エムブリオマシンRPG ――大退行と呼ばれる謎の文明崩壊が起こり、人々の文明は中世レベルとなった世界、ヴェルム。 ヴェルムは今、戦乱の真っ只中にあった。そしてその戦争の中心は……そう、エムブリオマシン。 遺跡より発掘されるその人型兵器は、支配される側にとって成り上がる為の必須品であり、 また支配する側にとっても、さらに版図を広げる道具であった。 ――創世のエムブリオ―― ◆キャラクター作成 GM:それではこれより『エムブリオマシンRPG』のリプレイを録りたいと思います!一同:『わ〜〜!』(パチパチパチ) プレイヤーA:ロボットモノのTRPGだよね。 GM:そうです。世界観は異世界の中世。 プレイヤーB:異世界ファンタジー? GM:ファンタジーとはちょっと違います。魔法とかモンスターは存在しないんで。 プレイヤーC:代わりにエムブリオマシンというロボットが存在する。そんな所か。
※解説1 「エムブリオマシンRPG」
プレイヤーB:そのロボット……エムブリオマシン(以下EM)ってどれぐらい大きいのですか?こういった解説において、今回プレイする「エムブリオマシンRPG」の説明を補助的に入れて行こうと思う。このシステムはロボット同士のバトルを拘りつつもお手軽に遊べるようにしたシステムである。特に戦闘時の行動を決める『行動の事前決定(プロッティング)』が他に無い面白さを与えている(戦闘についての詳細は後述)。PLはロボット"エムブリオマシン"を駆る傭兵となり、戦乱真っ只中の異世界ヴェルムで冒険を繰り広げる。 GM:それぞれ機体差はあるけど、だいたい3m〜5mだね。重さも3t〜5t。武装は白兵武装、レーザー兵器、ミサイルなどの実弾兵器、変わったのでは陸上機雷なんかも実装可能。EMは遺跡から発掘されるので、レーザー兵器とかも同じように発掘されたものを"理解せずに"使っています。 プレイヤーC:それはEMも? GM:EMも完全に理解していません。昔、EMは遺跡に置いてあるオブジェだと思われてましたが、ある国がそれを起動する方法を解明し、戦争へ軍事利用した事がきっかけで世界に広まりました。ただ、今はその国が崩壊してしまい、EMの原理を説き明かした知識は失われています。 プレイヤーB:なんでその国は滅んじゃったんですか? GM:それは謎ですが……一説にはEMが一斉に止まって動かなくなった……とか言われてます。その原因は不明です。 プレイヤーA:とりあえず私らがEMを動かせるって事に変わりはないし、今は問題無い話かな? GM:そうですね(笑) EMは発掘兵器なので世界中から出土すると言っても数は少ないです。大きな国家でも1000〜2000機所持している程度。小さな国だと10機程度です。プレイヤーの皆さんには、そんな貴重なEMを持った傭兵をやってもらいます。 プレイヤーC:国の騎士であるEM乗りとかじゃないのか? GM:もちろん国にはそういうEM乗りもいますが、偶然EMを手に入れたEM乗りは傭兵になるのが普通です。特定の国家に所属するより実入りが良いですし。名声によっては国から招聘される事もあります。平民が領主になったりと成り上がるには、傭兵が一番と言った話ですね。 プレイヤーA:つまり一介のEM乗りの傭兵として、成り上がりを目指したり、お金を稼いだり、自由に冒険するっていうのがこのゲームなのね。 GM:そういう事です。で、傭兵をやってもらう上で1つだけ覚えておいて欲しい事があります。
※解説2 「傭兵の掟」
プレイヤーA:この掟を破ると賞金首……ね。傭兵が生まれた当初、彼らはEMの力を背景に略奪・裏切り・暴虐の限りを尽くしていました。そんな中、『赤災の嵐』という傭兵団が「殺すな、奪うな、裏切るな」を掟として世間の信用を得、大きな成功を収めました。以後、傭兵達はその3つの掟を遵守するようになり、今では傭兵社会全体にこの掟が広まっています。現在この掟は『赤災の掟』と呼ばれ、これに背くものは賞金首となり、命を狙われるお尋ね者となります。赤災の掟を具体的に言うと――『自衛以外の理由で民間人を殺さない』『民間人の所有物を奪わない』『履行された契約は破らない(裏切らない)』の3つが上げられます。 GM:正確には『掟破り』と呼ばれます。掟破りへの賞金はそこまで大きくないのですが、掟破りを放置しておけば傭兵の信用が落ちていきます。そこで各地の傭兵は掟破りと聞いたら最優先でそれを狩るのが普通です。 プレイヤーC:そこまでの事だと、依頼を受ける時にハメられないように裏を取るのも重要だな。 GM:そこは傭兵の斡旋所を利用するのが基本ですね。国家が運営しているので信頼性の高い依頼を受けれます。 プレイヤーC:なるほど。 GM:ではキャラクター作成に入りましょう。最初に名前と性別、そして性別が女性の場合は[プラセンタ・チップ]の有無を決めます。 プレイヤーB:プラセンタ・チップって何ですか? GM:プラセンタ・チップは操縦者の脊髄に埋め込まれるチップです。これを埋め込まれると機体との交感能力が向上します。 プレイヤーA:ゲームデータ的に言うと、後で取得できる≪戦闘技能≫が1つ多くもらえる。 プレイヤーB:へぇ〜、お徳ですね! GM:ただ、副作用もあってプラセンタ・チップを埋め込むと精神的に不安定になってキレやすかったり、涙もろくなったりします。これはキャラクターシートの負傷欄にある精神的負傷の[微傷]が常に埋まっている状態で表されます。以後、どんな手段を使っても精神的負傷の[微傷]を取り除く事ができなくなります。 プレイヤーB:ちょっと打たれ弱くなるって事ですね。 GM:そういう事だね。 プレイヤーC:それより埋め込めるのが女性だけというのがなぁ。 GM:まぁこれは設定的な問題で、このチップを埋め込む事で、機体は子、搭乗者は母親の関係に近くなります。そして子(機体)に危機が迫った時、母親(搭乗者)は飛躍的に能力が向上する理論と同じなのです。 プレイヤーA:それで発掘される機体をエムブリオマシン(胎児機械)と呼ぶってわけ。 プレイヤーC:男にする利点はない……か。まぁ戦闘だけがTRPGじゃないしな。俺は男で行こう。名前はセロ=パラシオ。17歳だ。 プレイヤーB:私は女の子で行きます。プラセンタ・チップは……なんか埋め込み手術が怖いから無しで。 プレイヤーA:チップは爪ぐらいの大きさで、埋め込めばすぐ細胞と融合するから怖がる必要無いんだけどね(笑) プレイヤーB:そうなんですか? でも……GM、チップって後からも入れれるんですか? GM:費用はかかるけどプレイ開始後でも可能だね。 プレイヤーB:わかりました。ならやっぱり無しで行きます。名前はミリア=フォレス。ミリーって呼んで下さい。年齢は15歳にします。 GM:了解。 プレイヤーA:私は通り名だけでアロウ。21歳の女性でプラセンタ・チップは埋め込み済みで。 GM:では次に父親・母親の出自、そして幼少期と思春期に何があったか、EMの入手経路と傭兵になった理由をダイスを振って決めます。 アロウ:とりあえず私が見本となって振ってみる(コロコロ)……父親が10。(コロコロ)……母親が6。 GM:父親が[狩人]で、母親が[盗賊]だね。 アロウ:父親が街に行った時に出会ったのかな? GM:次は幼少時の経験と、思春期の経験を振って下さい。 アロウ:幼少時が(コロコロ)……9、思春期が(コロコロ)……14。 GM:幼少時に[大都市で過ごし]、思春期に[家族を失った]らしい。 セロ:狩人だから森で過ごすと思いきや、大都市で育ったんだな。 アロウ:そうね……きっと森の生活が辛くなって間引きみたいに街へ捨てられたって事で。 ミリー:アロウさん、なんでわざわざそんな暗い設定に(笑) アロウ:それでグレた私はストリートチルドレンのリーダーやって悪どい事をしてたんだけど……。 GM:思春期に家族――チームの仲間――を失ったと? アロウ:そんな感じで(笑) その街が戦争に巻き込まれて、仲間はみんな死んでしまったの。 GM:うーん、荒んだ人生を歩んでるなぁ。 アロウ:次はEMの入手経路と傭兵になった理由ね(コロコロ)……13と11。 GM:13は[戦場で発見した]。傭兵になった理由は[自分の国を持つため]……平和で戦争の無い国を作ろうと思っているらしい。 ミリー:いきなり良い人に! アロウ:そうだね。辛い子供時代だったせいか、誰よりも平和な世の中を望んでいる。EMは仲間を失った街で打ち捨てられたEMを見つけたって事にしよう。 GM:では両親や経験が決まると、初期の適正値が決まります。
※解説3 「適正値」
GM:次はミリーが振るかい?適正値は7種類あり、このエムブリオマシンRPGでは、この【適正値】+2D10の合計値が戦闘以外での判定に使われる。【ソルジャー】適正は兵士としての職能、肉体的な強さ、病気や空腹に耐える判定。【スカウト】適正は斥候や軽業師、五感の鋭さや隠匿、発見などの判定。【コマンダー】適正は指揮官や指導者、社会性の高さや交渉、尋問や礼儀作法などの判定。【メカニック】適正は整備士や技術者、手先の器用さ、機械操作に音楽に料理、罠の扱いなどの判定。【アカデミック】適正は学者や研究者、知識・記憶・地域情報・遺跡やEMの分析などの判定。【メディック】適正は医師や薬師、怪我や病気・毒の治療、薬草知識などの判定。【カウンセラー】適正は精神科医、観察力、演技力、相手の感情を読む事や、説得や誘惑、嘘の看破に動物の調教などの判定に使われる。 ミリー:はい、やってみます。(コロコロ)……お父さんが[工学者]で(コロコロ)……お母さんが[旅芸人]です。 アロウ:研究熱心で真面目な父親と、自由奔放な母親? ミリー:お母さん、きっと不思議な事をしてるなぁ……ってお父さんに惚れたんです。 セロ:で、すぐ飽きて家を出て行ったと。 ミリー:えええっ!? でも、なんかそれはありそう(笑) GM:「だってお父さん、いっつも研究ばっかりでちっとも構ってくれないんだもの」――とか。 ミリー:そうそう。でも、お母さんはときどきフラっと戻って来きたりするんです。自由人だから(笑) アロウ:なんかミリーは真面目そう。研究で周りが見えなくなる父親と、自由な遊び人な母親の間の子だし。 ミリー:そうですね、きっと家事とかは私が頑張ってます。 GM:では、そんな平和そうなミリーの人生に暗い影を落とさせようじゃないか。経験表を振ってくれ。 ミリー:あ、はい(コロコロ)……幼少期が11です。 GM:[村落で過ごした] アロウ:……普通ね。 ミリー:いいじゃないですか普通(笑) 次が思春期で(コロコロ)……あ、また11。 GM:[村落で過ごした] セロ:……普通だな。 ミリー:お父さんの研究を手伝いながら、ふらっと帰ってくるお母さんの相手をしつつ、少し貧乏だけど健気にすくすくと村で育ちました。 セロ:なんだその、どこにでもいる村娘は!(一同爆笑) アロウ:良い子だ……きっと私たちのチームの良心ね(笑) GM:しかし、そんなほのぼのとした良い子が、どうして傭兵に? ミリー:EMの入手経路と、傭兵になった理由ですね(コロコロ)……EMは[親類から譲られた]。傭兵になった理由は(コロコロ)……[家族を養うため]です。 アロウ:つまりミリーの父親はEMや遺跡の研究者で、発掘したEMをそのままミリーに渡した? セロ:しかし良い成果を上げてなかったから国からの援助金が切れて、ミリーはEMに乗って出稼ぎに? ミリー:良いですね。そうします(笑) GM:……だから、どうしてそこまで普通の子に(笑) ミリー:お父さんがお腹を空かせて待ってます。頑張って仕送りしないと! アロウ:なんかとても小さな幸せな世界が広がっている(笑) GM:とりあえずミリーはOK、最後にセロ行ってみよう。 セロ:父親が(コロコロ)……4番。母親が(コロコロ)……20番。 GM:父親が[山賊]で、母親が[貴族]らしい。 セロ:何? それじゃあ誘拐された貴族の令嬢を山賊が……いや、GM、待ってくれ。俺はもうちょっとプライドのあるキャラが良い。そんな生まれは嫌だ! GM:嫌だって……まぁGMの許可があれば自分で表から選ぶ事も可能だけど……。 セロ:なら、せめて生まれを逆にして良いか? 父親が[貴族]で、母親が[山賊]だ。 アロウ:それって何か意味あるの? セロ:大有りだ!(笑) これなら誘拐された父親が、山賊の頭だった母親を説得、または惚れさせて生まれたのが俺になる。 アロウ:凄い親父ね(笑) GM:でも、どっちにしろ正妻の子じゃ無い気がするんだが。 セロ:まぁ確かに。だが重要なのは俺にも相続権はあるって事だ。 GM:まぁ本人がそれで良いと言うならそれで行きましょう。では経験表を―― セロ:(コロコロ)……20番と6番。 GM:[貴族の中で暮らした] セロ:おおっ! 本当に貴族っぽいぞ(笑) アロウ:信じてなかったの?(笑) セロ:いや、これで[村落で過ごした]とかだと、母親共々追い出されたんだなぁ……とかになりそうだったし。 GM:ちなみに6番、思春期は[差別を受けた]です(笑) 一同:『あぁ〜』(←納得な頷き) セロ:今日も母の悪口が聞こえる……ふん――そして倉庫へ行く俺、そこには4mほどのEMが! と言うわけでEMの入手経路は(コロコロ)……19。 GM:[発掘者から譲られた] セロ:行くぞエーアステ(セロの機体名らしい)、お前の出番だ(コロコロ)……傭兵になった理由は14。 GM:[見聞を広めるため]だね。 セロ:なんか追い出された感じだ(笑) アロウ:正妻との間に、10歳ぐらいの男の子がいて、いい加減邪魔になって来たんじゃない? セロ:かもしれん(笑) GM:では両親と経験から、初期の【適正値】が決まると思います。そこにボーナスとして2枠分、好きな適正値を上昇させて良いです。なるべく3の倍数になるよう調整する事を進めます。 セロ:すでに【コマンダー】が4だしな……一気に6にしよう(笑) アロウ:とりあえずやったけど? ミリー:はい。 GM:3の倍数に達した【適正】は、専用の初期アイテムをもらえます。また、【ソルジャー】【スカウト】【コマンダー】【メカニック】【アカデミック】は、3の倍数に達したごとに、≪戦闘技能≫を1つ取得できます。 セロ:俺は【コマンダー】が6だから2つか。 アロウ:私は【ソルジャー】と【スカウト】と【メカニック】が3だから3つ。それにプラセンタ・チップ分を入れて4つ取れる。 ミリー:ええ!? そんなに取れるんですか? 私なんて【アカデミック】と【カウンセラー】が3ですから、1つだけです……。 アロウ:まぁ【カウンセラー】は≪戦闘技能≫が取れない代わりに、PCの[精神的負傷]を回復できる唯一の【適正】だから、居てくれて助かるから……ね。 ミリー:うう……はい。それじゃあ頑張ります! GM:あとは起動キーの形状と、キミ達の所属している傭兵団の名前を決めてキャラクター作成は終了だ。 ◆EM作成 GM:さて、キャラクターが決まったので次はロボット――エムブリオマシン――を自作しましょう。アロウ:ええ、サンプル機体も良いけど、やっぱりコレは自作しないとね♪(わくわく) ミリー:アロウさん、楽しそうですね(笑) アロウ:もちろん、ロボット戦こそこのシステムの一番面白い所だから! セロ:断言してるしな(笑) アロウ:さぁGM、まずは機体のサイズと重量だよね?
