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アラビアン・ダーク・ファンタジーRPGゲヘナ ――かつて砂漠にシェオ−ルと呼ばれる都市があった。栄華を極めたその都市は、邪神イブリスと一人の人間が抱えた怨念により、地獄へと落ちる事となる。
――数百年後……現在。都市と共に生きたまま地獄へ落ちた人間達は、今だその活力を失ってはいなかった。人々は地獄の中で自分達の生活圏をジャハンナムと呼び、そして、その他の非生活圏である地獄の事をこう呼んだ――"ゲヘナ"と。
2004年12月19日セッション
シナリオ『黒沙の森で待っています』リプレイ


――魔装刀士伝――

孤高の戦士ジャバール
〜忘却の君と果たすべき約束〜


◆1.ニュー・キャラクター作成

GM:さて、ゲヘナもついに終わりが見えてきました。なんと今日で第6話です!
プレイヤーA:え? この前アップされたカリュオンでの話が5話で、先週やった話が6話だから、今日で7話じゃないの?
プレイヤーB:ああ、GMが強すぎる敵だしてPC全滅した回な(笑)
プレイヤーE:1kmにも及ぶ火柱って何!? って思いましたからね(笑)
プレイヤーC:教訓、GMやるなら敵のデータぐらいちゃんと把握しておきなさい。
GM:……はい。まぁと言うわけで、失敗セッションを載せても私がヘコムだけなので、先週のリプレイはアップしません。
一同:『ブーブー』
プレイヤーB:横暴だー(笑)
プレイヤーA:まぁ別に大して重要な話ではなかったと思うからいいけど。
プレイヤーE:そんな! タータ大活躍だったのに!?
GM:申し訳ない! ただ、その分の術技ポイントと成長点はそのまま使っていいので許して下され……
※解説1 「失敗したセッション」
 こういった解説において、今回プレイするゲヘナの説明を補助的に入れていきたいと思う。
と言いつつ、しょっぱなからゲヘナとは関係ない話である。実はこの6話の前に、旅をするアーレン達が立ち寄った街で、領主から40人の盗賊退治の依頼を受けるというシナリオをやったのである。 が、39人の盗賊にデミ・インセクト山賊団員(人魔p67)を、盗賊の頭にデアロトスの長ハルデス(人魔p68)を使用してしまった為、ボス戦でPCが全滅……などといろいろあったのである。あきらかにGMのデータミスだったので途中でデータを変えて戦闘を終らせたが、全員釈然としないセッションであった。
プレイヤーB:ま、経験値もらえるなら不問とするか(笑)
GM:本当に申し訳ない。
プレイヤーC:じゃあ、その話はそれでお終い。それよりまたPLが増えてるんだけど?
プレイヤーF:新プレイヤーです。宜しく。
GM:ああ、冒頭でも言ったけど、この「魔装刀士伝」は今日と、もう1回で終了します。そして最終話の事を考えるともう一人PCを増やした方がいいだろう……と呼びました。
プレイヤーB:ま、誰が来ても構わん。ただ一つだけ言わせてくれ!
プレイヤーF:
プレイヤーB:信条を決めるときに固有名詞を使うなよ!
プレイヤーF:了解(笑)

◆2.享受者達の興隆

GM:ではアーレンから前回(『冥獄刀の呼び声』)より、何が成長したか宣言して下さい。
アーレン:ついに4レベルです! 刀術が4レベルになりました! 長い道のりだった……。
テヨーラ:これで冥獄刀が使えるわね(笑)
アーレン:問題は鍛冶師のクーヘン=バームさんから、僕の冥獄刀がまだ届いていないって事です。
GM:まぁ今回はセッションの途中でちゃんと届けるので安心して下さい。
アーレン:了解です。あと余らせるのもなんだから魂装術も2レベルに上げました。生命力と気力も今じゃ50と30です。あと技能の<精神抵抗>を2レベルへ、それに刀術の奥義【奥義・終刺】を取得しました。
GM:ついに奥義か…。
タータ:刀士の奥義は凶悪ッスからねぇ(笑)
アーレン:着実にアーレンは強くなって行っているんです。
GM:他には?
アーレン:お金に物を言わせて魔具をいろいろ買いました。空飛ぶ絨毯の座空とかね(笑)
GM:OK、じゃあ次はジャバール。
ジャバール:わしは生命力気力が52、30へアップ。技能は<剛力>が4レベル。さらに獣甲は大奮発だぞ、<鎧獣・改><練丹蟲><加命蟲>をまとめ買い。ついでに今のうちに5レベル獣甲である<晶突>と<絶飛滅>も買っておいた。他にも魔具をいくつか買って……まぁそれぐらいだな。
アーレン:先生にどんどんオプションが付いていく(笑)
テヨーラ:人外ね。
タータ:カバはもともと人じゃないッス(笑)
ジャバール:はっはっはっ、今のわしはとっても良い気分だからそれぐらいじゃ怒らないぞ。なんせ装甲だけで9点はあるからな! ヘタな邪霊より硬い(笑)
GM:そ、それは良かったですねぇ……ではテヨーラ。
テヨーラ:神語術を3レベルにしたわ。生命力も気力も常に限界まで伸ばして37と36になった。あとは魔具を適当に買って終わりかな。
タータ:次はオレッス。生命力が49に、気力が20になったッス! それと<防御>を3レベルにして愧拳術の【奥義・狂愧】を取得したッス! あと魔具の衝身と抗魔を姉御に買った貰ったッス(笑)
ジャバール:買ってもらったのか(笑)
GM:タータの成長はそんな所?
タータ:所ッス!
GM:ではプレイヤーFお待たせ! 自己紹介をしてくれ!
プレイヤーF:俺の名前はシヴァ。男性18歳の黒い翼を持つ堕天使だ。
アーレン:黒翼の堕天使? それじゃあラティとかぶるから緑とか紫にしない?
プレイヤーF(以下シヴァ):いやそこは譲れない。
アーレン:………………。
ジャバール:いきなり喧嘩は駄目だぞ(笑)
タータ:カバは言う権利ないッス!
テヨーラ:どっちもどっちね。
GM:で、シヴァの術技は?
シヴァ:邪眼術4レベルと黒沙術2レベルだ。基本的に相手に対してマイナス修正を与えていく付与系の戦い方をする。出来る限り弱体化させてから邪眼の魔力でトドメを刺す。
ジャバール:なんか怖いな(笑)
GM:黒炎術が直接的な攻撃魔法なら、邪眼術はテクニカルな攻撃魔法だからね。刀術と魂装術のような感じです。
※解説2 「邪眼術」
 かつて月の天使ゼラキエルは儚い人間を不憫に思い力を授けた。しかし人間はその力を使って人を呪い怪我を負わせ、狂わせ、殺し、思いのままに操った。やがて、その惨状を見たラウ神は人の手に余ると判断しその能力と記憶を奪った。しかし今その封印はゆるみ、生まれつき(またはある日突然)邪眼が使える人間が現れ出した。ラウ神が封じたのはそれを使うすべであり、使われた記憶ではない。つまり、邪眼は忌むべき力だという記憶が人間達の中には残っているのだ。邪眼持ちはソレがばれた時点で蔑まれ、運が悪ければ死刑、また街によっては魔物扱いされる場合もある。
 邪眼術はサプリメント「人魔饗宴」にて追加された術技です。
シヴァ:俺はかつて黒沙帯の近くに住む黒沙術師の里に生まれた。だが、途中で俺は邪眼に目覚めてしまい里を追い出された……そして俺は享受者になった。
ジャバール:孤独な感じでいいじゃないか。
シヴァ:なので人を差別する身分は否定だ。そして里を出たあとでも心の拠り所である家族に対して肯定、それが俺の信条だ。
アーレン:身分否定なんだ、なんか友達になれそうだ(笑)
シヴァ:それは無いな。
アーレン:即否定なの!?
シヴァ:俺の旅の目的は妹の探索。里を追い出されて数年後、里に残していた妹が誘拐されたとの噂を俺は聞いた。そしてその妹を探して旅をする事が俺の目的となった……そして知ったのだ。妹がアーレン! 貴様と一緒にいるという事をな!!
アーレン:………………ラティか!?
シヴァ:そうだ! 俺の唯一の家族である妹に手を出した罪、我が左手に賭けて許すわけにはいかない。
アーレン:ああ……せっかく友情を育めると思ったのに……。
ジャバール:ってか左手?
シヴァ:ああ、俺の邪眼は左手の甲に現れたんだ。普段は手袋で隠しているけどな。
テヨーラ:それはちょっとカッコイイわね。
ジャバール:わしはその背景が好きだな。
タータ:そうッスか? ただのシスコンだと思うッス(一同爆笑)
ジャバール:た、確かに(笑)
テヨーラ:確信を突くわねタータ(笑)
タータ:それほどでもないッス(笑)
シヴァ:せっかくカッコイイ設定なのに、俺をギャグキャラに落とすなサッカーボール!(笑)
タータ:あう、まさに視線が痛いッス(笑)
GM:ま、キャラクターの自己紹介はその辺で良いか。それでは始めよう。



名前 :アーレン
種族 :人間/黒髪黒目で赤銅色をした肌をしている。
年齢 :17(男)
術技 :刀術4、魂装術2、妖霊使役1
能力値:筋力4、強靭4、敏捷5、感覚2、精神5、知力2
生命力:50  気力:30  イニシアチブ:13
技能 :防御3、先制1、精神抵抗2、応急手当1、武器戦闘(敏)1、舞踊1、軽業1
闘技 :影刃、瞬閃、終刃、反業、無限、流水、魂装・撃、魂装・穿、魔業、霊絶、檄吼、霊合、復技、無幻、
      不諦、銘醒、奥義・終刺
魔具 :抗魔、危那、座空、客食、速身、練魔、生命、気復×10、解毒薬×10、エリクサー×10
信条 :友情肯定的/身分否定的
妖霊 :クーヤゥ(天真爛漫な少女の妖霊)/舞踊、声真似、非実体化、危難の予感

説明 :友情に熱い魂装刀士の青年。邪霊に従う事で生き返った親友ハーディアに、ラティを殺され絶望の淵に…。しかし、ラティを反魂する為に再び立ち上がり妖霊クーヤゥも連れて旅を続けている。目指すは邪霊ザイナヴが支配する「血河の獄」。現在銘刀を冥獄刀に鍛え直してもらっている最中である。一人称は「僕」。



名前 :ジャバール
種族 :獣人/草食獣タイプ(カバ)
年齢 :35(男)
術技 :獣甲術4
能力値:筋力5、強靭5、敏捷3、感覚2、精神2、知力2
生命力:52  気力:30  イニシアチブ:8
技能 :剛力4、生存1、肉体抵抗1、防御3、魔物知識1、裏知識1、素手戦闘1、自我1、応急手当1
闘技 :鋼壁、斬虚、絶闘、闘戒、裂闘、爆刺、撃壁
獣甲 :剣腕、迅雷速、天殺翔、縛龍手、頤、加命蟲、練丹蟲、鎧獣・改、晶突/絶飛滅(まだ使用不可)
魔具 :漲力、練魔、気復×5、エリクサー×2、テリアカ×2
信条 :自立肯定的/運命否定的

説明 :本人曰く "カッコいいカバ" である。その実力は凄まじくアーレンもジャバールの事は「先生」と呼んでいる。孤高の戦士ジャバールとは本人談だが、最近はパンダのタータと旅をするようになってギャグの負担が減った為に、かなり孤高レベルが上がっている。



名前 :テヨーラ
種族 :銀糸の民/ゾロっとした服装で、手には手袋、顔にはヴェールの謎な女性。
年齢 :21(女)
術技 :神語術3、白炎術1、暗殺術3
能力値:筋力1、強靭2、敏捷4、感覚4、精神5、知力5
生命力:37  気力:36  イニシアチブ:14
技能 :魔術知識1、応急手当1、記憶術1、精神抵抗1、文献1、感覚鍛錬1、賭博1
闘技 :魔薬:閃、魔薬:終、明声錬
魔具 :闇殺の弓(暗器)、衛身×3、速身×2、気復×2、害舌×3、抗耐、連鳴×5、練魔、
      エリクサー×5、テリアカ×5
信条 :運命肯定的/努力否定的

説明 :「……これも運命」が決め台詞などこか諦めた享受者。暗殺術で力を溜め、神語術でとどめを刺すのが最近のセオリー。ゾロっとした神秘的な服装で体を隠しているが、それは永続堕落によって変異した肉体を隠すためである。裏街道まっしぐらなお姉さん。一人称は「私」。



名前 :タータ
種族 :獣人/肉食獣(レアモノのミニチュアパンダ)
年齢 :12(男)
術技 :愧拳術4、神語術1
能力値:筋力5、強靭3、敏捷4、感覚5、精神1、知力1
生命力:49  気力:20  イニシアチブ:13
技能 :登攀2、防御3、感覚鍛錬2、危険予知2、特殊戦闘1、生存1、肉体抵抗1
闘技 :貫愧、連破・撃追、踏破・髄撃、瞬愧、檄吼、奥義・狂愧、連闘・神殺、業破・瞬
愧拳具:拳撃甲、衝撃甲、光拳甲、風脚甲
魔具 :衝身、抗魔、解毒薬×2、エリクサー×5、テリアカ×5
信条 :人気肯定的/ジャバール否定的

説明 :身長80cmのレアパンダの獣人。あまりの珍しさに金持ち等から狙われており時折ハンターがやってくる。追われていた所をテヨーラに助けられてから姉御と慕っている。獣人の中でも最近人気のジャバールを敵視しているが相手にされない。口癖は「〜ッス」。一人称は「オレ」。



名前 :シヴァ
種族 :堕天使/黒い翼で黒髪の長髪
年齢 :18(男)
術技 :黒沙術2、邪眼術4
能力値:筋力2、強靭3、敏捷4、感覚4、精神4、知力2
生命力:41  気力:34  イニシアチブ:12
技能 :防御1、先制1、舞踊1、感覚鍛錬3、精神抵抗2
闘技 :換襲、故失、遅待
魔具 :沙壷、瞳選、瞳散、連鳴、エリクサー
信条 :家族肯定的/身分否定的

説明 :邪眼持ちだった為に黒沙使いの里から追い出された忌み子。両親はシヴァに邪眼が現れた時に、その邪眼の暴走によって死亡している。唯一の家族であるラティを探して旅をしており、ラティと一緒に行動しているアーレンという享受者を追っている。実は単なるシスコンでは?との話が持ち上がっている。一人称は「俺」。

