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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ラース=フェリア 地方名:リーン 場所名:大暗穴――

魔王タラスの玉座の前で白衣を着た少年が跪いていた。
「で、シキ……魔剣の捜索の方はどうだ? 2本目3本目は見つかったか?」
「いえ…もうしわけありません…いまだ見つかっておりません」
シキ以外に佇む魔物たちが一斉に緊張を走らせる。
それほどに魔王タラスの機嫌が伝わるのだ。
シキもこの後起こるであろう事を悟り、体を小さくする。
「シキ……ならば――」
魔王タラスが玉座から立ち上がったその時、部屋の扉から笛の音が響きだす。
「サルガクか……今の俺は機嫌が悪い。用が無いなら出て行け」
一瞬シキの顔が安堵の息を吐く、あとはサルガクが良い情報をもって来てくれた事を祈るだけだ。
「実は、とある魔剣の居所を発見しました」
「それは2本目か? それとも3本目か?」
魔王が玉座に座った。
とりあえず嵐は過ぎそうだった。
「2本目か3本目か…それは実物を見るまでわかりかねます……」
「ふん――」
「が……その魔剣、かつてこの地に現れし魔王ゼイドラックを仕留めたとか……」
「ほう、あのゼイドラックをか……よかろう、すぐに確認に参れ」
「御意に」


真竜伝説

第14話「外伝2 心からの友人」


キャラクター紹介

イシュエル=シルヴァーナ(19歳男性 ウォーリア/ライトアームズ 闇/氷)
通称イシル。女性に強く触られると"おにぎり"に変化してしまう呪いを持つ不幸者。自分の力がどこまで通じるか確かめる為旅を続けている。ミスティとはこの冒険始まって以来の仲間。

ミスティ(16歳女性 プリースト/フォーチュンテラー 幻/海)
生まれた時"世界を滅ぼす鍵"の運命を持つ子であった為、幻導王に養女に出されていた少女。仲間思いで優しい少女である。弱みは自分の中に溜め込んで決して他人に心配かけまいとする性格。

シーン1:外伝2始まる!

――ここまでのあらすじ――

 フォーラ地方の魔の森へと入った勇者一行は、黒き翼を持つ天使達の急襲に遭う。その時、タイミング良く霧が発生し勇者達はバラバラに逃げ出す事になりました。もっとも、その時イシルはシャルマに「うるさい」と怒られ"おにぎり"にされていたため、逃げるのに一苦労! "おにぎり"を一人にするわけにもいかず、ミスティが"おにぎり"イシルと共に逃げる事となったのだった!

