイク・フェイス。 GM:いきなりいい気になりおって――「よくも邪魔をしてくれたな! 貴様、名をなんと言う!!」 霧ケ峰:言っても無駄だ……が教えてやろう。私の名はスチーム・ハイブロウ"知識の守り手"とはこの私のことだ。 GM:「スチーム・ハイブロウ……貴様の名は忘れん! 貴様とUGNの連中に、この屈辱を百倍にして返してやる! 絶対に、絶対にだ!!」 霧ケ峰:できるものならな。 GM:ではその瞬間、フェイク・フェイスが自爆します。 霧ケ峰:なんだと!? GM:もうもうと煙が立ち込める中、フェイク・フェイスの声だけが聞こえて来ます――「覚えておけ、必ず貴様らに復讐してやる! 絶対に、絶対にだ!!」 霧ケ峰:では静まり返った仲間達の屍の中で……やれやれ、任務失敗……か。 GM:場面は変ってUGN日本支部の一室です。目の前には日本支部長(日本のUGNトップ)である霧谷雄吾が座っており、彼への報告が終わった所です。 霧ケ峰:以上。報告は終わりです。では失礼します。 GM:「待ちたまえ」 霧ケ峰:はい。私の過失です。 天城:早いですね(笑) 霧ケ峰:プロは割り切りが大事なのだよ。 GM:「まぁ、気にすることも無いさ。人間誰でも失敗はつきものだからね」 霧ケ峰:いえ、私の責任です。どんな処罰でも覚悟の上です。 GM:「処罰か……そういえば、キミは有給休暇が数十日ほど溜まっていたね? どうだい、この際だからそれを使ってみるのは?」 霧ケ峰:休暇…ですか? GM:「行くのならK市がいい。有意義な休暇が取れる事を祈っているよ」――チケットを渡そう。 霧ケ峰:なるほど……休暇ですか……わかりました。せっかくなので休ませて貰います。 GM:「ああ、ゆくっりしてくるといい。K市の土産話を期待しているよ」 霧ケ峰:ええ、必ず。 GM:では最後にフェイク・フェイスにロイスを結んで下さい。 ◆天城 義久 親友であり戦友でもある桐生 月彦と共に、一つの任務を終えお互い家路へと付くところだった。UGNへの報告も終わり、また明日から日常が帰ってくるのだろう。そんなことをふと想う。
GM:さて、キミは任務を終え親友の月彦と帰る所だ。桐生 月彦は同じオーヴァードでコードネームは偶然にもアースクエイクだ(笑)天城:僕はテンペストですから、まさにコンビですね(笑)――ふぅ〜やっとこの任務も終わったね。 GM:「ああ、俺達天地が揃ってりゃ、何が来ようが問題ないって!」 天城:そうだね月彦。 GM:と、いつものように話しているが、その途中で月彦はちょっと深刻そうに話してきます――「あのさ義久、こんな時に言うのもなんだけどさ……ちょっと相談に乗ってくれないか?」 天城:なんだい? GM:「こんな事……オーヴァードの俺が想っちゃ駄目なのかもしれないけど……気になる子がいるんだ」 天城:気になる子? へぇ…誰? GM:「輝野…光……」 天城:<コネ:噂好きの友人>を持っているのですが、その子の噂を知らないでしょうか? GM:振ってみていいよ。 天城:(コロコロ)……クリティカル! 14です。 GM:今年入ってきた一年生(天城達は2年生)です。どうもキミと同じクラスの輝野 優鷹の妹らしい。家事好きな美人と噂されていました。 天城:あの子かぁ…月彦、ライバルは大勢いるよ? GM:「でも……輝野さん……光ちゃんの事考えると眠れなくってさ」 天城:月彦…。 GM:「もし俺にもそんな些細な日常を願って良いのなら……義久、俺に協力してくれるか?」 天城:ふっ……ああ、当たり前だろ。親友のキミが困っているなら、僕はできる限りの事をするって。 GM:「ありがとう義久! やっぱお前は親友だ!」――って所で、桐生 月彦にロイスを結んでおいて下さい。 ◆降りたる憎悪(マスターシーン) とある建物の屋上、貯水タンクの上に一人の男がいる。時刻は二時、月さえも姿を隠す漆黒の夜。 「ここが、UGNの巣……」 空から幾匹ものコウモリが降りてくと、そのコウモリたちは吸い込まれるようにして男の影に消えて行った。 「まずは情報を頂こうか。俺の復讐はここから始まる」 と、その時だ。 ――ガサリ―― ……男が振り返れば一人の人間がいた。 「見られたか……悪いが最初の犠牲者になってもらおう」 男は、体が水で出来ていたかのようにバラバラになり、貯水タンクから哀れな犠牲者の後ろへ移動する。 「記念すべき最初の一人だ、何か言い残す事はあるか?」 男に言われ、犠牲者は答える。今、心から思う。最後の願いを……。 ■ミドル・フェイズ■ ◆深まる溝 あれから1週間が経った。母親の葬儀も終わり、今、やっと落ち着いただろうか……妹の光はまだ病院から帰って来ない。見舞いに行けば元気に話すのだが、医者の許可が降りないところをみると退院はまだ先なのかもしれない。
GM:母親の死から1週間が経ちました。妹の光は今だ入院中です。キミは家にいるのですが、玄関からチャイムの音がします。優鷹:誰だ? GM:男2人に女が1人、UGN研究所の北見という男とその部下である薫と響です。 優鷹:ああ、監視対象を放っておいた奴等か。ドア越しに言おう。帰ってくれ、あんた達と話す事なんてもう何も無い。 GM:北見が言います――「申し訳ない。すべて我々の責任だ。謝ってすむ問題では無い事も解っている。だが謝らせて欲しい。すまない」 優鷹:帰ってくれと言っただろう。 薫:登場してもいいのですよね? GM:もちろんです。 薫:(コロコロ)……。 優鷹:あ、オレも振ってなかった(コロコロ)……もう合計76だ(笑) GM:早いな!? 薫:こっちはまだ64なのに。本当に申し訳ない。と俺も謝ろう。 GM:秋山 響も謝ります。 優鷹:………………。 GM:「本当は、私の班全員で来たかったのだが、その殆どが最近起こっている連続殺人事件の被害にあってしまってね……私達3人だが、誠意を持ってきたつもりだ。キミが望むなら――」 優鷹:あんた達が何回謝ったところで、オレ達の母さんが帰ってくるわけじゃない!……帰ってくれ! 薫:俺達の事を恨んで気がすむならそうしてくれて構わない。俺はそれだけの事をした……オレは……。 優鷹:さっきから何度も言っているだろ! 帰ってくれ! オレはお前等の顔なんか見たくもない!! GM:取り憑く島もありません。 薫:帰ろう。ここは大人しく引き下がるしかない。 GM:では帰り際、北見がドア越しに――「そうだ。さっき言った殺人事件、どうもUGNの関係者がやられているらしい。うちの班も殆どやられた、言えた義理じゃないが……気をつけた方がいい」 優鷹:………………。 薫:俺も最後に母さんや弟妹が住んでいた家を振り返ろう。ここにあった幸せを俺は奪ってしまった、それは償えるものじゃない。ぐっと拳を握って北見達と一緒に去っていきます。 天城:決意のシーンですね。 優鷹:じゃあオレは落ち込もう(笑) 3人が去ったあと、ドアに寄りかかったままズルズルと座り込み……なんで…どうして!! ◆UGN病院 K市県立病院……一般的な総合病院だが、それは表向きの顔(カヴァー)である。本当の顔はUGNのジャーム化治療薬の研究所である。一般人の入れない地下施設はすべてそれ関係の部屋となっている。また地上部の一般病棟はレネゲイドに関わってしまった怪我人を治療する施設にもなっていた。
