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セブン=フォートレス アドヴァンスト
Prologue an Evil Beast of RUBY

紅漆の決闘場

第4話「女神レイドと魔王グルング」



闇の宗教の幹部になっていた幼馴染のテル!
剣を打ち合い本心を確かめるナオヤ!
しかし、テルの心はすでに決意という闇に満たされていた。
一方、ジャニスの旧友でもあり、今は闇の宗教銀髪の剣士となったフェンリルが、
ナオヤ達に追い討ちをかけるよう魔物の力を解放する!!

絶対絶命のピンチに現れたのは、派手なかっこうをした2人組みだった!?
湖の女神に会いに行け!!
そう言ってナオヤ達を逃す2人組!
己の力不足を噛み締めながら、勇者ナオヤとその仲間達は湖へと向かって行ったのだった。

シーン1:私は心配です

『湖の女神に会いに行け』
――謎の戦士"ファイヤー"と"アイス"に教えられる通り、勇者ナオヤは湖へと向かっていた。
しかし、ナオヤは湖の場所が解っているのだろうか……――
GM:で、結局『湖』の場所は解ったのかね?
ナオヤ:もちろんですよ!! はっはっはっ! 最初に僕達の暮していた『ビレタ村』の近くにあった湖ですよね(リプレイ第1話参照)。
GM:うむ、ではその湖の名前は?
ナオヤ:え〜と……適当な名前だったはず……。
ヒルデガルド:『エンジェル湖』だったはずです。確かプレイヤー発言的に『レイク』だか『レイコ』だか話していた覚えが……。
ジャニス:私のいなかった頃ですね。テルさんなら覚えているかもしれませんね(笑)
ナオヤ:まぁ場所も解ったことですし、さっさと参りましょう。
GM:そうだな、エンジェル湖に着くまでに、ちょっと3人とも幸運ジャッジをしてくれ、目標値は15ね。
ナオヤ:(コロコロ)……12。
ヒルデガルド:……14です。
ジャニス:では私だけですね。18で成功致しました。
GM:とある宿場町の宿で、ジャニスは聞くことになる。旅人たちが話す噂話――「知ってるか? あのアラムートの新国王になったっていう"バンデッド"だけど、どうやら闇の宗教だったらしいぜ!」――との噂話を……。
ジャニス:そんな話が……。
GM:ちなみに幸運ジャッジで失敗していても、聞ける情報もある。それは「アラムートが闇の結界に閉ざされて、入ることが出来なくなった」って話だ。
ジャニス:「街の人々は大丈夫なのでしょうか、ナオヤさん、私は心配です」
ナオヤ:「そうだね。けど、今の僕たちにはどうすることも出来ない。エンジェル湖へ急ごう」
ヒルデガルド:「私達を助けてくれた、あのお2人は大丈夫でしょうか……私は心配ですナオヤさん!」
ナオヤ:「それは大丈夫」(即答)
ヒルデガルド:「即答ですか……」

