セブン=フォートレス アドヴァンスト Prologue an Evil Beast of RUBY 2001年4月18日セッション開始
紅漆の決闘場 第1話「新たなる扉は開かれた」 シーン1:勇者行きます!
時に西暦2001年4月18日。某大学にあるTRPG部の部室に4人の男が集まっていた。GMの1人を除くと、今回のプレイヤーである3人は、誰もが今年入ったばかりの新入部員ばかりである。彼等がどんなプレイスタイルなのか、はっきり言ってさっぱり解らない。とりあえず今回のキャンペーンに参加する事になったPL諸氏を、筆者の独断と偏見による第一印象で紹介する。
PL1:八岐第一印象=結構なTRPG経験者であり、ピュアな心と大人びた雰囲気を併せ持つ。 プレイ後=大人しい顔して基本的に良識プレイヤー……でもポイントポイントで我が道を進む。 PL2:神崎亮 第一印象=ビジュアル系ゲーマー。金髪長身のナイスガイだが、どうも嫌な予感がしてならない。 プレイ後=予感的中。 PL3:R.F.D. 第一印象=よく居るTRPGプレイヤー。 プレイ後=すごい事してくれたよキミは(笑) GM:相原あきと このキャンペーンのGM兼リプレイ執筆人。さりげなく部長です。
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GM:さて、今回は通常のキャラメイクルールに追加で、特別に"能力値を下げた値−1"分を他の能力値に費やすことを認めます。とにもかくにも、アドヴァンストのキャラ作が始まり、特殊能力等、程々に作り終わった所で―― 八岐:良くわからないのですが……? GM:つまり、【筋力】を4下げた場合、好きな能力値……例えば【知力】を3上昇させることが出来ます。もっとも、それをやると馬鹿になりますが(笑) 八岐:了解しました。 神崎亮:では、さっそく【敏捷】を下げて【筋力】を上げよう。 GM:走るのが遅くなりますよ? 神崎亮:いえ、私のキャラの衣装が重いんです(笑) GM:(衣装?)ま、まぁいいです。 神崎亮:さらに【知力】も下げよう。【知力】は【神力】に関係ないしね。 八岐:そんなでいいの? じゃあ私もやろっかな……≪絶対魔法防御≫を持ってるから、【神力】に関係する【知力】と【信仰心】は捨てちゃおう(←ちなみにエクセレント・ウォーリアです)。 R.F.D..:魔法の効かない勇者……。
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GM:そういえば説明していませんでしたが、今回は0Lvで始めます。しかも少年時代! 次回のセッションでは『あれから5年後……』とか言ってLvも一気にあがっているので。神崎亮:つまり、今回はみんな弱っちいって事ですね! GM:その通りです(笑)
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GM:じゃあ、あらかた決定した性格を振ろう!八岐:振るんですか!? GM:振ります。しかもアドヴァンストではなく、変な性格がたくさん載ってるサプリの表を振ってもらいます。ではR.F.D.から。 R.F.D..:なんか嫌な予感が(コロコロ)……1。 GM:『普段は(第一性格)だがキレると(第二性格)』 R.F.D..:普段は(コロコロ)……2−51――[子煩悩]。 一同:『子持ちかよ(笑)』 R.F.D..:いや、子供好きってことで! 神崎亮:それを言うなら年下好きなんだろ? R.F.D..:まぁ……それはそれで良いですけど。 八岐:いいのかよ(笑) GM:とりあえず第二性格〜。 R.F.D..:(コロコロ)……2−46――[愛妻家]。 八岐:子持ちじゃないか(笑) GM:『普段は子煩悩だがキレると愛妻家』――いきなり所帯持ってるぞ? R.F.D..:まぁ今回は少年時ですし、そのうち妻を持つかもしれないって事で(笑) 神崎亮:次は私ですね(コロコロ)……4――『もともと(第一性格)だが、今は(第二性格)』 GM:じゃあ、『今は(第一性格)だが、五年後は(第二性格)』って事で。 神崎亮:了解です(コロコロ)……『もともと"真面目"だったが(コロコロ)……五年後は"おせっかい"になる』……コレってふとしたきっかけで昔の性格が出てきちゃうんですよね? GM:そうだね。 神崎亮:これは5年後がカッコイイかもしれない……ふふふ。 GM:………………。 八岐:勇者行きます。 GM:どうぞ。 八岐:(コロコロ)……4。 GM:『もともとは(第一性格)だったが、五年後は(第二性格)になる』 八岐:(コロコロ)……『もともとは"おおらか"だったが(コロコロ)……今は"のんびりしてる"』!? 一同:『変わんねえって!(爆笑)』 GM:まぁS=Fの勇者だから、それもアリでしょう。 R.F.D..:いや、あの、あんま説明になってないような……。