GM:光はUGNの研究所という裏の顔を持つ病院に入院中です。一応一般人の患者もいます。天城は友人の月彦と共に、とある病室の前までやってきました。天城:病室のネームプレートには『輝野光』と書いてあるのですね。 GM:その通り、学校で光が交通事故で入院したという話を聞いた月彦は、キミを誘ってお見舞いにやってきたのです――「なぁ、やっぱお見舞いの勢いで告白すんのは、まずいかな?」 天城:展開早いな月彦(笑) GM:「あ、やっぱ、そうだよな」 天城:せめて彼女の心の傷を、少しだけでも埋めてあげる程度でいいんじゃないかな? 今はまだいろいろ混乱しているだろうしさ。 GM:「そ、そうだな。今回はお見舞いだけにしよう」――そう言って部屋に入るのですが、ベッドはもぬけの空です。 天城:一人部屋なんですか? GM:一人部屋です。入院理由が理由なだけにね――「あれ? 光ちゃん、どこ行ったんだろう?」 優鷹:そこに登場(コロコロ)……もう86か。ひか――って、誰だよお前等。 GM:いや、一応同じ高校の同じクラスメイトという設定だと……。 優鷹:あ、そうか……天城――いや、テンペストにアースクエイク、なんでお前等がここにいるんだ!――きっと一緒に任務をやった事もあるだろうしな。任務かなんかだと誤解しよう(笑) 天城:ああ、優鷹君。違うんだ、今日は同じクラスメイトの妹さんが入院したって聞いて天城 義久と桐生 月彦としてお見舞いに来ただけなんだ。と花束を渡そう。大変だったみたいだね。 優鷹:おお、なんか天城は良い奴じゃん!(笑) いや、心配してくれたのか……ありがとう。 天城:素直ですね(笑) 優鷹:仲間にはな(笑) GM:「それより優鷹、光ちゃ――妹さんが部屋に居ないけどどうしたんだ?」 優鷹:え!? と気がつく、光!? GM:部屋には居ません。と、廊下を歩いていた看護婦さんが――「あら、あなた達光ちゃんのお友達?」 天城:ええ、まぁ。 優鷹:光は! 光はどこに!? GM:「ああ、お兄さんも来てたのね。ちょうど良かったわ、お兄さんからも言っておいてくれない? 光ちゃん、いくら動けるからって勝手に外出しちゃ駄目だって」 優鷹:外出? もう動けるのか? GM:動けます。外面上の怪我は1日寝れば直りましたし。 天城:それって覚醒したんじゃ……。ああ、だから今は監視とか検査で入院しているのかも。 GM:まぁそんな所です。とは言え、一般病棟の看護婦さんにはそうは言えないしね。一応交通事故で入院って事になっています。 優鷹:光を捜してくる。 天城:僕達も手伝うよ優鷹君。な、月彦? GM:「ああ、もちろんさ」 ※解説4 「レネゲイド・ウィルスの自動治癒能力」
レネゲイド・ウィルスは宿主の肉体が破壊されると自動的にそれを補修する能力が備わっている。そのおかげでオーヴァードは心臓を打ち抜かれようと死ぬ事はない。交通事故に遭っても1日立てば全快するのだ。この機能を≪リザレクト≫と言い、死亡した瞬間に発動しHPが1D10点回復し、それと同じ分だけ侵蝕率も上昇する。ただし自身の侵蝕率が100%を超えている場合は、この治癒機能は発揮されずに宿主は死亡する。 ◆現れし証拠 休暇の為に訪れたK市だったが、到着早々その市にあるUGN研究所へと呼び出された。一般人には医院長で通っている恰幅の良い研究所の所長は、やってきたUGNの腕利きエージェントにとある監視カメラの録画映像を見せた。
GM:では霧ケ峰は登場して下さい。場所はUGN研究所の所長室です。キミの話をどこからか聞いた研究所の所長が助けを求めてきたって感じです。霧ケ峰:ふむ(コロコロ)……休暇中なのだが、助けを無碍にするわけにもいかないな。登場した。 GM:所長室には北見班長もいるのですが、響と一緒に薫も登場しておきますか? 薫:ああ、それは登場しよう(コロコロ)……あんたが知識の守り手<スチーム・ハイブロウ>か、噂は兼ねがね聞いている。 霧ケ峰:ふっ、おべっかは止めたまえ、私に媚びを売ってもキミのおかした失態は拭えるものじゃない。 薫:くっ、ムカツク奴だ(笑) GM:所長が言います――「休暇中との事でしたが、至急お見せしたいものがありまして……」部屋にあるモニターにとある監視カメラの録画映像が映ります。 霧ケ峰:ほう、私に見せたいものか……。 GM:監視カメラには、所長室が写っています。時刻は真夜中、日付から6日前の映像であるとわかります。そこへ忍び込む妖しい人影、人影は金庫を開け書類を奪っていきます。 霧ケ峰:ただの泥棒ではありませんね。盗まれたのは機密書類ですか。 GM:「はい、盗まれた書類はK市にいるUGNイリーガル及び関係者の名簿です」 霧ケ峰:そんな大事な物を……どうしてです。この映像は6日前には撮られている。なぜ今更私に? GM:「実は、公開するべきか迷ってしまいまして……」――と所長は北見と顔を合わせる。 薫:うちの班と関係がある? GM:映像を最後まで見ていると、今まで暗く影になっていた犯人の顔が、最後には月明かりに照らされて映るのですが、その顔は輝野 優鷹です。 優鷹:オ、オレ!? 薫:優鷹!? GM:「彼は1週間前、我々の不手際で母親を死なせてしまった。一緒にいた妹の方は一命を取り留めたのですがオーヴァードとして覚醒したと思われます。彼はUGNのイリーガルでした。ショックは大きいでしょう」 霧ケ峰:それで黙っていたと? 彼の気持ちもわかるから……と? GM:「はい」 霧ケ峰:ところでフェイク・フェイスの能力は知っていていいのでしょうか? たぶん顔を変えたりする能力だと思いますが。 GM:フェイク・フェイスの情報として、『顔/声/体格を変える』、『記憶を奪う』、『衝動は飢餓である』等の情報はすでに知っていてかまいません。 霧ケ峰:やはりな……これは彼本人ではありません。 薫:本人ではない? どこか安心する。 霧ケ峰:フェイク・フェイス……ファルスハーツのエージェントがこのK市に入ったという情報もあります。そいつの可能性が高い。奴はUGNに恨みがあります。この犯行を起こしても不思議ではない。 GM:「ファルスハーツのエージェント!?」 霧ケ峰:だが、まだ断定するわけにはいかない。輝野 優鷹……グリフィスだったか、彼にも直接話を聞こう。この研究所は不慣れでね、誰か一緒に来てくれると助かるのだが? 薫:俺が行く。来てくれ、今なら妹の見舞いに来ているはずだ。 霧ケ峰:ああ、頼む。所長室を出ながら心の中で私は呟くのです。やはり来たかフェイク・フェイス……。 ◆光 病院にある中庭、散歩をしていた光を病室へと優鷹は連れ戻す、一緒にやってきた天城と桐生も光の無事を安堵する。なぜそこまで安堵するのか……彼等自信もその言い知れぬ不安の理由を、今はまだわかっていなかった。
