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『ダブル+クロスThe 2nd Edition』『アルターライン<デモンズ・シティ>』
――知っているかい? この日本のどこかにあると言う閉鎖された街を――
今より8年前、その街で突如オーヴァード及びジャームの大量発生という事件が起こった。
――知らないって言うのかい? 超人とバケモノどもが住まうその街を――
"震夜"と呼ばれる真夜中の大惨事。政府はレネゲイドに侵食されたその街の隔離を決定した。
――とぼけても無駄さ。だってキミはオーヴァードじゃないか?――
かくて、その街は日本の地図から消滅した。世界の変貌に気が付かぬ平和な人々の為に。
――記憶を失っているって? それじゃあ教えてあげよう……――
取り残された街、別の常識が支配する街、オーヴァードが大手を振って歩く街。人は言う……
――魔街<デモンズ・シティ>へようこそ――
2004年8月1日セッション開始
シナリオ『False Flare』


永久 とわ の絆を共に誓う


■プリ・プレイ■

相原あきと:それではダブルクロス2ndのリプレイを取りたいと思います。今回は基本ルールと追加サプリ『アルターライン』に掲載されているデモンズシティをステージに使います!
西蓮:魔街を舞台とするのですね!
※解説1 「アルターライン<デモンズシティ>」
 こういった解説において、今回プレイするシステムの説明を補助的に入れていきたいと思う。まず、アルターラインとはダブルクロス2に対応した追加ルール・追加データのサプリメントである。特に追加された3つのステージ「平安京物怪録」「デモンズシティ」「ロストエデン」が魅力である。
  今回のセッションではデモンズシティを舞台として使用する。ここは別名"魔街"と呼ばれ、震夜と呼ばれるある日を境に、オーヴァードが大量発生し政府から街ごと隔離された特殊な空間である。この街ではオーヴァードやジャームは誰でも知っている事実であり、また受け入れられているのだ。
相原あきと:いいね魔街! そしてなによりPLは最高です!(笑)
GM:(ガルチラ)今回は俺がマスターをやります。それと舞台が隔離された魔街という事で、嶺村薫・輝野優鷹の兄弟は不参加です。
相原あきと:それで代わりの2人ってわけ?
ボブ:ヤー! GMより魔街のスラムに暮らすPCをやれと言われてやってきました。
伍長:私は市街に住む登録市民であり、GPO班長のPCやって欲しいと依頼を受けて来ました。
※解説2 「スラムと市街」
  魔街では市政局が管理する居住区(別名:市街)がある、そこでは食料の供給や安全が確保され、震夜以前の平和な暮しが保障されている。逆に市街から一歩でも外に出ればそこはスラム(別名:ゾーン)である。そこは無法地帯であり弱肉強食が日常茶飯事と化している。だが、市街で暮す為にはオーヴァードの有無やその他プライベートな情報を市政局に渡す必要があり、それに従わない者も多数出たためスラムにも相応の人間達が暮している。ちなみに市街とスラムは基本的に対立している。市街に住む人間を登録市民(シティズン)、スラムに住む人間を非登録市民(アザーズ)と呼ぶ。
西蓮:俺はどうなるの? 新キャラ?
GM:いえ、いつも通り霧ケ峰さんをやって下さい。
西蓮:霧ケ峰を? でも前回のエンディングでどっかに"休暇"を楽しみに行った気が……。
GM:『日本の"かつて"●市と呼ばれた辺りの地図も渡される』――と前回ありました。その●市ってのが実はY市であり、現在の魔街<デモンズシティ>です。
西蓮:アクシズの権利を剥奪され、本気で左遷されたのか……。
GM:ちなみに『ブレイクアップ』は使用しないので、Dロイスは消滅しています。また、今回は魔街スタートなのでワークスとかカヴァーとか<デモンズシティ>専用のを取って構いません。それではキャラクターを創りましょう。

◆キャラクターデータ


"大地の破砕者<アースクエイク>"桐生月彦(キリュウ・ツキヒコ) 17歳(男)
シンドローム:キュマイラ/キュマイラ
ワークス:ヤクザ  カヴァー:高校生
能力値: 【肉体】6 【感覚】2 【精神】4 【社会】2
技能: <白兵>4 <運転:二輪>1   <調達>1
  <耐性>1     <情報:UGN>1
        <情報:裏社会>1
【HP】20  【イニシアティブ】8
エフェクト:
≪鬼の一撃≫1、≪完全獣化≫3、≪フルパワーアタック≫3、≪神獣撃≫3、≪銘無き刃≫1、
≪獣の力≫2、≪魔獣の証≫1
キャラクター紹介:
実はヤクザな家庭の出であり両親とは死別している。唯一の肉親である姉とも幼少時に別れており最近その姉の死を知った。UGNのイリーガルであるが、とある事件でジャーム化する……しかし、親友の天城義久に命を助けられ正気に戻る。その後、自分の代わりにジャーム化し行方不明となった親友を捜している。



"知識の守り手<スチーム・ハイブロウ>"霧ケ峰 理(キリガミネ・オサム) 28歳(男)
シンドローム:ノイマン/サラマンダー
ワークス:UGNエージェント  カヴァー:UGNエージェント
能力値: 【肉体】1 【感覚】3 【精神】6 【社会】3
技能:   <知覚>1 <知識:言語学>1 <調達>2
      <RC>2 <交渉>2
      <意志>1  
【HP】14  【イニシアティブ】12
エフェクト:
≪天性のひらめき≫2、≪プロファイリング≫1、≪アドヴァイス≫1、≪生き字引≫1
≪マインドリーディング≫1、≪アナライズ≫2、≪陽炎≫2、≪静かなる霧≫1、
≪ブレインコントロール≫1、≪戦術≫1、≪揺ぎなき心≫1
キャラクター紹介:
頭脳労働専門だが、自身を蒸気に変化させるほどの力も持っているUGNのエージェント。とある事件で結果的にファルスハーツに重要な物質を奪われてしまい、魔街へと左遷させられる。もっとも本当にただの左遷なのか、何か本当の理由が別にあるのかは不明……。長い休暇中である。現在は市街にいる。



"一撃の男<ヘヴィ・ノヴァ>"高遠アキラ(タカトウ・アキラ) 18歳(男)
シンドローム:バロール/ハヌマーン
ワークス:格闘家  カヴァー:ストリートキッズ
能力値: 【肉体】6 【感覚】4 【精神】3 【社会】1
技能: <白兵>4 <知覚>1 <RC>1 <情報:噂話>2
  <回避>1   <意思>2  
  <耐性>1      
【HP】18  【イニシアティブ】15
エフェクト:
≪巨神の斧≫2、≪漆黒の拳≫1、≪ダークマター≫2、≪魔王の腕≫1、≪魔王の理≫2
≪ブレインシェイク≫1、≪マシラのごとく≫2、≪先手必勝≫1
キャラクター紹介:
スラムの反GPO組織『ライオット』の現OBであり、ライオット創設期のメンバーらしい。元々は市街の人間だったがとある事情で姉と共に市民登録を抹消されスラムへと落ちる。オーヴァードの力は全て一撃にかけられており、その一撃は全てを押し潰す。頼れる兄貴である。



"濡れ女<スパイラル・ライフ>"花苗要(カナエ・カナメ) 20歳(女)
シンドローム:エグザイル/エグザイル
ワークス:鑑識  カヴァー:GPO班長>
能力値: 【肉体】6 【感覚】2 【精神】3 【社会】1
技能: <白兵>2 <知覚>1 <機械操作>1 <情報:噂話>1
  <運動>2 <運転:二輪>1    
  <耐性>1      
【HP】16  【イニシアティブ】7
エフェクト:
≪異能の指先≫1、≪踊る髪≫1、≪エンタングル≫1、≪オールレンジ≫2、≪餓鬼魂の使い≫1
≪伸縮腕≫1、≪蛇の動き≫1、≪吸収≫1、≪がらんどうの肉体≫1
キャラクター紹介:
幼少時に才能を見出されてGPOに目をつけられる。そして、その事を知った実の親に金と引き換えにGPOへ売られる。しかし訓練ではまったくの成績を残せなかった過去を持つ。敵対者が嫌悪感を抱かずにはいられないようなオーヴァードの能力を持つ。GPOでは鑑識を兼任する班の班長を務めている。
※解説3 「バロール」
 バロールはアルターラインに追加されたシンドロームである。その力は重力を操り、果ては時間さえも手中に収めると言う。その力を使用する時、バロールシンドロームのオーヴァードの付近には、魔眼と呼ばれる黒い球体が出現すると言う。
※解説4 「ライオット」
 スラムに存在する反GPO組織の筆頭勢力。その構成員は全て未成年であり、大人の事は旧世代とさげすむ。旧世代の象徴たる市政局を敵視しており、オーヴァードであるライオットメンバーとGPOは常に対立している。現ライオットリーダーは深谷鉱というオーヴァードの少年である。

■オープニング・フェイズ■

◆魔の巣くう街の片隅で(マスターシーン)

非登録市民の住まう場所(スラム)の一角。震夜で倒壊したビルが瓦礫と化したその場所で、魔街では当たり前の風景が繰り返されていた。すなわち……オーヴァード同士の戦闘。
激しく耳打つ轟音、肌をチリつかせる熱波、普通ではあり得ない空間を解した攻撃とプレッシャー。
登録市民の住む市街ならともかく、GPOの支配も無いここでは日夜こんな戦闘が繰りかえされる。
そしてその戦闘も、押し寄せる波が引いていくように終焉を迎えていた。

1人の女が後ろに控える男をかばいつつ、目の前の敵に殺気のこもった瞳を向ける。しかし、眼前の敵は余裕の笑みさえ浮かべ、言った――

「そこまでしてかばうとは……その男、よほど大切な者なのですわね。ではどうでしょう? 一つ、取引を致しませんか?」

戦況は圧倒的に女に不利だった。後ろの男をかばいながらの戦闘では、どうしても後手に回らざるを得ない。

「これ以上闘いを続ければ……わかりますわね?」

女がギリリと噛み締める。敵の言う事は確かだ……このままでは2人とも殺されるだろう。

「そう悪い話ではありませんよ。あなたにとっても、後ろにいる男の方にとっても……ね」

◆桐生 月彦                                      きりゅう つきひこ

 あの日、俺が意識を取り戻した後、何があったかを全て知った。俺を助ける為、親友の天城義久がジャーム化し……そして行方を眩ませた事を。親友を捜して数ヶ月が経った。これ以上どこを捜せばと諦めかけていた時、不意に知らない男の声で携帯に電話があった。