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GM:さて、そろそろキャラクターも出来上がった頃でしょう。テルから自己紹介をどうぞ。R.F.D.(以下テル):名前はテル、男の13歳、プリーストウォーリア、この村にある唯一の雑貨屋で育ちました。 GM:将来の夢は? テル:平和に店を継ぐ。 GM:特殊能力は? テル:『プラーナの素質』『再生能力』『魔法武具所持』の3つです。 GM:ん? 一つオリジナル特殊能力を持っていいと言っといたはずだけど? いらないの? テル:まぁ、それは今回の少年時代を得てから取ろうかと。 GM:それならOK! おいしい能力を考えていてくれ。 名前:テル 属性:空/空 性別:男 年齢:18 クラス:プリーストウォーリア LV:3 職業:行商人 LV:11 性格= 普段は「子煩悩」だがキレると「愛妻家」 特徴・特殊能力 ≪プラーナの素質≫――プラーナが他の人より多い。 ≪再生能力≫――1ターンに2HPだけHPが自動的に回復する。 ≪魔法武具所持≫――2話以降。 ※≪オリジナル特殊能力≫――2話以降。 武装名 ショートソード 重量3 命中値−1 回避値(+1) 攻撃力+6 防御力(+3) ローブ 重量1 防御+1 革ショルダーアーマー(×2) 重量1 防御力+2 サークレット 重量1 防御力+1 背景 ビレタ村に越してきた唯一の商店の息子、ナオヤとは一緒に育った親友である。普段は子煩悩だがキレると愛妻家という意味のわからない性格は、キャンペーン終了後の生活に現れているらしい。 本人より一言 「俺には負けられない理由がある……」
※今回はキャラクター一1人に1つ、オリジナルの特殊能力を持って良い事にしていました。もちろん、オリジナルを取る代わりに、初期に取得可能な特殊能力を1つ削っています。
GM:次は神崎亮!神崎亮(以下ヒルデガルド):名前はヒルデガルド・メディア・マチコ・ハプスブルグ。 一同:『なげーよ!!(笑)』 ヒルデガルド:目立つのが嫌いな14歳の女の子です。性格はいたって真面目ですが、外見は塚です(※塚――宝塚である)もっとも、本人は地味なつもりです。 GM:どうして外見は塚なのに、本人は地味なつもりでいられるんだ!? ヒルデガルド:ふっふっふ、それはこのオリジナル特殊能力『超派手ファッション感覚』により、通常の派手という感覚が、彼女にとっては地味に見えてしまうのです! GM:そ、そうですか……。
なぜだ!? せっかくのオリジナル特殊能力、超強い特殊能力にしてくれてもいいのに……。
ヒルデガルド:――って訳で、逆に地味な服装は彼女にとって、すごく派手に見えるので、よろしく八岐:よろしくしたくないなぁ(←正直な感想である)。 GM:で、どうしてその村(少女時代を過ごしていた始まりの村)に住んでいたの? ヒルデガルド:それは無実の罪で一家ともども追われているからです。この村に隠れて3日目、誰も住んでいなかった空家を地味に改装して住んでいます。 GM:は、はぁ……それで特殊能力は? ヒルデガルド:『超派手ファッション感覚』と―― 八岐:いや、それはもういいから(笑) ヒルデガルド:――『暗視』『心眼』『あやしい家系』です。それでサンバ派な父とオペラ派な母がいます。将来の夢は目立つことなく慎ましく地味に生きて生きたいと思っています。ヒルダと呼んで下さい。 GM:りょ、りょうかい……。 名前:ヒルデガルド・メディチ・マチコ・ハプスブルグ 属性:森/炎 性別:女 年齢:19 クラス:へヴィウォーリア LV:3 職業:掃除人 LV:9 性格= 5年前は「まじめ」だったが、今は「おせっかい」 特徴・特殊能力 ≪暗視≫――暗くても見える。 ≪心眼≫――見えなくても見える。 ≪あやしい家系≫――変な家系。 ※≪超派手ファッション感覚≫――地味と派手の感覚が逆転している。 武装名 レイピア 重量2 回避(+1) 攻撃+5 防御(+1) タワーシールド 重量6 命中(+2) 回避(+7) 攻撃(+4) 防御(+15) INS−2 リングメイル 重量5 回避−2 防御+6 クロース 重量1 防御力+1 背景 無実の罪で追われているハプスブルグ家の1人娘。通称ヒルダ。もっとも家族全員が派手と地味を勘違いしているオリジナル特殊能力『超派手ファッション感覚』の持ち主なので誤解や勘違いは絶えないだろう。それでいて彼女の夢は目立つ事無く慎ましく生きていきたいらしい。ヒルダには出生の秘密があるらしい。それが追われている謎に関係しているらしいが……本人がその部分を記憶喪失で忘れているので、謎は深まってばかりいる。本人はヒロインのつもりだが、あきらかにトラブルメーカーである。 本人から一言 「ええっ! もっと地味な方がいいんですか!?」 GM:では最後。 八岐(以下ナオヤ):エクセレント・ウォーリアの勇者、ナオヤ・オノツギ。性格はおおらかな名物好き GM:は? 名物好き? ナオヤ:はいオリジナル特殊能力『名物中毒』
