TOPリプレイ ⇒ガンドッグ〜GUNDOG〜                    戻る

ガンアクションRPG ガンドッグ
――2003年。地球規模で異常気象が発生。
――2006年。異常気象は収束に向かうも世界は重度の食糧危機に陥る。
――2010年。異常気象発生からの7年間はナイトメア・ストームと呼ばれる悪夢のような歴史を刻む。食料危機により生まれた貧富の差、凶悪事件の増加、暴動、クーデター、すなわち世界全体の治安の悪化。
――2016年。現在。世界には今だナイトメア・ストームの爪痕が残り、犯罪は増加し世界情勢は不安定を極めていた。
2004年10月24日セッション開始


MISSION4:

――Struggle on Strung――


◆Gundog Players

 
今回のガンドッグ。PCとして集っているメンバーは4人。そしてもうお約束気味だが、やはり新メンバーが卓上には来ていた。
GM:では4回目のガンドッグを始めましょう。
サラ:その前にGM、1つ言わせて下さい。
GM:はい、なんでしょう?
サラ:今日はパイロットでも活躍できるのでしょうか?
ミカド:あ〜、確かに前の海上油田じゃサラってあんまり役に立ってなかったよな(笑)
サラ:パイロットメインなのに、あんまり操縦する場面なくって……。
GM:今回は大丈夫です。安心して下さい(笑) っと言うわけで、ミカドとサラは前回から連続で参加ですね。
リーレ:いいな……。私は1話以来参加してなかったから久々な気分。
ミカド:リーレ久しぶり!
サラ:2話はNPCで出てたけどね、まぁ、それは私もだけど(笑)
ミカド:そして、ちょっと信じられない事だけど……今日はハイド先生いないの!? プレイヤーの人がいないよ?
GM:はい。前回任務を失敗した責任を取って、まず隊長だったアニータは仕事から干されています。さらに副隊長なポジションだったハイドも、自主的に謹慎中です。
ミカド:そうだったのか……。
サラ:えっと……私とミカドは謹慎しないでいいの?
GM:まぁ、キミ達はあの2人に比べると経験も経歴も若いので。
ミカド&サラ:『………………』
モハメド:ところで……そろそろ俺の紹介をしてくれ。
GM:そうでした(笑)
ミカド:(モハメドのキャラシーを見て)誰、このハゲ?(笑)
モハメド:ハゲじゃない! 俺はスキンヘッドなだけだ! そう書いてあるだろう(笑)
GM:ではモハメド、自己紹介を頼む。
モハメド:ああ、俺の名前はモハメド=バーツ。イスラエル系の男性24歳だ。身長180cmに褐色の肌。頭はスキンヘッドだ。
ミカド:さりげに若い!?
モハメド:ああ、交渉人として名を馳せていた所をコーディネイターのカルロスにスカウトされた。カルロスが言うに、俺には"隊長"の才能があるらしい。ハンターをやっていた事もあるから荒事には多少なれているが……イメージ的には新米隊長だな。
サラ:隊長要員なんだ。
リーレ:……死亡要員。
モハメド:誰だ! 今、さらっと不吉な事言ったのは(笑)
リーレ:……クラスは?
モハメド:メインがコマンダー、サブがデモリッションだ。
リーレ:なんか聞いた事あるような……。
ミカド:ああ!? 第1話で死んだファゾルフ隊長と同じ取り方だ! こりゃ死ぬね(一同爆笑)
モハメド:なに! なんだそのファゾルフってのは!?
GM:……ほい(ファゾルフのキャラクターシートを見せる)。
モハメド:……マジだ。同じだ……この人、第1話で死んだの?
リーレ:(頷く)
モハメド:GM、クラス変えちゃ駄目か?(笑)
GM:もう時間切れです。
サラ:じゃあガンドッグ第四話、行って見ようー♪
ミカド:お〜〜♪
モハメド:ああ!? 勝手に始めるな(笑)

◆W.I.S.E.Agent

ミカド=ホウオウイン  スカウト/スカウト
出身:日本  性別/年齢:男/13  身長/体重:155/56  外見:黒髪黒目のやんちゃ系
【筋力】6 【器用】1 【敏捷】10 【知力】8 【感覚】10 【魅力】1 【体格】5 【外見】7

  正式には鳳凰院帝という生粋の日本人である。かつては華族に連なる一流財閥の家系であったが、テロリストに一族郎党が抹殺され自身はアメリカへと逃亡。今も日本に帰れば命を狙われる状態であり、現在はアメリカで今までとは正反対な底辺の生活をして生きていた。現実というものを知った13歳の少年である。そろそろガンドッグの仕事にも慣れてきた……ところで前回ミッションに失敗した。



リーレ=ナシン  スナイパー/スナイパー
出身:北米  性別/年齢:女/17  身長/体重:167/57  外見:黒髪黒目の黄色系
【筋力】6 【器用】9 【敏捷】5 【知力】6 【感覚】10 【魅力】1 【体格】5 【外見】10

  プロの掃除屋(スイーパー)に育てられた北米育ちの中華系。絶世の美少女であり年齢は17歳。街を歩けば引っ切り無しに声をかけられそうなものだが、本人が無意識に放つ研ぎ澄まされた殺気と、常に警戒を解かない事から生まれる近づき難い雰囲気によって、常に1歩離れて他人が流れを作る。常に寡黙で必要な事でしか口を開かない無口なスナイパーである。掃除屋の養父のことは『パァパ』と呼んでいたらしい。



サラ=スヴァティー  パイロット/アサルト
出身:インド  性別/年齢:女/17  身長/体重:156/46  外見:黒い三つ編小麦色の肌
【筋力】5 【器用】10 【敏捷】5 【知力】8 【感覚】5 【魅力】7 【体格】4 【外見】7

  インド出身の少女。テロリストとして育ったため歳の割には殺伐とした世界に慣れている。紛争終了後にマルチパイロットとしてガンドッグにスカウトされる。大型船舶以外ならまず運転できるスキルを持つので、ガンドッグ達を任地に送り込む届け人として仕事量だけは多い。自分の身長の事を気にしているが、ミカドよりかは高いのが自慢。ミカドのことは口の悪い子供だと思っている。



モハメド=バーツ  コマンダー/デモリッション
出身:イスラエル  性別/年齢:男/24  身長/体重:180/62  外見:褐色の肌にスキンヘッド
【筋力】6 【器用】8 【敏捷】5 【知力】9 【感覚】5 【魅力】7 【体格】6 【外見】6

