TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 紅漆の決闘場                   戻る

セブン=フォートレス アドヴァンスト
Prologue an Evil Beast of RUBY

紅漆の決闘場

第5話「勇者立つ」



3人の女神、魔王グルング、女神レイドの末裔……
さまざまな伏線が張り巡らされる中、ナオヤ達3人は再びアラムートへと向かう。
勇者として、女神の末裔として、そして親友として――

シーン1:このザラッとした感触は……

女神の試練を無事突破し新たな力を授かったナオヤ達、泉を攻めてきた闇の宗教のゲンマと闇騎士を追い返すと、一路アラムートへと向かっていた。
GM:今、君達は城塞都市アラムートに向かって、ダンガリの森(エンジェル湖やビレタ村のある森)を進んでいます。と、前方にかなり木漏れ日が多い――というより、かなり開けた部分が見える。深い森の中にポッカリと木々が生えるのを忘れたかのように……。
ジャニス:「ナオヤさん、なにか開けた場所のようです。少し休憩していきませんか?」
ナオヤ:「そうだね……そうしようか」
ヒルデガルド:「でも、森の中でどうして、こんな開けた場所が……」
GM:では全員【幸運】ジャッジをしてくれ、一番低かった人が不幸に襲われる(笑)
ヒルデガルド:不幸? (コロコロ)……14です。
ジャニス:それは(コロコロ)……大丈夫、19でした。ヒルダさんよりは高いです(笑)
ナオヤ:なんか嫌な予感が(コロコロ)……15! よっし!ヒルダに勝った!!
ヒルデガルド:ギャー! 私にどんな不幸が!?
GM:コケタ。
ヒルデガルド:えっ?
GM:だから転んだ。何か白い棒状の者に足を取られてスッ転んだ。
ヒルデガルド:じゃあ――ベチャッ! って転びましょう。イラつくので、その"白い棒"を蹴ッポリます!――「どっかいけ!」――ポーンと(笑)
ナオヤ:あっ!?(←何かに気がついたらしい)
GM:ニヤニヤ。
ナオヤ:GM、もしかして今ヒルダが蹴った白い棒って……。
ジャニス:ああ!――「ヒルダさん! 今なんて事を!」(笑)
ヒルデガルド:「はい?」
GM:お察しの通り、白い棒状のものは、"ただの白骨死体"の一部だったようだ(笑)
ジャニス:「死者への冒涜ですよヒルダさん」
ヒルデガルド:そんな事言われたって、気がつかなかったんだし……しかも転んだのも【幸運】ジャッジじゃない!
ナオヤ:だから運が無かったんでしょう(笑)
ヒルデガルド:「まぁどこの誰だか知りませんが、恨むならちゃんと埋葬してくれなかった、旅の仲間か自分の子供たちでも恨んで下さい」
ジャニス:白骨死体というのは、ヒルダの蹴った1体だけですか?
GM:ふむ、それが良く見るとこの開けた場所は、昔、村か集落があったらしく、家の残骸やなんかもあったりする。つまり廃墟(廃村?)って感じだ。死体もアチコチにある。
ナオヤ:「いったい、ここで昔何があったんだ?」
ジャニス:「ナオヤさん、ちょっと調べて見ましょうよ」
ナオヤ:「そうだね……僕達は東から西のアラムートへ向かってる途中だから……僕は西の方を調べる、ジャニスは南を、ヒルダは北の方を頼む」
ジャニス:「解りました」
ヒルデガルド:「わかっ――
GM:と、実はここでヒルダは【知力】チェックをどうぞ、ファンブルしなければいいよ。
ヒルデガルド:???(コロコロ)……9です。ファンブルもしてませんが……?
GM:では、ヒルダは唐突に頭が割れるように痛くなる。そして次々とフラッシュバックしてくる過去の記憶!!
ヒルデガルド:――うわぁああああ!!」――と叫びながらうずくまりましょう(笑)
ジャニス:「ヒルダさん!?」
ナオヤ:「どうした? 大丈夫か!?」
ヒルデガルド:「この……、このザラッとした感触は……」(笑)
GM:という事で、ヒルダはなんか記憶喪失という設定があったので、それが今解放されます。ココからは説明口調で行きます。
ヒルデガルド:はい。私の過去にはいったい何が?
ナオヤ:この廃墟はヒルダのせいなんじゃない(笑)
ジャニス:それはありえますね(笑)
ヒルデガルド:そこ黙る!(笑) さぁGMどうぞ!
GM:え〜、まずここは(この廃墟は)ヒルダが派手な父母に連れられて逃げる前に住んでいた集落です。ヒルダはダンガリの森を放浪する民の中で生まれました。そして、この場所がその民が放浪の途中に作っていた集落であり、最後の集落となるものです。
ヒルデガルド:「……私は昔、この森を放浪する一族の……族長の娘でした」
GM:族長の娘!?
ヒルデガルド:いや、ナオヤさんも村長の息子だし、対抗しようかと(笑)
ジャニス:それじゃあ、肩書きが無いのは私だけ?
GM:ま、まぁじゃあ、ヒルダは族長のたった一人の娘だったことにしよう(笑)、だが、その一族も、突然襲ってきた銀色の巨狼と魔導士によって滅ぼされてします。その時、集落に"たまたま"訪れていた旅の"派手な"傭兵夫婦に――族長:この娘を……この娘を……頼みますハプスブルク殿……――と君、ヒルダは託され唯一生き残ったと、その後、君の育ての親となった傭兵夫婦はいろいろな町を転々とし、襲撃者から逃げてきた。って話です。ヒルダの記憶がなくなったのも、自分の故郷の無残さに子供心が耐えられなかった自己防衛本能から来ている
ナオヤ:そして派手な感性まで刷り込まれた……と(笑)
ヒルデガルド:まさか後天的な素質だったとは、驚きです(笑)
GM:(いや、どっちかっていうと、銀の巨狼と魔導士に注意を……)
ジャニス:それより、銀狼と魔導士ってもしかして……。
GM:ではジャニスは知力と知覚を足して2で割った数で、ジャッジをしてくれ。
ジャニス:(知力+知覚)÷2 ですね(コロコロ)……21です。
GM:では付近の老木に刻まれた、大きな爪痕を発見する。
ジャニス:「この爪痕は……」
ナオヤ:フェンリルの爪痕?
ヒルデガルド:でも集落が襲われたのは、私が小さかった頃の話ですよ? フェンリル――ドリーはジャニスと同い年じゃありませんでした?
ジャニス:そうですね。年代が合いませんね……?
ナオヤ:ほら、確かドリーが『魔物と融合して――』とか言ってたじゃないか、きっと、ドリーと融合前のフェンリルが襲ってきたんじゃないかな?
ヒルデガルド:なるほど先代フェンリル(笑)って感じね。
ジャニス:それでも私は呟いてしまいます――「ドリー……」(笑)