GM:光を中庭で見つけて、病室へと戻って来ます。優鷹と天城は登場していて構いません。優鷹:もちろん登場(コロコロ)……光、あんまり心配させるな。 GM:「うん……ごめんなさい。ところでお兄ちゃん、こっちの2人は?」 優鷹:あ、ああ、クラスメートの天城と桐生だよ。光を探すのを手伝ってくれたんだ。2人ともUGNの関係者だから気にしないでいい。 GM:「ありがとうございます」――と嫌そうな顔をする光。 天城:いや、無事でよかったよ。なぁ月彦? なぜか嫌われちゃったけど(ボソ)。 GM:月彦はとっても悲しそうです(笑)。 天城:あの、光さん……なにか僕達、悪いことしたかな? GM:「あ、いいえ、そんな事ありません。ごめんなさい」 優鷹:「光?」 霧ケ峰:と、そこで登場するぞ(コロコロ)……輝野 優鷹君はいるかな? 薫:俺も登場します。 優鷹:誰だあんた? 霧ケ峰:UGN日本支部より派遣されてきたエージェント。知識の守り手スチーム・ハイブロウ……霧ケ峰だ。 優鷹:偉そうなのが出てきたな。 薫:優……輝野君、この人の言う事に正直に答えて欲しい。 霧ケ峰:グリフィス、キミは6日前の深夜、どこで何をしていたかな? 優鷹:? なんでオレが―― 霧ケ峰:良いから答えたまえ。これは重要な事だ! 天城:優鷹君、よくわからないけど、UGNの正規員である霧ケ峰さんが言うんだ。きっと本当に大事な事なんだよ。 優鷹:ふん……6日前だろ、オレは光につきそって深夜まで病院にいたさ。真夜中になってから実家に帰ったけどな。それがどうしたっていうんだ! 霧ケ峰:ここにいるのは全員イリーガルもしくは関係者だな……実は6日前、ここの所長室に泥棒が入った。盗まれたのは金庫に入っていた重要書類だ。そして――と、監視カメラの映像をプリントした写真を見せよう。 天城:これは!? 優鷹:……オレ…か? 霧ケ峰:そういう事だ。監視カメラの映像では犯人がキミだと示している。 天城:優鷹君、なんでそんな事を…・・。 優鷹:違う! オレじゃない! 霧ケ峰:まぁそう言うとは思っていた。今はただキミの反応が見たかっただけだ。詳しい話をしたいが、グリフィス…キミには言えない。天城 義久と桐生 月彦…テンペストとアースクエイクは私についてきたまえ、説明しよう。 天城:それはついていきます。 GM:月彦もついていきます。薫は? 薫:病室を出てから、その廊下で一人優鷹が出てくるのを待ちます。話したい事がある。 優鷹:では光と少し話してから病室から出てこよう。で、薫に気が付く。――なんだよ。 薫:霧ケ峰さんはキミの事も疑っているみたいだが、俺は違う。 優鷹:はぁ? 見ただろあんたも、あの監視カメラに映っていたのは紛れもなくオレの顔だ……どこのどいつの仕業かしれないけどな。 薫:フェイク・フェイス……だ。 霧ケ峰:私がわざわざ言わなかった情報を……。 優鷹:フェイク・フェイス? 薫:人の姿に成り済ます特技を持ったファルスファーツのエージェントだ。彼は他人になりすまし任務を行う。 優鷹:はっ、つまりあんたも霧ケ峰ってあいつも、オレがそのフェイク・フェイスかもしれないって疑ってんだろ? 勝手にしろ、だがな……オレはオレだ。そんなカメレオン野郎じゃねえ。 薫:わかっているさ。お前の事を疑ったことはない。 優鷹:その台詞は殆ど聞き取れなかった事にするぞ――ん? なんだよ? 薫:くっ勝手に聞こえなかった事に(笑) いや、なんでもない……気にするな。 優鷹:ああ、そうかい。 薫:俺はその場を後にして――心配するな優鷹、お前の事を俺は絶対に疑わない……優鷹、光…お前達は必ず俺が守る。 ◆調査開始 GM:さて、ここからは情報収集フェイズです。霧ケ峰:調べられる項目は、「フェイク・フェイス」「光」と「盗まれた書類について」ぐらいかな。 GM:あと、最近起っている殺人事件……犯人のコードネームは「トゥインクル・マーダー」と言うのですが、それについても調べられます。最初は霧ケ峰の情報収集から始めようか。 霧ケ峰:まかせておけ、一番怪しい「光」について調べるぞ。 優鷹:光は何も悪くない! 疑うな!! 霧ケ峰:感情的になるなグリフィス、君は疑われているんだぞ。 優鷹:く……。 GM:調べるなら<情報:UGN>です。 霧ケ峰:≪生き字引≫を使って<情報:UGN>を代用、≪天性のひらめき≫を追加してクリティカル−2(コロコロ)……30だ。 GM:高いな。では全て教えてあげよう。元は何もしらない少女だったが、母親と共に事件に遭遇し致命傷を受ける。現場に居合わせたオーヴァードのエフェクトにより一命を取り留めるが、その後オーヴァードとして覚醒が確認される。 薫:響のエフェクトか……。 GM:光は母の死がよっぽど強烈だったのか、記憶除去装置が効果を現さなかった為、レネゲイド・ウィルスの真実を知る事となった。オーヴァードの検査の為に今だに入院しています。 霧ケ峰:動機は十分だな。もっとも、同時にグリフィスの動機も十分という事になる。 優鷹:けっ! GM:そうそう、せっかくクリティカルして30になったので、さらに追加情報を与えよう。 霧ケ峰:ほう。 GM:光も優鷹も苗字は輝野だが、10年以上前に両親が離婚しており、その時から母親の性を名乗っている。そう母親の性が輝野だったわけだ。 「なるほどな……そして父親の苗字が"嶺村"か……」
◆失った時を守る為 薄暗い路地裏を抜け目印の無い脇道へと入っていく、胡散臭い雑居ビルの地下へと降りる階段は、カツカツカツと静かな反響だけを残していた。
薫:俺は「最近起っている殺人事件」について調べたい。<情報:裏社会>で調べれるなら、情報屋に会いに行きたい。GM:問題無いです。<情報:裏社会>で調べられます。 薫:では路地裏の雑居ビル…その地下にあるバーにいる情報屋に話を聞きに行く。 GM:では判定をお願いします。 薫:(コロコロ)……まずいな、4だ(笑) GM:情報者のその男は言う――「すまねぇな」 霧ケ峰:ふ(笑) 薫:いやいいさ、無理を言った。……じゃあな。 GM:「ちょっと待て薫」 薫:ん? GM:「お前、なにか無理してんじゃねーか? また、一人で背負いこんでいるんじゃないか?」 薫:いや、今の俺には響がいてくれる。彼女が居てくれるなら…俺はいくらでも背負いこめるさ。 GM:「はっ! 幸せなこった(笑)……せいぜい、その幸せを守れよ」 薫:ああ……だが、今は失っていた十数年を取り戻したいんだ。 GM:「そうか……守れるといいな」 薫:ああ。 ◆ターゲット 病院からの帰り道、フェイク・フェイスの話を聞いた輝野 優鷹は、個人的な知り合いに会いに来ていた。
優鷹:オレはハッカーやってる不登校気味の同級生のところへ行く。GM:<情報:web>だね。それで何を調べますか? 優鷹:「盗まれた書類」について調べる(コロコロ)……8だ! GM:ではその友人はUGN研究所のデータベースにハッキングして教えてくれます。 優鷹:どうだ? なにかわかったか? GM:「そう焦るなって……よし、出てきた出てきた」――彼の話によると、盗まれた名簿にはUGN関係者が記載されていたらしいです。 優鷹:まぁそんな所だろうな。他にはわからないのか? GM:「だから焦るなって…今やってる……」――とハッカーは別窓を開いて――「これは…もしかして……」 優鷹:「どうした?」 GM:「やっぱりだ……見てくれ、最近起っている殺人事件と被害者が合致する」 優鷹:殺人事件? GM:「被害者は胸を何か太い糸のようなもので貫かれて一撃死、瞬く間に殺されている事からその犯人は、トゥインクル・マーダー<瞬く光の殺戮者>と呼ばれている。今日までで被害者は10人。知らないのか?」 優鷹:最初に北見が尋ねて来た時になんかそんな話をしていたなぁっと思い出した。じゃあそのトゥインクル・マーダーが名簿を盗んだのか? つまりイコール『フェイク・フェイス』……。 GM:「さぁ、そこまではわからんな。……と、よし! これで見やすいだろ」――画面上には盗まれた名簿が移り、その中で殺された10人の名前が暗くなっている。そして、良く見るとそのうち5人は研究所の一つの班に集中している。 優鷹:被害者のうち半分が北見班の奴等か……。北見班の生き残りは? GM:班長の北見を入れて、あとは秋山 響と嶺村 薫の3人だね。残りの被害者は研究所とか関係無く、ただのUGNイリーガルだったりする。 優鷹:母さんが死んだ事件となにか関係があるのか……? ◆焦燥……そして 連絡はすでにした。あとは向こうからの電話を待つばかりだった。先生と知り合ったのはまだ僕が"あそこで平和に暮していた"頃だった。今は直接会う事は無い。母親と共に故郷は失ったのだから……