――『かつてY市と呼ばれた街へ行きなさい、魔街と呼ばれるその街へ……』――
GM:最初は月彦からです。
月彦:おう!
霧ケ峰:そういえばNPCの時とデータは変わっているのか?
月彦:変わってるぞ。意思とか弱くなってる(笑)
霧ケ峰:経験値が足りなかったか(笑)
アキラ:もう親友見つからないんじゃないかって意思が揺らいでるんじゃないのか?
月彦:そう、もう半分諦めながら、最後の希望を抱いて魔街へ(笑)
GM:と、そんな情報を"先生"と呼ばれる謎の人物から受け取り、キミは魔街の外までやってきました。
月彦:まだ外なのか?
GM:魔街は極秘事項なので防衛隊ストレンジャーズが展開し、ネズミ一匹逃さぬ状況です。もちろん、街を囲む壁も何重にもなっています。
月彦:こんな壁……アースクエイクをなめるな!!! ドッゴーーン! ワンパンチで壁を破壊するぜ!(笑)
GM:では月彦に向かってストレンジャーズは容赦無く銃弾を雨霰と降らせます。もう殺す気満々です!
月彦:リザレクト!(コロコロ)……9! 俺は1度死んでいる! 次に死ぬのはあいつを見つけてからだ! こんな所で死ぬわけにはいかねーんだよ!!!
GM:そんな思いが通じたのか、キミはズタボロになりながらも魔街の中へと入ってこれました。
月彦:じゃあ足を引きずりつつ、近くの瓦礫にもたれるように座り込みます――もう、リザレクトも発動しねぇ。
GM:やがて視界もぼやけ、意識が朦朧としてきます。
月彦:くそ……せっかくここまで来たってのに……。
GM:意識を失う寸前、キミは誰かが近づいてくる足音と――「まだ死んじゃいないようだね、こんな所で見つけたのも何かの縁だ。あんた、運が良かったね」
月彦:朦朧としながら――義……久……とか呟こう(笑)
GM:次にキミが目覚めると、そこはベッドの上です。もっとも、天井からは青空が見えるようなボロ屋のだけどね。
月彦:こ、ここは……。
GM:「気がついたみたいだね」――部屋には一人の女性が居ます。年は20ぐらいかな。ショートカットのさばさばした感じのお姉さんだ。
月彦:あんたか? 俺を助けてくれたのは……と体に巻かれた包帯を見つつ。
GM:「リザレクトさえ効かないぐらいにボロボロだったからね。私の名前は高遠ユカ、感謝しなよ?」
月彦:えっ……と……ああ、すまない。
GM:「しかし無茶するねあんた、この街へやってくる犯罪者達はもっと上手くやるっていうのに」
月彦:俺の命は親友に預けてあるんだ、あの程度じゃ死なねーよ――って言って、さっさと出て行こう。義久を捜しに来たんだしな。
霧ケ峰:と、立ち上がった瞬間、力が上手く入らずベッドにまた倒れると(笑)
月彦:うぐッ(笑) バタッ!
GM:「無茶は程ほどにしておきな、まだ自力でリザレクトだってできないレベルなんだ。その衰弱した体を先に治す事を優先しな」
月彦:………………。
GM:「まぁいいさ、出て行くのは飯を食ってからでもいいだろう? マサキ! そろそろ出来上がらないのかい?」――と、別の部屋からお皿に山盛りチャーハンを持った男が入ってくる。
月彦:マサキって人か。
GM:しかし月彦、キミはその男を見て一目でわかった、彼がマサキなんて名前じゃないことを!
月彦:義久……!? えっと……お前は――
GM:「僕の顔に何かついてます?」
月彦:!?
GM:「ほら、ユカさんに言われて作っておいたんだ。確かチャーハンは大好物だろ?」
月彦:なんで俺の大好物を……。
GM:「あれ? なんでそんな事知ってるんだろうな? 初めて会った人なのに(笑)」
月彦:俺が好きなものは「チャーハン」と「お姉さん」! そして嫌いなものは「すっぱいモノ」だしな(笑)
霧ケ峰:小学生かお前は(笑)
GM:ちなみに親友の義久は、親が中華料理店だったので月彦に良く中華料理をご馳走していました。
月彦:なぁ……お前は義久じゃないのか?
GM:「ヨシヒサ?」とマサキは不思議そうな顔をして、ユカと顔を見合わせる。
月彦:「俺は義久を捜しにこの街へ来たんだ。お前は本当に義久じゃないのか?」
GM:「ごめんよ。僕はマサキだ。そんな名前じゃない」
月彦:そう……か。
GM:ユカが言います――「ま、何はともわれ、今はご飯を食べて栄養をつけな! 元気になるのが先だよ?」
月彦:あ、ああ……ありがとう――そうやってチャーハンを食べながら俺は思うんだ――このチャーハンの俺好みな微妙な味加減……これは――

◆花苗 要                                         かなえ かなめ

市街にある市政局。そこのビルの一角にその組織の本部はあった。Gurdians the Public Order――すなわちGPO本部である。GPOはオーヴァードのみで構成された市街の治安を護る部隊である。今、市街を見渡せる窓張りになっている部屋には、各班のGPO班長が召集されていた。
GM:要はGPO本部に呼ばれます。その部屋ではGPO隊長の神野雅彦が待っています。
要:では来ました。
GM:すでにキミ以外の全ての班長は揃っています――「これで全員揃いましたね。さて、今回集ってもらったのは、近頃連続で起きているあの事件についてです。すでに被害はシティズンにも及んでいます。これ以上は見過ごせません」
要:ゴクリと言葉を待ちましょう。
※解説5 「起こっている連続事件」
 リプレイでは削除されているが、神野隊長の言う連続事件とは市街(特にGPOや市政局)が開発している特殊なレネゲイド鎮静剤が、連続で盗難にあっている――という事件である。ただの盗みというより、力づくで輸送車を襲うなど強硬手段に出ているためかなりの被害が出ている。
GM:「これより、この件を『ケースR』と認定し、我々GPOが対応することにします。おそらく犯人はアザーズのオーヴァードでしょう。花苗君、綾小路君、キミ達2人の班でこの度の事件に対応して下さい。結果を出しさせすればその過程は問題にしません」
要:は、はい。
GM:綾小路も――「わかりました」
………………………………………………………………………………………………

 2つの班にその事件を任せて、残った班長達は別の事件を任されるのだろう。花苗要は、本部を出て綾小路と廊下を歩いていた。
GM:では本部を出て要は綾小路と廊下を歩いています。綾小路はその名の通り、かなりの名家のお嬢様です。
要:お嬢様!?
アキラ:要とは天地の差だな。親に売られてるし(笑)
要:それを言うなー!(笑)
GM:綾小路が言います――「花苗さん、この度の事件についてどう思われますか?」
要:隊長にやり方は任せると言われました……まずは協力して情報収集をした方が良いと思います。
GM:「確かにそれが常套手段かもしれません……でも、そんな事をしていたら、またいつシティズンに被害がでるかわかりません」
要:それはそうかもしれませんが。
GM:「犯人はアザーズです。非登録市民が起こしている事件です。わざわざ裏を取る必要などないではないですか?」
要:しかし、今回の事件では奪われている薬の流れ先とその目的……それも調べる必要があるのでは無いかしら?
GM:「そうでしょうか? 結局のところ、事件はアザーズ達がいるから起こるのです。GPOもそれが解っていながらいまだにスラムの掃討は行わない。このままではいつまでもシティズンに平和は訪れない」
要:綾小路さん、今回の任務は薬の強奪犯を捕まえる事よ? いくらなんでも話が飛びすぎじゃない?
GM:「でも……わたくしには今回の事が良い機会になればと……この魔街を消毒する良い機会になれば……と、そう思うのです」
要:確かに……この街はウィルスに侵されている。特効薬やワクチンが必要なのかもしれない……でも――
GM:「では、わたくしはこれで……お互い頑張りましょう」――綾小路は別の廊下を歩いて行く。退場します。
要:――でも、この街からウィルスを一掃するなんて……できるわけが無いのに。

◆霧ケ峰 理                                     きりがみね おさむ

私が休暇を貰ってから何日が過ぎただろう。自分で言うのもなんだが、こんなにゆっくりしたのは久しぶりだ。
GM:さて霧ケ峰です。と、久しく鳴る事のなかった携帯電話が鳴ります。着信はリヴァイアサンです。
霧ケ峰:すぐでます!――もしもし(←渋く)。
GM:「休暇をお楽しみ中に申し訳ありません」
霧ケ峰:そうでもありません。
GM:「では遠慮無く言わせて頂きましょうか? 仕事です」
霧ケ峰:だが、私はアクシズから全ての権限を……
GM:「その事なら私の方からアクシズに話を通しておきました。スチームハイブロウ、あなたが動くことに支障はありません」
霧ケ峰:聞きましょうかリヴァイアサン。
GM:「仕事というのは簡単です。最近、犯人がGPO内部の薬品を盗みだしているという事件が連続しているようです。あなたはGPOと協力してその事件を解決して下さい」
霧ケ峰:だが、この街の市政局は外部との接触は無いはず。
GM:「あまり大きな声ではいえませんが、その盗まれている薬……UGNより情報を渡して作成実験を行ってもらっていたものなのです。すでにGPO隊長の神野さんには話を通してあります」
霧ケ峰:相変わらず仕事が速いな。だが、リスクはあっても――
GM:「これはチャンスと取ってもらって構いません」
霧ケ峰:チャンス?(笑)
GM:「無事、あなたが事件を解決し、そのデモンズシティにてUGNの基盤を作るきっかけを作れたなら……」
霧ケ峰:この街から出る事も可能である……か。
GM:「受け取り方は自由です」
霧ケ峰:わかった。私に選べる選択肢は多くは無い。まずはGPOに協力しよう。
GM:「私達は犯人に対して、その手口からエクリプスと名づけました。シンドロームや外見は不明です。あとは宜しくお願いします」――ピッと電話は切れます。

◆高遠 アキラ                                      たかとう あきら

姉のユカが毎日を無気力に過ごすようになったのは3年前の事だ。まだ、オレも姉貴もライオットのメンバーで第一線だった頃、GPOとの抗争で姉貴の恋人が死んだ。姉貴はそれを機にライオットを抜け、少し経ってオレも抜けた。
姉貴は散歩に出ると何でも拾ってくる癖があった。この3年間は、無為に家で過ごすか、散歩に出て何かを拾ってくるか……そんな生活を姉貴は繰り返していた。だが、その癖が好を奏してか行き倒れのあの男を拾ってきてからは、姉貴も元通りの元気な性格に戻りつつあった。
アキラ:マサキか……あいつが来てから姉貴は……。
GM:そのマサキだが、いまだに家に居座っています。しかも最近は家事も出来るようになり、かなり楽です(笑)
アキラ:だが、毎日中華料理ってのはカンベンして欲しいもんだ(笑)
GM:ちなみにアキラ、キミは姉が元気になっていくのと平行して、何かを忘れているような気がしてならない。すっぽりと何かが抜け落ちているような……だが、思い出そうとしても思い出せない何かが。
アキラ:なんだ……何か忘れているような。
GM:「ところでアキラ、あんた最近ライオットの方は顔だしてるの?」
アキラ:いきなりなんだよ? もうOBだぜ? 行くわけないだろ。
GM:「何言ってるのよ。まだまだ深谷くん達だって頼りないところあるんだから、責任もって面倒見ないと駄目でしょうが」
アキラ:それを言うなら姉貴だってそうだろうが!
GM:「何言ってるのよ、私は御意見番だから良いのよ」
アキラ:こ、この姉貴は……。
GM:「あ、そうそう、昨日また拾って来ちゃった(笑)」
アキラ:またって何をだよ? 使えない電化製品か? よくわからん置物か?
GM:「えっと……人間」
アキラ:人間かよ!! いい加減にしろよ!
GM:「でもキズだらけで倒れていたんだし放っておけないじゃない? それに年齢的にライオットに入れそうだから、戦力増強って事でさ」
アキラ:ったく……わかったよ、深谷にはオレから言っておくよ。
GM:「良かった。じゃあさっそく連れて行ってあげてくれない? さっき彼気がついたみたいなの」
アキラ:姉貴はどうするんだよ?
GM:「私は別件で用があるから」
アキラ:もう拾ってくるなよ。
GM:「じゃあ任せるからね」――とユカは出て行きました。

