TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 紅漆の決闘場                   戻る

セブン=フォートレス アドヴァンスト
Prologue an Evil Beast of RUBY

紅漆の決闘場

第2話「城砦都市アラムート」

少年時代の第1話から一週間後の4月25日。
主人公達の5年後である本編が始まろうとしていた。
私はこの1週間、勇者のナオヤとその親友のテル、
そして問題のヒルダをどうシナリオに絡めようかと頭をひねりにひねり、
なんとか結論をだしこの場へと望んでいた。

しかし、時にプレイヤーはGMさえも予想しない出来事を起すもので……

シーン1:教訓

第2話プレイ当日、部室でシナリオの確認をしているGM、プレイ時間までは多少の時間がある。プレイヤーが到着するのはもう少し後だろう……。と、部屋をノックする音が
――トントン、ガチャ!
GM:テルじゃないか? どうしたん?
テル:え〜、唐突ながら、今日は帰ります
GM:………………。
テル:帰ります。
GM:ぶはぁっ!!!(鼻血) ほぅ、つまり君は今日のプレイに参加できないというわけかね?
テル:イヤ〜、そうなんですよ。
GM:ま、まぁ理由を教えてくれないかな。
テル:ゴニョゴニョ……。
GM:くっ、それは……解った、致仕方無い。では今回はNPCという事でやっておこう。
テル:NPC?
GM:うむ、君は勇者ナオヤの親友だしね、シナリオの重要人物であるのだよ(プレイヤーが3人だけなのだから、全員重要人物である)。
テル:なるほど、でも、参加できないのは今日だけではないですよ。
GM:………………?
テル:さっきの理由で毎週この曜日は無理になったので。
GM:な〜に〜!!! それじゃあ、俺が考えていたアレやコレやソレはどうすればいいんじゃ!!
テル:そこはがんばってNPCで(笑)
GM:できるかっ!
テル:じゃあ、そういうことで……(帰っていくテルのプレイヤー)
GM:………………(1人"ぼー"とするGM――数分後)
ヒルデガルド:こんにちは〜(ドアを開け入ってくる)
ナオヤ:うぃ〜す。あれ、どうしたんですかGM?
GM:……いや、別に何でも無い(大丈夫…きっと大丈夫さ、2人だけでも何とかシナリオはやれる、そうさ、今までもなんとかなったじゃないか)
ヒルデガルド:そうだ、今日はGMに1つお知らせがあります。キャンペーンに入りたいという子を連れてきました。ハンドルネーム『ジルの右腕』で〜す。
ジルの右腕:ども〜よろしくお願いします!
GM:そこでテルと……ブツブツ……って何? 新入りだと!? ぶへはぁっ!!!(鼻血&耳血)
ヒルデガルド:ああ、GMが血を(笑)
GM:くッ、わ、解った、何とかしよう……。
ナオヤ:それでGM、一つ設定の追加をお願いしたいんですが。
GM:ブツブツ……ん? 設定の追加? 
ナオヤ:はい。僕はこの5年間でジルのキャラクターに会って、なんかあってこの人を守らないといけなくなったって事で。それならジルのキャラクターもシナリオに入って気易いし(笑)
GM:(シ、シナリオが……ほう、ほう、崩壊……)
教訓:プレイヤーとは常に予想外の行動を行なう者達の通称である。

