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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ


――世界名:ラース=フェリア 地方名:リーン 場所名:大暗穴――

……ボコボコ……ボコボコボコ……
息使いと同じように泡が溶液の中を上がっていく
今、その液に浸かるようにして黒き翼の天使が再生の時を待っていた
黒き翼の天使――黒天使ダークネス――
その溶液の前には2人の人物がいた。一人は白衣を着た少年。
少年は始終コンソールのような物を弄っており、それに連動するように溶液中を泡が上がっていく。
もしかしたら少年がその装置を操っているのかもしれない。
そして、もう一人――
「まさか、ダークネスがやられるとはな! まぁ俺様が助け出せたから良いものの、ゲハハハハ!」
男…アルゲルは白衣の少年の頭を叩きながら言う。
「気安く触らないでくれよアルゲル。僕もそろそろフレイスに出撃しなくちゃいけないんだ」
「まあそういうな! 今、勇者はここの南にいる。もしかしたら、こちらに来るかもしれんぞ?」
「まぁね。確かにそうなる可能性も否定できないから、こうやってここにいるんだけどさ」
「そういう事だ。……それで、ダークネスは助かりそうなのか?」
白衣の少年は手の動きを一時止め
「五分五分と言った所かな。あとは彼女の生命力に賭けるしかなさそうだよ」
「ふむ、そうか……とりあえずダークネス! この前の借りは返したからな! げっはっはっはっはっ!」


真竜伝説


第3話「いざ、幻の大地へ!」


キャラクター紹介

ハラハラ=ルオ(17歳女性 エクセレントウォーリア/魔剣使い 火/虚)
魔剣ティアマトーを唯一使用できる運命の勇者。その実体はTRPG初心者である。JJとの邂逅や空の守護者との出会いで多少勇者としての自覚が生まれた。あくまで多少だが……。アルゲル用あだ名は「勇者」

イシュエル=シルヴァーナ(19歳男性 ウォーリア/ライトアームズ 闇/氷)
通称イシル。呪いのせいで女性に強く触られると"おにぎり"に変化してしまうクラス"ライス=アームズ"。実家はラ・アルメイアのマティール。妹と2人暮らしだったらしい。アルゲル用あだ名は「"おにぎり"」

リーン=ハインリヒ(27歳女性 ナイトウィザード/魔術師 冥/虚)
常に冷静なベテランウィザード。必中のレンガは「イリュージョン」の掛け声とともに無限に取り出せる。実は変な特徴表で「病に倒れる」を振っており、案外病弱である。アルゲル用あだ名は「レンガ女」。

ミスティ(16歳女性 プリースト/フォーチュンテラー 幻/海)
幻導王フィルナの養女として育った謎の出生を持つ少女。勇者を導く使命を持っているらしいが……とりあえず赤いスライム"ポンポン"の主人。真竜伝説においてヒロインである。アルゲル用あだ名は「地下牢の女」。

政二貴良(16歳男性 ナイトウィザード/魔物使い 冥/火)
相棒の狸は今だ名前が無い。パーティの中で唯一、個人的な目的が薄く感じられる気がするのは気のせいか……。どうもジョニーとライバル的な関係に立っている。アルゲル用あだ名は「タヌキの男」。

シーン1:限界を越えた反動

勇者達が空導王を助け、空の守護者から魔剣ティアマトーの力の一部を受け取った日から数日が経っていた。
GM:ちなみに魔剣ティアマトーは、キャラクターシートのある魔剣です。空の守護者に会った事でレベルアップしました。データ的な説明を言えば、第一クラス/第二クラスを取得し、武器のデータはクラス修正を加えた値にパワーアップしました。
ルオ:おお〜〜かなり強くなったみたい♪
イシル:では次の守護者へと参りましょうか!
リーン:はい! そこでまだ私達は出発できていないのです!
GM:へ? なんで?
リーン:あの時の連戦の無理が祟り、私は守護者の所から帰ってきたところで血を吐きながら倒れ……それから1週間が経ちました――『病に倒れる』が発動って事で(笑)
GM:おお、それはありだ! じゃあ君は一人部屋で安静に横になっている。
リーン:「この世界に来てから、やけに魔法の威力が大きすぎる……世界結界の有無のせいかもしれない……体への負担が……ゴホッゴホッ」
GM:そこで回想シーン――あれは世界魔術協会――最高責任者であるアンゼロットに初めて会った時の話だ。
リーン:「初めてお目にかかります。リーン=ハインリッヒです」
GM:「はじめまして。私がここの最高責任者アンゼロットです。突然の呼び出し……問題なかったかしら?」
リーン:「はい……でも、なぜ私を?」
GM:「……あなたには常人以上の魔力の素質があります」
リーン:無言で――実は望むところです(笑)
GM:「ですが、その力はあなたと言う器に入るには大き過ぎるもの……このまま力を使い続ければ、やがては肉体の方へ影響が現れるでしょう――なにか、すでに心当たりもあるのではありませんか?」
リーン:「…………はい」――最近、妙に咳き込む事が多くなっている事を思い出しました。
GM:「侵略者(エミュレイター)と戦うのはウィザードとしての使命……それは解っています。だからこそ、その諸刃の剣――使うべき時と場合を選ぶのです」
リーン:「肝に銘じます」
GM:アンゼロットは頷き……「了解したわね? じゃあ早速だけど秋葉原上空に出現した異世界からの巨大生物……あれが、この世界にもたらす影響をすこしでも食い止めるために、行ってちょうだい!」
イシル:速攻力使わせるんですか!?(笑)
リーン:「………わかりました」(笑)
――私は回想から戻り……「そう、あの辺りから、やけに力を乱用するようになったような……」(一同爆笑)
イシル:もう1週間ですか……リーン殿の部屋を尋ねていいですか?
ミスティ:私も行きます。
GM:じゃあ2人は部屋に入ってきました。
イシル:「リーン殿、大丈夫ですか?」
リーン:「ゴホッゴホッ……ごめんなさいね、皆を足止めしてしまって」
イシル:「いや……」
ミスティ:「このラ・メイア復興の手伝いも出来ましたし…気にしないで下さい」
リーン:「それよりどうしたの? 何かあった?」
イシル:実は世界情勢をリーン殿に教えに来た事にしたいのですが。
GM:いいよ、知力ジャッジで10以上なら大陸続きの北にあるリーン地方の情報を、15以上なら海を渡ったラ・アルメイア地方の情報まで知っている事にしようか。
イシル:(コロコロ)……12です。
ミスティ:(コロコロ)……私は18です。
イシル:おお、自分の故郷であるラ・アルメイアの事がなにもわからん(笑)
GM:まずは闇の属性地であるリーン地方なのだが、どうも冥界の勢力達により攻め込まれているらしい。最近では巨大な魔力がリーン地方のどこかに集まりつつあるという情報も聞いた。そして幻の属性地であるラ・アルメイアでは、なにやら謎の美女達が攻めてきているらしい、どうもその美女達は地元のラース=フェリア人を強制的に手下にしてしまうようで、戦いずらいらしいぞ。
ミスティ:「実は……」――と状況をお話しましょう。
イシル:「リーン殿……この1週間、事態は刻一刻と悪くなる一方です。もし、お体に無理があるのでしたら、俺達だけでも……と」
リーン:「心配には及ばないわ……もう大丈夫、この1週間で十分過ぎるほど休めたから」
イシル:「ですが――」
ミスティ:それを遮って――「わかりました。では出発の準備に取り掛かりますね」
GM:で、2人は部屋を出て行くのかな?
ミスティ:そうですね。それで廊下を歩きながら、少しだけ会話を――。
イシル:「ミスティ! どう見てもリーン殿は本調子では無い。なんであそこで断らなかった」
ミスティ:「あなたはあの目を見なかったのですか? きっと説得は通じない……ならせめて、信頼するのが仲間ではないのですか?」
イシル:「それは……」――口ごもりましょう。
政二:そこに登場します。少し心配そうな顔で……「ミスティさん、イシルさん…リーンさんの容体はどうでしたか?」――傍らには両手で山盛りの買い物紙袋を抱え、よたよたしている狸が居ます。
イシル:よたよた?(笑)
ミスティ:「いえ、もう大丈夫のようでしたよ。今日は準備をして明日には出発致しましょう」
政二:「そっかよかったです……じゃあ、このお見舞い品は不要だったかもしれませんね……いいぞ、食べて」――と狸に処理してもらいます(笑)
GM:と、ここでポンポンがミスティの肩から――「ところで、リーン地方とラ・アルメイア地方、どっちに向かうですポン?」
政二:なにか違うのですか?
イシル:リーン地方は陸続きで北に歩いていけば着く、ラ・アルメイア地方には船旅になる。
政二:「それ以外の地方は無理なのですか?」
イシル:「いや、ここからだとその2地方を経由した方が早いんだ。だからその2つ」
政二:「なるほど」
イシル:「リーン殿はあの調子だし、勇者殿に相談するのがいんじゃないか?」
政二:「あの調子? 回復したならリーンさんも一緒に相談した方が良くないですか?」
ミスティ:「まだリーンさんは病み上がりですから……もう少しの間はゆっくりしていてあげましょう」
政二:「ああ、わかりました」(笑)

