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アラビアン・ダーク・ファンタジーRPGゲヘナ

――かつて砂漠にシェオ−ルと呼ばれる都市があった。栄華を極めたその都市は、邪神イブリスと一人の人間が抱えた怨念により、地獄へと落ちる事となる。
――数百年後……現在。都市と共に生きたまま地獄へ落ちた人間達は、今だその活力を失ってはいなかった。人々は地獄の中で自分達の生活圏をジャハンナムと呼び、そして、その他の非生活圏である地獄の事をこう呼んだ――"ゲヘナ"と。
2004年12月26日セッション
シナリオ『血河の獄』リプレイ


――魔装刀士伝:最終回――

地上を目指して……


◆1.享受者達の物語

GM:さぁみなさん! 気合入れましょう、今日が最終回です!
一同:『お〜〜!』
GM:と、言うわけでまずは何が成長したか申告お願いします!
ジャバール:じゃあわしから行くぞ! なんと≪獣甲術≫がついに5Lvになったぞ!
GM:一本伸ばしの極地ですね(笑)
ジャバール:そう、孤高も5Lvだ! ついでに生命力と気力も上げて<防御>を1Lv上げたぞ。
タータ:孤高レベルが上がるって……どんどん1人寂しくなって行くッスか?(笑)
ジャバール:はっはっはっ、まだまだタータじゃ"孤高"の真の意味はわからんようだな(笑)
アーレン:(←電子辞書で途端に調べ出す)――ああ、本当に意味があった。確かに先生の言う通りだ。
ジャバール:だろ? "孤高"と"孤独"は全然意味が違うんだよ(笑)
タータ:な、何が違うッスか? 教えて欲しいッスよ。
GM:いや、教えないでいいからタータの成長をまず教えてくれ(笑)
タータ:うい、わかったッス……えっと、術技ポイントが余るのも勿体無いんで≪神語術≫を姉御と同じ3Lvにしたッス! さらに<先制>と<精神抵抗>を覚えて、生命力と気力をアップしたッス!
GM:了解。テヨーラは?
テヨーラ:生命力と気力をMAX上げて、さらに≪神語術≫を4Lvにして終了。
タータ:ああ、姉御がオレの上を行ってるっス!(笑)
テヨーラ:一緒にされたくは無いからね(笑)
シヴァ:俺は生命力が+4と気力が+6上げて、<防御>を2Lvに上昇させた。さらに≪黒沙術≫を3Lvにしたぞ。
GM:では最後はアーレン!
アーレン:生命力・気力を56・36に! さらに≪妖霊使役≫を2Lvに上げ<自我>1Lv取得した! これで自制心も多少は強くなる。



名前 :アーレン
種族 :人間/黒髪黒目で赤銅色をした肌をしている。
年齢 :17(男)
術技 :刀術4、魂装術2、妖霊使役2
能力値:筋力4、強靭4、敏捷5、感覚2、精神5、知力2
生命力:56  気力:36  イニシアチブ:13
技能 :防御3、先制1、精神抵抗2、応急手当1、武器戦闘(敏)1、舞踊1、軽業1、自我1
闘技 :影刃、瞬閃、終刃、反業、無限、流水、魂装・撃、魂装・穿、魔業、霊絶、檄吼、霊合、復技、無幻、不諦      銘醒、奥義・終刺
魔具 :抗魔、危那、座空、客食、速身、練魔、生命、護魂の壷×5、気復×5、解毒薬×10、エリクサー×5、冥獄刀、世界の手鏡(未覚醒の世界意思の雫×10)
信条 :友情肯定的/身分否定的
妖霊 :クーヤゥ(天真爛漫な少女の妖霊)/舞踊、声真似、非実体化、危難の予感

説明 :友情に熱い魂装刀士の青年。邪霊に従う事で生き返った親友ハーディアに、ラティを殺され絶望の淵に…。しかしラティを反魂する為に再び立ち上がり妖霊クーヤゥも連れて旅を続けている。目指すは邪霊ザイナヴが支配する「血河の獄」。冥獄刀"生者必滅"を携えついに獄へと到着する。一人称は「僕」。

冥獄刀(銘:生者必滅)
形態:<神を断つ衝撃(2Lv)>
基本値:2/3/5
基本ダメージ:13/15/17
追加特殊能力:<安寧の館(2Lv)><見えざる閃光(2Lv)><翻る風>

説明:刀身が通常の倍の大きさに巨大化している刀。しかしその所有者と冥獄刀に認められた者は片手で振り回す事が可能。享受者自身の非利き腕を鞘として扱い。通常時は大きさを無視して腕に同化しておりバレる事は無い。<翻る風>の効果により連撃中に対象を変更する事が可能。また闘技【飛凰】を闘技チット無しで使用可能。冥獄刀に認められる条件は「特定の邪霊や獄を滅ぼす誓い」である。



名前 :ジャバール 
種族 :獣人/草食獣タイプ(カバ)
年齢 :35(男)
術技 :獣甲術5
能力値:筋力5、強靭5、敏捷3、感覚2、精神2、知力2
生命力:55  気力:33  イニシアチブ:8
技能 :剛力4、生存1、肉体抵抗1、防御4、魔物知識1、裏知識1、素手戦闘1、自我1、応急手当1
闘技 :鋼壁、斬虚、絶闘、闘戒、裂闘、爆刺、撃壁
獣甲 :剣腕、迅雷速、天殺翔、縛龍手、頤、加命蟲、練丹蟲、鎧獣・改、晶突、絶飛滅
魔具 :漲力、練魔、気復×3、エリクサー、テリアカ、世界意思の雫<草原>
信条 :自立肯定的/運命否定的

説明 :本人曰く"カッコいいカバ"である。その実力は凄まじくアーレンもジャバールの事は「先生」と呼んでいる。孤高の戦士ジャバールとは本人談だが、ジャバールの過去が明かされる事によってその孤高レベルは誰にも止められない事に……。そろそろ認めようジャバールはカッコ良いカバだと! 一人称は「わし」。



名前 :テヨーラ
種族 :銀糸の民/ゾロっとした服装で、手には手袋、顔にはヴェールの謎な女性。
年齢 :21(女)
術技 :神語術4、白炎術1、暗殺術3
能力値:筋力1、強靭2、敏捷4、感覚4、精神5、知力5
生命力:43  気力:42  イニシアチブ:14
技能 :魔術知識1、応急手当1、記憶術1、精神抵抗1、文献1、感覚鍛錬1、賭博1
闘技 :魔薬:閃、魔薬:終、明声錬
魔具 :闇殺の弓(暗器)、衛身×3、速身×2、気復×1、害舌×3、抗耐、連鳴×5、練魔、エリクサー×3、テリアカ×3
信条 :運命肯定的/努力否定的

説明 :「……これも運命」が決め台詞などこか諦めた享受者。暗殺術で力を溜め、神語術でとどめを刺すのが最近のセオリー。ゾロっとした神秘的な服装で体を隠しているが、それは永続堕落によって変異した肉体を隠すためである。裏街道まっしぐらなお姉さんだが、最初と違って最近は仲間思いな一面も……。一人称は「私」。



名前 :タータ
種族 :獣人/肉食獣(レアモノのミニチュアパンダ)
年齢 :12(男)
術技 :愧拳術4、神語術3
能力値:筋力5、強靭3、敏捷4、感覚5、精神1、知力1
生命力:55  気力:26  イニシアチブ:13
技能 :登攀2、防御3、感覚鍛錬2、危険予知2、特殊戦闘1、生存1、肉体抵抗1、先制1、精神抵抗1
闘技 :貫愧、連破・撃追、踏破・髄撃、瞬愧、檄吼、奥義・狂愧、連闘・神殺、業破・瞬
愧拳具:拳撃甲、衝撃甲、光拳甲、風脚甲
魔具 :衝身、抗魔、解毒薬×2、エリクサー×2、テリアカ×2
信条 :人気肯定的/ジャバール否定的

説明 :身長80cmのレアパンダの獣人。あまりの珍しさに金持ち等から狙われており時折ハンターがやってくる。追われていた所をテヨーラに助けられてから姉御と慕っている。ジャバールを敵視しているが相手にされず、なぜかギャグのポジションをジャバールから引き継ぐ。口癖は「〜ッス」。一人称は「オレ」。



名前 :シヴァ
種族 :堕天使/黒い翼で黒髪の長髪
年齢 :18(男)
術技 :黒沙術3、邪眼術4
能力値:筋力2、強靭3、敏捷4、感覚4、精神4、知力2
生命力:45  気力:40  イニシアチブ:12
技能 :防御2、先制1、舞踊1、感覚鍛錬3、精神抵抗2
闘技 :換襲、故失、遅待
魔具 :沙壷、瞳選、瞳散、連鳴
信条 :家族肯定的/身分否定的

説明 :邪眼持ちだった為に黒沙使いの里から追い出された忌み子。両親は幼少時に死亡しており、唯一の家族であるラティを探して旅をしていた。アーレン達と合流しラティの反魂の為に協力している。邪眼術と黒沙術という相手にするとかなり嫌な戦い方をしてくる。さりげな〜〜く実は単なるシスコンである。一人称は「俺」。

◆2.世界意思の雫と世界の手鏡

GM:さて、さっそくプレイを開始したいのですが、その前に知っておいて貰いたい情報があります。それは世界意思の雫についてです。
アーレン:ああ、そう言えばクーヘン=バームさんの娘さんから貰った手鏡に、たくさん雫がついていたんだっけ?
GM:そうです。そして雫が起す事が可能な"奇跡"は、それぞれの景色によって違います。世界の手鏡に入っている世界意思の雫は計10個、その種類は<海><湖><森><空><山><都><草原><稲妻><火山><氷山>です。効果はサプリ煉獄彷徨を見て下さい。
と、ここでプレイ前に世界意思の雫の効果を確認するPL一同――
GM:だいたい見ましたね?
アーレン:けど、まだ使えないんでしょ?
GM:使えません。10個も集っている手鏡の雫達は、すでに人間並みの意思を持っています。雫達があなた達を所有者と認めない限り、その力を引き出す事は不可能です。
タータ:じゃあ意味ないッスね(笑)
シヴァ:実も蓋も無いな(笑)
ジャバール:が、今はそれが正しいだろう。気にせず行こうか。
テヨーラ:そうね。使えるようになったら使えるようになる。ならないならずっとこのまま……全ては運命(笑)
GM:では、そう言うわけで始めましょう。場所は黒沙帯を抜けてゲヘナに入った所からです。空は邪悪に黒、大地も底知れぬ瘴気漂う地獄です。
タータ:「ここを行くッスか?」
シヴァ:「仕方無いだろう、ここから先は地獄<ゲヘナ>だ」
アーレン:GM、座空(空飛ぶ絨毯)使えないかな? 黒沙帯は無理って言うから使わなかったけどここなら大丈夫じゃない?
GM:う〜ん、まぁ確かに……OKとしましょう。時間もかかるし。
アーレン:バッサァと広げて――「これで行こう」――乗ります。
タータ:「えっと……大変聞き辛いっスけど……何人乗りッスか?」(一同爆笑)
テヨーラ:私は乗ります。クーヤゥも乗ります。
シヴァ:じゃあ俺も乗るか。
ジャバール:無論乗るぞ。
アーレン:「大丈夫だよタータ、これでも5人乗りだから」(笑)
タータ:「ああ、アーレンさんは優しいッス!」――じゃあオレも乗るッス。
GM:と、タータは乗れません(笑)
タータ:「は、はぁ……!?」――何が起こったか、わからないでオロオロするッス――「どうして乗せてくれないッスか!?」
GM:妖霊のクーが乗ってるからじゃない? テヨーラの時に乗り込んでたし(笑)
ジャバール:ああ、クーがいたんだったな(笑)
シヴァ:確かにクーヤゥで5人目だ(笑)
ジャバール:「ここは一つ点呼と行くか? まずはイ〜チ」(笑)
アーレン:「2!」
テヨーラ:「3」
シヴァ:「4だ」
クー:『5ー♪』
ジャバール:「よし、5人揃っている問題なしだアーレン!」(一同爆笑)
アーレン:「えっと……出発していいの?」
タータ:「良くねぇッスよ! ここにまだメンバーが残っているッス!」(一同爆笑)
ジャバール:「じゃあ仕方ない、絨毯の端に掴まっておけ! さぁ出発だ!」(笑)
タータ:「何、無茶を言ってるッスかこのカバは! どう考えても空飛べる妖霊を乗せるのはおかしいッスよ!」
クー:『ねぇカバのおっちゃん、今度いつになったらケバブ食べれるかなぁ?』(笑)
ジャバール:「そうだなぁ…今度はラティと一緒に食べたいものだな」(笑)
タータ:「無視するなッス!」(笑)
アーレン:「じゃあ、しゅっぱーーつ」
タータ:「って、何さり気に出発してるッスか! ちょ、ちょっと待つッスよアーレンさん!」……一生懸命、端っこ持つッス(笑)
ジャバール:じゃあ<軽業>4/2ぐらいじゃないか?
タータ:何GMでもないのに言ってるッスかこのカバ!(コロコロ)……ギャー失敗したッス!
じゃあお前もダイス振るなよ(笑)
アーレン:あ、そういえば忘れてた。途中で絨毯を止めて――「ねぇみんな、結局"血河の獄"ってどっちの方角に向かえばいいんだろう?」(一同笑)
GM:お約束な(笑)
テヨーラ:アレでわからない? ほら……到達ポイント!
GM:そうですね。実はその前にイベントがありまして……アーレンの持つ世界の手鏡が光輝き、ある一方向を指し示します。
アーレン:じゃあ常に手鏡だしてその光の方向へ――
GM:と、鏡の光はすぐに消えちゃいます。方向だけ教えてあとは黙んまりって感じです。
ジャバール:「どうやら世界意思の試練をかねているのかもしれんな」――その方角から血の匂いとかしてくるのかな?(←到達ポイントを嗅覚に注ぎ込んでいる人)
GM:そうですね。アーレンはその方向からラティの声を聞いた気がします。
タータ:アーレンさん達が止まっているなら、追いつくッス(笑)――「ふぅ……じゃあ今度こそ端に掴まって――」
アーレン:「ラティが呼んでいる! 座空フルスロットル!!!」(一同爆笑)
タータ:「ギャーー」(笑)
シヴァ:そこで俺は一つ呟くように言うんだ――「まったく、ゲヘナまでやって来たというのにこの騒ぎようは……」
テヨーラ:「ラティがこの輪の中でどうやって笑っていたか……わかるんじゃないの?」
シヴァ:「………………ふん、それもそうか」(笑)