シーン2:ジャニス・スライバ

とにもかくにも新キャラの登場である。
GM:では自己紹介をお願いします。
ジルの右腕:(以下ジャニス)ジャニス・スライバです。年は21歳の女性、海のプリーストで職業は巡礼僧をやっています
GM:ほぅ、海のプリーストとは結構な(笑)、幸い物語の舞台はフォーチューン地方なので何の不自然もありませんな
ヒルデガルド:女性ですか!? ヒロインである私のライバルですね!!
GM&ナオヤ:『ヒロインである私?』
ヒルデガルド:渡しませんよ。ヒロインの座は!
GM&ナオヤ:(………………)
ジャニス:はぁ、よろしくお願いします。
GM:それで特殊能力は何を持っているのかな?
ジャニス:え〜と、『魔力授与』に『超速読』、それと昔一緒に神官を目指していたドリーという『永遠のライバル』がいます。あと最後に『超病弱』の合計4つです。
ヒルデガルド:その『超病弱』って何なんですか?
ジャニス:喋って血を吐き、走って気絶なぐらい病弱です。
ナオヤ:それって超病弱っていうか……瀕死?
ヒルデガルド:体の弱い女性のプリーストですか……強敵ですね。
GM&ナオヤ:(そうかなぁ……)
ジャニス:それで、体がめちゃくちゃ弱い反動で、神憑り的なものに憧れています。
GM:なるほど、それでプリーストになったのか、ところでジャニスの夢や目標はあるのかい?
ジャニス:もちろんあります。
GM:おお、それは!(シナリオに使えるといいなぁ)
ジャニス:自立して生きていこうと思っています。その為に旅に出ました!
一同:『おお〜!!』
GM:(使えないし……)
ジャニス:もちろん自立できていません!(きっぱり)
一同:『駄目だろ、それじゃ!!(一同爆笑)』
ジャニス:自立しているつもりで、常に誰かに依存して生きています(笑)
ヒルデガルド:病弱でプリーストで依存キャラか〜! 私とはまったく正反対なヒロインか!!
たぶん、どんな女性キャラだろうと、ヒルダと同キャラが出てくるとは思わんが……。
GM:それで性格は?
ジャニス:普段は『やさしい』が、いざとなると『依存』します(笑)
GM:了解。でだ、勇者ナオヤよ。なぜジャニスを君は守るのだね?
ナオヤ:そうですね……彼女は病弱なので、薬がいるんですよ。それで薬を取りに行った人たちが魔物に襲われ、そこを通りかかった私が、彼女を助けた……と。
GM:そこでナオヤから神懸り的な神秘的な力を感じて、以来、彼に依存していると(笑)
ジャニス:そういうことです(笑)
ヒルデガルド:それじゃあ、ただの足手まといのような。
ナオヤ:でも、ジャニスさんは回復魔法があるし……。
ジャニス:「ナオヤさん! 今助けます ブハァ(←血を吐いたらしい)!!」(一同爆笑)
GM:しかも、せっかくの回復魔法も『絶対魔法防御能力』を持つナオヤには全く効かないときている(一同大爆笑)
ジャニス:役に立っているのでしょうか私?
GM:じゃあ、そういう風な流れで一緒に旅しているということで(笑)
ナオヤ:……もしや、僕は彼女が役に立っているとは感じてない?
ジャニス:一方的にこっちが依存しているだけなので。
ナオヤ:これは確かに、放って置けないな……「僕が守ってあげないと」(笑)
GM:それではナオヤ、ヒルダ、ジャニス、これより本編に入りましょう!

PL4:ジルの右腕
のちに『最強の新人』の異名を欲しいままにした人物。生卵13個一気食いはやばいって……。

名前:ジャニス・スライバ
属性:海/空 性別:女 年齢:21
クラス:プリースト LV:3 職業:巡礼者 LV:7
性格= 普段は「やさしい」が、いざとなると「依存する」
特徴・特殊能力
≪魔力授与≫――自分のMPを3減らして他人のMPを1D6点回復させる。
≪超速読≫――どんな書物も10分で読み終え内容理解。
≪永遠のライバル≫――宿命のライバル『ドリー』がいる。
≪超病弱≫――今にも死にそう

武装名
ライトフレイル 重量2 命中−1 回避値(+1) 攻撃力+5 防御力(+2)
ソフトレザー 重量2 防御力+2

背景
体の弱かったジャニスは、幼い頃から神に憧れていた。そして自ら神官へとなれるよう、その頃より友人のドリーと修行することになる。数年後、ドリーは修行から逃げ出し、故郷を捨てたがジャニスは立派なプリーストの力をつけていた。そんなある日、彼女は偶然通りかかったナオヤに出会う。彼から神懸り的な力を感じたジャニスはそれ以降ナオヤについて各地を周っている。また、関係無いが、ヒルダがヒロインの座をかけてジャニスの事をライバル視している。ドリーといいヒルダといい、ずいぶん好敵手の多い人である(笑)。
本人から一言
「やはりナオヤさんは、選ばれし勇者だったのですね!」