だから、なぜ役に立たないオリジナルを作る……。
ナオヤ:え〜、外見は見た通りどっかのお坊ちゃん。世間の荒波を知らないような子です。GM:お坊ちゃん? どこかの金持ちの息子とか? ナオヤ:はい。とある村の村長の息子って事で。 テル:しょぼ(笑) GM:まぁ、OKです(笑) テル:じゃあ俺は幼馴染でいいかな? ナオヤ:じゃあテルとは幼馴染って事に。ちなみに僕は村長の息子です。 GM:そうなんだ……。 ナオヤ:そうなんです。……しかし、村は店が一軒しかないような寂れた村なので、なんとか村を起こしたいと父に具申しています。将来は世界中の名物を集めて、名物博物館を作りたいと思っています。 テル:め、名物博物館? なぜそんなモノを(笑) ナオヤ:ちゃんと理由はありますよ? 村長が時々愚痴るんですよ――「ああ、あの村はあの名物があっていいなぁ」――って、そんな話を聞いているうちに名物が大事なんだと気が付いたのです。 GM:えっと……それをどうやってシナリオに組み込めと……。 ナオヤ:どうしましたGM? GM:………………いや、なんでもない。……それで、『名物』以外の特殊能力は? ナオヤ:『絶対魔法防御能力』『幻獣との会話』です。 名前:ナオヤ・オノツギ 属性:闇/闇 性別:男 年齢:18歳 クラス:エクセントウォーリア LV:3 職業:傭兵 LV:9 性格= 5年前は「おおらか」だったが、今は「のんびり」 特徴・特殊能力 ≪絶対魔法防御能力≫――魔法を受け付けない(回復魔法も受け付けない) ≪幻獣との会話≫――幻獣と会話が出来る ※≪名物中毒≫――PLオリジナル。名物に目が無い ※≪運命の勇者≫――GM指定のオリジナル。エクセレント・ウォーリア強制。 武装名 フランベルジュ 重量5 命中−3 回避(+3) 攻撃+11 防御(+4) サークレット 重量1 防御+1 革ショルダー(右) 重量1 防御+1 鉄ショルダー(左) 重量1 防御+2 ブレストプレート 重量3 防御+3 クロース 重量1 防御+1 背景 ビレタ村の村長の息子、世界の名物博物館を村に建設し、村おこしをしようと夢見ていた。しかし、突然の村の壊滅により、巨大な運命の中心へと流されていく。オリジナル特殊能力である『名物中毒』っぷりは時々周囲の状況を無視して発動する。戦闘だろうと普通の道中だろうと常に普通に振舞う。もっとも名物を見つけなければだが……。 本人から一言 「ああ〜! 名物が僕を呼んでいる〜〜!!!」 シーン2:名物の猪焼を作る為にも頑張ります GM:では始まりは君達が暮している、寂れている村からだ。村の名前はどうするかねぇ。ヒルデガルド:決めて無いんですか!? GM:え、いや、まぁ、これまでもこれでやってきたし……。 ナオヤ:じゃあビレタ村で。 テル:そのココロは? ナオヤ:寂れた……さびれた……ビレタ! GM:ではこのビレタ村では今夜、祭りが行なわれます。その名も聖神祭りだ。そこでナオヤは父親である村長に呼ばれる――「ナオヤ! ナオヤ!」 ナオヤ:「なに父さん?」 GM:「うむ、今日行なわれる聖神祭りを知っておるな?」 ナオヤ:「ええ、知っていますが」 GM:「実はな、祭りで出される料理の材料が足りないらしいのだ」 ナオヤ:「ええ!? それは厳しいですよ! せっかく僕の考えた名物屋台が出せないじゃないですか!」 GM:「いや、ま、まぁ、そんな名物店は知らんが……とりあえず、材料が足りないのは確かなのじゃ。そしてそれを獲ってくる人手も足りない――と言うわけでな、森で猪を狩ってきてくれ」 ナオヤ:「はぁ、それくらいなら」 GM:「そうそう、それと最近村へ越してきた、あの"怪しい家族"も祭りに誘っておいてくれぬか」 ナオヤ:「ああ、あの派手だけど真面目そうな女の子のいる家ですか?」 GM:「そうだ、親御さんの方には、村の一員として祭りの準備を手伝ってもらいたいと伝言してくれ」 ナオヤ:「解りました」 GM:ではちょっとだけ世界説明、ここはフォーチューン地方にあるダンガリの森という森林地帯、その森の中にひっそりと寂れている村が、このビレタ村です。 