◆3.血河の獄

目の前には真っ赤な河が広がっていた。座空を止めて徒歩で近づく。話によれば獄には獄卒という邪霊の手下が死者達を管理(苦しめたりなんだり)しているらしい。そいつらに見つかるとやっかいな事になる。
GM:では目の前には真っ赤な大河が見えてきます。どうやらあれが血河の獄のようです。
アーレン:座空から降りて慎重に近づきます。
ジャバール:やっぱ獄卒とか見回りしているのか?
GM:そうですね。真っ赤な河の中で、青白い顔の子供邪霊が体についた砂を洗っています。その数30匹。
ジャバール:<魔物知識>(コロコロ)……1つ成功。
GM:下位邪霊ジャフトー(人魔饗宴p78)ですね。
ジャバール:「まずいな、力は弱いが仲間を殺してこっちに実ダメージを送りつける「呪詛」を使ってくるらしい。精神が弱いわし等は辛いぞ」
アーレン:「戦わないで行った方がいいのかな」
シヴァ:「正直、下位邪霊だろうと獄卒だろうと、ラティを助ける時までなるべく無駄な戦闘は避けた方がいいだろう」
アーレン:ところで……この先ってどうやって行くの?(笑)
GM:では<魔術知識>4/1を振って下さい。成功すれば獄について知っています。
テヨーラ:(コロコロ)……成功。
※解説1 「獄」
 こういった解説において、今回プレイするゲヘナの説明を補助的に入れていきたいと思う。
 獄とは死せる魂が飛んでいく場所であり、そこは邪霊の結界であり入った魂は二度と逃げる事はできない。その中で邪霊達と獄卒(獄専任の邪霊の手下)は、永遠に死者をいたぶり続けるだ。
 獄は重層的な構造になっており、獄とゲヘナを隔てる表層部、死者の魂が苦しめられる中層部、そして邪霊が住まう最深部があります。そしてそれぞれが細かい獄房と呼ばれる部屋に細分化されています。獄房と獄房を繋ぐのは"門"と呼ばれる特殊な出入り口です。門は普通に扉の形の場合もあれば、死者の瞳だったり、巨大な建造物だったりとその形が固定されていません。
GM:と、言うわけです。
テヨーラ:つまり門を探せば良いわけね。
ジャバール:で、その門はどうやって探せばいいんだ?
GM:今回は探すまでもありません。真っ赤な河の川底に門のようなものが見えます。
テヨーラ:「……アレね」
シヴァ:「あとはジャフトー達に見つからずに行けばいいだけだな」
GM:と、その前にもう一つテヨーラは思い出します。
※解説2 「邪霊律」
 支配邪霊によって獄には独自の世界法則が存在します。それが邪霊律です。死者の怨念や高位邪霊の魔力を使って発生した邪霊律は、さまざまな力を持ち享受者達を妨害して来ます。邪霊律は獄の最深部に近づく程強くなり、また複数の邪霊律が同時に発動している獄房もあると言います。また、獄の最深部では中層部や表層部では考えられないような強烈な邪霊律が存在すると言われています。
テヨーラ:邪霊律?
GM:そうです。そしてこの"血河の獄"全体に掛かっている邪霊律があります。
その名も≪滂沱の流血≫……効果は赤い水に触れた時、生命力と気力が上限値ごと1D6/2(切り上げ)減ります。ちなみに表層部なら1時間、中層部なら40分、最深部では20分までは同じ"1回"と数えます。そして獄房内で調べたり、別の獄房に移動したりすると20分経つと考えますので宜しく。
アーレン:つまりあの河の水に触れると生命力と気力が上限ごと減るって事か。
ジャバール:が、門は水の中……覚悟した方がいいな。たぶんこの先も似たような部屋が続くはずだ。
テヨーラ:「行きましょう……私達にそれ以外の運命はないわ」
シヴァ:GM、隠れながら門に入るにはどうすればいい?
GM:<隠密>4/1で良いです。ただし失敗した人はジャフトーに見つかり戦闘になります。
アーレン:失敗しなければいいんだし、僕はさっさと行きます(コロコロ)……<隠密>は成功。
GM:では赤い水に入ったので≪滂沱の血流≫発動って事で。
アーレン:(コロコロ)……(コロコロ)……1点と2点減った。
ジャバール:わしも行くぞ、ここでまごまごしていても仕方がない!
テヨーラ:そうね、行きましょう。
その後、全員<隠密>に成功して潜って行く一行。それぞれ生命力気力を邪霊律に削れられながらも次の獄房へと進むのだった……

◆4.血の滲む泥沼

表面部からの門を抜けると、湿気滴る通路へと続いていた。アーレン達がそのままその通路を進んでいくとかなり巨大な部屋へと視界が開く。そこはぐずぐずとした泥沼の部屋だった。
GM:ではアーレン達の目の前には泥沼が広がります。1歩でも踏み出せば泥沼です。
タータ:「毛並みが汚れるッス」
ジャバール:「どーーれ」――とタータの襟首掴んで持ち上げて――
クー:『ドーン♪』――とカバのおっちゃんを沼に(一同爆笑)
ジャバール:おい!!(笑)
GM:じゃあジャバールは【敏捷】4/2で判定して下さい(笑)
タータ:「カバは沼で行水するがイイッス」(笑)
ジャバール:何を言っている、お前の襟首は死んでも放さんからな(笑)
GM:じゃあタータはジャバールが失敗したら一緒に沼って事で(笑)
ジャバール:ちなみに(コロコロ)……失敗。沼に落ちたから。
GM:では2人は≪滂沱の血流≫が発動します。ブスっと踏み込んだ沼からは、赤い水が染み出します(笑)
タータ:カバのせいっすよ〜(コロコロ)……減った。
ジャバール:なにを言う(コロコロ)……わしも減ったが、やったのはクーじゃないか。
正確にはクーヤゥを動かしているテヨーラのPLである。
テヨーラ:「……それも運命」
ジャバール:断じて違う!(笑)
GM:言い忘れましたが、ここからは中層部です。滂沱の流血は40分ごとに1回判定してもらうので宜しく。
アーレン:了解……この泥沼に渡し板とか橋みたいのってない?
GM:点々と飛び石みたいのが見えます。
アーレン:じゃあそれで――
GM:と近づいてよく見ると、それは人の顔です。
アーレン:え゛!?
GM:死者が埋められて、ギリギリ顔だけ出ています。
アーレン:それはやめる。
GM:死者達は埋まった部分が赤い水で焼かれて、苦悶をあげています――『痛てー痛てーよー…』『苦しい…助けて…』『誰か…誰か…ねぇお願い……』
タータ:ヒドイッス。
ジャバール:「よし、ここはわしが偵察に行こう。飛ぶぞ」
アーレン:ジャバールジャンプ? それじゃあ途中で落ちちゃうじゃん(笑)
ジャバール:違う! わしは本当に飛べるカバになったんだ! 絶飛滅取ったからな!
GM:ああ、前回使えないのに買ってましたね。
ジャバール:「おう! と言うわけで皆はここで待っておれ」――シュゴーー!っと飛翔(笑)
絶飛滅の効果時間は3分間。ジャバールが泥沼の部屋を上空から見て周ったがそれっぽいモノは見つからなかった。
ジャバール:「簡単に見ただけではわからんな」――戻ってこよう。着地だ。
テヨーラ:「と、いう事は飛び石使って地道に探すしかないかもね」
タータ:「踏んで行くッスか?」
アーレン:「………………」
テヨーラ:「あなた達は待ってなさい。私が行ってくる」――ずかずか踏んで進むわ。
GM:『何するんだよー…痛ぇ』『ぐぁ』『沈む沈むよー』……
シヴァ:俺も行こう。ただしラティの顔がないかだけは注意しながらな(笑)
GM:『わしの…わしの顔を踏むなぁ』『オギャーオギャー』『痛い! やめて痛いわ!』……
シヴァ:………………なんで俺の時だけ同情を誘う死者なんだ(笑)
GM:獄ですから(笑) さて、2人はだいたい奥まで来ましたがそれっぽいのは見つかりません。
テヨーラ:「ないわね」
シヴァ:ふと……死者達に話を聞けるのか?
GM:ありですよ。
シヴァ:じゃあ聞こう――「門を知らないか?」
GM:「ああ? ああ……知ってるぜ。あの壁のところに小さい赤いドクロが埋まっているだろう? アレに獄卒達が触って転移していたぜ」
シヴァ:なるほど……テヨーラさんに話して皆を呼ぼう。
アーレン:仕方ない…邪霊律を食らうけど泥沼を通ってドクロの所まで行こう。
タータ:オレはさっき落ちたばっかだから、泥沼行くッス。
ジャバール:<絶飛滅>使ってシュゴー(笑)
アーレン:いいなぁそれ(笑)
GM:では全員が赤いドクロに触った時点で別の獄房へ転移します。

◆5.獄卒の部屋

全員が別の部屋に転移した後、泥沼の部屋でシヴァに赤いドクロの門を教えた死者が呟く……
――「へへ…オレの顔を踏みやがって……侵入者を密告してやる……それに、逆に獄卒をあいつらが倒してくれたら、それはそれで拷問が楽になるかもしれねぇしな……へへ」
GM:さてみなさん、<危険予知>4/1でどうぞ。
タータ:(コロコロ)……成功ッス!――「なんか危険な気がするッス!」
GM:見ればかなり小さい部屋で、3匹の獄卒が待ち構えています。
シヴァ:「危険……か」
テヨーラ:「これも……運命」
アーレン:って、めっちゃ罠だよ!!(笑)
ジャバール:<魔物知識>(コロコロ)……2成功。どんな魔物だ?
GM:下級戦鬼(人魔饗宴P86)です。強さ評価は5です。
ジャバール:強さ評価5か――「敵じゃないな。行くぞアーレン」
アーレン:「はい!」(コロコロ)……<先制>使ってイニシアは17!
タータ:オレは16ッス。
シヴァ:13だ。
GM:こっちは9なのでアーレンからです。
アーレン:じゃあ遠慮無しに冥獄刀を抜いて――「お前等が死者を……」(コロコロ)……通常で5命中!
GM:回避は4なので命中します。
アーレン:ダメージは19点! 連撃通常(コロコロ)……7命中の20ダメージ。3撃通常(コロコロ)……9命中の19ダメージ、最後渾身の(コロコロ)……5命中の26点ダメージ!!
GM:「ぐあああああ……」――3匹の獄卒のうち、1匹死亡(笑)
一同:『早っ!』
アーレン:「邪魔するな……容赦はしない」
タータ:「姉御、アーレンさんが冥獄刀持ってから怖くなっているッス」(笑)
テヨーラ:「仕方が無い事よ……それがアーレンの選んだ運命……」――まぁ冥獄刀の誓いが誓いだしね(笑)
アーレン:邪霊許すまじ! だし。
GM:次はタータだ。
タータ:じゃあ通常パンチで(コロコロ)……6命中の10点! さらに通常(コロコロ)……9命中の9点! そんで渾身(コロコロ)……8命中の15点! 最後渾身の(コロコロ)……7命中の15点ッス!
GM:下級戦鬼は体をクの字に曲げてパンチを食らいますが、ムクっと起き上がって――「何かしたかパァンダァ?」(笑)
タータ:「ア、アーレンさんのようにはいかないッスね」
テヨーラ:「タータ退きなさい」――闇殺の弓(コロコロ)……1成功、でも≪暗殺術≫だから関係ない(コロコロ)……5命中。これで闘気チットを貰って終了。
GM:ダメージはいいの?
テヨーラ:どうせ弾かれるから良いわ。明声錬用にチットを稼いでおくのが目的だし――「あとは宜しくね」
シヴァ:邪眼を使うのは気力がもったいないしな……<黒い壁は鎧へと>(コロコロ)……10点分成型成功。俺は終わりだ。
GM:さぁこっちの番だ。無傷の1匹目が(コロコロ)……テヨーラに爪で牽制5命中の11ダメージ。
テヨーラ:当たるわね。
GM:次は渾身3命中の――
テヨーラ:それは回避する≪身をかわせ≫(コロコロ)……成功で回避に+2!
アーレン:「クーもテヨーラに!」――2個ダイスボーナスを!
テヨーラ:ありがとう(コロコロ)……回避が3で成功。連撃も打ち止めね。
GM:「ちッ!」――ではもう1匹が(コロコロ)……アーレンにまたも爪で牽制5命中の11ダメージ。
アーレン:テヨーラと同じパターンか……(コロコロ)……<防御>4成功で当たる。4点来た。爪がほんの少し頬をかすめる!
GM:「死ねぇ!」ならば渾身3命中の16点!
アーレン:キラン! 目が邪悪に輝く(笑)
タータ:邪悪ッスか(笑)
アーレン:カウンター! (コロコロ)……渾身4命中、ちょっと危なかった……ダメージは22点だから合計38点!
GM:「馬ぁ鹿ぁなぁ……」ズズーンと倒れます。
ジャバール:「この程度では、すでにわしらの敵ではないという事だ……」――5レベルの力を思いしれ! 残っている方に牽制(コロコロ)……7命中の13点ダメージ。渾身(コロコロ)……5命中の32ダメージ!
GM:なんかその一撃だけでかなりフラフラになります(笑)
アーレン:そして次のラウンド僕の番!――「トドメだ」(コロコロ)……牽制(コロコロ)……全命中の13ダメージ。渾身(コロコロ)……4命中に堕落ポイント使って5命中、ダメージは26点! これで死んだだろう。
GM:ご推察の通りです。真っ二つに断たれて最後の3匹目も倒れます。
ジャバール:なんだかんだでアーレンだけで倒した感じだなぁ(笑)
アーレン:「こんな所で足止め食らっているわけにはいかないんだ」――とっても冷徹な目で言い切ります。
タータ:「姉御ぉ〜なんかアーレンが怖いッスよ。いきなり邪霊の力も使うし」(笑)
テヨーラ:堕落には強く言えないけど(笑)――「アーレン、急ぐ気持ちもわかる……でも、あまりその力は使わない方がいいわ。私のようになりたくなかったらね」
アーレン:「テヨーラらしくないじゃないか……もし僕がそうなってしまったら……それこそ、運命だよ」――もとの部屋に戻ろう。ここは獄卒の控え室とかでしょ? 死者にはめられたみたいだしね。
GM:その通り、この部屋は行き止まりです。獄卒の詰め所でした。入ってきた場所に同じ赤いドクロが置いてあります。
アーレン:触って戻ります。
シヴァ:無言でアーレンについて行こう。俺も転移する。
テヨーラ:「運命……ね。行くわよタータ」
タータ:「はいッス」
ジャバール:じゃあわしは最後に行こう――「ラティよ…今のアーレンを見たら、お主は何と言うのだろうな……」とか呟きながらな。

◆6.赤き羽毛の歓迎

泥沼の獄房へと戻ったアーレン達は、獄卒を倒した事を死者達に報告する。すると死者達から本当の門(小さな青いドクロ)に触ると次の獄房へ進めると教えられ……
GM:では青いドクロに触って次の獄房へ転移します……すると全員、ふいに足元が無くなって落下します。
アーレン:「えっ!?」
タータ:「落ちるッス〜〜」(笑)
シヴァ:堕天使だし飛ぶか?
アーレン:クーに引っ張ってもらえば僕も、多少はスピード軽減できそうだけど……。
ジャバール:わしも<絶飛滅>で飛べるが……今ははぐれてしまいそうだから止めておこう。テヨーラとタータが飛べん。
アーレン:了解。
シヴァ:同じく落下に身を任せる。
GM:と、下から赤い羽毛が舞い上がってきます。
タータ:「何スか?」――掴んでみる。
GM:と、めちゃめちゃ痛い! 斬れるね(一同爆笑)
タータ:それを早く言うッスよ!!(笑)
GM:ついでに死者が何人も空中につながれており、無条件にその羽毛を受けて苦しんでいます。と、言うわけで全員<軽業>4/5で(足りない分×5点)の実ダメージが装甲値無視で生命力に入ります。飛行が可能な人は4/3で良いですよ。
ジャバール&シヴァ:『飛ぶ!』
アーレン:「クー、僕とテヨーラとタータに!」――3人に2個ずつダイスブースト!
クー:じゃあクーが引っ張ったりして羽に当たらないように操作する(笑)
GM:ゲームやってるみたいだ(笑)
テヨーラ:GM、4レベル神語<身を守る大盾よ、あれ>で防げない?
GM:落下は20分間続きます。その間ずっと展開していられるなら構いません。
テヨーラ:効果時間が12分だから2回唱える。これで私はノーダメージね。
そして一斉にダイスを振る一行……――
アーレン:全成功で全て避けた!
ジャバール&シヴァ:『ズシャズシャズシャ……』(一同笑)
アーレン:なぜか飛んでる2人が大ダメージだ(笑)
タータ:と言っている横を真っ赤なボールが火の玉のように落下ッス! 全失敗(泣)