シーン3:新国王バンデッド

ビレタ村が紫のローブの男・ゲンマ、銀髪の戦士・フェンリルにより滅ぼされ、ナオヤ、テル、ヒルデガルドの3人は『謎の竜宮の使い』により、どこぞへとバラバラに転送された。そして……あれから5年の月日が経った……。
GM:最初はナオヤとジャニスです。
ナオヤ:そういえば、5年経ったということは僕もついに18歳ですよ!
ヒルデガルド:ふっふっふ、私なんて19です!
ジャニス:もしかして、21歳って事は、私が一番年上ですか、知らなかった!
GM:あ〜これこれ、勝手に話し出さない。特にヒルダはナオヤとは別の場所へ飛ばされたんだから、ここにはいません。
ヒルデガルド:は〜い。
GM:まぁ、何で旅をしているかは――
ナオヤ:もちろん傭兵をしながら各地を周って『名物』を集めているのです!
GM:えっ!?
ナオヤ:えっ、違いましたっけ?
GM:う〜、君は村の仇を取るわけではないのか?
ナオヤ:あ! そうでした(笑) 僕は傭兵をしながら各地を周って『村を滅ぼした奴等の情報』を集めているのです!
ジャニス:そんなナオヤさんに依存している私(一同笑)
ナオヤ:さらに『名物』の調査も抜かりありません!(一同爆笑)
GM:ま、まぁ、それはそれで……とにかく! このフォーチューン地方の一つの都市『城塞都市アラムート』では、悪政をひいている国王と、それに対する革命軍で内乱が起こっているんだ。そこで傭兵たるナオヤは――
ナオヤ:これはいい仕事の口だと。
GM:そゆこと! で、アラムートへ向かってる途中に、君達2人がとある町に立ち寄った時だ……『号外! 号外だよ〜!!』との声が……――
ナオヤ:なんだろう――「ちょっといいかな、一つ僕にくれないか」
GM:『へい!』……ナオヤは一つの新聞を貰います。
ナオヤ:なんだろう? 読んでみますが。
その号外には、こんな文章が書かれていた――

『ついに城塞都市アラムートに、悪政を強いていた国王が倒される!!!』
『若き革命軍指導者、新たなる国王になる! 新国王バンデッド(18) 写真→』
GM:さらに『新国王はこの人だ!』とばかりに新しい国王の写真が載っている。
ナオヤ:ああ!? せっかくの働き口がいきなりなくなった〜! ん!? もしかして新国王の写真って凄い派手な女性だったりしません?
ヒルデガルド:まぁ、クイーンになるならヒロインじゃなくても……。
GM:それは無い(即答)
ナオヤ:やっぱり(笑)
GM:でも確かにナオヤはバンデッドの顔に見覚えがある。
ナオヤ:はぇっ!?
GM:それは名前も違うし、5年も経っているが――
ナオヤ:「これは……テル!?」
ヒルデガルド:なに〜〜〜!!!!
GM:そう、写真に載っているのは君の知るテルにそっくりだ(笑)
ナオヤ:「しかし、世の中に同じ顔の人間は3人はいるというし……」
ジャニス:「どうしたのですか? その方はナオヤさんのお知り合いなのですか?」
ナオヤ:「ああ、幼馴染の親友に似てる気がするんだけど、でも名前も違うしなぁ……」
ジャニス:「この方、新しい王様になったって書いてありますよ」
ナオヤ:「う〜ん、昔のテルからは想像がつかないなぁ……やっぱり顔の同じ別人の可能性の方が高いかな?」
GM:では知力ジャッジでもしてもらいましょうか? 目標値は10です
ナオヤ:【知力】4の僕に知力ジャッジを求めますか?(一同笑)
GM:いいのか? こんなのについて来て?
ジャニス:ナオヤさんからは神のようなオーラを感じるのです(笑)
ナオヤ:(コロコロ)……あ、大丈夫でした。11です。
GM:うむ、ではこの写真の格好のつけ方、癖、これは9割がた間違いなくテルだ! と思う。
ナオヤ:「こ、これは、やっぱり……テル!!!」