シーン2:勇者としての苦難

その日も勇者ルオは一人悩んでいた。1週間前の戦い……あの時はただ夢中だった。しかし、今は落ち着き、やっと自分の心の中で整理が付くようになった。だがそれは逆に――
GM:ところで、ルオ、君はいったい何をしているんだ?
ルオ:実は連戦連戦と戦い続けていたので認識していなかったのですが、ほんの些細な事で死んでしまう世界、自分も人殺しの側に足を踏み入れたショック……部屋で一人沈んで過ごしています。
政二:うわぁ…自己嫌悪の世界だ(笑)
イシル:『トントンッ』――「勇者殿……大丈夫ですか?」
ルオ:「あ、え、いえ……大丈夫ですよ」
イシル:「辛い事に気がついてしまったのかしれませんが……気を落とさずに……過酷な話をしてしまいますが、まだ、戦いは始まったばかりです」
ルオ:「そうだね……私も頑張らないとね」
ミスティ:私も出ましょう――「あまり気負いし過ぎらないで下さい。確かに勇者様の力が必要なのは事実です。でも、あなたがそれを拒否するなら…逃げ出したいと言うのなら……私は止めません」
ルオ:「本当に大丈夫だって! 私は運命に選ばれた勇者なんだよ? こんな事でヘコんでばかりいられないよ!!」(笑)
ミスティ:それに微笑みます。
イシル:「それで、実はお話があってきたのですが……」――とこれからどっちに行くか相談します。
ルオ:「ラ・アルメイアへ行きましょう。今まで仲間だった人が敵になって混乱に陥っているなら、それは助けに行くべきです!」
イシル:それは内心ホッとします、マリーシの妹が実は心配だったので(笑)
GM:ではその日の内に、空導王に謁見してその旨を伝えるって事でいいかな? 今、君達は謁見の間にて空導王と面と向かっている――「そうか……君達には勇者として世界中を救う使命があるのだしな、そう長く滞在はしておられまいて……うむ、これを持っていくとよい」――書状を渡してくれる。
ルオ:「これは?」
GM:「各導王に宛てた私の書状だ。君達に協力するよう書いてある……もっとも、他の導王と私は常に対等な位置にいる。君達への協力を断ってくる奴もいるかもしれん……だが、君が本当の勇者だと認めれば、協力をしてくれない者はいないはずだ……持って行くといい」
ルオ:もう燃えたりしない?(笑)
GM:頑丈そうだね、それにどちらかと言うと魔法的な保護もされているみたいだ。普通に見ようとしても内容を見る事はできなさそうだね。
イシル:もしかしたら、各導王以外は見る事のできない書状なのかも。
GM:「さて、出発は明日と言っていたな……朝一で港に行くといい、ラ・アルメイアまでの足を手配しておいた」
ルオ:足?
イシル:「船まで用意して頂けるとは……ありがとうございます」(笑)
ルオ:おお(笑)

シーン3:出発の夜、勇者の思い

明日は幻の属性地――ラ・アルメイアへの出発の日だった。皆の前では強がっていても、やはりルオの心の中は迷っているままだ……窓の外に見える月は、決してルオの問いに答えてはくれない。
ミスティ:出発前にやりたい事があります。
GM:いいよ、どうぞお好きに(笑)
ミスティ:出発前夜、勇者様の部屋を訪れます――「いよいよ出発ですね」――部屋に入って来て言います。
ルオ:私はどうしているのだろう……ベッドに座りながら窓から夜空の月を見ていた事にしたいです。
GM:うむ、その描写で行こう。ちなみにポンポンはミスティのフードの中で寝ていますので、気になさらずに(笑)
ミスティ:「無理をなさっていませんか?」
ルオ:「実は少し……ね」
ミスティ:「お話して下さい。勇者様……」――横に腰を下ろしましょう。
ルオ:「………うん。……私にこんな力があったなんてって…今でも信じられないくらい。本当に驚いたんだ……でもそれはいいの、皆が私のことを信頼してくれるから……でも、でもね…もし何かあったら、私はどうすれば…って、そう思っちゃって……」
ミスティ:「何かあったら私達がなんとかします」
ルオ:「でも、私は私の為に犠牲になって欲しいわけじゃないの……そうじゃなくて……」――ああ、少しはTRPGレベルがアップしたと思ってたのに〜!! うまく言葉が出ない〜〜!?
※ちなみに、今回のプレイは第1話より、一ヵ月後にプレイ(収録)しています、初心者TRPGプレイヤーだったルオ(ebi)も、他システム等で数回のセッションを経験し、TRPG経験値を稼いでいたはずなのですが……。
ミスティ:「勇者様にとって、それは重荷なのかもしれません……でも、それを受け止められるよう、頑張りましょう」
ルオ:「ミスティ……」――あう、そう、それが言いたかったのです!(笑)
ミスティ:「ここに来るまでに、誰かが犠牲になったのかもしれません……でも、それを恐れてばかりいては、きっとその人達も……」
ルオ:「そうだね……うん! わかった! 『最大限の効果』…それが私の運命だからね」
ミスティ:それは――「???」って首を傾げましょう(笑)
イシル:ああ、それカッコいいよ! あと個人的に嬉しいよ(笑)
ルオ:「ありがとミスティ! 明日から、また頑張ろうね!!」
ミスティ:静かに微笑みを浮べながら――「はい」

