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アラビアン・ダーク・ファンタジーRPGゲヘナ

――かつて砂漠にシェオ−ルと呼ばれる都市があった。栄華を極めたその都市は、邪神イブリスと一人の人間が抱えた怨念により、地獄へと落ちる事となる。
――数百年後……現在。都市と共に生きたまま地獄へ落ちた人間達は、今だその活力を失ってはいなかった。人々は地獄の中で自分達の生活圏をジャハンナムと呼び、そして、その他の非生活圏である地獄の事をこう呼んだ――"ゲヘナ"と。
2004年11月13日セッション
シナリオ『冥獄刀の呼び声』リプレイ


――魔装刀士伝――

再来の街に言伝を


◆1.続・新キャラクター作成

GM:それではメンバーも揃ったのでゲヘナのリプレイ取ります!
一同:『お〜〜!』(パチパチパチ)
プレイヤーA:――って、待って下さい。前回ラティも死んじゃってルージュも居なくなってPL2人になったはずですが……。
プレイヤーB:PLが合計で4人いるな。当たり前のようにプレイヤーC(ラティのPL)来てるしな(笑)
プレイヤーC:気にしない気にしない(笑)
GM:まぁいくらなんでもアーレンとジャバールの2人だけでは、戦闘バランスとか厳しいかなぁ……って事で、PCを追加する事になりました。
プレイヤーC:と、言うわけでまた一緒に遊ぼう(笑)
プレイヤーB:なんだかなぁ。
GM:で、今回は初顔見せのプレイヤーEさんです。
プレイヤーE:ゲヘナ初参加です。宜しくお願いしま〜す。
GM:プレイヤーEさんはソードワールドのリプレイで人気だったので呼んでみました。
プレイヤーE:おーいっ! その紹介の仕方は何!?(笑)
GM:大丈夫です。両方SNE作品なのでPL名はわかりませんから(笑)
プレイヤーE:いや……そういう意味じゃないかと……。
GM:とりあえずアーレンとジャバールには悪いけど、新キャラのキャラクター作成を先にするから、それまで待ってて下さい。
プレイヤーA:え〜〜暇〜〜。
プレイヤーB:キャラ作ぐらい先にしておけよ〜(笑)
GM:………………と、言うわけなのでプレイヤーCさん、事前に説明したようにお願いします。
プレイヤーC:了解! じゃあプレイヤーEのキャラ作が終るまで、不肖プレイヤーCが短めのセッションを2人相手に行いましょう。本筋とか関係無い話なので遠慮なくどうぞ(笑)
プレイヤーB:おお、気が利くじゃないか!
GM:では場所を移してキャラクター作成に入りましょう。

◆2.享受者達の惹起

集合時間より2時間が経過しプレイヤーEのキャラクターは完成する。その後30分ほどアーレン達の短発セッションを眺めた後、全員揃って本編の開始である。
GM:さぁ本編を始めましょうか!
アーレン:本編前にかなり疲れましたけどね(笑)
ジャバール:GM! さっきのプレイヤーCがやってくれたセッション分の術技ポイントと成長点は使って良いのか?
GM:構いませんよ、その分を計算して新キャラは作ってありますから。
ジャバール:おお、それは良い! ちょっと良い感じになりそうだ(笑)
アーレン:まずは新キャラの紹介からですか?
GM:そうだね。まずはプレイヤーCさんから行こうか。
プレイヤーC:はい――(キャラ口調で)こうやってまた2人と同じ冒険をする事になるなんて……ふッ…これも運命(笑)
アーレン&ジャバール:『テヨーラか!!!』
※テヨーラ……ゲヘナリプレイでプレイヤーCが演じていたPC。白炎術師兼神語術師であり、プレイヤーCはそのマルチな組み合わせが弱いと断言して使わなくなった。
ジャバール:お前弱いから使わないって言ってたじゃないか!
プレイヤーC(以下テヨーラ):さすがにこれだけ術技ポイントや成長点をもらえるなら、十分強くなるからいいの(笑)
GM:リプレイ的にも、ヘタにポコポコ新キャラが増えるより良いので許可しました。
アーレン:でも、テヨーラなら白炎と神語術だから援護系は安心だね。
テヨーラ:そうそう、実はあれから私は新しい技を覚えて暗殺士になったから。
ジャバール:暗殺士だと!? あれって敏捷が基本だから銀糸の民のお前には無理だろう?
テヨーラ:大丈夫! すでに暗殺術3Lvで敏捷力も4に上げたから(笑) それに使う暗器は弓矢だしね。狙いは暗殺術で闘技チットを稼いで、【明声錬】で神語術を即時発動。
ジャバール:相変わらずな事を……。
テヨーラ:そういう訳だから宜しく……まぁ、これも運命(笑)
GM:ではプレイヤーEの自己紹介に行こうか。
プレイヤーE:オレの名前はタータ! 白黒の毛並みの肉食獣の獣人だぞ!
ジャバール:シマウマか?(一同爆笑)
プレイヤーE(以下タータ):それ肉食違う!(笑)
アーレン:じゃあ……パンダ?
タータ:正解♪
アーレン:先生と同じ獣人族が仲間になるのかぁ。
ジャバール:アーレン、わしをこんなのと一緒にしないでくれ、わしは"孤高"なんだ(笑)
タータ:術技は愧拳術4Lvと神語術1Lv!
ジャバール:おお、愧拳闘士か! わしは草食だから途中で取るの迷ったけど辞めたんだよな。
アーレン:それより何で格闘家が神語術持っているの?
GM:それにはまず愧拳術の説明をします――
※解説1 「愧拳術」
 こういった解説において、今回プレイするゲヘナの説明を補助的に入れていきたいと思う。
 愧拳闘士は<頽廃の果実酒>で得た邪霊の「風」を使って戦います。邪霊の力を制御し拳のスピードを速め、手も触れずに相手を投げ飛ばし……風――愧風によってさまざまな技を繰り出す事が可能です。元々はラウ教の神秘主義者(スーフィーと呼ばれる修行と瞑想によって神に近づこうとする者達)の一部が、外的から身を守る為に生み出した格闘術が源流になっています。
GM:――と、言うわけでラウ教繋がりって事で神語術を学んでいても問題は無いでしょう。
アーレン:なるほど。
タータ:あ、でもオレの設定的にはそうじゃないから。
アーレン:違うんじゃん(笑)
タータ:実は瀕死の重傷で倒れていた所をテヨーラに助けてもらった事にしたい。それで見よう見真似で1Lv覚えた!
テヨーラ:え〜〜。
GM:嫌がってるぞ(笑)
タータ:姉御、そこを何とか!
ジャバール:姉御って言うんだ。
テヨーラ:でもパンダって言ったら肉食獣の熊でしょ? なんでそんなゴツイの連れて歩かなきゃいけないのよ?
アーレン:ゴツイのはお気に召さないらしい(笑)
タータ:そんな事無いッスよ! パンダは可愛いもんス!
ジャバール:へりくだりだした(笑)
テヨーラ:じゃあもっと小さくなりなさい。そうね……80cmぐらいに(一同爆笑)
タータ:80cmッスか!?
テヨーラ:そしたらなんか可愛いし、フワフワな感じもする(笑) だいたい巨大な肉食獣人を連れて歩いたら、タダでさえ私は怪しいのに、まるっきり見た目"黒幕"と"用心棒"じゃないの。
ジャバール:それもそうだな。
タータ:わかったッス……じゃあオレの年齢は12歳で身長はまだ発展途上の80cmッス(笑)
アーレン:でも12歳とは言え80cmは小さすぎるよ。
テヨーラ:じゃああれね、きっと普通のパンダじゃなくてレア物なのよ。『極稀熊猫(レアパンダ)』とか言われる。
タータ:レア物!?
ジャバール:ああ、ならテヨーラに助けられたのはハンターから追われてた時に助けられたんだ(笑)
タータ:ハンター!?
テヨーラ:ま、私は希少価値にもお金にもそこまで執着無いし、助けたのもただ偶然通りかかっただけ……そう、これも運命。いいわよ一緒に来たいなら。
タータ:一緒に行くッス!
ジャバール:と、言うわけでタータは誰かに狙われている設定だな。今回のセッションではハンターが出てくるぞ(笑)
タータ:え、本当にこの設定なの? ね、GMいいの?
GM:構いません。タータのライバルに設定しておいたNPCを、ハンターにすれば良いですし。
タータ:オレってライバルから獲物にランクダウンっスか!?(笑)
テヨーラ:諦めなさい……これも運命(一同爆笑)
タータ:姉御がわがまま言うからッスよ!!(笑)
ジャバール:まぁわし的にも体の大きい奴が仲間になっては、キャラがかぶって困るしな。
アーレン:それは無いと思うなぁ。
ジャバール:なんか言ったかアーレン?
アーレン:えっと……テヨーラの信条は前と変らず『運命肯定的/努力否定的』でしょ? タータは?
タータ:このままじゃタータもPC間で最下段のポジションに落ちてしまうッス――(と信条を書き換えている)
タータ(のPL)はPC間での立ち位置最下段に嫌な思い出があるらしい。
ジャバール:いまさら書き換えてるのか?
タータ:もう落ちる所まで落ちるのは嫌ッスから……よし完成! オレの信条は『人気肯定的/ジャバール否定的』ッス!!
ジャバール:いきなりわしを否定か!!!(一同大爆笑)
タータ:主人公と姉御には勝てねぇッスから、せめてジャバールより上のポジション狙うッス(笑)
GM:そ、そんな事の為に信条変えたのかい。
タータ:重要ッス! かつては獣人族の人気者と言えば極稀パンダのオレだったっス……それが最近は皆一様にカバカバカバカバ(一同爆笑)
GM:まぁジャバールもLv上がってきたし、それなりに知名度も上がってるだろうしね(笑)
ジャバール:な、納得できん。殺っちゃって良いかアーレン?
アーレン:まだ出会ってもいないから(笑)
ジャバール:よし、早く始めるぞGM!
テヨーラ:ま、その設定で私と一緒に行動しましょう。ジャバールは知り合いだしね。
タータ:姉御について行って恩を返すッス! そしてジャバール見つけたら仇を返すッス!(笑)
ジャバール:ふん、来るなら来い80cm!(笑)
タータ:やばいッス、外見がすでに負けてるッス!(笑)
アーレン:先生に外見で勝つのなんて難しいよ。
ジャバール:………………。
GM:ではそんなジャバールの成長を教えて下さい。
ジャバール:ん? わしか……わしは獣甲術が4Lvになった。ついでに<素手戦闘>と<自我>と<応急手当>を取って孤高レベルもアップだ(笑) 【闘技】では≪撃壁≫を取得、それに生命力も上げたぞ。
GM:獣甲は追加しなかったんですか?
ジャバール:ああ、肩に大きな龍の顔が張り出したような肩当手甲<縛龍手>と、その肩当に収納されている巨大剣<頤>を買った。両方4Lvになってやっと使えるようになったものだ(笑)
GM:強くなって来てますね……で、アーレンは?
アーレン:ラティを失った悲しみから妖霊クーヤゥを連れて行きます。妖霊使役を1Lvで追加、生命力を32→38へ、気力を18→24へ。あと<軽業>と【闘技】の≪銘醒≫を取得しました。
GM:了解。



名前 :アーレン
種族 :人間/黒髪黒目で赤銅色をした肌をしている。
年齢 :17(男)
術技 :刀術3/魂装術1/妖霊使役1
能力値:筋力4、強靭4、敏捷5、感覚2、精神5、知力2
生命力:38  気力:24  イニシアチブ:12
技能 :防御2、先制1、精神抵抗1、応急手当1、武器戦闘(敏)1、舞踊1、軽業1
闘技 :影刃、瞬閃、終刃、反業、無限、流水、魂装・撃、魂装・穿、魔業、霊絶、檄吼、霊合、復技、無幻、不諦、銘醒
魔具 :抗魔、危那、銘刀+2
信条 :友情肯定的/身分否定的
妖霊 :クーヤゥ(天真爛漫な少女の妖霊)/舞踊、声真似、非実体化、危難の予感

説明 :友情に熱い魂装刀士の青年。邪霊に従う事で生き返った親友ハーディアに、ラティという仲間を殺され絶望の淵に……。しかし、ラティを反魂する為に再び立ち上がり旅を続けている。ラティの使役妖霊だったクーヤゥも一緒に連れて、今はジャバールと3人旅である。一人称は「僕」。



名前 :ジャバール
種族 :獣人/草食獣タイプ(カバ)
年齢 :35(男)
術技 :獣甲術4
能力値:筋力5、強靭5、敏捷3、感覚2、精神2、知力2
生命力:46  気力:24  イニシアチブ:8
技能 :剛力2、生存1、肉体抵抗1、防御3、魔物知識1、裏知識1、素手戦闘1、自我1、応急手当1
闘技 :鋼壁、斬虚、絶闘、闘戒、裂闘、爆刺、撃壁
獣甲 :剣腕、迅雷速、天殺翔、縛龍手、頤
信条 :自立肯定的/運命否定的

説明 :本人曰く"カッコいいカバ"である。その実力は凄まじくアーレンもジャバールの事は「先生」と呼んでいる。孤高の戦士ジャバールとは本人談だが、最近は自分1人で生きていける事を目的に成長している。GMは毎回、ジャバールが獣甲を使って戦う場面を想像できない(笑)



名前 :テヨーラ
種族 :銀糸の民/ゾロっとした服装で、手には手袋、顔にはヴェールの謎な女性。
年齢 :21(女)
術技 :神語術2、白炎術1、暗殺術3
能力値:筋力1、強靭2、敏捷4、感覚4、精神5、知力5
生命力:25  気力:24  イニシアチブ:14
技能 :魔術知識1、応急手当1、記憶術1、精神抵抗1、文献1、感覚鍛錬1、賭博1
闘技 :魔薬:閃、魔薬:終、明声錬
魔具 :闇殺の弓(暗器)、衛身×2、速身×2
信条 :運命肯定的/努力否定的

説明 :「……これも運命」がキメ台詞などこか諦めた享受者。第一話の賭博都市カリュオンでアーレン達とは別れたが、今回再び登場である。暗殺術まで覚えて裏街道まっしぐらな人生を送っているお姉さん。服装が正体を隠すようなゾロっとした神秘的なモノに変ったとはPL談。一人称は「私」。



名前 :タータ
種族 :獣人/肉食獣(レアモノのミニチュアパンダ)
年齢 :12(男)
術技 :愧拳術3、神語術1
能力値:筋力5、強靭3、敏捷4、感覚5、精神1、知力1
生命力:43  気力:17  イニシアチブ:13
技能 :登攀2、防御2、感覚鍛錬2、危険予知2、特殊戦闘1、生存1、肉体抵抗1
闘技 :貫愧、連破・撃追、踏破・髄撃、瞬愧、檄吼、連闘・神殺
愧拳具:拳撃甲、衝撃甲、光拳甲、風脚甲
信条 :人気肯定的/ジャバール否定的

説明 :身長80cmのレアパンダの獣人。あまりの珍しさに人道的に外れた金持ちなどから狙われており、常にハンターがやってくる。ハンターに追い詰められてピンチだったところをテヨーラに助けられてから、姉御と慕って一緒に行動している。爪や牙を使った格闘術が得意。一人称は「オレ」。