シーン2:ビシィルの民

ヒルダの記憶が蘇り、廃墟の村はビレタ村の再来であった……そして――
GM:と、そこの2人のNPCが現れます。
ナオヤ:「誰だ!?」
GM:「ヒルダ!? あなた、もしかしてヒルダじゃないの?」「本当にヒルダなのか! ヒルデガルド・メディチ・マチコ・ハプスブルクか?」
ジャニス:本当に誰なんですか?
GM:ヒルダの両親です。ちなみに眼の部分の仮面はありませんが、まぁヒルダの両親らしい格好をしています。
ナオヤ:「顔を隠すか隠さないかの違い……?」
ジャニス:「………………」
ヒルデガルド:「パパ!? ママ!!」――走って行って抱きつきます!
GM:「元気にしていたかヒルダ」
ヒルデガルド:「はい、パパもママも元気そうでなによりです!」
GM:「そういえば、そちらはヒルダのお友達かしら? はじめましてヒルダの母です」「父です」
ナオヤ&ジャニス:『…………はじめて……』
ジャニス:(ナオヤさん……あのお2人は……もしかして)
ナオヤ:(もしかしないでも、そうだろう。でもヒルダは気がついてないみたいだし、ここは何度も助けてもらったお礼を言うのはやめておこう)
ジャニス:(そう……ですね)
GM:と、父がヒルダに言います――「ヒルダ、お前がここに来るということは、あの時の記憶が戻ってしまったんだな」
ヒルデガルド:「……はい」
GM:母が言います――「それでも、あなたは勇者ナオヤと出会い、こうして旅をしています。これも運命なのでしょう」
ナオヤ:「ところで、え〜と、ヒルダのお父さん――」――そういえば、ヒルダの一族って何ていうの?
GM:そうだね『ビシィ』とでもするかい?
ナオヤ:ああ、"びしい"ですね
ヒルデガルド:私も解りました(笑)。どうせなら『ビシィルの民』にしませんか? そのほうが語呂もいいし
GM:じゃあ『ビシィルの民』に決定、ここはビシィルの民の集落だった場所だ
ナオヤ:では……「ヒルダのお父さん、聞きたいのですが、その『ビシィルの民』とはいったいなんなんですか?」
GM:「私も旅の途中でたまたま立ち寄った集落だったからな、詳しい話はしらない。ただ、族長――ヒルダの本当の親だが――から聞いた話だと、このダンガリの森を守護する一族だったらしい、この集落も一時的なもので、つねにダンガリの森を転々と移動しならが生活していたとの話だ」
ナオヤ:「森を守る?」
ジャニス:「なにかレイドの一族と何か関係があるのでしょうか?」
GM:レイドの一族?
ナオヤ:ビレタ村のことですよ、ビレタ村は女神レイドの末裔達の村ですし
GM:なるほど、お父さんは続けます――「私達もそれが気になって、追手を巻きながらビレタ村へと行ったのだが……そのせいでビレタ村は……」
ナオヤ:「気にしないで下さい。遅かれ速かれ、やつらは村へやって来たはずです。すくなくとも、こうして僕とヒルダは生き残っている。希望は残っているんですから」
GM:「……ありがとう。さすが勇者だな」
ナオヤ:「いえ……」
ジャニス:「ナオヤさん、そろそろ……」
ナオヤ:「そうだね……ヒルダ!」
ヒルデガルド:「解っています……パパ、ママ、私は行かねばなりません。ここで遭えたのは嬉しかったけど、今は一刻も早くアラムートへ行かないと……もう遭えないかもしれないけど……今まで、ありがとね!」――ナオヤさん達の所へ走っていきます――「さぁ行きましょうナオヤさん!!」
ナオヤ:じゃあ、言葉はかけずに西へ進みます。
ヒルデガルド:振り向きませんよ。しっかり背を向けて集落を後にします!
ジャニス:「…………未来ある家族に守護者のご加護を……」
ヒルデガルド:「………………」
ナオヤ:「ところでヒルダ、最初に君が蹴っていた白骨死体って、もしかしたらヒルダの本当の両親だったりしてね(笑)
ヒルデガルド:そんな都合よく!? ってGMならやりかねませんね……。
GM:じゃあ、そうしよう(笑)
ヒルデガルド:ギャー(爆笑)
ナオヤ:しかも蹴ってから「恨むなら子孫を〜」みたいな事言ってなかった。
ヒルデガルド:子孫って自分じゃないですか!(笑)
ジャニス:……GM…私達ってシリアスに向いてないです
GM:いや、S=Fには向いてるから大丈夫さ。