シーン2:待っていました勇者よ

5年ぶりに訪れたその湖は、過去と変らぬその姿で勇者たちを迎えた。その名は『エンジェル湖』。
ナオヤ:しかし、湖に来て何をしろと……?
GM:さぁ【神力】ジャッジだ!! 【神力】2のナオヤと、同じく4のヒルダはがんばってね!
ナオヤ:無理だ〜(笑)(コロコロ)……9です(笑)
ヒルデガルド:成功するわけないし……14
ジャニス:皆さん任せて下さい(コロコロ)……22です!
GM:うむ、では勇者には聞こえず、ジャニスは聞こえる。
ナオヤ:勇者なのに……(一同爆笑)
GM:ジャニスが聞こえるのは、神の声、ナオヤに感じるのと同じ神の波動だ。
ジャニス:「私には解ります。ナオヤさんから感じる力と同じ力を、神聖な波動を……この湖は普通じゃありません」
ヒルデガルド:「私には普通に見えますけど」
ジャニス:「ナオヤさん! ナオヤさんなら感じますよね。この神聖な力が!」
ヒルデガルド:「ナオヤさん? 普通の湖ですよねぇ?」
ナオヤ:「………………確かに感じる。これが女神なのか」
ヒルデガルド:ぶぅーーー!! あ、あんたは!?
ナオヤ:いや、ちょっと知ったかぶりしてみた(笑)
ジャニス:それでGM、力を一番感じるのはどのあたりですか?
GM:う、うむ、それは湖のほとりにある社のような小さな建物から一番感じる。少なくとも今の所はね。
ジャニス:「ナオヤさん、あそこへ参りましょう」
ナオヤ:「え、あ、うん。……あ」
ヒルデガルド:「どうしました?」
ナオヤ:「いや、あの湖の社はテルと秘密基地に改造して遊んだ覚えが……」
GM:あ、あ、あんたなぁ!?
ヒルデガルド:裏設定という奴ですね。
GM:(そういうのは、セッション前に言って欲しいものだ……)
ナオヤ:「あ、これこれ」とか言って指差す先には。
ヒルデガルド:『ナオヤ10才、テル10才』(一同笑)
GM:いや、それはいいから、社に着いたのなら【神力】ジャッジをしてくれ目標値は20だ。
ヒルデガルド:また〜。
ジャニス:(コロコロ)……あ、17です。失敗しました。
ヒルデガルド:12です。
ナオヤ:聞かないで下さい。
GM:そうか、しかし勇者イベントなので、ナオヤは無条件で声を聞く――『待っていました勇者よ』

シーン3:女神の試練

ナオヤ:「あなたは! ……5年前の!?」
GM:『待っていました。しかし、もう時間がありません』
ナオヤ:「どういうことですか? 一体何が???」
GM:『魔王の復活は刻一刻と迫っています。あなたが力をつける、この5年の間に……』
ナオヤ:「魔王!? それは闇の宗教が絡んでいるのでは!」
GM:『どういった力が絡んでいるのかまでは私には解りません。しかし、今、西の方で魔王の力が急激に膨れ上がっているのを感じます』
ジャニス:西ですか?
ヒルデガルド:だいたい、今いるビレタ村付近から考えて、ちょうどアラムートの方角が西ですね(笑)
ナオヤ:なるほど……いや、やはり(笑)
GM:『もし、あなたが、勇者としての資質に覚醒し、魔王を倒せるだけの力を持つに値する大器へと成長しているのなら、それを私達に示して下さい』
ナオヤ:「……そんなこと言われてもなぁ」
GM:と、いきなり湖が光り出す!!
ヒルデガルド:「みんな危ない!!」
GM:あぶないのかよ!(笑)
ヒルデガルド:いえ、何が起こっているのか解らないので(笑)
ジャニス:「いいえ、大丈夫。何か神聖な力を感じます」
GM:さらに光と共に湖が割れる。もちろん君達の前に道を作るようにだ。そして割れた湖の中から、昔見た七色に輝く『竜宮の使い』を見る。
