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アラビアン・ダーク・ファンタジーRPGゲヘナ
――かつて砂漠にシェオ−ルと呼ばれる都市があった。栄華を極めたその都市は、邪神イブリスと一人の人間が抱えた怨念により、地獄へと落ちる事となる。
――数百年後……現在。都市と共に生きたまま地獄へ落ちた人間達は、今だその活力を失ってはいなかった。人々は地獄の中で自分達の生活圏をジャハンナムと呼び、そして、その他の非生活圏である地獄の事をこう呼んだ――"ゲヘナ"と。
2004年1月14日セッション開始
シナリオ『妖霊街と背徳の決闘』リプレイ


――魔装刀士伝――

救いは友情と共に


◆キャラクター紹介

GM:それではゲヘナのリプレイを取ります!
一同:『お〜〜!』(パチパチパチ)
プレイヤーA:では最初にゲヘナの説明をして下さい。正直私はこのゲームの知識がありません。
GM:えっと、他のPLもだったりします?
プレイヤーB:いや、少しならわかるぞ。雑誌の紹介は読んだからな(笑)
プレイヤーA:それってあんま変わらないって!
GM:プレイヤーCは大丈夫だよね?
プレイヤーC:うん。結構読んだから解ってるよ。
GM:まぁ簡単に説明すると、かつて存在したアラビアンな砂漠の国が、1個丸ごと地獄に落とされました。しかし、人間はその地獄でもたくましく生きていました――って世界。
プレイヤーA:めっちゃ簡単ですね(笑) とりあえずアラビアンナイト風なイメージでいればいいのですか?
GM:とりあえずはね(笑) ではさっさとキャラクター作成に入りたいんだけど、まずは種族を決めます。
プレイヤーB:たしか獣人とかいるんだよな!
GM:そうです。種族は普通に人間と、一緒に地獄へ落ちてしまった天使、神を見限った堕天使、さらに地獄に落ちてから生まれるようになった人間の突然変異である銀糸の民、そして、地獄へ落ちるきっかけを作った人物の想像から生まれし獣人、獣人は肉食・草食・小動物の3パターンがあります。どれにする?
プレイヤーA:じゃあ簡単に人間やりまーす! たぶんオールマイティーなんでしょう!
GM:うむ、その通りだ(笑) 人間は特別な特徴も持ってないが、その分PLの趣味で作り込める。
プレイヤーB:俺は獣人をやるぞ! 獣人やろうと思っていたんだ(笑)
GM:ぬ、すでにやりたい動物が決まっているのですか!?
プレイヤーB:任せておけ(笑)
プレイヤーC:人間に獣人……ま、無難に魔術系として銀糸の民にするかな。
プレイヤーA:その銀糸の民ってのは魔術系なの?
GM:銀糸の民は生まれながらにして≪魔術適正≫という特徴を持っていてね。どんな魔術を使うにしてもプラス修正が入るんだ。
プレイヤーC:その分、肉体系の技能には向いていない≪虚弱≫って特徴も持っているけどね(笑)
GM:まぁ無難に人間が前線、銀糸が後衛かな……獣人は好きにやっても良さそうですよ?
プレイヤーB:うむ、だが一つ問題がある。
GM:???
プレイヤーB:"アリ食い"って何動物だ?(一同爆笑)
GM:アリ食いやるつもりだったんですか!!!(笑)
プレイヤーB:いや、気になってさ(笑)
プレイヤーA:アリを食べるんだから、たぶん肉食じゃないですか?
プレイヤーC:でも、肉食って言えばライオンとかトラだから違うんじゃない?
GM:じゃあ小動物?
プレイヤーB:ちなみにアリ食いは1mぐらいあるからな(笑)
プレイヤーA:そんなでかい小動物はいない!!!(笑)
プレイヤーC:とはいえ、草食獣なわけはないね(笑)
GM:肉食・草食・小動物……全て駄目ですね。
プレイヤーB:じゃあ俺は何をしたらいいんだ!!!(一同爆笑)
プレイヤーA:いっそのこと中型動物じゃないですか?(笑)
プレイヤーB:おお、今良い事言ったよ。それだ! というわで俺は中型動物っと……(カキカキ)
GM:いや、やめて下さいよ!(笑) リプレイも取っているんだし、いきなりイレギュラーな事しないで下さい!(笑)
プレイヤーB:う〜〜ん、しょうがないなぁ……じゃあ結局、俺はどうしたらいいよ?(笑)
プレイヤーC:アラビアンだしインドチックにガネーシャな象とか。
プレイヤーB:確かに象はカッコいいな。実は俺、今回かっこいいキャラをやりたくってさ(笑)  
『アリ食い』はカッコイイのか?
GM:ま、まぁ種族も決まった事にして、次に行きますよ。
プレイヤーB:うむ、頼む。
GM:では次に術技と呼ばれる特殊な技能を合計2レベル取ってもらいます。好きなのを1レベルずつ取ってもいいし、同じ術技を重ねて取ってもいいです。重ねるとその術技が2レベルになります。
プレイヤーA:主人公っぽい術技はありますか?
GM:特殊な武器(銘刀)を使った剣術である≪刀術≫を取ると主人公っぽいかな。
プレイヤーA:アラビアンな剣士ですね!
GM:なにより刀士(刀術使いのこと)は、ゲヘナの特徴である連撃の効果を最大限に引き出すからね。
プレイヤーC:あ、あと≪魂装術≫もゲヘナじゃ主人公格だと思う。この世界はすでに地獄だから、死んだ魂を操る術も生まれてね、その術を使って武器に魂を宿らせテクニカルに戦うのが≪魂装術≫を使う魂装士。
プレイヤーB:俺は前線に出て戦う奴がいいぞ、でも主人公より脇役で孤高な感じでカッコよく決めたいから、その2つ以外が良い! なんか無いか?(笑)
GM:≪獣甲術≫と≪暗殺術≫が前線ですね。≪獣甲術≫を使う獣甲闘士は、生体兵器である"獣甲"を用いて技よりも力にものを言わせて戦うタイプ。≪暗殺術≫は専用の魔薬(ドーピング薬?)や専用の武器(暗器)を使って戦う暗殺士。重戦士と軽戦士って所ですね。
プレイヤーB:渋い親父か、軽めの兄さんか……そんなイメージしか湧かないな(笑)
GM:随分と極端ですね(笑)
プレイヤーA:じゃあ獣甲闘士に決定ですね。どうせプレイ始まったら一人称「わし」なんだし(笑)
プレイヤーB:まぁ確かに俺はそういうキャラの方がやりやすいが……うん、≪獣甲術≫にする(笑)
GM:はい。では最後は魔術系だね。
プレイヤーC:ここは攻撃系とサポート系を両方取っておいた方がいいか……
※解説1 「術技」
 こういった解説において、今回プレイするゲヘナの説明を補助的に入れていきたいと思う。
最初は解説されなかった魔術系の術技についてである。≪神語術≫≪炎術:白炎≫≪炎術:黒炎≫≪妖霊使役≫が魔術系である。≪神語術≫を使う神語術師は、神の言葉を操って不安定ながら抵抗不可な魔術を公使する術者。≪炎術:白炎≫は回復術であり、≪炎術:黒炎≫は攻撃の術である。また、≪妖霊使役≫とはパートナーの妖霊を使役する術であり、妖霊によって様々な事ができるようになる術である。
GM:では、それぞれ自分の好きな<技能>1レベルを5つと、自分の≪術技≫に沿った【闘技】(ありていに言って必殺技)を2つまで取って下さい。それでは最後に名前を決めてキャラ作は終了としましょう!

◆1.享受者達の饗宴

名前 :アーレン
種族 :人間
年齢 :16(男)
術技 :刀術Lv1/魂装術Lv1
信条 :友情肯定的/身分否定的
赤銅色の肌に黒髪黒目の魂装刀士。小さいころ友達を邪霊に殺された過去を持つ、その時の事を悔やみ享受者の道へと入った。仲間意識が強く、仲間や友人のためなら努力を惜しまない性格。一人称は「僕」。
――「彼女は僕にとって、大切な仲間の一人だ!!」――
GM:それでは自己紹介に入りましょう!
アーレン:じゃあまずは僕から! PLはゲヘナ初心者です! とりあえず主人公っぽい≪刀術≫と
≪魂装術≫を両方1レベルずつ取得しました! これで必殺の銘刀に魂を乗っけて戦えます!
プレイヤーB:おお、本当に主人公っぽいじゃないか! 魔法剣士だな(笑)
アーレン:そうです! かっこいいでしょう(笑)
プレイヤーB:わしのキャラには負けるがな(笑)
GM:えっと……残念なお知らせなのだが、そのコンボは無理だ。
アーレン:無理!?
GM:うむ、銘刀を振り回す技能は≪刀術≫、魂をエンチャントした武器を振り回すのが≪魂装術≫だからね。それを併用して使うのは無理なんだ。どうしても使いたいなら、銘刀以外の武器を持ってくれ。
アーレン:え〜〜そうなの? 早く言ってよ〜〜!
プレイヤーB:カッコよさ50%減だな(笑)
アーレン:そんなに!?(笑) まぁめんどくさいからこのまま行く(笑)
GM:キャラクター信条(選択ルールなので使用するかどうかは自由です)が、『友情肯定的/身分否定的』だけど、何かあったの?
アーレン:実はありました。……昔、友人を邪霊に殺されたんです。しかも、僕はその友人を助けられなかった!
プレイヤーB:(突然死んだ友人)『アーレン! 助けてくれ〜〜!』
アーレン:「あ、あ、うう……ごめん!」ダーッシュッ!
一同:『逃げたのかよ!!!』(一同爆笑)
アーレン:そうして自分の無力さを思い知った僕は、二度と後悔しないように享受者になりました。
プレイヤーC:じゃあ逃げるなよ(笑)
アーレン:16歳の男です。黒目に赤銅色の肌、髪の毛も黒なので、結構一般的な容姿です。今は修行の旅の途中っていう設定です。
GM:もう一つの信条『身分否定的』ってのは?
アーレン:さぁ(笑) とりあえず身分にかまけて威張ってる奴は嫌いです(笑)
※解説2 「享受者」
 ゲヘナにおいて、PCはすべからく享受者である。頽廃の果実酒<ザクムのエキス>という神と邪霊の魔力を含んだ酒を飲み、その双方の力を享受するのでこう呼ばれる。頽廃の果実酒を飲んだ者は超人的な力を手に入れるが、飲んだときに肉体的・精神的な苦痛を味わう事となる。享受者は普通、はるかな過去に人々が暮していたという地上に至る事を目的とする。が、それ以外を目的とする享受者も、もちろん存在する。
………………………………………………………………………………
名前 :ジャバール
種族 :獣人(草食獣タイプ)
年齢 :35(男)
術技 :獣甲術Lv2
信条 :自立肯定的/運命否定的
本人曰く"孤高のカッコいい獣人"……である。天涯孤独の身の上で生き抜く為に享受者になった。頼られるのも好きではないが、褒められるのは嫌いじゃない。一人称は「わし」。
――「自らの道は自らの力で切り開け、ここで踏み出さねば一生そのままだぞ」――
ジャバール:では次はわしが行こう。名前はジャバール!
アーレン:かっこいい獣人ですね!
ジャバール:その通り! わしは35歳の男の獣人でカッコいい孤高の獣甲闘士だ!
プレイヤーC:噂とかが流れたりするんですよ――『ねぇ、孤高の戦士ジャバールって知ってる?』(笑)
ジャバール:わしはその横を聞こえなかった振りをしてさり気なく通るんだ!――「顔が一致しないようじゃ、わしもまだまだ……か」(笑)
アーレン:本当にかっこいいのを目指しているよこの人(笑)
ジャバール:当たり前だ! 今回はそのパターンで行くって言っただろうが! で、獣のパターンは草食獣の"カバ"ね。
一同:『………………えッ!?』
ジャバール:ん? だからカバをやるぞ。俺はかっこいいカバだ!!(一同大爆笑)
一同大爆笑の渦にはまり、一時中断。
GM:さっき象やるって言ってませんでしたっけ!?
ジャバール:誰もやるとは一言も言ってないぞ。リプレイ書いてるなら読み直すがいい!(笑)
GM:し、しかし……そんな……(笑)
ジャバール:かっこ良いだろう!(笑)
アーレン:どこがかっこいいんですか!(笑) カバじゃないですか!!(笑)
GM:孤高のカバ(爆笑)
ジャバール:おい! もっとカバに敬意を払え! 失礼だぞ今の発言!
プレイヤーC:でも……見た目はもう2頭身(大笑)
ジャバール:お前等……違う! わしはカッコいいカバなんだ! ちゃんと想像しろ!!(笑)
アーレン&プレイヤーC&GM(再び大爆笑)
ジャバール:なぜ解らない!(笑) 確かにギャグっぽいのも想像できるけど、かっこいいカバだって想像できるだろ?
アーレン:ムリムリムリ!(笑)
プレイヤーC:だってカバなんだもん(笑)
ジャバール:まぁいい! わしがカッコ良いカバというものを見せてくれる!
GM:それは……楽しみで……ふぅ…はぁはぁ(笑)
ジャバール:いい加減進めてくれ! そろそろわしもお腹が痛くなってきた(笑)
アーレン:本人一番笑ってるじゃないですか!!!
ジャバール:そんな事は無い! わしは至って真面目だ!!(←と笑い)
GM:え〜〜では、なぜ享受者とかになったのでしょう?(笑)
ジャバール:なぜ笑いながら言う?(笑) 享受者になったのはわしが元々天涯孤独の身だったからだ。生きる為、生きていく為には享受者となるしかなかったわけだ。
アーレン:ま、カバだしね(一同爆笑)
ジャバール:それは関係無いだろう!(笑)
GM:まーまー(笑)
ジャバール:わしはカッコいいカバを目指しているというのに、なぜチャチャと笑いが入る!(笑)
………………………………………………………………………………
名前 :テヨーラ
種族 :銀糸の民
年齢 :20(女)
術技 :神語術Lv1/炎術:白炎Lv1
信条 :運命肯定的/努力否定的
母親が神語術師であり、小さい頃より英才教育を受けて育つ……が度を過ぎた母の教育により、頽廃の果実酒<ザクムのエキス>を飲まされ生死を彷徨い享受者となる。以来、どこか諦めた人生を送っている。一人称は「私」。
――「それも運命……諦めることね」――
GM:では最後はテヨーラ姉さんです。
テヨーラ:20歳女性の銀糸の民。防御不能の神語術と回復系の白炎を持っているから、魔術に関してはエキスパートになった。
ジャバール:まぁ、わしらは前衛の物理系だから助かるには助かるな。
テヨーラ:ちなみに口癖は「……これも運命」(笑)
ジャバール:なにーーー! わしは『運命否定的』だぞ! そんな自分で責任を取らないような言い草は認めん!
テヨーラ:カバに言われてもね(笑)
ジャバール:孤高の戦士が言ったんだよ!(笑)
GM:ってかジャバールが運命を否定するのはなんとなくわかるとして、テヨーラはどうして肯定的なの?
テヨーラ:母親が神語術師で英才教育を受けて育ったのだけど、ある日、母親に頽廃の果実酒<ザクムのエキス>を強引に飲まされて享受者になった。ちなみに原液。
アーレン:ご、強引に飲まされって……。
ジャバール:あれって一応毒なんだろ?(笑)
GM:血で薄めても地獄の苦しみです(笑)
テヨーラ:スパルタだったのです。
アーレン:その一言で済むの!?(笑)
テヨーラ:まぁそれ以降、今まで苦労して覚えてきたことが偉く簡単なものに見えてきて、努力は無意味である事を知ってしまいました。
GM:享受者は超人だからね、常人の10倍以上の経験吸収率を誇るから、そう思ってもおかしくは無いかな。
テヨーラ:そう、努力は無意味であり全ては運命のままに……ってね。
ジャバール:うむ、境遇が違いすぎるな。ある意味過保護だ。
アーレン:境遇って言うか……。
ジャバール:何がいいたい? いや、言わないでも解るから言うな(笑)
テヨーラ:カバだし(一同爆笑)
ジャバール:だから言う必要無いだろ!(笑)
GM:あっはっはっ…じゃあそんなメンバーで今日はプレイを始めましょう!