シーン3:700万GP

アラムートへの旅の途中、とある町でのこと、ナオヤ達はある噂を耳にする。
GM:「おお兄ちゃん! あんた達見た所傭兵だね? どうだい聞いといた方が懐のためだぜ?」
ヒルデガルド:「ナオヤさん、先を急ぎましょう」
ナオヤ:「いや、なにか有益な情報かもしれない……」
ジャニス:「名物の情報では無いと思いますよ」
ナオヤ:「………………」
GM:「そうそう、素直に聞くが一番だぜ! なんてったって超高額の賞金首だ! その額もぶっとんでる、なんと700万GPだ!!!!」
ヒルデガルド:「700万GP!?」
ナオヤ:その人相書きとかあります?
GM:もちろんです、そこに描かれているのは、すごい誇張で凶悪に描かれていますが、バンデット――テルの顔だ。
ナオヤ:やっぱり〜。
GM:「なんとアラムートを救った反乱軍の救世主バンデットは、なんとあの悪名高い闇の宗教の幹部だったのさ! しかも今、城塞都市アラムートは闇の宗教に制圧され、魔王復活の儀式が着々と進んでるって噂だ! 国の騎士団もそろそろ動き出そうって噂も聞く! 探索者の身で賞金を得るなら、今しかないよ!!」
ジャニス:「国も……」
ヒルデガルド:「ナオヤさん!!」
ナオヤ:「急ごう! 一刻も早く……テルを」