◆3.若かりし日の記憶

それはまだ彼が"孤高の戦士"と呼ばれる前の話。まだ若く享受者としても人間としてもヒヨッコだった頃の話。そして……まだ彼が1人ではなかった時代の話。
GM:では始めたいと思います。今回は1人だけ特別なオープニングがあります。
アーレン:主人公の僕ですか?
シヴァ:初登場の俺か?
GM:いえ、それはジャバールです!(一同爆笑)
ジャバール:なんで爆笑が起こるかなぁ(笑)
タータ:ジャバールオンステージ!
GM:それはまだジャバールが孤高の戦士と呼ばれる前の話、若かりし頃のジャバールの話です(一同爆笑)
ジャバール:だからなんで笑いが起こる!(笑)
アーレン:いや、そりゃ先生にも若い頃はあるんだろうけど……なんかね(笑)
テヨーラ:気持ちはわかるわアーレン(笑)
GM:その頃のジャバールには相棒がいました。黒沙使いの天使。彼女の名はファラーシャ。
ジャバール:ファラーシャ(←メモっている)っと。
GM:彼女は他の享受者達と違ってジャバールの事を馬鹿にしない良い人です。その膝裏まで伸ばしている金髪が特徴的な女性です。
ジャバール:ファラーシャか……そうか、わしが若い頃はいろいろ大変だったからなぁ。これは若い頃を演出しろという事でいいのかな?
GM:その通りです。今は酒場だと思って下さい。
ジャバール:じゃあ2人で飲んでいるぞ。たぶんわしは1人爪弾き者で一緒に飲んでくれるのはファラーシャだけなんだ(笑)
GM:では横から別の享受者が――「おい、ファラーシャ! カバなんかと飲んでないでこっちで楽しもうぜ」
ジャバール:「今カバと言ったな!」――と若気の至りでケンカを売るぞ(笑)
GM:「駄目よジャバール!」とファラーシャが止めに入ります。
ジャバール:が、その頃はまだ弱かったのだよ。喧嘩売った相手のパンチ一発で倒れるわし、口先ばっかかよと笑っている他の享受者(笑)
テヨーラ:(他の享受者)『はっ! 威勢だけは良いカバだな! 獣甲でも買って出直しな!』
ジャバール:這い蹲ってるから。ってか獣甲もまだ買ってなかったのか(笑)
GM:その享受者達にファラーシャが言います――「ちょっといい加減にしなさいよ! よって集って弱いものいじめして何が楽しいのよ!」(一同爆笑)
アーレン:先生が駄目カバだ。
ジャバール:その頃は弱かったんだよ(笑)
テヨーラ:(他の享受者)『けっ! カバの肩なんか持ちやがって……興冷めだぜ、行くぞ』――と酒場を出て行く享受者達。
ジャバール:「く、くそ……」
GM:ファラーシャは手を取って助け起します。
ジャバール:「……ありがとう」
タータ:カバがしおらしいッス(笑)
GM:「最低の奴等ね、人を外見で判断して、力の差があると見るやからかって」
ジャバール:「いいんだファラーシャ、力が無いのがいけないんだから……」
GM:その言葉にため息を付いてから――「そうね。いつか力をつけて見返してやらないとね!」
ジャバール:言葉無く頷くぞ。
GM:では席に座り直したところで――「ねぇジャバール、今度行く遺跡の話なんだけど……」
ジャバール:「ん?」
GM:「私達2人だけじゃなくて、何人か仲間を募ってみようかと思うの……どうかしら?」
ジャバール:(そんなのいらない! 2人で十分だよ!)……と喉まで出てくるんだが、それを言えない力の無い自分が歯がゆい。言葉を飲み込むぞ。
GM:と、そんな所でジャバールは夢から覚めます。
………………………………………………………………………………………………
ジャバール:「夢……か」
GM:しかしジャバール、キミはそのファラーシャという女天使も、若かった頃の自分さえも思い出す事はできない。正確に言うとキミは子供の頃の記憶が無い。
アーレン:記憶喪失!?(笑)
ジャバール:そうだったのか……今まで別に気にした事なかったけどな(一同爆笑)
タータ:さすがカバ、大雑把ッス(笑)
ジャバール:別に子供の頃の記憶が無くても問題ないから気にしなかったんだ。ちなみにわしは、どこからの記憶があるんんだ?
GM:一番古い記憶は、享受者である自分が1人で砂漠を歩いていた時の事です。あ、あと享受者になる為に頽廃の果実酒を飲んだ事は覚えていて良いかな。
ジャバール:とにかく、ファラーシャもそんな若気の至りも覚えていないわけか――「今の夢はなんだ? 記憶には無い……が、やけにはっきりとしていたような……」

◆4.追いついて来た兄

賭博都市カリュオンからかなり東へとやって来たアーレン達、あとは街の東にあるセフィ河にそって下流へ向かい、河が黒沙帯へと飲み込まれる所から、なんらかの方法で黒沙を渡りゲヘナに入る予定だった。
GM:ではカリュオンから東へやってきて、ここが最後の大きな街です。そのとある宿屋に泊まって今は朝食を取っているところです。ジャバールはさっきの夢を見た次の日だと思って下さい。
テヨーラ:最後の大きな街……結構ここで時間取っていると思うわ。買い物も沢山したし(笑)
アーレン:お金を使い切る勢いで買ってたもんね(笑)
タータ:オレはそうでもないッス。
ジャバール:朝食か……わしはちょっと昨夜の夢を思い出しながら"ボ〜"っとしてよう。
GM:と、宿屋のおばさんがやって来て――「そういえばあんた達、反魂しに行くって聞いたけど、<護魂の壷>は買ったのかい?」
アーレン:「<護魂の壷>? なにそれ?」
テヨーラ:簡単に行って獄で魂を持ち出すための容れ物の事ね。そう言えば買ってなかったわね。
GM:1つ5000Diです。
ジャバール:それって獄で死んだ場合に、わし等の魂も入れる事が可能なのか?
GM:可能です。
タータ:「じゃあ5つ分買って行くッス。それでもう出発ッスよ!」
シヴァ:そろそろ登場するか……バカンッ! と扉を乱暴に開け放つぞ!
アーレン:そっちを見よう。
テヨーラ:「何?」
GM:そこには黒翼で黒髪の18歳ぐらいの男性堕天使がいる。
シヴァ:店内を見回してジャバールを見つけ――「カバがいる……あそこか」(一同爆笑)
ジャバール:なんか見られてるなぁ(笑)
シヴァ:そこに近づいて行って――「噂に名高い孤高の戦士ジャバールとお見受けするが」
タータ:「これが孤高?」――前の街で大量に仕入れてた笹をモシャモシャ(笑)
ジャバール:「いかにもわしはジャバールだ。何のようだ? 喧嘩なら買うが……後悔するのはそっちだぞ?」
テヨーラ:ジャバールが喧嘩売られるのはいつもの事だから放って置こう。
タータ:モシャモシャ。
シヴァ:「なるほどな……つまり(アーレンの方を見て)、お前がアーレンだな」――他の2人は明らかにアーレンとは思えないしな(一同笑)
アーレン:これは僕が喧嘩売られてる? ちょっと睨むように――「ああ、僕がそうだよ」
シヴァ:ツカツカツカ……とアーレンの横まで来て殴ってふっとばします! バキッ!!
アーレン:避けようと思えば避けれるけど……ここは吹っ飛ばされてよう(笑) 椅子から近くの床まで飛ばされます。
シヴァ:「ラティが死んだというのは本当なのか!!!」
アーレン:「それは……」
シヴァ:胸倉に掴みかかって――「おい、答えろ!!!」
テヨーラ:シリアスモードね。
ジャバール:「まぁ待て、落ち着け若いの。いったいお前は何者だ」
シヴァ:ふん…とアーレンを放して――「俺の名前はシヴァ…黒沙使いの里の出であり、ラティの兄だ」
アーレン:息を呑もう。
ジャバール:「そうか……」
テヨーラ:これも運命……と心の中で呟こう。
タータ:「ラティって誰ッスか?」

一同:『………………』(そして大爆笑)

シヴァ:落とすなよーーーー!!!(笑)
タータ:知らないものは知らないッス!
テヨーラ:タータ……(笑)
ジャバール:「失礼した」――とタータを開いている窓から外に放り出そう。ついでに出てこられても困るので、クーヤゥもタータと一緒に外に行っているように言って置こう。
タータ:クーと一緒にカヤの外ッス!(笑)
クー:『リフティング♪ リフティング♪』
タータ:「や、やめるッスよ!」(笑)
シヴァ:では空いた席に座るか――「手短に話そう。俺は子供の頃に里を追い出されて一人で生きていくようになった……それから風の噂で里から妹のラティが連れ去られたという話を聞いた。そして俺は妹を探して旅を始め、やっと掴んだ情報では賭博都市カリュオンで奴隷になっているという話だった」
ジャバール:「なるほど」
シヴァ:「そして俺はカリュオンへと向かった。しかし時すでに遅くアーレンという享受者と共に旅立った後だった……」
テヨーラ:それはそうよね。
シヴァ:「俺はさらに追って旅を続けた、どうやら向かったのは瓦礫の都シェオールだったらしい。しかし、やっとシェオールに着いたとみるや、今度は再びカリュオンへ戻ったという……」(一同爆笑)
タータ:そこからの話は知ってるッス(笑)
シヴァ:「そして……戻ってきた頃にはラティが死んでいたらしいじゃないか! それはいったいどういう事だ!!!」
ジャバール:「確かにラティは死んだ」
シヴァ:「なぜラティを外に連れ出した! あの子は昔から体が弱かった……とても享受者として闘っていけるような子じゃなかったのに!!!」
アーレン:「………………」
ジャバール:「シヴァと言ったな……お主はいつの頃のラティを知っていると言うのだ? あいつは自分で決意し享受者となり、そして自らの意思で道を切り開き生き抜いてきた。少なくともお主が別れた当初より、ずっと成長していたはずだ」
シヴァ:「……だが、それでもラティは死んだ。違うか? 俺はラティが誘拐された時、すでに里を追い出されていた為に助ける事ができなかった……お前等はその場にいながら――」
アーレン:「確かにその時は僕等も力が無かった……でも今は違う、あの頃の自分達じゃない。だからこそ獄に……"血河の獄"へ行ってラティを助けるんだ」
シヴァ:「血河の獄だと!?」――と知っていていいかな?
GM:問題無いです。黒沙使いの里の出なら、その危険度がSランクなのは重々承知で構いません。
シヴァ:アーレンの目をまじまじと見ながら――「獄に行けば魂を削られる。邪霊率によって力は全て弱体化され、行ったは良いが帰ってくる人数は当初の半分、いや行った者が全員帰ってこない事だって多い……まして、"血河の獄"に行って帰ってきたものはいない」
テヨーラ:そんな所だったのね、知らなかったわ(笑)
GM:まぁ総合術技レベルが3前後享受者は全滅します。
アーレン:シヴァの問いに即答する――「わかってる」
シヴァ:「本気……なのか?」
アーレン:じっと見つめ返そう。
シヴァ:「本気……なんだな……」
アーレン:「いつだって僕は本気さ」
ジャバール:ふ…っと満足していよう。
アーレン:「キミがラティの事を思って僕を叩きのめしたいって言うなら、それはそれで構わない。でも、それは獄から帰ってきてからにして欲しい」
シヴァ:「嘘を言っているように見えない……か」
アーレン:「僕達は必ずラティを連れ戻す。キミはここで待っていてくれ……正直、僕自身が帰ってこれるかどうかはわからない」
シヴァ:「………………」
アーレン:「ただラティだけは絶対に助ける。帰ってきた時に、彼女には家族が居た方が良い。キミが居てくれるなら僕は安心して命を懸けれる」
シヴァ:「お前達が命がけでラティを助けに行くというのに、兄妹である俺に留守番していろと言うのか? アーレン、血河の獄に行くには闇と絶望の砂漠を越える必要がある。それをどうやって越えるつもりだ?」
テヨーラ:ああ、カリュオンの東の黒沙帯は確かにそんな名前だったわね。
アーレン:「それは……」
シヴァ:「お前が妹を本気で助けようとしている事はわかった……なら俺の力が必要になるはずだ。黒沙の河を渡る黒沙術がな」
アーレン:「キミは……」
シヴァ:「シヴァだ。お前が本当に妹を助けるのに命を懸けるのか、この目で見届けてやる」
アーレン:「……ああ、ありがとう」

◆5.孤独なる記憶

アーレンたちはシヴァと共にセフィ河に沿って川沿いを下っていく。近くに水場があるというのは、危険な魔物や動物も集って来やすいと言う条件を孕んでいたが、アーレン達の脅威になる魔物はそうそうおらず、旅は事の他順調だった。
GM:ではセフィ河に沿って河が黒沙帯で途切れる場所まで南下している最中です。今は夜、交代交代で眠っている時に――
テヨーラ:敵?
GM:いえ、ジャバールは夢を見ます(一同笑)
アーレン:また先生の若い頃の場面だー(笑)
ジャバール:だから何で笑う!?(笑)
………………………………………………………………………………………………
GM:さっきの夢の続きです。遺跡への出発準備をしている最中のある日、ジャバールは準備を終えファラーシャのいる酒場へとやってきます。
ジャバール:じゃあわしはやっと獣甲を買ってきたんだ。そう、最初の<剣腕>! シャキーンとか調子に乗ってやりながら帰ってくる。
GM:すると酒場のドアの向こうから、ファラーシャと幾人かの享受者の声が聞こえてきます――「何よその言いグサは! ジャバールが一緒ならチームを組まないってどういう事よ!!!」
アーレン:ファラーシャが怒ってる。
ジャバール:扉のノブに手をかけたところで止まろう。
GM:では別の享受者が――
シヴァ:(突然別の享受者)『だから何度も言ってるだろうが? だれが好き好んでドンくさいカバなんかとチーム組まなきゃいけないんだよ?』(笑)
テヨーラ:(別の享受者)『そんな事よりお前がウチらのチームに入れよ、お前だけならいろいろと歓迎するぜ? ふっ……いろいろとな。はっはっはっはっはっ……』
GM:ファラーシャはギリっと口を結んで拳を震わせて立っています。
タータ:(適当な享受者)『おい、入り口で突っ立ってんなよ』――バタンと関係ない享受者が扉を開けて酒場へ、それと共に見つかるジャバール(笑)
ジャバール:立ち尽くしていよう。その嫌われっぷりはめちゃくちゃ堪えるぞ(笑)
GM:ファラーシャはその享受者達に背を向けて――「行こうジャバール。こんな奴等を誘った私が馬鹿だったわ」
シヴァ:(享受者)『おい、馬鹿なのはそのカバだろう? どれだけ自分が足手纏いでファラーシャの足を引っ張っているかまだわかんねーのかよ?』
テヨーラ:(享受者)『紫杯連でファラーシャがなんて言われているか知っているか? カバ女だよ、カバ女! お似合いだぜ! はっはっはっはっ』
アーレン:2人ともノリノリだね(笑)
ジャバール:シャキーンと<剣腕>発動させて襲い掛かろう! 自分の事ならいざ知らず、ファラーシャの事を言われるのは我慢の限界だ!!!
GM:では夢はそんな所で終ります。もちろん、夢で起こった事もジャバールは記憶に無い事だった。