※解説4 「機体サイズと重量」
ミリー:つまり……避けるか耐えるかって事ですか?機体サイズは「SS」「S」「M」「L」「LL」。装甲重量は「軽」「中」「重」のパターンがあり、その組み合わせで移動力、回避値、耐久値、部位装甲値、各部位のスロット数が決定する。SSサイズで軽装甲など小さくで軽くなれば移動力や回避値はアップするが、その分耐久値や部位装甲、各部位に武器を積める数(スロット数)が減る。逆にLLサイズで重装甲なら武器もたくさん積め耐久力も申し分無くなるが、回避はほぼ出来ず移動も鈍重になってしまう。 アロウ:一概には言えないけど、極端に言うとそうかな。 GM:ただ、戦闘は相手の行動を予測することが大事になるから、どっちが強いって事は無いよ。 セロ:アロウはさっき戦闘技能で≪ワイドレンジ≫とか≪狙撃手≫を取ってたから遠距離型か? アロウ:ええ、LLサイズの重装甲で行くつもり。回避はできなくなっちゃうけど、やられる前に大火力で押し切るから。 GM:LL重だと[移動力2][回避値3][耐久力110][合計スロット数14]だね。 ミリー:[移動力]が2とか[回避値]が3って低いんですか? GM:[移動力]は1回の行動で動けるマス数。2歩は正直遅い(笑) アロウ:高低差のある場所を移動したり、森とかの障害物の中を移動すると、通常より1つ移動力が多くかかったりするんだけど……2しか無い私は、平地以外は殆ど動けない(笑) ミリー:いいんですか!? すぐ死んじゃいますよ!! GM:その分、耐久力は組み合わせ中最大だからね。SS軽の最軽量なんかだと60点しか無いのを考えると……。 ミリー:ああ、110って凄い数値なんですね! アロウ:そういう事。ちなみに[回避値3]も低い。命中は2D10を振ってその合計が、相手の[回避値]以上だったら命中だから、3なんかだとまず命中する。 セロ:まぁ耐える機体だし問題無いんじゃないか? それで……ミリーはどうしたい? ミリー:私は当たるの嫌だから軽い機体が良いです。……外見は普通のサイズにしたいから、Mサイズの軽装甲にします。 GM:M軽だと[移動力6][回避値8][耐久力70][合計スロット数11]だね。 ミリー:軽いと思ったのに……それでも[回避値8]ですか。五分五分以上の確率で当たっちゃうんですね……。 GM:いや、攻撃を受けた時に、キミの機体が移動を行っていたら[回避値]がプラス4される。さらに武器にはそれぞれ適正距離があって、その適正距離を外れる1マスごとに、命中に−2の修正が加算される。 ミリー:えっと……つまり?
※解説5 「EMの命中と回避」
アロウ:他にも森の中にいると回避値が+2されたりとか、地形によっても修正は入るから注意してね。命中は相手の回避値を目標に2d10を行い、回避値以上を出せば命中します。この時、対象が同セグメント中に移動を行っていた場合は命中に−4。攻撃側が1ターン使って照準の行動を行っていれば命中に+4、攻撃側が同武装で同対象を連続攻撃していれば命中に+2、など修正が入る。また攻撃側は武器の適正距離からいくら外しているかで命中に−2ずつの修正を受ける。 (例:ミドルレーザーの適正距離は3〜4である。対象までの距離が6だった場合、差分の2マス……1マスで−2ごとなので……命中に−4の修正が入る) ミリー:じゃあ私は移動して森の中にいるだけで回避が+6されるんですね。14なら……うん、当たらない気がします♪ GM:その機体は常に移動しつつ攻撃するパターンだね。セロはどうする? セロ:俺はSサイズの中装甲にしよう。 GM:S中だと[移動力6][回避値7][耐久力70][合計スロット数9]だね。 ミリー:あれ? 私より軒並み数値が低くありませんか? セロ:その分、[部位装甲]はミリー機より高いからな。
※解説6 「EMの部位装甲」
アロウ:例えばミリーの機体の胴体は[部位装甲16]だけど、セロの機体だと[部位装甲19]もある。セロ機の方が長期的に見ればタフって事。各部位(頭や右腕など)に命中した際、一度のダメージで部位装甲値以上のダメージを被弾すると、その部位に取り付けてある武装が1つ(被弾者が選択)破壊される。その部位にすでに武装が何も無い場合、その部位が全壊してしまい、その部位ごとにペナルティを受ける。特に胴体が全壊した場合、いくら耐久力が残っていても戦闘不能になってしまう。 ミリー:なるほど! GM:ではサイズと重量が決まったので、武装を積んでもらいましょう。さっき言ったスロットの限界まで好きな武装を選んで積んで下さい。ただし、弾薬について注意点があります。弾薬を使う武装を積んだ場合、その対応する弾薬も同じ箇所(右腕にロケット砲を積んだら、同じく右腕にロケット弾薬を)に積んで下さい。 ミリー:そっか、銃には弾が必要ですしね。 セロ:だが、レーザーに代表されるエネルギー兵器は違うんだったな? GM:ええ、エネルギー弾薬は電池みたいなものなので、搭載武器と違う場所に積んでても構いません。 ミリー:じゃあレーザーとかの方が有利じゃないですか。 アロウ:その分、レーザーとかは実弾兵器に比べて威力が低いから、一長一短。 ミリー:うう……迷いますね。最適射程とか考えると全部の距離をまかなうのはむずかしい気が……。 セロ:当たり前だ!(笑) お前の機体はそんなにたくさん武装を持てないだろうが! ミリー:で、でも、距離の計算とか1マスで2マイナスとか……。 セロ:そういうのが大変なら白兵主体にしておけば良いだろう。それなら近づいて攻撃すれば良いだけだ。 ミリー:あっ! それもそうですね! 私は白兵戦を専用にします♪ アロウ:で、私は遠距離型……セロは? セロ:Sサイズだからそこまで武装を搭載できないからな、白兵と中距離砲を1つずつって感じか。 GM:セロは汎用機だね。いろいろできる代わりに、読み合いが大変だ。 セロ:ふん、読み勝ってみせるさ(笑) ◆創世の傭兵団――自己紹介―― GM:では自己紹介をしましょう。まずはアロウからかな?アロウ:名前はアロウ。本名は別にあるけど、ストリートチルドレンをやってる時の通り名が気に入ってるから、そのまま使ってる。 GM:両親に捨てられたんだっけか? アロウ:そういう設定にします。盗賊と孤独な狩人だし。子供はいらなかったみたい。 GM:なるほど。 アロウ:それでも街で同じような境遇の子供達とチームを組んで生きてきました。ただ、街が戦争に巻き込まれて、その仲間達とは……。 GM:再び孤独になった……と。 アロウ:その時、街を蹂躙したEMの一機を発見して、それを自分の機体にしました。そして……もう二度と、こんな悲劇は繰り返させない! こんな戦争だらけの世界を終わらせる!――とEM乗りの傭兵になりました。 セロ:凄い奴だ(笑) ミリー:カッコイイですね! GM:年齢的には一番年上かな? PC達は全員同じ傭兵団なのでキミがリーダー? アロウ:【コマンダー】が高いセロじゃないの? セロ:俺は最近入ったばっかりで今回が初仕事……みたいな新人が良いんだが。 ミリー:私は……遠慮したいです……。 アロウ:じゃあ私は副団長で(笑) GM:団長いないじゃん(笑) アロウ:まぁなんか事情があって団長は不在なの。私は留守を任された副団長。プラセンタ・チップを入れてるから、ちょっと精神的に追い詰められるとパニクる癖がある。だから団長は別の人がいるって事で。 GM:了解。一応チーム名を決めて欲しいんだけど……。 アロウ:じゃあ『創世の傭兵団』で。 セロ:大きく出たな!!(笑) アロウ:いいじゃない、名前負けしないような傭兵団を目指しましょう(笑) GM:アロウの適正は? アロウ:【ソルジャー】【スカウト】【メカニック】……EM知識と戦闘全般。それが得意かな? セロ:まさに傭兵の見本だな。 名前:アロウ 年齢:18(女) プラセンタチップ:有 目的:平和な戦争の無い国を作りたい EM:戦場で発見した 起動メタル:武器 父親:狩人 母親:盗賊 幼少期:大都市で暮らしていた 思春期:家族(仲間)を失った 【適正】 ソルジャー:■■■ スカウト:■■■ コマンダー:■ メカニック:■■■ カルデア鉱石数:3個 所持品:旅装一式、食料、剣、単発銃、望遠鏡、工具 戦闘技能:≪狙撃手≫、≪ワイドレンジ・短距離(ロケット砲を指定)≫、≪ワイドレンジ・長距離(ロケット砲を指定)≫、≪クオリティアップ≫ ◆アロウ機 機体名『バリスタ』 LLサイズ/重装甲 移動力:2 回避値:3 耐久値:110 頭部(2):スナイパーライフル、バレット弾薬 胴部(2):スパイク、アンカー 右腕(3):ロケット砲、ロケット弾薬、ロケット弾薬 左腕(3):ガトリングガン、バレット弾薬、バレット弾薬 右脚(2):ホイール、陸上機雷 左脚(2):ホイール、陸上機雷 説明:長距離から最大ダメージを撒き散らす遠距離砲台型機体。近距離に入られた場合、脚部に積んだ陸上機雷と胴部のアンカーによってトリッキーに牽制する。 ミリー:えっと……ミリア=フォレスって言います。15歳の女性です。ミリーって呼んで下さい。 GM:ミリーのお父さんは工学者だよね。 ミリー:はい。正確には村の近くにある遺跡の研究をしている考古学者とかEM研究者って感じが良いのですが……。 GM:OKOK、何も問題無いよ。 ミリー:では、そんなお父さんに旅の途中だったお母さんが興味津々で近づいて……そのまま私が生まれました。小さい頃はまだお母さんも村にいたんですが、少し経つと勝手に旅に出るように(笑) アロウ:自由奔放なお母さんだ(笑) ミリー:それでも年に何回かは帰って来ますし、私は研究一筋のお父さんの面倒も見ないといけないので、そこまで気にしてません。村で平和に育って平和に暮らして来ました。 セロ:まったくほのぼの人生め(笑) ミリー:ただ、最近、お父さんの研究に見切りをつけたのか国からの援助金が出なくなって……遺跡で発見したEMをお父さんから貰って、それで生活費を稼ぐために傭兵になりました。待っててねお父さん、ちゃんと仕送りするから! GM:良い子や。 アロウ:本当に。 ミリー:あ、そんな感じなのでプラセンタ・チップも入れてません。お父さんの影響で【アカデミック】が高いです。それと【カウンセラー】も高いです。 セロ:村でも評判の娘さん……とかだったんだろう。みんな何かしら話しに来る(笑) ミリー:ちゃんと聞きますよ? あ、でも今洗濯物を取り込みますから、その後で良いですか?(笑) 名前:ミリア=フォレス(通称ミリー) 年齢:15(女) プラセンタチップ:無 目的:家族を養うため EM:親からもらった 起動メタル:指輪 父親:工学者(考古学者) 母親:旅芸人 幼少期:村で育った 思春期:村で育った 【適正】 スカウト:■ メカニック:■ アカデミック:■■■ メディック:■■ カウンセラー:■■■ カルデア鉱石数:3個 所持品:旅装一式、食料、剣、地図とコンパス、お香 戦闘技能:≪広視界≫ ◆ミリー機 機体名『アベイユ』 Mサイズ/軽装甲 移動力:6 回避値:8 耐久値:70 頭部(1):ムーブセンサー 胴部(2):ムーブセンサー、シールド 右腕(2):クロー、パイルバンカー 左腕(2):ランス、パイルバンカー 右脚(2):ホイール、パイルバンカー 左脚(2):ホイール、パイルバンカー 説明:クローとランスを持ち、一撃必殺のパイルバンカーを4本も装備した超近接型機体。射撃武器を装備していないのは、ミリーが遠距離計算を嫌がったためである。 GM:最後はセロだね。 セロ:名前はセロ=パラシオ。17歳の男だ。貴族の父上が誘拐され、誘拐犯だった山賊の母との間にできた子。 アロウ:父さん凄いよね(笑) セロ:まぁ、親権は父上が奪ったので、ずっと貴族の中で育ちました。正妻に跡取りがいないって言うんでいろいろありました。 GM:でもやがて正妻にも男子が産まれて……。 セロ:そう――「あの子は山賊の子よ」――とか、思春期にかなり差別を受けた。ただ、それまでは帝王学をさんざん学んで来たので【コマンダー】適正は凄いある。 GM:初期値で6は多いからなぁ(笑) セロ:傭兵になった理由は見聞を広めるためだけど……ていよく追い出された感が強い。 アロウ:創世の傭兵団のメンバーとしては一番の新人がやりたいんだっけ? セロ:ああ、入らせてもらう。 アロウ:なんか偉そうな(笑) セロ:普通だと思ってるから(笑) 名前:セロ=パラシオ 年齢:17(男) プラセンタチップ:無 目的:見聞を広めるため EM:発掘者から譲られた 起動メタル:板(カード) 父親:貴族 母親:山賊 幼少期:貴族の中で暮らした 思春期:差別を受けた 【適正】 ソルジャー:■■ コマンダー:■■■■■■ アカデミック:■ カウンセラー:■ カルデア鉱石数:3個 所持品:旅装一式、食料、剣、礼服×2 戦闘技能:≪鼓舞≫≪察知≫ ◆セロ機 機体名『エーアステ』 Sサイズ/中装甲 移動力:6 回避値:7 耐久値:70 頭部(1):エネルギー弾薬 胴部(2):バーニア、バーニア 右腕(2):ラージレーザー、シールド 左腕(2):ヒートソード、シールド 右脚(1):エネルギー弾薬 左脚(1):エネルギー弾薬 説明:遠距離でラージレーザー、近距離でヒートソード。遠近両用・縦横無尽。汎用性・機動性にも優れた機体。左右の腕にはシールドを装備し軽装の騎士を思わせるEMである。 ◆宿場町ドルチ