◆2.背徳の街

ジャハンナム東部にあるその街は、白昼堂々殺人事件が起こったとて誰も不思議に思わないほど治安の悪い街だった。その街の名は――
GM:今回の舞台は賭博都市カリュオンです。犯罪者の多い賭博都市だと思ってくれてかまいません。その街にある享受者達の相互扶助組織"紫杯連<マーリク>"に誰か来て……ってアーレンでいいか。
アーレン:じゃあ来ました。
GM:そこはちょっとガラの悪そうな酒場だ。お客は誰もおらず、カウンターの向こうで主人らしき人が水煙草を吸ってる。
アーレン:「こんにちはマスター」
GM:「なんだ新顔だな、この街には初めてきたってところか?」
アーレン:「はい、旅の途中でして……一応こっちに顔出しておかなきゃなぁって」
GM:「良い心がけじゃねーか。丁度良い、実は早めに回しときたい仕事があったんだ。お前さんに頼むことにしよう」
アーレン:あの、拒否権は無いのですか?(笑)
GM:拒否したかったら拒否しても構わない。シナリオが終わってしまうので、できれば拒否しないでお願いします(笑)
アーレン:了解です(笑)――「うん、わかった。懐もそろそろ寂しくなって来た頃だし、こちらからもお願いするよ」
GM:「そいつぁ助かるぜ。なんせ期限付きの急ぎの仕事でな、それに依頼主はちょっと援助してくれてる人だから、あんまり悪い顔もできなくってな」
アーレン:「それで、どんな仕事なの?」
GM:「ふむ、実は仕事内容については直接依頼主に会って話を聞いて欲しい。ほれ、これが依頼主の家への地図だ」――と地図を渡します。
アーレン:じゃあ受け取ります。
テヨーラ:依頼者に直接会うとは…珍しい。
アーレン:え、なんで?
テヨーラ:享受者ってのは犯罪者に足突っ込んでいる職種だからね。依頼しだいじゃ暗殺なんかも当たり前。そんな人たちに直接会いたいなんて酔狂な依頼人がいるわけないじゃん?
アーレン:じゃあ今回は酔狂な依頼人なんだ(笑)……あれ? ここにいるのって僕一人?
ジャバール:わしは別の酒場で飲んでいるぞ。
テヨーラ:せっかくだし、私は賭け事中(笑)
アーレン:「ちょっとマスター! 僕一人で仕事なんて無茶言うなよ!!」(笑)
GM:「ああ、じゃあこいつを持ってけ」――と、この街にいる享受者の名簿を受け取ります。
アーレン:「自分で仲間を集めろって事?」
GM:「そういう事だ。報酬は全員で5000Di(ディール)って話だ」
アーレン:「つまり、仲間を集めれば集めただけ自分の取り分が減る?」(笑)
ジャバール:逆に集めなければ生存率が減るぞ(笑)
アーレン:う……それも正論だ(笑)
………………………………………………………………………………
 街の賭博場の一つ、そこは犬を走らせその順位を当てる場所だった。客席にあきらかに場違いな雰囲気をかもし出す女性がいた。その女性は賭博券を持ちながらも、他の客のような熱意がなかったからだ。
GM:で、テヨーラは何をしているの?
テヨーラ:私はドックレースでもやってる。運命だけで勝敗を決められる賭け事だしね(笑)
GM:じゃあ即席ルールだけど1D振って偶数なら賭けたお金の倍になっていいよ。奇数なら没収ね。
テヨーラ:なら残っているお金全部賭けるね(コロコロ)……。
GM:で?
テヨーラ:「ふッ……これも運命」――券を破り捨てます(笑)(←いきなり所持金が0である)
アーレン:「テヨーラさん!」――と声をかけます。テヨーラさんとは前に別の街で一緒に仕事をしたことがあるんで、顔見知りなんです!
テヨーラ:じゃあそういう設定で(笑)――「あら? あなたは……」――というわけで酒場に移動しましょう。
GM:では酒場です。お客さんもそれなりにいる普通のお店に来ました。
アーレン:「――と、言うわけなんだけど、この依頼を僕と一緒にやって欲しいんだ」
GM:説明早ッ!(笑)
テヨーラ:まぁ何度も言うのは無駄だしね――「ええ、いいわよ。……でも2人だけじゃまだ心もとないわね。前線で壁になれる人を探しましょう」
アーレン:じゃあ名簿を見せますよ。たぶん得意とする術技ぐらい載っているでしょう。
GM:そうだね。それぐらいは載ってる事にしよう。
テヨーラ:なら名簿の一点で視線が止まって――「獣甲闘士ジャバール……」
アーレン:「え!? あの勇猛果敢なジャバールさんが!?」
テヨーラ:「いるみたいね、この街に」
ジャバール:お、なんだなんだ? わしってもしかして有名人か!?(笑)
アーレン:「僕、噂しか聞いたこと無かったんだよな……へぇ〜ジャバールさんって獣人だったんだ、ほらテヨーラここに書いてある」(笑)
テヨーラ:「でも何の獣人なのかは明記されてないわね」(笑)
アーレン:「きっと狼とかカッコいい獣なんだろうなぁ」(笑)
ジャバール:お主ら……わしはさりげに、その酒場のカウンターにある『ジャバール専用椅子』で『ジャバール専用酒』を飲んでいよう(笑)
※ジャバール専用……PLに聞いたところ、頑丈な椅子と樽の事らしい。
テヨーラ:「狼ねぇ……意外とあんな人だったりしてね」――と笑いならが視線を(笑)
ジャバール:そこにはカバが座っているぞ。って違う! カッコいいカバが座っている! 思わず自分で言うのを忘れてしまった(一同爆笑)
アーレン:"かっこ良い"をつけないと駄目なんじゃん(笑)
ジャバール:うるさい! 形容詞は重要なんだ!(笑)
アーレン:じゃあカバを見て笑おう――「あっはっはっ! そんなバカな! 言い過ぎだよテヨーラ」(笑)
GM:では酒場の主人がカウンターで「ほれ、ジャバール専用酒のおかわりだ」
ジャバール:「おう、すまんな」――グビグビ。
テヨーラ:「偶然ね、あのカバ(笑)もジャバールと言うみたいよ」
ジャバール:グビグビ(知らん振り)――耳がピクピク動いてたり(一同爆笑)
アーレン:変な描写入れない! 思いっきり想像しちゃったじゃないですか!!(笑)
ジャバール:なんだと!? 普通に聞き耳立ててる描写だろうが!!(笑)
テヨーラ:だって(笑)…カバの耳がピクピクって可愛い(笑)
GM:良いから、話を進めてくれ(笑)
アーレン:じゃあカバさんに失礼な気がして来たので(笑)――「あ〜〜っと……とりあえず謝っておこうか」と、カウンターに言って――「ごめんなさい」(笑)
ジャバール:だから笑いながら言うなよ(笑)――「ん?」って振り向こう。
アーレン:「ちょっと後ろでジャバールさんについて話していましたが、人違いなんで気にしないで下さい」
ジャバール:「んん?」
アーレン:「えっと…つまり、人違いなので……いや、カバ違い?(笑) まあいいや、とにかく気にしないで下さい。僕達はカッコいいジャバールさんの話をしているだけなんで」(笑)
ジャバール:「……つまり、わしはケンカを売られているのか?」
アーレン:「いえ、名前が一緒だから勘違いされても困るなぁって言いに来ただけですから」(笑)
ジャバール:「ほう、誰と名前が一緒なんだ?」
アーレン:「カッコいいジャバールさんと」(笑)
ジャバール:「わしもジャバールだが?」
アーレン:「いいえ、僕の言っているのは、"カッコいい"獣甲闘士のジャバール さんです」(笑)
ジャバール:「わしも獣甲闘士だが?」
アーレン:「だから違うって! 僕の言ってるのは獣甲闘士で獣人のカッコイイジャバールさんだよ? だっておじさん"カバ"じゃん!!!」(一同大爆笑)
ジャバール:ピキピキ額にマークが入りつつ――「わしも獣甲闘士で獣人のジャバールだが? それに他人からは孤高の戦士ジャバールと呼ばれる事もあるなぁ?」(笑)
アーレン:じゃあ、ちょっと気がついて(笑)――「えっと……でも、僕の探しているのはカッコいい――」
ジャバール:「少々教育が必要のようだな。主人、裏口の戸を空けてくれ!」――アーレンの腰をガバっと掴んで裏口から出て行く(笑) お仕置きタ〜イム♪(笑)
………………………………………………………………………………
 酒場の裏口から異様な音が立て続けに響き渡る。が、それもすぐにやみ裏通りにはいつもの静けさが戻った。
アーレン:ボロボロになって引きずられて酒場に戻ってきて――「おみそれしました……」(笑)
ジャバール:「これからは、わしの事を先生と呼び尊敬するが良い」(笑)
アーレン:「わかりました先生」
テヨーラ:「よかったじゃないアーレン」(笑)
アーレン:「………………まさか、テヨーラ知ってたんじゃ」
テヨーラ:「そんな事より、これで前衛の良いカバも見つかったし、依頼主のところへ行きましょうか」
ジャバール:「おい、お主……」それはわざと言っているのか?
テヨーラ:ん?……「何?」
アーレン:「あ、いや、今テヨーラが"良いカバも見つかったし"って」(笑)
テヨーラ:(笑) え? 言ってた?(笑)
ジャバール:思いっきりな。
テヨーラ:「ごめんごめん、"良い壁が"って言おうとしたのよ」(笑) 素で間違えた! 壁とカバなんて間違い安い名詞だから仕方無いじゃん!(笑)
アーレン:ひ、ひでー(笑)
ジャバール:「アーレン、こいつはいつもこんな感じなのか?」
アーレン:「ま、まぁ」(笑)