◆7.河を作る赤き場所

アーレン達が落下しきると、そこは何か生暖かいモノが敷き詰めてあり落下の衝撃を緩和される……その生暖かいモノとは――
GM:見れば死体だらけです。でも獄なので意識はあります。
アーレン:世界は死体に満ちている……
タータ:精神衛生上最悪の環境ッス。
テヨーラ:獄だしね(笑)
シヴァ:周りは死体の山なのか?
GM:微妙に違います。死体がすり鉢状の中にあって、そこにキミ達は落ちました。少しずつ死体達はすり鉢の下へ下へと引き込まれて行き、下の方じゃ何かが砕かれるような絞られるような嫌な音が聞こえます。
タータ:すり潰しの音ッスか?
GM:その通りです。
一同:『………………』
GM:さらにすり鉢の下は赤い河が流れており、すり鉢で潰された死者達が河をさらに赤く染めています。
ジャバール:キツイな……
GM:そして、その河の流れの先には滝があるのですが、その滝の流れが逆ですね。上に向かっています。そして滝の水が上に上っていく途中から、その水が赤い羽毛に変わって上昇して行っています。
テヨーラ:なるほど、それでさっきの落下の獄房につながるのね。
シヴァ:「それで……次の門はどこだ? 死者に聞くか?」
タータ:「また嘘を教えられるかもしれないッスよ?」
GM:と、言った所で<危険予知>4/3をどうぞ。成功すれば獄卒がやってくるのがわかります。
タータ:(コロコロ)……成功したッス!――「みんな、静かにするッスよ。奴等が来たッス」
ジャバール:では静かに獄卒を観察だ<魔物知識>(コロコロ)……2成功。
GM:中級戦鬼が5匹です。データはさっきの下級戦鬼と同じページです。
ジャバール:……まずいな、強さレベル7で闘技まで使ってくる。負けはしないだろうが時間がかかる……なによりこっちも無傷ではいられないだろう。
GM:獄卒達は川原を歩いて来ます。戦う時は川原だと思うので赤い水の≪滂沱の流血≫は受けないでいいですよ。やり過ごす場合は<隠密>4/1で。
ジャバール:<隠密>>? それは死体に混じれと?(笑)
タータ:すり潰されないッスか?
GM:やり過ごすだけなのですり潰されはしない。ただ、1人でも見つかれば全員見つかると思って下さい。
しかし、全員<隠密>判定に成功して無事、獄卒をやり過ごす一行。
アーレン:「クーのおかげで助かったよ」(笑)
クー:『早くラティを助けよーね♪』
アーレン:「ああ」
シヴァ:獄卒はどっちに向かったかわかるか?
GM:滝の裏側に入って行きました。
シヴァ:門があるのか?
タータ:GM、怖いから<感覚鍛錬>で周りを調べるッスよ(コロコロ)……3成功。
GM:うむ、赤い河の底に最初と同じような門が1つあります。もちろん入るには邪霊律≪滂沱の流血≫が発動します。
タータ:「門が……嫌な位置にあるっス」
GM:さらに近くの川原に、ドクロで形作られた門があります。
アーレン:「選択肢は2つか…」
シヴァ:「いや、滝の裏もたぶん門だから3つだな」
タータ:「どうするッスか?」
シヴァ:「俺の予想を言うなら……たぶん滝の裏は獄卒の控え室だと思う」
アーレン:「じゃあ河の中かドクロの門……か」
ジャバール:セオリーで行こう――「河に行くぞ。邪霊律には触れるが、楽な道は罠というのが相場だ」
アーレン:「そうですね……河へ飛び込もう」――行きます。

◆8.紅のシャワー室

そこは真っ赤な霧が立ち込める妖しい雰囲気と音楽の流れる部屋だった。目の前には赤い水が細かい線となって永遠と流れ、一歩でも踏み出せば邪霊律に触れそうだった。
GM:転移すると目の前に真っ赤な水が勢い良く上から噴出す、シャワー室に出ます。
アーレン:え? もうシャワーっていうか…赤い水に触れているの?
GM:いや、転移した場所は脱衣室のようで問題はない。数歩踏み出すとそこからがシャワー室です。部屋には真っ赤な霧が立ち込めており、シャワー室の奥は良く見えません。さらに官能的な音楽が流れています。
テヨーラ:官能的な音楽?
GM:そうです。シャワーで流れている赤い水は≪滂沱の流血≫ですが、それとは別にもう一つの邪霊律が働きます。その名も≪惑いの香り≫です。
ジャバール:どんな効果なんだ?
GM:全員<自我>4/2して下さい。それと共に少しだけ赤い霧が晴れて、奥の方に女の人のシルエットが3人ぐらい浮かび上がります。
アーレン:シャワー中?
ジャバール:鬼のシャワーを見てもなぁ(笑)
タータ:女の鬼ッスよ(笑)
GM:さぁ<自我>判定に失敗した男性は、裸になってそのシルエットに飛び込んで行きます。女性の場合は裸になってシャワーを浴びたくなります。
アーレン:主人公として行きたくないなぁ……「頼むクー」(笑)
クー:『OK〜♪』
アーレン:(コロコロ)……成功!
テヨーラ:私の体は邪霊化しているからサービスシーンにはならないわよ?(笑) (コロコロ)……あ、まぁ成功したから脱がないけどね。
シヴァ:(コロコロ)……俺も成功した――「アーレン、妹というものがありながら、この先にお前が突っ込んで行っていたなら……俺はお前を許していなかっただろう」(笑)
アーレン:「あ、ああ……」――でもシヴァが失敗しないのも微妙な。
シヴァ:何を言う。妹以外に興味は無い。
さりげなく問題発言である。
タータ:お約束ッスけど……オレは一個成功でミスったッス(笑)
アーレン:まぁタータならね(笑)
ジャバール:フラフラ〜〜とわしも行く(笑)
一同:『あんたもかい!!』(一同爆笑)
ジャバール:全失敗じゃ堕落する気も起きんわ(笑)
GM:では獣人2人にはまず≪滂沱の流血≫をどうぞ。
ジャバール&タータ:『痛い……ふらふら〜〜』(笑)
GM:では次に、誰の元に飛び込むかです。3人のシルエットのうち、ダイスで1と2なら1人目、3と4なら2人目、5と6を振ったら3人目に飛び込んで行きます。
タータ:ちなみにシルエットはどんな感じッスか? やっぱ鬼?(笑)(コロコロ)……出目は5ッス。
GM:鬼ではありません。1人目はショートカットでボーイッシュな感じ。2人目はストレートロングな巨乳。3人目はウェーブがかったロングでロリ体型です。
ジャバール:ん? それはもしや……(コロコロ)……わしは6だ。とっても嫌な予感がする(笑)
アーレン:5と6って2人とも同じシルエットに行くんだ(笑)
テヨーラ:実は同じ趣味とか(笑)
GM:ああ、シルエットで言い忘れましたが3人とも背中に真っ赤な翼が――
ジャバール:「ヌイヌイかーーー!!!」(一同爆笑)
タータ:2人してヌイヌイのロリ体型に突っ込んでしまったッス!?(笑)
ジャバール:(←素で)ちょっと待て、俺のキャラでそれはやばいだろう?(一同爆笑)
アーレン:ファルーシャが黒沙の森で泣いてるよ先生(笑)
タータ:こうなったら抱きつくッス♪(笑)
ジャバール:しょうがない……突っ込もう(笑)
GM:と、ヌイヌイが――「キャーーーー! へんたーーーい!!」
ジャバール&タータ:『………………』
テヨーラ:その悲鳴を聞いて――「罠じゃなかったのかしら?」(笑)
シヴァ:「驚いているしな……向こうが」(笑)
GM:アーレンとテヨーラとシヴァは聞きます。ヌイヌイの声で――「ちょっと何よ! この変態パンダに変態カバ!! いや! こっち来ないでーーー!!」
3人:『なんだかなぁ……』
GM:と、いった所で奥のシルエットのうち2人……ショートカットとロングの女がやって来て――「久しぶりねアーレン」――と、これはショートカットのマチです。
アーレン:「確か名前は……マチ、それとツーリだったね」
GM:「ええ」
アーレン:「テヨーラ、シヴァ気をつけて……ザイナヴの手下だ」
シヴァ:手袋に手を。
テヨーラ:警戒はするわよ。
アーレン:「質問に答えてもらうよ……ここで何をしている?」
GM:「シャワーを浴びていたのよ」「見て解れ」――厳しい物言いはロングのツーリです。
アーレン:「……それだけか?」
GM:「それだけよ……それより、1つお願いがあるの」
アーレン:「お願い?」
シヴァ:「妹を殺した奴等の仲間だろう? 聞く必要は無いぞアーレン」
アーレン:解っている……と頷いて――「悪いけど、キミ等に殺されるわけにはいかない。先に行かなきゃいけないからね」――冥獄刀に手を。
GM:「違うわよ」――とマチは後ろを見て――「ヌイヌイを助けて欲しい……このままじゃ妹がお嫁にいけなくなる」(一同爆笑)
ジャバール:後ろでは悲鳴が(笑)
タータ:滂沱の流血もなんのそのッス(笑)
アーレン:は、恥ずかしい……身内の恥をさらされている気分だ(一同爆笑)
テヨーラ:「助けても良いわ……ただし、ザイナヴへ続く道を教えてくれないかしら」
GM:「滝の裏だ」――とツーリが言います。
シヴァ:簡単だな(笑)
ジャバール:そこまでして妹が大事か!?
シヴァ:わかる……わかるぞその気持ち!!(笑)
アーレン:わかるなよ!(笑)
テヨーラ:「それで? アーレンの話だとあなた達3姉妹はザイナヴの手下のようだけど……どうするの? 私達と戦う?」
GM:「無駄な戦いはしたくない。妹を救ってくれるのなら私達はそのまま逃げさせてもらう」
テヨーラ:「どう思うアーレン?」
アーレン:シャワーの中に入りながら――「わかった、今は信じよう。先生とタータを連れてくる」――ザッザッザッ(コロコロ)……生命力と気力が減った。
GM:「ありがとうアーレン」――そういうと、マチとツーリはシャワーの奥へと消えて行きます。
テヨーラ:でも本当に逃してしまってよかったのかな?――これはPL台詞ね?
GM:何を? マチ針と釣り針と縫い針の事?
テヨーラ:………………。え?
アーレン:なるほど、攻撃方法も針だったしね……って、適当だなぁGM。
GM:はっはっはっ! チョイ役のつもりだったからね(笑)
シヴァ:逃して良いと思う方に一票だ(笑)
テヨーラ:そうね……これも運命。
そしてアーレンに連れ戻されるジャバールとタータ。
ジャバール:「な、なんというか……」
タータ:「何も言葉が見つからないッス……」
テヨーラ:「ここは獄……仕方が無い事よ」――でも運命とは言わない(笑) ついでにこのまま回復とかしちゃってるわね。
GM:どうぞ。
アーレン:2人に服とか渡して――「じゃあ、先に行こうか」
シヴァ:無言で<悪意は影から掴む><悪意は闘気を殺ぐ>(コロコロ)……発動しておこう。
ジャバール:何か! 何か言ってくれ! 無言は惨め過ぎるぞ(笑)
タータ:「しょうがないッスよジャバール」(一同爆笑)
ジャバール:「お前に言われとーないわ!!! って最後の最後でなぜわしは……――

◆9.親友の末路

なんだかんだと逆流する滝が見える獄房へと戻ってくる一行。
GM:水の中に出るので、いきなりで悪いですが全員≪滂沱の流血≫を受けて下さい。さっき回復して時間使ってたしね。
アーレン:毎回これはキツイなぁ。
タータ:「さて、どっちに行くッスか?」
テヨーラ:「マチは滝の方って言ってたけど……」
アーレン:「僕は信じるよ。滝の方へ行こう」
と、本当ならここで滝の水に当たるかどうかの<軽業>判定が必要だったのだが、最初に水の中からスタートした為、まだ40分経っていないという事で関係無い事に……。
GM:滝の裏の門より別の獄房へと移動すると、そこは洞窟のような通路が続いています。と奥の方から悲鳴が聞こえてきます。
シヴァ:「ラティか!?」
GM:いや男の悲鳴です。全員<危険予知>4/2をどうぞ。
ジャバール:(コロコロ)……お、幸運の助けルールで4成功だ――「止まれ」(笑)
GM:奥が部屋になっており、2体の魔物が1人の死者を拷問しています。
ジャバール:<魔物知識>(コロコロ)……両方1成功だ。
GM:ラミア(基本ルールP169)とガールマプ(基本ルールP195)です。言ってしまえば2匹とも吸血を得意とする魔物です。
アーレン:GM、ピンと来たんだけど……その死者ってハーティアじゃない? あ、クーを封印しておく。余計な事言いそうだし。
※ハーティア……かつての親友であり、アーレンが享受者になるきっかけになった男。しかし、獄での拷問に耐えられなくなり、邪霊ザイナヴに忠誠を誓って邪霊の配下になった。アーレンと再び合間見えて死亡するが、その際ラティが殺される。
GM:その通りです、良くわかりましたね。ハーティアは2匹の魔物に吸血され続けているのですが、口から赤い水を永遠と注ぎ込まれて、血がなくならずに吸血される苦しさに悲鳴を上げています。
タータ:「ひどいッス……」
テヨーラ:「たぶん……ザイナヴにとって彼は特別な死者なのよ……どうしてここまで特別な拷問を受けているかは知らないけど」――PLは知っていてもテヨーラはハーティアを知らないからね。
ジャバール:「……どうするアーレン?」
GM:ちなみに奥の部屋に別の獄房へ繋がる門はないですね。
アーレン:「……引き返そう」――戻ります。
タータ:「良いッスか? 助けないなんてアーレンさんらしくないッス」
アーレン:「彼は報いを受けなきゃいけない……本当ならもう一度僕の手で……」
シヴァ:「何かあったのか?」
アーレン:「いや……なんでもない」――ラティの仇って言うとシヴァが止まらないし(笑)
シヴァ:その通りだ(笑)
テヨーラ:「行きましょう――彼の末路も……また運命」
そして3度、滝の見える獄房へと戻ってくる5人。
タータ:「結局、ドクロの門が正解だったッスね」
ジャバール:「簡単に行ける門が正解とはな……」
アーレン:「行こう……何としてもラティを助けないと」