シーン4:忘れるものか

驚愕の号外を見て城塞都市アラムートへと向かうナオヤとジャニス、目的地までもう少しといった『クー』という宿場町を通りかかった時、運命の音がナオヤの耳に聞こえてくる……。
ヒルデガルド:『ガシャンガシャンガシャンパリンパリンドンドンドンニャンニャン』
ナオヤ:「こ、この音は……」
ヒルデガルド:人だかりが出来てざわざわしています。
GM:ナオヤは知力チェ〜ク! 目標値は10だ!
ナオヤ:あ〜あ、絶対成功しそう……(コロコロ)……しかもクリティカルだし(コロコロ)……知力4のくせに達成値18です――「忘れるものか…この音は……あの人しかいない!!」(笑)
GM:人だかりの向こうには羽毛がチラチラ舞っていたり、『派手な姉ちゃんが倒れてるぞー』との野次馬の声が聞こえたり(笑)
ナオヤ:ピクッとします(笑)
ジャニス:「どうしたのですかナオヤさん?」
ナオヤ:「いや、不意にこの町から出たくなってね」(一同笑)
ジャニス:「まぁナオヤさんが、そうしたいのなら退き止めはしませんが」
ヒルデガルド:野次馬達が『危険だぞ近寄ると何が爆発音がするぞー!!』とか(笑)
ジャニス:「さっきから、何でしょう? 行った方が良くありませんか?」
ナオヤ:「………………そういえば、ジャニスはこの町の神殿に挨拶には行ったのかい?」(一同笑)
GM:思いっきり話題変えてるしね(笑)
ジャニス:「なにやら、女の人が倒れているようですし、私は見に行った方が良いかと思いますが」――と、いうわけで私はそちらへ向かいます。
ナオヤ:そうか――「では僕は酒場へ向かおう」(一同爆笑)
ヒルデガルド:とことん無視ですか!!(笑)
ナオヤ:(ちょっと考えて)……いや、僕の5年経った性格は「おおらか」から「のんびり」になってるので、その音を聞いてぼーぜんと立ち尽くしていましょう(笑)
ジャニス:ではやはり私だけ見に行きます。
GM:ではジャニスが見に行くと、野次馬達は10mぐらい遠巻きにして、倒れている派手な女の人を取り巻いています。
ジャニス:もちろん近寄ります
GM:「おお、姉ちゃん待ちな! 危険だぞ!」
ジャニス:「いいえ、例え変な人だろうと、プリーストとして倒れている人を放っておくわけには行きません」
GM&ナオヤ:『おお〜!!』
ヒルデガルド:今、微妙に、失礼じゃありませんでした?
ジャニス:大丈夫です。心の中ではただの好奇心ですから……(いいのか、それで……)……で、息とかしていますか?
ヒルデガルド:してます! 死んでませんから!
ジャニス:「気絶?」
ヒルデガルド:手には号外を握り締めています。もちろん『新国王バンデッド』と書かれた奴です(笑)

シーン5:こうしてもう一度会える日が

ほどなくナオヤも手伝い、この派手な女性を運んでいると――『うう、星が見える……』
ジャニス:「大丈夫ですか?」
ヒルデガルド:「え、ええ、大丈夫です。あなたが助けてくれたんですか?」
ジャニス:「いいえ、こちらにいる――」
ナオヤ:振り向きません(笑)
ヒルデガルド:「あ、とにかく有り難う御座いました。……ところで私、目立っていませんでしたよね? なんだか目立ちたくなくって……」
ジャニス:「え〜と……、それなりには」(笑)
ナオヤ:あ〜、なんで僕はフルヘルムを装備していないんだ……(←ボソッと)
ヒルデガルド:「よかった……あの、できればお名前を教えてもらえませんか?」
ナオヤ:振り向かずに――「名乗る程の者ではありません。ただの傭兵ですから」
ジャニス:「なにを恥ずかしがっているのですか? 人助けをしたのですから、何も後ろめたいことはしていないと思いますよ。ねえ"ナオヤ"さん」(一同爆笑)
ナオヤ:「いや、そういうレベルではないんだが……」――なにげに名前言ってるし〜(笑)
ヒルデガルド:「えっ!? 今、ナオヤさんって言ったんですか?」
ジャニス:「ええ、そうですよ、この方は私の尊敬する神に選ばれしナオヤ・オノツギさんです」
勝手に勇者の設定が増えている気がするが、気のせいだろうか?
ヒルデガルド:「ナオヤさん!? 本当にナオヤさんですか!? ビレタ村の村長の息子で、名物好きのナオヤ・オノツギさんですか! 私です! ヒルデガルド・メディチ・マチコ・ハプスブルグです!!」
ナオヤ:ギギギギギギギギ……と後ろを向きましょう
ヒルデガルド:「私はとっても地味でしたから、ナオヤさんは覚えていないかも知れませんが……」
ナオヤ:「……いや、ヒルダさんの事は忘れたくても忘れられなかったよ。久しぶりだね」
ヒルデガルド:「覚えていて、くれたんですね!」
ナオヤ:「ま、まぁね……」――忘れろという方が無理だし。
ヒルデガルド:「あの日、バラバラになったあの日から、こうしてもう一度会える日が来るなんて……思ってもいませんでした!」
ナオヤ:「僕はどっちかって言うと……いや、いいや、やめとこう……」
ヒルデガルド:「それより、アラムートの新国王の話は聞きましたか?」
ナオヤ:「ああ、号外で知ったよ。しかし信じられないよ……まさか、あのテルが……」
ヒルデガルド:新国王になった経緯とかは書いてないのですか?
GM:『革命軍の指導者、空と森に祝福されし神官戦士』とかは書いてあるけど、詳しくは書いてない
ジャニス:「ナオヤさん、せっかくヒルダさんという旧友にも会えたのですから――(ナオヤ:旧友?)――アラムートに行って、直接テルという方に聞かれたらどうでしょう?」
ヒルデガルド:「他に手段もありませんしね」
ナオヤ:「そうだなあ……じゃあ、行こうか」

シーン6:なによりもインパクトだ!