◆3.奴隷の踊り子

歓楽街の端にその大きな屋敷はあった。劇場か何かなのか、正面には看板やらなにやらとごちゃごちゃしており、実際に家人に会う為には裏口に回らなければならなかった。
GM:では、あなた達が紫杯連から来た享受者だと言うと応接間に通されます。部屋は成金趣味です。
ジャバール:「あまり良い趣味だとはいわんな」
GM:とか話していると、でっぷりと太った商人風の男がぺったらぺったら歩いてきます。年齢は40〜50歳ぐらい――「良く来たな、わしが依頼人のアギード・トードだ」
テヨーラ:「トード……解りやすいわね」
GM:「何か言ったか?」
テヨーラ:「いいえ」
ジャバール:「それで、依頼内容は直接お主に聞けと言われたが?」
GM:「うむ、実は賭け事のライバルでハサン・スネイルという男がいるのだが、そいつと先日"ある賭け"をしてな」
ジャバール:「賭け事?」
GM:「どちらが強く優秀で役に立つ妖霊を見つけてこれるか――という内容の賭けだ。そこで、お前達享受者にはその条件に見合った妖霊<ジン>を捕まえてきてもらいたい」
アーレン:妖霊?
※解説3 「妖霊(ジン)」
 妖霊(ジン)とは、火と風から神によって創られし最初の地上の支配種族です(ちなみに、人間は土と水で創られたと言われています)。しかし、この種族はあまりに傲慢だったため、神によって駆逐されてしまい砂漠を放浪するようになりました。かのシェオール王国の偉大なる王ラスマーンは、この妖霊<ジン>を使役する術を得ており、その術(妖霊使役)は今も多少弱体化したとはいえ、ジャハンナムに住む享受者の間に残っています。妖霊を使役する事のできる術者を妖霊使いと呼びます。
テヨーラ:「アギードさん、その妖霊を捕まえるためには享受者として素質のある"妖霊使い"が必要よ?」
GM:「それは知っておる。だからお前達をわざわざわしの家に呼んだのではないか、さぁついて来い」――と、ペッタラペッタラ。
ジャバール:ところで、さっきから気になっってたんだが、その足音の効果音はスリッパかなんかだよな?(笑)
アーレン:生足でその効果音は嫌でしょ(笑)
GM:ここはノーコメントで(笑) では廊下を歩いて大きな部屋に入ります。テーブルと椅子が何組も置いてあり、部屋の奥は全て舞台(ステージ)になっていて、今そこに何十人もの人達が踊っている。
ジャバール:「踊り子?」
GM:「ああ、気にするな。あれは全てわしの奴隷達だ」
テヨーラ:確かジャハンナムの奴隷は一般的な意味合いより、ずいぶんと待遇は良いはず。
GM:普通のジャハンナムではそうだね。手に職を持っている奴隷は適当な一般人よりもずっと良い暮らしができる。が、ここはモラル最低なカリュオンです。舞台で踊っている奴隷達は一般的な意味合いの奴隷とみてかまわないよ。
アーレン:なんかこの依頼人嫌いだ。
GM:奴隷には人間だけじゃなく、銀糸の民や天使に堕天使、猫や兎とかの小動物の獣人なんかもいる。技能の<舞踊>か<意思疎通>で4/2で成功すれば何かわかるよ。
アーレン:<舞踊>なんて持ってない。
GM:持ってない場合は【敏捷】か【感覚】で4/2でいいです。
※解説4 「判定方法」
 判定にはまずD6を判定に使用する【能力値】分持ちます、さらに指定された<技能>のレベル分も加えて、あとは振るだけ。GMから4/2と指定された場合、"出目が4以上のダイスが2つ以上あれば成功"という意味になります。
GM:って、全員<舞踊>も<意思疎通>も無いのか……一応、このジャハンナムでは舞踊は芸術のトップに位置するので覚えておくと良いぞ。
アーレン:じゃあこのセッションが終わったら取得するって事で(笑) えっと<舞踊>の技能無しだから【敏捷】の数……5個を振る(コロコロ)……1、1、2、5。
GM:失敗だね。
ジャバール:わしは【敏捷】も【感覚】も無いからな……うむ、失敗した(笑)
テヨーラ:私は<意思疎通>を技能無しの【感覚】だけで(コロコロ)……2つは成功している。わかるよ
GM:では踊っている奴隷達は、みな一様に悲しい感じだ。待遇は悪いようだね。
アーレン:先生! やっぱこの依頼人ムカツクよ!
ジャバール:まぁ待て、まだ依頼を受けるかどうかの所までさえ行ってないぞ(笑)
テヨーラ:悲しそうな…ねぇ――「それも運命……諦めることね」
アーレン:うわ〜〜ひどいよテヨーラ(笑)
テヨーラ:だって私のキャラは運命肯定的だから、酷いって言うなら判定で成功すればいいじゃん!
アーレン:いや、失敗したあとに言われても(笑)
GM:とりあえずアギードが言うぞ――「あそこで踊っている奴隷達がいるな、誰か一人ぐらい享受者の素質を持った者がいるだろう? 早く見つけてくれ」――享受者は同じ享受者としての素質を持つ者を感覚的にわかるらしいのです。君達は自分の得意な≪術技≫4/3で素質を見抜けるよ。
アーレン:(コロコロ)……う、また失敗。
テヨーラ:私も駄目だ。
ジャバール:なんじゃお主ら、皆駄目だなぁ(笑) わしは成功! 全部成功したぞ(笑)
テヨーラ:ジャバールはカバの獣人を見つけました(一同爆笑)
ジャバール:勝手な事言うなテヨーラ!(笑)
アーレン:めっちゃ直球だし(笑)
GM:はい。カバの獣人はいませんから(笑) ジャバールが見つけたのは12歳ぐらいの堕天使の少女だね。
ジャバール:「あいつだ」――と指を差す。
テヨーラ:「カバじゃないわよ」(一同爆笑)
ジャバール:まだ言うか!!!(笑)
GM:「よし、お前こっちに来い」――とアギードが言い――「はい。なんでしょうか」
ジャバール:「うむ、わしにはわかる。この子には才能がある。そう、獣甲闘士のな」(笑)
アーレン:「先生……僕達が探すのは妖霊使いじゃ?」(笑)
GM:とはいえ、享受者の才能さえあれば、本人の資質に関係無く妖霊使役を学ぶ事はできる。アギードが――「よし、あの"なんとかのエキス"を持って来い」――と別の奴隷に言いつけて、何か紫雲色の液体で満たされた杯を持って来させる。
ジャバール:頽廃の果実酒<ザクムのエキス>だな。
GM:「さぁ飲め」
アーレン:「おい! それを飲むかどうかはこの子の意志だろ! 頽廃の果実酒は飲むとすごい苦痛で死ぬかもしれないんだぞ!」――とルールブックに書いてあった(笑)
GM:「はぁ? 奴隷にそんな権利は無いだろうが?」
アーレン:「ゔ……」――こいつっ!
ジャバール:少女に聞こう。「お主、名は?」
GM:「……ラティ…と言います」
ジャバール:「ラティ……自らの道は自らの力で切り開け、ここで踏み出さねば一生そのままだぞ」
GM:なら小さな声で――「自由に……なれるかな?」
ジャバール:「お前しだいだ」
GM:じゃあラティは杯を――
アーレン:「ちょっと待った!!」
GM:「なんだ?」とアギード。
アーレン:「ごめんよ」――と、少女の指を切って流れ出る血を杯の中に入れます――「これで多少は毒性が弱まっているはずだから」と微笑もう。
GM:「あ…ありがとう……ございます」
ジャバール:「甘いなアーレン、あの苦痛を耐えてこその自立だぞ」
アーレン:「あの苦しみは子供には無理ですよ」
テヨーラ:「あなた達もしかして……原液飲んだの?」
アーレン&ジャバール:『YES!』
テヨーラ:………………バカね。
ジャバール:(←突っ込むべきか迷ったらしい)
ちなみにテヨーラも原液を飲んだと言っていたような……GMの気のせいだろうか?
GM:じゃあラティは杯を飲み干し、その後(コロコロ)……2分ほど気絶します。――「これでこいつは享受者になったわけだな」
テヨーラ:「これで目覚めればね」
アーレン:縁起悪い事言わない!(笑)
GM:「ではこいつを連れて、ここに行ってきてくれ」――と地図を渡します。
ジャバール:「なんだ?」
GM:「とある筋から手に入れた秘密の遺跡でな。そこには不思議と妖霊達が集まるらしい。そこで"強くて優秀で役に立つ"妖霊を見つけ、こいつと契約させて連れて帰って来てくれ、これが依頼内容だ。報酬は全員で5000Di、前金で1000Di程渡そう。これで準備などをしてくれ」
アーレン:少女を看ています。
GM:「ああ、忘れるところだった。ハサンとの賭けはお互いの見つけてきた妖霊と妖霊使いを戦わせるルールでな。観客にも見られるわけだ、わしに合う見栄えの妖霊を頼むぞ。妖霊の外見や勝負での勝ち負けは、追加報酬として払おう。もっともあまりにあまりな内容ならば減額もありうるから覚えておけ」
テヨーラ:蛙に合う妖霊なんていないよ(笑)
ジャバール:いや、ハサン・スネイルだったから、マングース型妖霊なんかだと強そうだぞ?(笑)
GM:妖霊は人間と同じ人型なので、そんなのはいません(笑)――「それとこいつも渡しておく」――と1000Di受け取ります。
テヨーラ:「これは?」
GM:「妖霊を封印する封印具代だ。なんか必要って聞いたぞ? どこで売っているのか、わしは知らんが」
ジャバール:「まぁ紫杯連(マーリク)で聞けば教えてくれるだろう。アーレン、そっちはもう大丈夫か?」
GM:少女はやっと起き上がりました。もう自分で歩けます。
アーレン:「うん、大丈夫……一人で大丈夫かい?」
GM:少女――ラティはこくりと頷くよ。
ジャバール:「では行くぞ」
GM:「ハサンとの勝負は、20日後だ! それまでに連れて帰って来い。5日以上余裕を持って連れて帰ってくれば、追加報酬で1000Di渡そう。妖霊使役の練習時間に回せるしな」
ジャバール:「わかった。考慮しておこう」

◆4.賭博都市からの旅立ち

少女――ラティは、少しオドオドと落ち着かな気に3人の側を歩いている。この様子から見るに、あまり外には出た事がないのだろうか。そんな事を考えながらカリュオンを歩く。
GM:さて、まずはどうしますか?
アーレン:封印具から探す。最初の紫杯連酒場で聞くけど?
GM:「それなら、祈祷師組合に行くといい」
アーレン:「祈祷師?」
GM:その術技を持った者同士で成り立っている組織のことです。祈祷師組合は妖霊使いの集まりだね。
テヨーラ:「同じ魔術系だし、そっちは私が行ってくるわ」
ジャバール:「じゃあ任せる」――封印具代を渡そう。
テヨーラ:所持金が1000Diになった(笑)
GM:しょっぱなにスッてたしな(笑)
アーレン:「なら僕は依頼主のライバル"ハサン・スネイル"について調べてきますね。先生はラティをお願いします」
ジャバール:「うむわかった」
GM:では紫杯連の酒場には、ジャバールとラティだけが取り残されます。他に客は居なく、酒場の主人が水タバコを吸う音だけが響きます。
ジャバール:「………………ラティよ」
GM:「?」――ジャバールを見つめます。
ジャバール:「なんか食うか」
………………………………………………………………………………
GM:では祈祷師組合です。
テヨーラ:「ここに来れば封印具がもらえるって聞いたのだけど?」
GM:「ああ、もちろんだ。だがタダじゃねぇ。2000Di払ってもらうよ」
テヨーラ:………………相場っていくらだっけ?
GM:1000Diです。上手く交渉すれば、封印具代のおつりは内緒でせしめられます(笑)
テヨーラ:「高すぎるわ、もっと安くならないの?」
GM:「でもなぁ、封印具もこれが最後の1個なんだよ。そうやすやすとは売れねぇなぁ」
テヨーラ:「最後? そんなウソには騙されないわよ。詐欺の常套手段じゃない」
GM:「いやいや、詐欺じゃねえって! 実は昨日よ、なんか妖しい3人組がやってきて『ここにある全ての封印具を売ってくれ』って言われてな」
テヨーラ:「じゃあ……」
GM:「全部売っちまおうかって思ったんだが……お前みたいのが来ると思ってな、ウソついて一つだけ残しておいたんだ。ってな理由で通常の2倍ってわけだ」
テヨーラ:理屈は通るけど、私の所持金は依頼人からもらった1000Diしかないからなぁ。なんとか1000Diで買えないか手を尽くします(笑)
GM:交渉するなら<交渉><枕事><賭博>のいずれかで4/2に成功すれば、1000Diに負けてくれますよ。
ジャバール:さすが賭博都市、交渉に<賭博>が入っている(笑)
テヨーラ:……<賭博>があるってことは、ここで1000Diじゃなくて、タダにする事も可能? 賭博のやり方によってはさ。
GM:あ〜〜…確かにそれはありか。なら賭けで勝てればテヨーラが言う値段割り引こう。逆に負ければ言った値段分を2000Diに上乗せしたものを借金してでも買ってもらうよ?
テヨーラ:それでいい。私の言い値は2000Di――「タダにまけなさい」
ジャバール:強気だなテヨーラ(笑)
アーレン:やめた方がいいって!
GM:「姉さん、負けたら4000Diの封印具を買って貰うぜ?」
テヨーラ:「構わないわ。で勝負の方法は?」
GM:偶数ならテヨーラの勝ち、奇数ならNPCの勝ちね。
テヨーラ:(コロコロ)……――
………………………………………………………………………………
アーレン:ハサンを調べます。
GM:<裏知識><交渉><賭博><枕事>で4/2ね。
アーレン:<賭博>の技能無しで(コロコロ)……成功!
テヨーラ:………………。
アーレン:「じゃあ僕の勝ちだね、おじさん、ハサン・スネイルの事教えてよ」
GM:「ちっ…兄ちゃん強えなあ。よし教えてやろう。ハサンの奴ぁ"ギャンブルはイカサマだ"とか普段から言い切ってる奴だ」
アーレン:「イカサマか…」
GM:「ギャンブルだけで生計を立ててるんだが、それでも破滅しないのは強運のせいだけじゃなくて、邪霊と関係があるからだって言う奴もいるな」
アーレン:「邪霊……ねぇ、アギート・トードさんもそんな噂ある?」
GM:「ああ、あいつは昔、ハサンから借金して賭けを続けていたな。今は勝ち組みだから関係無いだろうがな。自分以外は道具って考えてるような奴だけど、金払いだけは良いって評判だ」
アーレン:「ふ〜〜ん」
GM:「あ、そうそう。ハサンの奴が最近、少年の享受者を見つけて、そいつを妖霊使いにしようと何か動いているらしいぜ」
アーレン:「いろいろ情報ありがと!」
GM:「ああ、また勝負しに来いよ」
………………………………………………………………………………
GM:最後に紫杯連の酒場です。お客はジャバールとラティだけです。目の前には料理が置かれます。――「これ、美味しい……」
ジャバール:「そうか」――って、何食べてるんだ?
テヨーラ:シシカバブ(即答)。
※シシカバブ――羊の肉を焼いたものをナン(パン)で挟んだ食べ物。
GM:じゃあそれで(笑)
ジャバール:「それはシシカバブだ」
GM:(じ〜〜とジャバールを不思議そうに見つめて)――「シシ"カバ"…ブ美味しい」
ジャバール:「そうかそうか」――今、なんかイントネーションが違った気がするが(笑)
アーレン:気のせいだよきっと(笑)
GM:「シシ…"カバ"ブ美味しい」(じ〜〜と見て)
ジャバール:「そうかそうか」――やっぱおかしくないか?(笑)
アーレン:気のせい気のせい(笑)
GM:「シシ…"カバ"…ブ美味しい」(じ〜〜と)
ジャバール:「一つ言っておくが……」
GM:???
ジャバール:「羊の肉だからな」
GM:ラティは"えッ!?"って顔を(一同爆笑)
ジャバール:なんの肉だと思ってたんだ! って普通無いぞ"その肉"は!?(爆笑)
テヨーラ:じゃあ戻ってこよう――「はい、これが封印具よ」
GM:小さなランプのアクセサリーが付いた首飾りです。
ジャバール:「よし、ラティが持つといい」
GM:ラティは首から下げます。
アーレン:僕も合流――「カクカクシカジカで……なんかハサンの方も妖霊使いの心当たりがあったみたいだよ」
テヨーラ:「そう言えば、祈祷師組合でも私より先に買い占めようと思ったやつらが居たいみたいね。妖しい3人組って言っていたわ」
ジャバール:「やはりハサンも享受者を雇ったと考えた方がよさそうだな」――では、お前達がいろいろやっている間に、前金の1000Diで食料と砂漠を徒歩で行くのは時間かかるから、ラクダを3頭借りておいた。
ここでジャバールはもっともらしく説明しているが、ラクダはタダで借りられるし、食料も携帯食なら1日分で1人20Diです。さて、差額はどこへ消えたのでしょう(笑)
GM:遺跡まで徒歩で片道7日、ラクダなら4日です。
ジャバール:ラクダを使えば、遺跡で何日か過ごしても、早く戻って来た分の追加報酬がもらえるしな(笑)
テヨーラ:「ならさっさと行きましょう」
アーレン:ラクダは3頭だよね? なら――「ラティ、君は僕の後ろに乗って」
GM:少女は素直に後ろに捕まります。
ジャバール:そうか、すっかり人数に入れるの忘れていた(笑)
GM:では街を出る前にラティが一言言いましょう――「街を出るの…初めて……でも、帰って来ないと行けないんだよね……」
アーレン:「例え帰ってくる事が決まっていても、それまでは自由だよ。だから、ラティももっと気楽にしていいよ」
GM:じゃあちょっとアーレンを掴む手が強く――「うん、ありがとう」――少し嬉しそうにうつむいた。