◆6.忌まわしき力

アーレンたちはシヴァと共にセフィ河に沿って川沿いを下っていく。近くに水場があるというのは、危険な魔物や動物も集って来やすいと言う条件を孕んでいたが、アーレン達の脅威になる魔物はそうそうおらず、旅は事の他順調だった。
GM:ではセフィ河に沿って河が黒沙帯で途切れる場所まで南下している最中です。今は夜、交代交代で眠っています。起きている人は誰ですか? ジャバールは寝てます。
ジャバール:夢見ている最中だ――「馬鹿にしやがって、カバって言うなー!」無論寝言だ(笑)
アーレン:僕は起きていようかな、先生寝ているみたいだし。
シヴァ:アーレンが起きているなら俺も起きている。
テヨーラ:私は寝るわね。代わりにタータが起きてなさい。
タータ:じゃあ起きてるッス。カバの寝言に――「何当たり前なこと言ってるッスか?」とツッコんでいよう(笑)
シヴァ:俺はジャバールの寝言を聞いて――「あの姿のせいで……相当苦労したようだな」(一同爆笑)
ジャバール:嫌な言い方するな(笑)
シヴァ:真面目な事を言ったはずなんだけどな。
アーレン:「あの人は全てを超越しているから……いや、昔いろいろあったからこそ、今の孤高なる先生がいるのかもしれない」
シヴァ:「そうか……」
GM:ちなみにセフィ河を下った先にある、ジャハンナム最東の黒沙使いの里はシヴァやラティの生まれ故郷です。里の名はアスワドの里。
シヴァ:「もうすぐアスワドの里だ。そこからなら黒沙の流れもゆるい、闇と絶望の砂漠を渡るにはそこから出発する方が成功率も高い……問題は、俺の生まれ故郷という所か」
アーレン:「生まれ故郷? なんでそれが問題なんだい?」
シヴァ:「言っただろう。俺は忌み子なんだ。嫌われ里から追い出された……歓迎してくれるとは思えない」
アーレン:「そう……なんだ」――僕には故郷があるしな。その辺は悲しいと普通に思おう。
シヴァ:「ところでアーレン、一つ聞いていいか?」
アーレン:「?」
シヴァ:「なぜ陵渦に所属している? 陵渦は地上に出るのを最優先事項にしている。その為、裏の世界でやって行くには……享受者としての勢力で言えばNo3だ。このジャハンナムで生きていくには楽な方ではない」
アーレン:「………………享受者になる時はただ単に力が欲しかった。親友が陵渦だったから僕も陵渦で頽廃の果実酒を飲んだ……最初はそれだけの理由さ」
シヴァ:「友の為に……か」
アーレン:「でも今は陵渦で良かったと思ってる。ラティはずっと外の世界に憧れていた。世界は今地獄に落ちていて偽りの空しか見えないけど、きっとその向こうには地上があるんだ。こんな嘘の夜空では無くて、本当の星空が地上には出ているんだと思う。僕はそれをラティに見せてあげたい」
シヴァ:「その為には地上を目指す陵渦が一番の近道……か」
アーレン:「ああ」
シヴァ:「ふん……実の兄を目の前にして、よくもそんな台詞が言えるものだ」――と胸倉を掴もう。
アーレン:ええ!?(笑)
タータ:やっぱシスコンッス(一同爆笑)
シヴァ:「約束しろアーレン、今の台詞に嘘偽りは無いと」
アーレン:「言ったじゃないか……僕はいつだって本気だよ」
シヴァ:ストンと離そう――「ふん……そうだったな」――と、妹を〜とイライラもするのだが、なぜか少しだけ嬉しい自分もいるのだ(笑)
GM:と、そんな所で起きている3人は<危険感知>4/2でどうぞ。成功した人は砂の中から何かが近づいてくるのがわかる。
アーレン&シヴァ:『(コロコロ)……失敗した』
タータ:(コロコロ)……3個成功!――「アーレンさん、シヴァさん危ないッス! 砂の中から敵が」――と敵のいる方向に近づくッス!
GM:ではタータの目の前に砂柱が立って、そこにサンドワームが鎌首をもたげます。別名大砂蟲と呼ばれる魔物です。今回のは成虫なので人間丸飲みにできるぐらい大きいです。体長15m。
シヴァ:「でかいな」
GM:では寝てる2人は<危険予知>4/1で振って下さい。成功したら次のターンから行動して良いです。失敗したら次の次のターンから行動して下さい。
テヨーラ:(コロコロ)……成功。
ジャバール:(コロコロ)……失敗(笑) 夢にうなされてるなぁ。
GM:では戦闘です。<先制>とかある人は振って下さい。こっちは8です。
シヴァ:(コロコロ)……イニシア15だ。
アーレン:(コロコロ)……あ、僕も15だ。シヴァと一緒か。先に行動します。いつもの銘刀に手を伸ばして無い事に気が付いて、買っておいたクロスボウを準備して終了です。
シヴァ:タータは小さいし、テヨーラとジャバールさんは寝ている。アーレンがクロスボウならやるのは俺しか居ないか……左手の手袋を投げ捨てる! すると現れるは禍々しき邪眼!――「<痺れ鈍らせる眼>」(コロコロ)……4成功。対象は<肉体抵抗>だ。
GM:5で抵抗するので失敗かな。
シヴァ:「思ったより抵抗が高いな……だが」――効果は発動。回避と防御にー2だ。
GM:痛いな……ちなみに今の行動でタータとアーレンはシヴァが邪眼持ちだと気が付いて良いです。
タータ:「あの手の目は……」
アーレン:「邪眼持ち……だったのか」
シヴァ:「言ったろう。俺は里を追い出されたって……俺はこの力のせいで忌み子として追われたんだ」
その後、起き出したテヨーラとタータのラッシュ、最後はジャバールのフィニッシュにより倒される大砂蟲。
タータ:「何美味しいところ持って行ってるッスか! このカバ!!」
GM:最後の一点残して順番ジャバールだったしね(笑)
ジャバール:「お前がちんたらやっていたからだろう? もっと技を……いや爪でも牙でも磨いておくんだな」
タータ:「姉御〜悔しいッスよ〜!」
クー:『ね〜〜何があったの〜〜?』――とクーが起き出す。
ジャバール:寝てたのかい(笑)
アーレン:そういえば使うの忘れてたしな(笑)
ジャバール:「そんな事より……シヴァ、お主のその左手は」
シヴァ:「見ての通りだ……俺は邪眼師。享受者の中でも生え抜きの嫌われ者だ」
テヨーラ:「………………」
ジャバール:「シヴァ、お前はその姿のせいで相当苦労したと思う」(一同爆笑)
シヴァ:さっき俺が言ったセリフだ(笑)
ジャバール:「だが、ここにお前のその姿を見て非難するような奴はおらん。わしもテヨーラもアーレンも……そしてタータもクーヤゥもな」
シヴァ:「………………」
タータ:「そうッスよ! カバに比べればそんなの些細な問題ッス!」(一同爆笑)
ジャバール:こ、この……わしがカッコつけてるのに落としおって!
タータ:カバに美味しい所持って行かれた恨みッス(笑)
シヴァ:「はは……なんだかな」
アーレン:「どうしたんだシヴァ?」――とか聞いてみる。
シヴァ:「いや……笑ったのなんて何年ぶりかって……そう、思ってな」

◆7.黒沙使いの里アスワド

シヴァの案内でアスワドの里についたアーレン達、しかし、シヴァの顔を見た途端に里の人々は逃げ出し、ピシャリと戸を閉めたのだった……――
GM:ではアスワドの里に付きます。人口100人程度の里で、その中でも黒沙使いは10人程度です。里の人間は戸を閉め隠れます。シヴァの顔を覚えていたと思っていて下さい。
シヴァ:「顔を覚えられていたとはな……俺がこの里を出たのはまだほんの子供の頃だったというのに……着いて来てくれ、港で船を作ろう」
アーレン:港?
GM:黒沙帯へと乗り出すギリギリのラインだと言う事にしましょう。
ジャバール:じゃあ港にやって来た――「さぁどの船に乗ればいいんだ?」
テヨーラ:「そこに船は無いと思うわ。黒沙を渡るのは黒沙使いが魔術で作りだすサンドシップのみだから」
シヴァ:「ああ、少し時間をくれないか。黒沙を操って船を作る」――そう言って、黒沙帯から黒沙を引き寄せて少しづつ船の形に持って行きます。
タータ:「暇ッスねぇ」
クー:『空飛ぶ絨毯で渡れないのかな?』
タータ:「やってみるッスか?」(笑)
アーレン:「やめなよ2人とも……もし座空が黒沙に飲み込まれたらどうするんだよ」
タータ:「やって見ないとわからないッス」
クー:『うん、やろうやろう♪ どうせならカバのおっちゃんに乗っててもらおう』(笑)
タータ:「それ良いッスね! ナイスあいでぃあッスよ」(笑)
ジャバール:「はっは〜〜ん? 何か言ったかなぁ? そんなに座空に乗りたいなら乗せてやろうかぁ?」
シヴァ:真面目に言おう――「黒沙帯の上をサンドシップ無しで行くのは止めた方がいい。すぐさま黒沙に飲み込まれて死ぬ事になる。黒沙の上は天使や堕天使だって飛んで渡る事はできないんだからな」
ジャバール:そうなのか(笑)
タータ:死ぬ所だったッス。
GM:とかやってると、後ろから――「お主……シヴァか?」――と振り向けばお爺さんがいます。
シヴァ:「長老……」――とか勝手に言おう(笑)
GM:その通り長老です。名前はビクニールって言います――「戻ってきおったか……この忌み子が」
シヴァ:「ここからでないと"血河の獄"へは行けないので……」
GM:「"血河の獄"だと!? あそこは危険過ぎる……いったいなぜ?」
シヴァ:「簡単に話そう……ラティが死んだ。反魂をしに行く」
タータ:本当に簡単な話ッスね(一同爆笑)
シヴァ:それ以外に何と言えと!?(笑)
GM:「そうか……反魂をしに血河の獄へ……他の享受者達はその仲間と言った所か。いいだろうついて来い。どんな輩であれ獄へ赴く黒沙使いと勇士達には、最後の宴を開くのがこの里の慣わしだからな」――ついて来いと長老は歩き出します。
アーレン:「どうするんだいシヴァ?」
ジャバール:「ここはお主の里だ。お主の決断に任せよう」
シヴァ:「……長老について行こう。俺も黒沙使いの端くれ、獄出発の前夜は宴をするべきだと思う」

◆8.最後の宴

その夜、アスワドの里では宴が開かれていた。獄へ向かう享受者達を送る宴が……帰って来る者のいないゲヘナへと、足を踏み入れる勇士達に後悔を遺さぬための最後の宴が……。
GM:では里の皆は宴を開いてくれます。これはシヴァが忌み子だからとか関係なく、獄へ渡る享受者達へ伝統です。
タータ:じゃあ遠慮なく食ってるッス!――「笹は無いんスか? 笹は?」
一同:『ねぇよ!』(一同爆笑)
アーレン:なんでこんなに良くしてくれるんだろう?
GM:黒沙使いの人がいるこの里では、黒沙帯が……そしてゲヘナと獄に行くのがどれだけ危険な事か、一般の人(享受者含む)より肌で危険を感じるほど知っているんです。だからこそ、最後ぐらいは……と宴を開くシキタリなんです。
テヨーラ:「死んだら死んだ……それもまた運命」――お酒を注いでもらってヴェールの下から上手く飲んでいるわ。
GM:里の若者とかが神秘的なテヨーラの所でお酌してたりします――「姉さん、声も仕草も色っぽいけど、きっとお顔もお綺麗なんでしょう? ちょっとでいいから」――とか。
テヨーラ:「ふふふ……」――と笑って無視(笑)
GM:で、アーレンの所には「カッコイイお兄さんですねぇ、恋人を反魂しに行くの? キャー! カッコイイ♪」――と若い女の人が集ってます。
アーレン:「いや、その……ラティは恋人とかそういうんじゃなくて――」困っていよう(笑)
クー:そんなアーレンに――『ねぇアーレン、クー踊って来ていいかなぁ?』
ジャバール:そういえばクーは踊るのが好きだったな(笑)
アーレン:「いいよ、存分に踊っておいで」(笑)
クー:『やったーー♪』――とクーヤゥはタータを途中で引っ張って行って踊り出します!
アーレン:アラビアンな感じだ(笑)
ジャバール:パンダが邪魔だけどな(笑)
GM:で、ジャバールさんは長老に気に入られてます――「そうかぁお主カバの獣人だってな、わしはなんか気に入ったよ!」
ジャバール:「そうか、はっはっはっ」
GM:「わしの名前はビクニールって言うんじゃ。もうお前さんが他人には見えなくてなぁ」(笑)
ジャバール:「そうかそうか、わしもいい気分だ。どうだ爺さん、もう一杯いくか?」
※なぜ長老がジャバールを気に入るか……アラビア語辞典があったら調べて見ましょう。
シヴァ:俺は1人宴会から外れて、港で船を作っていよう。俺は孤独だ。
テヨーラ:誰かがシヴァに会いに行ってあげないとね。
GM:じゃあ誰がシヴァの所に行くかは置いておいて……別のイベントを先にやっちゃいます。アーレン!
アーレン:はい?
GM:キミのとこに1人の男がやってきて料理や酒をパクつきます――「いやぁ〜〜なかなかのもんだね、チミ〜〜」(一同爆笑)
アーレン:「そうですねぇ〜…ってトンボさん!?」(笑)
GM:そうです、分厚いメガネをかけた冥獄刀持ちの享受者トンボです――「久しぶりだね。さすがのトンボ様も追いつくのに一苦労だったよ」(笑)
アーレン:「いや、めっちゃ驚きましたよ。まさかトンボさんがやってくるなんて……でもどうして?」
GM:「仕事だよ仕事、それ以外にトンボ様が動く理由があると思うのかねチミ?」
アーレン:「えっと……それで仕事っていったい?」
GM:「チミにお届け者だよ……ご注文の品だそうだ」――と冥獄刀を渡されます。
アーレン:おお!?
※解説3 「冥獄刀その2」
 冥獄刀には銘刀に無い特殊な力がさまざま付与される。もちろん、付与される力を増やせば増やす程その費用はかさむ。また付与される能力とは別に、冥獄刀には基本となる形状が存在する。それは二刀流だったり、巨大な刀身だったり、薄羽のような刃だったり……さまざまである。その基本形形状は冥獄刀を使用する時の信条条件にもかかわって来る。薄羽のような刃にした場合、遠距離への真空破攻撃の威力がアップする……しかし、その刃を振るうためには金や権力に執着する必要がある。2本1対の形状(二刀流)にした場合は絶対に敵から逃げ出さない心が必要になる……そんなふうにだ。


アーレンの冥獄刀
銘:生者必滅
形態:<神を断つ衝撃(2Lv)>
基本値:2/3/5
基本ダメージ:13/15/17
追加特殊能力:<安寧の館(2Lv)><見えざる閃光(2Lv)><翻る風>

説明:刀身が通常の倍の大きさに巨大化している刀。しかしその所有者と冥獄刀に認められた者は片手で振り回す事が可能。享受者自身の非利き腕を鞘として扱い。通常時は大きさを無視して腕に同化しておりバレる事は無い。<翻る風>の効果により連撃中に対象を変更する事が可能。冥獄刀に認められる条件は「特定の邪霊や獄を滅ぼす誓い」である。


GM:では布に包まれた巨大な刀を渡そう(笑)
アーレン:では持ってみます――「軽い……」――この大きさなのに片手で持ち上げてみます(笑)
GM:その瞬間、アーレンは<精神抵抗>5/5ね。
アーレン:そうだったー!(コロコロ)……駄目だ3成功しかしてない!? 刀を手に持った瞬間、意識を失って倒れよう。
GM:「やれやれ、どうやら冥獄刀の意思にやれらてしまったようだねぇ」
テヨーラ:そっちにやって来て――「そんな事はないわ。今、アーレンは冥獄刀の意思とせめぎ合っている……次に意識を取り戻した時……その運命は決するわ」
GM:「確かに……クーヘン=バームの娘さんのようにならない事を祈るのだね」
テヨーラ:「ええ、そうね」
GM:「じゃあトンボ様はこれで失礼するよ? これで仕事も終わりだしね」
テヨーラ:「ええ、運命が引き合うのなら……また会いましょう」
GM:トンボは帰り際に手だけ振ってそのままいなくなります。
テヨーラ:「あとは……アーレンが目覚めるか否か……ね」