GM:最後は天城です。何を調べたい?天城:誰も調べないので「フェイク・フェイス」について調べます。UGNでいいですよね? <コネ:UGN>で取ってる『先生』に電話で聞きます。 GM:先生? 天城:僕の恩師です。UGNのコネでありながらライフパスにも入っている重要な人です。で――先生、何かわかりましたか?(コロコロ)……10! GM:では教えてくれます――「良く聞いて下さいテンペスト。フェイク・フェイスの衝動は飢餓であり、被害者を食べその人物に成り代わる悪癖を持っています」 天城:なりすます!? GM:「その人物の記憶も姿も奪うフェイク・フェイスなら難しい事ではありません。それにスチーム・ハイブロウ(霧ケ峰 理)を相当恨んでおり、その延長でUGNに対しても恨みを抱いているらしいですね」 天城:まさか……すでに優鷹君は……。と、一緒に横にいた月彦に言おう。 GM:いたんだ月彦(笑)――「ああ、可能性は否定できないな……どうする」 天城:まずは霧ケ峰さんに連絡しよう。 GM:ではそこでシーンを切ります。 ◆残るは……あと一人(マスターシーン) 深夜の病院。UGN研究所の表の顔は一般市民も入院する総合病院だった。その廊下を一人で歩く、こんなに遅くなるとは思っていなかったが、それも仕方の無い事かもしれない。 この1週間で北見班の班員は5人も死んでいた。そう5人も…… と、ここで気が付いたように声を漏らす。 ――5人?―― UGN関係者が殺されている事は知っていた。今までで総勢10人だったはず……そうそのうち半分は…… ――この1週間ドタバタしていたとはいえ、なぜ気がつかなかったのだろう!?―― その瞬間ぎょっとする。思考に没頭していたとはいえ、廊下の先…暗がりに人の気配を感じたのだ。 だが、そこに確かにいたはずの気配は、歩いていくと共に消えていた。 ――誰も…いない?―― 確かに気配は感じたのだが……そう思った瞬間だった。 ………ドシュッ!……… 一条の何かが胸を貫く。 静まり返った廊下に、ポツリと声が響いた―― 「まだ復讐は終わらない」
◆光の退院の日 昨日の夜の内に家に連絡が入り、輝野 優鷹が朝から病院へとやってきていた。そう、光のオーヴァードとしての検査も終了し、今日は朝から家に戻ってもいいらしい。優鷹が病院の玄関ホールまで行くと、そこにはすでに光が待っていた。
優鷹:光、わざわざここまで来る必要ないだろう? そんなに家に帰りたいのか?GM:その言葉に光の顔に暗い影が差します。 優鷹:光? GM:「家に帰っても……いつもみたいにお母さんが『おかえりなさい』って言ってくれないんだよね……」 優鷹:それは……あ、ああそうだ。 GM:「………………」 優鷹:元気だせよ。お前の名前は光なんだぜ? 母さんがいつも明るくいられるようにって付けてくれたんだろ? GM:そうだったのか? 優鷹:そうだったのだ! GM:「うん……大丈夫だよお兄ちゃん、もう平気」――と光は無理やり笑顔を作りましょう。 優鷹:無理やりか…励まし方がまずかったか? GM:と、光はブツブツ呟いたと思うとボーっとします。 優鷹:光? おい、本当に大丈夫か!? GM:「え? 何? 何か言ったお兄ちゃん?」 優鷹:………………いや、なんでもない。――あとで研究所の所長に光の検査結果を聞いておくかな。ちょっと心配だ。母さんに光の事も頼まれたしな、少しは兄らしく頑張らねばなるまい。 GM:ふむ、ではそうやってキミが思いに意識を任せたの一瞬後、ドッカーンと音がして、病院の一角から煙が上がる! 優鷹:今はまだ病院の玄関ぐらいだよな? 光を連れていったんこの建物から離れるぞ。 ◆希望は日常と共に 朝早く所長から至急の呼び出しがあった。嶺村 薫は朝食も取らずに急いで研究所へと走っていた。
GM:では所長から呼び出されて朝早くから研究所へと走っているところです。と、中庭ぐらいで響と合流します。薫:響、キミも呼ばれたのか? GM:「うん、薫も?……なんだろうね、至急の呼び出しって」 薫:さぁな、だがあまり良い内容ではないだろうな、この数日の雰囲気からして。 GM:「うん……そうだね………………」 薫:……………… GM:と、ここで響はキミの手を握って足を止めます。 薫:響? GM:「ねぇ……こんな時に言うのもなんなんだけど……でも、これからもっと忙しくなりそうだし……」 薫:どうしたんだいきなり? ――でも話は聞きます。 GM:「薫……私達、いろいろあったけど、ずっと一緒だよね……」 薫:当たり前だろう。 GM:「うん」 薫:響を引き寄せて抱き締める。――お前も俺が守る。守ってみせる。 GM:「薫…」 薫:だから…心配するな。全て終わったら教会へ行こう。今度は……本番だ。 GM:「うん……ありがとう」――と響が微笑んだ所で、研究所の一角で爆発が起り煙が上がります。 ◆輝野 優鷹 UGN研究所の廊下を霧ケ峰が歩いていく。その後ろから天城と月彦が揃ってくっついていく。後ろから話してくる二人の話を全て聞き終え、霧ケ峰がやっと口を開く。
霧ケ峰:つまり、フェイク・フェイスに擬態された者はすでに死亡しており、グリフィスは最悪の事態を考えておけ……そう言いたいのだな。天城:あまり、最悪の事態は考えたくないのですが……その可能も考慮しておかないと……。 霧ケ峰:そうか……。 GM:と、キミ達が情報交換しながら歩いていると、廊下の先に人の気配を察します。 霧ケ峰:誰だ――と誰何の声をかけよう。 GM:ではその気配が霧ケ峰達の方へ歩いてくる、顔がしっかり見えると知っている顔だ。 天城:知っている顔? GM:優鷹だ。 天城:優鷹君!? 霧ケ峰:どうしたんだ。こんな朝早く。 優鷹:オレは登場してないぞ? GM:でも優鷹です――「オレ、わかったんだ。フェイク・フェイスの正体がな」 天城:優鷹…君? GM:「オレをはめたかったんだろ? 霧ケ峰 理……いや、フェイク・フェイス!!」 天城:霧ケ峰さんが!? 霧ケ峰:………………。 GM:「そうはいかない。オレには光がいる、お前に騙されて殺されるものか! お前がそのつもりなら、オレは殺される前にお前を殺す!」 天城:ちょ、ちょっと待って優鷹君、いきなり霧ケ峰さんがフェイク・フェイスだなんて―― 霧ケ峰:証拠を見せてやろうか? GM:「証拠?」 霧ケ峰:私は自分の持っている拳銃で自分を打ち抜く。そして昏倒する。廊下に飛び散る血、さらに倒れた私が血溜りを作る。 天城:霧ケ峰さん!? GM:「なにを……」 霧ケ峰:では≪リザレクト≫を使用(コロコロ)……6点HPが回復。立ち上がろう。 GM:「それがどうしたってんだよ!」 霧ケ峰:私は今死んだ。すなわち、他人に擬態するエフェクトを使っているなら、この瞬間そのエフェクトは解除されたはずだ。