ヒルデガルド:「あ、あれは!? 何か過去に見た事があるような無いような……!?」
GM:竜宮の使いが語りかけてくる。ただし言葉が理解できるのは特殊能力『幻獣との会話』を持つナオヤだけだ。
ナオヤ:おお、だからなのか
GM:『ついてきなさい。勇者達よ』――竜宮の使いは空中で反転して、割れた湖の中心へと進んでゆく。
ナオヤ:「みんな、行くよ」
ヒルデガルド:「え、でもナオヤさん?」
ジャニス:「私には何が起こっているのか、まったく解らないのですが……」
ナオヤ:「あの竜宮の使いには、昔助けられた事があるんだ――きっと女神と関係があるんだと思う。僕は女神に勇者としての資質を示さなきゃならないらしい」――歩き出しましょう。
ジャニス:ナオヤさんが行くのでしたら、私は迷わずついて行きましょう。
ヒルデガルド:竜宮の使いに何か、不思議な既視感を感じながらもついて行きましょう。
GM:そうして湖の底へと到着すると、そこには大きな神殿がある。今、ナオヤ達がいるのは、その神殿の正面玄関、大きく厳格な扉の前だ。
ヒルデガルド:「湖の底に、こんな場所が……」
GM:竜宮の使いが語りかけてくる――『少々荒っぽいやり方ですが、時は一刻一秒を争います。あなたの力、試させてもらいます』――竜宮の使いはそれだけ言って姿を消す。と同時に重厚な音を立てて、神殿の扉がナオヤ達を誘うように開く。
ナオヤ:「行け……って事か」
GM:ではナオヤ以外の声が聞こえない2人は、ここで【知覚力】ジャッジをしてくれ。
ジャニス:(コロコロ)……16です。
ヒルデガルド:ファンブルですね〜(笑)
GM:ではジャニスは気がつく。割れていた湖が岸の方から『ドドドドドッ』と元に戻っていってる。
ヒルデガルド:それに気がつかない私(笑)
ジャニス:「ナオヤさん! 湖が元に戻っていっています! このままでは!!」
ナオヤ:「ジャニス! とりあえず中へ!」
GM:3人が神殿へと入ると、扉が自動的に閉まって、『ドドドド……』と湖の水が元に戻る音が聞こえる。
ヒルデガルド:「後戻りは……できないようですね」
ジャニス:「女神の試練」
ナオヤ:「行こう。僕達には前に進むしか道はないんだから!!」
そしてGMはフォートレスタイルを並べだす。
ナオヤ:もしかしてダンジョンですか?
GM:そのとーり、今回は女神の試練に託けた、ダンジョンシナリオです!!
ナオヤ:「みんな、本気で気をつけるんだ」
ジャニス:どういうことですか?
ナオヤ:ダンジョンだと、気を抜いた者から死んでいくんだ。GMの手加減は無いと思った方がいい。
ジャニス:はぁ……。
ヒルデガルド:とにかく、最初に入ってきた部屋はどういう感じなんですか?
GM:そうだね(フォートレスタイルをめくって)、このように上と左右、3方向に扉がある部屋で、壁面にはなにやら絵が描いてある。
ナオヤ:どんな絵ですか? 触ったりはしませんよ。見るだけです。
GM:そうだね。3人の女の人が大勢の人間の前に現れている絵、3人の女性が黒い人と争っている絵、最後に黒い人が封印されているような絵だ。
ヒルデガルド:「ジャニスさん、これが何だかわかりますか?」
GM:では3人とも【知力】ジャッジで伝承チェックだ。
ヒルデガルド:(コロコロ)……11です。
ナオヤ:……7で〜す。
ジャニス:14ですね。
GM:ジャニスは一応、この絵が『16神王時代』の古いものだとわかる。
ジャニス:「古いものではありますね」
ナオヤ:「とにかく進もう。……しかし、僕達の何を試すのだろう……? 力か?」
ジャニス:「知恵かも?」
ヒルデガルド:「…………地味さ?」
ナオヤ&ジャニス:『それは無い』(笑)