大陸中央部、マイトレイヤ渓谷の近くにある宿場街ドルチ。
GM:では本編を始めましょう。場所はゴルディオス帝国の南部、マイトレイヤ渓谷付近にある宿場街ドルチです。ここ十数年で大国となったゴルディオス王国の政策により街道を整備されたこの町は、王国の発展とともに人々が安心して休める宿場街へと発展した。 アロウ:けっこう大きめの街なの? GM:ゴルディオス帝国の政策によって、街道とか整備されだして発展した街の一つなのでそれなりに大きいね。 ミリー:ここの街も結構大きいですね。私の村とは活気が違います♪ GM:3人はすでに組んで傭兵団をやっている設定で良いのかな? ミリー:私はお父さんから貰ったEMに乗って簡単な運び屋とかしていたら、アロウさんに誘われました。 セロ:俺は……まぁ、まだ決めてないが、とりあえず『創世の傭兵団』には入ったばかりだ。EM乗りの傭兵としては駆け出し。 GM:なるほど……そして団長は不在と(笑) アロウ:そう、何か所用があって不在中。なので副団長の私が仕切ってます。まずは斡旋所に行って仕事を貰いましょう。カルディア鉱石もそろそろ残数がキツくなって来た頃合いだしね(笑)
※解説7 「カルディア鉱石」
ミリー:3つあります。カルディア鉱石はEMの燃料になる稀少鉱石である。EMは徒歩や簡単な行動を行う[通常起動]と、戦闘などの激しい行動を行う[戦闘起動]の2パターンの起動を行う事ができ、[通常起動]は燃料を(ほぼ)消費しないが、[戦闘起動]ではカルディア鉱石を1つ消費する。また、この[戦闘起動]は10分しか持続せず(起動後は1時間EMが動かなくなる)、燃料の燃費はとても悪い。カルディア鉱石は1つあれば10日〜20日の宿泊費込みの宿泊費に換算でき、初期PCは3個のカルディア鉱石を所持している。 セロ:正確には3つしかない……だな。 アロウ:まぁね(笑) というわけで全員納得の上で仕事を貰いに行きます。 GM:じゃあ宿場街の入り口付近に斡旋所を発見できます。斡旋所の横にはEMを止める駐機場があるので一発だね。 ミリー:駐機場ですか(笑) セロ:すでに何機か止まってるのか? GM:じゃあアルギュロスが2機止まってる。 セロ:アルギュロス……騎士みたいな機体、けっこう出回っている機体だな。 アロウ:さあ、私たちもEMを駐機して斡旋所に入ろうか。仕事の掲示板とか見てみるけど。 GM:掲示板には1件も依頼の張り紙がありません。 アロウ:……ついてないね。 セロ:中にはアルギュロスのEM乗りがいるのか? GM:粗野な感じの男3人組が待合用の長机で反省会みたいなことをしています。一仕事終えた後のようです。 セロ:ふむ。 ミリー:お仕事……無いのでしょうか? アロウ:ちょっと待ってて、直接聞いてみるからさ――斡旋所の人に仕事無いか聞きだす。 GM:カウンターにいたおばさんが――「悪いねぇ、簡単な依頼ならあるんだけど、大きい依頼は今無くてね」 アロウ:簡単な依頼って? GM:「付近に出てくる狼を追い払って欲しいって……ね」 アロウ:それは、本当に簡単な依頼ですね――苦笑しつつ。 GM:「狩人とかに任せればいいのに、まぁこっちは依頼料さえ出してもらえればEM乗りに斡旋はするけど……」 アロウ:一応聞きましょう。報酬は? GM:「1人カルディア鉱石1つずつ」 一同:『………………』 ミリー:さっき言ってた戦闘起動をしただけで利益無くなりますね(笑) アロウ:これはさすがに……。 GM:では、そうやってキミ達が悩んでいると、黒髪でオールバック、モノクル(片眼鏡)をかけた長身の男が入ってきます。身なりはよさげですね。 セロ:貴族? GM:【アカデミック】か【コマンダー】、得意な方で判定してみて? セロ:2D10を振って合計を指定された適正値と足せばいい……だったな(コロコロ)……14だ。【コマンダー】で振った。 GM:礼儀作法はしっかりしてますね。立ち居振る舞いから貴族の出だろうと予想は付きます。ちなみに年齢は20代半ば。 セロ:依頼者だったりするのか? アロウを止めよう。 アロウ:ん? 何?――セロの方へ。 GM:では解放されたおばさんのところへモノクルの男がやって来て――「急ぎの依頼がある。1人につき10払う。EM乗りを雇いたい」 アロウ:10!? ミリー:あの……鉱石10個って高いんですか? アロウ:私たちみたいな初期LVだと1人5個が相場ね。 ミリー:じゃあ、凄いじゃないですか!? セロ:アロウ、受けてしまって良いんじゃないか? EM使って狼退治も無いだろう。 アロウ:わかった――ちょっとすいません。その依頼、私たちにも聞かせてもらえませんか? GM:「キミ達は……表に停めてあったEM乗り達かな?」――ではモノクルの男は斡旋所のおばさんに話を通した後、キミ達に向き直ります――「詳しい話をしよう」
モノクルの男――シュナイダーと名乗った――の説明によれば、この町から半日行ったところに遺跡があり、そこを襲った野盗達を倒して欲しいとの事だった。
セロ:野盗退治か。アロウ:シュナイダーさんは……どうして? その遺跡の発掘隊か何かですか? GM:「いや、発掘隊はすでに襲われて生き残っていない可能性が高い。私はその発掘を進めていたとある貴族の使いでやって来たんだ」 セロ:全滅? GM:「定時連絡が来なくてね……調べさせたらEMを使う野盗が占拠していたらしい。こちらにはEM乗りがいなくてね、こうやって斡旋所にやって来たというわけだ」
※解説8 「先史文明と大退行」
アロウ:一攫千金を狙って遺跡発掘をしていたら、途中から来た野盗達に美味しい所を横取りされた……って事ね。かつてこのヴェルムには優れた文明が存在していた。しかし、ある時期を境にその文明は地上から姿を消す……この「先史文明の消失」は「大退行」と呼ばれ、今だ多くの謎を残している。現在、先史文明時代の遺跡が世界各地から発見されている。その多くは地面に半ば埋まるような形で発見される銀色の船(?)のようなものだ。大きさは納屋から城級まで様々であり、考古学者は「何かの乗り物だったのでは」との説が唱えられているが、学者達は「この遺跡は移動に適さない」との見解を出している。無論、エムブリオマシンもこの先史文明の遺産である。 GM:「野盗達が移動したという連絡は受けていない。すぐに遺跡に向かって退治して欲しい」 セロ:発掘隊の命の優先順位は? GM:「発掘隊はすでに諦めている。あとで新しい隊を組み直すつもりだ。だからキミ達にはあくまで"野盗の全滅(または捕縛)"をお願いする」 セロ:了解。 アロウ:野盗の乗ってるEMの数と種類は? GM:「正確な数はわからないが……ハニービー(良く出土する機体……PL的には雑魚機体である)が2機はあったそうだ」 アロウ:あとは現地で確認しろってことね。 GM:「ああ、そういう事だ。よろしく頼むぞ……ふむ、キミ達の名前は?」 アロウ:私たちは『創世の傭兵団』。 GM:「では創世の傭兵団、頼んだぞ」
モノクルをかけたオールバックの男はそう行って前金を渡し斡旋所を出て行った。
アロウ:狼退治を受けなくて良かった(笑) でも、この依頼ってほとんど直接シュナイダーさんからの依頼になっちゃうのよね?GM:そうだね。成功報酬とかは斡旋所から出るけど、仲介料はあんまり斡旋所に入らない。 セロ:その分、裏を取ってる時間が無かったから信用度は低いな。 アロウ:うん、私もそれを思ってた……。シュナイダーさんを信用しないわけじゃないけど、その野盗とかについて情報収集したい。 ミリー:あ、私も判定してみたいです。 GM:交渉ごと【コマンダー】だね。16以上出たら情報を出しましょう。 ミリー:(コロコロ)……13。 アロウ:(コロコロ)……ファンブル。 セロ:……使えん(ボソっと)
※解説9 「クリティカルとファンブル」
GM:ミリーは普通に目標値に達してないので新しい情報はありません。そしれアロウはファンブルなのでぜんぜん違う情報を聞いて驚愕する(笑)ダイスの出目が20だった場合、その判定はクリティカルとなり通常より良い結果になる。逆に出目が2だった場合、その判定はファンブルとなり、通常より悪い結果となる。これらの結果はGMが状況に応じて考える。ただしEMによるバトルパートの場合、命中によるクリティカルはダメージを+10点追加するものになり、ファンブルの場合はそれぞれの行動に対応した[ファンブル表]を参照し結果を出す。 アロウ:驚愕するんだ(笑) セロ:(斡旋所のおばさん)『そう言えば最近、あの赤き狼と呼ばれる賞金首が近くに来てるって聞いたわね』 アロウ:なんでそっちが話すの!?(笑) GM:いや、それで行こう。たった1機でゴルディオスの砦を落としたり、掟破りの赤き狼を倒そうと10機以上の包囲線をしいたが逆に全滅させられたりと伝説を残す賞金首だ(笑) アロウ:まさか……この依頼!?――生唾を飲み込みます。 GM:「もし赤き狼なら……報酬10個じゃ安いくらいね」 アロウ:!? セロ:俺はアルギュロスのEM乗りたちから普通に聞いていよう(コロコロ)……15だから、21成功。 GM:21!? 【コマンダー】高いからなぁ(笑) セロ:――で、この辺りの野盗なんだが……。 GM:(アルギュロス乗り)「いや、この辺りでそんな噂は聞かないな。赤き狼を見たって話もあったが……まぁ、眉唾だろう」 セロ:どこかの国がEM戦の演習でやって来ているとか? GM:「それも無いんじゃないか? そういう場合、その場所に入り込まないよう斡旋所にもお達しが来る」――斡旋所は国が運営しているので、国軍との繋がりはそれなりにあります。 セロ:ふむ……。とりあえずアロウやミリーと―― アロウ:大変大変! セロ! もしかして相手は……あの伝説の赤き狼――レッドウルフ――かもしれない!! GM:動揺しているなぁ……アロウは[精神的微傷]を受けて下さい。
※解説10 「負傷」
アロウ:プラセンタ・チップを入れてて、すでに[精神的微傷]は埋まっているので……精神の負傷段階が[軽傷]になりました。キャラクターが負傷した場合、その原因によって負傷チェック欄にチェックを入れる。負傷チェック欄は「微傷」「軽傷」「重傷」「瀕死」とあり、同じ原因が繰り返された場合、負傷段階は一段階上昇する。ただし現在より段階が低い負傷の原因を受けても、負傷の段階はそれ以上上昇しない。キャラクターが死亡する時は瀕死の状態からさらに負傷の段階が上昇した場合である。負傷段階は肉体的負傷と精神的負傷がある。 セロ:いきなりか!(笑) GM:うーん、【カウンセリング】適正が3以上の人がいれば治療できるけど? ミリー:あ、私持ってます。アロウさん落ち着いて下さい。そんな凄い人が相手なわけないじゃないですか?……えっと、判定は? GM:【カウンセリング】で目標値13以上。 ミリー:なだめましょう(コロコロ)……7。それに適正が3なので合計10。 GM:失敗。 セロ:説得力無い宥め方だったしな。 アロウ:じゃあパニクッてる――いや、いくら相手がレッドウルフだったとしても、こちらが先に発見して奇襲を……いや、いっそヒット&アウェイの一撃離脱を繰り返せば……ぶつぶつ。 ミリー:アロウさんが……アロウさんが……(笑) アロウ:プラセンタ・チップを入れてるので、いざとなると弱いのよ(笑) まぁ少しすれば落ち着くから。 ミリー:えっと……どうしましょうか? セロ:まぁ、その賞金首がいるとは思えない。ただ、通常の2倍の報酬というは気になる。注意に越した事は無いが……今は行くしか道が無いな。 ミリー:……そうですね。 ◆暗き森の中で
ドルチの町を出発し半日。すでに日はとっぷり暮れ、辺りは夜の闇が降りていた。
