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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ラース=フェリア 地方名:リーン 場所名:大暗穴――

「パンジャが暴走したか……」
深遠なる闇の支配する玉座に座り、男――魔王が呟く。
その声には興味や感慨も無く、ただ淡々と事実を呟いたに過ぎなかった。
「どうなされましょう。パンジャ……あれもまた鍵の1つ」
玉座の前には道化化粧のサルガクが控える。
「放って置け、アレは森の再生を司る。例え死しても蘇る。シキにでも転生後の場所を調べさせておけ」
「御意に……」
サルガクが頭を下げると共に玉座で動く気配がした。
魔王タラスが立ち上がっていた。
「魔王……様?」
魔王は虚空を見つめるごとく、ただ一点を遠く凝視し……やがて笑った。
「ふっふっふっふっ……ついに我等が母が1人になったか。これぞ運命!! ――サルガク!」
「はっ」
「どうやら森とは別の鍵がまた、支配を抜けたようだ……それはお前に任せる」
命令だけを言いつけると魔王タラスが部屋の扉へと進んでいった。
その顔にはニヤリと邪悪な笑みを浮かべて。
「魔王様……どちらへ?」 「知れたこと、この好機……逃がす手は無い」


真竜伝説

第16話「湯けむり時々思わぬ再会!?」


キャラクター紹介


ハラハラ=ルオ(17歳女性 エクセレントウォーリア/魔剣使い 火/虚)
魔剣ティアマトーを唯一使用できる運命の勇者。TRPG初心者ながら奮闘している。常に前向き思考だが、先日、魔剣を暴走させていまいその事で勇者としての自信を喪失中。アルゲル用あだ名は「勇者」


イシュエル=シルヴァーナ(19歳男性 ウォーリア/ライトアームズ 闇/氷)
通称イシル。女性に強く触られると"おにぎり"に変化する呪い持ちな不幸者。自分の力がどこまで通じるか確かめる為旅をしている。アルゲルが死んでからは時々寂しげ。アルゲル用あだ名は「"おにぎり"」


リーン=ハインリヒ(7歳女の子(本当は27歳) ナイトウィザード/ぷち 冥/虚)
常に冷静なベテランウィザード"だった"。必中のレンガは「イリュージョン」の掛け声で無限に出てくる。一度死亡し生き返った際、副作用で体が7歳に縮んでしまった。最近では精神的には27歳に戻りつつある。


シャルマ=オーヴェルン(17歳女性 エンジェル/ソーサラー 冥/火)
かつて混沌軍悪魔兵団団長ダークネスだったが、魔剣ティアマトーの力で浄化され邪悪な呪縛から解き放たれた。同じ天使仲間<人造天使第一師団>と共に世界の為に戦っている。頼りになるお姉さんである。
.

シーン1:極寒の地アルセイル!

怒りに燃える混沌軍超獣魔団団長パンジャ……彼女の決闘の申し込みを回避し、なんとかアルセイルまでテレポートした勇者達。しかし、現れた先は上空2000メートルの空中だった……。
GM:ってなわけで、ただいま上空2000メートルに出ました(笑)
イシル:「お、落ちるーーーー!!」
ルオ:「え、あ、わ〜〜」(笑)
シャルマ:落下ダメージを無効にする魔法(コロコロ)……『フェザリィ』発動成功!
イシル:ズリぃ!(笑)
リーン:『可愛い光線』をシャルマに! 私を助けて!
シャルマ:じゃあリーンだけは助けた(笑)
リーン:「ふぅ」
イシル:"ふぅ"…じゃねー!! 自分ばっか助かってんなよ!!
シャルマ:しょうがないわね(笑) リーンは私の首に掴まっていて貰って、左右の手で残りの二人をつかむわよ!
GM:じゃあそれはつかめたことにしよう、だたし、ルオとイシルは自分の筋力を目標値に敏捷ジャッジね、失敗すると自分の体重を支えきれなくて、シャルマの手を離しちゃうから(笑)
ルオ:(コロコロ)……大丈夫、そんなに重くないもん(笑)
イシル:(コロコロ)……居合の剣士を舐めないで貰いたい、敏捷は一番高い能力値です! 成功!!
GM:では全員、雪の上に着地しました。そこかしこは白銀の世界、しかも吹雪いているね。
ルオ:「さぶーい」
イシル:何か見えないかな?
GM:近くに灯りが見えるから、宿場町か何かがあるようだね。
イシル:「あっちに村がありそうだ。行こう。このままでは凍え死ぬ」
リーン:地面は雪なのよね?――「ああっと、すべった〜!(←ざーとらしく)」――ガッシィ! とイシルに(笑)
イシル:来ると思ったよ! だから早く村に行きたかったんだ!(コロコロ)……4分。
リーン:で、ついでだからそのまま"おにぎり"に圧し掛かる(一同爆笑)
イシル:「ぎゃー! 潰れる潰れる! いくら子供だからって潰される!」
GM:だが!! "おにぎり"は潰れない!
イシル:へ?
GM:一瞬でカッキーン!
ルオ:固まっちゃった!?(笑)
イシル:「ゔう……動けん……」
リーン:ホッケーの球みたい(笑)
GM:ああ、忘れていたけど全員筋力ジャッジしてみて、目標値は10ね。失敗すると凍傷になるから、どうせ全員防寒具つけてないし。
ルオ:(コロコロ)……余裕で成功!
リーン:……なんとか成功(笑)
シャルマ:ま、大丈夫ね。
イシル:じゃあ(コロコロ)――
GM:あ、イシルはしないでいいよ。
イシル:は?
GM:"おにぎり"の新たな力発覚! "おにぎり"状態では全ての状態異常をキャンセルできるのだ!
一同:『おお〜〜!』
イシル:バットステータス無効ってヤツか……「うれしくねーー!」(一同爆笑)