シーン4:深夜の訪問者

勇者ルオが月を見上げていた時、月の光が差し込む部屋で、一人リーンは寝付けないでいた。その部屋へ魔力が集まり、運命という伏線が歯車となって回り出す。
GM:さて、カッコいい勇者ムードとはまったく違うシーンが発生します。勇者のシーンと同時刻、場所は居城のリーンが寝ている部屋です。
リーン:私のイベントシーンですか? なら私は――「ゴホッゴホッゴホッ……」――と咳や胸の痛みと戦いながら、寝られない夜と過ごしていたいです。
GM:いいよ、じゃあ君は、部屋の隅に圧倒的な存在感を感じる。それはプラーナ……いや、魔力――全ての力の塊のような存在感だ。
リーン:つ、強そうですね……とりあえずベッドから身を起こします。
GM:そこには見知らぬ男の人がいる。壮年でも青年でもなく、年齢不詳の髭のある男だ。野獣的な粗暴さと騎士のような静謐さを併せ持った雰囲気だ。
イシル:いつにもましてマスターの演出が緻密だ……これはきっと重要人物に違い無い(笑)
GM:その男にはただ一つ、普通ではない部分がある……それは瞳。
リーン:金ですか?
GM:金ですね。君はその金の瞳を見ると、一瞬にして脳裏にある生物が浮かぶ。それは――ドラゴン。
リーン:「誰」――物怖じはしません。冷静に質問します。
GM:「私の名はカイザー。君があのダークネスを倒した者達の一人だな」
リーン:「いったい何の用?」
GM:「君には才能がある」――一冊の魔本を君の方へ投げよう――「それは『外道魔導書』と呼ばれる呪文書だ。使いこなすには相応の代償が必要とされる。もっとも、それに耐える事ができるかどうかは君次第だがな」
リーン:「……何を考えているの」
GM:「私はあの中で一番期待しているのだよ……君にな」
リーン:「なぜ? それこそ勇者の方が期待できるのではないの?」
GM:「ふん、勇者など、所詮は魔剣に頼っているだけにすぎん……私はな、自らの意志で強くなる者、強くなった者が好きなのだ……力を求めるならその本、読んで見るがいい…使いこなしてみよ……」――と、カイザーと名乗ったその男はスゥッと夜の闇に消えていく。
リーン:「力を求めるならば……か……」
GM:ちなみに『外道魔導書』は実際にルールに記載されているアイテム――『外道祈祷書』と同じデータで使用します。いつ使用するかは君次第だが、いったん使用した場合はアイテムの代償データ等は以降ずっと続くので宜しく。
リーン:わかりました、いざと言う時に使いましょう――カイザーをコネクションにメモっておきましょう

シーン5:混沌軍…そして神姫襲撃!