◆10.最深部の神殿

そこは大理石の神殿だった。邪悪なる瘴気も死者の叫びもこの神殿へは届かない。ゲヘナの……獄の最深部にて、その神殿はあまりにも不釣合いだった。
アーレン:その神殿の中に入って進んでいく。最深部だから警戒はするけど、それでも気が焦る。
GM:神殿の柱には血が滴り、床はくるぶしまで赤い水で浸っています。邪霊律≪滂沱の血流≫をどうぞ。
シヴァ:いい加減、上限が減るのにもうんざりだな。
GM:さて、さらにここは獄の最下層なので今までより強力な邪霊律≪囁きの思念≫が発動しています。ここで堕落ポイントを使用すると、通常の2倍のポイントが溜まります。つまり2点使った場合、堕落ポイントとして溜まるのは4点になると思って下さい。
テヨーラ:下手に堕落できないわね。
ジャバール:とはいえ、ザイナヴと戦う事になるのだろうな(笑)
GM:そして進んで行くと、祭壇が見えてきます。その祭壇の上に白い服を着せられたラティが吊り下げられています。
シヴァ:「ラティー!」
アーレン:ああ、先に言われた(笑)
タータ:シスコンパワー。
シヴァ:そうシスコンパワー……って変な事言わすな(笑)
テヨーラ:最終回でわざわざギャグキャラにならなくても(笑)
アーレン:とりあえず走ります。あ、警戒は怠らないけどね。
GM:警戒しながらか……ならラティの吊り下げられている祭壇まであと少しという所で――バッシャーーンッ! と上から象アザラシのような巨体を持った邪霊(一応人間型)が降ってきます。
ジャバール:ペッタラペッタラ?
GM:それはアギード=トードだ! 断じて違う!!(一同爆笑)
アーレン:後ろにバックステップして冥獄刀に手を置く!
GM:その象アザラシのような邪霊がゆっくりを首を上げ――「良くぞここまで来たものだ! 我こそは血河の獄が支配者! ザイナヴ様なりーーー!!!」
一同:『………………』
GM:ん? どうしました? 象アザラシのような巨漢ザイナヴは――「ぶわーっはっはっはっはっ! 貴様等人間が最下層までやってくるのは数十年ぶりだ! たっぷりと可愛がってくれる!!」
ジャバール:「……い、威厳も何もありゃしねー」(一同大爆笑)
アーレン:「こんな奴、倒す為に僕らは辛い旅を続けてきたっていうのか……」
テヨーラ:「いくらなんでも……これは無いわよね」
シヴァ:「今までで一番弱そうだぞ」
タータ:「こんなのオレ1人で十分ッスよ」(笑)
散々な言われようである。
GM:「コ、コケにしおってーーー!!!」――ズドン! とザイナヴが足を踏み鳴らすと、どこからともなく3本の針が飛んできて、ラティの首に突き刺さります!
アーレン:「ラティ!!」
GM:その針からはドクドクと血が噴出し、見る見るうちに白い服と祭壇を真っ赤に染めていきます――「ぶわーっはっはっはっはっ! 愉快愉快! 良ぃーい余興だぁ!!!」
シヴァ:「殺されたいらしいな」
アーレン:「もちろん、その為に僕等は来たんだ」
ジャバール:「どう見ても余興は貴様の方だ」
テヨーラ:「たぶん……この後に控えているのよ……それが運命」(笑)
タータ:「中ボスッスね」(笑)
GM:「貴様等!! 我こそがザイナヴだと言っておろうが!!!」
アーレン:じゃあ今のうちに【檄吼】(笑)
GM:「そこ! 何をしている!!!」(一同爆笑)
アーレン:ツッコまれた(笑)
GM:まぁ1ターンぐらいは好きに許そう。ただしダメージを与えるのは無しです。
タータ:じゃあ遠慮なくオレも【檄吼】ッス(笑)
GM:「吼えるか! 吼えるのか!!!」(一同大爆笑)
シヴァ:こんなのの下とは……あの3姉妹が戦わずに逃げたいと言うのも判るな(笑)
GM:「カバは吼えぬのか!!!」(一同爆笑)
ジャバール:ああ…なんかムカツクぞ!(笑)
テヨーラ:ジャバールは一応<魔物知識>やったら?
ジャバール:そうだな(コロコロ)……全成功(笑)
GM:詳しいことは判りません。しかし、獄の支配者たる上級邪霊については知っています。
※解説3 「上位邪霊」
 邪霊には位階が存在します。最上位は特階級(イブリスのみ)、次に首領級(19人)、そして上位、中位、下位です。イブリスと首領級はまずゲヘナであっても遭う事は無いので、ジャハンナムの人々が知っている最大の脅威は上位邪霊となります。この上位邪霊ですが、中位や下位と違い特別な力を持っています。それは蛇身体(ドラゴン化だと思って下さい)という戦闘形態を持つ事です。蛇身体になると知性を失い破壊本能に従い暴れまわります。その力は通常の人間状態とは比べ物になりません。しかし、上位邪霊はその姿をさらすのが品位に背くと嫌うので、蛇身体になるなら逃げる事を選ぶ上位邪霊が殆どです。上位邪霊はゲヘナに領地(獄)を持っています。
ジャバール:つまり蛇身体になった時が本番か。このザイナヴは象アザラシそのまんまなドラゴンになるのかな(笑)
テヨーラ:でしょうね。私は<命刈る大鎌よ、舞え>を精錬。
シヴァ:一応、俺は黒沙を増やして終了だ。
GM:「ぶわーっはっはっはっはっ! さぁ戦おう! すべからくペシャンコにしてくれるわ!!!」(一同爆笑)

◆11.ザイナヴとの死闘

巨漢の上位邪霊ザイナヴが大きな腹を抱えて迫ってくる。こんな奴に……こんな奴に……ラティは……。
GM:ではイニシアを宣言して下さい。こっちは10です。
アーレン:<先制>使って(コロコロ)……14!
シヴァ:(コロコロ)……俺は17だ。
タータ:15ッス。
テヨーラ:私は14よ。
ジャバール:別に<迅雷速>は使わないから8のままだ。
GM:まず最初にザイナヴの自動発動の特殊能力【吸血流】によって、足元の赤い水が各自の血液を吸血します。全員<肉体抵抗>4/2。抵抗に失敗したら10点。成功したら5点のダメージが入ります。
ジャバール&タータ:『成功』
アーレン&テヨーラ&シヴァ:『失敗』
GM:それぞれダメージを食らっておいて下さい。ではシヴァからです。
シヴァ:「貴様のような奴に妹が汚されていたかと思うとヘドが出る!!」
GM:「ぶわーっはっはっはっはっ! そ、れ、でぇ?」(一同爆笑)
シヴァ:「ぶち殺す……このブタ野郎が!!!」――こいつムカツク(笑)
GM:「我はブタではない……ザイナヴ様だ!!!」
シヴァ:「五月蝿い! もう黙れ!!」<病を与える眼>(コロコロ)……5成功!
GM:肉体抵抗は6なので抵抗成功――「何かやったのかなぁ?」――腹をボリボリ(一同爆笑)
シヴァ:あーー! めちゃくちゃムカツクぞ!!
タータ:近寄ってラッシュパンチッス!(コロコロ)……牽制の8成功でダメージ6点!
GM:こっちの回避は5だから当たるぞ。ちなみに装甲は9だ。
タータ:「効いてないッスか……それなら!」――ラッシュラッシュラッシュッス! 連撃牽制(コロコロ)……12成功のダメージ5、さらに連撃牽制(コロコロ)……13成功の6ダメージ!?
GM:「効かん、効かん、効かんなぁ!!!」(笑)
タータ:最後渾身ッス!(コロコロ)……6成功の19点!
GM:「馬鹿め!!!」――カウンター宣言(コロコロ)……成功! 7命中の20点! さらに闘技【貫愧】を使って+5点、合計44点ダメージ!
シヴァ:「かかったな!!!」――その瞬間<悪意は影から掴む><悪意は闘気を殺ぐ>発動! 発動条件はカウンター宣言と闘技宣言だから問題ないはず!
ジャバール:そういえば、さっきわしらがヌイヌイと遊んでた所でやってたな(笑)
シヴァ:ザイナヴが攻撃しようとした瞬間、俺の周りに漂っていた黒沙がザイナヴを急襲する!
GM:「黒沙だと!?」――ちなみに精神抵抗は4だ。
シヴァ:無形なる黒沙が悪意を持ってザイナヴを貫く! 合計14点ダメージだ!
GM:「ぐはぁッ!!!」
タータ:カウンター無くなるッスか?(笑)
シヴァ:いや、4だと抵抗されたからダメージのみ。
GM:じゃあ黒沙に巻かれて勢いが削がれたが、ヌゥッっと黒沙の中からザイナヴの太い腕が突き出されてタータを吹っ飛ばす――「邪魔な黒沙よ……だか! 我の力を止められはしない! 吹っ飛べ小さき獣人よ!!!」――やっぱり変らず合計ダメージ44点(笑)
タータ:駄目ッス! 生命力がマイナス2ッスよ(笑) 神殿の柱まで突き飛ばされてガラガラ崩れる柱(笑)
アーレン:敵の強さを演出せんでも……ってか、見た目より強いのかザイナヴは?(笑)
GM:「いまさら気が付いても遅いわーー!」――と声だけで周りにあった黒沙を吹き飛ばす!
テヨーラ:<打撃よ、削げよ>(コロコロ)……6成功に+1(←銀糸の民の魔術適正)で7、タータはダメージ8点軽減ね。見えない壁がタータを護るわ。
タータ:「ありがとうッス姉御〜!」――生命力6点で助かったッス……ぐっと瓦礫から立ち上がるッス。
テヨーラ:タータが立つのを見てからザイナヴに視線を戻して――「へぇ…それなりにやるようね……<命刈る大鎌よ、舞え>」――刃渡り2mの大鎌を呼び出して、その鎌がザイナヴの首目掛けて飛んでいきます(コロコロ)……7+1で8成功。
GM:「こんな鎌ぁ……ぐあぁ!!」(笑) 精神抵抗は4なので失敗です。
テヨーラ:15+効果値2点で17点ダメージね。
シヴァ:さらに<力を増す眼>(コロコロ)……成功、そのダメージに+4点!(笑)
テヨーラ:じゃあ魔具舌害の追加分も入れて、合計27点ダメージ。
GM:装甲が効かないから痛いな。だがザイナヴは見えない鎌を振り払って――「この程度で我が死ぬか! 片腹痛いわーー!!!」
アーレン:「いや、お前は死ぬんだ……」――近づいて通常【瞬閃】(コロコロ)……10命中の18点ダメージ!――「そして本気で行く」――<奥義・終刺>通常(コロコロ)……9命中の36点! さらに<奥義・終刺>通常(コロコロ)……11命中の33点! 最後は渾身(コロコロ)……7命中の25点!
GM:「馬鹿め!!!」――最後の渾身はカウンターだ! (コロコロ)……しまった失敗(笑)
ジャバール:おいおい(笑)
GM:だがまだまだ! ダメージは減るが闘技【業破・瞬】で命中に+2! カウンター8で命中! ザイナヴの腕が迫る――「死ぬのはお前だ!!!」
アーレン:ここで食らうと本気で死ぬ(一同爆笑)
タータ:ダメージ量がおかしいッス(笑)
アーレン:「邪霊達よ……僕の力になれ!」――堕落します。1点使って命中8に! ザイナヴの迫ってくる腕ごと叩き切る!
GM:カウンター失敗! こっちのダメージは25点だった。
アーレン:じゃあ合計60点渾身!!!
GM:えっと……ザイナヴはズズーンッ! と倒れます。そして――「ぐわあああぁぁぁぁ……――」――全身から血を噴出し、さらに神殿の底に溜まった血に溶けて行きます。
ジャバール:はっはっはっ……わし、何もやってない(一同爆笑)
タータ:「確かに強いには強かったッスけど……なんか、呆気なかったッス」(笑)
シヴァ:とりあえず妹を助けに行きます。首の針を抜いて縛ってある綱を切って、床に降ろ――すと血だらけだし、腕に抱えます。
クー:クーが――『ねぇラティは大丈夫? 大変になってない? 死んでない?』
シヴァ:「いや、死んではいるが大丈夫だ」(笑)
タータ:意味のわからん会話ッス(笑)

◆12.最後の四行詩

そして、ザイナヴのいなくなった静まり返った神殿で……――
シヴァ:「ラティ、ラティしっかりしろ!」
クー:『ねぇアーレン! ラティが……ラティが起きないよ!?』
アーレン:「大丈夫、落ち着いてクー。僕にはわかるラティは心配無い。あとは護魂の壷に入れてラティを連れて行けば反魂ができる」
GM:と、言った所でラティの口から神のごとき歌声が紡がれます。
タータ:「歌……ッスか?」
テヨーラ:「まさか4行詩!?」
GM:そう、それはまさにフィサールの4行詩です。
アーレン:ゲヘナっぽい!(笑)
ジャバール:最終回だしな!(笑)
GM:では皆さん<舞踊>で判定して下さい!
タータ:(コロコロ)……2個成功ッス!
ジャバール:……無理だな、1成功だ。
テヨーラ:私も1成功ね。
シヴァ:これでも<舞踊>持ちなんだが……3個成功だ。
アーレン:クーと一緒に(コロコロ)……!? 0成功!?(笑)
シヴァ:ならここは俺が1点堕落しておこう――「ラティ、今何と……」
GM:邪霊律≪囁きの思念≫は消えてないので、シヴァは2点堕落ポイントが溜まります。
シヴァ:そうか……消えてないのか(笑)
GM:では4行詩が判ります――

『――神を断つ者が、ゲヘナへと降り立つ時、

アーレン:うん、降り立った。

        ――堕天使は一時の安らぎを得るだろう。

シヴァ:今、俺の腕の中で眠っているぞ。

                ――そして虚構なる翼と、本当の戦いを終らせるならば、

ジャバール:本当のボスが出てくるのだな(笑)

                        ――世界は汝が物となり、堕天使は真なる安らぎを得るだろう』

テヨーラ:世界……は手鏡の事ね。
タータ:「どういう事ッスか?」
テヨーラ:「簡単に言えば、本当のザイナヴと戦えば、世界意思の雫達に所有者だと認められるって事ね」
タータ:「おお〜〜!」
ジャバール:「しかし……虚構なる翼ってなんだ?」
シヴァ:「俺的には"一時"って部分が気になるが……」