シーン2:湯けむり温泉デッド・オア・アライブ!

その後、とある宿場町にて宿を取る勇者一行。そこは微かに硫黄の匂いが香る不思議な宿だった。
GM:お金を払うのはイシルだし、宿帳に記載する代表者の氏名もイシルかな?
イシル:え? そりゃあそうじゃないかな?
ルオ:任せる〜(笑)
リーン:寒いからお風呂入りたい♪
GM:「ここは天然のお風呂だからゆっくりと暖まるといいよ」――と宿屋のおばちゃん。
シャルマ:「天然のお風呂?」
ルオ:「温泉だ!」
リーン:「すぐ行こう! 今行こう! さっさと脱ぐ!」(笑)
シャルマ:じゃあ私も行こうかな。
リーン:「イシル、女湯に入ってきたら駄目だよ♪」(笑)
イシル:「入るか! 俺にとっちゃ女湯は分解の危機だ! ぜったいに入らん!!」(笑)
そして――女湯です――
ルオ:「ふぅ〜〜〜〜♪」
リーン:「極楽極楽」(笑)
シャルマ:「急に寒い所に来たから、温泉はありがたいわね」
ルオ:「ミスティとめぐみちゃんは残念ね」(笑)
まったく残念である。
リーン:「本当、気持ちいいのに♪」
シャルマ:「………………いや、めぐみちゃんって……あ、でも女湯に普通に紛れていそうな気もするわね」(笑)
ルオ&リーン:『気がする〜♪』
リーン:「ねぇ、そんなことよりルオ、なんで魔剣を持たないの?」
ルオ:「え、え…それは……」
リーン:「その力がなきゃ世界を救えないのよ? なんで手放すのよ」
ルオ:「そ、それはティアマトーを持っていると、知らないうちに頼っちゃうから……」
リーン:「だからって手放せば頼らないなんて、それじゃ逃げているだけじゃない」
ルオ:うう……。
シャルマ:「今の勇者は未熟過ぎる。手から放して自分から強制的にでも距離を置いておく事の方が優先なのよ」
リーン:「ふ〜ん」
ルオ:「そ、それより、こらからどこに行こっか?」
リーン:「今まで通り七砦を目指しましょうよ、ここは寒いし氷砦かしら?」
シャルマ:「いえ、魔剣を封印する方が先決よ。グリューナ王に聞いた『女王の棺』と呼ばれる地下要塞を目指す」
リーン:「………………」
ルオ:「あ、えっと……どっち行くの?」(笑)
リーン:「魔剣の力を解放させないでどうするの?」
シャルマ:「解放はせめてルオの決意ができてからの方がいいわ」
リーン:「決意なんて自然と身につくものよ? それにどれだけ待てって言うの? ねぇルオ」
ルオ:「あ〜〜と……ちょっとわかんないかなぁ」(笑)
シャルマ:「だとしても、このアルセイルであまり目立つ事はしない方がいいわ。氷導王シェディは混沌軍の中でも、空導王と並んでブラックリストに乗っていた要注意人物だったからね」
GM:そうなんだ(笑)
ルオ:「あ、そう言えばフレイスの闘技場で、ジャン(J・J)が『シェディに気をつけろ』みたいな事を言ってた気がする」
リーン:「ジャンが?」――ってそんな事言ってたっけ?
GM:いや、リーンは知らないね。フレイスの闘技場に皆がいた時、リーンは一人フォーチューンのアラムート城で寝てたし(笑)
シャルマ:「じゃあ決まりね。氷砦の情報を集める場合、やはり首都のマティールに行った方が効率良いでしょう。でも首都と言うだけあって、そこは氷導王シェディのお膝元、わざわざ向かうわけにはいかないわ」
リーン:「ふぅ……そうね、それじゃあ仕方ないか」
ルオ:「じゃあ決まり、まずはその女王の棺を目指そう!」
