セブン=フォートレス アドヴァンスト Prologue an Evil Beast of RUBY 紅漆の決闘場 第3話「友と別れと宿命と」
ついに幕を開ける謎と宿命!
城塞都市アラムートの新たな国王バンデッドは、勇者ナオヤの幼馴染みであるテルなのか!! というか、テルはプレイヤーキャラクターじゃなかったのか!? そして国王の両脇に控えていたのは、銀髪の戦士フェンリルと紫ローブのゲンマだった!! とりあえずプレイヤー達よ、これ以上新しく入ったり、抜けたりしないでくれ…… いや、頼みますから…… シーン1:あっちが悪に決まってます!
『アラムートから出ていけ』と、直接バンデッド王に言われたその日の夜。
ナオヤ:そのままベッドに倒れて、もう一度寝ます――「スースー」ナオヤはベルゼンというお爺さんがSOSを求める奇妙な夢を見た。 そして朝になり目覚めたナオヤは―― ――2度寝していた…… ジャニス:「ナオヤさん! 起きて下さい! もう朝ですよ!!」(笑) ナオヤ:「いいんだよ僕は、性格が『のんびり』なんだから……」(一同爆笑) ジャニス:「何を意味のわからない事言っているのですか!? 今日中にこの国から出ていかないといけないのですよ!」 ナオヤ:う〜ん、じゃあ起きようかな。 ――そして朝食 ヒルデガルド:「どうしたんですか? ナオヤさん、顔色が優れませんが? 嫌な夢でも見ましたか?」 ナオヤ:「いや、朝は気がすむまで寝ていないと調子が悪くてね」 ヒルデガルド:「そうですか」 ――朝食終〜了〜……結局、ナオヤは夢について話す事は無かった……いいのか? ジャニス:「ところで、昨日バンデッド王に言われた事なのですが……」 ヒルデガルド:「今日の夜までに、このアラムートの街を出ていけ――という話でしたね」 ジャニス:「そうです。ナオヤさんどう致しますか?」 ナオヤ:「そうだなぁ、国王に言われちゃったんだよね〜」 ヒルデガルド:「でも、そのバンデッド王の両脇にはフェンリルとゲンマがいたじゃないですか!? バンデッドがテルさんだろうと無かろうと、ゲンマ達がいるのだから、あっちが悪に決まってます!」 ナオヤ:そうだなぁ……「よし、とりあえず、今日の昼までこの街でできる限りの情報を集めよう」 シーン2:もしかして殺人事件とか?
アラムートの街は傭兵達を多く見る以外は、いたって普通の――そして平和な街だった。
GM:では、各々情報を集め終わり、街の広場に集合したということで。ナオヤ達はゲンマやフェンリルが王の側近を務めているのなら(表向きだけでも)、真昼間の街中でいきなり襲ってくることもあるまい……そう予想し、手分けして効率よく情報を集めることにした。そして…… ヒルデガルド:「私の聞いてきた情報は驚きますよ!」 ナオヤ:「ではヒルダさんからどうぞ」 ヒルデガルド:え〜、でも、取りは最後の方がおもしろいかなぁ〜って。 ナオヤ:じゃあジャニスから? ヒルデガルド:「あ〜、やっぱり私が話します!」 ナオヤ&ジャニス&GM:『………………』 ヒルデガルド:「実は酒場で話を聞いてきたんですが、どうもこの国の相談役になっているゲンマは、元国王の時代から、すでに相談役になっていたそうなんです」 ナオヤ:「えっ、どういうこと?」 ヒルデガルド:「元々、元国王が悪政を働くようになって革命軍が勇志されても、最初は国にとって問題は無かったそうなんです。でも、国王の相談役のゲンマまでが革命軍に肩入れしだしてから、戦況は一気に傾いてきた……と聞きました」 ナオヤ:「ゲンマが……」――やっぱりテルが操られているのかなぁ? ジャニス:もう一度会えればいいのですけどね ナオヤ:まぁ、今は言ってもしょうがないか……で、ジャニスさんは? ジャニス:「私は通りでちょっとした騒ぎになっているのを見て来たんですが――」 ヒルデガルド:「騒ぎですか!? もしかして殺人事件とか?」 ジャニス:「いいえ、ただの葬式でした」 ヒルデガルド:「はぁ」――それって何か有益な情報なのか? ジャニス:「さぁ……なんでも亡くなられたのは、元国王の側近だった人みたいですし、今回のこととはちょっと――」 ナオヤ:「もしかして、その死んだ人の名前は"ベルゼン・オズワルト"っていうんじゃ?」 ジャニス:「ええそうです」――夢の人ですよね? でも私達はその話を聞いていませんし(笑)――「でも何でナオヤさんが知っているんですか?」 ナオヤ:微妙に言うタイミングを逃したんだよ……「実は……」――と、昨日の夢を2人に話します(笑)