シーン4:また街の誰かが魂を抜かれたようです

城塞都市アラムート、その名の通り街をぐるっと城壁で囲まれた都市である。が、今やその都市を覆うは、闇の宗教が張った暗黒の結界だった。それはまるで黒き光の壁のようにうっすらとアラムートを覆っている――闇の都市アラムートへ、遂に勇者たちは到着した。
ナオヤ:「さぁ! ついに戻って来た!と早く入りたいところだけど、きっとあの黒い結界に弾かれると僕は思う」
ジャニス:「私もそう思います」
ヒルデガルド:「とうっ!」――余っている鉄ショルダーを投げ入れます。
ナオヤ:ああ、また勝手なことを!?(笑)
GM:その鉄ショルダーは"ガランガラン"と内部へ転がっていきます。
ジャニス:「物質は通り抜けられるようですね」
ナオヤ:「じゃあ、人間が通れるかは僕が試してみよう」……『絶対魔法防御』を持つ僕なら、ダメージが魔法の限り安全だし、まぁもしもの時の為に闘気を防御に入れておきます。
ジャニス:「気をつけて下さい」
ナオヤ:「ああ」……とりあえず、手を結界に伸ばしてみます。
ヒルデガルド:私も近寄ってみます。
GM:ナオヤが近づくと結界は磁石の同極が離れるように、フワァーと逃げる……というか外れる。
ジャニス:「大丈夫でしたか?」
ナオヤ:「どうも通れそうだよ」
ヒルデガルド:この結果に弾かれたりした人の話はどうなんでしょう? 噂とか聞いてませんか?
GM:じゃあ、幸運で15以上だしたら聞いてたことにしていいよ。
ジャニス:(コロコロ)……18です。
GM:聞いた話によると、どうも魔法の結界で弾かれるらしい、ダメージも魔法ダメージだったらしいぞ。
ヒルデガルド:じゃあ、私も試して見ましょう。ナオヤさんは特殊能力のせいかもしれませんし……どうですGM?
GM:ナオヤと同じ反応だね。
ジャニス:もしかしたら、湖の3女神様たちから授かった力のせいかもしれませんね。
ナオヤ:なるほど、じゃあ行こう。
GM:通る順番はどうするの?
ナオヤ:普通に体の弱いジャニスを真ん中に挟んで、先頭を僕が、最後をヒルダに。
GM:了解……では結界を抜け、アラムートの街へと入ります。
………………………………………………………………………………………………
GM:アラムートの街は、前に来たときとは一変している。その雰囲気がダークで寂れている。人の気配も家の中にいるのかいないのか、わからないほどに微かだ。
ヒルデガルド:「ナオヤさん、あの時助けたお爺さんを探しましょう」
ナオヤ:「確か名前は……――」
ジャニス:「ベルゼン・オズワルトだったと思います」
ナオヤ:「そうだ、ベルゼンさんだ。家の場所は解っているんだから、そこを目指そう」
GM:ではそうやって、屋敷に向かっていると――「おお! やはりナオヤ様でしたか!!」
ヒルデガルド:毎回、なにかあると先に発見されますよね私達。
ナオヤ:お前のせいだーー!!!!!(一同爆笑)
ジャニス:………………(笑)
GM:「窓の外を眺めていたら、ナオヤ様たちの目印を発見しましてな(GMはちらりとヒルダを見る)、ああ、生きておられたのですな、神はまだ我等を見捨てていなかったようだ」
ナオヤ:「ベルゼンさん、あなた達もご無事でなによりです」
GM:そこでベルゼンの表情が曇る――「はぁ、この状況を本当に無事というかどうか……」
………………………………………………………………………………………………
GM:ベルゼンの案内で、屋敷の応接間へと通されます。しかし、前に見たときより屋敷内の活気がない――具体的にいうとお手伝いさんが居ない。
ヒルデガルド:暇を出した?
ジャニス:結界があって外に出られないのにですか? きっと何かが起こっているのだと思いますよ。
ナオヤ:「話してくれませんか、あの日、この城塞都市アラムートが闇の結界に覆われた日、この街の内側では何が起こったのかを……」
GM:ベルゼンさんは話出します――「あの日、闇の結界に覆われし日より、街の住民は次々と減っていっておりますのじゃ」
ヒルデガルド:「減ってる? でもどうやって……街にモンスターでも徘徊しているんですか?」
GM:「それなら、まだよかったのじゃが……あれを見て下され」――ベルゼンは窓の外を見上げる。
ナオヤ:「あれは!?」――窓の外を眺めます。
GM:そこは闇に包まれたアラムートの空――闇の結界の天井――の黒き闇が見える、そして、その結界の中心は、街の真ん中にある王城へと柱のようにして闇が垂れ下がっている。そして、時々、赤い光が街からスゥーと上がっていって、頂上まで行くと、柱にそって下へ、王城へと吸い込まれていく。
GM:「どうやら、また街の誰かが魂を抜かれたようです」
ジャニス:「魂を抜かれた?」
GM:「はい、あの結界が張られてからというもの、街のあちこちで突然死を遂げる者が現れておりますのじゃ。神官様の話じゃ、その時浮き上がる赤い光は死者の魂だろうと……そして、この結界が人から無抵抗に魂を抜き取り集積するものだと予想はつくのですが……」
ナオヤ:「でも、魂が王城へと集められているのなら、闇の宗教のやつらは王城に居るんじゃないんですか?」
GM:「それが、この街が結界に覆われたとほぼ時を同じくして、この街の戦える者が皆消えてしまったのです。今残っているのは老人と子供のような弱き者ばかりです」
ナオヤ:「なるほど」……でもベルゼンさんがやられていない事を見ると、魂を抜き取るのは無差別みたいだね
ヒルデガルド:そうですね。選んで抜き取る事ができるなら、私達と関係のあるベルゼンさんが真っ先に狙われるはずですし。
ナオヤ:よし……ベルゼンさんに魔王の話とか、今まであった話をします。「カクカクシカジカでして……」
GM:ではベルゼンさんも驚く――「魔王の復活!? そんな事をしたらこの街だけでなく世界が!!?」
ナオヤ:「はい、だから、僕達は何としても闇の宗教を倒し、バンデットに会わなければならないんです!」
GM:「……解りました。もうこの街に戦士は居なくなってしまいましたが、力弱き老人・子供とて、武器を取って戦うぐらいできましょう! ナオヤ様の力になりますぞ」
ジャニス:「それはお待ち下さい」
ヒルデガルド:「そうです。ベルゼンさんや街の子供たちは残って下さい。私達が敗北したとき、次の希望を繋げるためにも!」
ナオヤ:「ジャニス……ヒルダ……」
GM:「お言葉ですが、もう次は無いのです。何もしなくても、いつなんどき魂を抜かれるか解らない恐怖と共に生きる――もう街の皆は気が狂う寸前なのですじゃ」
ジャニス:「………………」
ヒルデガルド:「………………」
ナオヤ:「ベルゼンさん、王城への抜け道を知っていますか?」