◆5.妖霊街・初日

碁盤の目のように広がる廃墟群……4日後、例の遺跡に到着した一行は息を呑む事になる。その遺跡はとても1日で回りきれるレベルではなかった。端から端まで調べていたら、きっと5日以上はかかるのではないだろうか。砂を巻き上げ、風だけが自由に遺跡を行き来していた。
GM:さて遺跡到着です。
ジャバール:「さぁ妖霊を探すとするか!」
GM:ではこの遺跡で妖霊を探す時のルール説明をしましょう。
遺跡は5×5のマス目で現されます。
1マスの中には1人の妖霊が存在します(1人の妖霊が他の妖霊とケンカにならないギリギリのテリトリーラインだと思って下さい)。
PCは1日にこのマスを5回移動可能です。1つのマス目には必ず1人の妖霊が存在しており、妖霊を見つけるには<感覚鍛錬>4/3に成功する必要があります。基本的に妖霊は隠れています。
  判定に成功した場合は、即座にPLは1D6を4回振ります。その出目によって妖霊の外見・性格が決定します。
  判定に失敗した場合、そのマスでは妖霊を発見する事ができませんでした。失敗し発見できなかった場合は、再び1/5日分を費やして同じマスで再度発見判定を行う事が可能です。
5回移動すると夜になります。5回目の移動場所で寝る事になります。
  遺跡から街へ戻る場合は、どの方角でもいいので遺跡の端っこのマスから出られれば無事に帰路につけます。
ジャバール:ほう、面白そうじゃないか?(笑)
テヨーラ:でもこれだと、都合の良い妖霊が出るか出ないかはPLの運次第だよね?
ジャバール:最悪、5日余裕を残すという追加報酬を諦めればいいんだ。時間はたくさんある!
テヨーラ:………………それもそうか。じゃあマスター、私は振ります(コロコロ)……失敗。<感覚鍛錬>なんて持ってないし。
ジャバール:わしは【感覚】が2しかないから無理だ(笑)
アーレン:先生も? 僕も2しかないよ(笑)
テヨーラ:………………。
GM:碁盤の目のような遺跡を、縦に12345、横がABCDEで表現すると、今君達が入ってきたのは1−Cだ。
ジャバール:確か同じ場所でもう一度探せるんだよな?
GM:1/5日費やしますがね。
テヨーラ:2−Cに行こう。

GM:では2−Cです。<感覚鍛錬>4/3でお願いします。
テヨーラ:あ、成功した。
GM:では1D6を4回お願いします。
テヨーラ:33、51。
アーレン:良い妖霊が見つかるといいなぁ。
ジャバール:最初で当たってしまっては面白くないだろう?(笑)
GM:華奢で儚げな感じの美少女妖霊が、ゆらゆら踊りながら現れる。
ジャバール:蛙には合わんな。
アーレン:でもラティには良いかも。
テヨーラ:そう言えば蛙とラティ、どっちに合わせればいいの?
アーレン&ジャバール:『………………』
アーレン:そう言えば、それ聞いてなかったな(笑)
ジャバール:強ければ良いんだよ! 試合に勝てば文句は言われん!(笑)
GM:えっと、この妖霊の性格だと……「どうしたの人間達?」――と素直に聞いてきます。
アーレン:「強い妖霊を探しているんだ、心当たりないかい?」
GM:「なら私も強い妖霊だよ♪ もっとも、誰でもみんな自分は強いって言うと思うけど」
ジャバール:素直だな。
アーレン:「ねぇ、この街には他にどれだけ妖霊がいるの?」
GM:「みんなテリトリーを守っているからわからないなあ」――テリトリーの広さは1/5日で回れる程度ね。
ジャバール:計算すると遺跡全体で25匹か……そう言えば、どうすれば妖霊を捕まえられるんだ?
GM:みなさんが「この妖霊にしよう!」と決めてくれれば、ラティがその決定した妖霊と契約に入ります。契約には(1/5日)×1D6の時間がかかるので注意して下さい。
アーレン:テリトリーがあるってことは、この2−Cに戻ってくれば、この子ともまた会えるの?
GM:可能ですね。
ジャバール:「じゃあ、強そうな妖霊を見た事ないか?」
GM:「昔見た事あるけど今はわからないなぁ。引っ越してるかもしれないし」
ジャバール:「引越し?」(笑)
GM:「そうだよ。私達妖霊は自由気ままだから、この街にも定住はしないし……入れ替わり立ち代りなの。不思議とこの遺跡には住みたくなるんだけど、それでもみんな1年が限界かな?」
テヨーラ:「そうだ。私達以外に享受者を…人間を見なかった?」
GM:「ううん、知らないよ〜♪」――ちなみに性格は天真爛漫で子供っぽいでした。その子は踊りながらどっか行っちゃう。
テヨーラ:この子はキープとして、時間のかぎり探そう。
しかし、次の1歩(2−B)は発見失敗してしまい、次に2−Aを探す事に――
テヨーラ:マスター、今回は選択ルールの「幸運の助け」を使用しない?
GM:俺もそう思ってました(笑) えっと「幸運の助け」とは。
※解説5 「選択ルール:幸運の助け」
 必要達成数がPCの判定数より多い場合、判定はダイスを振る必要無く失敗に終わります。が、ジャハンナムには「運は無能者を助ける」ということわざがあり、例え絶対に失敗が決まっている判定でも、うまく運を味方につければ成功させることが可能です。
具体的には、指定された基準値(基本は4以上)のダイス目で、ゾロ目だった場合、成功したダイス数を2倍に計算してかまわない――というルールです。
ジャバール:おお! じゃあ2個しか振れないわし等は高確率で成功できるようになる!?
テヨーラ:そういう事。この遺跡中ずっと私だけが振るのはつまらないし(笑)
アーレン:(コロコロ)……ああ、2と2……じゃ駄目だよね?
テヨーラ:基準値である4以上が出ないと無意味だから。
ジャバール:(コロコロ)……よし! いきなり素晴らしいぞわし(笑) 6ゾロで成功! 2倍になるから4成功だ!
アーレン:なんか嘘臭い(笑)
テヨーラ:カバのくせに(一同爆笑)
ジャバール:なんか文句あるのか!? って、思いっきり目の前で振っただろうが!!(笑)
GM:では妖霊を発見しました。1D6を4回お願いします。
ジャバール:(コロコロ)……42、36だ。
GM:なんか細身の男性妖霊が歩いています。君達の方は見ていませんね。
アーレン:「あの〜〜」
GM:プイッ!(無視)
アーレン:ムカ!
ジャバール:「すまんが、ここらで享受者――人を見なかったか?」
GM:「どうして僕がいちいち人間なんて記憶しておく必要があるのです? 愚問ですね。邪魔です、どこか行って下さい」
ジャバール:ピキッ!
テヨーラ:次行きましょう。
GM:知的で冷たい印象の怒りっぽいめんどくさがり屋でした。
ジャバール:それは演技が難しいな(笑)

GM:さて、次が5/5です。5歩目は探した場所で野宿する必要があります。
テヨーラ:妖霊は悪戯好きだから、ヘタな性格の妖霊がいるテリトリーで眠ったら、朝方どうなっているか危険。
ジャバール:じゃあここで寝ることにしよう。奴は嫌味で怒りっぽいみたいだが、めんどくさがり屋なら、何もしてこんだろう(笑)――「と、言うわけで、スマンが今夜はここで寝る」
GM:知的な妖霊はショックな顔をして、ぶつぶつ言いながらどっか行っちゃう。おのれ、微妙に無難なところで寝おって(笑)