◆3.コトヅテ

ジャハンナムで暮らす人々も夜は眠る。たとえそこが地獄の底であったとしても……
GM:最初はアーレンだけの特別な場面から今回は始まります。
アーレン:僕だけ?
GM:そうです。キミは今夢を見ています。赤い地面を踏みしめ、真っ黒な霧の中をただ歩いている。
アーレン:じゃあなんで僕は歩いているのか、どこに向かっているのかもわからずに、ただただ歩き続けます。両手で黒い霧を掻き分けるように……。
GM:と、幾つかの光が見えてきます。赤・青・緑・黄…そのほかにも幾つかの原色…それが輪っかのように……。
アーレン:なんとなくそれを目指します――なんだろう…あれは……。
GM:やがてその幾つかの光の下に1人の少女がいるのが判る。黒い翼を背に生やし、何かから逃げるように走っている。
アーレン:ラティ?
GM:その通り。
アーレン:「ラティ!!」――僕は走ります! その光に、ラティに向かって走りますよ!
GM:「止めた方が良い」――キミが走り出そうとした瞬間、後ろから止められます。
アーレン:止めろと言われたって無視する。ラティが何かから逃げているなら助けないと。
GM:ではズブズブと脚が赤い地面に埋まり動けなくなります。それと共にキミを呼び止めた声の主がキミに並ぶ。同い年ぐらいの女の刀士だ。
アーレン:「キミは……悪いけど、僕の邪魔をするな!」
GM:「駄目、あなたにはあの子の声が聞こえないの? 一生懸命にあなたに『来るな』と言っているあの子の声が」
アーレン:「え?」――と驚いてもう一度ラティを注意して見ます。
GM:何かを必死に叫んでいます。よく見れば視線はアーレン……キミを見ている。ただ声は聞こえない。
アーレン:「ラティ……どうして」
GM:「これ以上踏み込めば、あなたも私達と同じく肉体を失う……大丈夫、ラティの事は任せて」
アーレン:「ラティの事を知っているのか? キミはいったい……」
GM:「あの子の友達……そう言えば信じてくれる?」――少し寂しそうに言います。
アーレン:友達か――「ああ、信じる」
GM:その女の刀士はその言葉に満足するように微笑み――「私の名前はリンデ、私もラティの友達を信じる……助けてねアーレン」――とそこまでリンデが言うと共に、アーレンの意識は夢から覚めて行きます。
アーレン:砂漠の夜に目覚めます――「今の夢は……」――仮初の夜空を見上げて終りましょう。

◆4.瓦礫の都シェオール

かつて地上にて大国を築いたシェオール王国、地獄へと落ちその廃墟は遺跡としてジャハンナムに散らばっている。そんな遺跡が特に存在するのがジャハンナム中央部であり、その場所に位置する都市を瓦礫の都シェオールと言う。この街は付近の遺跡と中央部という位置柄、沢山の旅人と享受者が集っていた。
GM:ではラティを失ったアーレンとジャバールは、ラティの反魂をする為の旅の途中です。そして今、やっと瓦礫の都シェオールにつきました。
アーレン:「ジャハンナムの中心の都……ここならきっと手掛かりをつかめるはず」
GM:で、いきなりで悪いんですが、アーレンとジャバールは別行動していて欲しいです。
ジャバール:じゃあわしは獣甲を買いに行った事にしよう。
アーレン:僕は普通に陵渦の紫杯連に向かいましょう。先生にはクーをくっつけておきます。
GM:ではアーレンの方を先にやります。陵渦の宿屋兼酒場に来ました。周りには銘刀を下げた刀士や獣甲闘士、今までの街に比べて享受者が多いね。
アーレン:さすがは中心の街シェオールだけあるなぁ……って思いながら紫杯連の主人に聞こう――「マスター、ちょっと良いかな」
GM:「なんだい?」
アーレン:「教えて欲しいんだ。獄に行くにはどうすれば良い?」
※解説2 「獄」
 死した魂が集る場所<獄>、獄はゲヘナの荒野に無数に存在します。そこは一種の結界となっており、集められた魂は永遠に邪霊や獄卒達にいたぶられ続けるのです。死者を生き返らせる(反魂する)にはこの獄から魂を連れ戻すしかありません。獄には獄卒と呼ばれる強力な怪物たち、邪霊律と呼ばれる特殊な世界法則、そしてなによりその獄を支配している邪霊が存在します。反魂を成功させる事は並大抵の事ではありません。もっとも、その前提として目的の魂が"どこの獄に行ったか"を知る必要があるのですが……。
GM:「獄か……君の銘刀を見せてくれるか?」
アーレン:「はい」――渡します。
GM:マスターはその銘刀を見て――「う〜〜ん、これじゃあ無理だな」
アーレン:「え、なんで?」
GM:と、君の横に座っていた分厚いメガネをかけた刀士が――「あーはっはっはっはっはっ」――と笑い出します。
アーレン:「なんで笑うんだ!」
GM:「そりゃあチミが何も解って無いからさ」
一同:『チミ!?』(笑)
ジャバール:狙ってきたぞ、このGM(笑)
アーレン:「解って無いってどういう意味だよ! 僕はこの銘刀で邪霊だって倒している!」
GM:「そういう問題じゃないよ。そのまま行ってもボロボロになるだけさ。お前自身も……銘刀もね」
アーレン:ブスっとします――「………………」
GM:「わけを知りたいって顔だね(笑) いいだろう、このトンボ様が教えてあげよう」
テヨーラ:トンボ様(笑)
ジャバール:トンボのメガネは〜♪
GM:と、言うわけでトンボが冥獄刀の説明をします。
アーレン:冥獄刀?
※解説3 「冥獄刀」
 死者の魂が集る<獄>では、例え銘刀と言えど非実態を斬る事はできず、また【闘技】を使っただけで刀身が折れてしまいます。これは獄に存在する邪霊や邪霊律によって銘刀の力が大きく削がれてしまうからです。それを防ぐ為に考えられたのが、銘刀に<頽廃の果実酒>を加え鍛え直す事です。そうして生まれたのが冥獄刀です。冥獄刀は銘刀とは桁違いの力を発揮しますが、同時に自我のようなモノが目覚めます。冥獄刀の所有者は手にした刀の見せる悪夢に耐え、自らを振るうに相応しい存在であると認めさせる必要があります。
アーレン:「それじゃあこのまま獄に行っても……」
GM:「そういう事だね」――とトンボは自分の銘刀を抜きます。それは蜻蛉の羽のように薄い刃だ――「これが冥獄刀。名は<蜻蛉(カゲロウ)>…もちろんトンボ様専用さ」
アーレン:「そんなの……ただの薄っぺらな銘刀じゃないか」
GM:「なら持ってみるかねチミ?」――刀を横にして突き出そう。
アーレン:じゃあ持つ――「こんなの」
GM:では<精神抵抗>5/5ね。
アーレン:(コロコロ)……4成功だから1足りない。
GM:『金だ〜〜金〜〜』(笑)
アーレン:「お金…お金欲しい……金が……はっ!?」――と放します(笑)
GM:じゃあそれが地面に落ちる前にトンボが受け取って――「チミチミ〜〜だから言っただろう。冥獄刀は主人を選ぶ、これはトンボ様の刀だからね」
アーレン:「あなたは……トンボという名前なんですか?」
GM:「よく解ったね。自己紹介もしてないのに」(笑)
アーレン:「あ、いえ……別に」(笑)
GM:「じゃあ獄に行きたいならまずは銘刀を鍛え直すんだね。はっはっはっはっ……」――とトンボは紫杯連を出て行きます。
アーレン:「なんだったんだ今の人は……」
GM:マスターが答えよう――「一年前からかな? 冥獄刀を手に入れてから有名になってきた享受者だよ。昔は地上を夢見る良い奴だったんだがな……」
アーレン:「今は金の亡者」
GM:「ははっ…まぁそんな所だ」
アーレン:「ふ〜ん……ねぇマスター、冥獄刀に鍛え直すにはどうすればいいのかな?」
GM:「それができる刀鍛冶師は特殊だからな、刀鍛冶師を片っ端から当たるかしか無いんじゃないかな。もしくは……初めて冥獄刀を鍛えた鍛冶師ってのは神語術を使えたそうだから、神語学院に行って調べるのもありかもしれないな」
アーレン:「そっか……わかった。ありがとう」

◆5.虐められてたパンダを……

瓦礫の都シェオール。その大通りを妖霊のクーを連れて歩いているカバが……ジャバールがいた。道の左右に軒を連ねる露天商の数だけでも、この都がジャハンナムの中心である事を知らしめている。
ジャバール:「安い獣甲はないものか」――とふらふらしていよう。
クー:『ねぇねぇカバのおっちゃん、これ買って〜〜』――とクーがジャバールの裾を引っ張って言います(笑)
ジャバール:「なんだ?」
クー:『ケバブケバブー♪』
ジャバール:またケバブかい!(笑)
クー:『欲しい欲しいー!』
ジャバール:「しょうがないな……親父、ケバブ3人前頼む」
GM:「3人前だね、まいど! 30Diだ」
ジャバール:高!?(笑) まぁケバブを食いながら歩くか。
GM:さすがジャハンナム中央に位置する都市だけあって活気が今までの街とは違います。街自体も大きいですしね。
ジャバール:「この街はでっかいなクー」――もぐもぐ。
クー:『ふぉーだね』――もぐもぐ(笑)
GM:と、通りの先で銀糸の民と、亀の獣人と、ネズミの獣人が輪を作って、輪の中にいれた1人の小さな獣人を蹴ったりして虐めてるのが見えてきます。
ジャバール:なんだ? 行ってみるか。
GM:虐められているのは白黒の毛皮をした――
ジャバール:シマウマか?(笑)
タータ:そのネタはもう良いっちゅうねん!(笑) 小さなパンダがコロコロ転がりながら輪の中にいます。で、良いんですよねGM?
GM:その通りです。
ジャバール:しょうがない3人に言うか――「オイオイ、どうした」
GM:銀糸が――「ああん? 何だお前は」
ジャバール:「何があったか知らないが、このジャバールさんに話してみろ」
クー:『そうだそうだ! このカバールさんに言ってやれー』(笑)
GM:「なんだってー!?」――と声をそろえて驚く3人。
ジャバール:……今のはどっちに驚いたんだろう(笑)
GM:「あんたジャバールって言うのか!?」
ジャバール:「あ、ああそうだが」――偉そうに言っておこう。
GM:「マジかよ! 本物だぜ! 俺達の憧れジャバールさんだ! あんたは蔑まれてた俺達の間じゃ有名人なんだ! あんたは成功者なんだ」(なぜか一同爆笑)
ジャバール:「おお、わしが孤高の戦士ジャバールだ」
GM:「すげーなー! やっぱ孤高だよ!」(やっぱり一同爆笑)
ジャバール:なんか知らんが……とてもいい気分だ(笑)
クー:『なんでだろう……カバが大人気だよ』(笑)
ジャバール:「で、何をしていたんだ? 無抵抗の者に暴力を振るうのは関心せんな」
GM:「あ、ああ……スイマセン」――うな垂れる3人。
タータ:少し蹴られて汚れながらも静かになったのでガードを解いて、周りを見ます。
クー:『カバのおっちゃん! パンダだよ! パンダがいる!?』
ジャバール:まぁそれは後だ――「お前等3人もわしのようになりたいのなら、些細な事で腹を立ててはいけない」
GM:「は、はい! 胆に命じます!」
ジャバール:「うむ……で、原因はなんだったんだ?」
GM:「実は……こいつが『ジャバールはかっこ悪いカバだ』って言うから……」(一同爆笑)
ジャバール:<迅雷足>起動! 付近の家壁に向かって蹴り飛ばす! 無論、その白黒をだ!!(爆笑)
タータ:自己紹介もまだなのに!!(笑)
クー:『さっき些細な事で怒るなって言ってなかった?』
ジャバール:「どこが些細なんだ! わしは"かっこいいカバ"だ!」(笑)
タータ:壁にぶつかってからコロコロ転がってから起き上がる。でも小さい。
ジャバール:「で、そこのパンダの獣人よ、いったいわしのどこがかっこ悪いのかな? 言ってもらおうじゃないか?」
GM:3人も「言ってみろ!」「どこがかっこ悪いんだ!」「最高のカバじゃないか!」(笑)
ジャバール:………………。
タータ:「どこがかっこ悪いかだって……よくもそんな台詞が言えるッスね」
ジャバール:「なんだと?」
タータ:「あんた……どんなに孤高だ戦士だ言ったって……所詮はカバじゃないッスか!!」(一同爆笑)
ジャバール:「ほ、ほう……」
タータ:「だいたいカバのクセに人気があるなんて生意気ッス! 今まで日の当たらない種族達に人気だったのはオレだったッス! それなのに最近では皆してカバカバカバカバカバカバ――」(一同大爆笑)
ジャバール:「そうかぁ…カバのくせにかぁ……」――少しずつパンダに近づいて行こう。
クー:『は〜〜い、みなさん下がって下がって〜〜カバ注意報発令ですよ〜〜♪』(笑)
タータ:「誰が考えてもパンダがカバに負けるなんてありえないッス! 来るなら来いッスよ!」
ジャバール:「良いだろう!」――一気にダッシュで蹴り上げる!
タータ:GM、<防御>するッスよ!(コロコロ)……5!
ジャバール:ほう、ならわしも命中で振るか(コロコロ)……――
クー:『カバのおっちゃんにパース♪』――使役者いないけど、1個上げる〜〜(笑)
タータ:あ、それズルイッ!!
ジャバール:……こっちの勝ちだな。思いっきり空中に蹴り上げるぞ。それで頂点に達した所をジャバールジャンプで追いつき、そこから地面にオーバーヘッドで叩きつける!(笑)
タータ:地面に当たって――ゴロゴロ……てんてんてん……。
クー:じゃあクーはキーパーみたいに横っ飛びでキャッチ失敗(笑)
タータ:失敗ッスか!(笑)
ジャバール:わしも着地。スチャ――「カバカバ言うのはあえて許そう。だが、さらにやるなら本気で来い」――ジャキンッ! と獣甲が音を立てるぞ。
タータ:お、おかしい……ジャバールより上の立ち場になるはずが……コロコロ転がりながら逃げよう(一同爆笑)
ジャバール:「行ったか」(笑)
クー:『ねぇ良いの? あのパンダ泣いてたよ、可哀想だよ』
ジャバール:「まぁいいだろう……アーレンも待っているし、余計な事に暇をつぶしているわけにはいかないしな」
パンダの獣人タータ、散々な登場シーンである……逃げるし(笑)