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ヒルデガルド:「なら、そのベルゼンさんの家に行ってみましょうよ」ナオヤ:「そうだね。善は急げっていうし」 ヒルデガルド:ではGM、そのベルゼンさんの家へ向かいます。 GM:了解、では葬儀の行われているベルゼン邸に―― ジャニス:「ちょっと待って下さい」 ナオヤ:「どうしたんだよジャニスさん、早く行かないと」 ジャニス:「ところで、ナオヤさんはどんな情報を得たのですか?」 ナオヤ:「えっと……その……たいした情報が集まらなくってさ!」 ジャニス:「何か隠してません?」 ナオヤ:「い、いいじゃないか、僕もがんばったんだけどさ、有益な情報が無くてさ……」 ジャニス:「………………」 ヒルデガルド:「まぁ今はいいじゃないですか! とにかくそのベルゼンさんの家に向います」 GM:じゃあ、ナオヤは幸運ジャッジをしてみて。 ナオヤ:(コロコロ)……あ、ファンブルしました(笑) GM:なら問答無用、次はジャニスが【知覚】ジャッジをしてくれ目標値は10でいいよ。成功すれば何かが、ナオヤのポケットから落ちたのを見つけます ジャニス:何だろう、気になりますね(コロコロ)……はい、成功です! GM:ではジャニスはこんな紙切れを拾う――『特注紅玉予約チケット 前金15GP、残額30GP』(笑) ナオヤ:GM! それを落としたことに気が付かない―― ヒルデガルド:気が付きませんよね〜ファンブルでしたし〜(笑) ナオヤ:ああ、そうだった〜(笑) ジャニス:「これは……」――こっそりと私が持っていましょう(笑) シーン3:でも名物だしなぁ
ベルゼン・オズワルトという人物は、生前かなりの人格者だったらしい。しかし、今日の葬儀に参拝している者は少ない。剣を持って戦うことをよしとせず、最後まで前国王を信じ革命軍を説得しようとしていた――そんな人物だったらしい。
GM:到着しました。受付の人が聞いてくるよ――「ベルゼン・オズワルト様の知り合いの方ですか?」ナオヤ:「ええ、あ、いや、はい。そうです」 ジャニス:「最後に声をかけたいのですが、よろしいでしょうか?」 GM:「はい。そうしてくれた方がベルゼン様もお喜びになると思います……ただ――」 ナオヤ:「ただ? 何か問題でも?」 GM:「もう少し、地味な装いで来て頂けると……」――もちろんヒルダを見ます(一同爆笑) ナオヤ:そうだった! ヒルダさんにもっと地味な……じゃなくて、派手な格好をするように言うのを忘れてた〜!!!(笑) ジャニス:後の祭ですね……。 ヒルデガルド:「えっ、もっと地味な方がいいんですか?」(一同爆笑) ナオヤ:違う〜!!!(笑) ヒルデガルド:「なら、ちょっくら宿屋へ戻って、着替えてきますね」(笑) ナオヤ:「ヒルダさん! こんな時にそんな悠長なこと言ってられないよ!」 ジャニス:「そうですよ! もうすぐお棺が出るみたいですし」 GM:「まぁ確かに、そうすぐ出棺ですが……わかりました、とにかくベルゼン様に声を掛けてあげてきて下さい」――ヒルダを睨みます。 ヒルデガルド:「やっぱり、ちゃんと着替えてきた方が……」 ナオヤ:「はいはい、行くよ行くよ」
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GM:棺桶の中に60歳ぐらいのお爺さんが眠っているように横たわっています。その顔は今にも起き上がりそうなくらいです。まるで死んでいるようには見えない。ナオヤ:顔はやっぱり、夢に出てきたベルゼンさんですか? GM:その通りです。 ジャニス:どうしましょう。 ナオヤ:プレイヤーとしては気付いてるんだけど。 ヒルデガルド:何か落しましたよ……これは昨日かった新名物(笑) ナオヤ:頭の中で昨日の夜の忠告がリフレインする ヒルデガルド:さらに『20GP』『新名物』の文字も頭の中に浮かぶ ナオヤ:紅玉を握って――「これを……でも名物だしなぁ」 ジャニス:「ナオヤさん! こんな所で迷ってどうするのですか!?」 ヒルデガルド:この人の死因ってわかります? GM:他の人が言うには心労が祟ってだろうと言っている ヒルデガルド:心労ですか……。 ナオヤ:しかたない、この人の上でこの名物を割ります ジャニス:「そうです。それでこそナオヤさんです!」 ナオヤ:「くぅっ……」(←とても悔しそう(一同爆笑)) GM:では紅玉が割れた瞬間、紅玉がキラッ光り輝いたかと思うと、粉々に砕けた破片が蒸発するように消えて無くなる。 ナオヤ:おお GM:そして、ややあってから、おじいさんの血色が良くなり起き上がる。周りの家族は驚く――「お、おとうさん!?」「ベルゼン様〜!」「お爺ちゃんが…お爺ちゃんが…ゾンビに〜うわぁ〜ん!!」――と、えらい騒ぎだ(笑) ジャニス:「いいのでしょうか……これで」 ナオヤ:「ま、まぁ生き返ったし」 GM:「落ち着け! 落ち着くんだ!!」――と、偉かっただけあって、威厳を持って皆を静めるベルゼン爺さん、そして静かになったところで――「ナオヤ殿、ありがとうございました」――深々と頭を下げるよ。 ナオヤ:「やはり、僕の夢の中に出てきたのは、あなたでしたか」 GM:「はい、私の魂の入った器が、ナオヤ殿の手に渡ったのも、何か神の思し召しだったのかもしれませんな」 シーン4:一つお願いしたいことが
場所は変って"オズワルト・ベルゼン"の屋敷。ナオヤ達3人はその応接間へと招待されていた。