そこはまさに城塞都市の名に相応しく、街全体を壁が囲んでいた。城門を通るときヒルダが一悶着あったが、なんとか通り抜け適当な宿屋に荷物を置くと、さっそく情報収集へと向かった。(ヒルダを部屋に残してだが……)
ナオヤ:宿屋1階の酒場で、傭兵風の男に話し掛けます――「こっちの稼ぎはどうだい?」
GM:傭兵風の男が酒を飲みながら返答しよう――「これからってとこだろう?」
ナオヤ:「これから? 内乱は終わったんじゃないのか?」
GM:「おめぇ知らねぇのか? この国じゃあ、内乱で低下した戦力を傭兵部隊を組織して補おうって話になってるんだ。まぁそのおかげで、この国への通行もゆるくなってるがな」
ナオヤ:「どおりでヒルダが通れる……(笑)。でもその傭兵部隊を集める命令は、新国王が出したんですか?」
GM:「新国王? ああ、あのバンデッド様が出したって話さ」
ナオヤ:他の人たちにも聞いて周りましょう。
GM:そうすると、殆どの人が『バンデッド様になって暮しが楽になった』とか『前国王を倒して下さってありがたい』とかの感謝の話が聞ける。でも中には……幸運チェックをしてくれ、目標値は15ね。
ナオヤ:(コロコロ)……ちょうど15
ジャニス:(コロコロ)……16です
GM:うむ、すると感謝ムードの中、1人だけ『何も殺すことなかったのに……前国王だって一時期までは善良な良い国王だったのさ……やることが過激だよバンデッド様は……せめて幽閉とかにすれば……』
ジャニス:どこにでも居ますね。このような方は。
ナオヤ:ところでさっきの人たちに聞きたいんだけど、バンデッドはいつ頃からアラムートにいたのかなぁ。
GM:「さぁ、いつだったかなぁ……気付いたら革命軍のリーダー的存在になっていて、あれよあれよと言う間に新国王さ……あの人のカリスマと言ったら」
ナオヤ:「ではいきなり来たと思ったら、そのまま国王になったのか……ありがと」――部屋に戻ってヒルダに話しましょう
その後、募集している傭兵隊に志願するという形でバンデッドに会いに行こうということになった。
ナオヤ:「しかし問題が……」
ヒルデガルド:「どうしたんですか? もっと地味な方がいいですか?」
ジャニス:「………………」
ナオヤ:「そうだ! ヒルダ、傭兵の採用っていうのは、なによりもインパクトだ! 思いっきり派手な方がいいよ!!」(一同爆笑)
ジャニス:ナオヤさん! 知力4でがんばりましたね!(笑)
ヒルデガルド:ではいろいろと洋服や鎧から余計な物を外しましょう。
ナオヤ:じゃあ、これで行ってみましょう。

シーン7:紅玉

なんとかヒルダを目立たない格好にして、王城へと向かった一行だったが……――
GM:王城へあと一歩という所で、こんな声が聞こえてくる――「さぁ! いらはい! いらはい! 城塞都市アラムートの新名物! 見るも美しい"紅玉"だよ! さぁこの新名物"紅玉"は買わなきゃ損だよ!!」
ナオヤ:「名物!!!!」
GM:見れば、城の城壁を背にして路商が出てる、地面に広げられた布の上には、綺麗な紅い色したクリスタルが売られている。
ナオヤ:「名物〜」……フラフラと寄って行きます(笑)
GM:「一つたったの20GP! ほらそこの寄ってきたお兄さん! どうだい!!」
ナオヤ:でかいんですか?
GM:いや、握り拳の大きさかな。
ナオヤ:「こ、これは……」
GM:「新名物でね…とはいえ、いままでアラムートには名物なんてなかったからねぇ」
ジャニス:「駄目ですよナオヤさん! 旅の途中でお金はあまり無いのですから!」
ヒルデガルド:「そうですよ、せめて傭兵部隊に入隊が決まって収入が安定してからでも」
ナオヤ:「う、う〜ん、しかし……」
GM:「お、兄ちゃん傭兵部隊に入んのかい! なら話は速え、兄ちゃんなら採用も決まったもんさ! それにほら、今買っとかないと売り切れちゃうよ!!」
ナオヤ:「う、売り切れ!? それは困るぞ!」
ジャニス&ヒルデガルド:『困りません!!』(←ハモッた(笑))
GM:しょうがないな、じゃあ、ジャニスとヒルダは【知力】ジャッジ目標値20でナオヤを説得できるかどうかの判定。ナオヤは【精神力】で20以上出せば我慢できる。
ヒルデガルド:知力は〜(コロコロ)……失敗です。
ジャニス:……こっちも駄目でした。あとはナオヤさんの忍耐力に賭けるしか……。
ナオヤ:(コロコロ)……19って事は1足りね〜失敗〜(←やけに嬉しそうに)
GM:ナオヤの意志は固かった(笑)
ヒルデガルド:【筋力】ジャッジは駄目でしょうか?
GM:それは2個目からで。
ナオヤ:2個目!?(笑)
GM:さて、ではナオヤはアラムート名物"紅玉"を20GP出して1個買いました(笑)
ナオヤ:「おお、これが"紅玉"」
GM:「いい買い物したよ、そこで物は相談なんだが、ここにちょっと小さめの紅玉がある。これを兄ちゃんには特別価格の15GPで譲っちゃおう!!」
ナオヤ:虚ろな目をしてフラフラ〜っと(笑)
ヒルデガルド:(コロコロ)……【筋力】がクリティカルで達成値44。ナオヤさんを引っ張って行きます。
ナオヤ:「ああ〜」(←超残念そう)
ジャニス:ナオヤさんもこれさえなければ……。