GM:さて、始めよう。かなり逃げたのか、もうルオやシャルマの声は聞こえないね。
イシル:「ぐ……あ…」――ミスティに持ってもらっている事で(笑)
ミスティ:では一生懸命走っているので、ついつい"おにぎり"を持つ手に力が(笑)――「イシル、大丈夫ですか!? 形が少し変に(笑)」
GM:イシル1Dをどうぞ。
イシル:「くっ……、これ…しきの事、で…!」ってか1Dって握りつぶされたかどうかの判定ですか!? さっきシャルマに5/6かじられてるんですよ!?
ミスティ:あっははははは、ごめんなさい(笑)
イシル:(コロコロ)……4――「ぐはぁ」
GM:なんかイシルがベチョッとしてる(笑)
イシル:「ミス…ティ、し、死ぬ……」
GM:と、その瞬間! "ダダダダダダッ!"と紅い弾丸がミスティの周りに着弾する! 一気に吹き飛ぶ霧!
ミスティ:「きゃっ!」――とっさに屈み込みます。
イシル:「うわっ、なんだ!?」――"おにぎり"もとっさにミスティの陰に隠れます(笑)
GM:「誰だお前達は?」――黒き翼の天使が降りてきます。15歳ぐらいの外見、眼鏡をかけた少女だ。眼鏡少女の手からは煙が揺らめいている……どうやら紅い弾丸を発射したのはこの腕のようだね。
ミスティ:どうしましょう。
GM:「答えないのなら……敵と見なして排除します」――と、腕を君達の方へ向ける黒い翼の眼鏡天使。
ミスティ:「あ、待って下さい!」――両手を挙げて立ち上がります!
GM:「???」とりあえず止まる眼鏡少女。
イシル:"おにぎり"はミスティの背中の荷物袋にいます。
ミスティ:「敵では無いです…と思いたいのですけれど、私も誰が敵で誰が味方なのか、わからなのです……」
GM:「ならば私達の仲間なら誰でも知っている質問しよう……"ミカエル様"は何だ?」
ミスティ:「(小声で)…だれでしょう?」
イシル:「(小声で)……多分、異世界の偉い人のような気がする」
ミスティ:「(正直に答えた方がいいですよね)」
イシル:"おにぎり"がミスティの頭の後ろまでよじ登って返答します――「(彼女は理性的なようだ。下手に刺激しないよう気をつけてくれ)」
GM: そうこうしている間に、他の黒き翼の天使達が(コロコロ)……10人程降りてくる――「どうなされましたロボ様?」「XA−26483です!」と眼鏡天使は言い返す。どうやら、この眼鏡少女の天使はXAと言うらしい。
ミスティ:では解答します。「ミカエル様という方を私は知りません、貴方は異世界の方でしょうか?」
GM:「ミカエル様を知らない……そうか、お前達はこのラース=フェリアの民か……」
ミスティ:「え、ええ、貴方は違うのですか?」
GM:「そうか、ラースの民か……ならば死ね」(コロコロ)……『アームドシェル』の修正を加えて命中が77! 紅い弾丸がミスティに――ってかミスティしかいない(笑)
ミスティ:77ですか!?(笑)
イシル:「まずい! ミスティ、霧の晴れていない森の中へ逃げるんだ!!」
GM:と、霧のあるほうの森の前には、残りの天使兵が道を塞ぐ。
ミスティ:回避はどう考えても不能なので、足に命中して立てなくなるって事でいいでしょうか?
GM:演出で乗り切るか(笑) いいでしょう(笑) ――天使達10人とロボと呼ばれていたリーダー格――XAがジリジリと迫る。
ミスティ:う、下手に動けないですね(笑)
イシル:それは俺も同じだ(笑)
GM:と、「うわぁああ!」と天使の一般兵が(コロコロ)……3人まとめて倒れる。さらに、何かと思ってロボ達が顔を向けた瞬間、再び3人の天使が倒れる。
ミスティ:「な、何!?」
GM:すると、森の中から一人の少女がゆっくりと姿を現します。白いワンピースを着た場違いな少女、黒の長髪で"病弱"雰囲気を持っている。体系的にはミスティと同じぐらいの華奢な女の子だ。そして彼女の手には両手剣が握られている。
ミスティ:しりもちをついた状態でずりずりと後退します
GM:少女が威圧すると、ロボは忌々しげな表情で――「くっ、すっごくうれしい!!!」と吐き捨てて去っていく。同じように撤退する天使達
イシル:「嬉しいのか悔しいのかどっちだ!」――思わずミスティの頭の後ろから"おにぎり"がつっこみます(笑)
GM:少女は手に持った魔剣を虚空へと消すと、ミスティへと近寄って行く。
ミスティ:「あ、あ、あ…」――なおも後退、木に当たって止まります。
イシル:「落ち着けミスティ! 彼女は敵じゃない!……と思う」(笑)
GM:少女はミスティの側に来ると傷ついた足に何か、平べったいバナナの中身みたいのを押し付ける。
ミスティ:驚いた感じで少女を見上げます。
GM:ミスティの足は回復します。そして少女は微笑み――「大丈夫でしたか?」
ミスティ:破れたスカートの裾から傷を確認して……「あ、ありがとうございます。"私達"を助けてくれたのですね」
GM:「"達"?」
イシル:「ええ、危ないところをありがとうございました」――"おにぎり"がミスティの頭の上に登り、言う。
GM:「だ、誰? 誰か他にいるの? まさか…敵!? 『フロム・ビヨンド』!」少女の手にさっきまで持っていた魔剣が戻ってくる!――「ど、どこ!?」(笑)
イシル:「いやいやいや! こっちですって!!」
GM:「………………えっ?」
イシル:ミスティの頭の上で跳ねます。
ミスティ:「まって! イシルはおにぎりだけど敵ではありません!」
GM:「おに……ぎり?」
イシル:「おにぎりって言うな〜〜! こらミスティ! 間違った知識を植え付けるんじゃない!!」(笑)
GM:そろそろ人間に戻っていいぞ(笑)
イシル:「ふぅ、やれやれ……ところで失礼ですが名前を聞いても?」――と少女に。
GM:「私はサシャです。あなた方は?」
イシル:「マリーシの剣士、イシュエルと言います……呼びにくいでしょうから、イシルと呼んで下さい」
ミスティ:「ミスティです。勇者様を導いてここまで来ましたが…先ほどの霧の中ではぐれてしまいました」
GM:「そうですか……とにかく、ここは今危険です。どこへ向かうにしろ、いったん私の家へ来ませんか?」