シュローティアの港町には一隻の船が用意されていた。この船で幻の大地ラ・アルメイアへと出港するのだ。天気は快晴。まるで勇者達の出港を祝うようであった。
GM:「あんた達だな、勇者一行様ってのは! 空導王様から言われている、さぁ乗ってくれ!」――次の日の朝、港にて一隻の船の前、その船の船長さんが君達に向かって言うよ――「一気に敵が攻めてきているこの時期に、なかなか船を出そうなんて勇気のあるやちゃぁいねぇからな! でも安心しろや、こっちは心臓に毛が生えているような猛者ばかり集めておいたからな!!」
ミスティ:船員さん達はどのような方々なのでしょうか?
GM:見るとなんとなくの雰囲気でだが……元海賊っぽい(笑)
ミスティ:ああ(笑)
イシル:ある意味では心強いかもな。
GM:「ところで、船酔いなんて弱っちょろい事言う奴はいねぇよな?」
イシル:「大丈夫、俺もミスティも問題無いですから」――と他を見ましょう。
リーン:「問題無いわ」――とイリュージョンで世界中を周っていましたから、船旅は慣れています。
政二:僕も大丈夫です。すでに狸とともに船に乗ってます。
ルオ:なんで政二君は船酔いしないの?
政二:出身が『伊豆』ですから(断言)
本当に政二のキャラクターシートには出身地に『伊豆』と明記してあった。
ルオ:本当だ、書いてある〜それじゃあ酔わないか。
イシル:いや、伊豆と酔いに何か関係ってあるんだ!?(笑)
GM:「おい、そこのお嬢さん、なんか気分が悪そうだが?」
ルオ:う…やはり来ると思いました!(笑)
イシル:「勇者殿? まさか勇者殿は船が……」
ルオ:こくん…と頷いて船室へさっさと入ってしまいます――それで膝を抱えてぶるぶるしてます(笑)
イシル:船酔いとは違う?
リーン:ああ! タイタニックね!!(笑)
ルオ:そうです! 子供の頃体験した船の難破がフラッシュバックなのです!(笑)
GM:それから十数日経って……船の甲板上――「そろそろ幻の大地も見えてくる頃だな……お前さん達は、ラ・アルメイアには行った事はあるか?」――船長さんが聞いてきます。
イシル:「俺は故郷がそこなんだ……」
GM:「そうか……まぁなんだ、あそこは槍が降ったりするからな、勝手に気をつけな――」
イシル:「なんでいきなり投げやりになるんですか!?」(笑)
GM:「うるさい! お前が故郷って言うから、俺が言っても新鮮味が無いだろうが!!」(笑)
イシル:「俺のせいかよ!」
リーン:イシルは忙しそうなのでミスティに聞きましょう――「ミスティ、少し聞いていいかしら?」
ミスティ:「はい、なんでしょうか?」
リーン:「これから向かうラ・アルメイアだけでなく、この世界では今、一体何が起こっているの?」
ミスティ:「実は、今この世界は『混沌軍』を名乗る敵に攻め込まれているのです」――とそれ以外の詳しい説明はちょっと(笑)
GM:それはこっちから説明しよう。もっとも病に伏せていたリーン以外は、空導王アンブレアスから説明されたので、その時のシーンを回想する(笑)
――ラ・メイア 空導王アンブレアス居城 謁見の間――
GM:「――今、やつらは七つの軍団に別れ統率され攻め込んできている。こちらもその全てを把握しているわけではないが……」
政二:七つ?
イシル:きっとS=Fだから"7"なんだよ(笑)
GM:話を続けますよ、まぁその通りだがな(笑)――「先日ここに攻めてきたのは、その七つの軍団の一つで冥魔達を主力とする『悪魔兵団』だな……もっとも、その団長を君達が倒してくれたおかげで事無きを得たが……」
イシル:「それで…他の軍団……とは?」
GM:「獣や魔獣を束ねる『超獣魔団』…精霊や高位精霊を引き連れた『精霊師団』…魔法生物のみで構成された『造魔戦団』…アンデットや死者を操る『狂魔士団』…幻獣や妖精、竜や巨人族などの数の少ないクリーチャーを集められた『幻竜軍団』……そして、これはまだ確認された情報では無いのだが、精霊獣のみの軍団もあると言う噂だ」
ミスティ:「精霊獣……」
GM:「今、世界のどこにどの軍が侵略しているのか、こちらとしても全てわかっているわけではない……これから君達が向かう場所も然りだ……気休めかもしれないが、気をつけたまえ」 ――ラ・メイアへと向かう船の甲板――
GM:では回想シーン終了
リーン:「そんな事が……」
GM:さて、理解した所で甲板にいる人は知覚ジャッジをしてくれ、15以上だ!
ミスティ:(コロコロ)……見えないです。
政二:……僕もわかりませんでした。
イシル:俺は見えましたよ!
ルオ:私は船室なので(笑)
リーン:私は誰にもバレないように咳き込んでます(笑)
GM:ちなみに狸は成功したので、政二のズボンを引っ張って注意を促すぞ。肉球である方角を差す。
政二:「なんだ?」
イシル:俺も見ているのですが――「ん?」
GM:見ると解ります。船の向かっている方角から、誰かが何かに乗って飛んでくるね。
イシル:飛んでくる!? とりあえず皆に――「気をつけろ! 何かが飛んでくるぞ!!」
GM:イシルに注意され、皆もその方角を見ると、どうも亀に乗った女の人だ。
イシル:女の人??
GM:どーでもいいが、亀はヒュンヒュン周ったりしてないぞ(笑)
政二:亀仙人とは違うのですね(笑)
GM:うむ、亀仙人の亀がヒュンヒュン飛ぶって聞いて、いったい何人がピンとくる事やら……まあ後ろ足だけ炎になって一直線に飛んでくる。
イシル:「船長、ここは皆を船室へ」
GM:「馬鹿やろう! この船に来る奴ぁ、客か獲物の二者択一! 海の男がおとなしく船室なんかで縮こまっていられるか!!」
リーン:もうやる気満々ね(笑)
イシル:「……わかったよ、だが気をつけろ、あいつは……どうも普通じゃない!!」
ルオ:甲板のただならぬ気配に気がついて、船室から皆のところへ出てきていいですか?
GM:いいよ。
ミスティ:「勇者様、大丈夫ですか?」
ルオ:「あんま…大丈夫じゃないけど(笑)……なに、どうしたの?」
GM:では君達が臨戦体制を取る中、その女は亀共々船の上に着地し――「私はエターナル★プリンセス聖雨姫(セント★レイン)――さぁ私に…従いなさい!!!」――では皆様、信仰心ジャッジ18です。
イシル:やっぱりプリンセスか〜!? 俺はプラーナを使うぞ!!
ルオ:18? どうせ失敗するなら私はプラーナを使わないかなぁ。
ミスティ:勇者様、思い出して下さい! ラ・アルメイアではどんな事件が起こっているか……仲間同士で戦う事になるという噂を!
ルオ:そうか! でも私の信仰心は4しかないよ(一同爆笑)
イシル:マジで!? 勇者〜〜〜!!!!!(笑)
政二:実は影で僕も信仰心4だったりします(笑)
イシル:政二殿〜〜〜!!!!(笑)
リーン:(コロコロ)……信仰心は高いですからね、成功しました。
ミスティ:……同じく、問題無く成功です。
イシル:(コロコロ)……よし、プラーナ使ってなんとか成功だ!
ルオ:……うん、私もプラーナで成功!!
政二:失敗した。
イシル:政二殿、プラーナは!?
政二:いや、ファンブルだったんで(一同笑)
GM:では聖雨姫の声に他の船員達が声を上げるなら、その声にハモルように政二と狸が声を上げる(笑)
政二:「YAAAAA―――!!!」(一同爆笑)
GM:ちなみに船員は船長以外全員がレインの味方になっているから(笑)
イシル:船長は信仰心強いのですね(笑)
GM:さて、政二以外の4人は近くジャッジをしてみてくれ、12以上だ。成功すれば音がするぞ。
イシル:(コロコロ)……成功です。
ルオ:こっちも成功!!
GM:「さぁ追いついたぞ勇者が!! このジョニー様がーー!!! 将棋倒しのように倒してくれるわ」(笑)
イシル:ぶっ(笑) うはははははは……いかぁん、不覚にもまた笑ってしまった!(笑)
GM:よく見るとジョニーは周りに蛙のクリーチャーを従えている。そして、ジョニー&蛙達は海の上を滑るように進んでくる、よく見ると海面すれすれを泳ぐエイに乗っているらしい。
イシル:「前門の虎、後門の狼……か」
GM:と、ここで聖雨姫が言います――「来たか冥界のクリーチャーどもよ! さぁお前達、やってしまいなさい!!」――と船長以外の船員達は砲台を用意したり、慌しくなる。そして船長は――「いったい、何がどうなっているんだ!? あれ(レイン)もお前達の仲間なのか!?」
イシル:「いや、そんな事は無いはず……だが、あのエイに乗っている男は、少なくともシュローティアを襲った混沌軍の一人です」
GM:「ふむ、なら一体どうする! 頼みの船員達も、皆『YAAAA―――!!』とか叫んでいるぞ!?」
リーン:「下手に敵の数を増やすのも効率が悪いわ……ここは一つ……で、行きましょう」
ルオ:「うん、わかった」
イシル:「致し方が無い」
ミスティ:「解りました」
GM:聖雨姫――レイン――が言う……『さぁ私の下僕達よ! やっておしまい!!』
一同:(PC全員口を揃えて)『YAAAAA―――!!!!』(笑)
GM:お前ら皆、下僕かよ!!!!(笑)
リーン:これが一番効率がいいんです!
GM:な、なんだかなぁ(笑)

シーン6:船上の決闘!