◆9.目覚めの時

1人港から黒沙渦巻く"闇と絶望の砂漠"を見つめていた。里の広場の方向から、騒がしい宴の声が聞こえてくる。昔は宴が開かれるのは一番の楽しみだった……昔は……
GM:では孤独なシヴァに場面を移します。
シヴァ:「昔は宴も好きだったんだ。いつの頃からだったかな……ああいう大勢の人間に馴染めなくなったのは……」――と<黒き船は煉獄を渡る>(コロコロ)……成功。黒沙の船が完成。
タータ:「凄い技ッスね〜〜オレは始めて見たッスよ」
テヨーラ:タータが登場した(笑)
ジャバール:ギャグ特異点(笑)
アーレン:危険だ、せっかくのカッコイイシヴァが落とされるぞ(笑)
シヴァ:「ふん……呪われた術さ。一般人には黒沙を操るだけで恐怖される。だが、本当に呪われていたのは俺自身だった……邪眼は呪いを超えている……」
タータ:「ふ〜〜ん、そんなモンッスかねぇ」
シヴァ:「………………ところで、宴会は良いのか?」
タータ:「宴会だからこそ、これッスよ」――と大皿に乗った食べ物を見せるッス。
シヴァ:「お前……」
ジャバール:なんか友情を育もうとしている(笑)
タータ:「笹はどれを食べても美味いッス」――大皿にはてんこ盛りッスよ(笑)
一同:『………………』
ジャバール:全部笹かーーーーー!!!(一同大爆笑)
テヨーラ:た、確かに食べ物だけと……タータにとっては(笑)
アーレン:どう返すんだろうシヴァ(笑)
シヴァ:その笹の乗った皿を見てから――「すまないな。気持ちだけ受け取っておく」
一同:『おお〜〜〜』
タータ:「シヴァもちゃんと食べておくッスよ! 明日は出発なんだから精はつけておいた方がいいっス!」――モシャモシャ(笑)
シヴァ:俺にどうしろと……(笑)
ジャバール:困っているシヴァが手にとれるようにわかる(爆笑)
タータ:「美味いッスよ?」(一同爆笑)
シヴァ:ふむ……「タータ、お前はいつもジャバールさんと張り合っているが……仲良くしないのか?」
タータ:「どうしてあんなカバと仲良くする事ができるッスか! ちゃんちゃら可笑しいッス! この笹の味だってカバは理解しねぇッス! 許せないッス!」
シヴァ:「そんな事は無いだろう。ジャバールさんだって笹を食べてみたら美味いと言うかもしれない。その山盛りの笹……ジャバールさんに食べさせたらどうだ?」
タータ:「そうッスねぇ〜これ以上、笹を馬鹿にさせない為にもそれは必要かもしれないッス」
シヴァ:「そうだろう?」<欲望をそそる眼>(コロコロ)……タータ対象で成功2。
GM:タータは抵抗して下さい。<自我>です。
タータ:(コロコロ)……失敗。どうなるんスか?
シヴァ:欲望に身を任せて行動しだすぞ、その笹を持って宴会場へ戻るんだ。
タータ:「カバに笹の味をわからせてやるッスーーー!!!」――と宴会場へ戻ろう(笑)
シヴァ:騒がしい宴会場へ戻っていくタータを見送って、再び揺れ動く黒い砂漠を見つめるのだが……「タータにかけた邪視、そろそろ解きに戻るか……」――と理由をつけて宴会場へと行きます。
………………………………………………………………………………………………
GM:では宴会場です。ジャバールは長老と酒を飲んでます。
ジャバール:「はっはっはっはっはっ、うまい酒だな長老」
GM:「ジャバール、わしの事はビクニールと呼び捨てにするがよい」
ジャバール:「おう、そうかビクニール!」
GM:「お前の事もビクニールと呼び捨てにしていいか?」(一同爆笑)
ジャバール:「なんかわからんが、とても嫌な予感がするから止めてくれ」(笑)
GM:「そうかそうかはっはっはっはっ」
ジャバール:「はっはっはっはっはっ」
タータ:と後ろから寄って行って、ジャバールが飯を食うのに合わせて笹をその大きな口にねじ込むッス(笑)
ジャバール:じゃあ、ワッシャワッシャと咀嚼してから――ブハァ!とタータの方へ噴出そう。いくら草食とはいえ笹は食わん!
タータ:「何するッスか! 人の親切心を無にするとは失礼なカバッス!」
ジャバール:「ほう? じゃあ何か? 人が楽しく食べているときに、人の口に笹を強引にねじ込むのは失礼に値しないとでも?」――ゴカッっ! とサッカーボールをキャンプファイヤーのように燃えている、広場の中央に向けてキックだ!(笑)
GM:吹っ飛んでいくボール(笑)
クー:『ギリギリでキャーーーチ♪』(笑)
ジャバール:「ぬ、止められたか」
タータ:「ナイスッスよクー! 今度はこっちから行くッス!」――ブチかましで(コロコロ)……5成功!
ジャバール:ガシャンガシャンガシャン――と巨大な剣である頤を出して、剣の腹で打ち返そう。カウンターとして(コロコロ)……6成功!――「ホームラン!」(一同爆笑)
タータ:キャンプファイアーに落ちるッス! でも今のオレはいつものタータじゃなないッス! 炎に包まれながら(享受者は普通の炎ではダメージを受けないのである)、再びジャバールに向かうッス! 邪眼の力をなめるなよッス!!(笑)
シヴァ:それは俺の力だ(笑)
アーレン:GM! ここで僕は冥獄刀の意思に打ち勝ってゆらりと立ち上がります!
GM:まぁいいでしょう。打ち勝たなきゃ話進まないしな(笑)
テヨーラ:「アーレン…」
アーレン:「僕達は血河の獄へ行かなくちゃいけないんだ……邪霊ザイナヴも倒さなきゃいけないんだ……」――そして一瞬で冥獄刀を振りかぶると、先生とタータの間に振り下ろします!――「だから! こんな所で仲間割れしている場合じゃないんだ!!!」
GM:ドッコーンと軽くクレーターが出来ます(笑)
ジャバール:アーレンの変りように驚いていよう。
タータ:「邪魔ッスね……よいしょっと」――またぐッス(一同大爆笑)
ジャバール:せ、せっかくのアーレンのシーンが(笑)
テヨーラ:いくらなんでも酷いわよ今のは(笑)
シヴァ:宴にやってきて邪視を解いておこう(笑)
アーレン:やってくれたねタータ……先生のシーンだけではあきたらず、僕のカッコイイシーンまで落としてくれるなんて……。
シヴァ:さりげに俺のところにもギャグを撒き散らしにやって来たしな(笑)
アーレン:GM、とりあえず本気で一発冥獄刀の初ダメージをタータに!(一同爆笑)
タータ:「そんな!? オレもどうしてそこまでカバに突っかかったのか……何が何だがわからないッス!」(笑)
アーレン:「問答無用!」
タータ:「と、とりあえず殺生な〜ッスよ〜〜」(笑)

◆10.約束の記憶

アスワドの里で宴も終わり、長老の家でゆっくりと休む事にする一行。そして今宵もジャバールは夢を見る。記憶に無い記憶の夢を……。
GM:では宴が終ってその日の夜です。ジャバールの記憶に無い記憶の夢の時間です。
ジャバール:で、今度はどんな所からスタートするんだ?
GM:遺跡に向かってファラーシャと歩いている所です。結局仲間は見つからずに2人っきりです。
ジャバール:まぁ最後喧嘩売っちゃったしな。
GM:ファラーシャが言います――「ごめんねジャバール、結局……仲間集め失敗しちゃった」
ジャバール:「いや、僕の方こそごめん。あそこで暴れなきゃみんなもわかってくれたかもしれないのに……」
一同:『………………』
ジャバール:ん? どうした?

一同:大爆笑!

ジャバール:お〜〜い! わし、何か面白い事言ったか!?
アーレン:い、今先生……先生が自分の事を……(笑)
テヨーラ:うん、みんな一斉にあそこで見詰め合っちゃったわよ(笑)
GM:だって……だって……自分の事を"僕"って言うんだもの(大笑)

一同:
大爆笑。

ジャバール:
いいじゃないか! この頃はヘタレだったんだよ。だからわしの一人称も"僕"なんだ! ちなみに年も15歳だぞ(笑)
GM:じゃあファラーシャはジャバールより年上っぽいから20歳ぐらいで(笑)
ジャバール:ああ、ファラーシャから見たらわしは弟みたいな年が良いしな。
GM:「ジャバール、仲間集めは失敗しちゃったけど……でも大丈夫、私達ならきっと大丈夫! だからそんなに心配しないでいいんだからね!」
ジャバール:「でも……やっぱり僕がいるせいで……」――とか俯こう(笑)
GM:じゃあジャバールの顔を両手で持って、見つめます――「始めて遭った時に言ったよね? 私はいつか地上へ出て神様に会うんだ……って、だから私は陵渦に所属しているんだって……」
ジャバール:少し赤くなりながら(笑)
GM:「いつになるか判らないけどさ……いつか地上に出られたら、ジャバール……一緒に…2人で…太陽を見ようね」
ジャバール:ファラーシャは笑顔を向けてくれるんだ。わしとは不釣合いなのは判ってはいても、それでもきっとわしはファラーシャの事が好きだったに違いないぞ(笑)
アーレン:先生が青春している(笑)
タータ:相手は金髪の天使ッス(笑)
ジャバール:「うん……僕も見たい。地上にある太陽を……ファラーシャと一緒に」
GM:「うん、約束だぞ?」――と言った所で目覚めます。アスワドの里に朝が来ました。
ジャバール:わしは――「だけど…僕にとっての太陽は……」とか言いながらむくっと起きて――「んん? わしは今何か言ったか?」(一同爆笑)
シヴァ:シリアスとギャグを使い分けてるな、さすがだ(笑)
アーレン:今回はラブとギャグだよ(笑)

◆11.闇と絶望の砂漠

出発の朝、アスワドの港には5人が集っていた。まだ里の者たちは見送りに来てくれていない。ここからは享受者達だけの試練だという事をわかっているからだ。
シヴァ:「さぁ昨日のうちに作っておいた舟だ。乗ってくれ」
GM:船は乗ろうと思えば10人ぐらい乗れそうな大きさです。
シヴァ:形は俺の趣味で川下りの細長い船って感じで(笑)
GM:了解。ただしオールや舵と言ったものはありません。
タータ:とりあえず乗り込むッス。
クー:『クー先頭取〜った♪』
ジャバール:普通に乗り込むぞ。
テヨーラ:同じく。
アーレン:じゃあ乗り込んでから――「なぁシヴァ、これってどうやって動かすんだ?」
シヴァ:ちょっとクーヤゥを邪魔に思いながら船首に立って――「こうするんだよ」――と黒沙術で、黒沙自体を操作して出発します。
テヨーラ:「黒沙使いしか黒沙を渡れないって意味がわかったアーレン?」
アーレン:「うん……そういう事だったんだね」
GM:さて、ここからは黒沙の海です。邪悪な意思を持った黒沙は紛れ込んだ人間に破滅と絶望を永遠に味あわせようと、不自然な自然現象を起して飲み込もうとします。また、漂っている空気は邪気を孕み、吸っている人間達を狂気に取り付かせます。前半後半で3回ずつ1D6を振って下さい。計6回イベントが発生します。
シヴァ:さすが"闇と絶望の砂漠"を渡るだけあるな。誰がダイス振る?
アーレン:じゃあ僕が振ります(コロコロ)……――
※解説4 「黒沙帯〜闇と絶望の砂漠〜」
 黒沙とは人の悪意や妬みと言った負の感情を吸収した黒くなった獄の砂であり、悪意と瘴気の固まりです。享受者でさえ触れれば毒のように心身を蝕まれます(一般人なら近づく事さえできません)。そしてその黒沙が川や海のようになっている場所が黒沙帯です。黒沙帯はジャハンナムとゲヘナを隔てるように流れており、そこを越えると未知の領域ゲヘナが待ち構えています。この限界ラインを"闇と絶望の砂漠"と言って人々は恐怖します。
アーレン:えっと「1」だね。
GM:……何も起こりません。
アーレン:じゃあ次(コロコロ)……3!
GM:……何も起こりません。
アーレン:3回目(コロコロ)……2。何も起こらない?
GM:……その通りです。
ジャバール:「はっはっはっ、意外と快適な船旅だなぁ」(笑)
クー:『クー、つまんなーい』
テヨーラ:「これも運命」(笑)
シヴァ:「みんな、あまり油断しない方が良い。闇と絶望の砂漠の黒沙は意思を持っている。それは総じて悪意だ。どこで何が起こるかわからない」
アーレン:「ああ、気をつけてるよシヴァ」――と言って後半戦の3回(コロコロ)……最初は2(笑)
タータ:何も無しッスか?
GM:いや、ここからは1と2を振っても弱い嵐にあって、黒沙が肌に当たって痛いです。直接生命力を3点減らして下さい。
ジャバール:「ちょっとピリピリするな」(笑)
タータ:「シヴァ、ちゃんと操舵するッスよ!」
シヴァ:「いや、ここまでゲヘナに近づくと……これ以上の安定は無理だ。多少の無理は我慢しろ」
アーレン:じゃあ後半2回目(コロコロ)……――
しかし、その後アーレンは1を連続で出し、3点×2回の実ダメージを全員受けるだけで終了する。
シヴァ:「どうやら、なんとか潮の流れにも乗ってゲヘナへ着きそうだな」
GM:運の良い……しかし、ここでイベントが発生します。シヴァは判るが黒沙の潮の流れが急激に変っていきます。船があらぬ方向へと流されていきます。
シヴァ:「なんだ? 船の制御が突然!?」
ジャバール:「どうしたシヴァ?」
アーレン:「何かあったの!?」
シヴァ:「船の舵が……いや、潮の流れが突然読めなく……」
GM:≪黒沙術≫4/2で判定して下さい。
シヴァ:(コロコロ)……余裕で成功だ。
GM:ではシヴァは、この黒沙の潮の流れ、自然的ではなく意図的な意思が感じられる。
シヴァ:「この潮の流れ……誰かに操られている? そんな馬鹿な! いったい誰に!?」
GM:と、ここで全員<鋭敏感覚>でどうぞ。一番高い人だけ言って下さい。
一同:(コロコロ)……――
タータ:4成功ッス!
GM:タータは最初に気が付きます。船が向かっているその先に、黒い木々が乱立する島のような場所が見えてくるのを。
タータ:「シヴァさん、あの森みたいのは何ッスか?」
シヴァ:「あれは……そんな……」
GM:と、言った所で突如ジャバールは白昼夢を見ます。
アーレン:先生の記憶シーンだ!(笑)
ジャバール:だからなぜ笑う(笑)