と、一方その頃、烏の行水のようにさっさと温泉から上がったイシルは――
イシル:腰に手を当てながらキューっと牛乳を飲みます、もちろんビンで(笑)
GM:そんなイシルの目に、ふと張り紙が目にとまります。それは手配書だね。
イシル:手配書? めちゃくちゃ嫌な予感だ(笑)
GM:そこには学生服のルオ、大人ヴァージョンのリーン、学生服で男の頃のめぐみってか政二、そして普通のミスティと、人間ヴァージョンのイシル(一同爆笑)
イシル:"人間ヴァージョン"ってなんだ!! 俺は人間がベースで"おにぎり"がヴァージョンだ!(笑)
GM:まぁラース=フェリアに来たばかりのルオ達だね。だからシャルマとかは入ってないぞ。
シャルマ:良し!(笑)
イシル:その手配書を剥がしてみんなのところへ急いで行くぞ!
GM:じゃあ、『ガラララッ!』
イシル:「みんな大変だ!」
ルオ:「きゃーーーーー!」
リーン:桶…じゃない、レンガ投げる!
シャルマ:お約束な……。
イシル:な、ちょっと待て、俺はちゃんと服着て来たぞ!?
ルオ:ブクブクブク……「ぼぼぼぼこぼこー!(早く出てけー!)」
イシル:え、俺って更衣室に入ったんじゃないの?
リーン:私のイメージでは思いっきり女湯の温泉。
ルオ:私も。
シャルマ:同じく。
GM:俺も温泉。
イシル:………………ぎゃーーーーー!(笑)
女湯の更衣室。客が他に居ないのか、ルオ達以外は誰の姿も無かった。そしてそこにイシルは正座していた。
シャルマ:「つまり、ルオ達の手配書が張ってあったのね」
イシル:「……はい」
リーン:「みんな昔の顔ぶれね」
イシル:「……はい」
ルオ:「でも、そんなに慌てる事だったの?」
イシル:「手配書の最後にデッド・オア・アライブ(生死問わず)と書いてあります」
ルオ:「………………」――リーンさんは子供だし、シャルマは載ってないし、イシルは"おにぎり"になれるし……もしかして追われるのって私だけ!?
イシル:………………。
GM:とか言っていると表が騒がしくなる。町の警備兵あたりを呼ばれたかな?
イシル:「そういえばここに入るときに宿帳にもサインを求められたしな……」
リーン:「イシルが書いてたね」
シャルマ:「イシルが記帳してたわね」
ルオ:「イシルのせいだよね」
イシル:ちょっと待っ――「……はい」3人の視線に耐え切れません(笑)
リーン:「とりあえず、温泉のあった方――裏から逃げようか?」
ルオ:「うん、ここで掴まるわけにはいかない」
シャルマ:「じゃあ3人で逃げなさい。私はここで追っ手を誤魔化して、時間稼ぎをするわ」
イシル:「しかしそれでは」
シャルマ:「子供とはいえリーンはばれる可能性がある。イシルが"おにぎり"状態になっているのにも時間制限があるし、ルオはそのまんま……。その点私はまったくの白だしきっと見つからないわ」
リーン:「そう言われると、確かに適任かな」
イシル:「任せていいか?」
シャルマ:「ええ」
ルオ:「……いいの?」
シャルマ:「早く行きなさい。警備兵に見つかったら連絡されるわよ、それに氷魔騎士団が来たらそれまでよ」
ルオ:「……うん、わかった。行こうみんな!」――裏へと駆け出します!
リーン:ついて行く。
イシル:「あとは頼んだぞ」
そしてシャルマは一人残って追っ手を足止めすることになる……もっとも、どんなに死にフラグっぽい台詞をはこうが、所詮は一般警備兵なので、シャルマが死ぬ事はなかった。