船の上に降り立った謎の美女、美女に操られた船員達(と政二&タヌキ)、状況を理解せぬまま混沌軍ジョニーがルオを追って襲撃に来る。とりあえずは美女に操られた振りをする事にしたが……。
GM:では戦闘です。巨大なエイは海中にいます。甲板には船員や船長、プリンセス・レインもいますが、今はジョニーの連れてきた雑魚蛙の相手をしています。君達の当面の敵はジョニーと護衛の蛙(6匹)だ。
ルオ:「YAAAAA!!!」(笑)
GM:いや、別に返事をいちいちそれにする必要は無いぞ(笑)
ルオ:「YAAAAA!!!」(爆)
GM:……いや、別にいいけどね。
ルオ:「YAAAAA!!!」(爆笑)
ミスティ:(突然ジョニー)『なにが"ヤーーー!"だ! ならばこっちは"エイーー!!"だ! 行くぞ者ども!! せ〜の、エイーー!!!!』(笑)
GM:『ゲロゲロ、ゲロゲロ、ゲロゲロ♪』(一同爆笑)
イシル:違うじゃねーかよ!(笑)
GM:仕方無かろう、ジョニーの引き連れてきたのは蛙なんだから(笑)――じゃあ最初はこっちだな……ジョニーは魔法詠唱、目標はルオだ。もっとも詠唱カウントがあるからまだ発動できない。で蛙だが、3匹はジョニーの護衛、残り3匹がルオ、ミスティ、リーンにジャンピングアターック!
ルオ:(コロコロ)……駄目〜!? いきなり回避できないよ!
GM:(コロコロ)……ダメージは42点だ、しかも防御力半分で防御ジャッジしてくれ(笑)
イシル:蛙のジャンプアタックで42点!? しかも防御半分???
リーン:強い蛙ね……。
ルオ:プラーナを2点だけ解放! (コロコロ)……クリティカル! (コロコロ)……防御半分に達成値を加えて……35防御! ふふん、大丈夫♪
GM:おのれ、次はミスティにジャンプアタックだ! (コロコロ)……命中は24だ!
ミスティ:それは(コロコロ)……あらクリティカル?(コロコロ)……あらら?(コロコロ)……避けました(笑)
ルオ:ミスティ凄い!(笑)
GM:じゃあ蛙の体当たりを避けたミスティは1D振ってくれ。
ミスティ:(コロコロ)……6です。
GM:『6……着地失敗、蛙は即死』らしい(一同爆笑)
イシル:なんですかそれは!!!(爆笑)
ルオ:あはははははは(笑)
GM:次はリーンだ!! 命中が(コロコロ)……20!
リーン:(コロコロ)……避けましたよ、闘気を組み込んでいるので(笑) 1D(コロコロ)……2です。
GM:『2……蛙は1D点ダメージを受ける』――(コロコロ)……3点ダメージをくらった(笑)
リーン:次は私ですね――『ディムニードル』!(コロコロ)……狙いは私が今避けた蛙です。
GM:(コロコロ)……どうぞ、回避はファンブルです。
リーン:(コロコロ)……ダメージは38点です。
GM:(コロコロ)……プチっとつぶされました(笑)
イシル:なんだ? ジャンプをくらうと痛いが、基本的に弱いのか?(笑)
GM:次は政二だぞ。
政二:「YAAAAA!!」――と言いながら、狸と一緒に全力移動、終了です(笑)
GM:さて、ここでジョニーの魔法詠唱が終了だ――「『パワー・オブ・ニンフ』!」(コロコロ)……17命中!!
ルオ:(コロコロ)……避けた!
GM:ジョニーの手から雷光がほどばしる! それは初めてルオが見た魔法、そしてあの時は一歩も動けなかった呪文!
ルオ:「昔の私とは違うのよ!」(笑)
GM:「く、このままでは手柄を蛙に取られてしまう!」
ルオ:私は『バーストジャンプ』を詠唱……発動しました。
イシル:俺は蛙を切ります(コロコロ)……命中(コロコロ)……ダメージは31点。
GM:うむ、半分減ったぞ。さて、全員の行動が終わった所で巨大なエイが船上に飛び上がってくる、そしてポンポンが皆に知名度ジャッジの結果を言うぞ「あのエイは(コロコロ)……わからないですポン!」(笑)
イシル:「わからないのかよ! 言う意味無いだろそれ!!!」(笑)
GM:いや待て、まだ蛙が(コロコロ)……「あの蛙は『海ガエル』ですポン! レベル3の海属性のクリーチャーですポン!」――と言うわけでデータを見せよう。
一同:『ほうほうほう……』
ルオ:「でもポンも中々やるじゃん!」
イシル:「ああ、まったくだ、役立たずな赤いスライムだと思ってたよ」(笑)
GM:「転がるだけが脳の"おにぎり"に役立たずと言われるとはショックでかいですポン!」(一同笑)
イシル:「ああ、今の台詞の後に、そうやって切り返されるんじゃないかって、ちょっと後悔したさ……だがな! 俺のことを"おにぎり"って言うな!!!」(笑)
リーン:「でも、レベルが3って事は、今の私達より上って事ね……少しは注意しましょう」
現在のPCレベルは2であった。(ルオにおいてはレベル1である)
GM:「ちなみに、ジョニーの方が蛙よりレベルが低いですポン!」(一同爆笑)
イシル:弱いのかよ!!(爆笑)
GM:ジョニーは君たちと一緒にレベルアップしているからな(笑)
政二:ジョニーって奴は(笑)
その後、蛙のジャンプアタックを避けられ、半分以上がなぜか6の目が出て自滅のペッタンコ、残りはリーンに魔法で潰され、『YAAAAA』と叫びながら戦う政二とルオによって巨大エイも海へと逃げ帰って行った。
GM:「くっ…いつの間にか俺一人だと!?」
イシル:「ったく、ちょびちょびプラーナ使って生き延びやがって!」(笑)
GM:うるさいわい! これも戦術じゃ!(笑)――「こうなったら……たった一人ででも勝利してみせる……そう! 一人で"たった"勝って(戦って)やるぜ!!!」
イシル:「つまんね―よ」!!(笑)
GM:と、イシルがツッコむのと同時――「あんたさっきから、うるさいのよ!」――と聖雨姫レインが言う――でジョニーが信仰心ジャッジ(コロコロ)……「YAAAAA!!!!」(一同爆笑)
イシル:やっぱり(笑)
GM:「さぁ蛙どもよ、さっさと帰るのだ!!」――船員達と戦っていた蛙たちが次々に海へ飛び込んでいく(笑)
政二:勝利の雄叫びを上げましょう!(笑)
GM:まぁ蛙が去った所で船長が叫ぶぞ――「おい、まずいぞ! さっき巨大エイが圧し掛かってきたショックで、船体にヒビが入ってやがる! こりゃあすぐにでも真っ二つに折れちまうぞ!!」
ルオ:真っ二つ!?――「いやああああ!! だから船は嫌なの〜〜〜〜!!!」
リーン:タイタニック再び(笑)
イシル:「レイン様! このままでは船ごと沈んでしまいます!」
GM:「あらそう」
イシル:「どうしましょう!」
GM:「そうね……勝手にしなさい。じゃあ侵略してきたクリーチャーも追っ払った事だし、私は帰るわ」――どこからか亀が現れ、ラ・アルメイア方面に飛んで行っちゃうぞ(笑)
イシル:「おおおお……おい、ジョニー! どうするんだ!?」
GM:ジョニー? ジョニーは――「行くぞ『ヴリトラ』!!」――と小飛竜に捕まり――「待って下さいレイン様〜〜〜♪」
イシル:完全に洗脳されてるしな……。
ミスティ:「イシル、冷静に観察してないで、このままだと本当に船ごと沈んでしまいますよ?」
イシル:「そうだな」……マスター、この船の沈没は止められそうにないのでしょうか?
GM:無理そうだね。
イシル:「政二殿は俺が連れて行く、ミスティ! お前は海が苦手な勇者殿を」
ミスティ:「わかりました」
ルオ:「船怖い…海怖い……」(笑)
政二:『YAAAAA!!!』(一同爆笑))
イシル:まだやってたのかよ! 狸ごと捕まえて海へ飛び込みます! このままうだうだやっていたら、沈没時の渦に巻き込まれて本当に死亡してしまう!
ミスティ:船の乗員と病がちなリーンさんは?
リーン:そうか、私は病だったんだ(笑)
イシル:「船乗りは海の男だ! ここは船長達を信じ様! リーン殿は……浮き輪代わりにポンポンに捕まって!!」
リーン:じゃあ遠慮なく(笑)
GM:ちっ…イシルめ、うまい具合に全員を誘導しおって(笑)
ルオ:何がですか?
ミスティ:ああ、しまったです(笑)
リーン:なるほど、私も失敗しました(笑)
ルオ:え、え? 何???
リーン:つまり、ここで皆が海に投げ出されれば、誰かしらが泳げなかったりするでしょう?
ルオ:うん、する(笑)
リーン:そんな時にどうやって助ける?
ルオ:そりゃあ……あ! だからなのね!!(笑)
イシル:こっちは必死ですよ、女性と組んでたまるか! 海で抱きつかれたら一貫の終わりですからね……なんせ分解してしまう(笑)