シーン5:勇者ナオヤ

人間とは絶望という暗闇の中、希望という光に吸い寄せられるものである――。今、ベルゼン邸の前の広場には、街中の殆どの人間が集まっていた。その手には子供だろうと老人だろうと皆武器を持っていた。
GM:そんな人々が叫びます――『今こそ立ち上がる時だ!』『もう怖いのは嫌だ!』『昔取った杵柄じゃ〜!』
ヒルデガルド:なんかすごい事になってますね……。
ナオヤ:本当に子供と老人のような……。
GM:ベルゼンが言います――「皆のもの! ここにいる者たちは結界を抜け、外からやってきた探索者達じゃ! この者たちが王城へと乗り込み、この忌まわしき結界を張った闇の宗教どもを掃討してくれるじゃろう! わし等はその一時、敵の目を向けさせ、この者たちが闇の宗教の首謀者を倒す手助けをするのじゃ!」――『おおっーー!!!』――と盛り上っている。
ジャニス:「決着を付けるなら早くした方がいいですね」
ナオヤ:「そうだね」
GM:と1人の小男がやってきて――「抜け道は私が知っております……さぁこちらへ」
ナオヤ:ベルゼンさんに言おう……「陽動の方、よろしく頼みます」
GM:「あい解った」――とここで、民衆の中から1人の声が響き渡ります――「なんでバンデッド王は助けてくれないんだ!!」
ヒルデガルド:えっ!?
ナオヤ:「ベルゼンさん、僕の話した事は、街の人にはしたんですか?」
GM:「いえ、それがまだ……バンデッドを王として、街を救った救世主と信じている者も、まだこの街にはいますので、混乱を避けるために伏せておいてのですが……」――と、いつの間にか、街の民衆は"バンデッドは救世主だ"派と"バンデッドは闇の宗教だ"派とに分かれて言い争いを起している。いつ行動を伴った争いになるか解らないね。
ヒルデガルド:「ここは演説でしょう(笑)」
ナオヤ:「そんな誰が!?」
ジャニス:「ナオヤさん以外にはいませんよ(笑)」
ナオヤ:「ぼ、僕っ!?」
ジャニス:「ほら、住民の争いも激しくなってきましたし(笑)」
ナオヤ:「でも、みんな僕なんて目に入っていないみたい出し……」
ヒルデガルド:『パララパララピューピュードンパドンパギャリギャリドッカーン!!!!』――と地味に注目を集めました(一同爆笑)
GM:じゃあ民衆は、ギョッとしてナオヤ達を見つめる。言い争いも忘れて広場は静まりかえるよ(笑)
ジャニス:「ナオヤさんがんばって!(笑)」
ナオヤ:……ヒルダめ後で覚えてろよ……『みんな! 聞いてくれ!! これは外の町で配っていた手配書だ!――闇の宗教の幹部バンデッド 賞金700万GP――』……と賞金首の手配書を取り出します。
GM:民衆は『どやどやどや……』――「じゃあ、なんでバンデッドはこの街を救ってくれたんだ!?」
ナオヤ:『それは解らない! だけど、僕達は直接バンデッドと戦ったことがある、闇の宗教とバンデッドはあきらかに繋がっている! その関係は明白だ!! ここは僕達を信じて闇の宗教を追い出す力を貸して欲しい!!!』
GM:『おお〜!!!』――間を置いて――「だが、あんたは何者なんだ!?」――民衆は答えを待つように静まり返る。
ナオヤ:(どうしよう?)
ジャニス:(正直に言えばいいですよ)
ヒルデガルド:(さぁ! さぁ!!)
ナオヤ:『僕は――』……女神に祝福されたフランベルジュを抜いて高々と掲げながら――『僕は、エンジェル湖の3女神に祝福されし者! 3女神が長女・レイドの末裔のナオヤ・オノツギ!!!!』
GM:その瞬間、闇の結界が揺らめき、フランベルジュから七色の燐光がほどばしる!!
ジャニス:「勇者ナオヤ……」
GM:ベルゼンが続けます――「この人こそ、闇の都市と化したアラムートを救って下さる勇者殿じゃ! 皆の者! 勇者ナオヤ様のため、我等も力の限りを尽くそうではないか!!!」
ナオヤ:『みんな!! 死ぬな!!! 生きてこの街を救うんだ!!!!』
GM:『おおっっっ〜〜〜!!!!』『ナオヤ様さえ居てくれれば!!!』『勇者様ばんざーい!!!!』
ナオヤ:「さぁ行こう。もう後には引けない」
ヒルデガルド:「もちろんです。私達はみんなの命を背負っているんですから」
ジャニス:「私たちはナオヤさんについて行くだけです(喜)」

シーン6:そこまでだ!!