ナオヤ:ひっそりと寂れているって……。 GM:「では、猪をちゃんと狩ってくるのだぞ」 ナオヤ:なんか古いRPGをプレイ開始したみたいな出だしだ(笑)――「はい、名物の猪焼きを作る為にもがんばります」 テル:なんか目的ズレてない? シーン3:キノコのような家 ナオヤ:どうしよう、とりあえず親友のテルを誘って……あの派手な家族の所へ行くのかぁ。ヒルデガルド:嫌そうに言わないでよ〜(笑) ナオヤ:まぁ、それはそれで(笑) GM:では村に一件の商店へ ナオヤ:「テル〜」 GM:今、テルの家は大忙しです。言ってみれば祭りの調理場になっているので。 テル:おお!? 我が家がスタジアムに! じゃあ俺もがんばって手伝いをしよう。カートに乗ったダンボールを運んでましょう。 ナオヤ:では、運び終わったところで声をかけます――「お〜い、テル! 実は肉が足りないからってお父さんから、猪を狩って来てくれって言われたんだけどさ、手伝ってくれないかな?」 テル:「ああ、もちろんさ、俺も荷物運びばっかりで飽き飽きしてたところだし! 村長の言いつけならサボる良い口実になる」(笑) ナオヤ:「悪いな、でもちょっと問題があってさ、この前村に越してきた派手な家族がいるだろう?」 テル:「ああ、昔あった村外れの空家を、キノコみたいな家に改造して住んでいる家族だろ」(一同笑) GM:お前ん家、そんな家だったのかよ!? ヒルデガルド:どうも、そのようで――「う〜ん、地味で目立たない家になったな」――とか(笑) GM:って家族全員『超派手ファッション感覚』で"派手"と"地味"が逆転してんのか? ヒルデガルド:家系なのですよ。 テル:父方も母方も家系なんだ!? やばいね、それは(笑) ナオヤ:「まぁ、それで、どうせならあの家の女の子も、一緒に猪狩りに連れていこうかと思ってるんだけど、どうかな?」 テル:「いいんじゃないか? 村に来て馴染んで……いや、馴染むわけが無いんだけど(笑) せっかくだしこの聖神祭りを期に仲良くなるのもいいと思うぜ」――ま、俺は仲良くなりたくないけど。 ナオヤ:「そうか、テルならそう言ってくれると思ってたよ。じゃあ行こう」――PLのセリフは聞こえません(笑)
そして、2人は村はずれに歩いて行くと、そこには見た目も派手な奇怪な家のような茸……もとい、茸型の家があった。
ヒルデガルド:一応、神社の呼び鈴のように、紐が垂れ下がっています!テル:神社のは呼び鈴じゃねーだろ。 ナオヤ:とりあえず、引いてみます。 ヒルデガルド:『ガランガランガランッリンゴーンリンゴーンチャリンチャリンワンワン』 GM:と、派手な音が鳴り響きます! テル:ワンラン? ナオヤ:驚く! テル:逃げるね、俺は。 ナオヤ:いや、一応それは不味いかと(笑) ヒルデガルド:では、家とは反対方向、ナオヤ達の後ろの地面が割れて、バックに光を放ちながら、チャ〜ラ〜ラ〜と迫上って来ます 二人:『ビクッ』(←ハモリ) ヒルデガルド:(静々とした声で)――「……あの、どちら様でしょうか……?」 テル:なんと、外見はミニ小林幸子なのに、喋りは大人しい少女とは……これ如何に。 ナオヤ:「えっと、村長の息子のナオヤと言います」 ヒルデガルド:「ええ、ナオヤさんは解ります。それで、そちらは?」 ナオヤ:「村で唯一な商店の息子のテルだよ。僕の友達さ」 ヒルデガルド:オドオド、オドオド。 テル:ビジュアルは派手派手なんだよね?……(想像して)――「やっぱ帰る」 ナオヤ:「逃げないでよ」(笑) テル:「猪なんて2人で十分だー」 ヒルデガルド:「あの……いったい何の用でしょうか?」 ナオヤ:「ああ、今夜は年に一度の聖神祭りだから、その手伝いに君のご両親に来てもらいたいって父さん、いや村長が言っているんだ」 ヒルデガルド:「パパとママはいないわ」 ナオヤ:「いない? 出かけてるの?」 ヒルデガルド:「うん。いつ帰ってくるかも解らないの」 ナオヤ:「そうか」 テル:「まぁ、いないのだし、仕方無いだろ。村長もわかってくれるさ」 ナオヤ:「そうだな、じゃあ、君のお父さん達のことは、それでいいから……君だけでも来れないかな?」 ヒルデガルド:「私をどうするつもりですか!?」 テル:「どーもしねーよ」(←ボソッと) ナオヤ:「んんっ! ごほんっ! いや、これから森へ猪を狩りに出かけようかと思ってるんだけど、君も一緒に行かないか?」 ヒルデガルド:「猪?」 ナオヤ:「大丈夫だよ。ここら辺の猪はそんなに凶暴じゃないから」 ヒルデガルド:「まぁ、そう言うのでしたら……」 ナオヤ:では森へと向かいましょう。 GM:ところで、ここで一応、狩りの武器を貸しましょう。