ヒルデガルド:「だったら、早くあの土産物屋に行って、片っ端から紅玉を割らないと!」ジャニス:「でも、ただ単に割るだけで良いのでしょうか? ご遺体も揃っていなくてはならないのではありませんか?」 GM:(ベルゼン)「あの、何のお話をされておりますのか?」 ジャニス:「いえ、あの紅玉と同じ物が"新名物"として、この街で売られているのです」 ヒルデガルド:「しかもたったの20GPで!!」 GM:「紅玉? その名は確か……そう、新国王としてバンデッド殿が位についてから、町興しとして流行だした物の名だったはず……」 ナオヤ:町興し(笑) GM:「それとは知らず買っちゃったよ……(←ボソっと)」(一同爆笑) ナオヤ:「ああ、そこに3つ置いてあるのは、まさしく紅玉!」(笑) ヒルデガルド:「だったら早く割らないと!」――って言って、3つとも割ります! GM:しかし、君が割った紅玉は輝く事無く砕け散って消滅する ヒルデガルド:「あれ?」 ジャニス:「もう、ご遺体が無いのでしょう」 ヒルデガルド:ちょっと失敗したなぁ……って固まってましょう。 GM:……「ま、まぁ、そういえば、正式な自己紹介をしておりませんでしたな。私はベルゼン・オズワルト、前国王の側近をしておりました。お会いできて光栄です。勇者ナオヤ殿」 ナオヤ:「いや、その事なんですが、僕は勇者なんかじゃありませんよ。なにかの勘違いでしょう。僕はただの傭兵ですから」 GM:「いいえ、そんな事はありません。私が紅玉に封印されていた時、光り輝く女神様が現れ、勇者の事を、ナオヤ殿の事をお告げになられました。貴方こそ、女神様のいう勇者に相違ありません!」 ナオヤ:「女神なんて言われても……」 ジャニス:「やっぱりナオヤさんは神に選ばれし勇者だったのですね!」 ナオヤ:「ええ!? そんな事言われても……」 GM:「そこで、ナオヤ殿を見込んで、一つお願いしたいことがあるのですが……」 ジャニス:「ナオヤさん!」 ヒルデガルド:「ナオヤさん!」(何かを期待する2人) ナオヤ:「まぁ、僕に出来ることでしたら」 GM:「このアラムートの城に蔓延っている"闇の宗教"を壊滅して下され!」
闇の宗教、それは世界を破滅・征服しようと企む悪の組織。
ヒルデガルド:これで借金が返せる! 早く探索教会に行きましょう!ベルゼンの話によると、前国王の相談役だったゲンマが闇の宗教の一派を率いているらしい。 今思えば、前国王が悪政を引き出したのもゲンマになにかされたのかも……ベルゼンはナオヤ達3人に資金・物資の提供の用意もあると伝えた ナオヤ:いや、そんな事はセッションが終了してからやればいいじゃないか。それより――「闇の宗教のゲンマが前国王を操り、そして今は、現王バンデッドの側にいる」 ヒルデガルド:「もしかしてテルさんは、ゲンマに操られていて――」 ナオヤ:「それはどうだろう。もしバンデッド王がテルなら、あの時、僕の言葉に辛そうな目を見せたテルは……とても操られているとは思えない」 ヒルデガルド:「でも、テルさんがそんな悪いことをする人とは信じられません」 ナオヤ:「僕だってそうさ!! テルは……僕の親友なんだから……」 ジャニス:「とにかく今は、城に蔓延っている闇の宗教をどうするかが問題です」
その後、数十分……プレイヤー達の相談が行なわれた。
ジャニス:「――なのですから、そのような行為は黙認しかねます!」城に侵入する。ゲンマを尾行する。前国王から話を聞き出す。闇の宗教のふりをして潜入する……等など。 ヒルデガルド:「じゃあ、あとはどんな方法が――」 ナオヤ:「あ!!(←何かに気がついたように) 紅玉を売ってた宝石商がいるじゃないか!」 ヒルデガルド&ジャニス:『あっ!』 ナオヤ:「あの人が紅玉を人の魂を封じた物だと知っていて売っていたのなら、彼も闇の宗教と関係があるはず。逆に知らなければ、彼に紅玉を卸していた人物がいるはず!」 GM:ちなみに、ベルゼンさんが生き返ってから、応接間での話もかなりの時間していたので、そろそろ夕方になろうかという時刻です。 ヒルデガルド:「なら、早く宝石商のところへ行きましょう! 夜になって店を閉められる前に、それにベルゼンさんが生き返ったことを知ったら、もう店を出さないかもしれませんし」 ナオヤ:「それは困る」(←リプレイ執筆時に気がついたが……微妙な意味である) シーン5:後だと言っているだろう!!! GM:では城の近くまでやって来ました。――ところでヒルダはいつもの格好だよね?ヒルデガルド:もちろんです。すごく地味な格好をしてます。チャリンチャリン!(笑) GM:OK(笑) では君達が宝石商が出展していた道へと曲がっていくと、いそいそと逃げ出す商人が見える(笑) ヒルデガルド:追いかけます。 GM:なら【敏捷】プラス2Dを振って、結果を教えてくれ、宝石商に追いつけるかな? ――しかし―― ジャニス:ファンブルです! ブハァァ!! 「すいませんナオヤさん……」――超病弱なので血を吐いて気絶します(笑) ――さらに―― ヒルデガルド:(コロコロ)……だめです。どんなにがんばっても【敏捷】3の私には……じゃない、衣装の重たい私には追いつけません(笑) ――そして勇者1人となった―― ナオヤ:「気がつけば、僕だけ走ってるし〜!!(笑)」 ――だが、数へクスの攻防後、宝石商はナオヤのクリティカルの前に捕縛となったのだった――