シーン3:決意の追っ手、迷いの勇者

七日後、首都マティールから離れるように南下を続けていたルオ、イシル、リーンの3人だったが……。
GM:野宿と野営ばかりだったからか、そろそろ食料が尽きてくるね。
イシル:「やばいな、そろそろ町で食料を調達しないといけない」
リーン:「じーーー(イシルを見つめる)」
イシル:「このままだと、飢え死にだ」
リーン:「じーー、じーーー(イシルの前に回りこんで見つめる)」
イシル:「リーン殿、一つ言わせてくれ……俺は非常食ではない」(一同爆笑)
結局、面の割れていないリーンが一人でお使いに行く事になる。
リーン:「おばちゃーん、これとあれとそれチョーダイ♪」
GM:「はいよぉ、お嬢ちゃん一人でお買い物かい? 偉いねぇ」
リーン:「じゃあ負けて♪」(笑)
GM:「いいともさ!」――とおばちゃんは負けてくれる。と、ここでリーンは知覚ジャッジをしてくれ。
リーン:(コロコロ)……15成功。
GM:ならお店のガラスケースの中、四角柱の氷に入ったまま固まっているペンギンを見つける。
リーン:「もしかして(爆笑)」
GM:リーンがこっち見ているのに気がついて、氷の中のペンギンは動けないながらも"ダーッ"と涙を流す(笑)
リーン:「オノルン!?」(笑)
GM:「どうしたの? ああ、このペンギンかい? これはついさっき拾ったのさ、タダ同然だけど買って行くかい?」
リーン:「………………どうしようっかなぁ」(笑)
GM:氷がガタゴトとちょっと揺れる(笑)
リーン:「しょうがないなぁ……買う」
GM:ではガラスケースから出されると――"ピシピシピシ!"と氷が割れて――「酷いですじゃリーン殿! どうして転移の魔方陣から、わたくしをけっぽるのですか!?」
リーン:「まぁそれはいいじゃん」(笑)
GM:「せ、せっしょうな…」
リーン:「それよりあの彼女は? 獣の軍団長はどうしたの?」
GM:「ああ、パンジャ殿でしたら、この付近までやって来た所で別れましたぞ。なにやら『勇者の匂いがする』とかなんとか呟いてましたなぁ」
リーン:匂いか……ああ、それは言いそうな気がする――「もうこの付近まで…ルオ達が危ない!?」
一方……町には入らず留守番役だった二人、ルオとイシルは……吹き付ける吹雪の中、露出度の高い服を着た女性と対峙していた。
GM:と、いうわけで、目の前にはパンジャがいます。
イシル:「まさか追いつかれるとは……」
GM:パンジャはボソリと呟く――「許さナイ」
ルオ:イシルに聞こう……「闘うしかないの?」
イシル:「……だろうな。四方は見渡しの良い雪原、そして奴は……鼻が利く……逃げられるなんて思わないほうがいいだろう」
ルオ:「………………でも、私は戦いたくない」
イシル:「………………」
GM:「オマエの意志知らナイ。タダ、約束破ったオマエ、ワタシ許さない」
イシル:「来るぞ! 剣を抜け勇者殿!」
ルオ:抜かない! 「でも、闘いたくない!」
GM:では地を蹴って半獣化しながらパンジャは――
シャルマ:そこで!――『ガイア・ブリーズ!!!』――パンジャのいる場所に魔方陣が浮かび上がり、そこから光が上空へと、飛んでいる私に集中、そして打ち出される光の刃群! 光の翼がが打ち出されるイメージ!(笑)
GM:ぬぅ、それは歩みが止まる(笑)
シャルマ:雪煙が立つ中、私は黒き翼をはためかせて降り立とう。
ルオ&イシル:『シャルマ!』(笑)
GM:攻撃を受け膝をつくパンジャ。
シャルマ:「ルオ、逃げたいなら今のうちに逃げなさい」
GM:「なぜ、邪魔する!」
シャルマ:「これが意味の無い戦いだからよ。パンジャ、あなたも騙されているに過ぎないわ」
GM:「騙されている? オマエと一緒、するなダークネス! ワタシ、森守る、それワタシの意志。森傷つける人間、殺す。デモ、森守る人間、ワタシ傷つけない」
シャルマ:「ならば……――」
GM:「ダガ! ワタシの同朋、勇者の力で死んだ。その事実、変らナイ」
ルオ:「………………」
GM:「例え、魔王に騙されていようと、森と仲間、殺された結果、変らナイ」
シャルマ:「………………」
ルオ:剣を抜きます!――「ごめん、パンジャ。謝ってすむことじゃない事なのは解ってる。……でも、ごめん」
GM:「言葉、イラナイ。欲しい、オマエの命」
シャルマ:「だが、お前もその傷では戦えないだろう?」
イシル:(←ナレーション口調)シャルマの魔法攻撃により、パンジャは膝をついていた。その全身にはシャルマが放った光の羽がまだ突き刺さったままだ……。
GM:では血だらけのままスックと立ち上がったパンジャ、やおら右手を自分の左胸に押し込んで、自らの心臓を取り出す。
シャルマ:「馬鹿な…仲間の後を追うつもり!?」
イシル:「シャルマ、それはどういう……」
シャルマ:「あれは、人の理性を捨て去る儀式――」
GM:「ワタシ、戦う、約束の為、約束破ったモノ、殺す……」――『超獣化』を発動! パンジャは元の4倍近くの巨体になり、4つの足で大地を踏みしめる、そう例えるなら獅子と魔獣を掛け合わせたような魔獣形態へと変異する!
シャルマ:「もう、これで彼女は理性を無くした……」