シーン4:ダイジェストでお送りいたします

女神の試練として、エンジェル湖の神殿へと挑んだ勇者ナオヤ達。
幾多の罠を、ヒルダの筋力25と、ナオヤの特殊能力『絶対魔法防御』により突破していった一行。
そして、ようやく最後の部屋へと足を踏み入れたのだった。
ジャニス:「ついに最後の部屋ですね」
ナオヤ:「そうだね。まぁ、僕は殆どHPもMPも減ってないけど……」
ヒルデガルド:「私がHPが減っているのは、最後の泉の精の所で、ファンブルを4回連続で振ったからです」
ナオヤ:「でも、罠にも引っ掛かりまくってたような……」
ヒルデガルド:「そ、それは――」
GM:まーまー、リプレイ上には、さっきまでの長〜いフォートレスアタックはカットされます。とはいえ、全編カットは寂しいので、所々ダイジェストでお伝えしましょう。
3人:『マジですかー!?』

――ダイジェストをお送りいたします――

………………………………………………………………………………………………
ナオヤ:「扉だー! しかも鍵がかかってるぞ!!」
ジャニス:(コロコロ)……「鍵開け失敗しました!」
ナオヤ:「ヒルダ! Go!!」
ヒルデガルド:(コロコロ)……【筋力】ジャッジ成功! こじ開けた!!
………………………………………………………………………………………………
GM:大きな部屋に出ました。
ジャニス:「壁際は怪しいので、真ん中を歩いて行きましょう」
ヒルデガルド:「私いっちば〜ん!!」
ナオヤ:あ、罠感知してない!?
GM:と、ヒルダの足元で『カチッ』と音がする。
ナオヤ:だー!!
GM:地雷発動、全員38点ダメージ(物)、防御ジャッジでダメージを減らしていいよ。
ナオヤ&ヒルデガルド:『痛くないも〜ん』(←ノーダメージ)
GM:クッ! 勇者と筋肉バカが!
ナオヤ:「さぁ! 罠なんか怖くない! 先を急ぐぞ!!」
ヒルデガルド:「おー!!!」
ジャニス:「待って……ナオヤさん……私だけダメージが……」(←重症一歩手前)
………………………………………………………………………………………………
ナオヤ:「僕はこの直線は嫌いだ!」
ジャニス:「何故です?」
ナオヤ:「僕がGMなら、直線にはデスローラーを仕掛ける!(断言) と、言うわけで、右の直線の道は後回し! 左の扉を開けて、そっちに行くぞ!」
GM:右の扉を開けて進むと、水浸しの部屋に入る。
ヒルデガルド:「ああ、服が重くなる〜」
GM:水浸しの部屋には、幾つか扉があったけど、どれも『何か』を開錠のキーにしているらしく、今は開かないね(ちなみにキーは"ある"罠の発動である(笑))
ナオヤ:『今は』なんですね。
………………………………………………………………………………………………
ジャニス:結局、右の道に来てしまいましたね。
ナオヤ:いいか! 開けるぞ! デスローラーに注意しろ!! ガチャ!
GM:では、扉を開けるとお約束(笑) 君達に向かってデスローラーが転がってくる(笑)
ヒルデガルド:ギャー(笑)
GM:しかも、入ってきた扉にシャッターが下りて道が一本道に!
ナオヤ:だから嫌いだって言ったんだ〜!!
ヒルデガルド:わ、私の筋力でぶち壊します!
GM:あ、言い忘れたけど、このデスローラー。なにやら『パチパチ』と放電しております、触ったら感電しそうですね(笑)
ヒルデガルド:急いで逃げましょう!!
ジャニス:ちょっと待って下さい!? 道が一本道って、このままだと水浸しの部屋ですよ!?
ヒルデガルド:………………
ナオヤ:………………
ジャニス:………………
ナオヤ:『い・そ・げ・――――!!!!』
………………………………………………………………………………………………
――本編へ戻ります――

GM:さて、リプレイ上では、ダイジェストが入った事でしょう(笑)
ナオヤ:でも、今プレイしている僕達には、未来のことだから解らないよね(笑)
ジャニス:まぁ、リプレイがUPされるのを待ちましょう。
ヒルデガルド:私が水浸しの部屋でデスローラーに轢かれて、さらに感電して死にそうになった部分は入ってることでしょう。
ナオヤ&ジャニス:『いや〜』(←ヒルダを放っておいて、一目散に逃げた二人)

シーン5:湖の女神

最後の部屋へとついに到達した勇者達、そこで待ち受けたるは2匹の竜宮の使いだった……。
GM:さて、最後の部屋に入ると、2匹の竜宮の使いが浮かんでいる。
ヒルデガルド:1匹はさっき湖畔の社で出会った魚ですよね?
GM:そう、もう1匹は色が違っている。そして2匹の竜宮の使いが光を放ちながら、人間ヴァージョン――女神へと姿を変える。
ナオヤ:「湖の女神」
GM:女神達は共通語で語りかけてくる――『よくぞ、辿り付きました勇者よ。荒っぽいやり方であなたの力を試させてもらいましたが、どうやら、魔王を倒すことが出来るでだけの資質は持ち合わせているようですね』
ナオヤ:まぁ正直、痛くも痒くもなかったからなぁ。
GM:『この5年間、あなたはよほどの経験を積んだのでしょうね』
ナオヤ:「それで女神様、これが一体何になるのですか?」
GM:『それについて語るには、まず、魔王グルングについて語らねばなりません』
ジャニス:「魔王――」
ヒルデガルド:「――グルング?」
GM:『昔、まだ16神王が世界を導いていた時代、今より1000年も昔、魔王グルングという冥界の者を召還し……争いが起こりました。その頃、この辺り一帯を守護していた私達――『湖の三女神』――は、冥界の侵蝕を止めるべく、この地の人々と協力し、魔王グルングを封印したのです』
ヒルデガルド:三女神……ということは、もう1人いるのかしら?
ナオヤ:「しかし、貴女たちは2人しか……」
GM:『そう、3人目の女神、女神レイドは魔王の封印を完全なものとするため、その後、神の輪廻を外れ、人に交じり、人と共に魔王を見守ることにしたのです。魔王封印の地に村を起し、代々その封印が解かれる事が無きよう』
ナオヤ:「もしかして、その村って……ビレタ村では……」
GM:『そんな名前だったやもしれません。しかし、冥界に魅入られし愚かな人間たちによって、レイドの血は断たれました。今や、私達が感じられるレイドの後継者は2人しかおりません』
ジャニス:お2人……ですか?
GM:『魔王グルングの封印は5年前に解かれました。今はまだ魔王は復活するに至っていません。しかし、このままではいつ完全復活してもおかしくありません』
ヒルデガルド:5年前に生き残ったのはナオヤさんとテルさんの2人のはず……。
ナオヤ:「俺が……女神の末裔……」