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ナオヤ:「さぁ、全部話してもらうよ」GM:「な、なんのことかな? ん? 良く見りゃあんた、予約券買った兄ちゃんじゃないか!? それならそうと言ってくれれば……それで残りの30GPは持ってきたのかい」 ナオヤ:「ああ、お金ならたくさんココに……」 ヒルデガルド:追いつきます――「ナオヤさん! 闇の宗教のことを聞きましたか?」 ナオヤ:「あ、そうだった。あぶないあぶない。思わず名物につられて目的を忘れる所だった!」(笑) GM:「兄ちゃん、お金と共に、予約券も見せてくれなきゃ困るな〜」 ナオヤ:「それならここに――」 GM:しかしナオヤのポケットに予約券は無い。 ナオヤ:「あれ? 確かにここに……」 ジャニス:やっと気絶から立ち直って追いつけました。――「ナオヤさん、探し物はコレですか?」――予約券を取り出します。 ナオヤ:「そうそう、ありがとうジャニス」 ジャニス:目の前で破り捨てます ナオヤ:「なんて事をするんだ!――あ、いや、そうじゃなくて」――宝石商に向き直って――「さっさと話さないと、君もあの予約券のようになるぞ」――泣く泣く言います(一同爆笑) ヒルデガルド:ジャニスって実は怖い? ジャニス:そんな事はありませんよ。決っして……ね? GM:「お、俺はあんた達が何を言っているのか、さっぱり解らねぇよ――もしかしてこの新名物が目当てか? 欲しいなら全部くれてやるよ!」 ヒルデガルド:じゃあ宝石商から紅玉の入った荷物を取り上げて、私のタワーシールドで全部壊します。 ナオヤ:「いや、待て! それは後でいい!!」(一同爆笑) ヒルデガルド:「今割ります」 ナオヤ:「後だと言っているだろう!!!」(叫) ヒルデガルド:ガッシャーン!――叩き割りました(笑) ナオヤ:「ああぁぁぁ」――涙を流しながら宝石商に詰め寄って――「言えっ!早く言わないか!! 僕はもう怒ったぞ!!」(一同爆笑) GM:それって、ヒルダのせいじゃん(笑) ヒルデガルド:八つ当たりという奴ですね(笑) GM:じゃあ、ナオヤの気迫に押されて――「解った。解った言う。だから、命だけは助けてくれ! そうさ、俺は闇の宗教の一員さ! でも俺は下っ端なんだ、だから命だけは!!」 ジャニス:「紅玉はどこで受け取っていたのですか?」 GM:「いつもの、儀式を行なう街外れの教会さ!」 ナオヤ:「その受け取りは今日もなのか?」 GM:「……ああ、そうさ。だが! この話はバンデッド様には秘密にしてくれ! でないと俺の命が――」――と言った瞬間、紅色の光線が宝石商の胸を貫く! ナオヤ:えっ!? GM:宝石商が紅い光に包まれたかと思うと、ホワッと紅玉が浮き上がる。 ヒルデガルド:もしかして―― GM:そして、さらにその紅玉を、上の方から放たれた黒い波動が消滅させる。ドサリと事切れる宝石商。 ジャニス:口封じ……ですか? ナオヤ:光線とか波動を放った方向を見ます。 GM:みれば、朧月夜に紫色のローブをはためかせたゲンマが宙に浮いている。 ナオヤ:「ゲンマ!」 GM:ゲンマはナオヤの声と共に闇に消えるよ。たしかヒルダは"暗視能力"が有ったね? ゲンマは消える瞬間『ニヤッ』と口元を歪めたように見えた。 ジャニス:「消えた?」 ヒルデガルド:私の暗視能力でも完全に消えたの? GM:消えた。"逃げた"のか"わざと"か……それは解らないけどね。 ナオヤ:「……とにかく、せっかくの情報源がゲンマに殺されてしまった」 GM:では、そこで通りの奥、闇の中から――「ジャニス」――との声が響く。 ジャニス:「……ドリー?」 GM:「なぜ、この街を離れなかった? 俺は忠告したはずだ」 ジャニス:「私は、勇者たるナオヤさんについて行くのみです。ドリーあなたこそ、悪魔に魂を売ってまで、何をやろうとしているの?」 GM:「ふっ……」――通りの闇の中からドリーが姿を現す。ナオヤとヒルダは解るが、もちろん銀髪のフェンリルだ。 ナオヤ:「貴様はフェンリル!!」 ジャニス:「ナオヤさん、フェンリルって何です?」 ナオヤ:「僕やテル、ヒルダの住んでいたビレタ村を滅ぼしたのは2人……1人はゲンマ、そしてもう1人が銀髪の戦士・フェンリル……あいつさ!」 ジャニス:「ドリーが……ナオヤさん達の故郷を破壊した……」 GM:「5年ぶりかな? 名を…そう『ナオヤ』と言ったか、昨日はすまないな、私やゲンマ様の事を知らない愚か者が大勢いたのでね。初対面のふりをさせてもらったよ」 ナオヤ:「僕は、お前達を倒す為に、この5年間、傭兵を続けてきた!」――剣を抜きます! GM:「まぁ待てよ、俺の話を聞いたら、今はそれどころじゃないってことが解るはずだぜ?」 ナオヤ:「なんだと?」 GM:「今夜、街外れで行なわれる儀式を知っているか? それが成功すれば、この街は全て終わりだ」 ナオヤ:「……なぜ、僕達にそのことを教える?」 GM:「なぜだと思う?」 ナオヤ:「……お前は闇の宗教じゃなかったのか?」 GM:「もちろん闇の宗教さ」――ジャニスを見つめながら言ったり。 ジャニス:「ドリー、貴方は何を考えているの?」 GM:ジャニスのその問いには答えず――「俺もその儀式に立ち会うつもりだ。来るんだろ?」 ナオヤ:「テルも……テルも来るのか?」 GM:「『バンデッド』様と共に待っているぞ。あの時の続きをしようじゃないか?」――一瞬だけジャニスに視線を向けて、出てきた時と同じようにフッと闇の中へと消えていく。 シーン6:5年も経てば、人は変わるもんさ