シーン8:忠告しておこうと思ってな

新名物の"紅玉"を手に入れ、何とか傭兵志願の受付所へ辿り付いた3人だが……。
GM:名前も書いて、受け付けを済ませた3人だけど、受け付けの人にこう言われる――「応募の人がかなりの人数になっていてね。悪いんだが明日、また来てくれないか」
ヒルデガルド:「まぁ仕方ないですね。宿屋で一泊してからまた来ましょう」
ナオヤ:(ふと…)…そういえば宿代とかは?
GM:あっ。
ヒルデガルド:気付くなーー!!
ジャニス:GMも気付いてなかったのに……。
ナオヤ:はっはっはっ。
ヒルデガルド:さっき余計な買い物で20GPも使っておいて……。
ジャニス:ただでさえ、借金なのに……。
GM:大部屋って事で、3人のうち誰かが1GP払っとけばいいよ。
ナオヤ:じゃあ、所持金が一番多い人……(2人のキャラシーを見て)……俺か(笑)
ヒルデガルド:使ったお金も多いですけどね。
ナオヤ:いいじゃないか、僕の金だ! とか(笑)
GM:そんなこんなで宿屋でゴロゴロしていると、夕方になって宿屋の主人からナオヤが呼び出しを食らうよ。
ナオヤ:なんだろう?
GM:行ってみると、受け付けの前に数人の兵士が立っていて、ナオヤを見つけると声をかけてくる――「あなたが、ナオヤ・オノツギ様ですね」
ナオヤ:「えっ、あ、はい。そうですが……僕に何か用ですか?」
GM:「我等が王、バンデッド様がお待ちです。お連れの方と共に、至急王城までお越し下さい」
そして、3人揃ってアラムートの城までやって来た3人――待合室。
ジャニス:「どうして呼ばれたのでしょう?」
ヒルデガルド:「それはきっと、名簿の中にナオヤさんの名前があったからじゃないかしら」
ジャニス:「それにしても、相手は幼馴染の親友と言えど、今は国王様ですよ。それが……」
ナオヤ:「とにかく、会ってみればわかるさ」
GM:では御期待に答えて、謁見の順番が回ってきます。とはいえ、数十人の謁見希望者をすっ飛ばしての謁見だ。特別扱いされているのは見て取れる。
ナオヤ:「テル……」――とか呟いておきましょう(笑)
GM:では、衛兵に案内され謁見の間へと入っていきます。真っ赤な絨毯の向こう、玉座があり――
ナオヤ:「テルッ!」
ヒルデガルド:「テルさん!」
GM:「王の前だぞ! 控えよ!!」――槍を持った衛兵が2人を抑えるぞ。
ジャニス:「ナオヤさん、ヒルダさん、ここは落ち着いて下さい」
ヒルデガルド:わかりました。
ナオヤ:僕も静かにします。それで、座っている王様は本当にテルなのでしょうか?
GM:ふむ、では状況を説明しましょう。まず、真っ赤な絨毯の向こうには玉座があり、そこにはハルバードが立て掛けてあります、その玉座には鎧を着込んだ20歳ぐらいの男が座っている。もちろん、5年という歳月は流れたが、そこにいるのは間違う事無き親友のテルだ。
ナオヤ:やっぱりテルだったのか……。