シーン4:悲しき闘いの火蓋

リーン:そこで登場!
イシル:最初は俺が行く! しかしパンジャの前足が横に振られ、俺は丸太に殴られたかのような衝撃を受け、リーン殿の横まで吹っ飛ばされる!?
GM:吹っ飛ばされるのかよ!(笑)
リーン:「イシル!?」
GM:だが、そこでイシルは気がつくんだ。瞬間、自分の傷が癒える事を! パンジャは特殊能力『命の盾』を使用します。
イシル:「ぐっ……はっ! 痛くない?」
GM:『命の盾』……ダメージを自分に移し変えるプリーストの能力です。
リーン:「イシル、大丈夫?」
イシル:「ああ……しかし、超獣魔団団長パンジャか…森を守護するだけあってプリーストでもあるのか? でも、俺の傷を治すなんて?」
ルオ:「私との一騎打ちを望んでいる? 正々堂々とした?」
GM:パンジャは答えない、もう獣の唸り声しか言わない。
イシル:「くっ…」傷も治されたし、俺の性格上これ以上は戦いに水を挟めない(笑)
リーン:「甘いわねイシル」――私は戦うよ! そっちに移動!
GM:ではパンジャの攻撃です。(コロコロ)……命中78で勇者に攻撃。
ルオ:78!? (コロコロ)……無理ー!!
GM:ダメージは87。巨大な爪がルオを切り裂く!
シャルマ:『アース・シールド』で+10!
ルオ:プラーナ全開! (コロコロ)……19点来た。――「痛い……でも、私が巻き込んだ皆の思いは、きっとこんなものじゃない……」
シャルマ:風が舞い上がり私はプラーナ全開! 全てを命中につぎ込み――「パンジャ、お前の気持ちは解る……だけど、ここで勇者を倒されるわけにはいかない」40プラス(コロコロ)……6! ファンブル(笑)
イシル:シャルマ!?(笑)
シャルマ:特殊能力『神聖加護』を使用! 命中46!
神聖加護――ファンブルをキャンセル、通常の出目として扱う。1シナリオに3回まで使える。
GM:(コロコロ)……48で回避。
シャルマ:な〜〜に〜〜!?
イシル:「は、速い……まるで風が交錯するような!」(笑)
ルオ:「私が……私は戦いたくないのに……」――と、良いながら嫌々剣を抜いて(コロコロ)……命中44。
GM:(コロコロ)……46回避!
ルオ:「………………」
リーン:「……イシル、今のルオの攻撃……魔剣ティアマトーを持っていたら命中してたんじゃないのかしら?」
イシル:確かにティアマトーの命中修正があれば……でも俺はそれに返事はしませんよ――「………………」
GM:あぶないあぶない(笑)
ルオ:「ごめん……今の私じゃ……」
リーン:私は撃つよ――(コロコロ)……発動『ナハトムズィーク』絶対命中!
ルオ:え、リーンさん!? 私もパンジャと同スクエアなんだけど!
リーン:そうね。
ルオ:ナハトムって範囲攻撃……お〜〜い(笑)
リーン:「力は必要よ……(ボソッと)」
GM:冥なる闇が一帯を包むがパンジャは光に包まれて、まったく効いてないようだ。特殊能力『神の庭』
リーン:「神聖な力が守護しているの?」
イシル:「超獣魔団の団長か……森の守護、自然の加護か……魔法は効かなさそうだな」
リーン:「………………ルオ、頑張れ」(笑)
ルオ:(コロコロ)……重症(笑) 本当は重症状態でも『不屈』で起きていられるけど、そんなに気持ちが強くもてる状態とは思えないので、特殊能力は発動しません。バタン、なんで〜〜(笑)
イシル:リーン殿!?(笑)
リーン:(大笑)
GM:こっちは好都合だ。遠慮はしないぞ通常行動を消費して力を溜めます。次で止めを刺す!
シャルマ:「それを撃たせるわけにはいかない」――プラーナを全開して突っ込むわよ!
GM:ダイス目勝負だな(笑)
シャルマ:(コロコロ)……6!? ファンブル!(一同爆笑)
ルオ&イシル:『シャルマー!』(笑)
シャルマ:いや、幸運の宝石が残ってた! 速攻で使用! 46命中!!
GM:くっ、だかこっちも40スタート! (コロコロ)……46!?
シャルマ:命中! 『幸運の一撃』と残りのプラーナを注ぎ込む! (コロコロ)……95点!!
GM:それは(コロコロ)……パンジャはズズーンと倒れる「そ、そんな……」――パンジャの姿が獣から人間形態へ戻っていく。
シャルマ:抱き起こしましょう。
GM:「情け…いらナイ」
シャルマ:「ふっ…」
GM:「逃げろ、ワタシから離れる」
シャルマ:その瞬間、言葉を聞かずとも気がつく私! パンジャを抱えて空へと上昇!
リーン:「どうしたっていうの?」
イシル:「わからん」……でもPL的には確かプリーストの特殊能力で危険なのがあったような……
シャルマ:私は良くプリーストをやるから予想がついたのよ!(笑) そのまま出来うる限り上昇! ルオから離れるわよ!
GM:どうやらお見通しのようだがやらせて頂こう――『命の引き換え』
『命の引き換え』――抗魔力×2ポイントのHPを減少させる。対象は同スクエア内の任意体。特殊能力発動後は即座に自身のHPが0マイナス2D6点になる。
GM:空が光った。
ルオ:そこはさすがに起きてたい『不屈』を使って気がつく、空を見上げる!
GM:ルオの目には見えるかな、パンジャが光の粒子となってどこかへと飛んで行くのを、風に流されるように消えて行くのを。
ルオ:「………………」
イシル:「シャルマ、シャルマは無事か!」
シャルマ:(コロコロ)……大丈夫、ちょっと重症だけどね。空からドサっと舞い降りる。「パンジャ……あの、バカ……」途端に天使化が切れてその場で倒れる(笑)
ルオ:「私は自分一人で戦えるように……一人でも勝てるようにならなきゃならないのに……結局、助けてもらってる……こんなんじゃ、こんなんじゃこの先……」――やっぱり気絶します(笑)
イシル:「勇者殿! シャルマ!」――駆け寄ろう。
リーン:「代償は大きかったかもね……」
イシル:「リーン殿も二人を助けるのを手伝って!」
リーン:そっちに歩きながら――「だから、最初から魔剣を使っていていたら……助けられたかもしれないのに……」
イシル:「リーン殿!」
リーン:歩いて行くわ。

シーン5:強襲! 氷魔騎士団!