  かつてはハンターをやっていたが、途中から交渉人としての実力を発揮するようになって、交渉人(ネゴシエーター)の仕事を専門にするようになったイスラエル系の青年。つい最近、カルロスから「キミ指揮官の才能がある」とスカウトされ、ガンドッグの訓練所を得てプロのガンドッグとなる。まだガンドッグとしての正式な任務をこなした事の無い新米隊長である。

◆Opening

「今回の任務は……実は正式なミッションじゃないんだ……言うなればバイトって感じかな?」
GM:ミカド、サラはカルロスから呼び出しを受けます。
ミカド:この前、任務失敗したのに?
GM:そうです。呼び出された部屋に行くと、すでにリーレが待っています。
ミカド:久しぶり!
サラ:リーレ、また宜しくね!
リーレ:(頷く)
GM:そして3人が揃ったところで、カルロスが1人のスキンヘッドな男を連れて入ってきます――「やぁ集ってくれたみたいだね。ミカド、サラ、リーレ……さっそくだけど、今回の任務の隊長を紹介するよ」――と、モハメドは自己紹介をお願いします。
モハメド:自分はモハメド=バーツ。此度のミッションよりチームリーダーを任されることになった。宜しく頼む!
サラ:??? プレイヤー発言だけど……モハメドって経歴に軍人入ってなかったわよね?
モハメド:ああ、無いぞ(笑) この口調はついこの間までガンドッグの修練所で訓練を受けていたせいで、その時の名残が抜けてないんだ。
サラ:なるほど(笑)
ミカド:此度のって……今までガンドッグの任務はやった事ないの?
モハメド:無い! 自分は今まで修練所にて資質をさらに伸ばすべく訓練を受けていた。つまり、今回の任務が初任務だ!
サラ:自信満々だ……。
ミカド:カルロスさん! そんな初心者に隊長任せるのかよ!?
サラ:ちょっとミカド、あなただってまだ2〜3回しか任務こなしてないんでしょう? 偉そうに言える立場じゃないでしょう?
モハメド:大丈夫だ。すでに修練所にて複数回のシミュレーションはこなして来た。何も問題は無い。
ミカド:はっ、実践とシミュレーションは違うんだぜ?(笑)
リーレ:……偉そう。
サラ:テーブルの下でミカドの足を踏みます。
ミカド:うぐッ!?
GM:まぁその後、ミカド達の自己紹介が終ってから――「さて、今回の任務だが……(地図をスクリーンに映し出して)……この印の廃工場、それが今回の任務先となる」
ミカド:廃工場が?
GM:「ああ、今は使われておらず所有権も放棄されていた工場だ。辺りに人気も無いからやり合うにはちょうど良い……って事で、依頼人から指定されたんだ」
サラ:依頼人から指定ってどういう事? 依頼人ってワイズマンじゃないの?
GM:「依頼人……そう、普通ならワイズマンなんだが、今回は警察が依頼人さ」
リーレ:警察……(←嫌そうな声)――掃除屋だったから警察は好きじゃない。
GM:「キミ達も知っていると思うが、数年前から警察の実力と信用は低下する一方だ。それを払拭する為に、警察の方でも動きがあって『特殊部隊』を組織する事になったらしい」
ミカド:ふ〜ん。
GM:「そして今回の依頼だが――」
サラ:その特殊部隊の練習相手になれって事?
GM:「そういう事だ」
ミカド:おいおいカルロスさん、僕等はプロのガンドッグなんだよ? それをポッと出の警察官の練習相手にだなんて?(やれやれ……というジェスチャー)
リーレ:……なんでハイドがいないのだろう(笑)
サラ:っとに! 調子に乗ってるわよね(笑)
GM:「ミカド君、プロは任務に失敗しないものだよ?」
ミカド:ぐぅ。
サラ:ごもっともです。それで私とミカドはそういう意味も込めて呼ばれたってわけですね……。
モハメド:そして自分は隊長としての実力を見る良い機会……という事か。
リーレ:……私は?
GM:「本気でやってくれるスナイパーが1人は相手に欲しいとのご希望でね」
リーレ:了解。
GM:「任務終了はどちらかのチームが全滅するまで。もちろん、実弾ではなくペイント弾でだけどね」
ミカド:僕は銃より殴る方が専門なんだけど?
GM:「殺しさえしなければOKだ。逆に言うなら、向こうも殺しはしないが、ある程度の怪我は覚悟の上で向かってくると思って良い」
モハメド:はっ。
GM:「報酬は1人1500ドル。いつもより安いかも知れないが、安全でかつ成否にあまり関係の無い任務だしね」
リーレ:それで……私達はその廃工場で篭城しながら、敵を殲滅すれば良いの?
GM:「そうなるね。工場の詳細な地図はこれだ(と基本ルールブック『廃工場』のマップを出す)……警察側は南側のフェンスが無い場所から車で乗り入れてくるだろう。人数はキミ達と同じように1チームだ」
モハメド:時間帯は?
GM:「できるなら今夜にでも行いたいとの事だ……何か問題あるかい? あるなら多少交渉するけど」
ミカド:大丈夫。今夜でいいよ。
GM:「ああ、わかった」
サラ:持っていけるのは武器のみ? 車両は配置しちゃ駄目? 私はオフロードのバイクを持って行きたいです。
GM:「わかった、手配しよう」
リーレ:この工場……入り口が3つもある。
モハメド:確かに、ここでの篭城は厳しいな……廃バスでもなんでもいい、入り口は一番北の1つを残して、全てバリケードで封鎖しておくのは無理でしょうか?
GM:「廃バスか……わかった、2台あれば良いね? 向こうさんと交渉しておくよ。確かにそれぐらいの方がリアルだし、たぶん大丈夫」
ミカド:よし、とりあえず今回の隊長を決めよう? やっぱ僕しかいないでしょ?(笑)
モハメド:待て、それだと自分が参加する意味が無い(笑)
サラ:ミカド、そろそろそのネタは飽きたわ。いい加減にしろっ――トスッ…ペンを眉間に。
ミカド:って!? もうちょっと遠慮したツッコミしろよ!(笑)
モハメド:とりあえず警察側の部隊について情報を集めよう。
GM:了解です――

――以下、特殊部隊についての情報――
   ◆特殊部隊はいろいろな特技で構成された部隊である。ガンドッグと同じ構想で組まれたチーム。
   ◆チームの構成は4人。
     コマンダー/アサルト、アサルト/スナイパー、スカウト/デモリッション、デモリッション/パイロット。
   ◆工場へは特殊車両でやってくる。