ナオヤ達は教えてもらった抜け道を通り、王城の謁見の間の横に出ていた。案内人を残し、『儀式は地下でやるもの!』と、ヒルダが決め付け、行こうとするが……。
ヒルデガルド:「さぁセオリー通り地下へ向かいましょう」
ナオヤ:「しかし、何の根拠もなく(笑)」
ジャニス:「わかる……私にはわかる……ドリーが上にいる!!!!!」
ナオヤ&ヒルデガルド:『なに〜!?』
GM:そうなのか!?
ジャニス:「この気配はドリーに間違いありません!!」
ヒルデガルド:えっ、でも基本は地下……。
ナオヤ:窓から上の方を見上げて――「きっと、あの尖塔だ! 赤い光が吸い込まれている!」
GM:確かにナオヤの言うように、その尖塔には街から集まってくる魂を吸収する中心のようだ(笑)
ナオヤ:「あそこに……」
ヒルデガルド&ジャニス:『行きましょう! ナオヤさん!!』(←みごとなハモリ(笑))
予想とは違い、城内で闇の宗教の兵士と遭遇することは無かった。それは運がいいのかと勘ぐるナオヤ達だったが、ふと見た窓からの光景に焦燥感を募らせる。城の前では手に武器を持った民衆と、闇の魔法を操る闇の宗教の兵士達との一方的な戦いが繰り広げられていたからだ。闇の宗教の兵士達が繰り出す魔法に、子供と老人の寄せ集め集団は、成す術も無くやられていく、ただ、寄せ集め集団は数だけは勝っていたので、敵の兵士達の魔力が底を付くのも時間の問題だった。しかし、ナオヤ達はそれを待つほど非情にはなれなかった。そしてその身にプラーナの輝きを纏いながら、螺旋階段を駆け上がり最上階へのドアを蹴破ったのだった!!!
GM:その部屋には銀髪のフェンリル、紫ローブのゲンマ、そして儀式の魔方陣を囲むように闇色ローブの魔法使い数名がいる。そして魔方陣の中心には、大きな赤い宝石が浮かんでいる。街から降りてくる赤い魂が宝石に吸収され、赤い宝石の色が"渦"を巻く。
ナオヤ:ドアを蹴破って――「そこまでだ!!」
ヒルデガルド:「儀式を止めにきましたよ!!」
GM:「なっ!」「貴様等! どこから入ってきた!!」
ヒルデガルド:「そこのドアからです!!!」
(一同爆笑)
GM:そんな古いギャグを……。
ヒルデガルド:いや〜、お約束でしょう(笑)
ジャニス:確かにお約束ですが……。
ナオヤ:シリアスなシーンが……。
ヒルデガルド:やっぱ言いませんと! 場が閉まりませんよ!(笑)
GM:「くっ、ふざけやがって!!」――と雑魚戦闘員は怒り出すのですが、1人だけ君達がやってきても冷静だった男が口を開く――「そろそろ来ると思ってましたよ」――もちろん紫ローブのゲンマだ。
ナオヤ:「魔王の復活は阻止してみせる!」
GM:「ふふっ、復活の阻止? ずいぶんと悠長なことを言う。もうここでの準備は十分です。いまさら……遅い……」――パチン――ゲンマが指を鳴らすと、中空から三匹の魔物が召還され、ナオヤ達に立ち塞がる――「あとはフェンリル、お前に任せた。我は一足速く闇騎士様の待つ魔王復活の儀式コロシアムへと向かう」
ナオヤ:「また逃げるのかゲンマ!!」
GM:「もし生き残ったのなら……タウラギリ島で待っているぞ」――そう言うと、魔方陣ごと消え去る
ヒルデガルド:「待ちなさいー!」――転移するのを追いかけます!!
GM:じゃあ、ヒルダをふさぐように、3匹の魔物が邪魔をするよ。
ヒルデガルド:「クッ!」
GM:この場に残っているのは、3匹の魔物とフェンリルのみ。
ナオヤ:そういえば、テルが居なかったな……。
ヒルデガルド:闇騎士とやらと一緒に、先にタウラギリ島とかいうのに、行っているんじゃないですか?
ナオヤ:とにかく急いだ方がいいみたいだね。
ジャニス:「ナオヤさん、一つお願いが……」
ナオヤ:「なんだい?」
ジャニス:「フェンリルと一騎打ちをさせて下さい」
ヒルデガルド:「魔法使いのジャニスさんじゃ!?」
ジャニス:「ドリーとは決着を付けないといけないのです。たとえ相打ちになろうとも……ナオヤさん……」
ナオヤ:「…………わかった、任せよう。僕とヒルダは残りの魔物をやる。いいねヒルダ?」
ヒルデガルド:「わかりました。でもジャニスさん、一つだけ忘れないで下さいね」
ジャニス:「???」
ヒルデガルド:「私達は仲間なんです。誰一人でも欠けることは許されませんよ」
ジャニス:「そう……ですね。――ありがとう」
ヒルデガルド:「………………」
ナオヤ:「さぁ、みんな行くぞ!!!」

シーン7:もう後には引けんぞ……

ナオヤ&ヒルデガルド vs 3匹の魔物
そして、
ジャニス vs ドリー の因縁の決闘が始まる。
GM:「もう後には引けんぞ……」
ジャニス:「わかっています」