■ミドル・フェイズ■

◆GPO第5班出動

GPO鑑識班である第5班の控え室に、メンバーが集められていた。班長である花苗要に召集されたのだ。
要:さて、全員揃ったわね。ではこれからスラムの方へ向かいます。
GM:「わかりました」
月彦:(隊員)『隊長、スラムという事はやるんですね……』
要:いえ、私達は綾小路さんの班とは違い調べる事が任務です。地道に情報収集をしましょう。
GM:「わかりました。それで……いったい何を調べるのでしょう」
要:GPO内で通流していたある薬よ。まぁコレね――と変なアンプルを出しましょう。
GM:「班長……それは?」
要:ああ、これが盗まれたみたいなのよ――とポケットにしまいます。
月彦:何、そ知らぬ顔して盗んでるんだよ(笑)
アキラ:班長が犯人じゃないか(笑)
要:これ? これは事件が起きだした時に必要になると思って、1つだけチョイスしておいたのよ。気にしないで。
アキラ:(隊員)『はっ、気にしません!』(笑)
GM:「そういえば班長、神野隊長から言伝があります。今回の事件に対しては外部から協力者がいるとの事です。コードネームはスチームハイブロウ」
霧ケ峰:(コロコロ)……登場。私の事を呼んだかな?
GM:じゃあ班員達がどよどよする(笑)
霧ケ峰:外部のUGNより来たエージェント霧ケ峰理だ。スチームハイブロウで通っている。
要:GPO第5班――別名鑑識課の班長、花苗要よ。こっちは鑑識班の5人。
GM:ちなみに魔街でUGNと言っても何の効果もありません。
要:そう、霧ケ峰くんね。よろしく(一同爆笑)
霧ケ峰:馴れ馴れしい……いや、下に見られてるのか(笑)
要:事件についてはだいたい知っているのよね? なら話は早いわ、スラムへおりて話を聞く。いっしょに行きましょう。スチームハイブロウ。
霧ケ峰:わかった。共に行動をしよう。

◆引かれ合う絆

次の日、月彦は傷も回復し体調も万全になっていた。義久を捜している事を高遠姉弟に話すが、マサキ自身は違うと言う。そうこうするうちにお昼時となり、ユカとマサキは台所へと向かった。
月彦:がっくりきてよう。
アキラ:じゃあ、横に座って――まぁそう気を落とすな月彦、ここだけの話だが……マサキの奴は2ヶ月前に姉貴が拾ってきたんだが、どうも本人は昔の記憶が無いらしいんだ。
月彦:記憶喪失?
アキラ:さぁな。妙な期待は持たない方が良いかもしれないがな。
月彦:………………。
GM:と、そこでマサキが中華なべを片手に台所から出て来ます。お昼ご飯が完成したらしい。ユカも嬉しそうに茶碗を運んでいたりします。ユカは幸せそうだね。
月彦:じゃあその光景を見て俺は迷う。もし本当にマサキが義久だったなら、今のこの光景を俺は壊す事になるんじゃないか……と。
アキラ:よし、食うか! バクバク!
GM:まぁ、そんなこんなで昼ご飯が終ると、ユカが薬を取り出して――「はいマサキ、これが今日の分」
月彦:どうしたんだ? 義……マサキは病気なのか?
GM:マサキが薬を飲み干してから答えます――「ああ、レネゲイドウィルスを抑制する薬さ。どうも僕はオーヴァードとしてのウィルスが常人より活発過ぎるらしいんだ」
月彦:………………。それは義久なら……と黙ろう。
アキラ:どうした月彦?
月彦:いや、なんでもない。――ちょっと、食後の散歩に行ってくる。
GM:と、ここで回想シーンが入ります。
………………………………………………………………………………………………

 それは魔街へくるきっかけになった一通の電話から始まる。
――『かつてY市と呼ばれた街へ行きなさい、魔街と呼ばれるその街へ……』――
月彦:魔街だって? あれはタダの噂じゃないのか?
GM:『事実です。そこではオーヴァードが認められ、レネゲイドウィルスによる特殊能力が当たり前の街です』
月彦:まさか……本当にあったなんて。それで、そこに義久はいるのか!?
GM:『本人の確証はありません。情報によれば天城義久とそっくりの男をそこで見たとの話です』
月彦:でもなんで……なんで義久はそんなところに……。
GM:『あなたは彼の親友ではないのですか? ならば彼がどこの生まれかは知っていますね?』
月彦:じゃあ――Y市だろ? それがどうしたんだ?
GM:『魔街<デモンズシティ>と呼ばれる前、そこはそう呼ばれていたのです』
月彦:!? 驚こう――なら義久はジャーム化して朦朧とした意識のまま故郷へ帰って……。
GM:『本人の確証はありません。それにたとえ本人であったとしても、ジャーム化していた状態ならば……ヘタな希望は教えない方が良かったかもしれません』
月彦:でも、あんたは教えてくれた。……あんた、いったい何者なんだ?
GM:『彼には"先生"と呼ばれていました。彼とはその程度の縁です』
月彦:そうか……わかった。だが、もしその魔街の誰かが義久を見たと言うのなら、きっと義久は正気に戻っているさ。でなきゃジャーム化したあいつを止めるなんて、誰にも出来やしない。
GM:『――それと……キミが信じるように、彼がジャーム化から正気を取り戻していたとしても……すっかり元通りとは言えないかもしれません』
月彦:どういう事だ?
GM:『ジャーム化から元に戻っても、何かしらの障害が残る可能性が多いのです。感情の不制御、記憶の欠落、身体能力の劣化……などね』
月彦:じゃあ俺もどっか障害が残っているのか?
霧ケ峰:NPCの時より弱くなってるしな(笑)
月彦:そうか……そのせいだったのか(笑)
GM:『感情の不制御や、あなたのように身体能力の劣化ならまだ良い……ですが、もし記憶を失い彼が第2の人生をそこで歩んでいたとしたら……あなたには、もっと辛い事になるかもしれませんよ』
月彦:第2の人生か……それでも、教えてくれ。俺はあいつが生きている事を確かめたい。そして生きてるなら例えどうなっていようと伝えなきゃならないんだ! 頼む、どうやったら魔街に行けるんだ!?
GM:『……わかりました。少々強引な手ですが――』

◆魔街のレベル

ユカの拾ってきた月彦をつれて、アキラは後輩達がたむろする集会所へとやってきていた。スラムの一角でも特に廃墟の多い地区だ。
GM:ではシーンプレイヤーはアキラだ。
アキラ:月彦を連れてライオットに行くぞ――おい、深谷はいるか?
GM:ではライオットリーダーの深谷鉱が――「あれ? アキラさんじゃないッスか?」
アキラ:おう、新入りを連れてきたぞ。こいつもチームに入れてやってくれ。
GM:「新入り? まさか旧世代じゃないですよね?」
アキラ:いや、お前と同じ年のはずだ。
月彦:17だ。
GM:「こいつですか?……こんなんでここで生きていけるんスか?」
アキラ:兵隊に使えるかわからないが、弱い奴だからって見捨てる訳にもいかねーだろ?
月彦:使えない? 弱い? 俺が?
GM:(月彦を無視して)「まぁアキラさんの頼みじゃ断れませんって」
アキラ:ああ、頼む。
月彦:俺は2人の会話を無視して、そこらの廃墟ビルの近くまで歩いて行くぞ。
GM:「どうした?」
月彦:≪鬼の一撃≫+≪フルパワーアタック≫+≪銘無き刃≫+≪獣の力≫(コロコロ)……達成値34。ダメージは51点! どうだ? ビル壊れただろう?
GM:そうですね。ガラガラとビルが倒壊します。
月彦:これでも俺が弱いって?
GM:深谷はそれを見て口笛を吹きますが、さして驚いていませんね。
月彦:ちょっとピクっと来るな――これでも俺は"アースクエイク"と呼ばれていたんだぜ? それに、今のは全力じゃない。
GM:「そうか?」――ニヤニヤしてます(笑)
アキラ:オレもツカツカと移動して月彦の壊したビルより大きいビルの前に立ちます。
GM:深谷鉱が言います――「確かにお前は強いかもしれねーな。だが、所詮それは外の世界のレベルだ」
アキラ:≪ダークマター≫+≪漆黒の拳≫+≪魔王の腕≫+≪魔王の理≫で(コロコロ)……ダメージが1点でも入ればビルは[転倒]します。オレは中国拳法の型で、ビルの前に足を一歩大きく踏み鳴らすと、その轟音と共にビルが倒壊する!(笑)
月彦:なっ!?(笑)
アキラ:そうか、お前はアースクエイクって呼ばれていたのか。オレはヘヴィ・ノヴァって言われている。宜しくな。
月彦:これが魔街のレベルなのか!?
GM:「まぁそれでもお前、良い線行ってるぜ? それにアキラさんは俺らの中でも特別さ、あの人に勝てる人なんてユカさんぐらいさ」
月彦:そうか……ちょっと自信喪失だ(笑)
GM:「じゃあ宜しくな月彦。お前ぐらいの力があれば次の抗争も楽勝かもしれねーな」
月彦:抗争?
GM:「アキラさん達から聞いてないのか? 俺達は旧世代の奴等とやりあっているんだ。特に市街にある市政局の奴等にな!」
月彦:市政局?
アキラ:簡単に行って、オレ等の事をゴミ呼ばわりする偉そうな奴等さ。
月彦:ゴミ呼ばわりか……。
GM:「ゴミにはゴミの意地もプライドもある。それに……市街の奴等のように管理されて生きるなんて、この街には似合わねぇ」
アキラ:ここは自由だからな。そのせいで犯罪者も多いが、それでもそれなりの秩序はあるし正義もある。
GM:「それを市街の奴等はスラムに暮らしている奴等は、全員が極悪人だと考えてやがる。頭の固い旧世代達が市街に住む奴等を洗脳してやがんだ」
月彦:だが、アキラみたいな奴がこっちにはいるんだろ? 何もそんな酷い奴等に好き放題言わせておく必要はないんじゃないか?
アキラ:まぁ……そうなんだがな。
GM:「厄介な奴等がいてよ……」――と言った所で、ライオットメンバーが叫びます――「深谷さん! ジジイどもの犬がきやがった!」