その後、ベルゼン卿の息のかかった門番の見張っている城門から、夜のアラムートの街を抜ける3人、走ること小1時間、そこは、かつてはステンドグラスの美しい外観を誇ったであろう古い教会だった。いや、たった1つの要因を除けば、ガラスが割れ、雑草が生い茂っていようと、その昔ながらの神々しさ、威厳は変らなかっただろう。たった1つ、"邪悪"な気配さえ充満していなければ……。
GM:さて、ヒルダのせいでいろいろ大変だったけど、なんとか街外れの教会の前までやってきました(※)ナオヤ:まったく、だから地味に……じゃなくて派手にって言ったのに! ヒルデガルド:でも私はやっぱり地味な服装の方が……派手なのは恥ずかしくって(笑)
※ヒルダ曰く「一世一代の地味姿」――だったらしい。城門越えにどれだけの時間(リアル)を使ったか……
GM:さて、どうするかな?ジャニス:見張りとかはいないのですか? GM:いないね。ただ、ただ、邪悪な気配が教会の中から漂ってくる。 ナオヤ:蹴り開けます! ヒルデガルド:おお! GM:わかった! ナオヤが教会の扉を蹴りあけると、聖壇の椅子とかは全て除けてあって、黒ローブの魔術師が5人、逆五芒星の魔方陣の上でなにやら唱えている。 ヒルデガルド:例の儀式というやつですね。 GM:さらに、アラムートの新王バンデッドがいて、少し離れた柱に背を凭れかけさせたままのフェンリルが、ナオヤ達の方に視線だけ向ける――「来たか」って感じで。 ナオヤ:「テル! 今すぐ、この儀式をやめさせるんだ!!」 GM:バンデッドが振り返りながら言う――「ナオヤか……」 ナオヤ:「テル! もう一度言う、今すぐ、この儀式を止めさえろ!!」 GM:「それは出来ない。たとえそれが……ナオヤ、お前の頼みでもな」 ヒルデガルド:「やっぱり、やっぱりビレタ村のテルさんなんですね!?」 GM:それには無言の肯定をして――「……あい変らずな格好をしているね、ヒルダ」 ヒルデガルド:「テルさん……なぜあなたは、こんなことをしているのです。しかも、自分の村を滅ぼした男達と一緒になって!!」 GM:その時、ジャニスは見れる。バンデッド=テルを疑るように、一瞬だけ真面目な顔をしてバンデッドの返答に耳を傾けるフェンリルを。 ジャニス:「………………」 GM:テルは少し悲しそうな顔をして、その問いに答えるよ――「5年も経てば、人は変わるもんさ」 ヒルデガルド:「テルさん……」 GM:「……儀式の邪魔はさせない」 ナオヤ:「テル……お前を闇に染まらせるわけにはいかない! 力ずくで止めさせてもらう!!」 GM:「そうか……フェンリル! 儀式はもう最終段階だ、お前1人でも大丈夫だな」――バンデッドが合図を送ると、5人の闇の宗教員がバンデッドに並ぶ。フェンリルは――「御意に」――と儀式を1人で完遂すべく呪詛を唱え出す。 ヒルデガルド:えっ、戦闘ですか? GM:戦闘です。君達3人vsバンデッド&闇の宗教5人。時間制限はフェンリルが儀式を完成させるまでです。 ジャニス:ドリーとは戦えないのですか? GM:いいや、ちゃんとへクスシートを使うから、自分のラウンドに移動をたくさんすれば、儀式をしているフェンリルの場所までいけるよ。もっとも、それまでに誰の邪魔も入らなかったらだけどね。 ナオヤ:それは無理では……。 GM:ちなみに、バンデッドはナオヤの真正面でミスリルのハルバードを構えるよ ナオヤ:それは、僕と一騎打ちをお望みで? GM:いえ〜す!(笑) ヒルデガルド:「ナオヤさん! 周りの雑魚は気にしないで!」 ジャニス:「私とヒルダさんで何とかします! だから、ナオヤさんは……!!」 ナオヤ:ああ〜、GMがキャラクターシートを用意したNPCに勝てるわけ無いよ〜、しかも一騎打ちでなんてさ〜。 GM:いや、そうでもないぞ、バンデッドはいろいろあったおかげで(第2回冒頭参照)、テルのデータをちょっと強くして、希少ランクBのハルバードとハーフプレートを着ているだけだ。なんとかなるさ。 ナオヤ:希少ランクB!? ジャニス:そんなに凄いのですか? ナオヤ:う、うん、どうあがいても勝てないレベル。 ヒルデガルド:何を言っているのですナオヤさん! あなたとテルさんは友情という絆で結ばれていたはずです! GM:そうだね、5年前のプレイヤーがいた頃は(笑) ナオヤ:父さん、僕は絶対絶命なわけで(笑) シーン7:今やめたら…俺の目的が達成できない!!