  吹雪吹き荒れる雪原、そこを滑るように進む一個集団がいた。
  揃いの鎧に身を固め、各々が同じ紋章――狼を模った紋章――を剣に入れていた。
  その姿は華麗にて優美、しかし、どこか氷のような鋭さを持っていた。
  彼等こそ氷導王シェディの右腕。
  世界最強の3騎士団の一つ――氷魔騎士団。
  白い嵐を抜けると、ある宿場町が見えてくる……
  ――「ここか……」――
  一人が呟いた。
GM:さて、パンジャとの戦闘が終わり……みなは今、捕まっています。
イシル:なに〜〜!?(笑)
GM:窓の無い地下牢に閉じ込められている。
リーン:問答無用で地下牢なの?
GM:ルオとシャルマが倒れた状態で、警備兵に囲まれたらさすがに逃げられないでしょう。
イシル:それは二人を治癒魔法で回復してから――
GM:誰が回復するの?
リーン:えっと、ミスティ……が居なくて、めぐみちゃん……も居なくて――
GM:ルオとシャルマが気絶。二人は?
イシル:あ、俺もリーン殿も治癒魔法が使えない(笑)
リーン:仕方ありません、ここは大人しく捕まっておきましょう(笑)
シャルマ:ところでHPは回復していいの?
GM:そうだね、牢屋に入れられて(コロコロ)……3時間が経ったので、その間に自然治癒する分なら回復していいよ。
シャルマ:なら『生命転化』を使ってループ回復で全快!(笑)
ルオ:私も『生命の炎』を使ってループ回復で全快!(笑)
GM:くっ、このお手軽自家発電コンビめ!
シャルマ:ってなわけで休息終了! さっさと逃げだすわよ!(笑)
イシル:早っ(笑)
リーン:待ってました!(笑)
ドッカーーーン!
GM:轟音を響かせて街外れの地下牢付き留置所の壁をぶち壊しました(笑)
イシル:「ここはどこだ?」周りの状況を把握!
GM:街外れの詰め所のようだね、時刻は夕方。
シャルマ:街外れか……教会とかもなんとなく街外れの方にありそうだから、そこに一端隠れるわよ。MPはまだ回復してないから『テレポート』も使えないし(笑)
GM:では全員知覚ジャッジをどうぞ、とある気配を感じるよ。一人でも20以上ならOK!
イシル:任せろ!(コロコロ)……「みんな待て、この気配は!?」
GM:足音が自然と消せるほどの達人たちだ、人数は約10人。鎧の金属が擦れる音も聞き取れる。
イシル:達人、金属鎧、10人一塊……最悪だ!――「早く逃げるぞ! すでに氷魔騎士団の1個小隊がやって来ている!」
シャルマ:イシルが気配を読んでいる間にプラーナをMPに変換! (コロコロ)……『テレポート』一回分にはなった! 「早く魔方陣へ!」
GM:なら氷魔騎士団と勝負だ、そっちはシャルマが敏捷、こっちは基本値25から知覚力。
シャルマ:見つかるわけには行かない! せめて教会まで……プラーナ解放(コロコロ)……敏捷34!
GM:(コロコロ)……知覚34! 「いたぞ!」 テレポートの寸前、騎士団の一人が声を上げるのを聞く。
シャルマ:とりあえず教会までは来れていいの?
GM:いいよ、今は教会の中。
ルオ:「あぶなかったね」
リーン:「何で逃げるの? 戦えばいいじゃない」
イシル:「いや、世界最強の騎士団の一つだ。下手に戦えばこちらは無事にはすまない」
リーン:「ふ〜〜ん」
シャルマ:「それより見られたわ。このままじゃ見つかるのも時間の問題ね」
ルオ:「また『テレポート』で逃げたら?」
シャルマ:「一回分のMPをためて転移、またためて転移……そんな効率の悪い事をやっていたらいずれ捕まる、かといってMPを溜めることに集中しても捕まる事にかわりはないわ」
ルオ:「じゃあ捕まるしか道が……」
リーン:「いえ、あるわ。正面きってその騎士団と戦うのよ!」
イシル:「いや、だからそれは得策じゃないって……」
GM:と、君達が議論していると教会の牧師さんとかが結婚式の時に立つ台(教壇?)が"ズズズッ…"と横にずれる。そして――「こっちだ」。謎の人物が現れ手招き、その人は台の下に続いている隠し通路に戻っていく。
イシル:「隠し通路!」
ルオ:なんかRPGっぽい(笑)
リーン:ルオ、これはRPGよ(笑)
シャルマ:教会って言ってから、ちょっと隠し通路に期待してた(笑)