◆GPO

GPO第5班と共に霧ケ峰と要はライオットの集会所へとやってきていた。ライオットは未成年とはいえ、危険なオーヴァードが多く在籍する組織だ。そして何より、市政局とGPOに対して特に敵対的だ。今回の事件について何か知っている可能性は高い。
霧ケ峰:一歩外に出て見れば……スラムか。言い得て妙だな、もとは同じ街だったというのに。
GM:ではライオットの集会所が見えてきます。キミ達にいち早く気が付いた少年が、集会所の奥の方へ駆けて行きます。
要:班員の皆さん、彼等からまずは情報を引き出します。
霧ケ峰:どうやってだ?
要:もちろん、手段は選びません。
霧ケ峰:カチャっと銃を構えながら――了解した。
GM:では集ってくるライオットメンバーをかきわけ、リーダーの深谷鉱が出てきます――「旧世代どもが何の用だ!」
要:少し話を聞きたいだけよ? 素直に答えてくれれば手荒な事はしないであげる。
GM:「なんだと!?」
アキラ:そこで登場――誰かと思ったら要さんじゃねーか? 元気にしてたか?
GM:「このGPOの女……アキラさんの知り合いッスか?」
アキラ:昔……ちょっとな。
要:あら? 誰かと思えばアキラじゃないの。どうしたの? 今は何をやっているの?
アキラ:自由に生きてるだけさ。
要:それは良かったわね。私は今仕事中なの、邪魔しないでくれる?
アキラ:仕事か……やれやれ、本当にお前は犬に成り下がっちまったんだな。
要:誰もが自分で家を選べるわけじゃない。いつでも自由に生きれるあなたと、一緒にしないで欲しいわね。
アキラ:ふん。
霧ケ峰:要班長。さっさと聞いたらどうだ? 彼等もいきなり戦闘を仕掛けてくる気はないようだ。
要:ええ、そうね……ライオットリーダー深谷鉱に聞くわ、最近起こっている事件について……薬に対して知っている事を教えてくれないかしら?
GM:「薬?」
要:そうよ薬……って、そういえば、薬について調べるの忘れてたわね(笑)
霧ケ峰:今調べよう。≪生き字引≫≪知識の泉≫(コロコロ)……18。
GM:じゃあすでに調べていた事にしましょう。その薬はUGNからGPOへ技術提供があって作られた、レネゲイドウィルスを抑制する薬です。ちなみにまだその薬は開発途中であり、副作用もあります。
霧ケ峰:記憶障害か?
GM:その通りです。
霧ケ峰:レネゲイドウィルスを抑える薬についてだ。
GM:「知らねぇな」
アキラ:それに、ウィルスと共に生きるオレ達には必要の無いもんだ。
霧ケ峰:そうか。あくまでシラを切るなら実力行使も――
月彦:そろそろ登場する! 霧ケ峰の声をさえぎって――「霧ケ峰さん、あんたまでここに来てるとは思わなかったな」
霧ケ峰:その声……アースクエイク!?
月彦:人垣の中から現れよう。
霧ケ峰:それはこちらの台詞だ。お前がこの街へ来ているなどUGNからの情報になかったのだがな。しかし……良く生きていたものだな。ジャームにまでなったというのに。
月彦:義久のおかげでな。
霧ケ峰:その彼も、キミを救って行方知れずだ。……いや、キミがここにいるという事はここに……。
月彦:義久のことはあんたには関係無い! これは俺の問題だ。
霧ケ峰:ふん。
月彦:アキラ、深谷、ここは俺に任せてくれ。こんな奴等、俺の拳で十分だ。
霧ケ峰:やると言うのか? この私と!
月彦:霧ケ峰さんこそ俺をなめてないか? あんたなら知っているだろ、この俺の力を!!!――霧ケ峰やGPO達がいる場所にドッコーンと拳を打ち込む! 地面に現れるクレーター!!
霧ケ峰:蒸気になって回避する私! 忘れたかアースクエイク、この私にはいかなる攻撃も通じない!
月彦:外したか。
霧ケ峰:話す気は無いのだなアースクエイク。
月彦:何を話せって言うんだ? 俺はこいつらに借りがある、恩を返すまであんた等のことは敵とみなすぜ?
霧ケ峰:GPOと敵対するのはかまわん……が、私は霧谷雄吾の命令で動いている。もう一度聞こう……レネゲイドウィルスを沈静化する薬を知らないか?
月彦:ピーンと来よう。で、マサキが薬を飲んでたシーンが一時的にフラッシュバック!――くす…り……いや、知らねー! そんな薬なんて俺は知らねー!! もう一度地面にクレーターを作って土煙を上げて、その隙に退場します!
霧ケ峰:≪マインドリーディング≫+≪天性のひらめき≫――逃げる前に思考を読み取る!(コロコロ)……
32!
要:おお〜!
月彦:(コロコロ)……無理か。走りながら――(まさか……ユカさんがマサキに飲ませていた薬は……)――と思う。
アキラ:オレ等も逃げよう。ライオットには戦うには弱い奴等もいるからな、いきなりの抗争は分が悪い。
GM:では深谷も逃げます。土煙が晴れ、要たちが気が付くとすでにライオットメンバーは逃げています。
要:逃げられちゃったわね。
霧ケ峰:そうでもないさ。
要:???
霧ケ峰:奴が逃げる間に考えていた事を読み取った。ユカという名前を知っているか?
要:ライオットの創設期メンバーなら、ユカって人を知っていていいですよね?
GM:構いません、それにアキラと幼馴染なら姉であるユカも知っているでしょう。ちなみに創設期メンバーといってもリーダーではありませんでした。
要:じゃあその情報を説明します。

◆取引(マスターシーン)

 そこには2人の姿があった。
  1人は女性――高遠ユカ。
  彼女はもう一人に近寄ると手を差し出した。
  その手には薬が1ビン渡される。
  ユカはその薬をポケットに突っ込むと、わなわなと震える声を絞り出す――
「いつまで……こんなことを続ければいいのよ……」
  その声にもう一人が諭すように答える。しかしユカには耐えられない事であるらしく――
「そんな!? みんなを犠牲にしろっていうの! そんな事私にできるとでも!?」
  再び諭すように言うもう一人。
「……確かに、私はそれを望んでいるけど……。でも、だからって……」
  静かにうなだれ肩を震わせるユカ。

  やがてもう一人は興味を失ったように、その場を去って行った。

◆親友

急いで青天井の見える家に戻ってきた月彦。息も絶え絶えドアを開け中へと入ると、台所からは中華鍋を振るう音が聞こえた――
月彦:義久!! と家に入ります。
アキラ:オレも登場するぞ、追いかけてきたって事で。
GM:台所からマサキがやってきます――「どうしたの2人とも、そんなに血相を変えて」
月彦:あいつがやってきたんだ!
GM:「あいつ?」
アキラ:さっき月彦が話していた男か?
月彦:ああ、あいつは霧ケ峰……スチームハイブロウと呼ばれている男だ。
GM:「それで、そいつがいったいどうしたって言うんだい?」
月彦:あいつは人の心を読む。それに煙のようにどこにでも現れる。
霧ケ峰:登場判定は自由だからな(笑)
月彦:それに……――(PLに戻って)迷うなぁ、ここで全てを打ち明けたらマサキの記憶が戻るかもしれない。
GM:かもしれませんね。
月彦:だけど、それは義久にとって良い事なのだろうか? ユカさんとの幸せそうな光景が頭に浮かびます――あいつに会ったらマサキ……お前は……。
GM:「そいつに会ったら、どうかするのか?」
月彦:うるさい! お前は今の生活を続けていればいいんだよ!(笑)
GM:「なんなのかちゃんと説明してくれよ。いったい何が言いたいんだ?」
月彦:あいつに……霧ケ峰さんに会ったらお前は……。
GM:「月彦……最初に会った時にも感じたんだ。もしかしてキミは僕の事を何か知っているんじゃないのか? 記憶を失う前の僕自身のことを」
月彦:お前なんて俺は知らない! お前になんて会ったこともない!
霧ケ峰:(コロコロ)……登場――何を言っているアースクエイク? どうやらパートナーは見つかったようだな。
アキラ:貴様! いったいどこから!?
霧ケ峰:私はどこにでも現れ、どこにでも消える事ができる……さて、話の続きだ。天城義久……UGNの見解ではジャーム化したとの話だったが、どうやら無事自我を保っているようだな。よく見つけたアースクエイク、さすが天地コンビと言われただけはある。
月彦:霧ケ峰さんの言葉をさえぎるように――マサキ! 早く逃げろ!!――叫びます。
霧ケ峰:マサキ? 何を言っているアースクエイク。彼は天城義久。テンペストだろう?
GM:「テン……ペスト……?」
月彦:違う! マサキはマサキだ!
霧ケ峰:マサキだろうと、テンペストであろうとその事に関しては後回しだ。それよりここに高遠ユカという女性がいるはずだが?
アキラ:姉貴がどうしたって?
GM:「ユカならいつもの散歩に出かけたけど?」
霧ケ峰:それはまずいな。
アキラ:何がだ?
霧ケ峰:すでに高遠ユカにGPOは目をつけた。特に今回動いているのは穏健派の第5班だけじゃない。綾小路率いる第10班……過激派も動いている。ターゲットが彼女達に見つかれば……タダでは済まぬだろうな。
アキラ:ちっ…月彦! ここはお前に任せる! 退場します。
月彦:くそ……≪フルパワーアタック≫で義久を気絶させる!(コロコロ)……ドゴッ! 気絶した?
GM:今のマサキはオーヴァードの力を抑えている(コントロールできない)ので普通に気絶しました――「なんで……僕を……」――ガクッ。
月彦:悪ぃな義久――倒れる前に抱きかかえて、壁に寄りかからせます。
霧ケ峰:どういうつもりだアースクエイク? 私の読んだお前の思考では、高遠ユカから薬を渡されていたのはその男だ。そいつも重要参考人には違いない。……だが、こちらに渡す気はないのだろう?
月彦:ああ。
霧ケ峰:マサキとか呼んでいたな……そいつが親友に似ているからか? それとも――
月彦:どうせあんたには言わなくてもバレるんだ。本当のことを言う。
霧ケ峰:……聞こうか。
月彦:こいつは天城義久さ。元々はこの街の出身だったからか、ジャームのままこの街へとたどり着いたらしい。しかも、この街でこいつが気が付いた時には、なぜかジャームではなくなっていたらしいんだ。
霧ケ峰:なるほどな……それで?
月彦:こいつは力を失うと同時に、あの頃の記憶を失っているんだ……――俺は義久とユカの幸せそうな風景を思い出しつつ――今の義久はマサキとしての幸せな人生がある。俺はこいつの幸せを壊したくない!!
霧ケ峰:本当にいいのか? お前は昔のように親友と肩を並べる為、テンペストを捜していたのだろう?
月彦:捜していたさ……だけど……俺は構わない。こうやって俺が生きていられるのも、義久が自分の身を犠牲にして俺を助けてくれたからだ。次は……次は俺があいつの事を護る!
霧ケ峰:その道を選ぶなら、2度と昔のようにはなれんぞ……もう一度聞く、本当にいいんだな?
月彦:ああ。
霧ケ峰:………………。そうか。
月彦:俺には覚悟がある。何の事件か知らないが……義久とユカさんにちょっかいかけるなら、たとえあんただろうと、本気で行く!!――一瞬だけ右手が獣化して元に戻るぞ!
霧ケ峰:私の流した情報で、すぐにでもGPOは高遠ユカを追うだろう。今はテンペストよりそっちを優先した方が良い。GPOは2部隊を今回の事件に当てている。せめて片方だけでも先に潰しておいた方がいいだろうな。
月彦:何を……言ってるんだ? あんたはGPOの仲間だろ?
霧ケ峰:私はUGNだ。GPOには協力するようにと上から言われただけに過ぎない。義理はあっても義務は無い。それに……事件を解決するなど、私一人で十分だ。
月彦:霧ケ峰さん。
霧ケ峰:好きにするといいさ。ここは魔街<デモンズシティ>……オーヴァードが自由にできる街だ。テンペストは私が見ておいてやる。
月彦:………………。俺は無言で出て行く。霧ケ峰さんへのロイスを信頼で取得だ。