◆One turn Kill

ブロロロロロ……キッ――バタンバタン……ザッ! ガチャ……。
GM:ではミッションスタートです。
モハメド:各自の配置は作戦通り、入り口付近の瓦礫に自分とミカド、奥の瓦礫にバイクと共にサラ、屋根の上にリーレ。
ミカド:工場の出入り口を塞ぐようにして配置したバスには、閃光手榴弾をトラップとしてくっつけてあるから。
GM:わかってます。それでは時間になると軽装甲車が敷地内に停車します。
リーレ:無線で屋根から連絡――来た。軽装甲車で。
モハメド:了解。
サラ:ええ!? 装甲車で来たの!?
GM:軽装甲車です。
サラ:どうやって街中走って来たんだろう……。
GM:気にしないで下さい。ではお互いリーダーの<戦術>の振り合いから(コロコロ)……こちらは14です。
モハメド:(コロコロ)……14。同じ場合は?
GM:スキルレベルが高い方が先です。
モハメド:<戦術:2>だ。
GM:こちらは3LVなので、警察側が先に動きます。軽装甲車から降りてきたのは、全員身長2m近くある男たちです。黒づくめの特殊防弾服に身を包み、ヘルメットには暗視スコープ付きなのかゴーグルが標準装備されており顔も見えません。
モハメド:それぞれの装備は?
GM:刃物を持った男が2名、大型のライフルを持った男が1名、最後の1人はバイクに乗りながら降りてきます。
リーレ:そのまま無線で説明。
ミカド:近距離が2名? 望む所だ!
サラ:バイク対バイクか……プロがどういうものか教えてあげるわ!
GM:では一番最初に行動するのは大型ライフルを構えた男です。迷わず屋根の上に狙いを定めます。スナイプ。
リーレ:それはこちらも気が付いているはず。逆スナイプしたい。
GM:……いいでしょう。同じTRS上で競争しましょう。先に撃った方が勝ちです。
リーレ:わかった。ライフルを敵スナイパーに向ける。

『ターゲット:特殊部隊のスナイパーを逆スナイプ』
レンジ1:<精神>   修正無し   スナイプされる危険性を理解しつつ心を落ち着かせる。
レンジ2:<狙撃>   修正無し   射撃体勢の確立。
レンジ3:<狙撃>   修正無し   誤差修正。
レンジ4:<狙撃>   −20%   最終照準。
レンジ5:<狙撃>   −20%   B−R−A−S−S(ブラス)。発射。

GM:
では<戦術>で勝っているのでこちらから行きます(コロコロ)……(コロコロ)……レンジ2へ(コロコロ)……失敗、レンジ2の途中まで来た。
リーレ:なら私、(コロコロ)……2マス、(コロコロ)……2マスでレンジ2へ、(コロコロ)……3マス、(コロコロ)……2マスでレンジ3へ、(コロコロ)……クリティカルでレンジ4、(コロコロ)……2マス、(コロコロ)……クリティカルでレンジ5、(コロコロ)……クリア。
GM:なんだってー!?
リーレ:ワンターンキル。
一同:『………………(声が出ない全員)』
リーレ:敵スナイパーを撃つ。スコープが赤いインクで染まる。
GM:それは……敵スナイパーはすごすごと装甲車へ戻って行きます。
リーレ:モハメド隊長、敵スナイパー撃破。
モハメド:………………。
GM:隊長?
モハメド:はっ!? そうか(笑)――よ、よくやった!
ミカド:ぼうっとしてたよね(笑)
モハメド:すまん。
サラ:気持ちは解るけどね(笑)
GM:よもや1ターンで終るとは……。し、仕方ない。気持ちを切り替えて残り3人で奮闘してやる! 3人はそれぞれバスを避けて開いている入口に向かって全力移動して終了。
ミカド:瓦礫の影で隠れている。まだ僕は動かない。
モハメド:自分も動かない。
サラ:私は瓦礫の影でバイクにエンジンをかける。

GM:
次のラウンドです。(コロコロ)……こちらの<戦術>は15!
モハメド:(コロコロ)……クリティカル! こちらの先行だな。
リーレ:先に私にやらせて欲しい。弾はまだあるしバイク乗ってるパイロット狙って狙撃したい。
GM:どうぞ。
リーレ:(コロコロ)……――
閑話休題
GM:バイクのパイロット……落ちました。
ミカド:早ッ!
サラ:ああ!? さりげにまた私の活躍シーンがなくなった(笑)
リーレ:ごめん……それは考えてなかった……。
サラ:いや、いいんですリーレさん。ここはプロとして自分の事より任務達成の効率化が重要です。よよよ……。
ミカド:泣くなよ〜(笑)
サラ:泣いてないよっ!(笑)
モハメド:次は自分が動こう――ミカドは下がっていろ――と、言いつつ……敵が近づいてくるなら閃光手榴弾を敵の前に投げ込む(コロコロ)……19だから問題無い。
GM:こちらは不意打ちだしな(コロコロ)……(コロコロ)……リーダーがこのラウンド行動不能、もう1人は咄嗟に目を覆いましたが効果の程が知れてます、全てに−20%が付きました。
モハメド:今だ、行けミカド!
ミカド:了解! 走りこんでトンファーで殴る! リーダーじゃない方に[マーシャル・アーツ]使って(コロコロ)……成功! そのまま[ノックダウン]
GM:ゴッ! と気絶します。
サラ:最後は私! バイクで飛び出してリーダーを轢く……は可哀想だから、ウィリーして首元ギリギリに前輪を落とす! (コロコロ)……<運転>は余裕で成功!
GM:正直すでに3人も無力化されてますし……リーダーは立ち上がると、気絶しているもう1人に肩を貸して装甲車へと帰って行きます。
ミカド:何か言わないの?
GM:無言で去ります。
サラ:なんか感じ悪いわね。
モハメド:警察だからな……プライドもあるのだろう。
GM:では少しするとカルロスから無線が入り、ミッション終了となります。
モハメド:……了解した――とカルロスからの無線を切って、全員に――ミッションコンプリートだ。全員、撤収。