◆13.紅の三姉妹

その時だった。フィサールの四行詩に皆が頭を抱え出した時。祭壇の上空から声と共に3人の堕天使が舞い降りたのは……
GM:「驚いたわね。まさかザイナヴ様を倒してしまうなんて」
アーレン:「堕天使……マチ達か」
GM:そうです。真っ赤な翼の3姉妹堕天使が降りてきます。次女のツーリが――「貴様等の強さ、素直に認めよう」そしてヌイヌイが――「始めて会った時は、ここまでやるなんて思いもしなかったモンね♪」
ジャバール:「お前等……"ザイナヴを倒した"と言うわりには、ずいぶんと余裕に見えるが?」
GM:「そうでもない……だからこそお前達に今後を聞きに来たのだしね」
タータ:「今後ッスか?」
GM:「ちょっとした選択……1つ、このままその子を連れてジャハンナムへ帰る道。2つ、ザイナヴ様の配下だった私達と戦ってから帰る道」――そしてツーリが続けます――「前者なら我等も去るのみ。しかし、後者なら我等も全力で抵抗させてもらう」「死者の1人ぐらいは覚悟してよね♪」――最後はヌイヌイ。
シヴァ:GM、このまま帰ったらこの獄はなくなりそうか? 直感的にわからないか?
GM:到達ポイントか……なんとなくだけど、このまま帰っても血河の獄は消滅しないと思うね。
シヴァ:なるほど。
テヨーラ:<魔術知識>(コロコロ)……3成功。主を倒せば獄は無くなるって事を知っていていいわよね?
※解説4 「獄 その2」
 獄と邪霊は強く結びついており、獄の支配邪霊を倒した場合、その獄と獄に縛られていた魂はさらに深い地の底へと沈み、全てを裁く日まで誰の手も届かぬ安らかな眠りにつくことになります。支配邪霊を倒し獄を本来の姿に戻せたならば、享受者の魂をも浄化されいくからかの堕落ポイントも抹消できます。
ジャバール:つまり……本当のザイナヴはまだ倒していない……という事か。
テヨーラ:でも、ラティの魂を回収するっていう反魂の目的は達しているわよ? 普通の反魂なら上級邪霊に見つからないように魂を回収するものだしね。
ジャバール:そう考えると……帰るのもアリか――「アーレンどうする?」
タータ:「邪霊を倒す誓いを立てているのはアーレンさんッスよ」
そしてかなりの時間アーレンのPLが迷い……――
アーレン:「……帰ろう。無駄に戦う必要は無い」
ジャバール:「そうか……ならわしは何も言わん。テヨーラもそうだろう? これも運命……と」
テヨーラ:「……悪いけどそうは言えないわね。神の言葉を操る身としては……四行詩を……運命の言葉を無視するのは頂けないわ」
タータ:「でも四行詩は意味不明ッスよ?」
シヴァ:「神を断つ者はアーレン、堕天使はラティ……ならば虚構なる翼と本当の戦いを終らせなければ、ラティに本当の安息は無い……そう取れる」
アーレン:「でも、虚構なる翼っていうのが判らない……」
ジャバール:「マチ、ツーリ、ヌ……お前達にもう一度確認しておく。ザイナヴは死んだんだな?」
GM:「さっきからそう言っているでしょう? ザイナヴ様は死んだ……あなた達に倒された」「しつこい男は嫌われる」「この変態カバ〜〜」
ジャバール:こ、ここは我慢だ(笑)
シヴァ:「これは俺の予想だが……あの3姉妹のうち誰かが虚構の翼……この血河の獄を支配している上級邪霊なんじゃないか?」――もしくは、実は俺がGMの仕込みで本当のザイナヴだったり……。
一同:『………………何ぃいいい!!!!』(驚愕)
シヴァ:いや、冗談だ! そんな裏取引は知らん!(笑)
GM:本当です。そんなオチは用意していませんから!
が、それはそれで面白かったかも……と思ったGMでした。
ジャバール:シヴァがザイナヴで虚構の翼だったら、ドンデン返し過ぎだ(笑)
アーレン:「とにかく……誰が虚構の翼でも良いよ。ラティはこうやって救えたんだし……さ。帰ろうみんな、ジャハンナムへ……」――帰りだします。
テヨーラ:……いまいち納得できない! テヨーラのキャラじゃないけど……いや、テヨーラだからこそ、この先に待ち受ける嫌な予感がする運命に対して、思い入れのあるラティやアーレンを導きたくないのよ!!!
タータ:なんか姉御がうまい事言ってるッス(笑)
GM:じゃあ最後だし全員到達ポイント分のダイスを持って、4/5で判定して下さい! それによって多少は指針をあげます。
タータ:7個ッス(コロコロ)……2個成功で駄目(笑)
ジャバール:8つ振って(コロコロ)……4成功か。駄目だな。
シヴァ:俺も8つ(コロコロ)……成功、5つだ。
テヨーラ:(コロコロ)……凄い6成功。アーレンは?
アーレン:僕は……振らない。
テヨーラ:「………………」
GM:ではシヴァはこのまま帰るのはとても嫌な予感がする。そしてテヨーラは半年後の光景がなぜか見えた。それはアーレンと別れるラティの姿です。
テヨーラ:別れる? それは死別?
GM:そこまではわかりません。
シヴァ:「待てアーレン、まだ帰るには早いぞ」
アーレン:止まるだけ止まる。
テヨーラ:「このまま帰れば……あなたとラティに待ち受けるのは"別れ"の運命よ……それでも行くと言うのなら……私はこれ以上の努力はしない。それも……また運命だから」
アーレン:「でも……ラティだってこうやって取り戻せた。確かに獄は潰してないかもしれないけど……目的は果たしたんだし……」
タータ:「アーレンさん良いんスか!? 姉御やシヴァさんが嘘を言うとは思えないッス! このまま帰ったらきっとアーレンさんは後悔するッスよ!」――と、姉御派に(笑)
アーレン:「でも、ここでマチ達と戦えば……いや、本当に戦う事になるのは真なる獄の支配邪霊ザイナヴだから……そしたら、きっとみんな無傷じゃすまない……もしかしたら……死ぬ事だって……」――と、僕は思っているわけです。これ以上戦えば死人が出るんじゃないかって……。目的も果たせたし、今帰れば全員助かるのだろうし……。
ジャバール:「アーレンよ……お前は強くなった。わしと出会った時とは比べものにならないほどに……」
アーレン:「先生?」
ジャバール:「だからもっと自信を持て! 耳を塞ぐな! 声を聞け! お前なら本当のラティの声が聞こえるはずだ」
アーレン:「………………」――先生に言われたし振るだけ振ります(コロコロ)……う゛5成功で聞こえます。
GM:『ありがとうアーレン……半年間だけど、アーレンとまた一緒に居られて……良かった……よ……――』――という未来のラティの声が。
アーレン:「………………」
ジャバール:「聞こえたかアーレン? 例えお前がどんな決断をしようと誰も文句は言わん。まして、上位邪霊と戦い、誰かが死のうとも……いや、この面子で誰が死ぬ? 死ぬような奴が1人でもおると思っているのか?」
タータ:「そうッスよ!」
シヴァ:「アーレン!」
アーレン:ラティの魂を護魂の壷に封印します。そしてクーヤゥの封印具を壷にかけて――「クー、ラティを頼むね」
テヨーラ:「これもまた……運命」
アーレン:「マチ、ツーリ、ヌイヌイ……悪いけど僕の覚悟は決まったよ。この獄を潰して帰る……ラティのような被害者を出さない為にも、ハーティアのような憐れな死者を増やさない為にも……この獄の支配邪霊を僕は倒す! 邪魔をするならキミ達3人にも容赦はしない、命が惜しいなら今のうちに逃げるといい」
GM:3姉妹は困った感じで顔を見合わせます。
アーレン:「さぁ、さっさと姿を現せ! 貴様が生きている事はわかっているんだザイナヴ!!!」
GM:「何を言っているの? ザイナヴ様はもう――」
シヴァ:「下手な芝居はもう止めるんだな……出てこないのなら、お前の手下から殺すまでだ」――俺の邪眼が光を放って目標はヌイヌイ!
GM:と、攻撃しようとした所で! 3姉妹とキミ等の間に赤い水柱が上がって視界を邪魔します。
シヴァ:「邪霊とはいえ……部下は可愛いとみえる」
GM:では水柱が収まると、その向こうには余裕ぶった3姉妹しかいません。
タータ:「ザイナヴが現れたと思ったッスけど……」
GM:「部下は可愛い? ちょっと的外れね……あなた達は気に入っていたから、この後も生きて苦しみと悲しみの運命を辿って欲しかったんだけど……この獄を潰すって言うのは頂けないわね」――マチが言いツーリが続けます――「覚悟を決めたなら後悔はするなよ……全員生かして帰しはしない」――そして最後にヌイヌイが――「じゃあね♪ キミ達ちょ〜っと面白かったよ♪」――そして3人が手を繋ぐと合体します。
一同:『合体したーーーーーー!?』(大騒ぎ)
アーレン:3人が合体とは!?
ジャバール:ヌイヌイがザイナヴだと思ってたよ(笑)
シヴァ:普通にただのマスコット敵キャラだと(笑)
テヨーラ:常に人間状態だった……というわけね。
タータ:ところでGM……何針になるッスか?(一同大爆笑)
GM:ここに来て落とすかキミは!(笑) 何針じゃない! ザイナヴになるんだよ!!!(笑)