◆本部強襲

UGNという組織からの協力者スチームハイブロウの情報で高遠ユカを調べる事になり、GPO第五班班長花苗要は、市街にあるGPO本部へと帰って来ていた。
GM:データベースを調べていた班員が――「班長! 高遠ユカですがデータベースにありました!」
要:読み上げて。
GM:「高遠ユカ……反GPO組織ライオットの創設期のメンバーにして、当時は5指に入ると言われたオーヴァードです。もっとも、ライオット内の恋人を抗争で失ってからは、組織も抜けオーヴァードとしての力も発揮しなくなったとの事です」
要:ライオット時代のアキラのお姉さん……噂には聞いてたけど……確かコードネームは――
GM:彼女の異名は"フレア"です。
要:シンドロームは?
GM:「サラマンダー/ソラリス」のようです。
要:他に情報ある?
GM:それ以上は<情報:GPO>もしくは<情報:魔街>で7以上です。
要:<情報:魔街>で(コロコロ)……7!
GM:「あ、出てきました……死んだ恋人の名前は陣内マサキとあります。オーヴァードとしては並の使い手だったようです」
月彦:ところで誰か出ないの?
アキラ:オレは姉貴を捜しているからな。
霧ケ峰:テンペストを見ていると言っただろう?
月彦:じゃあ俺が出よう(コロコロ)……8上がった! さて、登場の理由は――
霧ケ峰:キミは私に言われて、この事件で動いているGPOの班を、1つ潰しに来たのだ!
月彦:ああ、その通りだ! ドッカーンッ!と壁に大穴を開ける音がして登場だ!!
GM:では本部は大混乱です。緊急警報となってます。
月彦:俺は連続で壁を壊して要のいる部屋に偶然にも現れるぞ! 壁を壊しつつ何人かの班員を巻き添えにして、土煙の中から現れる。
要:貴様はライオットと一緒にいた……何の用かしら?
月彦:さっき見た顔だな。ちょうどいいぜ!
アキラ:(GPO班員)「おのれバグ(←オーヴァード犯罪者への別称)が!!」
霧ケ峰:(GPO班員)「生きて帰れると思うなよ! 行くぞ!!」――月彦に残ってる班員が襲い掛かる!
月彦:邪魔だ!!! ――≪フルパワーアタック≫≪鬼の一撃≫で片っ端から吹っ飛ばす!!
アキラ:(GPO班員)「うわぁぁ〜〜!」
霧ケ峰:(GPO班員)「くっ……つ、強い……ガクッ!」
GM:まぁどっちにしろNPCは戦力にならないので別にいいです。
月彦:お前が班長だな? 悪いが今回の事件からは手を引いてもらおうか。
要:それは無理。出来ない相談ね。
月彦:無理を力で押し通す!――拳を握りながらツカツカ近寄っていくぜ。殺気はバリバリだ!
GM:と、ここで月彦は見えます。GPO隊員の開いてた画面に義久の顔とデータが映っている事を。
月彦:義久!?
GM:ですが良く見るとそれは天城義久ではありません。名前は陣内マサキとなっています。
月彦:そうか……ユカさんはそれで義久を……。
要:一瞬、そっちに視線が行った事に気が付いて――どうやら、何か知っているようね。その義久って男に会わせてもらおうかしら?
月彦:画面から視線を戻す! 言ったはずだ、今回の事件からは手を引いてもらうってな! お前等に教える事なんか何もねえ!!
要:いいえ。あなたには知っている事を全て教えてもらうわ――私の髪の毛がゾワゾワと伸びだし勝手に動き出す――ここから無事出られると思わないでね。
月彦:なんだこの髪は!? 俺の体が!
要:絡めとりました。そこで私の腕が一直線に伸びで、月彦の胸に突き刺さります。
月彦:ぐあッ! ちくしょーこんなもん!
要:引きちぎれません。髪の毛に絡まり体の自由は奪い取られています。そして……≪餓鬼魂の使い≫を使用します。腕が千切れて月彦の体に入って行きます。
月彦:こ、これは……体の中に……うぐッ!?
要:私の名前は花苗要。GPO内では"スパイラル・ライフ"と呼ばれているわ。
月彦:スパイラル・ライフ……くそッ!
要:今、あなたには私の因子を埋め込んだわ。これ以上の抵抗は無意味よ。私の言う事を聞かない場合、ジクジクと埋め込んだ因子があなたの魂を食らう。
月彦:へんっ! そんな脅しが俺に通じると思うな!
要:脅しなんてしないわ……アレを持ってきなさい。
アキラ:(GPO班員)「はっ!……しかし、アノ薬の使用は隊長の許可が……」
要:許可なら後から私が取ります。今は一刻を争うのよ。さぁ早く。
GM:では班員がなにやら怪しい注射器を持ってきます(笑)
霧ケ峰:(GPO班員)「本当に使うのですか? これを使うと副作用が……」
要:遠慮せずに打ちます。ブスッ!
月彦:う゛。
要:それにこっちも打っておこうかしら――と、事件のアンプルを出します。
GM:あのくすねてた奴か(笑)
要:プスッ……これでウィルスも抑制できて、記憶もあいまいになるから一石二鳥。
月彦:あう……――
要:では、私を義久という男のいる場所まで案内してもらおうかしら?

◆一時停戦……そして

薬により意識を失った月彦は、そのまま要をスラムにある高遠姉弟の家まで案内していた。要の班員は月彦の襲撃によりまともに動けそうなメンバーがいなかったため、やってきたのは要一人だった。
要:ここね? 高遠ユカの家は。
月彦:………………。
霧ケ峰:すると私が出てくるわけだ(コロコロ)……登場。
月彦:すると洗脳気味な俺がいるわけだ。
霧ケ峰:……。遊んでいるのか? 銃で頭を撃ち抜いてやろう。リザレクトと共に薬の効果が切れたりしないかGM?
GM:別に切れていいですよ、勝手に演出でやってただけですし(笑)
月彦:じゃあリザレクト〜〜はっ! ここは……家?
霧ケ峰:大丈夫かアースクエイク?
月彦:変な薬を撃たれた所までは記憶があるんだが……霧ケ峰さん!?
霧ケ峰:要班長。いったい何があったのです?
月彦:貴様、なんでお前がここに!?
霧ケ峰:薬……か。要班長、まさかあの事件にあった薬を使ったのか?
要:ええ、ちょっとだけね。
月彦:くそ……どうりで記憶が……。
霧ケ峰:アースクエイク、どうやらキミも薬の効果は身を持って知ったようだな。そしてそれを使われ続けている男がいるという事は理解しているな。
月彦:くッ……義久。
要:奥で寝ている男を見て――なるほどね。
霧ケ峰:どうだアースクエイク。私と共に事件を追うか?
要:協力するならGPOはあなたに手を出さないわよ?
月彦:………………。わかった、一緒に行こう。だがこれだけは忘れるな! 俺はお前等に協力するんじゃねー。俺は義久の為に動くんだ!
要:では3人で高遠ユカを捜しに――
霧ケ峰:その事なんだが、ここで冷静になって考えていたのだが……この魔街では市街からスラムに出る場合には簡単だが、スラムから市街へ入るには登録市民である認証を出さないといけない。
要:そうです。市政局にとっては登録市民だけが人間ですからね。
霧ケ峰:つまりだ。最初にGPOで情報があったように、事件の犯人がスラムのバグである場合、それは相当な市政局のコネがあるか、よっぽど潜入が上手いかの必要がある。
月彦:俺は認証無くても市街に行ったぞ。
霧ケ峰:キミは壁をぶち壊して入って行っただろうが、そんな目立つやり方で市街に入っていたら、薬を奪う前に見つかっている!
要:じゃあ犯人はスラムに住むバグで相当なコネを持つ人物……または相当の実力者。
霧ケ峰:もう一つの可能性がある。
月彦:もう一つ?
霧ケ峰:それは……もともと市街の人間である登録市民だ。まして、GPOの隊員なら薬の輸送やルートも把握している、その奪取は簡単だろう。
要:確かにそうかもしれない。実は……私と一緒にこの事件を任されている綾小路さんだけど、ちょっと思想的に危険な感じがした。
霧ケ峰:そうだ。それで先に調べておいたのだが……と、GM≪生き字引≫≪天性のひらめき≫で<情報:GPO>の綾小路について調べていたって事で。(コロコロ)……14。
GM:いいでしょう。彼女の班はちょくちょくスラムに出て何かをやっていたようです。市街からの出入りは記録されていますが、その行動理由はデータに残っていません。ただアザーズ達からの呼び名が引っかかります。
霧ケ峰:エクリプス……か。
GM:そうです。
霧ケ峰:UGNの情報とも繋がったな……もし綾小路という人間が、スラムに恨みがありこの事件をスラムのせいにしようとしているなら……。
要:その可能性はありえます。急いで綾小路さんを捜しましょう。

◆GPO第10班

姉であるユカを捜してスラムを走り回っていたアキラは、やっとその姉を見つける事ができた。しかし、その姉は思いもよなぬ人物と会っていた。すぐに近くの瓦礫に身を隠し成り行きを見守る。あれは――
GM:ではアキラはユカを見つけました。
アキラ:姉貴!
GM:と、声をかける前にキミは気が付きます。ユカの周りにはGPOの隊員が数人います。かといって戦っているわけではなく、話し合い……取引と言った雰囲気です。
アキラ:瓦礫の影に身を隠す。
GM:じゃあ<隠密>して下さい。ユカと話している班長らしき人物以外は、周囲を警戒しているので。
アキラ:いいだろう……駄目だ。俺は<隠密>持ってねーや。じゃあ堂々と正面から歩いていくぞ――お前等こんな所で何をしている?
GM:「おや、弟さんの登場ですね」
アキラ:弟? お前……オレの事を知っているのか?
GM:「ライオットの中核をなすメンバーです、ブラックリストに載っていますわ。わたくし達はGPO第10班。班長の綾小路と申します」
アキラ:で、なんでお前等がここにいるんだ? さっさと市街に帰ったらどうだ。
GM:「少々事件について調べているのです」
アキラ:姉貴に何の用だ!
GM:「あら? もう一度言わなければなりませんの? 事件についての情報収集です」
アキラ:こいつムカツクな(笑)――GPOがこのスラムでそう簡単に活動ができると思うなよ――そういうと、オレの近くに黒い球状"魔眼"が出現します。戦闘モードだ。
月彦:ああ、バロールか。
GM:「困りましたわね。わたくし達は、情報収集をする為にこの方にもお話を伺っていたのですけど……スラムに住む非登録市民より戦闘を仕掛けられたら……それに対して反撃するのは当然の事ですわ。その結果、殺してしまっても、わたくし達には何の非もありませんわね?」
要:お嬢様班員達も『クスクスクス』と蔑むように笑います。
GM:「まぁ、この方が正直に協力して下さったのですから、その弟さんであるあなたは、今回だけは見逃してさしあげますわ」
アキラ:協力? 姉貴、どういうことだ。
GM:ユカは目を逸らし。綾小路は続けます――「この度の事件にとって、重要な証言をして下さったですわ」
アキラ:姉貴は脅迫や実力で口を割る人物じゃない……。
GM:「では御機嫌よう」――綾小路班は全員退場です。その場にはユカだけが残ります。
アキラ:姉貴! いったいどういう事だ! 協力って何をした! まさかスラムの情報をビーストども(GPOの別称)に売ったのか!!
GM:「さ、それより帰ろうか? 家でマサキが夕飯を作っているのでしょう?」
アキラ:話を逸らすな! オレの目を見ろよ!
GM:「………………。いなくなった人間が、急にひょっこり帰ってくる……そんなのよくある事よ」
アキラ:何の事だ?
GM:「いえ、何でもないわ……それに、仲間達のことは別に売ってない。それだけは本当よ」
アキラ:信じていいんだな。
GM:「ええ」
アキラ:………………。わかったよ。オレは信じる。姉貴より先に立って家に向かうぞ。
GM:では帰っていく途中です。<意思>で判定して下さい。
アキラ:<意思>!?(コロコロ)……9!
GM:ではさっきの取引現場の事を忘れます。キミはそれを思い出そうにも思い出せない。
アキラ:姉貴……
GM:「なに?」
アキラ:いや……なんでもない。