弓か斧か槍かしかないけどね。 ナオヤ:僕は槍に。 テル:GM、森に入るなら鉈がわりに剣とかじゃ駄目か? GM:う〜ん、まぁ鉈がわりなら持っていっても不自然は無いでしょう。いいよ。 ヒルデガルド:あの、もっと地味なのは無いのですか? GM:地味? じゃあナイフとか棒かい? ナオヤ:駄目ですよGM。ヒルダにその辺のハルバードを渡します。 ヒルデガルド:ああ、これくらい地味でしたら テル:地味じゃね〜!!!(一同爆笑) シーン4:世界は広いな…… GM:村から出て数分、君達3人は森の中にいます。ヒルデガルド:「ああ、森の中って何て歩き辛いのかしら」 テル:「そうか?」 ヒルデガルド:「できるだけ地味にしたんだけど……」 ナオヤ:「まぁそりゃあ、確かに歩きづらい格好だねぇ」 テル:「そんな羽飾り付けまくってる服装で森に入るなよ」 ヒルデガルド:「でも、本で森に入るときとかは、できるだけ地味な方がいいって書いてありましたし」 テル:「だから、地味にしてくれば良かったじゃないか!!」 ヒルデガルド:「ですから、家で一番地味な服装で来たんですよ?」 テル:「だからそれは――!!」 ナオヤ:(テルのPLの肩を叩いて)「……テル、何も言うな」 テル:「ググ……感性と…いうものかな」 ナオヤ:「だね」 GM:では、その異常に派手な格好の人、敏捷度チェックをしてくれ。 ヒルデガルド:(コロコロ)……8です。もともと敏捷度は3ですから。 テル:いや、そんな格好してりゃ、遅くもなるさ。 ヒルデガルド:違います! 体が弱いんですよぅ! GM:(筋力25のヘヴィーウォーリアが言うセリフでは無いよな……)
ヒルデガルドは特別ルールで【知力】や【信仰心】を低くした分、【筋力】が25もあった。
ナオヤ:まーまー(笑)GM:では、ヒルダはその辺の枝に引っ掛かって羽飾りが外れ、その度にチリンチリンと鈴がなる。 ヒルデガルド:ああ、どんどん派手な格好に!? ナオヤ:いや、どっちかって言うと、このままでは猪が逃げていくのでは……。 ヒルデガルド:「猪さんいませんねぇ」 テル:「お前だ〜!!!」(一同爆笑)
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GM:では2時間以上森を歩き回りました。とここで3人は幸運度チェックをどうぞ、目標値は25です。テル:なんでそんなに高いんだよ! って、ああ!! アレのせいか!!! ヒルデガルド:(←アレ)(コロコロ)……私は13です。 ナオヤ:(コロコロ)……14、駄目だ。 テル:(コロコロ)……おっクリティカル(コロコロ)……19! ヒルデガルド:もう少しでしたね。 テル:誰のせいでこんなに高い目標値だと……。 ナオヤ:まーまーまー(笑) GM:では猪はいませんな。 テル:「ナオヤ、もういい加減、言うしかないんじゃないか?」 ヒルデガルド:チリンチリンッ♪ ナオヤ:「そう……だね、もう2時間も経ったしね」 ヒルデガルド:チリンチリンッ♪ ナオヤ:「あの、ヒルダさん、その鈴はどうして付けてるんです?」 ヒルデガルド:「えっ、もちろん地味にするためですけど」 ナオヤ:「あ〜、え〜と、言いにくいんだけど、その鈴があると、猪が出てこないんだけど」 ヒルデガルド:「では派手にした方がいいんですか?」 ナオヤ:「派手というか、なんと言うか……」 ヒルデガルド:「ゴメンナサイ。私、猪の性格とか知らなくて……」 ナオヤ:「いや、別に気にしないでいいよ、それに鈴を取ったくらいじゃ、別に派手にならないと思うし」 GM:では、そろそろナオヤとテルは【知力】チェックをどうぞ、ファンブルしなければOKです。 ナオヤ:大丈夫です。 テル:成功。 GM:なら二人ともわかる。『ヒルダは派手と地味の感覚が狂っている!!!』 ナオヤ:目が横線一本になったり。 テル:顔上部が縦線で消えたり。 ヒルデガルド:一生懸命、鈴を外しています。 ナオヤ:「やっぱり、ヒルダさんって、よそから来た人だから、変ってるよね」 テル:「世界は広いな……」 ――そして、村を出て5時間が経った頃…… GM:そろそろ幸運度チェックをして下さい。目標値は20です テル:クリティカル! 23!! ナオヤ&ヒルデガルド:『おお〜!』 GM:前方で茶色い背中を見つけます。 ナオヤ:「見つけた! テルは静かにそっちから周ってくれ! ヒルダさんは……」 ヒルデガルド:「きゃー! 猪です! みなさん猪がいましたよ!!! きゃー!!!!」 ナオヤ&テル:『うるせーー!!!』(笑) GM:猪は今の声に(コロコロ)……"ビクッ"とすると興奮して3人に向かって突っ込んで来ます。 