ヒルデガルド&ジャニスvs5人の闇の宗教
GM:最初は【敏捷】を20もあげていたバンデッドだな、さすがにイニシアチブも速い(笑)ナオヤvsバンデッド=テル ――ついに戦闘が始まった。 ナオヤ:テル……なんていう偏ったレベルの上げ方を……。 GM:(コロコロ)……命中が24かな。 ナオヤ:(コロコロ)……クリティカル(コロコロ)……おお! もう一度クリティカル……41で防御! GM:ぬぅ、おいしい事を(笑) 鍔迫り合いをしながら言いましょう――「ナオヤ、今は引け!」 ナオヤ:「なんでこんなことをしているんだ! そっちこそ儀式をやめろ!」 GM:「それは……」――ギィンッ! と一端離れる(笑) ジャニス:次は私ですね(コロコロ)……ファンブルしました。魔法が発動しません。 ヒルデガルド:私は移動で終わります。 ナオヤ:今度は僕の番ですね(コロコロ)……命中26です。 GM:(コロコロ)……当たった。避けれません。 ナオヤ:(コロコロ)……ダメージが40点です GM:……ちょっと来たな。 ナオヤ:「テル! 儀式をやめろ!」 GM:「それはできない! 今やめたら…俺の目的が達成できない!!」 ジャニス:もう一回私の番ですね(コロコロ)……ファンブルでした。 ヒルデガルド:またぁ!? ジャニス:魔法の水の槍が飛びませんねぇ(笑) ヒルデガルド:レイピアで(コロコロ)……命中、ダメージが32点です。 GM:雑魚が一瞬にして1人やられました。 シーン8:そんなもの僕は認めない!! GM:次のターンです。最初はバンデッド――「ナオヤ! どうしても引かないって言うのか! どうしても俺の邪魔をするっていうのか!!」ナオヤ:「闇の宗教なんかに頼った生き方……そんなもの僕は認めない!!」 GM:そこで儀式をしているファンリルから――「バンデッド様! 貴方の意志はその程度のモノだったのですか!」 ヒルデガルド:儀式しながら? GM:まぁ儀式完成まで1ターン伸びたって事で(笑) さらにバンデッドは――「クッ、そうだった……ナオヤ! この一撃で決めてやる! 我が剣技、受けてみろ!!!」 ジャニス:「ナオヤさん気をつけて!!」――なんとなく叫んでみました(笑) ヒルデガルド:先に言われた〜〜〜(悔) GM:自作剣技発動(コロコロ)……成功!――「奥義! ≪羅刹・参ノ太刀 闘 ≫!!」 ナオヤ:「その技は!?」……知らないけど(笑)……駄目です。当たりました GM:そうか、奥義を食らうとは……ダメージが82点です。 ジャニス:「ナオヤさん!!!」 ナオヤ:それは……ジャニスの側に吹っ飛んで倒れます。 ジャニス:魔法の詠唱を中止して、ナオヤさんに駆け寄ります――「ナオヤさん! しっかりして下さい!」 GM:(さすがにここで、容赦なく奥義の発動はやばかったか……) ナオヤ:しかし僕は死にませんよ! ゆっくり上半身を起して、複雑な表情でテルを見上げます――「テル……君の家に伝わる、その奥義なら、僕を一撃で殺すことも出来るんじゃないのか!? なぜ僕にトドメを刺さなかった!!!」――バーニングシステム『な、なぜだ! 今の一撃で俺にとどめをさせたはずだ!』を使います! ジャニス:「ナオヤさん……良かった……」 ヒルデガルド:「テルさん……」
※バーニングとは、S=Fクラシックで導入されている、バーニングポイントを消費することで熱いお約束を現実に出来る(バーニングシステム)。素敵なルールの事だ。これを使えば、分子レベルに消滅しようとも復活することも出来る(笑) 今回のキャンペーンはアドヴァンスト仕様だが、面白いのでバーニングシステムを使い勝手が良いようにルールを多少変更して導入していた。
GM:くっ、これは何かセリフを言わねば……。※『な、なぜだ! 今の一撃で俺にとどめをさせたはずだ!』 バーニングシステムの中の一つ、その効果は、ダメージを受けた後、そのダメージを実は1/10しか受けていなかったことにする。使われた相手(つまり攻撃したNPC/PC)は、なぜ手加減/とどめをささなかったのか説明するセリフを喋らねばならない。というかGM的には「殺すつもりだったのになぁ……」なので、ちょっと困りものである。 ナオヤ:「テル……やっぱりテルも――」 GM:「勘違いするな……これは最後の警告だ。今のナオヤじゃ俺には勝てない。ナオヤは何の為に戦っているんだ? 俺には負けられない理由がある!!」 ナオヤ:「それは、例え闇に頼ってでもか……」 GM:テルは深く頷きましょう。 