シーン7:到着、ラ・アルメイア!

ラ・アルメイアへかなりの距離近づいていた事、潮流の関係、運命……様々な要因はあるとしても、結果として勇者達はラ・アルメイア東の漁村に流れつく、そこで宿泊し体力の回復を待った後、勇者達は情報収集へと向かったのだった。ちなみに漁村でラ・アルメイアについて情報収集をしていた事も付随しておこう。
ルオ:「それで、皆どんな情報が集まったの?」
イシル:「俺が聞いてきたのは、この地の首都イス=フィアでは"戦姫"または"プリンセス"と言われる侵略者と戦っているらしい、どうも話によるとさっきの聖雨姫レインのような奴等のようだ」
リーン:「戦況は悪いのかしら?」
イシル:「いや、さすがに首都だし強力な幻影兵団もいる、そうそう負けはしないが……いかんせん、政二殿もかかってしまったように、そいつ等は魅了してくるらしく仲間が敵になったりして戦いにくいようだ……戦況は五分五分と言った所さ」
政二:まぁ僕は海に落ちて元に戻りましたけどね(笑)
リーン:「なるほど……こっちの聞いてきた情報はすこし危ないかもしれないわね……この地には普段は現世に現れないマリーシという都市があるらしいのだけれど、どうも戦いの初期に、その都市が前線基地として活躍したせいか、今では逆に敵の総攻撃を受けているみたいよ」
イシル:「マリーシが!?」
ルオ:「どうしたのイシル?」
イシル:「あ、いや、なんでもない……」
ルオ:「私は砦の情報を聞いてきたよ! なんでも幻獣の里ってところが幻砦に関係しているみたい。噂だと、まだその幻獣の里は安全なんだって!」
政二:「僕はリーン地方の話を聞きました、なんでも混沌軍の大ボスがリーン地方の北東に居を構えていたらしくて、一気に大攻勢に出て、暗導王を含みリーン地方全土は壊滅したらしいです」
ミスティ:「皆様、ご苦労様です」(←宿屋で一人留守番だった)
イシル:「しかし、リーン地方が壊滅とは……」
GM:「もしかしたらリーン地方に向かっていたら、敵の大ボスといきなり戦闘だったかもしれないですポン?」(笑)
ルオ:そうだったんですか、マスター?
GM:そうだね、そうなってたかもしれないね。少なくとも出てくるNPCはジョニーではなくなっていた事は確かかな(笑)
イシル:なんとなく…俺は助かったのかもしれない(笑)
リーン:う〜ん、こっちの選択の方が正しかったのか……難しいわね。
ミスティ:もしかしたら、リーン地方へ向かっていたら、そこの人達を救えたのかも……。
イシル:まぁどっちにしろ、今考えたって仕方が無いさ。もう俺達は幻の大地へと来てしまったんだからな。
政二:「そうえばイシルさん、船の上でここが故郷とか言っていませんでしたか?」
イシル:おお、余計な事を(笑)
ルオ:「イシル、あなたの故郷はここのどこかにあるの?」
イシル:「まあ……さっき話に出たマリーシという都市に……妹もいるんです……」
ルオ:「妹さんが……」
ミスティ:「ほら、勇者様にはお話したでしょう? 旅発つ兄に予備の海苔を渡してくれるような兄思いの妹さんの事です」
イシル:「………………ミスティ?」
ルオ:「聞いた聞いた! 良い妹さんだよね♪」
政二:「それが今、マリーシは敵の大攻勢で……」
GM:狸も――「クゥゥ〜ン……」
リーン:「それじゃあ、海苔送ってくれる人が居なくなってしまったわね(ぞんざいに)」
ルオ:「あ、本当だ!!」(笑)
イシル:「思うところはソコじゃねーッ! 俺は素直に街の人たちを心配してたんだよ!! 俺は感傷さえも許されないのか!?」(一同爆笑)
ミスティ:「結局、どこへ向かうのでしょう?」
ルオ:「じゃあ――」
イシル(勇者を遮って):「幻獣の里へ向かいましょう」
ルオ:「え、え? でも、マリーシは??」
イシル:「今は世界のためにも幻砦に向かう事を最優先すべきです。それに、あの街――マリーシには信頼できる仲間達がいます、そう簡単には落ちません」
ルオ:「え、でも……」
リーン:「決まりね、幻獣の里へ向かいましょう」
ミスティ:「勇者様……ここは」
ルオ:「うん……イシル、ありがと…行こう幻獣の里へ!!」