……だが、私は私のままだ。 天城:ああ! 霧ケ峰:これが私が私である証拠だ。と言って拳銃をグリフィスの足元へ投げようか……次はキミの番だ。 GM:では優鷹はその拳銃を拾わず笑い出しましょう――「くっくっくっ、面白いなスチーム・ハイブロウ…さすがだよお前は!」 霧ケ峰:ふん、そんな子供だましに引っ掛かる私では無いぞ。フェイク・フェイス。 天城:やはり優鷹君……キミがフェイク・フェイスだったのか!! 優鷹:え、いや、それは違うぞ? 天城:でもこの状況では僕の言っている事に矛盾は無いです。 優鷹:う…それはそうだが……。 GM:「スチーム・ハイブロウ……子供だましついでに、もう少しだけ遊ぼうか? ……まずは小手調べだ」――そう言うとフェイク・フェイスは腕をキミ達に向けます。その腕から無数の赤いコウモリが飛び出し、羽を鋭利な刃物と化して攻撃してきます。(コロコロ)……命中26。 天城:範囲攻撃っぽい!? GM:範囲攻撃です。が、天城君はダイスを振らないで構いません。キミにダメージは行きませんので。霧ケ峰はちゃんと振ってね。 霧ケ峰:くそ、私だけか(コロコロ)……失敗、無理だ。 GM:(コロコロ)……ダメージは11点。天城は月彦がカヴァーリングします。 天城:月彦!! 霧ケ峰:装甲値が5点あるから6点通ったか……くそ、また死んでしまった。さっきカッコつけて景気良く自殺しなければよかったか(笑) まぁいい再び≪リザレクト≫だ。 GM:無数のコウモリは霧ケ峰と月彦を切り裂き、さらにそのまま研究所の壁をぶっ壊します。もくもくと煙があがる。月彦は昏倒します。 天城:オーヴァードだから死なないとはいえ……ごめんよ月彦。 霧ケ峰:今は目の前のフェイク・フェイスに集中しろ! 天城:あ、はい! 薫:GM! 俺は登場していいのか? GM:問題ありません。爆発が起る前は無理だったのですが、今なら大丈夫です。 薫:では登場。さっきの爆発は……優鷹!? 霧ケ峰:騙されるな、そいつはフェイク・フェイスだ! 薫:こいつが!?……いや、確かにこいつは優鷹じゃない! 俺にはわかる! GM:「ちっ…どいつもこいつも……」 天城:よくも月彦を……終わらせる! マイナーで≪主の恩恵≫を使用、メジャーで≪絶対の空間≫≪光の弓≫(コロコロ)……34命中! ダメージは31点! 僕の突き出した手から光の束が撃ち出されます! GM:(コロコロ)……9。避けられないか、そのダメージでは倒れるな――「ぐはッ! く、くそ……だが、まだやられるわけにはいかん!!」 優鷹――フェイク・フェイスは体を無数の赤いコウモリに変えると、壊れた壁から逃げて行く。≪騒がしき行列≫で退場です。 薫:逃がすか!! 霧ケ峰:待てサイレント、今はこの場の収拾の方が先だ。研究所の所員に連絡を取れ。 天城:じゃあ僕は月彦のところへ行きます。月彦、大丈夫か月彦!! その後、駆けつけたUGNの研究員達に現場を任せ、霧ケ峰達3人は所長室へとやってくる。
GM:では所長に呼ばれた部屋に行くと、そこでは北見が死亡してます。ちなみに昏倒した月彦は、そのままUGNの研究員が手当てをするとの話だった。 そして、研究所の所長に呼ばれた場所に来てみれば、そこでは北見 健一が胸を貫かれ死亡していた。 薫:え? 天城:北見……じゃあさっきのマスターシーンは北見だったのかな? GM:ちなみに、薫と一緒に来ていた響は、口を押えて部屋を飛び出していきます。 薫:響! と俺は響を―― 霧ケ峰:待て嶺村! 秋山だってUGNの研究員だ。班長が殺されたぐらいで取り乱すんじゃない! 今は目の前の事件の原因解明の方が先だ。 薫:……わかった。 霧ケ峰:ところで死因はわかるか? GM:胸を細い何かが貫通した事が死因ですね。一撃で…瞬く間に殺しています。 霧ケ峰:話に聞いたトゥインクル・マーダーの仕業か……。細い何かと言っていたが、その細い何かが通過した周りは火傷の跡がないか? GM:ありますよ。 霧ケ峰:レーザーだな。やはりこれはフェイク・フェイスの仕業ではない。 天城:じゃあフェイク・フェイスとトゥインクル・マーダーの2人がいるって事でしょうか? 霧ケ峰:さぁ―― GM:といった所で研究所/病院全棟に館内放送が入る―― ――ピンポンパンポン〜♪――
『お呼び出しを申し上げます。霧ケ峰 理様、嶺村 薫様、その他もろもろのUGNのお馬鹿様方、屋上で復讐ショーの開始です。急ぎ起こし下さい』 ――ピンポンパンポ〜ン♪―― その声はまさしくフェイク・フェイスの声だった。 ■クライマックス・フェイズ■ ◆最後の一人 放送を聞き危険だと判断した優鷹は、光を病院の外で待っているように言い1人で屋上までやってきていた。しかし、屋上で優鷹が見た者は……。
優鷹:光?GM:そう。屋上のフェンス際にいて、こっちを見ているのは紛れも無く光だ。 優鷹:光! あそこでじっとしていろって言っただろう! GM:光は不思議そうな顔をします。 霧ケ峰:登場だ。 薫:俺もだ。 天城:同じくです。 霧ケ峰:グリフィス、それは光君ではない。つかつかと歩いてグリフィスの横に並ぶように立ちます。 優鷹:はあ? 何言ってんだ。 霧ケ峰:そいつはフェイク・フェイスだ。 天城:フェイク・フェイスはエグザイルのエフェクトを持っている、それを使えば妹さんの姿を取る事なんて造作も無い事なんだ。だけど、まだ妹さんが生きているなら……その記憶までは完璧じゃないはずだ! 優鷹:記憶が完璧じゃない?……光、お前は光なのか? GM:「私知ってるよ。嶺村 薫が私のお母さんを殺したの」 薫:……!? 優鷹:光、どうして屋上に来たんだ! GM:「お兄ちゃんが心配だったから……ごめんなさい」 優鷹:それはもういいよ……だだ、どうやって俺より早く屋上に来たんだ? GM:「お兄ちゃんも空飛べるでしょ?」 優鷹:ゔ……。 薫:光は口が上手いな。 天城:騙されてるって! 口が上手いのはフェイク・フェイスだ!(笑) 霧ケ峰:私が聞こうか……光君、キミはさっきまで何をやっていた? GM:………………。 霧ケ峰:グリフィスの話振りからすると、どこかで隠れていたのではないのかな? それならどこで隠れていろと言われたんだ? GM:………………。 霧ケ峰:どうした? 答えられないのか? GM:「部屋で…病室で待ってろって……」 優鷹:光……。お前は偽者だ。オレは光を病院の外に連れ出して、そこで待っているように言ったんだ……フェイク・フェイス! 姿を現せ! GM:では一瞬、光がうつむきますが――「やれやれ、さすがだな……見事としか言いようがない」 薫:やはりお前は……フェイク・フェイス! GM:「もっとも、バレた所でどうって事は無いがな」 霧ケ峰:そう言ってられるのも今の内だ。 天城:今度は逃がさない。 優鷹:お前の真の姿を表せ! 光の……光の姿でこれ以上いるな!!! GM:ではニュルリと姿を変えよう。 霧ケ峰:それがお前の正体か。 GM:"今の"な――フェイク・フェイスは姿を変えます。それは20代半ばの女性です。そしてキミ達が知っている女性だ。 天城:僕達が知ってる女の人で20代? 薫:まさか……響? GM:その通り。 薫:なんで響なんだよ……なんで―― GM:「俺は最後に捕食した者の姿を取ってしまうのだよ、どうしてと聞かれても困るがね」 薫:そんな……じゃあ響は…もう……。 