◆12.別れの記憶

遺跡はかつて天使達が使用していたものだったらしい。そこかしこに天使の名残が見受けられた……。そして幾多の罠と待ち受ける魔物を倒し、2人はやっと最奥の間へと辿りついた。
GM:今回はすでに遺跡最奥の部屋に来ており、そこで遺跡を乗っ取っていた邪霊と闘っています。
ジャバール:「そんな……<剣腕>が折れたー!?」(一同爆笑)
アーレン:早いよ先生、ヘタレ過ぎだよ(笑)
GM:ファラーシャが黒沙で創った槍で応戦しながら――「ジャバールは下がっていて!!」
ジャバール:うわぁ、本気で足手纏いだ……やっぱり、僕はファラーシャの……とか(笑)
GM:そうは言ってもジャバールにも邪霊の攻撃は来ます。腕を鋭い剣のようにして、それが伸びて連撃して来ます。
ジャバール:じゃあ必死に防御する! 攻撃はできないが、自分の身を守る程度はなんとかできてるんだ(笑)
テヨーラ:もっとジャバールをピンチにしたいわね……邪霊が炎吐いて2人まとめて攻撃するって事で(笑)
ジャバール:「う、うわあああああ」(←もう燃やされたらしい)
GM:「ジャバール!――よくも……この邪霊がーーー!!!」――というファラーシャの声と共に、邪霊の最後の悲鳴が響き渡ります。ドスーンという倒れる音も。
ジャバール:「やった……やったんだねファラーシャ……」とヨロヨロ立ち上がって、ファラーシャの近くへ。
テヨーラ:その時ファラーシャは邪霊の死体を確認しているの。それで邪霊がまだ生きている事に気が付いて――(突然ファラーシャ)『来ちゃ駄目ジャバール!!!』(一同爆笑)
アーレン:ひ、酷い(笑)
タータ:しかもそのシチュエーションだとカバが死ぬッス(笑)
ジャバール:「え!?」――とか伸びてくる邪霊の鋭い剣腕に立ち尽くすんだ(笑)
GM:って、そのまま行くと本当にジャバールが死んじゃうので、衝撃と共にジャバールは横に吹っ飛びます。
ジャバール:「うッ」
GM:ジャバールにダメージはありません。邪霊はそれが最後の力だったのか消滅して行きます。
ジャバール:じゃあ叫ぼう――「ファ、ファラーシャーーーーーー――……」
GM:と、言うところで白昼夢は終ります。
ジャバール:そしてその記憶はやっぱりわしには無い……と。

◆13.黒沙の森

船は何かに操られて進んだかのうように、その黒い森へと到着した。そこは黒い木々がポツンポツンと立っている、なんとも殺風景な場所だった。まわりが黒沙の川だけに、突如現れた島のようにも見える。
GM:では船が黒沙でできた森のような島に到着します。
アーレン:島? 降りれるの?
クー:『タータ、降りてみようよ』――とクーヤゥがまず降ります――『大丈夫みたい♪』
タータ:じゃあオレも降りるッス! スチャ!
GM:あ、クーヤゥは妖霊だし足無しで浮いてるから、別に島に下りても着地はしないよ。
タータ:ギャーーー!?(一同爆笑)
テヨーラ:燃えた?(←クーを使って誘導した人)
GM:燃えません(笑)
タータ:「姉御、大丈夫みたいッス!」(笑)
テヨーラ:「……みたいね」
GM:まぁ黒い黒沙で出来た木々が、地面から黒沙を吸収しており島の大地はむき出し状態、よって上陸は可能とします。
アーレン:僕も降りよう――「ここはいったい」
シヴァ:「"黒沙の森"……そう言われている。やっかいな所に迷い込んだものだ」
※解説5 「黒沙の森」
 黒沙の森とは、高さ5〜8mほどの黒沙の塊が聳え立っている一角です。黒沙が通常より濃い瘴気を吸収した時、その黒沙と黒沙が結合・融合し大きな薔薇の花をいくつも積み上げた塔のような塊となるのです。その塔がいくつも並ぶ様相は、まるで木々のように見える事からその場所は"黒沙の森"と呼ばれます。その森は悪意に満ちています。森の黒沙は意思を持っており、それは迷いこんだ者を閉じ込め、恐怖を与え、なぶり殺しにする事です。
テヨーラ:しかし……黒沙の森って降りれるのね。
GM:まぁ今回のシナリオは都合上降りられないとネタが始まらないので(笑)
テヨーラ:了解(笑)
シヴァ:この海岸(?)から再び船で乗り出せないのか?
GM:≪黒沙術≫4/1でどうぞ。
シヴァ:(コロコロ)……成功。
GM:少なくともこの岸からの離岸は不可能だね。別の浜辺(?)から再び船を出発する必要があるようにみえる。
シヴァ:「ここはもう駄目だな。島を回って別の場所から再出発するしかない」――沙舟(←黒沙で創った船はこう呼ばれる)を解除するか。
ジャバール:じゃあそろそろ白昼夢から目覚めよう――「ん? ここは……」
アーレン:「黒沙の森というらしいよ。……先生、大丈夫?」
ジャバール:「ん、ああ、なんともない」
GM:ではここで<感覚鍛錬>4/2を振って下さい。
タータ&テヨーラ&シヴァ:『成功』
GM:3人は黒沙も森の方から、誰かがやってくるのがわかります。
タータ:「姉御!」
テヨーラ:「アーレン、ジャバール、戦いの準備を」
シヴァ:左手の手袋に手を伸ばそう。
GM:そして森から現れるのは普通の天使です。
アーレン:天使?
GM:特徴的なのは足元まで垂らしてある長い金髪だ。20歳ぐらいの美人だね。
ジャバール:やっぱりかぁ……今日は絶対に出てくるんだろうとは思っていたが(笑)
アーレン:そんな先生の苦悩は知らないし――「キミは誰だ!」――警戒しながら聞こう。
GM:金髪の天使は――「私の名はファラーシャ、この森の防人です。どうしても頼みたい事があってあなた達を呼び寄せました」――と皆にしゃべっているのですが、なぜか視線はジャバールへと向けていて、とても悲しそうな目をしています。
アーレン:なんとなく先生を見る。
ジャバール:"知らない"って顔をするぞ。
シヴァ:「なるほど、沙舟を操ってここに導いたのはお前か」
GM:「そうです。私では叶える事のできない望み。それをあなた方に頼みたい」
アーレン:警戒したまま――「その頼みって?」
GM:「それは……私の肉体を探して欲しいのです。今の私は本当の私ではないのです。この森に私の肉体があるのは確かなのですが……」
タータ:「言っている意味がわかなないッス」
アーレン:幽霊とかそんな感じかな?
GM:「私の体が近くにあれば、私はそれに気がつけます。でも、この島には魔物もおり、1人で探し回るには危険すぎて……だから力ある方々が来るのを待っていたんです」
テヨーラ:「どうするアーレン?」
アーレン:「ごめんファラーシャさん。僕達には一刻も早く血河の獄へ行く必要があるんだ……黒沙を操ったのがあなたなら、それを解除して僕らをこの先へ行かせて欲しい」
GM:「私の頼みを聞いてくれるのなら、いくらでも協力します。だからお願い――」
シヴァ:言葉をさえぎろう――「黒沙の森にいる防人など聞いた事が無い。貴様のような魔物の甘言に誰が騙されるか……通さないと言うなら実力で押し通るまでだ」
タータ:なんかやる気ッスから俺もファイティングポーズをとるッス。
ジャバール:「……いや、その頼みを聞こう」(笑)――明らかにわしにそのセリフを言わせる為だけに挑発しおって(笑)
アーレン:なんの事やら(笑)
シヴァ:さっぱりだな(笑)
ジャバール:まぁいい――「ファラーシャ、その依頼わしらが受けよう。そういすればこの先に進ませてくれるのだろう?」
GM:「はい」――ファラーシャは笑顔を見せます。
ジャバール:ぐはぁ(笑)
アーレン:「先生どうして!? いつもの先生らしくないよ? だいたいシヴァの言うように、彼女が魔物でザイナヴの罠だって可能性もあるんだよ!?」
ジャバール:「いや、確かになぜ信じられるのか……わしにもわからんのだが……だが、わしはそう思うんだ」
テヨーラ:「アーレン、今はジャバールの勘を信じましょう。きっとこれも運命」
アーレン:「納得できない……けど、仕方ないか……」
ジャバール:わしはファラーシャの所へ行こう。
タータ:「しょうがないカバッスねぇ〜」――と天使さんに協力するッス。
テヨーラ:「これも運命」
シヴァ:「仕方ない……俺も協力しよう」

◆14.悪意と憎悪の迷い森

ファラーシャと名乗った天使は一瞬だけジャバールを見て、少し悲しそうな目をした。それに気が付いたのは僕だけだったのだろうか……
ジャバール:で、結局何をすればいいんだ?
GM:黒沙の森でファラーシャの肉体を探してもらいます。この島は簡易マップで現すと、13マスからなる菱形の島です。
       
   
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    13    

GM:このマスを移動して、そのマスの中にファラーシャの肉体があった場合、ファラーシャが反応します。
テヨーラ:足手纏いを連れて島を探索すればいいのね?
GM:その通りです。ただし、この黒沙の森は大変危険な場所です。場面が変る事に、登場しているPCは
<肉体抵抗>と<精神抵抗>を4/2で振ってもらいます。失敗するとそれぞれ生命力と気力が3点減ります。
テヨーラ:精神はいいけど、肉体が辛いわね。
ジャバール:わしは精神がキツイな。
GM:それぞれのマスではイベントがあるので、移動する場合の代表が1D6を振って下さい。この時「5」を振ると、誰か1人が迷子になるので気をつけて下さい(笑)
アーレン:迷子になるんだ(とタータをみるアーレン)
タータ:オレはならないッス! カバの方が心配ッス!(笑)
ジャバール:ああ、今のわしはファラーシャと霞がかった記憶とのせいで、ぼう〜っとしてるからな(笑)
シヴァ:ま、とりあえず移動してみるか。ここにファラーシャがいるなら、このマスには体が無いのだろう。
GM:スタートは「1」のマス目です。ここは北海岸です。
アーレン:じゃあ全員で「3」へ移動!(コロコロ)……イベントは1!
GM:(コロコロ)……――えっと、イベントは1だっけ? それは何も無いね。
テヨーラ:今GMが何か振ってた。妖しい(笑)
GM:まぁ今回は関係ありませんでした気にしないで下さい。ここは北樹林ですね。黒沙の木々が生えています。
タータ:「ファラーシャさんどうッスか?」
GM:「ここではないようです。何も感じません」――と、言うわけで全員<肉体抵抗>と<精神抵抗>してね。
アーレン:(コロコロ)……(コロコロ)……両方成功。
ジャバール:(コロコロ)……気力が減った。
テヨーラ:予想通り私は生命力が減ったわ。
シヴァ:まずいな、なるべく早く終らせないと……。
GM:次はどっちに行きますか?
アーレン:このまま南下しよう。まず中心部がどうなってるか気になるし。
GM:では「7」に移動だね?
アーレン:(コロコロ)……6! 敵っぽい(笑)
GM:(コロコロ)……――そこは黒沙がまったく無い空間です。中心に生えた一本の木から半径50mぐらいが瘴気さえ無い安全地帯になってます。ここではイベントを振っても5の迷子以外は何も起こりません。肉体と精神の抵抗もここでは必要ありません。
シヴァ:セーブポイント(笑)
タータ:せめて休憩所って言うッスよ(笑)
GM:さて、ここに着いた時点でジャバールの記憶ファイナルが発動します。
テヨーラ:ついに最後。どうしてジャバールが記憶を失っているかが明らかになるのね(笑)

◆15.最後の記憶

邪霊が死んだと油断した時だった。その腕が剣と化し自分へと迫ってきた。――避けれない――そう思った時、体は横に飛ばされ、目の前には自分の代わりに邪霊に貫かれたファラーシャがいた。
ジャバール:場面はさっきの続きか?
GM:そうですね。邪霊は最後の力で攻撃してすでに消滅、目の前には邪霊に貫かれたファラーシャが横たわっています。
ジャバール:「ファ、ファ、ファラーシャ……」
GM:「ジャバール……そこにいるの……?」――ふらふらとファラーシャの手が空を切ります。
シヴァ:もう目が見えないんだな(笑)
ジャバール:手を握ろう――「ファラーシャ……僕、僕のせいで……」
(一同爆笑)
ジャバール:だから笑うなって(笑)
アーレン:先生だって笑ってるじゃんか(笑)
ジャバール:恥ずかしいからだよ(笑)
GM:ではファラーシャが――「ジャバール……逃げて、この遺跡はもうすぐ崩れる……このままじゃあなたまで巻き込まれちゃう……」――ゴゴゴゴゴ…と遺跡が揺れ出します。
ジャバール:「でも……でもそれじゃあファラーシャが!」
GM:「私は大丈夫だから……あなたは生きて、私はきっとここで死ぬ運命だったのよ……だから気にしないで……」
ジャバール:「死ぬ運命だったなんて……僕は、そんな運命……肯定する事はできないよ!!」――ああ、それで自立肯定/運命否定か(笑)
GM:せっかくなので(笑)
ジャバール:「そんなの嫌だ! どうしてそんな事言うんだファラーシャ! 太陽を一緒に見るんだろ!? 一緒に地上に出るんじゃないか!!」
GM:「じゃあ後で……後で迎えに来て、私は待ってるから……ずっとずっと待ってるから……約束するから」――ちなみにここで逃げないと、本当に死にます。ファラーシャを連れて逃げてても間に合わずに死にます。
ジャバール:歴史的にここはファラーシャの言う事を肯定する必要があるんだな(笑)――「わかった……わかったよファラーシャ……絶対迎えに来る! 約束する!」
GM:ファラーシャは見えなくなった目のままで微笑みます――「ありがと……ジャバール……」
ジャバール:逃げ出すぞ。
GM:ではその瞬間です。ファラーシャの胸元が輝き、遺跡の中だったのに突然周囲の風景が変ります。
ジャバール:風景が変わる?
GM:それは草原です。草原に横たわるファラーシャ、走っていくジャバール。草原を揺らす風以外は何も無く、ただただ草が揺れている。そして最後にファラーシャの声が聞こえます――「今は忘れてジャバール……そして、いつか約束通り……」
ジャバール:「わかったよファラーシャ、僕はいつか絶対……」――と言った所で夢から覚めるんだな。
GM:そうです(笑)
テヨーラ:でも……具体的に何が原因か不明ね。
ジャバール:草原というキーを手に入れたぞ?
シヴァ:でも黒沙の森に草原は無い。
一同:………………。
GM:では本編へ戻ります。