◆6.再会の魔術師

神語学院……そこは今だ謎多き神語を解明・研究する場所であり、知識の探求を主としている。基本的に街の幻鏡工房と併設されている場合が多い施設である。アーレンは刀鍛冶師を当たるより、まずは獄についてもっと調べようとここへ来ていた。
アーレン:図書館とか一般に開放されている場所を見たいです。そんな感じで学院の係りの人に聞きます。
GM:「一般書庫の閲覧ですね。どうぞ」――と案内されます。かなりの本が並んでいる図書館に案内されました。
アーレン:そのまま案内してくれた人に――「あの……できれば獄について調べたいのですが、どこにあるんでしょうか?」
GM:「えっとそれは――」
テヨーラ:と言う所で後ろから声をかけましょう――「それなら私が案内しましょう」
GM:では案内してくれた人はテヨーラに任せて帰って行きます。
テヨーラ:「久しぶりねアーレン」――と、私の服装はカリュオンの時とは変っています。ゾロっとした服装に、脚も手も見えない。顔にはヴェール(笑)
アーレン:全然テヨーラだって気がつけない(笑)――「えっと……誰? 僕の知ってる人?」
テヨーラ:「運命がいずれ交われば、いつかまたあなたに会う事もある……覚えてないかしら?」
アーレン:じゃあ気が付こう――「テヨーラ!? こんな所で会うなんて!」
テヨーラ:「ふふ……これも運命ね」――獄についての書物がある場所に歩きつつ――「ところで、あの子は元気? カリュオンで享受者になった子……あなた達と一緒に旅に出たって聞いたわ」
アーレン:暗く沈もう――「あの子は……ラティは……」
テヨーラ:「?」
アーレン:「ラティは……死んだんだ。僕はまた……助けられなくって……」――搾り出すように……。
テヨーラ:「……そう。それも運命」
アーレン:言われると解っていても、なんか理不尽さを感じる(笑)
テヨーラ:「――でも、今度は諦める気は無いのね。獄を調べたいって事は」
アーレン:「うん。必ずラティを連れ戻す。今度こそ本当に助け出すんだ」
GM:では獄の書いてある書物の棚に付きました……と、ここらでタータ合流するかい?
タータ:じゃあちょっと薄汚れたパンダがコロコロ――「姉御、遅くなったッス」
アーレン:(なんだコレ?)って思ってよう(笑)
タータ:「姉御、そちらの兄さんはお知り合いッスか?」
テヨーラ:「ええ、享受者の仲間でね。名前はアーレン」
タータ:「あ、それは宜しくッス。オレはタータと言うッス」
アーレン:「こちらこそ宜しくタータ」――ちょっと屈んで握手でもしよう。
テヨーラ:「それより宿はどうだった? ちゃんと陵渦の紫杯連で泊まれるように手配してこれた?」
タータ:「それは大丈夫ッス! それより大変な事があったッス! なんとあのカバのジャバールに会ったッスよ!」
テヨーラ:ジャバールも来てるの? って視線をアーレンに(笑)
アーレン:「ええ、先生とは今も一緒に旅をしてるから」
タータ:「やっぱり所詮はカバだったッス! こっちが何もしてないのに暴力振るってくるなんて酷い奴だったッス!」
アーレン:「タータ、君は先生と知り合いかい? あ、先生っていうのはジャバールの事なんだけどね」(笑)
タータ:「先生? アーレンさんはジャバールから技を教えてもらってるッスか!? そんなのすぐに辞めた方が良いッス! どうせ曲芸とかしか教えれないッスから!」
アーレン:「それはキミじゃないかなぁ」(笑)
タータ:「オレは曲芸なんてできないッス! カバと一緒にしないで欲しいッス!」
アーレン:「………………テヨーラ、このペットは頭が弱いのかな?」(一同爆笑)
タータ:「オレはペットじゃないッス!」――酷い言われようだよ(笑)
アーレン:「大丈夫だよタータ。ペットでも奴隷でも頑張って生きている人は沢山いる。だからキミも心配しないで良いよ」
タータ:「なんだかアーレンさんは良い人っぽいのは伝わってくるッス……でも、なんでそんな憐れな目でオレを見るっスか!」
アーレン:肩をポンポン(笑)
タータ:「姉御もなんか否定して欲しいッス」
テヨーラ:「……ま、これも運命?」(一同爆笑)
タータ:「ひ、酷いッスよ……あぁ……ああ、もう!! これもあれも、全部カバのせいッス! オレはまた1つジャバールへの恨みが上がったッス!」
アーレン:で、獄の事については解ったの?
GM:獄についての一般的な事はわかったと思っていいよ。
アーレン:早ッ!
GM:ただ、そんな情報の中で1つだけ解った事がある。
ジャバール:パンダは獄に入れない(一同爆笑)
タータ:なに言うとねこのカバは!!!(笑)
ジャバール:いや、つい。いつもやられてばっかだったからさぁ(笑)
GM:解った事は――「獄に行った魂は、その親族や生きていた頃に関係した場所・人・物なんかを使って、どこの獄に行ったかを伝言する事がある」――という事です。
テヨーラ:「夢枕に立つ……なんてのが有名ね」
アーレン:「そうか……もしかしてあの夢は……」
テヨーラ:「どうしたの?」
アーレン:「いや、なんでもない」

◆7.ウォンテッド情報

謎のパンダを無視したジャバールとクーは、陵渦の宿屋兼酒場にやって来ていた。しかし、先に着いているはずのアーレンの姿は見えず、とりあえず再び料理を注文して待つ事に……。
ジャバール:酒場で食ってる。
クー:カバのおっちゃんと食い散らかしている。
GM:と、後ろから話しかけられます――「チミチミ〜〜ちょっといいかね?」
ジャバール:「なんだ?」
GM:「実は白黒の毛並みで小さな獣人を探していてね。パンダなんだ、この街でいるのは解っているんだが……見なかったかね?」
ジャバール:「クーよ、なんか見た気がするな」
クー:『カバのおっちゃんが蹴ってた奴じゃない?』
ジャバール:「おお、あいつか」
GM:「見たのかね!? 是非ともこのトンボ様に教えてくれないか」
ジャバール:「トンボ様?……ところで、どうしてそのパンダの情報を集めているんだ?」
GM:「ああ、あのパンダはとっても珍しい種族でね。捕まえて依頼主の元へ連れて行けば大金が手に入るんだ」
ジャバール:「なるほど……で、いくらぐらい手に入るんだ? その額を教えてくれたらわしも教えよう」
GM:「報酬かい? 連れてきた者に10万Diさ」
クー:『すごいの?』
ジャバール:「獣甲一揃えぐらいか」――ま、一般人や駆け出しには大金だな。
GM:「さ、どこで見たのか教えてくれないかな?」
ジャバール:「ああ、あっちで見た」
クー:『うん、あっちで見たよ』
GM:「なるほど、ありがとう! ――って、チミチミ〜〜そんな適当な指示の仕方じゃわからないよ」(笑)
ジャバール:意外とトンボ様は頭が良いな(笑)
クー:『クー地図描く〜〜……で、ここでケバブ食べたの』
ジャバール:「いや、こっちじゃなかったか?」
クー:『違うよ、こっちの方が美味しかったもん』
ジャバール:「いやいやそんな事は無い、こっちの方が味がしっかりしていて美味かった」
クー:『こっちだよ!!』(笑)
ジャバール:「違う! こっちだ!」(2人爆笑)
GM:「………………チミ達、本当に見たのかい? ならトンボ様をそこまで連れて行ってくれないか?」
………………………………………………………………………………………………

 再び屋台の並ぶ大通りにまでやってくるジャバールとクーとトンボ。
GM:では大通りにトンボを連れてやって来ました。
ジャバール:「とりあえず記憶を辿る為に……親父、ケバブ3人前頼む」(一同笑)
GM:「3人前だね、まいど! 30Diだ」
ジャバール:もう高いとは思わん(笑)――「お代はトンボ頼むぞ」
GM:じゃあトンボは払います。
クー:『次はあっちのでケバブを頼んだんだよね?』(笑)
ジャバール:「そうだったか? わしはそっちで別のケバブを頼んだ気がするぞ?」(笑)
クー:『違うよ! あっちで3人前って注文したもん!!』
ジャバール:「いやいやそんな事は無い、そっちで限定ケバブを5人前頼んだ覚えがあるぞ」
クー:『え〜、あっちだよー!』
ジャバール:「違う! そっちだったって!」(2人爆笑)
GM:「チミ達……両方でケバブ買ってあげるから早く思い出してくれ」(笑)
ジャバール:じゃあパンダ蹴った所まで来た――「ここでパンダを蹴った。ここが最後だ」
GM:「そうか……」――ちょっと残念そうにトンボは呟くと、近くの木にツカツカ歩いて行って立ち止まる。
ジャバール:何をするんだ?
GM:と――『チンッ!』――という刀を鞘に収める音が聞こえた瞬間、トンボの目の前の木が粉々に切り裂かれる。刀を抜いた瞬間も刀を振るった瞬間も見えなかったね。
ジャバール:「おお〜〜、お主見た目よりやるなぁ」
クー:『でも勝手に木を切ったら行けないんだぁ〜〜』
GM:「はっはっはっ、何を言っているのかねチミ〜、ちょっとしたケバブ10個ほどの恨みさ」(笑)
ジャバール:「はっはっはっ」(笑)
クー:『はっはっはっ』(笑)
GM:「ま、情報をありがとう、トンボ様も適当に感謝して置くさ。じゃあね」――とトンボは去って行きます。
ジャバール:「ふむ……宿屋に戻るかクー」
クー:『そうだね。ケバブもいっぱい食べれたしね』(笑)

◆8.冥獄刀を打てる鍛冶師は……

獄について知ったアーレンだったが、とりあえず今出来ることをする事にする。つまり……冥獄刀を打てる鍛冶師を探すことに……
アーレン:僕は獄の事も知ったし今度は刀鍛冶の人たちが集ってる鍛冶場へ行きます。
テヨーラ:「待ってアーレン、ここで会ったのも運命なら、あのラティという少女が死んだ事を知ったのも運命……一緒に行くわ」
アーレン:「でも、テヨーラはテヨーラの目的があるんじゃないの?」
テヨーラ:「私に目的なんて無い。ただ運命に身を任せるだけ」
タータ:「オレにはジャバールを倒すという大目的が」(笑)
テヨーラ:「少し黙ってなさいねタータ」
タータ:あう(笑)
テヨーラ:「あの少女は少しとはいえ縁があった。その少女をあなたが反魂させたいって言うなら、それまでぐらいは協力してあげる。少しぐらいはあの子に情が移っているしね」
アーレン:「ありがとうテヨーラ」
タータ:「あ、姉御が行くならオレも行くッス」
アーレン:「ありがとうタータ」
タータ:素直に感謝されると嬉しいもんッス(笑)
………………………………………………………………………………………………

 刀鍛冶師たちが集る別名鍛冶場通りにやって来て、冥獄刀に鍛え直せる人を探すアーレン達。そこで話を聞いた所――

――刀鍛冶師より教えてもらった情報――
  ◆この街(瓦礫の都シェオール)に冥獄刀に鍛え直せる程の鍛冶師はいない。
  ◆クーヘン=バームという鍛冶師が冥獄刀に鍛え直す事ができる程の腕を持っている。
  ◆クーヘン=バームの一番新しい作品は"蜻蛉(カゲロウ)"と言う。
テヨーラ:「蜻蛉(カゲロウ)って言う冥獄刀を持つ刀士ね。タータ知ってる?」
タータ:「オレは知らないッス」
アーレン:「僕は知ってる。さっき陵渦の紫杯連で会ったんだ……嫌な性格で…は無かったけど、僕の事を"チミ"って呼ぶ変な人だった」(笑)
テヨーラ:「変な人ね」(笑)
アーレン:「でも悪い人じゃないと思う。親切に冥獄刀の事を教えてくれたし……紫杯連へ戻ろう」
………………………………………………………………………………………………

 陵渦の紫杯連である宿屋兼酒場へと戻ってくるアーレン。そこではすでにジャバールとクーが再び……いや、三度食べていた。
ジャバール:「ここはジャバール専用が無いから食べづらいな」
クー:『おばちゃーん、こっちに大ジョッキ3つまとめてお願ーい♪』
ジャバール:グビグビ(笑)
アーレン:じゃあやって来ました――「って、先生! 何いきなり飲んでるんですか!」(笑)
ジャバール:「おお、アーレン! 遅かったじゃないか。待ちくたびれたぞ」
アーレン:「それより先生、実はテヨーラと会ったんだ」
テヨーラ:酒場に入ってきて――「久しぶりねジャバール」
ジャバール:「おおテヨーラ! 久しぶりだな……ってなんだその格好は?」――確か妖しいんだったよな?(笑)
テヨーラ:殆ど素肌が見えないような服装しているから(笑)――「ま、これも運命」――諦めたように呟くわよ。
ジャバール:服装が運命? よく解らん事を――
GM:と、クーも『久しぶりテヨーラ〜♪』と寄ってきます。
※妖霊クーヤゥは基本的にテヨーラのPLが演技しています。なのでテヨーラのPLがテヨーラ本人を演技している時はGMが喋っています。
テヨーラ:「久しぶり、クーヤゥも元気そうね」
アーレン:ああ、そこで場所をずらすように――「そうだ先生、それともう1人いる――
タータ:ではテーブルに上ってジャバールを指差しながら――「ここで会ったが百年目! 今度こそ勝負をつけてくれるぞカバ!!」(笑)
ジャバール:「あ゛〜……またお前かサッカーボール」(一同爆笑)
タータ:「サッカーボールって言うな!!! オレはそんな球技は知らないッス!!」
クー:『てぇ〜〜い』――とテーブルから突き落とす♪
タータ:丸まってゴロゴロ…(一同爆笑)
アーレン:「まぁなんていうか……タータって言うんだけど、どうも先生の事嫌いみたいなんだ」(笑)
ジャバール:「ああ、それは知ってる」(笑)
テヨーラ:「タータ、これからはジャバールも一緒に旅をする事になるわ。これも運命、諦めなさい」
タータ:「うう……姉御が言うなら我慢するッス」――が、内面では至近距離からジャバール人気を失墜させてやる! と燃え上がってるのです(笑)
ジャバール:「………………」
クー:クーはタータを転がしていよう(笑)
タータ:じゃあゴロゴロしながら――「や、やめろこの妖霊! やめるッスよ!!」(笑)
ジャバール:「そうだアーレン、これからも旅が長くなりそうだし金は必要だと思うのだがどうだろう?」(←かなり唐突な振りである)
アーレン:「お金? まぁ確かに必要かもしれないけど……いきなりなんで?」
ジャバール:「実は10万ほど手に入る目処がたってな」(笑)
アーレン:「どういうこと?」
ジャバール:「なぁに簡単な事だ、あそこにボールがあるだろう?」
アーレン:「タータですか」
テヨーラ:2人ともちょっと見ない間に結構酷くなったわね(爆笑)
ジャバール:「いやなに、あそこのボールをとある金持ちに連れて行けば10万Di入るらしいんだ」
アーレン:え、でも……
ジャバール:「ま、奴にとっても悪く無い話だと思う。飯もちゃんと出てくるだろうしお客さんにも見てもらえるしな」
アーレン:「そうか」
ジャバール:「だろ?」
タータ:って、だろじゃないッス! オレはいきなり見世物小屋決定!?(一同笑)
アーレン:って、そうだよ(笑)――「駄目だよ先生! それじゃあ昔のラティと変らないじゃないか!」
ジャバール:「………………」
アーレン:危うく肯定するところだったよ(笑)
ジャバール:「………………」
アーレン:「………………」
ジャバール:「……だから大丈夫なんだよ」(一同爆笑)
タータ:だから何!?(笑)
GM:思いっきり間が抜けてる(笑)
タータ:GM! なんか危険な気がするから<危険予知>振りたい!
GM:どうぞ、4/2で良いよ。
タータ:(コロコロ)……2成功! すっごく嫌な予感がしたのでここから逃げるッス!
ジャバール:じゃじゃーん、扉の前に立ち塞がるわし。腰には麻袋がばっちり下げられてるから(笑)
タータ:こ、こうなったら"ブチかまし"するッス! 丸まってジャバールに牽制で体当たり(コロコロ)……5成功!
ジャバール:む、ではこっちも<防御>を振るか。
クー:実況っぽく――『お〜〜っと、すごい勢いでボールが飛んで行ったーーー!!』(笑)
ジャバール:(コロコロ)……5個成功、両手で受け止めた――「ふんぬ!」
クー:『ゴールキーパーのカバ! がっちりキャーーッチ!』(笑)
アーレン:そこは『がっちりカヴァー』で良いんだよ!!(一同爆笑)
ジャバール:余計な事言うなよアーレン!!!(笑)
クー:『がっちりカヴァー!!』(爆笑)
ジャバール:お前も言い直すなっ!(一同爆笑)
タータ:くっ、捕まったッス!?
ジャバール:腰の麻袋にボールを入れよう。ポイ。
タータ:「出ーせー」――ジタバタジタバタ。
アーレン:「先生……ふと思ったんだけど、先生がやろうとしているのって人身売買じゃない?」
タータ:「売ーらーれーるー」
テヨーラ:「タータは確かにサッカーボールみたいだけど一応獣人だからそれは酷い……(ちょっと考えて)……いや、それも運命よね」(一同爆笑)
タータ:姉御〜〜(泣)
ジャバール:「ま、静かになった所で情報交換と行こうか」