シーン6:レジスタンス

教会の教壇下にあった秘密通路をランタンの灯りを頼りに一行は進んでいく。先導するのは40代半ばの男、転移装置を使い一気に距離を稼ぐとやっと緊張を解き口を開いた。
GM:「もう喋っても大丈夫だろう。ずいぶんと奴等とも離れた。ところで、君達が運命の勇者一行だな? ……もっとも、勇者ルオと剣士イシルの2人しかいないようだが」
ルオ:「ミスティとめぐみちゃんは、ちょっと別行動中なの」
GM:「そうか」――そうそう、この40半ばの男だけど、戦士のようであり、かつ自然に歩いているのに足音が極力聞こえない。この男にとってそれが当たり前のようだね。
シャルマ:達人って事ね。
イシル:40半ばで達人の戦士、かつ氷魔騎士団から助けてくれたって事を総合すると……「もしやあなたは、キーン殿では?」
GM:「ほう、俺の事を知っているのか?」
イシル:「はい、剣の師匠であるクロトワさんから聞きました。なんでも元氷魔騎士団の団長で凄腕の剣士だったと……でも、今は氷導王シェディに抵抗しているとも……」
GM:「ああ、今はレジスタンスを組織している。シェディ…奴には俺の大切なものを奪われたからな……しかし、あのクワトロの弟子か……」
イシル:「はい、もしかしてクワトロさんと戦ったことが?」
GM:などと積もる話をしつつ(笑)
イシル:なにがあったのか気になる所だ(笑)
GM:ではそんな話を混ぜつつ、各自の自己紹介とかも全部終わったって事で――
リーン:「つまり、あなたは現氷導王シェディに封印された、前氷導王ユーフォリアを助けるためにレジスタンスを組織しているのね?」
GM:「ああ、そういう事だ」
イシル:「もしかして、俺達を助けたのは…」
GM:「察しがいいな。その通り、シェディに君達が追われている事は知っていたからな、どうしても恩を売っておきたかったんだ」
シャルマ:「なるほどね」
GM:キーンは通路の途中だけど、そこで足を止めるとルオに言う――「俺達レジスタンスに協力してくれないか?」
ルオ:え、え、他のみんなは?
イシル:勇者殿に任せます。
シャルマ:どっちでもいいわね。
リーン:私には関係無いなぁ。
ルオ:うう…みんなして責任を私に……。私はパンジャとの果たせなかった約束を思い出しながらも――「わかった、いいよ協力する」
GM:「本当か?」
ルオ:「約束する。今度こそ…私は守るよ」
GM:「ありがとう」――そう言うとキーンは横にあった壁の一部を押す。瞬間、音を立てて現れる扉――「アジトに案内しよう。ついてきてくれ」
その先は本格的な砦の中だった。元氷魔騎士団団長キーンは、そのままルオ達を連れてレジスタンスに紹介された。『諸君、今日から俺達の仲間となってくれた噂の"運命の勇者ルオ"そしてその仲間イシル、リーン、シャルマだ。あの男も現氷魔騎士団を動かした。混沌軍のマティール侵攻も大詰めだ。機は熟した! これより1週間後、ユーフォリアの奪還を実行する!!』。巻き起こる歓声!
イシル:(レジスタンス)『ユーフォリア! ユーフォリア!!』
シャルマ:(レジスタンス)『シェディが何だ! シェディを倒せ! ぶっころせ!!』(笑)
GM:まぁそんな感じで盛り上っていく中、キーンはその準備が忙しいと居なくなる。
リーン:私達はどうすればいいの?
GM:このアジトには仮眠室から息抜き用の酒場まで揃っているから、各自自由に過ごしていいよ。
シャルマ:酒場まであるんだ。すごいわね(笑)
GM:ああ、一つ言い忘れた。キーンは去り際に、あとでルオに自室まで来てくれと言っていたよ。
ルオ:わかった。
イシル:やっぱ俺達にあてがわれた部屋とかあるんですよね? ならそこに集まってから――「シャルマ、そろそろ教えてくれないか? あの魔剣をどうやってどこに封印するんだ?」
シャルマ:言ってなかったっけ?
イシル:なんか温泉に入りながら少し言ってたけど、俺はそっちの女湯には入ってないからな(笑)
シャルマ:そういえばそうね(笑)
リーン:「私も詳しく知りたいわ」
ルオ:「温泉じゃあ途中だったしね」
シャルマ:「そうね、そろそろいいかしら…キーンの話も丁度いいしね」
イシル:「どういう事だ?」
シャルマ:「始まりの魔剣ティアマトーは、ユーフォリア=ヘカーテ=シンが封印されている魔導器"レクトゥス・グラキエス"その棺に封印する」
リーン:「だから都合いいのね」
イシル:「だが、そうなるとユーフォリア女王の復活は確実になるな」
リーン:「それが?」
イシル:「あまり良い君主ではなかったらしい。そのユーフォリアという女王」
リーン:そうなんだ!
ルオ:へぇ〜。
シャルマ:そうだったっけ?
GM:じゃあそうだったって事で(断定) 彼女は結構ゴーイングマイウェイな女王だったって事にしよう(笑)
シャルマ:今決まったの!?(笑)
イシル:「ま、どんな女王だったとしても、シェディに狙われている今、俺達に選択肢は無いか……」
リーン:「そのユーフォリアっていう女王、どんな人だったの?」
イシル:「話によれば強力な魔法使いで、古(いにしえ)の魔法を使いこなしたらしい」
ルオ:「だから氷導王シェディと同等なんだね。権力闘争かな?」
イシル:「そんなものだな」
シャルマ:「それに、例えシェディが封印した女王だとしても"世界に危機を及ぼすような存在"ではないでしょうしね」
リーン:「そうね」
イシル:「考えても、仕方なし……か」
ルオ:「じゃあこの話はお終い! これからキーンさんの所へ行こうと思うんだけど、みんなでいかない?」
リーン:「どうして?」
ルオ:「いや、なんか妖しいじゃん」(笑)
リーン:「それもそうね」(笑)
イシル:師であるクワトロさんの戦友に対して抱かれた疑惑は俺が晴らさねば!(笑) 着いて行こう。
ルオ:「シャルマは?」
シャルマ:「ま、それだけ行くなら私はいいでしょう? ちょっと一人でこのアジトをふらふらしてみるわ」