GM:「死ぬ覚悟は出来ているんだろうな。昔馴染みだといえ、容赦はしないぞ」
ジャニス:「それはこっちの台詞です。ドリー。あなたとの決着、ここで付けます!」
GM:「……言ってくれるな」――その瞬間、銀髪が輝き、白い蒸気を発したかと思うと、フェンリルは巨大な銀狼へと姿を変える。
ナオヤ:いきなり本気モードだよ!
ヒルデガルド:ジャニスに任せて本当に良かったのでしょうか……。
ジャニス:「望むところです!!!」
GM:ではお言葉に甘えて銀の巨狼フェンリルは一直線にジャニスに近接します。移動して終了。
ジャニス:近距離ですか……関係ありません、魔法を撃ち込みます!(コロコロ)……発動します。命中は(コロコロ)……19です。
GM:それは避けた――「今のは何だ? おちょくっているのか!?」
ジャニス:「クッ……さすがはフェンリルですね」
GM:「そんなもので倒せるとでも思ったか?」
ナオヤ:ジャニス! プラーナを解放して維持に回すんだ! 数ターン懸かるけど、最後に一発決めることはできる!!
GM:ぬぅ、プレイヤー発言的なアドヴァイスを初心者のジャニスに教えますか(笑)
ナオヤ:それも勇者の勤めです(笑)
GM:ではそんな余裕の勇者とヒルダの方に行きましょう。まずは召喚された3匹の魔物の【知力】チェックをして下さい。目標値は15ね。
ナオヤ:(コロコロ)……ギリギリ15です。
ヒルデガルド:……7です。さっぱりプーです。
GM:ではナオヤだけは解るが一般的な(?)ブラストデーモン3体だ。だいたい6話〜8話の中〜大キャンペーンの中ボスレベル、悪の首領とか謎の魔導士クラスの敵です。詳しいパラメータはクラシックに載っているので参考してください。
ナオヤ:キャンペーンの中ボスレベルが3体……。
ヒルデガルド:女神に祝福された今の私達にとっては恐れる必要のないはず(根拠無し)
ナオヤ:そうなのか?
GM:最初はヒルダです。
ヒルデガルド:証明して見せます!(コロコロ)……命中30です!!
GM:(コロコロ)……ファンブル(笑)デーモン(1)は避けられません。
ヒルデガルド:(コロコロ)……ダメージが43点!!!
GM:翼が引きちぎられる!? 結構なダメージです。
ヒルデガルド:「ナオヤさん、一気に畳み込みましょう! こんな奴等、私達の敵ではありません!!」
ナオヤ:「そのようだね」
GM:そう簡単に行くと思うな! 今度はこっちデーモンの攻撃だ!――「ワレラガ、魔王様ノ邪魔ハサセン」――デーモン(1)はヒルダに、命中が(コロコロ)……またファンブルかよ!(笑)
ヒルデガルド:避けました。
GM:デーモン(2)がナオヤに(コロコロ)……命中28だ! ダメージは47!!!
ナオヤ:避け(コロコロ)……れませんね。防御で(コロコロ)……45点防ぎます。
GM:なに!? ほとんど通って無い!? おのれ、さっき翼を攻撃されたデーモン(3)がヒルダにお返しだ! 命中……28!
ヒルデガルド:回避します(コロコロ)……17で当たりました。
GM:攻撃が……クリティカル……合計で48だ!! 死ぬがいい!!!
ヒルデガルド:(コロコロ)……49点防ぎました――「格が違うのよ」
一方、ジャニスは魔法での一撃に賭けるべく、プラーナを解放、維持していた。だが……――
GM:ジャニスに爪で攻撃します。フェンリルの命中は……28! ダメージは57!!
ジャニス:(コロコロ)……無理です。20では回避できません。防御は……22です。まだ死にはしませんが、かなり厳しいです。
GM:昔ならこの一撃で落ちていたと言うものを(笑)
ナオヤ:なんかジャニスを援護した方がいい気が……。
ヒルデガルド:ここは私1人で大丈夫ですよ、攻撃が通りませんし(笑)
ジャニス:じゃあ――「きゃあああ!?」 とか言って倒れましょうか。
ナオヤ:「ジャニス!!!」――フェンリルとジャニスとの間に割り込みます!そのまま自分のカウントで攻撃! 命中は33です!
GM:フェンリルは(コロコロ)……27で回避失敗――「何!?」
ナオヤ:ダメージは51!!
GM:防御が(コロコロ)……48だからちょっとだけ通った――「ふん、殺されに来たか!」
ナオヤ:「それはこっちの台詞だ!!」
ヒルデガルド:では最後に、3体のブラストデーモンに囲まれた私は、闘気を祝福されたレイピアに移動させて、飛行モードに変化します(注:ヒルダは女神の祝福で武器が変化する際、そのような特殊効果を得ていた)――「さぁ来なさい! 私が相手ですよ!!」
――空に浮かび上がります!
GM:では3体のデーモンも君を追って空へ舞い上がる。デーモン(3)は君に翼を傷つけられたけど、再生したって事で(笑)