◆Than he Planned Soldier

「緊急事態? おいおい、何がどうしたって言うんだ!?」
GM:では任務も終了してカルロスの会社に帰りますね?
ミカド:そのままバックレルのは?(笑)
GM:駄目です。任務終了後は報告の義務があります。アフターブリーフィングというのもあるだろうし。
サラ:だいたい、カルロスさんの会社から借りた装備も返さないといけないし。
モハメド:じゃあ車で帰るか。
サラ:さ、帰りは愛車のハンマー(車にペットのような前を付けているサラ)に乗って帰ろう(笑)
GM:ではそう言って全員がサラの車に乗って、カルロスの会社へ向かって帰っている途中――チカチカ――と後ろから猛スピードで追跡してくる車にサラは気が付きます。
サラ:追跡? バックミラーで確認。
GM:軽装甲車です。
ミカド:なぁサラ、あの警察の人達……追ってくるぜ?
サラ:う〜ん……ねぇモハメド隊長、ミッションはさっきので終了ですよね?
モハメド:ああ、その予定だが……カルロスに連絡入れてみるか――電話、トゥルルル……トゥルルル……。
GM:「もしもし? あぁモハメドか、電話をかけてきたという事は任務は無事終了したんだね」
モハメド:その事なんですが……――と追ってくる軽装甲車や現状を伝える――……と、言うわけなんですが。
GM:「そう言われてもな……任務は廃工場での模擬戦だけだよ? 偶然帰る方向が一緒とか?」
サラ:みんなつかまって! ちょっと遠回りになるけど――って、私のハンマーを急旋回させて高速道路に乗る! これでも追ってくるようなら、異常事態だと思う。
GM:サラの予感は的中です。乗り換え斜線に強引に割り込んで、軽装甲車はあなた達を追ってきます。さらに窓から銃を出して撃ってきます。距離が離れているので判定せずとも当たりません。
サラ:!?
ミカド:どういう事なんだよ!
リーレ:銃の準備。
モハメド:カルロス、緊急事態です。
GM:「緊急事態? おいおい、何がどうしたって言うんだ!?」
モハメド:とりあえず……無事に全員が帰れる事を祈っていて下さい――電話を切って銃を実弾に変更。
GM:他に何かやりたい事ありますか? 高速に乗って少しの間はまだ距離があるので……多少はやりたい事して良いです。
モハメド:敵の情報が知りたい、なんで追ってくるのか……どうすればいいGM?
GM:ラップトップコンピューターなどで警察関係の回線にハッキングをかけるか、もしくは直接警察関係のコネに電話する……などですかね。
ミカド:こんぴゅーたー?
リーレ:オペレーターはいない。
モハメド:じゃあ警察のコネか……誰が持っているんだ?
GM:1D10を振って3以下が出たら、その人の知り合いがいる事にしましょう。電話に出れるかどうかは再び1D10を振って、偶数なら電話に出てくれます。
※コネクションのルールについてはサプリメント「ワイルドライフ」で追加されましたが、このセッションプレイ時には、まだ発売されていませんでした。なのでGM判断で行っております。
モハメド:(コロコロ)……無理。いるわけが無い。
リーレ:……同じく。
ミカド:最近はストリートキッズとして厄介になったりもしてたんだけど……コネという程じゃないらしい。
サラ:1! なんでか解らないけどコネがある(笑)――そうだ、私ってニューヨーク市警にコネがあったんだ!
ミカド:マジかよ!? それを早く言えよ(笑)
サラ:ごめん、今まで忘れてた……――と車を運転しつつ電話してみる(コロコロ)……8! 偶数!
GM:では――「もしもし?」――ってこいつは誰だ(笑)
サラ:じゃあテロリスト時代に銃の撃ち方とか教えてくれた、血の繋がらない私のお兄さんって事で(笑)
モハメド:クラスは是非アサルト/オペレーターで(笑)
GM:オペレーターか! 都合良いな!
リーレ:その前に、元テロリストが警察官は……。
ミカド:ありえないと思う。でも今回はスルーして欲しい(笑)
GM:解りました。スルーしましょう。
サラ:アルジュン兄さん! 良かった……緊急事態なの!――と適当に名前決定! インド映画でそんな主人公がいた(笑)
GM:「緊急事態? 待ってくれサラ、こっちも事件が起こっていて捜査の真っ最中なんだ……たいした話じゃないならすぐに切るぞ?」
サラ:たいした用事なのよ! 警察に導入予定の特殊部隊について知ってる事があったら教えて欲しいの!
GM:そう聞くと――「お前……どこでそれを……」
サラ:ガンドッグの任務でその人達と模擬戦したんだけど、その後その人達に追われてるの! しかも向こうは本気だよ、撃ってきてるし!!
GM:「落ち着いて良く聞け……今、俺が捜査しているのがその特殊部隊がらみだ」
サラ:車に備え付けの電話だったって事で、スピーカーをON! 全員に聞こえるようにする――それで?
GM:「今朝、その特殊部隊のメンバー4名が死体で発見された。どれも致命傷でかなりのてだれの仕業だと考えられている……」
モハメド:なんだって!?
ミカド:じゃあ、今追って来てるのは?
GM:「犯人は今だ捕まっていない。それよりサラ、追われているって今どこにいる! そいつらが犯人なんじゃないか!?」
サラ:一応モハメド隊長を見る。
モハメド:頷こう、できれば警察に協力してもらって高速道路の封鎖とかしてもらいたい。
サラ:アルジュン兄さんに現在地を連絡します。さらに高速を封鎖してくれるならそれも頼みます。
GM:「犯人逮捕の為だ、それぐらい何とか掛け合ってみる……それまで逃すなよ」――電話が切れます。
ミカド:逃すな……って言われても、追われているのは僕達だしな(笑)
サラ:どうするの?
モハメド:あの装甲車に乗っているのが殺人犯と言うなら遠慮はいらない。車を破壊してでも止める。なぜ自分等を追うかも意味不明だ。
リーレ:AP弾は使わずにゴム弾使用?
モハメド:いや、APで良い。向こうが撃ってくるなら、こちらも本気で行く。
ミカド:ラジャー!
GM:では軽装甲車が距離を詰めてきて、そろそろお互い射程に入ります。ここからはカーチェイスを使ったTRS上で行います。
サラ:カーチェイス!(笑)
ミカド:大丈夫なのかよサラ?
サラ:私とハンマーに任せておきなさい!