ナオヤ:興奮してるし。 テル:「気をつけろ! こっちに突っ込んでくるぞ!!」 GM:と、その瞬間、君達に向かってきていた猪がいきなり、草むらの中に消える、君達の先10m程前で消えたね。 ヒルデガルド:「ナオヤさん! もうやっつけたんですか! すごいです!」 ナオヤ:「いや、僕はな〜んも……」 テル:ゆっくり近づいていきます。 GM:テルが草むらを掻き分けて見てみると、透明な粘体に吸収され途中の猪が!? ここで【知力】チェークッ! ヒルデガルド:【知力】3で〜す(笑) ナオヤ:【知力】4で〜す(笑) テル:お前等……セブフォを舐めてるだろ?(コロコロ)……達成値は16だ。 GM:よし、ではどうもスライムとかジェルとか言われるモンスターの一種だと解るね、さすがテル、実はプリーストだ! ナオヤ:ところで、どれくらいなら知ってますか? GM:ん? これはね……(ここでデータに目を落とす)……ごめん、今の無し。ジェルウォーターだとやばいので、海ゴブリンとさせて頂きます。 テル:えっ、ゴブリン? GM:まぁ、猪が消えたと思ったら、落とし穴に引っ掛かってたと思いねぇ、そんで3人が近寄ってきた所で、海ゴブリンがワラワラと出てきたと思ってくんねぇ。 ナオヤ:まぁ、別に構いませんが……。 GM:ちなみに知名度の目標値は14なので。 ナオヤ:やっぱり解りませんねぇ――「なんなんだ、この変なのは!?」 テル:視線を横に……(ヒルダを見るテルPL)。 ヒルデガルド:??? ナオヤ:「いや、それじゃなくて!(笑)」 テル:まぁ、俺は【知力】チェックでわかったしな――「海ゴブリンだ! こんな森で会うなんて」 ナオヤ:「海ゴブリン? でも、ここで猪を逃したら今夜の聖神祭りに間に合わない!!」 テル:「いいのかナオヤ! こいつがいるんだぞ!?」 ヒルデガルド:「キャー! なんですかナオヤさん!? 近づいてきますよ!!」 ナオヤ:「ヒルダさん、あいつらきっと弱いから、殴れば大丈夫さ!!」 テル:「根拠がねぇぞ……」(ボソッと) ヒルデガルド:「そうなんですか、ナオヤさん。わかりました! よいっしょ!」――ハルバードを構えます テル:「それ、殴ると違うし……」(ボソッと) GM:……では、戦闘に入りましょう! シーン5:海ゴブリンの返り血が!!! GM:(イニシアの結果……)ではテルからどうぞ。テル:(コロコロ)……ファンブル〜! 命中1(笑) GM:それは避けます。そしてこっちの番ですね。まずは―― テル:目立つ奴からでしょう。 GM:むっ、確かに! ヒルデガルド:じゃあテルさんが危ない!! テル:いや、お前に決まってるだろうが!!(笑) GM:まぁそうだろう(笑) 海ゴブリン3匹がヒルダに攻撃(コロコロ)……1匹目14で命中。 ヒルデガルド:(コロコロ)……避けられません。 GM:(コロコロ)……25点。 ヒルデガルド:(コロコロ)……と通りません。 GM:(コロコロ)……2匹目! 14で命中。 ヒルデガルド:……当たりました。 GM:……ダメージが……―― ――しばらくの攻防後―― GM:なぜだ〜! 攻撃は当たれどダメージが入らないっ! ナオヤ:「ヒルダさん、すごい……」 テル:「きっと衣装のせいでは……」――と真面目に観察(笑) ヒルデガルド:「地味なのが良かったんですね」(笑) GM:くっ、次は勇者の番だ。 ナオヤ:じゃあ接敵してスピアで攻撃(コロコロ)……命中が21です。 GM:……こっちは19で回避だから避けられなかった。ダメージをどうぞ。 ナオヤ:33点です。 GM:こっちは……12で防御だから、海ゴブリンのHPが17で……。 テル:さすが勇者! ヒルデガルド:「さすがですナオヤさん!!」 ナオヤ:「いや〜」 GM:おのれ、まだ2匹いる!! 一人くらい重症にしてやるわ〜!!! ――……しかし……―― テル:激しいクリティカルの嵐だった……。 ナオヤ:「一人で終わらせましたねヒルダさん」 ヒルデガルド:「ああ!? おかげで海ゴブリンの返り血が!!!」 ナオヤ:「え〜、でも拭くもの何も持ってないしな〜」 テル:「いらないだろう」 ヒルデガルド:「ああでも、おかげで地味になったわ!」(一同爆笑) GM:い、い、いいのか!? それで! ナオヤ:あ〜、え〜……(←言葉を失っている) テル:(ポンポン←ナオヤの肩に手を置く) ヒルデガルド:「さぁ、ゴブリンもいなくなりましたし、猪を村に持っていきましょう」 シーン6:嫌な、とても嫌な予感がする
その後、落とし穴にはまって気絶していた猪を縛り上げると、3人は村への帰路へ着くのだった。