シーン6:レイドの血を引きし末裔の中に……

第1回目のセッション終了後、私はいろいろ考えキャンペーンの流れを決定した。まず、『村の襲われる理由』こそ、魔王封印の要である――女神レイドの末裔達。つまりは魔王の封印を弱めるために、その村を全滅させた……それがテルやナオヤのいたビレタ村だった――という事にしたのだ。
ナオヤ:「なら今、3人目の女神は、女神レイドはどこにいるんです!?」
GM:『レイドは人間達と融合しました。その人々が子孫を残すたびに、人々の中にその力を転生させていったのです。神の輪廻を外れたとはそういった意味なのです』
ナオヤ:「じゃあ、女神レイドは……」
GM:『現実にはいません。ただ、言うなれば、レイドの血を引きし末裔の中に……』
ナオヤ:「ならば、魔王を封印できるのは、レイドの血を引きし者達だけという事ですか?」
GM:女神はゆっくり頷こう。
ナオヤ:「もしかして、魔王を封印するにはレイドの血を引いた2人が揃わないと駄目とか?」
GM:『それは解りません。実際、魔王グルングがどれだけ覚醒しているかにもよります。最悪……2人揃っていたとしても……』
ジャニス:「女神様達は力を貸しては下さらないのでしょうか?」
GM:『私達は魔王を封印してからの数百年間の間、力を使い監視してきました。封印に近づく冥界の者を追い払ったり、レイドの末裔達を守るために使ったり……』
ヒルデガルド:5年前のように(笑)
GM:『今の私達には、この湖を離れるほどの力さえ残されてはおりません』
ヒルデガルド:この神殿の中だと女神の姿に――湖の近辺なら魚の姿で――さらに離れると……消えるのかな?
ナオヤ:「では、我々は……どうすれば……?」
GM:『私達があなた達の武器に力を込めます。それで魔王に対抗できるはずです』『さぁ、ここに武器を……』
ナオヤ:フランベルジュを掲げます。
ヒルデガルド:じゃあレイピアを……。
ジャニス:私はライトフレイルなんですが……まぁ掲げます(笑)
GM:ガサゴソ(アイテムランダム作成ルールを取り出す)……さて、では新たに作りましょうか! ダイスによっては、飛んだり、十得になったりするから気をつけろ!(笑)
数度のダイスロールにより、それぞれの武器がA・S級ランクへとランクアップし、さらに、女神の加護か、プレイ中にも関わらず、各自キャラクターを1LVアップさせた……そして――
ヒルデガルド:ふっふっふ、持っているのはレイピアですが、まさに鬼に金棒です!(笑)
GM:さて、1LV分だけレベルアップしたところで、本編へと戻りますよ。女神が手をかざしながら3人に力を注いでる途中で、『ズズゥ〜ン ゴゴゴッ』と音が聞こえて、パラパラ…と神殿が揺れる。
ナオヤ:「な、なんだ!?」
GM:女神は光を注ぐのをやめて、意識を外へと向けて――「どうやら、魔王を復活させようとしている人間達に感ずかれたようです」
ナオヤ:「あいつ等が!」
ヒルデガルド:「まさか……テルさん!?」
ジャニス:「ナオヤさん! 止めに行きましょう」
ナオヤ:「もちろんだ!」
GM:『解りました。湖畔まで送りましょう。さぁ手を取って……』
ヒルデガルド:パワーアップした力を、さっそく試して見たいですね♪
GM:そう言って女神の1人が手を差し出すんだけど、残ってるもう一人の方が――『勇者ナオヤよ、あなたにはまだ話があります』
ナオヤ:「えっぇ、でも闇の宗教の奴等が来てるってのに……」
ヒルデガルド:「なら、私1人で足止めしています」
ジャニス:「なにを言っているのですかヒルダさん。それなら私も一緒に……」
ヒルデガルド:「いえ、今の私は魔法以外なら全て弾く自信があります。でもジャニスさんまで庇う余裕は無いんです」
ジャニス:「だったら、なおさら私の回復魔法が合ったほうがいいのでは……」
ヒルデガルド:「大丈夫ですよ♪ いざとなれば、この私の地味さを利用して、敵から隠れてやり過ごして見せます!!」
ジャニス:「………………」
ナオヤ:「ジャニス……すまない。行ってくれ」
ジャニス:「そう……ですね」
GM:『では、行きますよ』――ジャニスとヒルダが光に包まれたと思うと、ナオヤの目の前から2人が消える。
ナオヤ:「僕が行くまで、何とか持ちこたえてくれ……」