シーン2:サシャ

彼女――サシャの導きにより、いったん彼女の家へ行く事となった二人。歩きながら聞いた話によると、今、この魔の森は良い天使と悪い天使が戦争をしているらしい、その天使達は両陣営とも黒い翼を持ち、どうやら異世界の住人との話だ。そして数十分も歩いていると、とある湖が見えてきてその辺(ほとり)に家が立っている。それが彼女の家らしい。
イシル:「あれが…君の家?」
GM:「はい、前にグリューナ王から貰った、森内における風の通り道や、空気の正常な部分を記した地図がありますから、それを見れば森砦へも無理せず行けるはずです」
イシル:「おお、それはありがたい!」
GM:では家に到着しました。サシャは「ただいまお兄ちゃん」と声をかけて家に入りますが、別に"お兄ちゃん"らしき人物の返事は返って来ない。
イシル:「2人暮らしなんですか?」
GM:「ええ、兄と二人で」
イシル:「……」――色々と見回して、(今ごろ俺の妹のマフィンは、故郷で頑張っているのだろうか?)と、望郷の念が(笑)
ミスティ:「イシル?」
イシル:「あ、すまない。少しばかり故郷を思い出してしまった」
GM:ちなみにサシャは家の中を奥へと入って行ってしまいます。
ミスティ:「お兄様はお留守なのでしょうか?」――声だけを奥のほうへ向けます。
GM:「…いいえ……あ、でも留守って言えば留守…かな?」――と、ちょっと悲し気に笑うような声で奥の方から返答――「もうちょっとだけ待っていて下さいね」
ミスティ:心配そうな顔をイシルに向けます。
イシル:「噂で聞いたことがある――フォーラの森に住む、勇者の血を引く兄妹を」……ポツリ、何か思い出したように呟きます。
ミスティ:「勇者の血を引く兄妹……ですか?」
GM:ではイシルが語ろうとする前に、タイミング良くサシャは戻ってきます――「さ、ミスティさん。足を見せて下さい。さっきは咄嗟に使ってしまいましたから…」っとミスティのスカートをたくし上げる。
イシル:「うわぁっ!?」(笑)
ミスティ:咄嗟の事に驚きながらも…「ハッ!?」っと、イシルの方を見ます(笑)
GM:サシャもイシルを見る(笑)
イシル:慌てて後ろを向きます!――「す、すまないミスティ!」――取り繕うように出て行きます。

シーン3:心の内

GM:「どうやら、リーフだけで問題なかったみたいですね、よかった、痕とかにはなってないみたい」
ミスティ:「はい、ありがとうございます。もう痛みもないです――あれは…魔法のお薬でしょうか?」
GM:「ええ、まぁそんな所です♪」
ミスティ:「ありがとう」――といってそそくさと服を整えます。
GM:さて、そんなミスティは壁に立て掛けてある魔剣に目が行く、少女が振り回していた剣だ。いつの間にか部屋へと転送していたらしい。
ミスティ:「あの、この剣は…」と言って近づいてみます。――そしてイシルのような男の人ならともかく、私と同様…いえ、私より小柄で細いサシャがこのような巨大な剣(両手剣)を振っていた事に驚きます。
GM:「それは、父の形見なんです。父は私達に降りかかる運命を知っていたのか、この魔剣を残してくれて……」
ミスティ:その巨大な剣と少女をかわるがわる見ます。――「降りかかる運命……それで闘う術(すべ)も覚えたのですか?」
GM:「はい。……どうかされましたか?」
ミスティ:「そうでしたか…」(何か少し考えているように)
GM:「?????」
ミスティ:「あの、よろしければ、その…私に剣の振り方を教えてはもらえないでしょうか?」――と、奥にいるイシルのほうを気にしながら控えめに言います。
GM:「剣の?……でも、見たところあなたはプリーストでは?」
ミスティ:ゆっくり首を振る「私は今まで皆さんに守ってもらってばかりでした…」――自然と手をポンポンだった紅い肩当に触れながら……。
GM:サシャは静かに聞いています。
ミスティ:「でも…駄目なんです。私はこのままじゃ……、このままじゃ何のために居るのかわからない! 自分の身も守れず、人にだって……守ってもらってばかりで……これじゃ、あの頃といっしょ…迷惑かけてばかりで……」
GM:頭に浮かぶは闘技場で散っていった老騎士。
ミスティ:「少しでも、一緒にいたいんです……。自分勝手なわがままだって事は分かっています……でも! それでも皆の役に立ちたいんです。だから…・・おねがいします!」(深々と頭をさげます)
GM:「………………」
ミスティ:「…嫌なんです…もう、支え合ってすら…いない…わたし、私…!!」――泣きます。
黙って聞いていたサシャだったが、最後まで聞き終えると、優しい瞳でミスティへ微笑み――