◆Have a Close Race

「なんなんだよ……なんなんだよコイツ等!?」
『ターゲット:軽装甲車の特殊部隊を止めろ』――リミットは5[制限地形]
レンジ1:<操縦>   −20%   一般車両が多い。
レンジ2:<操縦>   −20%   一般車両が多い。
レンジ3:<操縦>   −20%   一般車両が多い。
レンジ4:<操縦>   −20%   一般車両が多い。
レンジ5:<操縦>   −20%   料金所が近く渋滞している。

GM:基本的に一般車両が走っているのでマイナス修正を入れます。しかもレンジ5にいたっては料金所が近く渋滞しています。
モハメド:それはつまり……一般車両を巻き込む可能性があるって事か?
GM:そういう事です。つまり高速に乗った時点で逃げ切る事は不可能です。
モハメド:さっき話していた警察の協力は?
GM:期待しない方が良いでしょう。軽装甲車を止める方向で作戦会議を立てて下さい。
ミカド:よし! サラ、あの車を横付けさせよう! そしたら僕が乗り込んで運転手を気絶させてやる!(笑)
サラ:そんな事したら事故になって一般人に被害が出るでしょうが!(笑)
GM:ああ、被害といえば……このTRSの使用中、<操縦>の判定に失敗した場合、キミ達の後ろを走っていた一般車両が玉付き事故を起こします。ファンブルなら大事故です。
サラ:うわぁ(笑)
ミカド:大丈夫かサラ?
サラ:任せなさいって! 私のハンマーちゃんは頑丈だから!
ミカド:ならいいか。
リーレ:……事故るの前提?
モハメド:まぁ、それはサラの腕を信用しよう。GM、まずは何をすればいい?
GM:そうですね……先にお互いの車両の位置を決めてから、<戦術>チェックして戦闘ラウンドに入りましょうか。
モハメド:了解した。
GM:サラのハンヴィーはレンジ5の3トラック目、こちらの軽装甲車はレンジ5のスタートから開始します。まず敵が(コロコロ)……2トラック目、(コロコロ)……クリティカルで追い越してレンジ4、(コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……レンジ3の2トラック目で失敗。一般車両を1台事故らせつつ終了。
ミカド:早っ! おいサラ! めちゃくちゃ追い抜かれてるぞ!?
リーレ:前から射撃して後続の一般車とまとめて事故を起こす……たぶん。
モハメド:だろうな。
サラ:……いや、そんな事より。失敗するまで判定を繰り返した場合、確実に1台は一般車両を巻き込む?
GM:そうです。巻き込まない為には失敗する前に判定を止める必要があります。
サラ:ま、それはそれか。とにかく相手より前に出る! 飛ばすから掴まっててね!(コロコロ)……(コロコロ)……レンジ4の3トラック目で失敗(笑)
ミカド:おいっ!!
モハメド:[ペップ・トーク]使用!――サラ、無理はするな! 一般車両を巻き込むぞ!
サラ:了解! なら私も[ドライビング・テクニック]を使用してマイナスを打ち消す!(コロコロ)……成功! レンジ3のスタート!
リーレ:見えてきた。
ミカド:もうちょっとだ!
サラ:ならもう一回! (コロコロ)……48で成功! さらに<スタント>も使って達成値が20越えだからクリティカル! 一気にレンジ2のスタート地点まで来てストップ!
GM:中距離になりました。それではお互い<戦術>判定して戦闘に入りましょう!(コロコロ)……こちらは達成値16。
モハメド:高いって!(コロコロ)……無理(笑)
GM:では車の天井から2人の特殊部隊員が現れ、そのうち片方は刃物を構えて終了。もう1人はアンチマテリアルライフルを構え、速攻で撃ってきます(コロコロ)……失敗。近くの一般車両を打ち抜いて終了。
リーレ:アンチマテリアル!?
モハメド:そんなデカブツを撃ってきたのか? 車に設置型?
GM:いえ、こちらの部隊員はガタイが良いので、個人で持ってます。
サラ:ちょっとちょっと! あんなの喰らったら私のハンマーがペシャンコだよ!(笑)
ミカド:なら次はこの車を横付けしてくれ! そしたら俺が飛び乗る!
サラ:……わかった。やってみる。
GM:1人は運転してますし、もう1人は待機で終了。こちらの行動は終了です。
モハメド:こちらの番だ。
リーレ:ライフルの弾をAP弾に変えて終了。
モハメド:自分は後部座席の窓からコルトパイソン構えて終了だ。
ミカド:なんでみんな攻撃しないんだ! 僕はやるぞ!――とサラのハンマーにさりげに積載されているアレを持つ――ハイド先生、今こそ先生の出番です――ジャキンッ! ロケットランチャ〜〜♪(一同爆笑)
サラ:確かにさりげに積んでるけど!(笑) ミカド! あんたソレ使えるの!?
ミカド:まかせろ! いつも先生が使うのを間近で見ていたから大丈夫だ!!
GM:中距離でどうぞ、さらに抜き打ちの修正も入れて撃って下さい。
モハメド:待てミカド! それでもし外したら明らかに一般人を――
ミカド:でりゃ!!(コロコロ)……34!!!
モハメド:撃つなよ!
リーレ:……成功?
ミカド:いや、失敗(一同爆笑)
モハメド:だ、だから言ったのに!!
GM:ちょっとミカドは1D10して見て下さい。
ミカド:(コロコロ)……3!
GM:ミカドの撃ったランチャーの弾は、軽装甲車を外してその後ろの一般車両を3台巻き込みました。
ミカド:うぉっ!?
モハメド:『うぉっ!?』では無いだろうが! お前は自分が何をしたのか解ってるのか!!
ミカド:警察殺しの犯人確保のため、強硬手段に出ました!
モハメド:出るな! それにまだ早い! それじゃあお前の方がよっぽど殺人犯だろうが!!!
ミカド:しかし任務達成の為なら――
モハメド:これはガンドッグの任務じゃない! 今後一切、そのような行動は取るな!
ミカド:ぐ……。

GM:では2ラウンド目です。まずは車両の位置を動かしましょう。(コロコロ)……こちらはサラのハンヴィーに並走して終了。レンジ2の最初のトラックで止まります。
サラ:並ばれた!? それは望む所! 私もこのまま並走する!――ミカド、あとは頼んだからね!
ミカド:………………。
リーレ:反省は後ですればいい。今は目の前の敵を倒す。
ミカド:……わかった……わかってるよ! サラ、あんまり揺らすなよ!
サラ:誰にものを言っているのよ!(笑)
GM:(コロコロ)……<戦術>は失敗。
モハメド:(コロコロ)……成功、こちらが先だ!
サラ:ミカド!
ミカド:いや、このラウンドはトンファーに武器を持ち変えて終了!(笑)
モハメド:パイソンでセミ2射(コロコロ)……駄目だ、2発とも外した。
リーレ:助手席側から箱乗り状態でスナイパーライフルを構える。終了。
GM:こっちはアンチマテリアルのスナイパーが(コロコロ)……くそ、外れだ! 近すぎる!!
リーレ:当たり前。
GM:もう1人は刃物持ったままハンヴィーの屋根に飛び移ってきます。
サラ:そんなことさせない! さっきの車両移動でアタックも何もしなかったし、運転荒くして敵の着地にマイナス修正とか与えられないかな?
GM:それぐらい良いでしょう。−20%でこちらは判定します。<運動>(コロコロ)……88、あれ? 失敗した。
ミカド:って事は?
GM:ツルッとすべって落下。後続車に巻き込まれ死亡します(一同爆笑)
サラ:よしっ!!
モハメド:何がしたいんだ(笑)
ミカド:マヌケだ(笑)