GM:「記憶を読ませてもらったついでに、少々からかってみたが……まさか抱きつかれるとは思わなかった」 薫:それじゃあ……今朝からすでに響は…… 霧ケ峰:サイレント! GM:「そうそう、一つ言っておこうか? 響…と言ったかな……とっても"美味しかった"よ」 薫:………………!!! GM:「ただ勘違いしないで欲しい。捕食したのは俺だが、殺したのは俺ではないよ」 霧ケ峰:トゥインクル・マーダー……。 GM:フェイク・フェイスはゆっくり頷こう、響の姿でね――「俺はおこぼれに預かったに過ぎない。資源のリサイクル……とでも言おうか」 薫:フェイク・フェイス……お前を許さない。だけど、もう一人も許さん! お前の共犯はどこだ! トゥインクル・マーダーはどこにいる!! GM:「そうだったな。スチーム・ハイブロウ。俺もキミ達との決着を早く着けたいのだが、その前に彼女にも復讐を果たさせてあげねば。それが約束だったからな」 霧ケ峰:彼女? GM:その瞬間、キミ達が屋上へと出るために入ってきたドアの辺りから、不意打ちでレーザーが走る(コロコロ)……命中は36! 薫にだけ命中します。不意打ちなのでクリティカル値に+1です。 薫:不意打ち!? 回避のクリティカルを下げるエフェクトは持って無いから、クリティカル自体が発生しないから回避不能だ。 GM:ダメージは33点。 薫:≪リザレクト≫はすでに無理だしな……父親のロイスをタイタスにしてそのまま昇華、レーザーって事はトゥインクル・マーダーか! 俺はここで倒れるわけにはいかない! 振り返る! ドアの横に、蜃気楼のように姿を現す――そう、輝野 光がそこには立っていた。
薫&優鷹:!?GM:光は虚ろで常にブツブツと呟いています――「お兄ちゃん、お母さんが死んだのは、この人達(薫を指差して)がおしゃべりしてて、ちゃんとジャームって人を監視していなかったせいなんだよ?」 薫:………………。 GM:「私は許せないよ……」 優鷹:光! 近寄って行って光の肩を掴んで揺らすぞ、大丈夫か光!? GM:「お兄ちゃん…私、北見って男の人も、秋山って女の人も殺したの。あと嶺村さんだけなの……あなた達のせいで、お母さんは死んだの……あなた達はその責任を取るべきなのよ……じゃないと……お母さん…可哀相だよ……」 薫:………………。 GM:「お兄ちゃんも、お母さんが死んだのは、この人達のせいだと思うでしょ? お兄ちゃん……私……」 優鷹:光? GM:「私……私……UGNなんて人たち……みんな大っ嫌い!!!」――全員衝動判定をどうぞ、戦闘に入ります。 ※解説5 「ロイス・タイタス・昇華」
ロイスは自分を日常に繋ぎとめている大切な存在だ。しかし、その存在に裏切られたり、その存在が死亡した場合はロイスの喪失と呼び、そのロイスはタイタスへと変化する。タイタスは使用することが可能で、タイタスの使用を宣言すると「判定のダイスを+10Dする」「判定の達成値を+1D10する」「判定時のクリティカルを−1する」「死亡した時の蘇生」を使用できる。使用を宣言したタイタスは使用された段階で昇華される。 ◆闇に瞬く光の心 光は明らかに不安定だった。母親を殺されたショック、オーヴァードとしての覚醒、今まで信じていた日常の崩壊……当たり前だった事は、気が付けば違ってきていたのだ。少しずつ…少しずつ……。
GM:では戦闘です。天城:戦闘に入る前に言います。――優鷹君、1つだけ言っておく。光さん、彼女の言う事も一理あるよ……だけど、今の彼女は自分を見失っている。人の弱みに付け込んで……ファルスハーツめ! 優鷹:どうして……どうしてそんな断定ができる! 全てがファルスハーツのせいか!? 違う! 1歩間違えれば……オレだって光と同じ事をしていた!! GM:フェイク・フェイスが言おう――「そういう事だ。何もかも我々ファルスハーツの……他人のせいにしないでもらおう。俺は彼女の希望をほんの少しだけ手伝ってあげたに過ぎない。誰かさんが油断して、彼女の母親は死んだという事実を告げただけさ」 薫:………………顔を上げよう。確かにお前の言う通りかもしれない。俺は光を……絶望という闇に突き落としたかもしれない。受けよう……それで光の気がすむなら……ごめんな響……。無防備になる。 GM:「彼は利口だな、自らの罪を認め死を受け入れる……だが、お前は違うだろうスチーム・ハイブロウ?」 霧ケ峰:ふっ……。 GM:「その余裕が気に入らんね。貴様には直々に死を受け入れさせてやる! この…俺がな!!」 霧ケ峰:来るがいいフェイク・フェイス……決着をつけよう。 GM:ではイニシア順に動きましょう。 優鷹:一つ質問だ! 光は説得できるのか? GM:できます。ただし現在の光の侵蝕率は50%です。 薫:それはつまり……。 GM:そうです。エフェクトを使って100%を越えた時点で、説得は不可能になります。 優鷹:光……。 エンゲージは屋上の中心に薫、霧ケ峰、天城、フェンス側にフェイク・フェイス。その反対側である入り口のドアには光と優鷹がいた。
GM:PLが5人じゃないから、フェイク・フェイスの従者はいません。天城:廊下で戦ったあいつですね。 GM:その通り、従者も結構強いんだが……まぁいい。最初はこっちからだ≪ヴァイタルアップ≫をフェイク・フェイスは宣言。≪オールレンジ≫≪自在槍≫≪伸縮腕≫≪貪欲なる拳≫≪骨の武具≫≪ブラッドバーン≫を組み合わせて霧ケ峰を攻撃します(コロコロ)……命中37!! 霧ケ峰:一種の賭けだが……≪天性のひらめき≫を使って回避(コロコロ)……39! フェイク・フェイスの腕が伸びて私を貫いた瞬間、私の体は蒸気になって再構成される!――霧の彼方へ……。 GM:「さすがだな」 霧ケ峰:ふっ、お前の腕が訛ったんじゃないか? そんな女性の体ばかり狙うからだ。 GM:「ならば、次は男の体を頂こう……そう、お前のな!!」 霧ケ峰:やってみろ。させんがな! GM:次は光の攻撃、優鷹以外のPCに≪光の弓≫≪主の右腕≫≪全知の欠片≫≪スターダストレイン≫で(コロコロ)……命中37! レーザーを撃ち放ちます。 天城:(コロコロ)……命中、これは死にます。≪リザレクト≫。 薫:響……。また死亡か……。 霧ケ峰:どんッ! とサイレントをカヴァーリング! 2倍のダメージを私が受けよう。 薫:霧ケ峰さん! GM:では天城には24点、霧ケ峰には48点だ。 霧ケ峰:≪リザレクト≫で蒸気が元に戻る…これで私も100%越えか――「サイレント、彼女が殺されてショックか? それとも、実の妹が加害者だったということがショックなのか?」――とサイレントにだけ聞こえる声で呟こう。 薫:なんで…それを……。 霧ケ峰:今は死んだ彼女がどう思うかを考えてみろ、少なくともここで死んで彼女は喜ぶのか? 薫:………………。 GM:次は天城だ。 天城:優鷹君、なんにしても決断は早い方がいい。それまでの間は僕と霧ケ峰さんで時間を稼ぐ。フェイク・フェイスに≪主の恩恵≫≪絶対の空間≫≪光の弓≫(コロコロ)……命中28! ダメージ16点! GM:(コロコロ)……食らったけど、大してダメージは受けてないね。 天城:時間稼ぎですしね、僕もまだ97%ですから問題無いです。 霧ケ峰:ふっ上手い戦い方だ(笑) GM:「その程度で俺を倒せると思っているのか?」 天城:まさか…これは小手調べさ。 GM:次は薫です。 薫:行動は待機。だけど霧ケ峰さんの言葉にうな垂れた後、優鷹に向かって言います――優鷹……すまない。こうなってしまったのは、全て俺の責任だ。俺は今まで親を…妹を…そして響さえもこの手につかんでおく事ができなかった。優鷹…お前は諦めるな。守りたいなら絶対に手を放すな!! 優鷹:その言葉に、ふと目を閉じて……回想シーンへ入る! GM:か、回想シーン!? ………………………………………………………………………………