◆綾小路月乃

GM:さて、3人の方ですが、ちょうど市街へ引き上げる途中のGPO第10班である綾小路達と遭遇します――「あら? 花苗さん、その方は?」
要:こちらはスチームハイブロウ霧ケ峰理さん。UGNという外部の組織からの協力者です。
GM:「はじめまして、GPO第10班班長綾小路月乃と申します」
霧ケ峰:霧ケ峰理だ。
GM:「お気をつけ下さい。ここではUGNなどなんの力も無い組織です。郷に入れば郷に従えということわざもあります。あまり横柄な態度は取らない方がいいですわ」
霧ケ峰:ふん、頭の片隅に入れておこう。
月彦:おい、霧ケ峰さん。あの女は俺の事が目に入らないのか?
霧ケ峰:さっき話していた極論者だ。今はヘタに口を挟むな。
要:綾小路さん、そちらの首尾はどうだったの?
GM:「わたくしの班は、ギルドの方を確認して来ましたわ。どうやら今回の件とは無関係のようで、無駄足でしたわ」
要:私の方ではライオットの元メンバーである高遠ユカという人物が上がっているの、もし情報があったら教えてね。
GM:では一瞬だけピクっとして――「ええ、わかりましたわ」
霧ケ峰:≪天性のひらめき≫≪マインドリーディング≫(コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……3回回って25だ。
GM:(コロコロ)……無理です。断片的ですが高遠ユカと話していた事がわかります。
霧ケ峰:要班長、どうやら綾小路班長はすでに高遠ユカと出会っていたようだな。
要:本当ですか?
霧ケ峰:ああ……読めた。
GM:綾小路が人当たりの言いお嬢様の表情から一変、冷徹なGPOの顔になっていきます。
霧ケ峰:言葉の断片しか読み取れなかったが……何の取引をしていたのかな、第10班班長殿?
月彦:ユカさんと取引して……いったい何をたくらんでいるんだ! それを口実にライオットを潰す気か?
GM:「花苗さん……"ライオット"なんて組織が存在していること自体が、間違っていると思いませんか?」
月彦:普通に無視された。
要:どういう事?
GM:「この街には犯罪者が溢れています。それもこれもスラムに住む非登録市民達のせい……これではいつまで経っても、市街に平和は訪れない」
霧ケ峰:確かに、この街は外部に比べて犯罪者の比率が多い。それがスラムに原因があるのも否定はできんな。
GM:「そうでしょう? スラムは必要の無いもの」
要:「でも……なら綾小路さんの考え方なら。市街とスラムを完全に隔意できれば、そこまでする必要は無いと思う。私は前から思っていたの……私達がスラムに対して干渉し過ぎるから、スラムに住む非登録市民は市街に対して敵対的な行動を取る。私達はスラムに手を出さない方がいいのよ」
GM:「それは違いますわ。このデモンズシティでは常にケースRが発生しています。その原因は犯罪者たる無法者がスラムに大勢いらっしゃるから……決して、GPOや市政局に対する悪意だけじゃありませんわ」
要:だからと言って、私達が強硬手段にでるのは間違っていると思う。あなたはスラムを――
GM:「全滅させる……とでも思っていると?」
要:違うの?
GM:「ええ、違いますわ。戦争でもそうでしょう? 最初の一人目を凄惨に殺す事で、後の者達にとって見せしめになる。最初の一人で牙を折ってしまえば、スラムの者達が市街に手を出せばどうなるか……きっと理解していただけるはずです」
要:………………。
GM:「それと花苗さん、あまりスラムの住人と仲良くするのは宜しく無いと思いますわ……では、御機嫌よう」――退場します。
霧ケ峰:この街で市街とスラムを完全に分ける……か。ずいぶんな考えだな。
要:本当は市街もスラムも手を取り合って欲しい。そう思っているんだけどね……今は無理、こんな状況じゃ仲良く手を取り合うなんて夢物語だもの。だから、せめてお互いが干渉せずに自由に暮らせれば良いな……って、そう私は思う。
月彦:花苗要って言ったな。
要:ええ。
月彦:俺はあんたの意見が夢物語だなんて思わないぜ。月と地球が引っ張り合うからこそ、この周期が保たれるんだ。相容れない存在だとしても、お互いはきっと必要だから隣に存在する。きっといつかは解りあえるさ。
要:そうなると良いわね。私も……そう思う。

◆中華の無い食卓

その日、高遠家に帰っていた時、いまだマサキは目覚めず夕飯は買っておいたインスタントラーメンだった。
月彦:じゃあ家に帰るか。
アキラ:姉貴とピリピリしたムードですでに飯食ってるぞ。
GM:他には誰がいるんですか?
霧ケ峰:登場するかな。いまだにアキラと接点が無い。
月彦:登場するなら知り合いだってアキラには紹介する。
霧ケ峰:登場(コロコロ)……。
アキラ:マサキが気絶してるので、今日はカップラーメンだからな。
要:ズルズルズルズル……。あ、登場してます。
アキラ:お前もかよ!
霧ケ峰:彼女は私の知り合いだ。というよりキミも知り合いだろう高遠アキラ。
アキラ:まぁいい、要の分もカップラーメンを用意しよう。
GM:「ちょっと……マサキの様子見てくる」――とユカがいなくなります。
月彦:ああ、4人だけ取り残された(笑)
アキラ:………………。あのな……なんでお前等、ウチで飯食ってんだ!
要:あなたとユカさんに話があって来たのよ。GPOが今回の事件を理由に、スラム全体を潰すために動き出そうとしているみたいなのよ。
アキラ:要……。
要:GPOの私が教えてあげてるんだから、ありがたく思いなさいよ?
アキラ:ふん。
霧ケ峰:兎に角だ。GPOはスラムの人間を潰す方向で動き出すだろう。GPO隊長の神野がそう動いているわけではない。今回の事件を任された綾小路という班長の行動だ。
アキラ:ちっ、あいつか。
月彦:アキラ、どうやら事件の真相はユカさんがマサキに渡している薬だ。ユカさんに言ってその薬の出所を教えてもらう必要がある。
アキラ:それでオレの家に要達まで来たって事わけか。
要:ええ、そう……ところでユカさんは? さっき隣の部屋へ行ってからずいぶん経つみたいだけど。
霧ケ峰:まだ帰ってこないのか?
アキラ:呼んで来るか――部屋に行きます。
GM:いません。
月彦:マサキ……義久は?
GM:そっちはベッドで寝ています。そして枕元の錠剤のビンと書置きがあります。
アキラ:これは……書置きを読みます。
『ごめん。私が巻いた種だから……私が自分で責任を取る』
アキラ:グシャっとその紙を握りつぶして――馬鹿な事を!!!

◆裏切り者の決意(マスターシーン)

 魔街に夜が訪れる。漆黒の闇は明かりの少ないスラムに多すぎる影を落とす。
  市街から離れたスラムの一角で、2人の女性が向き合っていた。一人は高遠ユカ、もう一人はGPO第10班班長……綾小路月乃。
「お話があるというから来て見れば……どうなされたのですか? そのように血相を変えて」
「……もういい」
  絞るようなユカの声。
「もういい……とは?」
「もうあんたには従わないって事よ!」
  キッとユカが綾小路を睨みつける。対して綾小路は余裕の笑顔で答える。
「亡くなられた殿方を、今も生きていると信じ続けたいのではなかったのかしら?」
  ユカはその言葉に明らかに動揺を隠せない。再びうつむき加減で言葉を搾り出していく。
「いつまでも隠し通せはしないのよ……どんなに嘘で塗り固めたって、いつかはばれちゃうんだから……もう、私には隠し通す事はできないし、仲間も裏切れない……」
「それで? どうするつもり? 今まであなたがわたくしに流して下さった情報は真実、そしてあなたに渡していた薬も真実です」
「だから……けじめを付けに来た」

  ユカの体が一気に燃え上がる。それはサラマンダーエフェクトの証。
「結局……あなたも犯罪者たる非登録市民であった……そういう事ですわね」

「ここであんたを止めて、
         そのくだらない野望も、私の嘘で塗り固めた人生も……全て終らせる!――≪極大消――

■クライマックス・フェイズ■

◆魔街を憂うもの

魔街の夜、一同が家の外に出てユカを捜し出してすぐ、その光は見えた。
全ての命を刈り取るような巨大な紅光。そして後から吹き付ける赤熱波。
霧ケ峰:なんだこの強烈な力は!
アキラ:あれは……姉貴の≪極大消滅波≫!?
月彦:光が……消える。
アキラ:走り出す!!
GM:ではクライマックスです。たどり着いた時、ユカの周囲はクレーターのようにくぼんでおり、そのクレーターの端に第10班と綾小路月乃が立っています。ユカはがっくりと膝を突いてクレーターの中心で倒れ伏します。
アキラ:姉貴に何をした!!
GM:「あら? お早いお着きですわね……でも、少しばかり遅かったかしら?」
アキラ:もう一度聞く、姉貴に何をした!
GM:「さすがのわたくしも少々焦ってしまいましたわ。さすがはライオットの歴代メンバーでも1・2を争う実力の持ち主です」
霧ケ峰:奴のシンドロームは何だ? 目が赤くなったり体がうっすら光っていたり、外見から判断付かないか?
GM:付近に複数の魔眼が浮いています。
要:バロールシンドローム。
アキラ:ちッ! オレも構えを取る!
GM:「お止めになった方が宜しいですわ? あなたは非登録市民……わたくし達GPOには敵わない」――ズザッと第10班が綾小路の周りに展開します。
要:ワルキュリア部隊……。
GM:じゃあ第10班はその女性のみの構成と、その戦闘行動における冷徹さからそう呼ばれています(笑)――「高遠アキラ……あなたは元々シティズンだったはず、あなたほどの実力があればGPOに入る事も可能だったでしょうに」
アキラ:ふん、いまさら市街へ戻る気はねぇな!
GM:「いいでしょう。この度の事件の重要参考人として、高遠ユカ、高遠アキラの身柄を拘束します。抵抗する場合、命の保障は致しません」
アキラ:なら……もう言葉は必要ないな。
GM:「そうですね」
アキラ:一撃だ!!!――オレの近くに魔眼が発動する!
GM:他の人はすでにいるのですか?
月彦:あ、そういえばまだ登場判定してなかったな(コロコロ)……侵食率89! アキラと同じエンゲージに登場!
霧ケ峰:ああ、私も忘れていたな(コロコロ)……98! アースクエイクやヘヴィ・ノヴァとは違う場所に出るぞ。
月彦:俺はその辺をぶっ壊しながら……登場! その人を……ユカさんを殺させるわけにはいかない!
GM:「アザーズ(非登録市民)がいくら集ったところでゴミの群れ……粋がるのはおよしなさい」
霧ケ峰:アザーズだけだと思うなよ。
要:私も居ます。スチームハイブロウと同じエンゲージに出ます。
GM:「UGNの……それに花苗さんまで!?」
要:綾小路さん……あなたがその方法で事件を解決するなら、私は私の方法で事件を解決します。
GM:「GPO班長であるあなたまで、アザーズ達に入れ込むのですか?」
要:私はGPOとして最も最善の選択をするだけです。
GM:「GPOとして? ふふ……あなたは今まで疑問に思ったことはありませんの? GPOはアザーズとシティズンを呼び方を変えて差別するだけ……。実際にGPOがする事と言ったらケースRの鎮圧ばかり……これではいつまで経ってもこの街に平和は訪れない」
要:だからってスラムを全員潰すというの?
GM:「事件は起きる前に潰すべきなのです」
霧ケ峰:愚かな考え方だな……。
GM:「愚か? この街へ飛ばされたUGNの落ちこぼれが良く言えたものですね」
霧ケ峰:その程度の言葉で、私の心は揺るがんさ。
要:あなたの言葉を聴いていたら、私も自分の意見が夢物語では無いんじゃないかと思ってきた……、最初からスラムと市街と線引きしていたのが間違いだったのかもしれない……。市街にだって犯罪の種はある。スラムにだって平和に暮らそうとする意思はある。綾小路さん……私はあなたの意見に賛同できない。
GM:「そう……残念ですわ。あなたまでこの手にかけなければならないなんて」――戦闘を開始します。
アキラ:月彦……やつらに魔街のレベルを思い知らせてやるぞ。
月彦:ああ、解ってるさ!