GM:では3ラウンド! こちらは並走のままで構いません。
サラ:こっちも同じ! このまま並んで走る!
GM:次は戦闘(コロコロ)……こちらの<戦術>は達成値8です。
モハメド:(コロコロ)……負けた! 7だった……。
ミカド:こっちが先手だったら向こうの車に飛び乗ったのに!!
モハメド:スマン……。
GM:ではこちらの攻撃です。まずは車体での体当たりを慣行! <操縦>は(コロコロ)……10! サラは<操縦>で対抗して下さい。負けた車に勝った車の装甲値の[5分の1]点ダメージが入ります。
サラ:(コロコロ)……こっちは16! だからそっちの車体に10点ダメージ!
GM:たかだか10点ぐらい……余裕余裕! そしてアンチマテリアル(コロコロ)……命中! ダメージは(コロコロ)……44点! もちろんハンヴィーにだ!
サラ:あああ!? それは痛い……。次同じのをくらったら大破しちゃうよ!
GM:こちらの攻撃はこれで終了。
モハメド:よし! 今だミカド! 飛び乗れ!
サラ:お返しお願い!!
ミカド:うおーー!!<運動>(コロコロ)……19! よっしゃ!!
GM:それではこの辺りから長いトンネルに入ります。オレンジ色の発光燈がミカドを染めます。
リーレ:スナイパーライフルで敵スナイパーを撃つ、(コロコロ)……01の絶対成功。(コロコロ)……ダメージは19点、追加で(コロコロ)……2点。
GM:こっちはガタイ良いので、その程度ではまだ死にません。
モハメド:自分も敵スナイパーを撃つぞ。(コロコロ)……命中! ダメージは11点!
GM:ペナルティ表をどうぞ。
モハメド:(コロコロ)……追加で6点、出血3点、さらに朦朧して全ての判定に−30%!
リーレ:それって……車から落ちそう。
GM:た、確かに……<運動>で振ってみよう(コロコロ)……失敗。落ちた(笑)
ミカド:すげーモハメド隊長(笑)
GM:(コロコロ)……3台巻き込んでスナイパー死亡。
モハメド:3台もか!
サラ:もう少し早くやってくれればハンマーに傷付かなかったのに……。
GM:さて、次のラウンドに入る前にミカドは<状況把握>を振って下さい。切迫した状況なので−20%でどうぞ。
ミカド:[アキュートセンス]使う!(コロコロ)……成功!
GM:運転手ともう1人が軽装甲車に乗っているのですが、まるで死人のように目に生気を感じません。さっきから1言もしゃべっていませんしね。
ミカド:なんだ……こいつら? 仲間が車から落ちたってのに、顔色一つ変えないなんて……。

GM:では次のラウンドですが、こちらは並走のままです。
サラ:同じく!
モハメド:(コロコロ)……こちらの<戦術>はクリティカルで22!
GM:(コロコロ)……14なので、そちらからです。
リーレ:まず私がやる。敵の車の窓は開いてる?
GM:(コロコロ)……開いてます。
リーレ:窓から見える敵の急所を部位狙い。[ブルズアイ]使用。
GM:急所で−40%、さらに窓の影で遮蔽扱いとして−20%。
リーレ:3射(コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……全成功。最大貫通力は24。ダメージは倍で44点。ペナルティ表は(コロコロ)……4。急所狙いで−5されるから0。即死。
GM:………………。
ミカド:す、すげー…モハメド隊長なんて目じゃない(笑)
サラ:リーレさんカッコイイ♪
モハメド:あとはミカド、お前が何とかしろ!
ミカド:了解! 屋根から車内に乗り込む!
GM:<運動>の−40%でどうぞ! 敵は振り落とそうと蛇行します。失敗した場合は落下で。
ミカド:[フットワーク]で移動のペナルティを消したい。
GM:問題無いです。
ミカド:(コロコロ)……成功。するりと乗り込んでそのままトンファーで運転手を攻撃! クラスアーツ[フニッシュブロー]発動!(コロコロ)……達成値20越えでクリティカル! ダメージ17点! さらに追加ペナで(コロコロ)……4点ダメージ!
GM:首がありあえない角度に曲がります――
ミカド:よしっ!
GM:――が、その目が一瞬ミカドを見た後、再び曲がった首のまま前方を見据えて運転を続けます。嫌な音してプラプラしてますが生きています。
ミカド:生きてる!? それなら[ノックダウン]も使う! これならどうだ!
GM:ではぐったりと倒れます。
ミカド:な、なんなんだいったい。
GM:ではサラは<操縦>で判定して下さい。最後に軽装甲車はハンヴィーにアタックして来ます。急激にハンドルをそっちに切った感じですね(コロコロ)……こちらは達成値14!
サラ:(コロコロ)……達成値11だから負けた!?
モハメド:サラ!!
GM:20点、ハンヴィーへダメージです。
サラ:それは……ギリギリ持ってる。壊れる寸前。
GM:では軽車両はハンヴィーにぶつかった後、スピンしながら後続を巻き込んで爆発します。それと同時にサラ達のハンヴィーはトンネルを抜けます。後ろからは爆風。