シーン4:兄

GM:一方、部屋を出たイシルですが、間違えて家から出る扉ではなく家の中へと続くドアを開けてしまい、ちょっと困っています。
イシル:あら?
GM:家から出る扉はサシャ達がいる部屋にしかない(笑)
イシル:「困った……ドアを間違えたのか」――キョロキョロと周りを見渡します。「(ここでは話が聞こえてしまう)」――そう思い、手短なドアをそっと開けます。
GM:その部屋にはベッドがあり、そこに誰かが身を起こしている。少年だね。
イシル:「あ、これは失礼!」と、慌てて部屋を出ようとしますが、その少年の感情の現れない表情と虚ろな瞳を見て立ち止まります。……そして――「君…いや、あなたがサシャさんのお兄さん、ですか?」
GM:「………………」少年は答えない。
GM:イシルは気が付く、この少年の部屋が隅々まで掃除が行き届いている事を、きっと毎日欠かさず綺麗にしているのだろう。君にも身に覚えがある(笑)
イシル:「良いものですね、兄妹とは」――部屋に入りましょう。微笑みながら、ふと語りかけます。
――そうだね――
GM:イシルにはなぜか少年の声が聞こえた気がした。
イシル:「え? 今のは???」……少し驚きましたが、再び微笑みながら少年の傍へと歩み寄ります。
GM:ベッドの側には丸イスが置いてある。
イシル:「少しの間、失礼します」――そう言い、イスに静かに腰を下ろします。
GM:「………………」――イシル、君は噂で聞いたことがある。その少年の名はヒューガ、魔王エンディヴィエが初めて覚醒した時、それを封印した伝説の勇者。その彼は今や何も言わない。
イシル:この人は勇者として、サシャさんの兄として、何をしたのだろう……とか想像しちゃいます。この人も"兄"なんですよね――「大変な冒険だったのでしょうね……俺の想像以上に……」
GM:「………………」
イシル:「もし、勇者という運命に生まれてこなければ……」―― 静かな面持ちで、ヒューガへと顔を向け――「あんなに大変な思いをしなくてすんだのに……あなたは、そう、思った事はありませんか?」
GM:それに答えは無い。時間だけがゆっくりと過ぎていく――窓から入る風が、優しくカーテンを揺らしていた。
イシル:「正直、不安なのです」――数秒の沈黙の後、視線をそらしながら言います――「俺は…"世界を救う勇者を導く"という使命を持っています。ですが、時折思うのです。"勇者"と呼ばれた者は……皆が皆、自ら望んで戦いに身を投じたのだろうか、と」
GM:イシルは思う、子供の頃から聞かされ続けた。この世界を救った幾多の勇者の話を……そして今、"勇者"と皆から言われているルオを……。
イシル:「もしかしたら……全くの普通の人生を送りたかったのかもしれない――と」
GM:勇者だった少年は、ただ黙って聞いている。
イシル:「俺は……いや、俺の取った行動は――(押し黙る)」
その先をイシルは語らなかった。まるで、その先を口にするのが恐ろしいかのように。

シーン5:僅かなる異変

GM:場面は家の外、湖のほとりです。そこでは剣撃が響いています!
イシル:その音を聞きつけて、急いで外に出てきていいでしょうか?
GM:いいよ。じゃあイシルは出てきた! さぁ、そこで見たものは!? どうぞミスティ、自分で描写して下さい(笑)
ミスティ:「まだです! まだ、終わるわけにはいかないのです!」
イシル:それはクロトワさんだーーー!!!(一同爆笑)
ミスティ:バレましたか(笑) ちょっと手など、ぼろぼろになりながらも、もの凄く危なっかしい太刀筋でサシャに挑んでいます!
GM:サシャは流れるように相手をしますが、たまに強く打ち返しましょう。
ミスティ:では、そのタイミングで、どこで覚えたものかイシルの真似事をします。あくまで真似事なので、タイミングを合わせるだけ!――居合(笑)
イシル:その居合を見て即断――下手の真似事! それじゃあ駄目だ。自分の得意技ゆえに俺はアレが明らかな失敗だと分かる、このままでは!!(笑)
GM:サシャは見切っているのか、そのまま斬撃をミスティに繰り出す! 後の先って奴だ。
イシル:「なっ……!?」――駆け出す俺!――「その太刀筋は―――危ない! ミスティーー!!」
ミスティ:そこで初めて、私の居合は失敗している事に気が付きます。近づいてくる剣から目が離せません!(笑)
GM:ガッキィン!!!! と割って入って止めるイシル!
イシル:「練習してたのではないのか!? いくらなんでも、その勢いで当たったら――」
GM:と、そこでイシルは見る。サシャはすでに目を閉じており、口元から血を垂らしながら気絶しているのを……。そう最後の剣撃の途中、勢いをつけたところで気絶したらしい。
イシル:では倒れるサシャを抱きとめて……って抱きとめちゃ駄目だろ俺!!!(一同大爆笑)
GM:『ボンッ!』(爆笑)
ミスティ:あははは♪(大爆笑)
イシル:結局、"おにぎり"になりながら先ほどの続きを言います。「ミスティ……一体お前、何をした?」
ミスティ:そこで…イシルは見た気がします。サシャの先で横薙ぎにはらった体勢のミスティの身体に黒いオーラが渦巻き、そして消えた気が……。
イシル:「……(今のは一体? ミスティ、お前は――)」
GM:シーンをサシャの寝室に変えます。