◆デモンズシティ・バトル

GM:ではセットアップセグメントに綾小路が≪灰色の庭≫をアキラに使用します。6イニシアを下げてください。
アキラ:イニシアチブが下がるのか。せっかくの≪先手必勝≫が無意味に……だが!――この程度でオレの歩みが止めれると思っているのか?
GM:「そうですね……もう少々、プレッシャーをかけてあげますわ」――マイナーで≪暗黒の衣≫宣言、メジャーで≪黒の鉄槌≫≪因果歪曲≫≪魔王の理≫でアキラと月彦のいるエンゲージに(コロコロ)……52!
アキラ:演出的にも避けないぞ。
月彦:(コロコロ)……無理。
GM:その2人だけ、まるで体が重くなっていき押し潰されます(コロコロ)……ダメージは44点です。
月彦:一瞬で押し潰される! ズガーン!
アキラ:グッ……オレは倒れんぞ、体の節々から血が流れるけどオレは耐えた(コロコロ)……リザレクトだけどな!
月彦:俺は潰されちゃったのでそこから立ち上がる……この俺が、こんな所で負けてたまるか!!
GM:「強がりを……」――次はワルキューレ部隊です。3グループのトループで表します。マイナーでそれぞれ移動。1部隊が要の方へ移動して終了。残り2部隊はアキラと月彦に接敵して攻撃します(コロコロ)……命中62のダメージ35点!
アキラ:かわさない。
月彦:(コロコロ)……かわせない。
GM:ワルキューレ達はどこからか槍を出現させて攻撃しました。
アキラ:≪リザレクト≫……槍が突き刺さっても平然としてるぜ?――その程度でオレを殺れると思うなよ!
月彦:同じく≪リザレクト≫! 刺さった槍を全て叩き折ってやる! これで俺は侵食率100%超えだ。
霧ケ峰:月彦! お前は自分を保つ事を優先しろ! なんせお前は一度――
月彦:そんな事はわかってる! だからって力を出し惜しみする状況じゃないだろ!!
アキラ:その通りだ。一気に蹴散らすぞ!
霧ケ峰:ちっ……そのようだな。要班長に≪アドヴァイス≫≪天性のひらめき≫(コロコロ)……成功!
アキラ:やっとオレか……目の前にワルキューレがいるのか、綾小路まで進むのには進路妨害されるのか?
GM:されます。<運動>で対決ですね。
アキラ:それはウザイな。オレは動かない。
GM:「臆したのですかヘヴィ・ノヴァ」――綾小路が言います。
アキラ:オレは一撃の男だ。この拳はお前にぶち当てるためにある……ザコに用はねえのさ。
GM:次は月彦!
月彦:≪フルパワーアタック≫宣言! イニシアは0になるので最後に行動!
要:では私ですね。上半身が伸びて巻きつきます! ≪伸縮腕≫≪餓鬼魂の使い≫≪踊る髪≫≪オールレンジ≫≪吸収≫全て使います。上半身が伸びてぐるんぐるん巻きつき腕でぐしょー!!
GM:ぐッぁ…。
要:目標はアキラの前にいるワルキューレに(コロコロ)……23成功。
GM:(コロコロ)……<運動>でクリティカル(コロコロ)……25で回避しました。
要:避けられた!?
GM:「わたくしのワルキューレ達は、一般隊長レベルでは相手になりませんわよ?」
要:くっ……。
月彦:さぁ俺だ! 全力で行くぜ!! ≪鬼の一撃≫≪完全獣化≫≪銘無き刃≫≪神獣撃≫≪フルパワーアタック≫≪獣の力≫を一度に解放! 完全獣化で一瞬だけバケモノと化す(コロコロ)……27命中!
GM:(コロコロ)……直撃した。
月彦:ダイス目が13なので68点ダメージだ! ガァァァァア!! と一発で目の前のワルキューレをビルに叩きつける! 次の瞬間、土煙りが収まると共に神獣撃の効果で完全獣化が解けて、元の姿に戻っています。
GM:月彦の前にいたワルキューレは死亡です。
月彦:俺の名はアースクエイク桐生月彦! 覚えておくんだな!
GM:「……くっ」
アキラ:月彦、それがお前の全力か?
月彦:ああ、でもアキラの全力はこんなもんじゃないんだろ?
アキラ:見ておけ、魔街のレベルって奴を教えてやるよ。
………………………………………………………………………………………………
GM:では次のターンです。
霧ケ峰:≪戦術≫を宣言! 3人ともダイス+1だ!
GM:ではこっちです――「アースクエイクと言いましたね。少々……あなたの力は危険です」
月彦:俺なのか?
アキラ:狙われたな。
GM:「大地の力は知っていても、空の高みは知らないでしょう? わたくしが教えて差し上げますわ」≪インビジブルハンド≫≪魔王の理≫≪要の陣形≫≪因果歪曲≫≪惑いの一撃≫――挑発は月彦ですが対象は全員です。魔眼から小さな黒球が全員に放たれ(コロコロ)……命中42!
霧ケ峰:く……それは当たる。
アキラ:月彦はこれを食らうと死んじまうしな……どけ月彦! 突き飛ばしてオレが月彦の分も食らおう。まだ未行動だからカヴァーリングを宣言だ。
月彦:ア、アキラ!?
要:私は普通に当たりました。
GM:では3人は宙高く持ち上げられそこから急速落下で地面に叩きつけられます。(コロコロ)……ダメージは21点!
アキラ:≪リザレクト≫だ。オレはズズーンとばかりに地面に2本足で着地だ!!
要:私は叩きつけられてから苦しそうにググッっと起き上がりながら≪リザレクト≫です。
霧ケ峰:駄目だ、100%越えてるし死んだ。ぶつかったあと煙になって消える。蒸気になろう。
GM:「まずは1人目」
月彦:霧ケ峰さん!!
GM:「余所見をしている暇はないのですよ?」――アキラの方にいたワルキューレが月彦に、残っているもう一方は要に攻撃です。まとめ振りでいいですか?……では2人に(コロコロ)……命中17のダメージが20点。
月彦:クリティカルしないと……駄目だ。
GM:要の方は?
要:≪リザレクト≫で大丈夫です。
GM:「これで2人目」
月彦:違う! 俺は起き上がるぜ!
GM:「なに?」
月彦:俺は胸に手を当てながら苦しそうに言う――残念だったな、俺には2つ魂があるのさ! 俺自身の魂と……そして親友のくれた魂がな!!≪魔獣の証≫宣言! 4D10侵食率が上がるけど(コロコロ)……合計142! そして復活!!!(笑)
GM:それを取ってたんですか(笑)
月彦:でも、これで次は本当に死亡だ。
GM:「じゃあ次こそは2人目の犠牲にしてあげますわ」
霧ケ峰:それは違うな――空間に声が広がる。
要:スチームハイブロウ?
霧ケ峰:蒸気が集って私の姿に収束する! 綾小路のロイスをタイタスに、即時昇華で蘇生復活!――犠牲者はただ一人……お前だけさ綾小路月乃。
GM:「UGNエージェント……侮っていましたよ。外から来た者達は、所詮"ゴミ"だと思っていましたから」
霧ケ峰:ふん……UGNにはUGNの戦い方があるのさ。月彦! 私の指示通りに動け!≪アドヴァイス≫≪天性のひらめき≫を月彦へ(コロコロ)……成功!
月彦:おし! 俺は≪フルパワーアタック≫だ!
要:私はアキラの前のワルキューレに攻撃します。さっきと同じコンボですが、今度は敵の足元から地面を突き破って無数の槍のように髪の毛が突き刺さります。そして動きが止まった所を首が伸びて噛み付きます。(コロコロ)……35命中。ダメージは(コロコロ)……34点。
GM:(コロコロ)……無理。死亡した。ワルキューレは残り1体。
月彦:俺を殺した奴だな。遠慮はしねーぜ? 同じコンボ! 陽炎のようにバケモノの姿が一瞬だけ重なり(コロコロ)……命中が40のダメージが61点だ!
GM:吹っ飛びます。
月彦:あとはお前だけだなGPOの班長?
GM:「そのようですわね……ですが、あなた達程度のゴミ掃除、わたくし一人いれば十分ですわ」
月彦:やれるもんなら――
アキラ:月彦! それ以上は手を出すな!
月彦:アキラ?
アキラ:言っただろう? あいつは俺が一撃で沈める! お前は横で魔街のレベルってもんを目に焼き付けときな!
………………………………………………………………………………………………
GM:「そこまでおっしゃるなら……それなりの舞台を用意して差し上げましょう」――セットアップで≪重力の沼≫を使用。まるでこの戦闘空間だけ時間の流れが遅くなった気がします。
アキラ:セカンドアクションが全員不可能って奴か。
GM:「2撃目はありませんことよ?」
アキラ:望むところだ。
GM:「……どうやら、わたくしの言葉が理解できなかったようですわね? あなたは今から死ぬのです。このわたくしの攻撃で」マイナーで≪暗黒の衣≫宣言、メジャーで≪黒の鉄槌≫≪魔王の理≫でアキラを重力で押し潰す!(コロコロ)……42!
アキラ:その重力に一時足が止まりそうになる!!
GM:(コロコロ)……ダメージは36点です――「潰れてしまいなさい!」
アキラ:≪リザレクト≫しつつ一歩一歩進む! この程度か? はぁ!! と気合一閃で重力場を弾く!
GM:「そんな!? 私の重力場が!」
霧ケ峰:≪アドヴァイス≫≪天性のひらめき≫(コロコロ)……成功――狙えヘヴィ・ノヴァ! 奴の弱点はそこだ!!!
アキラ:言われなくてもわかっている!――マイナーアクションで接敵! ≪巨神の斧≫≪漆黒の拳≫≪ダークマター≫≪魔王の腕≫≪魔王の理≫≪ブレインシェイク≫そして≪マシラのごとく≫発動!
GM:要と月彦の行動は?
要:待機。アキラを信じます。
月彦:俺も待機!
アキラ:これで終わりにしてやる! 姉貴には立ち直ってもらう! そのためにはお前は邪魔なんだよ! 姉貴に対するロイスをタイタスヘ! そのままクリティカル−1の効果で昇華!
GM:「その程度の力で、わたくしを倒せると思っていますの?」――こっちも全力で回避させてもらいます。
要:その瞬間! 私の髪が巻きついて動きを止めます。
GM:なに!?
要:アキラ! 私とあなたはGPOとライオット……助け合うのはこれが最後よ!!――私のロイスを昇華して!
アキラ:お前に言われるとはな……要へのロイスを昇華! 合計クリティカル−6だ!
GM:「くっ……花苗要! この裏切り者が!!!」
アキラ:一撃だ!!! 黒い拳が地面をエグリながら綾小路に突き進む!(コロコロ)……(コロコロ)…………114+4で合計118命中!
GM:それは(コロコロ)……無理だ!(笑)
アキラ:(コロコロ)……67+41で108点ダメージ! 黒い拳が綾小路の魔眼ごとぶっとばす!!!
GM:その拳が綾小路に突き刺さり、綾小路の後ろの廃墟と地面がまとめて扇形に吹っ飛ぶ! そして足をがくがくさせて綾小路が――「どうしてそれほどの力がありながら……その力を治安の維持に、平和の為に使おうとしないのです……」
アキラ:………………。
GM:「GPOも……あなた達アザーズも……みな口をそろえて相手の事ばかり……」
霧ケ峰:………………。
GM:「まるで月が太陽を隠した日食のように……隠したモノを見ようとせず、その向こう側ばかり、皆見ようとする……どうして……」
霧ケ峰:何に対して答えれば良いのか迷う質問をする。
アキラ:なら、全部の質問に答えてやるさ――「……自分で考えな」

◆そして魔街は変わらない

戦いが終わりそこは元通りの廃墟が佇むのみ。そこに4人の人間だけが立っていた。
アキラ:姉貴を起こそう。死んでないよな?
GM:はい、リザレクトで復活します――「アキラ?」
アキラ:姉貴、もう現役じゃねーんだ。無理すんなよな。
GM:「悪いね、迷惑かけて……」
アキラ:月彦、オレは姉貴を連れて先に帰ってる。
月彦:ああ。
アキラ:それと……要。
要:なに?
アキラ:………………いや、なんでもねー。じゃあまたな。
要:え? う、うん。
アキラ:オレは退場します。
GM:その前にユカが月彦に話します――「ごめんよ月彦、あんたがそこまでマサキの……彼の事を思っていたなんてね……親友の為だからってなかなか命を賭けてまでは生きられない……正直に話すよ。マサキはあんたの知ってる天城義久という人間だ」――と、とある高校の生徒証を見せます。
月彦:それは……。
GM:「この街で始めて彼を拾った時に、服に入っていたのよ……それを私は……」――まぁ簡単に説明すると、ジャーム化しそうだった義久を、裏ルートで出回っていた薬で落ち着かせたら、上手く記憶も飛んだので、そのままマサキとして一緒に暮らしていたらしい。
月彦:あいつが義久だって事は知ってたよ……あいつを俺が間違えるはずがないからな。
GM:「これからあの薬を断てば、マサキは……いや天城義久は元の記憶を取り戻すと思うわ……だけど――」
霧ケ峰:ジャーム化の危険性もともなう……か。
要:でも、GPOの実験ではその薬で侵食率を低下させた例もあります。
アキラ:本当か?
GM:要の言ったとおりです――「ジャーム化の危険性もある。でも、元通りに戻る可能性もある……選んで月彦、その為にここにやってきたのでしょう?」
月彦:俺は……。
GM:「先に帰っているわ……答えが出たら、あなたも家に帰って来て」――ユカは退場します。
アキラ:今度こそオレも退場だ。
………………………………………………………………………………………………