◆6.妖霊街・2日目

次の日の朝、ぶつぶつ言ってる妖霊に追い出されるように、新しい妖霊探しに進む一行。しかし次のマス(3−A)は判定に失敗してしまう。
ジャバール:朝から失敗なのは縁起が悪い、わしはもう一度ここを調べたいぞ!
テヨーラ:まぁ別に文句はいわないかな。
アーレン:それに、あまり奥に入っちゃうと帰ってくるのが大変になっちゃうしね。
テヨーラ:(コロコロ)……うん、私が成功した。(コロコロ)……26、12。
GM:男の子の妖霊が、向こうから近づいてくる。
ジャバール:おお、好感触だ(笑)
GM:近くまでくるとアーレンに向き直って――「何お前、銘刀なんて腰に下げてんの? 似合って無いぜ? 足運びもなってないし、お前ってなんちゃって刀士だろ? それとも何、死んだ誰かのために頑張ってます――とかそんな口? あはは、馬鹿じゃねーの!」
アーレン:こ、こいつは……。
GM:「お! こっちを見れば劣等種じゃん! 何、銀色の髪してるくせに、他人と同じ空気吸ってんの? 劣等種は劣等種らしく、地べたに這いずり回って底辺の空気吸ってりゃいいんだぜ?」
テヨーラ:む……たぶんアーレンと同じ事思った。
GM:(ジャバールに向き直って)「………………」
ジャバール:「なんだ」
GM:「………………カバ」(一同大爆笑)
ジャバール:ぐおおおおおおおお!!! わしの時だけ一言かよ!!!(一同爆笑)
一同:(爆笑中)
アーレン:おいしいなぁ――「カバ」の一言(笑)
テヨーラ:私達のは前振りだったのか(笑)
ジャバール:わしだけピンポイントか! いくらなんでも狙いすぎだ!! 個人的には――『何カバの癖にカッコつけてんの?』とか予想していたのに!!(笑)
アーレン:『………………カバ』(爆笑)
ジャバール:おのれマスター! こやつを斬り捨てる事はできないのか!!
テヨーラ:私も賛成(笑)
アーレン:僕も戦闘の練習したい(笑)
ジャバール:俺は今、とっても普通に笑いながら言ってるが、ジャバールは烈火の如く怒っているぞ(一同笑)
アーレン:絶対鼻から蒸気噴いてるよ(一同爆笑)
テヨーラ:やっぱカッコよくないって(笑)
ジャバール:なんだと! じゃあかっこ良いカバを見せてくれる! さぁGM! さっさと戦闘だ!
GM:では戦闘に移行します。妖霊とはいえ野良なので、人間に危害を加える輩もいます。モンスターと同じなので戦うのは構いません。では技能で<先制>を持っている人は振って下さい。成功数がイニシアチブにプラスされます。
アーレン:(コロコロ)……2つ増えた! 14!
GM:こっちは弱妖のデータを使おう……イニシアチブは12だから、最初はアーレンからだ。
アーレン:攻撃方法を牽制と普通と渾身から選ぶんだよね。……当たりやすい牽制で攻撃! (コロコロ)……6個振って5成功!
GM:それは避けられない。失敗数は追加ダメージになるから気をつけてね。
アーレン:じゃあ武器の牽制ダメージが+2だから合計3点ダメージ!
GM:その程度じゃダメージ通らないよ。
テヨーラ:命中したのなら連撃に繋げるんだ! これぞゲヘナの醍醐味!
GM:ただし、さっき攻撃した攻撃段階より上の段階を使用する必要があるけどね。
アーレン:攻撃段階? ああ牽制とかか……でも牽制は最低ランクだから問題無い! 次は普通で振ってみよう。
GM:ちなみに連撃は、その前の命中数によって連撃修正のダイスボーナスが入るから、命中が5成功だったキミはダイスが2個プラスされる。
アーレン:おお!
GM:ってのが普通なのだが、キミは刀士なので、その普通の修正にさらに1個の刀士ボーナスが入る!
アーレン:じゃあ次のダイスは能力値で5、術技レベルで1、普通の連撃修正で2、刀士の連撃修正で1! 合計9個振っていいの?
GM:その通り。
※解説6 「連撃」
 攻撃には段階がある。それは「牽制/普通/渾身」であり命中とダメージが違う。牽制は当たりやすく軽い攻撃、渾身は当たりにくく強い攻撃である。また、攻撃が命中した場合、連撃に繋げることが可能である。前の攻撃時の命中数から、連撃修正値を割り出し(キャラクターシートに表が載ってます)、その修正分をダイスブーストするのである。また、連撃は前に攻撃した攻撃段階以上で攻撃する必要がある。「牽制→渾身」は可能だが「渾身→普通」などは駄目なのである。
アーレン:(コロコロ)……また5命中! ダメージは8点!
GM:「痛ってーー! ムカツクなぁ……よし! ムカツクからお前らのペット殴っちゃうぞ!」――こっちのイニシアは12なので、こっちが次は動きます。
アーレン:ペット?
テヨーラ:ペット?
GM:ジャバールに攻撃。命中3。
ジャバール:ペットってわしかーー!(一同爆笑) (コロコロ)……防御で3成功!
テヨーラ:防御有利だから避けたわね。
ジャバール:「本気で怒らせたな、わしをカバだと思って舐めるなよ」(一同笑)
GM:「やっべーーー! カバに避けられたよ!? ショーーーーック!!」(一同大爆笑)
ジャバール:わしの中の血管がブチブチ音を立ててぶち切れるぞ。渾身で攻撃(コロコロ)……3成功!!
GM:カウンターを宣言します。
※解説7 「カウンター」
 敵の命中が低かった場合、カウンターを宣言する事が可能である。敵と同じ攻撃段階で命中判定をし、敵の命中値を越えればカウンター成功である。同値の場合はカウンターが負ける。カウンター後、双方のダメージを合計し、その合計ダメージが負けた方に一気に入る。
 ちなみに、普通モンスターはカウンターを宣言してこないので、ここで弱妖がカウンターをしているのは例外である。ルール説明で使用したと思って欲しい。
GM:(コロコロ)……1、1、2、3、3!? 全失敗だ……ダメージは9。
ジャバール:わしは15点なので合計24点ダメージ!
GM:それは炎に包まれ風の中に消えていく。死亡しました。
アーレン:僕のダメージの3倍……。
テヨーラ:カバを怒らせると怖いわね(笑)
ジャバール:どうだ! これがかっこ良いカバだ!――「さあ行くぞ!」
アーレン:でも戦闘中もずっと笑ってる方が多かったし(笑)
テヨーラ:会話だけで笑える(笑)
ジャバール:実は俺も、なんか変だなぁとは思ったんだよな(笑)

GM:では3歩目です。
テヨーラ:成功した。65、14。
GM:ちょっと中性的な感じの美人なお姉さんの妖霊がいる。
テヨーラ:「こんにちは、うるさくしちゃってごめんなさいね」
GM:「いいえ〜そんなこと御座いませんよ」
一同:『まともだ!』
GM:ちなみに彼女は桶に水を汲んでいます。が、すでに桶は水が一杯で汲み入れる度に、桶から水が溢れています。
一同:『まともじゃねーー』(一同爆笑)
ジャバール:ある意味怖いぞ(笑)
アーレン:たぶんこの子……戦闘には向いてない。
テヨーラ:「あの……水、すでにいっぱいですよ?」
GM:「え!? あ、本当! ごめんなさい私、いっつも周りが目に入らなくなる性格でして」
ジャバール:ああ、確かに周りが目に入らなくなる性格か(笑)
GM:「よいっしょ…ありがとう親切なお方。何かお礼に手伝いましょうか?」
テヨーラ:「いえ、座っていていいから」
GM:「はぁ」――と座ろう。
ジャバール:「じゃ、行くか」――スタスタ。
GM:ラティが手を振ると、振り返してくれる妖霊さん(笑)
テヨーラ:個人的には、この子より最初の子の方がいいかな。
アーレン:でも、もっと戦えるような強い感じがいいんじゃないかな?
ジャバール:なんかもっとパワフルな感じの見た目ジンっぽい奴がいいよな(笑)
アーレン:そうそう、強そうだし(笑)
テヨーラ:言う事聞かない子より良いと思うのだけどなぁ。

GM:では4歩目、4−Bです。
テヨーラ:成功……31、56。
GM:イベント発生です。≪刀術≫≪獣甲術≫≪炎術:黒炎≫4/1です。成功すればその術技で戦った跡を発見できるよ。
アーレン:≪刀術≫で戦った跡を発見!
ジャバール:「獣甲術も使われておる、それも最近のようだな」
テヨーラ:「きっとハサンの雇った奴等ね」
ジャバール:「急いだ方が良さそうだな」――さて、次は夜になるが、一歩先に進むか?
アーレン:「さっきのちょっと天然な妖霊さんの所へ戻りません?」
テヨーラ:「そうね、それが安全だわ」
GM:では「おかえりなさい」――と、あそこに座ったままで言う。
アーレン:「疲れない?」
GM:「え! そういえば疲れました」(笑)
テヨーラ:う〜〜ん、ちょっとこの子でもいいかな(笑)
ジャバール:まぁ従順だから戦闘では言う事聞くだろうが……この容姿で蛙が気に入るか?」
アーレン:「そうだラティ、アギードさんって何か趣味あるのかな?」
GM:ラティは答えましょう――「えっと……"踊り"だと思う」
一同:『あ……』
ジャバール:「そう言えば、奴隷が全員踊っていたな……舞台もなんかあったし」
アーレン:「ラティ、多分なんて返事されるかわかっているけど……もう少し早く言って欲しかったよ」
GM:「ごめんなさい。だって――
GM&アーレン:『聞かれなかったから』(一同爆笑)
TRPGのNPCなんてそんなものである……。

◆7.妖霊街・3日目

3日目の第一歩目(4−B)は判定失敗、次に4−Cに入る一行。
ジャバール:さぁこのペースで最初の子供の所へ戻るぞ!!
テヨーラ:ねぇ別に最初の子でいいんだし、妖霊発見判定振る必要ないんじゃない?
ジャバール:一応、もっと良いのがいるかもしれんから、保険で振るのは悪くないだろう。どうせ遺跡から出る日数は変わらないのだし。
テヨーラ:それもそうか(コロコロ)……じゃあ発見した。11、23。
GM:イベント発生です! 遺跡の中で一人の妖霊が倒れている。見れば刀傷が致命傷だ。
テヨーラ:「誰にやられたの?」
GM:「男2人、女1人、それにガキが一人……」
テヨーラ:「そう」――じゃあ行きましょう。
アーレン:えええ!?
テヨーラ:なに? 死にそうな野良妖霊に消費する精神力は無い! どうしてもって言うなら、あんたが白炎覚えなさい!
アーレン:いや、だからプレイ始まってから言わないでよ!(笑)
ジャバール:「ま、わしはテヨーラに賛成だ。行くぞアーレン」
アーレン:「先生が言うなら……次に行きます」

GM:では4歩目です。(3−C)
ジャバール:このまま真ん中を直進していくぞ! (コロコロ)……おお! 幸運の助け! 成功したぞ。25、16だ!
GM:再びイベント発生です。近くから戦闘の音が聞こえてきます。<鋭敏感覚>4/2でどうぞ。
テヨーラ:成功した。
GM:「あんたらに恨みは無いけどね、依頼人の要請なんだ……大人しく死んでちょうだい」――巻き起こる炎の音。
ジャバール:「どうしたテヨーラ?」
テヨーラ:「死んだわね……いいえ、何でもないわ。ここは静かに抜けましょう」
アーレン:テヨーラ! 助けないの!? テヨーラしか聞こえてないんだよ?
テヨーラ:私は次のマスへ移動しながら――「これも運命。あきらめなさい」

GM:では5歩目、やっと2−Cへ戻ってきました。行くと少女が踊っています――「あれ? どうしたの? 戻ってきたんだ♪」
ジャバール:「どうやら、無事だったようだな」
GM:「なにが?」
ジャバール:「いや、なんでも無い」
テヨーラ:「ねえ、一緒に旅をしない?」
GM:「たび? たびって面白い?」
テヨーラ:「ええ、とっても…ねぇラティ」
GM:と、ラティは――「うん、きっと楽しいと…思う」(最後尻すぼみな感じで)
アーレン:「ラティ…」そうかラティは奴隷だしな……。
ジャバール:??? 小声でテヨーラに聞くぞ――「ラティは奴隷だから旅は無理なのではないか?」
テヨーラ:「この遺跡から街に行くのだって旅でしょ? ウソじゃないわ」
いわゆる"嘘じゃないけど正確でもない"って話である。
ジャバール:「………………」――ヒデーな(笑)
GM:無邪気に妖霊は言いますよ――「うん、じゃあ行く♪」
テヨーラ:良し!(笑)
ジャバール:「ではあとはラティ、頼むぞ」
GM:「うん……わかった」――と、5歩目なので今日はここで夜を過ごすのでしょう。ラティはこのまま妖霊との契約に入ります。アーレンちょっと1D振ってみて。
アーレン:(コロコロ)……1。
GM:では次の日の朝には契約が終わっているって事でいいや。朝方、フラフラしながらラティがキミたちの所へやってきます。
ジャバール:「どうやら、成功したようだな」
アーレン:「大丈夫かいラティ?」
GM:ラティはニコリと微笑むと、首飾りについた小さなランプの封印具を触る。と、踊りながら――「やっほ〜〜♪」
ジャバール:「うむ、良くやった!」
GM:「これで…いいのかな?」
アーレン:「ああ、十分だよ」
GM:ラティは安心したように微笑みます。と、それに割って入るように――「ねぇねぇ、私の名前はクーヤゥって言うんだよ♪ みんなよろしくね♪」
ジャバール:「ああ、わかった、宜しく頼む」
テヨーラ:ところで、この子(クーヤゥ)のどこが"華奢で儚げ"なの? まったくといってその面影が無いんだけど?(笑)
GM:うむ、実は俺も途中からなんか違ってきてる気がするなぁ〜〜とか思いながらも、そのまま演技してたら、こんな感じに(笑)
ジャバール:まぁ些細な問題だ! 踊りができて、駄目な性格じゃないならそんなことは気にしないぞ(笑)
その後、対抗馬をここで潰しておくべきか……と作戦会議が開かれますが、結局、この広大な遺跡で対抗馬を見つける方が大変だろう――という結論に行き着き、さっさと遺跡を出ることにします。
GM:では最後の一歩、1−Cでイベントがあるかどうかだけ1D6を4回振って下さい。
アーレン:どういうこと?
GM:さっきからやってた"イベント"だけど、妖霊の外見と特徴でどちらかが、今まで出たのと同じだった場合に発生してたんだ。なので、イベントがあるかどうかだけ判定して欲しい。
ジャバール:面倒だから出すなよ。
アーレン:31、45!
GM:イベント発生です(笑)
ジャバール:駄目じゃないかアーレン!(笑)
アーレン:先生無茶言わないで下さいよ!(笑)
GM:<危険予知>4/3でどうぞ。
テヨーラ:成功。
GM:狙われているのは(コロコロ)……4! PCは3人しかいないのでラティだ。ラティに黒い炎の短剣が飛んでくる。
テヨーラ:運命肯定派の私としては「受け入れなさい」って感じだけど、それとなくその射線に入って庇うかな。私がくらいます。
ジャバール:テヨーラも照れ屋だなぁ(笑)
テヨーラ:そう言われるのが嫌い(笑)
GM:では(コロコロ)……成功が4!
テヨーラ:こっちは<精神抵抗>で(コロコロ)……2成功。
GM:こっちの勝ちなのでダメージは5点、装甲値無視!
※解説8  「魔術」
  魔術の目標になった場合は<精神抵抗>の判定を行います。<精神抵抗>で
<魔術>の達成値(この場合は強制力と呼びます)以上の成功を誇った場合、その魔術は効果を発揮しないか、発揮しても効果が軽減された状態になります。
  唯一の例外は<神言術>です。普通の魔術と違って<精神抵抗>さえできずに、問答無用でダメージを受けます。そこが<神言術>の強みです。
アーレン:「テヨーラ!?」
ジャバール:「何者だ!」
GM:ちょっと高めの建造物の上、刀士と獣甲闘士、それに身なりの良い格好した少年を引き連れて、金髪の女性がテヨーラに手を向けていた。
ジャバール:「おぬしらが、ハサンに雇われた享受者か!」
GM:「ああ、そうさ。あんた達がアギードに雇われた享受者なんだろう? 邪魔するなら殺すよ。いい加減あきらめな」――金髪の女性が言う。
ジャバール:「そうはいかん。わしらもこれが仕事でな」
アーレン:「それに、あんた達みたいに強引な手段の奴等は嫌いだ」
GM:じゃあ良い格好した少年が――「へぇ、あの子が俺の対戦相手なんだ……ふん」
アーレン:「お前みたいな子供は、試合で絶対ラティには勝てないさ」
GM:少年は言い返そうとしますが、金髪の女が――「いいさ、今日は警告に止めておくよ。次の機会は殺し合いさ。死にたくなけりゃ、さっさと手を引くことだねぇ」――と、建造物の裏に降りて姿を消す。他の3人も同じく姿を消す。