それは優鷹がまだ小さな頃の事だった。昔から特別な能力を持っていた優鷹と、その兄は、妹や両親にもその事は内緒にしていた。 そんな平和な時代に終止符が打たれる。 行楽へと出かけたある日、紅葉が始まっている山の道を、行楽客をのせた観光バスが昇っていく。 事件はそのバスの中でおきた。 突如、優鷹が心の内から沸き起こってくる衝動に耐え切れなくなり、そして暴走したのだ。 乗客15名中、10人が死亡3人が重症を負い、無傷だったのはその兄弟2人だけだった。 その時のことを優鷹は思い出していた。 子供心に忘れようとして、そして今の今まで忘れていた事実……。 暴走した優鷹は、その衝動のまま10人を殺害し、そしてその爪は実の父親へと伸びようとしていた。 それを止めたのは実の兄だった。 薫:その拳を振り下ろせば、きっと優鷹は悲しいよ! 悲しむ優鷹を俺はみたくないよ!! あの時、優鷹を止めてくれたのは誰だったか……ぼんやりとした顔がしっかりと輪郭を形作っていく。 そう、あの時自分を止めてくれたのは……実の兄は……。 その後、兄は父親に引き取られ家を出て行った。 優鷹:兄さん……ごめん……。 薫:優鷹、俺は父さんに付いて行かなきゃならないから、この手はお前から離れてしまうけど、母さんと光は、ずっとお前が手を繋いでいくんだ。絶対に放しちゃいけないからな! あの日から優鷹はそれ以前の記憶を無意識的に避けるようになった。思い出す事無く、その十数年が過ぎていた。だが、今は違う。今、思い出したのだ。 ………………………………………………………………………………
優鷹:現在――ハッ!? としたように薫を見て――なんでオレは忘れていたんだろう……。薫:優鷹……。 優鷹:大丈夫、オレは光の手を放さない。オレは悲しむ光を見たくないから……。 GM:「お兄ちゃん、何言っているの? 悲しいのはお母さんだよ、だから――」 優鷹:違う。光、お前がそんなことをしても、オレ達の母さんはきっと喜ばない……そんなこと、お前もわかっているんだろう? GM:「………………でも――」 優鷹:母さんはオレと光の幸せを願って死んだんだ。そんな事をやっても光は幸せになれないだろう。 GM:「……そう…だよね…お母さんは喜ばないよね……。でも、私はもう戻れないよ。だから、みんなを殺して私もお母さんの所へ行くの」 優鷹:光! 何言ってんだよ! オレはお前を守ると言ったんだ! お前と共に生きていく! GM:「駄目だよ…私はたくさん人を殺してしまったもの……お兄ちゃんは関係無い、悪いのは私だけ……」 優鷹:光……。 霧ケ峰:光君…と言ったかな。君はずいぶんと子供だな。 天城:霧ケ峰さん!? 霧ケ峰:自分の罪を償わずに死を選ぶとは…な。 GM:「だから! 私は自分で死ぬって――」 薫:「そうだ光、俺もさっき逃げるところだった。響を殺した光を殺して、自分だけ楽になろうと考えていた……だが、そんなことを響は望まない。実の妹を殺したりなんかしたら、きっと響に俺は怒られてしまうから」 GM:「実の……いもうと?」 優鷹:「光は覚えているか解らないけど、嶺村さんは、十数年前に父さんと一緒に家を出て行った…薫兄さんだ……」 GM:「薫…お兄ちゃん……?」 薫:光の気持ちもわかる。母さんを殺してしまった自分を、俺は自分で殺したい……だが、オレは生きる。母さんならきっと、光と優鷹の事を第一に考えろと言うだろうからな。 優鷹:光……母さんはいなくなっちゃったけど、これからは薫兄さんがいてくれる。代わりにはならないけど、これからは3人で一緒に生きていこう。 GM:「3人で?……私は一人で……――」 薫:そのタイミングで『秋山 響』と『トゥインクルマーダー』のロイスをタイタスへ落とします。俺はこれからを生きる。忘れるわけじゃないから昇華はしない。きっとこの決断を響は解ってくれるはずだ。――光、お前は一人なんかじゃない。 優鷹:そうだ……お前は一人じゃない。オレ達家族が…いつも傍にいてやるよ。 GM:光は泣き崩れます。 GM:フェイク・フェイスが呟こう――「とんだ茶番だったな」 天城:次はお前の番だ。だけどファルスハーツであるお前は茶番じゃ終わらせない。 霧ケ峰:そういう事だ。テンペスト! 私の指示通りに動け!――≪アドヴァイス≫≪天性のひらめき≫(コロコロ)……テンペストのクリティカル値を−1だ! GM:「ふん、コードネーム テンペストか……資料によれば遠距射撃型で、近距離はコンビを組んでいるアースクエイクに頼りっぱなしらしいな」 天城:ああ、それが? GM:「お前の間合いで戦う義理は無い」――次のターンの最初! フェイク・フェイスは天城に距離を詰めて接敵!! 薫:待て! オレの行動が終わってない! さっきのターンは待機していたから行動できるはず! GM:あ、確かに……。 薫:茶番とは言ってくれるな……その茶番劇、仕組んだ輩には、それなりの責任をを取ってもらおう――フェイク・フェイスに接敵します。そして移動阻止と共に攻撃! GM:ぐっ……先にやられた! 薫:≪オールレンジ≫≪骨の武具≫≪貪欲なる拳≫≪マシラのごとく≫(コロコロ)……28命中! ダメージは33!! GM:回避(コロコロ)……21! くっ……だがこれぐらいでは倒れんな、次こそこっちだ!――「その程度か? ふっ気がすんだかな?」 薫:くそっ! GM:「本当の攻撃とは……こうやるんだ」≪オールレンジ≫≪自在槍≫≪伸縮腕≫≪貪欲なる拳≫≪骨の武具≫≪ブラッドバーン≫で嶺村へ(コロコロ)……命中38!! 霧ケ峰:サイレント! キミはもう死ねないんだぞ! それなのにエンゲージを外れるのは!! 薫:死にはしません……絶対に!(コロコロ)……回避失敗!! GM:(コロコロ)……ダメージは30点だ! フェイク・フェイスの腕が薫の胸を貫く! 薫:ヒットポントがマイナスか。 優鷹:薫兄さん!? 薫:心配するな。今はタイタスがある。トゥインクル・マーダーのタイタスを昇華して蘇生! 貫かれたままフェイク・フェイスの腕を掴んで――オレは手を…放さないぜ。 一同:おお!! GM:「くっ! 馬鹿な!!」――このタイミングでその演出は本当に馬鹿な!!(笑) 天城:そして僕ですからね(笑) 霧ケ峰:いや待て! さらに追い討ち演出をかける! GM:追い討ち演出!? 霧ケ峰:テンペスト今だ! 私の指示する箇所全てにキミのありったけを叩き込め! GM:≪アドヴァイス≫の演出か!(笑) 霧ケ峰:ふっ(笑)――テンペスト…できるな? 天城:任せて下さい。僕が司るのは"天空の光"……空の見えるこの屋上は――僕の領域だ!! GM:オルクスが!! 天城:タイタスを使ってクリティカルは6以上!――最後だフェイク・フェイス! 空の高みを知れ!……レーザーポイントのようにフェイク・フェイスを数十もの光がポイントします。 GM:それは先にこっちが回避を振ろう――「ふざけるなぁ!!!」叫びとともに薫に捕まれていた腕を、自分で引きちぎって(コロコロ)……回避は27!! 天城:言い忘れましたが最大コンボなので≪完全なる世界≫を入れています。つまり回避のクリティカルはプラス1です。クリティカルを下げるエフェクトを使ってない限りはクリティカルは発生しません。 GM:それは無理だ……フェイク・フェイスは腕を引きちぎりなんとかレーザーポントの狙いから外れる! が、ピタリと狙いを定めたまま、光のポインタはフェイク・フェイスを追って動く――「な、なに!?」 天城:さっきも言ったはずだ…ここは僕の領域だと(コロコロ)……命中は77! ダメージは52点! GM:それは――「ぐあぁぁぁあ!!」と消滅する。 霧ケ峰:フェイク・フェイス……あの世の彼方で…後悔するんだな。 ◆自律判定 ※解説6 「自律判定」