◆Survivor

「ミ、ミカドーーーーーーー!!!!!」
GM:背後のトンネルからはもうもうと立ち上る黒煙と、数台の燃える車両の残骸が晒されています。
リーレ:終った。
モハメド:ミッション完了。
ミカド:あいつ等……結局、なんだったんだろう……?
サラ:……??? ねぇ、ミカドはあの車に乗っているんだから、一緒に爆発したんじゃないの?
GM:あ゛、そうですね。
ミカド:……しまったーーー!!(一同爆笑)
GM:ではロケットランチャーと同じ程度のダメージを食らった事にしましょう。4D6+20をミカドは自分で振って下さい。さらに爆発物のペナルティ表もどうぞ。
ミカド:(コロコロ)……1・2・4・1! 合計28点! ペナルティ表は(コロコロ)……8! 追加2D6(コロコロ)……4点! さらに朦朧(笑)
リーレ:ミカドって30点程度しか耐久力無かったような……。
サラ:急ブレーキでハンマーを止めて――ミカドーーー!!!
モハメド:燃えるトンネル内を見て――初任務で犠牲者を出してしまうとは……。
リーレ:ファゾルフ隊長に続いてミカドまで……。
サラ:ミカド……そんな……うそ……――とトンネル前まで歩いてきて膝を付く。
モハメド:ふぅ……カルロスに連絡しよう。ハンヴィーの通信機で。
リーレ:………………。
サラ:う……うう……――とはじめは小さく、やがて私の嗚咽は大きな泣き声に――
ミカド:って待てよ! いい加減にしろ! なんで僕が死ななきゃならないんだ! PLは僕が死んでないの見てたじゃないか!!(笑)
モハメド:それはそれだ! この方が面白いじゃないか(笑)
リーレ:(笑)
サラ:ミ、ミカド……? 生きてる……の?
ミカド:当たり前だろ!――とヒョコヒョコ煙るトンネル内から歩いて来て、サラの目の前で止まる。
サラ:だ、だったら! もっと早く出てきなさいよ! トンネル内の爆発は崩落の危険性だってあって危ないんだから! だから、だからあなたみたいな初心者は駄目なのよ!!!
ミカド:違うだろう! 出ようとしたら変な演出してるから機会を逃したんだよ!(一同爆笑)
GM:ちなみにミカドは朦朧としたままなので。
ミカド:じゃあクラァ〜と倒れる。サラの方へ。
サラ:支えて――ミカド!?
ミカド:悪い……とりあえず救急車(笑)

◆Master Scene

「そうか……ヤツはそこにいたか……」
 暗いその部屋の奥では、複数のモニターに囲まれて1人の老人が座っていた。
  モニターにはひっきり無しに"ある人物"の映像が流れている。
  どれも警察が街中に設置している防犯・監視カメラの映像だった。
  暫くすると、中心に近いモニターが突然映像を変える。
  "ある人物"に変わってそこに映ったのは、野性味溢れる精悍な顔立ちの日本人だった。
  老人がすぐさま、モニターに向かって会釈をする。

「どうやら……ヤツが見つかったらしいな」

  モニターの男が口を動かすと同時、老人のいる部屋に男の声が流れてくる。

「はっ、現在はペドロ・タクティカル・ソリューションの契約ガンドッグをやっているようです」

  老人は会釈後のまま頭を上げずに報告する。

「銃猟犬か……どこぞで旧派でも集めて、反乱を企んでいるかと思っていたが……」
「はっ、わたくしめの杞憂でございました」
「まったくだ。しょせん、負け犬はどこに行こうが犬という事」
「その通りでございます」

  男はすでに興味の失せた話題を切り捨て、その目に野望の色を乗せて話し出す。

「それより、あの研究がいよいよ大詰めだ。素体の方は確保してあるのだろうな?」
「はっ、アメリカ北部の荒野に……」

  それを聞いて男は邪悪に口元を歪める。
「もうすぐだ……もうすぐ全てが完成する! ふっふっふっふっ……はーーっはっはっはっはっ!!!」

  高笑いと共に男の映像が消えモニターが元に戻る。そこには再び"ある人物"が映っていた。
  高速道路のトンネル内、軽装甲車の屋根に乗る"ある人物"の顔がアップになる。
  鳳凰院帝……かつて日本有数の財閥の、御曹司だった少年の顔が。

◆Gundog Entry Delete

「ああ、そうだミカド君、キミにだけ話があるんだ……ちょっと残ってくれないかな?」
GM:それでは2週間後です。カルロスに呼ばれてペドロ・タクティカル・ソリューションズのニューヨーク支部に集っています。
サラ:いつもの会議室?
GM:そうです。すでに事件の報告書はモハメドから提出済という事で。
モハメド:もちろんだ。
ミカド:あの……僕は?
GM:頭に包帯巻いてたりしますが、大丈夫です。しばらくは通院する事になるでしょうが、入院程じゃありませんでした。
ミカド:運が良い(笑)
リーレ:ご都合主義。
ミカド:余計な事言うなよ(笑)
GM:「さて、全員集ってくれたようだね」――カルロスが話し始めます。
モハメド:前回の事件についてですね。
GM:「そう……警察の特殊部隊との模擬戦ミッション……のはずが、特殊部隊は殺され何者かに入れ替わっていた――そこまでは知っているね」
サラ:コネクションで調べましたから。
モハメド:問題は"誰が""何の目的で"入れ替わったか。調べが付いたのですか?
GM:カルロスは難しい顔をして――「実は、まだ解って無いんだ……ウチへの逆恨みかと思ってその線で調べてみたんだけど、どうやらそれは無いらしい」
モハメド:じゃあなんで……。
GM:「解らない。それ以上調べようとした矢先、ウチが契約しているあるワイズマンから圧力がかかってね。結局解らずじまいだったんだ」
リーレ:圧力……ならそのワイズマンが?
ミカド:そのワイズマンは誰なの?
GM:「………………」――カルロスは言い淀みますが、意を決したように――「GM社……ゼネラル・マニュファクター社だよ。ミカドやリーレは関連の任務を受けたことがあるだろう?」
ミカド:えっと……。
リーレ:第1話参照。
ミカド:おおっ! GM社か(笑)
GM:「正直、あの依頼は成功させたし、恨みを買った覚えは無い……まったくわけが解らないよ。もっとも、今後はGM社には注意して行こうとは思う。今回の任務は途中からイレギュラーな事件に発展してしまったし、報酬は3倍振り込んでおく事でいいかな?」
サラ:迷惑料?
リーレ:危険手当?
GM:「どう受け止めてもらっても構わないよ。依頼した僕の責任でもあるわけだしね」
モハメド:問題無いです。自分達はプロですから、突発的な事態にも柔軟に対応してこそです。
GM:「ありがとう」
ミカド:じゃ、報告会も終了って事で!
リーレ:打ち上げ?
モハメド:自分も初任務成功の祝いがしたかったり(笑)
サラ:ミカドは未成年なんだからお酒飲んじゃ駄目よ?
ミカド:なんだよ、サラだって未成年だろう!
サラ:私は良いのよ? 何年この世界で生きてきたと思っているのよ。
ミカド:なら僕だって――
GM:「ああ、そうだミカド君、キミにだけ話があるんだ……ちょっと残ってくれないかな?」
ミカド:――あ、はい。わかりました。
モハメド:では先に行って店を確保しておくか。
リーレ:ココが良い――と無言でミニマップを指差す。
モハメド:………………。
サラ:じゃあミカド、私達先に行ってるから!
ミカド:ああ、僕の分残しておいてくれよな!
サラ:笑って出て行きましょう。
………………………………………………………………………………………………
GM:では部屋にはカルロスとミカドの2人きりです。
ミカド:……それで、話って何でしょうか?
GM:「ミカド君がウチの契約ガンドッグになってから数ヶ月だね」
ミカド:えっと……そうですね。
GM:「キミの活躍はハイドからも聞いてるし、今までの任務達成率も悪く無い。いや、他のガンドッグからの評価を聞く限り、かなり有望株との事じゃないか」
ミカド:それは……――ちょっと照れるかもしれない(笑)
GM:カルロスはここで真面目な声になります――「だけど、ウチとしてはこれ以上キミと契約を続ける事はできない」
ミカド:………………えっ?――というかPL的にも「はっ?」って感じだ。
GM:「カーチェイス時のキミの判断は報告書で読ませてもらったよ。ロケットランチャーを使って一般車両3台を巻き込んだそうだね。事実、そう言う原因で破壊された車が3台出ている」
ミカド:ああ、その事だったら任務を優先する為に最善と思われる行動を取っただけです。
GM:「……そうだ。キミ達ガンドッグ的には優先するべきは任務であり、その成功だ。だけど、僕達はそうもいかない……僕の勤めているのは民間警備会社だ。ワイズマンの信用を失うような事をするガンドッグはいらない」
ミカド:それ、え? じゃあ僕は――
GM:「ガンドッグを辞めろと言っているわけじゃない。ただ、僕等はもうキミを雇う事は無いって事さ」
ミカド:ちょ、ちょっと待ってよ! あれぐらいの事ならアニータさんだって――
GM:「アニータはすでにウチとの契約を解除してある。今後再契約する事もないだろうね、言っていなかったかい?」
リーレ:PLへの説明では干されてたって言ってたと思う。
GM:契約解除してあった事にします。どうせ私のキャラクターです。
※今回のGMは実はアニータのPLさんでした。
ミカド:で、でも、僕はここ以外にツテも無いし、カルロスさんに見放されたらこれからどうやってガンドッグとしてやって行けば!
GM:「……キミは"あれぐらいの事"と言ったね。そういった判断が出来てこそのプロだ。キミにはまだプロの世界は早かったのかもしれない……ハイドには僕から言っておくよ」
ミカド:………………。
GM:「今回の報酬は追加で1万ドル振り込んでおくから、さしあさっての生活には困らないはずさ。キミはまだ若い、これからは真っ当に生きていく事をお勧めするよ」――カルロスは部屋を出て行こうとします。もう話は終ったとばかりに。
ミカド:待ってくれ! 僕は……僕はどうすればいいんだよ!!
GM:「自分で考えると良い。時間はたっぷりある……もうキミは――
「――銃猟犬では無いのだから……――」