シーン7:させません!!

エンジェル湖の岸辺には、2人の姿があった……1人は紫色のローブを着て、頭上に掲げた紫色の巨球で湖を攻撃している。そうゲンマである。もう1人は黒い鎧を着込んだ騎士、三本の黒い槍を魔法で出現させ、それを湖へと打ち込んでいた。
ヒルデガルド:その2人だけですか? という事はテルさんは来てないようですね。
ジャニス:ドリーもいないようです。
ヒルデガルド:しかし、黒いのはなんなんでしょうね?
GM:では【知力】ジャッジをどうぞ。目標値は15です。
ヒルデガルド:(コロコロ)……11です。
ジャニス:(コロコロ)……15。
ナオヤ:僕には映像が見えないんですか!?
GM:ぬぅ、じゃあ、映像だけはナオヤも見えることにしてあげよう。【知力】ジャッジもしていいよ。
ナオヤ:(コロコロ)……クリティカル(コロコロ)……17です。
GM:ではジャニスとナオヤは知ってる。傭兵として渡り歩いていた時に聞いた話だ。闇の宗教には実働部隊の指揮官のような幹部がいて、それはいつも黒い鎧を着ており、『闇騎士』と呼ばれているらしい。ちなみに闇騎士は全員で十数人いるらしい。
ジャニス:「あれは闇騎士……闇の宗教の幹部がこんな所まで出てくるなんて!?」
ヒルデガルド:では地味に叫びましょう――「これ以上、湖を攻撃するのはお止めなさい!!!」
GM:ではその叫びに2人とも気がつく! ってか地味にって事はバレバレじゃん(笑)
ヒルデガルド:レイピアを2人に突きつけましょう。
GM:紫の方、ゲンマが話し出す――「おやおや君は」
ヒルデガルド:「ヒルデガルド・メディチ・マチコ・ハプスブルク」
GM:「覚えているとも……ここに案内してくれたのは君だろう?」
ジャニス:「どういうこと?」
GM:「まさか、通った道にパン屑を蒔いていってくれるとはねぇ?」
ヒルデガルド:「そんな!? 地味にしたつもりだったのに!!」
GM:(いや、ほんとにやってたのか? ゲンマ達がこの場所を突き止めたのはバンデットの指示なんだが……)
ジャニス:「ああ、仕方ないことですね」
GM:「しかし、勇者はすでに湖の中のようだな」
ヒルデガルド:顔に出ます。隠し事は出来ない人なんで(笑)
GM:「そうか…ならば力ずくで行かせてもらおうか」
ヒルデガルド:「させません!!」
ジャニス:「ナオヤさんの為、ここは通しません!!」
ゲンマと闇騎士vsヒルダとジャニスのコンビの戦いが始まった。
さすがにLVアップ&武器の強化をしただけあって、イニシアチブを取ったのはヒルダの方だった!
GM:「は、速い!?」
ヒルデガルド:「今までの私だと思わないでちょうだい!」(コロコロ)……命中28です!
GM:(コロコロ)……なに〜! こっちはいつもの調子で避けようと思ってたから21で回避失敗。
ヒルデガルド:「本気を出さないと瞬殺しちゃうわよ」(コロコロ)……ダメージは42点です。
GM:「な、なんだと!? 貴様いつの間に……そうか、女神の力か! いいだろう、こちらもそれ相応の力で相手をしてやろう!」
ヒルデガルド:「ふっ」
GM:「激光瞬烈<イル・レイン>」――ゲンマの手からレーザーが放たれる!(コロコロ)……命中は21。
ヒルデガルド:(コロコロ)……こっちは18です。回避できません!
GM:(書いてある魔法の攻撃力を見て……)あ、この魔法は強烈過ぎたかも、一撃で死ぬかも(コロコロ)……ダメージが54点。
ジャニス:54ですか!?
ヒルデガルド:なんの!(コロコロ)……大丈夫53点防いだから通ったのは、たったの1点!
GM:うわぁ〜本当かよ!? 実は今、必殺技で作っておいた攻撃力50の魔法だったのに(笑)
ヒルデガルド:それって、すごいピンチだったんじゃないですか!(笑)
ナオヤ:初っ端から止めの一撃(爆笑)
ジャニス:しかも耐え切りますしね(一同爆笑)
ヒルデガルド:「ハプスブルク家を舐めない方がいいわよ!」(笑)
GM:さて、次は闇騎士の攻撃なんだが、彼は攻撃のそぶりを見せた瞬間、影跳躍<ダーム>の魔法を使って、その場から後退する。
ジャニス:「えっ?」
GM:それと同時に、今まで闇騎士がいた場所に、何本もの氷柱が突き刺さる!
そして、派手な2人が現れた……。
ヒルデガルド:「どこ、地味すぎて私には見えないわ!?」(一同爆笑)
GM:もちろん、派手な助っ人、ファイヤーとアイスだ。アイスがジャニスに――「勇者は? ナオヤはどうしたのです?」
ジャニス:「ナオヤさんはまだ湖の神殿の中です」
GM:「そうですか、まだ湖から戻ってきてないのですね」
ヒルデガルド:「ああ、声がするほうを見たら見つけた!? なんて地味な格好なのでしょう!!」
GM:「とにかく、彼が帰ってくるまで、なんとしても持ちこたえますよ!」
ヒルデガルド&ジャニス:『はい!』