ナオヤ:「これで祭りの料理もバッチリだ! よし帰ろう!!」テル:(おもむろに地図を指差し)「この森の道を進まず、一直線に村へ帰った方がよくないか? いろいろと時間をロスしたし」 ヒルデガルド:「確かに、海ゴブリンが現れるなんて予想外でしたね!」 テル:「………………」 ナオヤ:「ま、まー確かに、このまま一直線に行こうか」(笑) GM:んっ!?(何かに気がつくGM)……ちょっと待ってくれ、この場所から一直線に村へ向かうと湖にぶつかってしまうのだが。
※用意した地図上には、そんな記述があった。
ナオヤ:湖?GM:うむ、名前は……プレイヤーが決めていいよ ヒルデガルド:いいんですか? じゃあ『ドンブラ湖』で。 GM:却下。 ヒルデガルド:では『ラッ湖』で。 GM:却下。 ヒルデガルド:意外と我が儘ですね。 テル:じゃあ普通に『レイ湖』とか? ナオヤ:どっかの金貸しのようだ(一同笑) ヒルデガルド:じゃあ『エンジェル湖』! これで決定!!(笑) テル:これこそ普通っぽい名前だ……。 ナオヤ:なにか云われとか伝説とかありそうですね。 ヒルデガルド:3人の女神がいるとか(笑)
この時、GMはプレイヤーの雑談を聞きながら、何も考えていなかったシナリオに一条の光の導き(簡単にいうとシナリオの肉付け)を見た気がした……。
GM:では湖の名前も『エンジェル湖』に決定したところで、君達3人は湖の向こうに幾筋もの立ち昇る煙を見るよ。ヒルデガルド:「ナオヤさん、あれは何でしょう?」 ナオヤ:「あれは……煙?」 テル:「ナオヤ! あっちの方向は!?」 ナオヤ:「急ごう……嫌な、とても嫌な予感がする」 テル:カッコつけたところでプレイヤー的にはあからさまなんだけどね(笑) シーン7:ビレタ村の住人なのだから GM:さて、村へと急ぐ3人ですが、近づいて行くとやはり妙な事に気がつく。祭囃子は聞こえず、何かの焼ける臭いが漂ってくる。やっと森を抜けた3人の目に飛び込んで来たのは、焼け落ちた廃墟、誰もいないビレタ村だった……。ナオヤ:「お父さん! 父さ〜ん!!」 テル:「いったい、なにがあったんだ……」 GM:村の中を進んでいくと、やがて気がつきます。黒く焼け死んだ村人達と、氷付けにされ死んでいる村人達を。 ヒルデガルド:「キャーーー!!!」――激しい鈴の音と共に倒れて気絶します。 GM:了解。 ナオヤ:「あの氷に入っているのは……お父さん!?」 GM&テル:『ええ〜〜っ!!!』(驚) ナオヤ:えっ、駄目ですか? GM:い、いやオッケーです テル:まさか自分で親父を殺すとは……。 ナオヤ:いや〜(←照れてる?)、氷付けのお父さんに両手をついて――「なんで! どうして!?」 GM:では手で触れた瞬間、中の人間ごと氷が砕け散ります。 ナオヤ:「ああっ!?」 GM:では、ヒルダが気絶し、村長(ナオヤの父親)が砕け散ったところで、怪しげな声が響き渡ってくる――「へぇ、まだ残っていたか……」 ナオヤ:「誰だ!?」 GM:声の先に視線をやると、酷薄な笑みを口元に浮べた銀髪の男がいる――「村の子供どもかな? まだ生きていたか……」 テル:見るからに怪しい奴がいるぞ! ナオヤ:「お前がお父さん達を!!」 テル:トドメを刺したのは君だけどな。 GM:男はニヤリと口を歪めるよ。 テル:肯定のようだ。 ナオヤ:「なんで、なんでこんな酷いことを!」 GM:「子供のお前達に説明したとて理解できまい?」 テル:13歳を馬鹿にしてるぞ、ざまぁみろ! ナオヤ:「なんだって…!?」――ってその前にテル! お前もツッコミばかりやってないで会話に参加してくれ!! 俺一人じゃ恥ずかしいじゃないか!!(TRPGプレイ中は羞恥心を捨てましょう) テル:いや、だって、ここは勇者ががんばるところだし。 ナオヤ:だからって俺一人に喋らせるなよ。 テル:でも恥ずかしいじゃん(笑) ナオヤ:俺だってそうさ!!(笑) ヒルデガルド:ひ〜ま〜(←自分から気絶しておいて) GM:ごほんっ! いいかな、シナリオを進めるが……(一呼吸置いて)……では、この場所は村の通りなんだが、銀髪の向こうには、祭りの広場なんかも見える。もっとも今は社やキャンプファイヤーも破壊されて、残骸が残るだけだけどね。 ヒルデガルド:ひ〜ま〜。 GM:もうちょいで出番あると思うから、静かにしてくれ(笑)……で、その破壊された広場に紫色のローブを来た男がいたと思うと、一瞬後には姿が消えて銀髪の男の横にパッと瞬間移動する――「ほぅ、そこに倒れている女子はハプスブルグの娘ではないのか?」 テル:じゃあ、微妙にヒルダの前に移動。 ナオヤ:突然現れたのに驚きながらも、新しく現れた紫ローブを睨みます。 GM:了解。さらに銀髪が続ける――「ハプスブルグ? ゲンマ様、まさか……ではこいつは?」 ヒルデガルド:私も知らない私の謎(笑) ナオヤ:僕はお父さんが殺された事で、頭に血が上っていて今の会話を殆ど聞いてません――「なんで、なんでお父さん達を殺したんだ!!」 GM:それには紫が話しましょう――「殺した? ふっ……当たり前だ。なにせこの『ビレタ』村の住人なのだからな……我が目的の為、死んでもらった」 テル:「俺の家族はビレタ村出身じゃないぞ!」