◆14.最後の戦い

マチとツーリとヌイヌイ……3人の堕天使達が声を揃えると同時に、神殿が揺れ瓦解を起こし出す、宙を浮く違和感と共に大地へと足を下ろしたとき、神殿は完全に破壊され気が付けばゲヘナ表層部の、真っ赤な河の上だった。
GM:3姉妹の合体とその衝撃で、この獄自体が瓦解を起します。気が付けば全員、壊れた神殿の瓦礫が散らばる真っ赤な河の上に居ます。最初に血河の獄に入ってきた時、ジャフトー達が砂を洗っていた最初の赤い河です。足元の水はどんどん地下へと流されていて、くるぶし位までの水位しかないので普通に行動できます。
アーレン:3姉妹から目を離さない! やっぱ蛇身体に変化したの?
GM:血をヌラヌラと滴らせた巨大な3つ首の龍です。背中には真っ赤な3対6枚の翼を持って、そのウロコも真紅に輝いています。
タータ:紅いキングギドラッス(笑)
GM:まぁそれでも構いません。これが本当のザイナヴ蛇身体形態です。
ジャバール:「さて、最後の戦いと行こうかアーレン」(笑)
アーレン:「誰も死なないでよ。僕は後悔したくないからね」(笑)
GM:と、言った所でアーレンの懐から世界の手鏡が光を放ちます。世界意思の雫がキミ達を所有者と認めましょう。全員の心に――『その決断を待っていた……汝等を主と認めよう。この試練を乗り越え、地上を目指すのだ』――全ての奇跡が使用可能です。使用のタイミングはいつでもいいので、好きに使って下さい!
一同:『おお〜〜!!』
ジャバール:まさに大盤振る舞いだ(笑)
シヴァ:でも、戦っていなかったら世界意思の雫は認めてくれなかったのか……なるほどな。
テヨーラ:それだけ厳しい戦いになるって事ね。
アーレン:みんな良い? <海>の雫を早速使いたい!
ジャバール:構わん! ラスト戦闘だ! 万全の体制で全力で行くぞ!
アーレン:GM、<海>の雫を使用します!
GM:OK! 手鏡にある宝石が一つ輝き、全員の生命力が全快します! そして<海>の宝石は砕け散る。さぁ準備は良いね? 戦おうか! これがゲヘナキャンペーン最後の戦いだ! ザイナヴのイニシアは12!!
アーレン:<先制>(コロコロ)……15!
タータ:<先制>(コロコロ)……15!
ジャバール:<迅雷速>使ってイニシア14。
テヨーラ:私も14。
シヴァ:<先制>(コロコロ)……13!
GM:ではイニシア15の2人からどうぞ。
アーレン:やる事は決まっている!――
アーレン&タータ:(声を揃えて)『檄吼!!!』(笑)
ジャバール:「さて……どの程度の強さかわしが見てくれる」――まずは牽制(コロコロ)……おお、5成功。ダメージが15点。ちなみに「非実体」だったりするか?
GM:大丈夫、実体はあります。しかしカウンター(コロコロ)……成功。6命中の11点だから合計26点。一本の首がジャバールを薙ぎ払います!
ジャバール:26点か……9点の装甲値を引いて17点……バシャンッ! バシャンッ! バシャ……と飛び石のように河の上をはねてから――
アーレン:「先生!!」
ジャバール:起き上がる――「心配するなアーレン、まだ大丈夫だ……しかし、どうやら戦い方を変えないといかんな」――このままじゃ命中しない(笑)
テヨーラ:私は【魔薬・閃】を使って【敏捷】を上げて、最後に【明声錬】を使って終了。
GM:そういえば≪暗殺術≫だったな。
シヴァ:次は俺だ――「我が妹の安らぎの為だ……死んでもらうぞ<打ち据える眼>」――左手の邪眼を巨竜に向け(コロコロ)……5成功。
GM:ザイナヴは精神抵抗します。
シヴァ:「抵抗されても抵抗されなくても関係ない! 俺の呪いが深ければ深いほど、邪眼の力はお前を蝕む」 ――ダメージは6点!
GM:初ダメージが魔法の6点か……ではこっちの番だ。周囲一帯に炎を吐きます! 3本の首から満遍なく炎が吐き出され全員精神抵抗、4/5に失敗すると35点、成功すれば20点のダメージがいきます。
タータ:成功しても失敗してもダメージでかいッス!
アーレン:(コロコロ)……堕落して5成功。それでも20点ダメージか。
ジャバール:……0成功。
タータ:同じく0ッス〜(泣)
テヨーラ:(コロコロ)……5個成功で20点ダメージね。
シヴァ:……俺も堕落1点で5成功。20点。
GM:表層部に戦闘区域を移しているから、邪霊律≪囁きの思念≫の効果は無くていいです。1点使ったらそのまま1点溜まるって事で。
シヴァ:了解。
ジャバール:駄目だ……わしだけ死んだ。
タータ:「カバが死んだッス!」
ジャバール:「わしを勝手に殺すな!!」――<加命蟲>によってもう一つの命が鼓動を開始する!!!
GM:それって生命力全快だったっけ?
ジャバール:いや、40点回復だからマイナス6から34点まで戻った。
………………………………………………………………………………………………………………
GM:次のラウンドです。
アーレン:「やるしかない……」――通常(コロコロ)……7命中の17点!
GM:当たります。わずかにウロコを削ったね。
アーレン:硬いなぁ。連撃通常<奥義・終刺>(コロコロ)……10命中の34点! さらに通常<奥義・終刺>(コロコロ)……9成功の36点! 最後通常<奥義・終刺>(コロコロ)……7成功の38点!――「どうだ!」
GM:ザイナヴはゆっくりと首を回します。目を細めてアーレンを見下ろすのみ。
アーレン:はぁ!? 70点以上は入ったはずだぞ! いったいどんな生命力してるんだよ!?
テヨーラ:最後の敵だしね……それぐらいやってくれないと(笑)
タータ:オレも行くッス! (コロコロ)……牽制で6成功だけど、【瞬愧】使って命中を8に上げる! でもダメージ8点じゃ……
GM:通らないよ。こっちの装甲値は14あるから。
タータ:14!? さすがラスボス……ならばせめて闘技チットを(コロコロ)……牽制7命中、ダメージはいい! さらに連撃(コロコロ)……牽制10成功でチット貰って終わるッス。
テヨーラ:「タータ、期を見るのは大事だけど……持久戦は私達にとって不利よ」――GM、近づいてザイナヴに触れる事は可能?
GM:構いませんよ。
テヨーラ:じゃあさっき精錬した<かの者へ、我が身の厄災を与えよ>(コロコロ)……5成功だから強制力は6。問題無いわね。
GM:切り札出してきたか(笑)
テヨーラ:「最悪の場合……覚悟は私もできてる」――以降、私へのダメージは無効でそのままザイナヴへと移ります。
GM:ザイナヴはテヨーラを睨み付けましょう。
テヨーラ:効果は4ラウンドだし……「あなたが死ぬのが先か、私の仲間達が死ぬのが先か……あとは運命しか解らない」
ジャバール:「テヨーラ、いい加減その運命論をやめろ! わし等が生き残るに決まっているだろうが! わし等が死ぬ運命など、わしは認めん!!!」――エリクサーを一気飲み(コロコロ)……10点回復!
シヴァ:「俺に出来ることは限られている……か」<打ち据える眼>(コロコロ)…… 5成功、実ダメージ6点!
GM:今度は直接3本の首が食べに行きます。まずは一本目(コロコロ)……タータに牽制8命中の10ダメージ。
タータ:<防御>(コロコロ)……4成功で止まった。
GM:連撃牽制9命中の12点。
タータ:<防御>(コロコロ)……まずい、1点来た。残り生命力11点。
GM:次、通常8命中の16点。
タータ:<防御>(コロコロ)……4点通った。残り7点!
GM:4連撃目、通常7命中の17点!
タータ:た、耐えれるッスかねぇ<防御>で(コロコロ)……堕落して11点防ぐ! これで残り生命力1点ッス!(笑)
GM:まだまだ! 5連撃目が渾身6命中の22点ダメージ!!!
タータ:「その攻撃を待っていたッス!!!」――カウンター宣言! パンチ渾身(コロコロ)……再び堕落ポイント7命中! ついでに【貫愧】も使って29点! 合計51点ダメージッスよ!
GM:普通のヒドラなら死んでいるダメージだが……上級邪霊ザイナヴを舐めるな、まだまだ動きは鈍らん。次はシヴァに2本目の首が牽制で10命中の10点ダメージ。
シヴァ:<防御>(コロコロ)……4点来た。
GM:次は渾身7命中の24点。
シヴァ:まずいな<防御>(コロコロ)……16点来た。
GM:続いて渾身7命中の25点!
シヴァ:<防御>(コロコロ)……と同時に<黒い壁は鎧へと>発動! でも生命力マイナス6だ。
テヨーラ:「まだあなたは死ぬ運命ではない」<打撃よ、削げよ>(コロコロ)……8点軽減。
シヴァ:「わかっているさ! 俺はまだ死ねない……邪眼よ!」<力を増す眼>(コロコロ)……成功! そのテヨーラさんの神語の効果を+4!
GM:アリです。認めましょう。
シヴァ:これで残り生命力6点! 生き残った!!
GM:ではシヴァに牙を向けた竜の首ですが……再びシヴァに行きます。最後4連撃目の渾身7で25点ダメージ!
シヴァ:クッソ…まだあったのかよ<防御>(コロコロ)……21点通るから、生命力マイナス15で死亡だ。
テヨーラ:せめてちょっとぐらいは……「タータ、あなたにも神語術を教えたでしょう」
タータ:やれと言うッスか? じゃあ確率悪いけど<打撃よ、削げよ>(コロコロ)……2成功で5点軽減ッス(笑)
シヴァ:<力を増す眼>(コロコロ)……成功。これでマイナス6か。
GM:シヴァは生死判定<生存>4/2です。
シヴァ:<生存>は無い。【強靭力】は3! (コロコロ)……1! 堕落して2成功。死にはしないが気絶だ。
GM:では3本目の首が(コロコロ)……ジャバールに牽制10の10ダメージ。
ジャバール:(コロコロ)……効かん、キンッ!
GM:次は渾身7命中の24点。
ジャバール:(コロコロ)……<防御>8成功で回避した――「その程度か?」(笑)
アーレン:「先生の動きが変った!?」(笑)
ジャバール:「お前達の攻撃はもう見切った」(笑)
………………………………………………………………………………………………………………
GM:さて3ラウンド目です。シヴァが脱落しました。
アーレン:「みんなもうボロボロだ……でも、やるしかない!」――魔具気複を使って気力回復! そして牽制(コロコロ)……7成功! ダメージ15!
GM:どんどん来ていいぞ。
アーレン:2連牽制(コロコロ)……13命中、13点。3連牽制(コロコロ)……14命中、14ダメージ! 今回はそれで終了。チット3枚。
タータ:<言の葉の槍よ、敵を貫け>精錬、対象はシヴァッス。
GM:回復か(笑)
タータ:失敗を見越しての術ッス。
テヨーラ:私は<命刈る大鎌よ、舞え>を精錬。チットが無いから【明声錬】できないのよね。
ジャバール:ではわしだ。牽制で(コロコロ)……9成功! ダメージ11点。通らないな……そのまま通常(コロコロ)……7成功の22点! チット2枚取得。これで行ける!
GM:次はシヴァだが、ぐったりしてるので3頭竜ザイナヴだ(コロコロ)……シヴァ、ジャバール、ジャバールと攻撃します。
GM:(コロコロ)……1番目のパターンだから、10点、12点、16点、17点、22点、22点のダメージがシヴァに行きます。
シヴァ:何点マイナス行けばいいんだ俺は(笑)
アーレン:「世界意思の雫よ! シヴァを護れ!!」――ここは使いどころでしょう。<山>の力を使ってシヴァの装甲値を20点プラス!
その瞬間、アーレンのもつ世界の手鏡から一つの宝石が光輝き、シヴァの体を包んで砕けた。
ジャバール:でも最後の2点2点は入るか。
シヴァ:いや、元々3点装甲値があるから問題ない! 生き延びた!(笑)
GM:では2本目の首がジャバールへ(コロコロ)……牽制8のダメージ10。
ジャバール:<防御>(コロコロ)……防いだ。カキン!
GM:2連牽制9命中の12ダメージ。
ジャバール:<防御>(コロコロ)……防いだ。カキン!(笑)
GM:3連通常8命中の16ダメージ!
ジャバール:<防御>(コロコロ)……防いだ。カキン(笑)
アーレン:おかしいよ先生の装甲! ザイナヴより強いじゃん(笑)
ジャバール:これが獣甲闘士の本領だ(笑)
GM:4連通常7命中の17点。
ジャバール:<防御>(コロコロ)……7で回避。避けた(笑)
GM:「オノレ!」――ザイナヴが怒りに目を燃え上がらせて3本目の首がジャバールへ(コロコロ)……牽制10命中の10点ダメージ!
ジャバール:<防御>(コロコロ)……カキン!
GM:2連渾身7命中の24点! 3連渾身7命中の25点! 最後渾身7命中の25点!
ジャバール:<防御>(コロコロ)……12点通った。(コロコロ)……11点通った。(コロコロ)……12点通った。
テヨーラ:「ジャバール?」
ジャバール:心配無用! 残り生命力9点、わしは耐えた――「どうやら戦い馴れていないようだな……わしには効かんとまだ解らんか!」(笑)
………………………………………………………………………………………………………………
GM:さぁ4ラウンド目! アーレンから!
アーレン:「そろそろ終らせる!」――牽制(コロコロ)……命中9の13点! 効かないから連撃通常(コロコロ)……11命中、18点! さらに通常(コロコロ)……12命中の18点! 最後渾身<奥義・終刺>(コロコロ)……6命中の42点ダメージ!――「どうだ!!!」
GM:かなり効いた――「グアアアアアッ!!!」と怒りの雄叫びを上げます。
アーレン:怒った? ならもう少しか!
タータ:「シヴァ起きるッス! 言の葉の槍よ、味方を癒せッス〜」(笑)(コロコロ)……2成功で9点回復ッス! ついでに闘気チットを持ってたら紅い紋章が浮かぶッス(笑)
シヴァ:「すまないタータ……」――だか闘気チットは持ってないから紋章は浮かばん(笑)
タータ:チッ!
ジャバール:さぁわしが先にやらせてもらおう――「最近はアーレンが強くなってきたおかげで、つい本気の戦いってもんを忘れがちだった……だが、わしの腕はまだまだ錆付いてはいない!」――牽制【裂闘】(コロコロ)……14命中。11点ダメージは効かない……と。
アーレン:「先生の本気?」――とか見よう(笑)
タータ:「カバの本気ってなんスか?」――見るッス(笑)
ジャバール:「アーレン、タータ、良く見ておくが良い! 本当の獣甲闘士の戦い方ってものを!」――<錬丹蟲>起動で気力回復! さらに牽制(コロコロ)……12命中の14点!
GM:でも装甲値で弾かれていますよ。
ジャバール:「バオオオオオオオオォォォッ!!!」――と吼えて【闘戒】使用! 連撃2回追加で再び牽制(コロコロ)……15命中の16点ダメージ。
GM:ウロコにヒビが入りますね。2点ぐらいだし。
ジャバール:「見よ! これが孤高の戦士ジャバールの戦い方だ!!!」――渾身! 堕落2点追加でダイス30個振り!!!(一同大爆笑)
アーレン:頭悪いよ先生!!(笑)
テヨーラ:通常とか織り交ぜた方が効率良いのに(笑)
ジャバール:うるさい! これが漢ジャバールの戦い方なんだ!(笑) いっくぞ(コロコロ)……命中9で追加ダメージ21! 基本で24! さらに【爆刺】使って+15点! 合計60点ダメージだ!
GM:ろぅくじゅってん!?
ジャバール:カウンターもせずにこのダメージ量! これぞ一撃必殺!――「カッコイイだろう?」(笑)
アーレン&タータ&シヴァ&GM:『カッコイイーー』(一同爆笑)
テヨーラ:……で、ザイナヴは死んだの?
GM:いや、死なないけどね。
ジャバール:おいーーー(一同大爆笑)
アーレン:倒してればカッコ良かったのにね(笑)
タータ:所詮はカバッスよ(笑)
ジャバール:うおお〜もうやる事ねぇえ〜〜(笑)
テヨーラ:ねぇみんなの残り生命力は? 私は19。
アーレン:僕は24。
タータ:オレは1ッス(笑)
ジャバール:残り9だな。
シヴァ:生き返ったばっかだが3点だ。
GM:さりげなくみんな瀕死だな(笑)
テヨーラ:わかった……私の行動が決まったわ。呟きます――「仕方ないわね……本当はやりたくなかったのだけど……」<命刈る大鎌よ、舞え>(コロコロ)……7成功だから強制力は8。巨大な大鎌が出現する! しかも今回は魔具の連鳴も使用! その大鎌が2つに分離! 対象を2体に変更!
GM:来るなら来い! ザイナヴも只ならぬ雰囲気を察してテヨーラの方へ首を向けます。
テヨーラ:「何か勘違いしているようね。鎌の対象は2つとも……私」
GM:なんで自分を……って、そうか!? それが"やりたかった"のか!(笑)
テヨーラ:そう、私に入るダメージはザイナヴへ移し変えられる――「シヴァ、もう起きているのでしょう? 邪眼の力を頼むわよ」
シヴァ:「まったく……呪われた力だと言うのに……物怖じしない女もいたものだ!」<力を増す眼>(コロコロ)……成功! 2つの大鎌に+4ずつの攻撃力アップ!
テヨーラ:ダメージは15+効果値2+邪眼4+指輪6で27点! さらに2本だから倍の54点! 大鎌が私を貫く!(笑)
GM:「グアアアアアアッ!!!」――なぜか苦悶の悲鳴を上げるザイナヴ!!(笑)
シヴァ:まだ死なないか!――「ならばトドメだ!」
テヨーラ:「シヴァ、やるなら私に!」
シヴァ:「………………恨むなよ!」――テヨーラに向けて<打ち据える眼>(コロコロ)……2成功! さらに俺も連鳴持ってたの思い出したので使う!(笑) 2人目の対象ももちろんテヨーラだ!
テヨーラ:抵抗はしない。
シヴァ:13点の2倍で26点ダメージだ!
このシヴァの攻撃でザイナヴの残り生命力は20となる……そして――
GM:怒りに燃えたザイナヴが暴挙に出ます! 全体巻き込んで炎のブレス! 全員<精神抵抗>4/5だ! 抵抗成功で20点、抵抗失敗で35点のダメージを食らえ!!
テヨーラ:私がいるっていうのに?
GM:それでもやります。ザイナヴは周りが見えてない感じです。
テヨーラ:………………まずいわね。
シヴァ:最悪、テヨーラさんが生き残れば全員を反魂してもらえるのだろう?
テヨーラ:でも、もうすぐ<かの者へ、我が身の厄災を与えよ>の効果も切れるから、ある意味では博打ね。
ジャバール:ここはわしが身を呈して(【撃壁】を使って庇うと言う意味)、アーレンだけでも護るか。
タータ:なんというか……どの方法にしろオレは死ぬッスね(笑)
テヨーラ:「諦めなさい……これも運命」
アーレン:「いや、諦めてたまるか!」――僕はここで世界意思の雫<氷山>を使います! みんなには悪いけどザイナヴと一対一になりたい! もちろん炎のダメージを食らうのは僕1人だ!
GM:わかりました。カッコイイし、さして問題無いと思うので許可します。手鏡の宝石の一つが輝き! その瞬間アーレン以外の全員は見えない力に弾かれる!
アーレン:そして3つ首竜のザイナヴと僕だけを、見えない結界が包むんだ!
ジャバール:だが、生命力は大丈夫なのか!?
アーレン:僕だけまだ24点残ってる! 抵抗に成功しさえすれば(コロコロ)……――あれ!?
タータ:2個しか成功してないッスよ(笑)
テヨーラ:3点堕落するしかないわね。
アーレン:………………どうしよう。すでに堕落ポイント7なんだよね(笑)
一同:『………………』
アーレン:駄目だ! ここで死んだら主人公の意味が無い!――「邪霊の力を――いや、見るが良いザイナヴ! この身に宿りし邪霊の魔なる輝きを!」――と永続堕落! 効果は後で決める! とにかく今は5点を凝縮して1点に、さらに3点堕落で抵抗成功! 残り生命力4点!
GM:耐え切ったか。
アーレン:そして自分の番!
GM:いや、その時点で結界は解ける。ザイナヴも倒れて大量の血が吹き上がります。
ジャバール:じゃあアレだ。わしらからは結界内が真っ赤に染まって何も見えないんだ(笑)
シヴァ:「くそ、何がどうなっているんだ!?」――と(笑)
テヨーラ:「運命よ……」
タータ:「そんな!?」
ジャバール:「アーーーレーーーーーンッ」(一同爆笑)
GM:そして大量の血が周りに流れ出す瞬間、アーレンだけは見る! ザイナヴから元の3人に戻った堕天使達が必死に逃げようと羽ばたくのを!――基本的に上級邪霊は<不死>という特徴を持っているのでね。
アーレン:逃げようしているの?
GM:そうです。こやつ等は逃げる事に慣れているので、最後まで戦おうとはしません。次のこっちの行動順になったら逃げます。さらにさっき結界に弾かれていたのでアーレン以外は20m離れているって事で。
ジャバール:まずいな、アーレンが1匹、テヨーラが1匹、シヴァの邪眼で一匹か。倒せるか?
テヨーラ:このタイミングじゃ神語が使えないから私のダメージが心配。たぶん取り逃がす。
アーレン:全部僕がやる! 永続堕落の効果も良いのあったし、良い感じのエンディングになる(笑)
GM:まぁどっちにしろ最初の行動はアーレンなのでどうぞ(笑)
アーレン:まだ結界が解けたばっかで、血流が流れたり落ちたりしている中を3姉妹に向けて疾走! そしてまずはヌイヌイに跳躍<飛凰>――「この刀の銘は【生者必滅】! 生きているものには必ず死が訪れる」――通常<瞬閃><奥義・終刺>(コロコロ)……7命中の37点!
GM:「いやああああ!!」――とヌイヌイは消滅します。しかしツーリがアーレンに向き直って――「生きているものには必ず死が訪れる……か、ならば貴様が助けに来た娘の死も、必然であったという事だ!」
アーレン:ヌイヌイを斬ったあと、着地して横薙ぎにツーリを攻撃、冥獄刀「翻る風」の効果で、連撃中に対象を変えます!――「それはわかっている……摂理に背いた僕は罪を受けなくてはならないと言うことを!」
GM:やはり「翻る風」か(笑)
ジャバール:カッコイイじゃないかアーレン(笑)
アーレン:「そして僕の刀には本当はもう一つ銘がある……【会者定離】――出会った者とは必ず別れるという意味だ」――通常<奥義・終刺>(コロコロ)……7命中の38点!
GM:「く、くそおおおお!!!」――ツーリも消滅します。
アーレン:そのまま「翻る風」でマチを斬る! 渾身<瞬閃><奥義・終刺>(コロコロ)……8命中の41点!
GM:「わたしが……このわたしが倒されてるなんて……ぐはああああぁぁぁ!!!!!」――3姉妹が全て赤い羽根となってそのまま消滅します。
アーレン:一刀両断した構えのまま台詞を続けます――……
 ――「だからっ……さよならだ、ラティファー……」――

 永続堕落の際、アーレンが選んだ効果は<過去の囁き・記憶の欠落>
  その効果は――

 "大切な記憶を一つ失う事"