GM:では町を出発したキミ達は、遺跡があるという森へ来ています。すでに日は暮れ夜です。森の中で夜になったと思って下さい。場所は依頼の遺跡がある森の中。3機のエムブリオマシンが進む。 アロウ:ここで夜営をするか迷う所ね。 ミリー:EMって暗いと動けないんですか? セロ:いや、完全な闇だと無理だが、星明りでもあれば十分視界は確保できるはず。 GM:うん、夜でも空には星が出てるし問題なく行動は可能。 アロウ:じゃあ先に進みましょう。 セロ:……まぁ相手の事が何も解らないからな、今は進もう。 ミリー:わかりました。 GM:さらに森の中を進んでいくと……【スカウト】適正で判定してくれるかな? 16以上の人? アロウ:……私だけね。達成値は21。 GM:それは高いな。斜め前方に小さな山小屋を発見する。 アロウ:細かい通信は出来なくても外部スピーカーがあったはず。それで山小屋の事を伝える。 セロ:明かりは? GM:ついてない。 ミリー:行って見ましょうか? アロウ:いや、今は目的地の遺跡を目指しましょう。敵の姿を確認もせずに寄り道するのは、何かあってからが怖いし。 ミリー:そう……ですか。 セロ:アロウに従おう。別に今はどちらでも構わないしな。 GM:ふむ……ではキミ等がさらに進んでいくと、もう一度【スカウト】で判定してくれ。 アロウ:今度こそ野盗かな?(コロコロ)……10。 ミリー:……8です。 セロ:俺が19だな。 GM:少し行ったところで茂みに大人の男が逃げていくのを発見します。 セロ:手を振ってEMを止め、2人に野盗に見つかったんじゃないか……と説明しよう。――どうする? ミリー:それじゃあ急いでいかないと!? アロウ:いや、どうせ見つかったのなら、さっきの山小屋まで引き返しましょう。こちらが何目的の集団かわからなければ警戒だけしてると思うし。下手したら徹夜で(笑) セロ:GM、男が逃げて行った方角と、シュナイダーから聞いた遺跡の方角は? GM:同じだね。 セロ:くだんの野盗だな。俺はアロウの案に賛成だ。こちらの戦力がEM3機なら、向こうもEMで来ないと潰せないはず、それなら山小屋にいても見張りを立てておけば気がつかない道理は無い。 アロウ:ミリーはそれでいい? ミリー:あ、はい。私は元々、あの山小屋が気になってたので(笑) GM:OK。ではキミ達は道を引き返して山小屋へと向かっていく。
その山小屋は一軒屋と言うより、狩りなどの休憩所と言う程度の大きさだった。
GM:じゃあ山小屋の前まで戻って来ました。明かりも付いておらず、遠目から見ただけでは人がいるとは思えなかった。 アロウ:EMを降りて一応――「誰かいますか?」――とかは聞いておこう(笑) GM:【スカウト】で判定してみて? アロウ:ええ!? 本当にいるの?(笑) (コロコロ)……16成功だけど。 GM:山小屋のカーテンの影から、14歳ぐらいの女の子がチラっとキミ等を見たのを発見します。 アロウ:あっと……本当にいた(笑) しかも一般人っぽい……どうしようかな。 セロ:判断は任せる。 アロウ:そうか……うーん。 GM:まぁ、迷うなら――ドバンッ! と扉を開けてその女の子が――「やっと来てくれた! あなた達、助けに来てくれたんでしょ!!」 ミリー:助けに? セロ:違うぞ、野盗を倒しに来たんだ。 GM:女の子は目を輝かせて――「やっぱり! 国の援軍なのね! 遅いよ! 何してたのよ!!」 ミリー:お、怒られました……。 セロ:違うな。俺たちは傭兵団だ。野盗を倒しには来たが、一般人の救出依頼は受けていない。 GM:じゃあガックリします――「そんな……それなら……それならさっさとどっか行ってよ! ここがアイツラにばれちゃうじゃない!!」 アロウ:そうは言ってもね……確かに、私たちはあなたを助けろと言われたわけじゃないし、国の依頼で来たわけでも無い。だけど……倒そうとしているのはこの先の遺跡を占拠した野盗よ?――女の子の顔色を確認します。 GM:それは驚いた顔をしてますね――「じゃあ……あの野盗たちは倒してくれるのね?」 アロウ:少し……話を聞かせてもらえないかしら。 GM:「で、でも……」 ミリー:大丈夫です。私たち、あなたをどうこうしようなんて事は絶対にありません。きっと力になれると思うんです――笑顔で。 GM:女の子は少し迷うけど……「いいわ……入って」 ◆リーザの話
山小屋に入りカーテンを閉めると小さなローソクを1本だけつける。
ミリー:14歳……なんですよね? その年で調査隊の1人ですか!?女の子はリーザと名乗り、遺跡の調査隊の1人だという。 GM:「一応、助手みたいに手伝ってはいたけど……お父さんが調査隊の隊長だったの。それで一緒にね」 アロウ:私たちはさっきも言ったとおり、その遺跡を占拠した野盗たちを退治しに来たの。お父さんたちは?――たぶん結果はアレだけど、聞いてみる。 ミリー:アロウさん……。 GM:「遅いのよ……来るのが。お父さんも発掘隊のみんなも……みんな、あいつらに……」――悔しそうに周囲を見回します。部屋には遺跡から発掘された小さなものや、工具や本などが置いてあります。 セロ:簡易的な資料室か物置だった……そんな所か。 ミリー:きっとお父さんや仲間の人達との思い出が……ジワっと来ます。 セロ:………………(←動揺の欠片も無し)。 アロウ:辛いかもしれないけど、その時の状況を教えてくれるかな?
リーザが言うには、いつのもように発掘作業を続けていたら、急に野盗がやってきて問答無用に皆殺しにあったと言う。リーザは父親や他の仲間達に庇われ、なんとか逃げ出せたらしい。
GM:「ここの小屋から国には鳥で連絡を入れたの……ゴルディオス軍の駐屯地からの助けなら2日も無く来てくれると思ったから、ここに隠れてようって……」アロウ:町まで逃げた方が安全じゃなかったの? GM:リーザは首を振ります――「ううん、もし奴等の目的があれだったら……町で待ち伏せされたかもしれないし……私が捕まるわけにはいかなかったから……」 セロ:目的? あれ? GM:彼女は一枚のカードプレートを取り出します。美しい女神と文字が掘り込まれてる。まぁ、EM乗りだからそのプレートの金属感から解るだろう……EMの起動キーだね。 アロウ:それは……EMの? GM:「丁度、遺跡から珍しいEMとその起動キーが発見されたばかりなの。国に連絡を入れて、成果を確認してもらうための査察隊に来てもらう話になってたのに……その矢先に、あいつら……」 アロウ:情報をかぎつけて……か。 セロ:もしくは……。 アロウ:……まぁ、予測の域ね。どちらにせよ、野盗たちの目的は遺跡から発掘された新型EMの可能性があると? GM:「わからないけど……もしかしたらって……それなら、お父さんたちのためにも、このカードをあいつらにだけは渡したく無かったから……」――リーザはそれをギュッと握ります。震えるほど握り締める少女から、その悔しさが伝わってきます。 ミリー:ああ……私も一緒になってつい拳に力が入りそうです。 アロウ:私はどうかな。心情はわかるけど、どこか冷めた部分もあるし……。 セロ:お前の知っている事はその程度か――リーザに聞こう。 GM:ぶった切って来たね。リーザは怒りの矛先をキミに向けるように睨み付けます。 セロ:気にしない――シュナイダーという男を知っているか? GM:「シュナイダー? 誰よそれ、知らないわよ! それが何か関係あるの!」 セロ:そうか。……なら、いい。 GM:「な!……なんなのよ偉そうに!! EM乗りは義理堅いとか、約束は守るとか言ってるけど、思いやりの欠片も無い最低な連中じゃない!!」 セロ:気にしない。無視して腕でも組んでる。 ミリー:私はショックを受けました。[精神的微傷]に入れておきます。 アロウ:ああ、関係無い部分でダメージが(笑)――あ、えっと……リーザ、さっき言ってた新型EMって? GM:「……アルテミスのこと?」 アロウ:アルテミス? GM:「うん、遺跡の中で発見された機体なんだけど、起動キーが近くから見つからなかったの……それで遺跡全体を調査することになって……やっと見つけたコレに」――とリーザは起動キーのカードに掘られた文字を一文字づつ発音します――「ア・ル・テ・ミ・ス……たぶんそれが機体の名称だと思う」 ミリー:それは……そんなに珍しい機体だったんですか? GM:「お父さんの受け売りだけど、特殊な専用兵器を使用可能に作られた機体じゃないか……って。胴体の部分に追加スロットが付いてるんだけど、それが通常の規格とは違うみたいで」 ミリー:それは確かに……特殊ですね。 アロウ:もし野盗の狙いがそのアルテミスだった場合……リーザは危険ね。 セロ:さっさと町まで歩かせれば良い。野盗は俺たちが倒すのだしな。 GM:森の中には狼がいますが? アロウ:あ゛……そういえば、狼の依頼なんてあったわね(笑) ミリー:じゃあ私たちのコックピットに一緒に乗ってもらうのは? セロ:狭いぞ? GM:まぁ、乗れることは乗れますが、リーザが同乗した場合、全てのEM操作の判定にペナルティを受けてもらいます。 ミリー:えっと……じゃあ戦闘の時だけリーザに降りてもらうとか? GM:構わないけど、巻き添え食らった場合、一発で死ぬので注意してね。 ミリー:あぅ。それは危険過ぎます……。 セロ:ふん、放っておけ。どうにも出来ないなら、ここに隠れさせておくしかないんだ。……おい、毛布か何かは無いのか? GM:リーザは無言で毛布代わりになりそうな薄布を丸めて――「えっらそうに!!」――薄布投げ付ける(笑) セロ:普通に受け取って横になろう――見張りの交代になったら起こしてくれ。 アロウ:3交代にしましょうか。 ミリー:はい。わかりました。それじゃあ最初は私で良いでしょうか? アロウ:別に良いけど……どうして? ミリー:ちょっと――と部屋の中の出土品とか見てます。 アロウ:そっか、あならのお父さんも考古学者だったわね。わかった。3時間経ったら私を起こして――私も寝ましょう。 ミリー:では……――リーザ、この発掘品ってもしかして……と話かけます。村で遺跡発掘を手伝っていたので、とても懐かしいです。 GM:ふむ、それについてはリーザも同じ境遇だし、今の状況を忘れるように話してくれる――「そうなの! こっちの小さいのが時刻によって……」――とか。 ミリー:「あ、もしかしてここを捻ると……」 GM:「あ、それはダ――キャッ!」――とはとが飛び出す仕掛けだったり(笑) セロ:どんな発掘品だ(笑) ミリー:リーザと笑い合います。 GM:うん、リーザはとても楽しそうだ。警戒心を解いた笑顔を見せてくれる。 ミリー:ええ、私も楽しいです。なにか同好の士というか……妹のような。そんな感じです♪ GM:では楽しい時間はあっと言うまに過ぎて―― ミリー:あ、起こしません。楽しいまま語り明かします。 GM:えっと……それは徹夜? ミリー:それは……まぁいいです! リーザが寝るまで、リーザが寝ないなら徹夜で(笑) GM:リーザは(コロコロ)……うん、寝ないらしい(笑) ミリー:(徹夜なので[肉体的微傷]にチェックを入れている) GM:では起きてるミリーは途中で【スカウト】判定して下さい。 ミリー:なんだろう(コロコロ)……16です。 GM:外から監視されてる気配を感じます。 ミリー:窓際から外を観察します GM:その気配は去って行きますね。達成値高かったので教えますが……野盗なんかではなく、なんかプロっぽい感じがしました。 ミリー:うーん、なんだったのかな……でも襲ってくるわけじゃないし、警戒は解かずにリーザと話を再開します。 ◆野盗退治への出発
結局、その夜は野盗も謎の監視者も襲ってくることなく朝となる。