シーン8:僕は勇者だ!!

ナオヤ&ジャニス対フェンリル、ヒルダ対ブラストデーモンの2戦が行われていたが、ジャニスはプラーナを解放しつつ、自分の傷を海恵<マティ>で回復。ナオヤとフェンリルは一進一退の互角の削りあいを広げていた。一方ブラストデーモンの攻撃は分厚いヒルダの装甲を貫くことはできず、逆にヒルダの攻撃にすでに1体が葬りさられ、残りは2体となっていた。
GM:え〜い、埒があかないからこのターンから必殺技を使ってくれる! フェンリルが「コォォォォォ……」と裂けた口から冷気を発し、"フェンリル・アイス・ブレス"をナオヤとジャニスに吹き付ける!命中が(コロコロ)……ギャーファンブル〜!! 10で命中。
ナオヤ:余裕でかわします。
ジャニス:回避です。
ナオヤ:「今度はこっちだ!」(コロコロ)……33命中!
GM:(コロコロ)……くそう! 31!
ナオヤ:ダメージは……50きっかり!
GM:防御が44だ! まだまだ!!
ナオヤ:本当に埒があかない。
ヒルデガルド:GM、プラーナってのは何にでも使えるの?
GM:使えるよ。命中だろうと防御だろうと、魔法の命中値や攻撃力のアップにも使える。
ヒルデガルド:了解しました。プラーナを解放(コロコロ)……命中28。
GM:デーモン(2)は回避失敗。
ヒルデガルド:解放したプラーナを攻撃力に費やして(コロコロ)……ダメージが57点!!
GM:それは……無理。デーモン(2)も消滅する。
ヒルデガルド:「あと1体」
GM:「いつの間にか、俺の予想以上に成長しているようだな……」――フェンリルがプラーナを解放します!
ナオヤ:そろそろ僕も解放しよう。フェンリルに呼応するように闇色のプラーナが吹き上がる!――「昔の僕と思うなよ! 僕は勇者だ!!」
GM:次の順番はジャニスだ!
ジャニス:(コロコロ)……「神水<アキュエイル>」成功……傷が全快しました。さらにプラーナを解放! 次の攻撃に全てを賭けます!!
ナオヤ:僕も次に賭けよう、闘気組かえして終了。
GM:では最後に残ったデーモン(3)がヒルダに攻撃、命中21! ダメージ47!
ヒルデガルド:「痛くも痒くもありません!!」――防御が51で通りません。こっちの攻撃ですね。命中(コロコロ)……24! ダメージ42点!!
GM:(コロコロ)……無理だ! 最初にダメージを受けてたから今ので落ちる。ブラストデーモン3体は消滅した。
ヒルデガルド:「………………そうだ、ナオヤさん!?」――地上の城へ降りていきましょう。
GM:ではこっちはフェンリルの攻撃だ、ブレスを吐く! (コロコロ)……命中21、氷属性の魔法ダメージ47点!!
ナオヤ:魔法なら僕には通じませんよ。
GM:そうか!? 『絶対魔法防御』の特殊能力か!? ……しかしジャニスには通じるぞ!
ジャニス:……回避は18なので失敗しました。でも重症値に入ってないので問題ありません。魔法発動(コロコロ)……しました。維持しているプラーナを命中に20点割り振ります(コロコロ)……魔法命中が36です
GM:(コロコロ)……!! 回避失敗31!?
ジャニス:ダメージに残っているプラーナを全部注ぎ込みます――「落雷<ヴォルク・タン>!!!!」――ダメージは51点!!!
GM:「ぐはぁ!?」――かなりやばい、フェンリルの銀色の毛並みが血の色に染まっていく――「おのれ……」――次は……ナオヤか!?
ヒルデガルド:ナオヤさん!
ジャニス:あとは任せます!
ナオヤ:ここでやらなきゃ男じゃない!! バーニングカード『新必殺技をみせてやる!』を使用します!! 闇のプラーナが剣より吹き上がり――「闇斬閃・零式!!!!!」
GM:「この俺が! 負けるはずがないぃぃぃ!!!!」――プラーナを全開放! 全てを防御力に!
ナオヤ:(コロコロ)……クリティカル!!……クリティカル!?……6ゾロ!!!(一同:『おお〜!』) 総計135点だー!!!
GM:ナオヤの剣が、フェンリルを尻尾の先まで一直線に切り裂く!! フェンリルの今際の絶叫が――「クオォォォォォォォォン!!!!」と響き渡る!
………………………………………………………………………………………………
ヒルデガルド:丁度ターンも終ったので、空から降りてきます――「ナオヤさん、遂に村の仇を取りましたね」
ナオヤ:「………………ああ」
GM:フェンリルは白い煙を放ち始め、その煙が消え去ると、人間状態のドリーが倒れている。その男はすでに銀髪では無く、昔通りのドリーだ。もっとも、すでに助かるはずの無い傷を受けてはいるが……心なしか、虚ろな眼がジャニスを見つめているような。
ジャニス:「ドリー、神を捨てた貴方に私は何も言えないわ」
GM:ではドリーの口元に"フッ"と酷薄な笑みが浮かんだかと思うと――「お前達は、ここで生き残ってしまった事を後悔するんだな。魔王様が復活し世界が滅ぶさまを見るはめになるのだから……」
ヒルデガルド:「そんな事には決してさせない! この私達が阻止してみせる!」
ナオヤ:無言で居ます。
GM:「そうか……まぁせいぜい頑張るんだな。お前達なら……本当に阻止してしまいそうだから怖い……俺が絶望したこの世界を本当に救っちまいそうだからな……」
ナオヤ:「誰だって絶望する事はあるさ、でも明日を信じることができるから、希望を、夢を、目標を持つ事ができるから、僕達人間は生きていけるんだ」
GM:「………………どこで、道を間違っちまったんだろうな……」――人間の姿とはいえ、魔物と融合し、その魔物が滅んだ今、ドリーの体は休息に風化していく。
ジャニス:「過去は変らない……時の流れは残酷なものよ……いまさら後悔しても遅いのよ……」
一同:(ジャニス以外のプレイヤー絶句)

シーン9:必ずこの街へ戻って来ましょう

アラムートに青空が戻って来た。闇の結界は消滅し、闇の宗教の兵士達も逃げるように街から逃げ去って行った。
GM:ナオヤ達の前にはベルゼン・オズワルトが立ち――「さすが勇者様です! 必ずやこの街を救って下さると信じておりましたぞ!! 我等も何とか生き残りました」
ナオヤ:「それは何よりです。でも、魔王の復活を止めれたわけじゃない。僕等はタウラギリ島へ向かいます」
GM:「そんな!? 今の我等には指導者が必要なのです。前王も、バンデットも居なくなり、そして、街の力強き者達も奴等に連れ去られました。ここに残っているのは力弱きもの達ばかり、我等にはナオヤ様の力が必要なのです!」
ナオヤ:「えっ!?」
GM:『ナオヤ様〜』『ナオヤ様〜』と一般の人々が口を揃えて叫び出す。
ナオヤ:「……僕は……ただの傭兵です。そんな――」
GM:「あなたしかおりませぬ!!! もし魔王を阻止しに行くと言いますなら、それまでこのアラムートは我等だけで守りましょう。ですから、なにとぞ! なにとぞ!!」
ヒルデガルド:「ナオヤさん……任せます」
ジャニス:「私もナオヤさんの決断に従いますよ」
ナオヤ:「ジャニス、ヒルダ…………(ベルゼンに向き直って)……約束は出来ませんよ。でも、必ずこの街へ戻って来ましょう」
GM:「まだ…やることがあるのですね……。街の者よ!! ナオヤ様は世界を救うため、魔王の復活を阻止するために旅立たねばならぬ! 我等は王の帰ってくるその日まで、この街で待とうではないか!! 今は勇者ナオヤ様を! いや!! 我らがアラムートの新たな王を快く送りだそうじゃないか!!!」『おおお〜!!!!!』
ナオヤ:テルを連れ戻そうかな……。
そして勇者達はタウラギリ島へと旅立って行った。

紅玉の魔獣プロローグ 〜紅漆の決闘場〜
第5話「勇者立つ」
FIN

TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 紅漆の決闘場                   戻る