シーン6:心の中の真実

GM:ヒューガの部屋とは別、サシャの部屋です。サシャはもう気がついておりベッドから身を起こしています。――「ごめんなさい。せっかくの稽古だったのに持病の癪が出てしまって、途中で気絶してしまったみたいで……」
ミスティ:「大丈夫ですか? いえ、私が無理に言ったばかりに…ごめんなさい」
GM:「そんな事はありませんよ、あなたの気持ちは私にはわかります」――と微笑む。
イシル:「しかし……驚いたな。何事かと思ってみたら、稽古をしているとは――って、サシャさん、まだ病は癒えてないのですか? 噂ではグリューナ王から貰った10年分のリーフで持病の病も癒えたとか……」
GM:「実は……」と、サシャが話すには――10年分のリーフ(イシルの説明によれば万病に効く葉っぱ)をグリューナ王から貰ったんだが、そのグリューナ王の城が黒き翼の天使達に乗っ取られて、王達は森砦へと立て篭もって抵抗しているらしい。そこで兵士達が怪我をした時とかに必要だという事で、一時的にこの家に在庫してあったリーフを全て、森砦にサシャは差し出したらしい。
イシル:悪いのグリューナ王じゃん(笑)
GM:ちなみに、ミスティの足に使ったリーフが自分用に取っておいた最後の一枚。もちろん、グリューナ王からは――『かわりと言ってはなんなのじゃが……』と聖樹の元へ行き自由にリーフを取って来る事を許可されたらしい。
イシル:「では……あなたは病んだ身体で!?」
ミスティ:「!」息を呑みます。
GM:「最後の一枚があったら、持つと思ったんですけど」――と苦笑します――「でも、こうやって心分かり合える友達に出会えたのですから、私は後悔していませんよ」(笑)
イシル:「くっ……!」
ミスティ:「サシャさん! サシャさん!」手を強く握ります。
GM:サシャは嬉しそうにミスティの手を優しくにぎりかえします。
イシル:辛そうな顔をして、顔をを背けましょう。
GM:ではイシルが二人に背を向ければ、そこには森の地図が飾ってあり見ればもちろん聖樹への道順もわかる(笑)
イシル:「……サシャさん、しばらくこの地図をお借りしても良いでしょうか?」――振り返り地図指しながら言います。
GM:「はい? え、ええ……いいですけど……」
ミスティ:「…待って! 私も行きます!」扉を出ようとするイシルに声を!
イシル:「いや、ミスティ。お前は残ってくれ」
ミスティ:!?
イシル:「病の床に伏した命の恩人を……放っておくわけにもいかないだろう?」
ミスティ:「馬鹿を言わないで下さいっ! これ以上、これ以上、私に待ち続けろって言うのですか! 私には友達を助けることもできないの!?」
イシル:「違うっ!!」――珍しく、大きな声で怒ります!
ミスティ:「私がここで何もできなかったら……」――で、『違う!』と聞いてビクっと言葉を止めます。
イシル:「お前は、何か行動を起こさなければ"助ける"、という行動に繋がらないとでも思っているのか? こ
こに残り、サシャさんと色々と話しているだけでも、彼女のためになるんじゃないのか?」
ミスティ:「………………」
イシル:「お前にはお前の――俺は俺のやれる事をやるのが、一番良いのさ」――そう言ってブレードを掴み、走って一人家から出て行こう(笑)
ミスティ:う〜、とられたぁ(笑)
GM: 部屋には二人だけ。
ミスティ:サシャさんの方を見て――「そんなんじゃないんです、私は……」と言って口ごもります。
GM:サシャは言いましょう――「イシルさんの言うこともわかります。でもミスティ、あなたは守りたいのでしょう? 体は動かせませんが……見ることと話す事ぐらいならできますよ」――とサシャの視線は部屋に置いてある剣に。
ミスティ:「はい…でも、もしかしたら…ホントは……それすらも、理由に過ぎないかも知れません……」
GM:黙ってサシャは聞こう。
ミスティ:「こんなの、嫌だと、そう思います…でも、どうしても抑えることができないんです……皆と一緒に居たいから、自分がそうしたいから……私は、皆に認めて欲しいって、そう思っているだけなのかもしれません……」
GM:「ミスティさん……」
ミスティ:「他の皆さんは、とても強くて…それがかえって私を不安にさせて……簡単に言えば、劣等感……守られてばかりいた私が、いつ、あの場所に居られなくなるのかって思ってしまって……そしたら、不安で……だから、必死だったのかもしれない、自分の居場所見つけるために…そんな理由で…勝手で…我侭で…」涙を浮かべ始めます。
GM:サシャはベッド脇に座っているミスティの頭に手を。
ミスティ:「でも…でも…!!」――サシャに抱きつくようにして泣き始めます――「私、今、わかってしまったんです……それって…それって…皆のこと、全然、全然…信じてない!!」子供のように泣き声を上げます。