◆9.トンボとの取引

都の歓楽街、鼻に付く匂いを良いと感じるか悪いと感じるかは人それぞれ……時刻は昼だと言うのに、何軒かは酒場としてすでに開いていた。アーレンとジャバールとクーは、紫杯連にテヨーラとタータを置いて歓楽街へとやって来ていた。情報によればトンボがここにいるからだ。
ジャバール:「しかしあのトンボが持っていた刀が冥獄刀とはな」
アーレン:「紹介されたクーヘン=バームさんを最後に知っているのは、きっとトンボさんなんだ。だから見つけないと」
GM:では歓楽街に来ました。
ジャバール:紫杯連で教えてもらったところに入ろう。
GM:では女の人たちが出迎えます――「あらいらっしゃい。どうぞカッコイイお兄さん(アーレン)とかっこ……良いおじさま」(笑)
ジャバール:おいおい、なんでそこで止まる(笑)
アーレン:「すみません、トンボさんを探しているんですが」
GM:「トンボさん? ならあそこで飲んでいるわ」――と奥を指すとトンボがソファーでお酒を飲んでます。
アーレン:そっち行って――「トンボさん!」
GM:「ん? おおチミはさっきの! おや、横にいるのはケバブをトンボ様にたかった2人組じゃないか」(笑)
ジャバール:「やーその節は美味かった」
クー:『ありがとーね♪』
GM:「ふむ……もしかしてチミはジャバールとクーヤゥと同じチームなのかな? それなら名前はアーレンかね?」
アーレン:「なんでこっちの事を先に調べてるんだよ!」
GM:「アーレン、チミは神語学院で白黒の獣を見たね? 一緒に居たと言う話は聞いている」
ジャバール:このトンボって男……すごいんじゃないか?
GM:「その獣人……名前をタータと言うのだが」
アーレン:「ええ、今一緒に居るから知ってるよ」
GM:「素晴らしい! トンボ様に何か聞きたい事があったようだけど何だい? 何でも言ってくれたまえ、出来る事なら協力しよう」――トンボは好意的に笑みを浮かべます。
アーレン:「刀鍛冶師のクーヘン=バームさんを探しているんです。トンボさんなら彼の居場所を知っているかなって……」
GM:「もちろん知っているとも、彼の居場所まで案内してあげても良い」
アーレン:「本当ですか?」――身を乗り出しますよ。
GM:「ただ、交換条件がある。それは――
ジャバール:「乗った!!!」(一同爆笑)
GM:「まだ何も言って無いのに」(笑)
………………………………………………………………………………………………

 再び紫杯連へと戻ってくるアーレン達。酒場ではテヨーラと袋から爪を使って脱出したタータが待っていた。
アーレン:じゃあ紫杯連の酒場に戻ってきました。
ジャバール:「戻ったぞ〜」
テヨーラ:ご飯食べてます。
タータ:普通のは食べられないからマスターに無理言ってるっス(笑)
GM:そうかパンダか(笑)
ジャバール:「ほれ持ってきてやったぞ食べるといい」――とタータにユーカリを渡そう。
タータ:じゃあハムハム……って違う!――「こんなもん食えるかーーー!!」――と投げ捨てる!――「ユーカリ食うのはコアラだカバ!!」(一同大爆笑)
ジャバール:そう言えばそうだった(笑)
GM:一瞬、私もジャバールが正しいと思いました(笑)
アーレン:と、言うより笹を食べるって時点で肉食動物か迷うよね(笑)
GM:じゃあ店のマスターが特別に笹を持ってきてくれました。
タータ:「そうそうコレコレ……やめられないんスよねぇ」(笑)
ジャバール:と、至福を感じているタータに麻袋を被せよう。ズボッ!!
タータ:え?
アーレン:その瞬間に縄でぐるぐる巻きにして身動き取れなくさせます。
タータ:アーレンさんまでッスか!?
テヨーラ:「どうしたの?」
アーレン:「どうしてもタータをこうする必要があるんだ」――ギュッギュッ!
ジャバール:「簡単に説明するとだな――『冥獄刀を打ってもらう為にはクーヘン=バームに合う必要がある。クーヘン=バームの手掛かりはトンボである。トンボに協力してもらう為には手土産が必要。なのでこのセッションだけタータが参加してくれてる』――と言う事だ」
タータ:ちょっと待って! なんでオレは今回限りのゲストキャラなの!?(一同大爆笑)
ジャバール:残念だぁなぁ(笑)
アーレン:「トンボさーん」――外に待ってて貰ったトンボさんを呼びます。
GM:「おお、よく捕まえてくれたねチミ達!」――トンボが入ってきます。
タータ:「やめろー人でなしー……いや、カバで無しー!(笑) 姉御助けてーー」
テヨーラ:「タータ、これも運命。この後どうするかはあなた次第、私なら運命は受け入れる」
タータ:「受け入れたくないッス!! 売られるのは断固拒否するッスよ!!!」(笑)
GM:まぁそんなタータの悲鳴は無視して、トンボは――「ではまずはトンボ様の依頼を先に終らせてもらうよ、クーヘン=バームはその後だ。いいね?」
ジャバール:「問題ない。袋はわしがもってやろう」――袋のはしっこを持ってリフティングリフティング(笑)
タータ:「痛い痛い痛い! やめるッスよカバ!!!」
ジャバール:ヘディングヘディング(笑)
アーレン:「先生遊んでないで行こうよ」(笑)
ジャバール:うむ(笑)
GM:トンボは言います――「じゃあ付いてきてくれ、まずは依頼人の所へ向かうからね」

◆10.始まりの街へ

トンボに先導されラクダに乗ること3日間、瓦礫の都シェオールの北東にてソレはあった。
GM:ではラクダに乗って3日間が経ちました。
タータ:ねぇ、オレってもしかしてずっと縛りっぱなしで袋の中ッスか?
ジャバール:絶対に出さないから(笑)
テヨーラ:享受者なら3日までは飲まず食わずでも疲れないから大丈夫よ(笑)
タータ:もう3日経ったッス。明日から生命力が削れていくッス。ジタバタジタバタ……シーン。
アーレン:静かになった(笑)
ジャバール:「ところでトンボよ、どこに向かっているんだ? どんな街なんだ?」
GM:「街? 違う違う、トンボ様が向かっているのはね……ほら、そろそろ見えてきたよ」――と、遠くの方に幻鏡域が見えてきます。
アーレン:「あれは……幻鏡域?」――ダンジョン?
ジャバール:またアレか。
テヨーラ:私が気が付いたように――「いいえ違う……もしかしてあの幻鏡域……通廊なの?」
GM:「正解!」
※解説4 「幻鏡域の通廊」
 幻鏡域はその先が別の異空間のある場所に繋がっている場合と、ゲヘナのある場所とある場所を結ぶだけの場合があります。前者は繋がった先が海だったり山だったり異世界の文明街だったりと利用価値が高く紫杯連同士のいざこざにも良くなります。そして後者は通廊と呼ばれ、一種の交通手段に使われます。通廊はそこを仕切っている団体(または国家)にもよりますが、1人数百Di払えば通行可能です。
GM:「ここの通行料はトンボ様が特別におごってあげよう、感謝したまえ」
ジャバール:「いや、自分の分は自分で払う。好意だけは受け取っておく」
GM:「そうかい?」――トンボはお金を管理人達に渡すと幻鏡域へと入って行きます。
アーレン:僕も続こう。
GM:中は谷のようになっていて細い一本道です。左右のカベはどこか不思議な色彩を放っていて、理屈はわかりませんが実体を持っていないようです。
アーレン:「なんだろうこの壁は……」――触ってみようかな。
テヨーラ:止めます――「下手に手を出さない方がいいわ。もし道を外れたら、どこに飛ばされるか……それは運命しか知らない事」
アーレン:ビクッとして手を引っ込めよう。先生の後を黙々と付いていこう。
GM:では程なくして光が見えてきて幻鏡域から出ます。
ジャバール:「ふぅ……ここはどこだ?」
GM:周りを見てもただの砂漠です。トンボが――「あと1日ほど行くから付いてきてくれたまえ」
アーレン:付いて行きます。
GM:ではやがて街が見えてきます。袋詰めのタータ以外は、【知力】か<土地鑑>で4/1で。
アーレン:(コロコロ)……失敗。
ジャバール:……おお、1個成功した。
テヨーラ:私は5個成功。
GM:ではアーレンは何も解らず。ジャバールはこの街に来た事があるのが、テヨーラはこの街で半年程お世話になった覚えがあります。賭博都市カリュオンです。
ジャバール:蛙が住んでた街だったか?(笑)
テヨーラ:ここで何度お金をすった事か(笑)
GM:ではトンボはどこか知ったような道を通って、どこか知ったような踊りの看板のあるお店の裏に入って行きます――「さぁ来たまえ、依頼人に引き渡そうじゃないか」
テヨーラ:「私の記憶に間違いがなければ……アレよね?」
ジャバール:「そういえば可愛いのとか好きだった気もするな」
GM:では使用人が出てきて応接間へと通されます。と、ここでトンボはジャバールからタータを受け取って何かします。
ジャバール:じゃあ渡そう。
GM:そしてタータは不思議な感じが一瞬だけします。
タータ:不思議な感じッスか?
GM:袋から片足だけ出されて、ヒヤッとしたかと思うと、何かに押し付けられ再び袋に戻される。
タータ:なんだろう?
GM:トンボはタータをジャバールに返すと手に紙を持ったまま――「じゃあ依頼人を呼んでくる、くれぐれも逃さないように頼むよチミ達」
ジャバール:「任せておけ」
GM:ではしばらくして廊下を歩いてくるペッタラペッタラという音が聞こえてきます(笑)
アーレン:「先生……この音、僕は前に聞いた覚えがある」(笑)
ジャバール:「うむ、わしもだ」(笑)
GM:廊下の足音と共に――「そうかそうか! ついにあの希少種を手に入れたか! 素晴らしい! さすがはトンボ殿だ」「いえいえ、協力者がいましたので簡単でしたよ」「ほう協力者とな?」――と、ここで扉が開いて――「なぬ!? お主達は!!!」(笑)
アーレン:「アギードさん久しぶりですね」
GM:「よもや、またお主ら3人に会うとはな……再びこの街に帰ってきていたとは知らなかったわい」
ジャバール:「ま、お主が探していたレア物を連れてきた協力者はわしらだからな」
GM:「おお、そうか。じゃあこれはほんの謝礼だ」――と1人につき1000Di渡されます。
テヨーラ:とりあえず貰っておきましょう。
GM:「さぁてお披露目だ!」――と麻袋を取ってアギードは白黒のタータに抱き付きます。
タータ:思いっきり丸まってる。
GM:「おお! なんと可愛い! なんとフカフカ!」(一同爆笑)
タータ:思いっきり足蹴にするッス! ゲシゲシ!
GM:タプンタプン言います。ただ、右足で蹴った時だけ赤い足型がアギードの服に付きます。アギードは蹴りなんてもろともせずスリスリします。油がギットギトです――「なんというフカフカ感!」
タータ:「気持ち悪いよ〜〜」
アーレン:あ、哀れすぎるよ先生。
ジャバール:ちょっと罪悪感が(笑)
テヨーラ:これも運命。重すぎる運命だけど(笑)
GM:「よーしよし、かなり満足したぞ……お前タータとか言ったな。よし、お前は今日からタンタンだ。なんせお前は今日から私のものだしな、書類もちゃんとある」――と、アギードの書類にはタータの足型サインがあって『私は10万Diで売られました』と書いてある。
タータ:さっきの冷っとしたのはコレかーー!!
アーレン:頑張れー。
テヨーラ:頑張りなさい。
ジャバール:諦めろ(笑)
タータ:うう……姉御まで酷いッスよ……。
GM:と、ここでトンボが――「ところでアギードさん、実は彼等はクーヘン=バームに会いたいと言っていまして、タータ……いえ、タンタン捕獲も協力してくれましたし、会うぐらい自由にさせてあげてはと思うのですがどうでしょうか?」
アーレン:「え? ここにクーヘン=バームさんがいるの?」
GM:アギードが答えよう――「ああ、奴なら私のところで働いているぞ」
ジャバール:そうだったのか、話が早くて助かるがな(笑)
GM:トンボが言います――「ま、だからチミ達をここまで一緒に連れてきたわけだ。トンボ様の仕事はここでおしまい。アギードさん報酬の方は後で紫杯連の方へ届けておいて下さいね。それじゃあトンボ様はこれで失礼させてもらうよ? チミ達も獄へ行くのなら頑張ってくれたまえ。はっはっはっ」――とトンボはいなくなります。
アーレン:良い奴だな。ゲヘナなら普通っぽい。
ジャバール:喋り方は変だけど良いキャラだ。
テヨーラ:「それで、クーヘン=バームがここで働いているって……どうして?」
GM:「ああ、奴は私に借金があるからな」
ジャバール:「いくらだ?」
GM:「借用書を見せてやろう……ほれ、これだ」――とそこには100万Diと書いてあります。
アーレン:それで1年ほど姿を見なかったのか……。
GM:「奴に刀を打って貰いたいのか? それなら奴の借金を全て完済して自由を与えてやる事だな。この街でお金を稼ぐのは難しい事では無いからな」
アーレン:「先生、ここはそうするしか無さそうだよ」
ジャバール:「賭け事はあまり気乗りしないが……仕方無かろう」
GM:「先に言って置くが、お金が借りたくなったらいつでも来るといい。10日間は無利子で貸すぞ、上限はあるがな」――基本的に、PCの「総合術技レベル点」万Diまで貸してくれます。しかし10日間を過ぎると利子が跳ね上がって付いて行きます。
テヨーラ:全員が借金しても100万Diには届かないわね。やるしかないか。でもそのお金でせめてタータは助けられるかしら?
ジャバール:「まてテヨーラ、何を考えている」(笑)
テヨーラ:「タータを助けたら悪い?」
ジャバール:「奴は今までいくらでも逃げ出す機会があった」
タータ:でも全部ジャバールに邪魔されたんだ!(一同爆笑)
ジャバール:そうなんだ(笑)
タータ:そうです(笑)
ジャバール:「こうなったのも運命だろう?」
テヨーラ:「……それもそうね」
タータ:姉御〜〜(笑)
アーレン:「アギードさん、タータも10万Di払えば自由になれるのですか?」
GM:「ん? まぁそうだな。10万Di払えるのならな……お〜〜ふわふわだ〜〜」(笑)
アーレン:「じゃあ10日間だけタータに猶予を上げられませんか? その間に10万Di払えなかったらタータは奴隷で良いです」
タータ:ああ、やっぱりアーレンさんは良い人ッス、悪いカバのジャバールとは違う。
ジャバール:なんか言ったかタンタン?
タータ:タンタン違う!(笑)
GM:「そうだな、もし10日間で10万Di払えなかったら、タンタンが暴れずに大人しくなると言うのなら、その条件を飲もう」
アーレン:「良いよねタータ」
タータ:「OKッス! それで良いッス!」
アーレン:「うん。じゃああとは頑張って」
ジャバール:「自分で稼ぐんだぞ」
タータ:え?
アーレン:「アギードさん、タータは総合で4Lvですから4万Di貸してあげて下さい」
GM:「いいだろう……が、先に言っておこう。お前は必ず私の物になるのだ」
タータ:「最悪ッス……でもこれで自由への希望が見えてきたッス」
テヨーラ:「あとはあなたの運命次第ねタータ」
タータ:「頑張るッス」
アーレン:「じゃあ行こうかタンタン」
ジャバール:「行くかタンタン」
タータ:だからタンタンじゃねーッス!!!(一同爆笑)