GM:では全員自律判定を行いましょう!自律判定はPCの持つロイスの力によって侵蝕率を下げる判定です。侵蝕率が100%を超えた状態でエンディングへ移行してしまうと、そのキャラクターは死亡してしまいます。基本的に今あるロイスの数分D10を振って、その出目の合計値分侵蝕率が下がります。ただし、その時侵蝕率率による経験値を放棄すると宣言した場合、振るダイスを2倍にして構いません。 全員:『(コロコロ)……成功!』 GM:全員成功か……つまらんな(笑) ■エンディング・フェイズ■ ◆任務ありし日常 天城 義久はとある廃ビルに向かって、桐生 月彦と一緒に歩いている。オーヴァードがらみの新しい事件だった。
天城:とりあえず、光さんは助かったよ。GM:「それは良かった! でも、俺途中で気絶しちゃって……」 天城:大丈夫だよ。あそこで月彦が庇ってくれたから、僕も助かったんだしさ。 GM:「うん、そうか……よし! そうとわかったら今は目の前の奴等を何とかするか!」 天城:そうだね。"いつも通り"…さっさと終わらせよう。 ◆海外旅行? 「まさか休暇中にフェイク・フェイスの事件を解決してしまうなんて、さすがの僕もおどろいたよ」
霧ケ峰:ええ、素晴らしい休暇でしたよ。UGN日本支部本部へと帰還したキミへ、霧谷 雄吾が第一声を浴びせた。 GM:「それは良かった。そういえば、まだまだ、休暇は残っていたよね? 今度は海外にいくのはどうだい?」 霧ケ峰:ああ〜〜それは素晴らしいですね。 霧谷 雄吾はまったくといって人使いが粗い、それでいて食えない男だ。
霧ケ峰:私は飛行機に乗って"キーン"と離陸間際です。日本を離れていく飛行機の窓からボソリと――今度こそ、休暇だ。
◆教会 そこは静かな場所だった。風の音だけが静かさをさらに引き立てるような、そんな場所だった。
薫:俺は教会のある墓地にいます。そして今、一つの墓石の前に立ってます。GM:わかりました。その墓石には名前が彫ってあり―― 薫:響…守れなくってごめん。でも、これでよかったんだろ? キミは俺を叱らないだろう? GM:それに答える声は無い。ただ静寂が続き―― 薫:ふと、墓石の近くに咲いていた白い小さな花を見つけ、それに1つの指輪を引っ掛け……俺はその場を去ります。 リンゴーン……リンゴーン……
その背中に隣接する教会から鐘の音が響いてきた。それは彼女からの―― ◆家族 光が病院から帰って来て…家には、兄と妹だけの2人が居た。
優鷹:オレは今、光と一緒に夕飯の準備中だ。光はいそいそと準備している。どこか嬉しそうに。GM:「お兄ちゃん! そこ邪魔だよ、どいてどいて!」 優鷹:ああ、ごめん――と、そこに携帯がかかって来て――薫兄さん? 何か用事を済ませてから来るって言ってたけど、もう大丈夫になったのか?(と薫のPLを見る) 薫:エンディングに俺も登場か(笑)――『ああ、たいしたことじゃないさ……そうだ、光も優鷹も、甘いものって大丈夫か?』 優鷹:それは光に言ってから顔を見合わせ言いましょう―― また新しく日常はやってくる。
人が生き続ける限り。 そうやって世界に……また、明日はやってくるのだ。 ダブル+クロス The 2nd Edition 『闇に瞬くひと欠片』 了 ■アフター・プレイ■ GM:ではお疲れ様でした〜〜!一同:『お疲れ様でした!』 GM:せっかくなのでアフター・プレイに入りましょう。レコードシートを見て下さい、それを見ながら経験値を計算しましょう。まずは「セッションに最後まで参加した」……は全員最初から最後までいましたし全員チェックして構いません。そして次は「侵蝕率の経験点」です。 薫:問題ない。 優鷹:90だから3点だ!? GM:次は「よいロールプレイした」……自薦他薦をして下さい。 天城:優鷹君に一点! GM:そうだね。よく頑張ってくれました、今回主人公な立場でした(笑) 優鷹:でもオレは薫兄さんがカッコよかったな、だから兄さんに1点! 特に最後の響さんを殺したのが光だってわかってからの決断がカッコよかった! 薫:ありがとう優鷹(笑) 俺は霧ケ峰さんかな、ちょっと……いやかなり冷たい酷い人だと最初は思ったけど、意外と仲間思いに熱い人だったし、最後の決断シーンでは霧ケ峰さんの後押しが俺も優鷹も嬉しかった(笑) 霧ケ峰:ま、そういうポジションだったからな(笑) 天城:僕敵には、フェイク・フェイスが優鷹君に化けて廊下で現れた時、自分の頭に拳銃を突きつけて、自分が自分である事を証明するシーンがカッコよかったなぁ(笑) 霧ケ峰:ふっ(笑) じゃあ私はせっかくだし天城に1点あげよう。キミの月彦だったり、優鷹だったりとお節介な所は、個人的には結構好きだからな! 天城:ありがとうございます。頂きます。 GM:次は「セッション中、他のPLを助けた」です。純粋にPCに助けられたでも構いません。 薫:霧ケ峰さんに助けられた! カヴァーリングしてもらったし! 霧ケ峰:あれは当たり前な行動をしたまでだ……が、謹んで頂こう(笑) 優鷹:オレはやっぱり兄さんだなぁ、いろいろ情報貰ったり助かった。特に序盤にフェイク・フェイスの情報とか書類盗まれた情報貰ったのが助かった。ちょっと孤立してたし。 薫:じゃあチェックしよう……あの時は霧ケ峰さんが疑いモードだったから、情報を伝えるのは俺かなぁってな。 天城:孤立と言えば、最初に病室で出会った時に優鷹君が僕の事を友好的に見てくれて助かりました。僕の場合はストーリーの本筋と少し離れているので、あそこで月彦と一緒に巻き込んでくれたので、すんなりストーリーに入っていけましたし。 優鷹:じゃあ貰った。あの時は薫兄さんを嫌ってたからな、比較対象も欲しかったんだ(笑) GM:次は「会場を手配した、PLたちへの連絡を行った」ですが、これは図書館の会議室を予約したガルチラ(天城)に1点です。 天城:ありがとうございます。次も任せて下さい(笑) GM:最後は「セッションの進行を助けた」……これはGMからの完全指名で、別に全員にチェックつけさせなくても、MVPって感じでいいらしい……なので、今回は優鷹と薫が兄弟だという設定になった事が大いに大いに良かった! だから優鷹と薫に1点ずつ進呈します。 優鷹&薫:『ありがとうございます』 GM:では経験値を合計して下さい。最後にGMがサインします。(それぞれサインしレコードシートをPLに返して)……それでは皆さん、本当にお疲れ様です! これでこのセッションは終了です!!! |