シーン7:サルガク急襲

その後、イシルが帰って来るまで、魔剣を借り剣術の修行を行うミスティ。昼間は窓から声でサシャに指示を貰いながら鍛錬し、夜は月明かりのもと一人自主練に励んでいた……。
GM:場面は夜、ミスティは復習するように自主練中。家の横にある湖面に月が映っており、"リンリンリン"とか"リィーンチロチロ"とか、他にもかなり高い音など聞こえる。さすがに森です(笑)
ミスティ:少し疲れて、水面に映る月と自分、そして魔剣を眺めています。
GM:と、ミスティは家から誰か出てくる気配を感じるよ。
ミスティ:??? 振り返ります。
GM:知覚ジャッジ目標値は12です。気がつかないと背後まで来られてしまいます。
ミスティ:(コロコロ)……ふぁんぶる(笑)
GM:では、その影はゆっくり近づいて行き……。ミスティは背後に立たれてからやっと気がつく!
ミスティ:きっと湖面に影が差したのでしょう!――「!!」息を呑む音と共に振り返ります!
GM:その影はすでに何か細長いモノを振りかぶっている!(コロコロ)……15で命中。
ミスティ:(コロコロ)……14!?
GM:ダメージは(コロコロ)……31点の物理です。
ミスティ:避け切れずに左肩を思いっきり打たれます。
GM:打たれる? 違うぞ――君は肩口からばっさり"斬られた"!
ミスティ:えっ? 斬られるのですか!?―― 「きゃぁっ!」痛みとともに恐怖の眼差しを犯人に向けます。
GM:それと同時に家の方から声が――「やめてお兄ちゃん!」ドアのところに血を吐きながら崩れ落ちているサシャ、もっともその血は自分の持病のようだがな(笑)
ミスティ:「……え? お兄…さん!?」――そこで、やっと月明かりに犯人の姿がはっきりと見えます!
GM:そう、ミスティの目の前で剣を振り上げたのは、サシャの兄、ヒュウガだった!
ミスティ:「どうして?」
GM:ここは演出で構わないよ(笑)――ヒュウガは無言でミスティを斬りつけます。
ミスティ:肩口を押さえて、驚きを隠せないように避けます!
GM:無表情のまま、君に対してヒュウガは剣を躊躇無く振るう! 森の響き合う虫の声だけが、やけに耳に障る!
ミスティ:じゃあ、ぎりぎりのところで受けながら後退します、どん! 背中が木にぶつかりました(笑)
GM:スッ……ヒュウガの剣が上段に構えられる。(コロコロ)……16命中(笑)
ミスティ:じゃあ――
イシル:待てミスティ! ここは俺の出番だ!(笑)――ミスティが身構えた瞬間、君の前に別の人影が現れる!
ミスティ:ぅぁ! ちょっとかっこいいです(笑)
イシル:「そこまでだ!」――ッキンッ!!
GM:じゃあ受けられた(笑)
イシル:ヒュウガの剣をヒュウガごと弾き返し――「くっ、嫌な予感がしていたのは……これだったのか!」
GM:ヒュウガは何も答えない。イシルが前に部屋で見た時と同じように、うつむいたような視線で瞳は虚ろだ。
ミスティ:「イシル!?」
イシル:「無事でなによりだミスティ。そして……ヒュウガ!――何があなたを操っているんだ!!」
ミスティ:操る? そうか! GM、さっき描写していた"かなり高い音"って言うのは本当に虫の声ですか? もしかして笛の音だったりしませんか?
GM:どうぞ知力ジャッジです。目標値18(笑)
イシル:ギャー! 知力は低い〜〜!(コロコロ)……15。無理(笑)
ミスティ:知力は17ですとも♪(コロコロ)……25成功です!
GM:ミスティは気がつく、その虫の声に混じって明らかに虫の声ではない響きが含まれている事に! そう、その音は……君の予想通りだ(笑)
ミスティ:「この音は……いけません! この音、イシル! サルガクです!」
イシル:「な、なんだとっ!?」
GM:じゃあ気がつかれたから出てこよう(笑)――「おや、もう少しだったのですが……演奏が始まってからの途中入場はお断りしておくべきでした………」イシルが視線を向ける方向、森の影の中からサルガクが現れる。
イシル:「こんな時に出会ってしまうとはな!」
GM:「それはこちらの台詞でございますよ。どうしてあなたがたがここにいるのです?」
イシル:「危ういところを助けてもらったのさ」
ミスティ:「サルガク、何のつもりですか? 今度は何をたくらんでいるのです!」
GM:「企んでいる? もう用は済みましたよ。空導王が集めし500人の勇者、その中でも最後の勇者と言われたサシャ……それほどの方の物ならば、残りの2本のうちが1本であってもおかしくない…そう、思ったのですが……」
イシル:「残り2本の内の1本……?」
ミスティ:今のうちにサシャの方へ走ります!――「サシャ!」
GM:「おやおや、そうはいきませんよ?」――サルガクが横笛を吹き、同時にヒュウガがミスティの進路を邪魔――
イシル:「させるかっ」ヒュウガとミスティの間に割り込み!――「ヒュウガさん思い出せ! あなたには聞こえないのか!?」
GM:「………………」
イシル:「あなたの事を想う、妹の心の叫びが! ……下らぬ音色に心を惑わされている場合か!?」
GM:「………………」ヒュウガは答えない。
ミスティ:私はサシャのいるところ、玄関に着いて良いのでしょうか?
GM:そうだね、ヒュウガはイシルが相手をしてくれるみたいだから、ミスティは玄関に着きました。しかし、その場にサシャは居なくなっている。
ミスティ:「…え? サシャ!?」――探したいです!