GM:そして玉座の右には、銀髪の戦士フェンリルが、玉座の左には紫色のローブを着た男ゲンマが、それぞれ立っているよ。
ナオヤ&ヒルデガルド:『なにー!!(んですって!!)』
ジャニス:知り合いですか?
※この時点では前回の話を、ジャニスは全く知らない。
GM:そうそう、ジャニスは銀髪の戦士に見覚えがある。
ジャニス:銀髪の人?
GM:そう、昔君と一緒に神官を目指していたライバル、ドリーにそっくりだ。
ジャニス:そんな、ドリーは昔黒髪だったのに!?(←そうならそうと先に言っといてくれ)
GM:ま、まぁドリーもいろいろ合ったのでしょう。とにかく今は銀髪です。
ナオヤ:「テル! どういうことだ! なんでそいつらと一緒にいる!!!」
GM:「ええい黙れと言っているのが――」……と衛兵が怒るけど、それをバンデッド王が手で制して――「さっきから私の事を誰かと勘違いしているようだが……その者は私と似ているのかな?」――王がナオヤに言ってくるよ。
ナオヤ:えっ? テルじゃないのか?
GM:いや、見たまんまテルだよ。
ヒルデガルド:では私は騙されましょう(笑)――「あ、いえ、私達の知っているテルという行方不明の友人にあまりに似ていたものですから」
GM:「そうか……残念だが私は君達の言う"テル"という人間では無い。この国の元革命軍でリーダーを務めていたバンデッドというものだ」
ナオヤ:「だったら、だったら何故に僕を呼んだのですか? 会ったことも無い見ず知らずの僕を!?」――がまんして他人行儀に聞きます。
ヒルデガルド:「ナオヤさん……」(←ボソッと)
GM:バンデッド王はナオヤの問いにちょっぴり悲しそうな目をして――「忠告しておこうと思ってな、そこの者(ヒルダのプレイヤーを指差す)」
ヒルデガルド:「えっ!? 私ですか?」
GM:「そうだ、君の噂はいろいろと聞いている」
ヒルデガルド:「そんな、噂だなんて……」(←なぜか照れてる)
GM:「君のような危険人物は我が国に置いておくわけにはいかない。明日の晩までに出て行ってもらおう」(きっぱり)
ヒルデガルド:は?
ナオヤ:なんかあると、絶対ヒルダだ〜。
ジャニス:トラブルなんとか……ですね。
ヒルデガルド:「あ、あの私が何かやりましたでしょうか?」
GM:「ナオヤ・オノツギという者よ、君がリーダーであるらしいな。共の神官とともに、彼女を連れて行ってくれたまえ。話は以上だ。いくぞゲンマ、話がある」――そう言うと、バンデッドと紫ローブのゲンマはなにやら話し合いながら、奥へ引っ込んでいく。
ナオヤ:じゃあ叫びましょう――「テル! 君なんだろ! 僕だ! ナオヤだよ! 忘れたのかよ! どうして村の仇と一緒にいるんだ!!! どうして――」
GM:「話は終わったって言っただろう? さっさと帰るんだな。それとも死にたいのか?」――ナオヤの言葉を遮って、フェンリルが目の前に剣を突きつけるよ。
ヒルデガルド:「ナオヤさん!?」
ナオヤ:「大丈夫……今は…帰ろう」