シーン8:行きなさい勇者よ!!

一方その頃、エンジェル湖の湖底、女神の神殿では、地上の映像をナオヤは見て居た……。
ナオヤ:映像を見てるんで――「話があるなら、早くして下さい」
ヒルデガルド:今まで何も話してなかったんですか、あんたは!!(一同大爆笑)
ジャニス:私達の足止めは!? 何のためにがんばっていると思っているのですか!(一同爆笑)
ナオヤ:というわけなんで、GMさん早く話とやらを……(笑)
GM:『そう、話とは、魔王の事、そしてあなたの血に流れている力の事』
ナオヤ:「はい」
GM:『確かに、魔王を倒すためには、あなたの力が必要です。しかし、今の貴方では…いえ、今の貴方たちでは、といった方がいいですね。今の貴方達では完全に覚醒した魔王と戦っては勝つ見込みはありません』
ナオヤ:「そんなに……そんなに魔王は強いのですか……」
GM:『強いです。ですから、貴方たちは、魔王を復活させようとしている者たちを倒し、魔王が完全に復活する前に倒すのがいいでしょう』
ナオヤ:「ゲンマ達、闇の宗教の思い通りにはさせませんよ!」
GM:『それに、いざと言う時は、レイドの血を引きし、もう1人の末裔の協力が必要になるでしょう。その為にも、2人目を探さねばなりません』
ナオヤ:「それは、女神様の力で見つけれないのですか?」
GM:『残念ながら、2人目はあなたと違い、女神の力に覚醒していません。血の存在は感じられますが、その所在までは掴めないのです』
ナオヤ:「解りました。心当たりが1人だけ居ます」
GM:『それは本当ですか?』
ナオヤ:「僕と一緒に村で育った幼馴染が、まだ生きています。たぶん彼でしょう」
GM:『そうですか……地上もそろそろ限界のようですね。行きなさい勇者よ! 世界の命運はあなたに懸かっています!』――ナオヤも光に地上へ瞬間移動する。
ナオヤ:光に包まれながら思いましょう――「テル……結局僕たちは……」

シーン9:呼んだかい?