シーン8:魔剣継承

笛の音が早まり、それと共にヒュウガの剣速も増して行く。
GM:「さあヒュウガの――勇者の剣にかかって死んで下さいませ」
イシル:「甘く見るなよ!? 操られた者の剣で簡単に倒されるわけにいくか!」
GM:だが、剣速はますます早く――
イシル:「くっ、一撃ごとに早くなっていく……ぐぁっ!」――ちょっと肩口を切られた演出です(笑)
GM:ヒュウガは無表情にイシルに迫る。
イシル:「確かに早い…だが、感情の篭っていない剣など……!!」

ミスティ:
(ナレーション風)『ガキィィーーーン!!!』――夜の闇に一際澄んだ音が響き渡った!
GM:イシルのブレードでヒュウガの剣が弾き飛ばされる!

イシル:
「しょせんはサルガク、お前の演奏だ…剣筋の癖は見切った」
GM:「おやおや……では第二楽章へと参りましょうか……」――とのサルガクのつぶやきと共に、ヒュウガの口から声が零れる――『フロム・ビヨンド』
イシル:なっ!?
GM:ミスティは夜中の練習に、サシャから借りてた魔剣を使っていたのかい? それとも普通の剣?
ミスティ:せっかくですから、魔剣で練習していました(笑)
GM:ではヒュウガは今まで普通の剣で襲ってきていたわけだが、ヒュウガの呟きと共に、ミスティの手からヒュウガへと魔剣が転送する!
ミスティ:玄関先でサシャを探そうとしながら驚きます(笑)
イシル:「なっ……バカな!? その剣は!!」
………………………………………………………………………………………………
GM:では家の中、ヒュウガの部屋の中で倒れているサシャ。ま、病弱なのに無茶したからだな。
ミスティ:名前を呼びながらゆすり起こそうとします。
GM:「クローゼットの中を……本当は、本当は私がやらなきゃいけないんだけど……お兄ちゃんは…お兄ちゃんだけは、私が助けないといけないのに」――と血を吐きながら、悔しそうに涙を流します。
ミスティ:「分かった、分かった…だからサシャはゆっくりしていて下さい! お兄さんは必ず私が助けます!」――クローゼットを見ます!
GM:そこには一本の剣がある。見てそれとわかる――魔剣だと! 大きさはバスタードソードちょい大(笑)
ミスティ:それを手にとってサシャに向かって言います!――「必ず! 必ず助けて見せます、サシャの力を貸して……」サシャの手を握り、上体を起こすように。
GM:「……うん、お願い」――最後にミスティの手を強く握って、サシャは気絶。
ミスティ:サシャを寝かせると「信じて!」っと一言だけ言って外に走ります!

シーン9:新しい道

イシルとヒュウガの戦いは一進一退を続けていた。2人の剣撃の音がサルガクの笛の音にリズムを与え、湖面に響く協奏曲となっていた。
GM:「さぁ、勇者の手にかかって死んで下さい! あなたにはもったいないレクイエムですよ」
イシル:「勇者だと!?」――"ギインッ"ヒュウガの剣を受け止めながら言います。
GM:「あきらめの悪い方です」
イシル:「これ以上、貴様のくだらん三文劇で犠牲者を出すわけにはいかない!」
GM:「ほう、言って下さいますね……」サルガクの演奏が激しくなる。
イシル:"ピッ!"と血が頬から飛び――先ほどまでは避わせていた攻撃が、段々と鋭さを増す!
GM:「まだまだスタッカートは尽きませんよ」――演奏がどんどんアップテンポに!
イシル: 「くうっ!」
ミスティ:そして遂にいつしか、イシルは防戦一方の展開になってゆく。
イシル:やがて……「ぐあぁっ!」(笑)
GM:"ギィーーンッ!"吹き飛ばされるイシル!
イシル:強すぎる力に木に叩きつけられ、倒れた俺の近くに"……ザシュ!"と剣が大地に突き刺さる。――「く…そ……」――俺は必死に、剣に手を伸ばします! が、その伸ばした手はあと少しのところでヒュウガによって踏みつけられる!(一同爆笑)
GM:(笑)――「さぁ、そろそろ終演といたしましょう」――ゆっくりと剣が――
イシル:「……!」
GM:振り上げられ――振り下ろした!
イシル:「(俺は…ここまでなのか―――!?)」

ミスティ:(ナレーション風)走馬灯のように走る顔――アルゲル、アルゲル、アルゲル(一同超爆笑)