◆11.クーヘン=バーム

ジャバール:と、思ったのだが忘れていた。先にクーヘン=バームとやらに会っておこう。
アーレン:あ、そうだね。借金のせいで目先に靄がかかってたよ(笑)
テヨーラ:じゃあアギードさんに聞いてクーヘン=バームさんに会うだけ会わせてもらいましょうか。
GM:それは別に問題無いです。専用の工房で何か作っているとの事です。使用人の奴隷が案内してくれます。
タータ:もうアギードは居ないッスね。それは良かったッス……。
GM:アギードは今、タンタンに似合う服を買出しに行ってるからね(笑)
タータ:絶対着たくないッス!
ジャバール:案内されながら聞こう――「ところでクーヘン=バームはいったい何を創っているんだ?」
GM:使用人は――「さぁ、普通にナイフやフォーク、他に調度品なんかも作っていますよ。アギード様は綺麗な物とか好きですから、凝っている食器などは喜んでおいでです」
アーレン:武器の鍛冶師なのに生活用品?
テヨーラ:とりあえず話を聞いてみましょう。工房には着いた?
GM:では付きました。使用人がノックすると入っていいと言われます。使用人は入り口で待っていますので話すのは自由です。
ジャバール:中に入るか。
GM:中は普通に鍛冶場です。今は炉に火も入っておらず。1人の男性が机に向かって図面だかデザインを描いてるね。
アーレン:「あの、あなたがクーヘン=バームさん?」
GM:机に向かっていた男は手を休めて、キミ等に顔を向けます――「ああ、そうだが……お前達はなんだ?」
アーレン:「陵渦の享受者でアーレンと言います。こっちはジャバール先生とテヨーラ……あとタン――タータです」(笑)
タータ:今、素で……。
GM:「享受者か……悪いがもう銘刀は打たないぞ」
アーレン:「銘刀はすでに持ってます。ただ、この銘刀を冥獄刀に鍛え直して欲しいんです。あなたならそれができるって聞いて来たんだ」
GM:「……冥獄刀か……なおさら無理な相談だな。今のわしはただの専属鍛冶屋だよ。芸術品を作るだけで武器は創らない」
アーレン:「そこをなんとかお願いします。ラティを……どうしても友人を救いたいんです!」
GM:「救う?」
ジャバール:言葉を引き継ごう――「獄に行って魂を連れ戻す。わし等は反魂を行うつもりだ。だが、そのためにはアーレンの銘刀を冥獄刀に鍛え直す必要がある。獄は過酷な場所だからな」
アーレン:「お願いします! 僕に冥獄刀を!」
GM:「同じ事を二度と言わせるな。帰ってくれ。もうわしは二度と冥獄刀は打たん」――背中を向けて作業に戻ります。
タータ:「無視されるムードッスね」
テヨーラ:「今は帰りましょう。どちらにせよお金を稼ぐ必要もあるわけだし」
ジャバール:「……そうだな、行くぞアーレン」
GM:では部屋を出る間際に全員<感覚鍛錬>で4/2してみて。
アーレン&ジャバール:(コロコロ)……『失敗』
テヨーラ&タータ:『成功』
GM:成功した2人は気が付く、入り口付近の棚の上に小さな絵が飾ってあるのを。その絵はクーヘン=バームと17歳ぐらいの女性が描かれている。アーレンとジャバールは気が付かずにそのまま部屋を出ちゃいます。
テヨーラ:じゃあ部屋を出る前に立ち止まって――「クーヘン=バームさん、この女性はもしかして娘さんかしら?」
GM:その声に振り向いたクーヘン=バームは、凄い形相でそれをテヨーラから奪い取ります――「勝手に触るな!」
テヨーラ:「………………」――アーレン達を追ってそのまま出て行きます。
………………………………………………………………………………………………

 アギードの屋敷を出てカリュオンの街を歩く。話題は先ほどのクーヘン=バームについてだ。
ジャバール:「困ったな。まさか断られるとは……冥獄刀を創らぬ何か理由があるのかもしれんな……テヨーラはどう思う?」
テヨーラ:「そうね……でも、創る創らないに関わらず、100万Diを何とかしないと創ってももらえないと思うわ」
ジャバール:おのれ、さっきの絵の事を聞きたかったのに(笑)
テヨーラ:時期が来たら話すから(笑)
タータ:「姉御の言う通りッスよ、今はお金を稼ぐッス!」
アーレン:「そうだね。今は今できる事をしよう。クーヘン=バームさんの説得はそれからだ」
ジャバール:「そうか……わかった」――では紫杯連に顔出してから賭博場へ行くか。

◆12.カリュオンで賭博をしよう

カリュオンの紫杯連に1年以上ぶりに顔を出すアーレンとジャバール、陵渦カリュオン支部の主人はそんな2人の事をちゃんと覚えていてくれており、懐かしく話も積もる。
GM:では陵渦カリュオン支部の主人が「元気だったか」と喜んでくれます。そしてキミ等の話を聞くと、いくつか賭博場を教えてもらえます。それは掛け金のレート上限が無い賭博場だ。ゲーム的に言えば、今回使ってもらう賭博場の事だな。
ジャバール:なるほど、実際に賭けをしろというわけか。いいだろう……ルールを説明してくれ。
………………………………………………………………………………………………

――カリュオン・レート上限無しの5大カジノ――

共通ルール:

※イカサマは<賭博技能>で可能、ただしドッグレース以外は見破られた場合にそのPCだけ出入り禁止になる。
  イカサマをした場合は、賭場の見張りがイカサマを見つけられるか判定、見張りの能力はダイス2つ。

(1)チンチロリン
  ルール:3D6を振り、2つ同じのが出て、残った1つが出目となる。出目が大きい方が勝ち。GMと対戦。
      「1」「2」「3」を出すと賭けた金額の3倍を相手に払う。
      「4」「5」「6」を出すと賭けた金額の3倍を相手から貰える。
      3つともゾロ目の場合は賭けた金額の2倍を相手から貰える。(※今回は「嵐」と呼称)
      3つの出目が一つも揃わなかった場合は何も無し。(※今回は「ブタ」と呼称)

 イカサマ可能:<賭博技能>で成功→ダイス1つの出目を、振る前に固定可能。



(2)ドッグレース
    ルール:犬はD4〜D20の数種類。1ターンに一度そのダイスを振り、先に30歩進んだ犬が勝ち。
         「1位だけ当てる」「1位と2位(順不同)を当てる」「1位と2位と3位(順不同)を当てる」の
          3つの賭け方がある。
「1位だけ当てる」             倍率はそのまま
「1位と2位(順不同)を当てる」    それぞれの倍率を足した倍率
「1位と2位と3位(順不同)を当てる」    同上
    例)1.2と1.4なら2.6倍という感じである。


犬の種類 倍率      ※イカサマ可能
D20 1.1倍        <賭博技能>成功→遠距離攻撃で1ターンに1匹、好きな犬を潰せる。
D12 1.5倍        <賭博技能>で見破られると他の客からたこ殴りで実ダメージ2D6。
D10 2.0倍
D8  4.0倍       ※イカサマを見破る
D6  8.0倍        1ターンに一度だけ賭博技能で他人がイカサマしようとしてないか見破る。
D4 10.0倍        




(3)半か丁か
    ルール:そのPCが2D6を振る。偶数なら丁、奇数なら半。
          当たれば賭けた金額の2倍貰え、外れれば没収される。

   イカサマ不可能:イカサマは使えない。運のみ。




(4)3D6ハイ&ロー
    ルール:3D6を振り続けハイかローかを当て続ければ勝ち。同値の場合は没収。
          最初の値はGMが振って決める。
     倍率:1回成功→1倍、2回成功→2倍、3回→3倍、4回→4倍、5倍、6倍…7倍…8倍…9倍…
         10回成功→10倍、11回成功→20倍、12回成功→30倍……∞

   イカサマ可能:賭博技能成功→ダイス1つの出目を振る前に固定。




(5)ルーレット
    ルール:3Dを振り3つともゾロ目なら(「3」「3」「3」や「16」「16」「16」など)当り。

    台と倍率:
         3D6台  最低レート1000Diより  配当:当たった時の数字×5倍
         3D10台 最低レート5000Diより  配当:当たった時の数字×50倍
         3D20台 最低レート1万Diより    配当:当たった時の数字×100倍

    例:3D10台で5000Di賭けて「2」「2」「2」が当たった場合。
    5000Di×「2」×50倍で=500,000Diの配当。

イカサマ不可能:イカサマは使えない。運のみ。



ジャバール:ドッグレースはめんどくさそうだなぁ。
GM:ちなみに期限はキミ等の借金が利子を持って膨れ出す10日後までです。リアル時間で50分経過した時点で、ゲーム内では10日間が過ぎた事にします。もちろん10分で200万Diとか作って、さっさと賭博を終らせても構いません。
テヨーラ:50分もあれば余裕ね。
タータ:もうやっていいの?
GM:構いませんよ。時間は有限ですから(笑)
――序盤戦――

 ※ちなみに読み飛ばして貰っても構いません。
テヨーラ:ハイ&ローを<賭博>使って(コロコロ)……――
ジャバール:いきなりイカサマかお前は(笑)
テヨーラ:(コロコロ)……<賭博>3成功、見張りは2Dしか振れないって行ったけど、幸運の助けルールを使ってくるの?
GM:PCは使っても構いませんが、NPCは使いません。なので2個以上成功した場合は無条件でイカサマ確定です。
テヨーラ:じゃあ遠慮なく1つを固定して(コロコロ)……成功。そのまま続けるわよ、ハイに賭けて(コロコロ)……成功。さらに(コロコロ)……――
タータ:オレもハイ&ローをやるッス! (コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……4回目で失敗! 1000Di没収されたッス(笑)
ジャバール:よし、わしもアギードから金を借りて賭けるか。獣甲術が4Lvだから4万Di借りるぞ。
アーレン:僕も借ります。(刀術3Lv、魂装術1Lv、妖霊使役1Lv)で5万Di借ります。そのまま半か丁か! 3000を丁に賭けて(コロコロ)……丁! 成功だ!
ジャバール:わしはチンチロリンに1万(コロコロ)……ブタ(笑)
GM:チンチロリンなので私と対戦ですね。(コロコロ)……ブタです。もう一度お互い振り直しです。
ジャバール:二回目(コロコロ)……1!
GM:(コロコロ)……「4」「5」「6」なので、ジャバールは3万払って下さい。
ジャバール:いきなりか!(一同爆笑)
アーレン:何負けてるんですか先生(笑)
………………………………………………………………………………………………
テヨーラ:ハイ&ロー! ……――……ああ、9回目で失敗した!?
アーレン:何やってるのさテヨーラ! 9回も行ってるなら途中で止めなよ! 欲張るから(笑)
テヨーラ:これも運命(笑)
………………………………………………………………………………………………
アーレン:僕はチンチロリンに1万賭けて(コロコロ)……4!! どう?
GM:(コロコロ)……6だからこっちの勝ち。
アーレン:1万スった……
………………………………………………………………………………………………
ジャバール:もう一度チンチロリンに5000Diだ!(コロコロ)……5! さすがにわしの勝ちだろ?
GM:(コロコロ)……6ゾロなので1万払って下さい。
ジャバール:なんだよその出目は!!!(一同爆笑)
テヨーラ:GM酷い(笑)
ジャバール:残り6000Di……これって賭けるお金が無くなったらどうするんだ?
GM:アギードに言えばさらにお金は貸してくれますよ。もっともこれ以上は返せなかったら奴隷になるという条件が付きますがね。
ジャバール:それは嫌だなあ。
GM:と、そんなタイミングでアギードがジャバールの方へやってきます――「はっはっはっ、やってるようだな」
ジャバール:「来るな、もう金も無い」(笑)
GM:「貸してやろうか? 10万Di貸してやるぞ?」
ジャバール:「嫌だ。脚の裏冷たくなりたくないからな」(笑)
GM:ではアギードはいなくなります。
ジャバール:まずいな、このままじゃジリ貧か……。
テヨーラ:ハイ&ローやるわよ。こうなったら今まで稼いだ7万を全て賭ける。これも運命(コロコロ)……失敗。ゼロDiになった(一同爆笑)
アーレン:何やってるのさ! 僕の1万貸すからコツコツ増やしてよ! 唯一<賭博>技能持ってるんだからイカサマすれば、ハイ&ローでは負けないでしょう!?
テヨーラ:……わかった(笑)
その後、テヨーラはアーレンからお金を借りていた。