アロウ:解らない事を考えても無理があるわ。情報が少なすぎるしね。一応ミリーは、謎の観察者のことをアロウとセロに話すが、結局何も解らず、今は警戒するに留める事に。 ミリー:そう……ですね。 アロウ:それより、リーザのことで一つ思いついたことがあるの。 ミリー:なんですか? アロウ:アルテミスのカードを私たちに預けてもらって、ここで隠れていてもらう。 ミリー:えっと……それのどこが安全なのですか? 結局見つかったら殺されちゃうんじゃ……。 セロ:いや……カードの行き先か。 アロウ:そう。リーザが捕まってもカードの行方がわからなければ、リーザの命は保証される。 ミリー:ああ♪ セロ:だが……おいリーザ。 GM:ムっとしつつやってきます――「なによ」 セロ:そのアルテミスの起動キーだが、手放す気はあるか? GM:「あるわけ無いでしょう! 何言ってるのよ! これは私とお父さんとの絆なんだ……EMが見つかっても、起動キーが見つからなかったら何も意味無いし。1年以上経つころ……国からの援助金はどんどん縮小されていって……それでも、ずっとあきらめ無いで頑張った成果なんだ!」 ミリー:援助金打ち切りにまたも共感の涙が……(涙) セロ:じゃあどうする? GM:「私は待ってる。このカードを国の人に渡すまで……もうすぐ、もうすぐ来るはずなんだ」 アロウ:でも、野盗に見つかったら殺されるかもしれないのよ? GM:「見つからないかもしれないじゃない!」 アロウ:でも見つかるかもしれない。少なくとも、私たちに預けてくれれば、そのカードは奴等に渡らないし、あなたの命も保証される。 GM:「だから渡せって? そんなの嫌! 3年……3年もかかったのよ!? これが発見されるまで! 昨日今日会ったあなた達にわかってもらおうなんて思わないけど……これは、これはお父さんや皆の、やっと叶った希望の鍵なんだ!」 アロウ:言葉に詰まる。 ミリー:気持ちがわかるだけに、強引に奪うなんてのは……ちょっと。 GM:3人をキッと睨みつけます。 セロ:まったく。これだからお子様は――やれやれと言った感じで――いいだろうリーザ。今まで秘密にして来たが全てを話そうじゃないか。 GM:リーザは不思議顔です。 セロ:よく聞け。私たち3人はな……国から派遣された正規の遺跡の査察部隊だ!!(一同爆笑) GM:嘘じゃん!(笑) アロウ:今までの暴言と態度は(笑) ミリー:そんなウソに騙されませんよ!!(笑) セロ:いいかリーザ。遺跡のことに詳しいそいつはミリア=フォレス。遺跡からの発掘物を鑑定する考古学者だ。こっちのアロウは国の騎士団に所属している正規のEM乗りだ。そしてこの俺が、査察団のリーダーであるセロ=パラシオ。遺跡の内容が内容だったからな、あまり国が大まかに動いている事を知られたくなかったんだ。わかってくれるか? GM:よくもまぁ(笑)……いいだろう。だがそんな嘘に騙される人はいないからな、その後、さらに語ってどれだけ信憑性を得たか……達成値25。最高位の[伝説級の腕前が必要]に成功したら信じてやろう(爆笑中) セロ:交渉だから【コマンダー】でいいんだよな?(コロコロ)……19。適正値足して25! GM:なにーーーー!?(←ノリで判定値言ったせいで成功するとは思わなかった人)
(一同大爆笑)
セロ:わかって……くれたな?GM:「本当に……あなた達、国の人なのね!」(一同爆笑) セロ:では、アルテミスのカードを渡すんだ。 GM:じゃあ渡します。ってか、いいのかリーザ!? ここで渡しちゃっても良いのか!?(笑) セロ:え、貰わない方がいい?(←ちょっと素になって) GM:いや、最終的に……(シナリオ見て)……うん、大丈夫。なんとかなる(笑)
そしてシナリオを置くGM。
セロ:じゃあなんでシナリオを置く(一同爆笑)GM:いや、シナリオにカード渡すとは書いて無いから、一時的にね(笑) ミリー:どうしよう……でも、ここでカードを貰った方が、リーザも安全ですし……黙ってましょう。ごめん。 アロウ:私はセロの演説のような嘘に呆れてる。 GM:ではリーザがアロウとミリーに向き直って――「さっきはごめんなさい。私、言い過ぎました」 アロウ:え、えっと……(笑) GM:「仇を取って下さい。あいつら……お父さんと皆を……」 アロウ:うん、仇はきっと取るから。 GM:「お願いします……ミリーさんも」 ミリー:ええ、約束する。……だから、リーザもちゃんと隠れて待っててね、あとで絶対もどって来るから。 GM:「はい! わかりました! それに皆さん、ごめんなさい……EM乗りはみんな酷い人ばかりだなんて言って……」 アロウ:引きつった笑みで(笑) セロ:堂々と頷く(笑) ミリー:えっと……それじゃあ私たち、出発するから。 GM:「あ、はい」――とリーザは山小屋へ隠れます。それでは出発しますか? セロ:ああ、出発しよう。それとアルテミスのカードは一応副団長のアロウに渡しておく。 アロウ:わかった、預かっておきましょう。 ミリー:罪悪感が……罪悪感が……(笑) セロ:別に問題無いだろう。このほうがあの子供の生存率が高いんだ。 ミリー:それは……そうですけど。 アロウ:うん、気持ちを切り替えて行きましょう。とにかく野盗をさっさと倒せば問題無いんだしね! ◆遺跡の戦い vs 野盗EM乗り
一度アロウが望遠鏡で地形を確認し、ハニービー2体と、チムニー(これも雑魚機体)が1体いる事を発見。
3機は遺跡の入り口を守るように展開していた。どうやら……徹夜で警備していたらしい。
GM:森の中にぽっかりと開けた平地。中央が丘になっていて銀色の遺跡がそこに突き刺さるように埋まっている。野盗のEMは3機。遺跡の前に陣取ってるね。アロウ:徹夜で警備していた? 注意力が下がっているかな……一気に行く? セロ:ああ、正面から突貫しよう。 ミリー:リーザさんの為にも、さっさと終わらせます!! GM:よかろう。ここからはEM戦闘だ!!!
※解説11 「バトルパート」
GM:敵は3機。すでにキミ達が来る事を待ち構えていた。EMによるロボット戦闘はバトルパートで表現される。四角マスで区切られた戦場マップ(森や海などもある)に、各機体のコマを配置し、PLは自機の行動を決める作戦シートを用いる。キャラクターと違い、機体には耐久値が決められており、ダメージ累計が耐久値を越えると戦闘不能(機能停止)である。1ラウンドは約10秒でありEM同士に通信機は付いてないので、個々人の行動やアクションの相談は仲間同士であっても不可能である。つまり、このEM戦闘は敵の行動だけでなく、仲間の行動を読む事も大事なのだ。 アロウ:徹夜で。 GM:そう、徹夜でだ(笑) アロウ:敵の機体がどんなので何を積んでるか知りたい。[看破]の判定だっけ? ミリー:看破? GM:敵1機につき1回ずつ【アカデミック】適正が3以上の人は判定ができる。達成値によって敵機の積んでる武装がわかるんだ。ちなみに見ただけでもサイズと装甲重量はわかるので教えるけど、Mサイズの軽量機(ハニービー)が2機、Lサイズの中量機(チムニー)が1機だ。 セロ:【アカデミック】が3以上なのは誰だ? ミリー:あ、私です。それじゃあM・M・Lの順番で三回振りますね(コロコロ)……18、11、15です。 GM:ハニービー1がヒートクロー、ランス、ムーブセンサー。ハニービー2がブレード。チムニーはロケット砲を両手に装備しています。 セロ:ロケット砲はダメージが大きかったはず……それが2本か。 ミリー:ヒートクローって武装一覧に載ってましたっけ? 覚えてないのですが……。 アロウ:ああ、基本的に作成時のEMには[Bランク武装]しか積めないの。ヒートクローはレアものの[Aランク武装]ね。 ミリー:私のアベイユ(機体名)が付けてるクローの上位版……ですか。 アロウ:そんな所。 GM:キミ等は森の中から出てくるので、初期配置は南の一番端のマスならどこでもいいです。 ※戦闘マップ(第1話遺跡「初期配置」参照) GM:PCの勝利条件は「敵の過半数を戦闘不能にする事」、逆に敵の勝利条件は「PCの全滅」です。それではプロッティングに入りましょう。
(全員自分の作戦シートと戦場マップを見比べてカキカキ……)
ミリー:森って移動力が余計にかかるんですか?GM:うん、普通の平地なら1マス1消費のところ、森の中は余分に1つ……つまり移動力を2消費しないと進めない。 ミリー:ああ、そっか……。 アロウ:でも、森の中なら自分の回避に修正が入る(回避値+2)から、当たりにくくなる。 ミリー:うーん……悩みますね。 GM:一応、そこに3分間砂時計を置いておいたから……3分経っても行動を決めれなかった人は、強制的に[待機]を選んだ事にするけど……いいよね?(笑) 一同:『りょーかい』 アロウ:ま、3機分プロッティングするGMが一番[待機]の可能性高いけどね。 GM:大丈夫、最初から個々の行動パターンは決めてあるから。
※解説12 「プロッティング」
セロ:俺は終わったぞ。EMは[移動][射撃][白兵][特殊(照準・突撃・その他)]のアクションを1ラウンドにつき2回行える。GMとPLは各ラウンドの初めに「そのラウンドに自機が行う2つのアクション」を、作戦シートにあらかじめ記入しておく。これをプロッティングと言う。全員が書き終わったら一斉にシートをオープンし、順次処理を行っていく。この時、1ラウンドは[第1セグメント(1回目のアクション)]と[第2セグメント(2回目のアクション)]に分けられ処理される。 アロウ:私も……ミリーは? ミリー:あ、大丈夫です。 GM:じゃあ第1ラウンドの第1セグメントをやろうか。 GM:まず移動を行う人! セロ&ミリー:『はい』 GM:こっちも動くけど、NPCは最後なのでお先にどうぞ セロ:俺はC−11へ前進。 ミリー:私もI−11へ前進です。 GM:2人してギリギリ森の中か。こっちはハニービー1と2がホイール使って森側へ(南へ)移動。1がE−12、2がH−11。 ミリー:ええっ!? 私の隣に? GM:ふふ……では移動の次は、射撃タイミングだ。 アロウ:私ね。スナイパーライフルでチムニーを撃ちます。 GM:チムニーまでは12マス。スナイパーライフルの最適距離は9〜11。1マス足りないから命中修正に−2ね。チムニーの回避値は5だ。 アロウ:2D10で7以上を出せば良い(コロコロ)……8で命中。
※解説13 「ダメージと命中部位」
GM:ダメージと命中部位は?ダメージは命中レベルによって決まる。命中レベルは命中判定の時に振った10Dのうち、高い方の出目を見て、A、B、Cと3段階に分けられる。出目が10ならA評価。9〜7だとB評価、6以下の場合はC評価である。もちろんAが一番ダメージが大きく設定(武器ごと)されている。その後、ダメージを与えたPCは、どこに命中したか命中部位表を振る。ちなみに命中がクリティカルだった場合、ダメージが+10される。 アロウ:C評価だから15点。命中部位は(コロコロ)……胴体か。 GM:胴体の部位装甲は厚いので破損無し。 アロウ:まぁ初撃だしね。 GM:では次は白兵だけど……これは無し。そして残ったチムニーが特殊行動の照準をアロウに……終了。 アロウ:ああ、狙われている。
※解説14 「特殊行動」
GM:第二セグメント! 移動する人!特殊行動には照準と突撃がある。照準は1行動をついやし対象に狙いをつけ、次の行動で命中に+4の修正を受けることができる。一方、突撃は作戦マップに東西南北の1つを記入し、可能な限りその方向へ一直線に移動する。その時、経路上に敵や味方が存在した場合、その対象に命中判定を行い命中した場合、自機の総重量の1/5のダメージを与える。この時、対象の総重量の1/10のダメージを自機も受ける。この照準と突撃のほか、陸上機雷を設置する行動なども特殊行動タイミングに処理を行う。 ミリー:えっと……ホイール使ってH−5まで行きます。西向いて終了。ハニービー2に向かって行ったのに、すれ違っちゃいました。 GM:まぁ、かわりに目の前にチムニーがいるけどね(笑) では射撃の人! セロ:今回は射撃。ラージレーザーでチムニーを撃つ(コロコロ)……3。 GM:それは回避だ。 アロウ:なら私はロケット砲でチムニーを撃ちます。 セロ:いいのか? ロケット砲の最適射程は7のみだろう? 12マスもあるぞ? アロウ:私は戦闘技能の≪ワイドレンジ・短≫と≪ワイドレンジ・長≫をロケット砲に使っているから。最適は8。だから命中修正は4マスの−8。9以上で命中(コロコロ)……8、外した。 GM:ではチムニーの射撃。アロウに向けてロケット砲。距離修正で−8。森の中で−2。照準により+4、そしてアロウの回避値が? アロウ:私のバリスタは最重量級だから……回避値は3。 GM:なら9以上で命中だね(コロコロ)……15で命中。B評価で22点が(コロコロ)……左腕に被弾。 ミリー:アロウさん!? セロ:部位装甲抜けたか! アロウ:つつ……部位装甲は18だからね、バレット弾薬を1つ破損させる。 GM:よし、そしてハニービー1と2が白兵を選んでいたんだが……射程に誰もおらず行動キャンセル。特殊行動の人もいないし、第2セグメント終了。これで第1ターンが終わりだ。 第2ラウンド。
セロ機とミリー機がそれぞれC−5、F−5へ移動し、ロケット砲を持つチムニーを囲む配置につく。
GM:はっ!? チムニーが思いっきり囲まれた!一方、ヒートクロー持ちのハニービー1がF−14へ移動しアロウ機に隣接。ハニービー2はミリーを追ってH−7へ移動した。 ミリー:きっと動かないと思ったんで。 セロ:狙い通りだな。 アロウ:逆に私はピンチ(笑) GM:第2セグメントは白兵の嵐な予感だ……が、その前に行動してないアロウ。射撃かな? アロウ:もちろん。ロケット砲でチムニーに! 連続行動なので命中修正+2(コロコロ)……命中! A評価で24点が左腕に! GM:それは……煙を上げて左腕に積んであったロケット弾薬が破損した。 アロウ:よしっ! GM:しかし同時にチムニーもロケット砲で射撃。アロウへ連続行動(コロコロ)……10。当たらない。 アロウ:あっぶない(笑)