 アーレンの失った大切な記憶は……――

◆15.アーレンの選択

世界意思の雫が作った結界は消え、膨大な血流が辺りへと流れ落ちた後。そこには冥獄刀を携えたアーレンだけが立っていた……
GM:ザイナヴの消滅によって獄が開放されます。テヨーラなんかは直接、見えちゃっても構いません。
テヨーラ:到達ポイントね……「それが……正しき運命」
ジャバール:わしはこの辺りから血の匂いが無くなっていくのが解るんだな。
シヴァ:なんとなく全て終ったという事を理解しよう。
タータ:「嫌な感じがしなくなったッス」
GM:そしてアーレン、キミには聞こえる――『アーレン、お前にはずっと迷惑をかけっぱなしだった……生きている頃も……死んでからも……でも、やっと解放された……これで心の底からお前に言えるよ――ありがとうアーレン、お前が親友で良かった』
アーレン:「ハーティア?」――と振り向きますが、そこには誰もいない。
ジャバール:代わりに駆け寄ってくるわし等が居るんだ(笑)――「アーレン、よくやった!!」
アーレン:「先生! やったよ! 目的だった獄を……邪霊ザイナヴを倒したよ!!」
ジャバール:「目的だった獄?」
アーレン:「これでもう僕は、やることもなくなった……先生、また旅を続けようか」
シヴァ:「おい、ちょっと待てアーレン! ラティの事はどうするんだ!? まだ反魂が終ってないだろう?」
アーレン:「ラティ? 反魂? 何の事を言っているんだ?」
シヴァ:「おいクーヤゥ! 護魂の壷を持ってきてくれ」
クー:『これぇ?』
シヴァ:「これを見ろアーレン! この壷に誰の魂が入っているかわかるだろう! 何の為にこの血河の獄にまで来たのかを!!」――アーレンにラティの魂が入った護魂の壷を渡すぞ。
アーレン:それは魂装術でわかるか――「誰かの魂が入っているようだね……なぜだろう、解らないんだけど…その人を反魂する為に来たんだっけ?」
シヴァ:「アーレン……お前……」
テヨーラ:なるほどね……と永続堕落している私は察するわ――「それもまた……運命」
クー:『ねぇアーレンが変だよ!? カバのおっちゃん! ねぇアーレンが!!』
ジャバール:「うむ、クーよ……これがアーレンの選んだ道なんだ」
アーレン:「なんとなくだけど……この護魂の壷はシヴァに渡しておくべきなんじゃないかと思う」――シヴァに渡します。
シヴァ:「………………ああ、そうだな。俺の……妹の魂なんだ」――受け取ろう。
アーレン:「そうか、シヴァの妹を反魂しに来ていたんだな。すまない、なぜか忘れてしまってさ」
シヴァ:「気にするな」
タータ:「姉御……アーレンはもしかして……」
テヨーラ:「魔なる力を纏った代償、邪霊の力は死者の魂とは違う……アーレンは自分で払ったのよ。その代償を」
タータ:「………………」
シヴァ:「……ジャバールさん、ラティの反魂はどこに行けばできるのですか?」
ジャバール:「言論都市ウァスでルージュという天使が待っている。そこまではわしも一緒に行こう」
シヴァ:ジャバールさんに頷いて――「……悪いがアーレン、世界意思の雫を1つ……俺にくれないか?」
アーレン:「え、いいけど……」
シヴァ:では貰っておこう。何を貰ったかは後でって事で。
アーレン:冥獄刀を一振りして腕に戻す――「じゃあ帰ろうか、ジャハンナムへ!」

◆16.『何かあった時は……』

来た道を戻る。なぜ来たのか……その事を忘れた男に、仲間の誰もが深く話そうとはしなかった……――
ジャバール:では黒沙帯を越えて、ジャハンナムへ戻ってきたところで言おう――「アーレンよ、これからの事なのだが、わしとシヴァはここで別の道を行く。シヴァの妹を反魂させねばならないしな」
アーレン:座空を止めて――「そっか……その為にゲヘナまで行ったんだよね」
シヴァ:「すまないなアーレン」――座空から降りよう。
ジャバール:「わし等は一路言論都市ウァスに向かう。アーレン達はどうする?」
アーレン:「そうだなぁ…テヨーラさんは?」
テヨーラ:「私は、運命のままに生きるだけ」
アーレン:「じゃあ、僕は先生とは違う道へ行きます。僕にはこの冥獄刀がある……邪霊を倒す誓いも、獄を元の姿に戻す使命もあるから」
ジャバール:「うむ、そうだな……お前は十分に自立したと思う。これからはもう、わしが居なくても大丈夫だろう」
アーレン:「……そんなこと」
ジャバール:「お前とはこの1年以上、一緒に旅をして来た……最初に会った頃はまだ享受者としても、男としてもまだまだだった……」
アーレン:「先生……」
ジャバール:「だが……いつの間にか、お前はわしなんかより上に行ってしまった。
わしとお前は、お前に"先生"と呼ばれる程の力の差はもう……無い」――わしも座空から降りよう。
シヴァ:「アーレン、短い付き合いだったが……お前とはまた会える気がする。元気でな」
アーレン:「……シヴァも」
シヴァ:頷こう。
ジャバール:「テヨーラ、アーレンの事は任せたぞ」
テヨーラ:「あなたと違って、私は何もしないわよ?」
ジャバール:「ふん…かまわんさ。いや、だからこそわしより、今はお主のような奴に任せるんだ」
テヨーラ:「……わかった。お互い地上を目指しましょう。それが享受者の運命……」
ジャバール:「……ああ。上へ登る道を行けば、いつか交わる事もあろう」
タータ:オレは思うところがあって、姉御の横に座ったままずっと黙ってるッス――「………………」
クー:と、ここでクーがアーレンの服を引っ張って言うの――『駄目だよアーレン! 一緒にウァスに行こう? ラティを反魂するまで一緒に居ようよ!』
アーレン:「いや、でもシヴァの妹さんだろう? 僕なんかがいても邪魔なだけだよ。その子もきっと、起きた時に会いたいのは家族のシヴァだと思うしね」
クー:『違うよ! アーレンじゃなきゃ駄目だよ! ずっと一緒だったじゃん! 賭博都市カリュオンから享受者として旅立って……ずっと……ずっと……』
アーレン:不思議そうな顔をしよう。
クー:『なんで!? なんでそんな顔するの? ラティの事、本当に何もかも忘れちゃったの!? 闘技場の控え室でラティが本当の名前をアーレンに言った事も、アーレンの故郷をラティと一緒に歩き周った事も、メデューサのいた迷宮にも一緒に入ったし、それに……それに……ラティが死んだ時に、今度こそ自分が助けに行くんだって言ったの……アーレンじゃんか!!!』
アーレン:「………………ごめんよクー、本当に解らないんだ……僕はその"ラティ"って子に会った事があるのかい?」
クー:『う゛…う゛……うわ〜〜ん…カバのおっちゃーん(大泣)』――と泣きつく。
ジャバール:クーの頭をポンポンとなだめていよう。
シヴァ:「………………」
テヨーラ:「アーレン、気にする事はないわ。あなたはラティとは出会った事が無い。私が保証する。クーの勘違いよ」
アーレン:「………………」――いまいち納得が出来ない…でも、実際に記憶にも無いので納得せざる得ない……そんな表情で。
ジャバール:「アーレン、1つだけ約束してくれ……わしの知り合いに1人、どうしても地上を見たいと言っている者がいてな」
アーレン:「……はい」
ジャバール:「もし地上への道を見つけたら、わしでもシヴァでも良い。その事を教えてくれ……その子はきっと、喜ぶと思うんだ」
アーレン:「うん、約束するよ」
ジャバール:満足そうに頷き――「ではアーレン、さらばだ。元気でな」
アーレン:「はい! 先生も……体に気をつけて」
そうして……1つの別れが終る。遠く砂漠の向こうへと座空に乗った3人の姿が消えていく……
クー:クーは座空を見送ってからも泣いてます――『えっぐ…えっぐ……うう……』
シヴァ:残ったジャバールさんに言おう――「これで、良かったのかな……」
ジャバール:じゃあわしは大声で言うぞ――「良いわけがあるかぁッ!!!!!」
クー:『!?』驚いた。
シヴァ:いや、マジでビビッた(笑)
ジャバール:「どうしてアーレンが背負わねばならぬ!! どうして代償を払う必要がある!! 代償を払うのは先生であるわしの方だろうが! アーレンにもラティにも、まだまだ未来が待っているというのに!!!」
クー:『カバのおっちゃん……』
ジャバール:「なぜだアーレン! どうしてお前は……お前はそうまでして……――」
アーレン:あ、ここでシヴァに手紙を渡していた事にします。もちろん宛名は先生へ。
シヴァ:じゃあ言おう――「ジャバールさん……実は反魂が成功したらあけるようにと言われていたんだが……」――とアーレンからの手紙を渡そう(笑)
ジャバール:開けよう。そして読む。
シヴァ:「アーレンの奴から……何かあった時は……って」
テヨーラ:なら手紙を開けた瞬間にアーレン声が響き出すのよ<音よ、我が意のままに語れ>(コロコロ)……8成功。テープのように録音されていると思って。
アーレン:じゃあ文字と同時に声も聞こえてくるって事で。
ジャバール:うむ、わしは一心不乱に読むぞ……

 『尊敬する先生へ――

 もし、この手紙が先生の手に渡っているという事は、きっと僕の身に何かあったんだと思う。

 でも心配しないで下さい。例え僕が死んでいようとも、きっとラティだけは助けていると思うから。

 だから……僕に後悔はありません。

 この一年間、先生と会って、ラティ達と一緒に旅ができて本当に良かったと思っています。

 僕が享受者になったのは親友を助けられなかった自分が許せなかったから……。

 でも、この旅で僕は強くなりました。きっと今なら、先生にも勝てるかもしれない。

 ごめんなさい。嘘です。たぶん先生にはいつまでも勝てないと思う。

 僕はまだまだ甘いです。誰かのためじゃないと本当の力が出せません。

 だから、そんな僕だから、これを残します。

 ラティが生き返ったら言って下さい。

 地上を見せられなくて……ごめん。そうアーレンが言っていたと』

ジャバール:手紙を読みながらプルプルと震え出そう。
シヴァ:「あいつは、獄に入る前から覚悟を決めていたんだ。なんとなく……こうなる事を予知していたんだと思う」
クー:クーは大泣きです(泣)
ジャバール:「この事は……お主も、テヨーラも知っていたんだな……」
シヴァ:「ああ……黒沙帯を渡って獄へ向かっている途中、3人で夜番になった時に話を受けた」
アーレン:それと追加。手紙からポトリと緑色の宝石が落ちるんです。
ジャバール:「これ……は……」
アーレン:そして手紙の内容も最後の一行が――

『――そうだ1つだけ。これがきっと後々必要になると思うから入れておきます。先生、幸せにね――』

アーレン:落ちる宝石は<森>の雫です。効果は"失った魂を呼び寄せる"……GM、これを使えば彼女も反魂できるよね?
GM:問題無いでしょう。
シヴァ:「ラティの為に俺が、その人の為にあんたが……きっと必要になると思って、アーレンは決意していたんだと思う……自分の代わりはいくらでもいる。でも家族や恋人の代わりはその人達以外にはいない……と」
ジャバール:「アーレン……お主は馬鹿もんだ。大馬鹿者だ。どうして……どうして自分の代わりがいるなどと思う!? お主の代わりなど、どこにもいるわけが無いと言うのに……」――グッと<森>の雫を握ろう。
魔を纏い戦った刀士の姿はすでに無く、ただただ、地獄の砂漠を辛い風が砂を舞い上がらせていた。
  偽りの空に、心から信頼できる仲間の……咆哮ともとれる泣き声が、響き渡った。

◆17.少年よ、運命を切り開け

どこまでも続くゲヘナの砂漠を、アーレンとテヨーラ、タータを乗せた座空が飛ぶ。
ジャバール達と別れてから、3人は一言も口を開いていなかった。
GM:では、ここからはエンディングです。それぞれ自分のエンディングを宣言して下さい。
テヨーラ:私は………………という感じにして欲しい。
アーレン:あ、僕も同じ感じ。
GM:了解です。じゃあ2人の望むエンディングはラストに回します。
タータ:じゃあオレからッスね。なら無言で飛ぶ座空の上でいきなり声を上げ――「アーレンさん、止めてくれッス!」
アーレン:座空を止めます。
テヨーラ:タータを見ましょう。
タータ:「姉御……アーレンさん……ここまで来て言うのも申し訳ないッスけど……やっぱり、オレ、ここで降りるッス」――正座して俯きながら!
アーレン:「それは……別にいいけど、ここで降りてどうするの?」
タータ:「オレ……オレ……このままじゃいけないってずっと思ってたッス」
テヨーラ:無言で聞きましょう。
タータ:「姉御に助けられてから、押しかけるように子分になって……でも、でもそれじゃあオレは今までと何も変らないッス!」
ジャバール:子分だったんだ(笑)
タータ:「オレはやっぱり、あのジャバールを越えないといけないッス! そうしないとオレはいつまで経っても前に進めないッス! アーレンさんを見ていて……このままじゃオレは変らないんじゃないかって……だから、だからオレはここから戻ってジャバールに戦いを挑んでくるッス!」
アーレン:「でも、もうかなり来ちゃったし……なんなら座空で先生達の所まで戻ろうか?」
タータ:「いや、その好意は気持ちだけで十分ッス! ここで甘えてたらオレはまた成長できないッスから! そうッスよね? 姉御?」
テヨーラ:「タータ……」――と頭に片手を置いて――「人は努力によって成長するんじゃない……決断によって成長するもの。頑張って……今のあなたなら運命の道がわかるはず」
タータ:「……はいッス!!!」――座空を降りて頭を下げるッス――「ジャバールにリベンジしたら、オレも地上を目指すッス! そしたらまた一緒に旅ができたら嬉しいッスよ!」
アーレン:「ああ、僕もそう思う……タータ、キミには会った時から初めて会う気がしなくってさ。今思い出したよ」(笑)
タータ:「何がッスか?」
アーレン:「いや、僕の故郷にも似たような喋り口調の後輩が居たなってさ」
タータ:「じゃあきっと、そいつもオレに似て良い奴ッスね。今度会う時は紹介して欲しいッス」
アーレン:「わかった約束する……じゃあね、元気で」
タータ:「アーレンさんも」
テヨーラ:顔を隠しているヴェールの下で微笑みましょう。タータからは風で口元だけ見えたって事で。
アーレン:座空を出発させます。
タータ:オレは泣かないッス! 座空に背を向けて走りだすッス! これからがオレの本当の初めての一歩だから!!!
その後、タータが先生にリベンジできたかどうか……それは僕にはわからない。
ただ、賭博都市カリュオンに行った時、アギードさんがタータを探しているって依頼があった。
もしかしたら、このジャハンナムの空の下、またハンターに追われているのかもしれない……。
面白いのはテヨーラだ。
ついこないだバナジウムで帰った時リビタが僕を訪ねて来た、もちろんあの独特の口調で…だ。
真っ先にタータの名を呼んでいたテヨーラ。本人は否定していたけど、タータの事はそれなりに気に入っていたんだと思う。