――中盤戦
 ※やっぱり読み飛ばしてもらっても構いません。
アーレン:こうなったら僕もハイ&ローでイカサマしてやる! 技能無しだけど(コロコロ)……1個成功!
GM:こっちはダイス2個振りだからな(コロコロ)……2個成功――「おい、兄ちゃん何しているんや? オラァ」――と追い出されます。
アーレン:ぐはぁ追い出された〜〜(笑)
………………………………………………………………………………………………
テヨーラ:ハイ&ローで8回目(コロコロ)……失敗。テクテク賭場から出てこよう。
アーレン:「テヨーラどうでした?」――大通りを歩いていてたまたま通り掛かりましょう。チンチロリンの場所からの帰り道って事で。
テヨーラ:「……これも運命」
アーレン:「何回目までやったの?」
テヨーラ:「あと2回で10倍だったのに……」(笑)
アーレン:「………………実はさっきチンチロリンの「嵐」で成功したから、また1万貸すよ。今度は毎回確実に勝てるところで止めてよ」
テヨーラ:「……善処するわね」
………………………………………………………………………………………………
アーレン:よしマスター。僕ハイ&ローやる!
GM:キミ追い出されたじゃん。
アーレン:そうだったー(笑) じゃあチンチロリンやる! 持ってるDiの半分賭けて(コロコロ)……ブタ。
GM:(コロコロ)……「4」「4」「4」で嵐。2倍払って下さい。
アーレン:ああ……僕もすかんぴんになった(笑)
テヨーラ:アーレンに2万渡します。さっき借りていた分です。取り返しましたから。
アーレン:「ありがとうテヨーラ」――チンチロリンに行きます(コロコロ)……2万賭けて出目は「4」!
GM:(コロコロ)……こっちは「5」だから2万没収ね。
アーレン:「テヨーラ〜なくなっちゃった〜〜」(一同爆笑)
ジャバール:駄目亭主だなアーレン(笑)
アーレン:じゃあ先生も動いてよ!
ジャバール:良いだろう。虎の子の6000Diを賭けてチンチロリンだ(コロコロ)……ブタ。
GM:(コロコロ)……2で勝ち。没収です。
ジャバール:なくなった……――「テヨーラお金〜〜」(一同爆笑)
アーレン:「お金〜〜」(一同爆笑)
テヨーラ:「それも運命、諦めなさい」
………………………………………………………………………………………………
GM:アギードがやってきます――「金かしてやろうか? この契約書にサインすれば貸してやるぞ?」
アーレン:……わかった。もうアギードにお願いする――「サインするから10万Di貸して欲しい!」(笑)
ジャバール:「わしもサインするぞ!!」(笑)
GM:では貸してくれます。手が朱肉色になったけど。それぞれ10万Di手に入れました。
アーレン:さっそくチンチロリンに半分の5万を注ぎ込んで(コロコロ)……ブタ!
GM:(コロコロ)……1で勝ち(一同大爆笑)
アーレン:ギャー!!!(笑)
ジャバール:わしもチンチロリン! アーレン、男なら一発"でかく"やるもんだ! 10万全て賭ける!(コロコロ)……ブタ!!(笑)
GM:(コロコロ)……234でブタ(笑)
ジャバール:全額だから怖いな(コロコロ)……5!
GM:(コロコロ)……4、ジャバールの勝ち!
ジャバール:よし20万!!
アーレン:さすが先生! よし、僕も残り5万全て賭ける!(コロコロ)……ブタ。
GM:(コロコロ)……ブタ。
アーレン:(コロコロ)……ブタ。
GM:(コロコロ)……ブタ。
アーレン:(コロコロ)……ブタ。
GM:(コロコロ)……ブタ。
アーレン:さすがに怖いな(笑)
GM:「兄ちゃん、ずいぶんと羽振り良く賭けているが、どっからその金を持ってきたんだい?」
アーレン:「あっはっはっ、僕の体さ」(一同爆笑)
GM:(コロコロ)……3。
アーレン:(コロコロ)……2!? なくなったー(笑) こうなったら銘刀を質に入れて!!!(一同大爆笑)
GM:構いませんよ。銘刀なら3万Diほど借りれます。
アーレン:よし! じゃあ――
テヨーラ:ちょっと待ちなさい!!(笑)
ジャバール:待てアーレン!!(笑)
アーレン:だって、これ売らないとラティ助けられないし(一同爆笑)
ジャバール:いいから黙ってみておれ、お前は下手にハマルと奈落の底まで落ちるぞ! その辺でも散歩して来い(笑)

◆13.死者たちの賭博場

ラティを助ける為には獄に行かねばならない、獄に行くには冥獄刀が必要、だからクーヘン=バームさんの借金を返さないといけない……そう思って賭博をしていたはずなのに……。
アーレン:なんでこんなに賭博にはまってしまったのか、反省しながら散歩でもします。
GM:ではちょっとイベントを入れよう。この時間はリアルタイムの50分には換算しないので遠慮なく他の人も出てきていいよ。
3人:『了解!』
GM:さて、アーレンがそうやってカリュオンの街を歩いていると……時刻はすでに夜なんだが、どこからか突然鈴の音が聞こえてくる。
アーレン:突然?
GM:一言で言うと、到達ポイントをアーレンは聴覚に注ぎ込んでいるでしょ? その感覚で聞こえてきたと思って欲しい。
アーレン:って事は……この鈴の音は邪霊がらみ!? そっちへ行って見ます。
GM:ではアーレンは暗い路地裏へと入って行きます。先に進むごとに邪気が強まっていくのがわかる。それと共に鈴の音に賭博の掛け声が混じってくる。周囲の風景もだんだん変ってきて、家の壁だったものが変な蔦が絡まってできたモノになってたり、地面がグチョグチョの嫌な匂いのする泥土に変っていたりする。
ジャバール:「アーレン」――と肩を掴もう。
アーレン:「先生?」
ジャバール:「嫌な匂いを感じてな……しかしこれはなんなんだ?」
テヨーラ:私もやって来た事にします――「これは獄の一部……邪霊の非日常の呪いによって隠されていたものが夜になって表面化したのね」
ジャバール:「獄……ここが?」
テヨーラ:「もっとも、規模の小さいものだけどね」
タータ:「それでも危険な事に代わりはないッス。早く出た方がいいッスよ」
ジャバール:いたのかタンタン。
タータ:姉御に付いて周っていたッス。それとオレの名前はタータッス。このカバ。
アーレン:「いや僕は行く。邪霊の仕業かもしれないのに放っておけない」――どんどん進みます。
GM:ではやがて一つのテーブルを囲んで数人の亡霊がいるのがわかる。皆一様に賭け事をしています。
ジャバール:「死してなお賭け事に興じる……か。他にやる事があるだろうに……憐れな」
テヨーラ:「でも、それがこの街……賭博都市カリュオンの闇」
GM:ではここで<鋭敏感覚>4/3で判定して下さい。または到達ポイントを視覚に入れている人は、その到達ポイント分のダイスで4/3でも構いません。
アーレン:(コロコロ)……失敗。
ジャバール:……同じく。
テヨーラ:あ、私も失敗した。
タータ:オレは成功したッス!
GM:ではタータはなんとなく見た。賭博をしているテーブルに、1人だけ人間の女が座っている、かなり若いね。
タータ:「なんか不釣合いな女の人間が混じっているッス」
GM:良く見れば腰に銘刀を下げていて生前は刀士だったのだろう。どうも享受者っぽいね。年齢は17歳ぐらい。その女の下げている銘刀に鈴が付いており、さっきからアーレンが聞こえる音はそれだね。
ジャバール:「なぜ享受者が混じっているんだ……」
テヨーラ:その刀士……もしかして工房で見た絵の女の子?
GM:その通り、テヨーラが見たクーヘン=バームの娘そっくりだ。そしてアーレン、キミはその女刀士をどこかで見た覚えがある。<記憶術>…はキツイから【知力】で4/1で振ってくれ。
アーレン:(コロコロ)……ごめん、全部失敗した(笑)
GM:………………では、今は思い出せません。やもすると賭けが終って(コロコロ)……どうやら女の人が負けたようなのですが、その瞬間腰から刀を抜いて周りの亡霊を一刀両断にします。しかも良く見ればその銘刀は大小の2本拵えです。
アーレン:「あれは……二刀流の銘刀!?」
GM:その殺人演舞にて鈴の音が一つの音楽のように美しい旋律を耳に残します。そうやって女の刀士以外の亡霊が全て消えると、周りの風景も元に戻って行き、獄も消えます。気が付けばいつもカリュオンの裏通りです。
アーレン:「今のは……」
ジャバール:「享受者……だが、すでに死んでいるのか」
タータ:「賭けに負けたら周りを皆殺しなんてヒドイ女ッスね姉御」
テヨーラ:今は何も言わない。ただ「………………」
タータ:「姉御?」
テヨーラ:無言のまま賭博場の方へ戻って行きます。
タータ:「姉御待つッス、オレも一緒に行くッスよ」
アーレン:「今の……今のは……」
ジャバール:「この街では邪霊が住み着いていてもおかしくは無い。だが、それゆえにこの街は成り立って言るともいえる……天使のルージュが聞いたら怒るかもしれんが……今は放って置こう」
アーレン:「……はい」
ジャバール:「さぁアーレン、わしももう少し賭博場へ行ってくる。お前は少しゆっくり休め、まだ時間はたっぷりある(リアル時間で残り20分である)……」――わしも賭博場へ戻ろう。
アーレン:じゃあ皆居なくなってから、その裏路地を振り返って――「あの子……どこかで見たような……」

◆14.感覚マヒの末期症状

――終盤戦である。

 ※むろん読み飛ばしてもらっても構いません。
テヨーラ:ところで今、皆はいくら稼いだ?
ジャバール:わしは16万だ。
テヨーラ:私は14万。
アーレン:銘刀質に入れようとして散歩に行ったままだから0だよ。
タータ:オレはさりげに10万ッス!
テヨーラ:全部足しても足りないわね。
GM:どうしますか? 無利子の期限も迫っていますよ?
ジャバール:……よし、ここは勝負! テヨーラ4万わしに貸せ!
テヨーラ:何をする気? 貸すけど。
ジャバール:チンチロリンで20万Di賭ける!(コロコロ)……2!
テヨーラ:って、そんな危ない橋を――
GM:(コロコロ)……ブタ。
ジャバール:よっしゃ!!!
テヨーラ:よ、よかった……あとは私がコツコツやりましょうか。ハイ&ローでイカサマすればほぼ成功はすると思うし。
ジャバール:10万渡そう。あとは頼むぞ。
テヨーラ:じゃあ行ってくるわね。
アーレン:先生〜〜僕にも頂戴♪
ジャバール:お前にはやらん(笑)
………………………………………………………………………………………………

 その後、金銭感覚が麻痺していくPC達。一発に賭ける金額がすでに最低でも万単位となる。
テヨーラ:ハイ&ローで3万使う。
タータ:ハイ&ローに5万だー!
ジャバール:チンチロリンにもう一回10万!(コロコロ)……ブタ(笑)
アーレン:先生から貰った3万をルーレットにつぎ込も〜(笑)
GM:ふと思ったけど、タータに100万Di稼がれると皆肩無しだよね。
ジャバール:む、それもそうだな。チンチロチンに20万Di賭ける(コロコロ)……6!
GM:(コロコロ)……――
やがて……
テヨーラ:ハイ&ローで180万行った! これも運命(笑)
ジャバール:じゃあわしの貸していた60万は返してもらおう(笑)
アーレン:あ、その前に、僕と先生の身代金返したい。
テヨーラ:じゃあ残り160万。クーヘン=バームの借金が100万だから、残り60万を3人で分けて20万ずつ。綺麗に割れた。
GM:じゃあこれで終了かな?
テヨーラ:ねぇGM、まだ約束の10日は経ってないわよね?
アーレン:僕、空飛ぶ絨毯が欲しいなぁ(笑)
ジャバール:お主ら……普通に賭けにハマルな(笑)
テヨーラ:ところでタンタンはどう?
タータ:ふっふっふっふっ……オレ1人で130万Diまで稼いだッスよー!!!
一同:『なんだってー!?』
タータ:地道にハイ&ローで稼いだだけあるッスよオレ(笑)
ジャバール:それは断固阻止せねばなるまい(笑)
アーレン:なぜか先生が燃えている。
GM:では皆の期待に答えてイベント発生しましょう。
タータ:期待に答えて?
GM:ボロ儲けしたタータの近くに分厚いメガネをかけた享受者がやってきます――「チミチミ、ずいぶんと景気が良いようだね」
アーレン:トンボさんが来た(笑)
タータ:「な、何ッスか。あっち行って欲しいッス」
GM:「ふむふむ……ざっと130万Diか。どうだい、ここはトンボ様とチンチロリンで勝負しないかね?」
タータ:「な! そんなの嫌ッス! せっかくここまで勝ったのに負けたく無いッス」
GM:「そこまで勝っているなら勝負の流れはチミに向いていると思うけどね。それでも引くのかい?」
テヨーラ:「全ては運命よタータ」――とタータの頭をよぎる私の声(笑)
タータ:姉御酷いッス! でもそんな声を聞いちゃったら勝負を受けるッス!――「でも、全額は怖いから50万で勘弁ッスよ」
GM:「いいだろう。じゃあ場所を移動しようか」――とチンチロリンの場所に移動する。
タータ:「今、運命はオレと共にあるッス!」(コロコロ)……ブタ(笑)
GM:(コロコロ)……2!――「おや、トンボ様が勝ってしまったようだね」(笑)
タータ:「そんな事無いッス! もう50万Di賭けるッス!」(コロコロ)……5!!
GM:(コロコロ)……ブタだ――「おお、やっぱり流れはチミにあるようだ。負けてしまったよ、はっはっはっ」
タータ:「ふぅ……元に戻ってよかったッス。じゃあオレはこれで――」
GM:「逃げるのかい?」
タータ:逃げます。
GM:「ジャバールならここで逃げ出すなんて事はしないのだろうねぇ」(一同爆笑)
タータ:そ、それは動きが止まるッス(笑)
GM:「そうだなぁ…ジャバールならここは全額の勝負を挑んで来るのではないかなぁ」(笑)
タータ:「ジャ、ジャバールにだけは負けたくないッス! 最後の勝負を受けるッス! でも身代金だけは払いたいから110万が限界ッス!」
GM:「全額では無いのか…チミは」
ジャバール:わしは何故かそのチンチロリンの場所にいて、トンボとタータの横を――「ふっ」――と鼻で笑いながら通り過ぎよう(一同大爆笑)
タータ:それはキレるっス!――「カバに出来てオレに出来ない事は無いッス! こうなればヤケの130万Di全額賭けッスよ!」(一同超爆笑)
GM:「さすがだね。じゃあやろうか」(コロコロ)……こっちは3だね。
タータ:(コロコロ)……2!?(一同爆笑)
アーレン:馬鹿だ(笑)
ジャバール:馬鹿だなぁ(笑)
テヨーラ:憐れね(笑)
タータ:あうあうあう……そんな、せっかく頑張ったのに……。
GM:「さて、良いボーナスも入ったし帰るかな。依頼人への義理もこれで果たしたと思うしね」――とトンボは帰って行きます。
タータ:「あ、あ……姉御〜〜〜!」――と泣きついてお金借ります。残りの日数で何とか自分の借金だけは払えるようにするから、1万で良いから貸して下さいッス〜〜(泣)
なけなしの金を握り締めて、再びハイ&ローの館へと走っていくタータ。ちなみにその頃の3人は……
アーレン:チンチロチンでチョコチョコ遊んでる(笑)
ジャバール:獣甲屋をウィンドウショッピングだ、十分な金は手に入ったからな。
テヨーラ:私もハイ&ローで遊んでいようかな……あ、ルーレットをするのもいいかな(笑)  
かなり悠々自適に過ごしていた。
そして残り時間もわずかという時、3人がチンチロリンの賭博場の前に集ってるとタータが帰ってきた。
アーレン:「あ、タータが帰ってきた」
テヨーラ:「どうだった?」
タータ:「な、なんとか19万9000Diまで増やして来たっス。とりあえず姉御に1万返すッス」
テヨーラ:「ありがと」
ジャバール:タータの借金っていくらなんだ?
タータ:契約書の10万と、普通の借金が4万なので、14万です。
ジャバール:じゃあ足りたのか。
アーレン:ま、残り時間も3分ですし、こんな所ですかね。
GM:と、キミらがやっていると、ポンポンとタータの肩が叩かれるよ。
ジャバール:来た(笑) また来たぞ(笑)
GM:「タータ君、チミは19万9000Diほど持っているようだね」(一同爆笑)
テヨーラ:スゴイ情報網(笑)
アーレン:鬼だトンボさん、吸い尽くす気だ。さすが金の亡者(笑)
タータ:む、ここで下手に断るとまた挑発されてあっちのペースになる……無言で丁半場へと引っ張って行きます。
GM:「半か丁か……か、いいだろう。受けてたとうじゃないか」――と賭博所へ着きました。
タータ:「じゃあ5万――
ジャバール:「ほ〜〜う、タンタンがトンボと勝負だって〜〜?(←ワザとらしく、またノレンをくぐるようなジャスチャー)」(一同爆笑)
タータ:ギャー、余計なの入ってきたー!?(笑)
GM:「先に賭けさせてもらうよ? トンボ様は19万9000Di程出そう」(笑)
ジャバール:「トンボの奴はずいぶんと勇気があるなぁ」(笑)
タータ:「お、オレも19万9000Di出すッスよ!!! そいでもって丁に賭けるッス!!!」(泣)
GM:「じゃあトンボ様は半に賭けよう」――公平を期する為にジャバール(のPL)が2D6振って下さい。
ジャバール:良かろう(コロコロ)……「にごろ(2・5)の半(7)!!!」(一同爆笑)
タータ:「………………」
GM:「はっはっはっ、またトンボ様の勝ちのようだねぇ、いやぁ〜楽しかったよ」(笑)――とトンボは帰って行きます。
ジャバール:いや、タータよ。そんな目でわしを見られてもなぁ(笑)
タータ:「カバなんか死んじゃえーーーー!!!」(一同大爆笑)
チンチロリンの場所へ戻ってくるタータ、その背中はとても小さく……
テヨーラ:戻ってきたタータに声をかけてあげよう――「タータ、そういう事をしていると、運命に見放されるわよ」
タータ:「うう……姉御がこの街に半年も滞在したっていうのがわかったッス」(笑)