◆16.始まりの樹

そこは一本の樹があるだけで、瘴気も黒沙も近づく気配が無かった。それは……まるで聖なる力が働いているかのように……。
GM:では頭を切り替えて現実です。
アーレン:じゃあ目的通り――「ファラーシャさん、ここにあなたの肉体は?」
GM:と、そこで全員初めて気が付く。ファラーシャがいなくなっている事に。
アーレン:迷子になってるーーーー!!(一同爆笑)
テヨーラ:さっき裏で振ってたのはソレね(笑)
GM:否定はしません(笑)
ジャバール:「わしは……あの記憶……いや夢はいったい……」――とわしも白昼夢から覚めよう。
タータ:馬鹿になってるカバは放って置いて話を進めるッスよ(笑)
ジャバール:「彼女は!?」
アーレン:「だから迷子になったって言ってるじゃないか!!!」(一同爆笑)
ジャバール:「そ、そうか……じゃあ探さないとな……」
テヨーラ:本当にボーッとしてるわね(笑)
GM:ここからはそれぞれ別行動しても構いません。
ジャバール:「わしは探しに行くぞ。同じ場所で留まっている玉ではないから、西に行く」――「6」へ行く。
アーレン:「先生落ち着いて……あ、先生には僕がついていくから、テヨーラ達は別を探して」――先生について行きます。
タータ:「じゃあ姉御、俺達はさらに南に行ってみるッス」
テヨーラ:ちょっと待って――
ジャバール:もう行った。
テヨーラ:………………。まぁジャバールとアーレンは放って置きます。GM、この瘴気を寄せ付けない木って何? <魔術知識>でわからない?
GM:いや、その判定は必要ない。享受者なら知っていておかしくない樹だから。
テヨーラ:享受者なら? まさか……ザクムの樹?
タータ:PLは知ってるけど、タータは忘れてそうだし――「ザクムの樹って何スか姉御?」(笑)
テヨーラ:じゃあコラムで説明したって事で(笑)
GM:コラムって……第一話とかで説明したような……――
※解説6 「ザクムの樹」
 さりげに説明してなかったので今更ながら……(笑)
ザクムの樹とは天使の死体を養分に、邪霊の王が育てるといいます。頽廃の果実酒の元となる、ザクムの実を実らせます。ザクムの樹は邪霊王イヴリスが側近、19人の首領級邪霊が植えていると言われます。ちなみにザイナヴは上級邪霊なので首領級の一個下です。
シヴァ:そうか……――「俺はここに残る事にする。ファラーシャがここに迷って入ってくるかもしれないしな」――本当はやりたい事があるけど、なんか人道的にまずそうなのでそれは口にしません。
タータ:「じゃあここは任せるッス。行くッスよ姉御」
テヨーラ:「そうね……」――と進んでから振り返って――「シヴァ、ザクムの樹については知っているわよね?」
シヴァ:「ああ、知っている」
テヨーラ:「任せるわよ。それはタータやアーレンには出来ないし、いつものジャバールならともかく、今日のジャバールにはきっとできない……」
シヴァ:「そうだな……テヨーラさん、あんたには俺と同じ後ろ暗い影が見えるよ……いったいあんたは何者なんだ?」
テヨーラ:では腕まくりして体を見せましょうか。それだけしてタータの向かった方に歩いていくわ。
シヴァ:それを見てゾクっと両手で体を抱えよう――「やれやれ……これでもかなり底辺を見てきたつもりだったんだがな……」――テヨーラさんが向かった先を見て――「あれが……末路って奴か」

◆17.森に迷いて

GM:ではここからは別々に場面を行います。まずはアーレンとジャバール組です。代表が1D振って下さい。
アーレン:(コロコロ)……2。
GM:何もイベントは発生せず。西樹林に付きました。黒沙の木々がゆれているだけで、ファラーシャも見つかりません。肉体と精神の抵抗だけは毎回やっておいて下さいね。
アーレン:了解です。
ジャバール:「次だ次! 北に行くぞ」(コロコロ)……5! 迷った(笑)
アーレン:先生!(笑)
GM:どっちが迷ったから決めましょう。奇数ならアーレン、偶数ならジャバールで(コロコロ)……2(笑)
アーレン:「先生の言うように北に着いたけど……って先生がいない!?」(一同爆笑)
ジャバール:(コロコロ)……わしは南に行った事にしよう。ダイスがそう言っている(笑)
GM:では先にアーレンの方をやります。そこは黒い薔薇のような花が咲き乱れる場所です。北西花畑に出ました。ジャバールが迷子になったのでイベントはありません。そして――「アーレンさん!!」
アーレン:「ファラーシャ!?」――って先生何やってるのさ! ここにいるじゃん!!(一同爆笑)
ジャバール:自分の勘を信じてだな(笑)
タータ:迷っている人が言うセリフじゃないッス(笑)
アーレン:「ああ、とにかくファラーシャさん探したんだよ?」
GM:「ごめんなさい……気が付いたら1人になってまして」
アーレン:先生には悪いけどファラーシャさんの手を握ります。これ以上迷子になれても困るし。
GM:「駄目っ!」――と手を引っ込めます。
テヨーラ:『ジャバール以外とは触れ合いたくないの!!』(一同爆笑)
ジャバール:変な事言うなテヨーラ!(笑)
アーレン:「いや、嫌がられても……迷子になられても困るし」
GM:「いえ、私に触らない方が良いです……きっとあなたを傷つけてしまうから……」
アーレン:良くわからんことを……とにかく手を握ります。
GM:ではアーレンは<自我>4/2でどうぞ、失敗すると気力が5点マイナスされます。これはファラーシャに触っている間、ずっと続きます。
アーレン:(コロコロ)……失敗。気力を吸われた〜〜人外だ〜〜(笑)
ジャバール:失礼な!(笑)
アーレン:手を放します。
GM:「ごめんなさい……迷わないように気をつけますから……」
アーレン:「こちらこそごめん。嫌がっているのに無理に……行こう、まずはみんなと合流しよう」――東に行きます。(コロコロ)……イベントは6です。
GM:(コロコロ)……――何も起こりません。北樹林へ戻ってきました。ここから南に行けばザクムの樹の安全地帯です。
テヨーラ:さりげなくファラーシャ迷い判定をGMが止めないのがミソね(笑)
アーレン:6は絶対に敵だと思ったんだけどなぁ……まぁいいか。次は南へ(コロコロ)……2。何事も無くザクムの樹で合流します。
GM:(コロコロ)……――了解しました。では他の組へ移りましょう。
アーレン:って、ファラーシャさんいる? ちゃんと着いてきてる?
GM:それはあとでのお楽しみ(笑)
………………………………………………………………………………………………
GM:ではテヨーラとタータです。南樹林へやって着ました。1Dはどっちが振る?
テヨーラ:全ては運命……タータが振りなさい。
タータ:わかったッス!(コロコロ)……6!
テヨーラ:確か何もなかったわよね? 肉体と精神の抵抗だけ振っておこうかしら(コロコロ)……――
タータ:(コロコロ)……――。
GM:なんで6がイベント発生しないと思うのかね? 2人は<危険予知>4/1で振って下さい。失敗すると逃げる事は不可能とします。
タータ:なんでッスか? アーレンさんの時は大丈夫だったのにー!(コロコロ)……2成功で気が付いた――「姉御、なんか来るッス」
GM:それは黒沙で形作られたゴーレムといった魔物だ。ゆっくりと迫ってくるぞ(コロコロ)……その数4体。
テヨーラ:<危険予知>に成功したから逃げれるのよね? それなら逃げましょう。無駄に闘う必要はないわ。
タータ:了解ッス! それじゃあ東に行ってみるッス!
GM:では新しいマスに来たから肉体と精神を振ってくれ。それとタータはイベントの1Dもね。
タータ:(コロコロ)……4ッス!
GM:ここは黒沙の花咲く南東花畑なんだが、2人とも花の香りに魅了されます。≪精神抵抗≫4/3で失敗すると、花弁に斬られて装甲値使用可能な3d6ダメージを生命力に受けます。
テヨーラ:(コロコロ)……成功。余裕ね。
タータ:ぎゃーー失敗したッスー! 思わず花畑にヘッドスライディングで飛び込んじゃうッス(一同笑)
シヴァ:痛そうだ(笑)
タータ:(コロコロ)……17点ダメージッス(笑)
シヴァ:でかいな(笑)
テヨーラ:じゃあソレぐらいで――「タータ、ここにもファラーシャはいないみたい。次に行くわよ」
タータ:ダーラダーラ血を流しながら――「わかったッスー」(コロコロ)……北に進んでイベントは3!
GM:東樹林へやって来ました。2人とも<防御>で3/4をどうぞ。失敗すると生命力に実ダメージ5点です。
タータ:(コロコロ)……成功ッス!
テヨーラ:無論失敗。
GM:風も無いのに木々が揺れ、葉っぱがスルリとテヨーラの服と肌の間に入りこみます。ガラスのような葉っぱなのでズタズタです。
テヨーラ:「く……」――その表現は痛いわね(笑) まぁ次はザクムの樹のマスへ戻りましょう。そこで一端回復した方が良さそうだわ。
タータ:じゃあ戻るっス(コロコロ)……4で、迷子じゃないから無事合流ッス!

◆18.天使の死体

アーレンやジャバール、テヨーラとタータがそれぞれファラーシャを探しに行った後、シヴァは意を決して自分の予想を確かめに動いていた。ザックザックと音が響く――
GM:ではシヴァに参りましょうか。何をしているかな?
シヴァ:テヨーラさんには以心伝心だったが、このザクムの樹の根元を掘る。ザックザックザック……。
GM:そうすると天使の死体が出てきます。ミイラみたいな感じです。そのミイラには胸の部分が何か抉られたようになくなっています。
シヴァ:心臓の辺りが抉られているのか……GM、ミイラなら髪の毛とかはそのままだろう? やはり長い金髪で女性の天使か?
GM:その通り。もうシヴァやテヨーラが推測していた事が予想通りだったと思っていいよ。
シヴァ:「やはり……ここにあったか」
テヨーラ:戻ってきて良いかしら?
GM:良いでしょう。ではアーレンやジャバールより早くテヨーラ・タータ組が帰ってきます。
タータ:「な、なにやってるッスか!? 死体遺棄事件発生ッスよ」(一同爆笑)
シヴァ:「良く見ろパンダ! これはファラーシャの死体だ」
テヨーラ:「やっぱり……そうだったのね」
アーレン:じゃあ僕も合流します――「お〜〜い! ファラーシャさんを見つけたよ〜〜!」
タータ:「それはこっちの台詞ッスー!」(一同笑)
シヴァ:まさにな(笑)
GM:が、アーレンよ。横を見るとファラーシャがいない。
アーレン:だーーー! また迷ったのかい!!!(笑)
テヨーラ:「アーレン、とりあえずこっちに来て……」――と死体を見せよう。
アーレン:「なんだ、こんな所にあったのか……ファラーシャさんもタイミングが悪いな」(笑)
シヴァ:「それは違う」
テヨーラ:「ええ、ザクムの樹があって、探しているのが天使の死体……それならまっさきにここを探してみるべき……それなのに彼女はそれをしなかった」
アーレン:「でも、それはファラーシャさんが1人じゃここをうろうろできないからであって、ザクムの樹を見つけられなかったんじゃないの?」
テヨーラ:「私はそうは思わない。それならなんで毎回同じタイミングで迷っているの? まるで彼女は自分が見つけたくないみたいじゃない。もしくは……ここに近づけない……かね」
シヴァ:「俺もテヨーラさんの意見に賛成だ。黒沙は悪意に満ちている。ましてここは黒沙の森、その防人って言うほどなら彼女が魔物の方がしっくりくる。俺達をここから出さないためのな」
タータ:「そうだったッスか」(笑)
ジャバール:じゃあそこで登場しよう。
※ジャバールは1人勘を頼りに捜し歩いたが、結局1人でテヨーラやアーレンとは2マス分多く彷徨い、やっとザクムの樹のマスへ戻ってきたのだ。リプレイでは長いのでカットしてある。
ジャバール:「今の話は本当か?」
アーレン:「先生」
テヨーラ:「私とタータは途中、黒沙で創られたような魔物に出会ったわ。彼女はそういう魔物の一種なんじゃないの?」
アーレン:「そういえばファラーシャさんに触れた時、気力を持っていかれたような……」
GM:ジャバールは<魔物知識>4/1、シヴァは≪黒沙術≫4/1で判定して下さい。
ジャバール&シヴァ:『成功』
GM:シヴァはわかります。アーレンの言う効果が黒沙の樹などに直接触れた時に起こる効果だと。そしてジャバールはテヨーラの話を聞いてヴァールラという魔物を思い出します。
ジャバール:(ルールブックを読みながら)「ヴァールラ……自我を持つ黒沙のゴーレム。黒沙使いの放棄した黒沙が、意思を持って動き回るようになったと伝えられている。自分を捨てた黒沙使いの前まで来ると崩壊すると言われている……か」
テヨーラ:「イコール……そういう事じゃないかしら? だから彼女は自分でここにはやってこない」――GMの振ってたファラーシャ迷子判定もフェイクね。
GM:はっはっはっ(←肯定)
ジャバール:「わしは……しかし……彼女は……」
テヨーラ:「どうしたって言うのジャバール? いつものあなたらしくない。もっと冷静になって考えれば当たり前の事じゃない?」
アーレン:「そうだよ先生、今日は何か変だよ?」
タータ:「ツッコミにもキレが無いッス」
シヴァ:そうなのか?(笑)
ジャバール:「そうかテヨーラ……だが、わしはそれを鵜呑みにはできん。本人に確かめるまではな!」――と、ダーっと走って行こう。アーレンが別れたって言う北に向かうか。
アーレン:「先生、1人は危ないって! 行こうみんな!」