シーン8:幻獣の里

噂に聞く幻獣の里、しかし、その場所の特定はかなりの困難を極めていた。同じ場所をぐるぐると周り、幻覚と幻術の罠に幾度と会い。そしてようやく――
GM:とそこまで来た所で、空中から鷲とライオンを合体させたような獣に乗った人に静止されるよ。
ルオ:グリフォン?
GM:その通り。グリフォンは君達の前に降り立ち――「お前達、まさか下僕達ではあるまいな!」
イシル:「それは違う…俺はこのラ・アルメイア地方にあるマリーシ出身のイシュエルという者だ」
GM:「イシュエルだと? ふん、聞いた事(コロコロ)……あるな(笑)」
イシル:「ああ、知っていてくれたか」
GM:「そうか、お前があの…"不幸なおにぎり"か……」(一同大爆笑)
イシル:「そんな伝わり方してんのかよ!? 俺はちょっとクロトワさんみたいに、カッコよく知れ渡っているのかと思って嬉しかったんだぞ!!!」(爆)
GM:「まぁいい、君達が下僕でないのなら、こんな所で留まっているわけにはいかない……ついて来てくれたまえ」
そのまま奇怪な森を進み、途中結界のようなものを抜け、さらに森の奥へ……そして開けた場所には村が存在していた。ひっそりと…それなのに存在感のある……そんな村が……。
GM:途中に通った結界のおかげで、この里へ平和を維持しているらしい。でも、下僕達の数が増えればそうも言っては居られなくなるだろうって話だ。グリフォンの人は、君達を里まで案内すると見張りがあるからと、森へと戻って行ってしまう。
イシル:せめて里長の居場所を知りたかったんですが。
GM:じゃあそれは教えてから見張りに戻っていったって事にしよう。
イシル:では里長に会いましょう。
GM:一軒のそれなりに大きな家、そこには30中頃の精悍な男の人がいる。特徴的なのはその背中には鷲の羽根がある事だな。
リーン:鷲の羽根?
GM:うむ。そして――「君が"マリーシのおにぎり"……いや、失礼、イシル君か」
イシル:「今、本当に嫌な伝わり方しているなぁ…と再認識しました」
GM:「私はここの長を務めているガゼルという者だ。君達は一体何用でここに来た?」
ルオ:それは全部説明しましょう……それで――「これが空導王様からの書状です」
GM:「君があの運命の勇者か……話は風の噂で聞いている――悪いがこの書状は私では読む事が出来ないな……どうも各導王にしか読めないように魔法がかかっているようだ」
ルオ:じゃあ書状はしまいます。
GM:「それで、君達の言う幻砦だが……少々難しいな」
ミスティ:「行けないのでしょうか?」
GM:「いや、そんな事は無い、確かに幻砦へはここから向かう事ができる……ただ」
ミスティ:「ただ?」
GM:「行く方法が特殊なのだ……それは我が一族に伝わる"ある幻獣"の力を借りなければならない……しかし、その幻獣を使役するには特殊な才能がなければ扱えなくてな……実際、その才能をもつのは私の弟であるクラマだけなのだ」
ルオ:「??? それが何か問題なの?」
GM:「いや、あとは弟から直接聞いてくれないか……クラマは裏の池のほとりにいるはずだ」