◆18.孤高の戦士

言論都市ウァス。学問や魔術の中心地であり、幻境域「書庫」によって発展した街。ジャバールとシヴァはその街で待っていた天使ムーラン=ルージュと再会していた。
GM:「あらあらまぁまぁ……」――とルージュは出迎えてくれます。ウァスにあるとある魂装教会の中です。
ジャバール:「久しぶりだなルージュ」――と、今まであった事を説明しよう。シヴァが兄とか、アーレンが決断して行った事とか。
GM:「そう……ですか。残念な事ですが、神はきっと皆を見ているはずです、邪霊を滅ぼしたアーレンさんをお見捨てになるとは思えません」
ジャバール:うむ。ルージュなら言いそうだ(笑)
シヴァ:「それで……ラティの反魂は!?」
GM:「こちらですわ……すぐに準備は整います」――ルージュは部屋の奥へと入っていきます。
ジャバール:「ではシヴァよ。わしはここまでだ」
シヴァ:「……ああ」
ジャバール:「反魂が成功したら、きっとラティは選ぶ事になると思う……アーレンの事をどうするかを」
シヴァ:「ええ」
ジャバール:「その時はラティ自身に決めさせるのだぞ。それでなくては意味が無い。アーレンが選んだように……ラティにも後悔無く選んで欲しいからな」
シヴァ:頷こう――「できる限り、兄として力は貸すつもりだ。いろいろとありがとう、この恩は忘れない」――ルージュさんを追って建物に入っていこう。
ジャバール:じゃあ満足して行こう。
クー:『カバのおっちゃん!!』――壷に巻かれた封印具から、毎度のように抜け出してシヴァと入れ違いにやって来ます。
ジャバール:「クー、ラティの事は任せるぞ。もう、お主しかおらんのだからな」
クー:『うん……うん……わかった。任せて!』
ジャバール:「じゃあな。わしはもう行く。果たさなければならない約束があるからな」
クー:『ねぇカバのおっちゃん! クーとの約束は覚えているよね? ラティがさ……ラティが生き返ったら一緒に――』
ジャバール:「ケバブを食べる……覚えているさ。忘れるものか」
クー:『うん♪』
ジャバール:「ラティが起きたら、今度はわしを探しに来い。わしはこのゲヘナで地上の道を探して旅をしている。もし再び出会えたら、その時こそ約束を果たそうじゃないか」
クー:『うん♪……うん♪……』
ジャバール:「だから泣くな! いつかきっとまた出会える」
クー:って、泣いてたんだ(笑) じゃあ泣きながら――『う゛ん…もう゛泣がないよ……』
ジャバール:「クーよ、1つ頼まれごとをしてくれんか?」
クー:『うう〜……なに?』
ジャバール:「ラティが起きて、どんな決断をしようとも話して欲しい事があるんだ」
クー:『うん、話すよ、ラティに話す』
ジャバール:「それはな、記憶を失ったとある獣人の話だ。その獣人はとある天使の……」――とわしの話を名前を出さずに話して――「……どんな記憶も、戻らぬ事は無いと言う事を。ラティに伝えて欲しい」
クー:『うん、するよ。絶対にラティにする』
ジャバール:「話はそれだけだ……約束の日を楽しみにしているぞ」――わしは背を向け歩きだそう。
クー:『その時は……おっちゃんのおごりだからね♪』
ジャバール:「ああ、いくらでもおごってやる。5つでも6つでもな」
クー:じゃあ去っていく背中に――『10個でも20個でもだよーーー!!』
ジャバール:片手だけ上げて答えよう。
その後、どこかの都市で誰かの反魂が行われた。
依頼者はカバの獣人で獣甲闘士の享受者。生き返ったのは長い金髪の女性天使だった。

「ファラーシャ……約束通り、迎えに来たよ」
「ジャバール……なの?」
「ああ、そうだよ……ありがとう、僕はファラーシャを守れるぐらい強くなった。だからまた一緒に行こう……一緒に……太陽を……――

先生と別れてから、僕はまだ先生と再会していない。
でも、陵渦の紫杯連で噂だけはいくらか聞くようになった。
どうも先生は、天使の女の人と組んで旅を続けているらしい。
今でもカバカバ馬鹿にする人達はいるけど、もう昔みたいに先生は目くじらを立てないと思う。
僕の想像だけど……
きっと今、先生は幸せに……――

◆19.反魂

ラティの反魂から丸一日。意識を取り戻したとの報を受けて、シヴァとクーヤゥは急ぎその部屋へと向かった。扉を開けたとき、上半身を起したラティは……――
GM:では反魂から丸一日、ラティが意識を取り戻します。
シヴァ:目を開けるのを待っていよう。
GM:ラティはゆっくりと目を開けて――
ラティ:「兄……さん?」――解って良いのかな?
GM:死んでいる時の記憶は残っているので問題無いです。
※どうでも良いが、今回テヨーラのPL(プレイヤーC)は大変である。なんせ1人でテヨーラ、クーヤゥ、ラティと1人3役を行っているので……。
シヴァ:「解るのか?」
ラティ:「ずっと……見ていたから……」
シヴァ:「なら、アーレンに何が起こったか……説明する必要は無いな」
ラティ:ポロポロと涙を零すように泣き出します。
シヴァ:「どうしても辛いなら……お前には1つだけ選択肢がある」――懐から世界意思の雫を取り出します。<草原>の雫。
ラティ:「これ……は?」
シヴァ:「世界意思の雫だ……心を白紙に戻す効果がある。簡単に言えば、お前がアーレンと一緒に旅をした記憶も、全てなくなる。忘れる事ができる。お前はもう一度人生をやり直す事ができるんだ」
ラティ:じゃあ受け取るだけ受け取る。
シヴァ:「お前がこの現実を辛いと思うのなら……その選択も有りだろう。アーレンの選択は……お前も知っているな」
ラティ:「アーレンは……助けてくれた。そして、今までの事を忘れて、新しい運命を切り開いて生きているんだよね……」
シヴァ:「そうだな……それがあいつの選択だ」
ラティ:「なら……だったら私も、いつまでも足踏みしている訳にはいかない……よね」――<草原>の雫を使います。
シヴァ:「そうか……」――実は使わないと思っていたから驚きだ。
GM:同じく。
ラティ:でも<草原>は輝かないの。
GM:じゃあ発動しません。
シヴァ:「一つ言い忘れていた……その<草原>の雫、使用するには条件があってな。心の底からその意思を受け入れる必要がある……。忘れるという決意を肯定する必要がな」
ラティ:「私は……私は忘れたいと思っているよ……なのに……なのになんで!?」
シヴァ:「いくら口で言っても、いくら表面上は取り繕っても、心は偽れ無い……」
ラティ:「いや……私は忘れたい。じゃないと……じゃないと私は前に進めない……アーレンと同じ場所に私も立ちたい……」――泣きながらシーツをギュッと握って、搾り出すように言います。
GM:クーが『ラティ……』と心配そうに。
ラティ:「私は……アーレンに……置いて行かれたくないよ……」
シヴァ:左手の手袋を脱ぎましょう――「ラティ、お前の決意が本気ならば……目を開けろ。ただし、開ければ最後……アーレンの事は忘れ、全てが白紙から始まる……それでも良いなら目を開けろ」
ラティ:「………………」
シヴァ:「最後の選択だ。俺にできるのは……ここまでだからな」
ラティ:目を瞑ったまま言います――「ありがとう、兄さん……でも、私はこのままじゃいけないって解っているの……このままアーレンを追いかけても、私はきっと足手まといになる……だから、だから私も――」――目を開きます。
シヴァ:くそっ! <虚構を与える眼>で忘れたいという気持ちが真実だと信じ込ませる!(コロコロ)……成功……した。
GM:忘れたいと思っていたのに、最後の踏ん切りがついていなかっただけ……なら<草原>が発動します。
ラティ:じゃあ緑色の草原の風景が最後に見えます。その草原の向こうにアーレンの姿が見え、彼が振り返ると同時に消えるんです……
そして……――
ラティ:「えっと……ここは?」
シヴァ:「くッ」――完全に記憶が飛ぶって事は、アーレンだけじゃなく、俺やクーヤゥの事も解らないんだな。
クー:『ラティ〜ラティ〜ラティ〜〜』と抱きついて泣きます。
シヴァ:「キミの名はラティファーだ……そしてこれから話すことをよく聞いてくれ……」――奴隷を抜かした過去の事、享受者となった事、ジャバールやテヨーラ、クーヤゥの事をアーレンを外して教えます。
ラティ:シヴァが真剣な目なのでそれが真実だと信じて――「そう……だったのですか……ありがとうございます。えっと……兄さん」
シヴァ:「……ああ」――く、後味が悪い……。
クー:『あのねラティ……ラティに伝えて欲しいって言われた話があるんだ……』――と、"とある獣人の〜"と話します。
シヴァ:「それは……」
ラティ:「じゃあ、私の記憶も…いつか戻るかもしれないのね?」
GM:クーはブンブン頷くでしょう。
ラティ:「よかった……なぜか解らないけど、地上を目指さないといけない気がしていたの……それも、誰かと一緒に……その記憶も、戻るかな?」
シヴァ:「ああ、きっと戻る。地上を目指せば……きっとな――
――「冥獄刀を持った者は、その力の代償に進むべき道を固定される……」――

かつて、僕が殺した享受者が言った台詞だった。
僕は冥獄刀を持っている。
という事はその力の代償に、僕は進むべき道を固定されたのだろうか……。
だがいくら考えても思い出せない。
確かに……冥獄刀の代償に、何かを道端に置き忘れてきた気がするのに……。
どうしても……僕は思い出せなかった。
それは……道端に捨ててきて良いようなものじゃないと思うのに、とても……とても大切なものだった気がするのに……。
ゲヘナリプレイ
『地上を目指して……』 了

◆最終回PL達の感想

●アーレンPLより――
  ゲヘナの肯定と否定の信条システムはわかり易くていいね。かなり一直線な純粋なキャラができて満足。魂装と刀士の1レベルは弱すぎ……と思ったけど、サプリの煉獄方向が出た瞬間にめっちゃ強くなった。最初の方はまだ優柔不断だったのに……最後はきっと成長したんだと思う。殆ど迷わなくなったし。

  ――1番好きなシーン:妖霊街と背徳の決闘〜救いは友情と共に〜
「ただ、試合に勝ったらラティに自由を与えて欲しい。それが僕の出す唯一の条件だ」



●ジャバールPLより――
  ぶっちゃけ、本当は「蟻食い」の獣人がやりたかったんだけどなぁ。まぁジャバールはかなりキャラが立ってたし面白かったから良いけどね(笑) ギャグありシリアスあり、ラブコメまであり……ラティに享受者になるかどうかを選ばせるシーンはジャバールの本領発揮だったな。

  ――1番好きなシーン:黒沙の森で待っています〜孤高の戦士ジャバール〜
「うおおおおおおおおおおお――!」――とジャバールは1人男泣きだ。



●テヨーラ&ラティ&クーヤゥPLより――
  基本的にクーヤゥは素です! すっごい楽だった(笑) それに比べてテヨーラはやってて大変だったなぁ、他人を「運命」と突き放すのは良心が痛むし(笑) ラティも静かな少女系だったからあんまり喋れなかったし……クーヤゥがいてくれた良かった! その一言ですね。

  ――1番好きなシーン:美食と悪食の街〜決別と死別悲しみの旅立ち〜
「アーレン……あり…がとう…この1年間ずっと……楽しか……った…よ――」



●タータPLより――
  もう、なんて言うか……アーレンが成長していたからこそ、このポジションで遊べたって感じだった(笑) やっぱりいじられまくるキャラだったけど、それはそれで楽しいと思われます。ジャバールを落とそうと思って参入したんだけど……まぁ、このポジションも悪く無い……と思ったのが敗因かな(笑)

  ――1番好きなシーン:冥獄刀の呼び声〜再来の街に伝言を〜
「あんた……どんなに孤高だ戦士だ言ったって……所詮はカバじゃないッスか!!」(一同爆笑)



●シヴァPLより――
  面白いPL達だったので楽しかったです。もっとシスコンを現してギャグもやりたかったと思いますね。正直、最初邪眼をやるって決めた時、微妙だと思ったんだけど……そんな事は無い! 邪眼は面白いです(笑)
  この地獄という絶望の地で、享受者という闇の住人を演じる……楽しいです。

  ――1番好きなシーン:血河の獄〜地上を目指して……〜
シヴァ:「かかったな!!!」――その瞬間<悪意は影から掴む><悪意は闘気を殺ぐ>発動!

◆あとがき◆

 リプレイライターの相原です。
 このリプレイではGMも担当させて頂いておりました。このゲヘナのキャンペーンですが……本当は一話完結の短編の予定でした。しかし……しかし……あの人が河馬なんてやるから(笑)  そうです、このゲヘナがキャンペーン化した理由は一重にジャバールにあります。キャラ作からプレイにおいて、あまりにも印象強く、PLGM一同が面白くなってしまい「キャンペーンにしよう!」とあいなりました。そう考えると、表の主人公がアーレンならば……裏の主人公こそジャバールです。

  GMをやっていて大変だったのは、ゲヘナの楽しみである連撃とカウンターですね。最後の方なんてもうダメージ量が……一回カウンター入っただけで一撃死みたいな……。それでもキャンペーンの醍醐味であるキャラクターの成長に立ち会えたのは嬉しい事でした。PLにも恵まれ良いリプレイが録れたんじゃないかと思います。
  ここで1つ裏話を……このキャンペーンの題名である「魔装刀士伝」ですが、実は最終回でアーレン(のPL)に「なんで"魔"装なの? ずっと不思議だったんだけど?」と聞かれるまで、私は「"魂"装刀士伝」のつもりで書いていました……どうやら、第一話を書いた時に間違えてしまいそのままコピーで創っていたせいかと……。まぁ最終回、アーレンが頑張って"魔"を纏って戦ってくれていたので感謝です。
  さて、享受者達の地上への旅はこれからも続きます。たとえそこが、地獄であっても……。
ご意見・ご感想お待ちしております。
GM兼リプレイ執筆:相原あきと

◆〜ゲヘナ〜

 かつて、シェオ−ルと呼ばれる都市があった。栄華を極めたその都市は、邪神イブリスと一人の人間が抱えた怨念により地獄へと落ちる事となる。それが……僕達が生きているジャハンナムだ。
  空は常に偽りで、周囲は闇と絶望の砂漠で隔たれている。そんな厳しい地獄の底だけど、僕達人間は生きている。

  「紫杯連への報告はお願いね。それでこの街での仕事も終わり……」

もうすぐ赤の刻という空を見つめていた僕に、そう言ってテヨーラはどこかへと行ってしまった。
永続堕落のせいで体に変異を起しているせいか、テヨーラは人が沢山集っている場所を嫌う。
いや、本人は気にしていないんだと思う。ただ、周りに気を使っているのだ。

扉をくぐるとモヤっとした煙と酒の匂い……酒場と兼用になっている紫杯連は多く、この街の支部も例にもれず酒場の主人が支部長を兼任していた。
思い思いにお酒や早い夕飯を取っている享受者達、その視線が一斉に僕に向けられる。

  「???」

  自慢ではないけど、確かに僕もそれなりに有名な享受者の1人だ。だけど……そこまで注目されるような事をした覚えは無いんだけど……。
するとどうだろう、他の享受者達に押されるようにして16かそこらの堕天使の少女が前に出される。

  「えっと……あなたがアーレン……さん?」

  少女と言ってもいいかも知れない。首にはランプのアクセサリーの付いた首飾り型の封印具、沙壷が腰に下げられているのを見ると、この少女は黒沙術と妖霊使役を行えるのだろう。

  「え……あ、ああ。アーレンでいい」

  不思議な感覚だった。目の前の黒い翼の少女には始めて会ったはずなのに……。

  「おいアーレン!」

  店の主人……ここの支部長の声で我に返った。

  「その嬢ちゃん…かなりの実力者でな、同じレベルで付いて行けそうなのはお前ぐらいなんだ。
     地上を目指しているみたいでな、いろいろ教えてあげてもらえると助かるんだが」

  この感じ、数年前にもどこかで……

  「ラティって言います」

  少女…ラティが丁寧にお辞儀をしてくる。僕はなぜか先生を思い出していた、今この時には先生が……それにもう1人……

  「あの……何か私の顔についていますか?」

  「え?」

  「だってアーレンさ――アーレンったら、顔がにやけています」

  ラティが嬉しそうに笑っていた。そうなんだ……なぜか僕も嬉しくって、気が付いたら笑っていたんだ……

   「はははッ……ねぇラティ、一緒に行こうか」

  僕はそう言ってラティに手を出した。
  ラティは少し躊躇したようだったが、すぐに微笑み――


――「あのね……ラティファー」
――「???」
――「私の本当の名前なの……初めて会ったばっかりなのに、アーレンには覚えていて欲しくて……」
――「ああ、わかったよラティファー」


 その時、僕はなぜかテヨーラの声が聞こえた気がしたんだ。あのどこか諦めたような、それでいて何もかも解っているような声で――

「再会するのも……また運命」


魔装刀士伝



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