イシル:
待ていっ!!!!(←全力の叫び)
GM:大笑いだ(爆笑)
ミスティ:ぅぁ…やな走馬灯(笑)
イシル:お前が言ったんだろう!!  なんでアイツしかいねぇんだよ! 妹のマフィンとかいるだろうが!! クロトワさんとか!!!(一同爆笑)
ミスティ:ごめん…おもしろいと思ったから、あははは(爆笑)
イシル:くっそ〜〜!!!
ミスティ:でも、このままではイシルが死んでしまうので登場しましょう――"ガキィィーーーン!!!"
GM:「なんです!?」――驚愕のサルガク! 逃げたと思ったミスティが帰ってきたから驚いたらしい(笑)
ミスティ:イシルが目を開けると、そこには両手剣を持ったミスティが剣を止めています。
GM:「さすがに驚きました。まさかあなたが剣を携えて帰ってくるとは……」――落ち着き払った声で、サルガクが言う。
イシル:「生きている?……ミスティ!?」
GM:ヒュウガが今度はミスティに向かって剣を構え――後ろでサルガクが言う「しかし……剣を持ったところであなたに何ができると言うのです?」
ミスティ:「サシャ…力を貸して! 勇気を私に下さい…もう何も、失いたくないんです! 守ってみせます! ここで守れなければ、私は…私は…!!!」――そういってヒュウガさんに飛び掛ります。
GM:が、ヒュウガはミスティの剣を止める!――「さあ、勇者ヒュウガ……。終演(フィナーレ)と行きましょうか…!」――ヒュウガが剣を振り上げる! が、そこでサルガクは「はっ」と気がつく。
ミスティ:???
GM:ミスティの魔剣を見て「はっ」とする表情のサルガク――「いや、しかし………ふむ………今回の所は引いてあげましょう」
ミスティ:「どういうこと?」
GM:「たとえヒュウガとはいえ、勇者は勇者……ここで下手に力をつけられても後が困りますから」――笛の音が止む。糸が切れたように倒れるヒュウガ。――「それでは皆様、またの再演をご期待下さい……」森の中へと消えて行くサルガク。
イシル:「待て! サルガク!」
ミスティ:「ヒュウガさん!」
GM:両方の絵が斜めに入った中心線を挟んでコマ割してある漫画みたいな場面だ(笑)

シーン10:親友として

GM:ではエンディングです。今は家の前。イシルの取ってきたリーフによって、サシャも回復しました。また、サシャが自分で取ってこなくてもいいように、イシルはリーフを余分に取ってきたでしょうから、サシャの家にはリーフが備蓄されました。今は朝です。
イシル:では仲間との合流場所である森砦の場所を玄関のところで聞いていよう。
GM:サシャはドアの所、二人はドアの外だね。「森砦へは地図の通りこことここと……」とサシャは説明してくれました。
イシル:地図をしまいながら――「色々と、ありがとう」
GM:「いえ、こちらこそリーフを取ってきて頂いて……」とお辞儀。そしてミスティへ向き直り――「お別れだね?」
ミスティ:「ううん、そうではないです」
GM:「???」
ミスティ:「お別れなんかじゃない、必ず帰ってきます。また、お話しましょう?」
GM:「そうだね……これでお別れなんて寂しいものね? うん、約束する、私待ってるよ」
ミスティ:そして小声で――「(この間の話したこと、イシルには内緒です)」
GM:サシャは小声に微笑む――そして。
ミスティ:同じように微笑みます。
GM:で、別れ際。サシャはミスティに一本の魔剣を渡します。それは最後にクローゼットから取り出したものです。
ミスティ:「サシャ? これは…」
GM:「魔剣リンドヴィル――きっとあなたの役に立ってくれる」
イシル:リンドヴィルかいっ!!
ミスティ:知っているのですか?
イシル:有名な魔剣だ。詳しくは『フォーラの森砦』に載っている"宝珠の七勇者"を参照だ!
GM:「あなたに――あげる」
ミスティ:「ありがとう…ありがとう!」別れ際に抱きつきます
GM:サシャも同じだね! 別れを惜しむよ。
イシル:「ミスティ……」
ミスティ:ハッ…としましょう――「仲間が待っています、サシャ……」
GM:???
ミスティ:「――行ってきます!」
GM:「うん、行ってらっしゃい!」
………………………………………………………………………………………………
朝日がきらきらと輝き、森が一際さわやかな風を運んでくる。
ミスティ:そういえば"行ってきます!"って言ってどこかを出たのは初めてかもしれない…。
イシル:成長したなミスティ(笑)
GM:さわやかな風の中を二人、森の中を森砦へ向かって歩いていく。
ミスティ:少し、無言で歩いた後にイシルに突然言います――「ねぇ…イシル?」
イシル:「ん? どうした?」
ミスティ:「前から少しだけ、聞きたかったのですけど……」
イシル:「???」――歩きながら、無言で言葉を待ちます。
ミスティ:「もし…もし、私たちがラ・アルメイアで出会ったあの日に……私の事を『家出してきたお姫さま』って分かっていたら……一緒には連れては来なかったでしょう?」
イシル:「………………半々、かな」
ミスティ:「半々?」
イシル:「そのまま姫として暮した方が幸せだったのかしれない……そう思う時もあるさ。だが、外を……未知の世界を知りたい、という気持ちも俺には解るからな。……だから半々さ」
ミスティ:「そう…なら、おあいこですね!」そう言って前を向いてさっさと歩き出します。――「ほらほら、早くしないと皆において行かれちゃいますよ?」
イシル:「おあいこ?」
ミスティ:「ふふ、い〜の、い〜の!」
イシル:首を捻りながら、ミスティの後を歩く俺。
――朝の木漏れ日が、暖かに彼らを見守っていた――



真竜伝説
第14話「外伝2 心からの友人」

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