さらに第2セグメント。アロウ機とチムニーがお互いにロケット砲を撃ち合う。アロウのロケット砲はチムニーの左脚に被弾、そのキャラピラを破壊する。
GM:チムニーのロケット砲(コロコロ)……B評価で命中! 22点が左腕に。アロウ:また左腕!? しょ、しょうがないからまたバレット弾薬を破損させる。 ミリー:大丈夫ですか!? アロウ:まだ左腕にはガトリング持ってるから、もう一度左腕に来られても全壊はしないけど……ガトリングの弾薬が無くなったから撃て無くなった……。 GM:射撃は終了だね。では白兵の人? セロ&ミリー:『はい!』 GM:だろうね(笑) セロ:ヒートソードでチムニーを斬る(コロコロ)……17命中、右脚に18点だ。 ミリー:ランスでチムニーを貫きます(コロコロ)……A命中で17点、左脚です。
チムニーの左右から接近してきたセロのエーアステと、ミリーのアベイユが、同時にブレードとランスをチムニーに差し込む。その攻撃は一気に右脚と左脚を破壊し、やがてチムニーから駆動音が消える。
GM:キャタピラとホイールが破損して、そのまま累計ダメージで戦闘不能だ。ミリー:やった! やりましたねセロさん! セロ:まだ1機だ。喜ぶのは早い。アロウ!! アロウ:耐久力で持ち堪えるつもりだけど……なるべく早く援護に来てね(笑) GM:ではそんなアロウに、ハニービー1がヒートクローで攻撃(コロコロ)……11で命中、C評価。12点が左脚。クロー系は部位装甲が−5されるけど……。 アロウ:脚部の部位装甲は18あるので抜けません。 GM:じゃあ足をガリガリ削って終了か。ちなみにハニービー2はミリーに白兵だったのだが、居ないので接近移動でG−7へずれる。これで第2ラウンド終了。
※解説15 「白兵攻撃」
GM:さぁ第3ラウンド。白兵攻撃は武器ごとに有効射程が決められており、その距離に対象が存在しない場合命中判定を行う事ができない。ただし、白兵攻撃を選ぶと対象に1マスだけ近づく事が可能な[接近移動]を行う事ができる。これにより有効射程に入れば対象に白兵攻撃を行える。 セロ:俺はC−5に移動。 ミリー:え? すでに今いるマスがC−5じゃないんですか? セロ:ああ、だからその場で足踏み。これで回避に+4だ。 ミリー:ああ! なるほど!! GM:そういうミリーは? ミリー:私はD−8へ移動です。なんかハニービー2がやってきそうだったので。 アロウ:そういう読みは大切よ。さて私は1歩横に逃げましょう。G−14へ(と駒をF−14へ移動) セロ:何をやっている。そこはF−14で、Gは今いるマスだぞ? アロウ:え? だから私は……(作戦シートを二度見して)……あああ!? 記入ミス!! 間違えたーー!!!(笑) ミリー:ええ!?(笑) セロ:何やってるんだお前は(笑) アロウ:えっと……ヒートクローで攻撃されてパニクったみたい。その場で足踏みしてる。 GM:では射撃はいないから、白兵タイミング。ハニービー2がミリーへ接近移動してF−7へ。ハニービー1がヒートクローでアロウに攻撃(コロコロ)……14、A命中なので16点が右脚。 アロウ:装甲が−5されるから……陸上機雷が破損。
第2セグメントは、セロとミリーがハニービー2へ向かって攻撃。セロのラージレーザーで右脚のプレートが1つ、ミリー必殺のパイルバンカーで右腕のプレートを1つ、ぞれぞれ破損させる。
GM:パイルバンカーのダメージ痛たたたた。しかしお返しだ! ハニービー2がミリーに向かってブレードで攻撃。(コロコロ)……18点が胴体に!ミリー:胴体なら何も破損しません。 GM:ちっ、そしてハニービー1がヒートクローでアロウに(コロコロ)……命中、12点が胴体へ。そして残っているのはアロウ。特殊行動? アロウ:うん。東に突撃しつつ逃げました。I−14。ああ、プロッティングミスが痛い。
そして第4ラウンド、セロはF−4へ移動しハニービー2へ近づく。ミリーはアロウを助けるべく一気にF−13まで移動、ヒートクローのハニービー1に隣接する。
GM:射撃は……いないのね。では白兵の人? あ、こっちだけか。ふっふっふっ、じゃあ読みが当たったので遠慮無くセロにブレードで攻撃するか。セロ:何!? 読まれただと!? GM:きっと近づいてくると思って、ハニービー2は白兵を選択していたのだよ……。と言うわけでハニービー2がブレードでA1(駒番号)に攻撃だ!! セロ:いや、駒番号A1は俺じゃないぞ。ミリーだ。 ミリー:はい。私がこれ(A1の駒を差し)です。 GM:なんだとー!? しまった……プロッティングミス(笑)。 セロ:お前もか!!(一同爆笑) アロウ:しょうがないよGM、きっとそっちの機体に乗ってる子、プラセンタ・チップ入れてるのよ(笑) GM:なんでもチップのせいにするなよ!!(一同爆笑) アロウ:そう、全てチップのせい!(笑) GM:ああ、もう、失敗した〜。
その後、ハニービー1はアロウの方角へ向かって突撃を慣行。命中しアロウ機に14点。そしてぶつかったハニービー1も11点のダメージを受ける。ついにアロウ機の累積ダメージが100点を越し、戦闘不能ギリギリまで持っていくも、GM側の攻勢もここまでだった。ハニービー1をミリーが牽制しアロウを逃がし、その間にもう片方のハニービー2をセロが撃破することに成功。
◆遺跡荒らしの野盗、その正体?
仲間が全員やられた事を知ると、ヒートクローを装備したハニービーが白旗を揚げる。
GM:ではヒートクローを装備したハニービーからごつい身体の男が降りてきます。「待て! 俺はこいつらのリーダーだ! 降伏する!」 アロウ:ならEMで牽制しつつ縛り上げましょう。 セロ:何をしているアロウ、俺たちの受けた依頼はこいつらの全滅。皆殺しだろう? GM:「なに!?」――男は驚きます。 アロウ:まぁね、でも、それはこれから私たちがする質問の返答次第でも良いかなぁ……って。 セロ:なるほど。 GM:男はビクビクしてます。 ミリー:ドキドキしてます。殺さないで欲しいって思いますが、リーザのお父さんたちのことを思うと……。 セロ:では質問に答えてもらおう。遺跡の発掘品をどこへやった。 GM:「いや、まだ運んでない」 セロ:本当だろうな。 GM:「本当だ。遺跡の中へ入ってもらえばわかる」 アロウ:じゃあ、あなた達の目的は何なの? GM:「それは……」――口ごもります。これ以上は判定してもらいましょう(笑) セロ:【カウンセラー】か? GM:明らかに脅迫なので【コマンダー】で振って下さい。 セロ:俺がやろう(笑)(コロコロ)……16。剣を抜きつつ。 GM:「い、いや、わかった。話す!」 セロ:鞘に納めよう。 GM:「俺たちはここにいる盗掘団を殲滅しに来た。一人残らず殺す事が依頼の内容だ。ただ、一人逃がしちまってな……そいつを探すまでここでキャンプはっていたんだ」 ミリー:盗掘団? アロウ:逃がしちゃった1人って……――リーザの特徴を教えて――……こんな子? GM:「ああ、そうだ。子供みたいなヤツもいるとは聞いていたしな。だが、依頼は依頼だ。国の目を逃れて盗掘している奴等だ。非情に徹させてもらった。これでも俺たちは傭兵団。プロだからな」 ミリー:どういう事でしょう? アロウ:うーん……。 セロ:おい、お前達に仕事を依頼したやつは誰だ。教えろ。 GM:「それを教えたら契約違反になっちまう」 セロ:ほぅ……と見下す。 GM:「わ、わかった!? 命だけは……。そ、そうだな……契約通り名前は教えられねーが、特徴だけなら教えられる」 セロ:聞こう。 GM:「その依頼人は軍服を着ていた。そして……黒髪をオールバックにしたモノクルを付けた男だ」 ミリー:それって!? セロ:裏がありそうな依頼だと思っていたが……やられたな。 アロウ:捕まえた傭兵たちにもシュナイダーの話をします。 GM:「なんだと!? くそっ……それじゃあ、俺らのチームは、口封じかよ」 アロウ:でしょうね。発掘品を発見した遺跡調査団を口封じする為にあなた達が、そのあなた達を口封じする為に私たちが雇われた……。 GM:「なんてこった……」 アロウ:ま、それはさておき……これもEMの常、武装をいくつか貰いましょうか(笑)
※解説16 「奪取」
GM:「くっ……負けたのはこっちだ。勝手にしろ!」EM戦闘後、勝った方は倒した敵機に対して武装を奪う奪取を試みる事ができる。ただしそれができるのは【メカニック】適正が3以上のPCのみであり、1人敵機1機につき1回ずつしか行えない。 ミリー:あ、アロウさん! その……私、ちょっと先に戻って良いですか? なんというか……やっぱりリーザが心配で……。 セロ:単独行動は危険だぞ? ミリー:でも……もし遺跡がシュナイダーの狙いだったら、リーザはきっと。 アロウ:うん。わかった。行ってらっしゃい。それを止める理由は無いから。 ミリー:はいっ!――じゃあアベイユに乗り込んでカルディア鉱石を1つ消費。戦闘起動で一気に戻ります。 GM:カルディア鉱石使うのか(笑) ミリー:一刻も早く戻りたいので。 GM:了解。ではリーザがどうなったかやる前に……さっきからウズウズしているアロウのためにも「奪取」判定を行いましょう。 アロウ:おーーー♪ GM:倒した機体はチムニーが1機、ハニービーが2機です。それぞれ【メディック】で振って下さい。【メディック】が3以上の人がいた場合、同じ機体に向けた判定で高い方を使用します。
奪取の判定の結果――「シールド」「ヒートクロー」「エネルギー弾薬×2」「ブレード×2」「ロケット砲×2」「ロケット弾薬×2」をゲット。
◆一足遅く
ミリーのアベイユが森を疾駆する。脚部のホイールが音をたて、木々の間を統べるようにかいくぐっていく。
しかし、アベイユの外部カメラが映し出したのは、黒い墨と化し焼け落ちたリーザの山小屋だった。
GM:ミリーは山小屋へ到着します。しかし、そこにあるのは焼け落ちた家の残骸です。いまだに幾本もの細い煙が上がっている事を見ると、まだ火事になってそんなに時間は経ってないのかもしれない。ミリー:リーザ!! リーザ返事して!!!――そのまま、アロウさん達が追いついてくるまで、瓦礫をどかしたりしてリーザを探します。 GM:【スカウト】で判定して下さい。 ミリー:(コロコロ)……17! GM:リーザは見つけれなかったけど、足跡などキミ達以外のが増えています。また、山小屋の中にリーザの遺体はありませんね。 ミリー:逃げていると……いいんだけど……。 アロウ:そろそろ合流しましょう――逃げた……と言うより、誘拐された。その可能性の方が高いかもね。 セロ:言っていた通りになったな――野盗と呼ばれていたEM乗りはリーダーだけ縛って連れて来ています。依頼は依頼だし、その後の弁解はこいつにやらせようかと。 GM:了解。 ミリー:アロウさん……リーザが!! アロウ:GM、この状況からはさっき以上の情報は得られない? GM:うん。無理だね。山小屋は誰かに襲われ、リーザの行方は不明だ。 アロウ:ミリーを慰めつつ――町へ戻りましょう。もしかしたら、先に町まで逃げていたかもしれないし。 ミリー:……はい。
そして、ドルチの町へもどって来る3人。EM乗りの斡旋所に野盗(ハメられてたEM乗り)を突き出し、リーザを見なかったかを聞いてみる。
GM:斡旋所のおばちゃんは――「うーん、そんな子は知らないわねぇ。……あ、これは依頼の報酬ね」アロウ:貰っておきましょう。 ミリー:じゃあ私は町で聞き込みしてきます! 誰か見たかもしれないし! セロ:俺も行こう。俺の目的はシュナイダーの方だがな。 GM:「あ、待って待って! 依頼主のシュナイダーさんからお手紙預かっているわ」――アロウに封書を渡します。 ミリー:それは気になります。 セロ:何が書いてある! アロウ:他の人に聞かれないよう角のテーブルに移って、封を開けて2人に読みます。
『今夜24時、イサの大橋で待っている。アルテミスの起動キーと娘は交換だ』
ミリー:よかった……リーザは無事なんだ……。セロ:だが、やっかいな事になったものだ。 アロウ:あいつらの目的は……やっぱりコレね――起動キーを出しつつ。GM、今は何時? それで何時に出発すれば間に合う? GM:イサの大橋まではここから約4時間。今は朝の10時とかだから、丸々10時間は余裕がある。 セロ:まだ指定された時刻までは時間がある。アロウのバリスタを修理した方がいいんじゃないか?