◆15.借金返済にて

借金から10日後、アギードの屋敷へと再びやって来たアーレン達4人。応接間で待たされていると、奥の方から"ぺったらぺったら"足音が聞こえアギードがやってきた。
GM:「おお、お前等か。で、首尾はどうだったかな?」――ドスンと正面に座って、横には白黒の毛並みのタンタンを肘置き代わりに(笑)
ジャバール:ドスンとテーブルの上に14万Di投げ出そう。
アーレン:同じく15万Di置きます。
テヨーラ:私も同じく借りてた分は返します。
GM:「お前等ちゃんと勝ったのか!? さすがだなぁ」――と良いながらタンタンにスリスリ。
タータ:もうぐったりとなされるがままッス……。
アーレン:そして――「これがクーヘン=バームさんの分、約束の100万Diです」――ドスンと置こう。
GM:「おおお!? まさかそこまで稼ぐとは思わなかったぞ! どれどれ……なんと全て本物ではないか!」
アーレン:「これでクーヘン=バームさんは自由ですよね」
GM:「うむ、奴を解放してやろう。別にナイフやフォークは十分良い物が手に入ったし惜しくは無い」
ジャバール:「よし、では会いに行くか」
タータ:「あ、あの〜〜姉御〜〜」
テヨーラ:「………………」
タータ:「助けて〜〜」(余りの惨めさに一同爆笑)
ジャバール:最後のチャンスぐらい与えても良いんじゃないか?
アーレン:ぼく達が払ってあげるわけじゃないんだね(笑)
テヨーラ:わかった――「アギードさん、これから賭けをしない? 私は15万Di賭ける。勝負の方法はチンチロリン。どう?」
GM:「それで私に何のメリットがある」
テヨーラ:「あなたが勝てばもちろんお金は手に入る。それにタンタンを一生あなたの奴隷にしていいわ」
GM:「よかろう。その賭け乗った!」
テヨーラ:ではタータの方に近寄ってサイコロを渡します――「タータ、あなたが振りなさい。それがあなたの運命です。このままアギードの奴隷になるも、私達と一緒に旅を続けるのも」
タータ:本気で今回限りのキャラになってしまうッス。気合入れて振るッス!
GM:「行くぞ」(コロコロ)……アギードは3だ。
タータ:(コロコロ)……よし! 5! 勝った! 15万アギードに叩きつけて、残りの15万は姉御に返すッス!!
………………………………………………………………………………………………

 タータを失いとても寂しがったアギードを残して屋敷を出るアーレン達、裏口で待っていると一人の男が屋敷から追い出されるように出てくる。
GM:裏口からクーヘン=バームさんが追い出されるように出てきます。
アーレン:「クーヘン=バームさん!!」――もちろん呼び止めますよ。
GM:「なんだお前達か……なるほど、わしの借金を肩代わりしたおせっかい焼きとはお前達の事だったか……ありがとう。一応礼は言っておく」
アーレン:「じゃあ――
GM:「(言葉をかぶせて)――だが、冥獄刀は打たん。あてが外れたな」――スタスタ歩いて行きます。
クー:『待ってよ!』――と立ち塞がります。賭博ではクーがいるのを忘れていた(笑)
GM:クーか……「邪魔だ……誰に何を言われようとわしはもう二度と冥獄刀は打たん……そう決めたんだ」
アーレン:「そんな……」
テヨーラ:じゃあ私が言いましょう――「あなたが冥獄刀を打たない理由……"死んだ"娘さんが関係しているのね」
GM:ピクッ…と足が止まって――「お前……なんで娘が死んだ事を……」
テヨーラ:「その子は刀士であり優秀な享受者だった……でも、あなたが打った冥獄刀の強さに耐えられずに……違う?」
タータ:「何言ってるッスか姉御?」
テヨーラ:「アーレンもジャバールもタータも見たでしょう。亡霊達の中で1人だけ混じっていた女刀士を……あの女と同じ顔をした絵を、この前クーヘン=バームさんの工房で見た……」
ジャバール:「……なるほどな」
GM:じゃあ苦し気な顔をして――「その話は場所を変えて話そう……見たのだろう、あの子を……」
テヨーラ:「ええ……」

◆16.楽師だったの娘

「娘は……かつてアギードの所で奴隷として働いていた楽師だったんだ……」
GM:とある酒場に場所を変えてクーヘン=バームは堰を切ったように話だします。その話に寄れば、娘さんはアギードの所で働いていた楽師の奴隷だったらしい。
アーレン:アギードのところで?
GM:冥獄刀を鍛える為に全てを捧げていた父親の為、生活費を稼ぐ為に金払いの良いアギードの所へ行ったらしい。
ジャバール:良い娘さんじゃないか。そう聞くとこいつはロクデナシに見えてくるな(笑)
GM:ま、そんな娘さんの苦労のかいもあってクーヘン=バームはやっと銘刀を冥獄刀に鍛え直す技を会得したのだが……――その時すでに遅く、意思のそれほど強くなかったクーヘン=バームの娘さんは賭博で借金を作って、アギードにかなりの借金をしていたらしい。
タータ:そ、それは可哀相ッス……。
テヨーラ:そんな事、この地獄じゃ日常茶飯事でしょう……それもこの街じゃなおさらね。
GM:そんな折、アギードの所から自由になった奴隷が居たらしい。アギードは享受者を不気味がっているので、その奴隷は享受者になったおかげで自由になったようなものだと噂になった。クーヘン=バームの娘はその奴隷と友達だったらしく、その友人のように享受者になりアギードの元から去ったと言うわけ。ちなみに享受者になれたのは偶然才能があったって話ね。
ジャバール:その奴隷とはもしや?
クー:『ラティだ!』――と叫ぶ(笑)
GM:「そう、そんな名前だったと娘から聞いた覚えがある」――で話の続きだが、そうやって享受者になった娘さんはメキメキ頭角を現せて、刀士としては一端の実力者になった。上に上がればさらに上を目指したくなるもの……そうして娘さんは父親に冥獄刀を強請り、専用の1対2刀の大小拵えに銘刀を鍛え直してもらった。
ジャバール:「そして冥獄刀に触れた途端に、冥獄刀の意思に負けて堕ちたというわけか……」
GM:「そうだ……その後、街の紫杯連が娘を始末した。それ自体は仕方の無い事だ……意思の弱かった娘にも原因はある……だが、娘の冥獄刀はそこでの安寧を受け入れなかった。娘の魂を縛りつけ、毎夜毎夜開かれる死者たちの賭博場でさらなる高みを目指し始めた」
タータ:「その娘さんってあの時の女刀士ッスか?」
GM:と、ここでアーレンだけはもう一度【知力】4/1で判定。
アーレン:(コロコロ)……1成功。思い出すのは最初の夢の少女だね。
GM:その通り! クーヘン=バームは――「どうやら、娘にはすでに会っているようだな……なら判るだろう。もう二度と、わしが冥獄刀を創らぬと言ったわけが……」
ジャバール:トンボに冥獄刀『蜻蛉(かげろう)』を鍛えた後、娘に送ったは良いが暴走、自身も絶望に飲まれて博打に走った……そんな所か。
タータ:カバは思考がドライッス。
ジャバール:ここじゃこういう考え方の方が普通さ。
アーレン:「クーヘン=バームさん……娘さんの名前はリンデって言うんじゃないですか?」
GM:「なんで娘の名を? お前はいったい……」――と驚きます。
アーレン:「やっぱり……なら僕はもう一つ目的が出来ました。僕はその子に会います」
ジャバール:「何を言っているんだアーレン? この男の娘……そのリンデとか言う者はすでに死んでおるのだぞ?」
アーレン:じゃあ夢でラティやリンデに会った話をします――「……と、言う夢を見たんだ。きっとラティの事に関係がある。リンデとラティが友達だったって話を聞いて確信も得たしね」
テヨーラ:「死者は自分に近いものに言伝を頼むもの……同じ死者同士なら伝えやすかったのかもしれないわね」
タータ:「じゃあもう一度あの獄みたいな場所に乗り込むッスか?」
アーレン:「うん、行くよ」
ジャバール:「……という訳だクーヘン=バームよ、わし等はこれからお前の娘のリンデに会いに行く。お前はどうする?」
GM:「そ、それは……」
ジャバール:「もしお前さんが望むなら、リンデという娘に安寧を与えてきても良い……今のままでは不憫であるとわしも思うしな。だが、娘の親であるお前さんが反対するなら――
GM:「いや、反対するわけが無い……わしはあの子の父親失格だが……それでも亡霊を相手に刀を振るうあの子を幾度となく悪夢に見る……もう開放してあげて欲しい。本当に……本当にそれができるのなら……わしは……わしは何だってする……何だって……う、ううう……」――と嗚咽を漏らします。
ジャバール:「決まりだな。行こうかアーレン」
アーレン:「はい」
タータ:「姉御、オレ等も行くッスか?」
テヨーラ:「ええ、これも……運命」

◆17.カリュオンに巣食う

暗闇が支配する夜のカリュオン。アーレン達は前に一度来た路地裏を幾度と歩きまわっていた。やがて、微かな鈴の音と共に当たりの風景が獄へと変わっていく……
GM:では夜の裏路地で<危険感知>4/2をどうぞ。
ジャバール:(コロコロ)……出目が66だから幸運の助けルールで4成功だ。
タータ:……普通に2個成功ッス。
GM:路地裏の雰囲気が変っていくのがわかります。ジャバールなんかだと邪霊の匂いがしてくるのかな。
テヨーラ:私は到達ポイントを視界に入れているから誰よりも先に見る。どこからか現れテーブルへと集ってくる亡霊たちを……。
GM:その後は前と同じです、賭けに負けた女刀士リンデが周りの亡霊を全て切り捨てて、再び消えていこうとする。
アーレン:「待ってくれリンデ」――近寄って行きます。
GM:振り返って答えよう――「私の名前を知っているの?」
アーレン:「知っている。キミには夢で会った……聞きたい事があるんだ。あの夢はどういう意味があるんだ? ラティは何かを僕に伝えようとしていたのか?」
GM:リンデはにやりと口の端を歪めると――「それが聞きたいならテーブルに付きなさい。私が勝ったら聞かせてあげる」――すでにテーブルには3つのサイコロとが現れ、リンデは席に着いています。
アーレン:もちろん僕は席に付きます。
ジャバール:じゃあ近寄って観客をするか……リンデが負けた時のカヴァー役は必要だしな。
GM:とその時、享受者であるキミ達は気が付く。奥の方から近寄ってくる異形の足音を。
テヨーラ:異形?
GM:やがて首の無い巨人が見えてきます。体中に牙の生えた口を持ち、両手の指先全てに目を持った魔物だ――「嫌な雑音がまざってますね……せっかくここまで一流の環境で私が育てて来た卵を、悪い環境下には置きたくありませんからねぇ。ゲッゲッゲッゲッ」――口調と不釣合いな不気味な笑いを体中から発しています。
ジャバール:「どうやら、リンデと話すにはまずはお前を消さないといけないようだな」
テヨーラ:その魔物は何?
GM:<魔物知識>は技能が無いと判定不可なのでジャバールだけ振って下さい。
ジャバール:(コロコロ)……1つは成功したぞ。
GM:簡単な事なら聞いた事あります。名前はゾーグリーフ、中位2階の邪霊で優れた音楽家を誘拐する悪癖があります。戦闘データは1成功じゃわからないって事で。
タータ:中位2階って具体的にどのくらいッスか?
テヨーラ:前にアーレン達が倒したニアーシュって中位邪霊が強さ評価6だったはず、今回のは?
GM:強さ評価8です。中位でも上から2番目に強い邪霊です。
ジャバール:けっこう侮れんな。
テヨーラ:でも、やるしかない。
GM:では指先の目玉がいっせいにキミ等へと向けられ――「私の邪魔をするというのですか? ゲッゲッゲッゲッ……愚かな者たちよ……皆殺しだ!!!!!」
………………………………………………………………………………………………