地上ではアイス、ファイヤーと合流し善戦するヒルダとジャニス……の、はずだったのだが……。
ヒルデガルド:やはり、ここは苦戦しないといけません!
ジャニス:はぁ?
ヒルデガルド:遅れて来た勇者の登場では、仲間はピンチにならないといけません! と言う訳で、このターン私は行動しません。どうぞ、遠慮なく攻撃して下さい。
ジャニス:「ちょ、ちょっと何を!?」
GM:ぬぅ、その気持ちはわからなくないが――「それは余裕のつもりか? いいだろう! まとめで地獄に送ってくれる! ……――時空震雷<ヴァルヴァード>!!!」――全体魔法だ!!(コロコロ)……命中が25!!!
ヒルデガルド:丁度よく当たりました。
ジャニス:避けられません。
GM:ダメージは(コロコロ)……お、クリティカル……クリティカル……あ、12……合計70点の魔法ダメージ!!!
ジャニス:それは普通に(コロコロ)……ああ、重症一歩手前です。
ヒルデガルド:まさか、こんなタイミングよくクリティカルとは……。
GM:うむ、GMも驚いたよ。ゲンマの一念岩をも通すって奴だね(笑)
ヒルデガルド:湖の波打ち際まで吹き飛ばされて――「くっ…こんな、こんな所で倒れるわけには……」
ジャニス:「…………ナオヤ……さん」
GM:「まとめて止めを刺してやろう……時空震雷<ヴァルヴァード>」
ジャニス&ヒルデガルド:『……!!』
ナオヤ:「呼んだかい?」――そこで登場します! 剣を抜き放って飛んできる魔法の光球を弾き飛ばします!!
ヒルデガルド:「ナオヤさん!?」
ジャニス:「ナオヤさん!!!」
GM:「自ら女神の元から戻ってくるとは……死にに来たか!」
ナオヤ:「魔王の復活なんて、この僕がさせない!!!」
GM:と、ここで闇騎士が口を開きます――「ゲンマよ! 分が悪い…今回は引くぞ」――ダムダムダムと影跳躍<ダーム>を使って消えます。
ナオヤ:「待てっ!!!」
GM:ゲンマは紫色の光球を頭上に掲げたまま、空中に浮かび上がると、君達の中心に向かって投げつけます。さっきまで使っていた時空震雷<ヴァルヴァード>です。そうして土煙が消えた後、ゲンマの姿も消えている。
ナオヤ:「魔王の…魔王の復活を止めなければ……その為にも、アラムートに言ってテルを説得しなければ……」
ヒルデガルド:「でもナオヤさん、アラムートは今、闇に包まれていますよ。行けるのですか?」
ナオヤ:「そうか…そうだった……」
GM:派手な2人(アイスとファイヤー)も言うよ――「それでも、アラムートへ向かった方がいいでしょうね。どのみち、アラムートの儀式は阻止せねばならないのだから」「ではまた会おう!」――そう言って、ヒルダにはスッ消えたかのように、そして2人には派手に走り去っていくのがわかる(笑)
ナオヤ:「魔王を倒す事は出来なくても、復活を阻止することなら僕でも出来る……アラムートへ向かうぞ!!」
ジャニス:「はい! ナオヤさん!!」
ヒルデガルド:「行きましょう!」
運命は勇者を導き、再び城塞都市へと誘った。
そこに待ち受けるは因縁の対決。
過去は事実となり、因果の鎖は現実となる。
勝利が栄光への階段なら、敗北は世界の絶望へと続く。
「王よ! あなたこそ……!!」 次回! 世界の命運は彼等の手に!

紅玉の魔獣プロローグ 〜紅漆の決闘場〜
第4話「女神レイドと魔王グルング」
FIN

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