シーン9:少年との約束

池のほとりで一人の少年が石を投げ入れて遊んでいる。その側には寄り添うように狐が座っている。狐の目は少年に構ってほしい…遊んで欲しい…そう言っているようだった。少年はその瞳に気が付いている。それでも狐の方を見ることはしなかった。そう、見れば自分も悲しくなりそうだったから――
GM:池へと向かって行くと、途中で狸がダッシュを駆ける。
政二:追いかけますよ。
GM:すると――「おい、なんだよこの狸は! ほら狐! やっちまえよ!!」――など、少年の声が聞こえてくる(笑)
リーン:狐と狸(笑)
GM:追いつくと狸と狐が戦っている、政二は1Dふって見てくれ、4以上なら狸の勝ちだ。
政二:(コロコロ)……5です。
GM:では狸が狐を組み伏せているよ――「なに負けてるんだよ! 狐の馬鹿!」――9歳ぐらいの少年が怒っている。
政二:「これこれ、狐をいじめるでない」
イシル:あんたはどこぞの漁師ですか!(笑)
GM:「あの狸はお兄ちゃんの?」
政二:「まあね」
GM:「お兄ちゃんもビーストテイマーなんだ」
政二:「ま、テイマーかな」(笑)
イシル:こちらも追いつきましょう――「もしかして、君がクラマ君かい? 実は幻砦へ行きたいんだ。力を貸してくれないかな?」
GM:「僕は確かにクラマだけど……あそこへは行けないよ。行きたいなら勝手に狐と一緒に行けばいいじゃないか」――どうやら、ガゼル里長が言っていた"代々伝わるある幻獣"とは、この狐のことらしいね。
イシル:「狐と勝手にって……だけどあの狐の力は君で無いと引き出せないのだろう?」
GM:「そう大人はみんな言うけどね……僕は狐の力なんて引き出せないし、本当は狐とパートナーにだってなれてないもん……行きたいなら連れて行っていいよ、あの狐、テイマーのお兄ちゃんにあげるよ」
ミスティ:そこで狸は焦りだす(笑)
GM:『まさかあっちを選ばないですよね!? ね? ね? ね?』って感じだ(笑)
政二:「あの狐は君のだろう? 今は心を通わす事ができなくても、一生懸命に狐を信頼し続けたらきっと通じ合う事はできるはずだよ」
GM:「そんなの無理だよ。いっぱい……試したんだ」――と、狐は鼻を少年の背中に摺り寄せたりするんだが――「あっち行け!」って追い払う(笑)
ミスティ:大人達からの期待……それに答える事のできない自分……多感なお年頃ですね。
ルオ:「クラマ君、もうちょっと頑張ってくれないかな? お姉ちゃん達、どうしても幻砦へ行かなくちゃいけないの!」
GM:「どうして?」
ルオ:「それは……幻砦に行って、この魔剣ティアマトーに力を宿す事が世界を救う事になるからよ!」
GM:「本当に? 本当にお姉ちゃん達は世界を救う為に頑張っているの?」
ルオ:「もちろん! それが私の運命だしね! 大切な人を傷つけられるのは嫌だもん!!」
GM:「他の人は違うみたいだよ……」
ルオ:「えっ?」
GM:この幻獣の里では幻獣と心を通わせる事こそ才能なのですが、このクラマはその才能が飛びぬけているのです。それは例え人間だろうと、その心の奥底を鋭い感性で感覚的に感じとる事ができる……そう考えてくれ。
イシル:それはもしや、俺が内心では『呪い』を解く事を優先しているとバレたって事ですか?
GM:バレた……と言うところまで解ったかは解らないけど、少なくとも本音は世界平和とは違うと感じ取られたようだね。
リーン:そうすると、私の本音である『力への渇望』も見抜かれたかもしれませんね。
イシル:え? リーン殿ってそんな動機で旅を(笑)
リーン:もちろんです(笑)
ミスティ:私も『自分の出生』を知りたいって気持ちは奥底にはありますし……偉そうな事は言えませんね……。
GM:「でも、一番そんな気持ちが無いのはテイマーのお兄ちゃんだね……」
政二:「まぁそうかもしれない。僕は毎日を…そして今日を生き伸びる事が精一杯だから……あまり目的とかそういうのは無いかもね」
GM:そんな事言うとクラマは仲間を見つけたとばかりに――「この世界にいるから危険なんだよ! 僕がガゼルお兄ちゃんに頼んであげるよ、そうすれば元の世界へ帰れるよ!」
政二:「元の世界へ?」
GM:「うん、お兄ちゃんはマリーシの偉い人とお友達なんだ! マリーシにはそういう事ができる"何か"があるって言ってた! だから、世界を救うなんて無理な事はやめて元の世界へ帰りなよ!!」
政二:今気が付きましたが……いつの間にか僕が異邦人だとこの子は気がついていますね(笑)――「それは……できない」――とルオ先輩を見つめます。
ルオ:え、あ、私!?
イシル:「あまり、物事を決め付けちゃいけないよ、何事もやってみなくちゃわからないんだから」
GM:「無理なものは無理だよ! お姉ちゃん達じゃ、あの戦姫達だってやっつけれらないよ!」
ルオ:「やっつけたら?」
GM:「………………無理だよ」
ルオ:「じゃあ約束する! お姉ちゃん達はこのラ・アルメイア地方からあの戦姫達を全員追っ払ってあげる! だから、それが証明できたら君は頑張って狐君と心を通じ合わせる事を練習するの!」
GM:「本当にそんな事ができるの?」
ルオ:「もちろん!」
GM:「………………わかった。本当にそれができたのなら、僕も……僕ももう一度信じてみる」――優しく悲しい瞳で狐を見つめるクラマです。
政二:「一つ覚えておくんだよ……テイマーとして重要なのは練習でも技術でも、まして才能でも無い。それはパートナーを心の底から信じてあげる事さ」
GM:「………………」
勇者達はクラマと約束をし、里長であるガゼルの前に戻ってきていた。
GM:「どうだった弟は? 君達に何か無茶を言わなかったか?」
ルオ:「無茶では無いと信じている事は言われましたね」(笑)
GM:「??? まぁあの子は少々鋭いところがあってね……気分を悪くしただろう? すまない」
イシル:「いえ、あの感受性の鋭さのせいで、いろいろとプレッシャーを感じていたのでしょう」
リーン:「論より証拠……あの子に必要なのは信じる事への確信です」
ルオ:「この地より、戦姫達を退去させます」
GM:「……そうか、わかった、ならこれからの激戦に備え、私からこれを渡そう――大変貴重な物だから、大事に使ってくれたまえ」……ユニコーンの角粉を一人分くれるよ。効果は昏倒状態回復だ。
一同:『おおお〜』
GM:「どこに向かうかは知らないが、急いだ方がいいだろう……里の入り口へ行きなさい。足を用意しといてやる」
イシル:「ありがとうございます」
GM:里の入り口までくると3体のグリフォンと一人のグリフォンテイマーが居る(笑)
リーン:船頭ですね(笑)
GM:その通り、で、船頭さんが言う――「それで、どこに向かうのですか?」
ルオ:「マリーシへ」(即答)
イシル:「勇者殿? しかしそれでは……」
ルオ:「マリーシには妹さんがいるんでしょ? できるだけ早く助けに行ってあげなくちゃね!」
イシル:「勇者殿……」
GM:2:2:1でグリフォンに乗って欲しい、1人の人は船頭さんと一緒組だ(笑)
そしてミスティ&船頭、リーン&政二、ルオ&イシルという組み合わせになる
ミスティ:イシルが勇者様と? 大丈夫?
イシル:いや、今回は自主的にペアになったんだ……そしてマリーシへ向けてグリフォンが飛ぶ中……飛び続けてから最初に――「勇者殿…マリーシ行きの事……ありがとう」
ルオ:「ううん、私もね、家族とは別々になっちゃったから……せめて会えるなら家族には会いたいじゃない?」(笑)
イシル:「勇者殿……(目を閉じ感謝し)……はい!」
リーン:と、ここで突風が吹き荒れ! グリフォンがバランスを崩します(一同爆笑)
ルオ:それはもちろん! 『ガシッ!』っと目の前のイシルに強くしがみ付きます!(笑)
イシル:なぁんだとおおおおお!!!――『ボンッ!!』――「まずい、このままでは飛ばされる〜!! 助けてくれ〜〜〜!!!!!」
ルオ:「あれ? イシルは?」
イシル:「『あれ? イシルは?』じゃねー!!! ここだここ! 早く見つけてくれ!!」――プラーナ解放して属性色の光りを(笑)
GM:"おにぎり"はこのまま吹き飛ばされないか(器用&敏捷)/2で目標値は20だ!
イシル:さっきの解放分を全て……(コロコロ)……よし! クリティカル!!! 成功です!
GM:じゃあ"おにぎり"がグリフォンの手綱に一生懸命に捕まりながら、風にはためいている(笑)
イシル:「うおおおおおぉ!!!!!」――バタバタバタッ!(一同爆笑)
プラーナを放ち輝く"おにぎり"が、グリフォンの手綱に引っ掛かりながら叫びを上げた。少年クラマと約束をして、勇者ルオ達の旅は続く。ラ・アルメイアでのプリンセス達との戦いが、今、始まろうとしていた。
真竜伝説
第3話「いざ、幻の大地へ!」

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