◆19.ザクムの樹の下で

ザクムの樹がある守護地から、黒沙の樹が生える危険地帯へと走ってくる。ジャバールはどうしようもなく不安になっていた。やはりあの女性は……
ジャバール:一番に走っていくぞ。1D振るか?
GM:その必要はありません。ファラーシャが待っています。
ジャバール:「ファラーシャ!」
アーレン:そこに僕らも駆けつける!
GM:その前に、アーレン達には妨害が入ります。周りの黒沙の樹が悪意を持って立ち塞がります。遠回りしないといけなくなる……と解釈して下さい。
タータ:「何スかこれ!?」
シヴァ:「あきらかに誰かの意思に従って動いている……やはりファラーシャか」
GM:それと共に木々は黒い葉っぱを舞い散らせます。全員<防御>3/4をどうぞ、失敗すると生命力が5点マイナスです。
テヨーラ:失敗、痛い。
シヴァ:同じく。
タータ:避けたッス!
アーレン:僕も避けた。でも――「先生!!」
テヨーラ:「回り道しましょう。それが一番早いわ」
アーレン:頷こう。
GM:ではアーレン達は、自分達が来るのに相応しいと思ったタイミングでジャバールのいる場所に到着して下さい。タイミングはPLに任せます(笑)
シヴァ:カッコイイシーンで出ろというわけか……任せろ(笑)
………………………………………………………………………………………………
GM:ではジャバールです。
ジャバール:「ファラーシャ!」
アーレン:繰り替えさなくても(笑)
ジャバール:いいだろう、CM入ったんだから(笑)
GM:ファラーシャが言います――「ジャバール…死体を見つけてしまったのね……」
ジャバール:「やはりお前は……」
GM:と、その瞬間ファラーシャの胸が輝き場面が草原に変ります。立っているのはファラーシャとジャバールだけだ。
ジャバール:それと共に完全に思い出して良いか? このタイミング以外に無いと思うんだが(笑)
GM:正しい判断です。シナリオ的にもこのタイミングで記憶障害は解けます。ジャバールは今までの夢を全て過去の記憶として取り戻します。
ジャバール:「ファラーシャ……全て思い出したよ……キミはいったいどうしてしまったの?」
GM:「私はファラーシャであってファラーシャではない……あの人の黒沙である私は、ここに来て始めて意思を持った……そして私にはあの人の表層意識もなぜか移しこまれていた……だからあなたを呼んだの」
ジャバール:「そうか……つまりキミは本当のファラーシャじゃないんだな」
GM:「いいえジャバール、私はファラーシャよ。あなたの事をずっと待っていた。約束したから……それは本物から受けついだ意思……私はその記憶を忘れない」
ジャバール:「……そうか」
GM:黒沙ファラーシャは光り輝いている胸の所から緑色の宝石を見せます。それが光っている正体です。
ジャバール:「それは?」
GM:「これは世界意思の雫……私が肉体から奪ったもの……効果はいろいろあるけど、この<草原>の雫は……覚えているでしょジャバール? いえ、覚えていないからこそ効果を知っている……矛盾しているけどね……」
シヴァ:なるほどな、それがザクムの樹の下にあった死体の胸に入っていたモノか。
GM:「草原は全てを白紙に戻すの……ジャバール、全てを忘れてここで一緒に私と生きて……約束通り、迎えに来てくれたんでしょう?」――草原が輝き出します。効果を言うと"肯定した場合"記憶が消えます。拒否した場合記憶は消えません。
ジャバール:そうか……昔はファラーシャの言う事に従っていたから記憶が消えたのか……。
GM:「ね……ジャバール?」――すぐ近くまで近づいてきます。
ジャバール:「すまないファラーシャ……もう忘れるわけにはいかないんだ……」
GM:ではファラーシャの腕が黒沙に変って襲い掛かってきます。命中は6です。
ジャバール:(コロコロ)……<防御>で7成功。避けた――「やはりキミはファラーシャじゃない」
GM:「どうしてそういう事を言うの? 私はあなたの事を覚えている。あの人はあなたに負い目を持って生きて欲しく無くて記憶を消した……そして、やがてあなたがもう一度やって来てくれる事を……もう一度あなたと一緒に生きる事を祈った……」
ジャバール:「だとしても……やはりキミはファラーシャじゃない。彼女はそんな事を望んではいない。望むはずが無い……記憶を消した理由がその通りだったとしても、キミのいう通りにする事はファラーシャの約束とは違う」
GM:「ジャバール……」
ジャバール:「その顔で、その声でファラーシャを語るな! 彼女は今も僕を待っている! 約束通り僕が迎えに行くのをきっとどこかの獄で待っているんだ! これ以上ファラーシャを汚すようなら……」――ここで全ての獣甲が起動する! 縛龍手は吼え声を上げ、迅雷速は駆動音を響かせる! 天殺翔から煙が噴出し、いつの間にか頤を手に握っているんだ――「孤高の戦士ジャバールが、お前を倒す!!!」
アーレン:「先生!!!」――ここで登場しよう(笑)
テヨーラ:そうね、追いついた事に。
シヴァ:手袋は外しておこう。
タータ:今、カバが自分の事を"僕"って言ってたッス(一同爆笑)
ジャバール:そこは聞き流しておけ!!(笑)
アーレン:そうだよ! 可哀相だからツッコまなかったんだから!(笑)
ジャバール:………………。
GM:ではここからイシニアで決定します。こっちの黒沙ファラーシャのイニシアは7です。
ジャバール:<迅雷速>の効果でイニシアを10にするぞ。そして――「アーレン、テヨーラ……悪いがここは黙っていてくれ。これはわしがつけねばならぬ決着なんだ」
アーレン:抜きかけてた冥獄刀を元に戻そう。
テヨーラ:「タータ、今は見守りましょう」
タータ:姉御に言われちゃ動けないッス(笑)
シヴァ:手袋はしないが、戦いには参加しない。今は戦士としての戦いを見守ろう。
ジャバール:ではわしから行くぞ。頤で牽制(コロコロ)……5成功のダメージ14点!
GM:ファラーシャの腕が黒沙の花びらのように散ります。
ジャバール:そのまま連撃(コロコロ)……牽制で6成功、堕落使って7成功にする。ダメージは14点!
GM:もう一方の腕が散ります。そしてこっちの行動ですね。散った腕が再生して――
ジャバール:ちょっと待て、なんでそっちなんだ。こっちはまだ終らん。
GM:アレをやる気ですか。どうぞ、失礼しました。
ジャバール:闘技チットと気力20点を消費して【闘戒】発動で連撃上限+2! そして渾身(コロコロ)……5個成功のダメージ33点!
GM:一瞬、黒沙ファラーシャの体が上下に分かれます!
ジャバール:そして最後だ! 渾身の(コロコロ)……6成功! 34点ダメージだ!
GM:うわ、生命力45点しかないのに20点近くオーバーキルだ(笑) その一撃で黒沙ファラーシャは黒い花吹雪のように散り散りになります。そして緑色の宝石だけが残ります。
ジャバール:わしは――「………………」

◆20.新たなる約束を君と

黒沙ファラーシャが散った後、そこには緑色の宝石だけが残っていた。
ジャバール:無言で拾おう。
GM:それは世界意思の雫と言われる物です。
ジャバール:世界意思の雫?
※解説7 「世界意思の雫」
 見た目よりかなり重い宝石、その宝石は周囲にさまざまな風景を映し出す…それが世界意思の雫です。微弱な自我を持ち、数を揃えるごとにその意思は確かなものになって行きます。10個程で人間並みの思考をします。その自我が何なのかは解明されていません。イブリス、アズラエル、ラスマーンやフィサール……など等、果てはこの世界そのものの意思だという説も出ています。とにかく雫を多く集めれば地上へ帰る為の扉になるとも言われており、各紫杯連は(特に陵渦は)争奪戦を行っていたりします。 雫は一定量集ると所有者が持つに相応しいか試練を与える事もあります。その試練に耐えた者を所有者だと認めるのです。世界意思の雫には別の力もあります。映し出した世界を開放する事で奇跡をもたらすのです。しかし、その奇跡を使うと世界意思の雫は蒸発してしまい、再びジャハンナムのどこかへと散って行ってしまいます。
GM:そして<草原>の雫はジャバールを主と認めます。ジャバールは到達ポイントを一つ得て下さい。
ジャバール:今までもいろいろあったせいで、8点目か。
アーレン:僕らは7点のまま?
GM:ジャバールだけです。
シヴァ:そう言えば俺は何点持っているんだ?
GM:じゃあ4+1D6で振ってみて。
シヴァ:(コロコロ)……4だから俺は8点持っているらしい。他の人は何に注ぎ込んでいるんだ?
アーレン:聴覚。
ジャバール:臭覚。
テヨーラ:視覚。
タータ:体感ッス。
シヴァ:じゃあ直感に注ぎ込んでおくか。
GM:<草原>の効果はあとで教えます。
ジャバール:了解した。わしはちょっと落ち込んでいよう、雫の効果だとはいえ何よりも大切な約束を今まで忘れていたんだ……。
テヨーラ:「ジャバール、ちょっと一緒に来てくれないかしら?」
ジャバール:今はふらふら着いて行こう。
テヨーラ:ザクムの樹の場所に行きます――「タータ、あなた達はそこで待ってなさい」
シヴァ:黒沙の樹は襲ってこないか?
GM:黒沙ファラーシャが死んで、一時的に黒沙の森も大人しくなっています。このセッション中はもう襲われません。
タータ:じゃあ安心して待ってるっス。
アーレン:僕もタータとクーと一緒に待っていよう。
シヴァ:俺は海岸回って、潮の流れが良い所で沙舟を作るか。
ジャバール:で、テヨーラは何をするつもりなんだ?
テヨーラ:「ふふ……」――ザクムの樹に手を付いて神語を唱えます――<死者よ、我が問いに答えよ>(コロコロ)……4成功。
一同:『おお〜〜!』
GM:あったなぁそんな魔術。
タータ:さすが姉御ッス!
アーレン:そんな術まであるんだねぇ。
テヨーラ:私の神の言葉と共に、ザクムの樹の根元からゆっくりと女性の霊が現れます。
ジャバール:「テヨーラ……お前」
テヨーラ:「制限時間は15分……私にできるのはここまでよ」――私もアーレンたちの方へ去っていきましょう。
GM:本当は質問4回までっていう制限があるけど今回は無視しましょう(笑)
テヨーラ:ええ、その方がいいわね(笑)
ジャバール:思わず見つめちゃうぞ、こんな魔術があったなんて……もちろんファラーシャをだ。
GM:ではぼんやりとした霊体が、長い金髪の天使の姿へと変わっていきます。彼女はキョロキョロ見回したあと――『……ジャバール!?』
ジャバール:「ファラーシャ……いろいろあってね、会いに来たよ」
GM:最初は戸惑っていたファラーシャですが、すぐに状況を理解して――『ええ、あなたが来てくれた時は本当に嬉しかった。強くなったねジャバール』
ジャバール:「そりゃそうさ……あれから何年経ったと思っているのさ? 20年だよ……20年も……僕はキミとの約束を……ごめん……ごめんよファラーシャ……」
GM:『何言っているのよ。ちゃんとあなたは来てくれた。約束通り会いに来てくれた。どうしてそれを謝るのよ?』
ジャバール:うおおお、確かにファラーシャだー――「うん、そうだね。でも僕1人じゃ駄目だった……アーレンやテヨーラ、皆がいたから来れたんだ」
GM:『信じられる仲間ができたんだねジャバール』
ジャバール:「とても気の良い奴等でさ……今、僕はとっても……とっても…………」
GM:『ジャバール?』
ジャバール:「でも、やっぱり僕はファラーシャ! キミとまた旅をしたい! 肩を並べたい! だから……だから絶対に迎えに来る! だから絶対に迎えに行く!」
GM:『………………』
ジャバール:「必ずキミを救い出す……だから……だから待っててくれファラーシャ!」――見つめよう。
GM:少しの間見つめてから――『本当はね……あなたには私の事なんか忘れて、自由に生きて行って欲しかったの……だから雫の力を使って記憶を消した……』
ジャバール:「ファラーシャ……」
GM:『あの約束は私だけが覚えていれば良いって思ってた……獄でどんなに辛い思いをしても、例え未来永劫希望が無かったとしても、私は私がその約束を覚えている限りどんな事にも耐えられた……でも嘘……そんなの嘘だった……辛かった、苦しかった、獄になんてもう戻りたくない! ずっと…ずっとあなたに会いたかった……ずっと……ずっと待ってた』
テヨーラ:いつも弱みを見せまいと強気だったファラーシャが、初めてジャバールの前で弱いところを見せるのね。
ジャバール:そういうナレーション入れるな! 悲しくなるだろうが!
GM:『ジャバール……私ね……』
ジャバール:「大丈夫ファラーシャ。絶対に約束は守るよ。だからそんなに心配しないで……僕も強くなった。あの頃とは違う。すぐに迎えに行く……絶対に」
GM:と、そんな所でファラーシャの体がゆっくりと色を失っていくんだ……。
ジャバール:「ファラーシャ!」
GM:ファラーシャはゆっくりとジャバールの近くまで降りてくると、キスをします。そして何事か口を動かしたあと消えて行きます。最後の言葉は聞き取れませんでした。
ジャバール:うおおおおおおおおおおお――! とジャバールは1人男泣きだ。
その時、1人の男の泣き声が誓いの声と共に黒沙の島に響き渡った……。

◆21.享受者

黒沙の流れを読み、森の西岸で沙舟を作ったシヴァは、アーレンとタータとテヨーラを呼んで出発の準備をしていた。
GM:一方、シヴァは沙舟を完成させたって事でいいかな?
シヴァ:問題ない。判定も成功したしな。アーレン達を呼んでこよう。
アーレン:では呼ばれました。
GM:いやいや早いって(笑) 今はシヴァに呼ばれて向かっているって所です。
アーレン:ん? 今日のシナリオは終了じゃないの? 先生の話にも決着ついたし。
GM:そうですね。"ジャバールの話"はさっきの場面で終了です……が、このキャンペーン"魔装刀士伝"の最終回への最後の引きはこれからです。
タータ:アーレンの話が終ってないッスよ(笑)
アーレン:でも僕の話なんて今日あったっけ?
GM:ではアーレンは<自我>4/4で判定して下さい。
アーレン:無理じゃん(笑)
テヨーラ:幸運の助けを願ってやるのね。
アーレン:(コロコロ)……ゾロ目! でも1ゾロだから失敗(笑)
GM:アーレンは何も気が付かずにシヴァの所までやってきました。アーレン以外の他は
<感覚鍛錬>で4/3どうぞ。
テヨーラ&タータ:『成功』
GM:2人はすでにシヴァと一緒に沙舟の辺りにいます。でアーレンが一番後から近づいてくるのですが、アーレンは何気ない仕草で自分の荷物から"世界の手鏡"を取り出すと、ポトリと地面に落として何事もなかったようにやってきます。
アーレン:は? 僕はそれに気が付かないの?
GM:気が付きません。テヨーラとタータだけはそのアーレンの不思議行動を目の当たりにします。
タータ:「アーレンさん、何をやってるッスか? 手鏡落としているッスよ?」
アーレン:「え?」――と後ろを振り返ろう。落ちてます?
GM:落ちてます……が、黒沙の森から出てきた男がその手鏡を拾います――「これはトンボ様が貰っておこう」
一同:『やっぱりかーーー!!!』
GM:おろ、わかってたかい?(笑)
アーレン:そりゃあ、僕の話で終ってないって言ったらトンボさんぐらいしかいないし。
シヴァ:そういえば俺はトンボに会うのは初めてだな……だが今の技は心当たりがある――「今のは……」――と、呟こう。
アーレン:「トンボさん? なんでここに……それにその手鏡は僕の」
GM:「やあ、アーレンまた会ったね。実はちょっと依頼を受けてやって来たんだ。手鏡はトンボ様が拾ったものだけど?」
シヴァ:むちゃくちゃだな。
アーレン:「えっと……その手鏡ってそんなに凄いものなの?」
GM:「ふむ……この手鏡の周りについている宝石を知らないのかい?」
テヨーラ:!!(←気がついた)――「世界意思の雫」
GM:「ご名答。ものによっては10万Di以上はするからね、ついでに貰って置くよ。この雫達はチミ等を所有者と認めていないようだしね」
タータ:認めていない?
GM:今はただの価値のある宝石だと思って下さい。詳しい説明は次回します――「どうせチミ達には必要のなくなるものだからね」
タータ:「必要なくなる……ッスか?」
シヴァ:「おい、トンボとか言ったな……貴様、どうやってこの島へ着た。ここに来るにはアスワドの里で育った黒沙使いでないと無理なはずだ」――他の黒沙使いじゃ潮の流れが読めないだろうからな。
GM:「ああ、気にしないでくれたまえ。トンボ様に快く協力してくれた人がいたのでね」――と言うと、黒沙の森の中から、フラフラーと焦点の定まらぬ目をしたビクニール長老が現れます。
アーレン:「あの人……ビクニールさん!」――先生と戯れてたから名前覚えてたよ(笑)
タータ:「カバの人ッス」
ジャバール:………………。
GM:長老ビクニールは――「トンボ様は我がご主人……トンボ様は我がご――」と繰り返しています。
テヨーラ:「魔術……いや、それとも薬かしら?」
シヴァ:「いや、あれは魔術さ……それも俺と同じ呪われた力」
GM:トンボはピクっとしよう。ちなみにシヴァが知っている通り名は"黄白目"です。
シヴァ:了解した――「アーレンの腕が自意識無く手鏡を落とした所でおかしいと思ったんだ……そして今、自我を失わされた長老を見て確信した。黄白目の邪眼師トンボというは……貴様だな」
タータ:「邪眼師ッスっか!?」
アーレン:ビクっとしてトンボさんに警戒態勢。
テヨーラ:邪眼……なるほどね。
GM:「やれやれ……その名を知っているとは恐れ入ったね。まさか本当のトンボ様を知っている人間がいるなんてね」……とトンボは自分の分厚いメガネを外します。その左目は縦に裂けた金色。邪眼です。
シヴァ:「やはり……か」
GM:トンボはその邪眼を光らせると、シヴァの手袋に視線を止めます――「なるほど……通りで知っているわけだ。トンボ様の名は呪殺組合(邪眼使いの相互組織)で聞いたのかな?」
シヴァ:「チッ……同じ邪眼使いに隠し事はできないか」――手袋を外そう。今トンボは透視したな?
GM:その通りです。透視能力は邪眼の十八番ですから(笑)
タータ:透視能力……って、だからカリュオンでオレの残金を的確に言い当ててたわけッスね! ひどいッスよ!(笑)
ジャバール:そうだったのか(笑)
アーレン:「トンボさん、さっきあなたは依頼を受けたって言ったけど、それは手鏡を奪って来いってものだったの?」
GM:「手鏡はほんのついでだよ。トンボ様が受けた依頼は……アーレン、チミ達を殺すことだ」
アーレン:ズサッっと半歩下がりましょう。この人は今まで見た享受者の中で、たぶん一番の実力者だと思うし。
テヨーラ:「1つ聞かせてくれないかしら……いったい、誰に依頼されたのかしら?」
GM:「赤い翼を持った3姉妹の堕天使だったね」
アーレン&ジャバール:『いたなぁ〜そんなキャラ』(笑)
タータ:「誰ッスかソレ?」(一同爆笑)
アーレン:またか! そのボケはもういい!(笑)
テヨーラ:PLは知っててもテヨーラは知らないのよね(笑)
GM:「悪いねアーレン、チミの事は良い享受者になると目をかけていたんだが……これも依頼だ。我が冥獄刀"蜻蛉"の銘に賭けて、チミの命を貰うとしよう」――スラリと薄羽のような冥獄刀を抜きます。
アーレン:カッコイイんだよなぁ……でも、ここで臆するわけにはいかない。腕を一振りするとその手には巨大な冥獄刀が握られているんだ!――「トンボさん。僕もあなたの事はちょっと……いや、かなり変な人だとは思っていたけど(笑) それでもプロの享受者として尊敬していた。……でも、だからといってここであなたに斬られるわけにはいかない。全力で戦わせて貰う」――構えを取ります。
GM:では、本日の真なる最終戦闘へと入ります!!