テルの家系は旅商人であり、お爺さんが旅の途中、ビレタ村に立ち寄りそのまま腰を落ち着かせた――という設定だった。
ナオヤ:テル…それじゃあ、僕の家族の立場は……。GM:テルの問いには答えず、紫のローブが――「フェンリル、どうやらこの者達もこの村の出身らしいな、ハプスブルグの娘共々片付けておけ」――そう言うと、紫のローブ……ゲンマは消える。残された銀髪――フェンリルと呼ばれた男が「解りましたゲンマ様」と君達二人に向き直り、白い冷気を纏ったレイピアを抜き放ちます。 テル:じゃあ、こっちもやるしかないか……ヒルダに立ち塞がるように剣を構えます――「ナオヤ、気をつけろ!」 ナオヤ:「ああ……だがテル、一つ問題がある」 テル:「なんだ?」 ナオヤ:「僕のスピアには猪が縛られてるんだが……」(一同大爆笑) ヒルデガルド:あはははははは! テル:はっはっはっはっ! GM:と、と、とにかく、素手でもいいから、猪のくっついてるスピアはやめてくれ(笑) ナオヤ:そうだなぁ、じゃあ、気絶してる人からハルバードを勝手に借りましょう。 シーン8:世界があなたを必要とする時まで GM:よし、では戦闘に入ろう。最初はフェンリル……そうだねヒルダを守るように剣を構えているテルに斬りかかろうか。テル:俺か!? GM:「それは勇気のつもりか?」(コロコロ)……命中24。ダメージは47点。 テル:(コロコロ)……避け損ねた! そのダメージは死ねる!……一発でHPがマイナス13点。即死です。 GM:まぁ、今回は特別処置をするので死亡判定はしないでいいです。 テル:良かった〜…のか? ナオヤ:「テ、テル〜!!!」 GM:「無謀だったな」 ナオヤ:「よくもっ!!!」(コロコロ)……命中17です! GM:(コロコロ)……フェンリルは25で回避、今度はこっち(コロコロ)……28で命中。 ナオヤ:「速い!?」――とか言いつつ(笑)(コロコロ)……無理です。 GM:(コロコロ)……ダメージ46点。 ナオヤ:ああ、それはちょうどぴったり0だ!? GM:では君も気絶してくれ。 テル:俺はプリーストだからいいとして、勇者が一撃で落ちるなよ。 ナオヤ:そんなこと言ったって46点は無理ですよ……そうだ、気絶する前に――「ヒ、ヒルダさん…逃げ…て……」 GM:そうだな、ナオヤは気絶する一瞬前、ある光景を見ることになる。 ナオヤ:ほう。 GM:それはヒルダの体が虹色に輝いたかと思うと、その光が近づくフェンリルを跳ね飛ばす。 ヒルデガルド:さらに深まる私の謎。 テル:俺はどっちかっていうと、お前の感性の方が謎だがな。 ナオヤ:うんうん(頷いている)。 GM:でだ、ナオヤの目の前に……プレイヤー諸君は『竜宮の使い』って魚を知っているかい? ナオヤ&ヒルデガルド:『知ってます』 テル:知らない。 GM:そうか、簡単に言うと深海魚なんだが、まぁ虹色のキラキラした龍みたいな魚だと思ってくれ。 テル:なんとなく…了解。 GM:跳ね飛ばされたフェンリルは――「クッ、発動したか……しかたがない」――と呟くと…その場から消える。 テル:えっフェンリルが逃げるの? 会話的に奥の手を出すのかと……。 GM:いや、フェンリルは逃げないよ。ナオヤの視界から消える……そして――裏話的だが、瞬間移動して逃げたのは君達3人です。 ヒルデガルド:ああ、ぜんぜん記憶の無い内に、どこか知らない場所へ(笑) ナオヤ:では、薄れ行く意識の中で、『幻獣との会話』を持っている僕は、何か聞くのでしょうか?(笑) GM:ん? そういえば君はそんな物を最初に取っていたな……解った。ではナオヤは薄れ行く意識の中で竜宮の使いの声を聞く――『あなたが運命に巻き込まれるのは、時機が早い……今は生きなさい。そして私達がいる限り……世界があなたを必要とする時まで……―――』
そうして、5年の月日が流れた……――。
……………………………………………………………………………………………… 無意味に派手なヒルダ! 勇者で地味なナオヤ! そして……テルの底知れぬ策略がGMを襲う!! 「テル! 永久ドタキャンは厳しいだろっ!!」 次回! 期待の新キャラ登場! 紅玉の魔獣プロローグ 〜紅漆の決闘場〜 第1話「新たなる扉は開かれた」 FIN |