◆8.仲間のために

その後、えてして何もなくカリュオンの街へ戻って来たアーレン達。アギードのところへ来て妖霊のクーヤゥを見せると、彼の反応はかなり好感触だった。
GM:「おお! 素晴らしい舞いだ! これなら申し分ない! 成功報酬に2000Di追加しよう!」
一同:『おお〜〜』
GM:「ま、強いかどうかは実際に試合をしてみないとわからんしな。そっちはそれを見てから判断させてもらう」
ジャバール:「ちなみにパワフルな感じの見た目強そうな奴を連れてきてたらどうなってたんだ?」
GM:「パワフル? そんなむさいものを連れてきてたら、成功報酬から1000Diマイナスしていたわい」(笑)
ジャバール:「はっはっはっ、そりゃあよかった」(笑)
アーレン:「途中まで、僕と先生はその方向で探してましたしね」(笑)
GM:「とりあえず、賭け試合まではゆっくりわしの家で休むといい。それぐらいはもてなすぞ」
テヨーラ:「じゃあ遠慮なく」
ジャバール:「わしは食いまくるかな」(笑)
アーレン:「先生……そんなんだから妖霊の子供に――って言われるんだよ」
ジャバール:「なんか言ったかアーレン?」 ギラリンッ!(笑)
アーレン:「い、いえ、別に」(笑)
その後、アギードの家で豪遊し、途中クーヤゥの悪戯に悩まされつつも、数日が経った。
GM:っと遊びながらも数日が経ちました。もうすぐ賭け試合の日ってところでアギードさんから、3人は呼び出されます。
ジャバール:なんだなんだ?
テヨーラ:もう足に縄がついてたりしないよね?
GM:大丈夫です、クーヤゥは今ラティが封印中ですから。ラティも呼ばれているので一緒に行きます。
テヨーラ:じゃあ安心して行く。
アーレン:「アギードさん、どうしたんですか?」
GM:「うむ実は、妖霊という奴は自身で戦うより誰かをサポートする事こそ本質らしいと聞いてな。ハサンの奴と話してきて、賭け試合の内容を変えてきたのだ。"どちらも1人享受者を立てて、そいつらを決闘させる。そしてその享受者を、見つけてきた妖霊と妖霊使いがサポートする"」
ジャバール:「ほう」
GM:「――と、言うわけで、お前達の中から誰か出せ」
テヨーラ:だと思った。
GM:「が、カバは駄目だ」(一同爆笑)
ジャバール:おい!!(笑)
GM:「わしの代表として出るのだぞ? 容姿も重要だ」
ジャバール:だからわしはかっこ良いカバなんだって! だいたいアギードだって蛙じゃないか! そうだ!――「おいアギードさんよ、お前さんならわしのカッコよさが解るだろう?」――と2人して鏡に映る。どうだ! アギードよりもかっこ良いはずだ!(笑)
テヨーラ:そりゃ、蛙とカバじゃ……どっちもどっちか(笑)
GM:「う〜〜ん、確かに良く見るとわしと同じ感じでかっこ良いな」(一同爆笑)
ジャバール:「お前と一緒にするな!! わしは試合には出ん!!」(爆笑)
アーレン:結局出ないならいいじゃん! なに無駄に張り合ってるんだよ!(笑)
ジャバール:まさか同類にされるとは……。
テヨーラ:これも運命(一同爆笑)
ジャバール:変なところでキメ台詞使うな!(笑)
GM:まぁ嫌がったジャバールを見て――「お前達が嫌がるなら別に構わんぞ、別の享受者を探すだけだ。だが、賭け試合に負ければわしの全財産はハサンのものになる。つまりお前達への報酬も無くなるというわけだ」
ジャバール:「もっともな意見だな」――わしは出ないが(笑)
テヨーラ:「でもいいの? 私達があなたの選んだ享受者になっても、ハサンの方から賄賂を受け取って八百長する事だってできるのよ?」
GM:え?
テヨーラ:だって、全財産が片方の方へ行くのでしょ? 確実に勝てるなら、相手の享受者が受け取っている報酬より、多い賄賂を渡して寝返らせる事だってできるじゃん?
ジャバール:それもそうだな。
GM:………………「それもそうだな。お前らが裏切る可能性もあるのか、しかし、時間も無い……いっそ妖霊使いの奴隷だけ行かせるのも手か……」
アーレン:「待ってくれ!」
GM:「???」
アーレン:「僕たちは裏切らないよ。だってあんたが負ければラティだって一生このままだ!」
GM:「まぁあれもわしの財産の一部だしな」
アーレン:「財産なんかじゃない! 彼女は人間だ!」
GM:「ずいぶんと突っかかってきおるな」
アーレン:「短い時間だったけど、ラティとは一緒に旅をした。彼女の気持ちもわかったつもりだ。ラティは僕にとって大切な仲間の一人だ!!!」
ジャバール:ほう、言うじゃないかアーレン。見直したぞ(笑)
GM:「そこまで言うのなら……いいだろう。お前を信じようじゃないか。ではこれは別依頼という事だし、依頼料は別途に――」
アーレン:「Diはいらない」
GM:「なに!?」
アーレン:「ただ、試合に勝ったらラティに自由を与えて欲しい。それが僕の出す唯一の条件だ」
GM:えッ!?っと見つめるラティ。
ジャバール:ま、何も言うまい。
テヨーラ:いいんじゃない? それも運命(笑)
GM:「良かろう。享受者など気持ち悪いもの、わしも手元に置いておきたくはなかったしな、お前がそう言うならその奴隷の娘は自由にしてやる。もちろん試合に勝ってからだがな」
アーレン:「良かったねラティ」
GM:「うん……ありがとう」――本当に嬉しそうに、ラティがアーレンに微笑んだ。

◆9.背徳の決闘

賭け試合当日、アーレン達はアギードと一緒に馬車で闘技場までやってきていた。普段は剣闘士同士の決闘場であるここに、すでにカリュオンの賭け事好きが数百人と集まっていた。もちろん、どちらが勝つかの賭けも始まっている。ギャンブルで財を築いたアギードとハサン、その全財産を賭けた大博打に観客は皆興奮気味だった。
GM:では闘技場に到着です。馬車から降りて下さい。
アーレン:あ、そうだ降りながら言おう――「先生、テヨーラ、勝手に報酬の事決めちゃってごめんなさい」
ジャバール:「気にするな。どうせお前が決闘に出るか出ないかの報酬だ。もともとあった妖霊探しの報酬は貰えるのだから、何も問題は無い」
テヨーラ:「そうね」
アーレン:「……ありがとう。2人とも」
GM:と、人ごみを掻き分けて、蛇みたいな目をしたヒョロヒョロの男がやってきます。護衛には黒ローブの3人がいる。一人は女のようだね。金髪がチラチラ揺れている。
ジャバール:ああ、やはりあいつ等か。
GM:「ほう! そいつ等がお前の駒かアギード?」――他のお客も呟いているのでわかるが、ハサン=スネイルだ。
アーレン:ラティを後ろに庇うように――「僕は負けない」
GM:「ふん、見たところヒヨッ子享受者のようだが……負けない…か? 大した自信だな!」
ジャバール:「あまりアーレンを舐めない事だぞ」――ズズイっと出て威圧しよう。プレッシャーオーラ!(笑)
GM:じゃあオーラにたじたじなる――「くッ……カバ風情が!!!」(一同爆笑)
ジャバール:ぶっ殺すぞお前!(笑)
アーレン:「いいよ先生、決着は闘技場で僕が付ける。ラティは必ず自由にしてみせる」
ジャバール:「ふん、そういうことだ。今は引いてやる。これで貸し借りは無しだな」――と金髪の黒ローブに言うか。
GM:では金髪のローブは口元をニヤリと歪ませて、ハサンになにか言うとそのまま引き上げていく。
テヨーラ:「気にすることは無いわ、運命が勝てというならきっとあなたは負けない」
GM:「よしお前等、選手は闘技場の選手控え室へ行って呼ばれるまでに準備しておけ、わし等は観客席に行くぞ」
ジャバール:「頑張れよアーレン」
アーレン:「はい!」
選手控え室。そこにはアーレンとラティ、それとクーヤゥしかいなかった。ハサン組の選手達は別の控え室にいるらしい。
GM:クーヤゥは勝手に遊んでいます。カベに落書きしたりして――「あんまり上手く描けないなぁ」
アーレン:「クー、あんまり勝手な事しちゃ駄目だよ……って何描いてるんだよ!」(笑)
GM:「カバのおっちゃん」(一同爆笑)
ジャバール:わしかよ!!!(笑)
アーレン:「あ、結構上手い」(笑)――放っておくか、良い記念になった(笑)
ジャバール:上手いのか!? って、放っておくなよ! 何にも知らない人が見たら誤解するだろうが! わし的に全然良い記念じゃないって!!(笑)
アーレン:クーは放っておいて精神集中、座って待とう。そう言えばラティは?
GM:キミの横に座っているよ。で何か言いたそうにしている。
アーレン:「どうしたの?」
GM:「……ごめんなさい。こんな所まで巻き込んじゃって……」
アーレン:「大丈夫、迷惑だなんて思ってないよ」
GM:「でも、こんな危険なこと……死んじゃうかもしれない……」
アーレン:「これは僕が自分で決めたことだから、キミのせいじゃない」
GM:「……アーレンさん」
アーレン:「それに、仲間なら当然のことだよ」
GM:「なか…ま」
アーレン:「それと、アーレンって呼び捨てでかまわないよ。僕達は友達だ、対等さ」
GM:そうか…じゃあエンディングまで取っておこうかと思ってたことだが……ラティは嬉しそうに――「ラティファー」って言う。
アーレン:「???」
GM:「私の本当の名前なの……アーレンさ――アーレンには覚えていて欲しくて……」――とちょっと赤くなりながら。
アーレン:「ああ、わかったよラティファー」
GM:ラティが微笑む。そしてクーヤゥが――「なんか2人の名前呼ばれてるよ〜〜?」
アーレン:「行こう、自由への一歩を踏み出す為に!」

◆10.邪霊の陰謀

カリュオンの闘技場は今まさに熱気が最高潮に達していた。ハサンの方の享受者達、そしてアーレンとラティの名前が呼ばれ選手入場が始まったからだ。
GM:観客席は段々式の階段状になってますが、下の方でアーレン達が入場してきたのが見えるね。
ジャバール:「どうやら、あっちは問題無いようだな」
テヨーラ:「でも、奴等が大人しく試合を観戦するなんて思えないわね」――なので、ハサン達がいるであろう観客席を見る。なにか異変無い?
GM:ハサン達を見るだけなら<感覚鍛錬>4/1でいいよ。
テヨーラ&ジャバール:『成功』
GM:最初座っていた場所にハサン達は居ない。金髪が見えていた黒ローブ達3人も姿が見えないね。
ジャバール:「探すぞ! 予想通り何か絶対仕掛けてくる気だ!」
GM:<危険予知>4/2。もしくは<感覚鍛錬>4/3でどうぞ。
ジャバール:<危険予知>成功!
テヨーラ:<感覚鍛錬>で成功。
GM:闘技場の最上段席、人の居ない場所にハサンらしき人がいるのを見つける。黒ローブ達も一緒なんだけど、その内一人が腕をアーレン達の方へ向けて、なにか狙いをつけているのがわかる。
テヨーラ:そっちに行く。遺跡で放った黒炎の短剣だと思う。
ジャバール:ダッシュだ! 試合が開始される前に到着できるか?
GM:できます。判定に失敗してませんし。
ジャバール:じゃあ到着だ!――「おやおや、何をやっているのかな?」余裕ぶって語ろう。
GM:「ふん、まぁあんた達が邪魔しに来るとは思っていたよ」――黒ローブを脱ぐと、金髪の女性黒炎術師、それに獣甲闘士だ。
テヨーラ:2人だけ?
GM:もう一人いるけど、そいつはハサン本人です。ただし、ハサンの肩には小鬼のような邪精が乗ってる。ハサンが――「あいつが悪いんだ。アギードの奴がいつまで経っても貸した金返さねーから!! だから、全部、奪っちまえばいいんだ!」
テヨーラ:なにかいきなり愚痴られてもね(笑)
ジャバール:その邪精を鑑定したいぞ! わしはこれでも<魔物知識>を持っているんだ! (コロコロ)……3つ振って2個成功!
GM:では解った事にしましょう。ハサンの肩に乗っているのは邪精(ジャフール)と呼ばれる低級な邪霊です。特殊能力で対象の欲望を解放させる事が可能。ルール的には<自我>で対抗です。ルールブック読んでかまいませんよ。
ジャバール:了解。
テヨーラ:「試合に手を出すべきではないわ。あの2人の運命は自分達で決めるもの。運命の邪魔はさせない」
ジャバール:「アーレンもラティも自分の思った道を進もうとしている、それを邪魔させるわけにはいかん」
GM:「でしょうね……なら」――と、ここで闘技場でも声が上がる――『始め!』「はじめましょうか」