シーン9:神ではなく魔の力さ!

ニヤニヤと笑っていたフェンリルに追い出されるように、ナオヤ達は王城を去って行った。
その日の夜。宿の部屋でジャニスは1人考えていた。
ナオヤ:「ジャニス、どうしたんだい?」
ジャニス:「いえ、別に……」
ナオヤ:「さっきの謁見の間でも一言も喋ってなかったじゃないか」
ジャニス:「いえ、何でもありません。気にしないで下さい……ちょっと、散歩に行ってきます」――と1人飛び出して行きましょう。
ナオヤ:これは追いかけねばならないのだろうか?(笑)
ヒルデガルド:そんなヒロインチックな場面は私が許しません――「ナオヤさん、テルさんの事ですけど……」――ナオヤさんを引き止めましょう(笑)
ナオヤ:だー! それは引き止められてしまう!(笑)
1人、深夜のアラムートの城下町を走っていくジャニス。気がつけば目の前にはジャニスの信仰するティーシャの海の神殿へと来ていた。
ジャニス:「ドリー……」とか呟きながら神殿でお祈りします。心が落ち着いたら宿屋へ戻りましょう。
GM:そうか、では程なくして落ち着きも取り戻し、ジャニスが神殿から帰ろうとしたとき、聞いたことある声で呼び止められるよ――「ジャニス」
ジャニス:振り返りましょう――ドリーですね?
GM:その通り、柱の影から銀髪の男が姿を現す。髪の色こそ違え、昔と同じドリーだ。
ジャニス:「ドリー……あなた、修行を途中で抜け出して、一体このような場所で何をやっているの?」
ドリーって落ちこぼれたんだ……ってか、どうもジャニスは設定を増やしたがる気が……。
GM:「それはこっちのセリフさ、そうしてこんな所にいる?」
ジャニス:「私は神官として、神に選ばれしナオヤさんと行動を共にしているだけよ」
GM:「ふんっ、今だに神官ゴッコか?」
ジャニス:「ゴッコですって」
GM:「そうだろう? お前はティーシャに祈って強くなったか? 何かを成せるだけの力を手に入れたか?」
ジャニス:「神は力を与えてくれるわけじゃない。神は努力するものに結果を与えてくれるのよ」
GM:「詭弁だな……」
ジャニス:「昔の貴方は優秀で、同じ神官としても尊敬していました。でも、今の貴方は髪を染めて……見る影も無い」
GM:「ふっ、じゃあ、努力した成果が今のお前か?」
ジャニス:「何か言いたいの?」
GM:「知っているか? 世の中には努力という言葉さえ凌駕する"力"があるんだ」
ジャニス:「ドリー…あなた、まさか!?」(←ノッてます)
GM:「そうさ、神ではなく魔の力さ! 俺はゲンマ様の力でフェンリルという魔族と融合した。この銀髪はその証さ」
ジャニス:「なんてことを……」――とか言いながら意味わからないんですけどね(笑)
ヒルデガルド:ノリで話してるよ(笑)
GM:シリアスシーンなんだから口を挟まない!(笑)
ジャニス:「ドリー、貴方が魔の領域に足を踏み入れたのなら、貴方への引導はかつての仲間である私が渡してあげましょう。せめてもの情けです!!」
GM:「ふん、やれるものならやってみな! お前の言う神の結果がどんな物か、試してやるぜ」
ジャニス:「神を捨てた貴方には、決して負けません」
GM:「言ってろ――だが、バンデッド様にならって、昔馴染みのお前に一つだけ忠告しておく、明日の正午前に、この街を出るんだ。決して夜まで残っていてはいけない」
ジャニス:「それは、どういう――」
GM:「忠告はした。だが、これが最後だ……じゃあな」――ドリーは闇の中へと消えていきます。
ヒルデガルド:では、そこに登場しましょう(ナオヤ:ああ、先に言われた〜)――「ジャニスさん?」
ジャニス:ではヒルダの方は無視して宿へ帰ります。
ヒルデガルド:ああ、酷い(笑)――ジャニスさんの腕を掴みます……「ジャニスさん待って! 今の人は……」
ジャニス:「放してっ!!!」――振り切って帰ります。
ヒルデガルド&ナオヤ&GM:(びっくりする3人声も出ない)

シーン10:勇者ナオヤよ

その夜、ジャニスが宿に帰っても声をかける事は誰にも出来なかった。
GM:その夜、ナオヤは夢を見ます。
ヒルデガルド:ナオヤさんだけなの?
GM:だけです、勇者特別イベントです(笑)――目の前が真っ紅に染まったかと思うと、どこからともなく声が聞こえてくる――『勇者ナオヤよ。私を助けて下され……』
ナオヤ:『誰? 僕に話かけてくるのは?』
GM:『私はベルゼン・オズワルト……元国王の下で重鎮として働いていた者……』
ナオヤ:『助けるったって、どうすればいいのさ!?』
GM:『私の肉体の前で……私の魂を解放して下され……勇者ナオヤよ……』――再び視界が紅色に染まったかと思うと、ナオヤは目覚める
ナオヤ:………………「もう一回寝よ」――のんびり屋な性格なので(一同爆笑)
GM:おいおい。
テルとバンデッド、ドリーとフェンリル
数々の因縁が交差し、勇者は運命に放浪される
城塞都市アラムートを舞台に、宿命の物語が幕をあげた!
夢に出てきたベルゼン・オズワルトが言った
「私は前国王の重鎮である……」
前国王は悪政をひいていたのではなかったのか?
街のある人が言った
「何も殺すことは無かった。バンデッド王は過激過ぎだ……」
何が真実で、誰が正義なのか!?
恐るべきゲンマの計画が闇の中で進んでいた……
「ナオヤは何のために戦っているのさ? 俺には負けられない理由がある!!」

次回! 衝撃の別れは運命とともに……

紅玉の魔獣プロローグ 〜紅漆の決闘場〜
第2話「城塞都市アラムート」
FIN


TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 紅漆の決闘場                   戻る