※解説17 「EMの修理と武装の修理」
アロウ:どれくらい時間ある?EMの修理も、破損した武装の修理も1日に1回しか行う事はできません。【メカニック】適正が3以上のPCが修理できます。EMを修理する場合、2D10+【メカニック適正】値分だけダメージが回復します。武装の修理の場合、Bランス武装ならカルディア鉱石5つ、Aランク武装ならカルディア鉱石10の費用がかかります(PCが修理したとしても)。 GM:10時間と言う所ですかね。この町は普通な(普通の工房などしかない)ので修理には5時間かかります。 アロウ:とりあえず私のバリスタを修理します(コロコロ)……7点回復。残り11点か(笑) セロ:まぁ、無いよりましだろう。残り5時間をアロウはどれを修理する? アロウ:他の耐久値減ってる人は? ミリー:私のアベイユは減ってるには減ってますけど……。 セロ:俺のエーアステはノーダメージだ。ミリーの方を修理した方がいいだろう。 アロウ:じゃあ(コロコロ)……12点回復。 ミリー:ありがとうございます。 セロ:ところでGM、この10時間、俺やミリーは暇なんだが……好きに動いていていいのか? ミリー:あ、私はアロウさんを手伝っておきます。お父さんの見よう見まねで【メカニック】も1つは持ってますし。 アロウ:じゃあミリーは私の手伝いお願い。セロは何かしたい事があるなら判断は任せるわ。 セロ:ああ、わかった……――GM、このアルテミスの起動キーだが、いかにもって形だよな? GM:いかにもというか……リーザが誘拐されているので、女神が彫られたカードってのはバレてます。 セロ:そうか……。 GM:(ピンと来た)あ、でも、セロがやりたい事は、実はルールでフォローされている。 セロ:ほう。 GM:偽造起動キーでもなんでも、そういうのは調達判定になる。
※解説18 「調達」
GM:達成値10なら専門的なもの(特別な食料や衣服)、13なら通常では入手困難なもの(毒物や偽造文書)、16なら通常の方法でも難しいもの(大型生物など)、そして19以上だと奇跡がないと入手できないもの(EM以外の発掘品など)を調達可能。普通に売っている物なら、PCの所持金(ある程度は持っているものとします)で購入する事ができます。それ以上の高価な物や特殊な物を購入する必要が出てきた場合、調達判定を行います。調達は1人1日1回しか行えません。判定値は【コマンダー】で高価で特殊なものほど目標値が高くなります。 セロ:そう、起動キーの模造品を入手したい。もちろん、このアルテミスのだ。判定値は? GM:これが……【コマンダー】なんだよ(笑) 遺跡関係でもあるから19以上ね。 セロ:俺の得意分野だな。では振ろう(コロコロ)……12。適正値6と合わせて18だ。惜しい(笑) GM:では10時間粘りましたが、女神の掘り込みが時間なくて適当なのが完成。 セロ:これじゃあ無理だな――呟いてから、アロウ達がいる場所へ戻ろう。 アロウ:じゃあ斡旋所の脇にあった工房から、出てくる――これ以上はタイムリミットね。 ミリー:はい。 セロ:なんとかなったのか? アロウ:やらないよりマシ……本当、その程度だけどね。 セロ:動くなら良いさ。 GM:そこで、これから夜だと言うのにEMを動かそうとしている3人に、斡旋所のおばさんが気がつきます――「どうしたの? まだ修理も終わってないEMに乗って!」 アロウ:どうしても行かないといけなくてね。 GM:「依頼はもう終わったんだし、ゆっくりすればいいのに」 セロ:そうも言ってはいられない。大切な……忘れ物を取りに行かなくてはならないからな。 GM:「そんなに大事なの? 夜にEM使ってまで?」 セロ:ああ……まぁな。 アロウ:ええ。 GM:「いったい……何を忘れて来たんだい?」 ミリー:この世界の未来です。 セロ:………………。 アロウ:………………。
(一同大爆笑)
セロ:大きく出たな!?(笑)――驚いてミリーを見る。アロウ:ミリーの物言いに苦笑しつつ――そうね。がんばろう(笑) ミリー:私は思わず赤面してます。主にPLともども(笑) ◆イサ大橋での対決
イサ大橋。それはゴルディアス王国がEM移動用に作った幅の広い大きな橋だった。戦争を第一に考える大国だからこその工事の産物である。
GM:橋は幅4マス、長さ8マスのものだ。下は川で高度差は4とします。敵の機体が2機ほど橋の向こう側にいます。夜の森の中から、3機のEMがやってくる。それを待ちかまえるのは2機。片方の機体の足元には、剣を突きつける傭兵と、リーザの姿があった。 セロ:高度差4か……落ちたら危険だな。橋が壊れる可能性はあるのか? GM:【アカデミック】で判定して? 13以上の人は? ミリー&セロ:『はい』 GM:なら2人はわかる。大橋の4角に支柱があるんだが、そのうち半分が破壊されると橋は落下するね。すでに細工されていくつかの支柱を破壊されている。 セロ:待ち伏せだし何かしてると思ったが……。 アロウ:その支柱はどれ位で壊れるものなの? GM:耐久力20。累計ダメージでそれだけ与えれば破壊されます。 アロウ:支柱が2つ破壊された場合……橋の部分が全部川になるんですか? GM:うん、川になる。EMに乗ってる限り膝までの水深だけど、川の流れに足を取られるので不安定状態とみて回避がマイナス2されます。 ミリー:川は危険なんですね、了解しました。それで……リーザは!? GM:リーザは傭兵っぽい1人に剣を突きつけられているね。そして隊長機っぽい機体――ヴィスナーグロームなんだけど、そこから外部スピーカーでシュナイダーの声が聞こえてくる――「起動キーは持ってきたんだろうな?」 ミリー:持ってるのはアロウさんですか? アロウ:いや、ここはミリーに渡してあるって事で。たぶん、その方がリーザも安心すると思うしね。 ミリー:解りました……EMから降りてカードを掲げます。 GM:「よし、いいだろう。しかし、この私の計画が、貴様等ごとき三流傭兵に邪魔されることになるとはな……やれやれだ。さぁ、橋の真ん中までもってこい」――シュナイダーの部下っぽい1人も、リーザを連れて橋の真ん中までやって来ます。 ミリー:それは……素直に中央部分まで行きます。 GM:「さぁ、その起動キーをこっちに放り投げろ。この娘はそれと同時に解放する」 アロウ:外部スピーカーから――リーザの解放が先です。でないとこの橋を破壊します――ロケット砲を照準つけて。 GM:それにはシュナイダーが反応しよう――「できるわけがあるまい。その橋を壊せば娘も死ぬぞ? 一般人を殺せばお前達傭兵はお尋ね者だ」 アロウ:それはあなた達だって同じ事でしょう。 GM:「違うな。私たちはゴルディアス王国に忠誠を誓う兵士だ。お前達傭兵とは違う」 アロウ:………………。 セロ:一つ教えろ。リーザの父親たち調査隊は、お前達ゴルディアス王国の依頼で発掘していたはず、なぜ皆殺しにされなければならなかった。 GM:「情報を秘匿する必要があった……それだけだ。我が国にもいろいろあるのだよ。さぁ、さっさと起動キーを渡せ!」 ミリー:じゃあ起動キーを放り投げます。それと同時にリーザに向かって走ります。 GM:ならリーザをミリーの方へ押し転ばします。そして起動キーをキャッチ! 急いでシュナイダーの元へ……自分の機体へ乗り込む兵士。リーザは――「ミリーさん!」 ミリー:良かった……リーザ、走りましょう!――私もアベイユに乗り込みます。リーザは森の中まで走らせて隠れているよう言っておきます。 GM:まぁ、OK。そしてシュナイダーは――「起動キーは頂いた。あとは本体を回収すればいいだけだ……」 セロ:逃がすか――ラージレーザー撃ちます。 GM:それはシュナイダー機の足元に着弾し――「ふん、やはり逃がしてくれるものでもないか……いいだろう。私を追う気力すらなくなるまで、叩き潰してやろう」――ラスト戦闘に入ります。PCの勝利条件は「敵の全滅」、シュナイダー達の勝利条件は「PCの過半数を戦闘不能にする事」です。それによりシュナイダーは悠々と逃亡します。 アロウ:了解。 ミリー:アロウさんは無理しないで下さい。ボロボロなんですから。 セロ:敵を落とすまで……せめて粘ってみせろ。 アロウ:ええ。ほどほどにね……さぁ、行きましょう! ※戦闘マップ(第1話大橋「初期配置」参照) GM:シュナイダーはG−13、部下はF−13にいます。君らは? アロウ:D−1。後ろにいる。 セロ:J−3。 ミリー:F−3です。 GM:それじゃあ―― ミリー:あ、その前に敵の機体を看破します。【アカデミック】で判定してシュナイダー機が(コロコロ)……19で。部下の方が(コロコロ)……15です。 GM:シュナイダーはLLサイズの中装甲。ヴェスナーグローム改。19だと4つ武装が看破されるな……大口径ロケット砲、高品質スナイパーライフル、ミドルレーザー、ラージレーザーを搭載している。 アロウ:Aランク武装が2つもか。しかも遠距離射撃型だ。 GM:部下の方はMサイズの軽装甲です。まぁ、ハニービーです。ブレードを2本持っています。 セロ:さっき戦ったのと同じか。 GM:それではプロッティングに入りましょう。
そして第1ラウンド第1セグメントの行動。シュナイダーはL−14まで一気に後退。逆に部下はH−7と橋の真ん中へ移動。ボロボロのアロウはB−1へ移動した。そしてセロ……。
セロ:J−4にバーニア吹かしながら移動。川へ降りる。GM:なにーーー!? セロ:ん? ダメなのか? 橋の上だと橋を破壊された時の落下ダメージが怖いと思ったんだが。 GM:(←橋の上で戦うとばっかり思っていた)……あ、いや、何も問題無い。ミリーは? ミリー:初期位置のF−3に移動。足踏みします。それで外部スピーカーで――「リーザはなるべく離れてて!」――と注意を促します。 GM:じゃあ森へを逃げ込んでいるリーザを確認しました。 ミリー:うん。自分で頷いて一安心。 GM:では全員移動で第1セグメントは終了だね。
第2セグメント。セロは川の上をバーニアを吹かせJ−10まで移動。ミリーは再び足踏みを行う、橋に入るのが怖くて待ち伏せを狙ったようだ。アロウはスナイパーライフルでシュナイダー機を狙うも、マップの端と端のため修正地が大きすぎて射撃キャンセル。
GM:シュナイダーはH−4へスナイパーライフルで射撃。アロウ:H−4? 支柱か! GM:そうです。距離修正だけ入って(コロコロ)……命中。C評価なので15点、そこの支柱は残り耐久力5です。そして部下がミリーに白兵予定だったがいない……ムーブセンサーを使って接近移動2歩。H−5に進んで終了。
続いて第2ラウンド。セロはその場で足踏みし、ミリーがE−9へ移動。シュナイダーもG−14へと移動。
ミリー:一気に橋を渡りきります。GM:シュナイダーは川を直進してくるセロが嫌なので中央へ移動。そして射撃タイミング。 アロウ:ロケット砲で部下を撃つ(コロコロ)……14! GM:14は命中する。 アロウ:B評価だから22点が(コロコロ)……右脚へ。 GM:ハニービーのホイールが破損した(笑) おのれ、とりあえず白兵で接近移動を部下が行いG−6へ。
そして第2セグメント。ミリーは連続移動で+1マスのボーナスを貰い9マス移動(元値6+ホイール分2+連続移動の慣性分1)しJ−13へ、対岸へと渡りきる。セロはラージレーザーをシュナイダーに放つが――
セロ:(コロコロ)……8か。だめだな当たらない。GM:いやぁ、それが当たるんですねぇ(笑) セロ:当たるのか!? そうか、LLサイズとか言ってたな(笑) ダメージはC評価だから14点だが、部位は頭部だ。 GM:「貴様!!!」――頭を狙われて外部スピーカーで怒声を。 セロ:ちっ、外したか(笑) GM:「侮辱しおって! 貴様……セロ=パラシオとか言ったな……許さん!!!」 アロウ:私は部下へロケット砲(コロコロ)……命中! 22点が左脚へ。 GM:今度は左脚のホイールが飛んだ(笑) アロウ:よし! GM:ではPCが終わったのでNPCの番、シュナイダーの射撃だ。川にいるセロに大口径ロケット砲を……距離は丁度適正射程の7マスだね。 セロ:なに!? GM:「くらえ!」(コロコロ)……10で命中、C評価で20点が(コロコロ)……右腕に。 セロ:右腕のシールドで庇う! そしてパラパラと破壊されるシールド――破損した。
その後、白兵タイミングで部下がミリーを狙うも、すでに橋を渡りきり遠くへ……なので行動キャンセルでその場で待機(GM的には狙いを変更する事に)
GM:では第3ラウンドのプロッティングだ。アロウ:部下が接近移動をしなかったのが怖い。 GM:なんの事かな。さぁ………………時間だ。皆作戦シートオープン! セロ:部下の行動が気になるのでI−5、アロウの方へ移動。アロウが落とされるのはまずい。 GM:シュナイダーも移動する。そのまま橋を直進してG−9へ、真ん中まで行く。 ミリー:えええ!? そっち行くんですか? GM:ふふ……白兵でも狙っていたかな? ミリー:………………。 GM:そして部下の方もF−1まで移動。 アロウ:明らかに私を潰しに来ている気がする……。これは……やられる前にやれ! それしかない! ロケット砲でハニービーの部下へ! GM:距離が4マス。ワイドレンジで射程短くしてても距離修正で−4。連続行動だから命中に+2。ただし移動しているので回避に+4。そして元々の回避値が8なので……2D10して14以上だね。 ミリー:それは……五分五分っぽいですね。 アロウ:でも、ここでやらなかったら死神の鎌は私の首に狙いを定める……交感強化を使います!