◆22.冥獄刀vs冥獄刀

トンボの冥獄刀"蜻蛉"が、その薄羽の刀身を震わせて甲高い声を上げる。アーレンの冥獄刀"生者必滅"が、その分厚い刀身より重厚なる意思を解き放つ。これほどの戦いを、このジャハンナムにいるどれほどの享受者ができるだろうか……。
アーレン:<先制>使って(コロコロ)……15!
シヴァ:同じく<先制>使って……13。
GM:トンボは敏捷・感覚が5あるのでイニシアは15です。
テヨーラ:私は14よ。
タータ:13ッス!
ジャバール:わしはどうすればいい?
GM:明らかに殺気を感じます。冥獄刀と冥獄刀の殺意に似た剣気がぶつかろうとしているので。次のターンに駆けつけるってことでお願いします。
ジャバール:了解した。
GM:さきにNPCであるトンボの闘気チットと堕落ポイントについて説明しておきます。
アーレン:やっぱ使ってくるのか。
GM:堕落ポイントは使いません。ただし、1ラウンドに3回まで闘技チットの本数を無視して【闘技】を使います。
タータ:微妙ッス(笑)
テヨーラ:……いざという時は堕落ポイントの方が有利だけど……NPCとしてなら、そのルールの方が使い勝手はいいわね。
GM:まぁそれだけ強いと納得してくれると助かります(笑)
アーレン:構わないよ。本当の享受者と本気の戦いをするんだ。それぐらいじゃないと先生に笑われる(笑)
ジャバール:よく言ったアーレン(笑)
GM:と、言うわけでアーレンです。
アーレン:まずは<檄吼>……と行きたいけど、ここまで気合入れちゃったら移動して攻撃でしょう! 近づいて(コロコロ)……牽制の5命中!?
GM:無論カウンター(コロコロ)……7成功。アーレンの大降りに蜻蛉が滑り込む……合計28点ダメージだ。
テヨーラ:そんなに!?
アーレン:実はそのカウンターダメージの殆どが僕のダメージです(笑)
タータ:刀が大きいだけあってダメージもでかいんスね(笑)
GM:「その程度かねチミの力は」
アーレン:「まだまだ…これで終わりじゃない」――<不諦>を使って連撃続行! 通常で(コロコロ)……
GM:「ほう!?」
アーレン:まずい。成功が5だ…22点ダメージ(笑)
GM:通常だね? カウンターで(コロコロ)……7成功だから、合計35点!
アーレン:死亡!!!(笑)
一同:『早いよ!!』(一同爆笑)
アーレン:これが4レベルの戦いだ!
ジャバール:自慢にならんぞ(笑)
アーレン:生死判定か(コロコロ)……判定は成功、気絶して倒れよう。なんか第一話を思い出す……僕って何も成長してないなぁ(笑)
GM:「まだまだ若いねぇチミは……さて、まずは1人で100万Di。次は誰にしようか……」(コロコロ)……シヴァに目が合います。
シヴァ:来るが良い。
GM:「チミに決めた……」<直破>使用! トンボが冥獄刀を振るうとその刃から真空破がシヴァ目掛けて飛んできます。牽制の(コロコロ)……9命中でダメージ9点、装甲値無視。
シヴァ:(コロコロ)……防御は無理だ。ブシャァっと血が飛び散る――「な!? いったい今、何を……」――膝をつく俺!
GM:では連撃<直破>で渾身シヴァへ(コロコロ)……5成功のダメージ23点、装甲値無視。
シヴァ:(コロコロ)……やばいな、まだ死んでないって程度だ。片膝を付いたまま嬲り殺しにあってる。
GM:最後の<直破>渾身シヴァへ(コロコロ)……4成功のダメージ21点ダメージ。
シヴァ:<防御>が(コロコロ)……2個成功で、入るのが17点だから、ぎりぎり1点で残ってる! 痛ってー!
GM:「それが邪眼師の限界だよ、それだけじゃ生きていけないのだよチミ」
シヴァ:「………………」
テヨーラ:次は私ね(コロコロ)……<影よ、動きを縛る糸となれ>が成功。トンボは次にダメージを受けるまで、敏捷を基本とした判定は全て達成値を1低くして下さい。トンボの影から無数の手が伸びて動きを封じます。さらに<明声錬><言の葉の槍よ敵を貫け>。
タータ:俺は<檄吼>して終わりッス。
シヴァ:ここはせめてエリクサーで回復しておくか(コロコロ)……10回復だ。
タータ:そこでわしがやってこよう――「嫌な殺気を感じて来てみれば……トンボか」
GM:「やあジャバール、一足遅かったね」
ジャバール:「………………。お前とは本気でやりあう予感はしていた」

GM:では次のラウンドです。アーレンが死んでるのでトンボの攻撃です通常で<直破>をテヨーラに(コロコロ)……うお、10成功の10点ダメージ。
テヨーラ:(コロコロ)……無理。死にはしないけど。
GM:連撃<直破>通常(コロコロ)……8命中の17ダメージ。
テヨーラ:痛いなぁ、そろそろ死ぬかも。
GM:三連撃目の<直破>渾身(コロコロ)……む、2命中の25ダメージ。
テヨーラ:堕落ポイント使って(コロコロ)……3で回避した。
GM:「もう少しだったのだけれどね」
テヨーラ:「まだ死ぬ運命に無い……それだけよ」――<声練>キャンセルで回復をします(コロコロ)……<癒す天上の歌よ>が5成功で、アーレンもシヴァも私も7点回復です。
アーレン:まだマイナス〜(笑)
タータ:じゃあ怖いからやりたくなかったッスけど、アーレンが危険なので決意したッス! <言の葉の槍を、敵を貫け>をアーレンに対して<声練>するッス!
アーレン:血迷ったかタータ(笑)
タータ:いや、この神語術に失敗すると対象が回復するッス! オレはうまく言葉をいえないッスから、もしかしたらそれで回復するかもしれないッス(笑)
テヨーラ:でも奇跡的に(幸運の助けルールとかで)成功しちゃったら、ダメージだけどね。
アーレン:………………まぁ今の僕に拒否権は無いけど……祈るしかないか。
シヴァ:では俺か――<病を与える眼>(コロコロ)……6成功、トンボに<肉体抵抗>を求めます。
GM:はっ! 強靭は苦手なのに(コロコロ)……2成功で失敗。
シヴァ:「お前の刀の振り……腰か……」――関節痛で敏捷力マイナス2だ!
GM:な!?
ジャバール:い、いやらしい戦い方だ(笑)
シヴァ:「これが邪眼の真骨頂……途中で刀士の世界へ逃げたお前は、邪眼の本当の恐ろしさをしらない……俺が、このシヴァが教えてやる。真なる意味での呪われた力って奴をな」(一同爆笑)
アーレン:悪役だなぁ(笑)
ジャバール:さて、わしの番だが……個人的にはアーレンに復活してもらってトンボを超えてもらいたい所だが、どうしたものか……。
シヴァ:ジャバールさん、前に言ってた気力へダメージを与える攻撃できないか? 邪眼術は気力消費が激しいからな。
ジャバール:よし、それで行こう。アーレンの前に立つようにトンボに近づいて、肩に付いた<縛龍手>の龍が咆哮を上げるぞ! トンボは【感覚】4/4で抵抗してみろ。失敗すれば気力を15点消失だ――「バオオオオオオ!!!」
GM:(コロコロ)……失敗した。15点も取られるのか……「それがチミの本気かい?」
ジャバール:「ふん、気が変ったんだ……お前と本気でやりあうのはわしではない」
GM:「それは…余裕のつもりかな?」
ジャバール:「そうではないさ。だからこそお前の邪眼は封じさせてもらおう」――アーレンが復活するまで気力を削りまくってやる(笑)

GM:ではこっちの行動だ。トンボはジャバールへ<瞬閃>牽制(コロコロ)……11命中の10点ダメージ。
ジャバール:(コロコロ)……カキン! 効かない。
GM:連撃牽制(コロコロ)……11命中の11ダメージ!
ジャバール:(コロコロ)……<防御>4成功でカキン!
アーレン:硬いなぁ(笑)
GM:「さぁウォーミングアップはこれまでだ……本気で行くぞ」<瞬閃><奥義・終刺>渾身(コロコロ)……8命中の43点ダメージ!
ジャバール:43!? <防御>(コロコロ)……4成功で13点防御しても30点くるか。
アーレン:奥義強いな(笑)
GM:連撃はここで止めます――「まだ死にはしないか……やはりチミは凄い男だ」
ジャバール:「男……か。やはりお主は本物の享受者だな。だからこそわしではなく……アーレン! 早く起きぬか!!」
アーレン:無茶を言うよ先生。まだマイナス13点なのに(笑)
テヨーラ:もう一度<癒す天上の声よ>(コロコロ)……5成功で、全員7点回復!
シヴァ:では俺だ。再び<病を与える眼>(コロコロ)……5成功。効果が違えば重複するらしいしな――「今度は発熱してもらおうか」
GM:(コロコロ)……失敗。
シヴァ:【強靭力】がマイナス2だ。<防御>も<肉体抵抗>もしにくくなったただろう(笑)
タータ:いやらしい戦い方ッス(笑)
GM:「これが本気で邪眼を極めた者の戦いかねチミ」
シヴァ:「まだまだこれからさ」
タータ:じゃあオレが神語<言の葉の槍よ、敵を貫け>をアーレンにッス!(コロコロ)……1成功なので、キラキラと光が舞い降りてアーレンは9点回復ッス! さらに闘技チットを一枚でも持っていた場合は体に赤い紋章が浮かぶッス(笑)
アーレン:赤い紋章浮かんだー(笑)
テヨーラ:生命力がプラスになったから<生存>4/1で成功すれば気がつけるわよ。
アーレン:(コロコロ)……成功! じゃあ起き上がった! 現在生命力1点(笑)
ジャバール:わしは<縛龍手>で吼えるぞ!――「バオオオオオ!!!」
GM:(コロコロ)……失敗。気力が15点減った。
ジャバール:「さぁアーレン、そろそろ出番だ」
アーレン:「うん、わかっているよ先生」――ジャキンと冥獄刀を構えます!

GM:「立ち上がったかアーレン、でもチミはもうフラフラじゃないか?」
アーレン:「例えトンボさん……あなたの方が強かったとしても、ここで殺されるわけには行かないんだ」
<瞬閃><奥義・終刺>通常(コロコロ)……11命中のダメージ33点!
GM:防御は3個しか触れなくなってるからなぁ、ここはカウンターを――
テヨーラ:まだ影で縛られているのを忘れないでね?
一同:『おお!?』
GM:無条件で受けるしかないのか…30点入った――「くっ……だが、これで影の戒めも解けた」
アーレン:2連撃目! <奥義・終刺>通常(コロコロ)……9成功のダメージ37点!
GM:<防御>(コロコロ)……2成功で32点来たか、しかし闘技チットも尽きただろう――「チミの限界はそこまでだ……」――次の連撃にはカウンター狙います。先に言っておこうカウンター命中達成値に+2の<絶業>宣言!
アーレン:闘技チットが無かったら【銘醒】使って、気力をチットに! 即使用の<奥義・終刺>通常の(コロコロ)……命中7のダメージ38点!
GM:トンボの蜻蛉が甲高い音を立ててアーレンの刃の下を滑るように走っていく! カウンター(コロコロ)……+2合わせて8命中でカウンター成功! ダメージ14だから合計52点!!――「今度こそ終わりだ……チミの負けだアーレン」
アーレン:それを食らうと本気で死ぬから堕落ポイント使って8命中にする! トンボさんの刃が届く寸前、僕はそれを見切っていたようにかわすんだ!
GM:「な!?」
アーレン:体から赤い紋章を浮き上がらせて、さらに邪霊の力をほどばしらせて一気に飛び込んで薙ぎ払う! カウンター成功!!!
GM:52点か……ちょうど生命力0だ――「トンボ様が……やるねぇチミぃ――」倒れます。ついでに<生存>で生死判定が(コロコロ)……0成功で失敗。トンボの冥獄刀が一斉に黒い羽虫になって消滅します。トンボも完全死しました。邪眼で【強靭力】減ってたしな(笑)
ジャバール:死んじゃったか(笑)
GM:最後に少しだけ喋ろう――「アーレン……まさか冥獄刀を探していたチミが、ここまでやるとはね……」
アーレン:「トンボさん、あなたがコレを届けてくれなかったら死んでいたのは僕だったよ」
GM:「ふふ……依頼はこなす。それが享受者だからね……一つだけ覚えておくといい」
アーレン:「?」――という顔を。
GM:「冥獄刀を持った者は、その力の代償に進むべき道を固定される……チミは死ぬなよ……」――トンボの肉体から光輝く羽虫が飛び出し、闇と絶望の砂漠を越えゲヘナへと飛んでいきました。
テヨーラ:「獄へ……行ったのね」
ジャバール:「アーレン、確かにトンボの言うように道は決まっているのかもしれん……だが、その先を死とするか、地上への光とするか……それはお主しだいだ」
アーレン:「……はい」
アーレン達は沙舟で闇と絶望の砂漠へと乗り出し、黒沙の森を後にする。
漆黒の波を越え、目指すはゲヘナ……血河の獄。
暗雲垂れ込む地獄の空に、希望の光は差し込むのか。
邪霊の力を纏い、冥獄刀に誓いを立てた1人の刀士……その未来に悲壮の運命が舞い降りる。
ゲヘナリプレイ
『孤高の戦士ジャバール』 了
――次回、最終回……――


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