ナオヤ:「そうか……なら、もうお前は僕の知っているテルじゃない!! 闇に魅せられた愚かな男……闇の宗教がバンデッドだ!!!!」 一同:『おお〜〜!!!』(驚) ナオヤ:「バンデッド! お前を倒して、闇の宗教の陰謀を止めてみせる!!」 GM:「だったら、止めてみろ! この俺をな!!!」――バンデッドはそう言うと、全てのプラーナを全開放する! そのプラーナ量は圧倒的だ! ヒルデガルド:そういえば、≪プラーナの素質≫とか言う、プラーナ量が増える能力を持っていましたね。 ナオヤ:プレイヤーキャラクターが敵に回ると、いろいろと厄介ですね(笑) GM:ふふ、しかし、そんな燃えるシュチュエーションに水を差すように、古い教会に静かな声が響きわたる――「バンデッド様、お戯れはそれくらいに……」――バンデッドの後ろに、影から浮き上がるようにして紫ローブ・ゲンマが現れる。 ヒルデガルド:「ゲンマ!!」 GM:ゲンマはヒルダを無視して言葉を続ける――「街の方の準備は整いました」 ヒルデガルド:ああ! 嵌められた気がします――「街の方? 貴方達! 一体街で何をして来たの!?」 GM:それには答えようか――「知れたこと、"お前達"邪魔者が街を離れ、時間を無駄に消費している間に、必要な魂達を刈ったのだよ」 ヒルデガルド:「何っ?」 GM:ゲンマはその顔に蔑みの笑みを浮べて続けるぞ――「お前達は愚かで扱いやすい駒だったよ。魂も予定以上の数が集まった」 ヒルデガルド:「それは儀式に関係あることなんですね!」 ナオヤ:「だったら、ここの儀式が完成する前に――」 GM:と、ナオヤ口を開いた瞬間! 皆の視界を白い光が覆い尽くす!! ジャニス:「この光は!?」 ヒルデガルド:「儀式が完成した!?」――言ってみたり(笑) GM:光が治まって周りを見ると、教会の奥、両手で印を組み、呪を唱えていたフェンリルが手を下ろし、儀式の詠唱も唱え終わっている。そこにゲンマが指示を出す――「事はなった。後始末ぐらいはお前達とフェンリルだけで出来るな? もうこのような場所に用はありません。行きましょうバンデッド様」 ナオヤ:「待てバンデッド! 僕との勝負はどうする気だ!!」 GM:バンデッドはチラッとナオヤを振り向くけど「お前などいつでも殺せる」とばかりに、鼻を鳴らして背を向ける。ゲンマと共に影に沈んで行く。 ヒルデガルド:「待ちなさいゲンマ!!!」――レイピアを振りかぶり斬りつけます。演出みたいですし、イニシアチブを無視してもいいですよね? GM:いいよ。ただし、こっちも演出で受けさせてもらおうか。――キンッ――甲高い音を立てて、ヒルダのレイピアは防がれる。一瞬にして間合いを詰めてきた銀髪の戦士……そうフェンリルによって!! シーン9:こちらの挑発に乗ってくるとはな GM:では仕切り直しな感じです。フェンリルが言う――「しかし、のこのこ、こちらの挑発に乗ってくるとはな」ナオヤ:挑発? GM:まぁ、ここでプレイヤーに今回のシナリオの分岐点を話しましょう。 ジャニス:分岐点? GM:そう、君達は街で売られていた紅玉が、魂を封じ込めるものだというのは知っているね? ヒルデガルド:そりゃあ、ベルゼンさんを助けましたし……。 GM:そうだ。でもそのせいで、闇の宗教側は計画の一端を君達に知られる結果になった。そこで彼等は計画を一気に進めることにした。つまり、その日の夜。強行的に街人の魂を紅玉に封じる計画にね。もっとも、その計画には1つ、邪魔な存在があったんだ。 ナオヤ:僕達ですね。僕達が街にいたら確実に邪魔していただろうし(笑) GM:そう。そこで、ゲンマとフェンリルは意味深なセリフを残して、君達が街から出るように挑発したんだ。 ジャニス:もしかして、あのまま街に残っていたら、ゲンマと戦う事になっていたのですか? GM:そのパターンも確かにあったね。宝石商を口封じで殺した時、ゲンマとフェンリルが両方出てきたのは怪しく思わなかった? ナオヤ:僕は、ゲンマが口封じの為に宝石商を殺したのに、その後フェンリルがこの教会を教えてくれたから変だなぁと思いはしましたが……あ、そうか! 目的が誘導だからいいのか……。 GM:もし、敵の罠だと気がついて、街や城で情報収集を続けていたら、今後のアラムートの展開は変っていたのだけどね。今更言っても仕方が無い(笑) ヒルデガルド:じゃあ、今、アラムートの街は GM:街人の魂の入った紅玉が溢れ返っています(笑) シーン10:神を信じる道を捨てたこと、後悔しなさい!