◆11.運命の結末

大勢の前で堂々と戦う闘技場……誰にも悟られず人知れず戦う観客席、二箇所で同時に戦いが始まる。
GM:<先制>は振ったね?
アーレン:振りました。4成功だからイニシア16(笑) ……そう言えば、クーって何ができるの?
GM:妖霊は他人の判定にダイスを貸す事ができます。妖霊使いの実力とかにもよるけど……まぁ今回でいうと1ターン中に2個まで、アーレンが好きなタイミングでダイスをブーストできる――と思ってくれればいい。
ジャバール:? もしかして強さってアーレン任せで、どんな妖霊連れて来ててもよかったのか?
GM:いえ、一応今回のシナリオに合わせて妖霊従属パーセンテージ表を作ったので……ありていに言って、妖霊の性格が捻くれていると、主人の言う事聞かない可能性があるって事です。
アーレン:クーは? やっぱ悪戯しまくってたから言う事聞かないのかな?(笑)
GM:悪戯は妖霊全体の癖みたいなものです。クーヤゥだけ特別ってわけじゃない。クーヤゥの性格は子供っぽく天真爛漫なので、えっと……どうやら言う事は100%聞くらしい。
アーレン:おお! 凄いなクー!
ジャバール:なんか上手いぐあいのを引っ張ってきたものだな(笑)
GM:さて、一番イニシアチブが早いのはアーレンの16です。キミの目の前には、遺跡で会った刀士が居ます。その後ろで貴族っぽい少年が、邪悪な笑みを浮べるマッチョな妖霊を従えています。
アーレン:少年の方にも攻撃可能っぽいけど、僕のやる事じゃないな……敵の刀士に攻撃します! 牽制で(コロコロ)……3成功!
GM:牽制で3か、ならこっちはカウンターを使う。(コロコロ)……3成功!
アーレン:同値ならカウンターが負けるんだよね?
GM:その通り。だが、ここで俺は闘気チットを使用して闘技【反業】を宣言! カウンター時の命中値を+1上昇! これでこっちのカウンター命中は4! そっちより上になったからカウンター成功だ!
アーレン:なに〜〜!?
※解説9 「闘技」
 闘技は簡単に言うと必殺技である。その使用には闘技チットというモノが必要で、そのチットは攻撃終了時の命中判定数をキャラクターシートの連撃表に照らし合わせて自動的にもらえます。しかし、闘技チットを貯めておく事ができるのは戦闘中のみで、戦闘が終了した時点で、手元には1枚しか残りません。
アーレンとジャバールは、遺跡での妖霊戦の際、この闘気チットを1枚貰っています。
GM:合計ダメージは11点だ。カウンターされた場合は、基本装甲値分しかダメージを軽減できないから。
アーレン:確かカウンターされたから連撃を続ける事ができないんだよね?
GM:その通り、でこっちの行動(コロコロ)……牽制で3成功!
アーレン:僕と同じか(笑) でもこっちはカウンター時に命中とかあがる【闘技】持ってないしな……。
GM:ではラティが後ろで――「クーヤゥ! アーレンを助けてあげて!」
アーレン:おお!
GM:「助けたげるよ〜〜♪」
ジャバール:脱力だなぁおい(笑)
GM:と、言うわけでアーレンにダイス+2のブーストです。この判定のみ。クーヤゥが風を操り攻撃が命中しやすくしてくれる。
アーレン:「それは助かる!」強気に出るぞカウンター!(コロコロ)……6成功! 僕は4点!
GM:こっちは6点。
アーレン:じゃあ合わせて10点ダメージ!――「キミの剣は……見える」
GM:「クソッ! 妖霊使いのガキッ! それに妖霊! 貴様らの試合で出てやっているんだ、さっさと俺に手を貸せ!!」
アーレン:そうか、そっちも妖霊の助けが使えるのか!?
GM:ま、次のターンからね。俺はおもいっきり忘れていたよ(笑)

GM:では観客席です。
ジャバール:まずは<迅雷速>を使ってイニシアチブを上げる! 12だ!
GM:それでもハサンの肩に乗ってる邪精の方が早いですね。ジャバール に対して『邪精のささやき』を使用<自我>4/3で抵抗して下さい。
ジャバール:(コロコロ)……失敗した。
GM:では自分の欲望のまま、衝動に体が突き動かされます。迷うようなら自分の信条にある行動をとれば問題無いです。
ジャバール:信条? じゃあアーレン達の方を見て――「自立しろ」――と何もしない(笑)
アーレン:ちょ、先生!?
ジャバール:なんか上の方から黒炎で撃たれるかもしれないけど頑張れ(笑)
GM:次は本当ならジャバールの12なんだけど。
ジャバール:腕組みながらアーレンを見守ろう。
アーレン:いや、戦ってよ先生!(笑)
ジャバール:自立だ(笑)
アーレン:違うよソレ!(笑)
GM:では金髪の黒炎術女が、<放ち葬る炎>を使用。ジャバールに向かって成功数2!
ジャバール:(コロコロ)……2成功! ギリギリ成功(笑)
GM:おのれ、だが黒炎術の術技レベル分……2点はダメージで入る。
ジャバール:そのなものは効かん! そして――「はッ! わしは今まで何を」とか目覚めよう(笑)
GM:構わないですよ。さらに連続で敵の獣甲闘士がジャバールに攻撃です。牽制で4成功。
ジャバール:アーレンもカウンターしてたしな……よし、わしもカウンター! (コロコロ)……4だから同値!? 負けた!
GM:合計ダメージは7点です。
ジャバール:さすがのわしも5点来たな。
GM:あ、獣甲闘士はこれで終わらない、このまま連撃に入る。渾身で(コロコロ)……4成功。
ジャバール:獣甲の渾身はやばいって(笑) 防御するぞ! (コロコロ)……失敗!
GM:ダメージは13点。
ジャバール:防御の成功数が1だったので、基本の2点と足して3点だけダメージ減少……10点ダメージが来た。
※解説10 「防御判定」
 ゲヘナの防御判定は攻撃より有利である。防御判定の基準値は相手の攻撃段階に関わらず3固定なのである。つまり相手が渾身で振り回してきても、防御をする場合は3以上がたくさん出ればいいので、防ぎやすくなっている。
 防御判定に成功すれば、無条件に敵に攻撃を避わした事になる。また、たとえ避わしそこなったとしても、防御判定時の成功数分だけ、追加装甲値としてダメージを減少させることができるのである。
テヨーラ:私は<言の葉の槍よ、敵を貫け>を「声錬」する――「アー、アー、アー」終了。

GM:さて闘技場に戻ってきました。
アーレン:こっちが先だよね。最初は牽制!
GM:「クー手伝おうか?」
アーレン:「いや、カウンター時に取っておこう」(コロコロ)……命中は4!
GM:今回は防御しよう(コロコロ)……4なので回避した!
アーレン:闘技チットを一枚使用! 【瞬閃】で命中値を+1上昇! 命中5だ!
GM:ぐッおのれ!
アーレン:さらに連撃! 渾身(コロコロ)……5成功!――「お前の手は見切ってる。必死に避けた方が良いよ」
GM:挑発かよ(笑) 「おのれヒヨッ子が!」――カウンターで迎撃する! 後ろの妖霊から+2Dで(コロコロ)……3成功!?
アーレン:合計12点のダメージ! 連撃終了。
ジャバール:早くも決着付きそうだな(笑)
GM:くッ…そうは行くか。今度はこっちの番だ! 牽制で(コロコロ)……5成功!
アーレン:防御(コロコロ)……3成功だから失敗した。
GM:ダメージは4点。
アーレン:鎧の1点と、追加の3点で全て弾いた。
GM:このまま連撃に入るぞ、連撃修正入れて(コロコロ)……牽制で7成功!
アーレン:防御(コロコロ)……4成功。5点までは止まる。
GM:くそ、ちょうどダメージ5点か……最後! 3回目の連撃行くぞ! 渾身で(コロコロ)……
アーレン:え!? 3回も連撃できるの?
テヨーラ:アーレン、あなたは刀術のレベルが1だから上限は2回だけど、きっと相手は刀術が2レベル。だから3回まで連撃可能。
GM:その通りです、こっちは刀術の一点上げだからね。命中は3!
アーレン:「クー頼む!」
GM:(ダイスを2個渡す)
アーレン:どうしよう。このカウンターに失敗すると1撃で死ぬかも……。
ジャバール:男なら勝負だ!
テヨーラ:無理はしない方がいいと思う。
アーレン:ここで賭けにでるわけにはいかない。確実に勝つ! 僕の後ろにはラティがいるんだ! 防御で(コロコロ)……5成功! 回避した!!

GM:次は観客席。邪精がテヨーラに行こう<自我>で4/3ね。
テヨーラ:(コロコロ)……成功。効かない。
ジャバール:次はわしだ! 敵の獣甲闘士に牽制(コロコロ)……5!
GM:防御(コロコロ)……失敗4成功。
ジャバール:牽制じゃ3点だ。防がれたな……連撃で渾身(コロコロ)……1成功!?
GM:防御(コロコロ)……成功! はッ!? カウンターやればよかったんだ!?
ジャバール:危ない危ない(笑)
GM:おのれ、黒炎使いが<放つ葬る炎>をジャバールへ(コロコロ)……3成功。
ジャバール:それは無理だ。
GM:6点ダメージ。さらに命中が3なので連撃発動(コロコロ)……3成功!
ジャバール:そうか黒炎術は魔術のくせに連撃可能なのか!? (コロコロ)……無理だ〜〜!
GM:ダメージは7点ダメージ!
ジャバール:ガシガシ入ってくるな。時間かけると削り殺されるな。
GM:さらに追い討ちで敵の獣甲闘士がジャバールへ牽制……5成功!
ジャバール:それは防御(コロコロ)……よし! 6で回避だ!
GM:うおっ、避けられた(笑)
ジャバール:「テヨーラ、悪いがわしに非実体も攻撃できるように魔術かけてくれないか?」
テヨーラ:「なんで?」
ジャバール:今読んでて気が付いたんだが、ハサンの肩にいる邪精……物理攻撃は無効らしい。
テヨーラ:そう言う事はもっと早く……。せっかく「声錬」したのに……ふむ、あきらめよう。<かの武器に力を>(コロコロ)……強制力4なので普通に成功。ジャバールの剣腕が輝き、非実体も攻撃可能になった。
ジャバール:すまん!

GM:では闘技場です。
アーレン:このラウンドで決める! 牽制で(コロコロ)……3成功!
GM:防御(コロコロ)……3成功で回避!
アーレン:【瞬閃】で+1! ダメージ5点!
GM:ぐはぁッ! もう残りHPが1点だ(笑)
アーレン:よし! 削り取ってやる! 渾身の連撃に続けて(コロコロ)……5成功!
GM:こうなったら最後だし賭けに出てやる! カウンター! 妖霊で+2(コロコロ)……5成功! さらに【反業】で+1で6成功! ダメージは合計11点!!
アーレン:まさに必死だな(笑)
GM:必死だ! こっちは渾身でいきなり攻撃する(コロコロ)……4!
アーレン:「ラティ!」
GM:(ダイスを2つ渡す)
アーレン:防御で(コロコロ)……6成功(笑)
GM:くっそッ! 次で終わるな(笑)

ジャバール:アーレンの方は終わりそうだな。こっちも頑張らねば。
GM:では邪精がテヨーラに「邪霊のささやき」<自我>で4/3ね。
テヨーラ:楽勝。
ジャバール:ハサンに!…じゃない邪精に通常で(コロコロ)……3成功。
GM:こっちは回避値が固定で2なので無理です。
ジャバール:なら9点、さらに連撃で渾身(コロコロ)……命中5個でダメージ13点。
GM:死亡です。霧散するよ。ハサンもばったりと倒れる、こっちは気絶だけどね。
ジャバール:まず――「ひと〜〜つ!」(笑)
GM:「邪霊を……おのれ」(コロコロ)……ジャバールに<放ち葬る炎>が1成功。
ジャバール:……おお、成功した!
GM:2点のダメージが素通しです。
ジャバール:2点がどうした! 「わしはまだまだ元気だぞ、はっはっはっ」(笑)
GM:では獣甲闘士が笑ってるジャバール に牽制で(コロコロ)……3成功!
ジャバール:カウンター! (コロコロ)……4成功! 合計9点!!
GM:ぐ……だが、まだ落ちてないぞ。
ジャバール:次で仕留める! キュピーンと目が(笑)
テヨーラ:カバの目が光った(一同爆笑)
アーレン:可愛いってソレ(一同爆笑)
GM:あっはっはっはっはっはッ(笑)
ジャバール:お主ら、だからわしはカッコいいカバだと言っておろうに。耳もピクピク動いちゃうぞ(一同爆笑)
アーレン:どこがかっこ良いんだよ!(笑)
テヨーラ:さて、最後は私だけど、さっきの<神語術>で「声錬」解いちゃったからなぁ、また「声錬」する必要があるんだよね……。
※解説11 「神語術」
 神語術は超がつくほど強力である。が、神の言葉を操るだけあって、普通に呪文を唱えられないものも多数ある。そのような呪文は1行動消費して「声錬」を行い、声の調子を唱える呪文にあわせるのだ。「声錬」は呪文一つ一つ違っており、一度「声錬」をすれば問題無い……というわけではなく、その呪文ごとに「声錬」する必要がある。が、この「声錬」をせずにいきなり本番で呪文を唱える事も可能である。ただし、その場合はマイナス5された強制力で成功した事になり、殆ど良い結果になりません。
また、神語術によっては「声錬」を必要としない呪文もあります<かの武器に力を>等は「声錬」を必要としません。
テヨーラ:いや、やはり危険だから再び「声錬」する。もちろん<言の葉の槍よ、敵を貫け>の「声錬」。