※解説19 「交感強化」
アロウ:(コロコロ)……出目が8と3だから、3の方を10に変えて18! 命中した!!刹那の瞬間EMとの同調率を上昇させ、限界以上の性能を引き出す能力を交感強化と呼ぶ。命中判定前に宣言する事で、振ったダイス目のうち片方を10に変更する事ができる。ただし、これを使用すると副作用として[精神的負傷]が瀕死になってしまう。 ミリー:おおーー! 凄いです!! アロウ:22点が(コロコロ)……右腕に命中! GM:右腕のプレート板が破損しますが……まだ動く。 アロウ:もう66点は与えてるのに!? セロ:Mの軽装甲だと70はあるはずだ。 アロウ:ぐっ……と交感強化をした反動で急激な眩暈に襲われて視界がぼやける……しかしターゲットがまだ動いている事を確認して歯を食いしばる――まだ、ここで寝るわけにはいかない!!(負傷欄の瀕死にチェック)
第2セグメント。ミリーはヒット&アウェイをする予定だったのか、G−11へ後退。シュナイダーは慣性を味方につけ(連続移動)でG−3まで移動。橋を渡りきる。そして部下のハニービーが……
GM:(作戦シートを見つつ)……うむ、やってしまった。セロ:プロッティングミス? アロウ:そいつもチップ持ちか(笑) GM:違うわいっ! いや、アロウが逃げると思っててさ……部下は移動、B−1へ。 アロウ:え? それって私のいるマスじゃ……。 GM:うん、激突の発生だ。
※解説20 「激突」
GM:ちなみにハニービーの総重量は70だ。だからそっちに7点ダメージ。同じ機体が同じマスに存在した場合、激突が発生する。激突した場合、相手の総重量の1/10のダメージを受ける。その後、総重量が重い方はそのマスへ残り、軽い方は四方のどこかのマスへ押し出される。この時、押し出す方向はそのマスに残った総重量が重たい機体のPCが決定できる。ただし、押し出せる方向は可能な限り進入に必要な移動力が少ない地形でなければならない。 アロウ:私のバリスタは総重量110だから11点ね。 GM:なんてこった!? 激突してハニービーがバラバラになってしまった(笑) 部下、戦闘不能。 ミリー:やった(笑) セロ:それよりアロウは大丈夫か? アロウ:なんとか……残り耐久値4点。町でメンテしておいて良かった。あれしてなかったら今ので私もバラバラだったわ。 GM:くそ……自爆してしまった(笑) 次は射撃する人? アロウ:対象が落ちたのでキャンセル。 セロ:同じく。
そして第4ラウンド。敵はシュナイダー1機。しかしアロウは何が当たっても撃沈状態。
まず移動タイミング。セロは川から陸地へと上がり(I−3)終了。そしてミリーは―― ミリー:う゛……。 アロウ:どうしたの? ミリー:また読み間違えました……さっきの空振りといい、私ダメみたいです……。 アロウ:何をしたの? ミリー:移動……G−3です。シュナイダーに激突しました。 GM:動くとでも思ったかな? 甘い、こっちの総重量は95なので切り上げて10点ダメージ。 ミリー:私のアベイユは70なので7点です。 GM:「邪魔だ! そこで大人しくしていろ!!」――そのまま橋の上に押し出す。次、射撃の人。 アロウ:スナイパーライフルでシュナイダーに(コロコロ)……15点が右脚に命中。 GM:エネルギー弾薬が破損した――「ちっ、だが!」――バランス崩しつつミドルレーザーでH−4の支柱を(コロコロ)……14点破壊完了。 セロ:まずい! ミリー、逃げろ!!!――と叫んでおく(笑) GM:はっはっはっ、もう第2セグメントの行動も記入済みのはず(笑)
第4ラウンド第2セグメント。アロウは1人A−3へ移動。セロはラージレーザーでシュナイダーを撃ち胴体に11点のダメージを与える。そしてシュナイダーの射撃。
セロ:これでシュナイダーを落とせれば……とレーザーを放ったが……。GM:シュナイダーはびくともしない。そのまま腕の大口径ロケット砲をH−11の支柱へロックオン。発射します(コロコロ)……B評価で命中。24点ダメージで支柱を破壊。これで2本が破壊されたので橋が轟音を立てて落下します。 アロウ:ミリー!!! ミリー:キャーーーー!? GM:橋の上にいたミリーは落差4の下に流れる川に叩きつけられます。高低差が4以上なので、[(高低差−2)×総重量]の1/10点のダメージが入る。 ミリー:14点が(コロコロ)……部位は右腕。受身失敗……パイルバンカーが破損しました――っつつ。でも、目の前にいるのに――というわけで、白兵タイミングでシュナイダーを攻撃。 セロ:高度差が4もあるのに白兵届くのか? GM:白兵の有効射程はマス数だけで、高度差は関係無いんだ。まぁ、今回は落下しつつ斬りつけるイメージかな?(笑) ミリー:クローで切り裂きます!(コロコロ)……14で命中。部位が……頭部に14点。 GM:頭か……しかもクローだから装甲が−5されて……あ、抜けてしまった。エネルギー弾薬を壊そう――「また頭か!? だが、貴様は川の底で仲間が死んで行くのを眺めているがいい!」 ※戦闘マップ(第1話大橋「第5ラウンド開始時」参照) GM:では第5ターン。移動の人。 アロウ:E−3まで移動。シュナイダーは射撃用機体だから逆に近づく! GM:ふっ……甘い。シュナイダーはB−1へ移動。距離は保つ。他の2人は? セロ:白兵のつもりだったからキャンセルだ。逃げられた。H−3へ接近移動。 ミリー:同じくです。私も白兵キャンセル。F−4へ接近移動。
そして第2セグメント。セロがD−1へ移動、シュナイダーに追いすがる。
GM:近づいて来たか……まぁ、いい! シュナイダーは大口径ロケット砲でミリーを狙う(コロコロ)……6!? 当たらない!!ミリー:ロケット砲がこっち向いた時、びっくりしました……今の命中してたら私も危なかったです。 セロ:重点的に頭部を狙ったからな、相手カメラの照準が狂ったんだろう(笑) ミリー:かもしれませんね(笑) 私は白兵なので接近移動でE−4へ。 アロウ:私は陸上機雷を設置。私の東西南北のどこかに機雷を設置したので、機雷があるマスでとまっちゃうと問答無用で20点なので気をつけてね。 ミリー:味方もですか? アロウ:味方も(笑) GM:危ない事しやがる……では第6ラウンドのプロッティングだ!
第6ラウンド第1セグメントの行動。セロはバーニアを吹かせてA−2へ移動。ミリーは川の中をホイールを使って強引に疾駆しB−4へ。アロウはシュナイダーを追うようにB−2へと移動した。しかし、シュナイダーも移動するが……。
GM:E−3へ移動。アロウが動かなかったら激突で落とそうと思ったのに。アロウ:危ないところだった。 GM:そして向きは東に……あれ? 全員西にいて眼前に誰もいない!? いや、それより全員に背中見せてる!? アロウ:チャーーンス! セロ:ここで決める! 千載一遇のチャンス、外すなよ!!――と、全員が俺の≪鼓舞≫の範囲でもある。 ミリー:≪鼓舞≫? GM:セロの戦闘技能。セロから3マス以内にいる仲間はクリティカル値が−2されるんだ。 ミリー:それは……確かに!!! GM:「こんな所で終わってたまるか!」――第2セグメント。シュナイダーは射撃だが、視界内にいないのでキャンセル。 セロ:俺は白兵だったが距離が届かないから同じくキャンセルだ。 ミリー:私はランスで攻撃するつもりだったので、接近移動で1マス進んで攻撃します!――友達を……リーザを裏切ったあなた達を、私は許さない!!――交感強化を使います! GM:おお、来るが良い! ミリー:普通に1と5で……1を10にして命中! 右脚に17点!! GM:「くっ、後ろから!?」――足が貫かれて……くそ、ホイールが破損した! アロウ:ミリー、無理はしないで良いから。でも、次で終わらせる!――私は機雷設置で終了。
運命の第7ラウンド。セロがG−2へ、アロウがF−2へ、ミリーがF−4へそれぞれシュナイダーを追い詰めるように移動。そしてシュナイダー自身は北のマップ端を背にする為F−1へ移動した。そして――
GM:第2セグメント! 移動する人!一同:『………………』 GM:射撃する人!……俺だけか! シュナイダーがミリーに向けて大口径ロケット砲!(コロコロ)……7! 外しただと!? セロ:そろそろ運もお前も見放したようだ……ヒートソードでシュナイダーを斬りつける!(コロコロ)……が、出目が悪い。4か!(笑) GM:それは回避だ!――「ふざけるな! まだ俺の運は尽きてない!!」 セロ:いいや、もう終わりさ……ミリー!! ミリー:ランスで攻撃します! セロさんのエーアステと、アロウさんのバリスタの隙間を縫うように、私のランスがシュナイダーへ突き刺さります!(コロコロ)……18だから命中です! GM:「なんだと!?」 セロ:≪鼓舞≫の効果でクリティカルだ! ダメージに+10しろ! ミリー:はいっ! ダメージが17+10で27点!! GM:それは……累計106点ダメージ――落ちたーーーー!!――「そ、そんな……馬鹿なっ!?」――ズズーーン。 ◆戦い終わって
シュナイダーの部下だった兵士を拘束し、アルテミスの起動キーを再びゲットすることに成功。
GM:キミ達が部下からカードをゲットし、リーザと合流したところで、橋が架かってた谷の端にシュナイダーが立ってるのを見つける。恐ろしい形相で睨んでます。しかし、それを優先した事で後々まで恨みを買うことになる創世の傭兵団一行。 アロウ:起動キーもリーザも取り返した……だけど、あなたには聞きたい事が山ほどある。 セロ:ああ、お前達ゴルディアス王国がなぜ大っぴらに発掘物を回収しなかったのか。あの遺跡にあるアルテミスというEMは何だ? ミリー:すっとリーザの前に立ってます。 GM:「ふっ……貴様ら、これで勝ったつもりか? 我々はヴェルム一の軍事国家ゴルディアス王国。私の邪魔をした事を、後々まで後悔する事になる……創世の傭兵団。その起動キーは一時預けておく。だがな、すぐに取り返しに来る。首を洗って待っているがいい!!」――シュナイダーはそこまで言うと、フッっと後ろの谷から飛び降り、川の中へ姿を消します。 アロウ:逃げられた!? ミリー:でも、あんな状態で激流に飲まれたら……。 セロ:さぁな。ああいう男こそ、意外にしぶといものだ。 アロウ:まぁ、なんにせよ……勝ってよかったじゃない。 ミリー:はい! セロ:……ふっ。 GM:じゃあそこでリーザがおずおずと――「あの……助けてくれて……ありがとう……」 ミリー:何を言ってるんですか、仲良くなった友達を助けるのは当たり前です。 アロウ:私はリーザの頭でもなでてあげよう――それにしても、こっぴどくやられたわね。よく生きていたものだわ。 GM:「ミリーも……」 ミリー:リーザが無事ならそれで――と笑顔で。 セロ:とんだ出費だな。俺のシールドが破損した。どうしてくれる。
(一同爆笑)
GM:お前、そういう事言うか!? 1発しかダメージ食らってないじゃないか(笑)セロ:ふんっ。 GM:「それなら……私が修理するの手伝うよ」――リーザは【メカニック6】【アカデミック3】だから。 アロウ:優秀だな。 ミリー:お父さんについて勉強してたんですね、きっと。 GM:「セロのは修理しないでいいよね? ぜんぜん壊れてないし」――意地悪っぽく。 セロ:どこ吹く風で言い返そう――ああ、こちらこそゴメンこうむる。触れて欲しくないからな。 GM:「なっ!! そ、それはこっちの台詞よ!!」 ミリー:ま、まーまー(笑)
その後、倒したハニービーとヴィスナーグローム改から奪取を行い「大口径ロケット砲」「高品質ライフル」「ムーブセンサー×2」「ブレード×2」をゲット。
GM:さて、あとでシナリオを見てもらうと解りますが、途中からシナリオとズレが生じてまして、エンディングが予定外の状態になっています。アロウ:予定外? GM:うむ、シナリオ通りに行った場合、ここにリーザは存在してないはずなのだが……思いっきりリーザがキミ等と一緒にいるという。 ミリー:友達ですから! GM:まぁ(笑) それでキミ達にリーザの今後を決めてもらいたい。 ミリー:リーザは天涯孤独なんですか? GM:そうです。唯一の肉親は父親だけでしたし、学校も行かずに発掘チームとずっと一緒だったので。 セロ:EMの知識はあるんだ、斡旋所になんとかしてもらえば良い。 GM:それは可能です。優秀なメカニックとして新しい生活先を見つけてくれるでしょう。 ミリー:私は……できれば一緒に旅をしたい。EM乗りじゃなくても、それこそ専属のメカニックだって良いんだし。 アロウ:うーん。ここは、私たちと一緒に来てもらいましょう。 ミリー:アロウさん! アロウ:このまま斡旋所にお願いしても、シュナイダー達に狙われる可能性もあるんだし、その時に、今回みたいに起動キーと交換だといわれてもね。 ミリー:セロさん……? セロ:………………それもそうだな。それに、アルテミスとかいう新型EMも気になる。 ミリー:リーザの手を握って――どうかな? 私はもちろん……一緒に旅をしたいんだけど……。 GM:「……うん。ありがとう。私も……みんなと一緒に行く」
そして、町へ戻りアロウのバリスタと、ミリーのアベイユを修理する一行。
GM:そこはすでに何機ものEMが動いた足跡があり、リーザの案内でアルテミスの本体があった場所へ行くと……。すでに運び出された後です。一足早く修理を終えたセロは、リーザを連れてアルテミスが眠る遺跡へと再び戻って来ていた。 セロ:やはり、起動キーがなくとも本体だけでも奪っていった……か。 GM:「セロ、まずいよ……あの機体は特別なんだ……」 セロ:どういう事だ? GM:「アルテミスには特別な武装を装着できるスロットが付いてたんだ。お父さんが言うには、そのスロットへのエネルギー供給パイプが尋常の太さじゃなかったって。もしその専用の武装が見つかって、アルテミスがそれを装着したら……きっと、大変な事になる」 セロ:……行くぞ。今、ここで俺たちにできる事は何もない。 GM:「………………うん」――リーザもキミにしたがって遺跡の出口へ向かいます。 セロ:アルテミスの起動キーであるカードを見ながら――女神……か。お前は何の神なんだ? 救いか? それとも……。
エムブリオマシンRPG リプレイ
――創世のエムブリオ 第1話『創世の傭兵団』 了 |