ガンアクションRPG ガンドッグ
『MISSION4:Struggle on Strung』 了



予告

 
 
 そこは暗い室内、1人カルロスの声が響く。
「さて、キミ達に集まってもらったのは他でもない。すでに大変な事が起っていてね」
  良く見ればそのブリーフィングルームには歴戦の銃猟犬の顔があった。
  ハイド=エントリュア。
  リーレ=ナシン。
  トーマス=プログレッシブ
  サラ=スヴァティー。
  モハメド=バーツ。
「報酬は1人$10万。破格の値段だが前金は一切払えない。額からも解るように生死の保障は無い」



荒野の空をヘリで飛ぶリーレ、トーマス、サラ。
密林を隠密状態で疾駆するハイドとモハメド。



「世界中のガンドッグが同時にミッションにあたる。キミ達の割り振りは数百ある施設のうち2つ。同時に突入して欲しい。片方はダイナミックエントリー、片方はステルスエントリーになる。チーム分けは任せるよ」  

世界規模のガンドッグミッション……しかし、それは悪夢の始まりでしかなかった……。



 密林の中、少年は自らの恩師を前に、決意に満ちた目で一歩も引かなかった。
「……先生、これは僕の戦いでもあるんだ」
「ミカド……どうしても来るのか?」
  恩師の目にいつもの優しさは無かった。欲す答えは覚悟のみ。



 荒野に響く轟音! 爆発はそこかしこで起こり、空に舞う黒煙は数える方が無理がある。
「物量作戦って言っても……いくらなんでも無茶し過ぎよ!!」
  サラが叫びを上げる中、威嚇のSMGが乱射され、狙いもつけずにロケットランチャーの砲弾が飛び交う。
  爆発に髪をなびかせ、車の天井窓から身を乗り出したリーレがライフルを構える。



「ハァ〜イドォ〜待ってたぜぇ? この時をよぉ!!!」
  ナイフが銀光を走らせハイドの鼻先をかすめる!
「どうやら……決着の時という奴らしいな」
  目の前に男が迫ると同時、ハイドの手が腰のSIGSAUERへ伸びる!



「諦めるもんか! 絶対に全員生き残るんだから!!」
  サラの涙声とともに急降下を開始するヘリ。
 上空から見下ろす荒野には、1人の男が……。
「やめろサラ! 任務の成功を第一に考えるんだ!!!」



 全ての戦いが終る。
  だが、悪夢から目覚めた時、人々はやっと今こそが悪夢であった事に気が付く。



――ドクンッ……――


 薄く足元の光るカプセルの中、その影が蠢く。


――ボコボコボコ……――


 カプセルの暗い上部を不気味な泡が撫で上がる。


――ギリ……――


 その液体に満たされた中で握られる拳、巨大な人型。ひび割れるカプセル!!!



「さて、ずいぶんと大変な任務だったと思うけど……実は切羽詰った事実がわかってね」
  カルロスの声を思い出しながら、数人の銃猟犬を乗せた輸送ヘリが海の上を飛ぶ。
  地平線を背後に雄雄しく存在する絶景の孤島へ、ヘリは近づいて行く。
「今、世界中で動いているガンドッグの中、目的地に一番近い場所にいるのが……そう、キミ達だけなんだ」



 世界中が震撼する!



 シリアス&バイオレンス!!



「こちらチームアルファ、モハメドだ。チームブラボー応答せよ」
『こちらブラボー、サラです。こちらに異常はあり――え?』
「どうした? 何があった!?」
『……敵? いや、仲間……なの!? あ、あれはいったい……駄目! 戦闘に入ります!!!(ブチッ)』
「どうした!? サラ! 何があった!!!!!」



GUNDOG TRPG

――リンクセッションリプレイ――

最終回



『The Last Mission』



順次公開予定



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