 カリュオンの裏路地、一時的に獄となった空間で享受者達と邪霊の戦いが始まる。
GM:ではイニシアティブを宣言して下さい。
アーレン:<先制>を使って(コロコロ)……2成功、イニシアは14!
テヨーラ:私はイニシアが早くなる指輪を2つ付けてるから+2で同じく14。
GM:ジャバールも<迅雷速>使いますか?
ジャバール:いや、わしは気力を温存したいから今回は使わない。素のイニシアのまま8だ。
タータ:オレは13ッス!
GM:では戦闘に入ります。まずはアーレンです。
アーレン:僕はリンデと賭けをすれば良いの?
GM:そうです。だからと言って邪霊ゾーグリーフの攻撃対象にもなります。
アーレン:そうなの!?
ジャバール:賭けの勝敗が付くまでかばった方がいいか?
アーレン:いえ、生命力が少なくなってきたらお願いします。それまでは構わないでいいです。
ジャバール:わかった。
GM:ではリンデが言ってきます――「あなたはいくら賭けるの?」
アーレン:「悪いけど僕は賭けるお金を持ってない……だから、僕が賭けるのは僕の命だ」
GM:じゃあ負けたら完全死ね。
アーレン:完全死!? そこまでしますか!
GM:その方が危機感あって気合が入るでしょう?(笑)
アーレン:わかりました。本当に命を賭けます!
GM:「いいわ。じゃあ私が勝ったら命を貰う。私が負けたら……――……さぁやりましょう」(コロコロ)……「3」「4」「5」でブタ。
アーレン:(コロコロ)……ブタ。本気に怖いな(笑)
GM:引き分けたから続きは次のラウンドってことで。
アーレン:わかりました。ドキドキだよ(笑)
GM:では次はテヨーラです。位置関係ではゾーグリーフとジャバール、アーレンとリンデが前線に固まってる。移動してないテヨーラとタータは後ろにいるって感じで。
テヨーラ:了解。私は闇殺の弓で後ろから攻撃、まずは牽制で(コロコロ)……6命中。
GM:こっちは回避値が1だからダメージまで宣言しちゃっていいです。
テヨーラ:そう? じゃあダメージは1点。そのまま連撃(コロコロ)……牽制が命中5のダメージ4点。最後(コロコロ)……渾身の4成功でダメージは7点。最後は通った?
GM:カキン。
テヨーラ:……ま、闘気チットをもらうのが目的だから良いか。
タータ:オレは【檄吼】をして終わりッス。
リプレイではカットされていますが、タータはジャバールに喧嘩売って戦闘済みなので、闘気チットが1枚あるのです。
ジャバール:ではわしだな。牽制で(コロコロ)……7命中、10点ダメージ。
GM:カキン。
ジャバール:硬いな(笑) なれば連撃(コロコロ)……渾身の4命中、ダメージは28点だ!
GM:あ、それはカウンターを宣言します。
ジャバール:カウンター? 魔物は出来ないんじゃないのか!?
※解説5 「魔物のカウンター」
 データが固定値になっている魔物はカウンターが出来ません。しかし、追加サプリ『人魔饗宴』にて魔物のカウンターについて追加されました。魔物はその強さ評価によって命中値とダメージが決まります。
(例:強さ評価4、ダイス目1〜3→牽制「4:6」/通常「3:10」/渾身「2:14」、ダイス目4〜6→牽制「5:5」/通常「4:9」/渾身「3:13」)
ちなみに魔物の強さ評価が3以下、または「本能」のある魔物は(例外はいますが)カウンターを行いません。
アーレン:そんな追加ルールが(笑)
GM:1D振って1〜3なら失敗、4〜5だと命中が5なのでカウンターが成立します(コロコロ)……5、カウンターダメージ合計47点。
ジャバール:キ、キツイな……残り生命力がいっきに3点(笑)――「ぐはぁ!? そんな馬鹿な!」
タータ:そんな"カバ"な!? じゃないの?(一同爆笑)
ジャバール:黙ってろサッカーボールが!(笑)
GM:では最後は敵の番です。目の前にいるのはカバだけかな?――「目の前の馬鹿は放って置いても大丈夫そうですね……まずは他の観客を片付けましょうか」――ジャバール以外の3人に指の目玉から「熱線」発動……レーザービームが走って攻撃します。命中が渾身の6で25点ダメージ。
アーレン:(コロコロ)……7で<防御>、首を捻って回避した――「………………」目線は賭け事に集中です。
タータ:「危な!?」――…6でギリギリ避けたッス。
テヨーラ:駄目、私は当たった。生命力残り3点――「少し…焼けたかしら?」
タータ:「姉御!?」
テヨーラ:「私は大丈夫、もう二度と食らわない」
――2ラウンド目
アーレン:「リンデ……キミは夢の中ではラティの友達だった……完全に冥獄刀に支配されているわけじゃないんだろ?」
GM:「世迷いごとか? 勝手から言うのね」(コロコロ)……「1」「2」「4」でブタか。
アーレン:「ああ、そうするよ」――行け!(コロコロ)……く、ブタか!
ジャバール:1回ごとに『ゴゴゴゴ……』と効果音が入っているようだ(笑)
タータ:さすがに命が掛かっていると緊迫するッスね(笑)
ジャバール:アーレンだから緊迫なんだ。タータじゃそうはいかない。
タータ:し、失礼なカバッス!
GM:ではテヨーラです。
テヨーラ:まずは<癒し暖める炎>をジャバールに(コロコロ)……2成功だから12点回復――「運命はまだ汝を見捨てない」
ジャバール:「うむ、すまん」
タータ:オレは移動してパンチッス! (コロコロ)……通常6命中のダメージ10点! 連撃(コロコロ)……通常6命中のダメージ10点、さらに通常(コロコロ)……7命中のダメージ13! 最後、渾身の(コロコロ)……5命中でダメージ30点! ジャブのラッシュッス!!
GM:最後の一撃だけかなりの感触があったかな。
ジャバール:では次はわしが行くぞ。牽制で(コロコロ)……8命中のダメージ11点、渾身の(コロコロ)……5命中でダメージが30点だ――「どうだ」
GM:「まだまだですね?」――とは言え、やっぱり30点は痛いなぁ…。(コロコロ)……今回の攻撃は1回だけです。ジャバールに牽制で8命中。
ジャバール:それは(コロコロ)……お、8で回避成功――「それはこっちの台詞だ。まだまだだな」(笑)
――3ラウンド目
GM:「そろそろ決めようか」(コロコロ)……駄目だ。ブタだ。
アーレン:(コロコロ)……「6」「6」「2」で2!!!――「こっちの勝ちだねリンデ」
GM:「………………」
アーレン:「そう言えばまだ僕が勝った場合の条件を言っていなかったね」――と言うと同時に腰から銘刀を居合い抜きします!
GM:その攻撃にはこっちも反応します。――が、それは次のターンにしよう。
アーレン:わかりました。
テヨーラ:じゃあ私ね。闇殺の弓で牽制(コロコロ)……命中6、連撃(コロコロ)……命中6、最後渾身で(コロコロ)……2成功のダメージ9点…だから通らないわね。
GM:はい、カキンと弾きます。
テヨーラ:仕方ない……そのまま神語術の声錬短縮の【明声錬】使用、術は<言の葉の槍よ、敵を貫け>で。
GM:了解。ではタータ。
タータ:【瞬愧】使って牽制(コロコロ)……7命中、そして渾身(コロコロ)……5命中のダメージに【貫愧】! 闘技チット3枚消費して+15点ダメージに上乗せ! 合計36点ッス!!
GM:ちょっと痛いかな。
タータ:まだ死なないッスか?
ジャバール:さぁわしだ――「タータよ、本当の戦いと言うものを見せてやろう」――牽制で(コロコロ)……命中7でダメージ12点。もう一度牽制(コロコロ)……11命中のダメージ11点。そして【闘戒】に気力20点注ぎ込んで連撃回数を+2!
アーレン:先生が4回攻撃を(笑)
タータ:カバのくせに!
ジャバール:ふっふっふっ、よく見ておけ! 3回目も牽制で(コロコロ)……12命中でダメージ15点、そして渾身!! (コロコロ)……7命中で37点ダメージだ!!!
GM:今までの総ダメージに近い量がいっきに来た。
ジャバール:……なるほど。これぐらいは出来るわけか。
アーレン:これをやる為に気力を温存したんだ。
ジャバール:獣甲闘士の連撃はスゴイぞ(笑)
GM:だが、まだまだこっちは死んでない!――「オノレよくも……皆殺しだー!!」(コロコロ)……2回攻撃、「熱線」を(コロコロ)……ジャバールとアーレンに撃ちます。命中は6、ダメージは25点。
ジャバール:(コロコロ)……6で<防御>成功。
アーレン:……僕は当たったけど、生命力は実質減ってないから大丈夫。
――4ラウンド目
GM:ではアーレンの斬撃が早いか、リンデが冥獄刀を抜くのが早いか≪刀術≫で振り合いましょう。こっちの≪刀術≫Lvは4で【敏捷】は4です(コロコロ)……4成功!
アーレン:ダイス数は同じか……あとは運と気合!(コロコロ)……よし、6成功!――「遅い!!!」
GM:アーレンの銘刀がリンデの胴を横なぎに――
アーレン:それは違う、僕が切るのは冥獄刀。彼女を縛っている元を断つ! ダメージ必要なら出すけど?
GM:冥獄刀か……じゃあダメージはいらない。アーレンの抜刀と共に澄んだ鈴のような音を上げて、2本の銘刀が同時に砕け散ります。
アーレン:刀を振り切った格好で――「これでキミは解放されたよ……」
テヨーラ:「どうやらアーレンは終わった見たいね……こっちも行くわよ――アーアー」――と、さっきの<言の葉の槍よ、敵を貫け>が発動(コロコロ)……普通の効果だから、9点ダメージ。そのままもう一度<言の葉の槍よ、敵を貫け>を【明声錬】で終了。
ジャバール:便利だなその闘技(笑)
テヨーラ:チットを稼いでおく必要があるけどね。
タータ:次はオレッス! パンチのラッシュで(コロコロ)……牽制7命中、(コロコロ)……牽制10命中!(コロコロ)……最後は渾身の5命中! 【貫愧】でチット3枚使用してダメージ28点!! これでオレはヘロヘロッす!(笑)
GM:敵はまだ死にません――「オノレ人間が!! 引き裂いて内臓ぶちまけて最後の一滴まで血を飲み干してやる!!!」
タータ:マジっすか!?
ジャバール:ちッ……美味しいところをパンダに譲ってやったと言うのに……牽制で(コロコロ)……7命中のダメージ12! 渾身(コロコロ)……5命中の30点ダメージ! どうだ? 気力が尽きてわしもこれ以上は無理だぞ。
GM:……ふっふっふっ、生命力はぎりぎり一桁残った!――「皆殺し皆殺し皆殺し皆殺し皆殺し……」牙でジャバールとタータに8命中! さらに「熱線」レーザーでテヨーラに1回命中だ!
ジャバール:堕落ポイント使って(コロコロ)……8で回避。
タータ:カウンターでトドメッス!(コロコロ)……5成功で失敗(笑)
GM:ダメージは7点です。
タータ:自分のダメージ9点と合計して16点も……。
GM:ではタータにだけ連撃発動(コロコロ)……通常で命中9のダメージ10点。
タータ:普通に<防御>(コロコロ)……失敗でも大丈夫。
GM:さらに通常(コロコロ)……10命中の10ダメージ。
タータ:(コロコロ)……<防御>が1(笑) でも鎧が硬いからまだまだ!
GM:では最後渾身の6命中でダメージ19点!
タータ:カウンターは……失敗しても嫌だし<防御>(コロコロ)……2成功、残り生命力9点(笑)
ジャバール:みんなボロボロだな(笑)
GM:敵の攻撃は残ってます。テヨーラはレーザーを避けれたかい?
テヨーラ:迷ってるの……ええい、ここは使っちゃおう。堕落2点使ってダイスブースト(コロコロ)……さらに堕落1点使って出目を変えて6個成功! 回避成功!!
ジャバール:堕落しまくっているな。
テヨーラ:と、私が邪霊の囁きに耳を傾けると、通常の何倍もの邪悪さが放出されます。
アーレン:え?
タータ:「あ、姉御! その力は駄目ッス!!」(笑)
テヨーラ:さらに避けた熱線が私の服を裂いて、素肌があらわになる。そして見えるのはネジくれた爪、細ばった腕、垂れ下がった耳に黒く染まり出している肌……。
ジャバール:テヨーラ……お前は。
テヨーラ:そう……ちゃんと演出しておこうと思ってなかなか出来なかったけど……私は永続堕落してます。
※解説6 「永続堕落」
 このルールは基本的にNPC用である。堕落ポイント5点分を1点の永続堕落に凝縮する事が可能なルールである。永続堕落はその点数分、キャラクターの堕落ポイント上限を減らす(つまり通常なら10点で堕落するキャラクターが、永続堕落1点を持つと、9点で堕落する事になる)。永続堕落すると、ともなったリスクを得る。肉体の変化や狂気の癖、心が壊れたり過去や未来が邪悪に染められたりだ。ちなみにテヨーラは肉体変化を選んでいます。
 今回のプレイでテヨーラとタータには術技ポイントと成長点のほかに、堕落ポイントも5点渡してキャラ作を行って貰っています。タータは成長点で打ち消していたのですが、テヨーラは永続堕落で1点に凝縮し、余った成長点をキャラクターの為に使ったのです。
アーレン:そんな事できるんだ……。
ジャバール:「テヨーラ……お前は自分が何をやっているのかわかっているのか!!!」
タータ:「うう…姉御……」
ジャバール:「いったいどーして!! 邪霊に魂を売ったのか!?」
テヨーラ:「……そうしなければならない道があったのよ」
ジャバール:「テヨーラ……それも運命…か?」
テヨーラ:「そうね」
ジャバール:「………………」
GM:さぁターンのはじめです。
アーレン:どうぞテヨーラ。
テヨーラ:ありがと。<言の葉の槍よ、敵を貫け>(コロコロ)……普通に9点ダメージ。
GM:そこで終わりだなオーヴァーキル2点で死亡だ――「クソッ! こんな街で……どうして私が……ああアアアアア!!!」――と消滅します。

◆18.再来の街に言伝を

邪霊ゾーグリーフを倒すと、当たりの風景が元の路地裏へと戻っていった。この街に巣食う邪霊は奴だけではないだろう……それでも、今しばらくは……――
GM:では獄だったものが元に戻って行きます。
アーレン:リンデには近づけます?
GM:可能です。不思議そうな顔をして立っています。
アーレン:「リンデ……」
GM:「(あれ? あなたは……そうだアーレン! ラティの友達のアーレンね? どうして私はここにいるの? なんであなたがここに?)」
アーレン:「それはキミが――」――と言いかけたところで。
ジャバール:「アーレン……」首を横に振る(笑)
アーレン:じゃあそれで言葉を飲み込んだ事にします――「いや、気にしないで良いよ。ちょっと悪い夢を見ていただけさ」
GM:「(そっか……あ、でも丁度良いや。アーレンに言伝があるの)」
アーレン:「僕に?」
GM:「(ラティからの伝言……――
リンデは言う。ここより東……黒砂帯を越えた先、血河の獄、邪霊ザイナヴの獄にラティはいると。
アーレン:「血河の獄……」
ジャバール:「邪霊ザイナヴ……確かアーレン、お主の親友が捕らえられていた……」
アーレン:「はい……」
GM:リンデはすでに体も半透明になりうっすらと消えて行こうとしているのですが……――「(そうだ、ラティからこれを渡されていたんだ――はい)」――と渡されるのはさまざまな色の宝石が付いた手鏡です。
アーレン:受け取ります――「これは?」
GM:「(世界の手鏡……きっとこれからの旅で必要になるってラティが言っていたから)」
アーレン:「わかった。ありがたく頂いて置くよ」
GM:リンデはそれを渡すと、やっと安心したかのように消えて行きます――「(ありがとう)」――そう口を動かしたのが最後でした。
アーレン:「ありがとう……か」
………………………………………………………………………………………………

 リンデを開放した事をクーヘン=バームに伝えるアーレン達、一瞬驚いた後、安堵して泣く姿は不思議と喜んでいるようだった。そして――
GM:クーヘン=バームは言います――「何でもすると言ったのはわしだ。一般の相場で出来る限り鍛え直してやろう」
タータ:金取るんスね(笑)
GM:プロだからな――「で、どんな冥獄刀が欲しいんだ? お主の信条が合った力を望むと良い」
アーレン:少し迷ったあと言い切ります……「邪悪なる神を断つ力を」
GM:「わかった。ではコレを……」――と魔具を渡されます――「これでいつでもキミがどこにいるか解る。完成したら届けよう。それと……今度はキミが本当に救いたい人を救うんだ……キミなら出来る。頑張りたまえ」
アーレン:――「……はい!」
………………………………………………………………………………………………

 急ぎ足で賭博都市カリュオンから出発するアーレン達、街の城壁を正面から出た所で後ろから声を賭けられた――
GM:では後ろはカリュオンの城壁、前は荒野……と街を出たところで、城壁に寄りかかっていた分厚い眼鏡の男が――「お、出発かい?」
ジャバール:トンボか――「まぁな……しかし、またお前とは会える気がする」
GM:「そうかい?」
ジャバール:「そうだとも……そして、その時は本気で戦おう。わしの血がうずく」(笑)
タータ:オレはもう会いたくない(笑)
GM:「はっはっはっ仕事だったらね」――とトンボは帰っていく。
反魂を行うため冥獄刀を手に入れ、ラティのいる獄の場所を知り、そして出発するアーレン達。
  物語は終幕へと向かっていく……
ゲヘナリプレイ     
『再来の街に言伝を』 了


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