 要が連絡してGPO第五班が駆けつけた。第10班の面々、そして倒れている綾小路月乃を回収していく。
要:全員を回収して先に市街へ帰っているように班員に告げます。
GM:「は、わかりました!」――第五班の面々は帰って行きます。時刻はそろそろ朝になろうという時間です。
月彦:俺はユカさんに言われてからずっと黙ってた事にしよう。
霧ケ峰:そんな月彦をずっと見守っていた私(笑) だが、いい加減時間だろう……月彦、答えは出たか?――私の呼びかけと共に太陽の光が射してくる。
月彦:横顔が朝日に照らされて決意しよう――ああ、決まった……いや、最初からずっとそれを考えていたんだ。義久には何も告げず、このまま平和にマサキとして生きていて欲しい。
霧ケ峰:記憶のことは告げない……と。
月彦:ああ、告げない。
霧ケ峰:だが、もう薬は無いのだぞ? 横流ししていた奴は倒してしまったからな。
月彦:あ……。
霧ケ峰:もっとも、この街ならいくらでもいそうだけどな。そういう不正が得意な奴が。
要:エッホン! と咳払いします。少し恥ずかしがりながら(笑)
月彦:GPOの?
要:もし、あなたがこの街の平和を望むなら……かつてここがデモンズシティと呼ばれる前の街を望んでくれるなら……私はいくらでも協力しますよ。
月彦:それは――。
霧ケ峰:そういう事だ。
月彦:すまない……。
要:スチームハイブロウ……この度の件、UGNよりのご協力感謝します。私はいったん市街へ帰ります。よかったら市街まで送りますが?
霧ケ峰:いや、先に行ってくれ。
要:退場しましょう。あとは任せます。
霧ケ峰:では2人きりになった所で月彦に近寄って行って聞くか……それで? お前はどうするんだ? 外へ戻るか? そして……UGNへ。
月彦:いや、俺もこの街へ留まる。あいつがいるなら、ここが俺の居場所だから。
霧ケ峰:そうか……。
月彦:あんたとは、もう二度と会わないかもな。
霧ケ峰:ああ。
月彦:俺は高遠家に向かって歩き出す――元気で――そう、一言だけ呟いて。
霧ケ峰:私もすれ違いながら返そう――
ああ、お前"達"もな――

■エンディング・フェイズ■

◆新たなる伝説

高遠アキラはその後、姉のいる家を出る事にした。
――姉の傍にはマサキがいてくれる。もう、心配はいらないだろう。
そして、前々から思っていた事を実行する事にする。それは……
GM:ではエンディングです。まずは――
アキラ:オレは家を出て市街へ乗り込む。どうしてもやりたかったんだ(笑) 一応、ライオットのメンバーには最後に会っておくぜ。
GM:ではそんな日、ライオットのメンバーが、そして深谷鉱が言う――「行くって本当ですか!?」
アキラ:ああ。
GM:「でも、なんでいまさらあんな旧世代の街へ……」
アキラ:なぁに、ずっと向こうにいるつもりはねぇよ。
GM:「気をつけてください。アキラさん」
アキラ:誰に物を言ってるんだ? オレを誰だと思ってる……じゃあな。背を向けて去っていくオレ。
GM:そして目の前には市街へと続く門と、GPOのメンバー達!――「これ以上、アザーズが侵入する事は許可されていない。ただちに立ち去りなさい!」
アキラ:その程度でオレを止めれると思っているのか?
GM:「なに!?」
アキラ:拳をGPOに、そして扉に突きたて――

「一撃だ!!!」

◆自由

デモンズシティ・市街……平和な日常を装うその街で、一人公園のベンチに腰掛、その平穏をただ見つめる男がいた。
GM:では霧ケ峰、キミの携帯が突然着信を告げます。
霧ケ峰:まぁ来るとは思っていたからな――こちらスチームハイブロウ……リヴァイアサンですか?
GM:「さすがですね」
霧ケ峰:そうでもないですよ……任務には失敗しました。――霧谷にはそう報告します。
GM:「……そうですか」
霧ケ峰:はい。
GM:「わかりました。任務失敗は少し痛いですが、それ以上あなたがそこに留まる理由はありません。すぐにこちらから手――
霧ケ峰:いや、必要ない。
GM:「――を回し……え?」
霧ケ峰:その必要は無い……そう言ったんだ。リヴァイアサン。
GM:「それはどういう事でしょうか?」
霧ケ峰:この街に来て、私はいろいろ考えさせられた……そして、私は一つの結論に達したんだ。
GM:「結論……ですか? それは――」
霧ケ峰:それは――自由さ。この街でそれを知った。私も、私の思った通りにやってみたいと思う。だから私は、UGNを抜ける。
GM:「エージェントを辞める……と?」
霧ケ峰:ああ。
GM:「それは、UGNが……いえ、アクシズがたった1回の失敗で、あなたをそこに送り込んだからですか?――UGNに裏切られたと?」
霧ケ峰:そうは思っていない。ただ、もう帰る気は無いんだ。私は……好きにやる。
GM:「決意は固いようですね」
霧ケ峰:すまない。
GM:「わかりました、ただいまを持ちまして、エージェント"スチームハイブロウ"霧ケ峰理と解任します。お疲れ様でした」――電話が切れます。
霧ケ峰:私は電源の落ちた携帯を見つめた後、携帯を公園のゴミ箱に投げ捨てる。
GM:これからどうするのですか?
霧ケ峰:まずは姿を眩ますさ。アクシズなどの秘密を知ってしまった私を、奴等が見逃すとは思えないからな……私はそのまま市街の雑踏へと消えていきます。だれにとも無く呟こうか――

「私は裏切られたとは思っていない……
       なぜなら、私達こそ裏切り者(ダブルクロス)なのだから……」

◆正義と平和と

市街にある市政局。そこのビルの一角にその組織の本部はあった。Gurdians the Public Order――すなわちGPO本部である。GPOはオーヴァードのみで構成された市街の治安を護る部隊である。今、市街を見渡せる窓張りになっている部屋には、第5班班長花苗要が報告を行っていた。
GM:では要はGPO本部で報告してます。目の前にはGPO隊長の神野雅彦です。
要:――以上です。
GM:「第10班班長綾小路君は死亡ですか……」
要:事件はまだ解決していません。まだ、犯人を捕まえる事ができていませんから。
GM:そうなのか?
要:だって私が新たな犯人になったので(笑) なので事件は終ってないと報告します。
GM:「では、キミの班にはこの件を継続して担当してもらう。今度こそ結果を出してくれたまえ」
要:もちろんです。綾小路さんの死は無駄にしません――そして私は第5班に戻って班員に告げます――これよりスラムへ降りて事件の調査に向かいます。
GM:「はっ!」
要:このシティの平和は、私達が護るのです!

「(……そして少しずつでも、この街が変わっていければ……)」

◆ベスト・フレンド

雨の降るスラムの廃墟。その軒下で月彦は一人雨宿りをしていた。空を見上げるが止む気配は無い。
月彦:雨空を見上げれば、厚い雲が青空を覆っていた。
GM:雨宿りをしている月彦の前に、傘を差した男が立ち止ります。その顔は傘に隠れて見えません。そして――「何を……見ているのですか?」
月彦:その声は……ってだれ?(笑)
GM:"先生"と呼ばれていた男です。
月彦:その声は……あんたが"先生"か。
GM:無言ですか傘の向こうで男が頷く気配がわかります。
月彦:――空を見ていたんだ……ずっと。
GM:「空を……?」
月彦:でも……もう見えなくなっちまったよ。
GM:「それが、あなたの決断ですか」
月彦:間違った選択をしたとは思ってない……今も、そう信じてる。
GM:「彼は……義久ではなく、別の道を歩むのですね」
月彦:ああ。それでいいんだ……人は変わっていくものだから……そう、この空のようにな。
降っている雨がポツリポツリと小降りになっていった……
月彦:だからって、空が無くなるわけじゃない……あいつが、あいつでなくなるわけじゃない。だったら俺は、いつまでもあいつを守って行くさ。
そして完全に雨が止んだ。
GM:先生が傘を差したまま言います――「空はうつろうもの……されど空はいつもそこにある……いつかきっと、あなたの思い出の彼と、肩を並べる日が来ますよ」
月彦:へっ……その必要はねーよ――と、言ったところで向こうからマサキがやってくるんだ!
GM:「おーい!」――という声がします。そしてキミが"先生"を振り返ると、すでにそこに先生はいません。
月彦:一瞬だけ驚いてから――ああマサキ! ここだここ!!――マサキの方へ行きます。

「どうした? 誰かと会っていたのか?」
「いや、なんでもねーよ。それよりどーしたんだよ?」
「ああ、さっそく仕事だよ。"何でも屋"開業初仕事さ!!」
「へぇ〜そいつは楽しみだな!」
「詳しい話は昼飯を食べながら話すよ」
「ああ、わかった……ところで昼飯は――酢豚じゃないよな?」
「もちろん――

  肩を組み帰っていく2人。
   その姿にとある高校の制服がかぶる。
    それはまさしく、思い出通りの親友達の姿だった……。


ダブル+クロス The 2nd Edition
『永久の絆を共に誓う』 了



■アフター・プレイ■

月彦:うん。デモンズシティだった!
アキラ:やりやすいですね。やっぱ自由です(笑)
霧ケ峰:おおっぴらに力が使えるってのと、異能の力を他人がすぐに理解してくれるのが動きやすい。
GM:そうですね。魔街は通常のプレイとそこが一番大きな違いですし。
月彦:個人的には、せっかく外からやってきたって背景だったから、オーヴァードの能力を普通に使っている皆を見て驚くようなロールプレイしたかったな。ちょっと後悔。
霧ケ峰:まぁ普通なら、ほとんど全員のPCが魔街出身なんだから今回はそれでよかったんじゃない?
月彦:それもそうか。
要:私はGPOとライオットとかスラムの対立図が好きです。
アキラ:確かにアレは燃える(笑)
月彦:うん、GPOに霧ケ峰さんが出てきた時、なんて美味しいんだって思った(笑)
霧ケ峰:あのシーンは良かったな。
GM:対立は魔街のもう一つの楽しみ方ですからね。
要:敵対するもの同士が、最後は手を取り合って戦う……もちろん一時的なものだけど。
アキラ:それが燃えるんじゃないか(笑)
GM:ロールプレイが面白いのはわかりましたが、実際のプレイの方はどうでした?
霧ケ峰:そうだな。いつものように4人プレイなら、それぞれが別個の情報を持っていて、それを収集するって方向になるけど、魔街だと市街とスラムで別れるから、情報の共有がしやすいな。
要:おかげであまり情報収集って行動をしませんでしたしね(笑)
霧ケ峰:エクリプスって単語自体は調べなかったしな(笑)
月彦:対立のチーム分けが情報の共有化に一役買ってるって所か。
アキラ:とにかくだ! 魔街<デモンズシティ>では好き勝手やれる! これ最高!(笑)
GM:わかりました! では<デモンズシティ>のプレイはこの辺で終っておきましょう。皆さんお疲れ様でした!!!


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