GM:では闘技場です、敵の刀士は残りHPが1点で死亡寸前です(笑)
アーレン:「ラティ! クー! 頼む!」
GM:攻撃で使うか(ダイスを2つ渡す)。アーレンの剣が炎に包まれたりする(笑)
アーレン:これで決める! 普通で(コロコロ)……4命中!
GM:微妙だな……妖霊からダイスを借りて防御(コロコロ)……5! 避けた!
アーレン:【瞬閃】やっても届かないか。
GM:次はこっちだ! 牽制で(コロコロ)……5成功! 4点ダメージ!
アーレン:防御(コロコロ)……3成功。4点なら防ぎきった。
GM:連撃! 牽制で……6成功! ダメージは6点!
アーレン:カウンターは危険だしな(コロコロ)……防御で3成功! 2点来たな……残り7点か。
GM:最後……って残り7点!? これは勝てるかもしれん(笑) さらに連撃・牽制で(コロコロ)……7成功!
アーレン:削りに来たな(コロコロ)……防御4成功で1点来た。残り6点。
GM:ここで俺は闘気チットを使って連撃上限が1回増える【終刃】を使用! 追加連撃は渾身で(コロコロ)……4! ダメージは13点!
ジャバール:微妙だなぁ(笑)
テヨーラ:でも、これで確実にどっちかが死ぬ?
アーレン:いや、防御で4個以上だせば死なない。(コロコロ)……3!?――「ごめん、ラティ……」HPがマイナス4なので気絶します。
テヨーラ:違う、ゲヘナは死亡判定。マイナス4なら<生存>4/1で死ななかった事になる。
アーレン:1個成功すればいいのか(コロコロ)……うん、大丈夫だった。

ジャバール:「おい、テヨーラ! アーレンの奴まずくないか?」
テヨーラ:「負けそうね」
アーレン:このターンの終了時に倒れるって演出で(笑) 今はガシガシ敵から連撃を喰らっているのです(笑)
GM:じゃあそんな感じ、観客席からも明らかにアーレンが押されているのがわかる。
ジャバール:「敵も必死だな(笑) よし、わしもチンタラやっておれんな!」――敵獣甲闘士に(コロコロ)……通常で4命中!
GM:防御(コロコロ)……4! 防御有利なので回避成功!
ジャバール:「させるか!」――闘技チットを1枚つかって【烈闘】で命中+1! ダメージは7点! さらに連撃で渾身(コロコロ)……3成功!
GM:こうなったらカウンター! (コロコロ)……3成功!?
ジャバール:合計ダメージは29点!(笑)
アーレン:同じゲームとは思えないダメージ量だ……。
GM:死亡です。
ジャバール:「ふたぁ〜〜つ!」(笑)
GM:このままでは……ジャバールに<放ち葬る炎>を(コロコロ)……成功が1!?
ジャバール:……2成功で抵抗した!――「ウオオオオオオーーッ」と吼えてるぞ(笑)
テヨーラ:『バアオオォォォォ』とかってイメージだけどね。
ジャバール:あのなぁ(笑) まぁいい、最後はお前だテヨーラ!
テヨーラ:今度こそ<言の葉の槍よ、貫け>を発動させましょう。
GM:黒炎使いが言おう――「ふん、私をやったって賭けはハサンの勝ちのようだよ? 無駄な事はせず、あきらめたらどうだい?」
アーレン:最後の力を振り絞って、敵の刀士に切りかかろうとするのですが、銘刀を振り上げたところで力尽き、そのまま倒れる僕(笑)
テヨーラ:「そうかもね。私は努力が嫌いだし無駄なことも嫌い。でも――」(コロコロ)……強制力5。効果は『術者の望む対象に9点のダメージを与える』。
GM:「ふん、諦めの悪い!」と黒炎――
テヨーラ:ちょっと待って、誰があなたを狙うと言った? 対象は闘技場の敵刀士!
一同:『えーーー!!!』
アーレン:そんなことできるの!? そっち観客席じゃん!
テヨーラ:神語術に不可能は無い。ルール的に言うと<言の葉の槍よ、敵を貫け>は射程が視界だから。
GM:ぐ…それは確かに有りだ。
テヨーラ:「――でも、一生懸命努力している人は、そんなに嫌いじゃないから」――敵刀士に9点ダメージ。
アーレンが倒れる瞬間、雷のような何かが敵の刀士に落ちた。同時に倒れる二人、観客達で今何が起こったか正確に理解した人間はいなかっただろう。アーレンが不思議な相打ちを繰り出した……せめてそう考えるのがせいいっぱいであった。
テヨーラ:私は倒れる敵の刀士を見つめて――「運命に逆らうのも…たまにはいいかもね」

アーレン:という事は引き分け?
GM:それも報われないだろう。味方の刀士が倒れて――「オイ、俺一人じゃ嫌だぞ! なに倒れてんだよ!」――と妖霊使いのガキが騒ぐ。
ジャバール:そこをクーが妖霊撃で叩くと(笑)
GM:じゃあそういう事にしましょう(笑) クーヤゥの攻撃で少年は吹っ飛びそのまま気絶。
ジャバール:勝ち名乗りを上げるのだ! さぁ名乗りを上げぃ!!
GM:ではクーヤゥが上げる(笑)
ジャバール:お前かよ!!(笑)
GM:そしてラティはアーレンに駆け寄ります。で、介抱しながら気絶しているアーレンに――「ありがとうアーレン……」
アーレン:じゃあ僕は夢を見ます。それは昔、助ける事のできなかった友人が現れる夢。友人の言葉に僕は――
その時、気絶したままだというのにアーレンの顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。まるで、なにか救われたような……そんな安心させる笑顔だった。

◆12.旅立ちは仲間と共に

賭け試合から丸一日、怪我も魔術等で治しアーレン達はアギードの屋敷を出る事になった。
ジャバール:そう言えば、黒炎の金髪女はどうしたんだ?
GM:ああ、試合終了のドサクサに紛れて逃げました。
テヨーラ:まぁ別に気にしない。
ジャバール:そうじゃな。気にしてもしょうがあるまい。
GM:さて、アギードが言います――「では残りの報酬4000Diに、外見が良かったので+2000Di、それに試合でも従順に良い働きをしたからさらに+2000Di、それと遺跡からの帰還が早くて妖霊使いの練習もできた+1000Diを払おう」
ジャバール:「合計で9000Diか。一人3000Diなら丁度いいな。じゃあ配ろう」
アーレン:「いきなりお金持ちな気分です」
ジャバール:「わしは獣甲が金食い虫だからなぁ。テヨーラの方が貯蓄が凄くなってるだろう?」
テヨーラ:綺麗にゼロになった!
アーレン&ジャバール:『えっ?』
テヨーラ:実は皆に内緒で借金していてね(笑) その借金が3000Diだったから、またプラスマイナス0の依頼受ける前に戻った(笑)
※妖霊の封印具をテヨーラが買いに行ったのを覚えているだろうか? あの時、テヨーラは賭けで負けてしまい、4000Diで封印具を買わされたのだ。元々所持金の無かったテヨーラは、とりあえず封印具代でもらっていた1000Diだけ払って、残り3000Diは借金として封印具を手に入れていたのだ。
アーレン:え、じゃあ分け前は変えた方がいいんじゃ?
ジャバール:馬鹿者! どうせテヨーラも上手く値切れれば、その差額はポケットに入れようとしていたんだろうが! だったら自業自得だ。プロの享受者らしく均等に割っておけばいいんだ。
アーレン:なるほど先生! さすがです(笑)
ジャバール:まぁ差額分をポケットに入れるのは享受者としてあたりまえの行為だから非難はしないがな!
さりげに自分が前金をちょろまかしている事は言わないジャバールであった。
が、一応カバの名誉の為に言うと、そのちょろまかし分はあとで"とあるNPC"にジャバールは渡していた。
テヨーラ:「これも運命……諦めるわ」(笑)
GM:「じゃあな享受者ども、仕事はこれで終了だ、さっさと帰ってくれ」
アーレン:「嫌われてますね」
テヨーラ:「カバが遠慮無しにご飯食べるからでしょ?」
ジャバール:「そうでもないぞ? わしはカッコいいカバだからな、ジェントルマンに食事は頂いていたぞ」(笑)
遠慮無しに食っていた気も……。
テヨーラ:じゃあ依頼は終わったんだし――
アーレン:ちょっと待って! ――「アギードさん! ラティは! ラティはどうしたんです!? 自由にするって約束だったじゃないですか!」
GM:「ああ、あの奴隷か、それなら昨日のうちに解放しておいたぞ」
アーレン:「えっ?」
GM:「『どこへでも好きなところへ行くが良い! 二度とこの屋敷には近寄るなよ!』って言ってやったわい! はっはっはっはっはっ」
ジャバール:「アーレン、落ち着け」
GM:「ま、その身一つで何ができるって話だ! 今ごろ野垂れ死んでいるんじゃないか? はーはっはっはっ!」
アーレン:「……この――――――」
賭博都市カリュオンは昨日の闘技場での賭けなど目じゃなかったかのように、今日も賭け事が盛んに行われている。その街の大通りを3人が歩いていた。
ジャバール:「まぁそう怒るなアーレン。ラティだって享受者になったのだ、一人で生きていける」
アーレン:「でも先生!」
テヨーラ:「それに妖霊のクーヤゥも一緒なんだし……いえ、かえってそれは心配か」(笑)
アーレン:「それは何? 慰め? 虐め?」(笑)
テヨーラ:「運命が自由の道を選ばせたんだし、会えると思えばすぐ会えるものよ」――と、フォロー(笑)
アーレン:めっちゃ無責任なフォローです。
ジャバール:「まぁとにかく紫杯連に報告して、この仕事を終わらせようじゃないか」――と、いうわけで紫杯連の酒場に入って主人に報告しよう。これでこの依頼は終わりだな。
GM:では酒場に入ると――「やっほ〜〜♪ アーレンもテヨーラもカバのおっちゃんも遅いぞ〜♪」
アーレン:「えっ?」
テヨーラ:「ほら、すぐに会えるものでしょう?」(笑)
ジャバール:わしはクーヤゥを追っ駆けるぞ。さり気に烈火の如く怒った(笑)
テヨーラ:「じゃあねアーレン、私はもう少しだけこの街に残るから、あなた"達"と一緒には行けないわ」
アーレン:「テヨーラ」
テヨーラ:「運命がいずれ交われば、いつかまたあなた"達"に会う事もあるでしょうね……それも運命。じゃあね」――と静かに紫杯連を出て行きましょう。うん、キマった(笑)
アーレン:じゃあテヨーラを一瞬見送ってから、酒場の方へ目を向けよう。
GM:ではアーレンの前には服装とか違うけどラティか来る――「アーレンなら、きっとここに来るって聞いたから……」
アーレン:「ラティ」
GM:紫杯連の主人が言いますよ――「その嬢ちゃん、享受者になり立てらしくてな、誰か享受者の"いろは"を教えてあげてもらえると助かるんだがな」
アーレン:「先生!」――とちょっと嬉しそうに(笑)
ジャバール:わしはクーの準備してたジャバール専用特選シシカバブにご満悦だ(一同爆笑)
テヨーラ:烈火の怒りはどうしたの! 買収されてるじゃん!(爆笑)
アーレン:「はははッ……ねぇラティ、僕と一緒に旅に出ようか」――とラティに手を……
GM:「……うん!」
ためらい無く手が重ねられる。本当の自由は今日この日から始まった……。
ゲヘナリプレイ  
『救いは友情と共に』 了


◆ゲヘナ反省会

GM:ではお疲れ様でした〜〜。
一同:『お疲れ様〜〜』
GM:さて、アラビアン・ダーク・ファンタジーRPGゲヘナをやってみたのですが……感想はどうですか?
ジャバール:やっぱ刀士が面白いな、あの連撃重視の戦略は楽しいよ(笑)
アーレン:僕的にはHP1点から逆転されるとは思いませんでしたよ!
GM:どっきどきだったけど、あれは楽しかった。ぎりぎり感がいいね(笑)
テヨーラ:私は「声錬」が辛いなぁって思った。一撃必殺なのはわかるけど、もうちょっと使い勝手が良くなって欲しいかな。
アーレン:でもおかげで僕とラティは救われました(笑)
テヨーラ:まぁね(笑)
ジャバール:俺は魔術と攻撃を両方扱えるキャラの方が面白いのかなぁって途中思ったんだよな。でも結局、連撃に集中とか、何かに特化してた方が面白いのかもしれん。
アーレン:僕は最後に学びました。敵の連撃は防御・防御・妖霊ボーナス入れたカウンター! これが一番効率いい(笑)
GM:結局、連撃やカウンターはかなり盛り上がったなぁ。
ジャバール:そうだな。このゲームはそれをやらないと楽しさがわからんよ。
テヨーラ:私はアラビアンな雰囲気も結構良いけどね。
アーレン:でもやってて思ったのは、初期レベルよりもうちょっと経験積んで、強くなったキャラで遊びたいかな。いえ、今はゲヘナのルールが解ったらからかもしれないけど。
GM:ルールにもキャンペーンを推奨しますって書いてあったから、その感覚はあながち間違ってないんじゃないかな?
テヨーラ:ま、その前にアーレンは魂装術を使う事の方が先かな。今日は1回も使ってなかったでしょう?
アーレン:う……それは……。でも初期でやる場合、それぞれ1レベルより一点集中で2レベルの方がいいですよ。使い忘れたりしないし(笑)
GM:まぁ慣れた人なら1レベルずつ取るのも問題無いのかもね。では今日はこの辺でお開きにしようか。PLの皆さん本当にお疲れ様でした〜〜!


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