5年前再び……フェンリルとの2度目の戦い。
GM:……ファンブル値が10だからだろうか? 他のNPCと同じく、またファンブルしたよ。しかし、勇者たちはすでに、昔とは実力が違っていた。 クリティカルとGMのファンブルによって、次々と雑魚は殺されていき。 残るはフェンリル一人となっていた……。 ヒルデガルド:(コロコロ)……クリティカルで13+27で40点のダメージです。 GM:ぐはぁっ! フェンリルが半分ぐらい死んだ。このままでは終わらない! 次のターン、最初はファンリル……ヒルダに命中! ヒルデガルド:当たりました。どうぞ。 GM:(コロコロ)……ダメージは48点だ! ヒルデガルド:(コロコロ)……50点防ぎます。 GM:マジか!? それは防がれた。前回なんて一撃で落していたのに!! ナオヤ:ここは勇者なんで、決めたいですね(コロコロ)……24で命中。 GM:クリティカルしたけど23だった……当たった。 ナオヤ:ダメージは39点。 GM:プラーナを解放して(コロコロ)……42だ。ファンリルのプラーナに押されて防がれたね。では、フェンリルは移動して、ジャニスに攻撃だ(コロコロ)……命中25! ジャニス:回避は12です。 GM:死ぬよ〜?……44点ダメージ。 ジャニス:死にます。プラーナ10点解放、それを全部防御に費やします。 GM:素の防御力が10点に、闘気を3プラスしているから、13、それにプラーナを10点足すと23、それに2D足す。 ジャニス:(コロコロ)……9、ということは32。 GM:で、こっちの攻撃が44だから、通ったダメージは12点。 ジャニス:それなら死にません――「神を捨て、悪の道へと落ちていった仲間に、引導を渡すまでは死にません。ドリー、神を信じる道を捨てたこと、後悔しなさい!」 GM:フェンリルは――「なにっ!?」 ジャニス:光の落雷をフェンリルに(コロコロ)……ファンブル!? また発動しない! 今日は1回も魔法が発動してないです〜!! GM:フェンリルがいうよ――「神に見放されたな」(一同爆笑) ナオヤ:「そんな余裕を言っていられるのか」(コロコロ)……命中22。 GM:回避……20、できなかった。 ナオヤ:(コロコロ)……クリティカル(コロコロ)……45点です! GM:こっちは33だから、12点通った……あ、ちょうど0か……。 ナオヤ:おお!! GM:苦しみながらフェンリルが言うよ――「ふっ、これだけ時間が稼げれば十分だ……もう、遅い……」 ナオヤ:「なんだと!?」 GM:「外を、見てみるんだな……」 ナオヤ:教会のドアを開きます。 GM:ドアの向こうには城壁に囲まれたアラムートが見える。その街がどんどん黒い闇に包まれていくのが解る。そのあと、アラムートから紅い光の柱が立ち昇る。 シーン11:ありがとう謎の人
城塞都市と言われたアラムートは、黒い闇に半球状に包まれていた。
GM:教会の外で、その黒い闇に包まれた街を見ていると――ナオヤ達が教会の外へ出た時、それは起こった! 黒き半球の最上部から、黒い霧を突き破るように、紅い光の柱が立ち昇ったのは!! それはまるで、アラムートの街から、全てを吸い取るように、何かを吸収するかのように、 上へ上へと吹き上げていた ナオヤ:「行こう、間に合うかもしれない」(会話を打ち切って) GM:その瞬間! 突如声をかけられるよ――『待ちなさい!!』 ヒルデガルド:「はい」(即) GM:妙に素直な(笑) ナオヤ:なんでしょう? GM:見れば、仮想パーティなどに着ける目隠しだけの仮面をつけた、2人の男女がいるちなみヒルダから見て、究極に地味な格好をしている。 ヒルデガルド:「な、なんて、なんて地味な格好なんでしょう!!」 ナオヤ:って事は……。 GM:もちろん、めちゃくちゃ派手です(笑) ナオヤ:やっぱり〜! ジャニス:敵でしょうか? GM:それで女の方が言うよ――「今更アラムートへ戻っても無理です。すでに結界は張られました」 ヒルデガルド:なんなんですか? 結界? GM:「あれは、闇の宗教ゲンマの作りし結界、あなた達もアラムートにいればあの結界に巻き込まれ、魂を刈り取られていたでしょう」 GM:「闇の宗教の陰謀を止められるのは、もう君達しか残っていないのだから……」 ナオヤ:「あなた達は一体?」 ジャニス:でも誰だが知っている気も……(笑) ナオヤ:いや、まぁ…でもさ(笑) ヒルデガルド:私は全く気がつきませんよ――ああ、なんて地味な格好でしょう! 心より尊敬致します!(笑) GM:で、男の方が言う――「勇者ナオヤよ。君は湖の女神に会いに行かねばならない」 ナオヤ:「湖の女神?」 GM:「あなたなら、その場所がわかるはずです」 ナオヤ:「それはビレタ村の――」 GM:と言いかけたところで――『ハーハッハッハッ!』との声と共にガラガラガラッと教会が崩れて、一匹の巨大な白い狼が現れる ジャニス:「この声は!?」 GM:「この俺を本気にさせるとはな……」 ヒルデガルド:「フェンリル!?」 ジャニス:「ドリー……その姿は……」 GM:「湖の女神になど会わせん」 ナオヤ:「くっ、みんなボロボロだって言うのに」 ヒルデガルド:実際、狼に変身するとは思いませんでしたね。 GM:そうだな、男の派手な方は、服装が赤で統一されていまして、女の人は青で統一されています。 ヒルデガルド:ほうほう。 GM:で、赤の男が言う――「アイス…ここは」 ナオヤ:安直だ〜!(笑) GM:「わかってるわ、ファイヤー」 ジャニス:やっぱり〜(笑) GM:2人は君達とファンリルの間に立つと、声を揃えてこう言うよ――「行きなさい勇者達よ」「ここは私達に任せて、さぁ!」 ナオヤ:「なんかわからんけど、ありがとう謎の人(笑)」 GM:まぁそこでフェンリルが口から冷気のブレスを吐き出すわけですが――『ファイヤー』とばかりに、赤い人がファイヤーダンスに使う火の点いた棒を回転させて、それを防ぐ(笑) ヒルデガルド:「死なないで下さいね」 ジャニス:「お願いします」 ナオヤ:「ところでヒルダの両し……いや、有り難う御座います」(笑) GM:そして、3人は逃げていった。女神の待つ湖へと……全ての発端の地へと……――
今は昔、十六神王の時代の書物の中に、魔王グルングと三女神の名を見つけることが出来る。
それは世界を破滅させる程の力を持った魔王を、天界より使われし3人の女神が見事に封印するという話だった。 それは、ただの伝承ではない。 それは、過去の危機ではない。 「今は、いつ封印が解けてもおかしくない状態です……」 それは5年前より始まっていた。 次回! 危機は"今"始まる。 紅玉の魔獣プロローグ 〜紅漆の決闘場〜
第3話「友と別れと宿命と」 FIN |