※解説１　「天使と堕天使」
　こういった解説において、今回プレイするゲヘナの説明を補助的に入れていきたいと思う。
天使とは今だに神を信じている素直な人たちです。逆に堕天使は神を信じられなくなり自分だけで生きようとしている種族です。天使は純白の翼を持ち、堕天使の翼は白以外の色となります。ちなみにプレイヤーＤの言っていた『灰炎使い』とは≪炎術：白炎≫と≪炎術：黒炎≫を両方使える魔術師の事です。

※解説２　「煉獄彷徨」
　ゲヘナ追加サプリメント第一弾。追加装備に追加闘技、そして基本ルールブックに記載できなかった世界の深い部分の説明、なにより追加選択ルールである影響力等（後述します）が追加されたサプリメント。３本のサンプルシナリオも載っているので、初心者ＧＭはシナリオ作りの参考にするのもいいだろう。ちなみにアーレンはこのサプリから追加闘技『檄吼』『霊合』、追加魔具『危那』を取得。

※解説３　「紫杯連（マーリク）」
　紫杯連（マーリク）とは、享受者達が作っている組合組織です。享受者への仕事の斡旋や冒険の援助、また裏社会の仕事も行っています。元は地元の地周り組織を享受者が乗っ取って組織された組合だけに、メンツや落とし前等に特別執着します。『界螺（カイラ）』はこのジャハンナム上で一番の大きさを誇る組織で最も標準的でバランスの良い紫杯連です。『鐘杏（ショウキョウ）』は『界螺』に次ぐ規模ですが、地上への探求に比べ裏社会の仕事の斡旋割合が大きいです。『凌渦（リョウカ）』は『鐘杏』とは逆に地上への探求（帰還）を主目的とした紫杯連です。

※解説４　「選択ルール：影響力」
　影響力とは享受者の紫杯連への影響力のルールです。紫杯連の仕事をこなすごとに影響力ポイント（つまり紫杯連への貸し）をＰＣは取り、そのポイントを消費する事によって「動員」「情報収集」「圧力行使」「護衛」「専門家の紹介」「立場の変更」「資金提供」等を紫杯連から圧力（または下っ端）を使った援助を受けられます。使用する影響力ポイントを宣言し、そのポイント数ダイスを振り４以上がでれば成功です。失敗した場合は消費される影響力は１点だけ消費されます。また、この判定時にＰＣが陣頭指揮に立つと宣言する場合、ＰＣの技能レベル（どの技能になるかは援助方法とＧＭの指定）もダイスに足されます。

※解説５　「反魂」
　ジャハンナムは基本的に地獄にあるので、死者の領域に生身で踏み込むことも可能です。そうやって死者の領域に踏み込み死者の魂を連れ戻して生き返らせるのが反魂です。しかし、主に死者の魂は地獄の獄卒や魔物のいる危険な地域＜獄＞に運ばれる為、そこから死者の魂を連れ出すのは大変困難な事とされています。連れ戻した魂は「魂込めの儀式」によって生前の肉体に戻されます。また生前の肉体が無くとも魔術によって造られた肉体でも代用が可能です。ただ、獄への探索、魂込めの儀式…等など、反魂にはそれなりの費用とコネが必要になるので、そうそう行われる事ではありません。

※解説６　「一般組織との線引き」
　享受者は一般人に比べて驚異的な強さを持つ。それ故に、享受者同士の争いや享受者の関わる事件には一般組織の役人では歯が立たない為、基本的には紫杯連の方で処理する事となる。今回のバナジウムではその享受者達が互いに争っているため、一般の役人達も対処に途惑っている……そう解釈してもらいたい。

※解説７　「選択ルール：邪霊の力」
　享受者はいつでも邪霊に囁きに耳を傾け、その力を借りる事ができます。邪霊の囁きを受けると１ポイントの堕落ポイントを受け取ります。その代わり「判定前に判定数を１つ増やす」「判定後に出目のひとつを１か６に変更する」のどちかの効果が得られます。ただし堕落ポイントが１０ポイントを越えてしまった享受者は即座に死ぬか、邪霊の僕へと化してしまいます。この溜まってきた堕落ポイントを減少させるためには、１点につき成長点１点を使えば減らす事が可能です。