シーン7:"おにぎり"との再会

そしてルオ、イシル、リーンの3人はキーンの部屋へ向かっていたのだが……――
GM:ではキーンの部屋へ行く途中、酒場を通り過ぎるのだが……その時、ちょっと3人とも知覚ジャッジしてみて? 20以上成功したら何かが聞こえる。
リーン:(コロコロ)……無理、15しかない。
ルオ:……おっしいなぁ、19!
イシル:任せてくれ、俺は25だ!
GM:ではイシルだけ聞こえる。気になる話をしているようだね。
イシル:ちょっと足を止めて聞き入りましょう。
リーン:つまんな〜〜い、私さっさと行く〜!
ルオ:私も聞こえてないし、イシルに気がつかずに先に行っちゃう(笑)
と、退場を宣言するルオとリーン。
イシル:うわぁ、でもまぁいいです。俺は聞くぞ! で、何て言っているんです?
GM:うむ(ゴホン、と咳払い)――「……そこで俺様が華麗に登場し言ったわけだ。『げははははっ! この……"おにぎり"が!! 』とな」(一同大爆笑)
シャルマ:(突然一般人)『わはははははっ! 面白いぞ兄ちゃーん!!』(笑)
GM:「そうだろう、そうだろう! げはははははははは!!」(一同爆笑)
イシル:……そのまま酒場に入って行きます。
GM:「ではアンコールに答えて"おにぎり"との2度目の邂逅の話をしてやろう。それは――
イシル:(割って入って)「――話さんでいいわーーー!!!」アルゲルが頭から前のめりに机に突っ込むよう踏み付ける!
GM:真っ二つに割れる机!(笑)
イシル:アルゲルの頭を足で押えつつ――「アルゲル! なんで貴様がここにいる! それに勝手に俺の話でウケを取るな! それと、"2度目の邂逅"って何だ! 人を未確認生物みたいに言うなよ!!」(一同爆笑)
GM:ガバッと起きてアルゲルは言おう――「ひ、人の頭を足蹴に……な、な! 貴様は"おにぎり"! どうしてここに!?」
イシル:「"おにぎり"って言うな!(笑) だいたい俺達はキーンさんに協力する為にここにいるんだ、さっきみんなの前で紹介があったの知らないのか!?」
GM:「(尊大に)ふっ、知らんな! 俺様はずっとここで話に花を咲かせていたからな! 大ウケだった"おにぎり"」
イシル:「くだらねー事で、キーンさんの演説ブッチすんじゃねーよ!」(笑)
GM:「(聞いてない)そうだ皆の衆、紹介が遅れたな(イシル:すでに紹介されたって言っただろう!)。こいつがあの"おにぎり"だ! さぁ…笑ってやれ!」(一同爆笑)
シャルマ:(一般人)『わーはっはっはっはっ! 本当に"おにぎり"が現れるとはなぁ!』(笑)
リーン:(一般人女性)『あははははは、これが"おにぎり"の人間ヴァージョンなのね!』(笑)
ルオ:(一般人子供)『人間"おにぎり"だ! 人間"おにぎり"ー! すごいすご〜い!』(笑)
イシル:み、味方が一人も居ない……しかも何気に混じっている勇者殿が一番ひでぇ……(一同爆笑)
GM:大丈夫だ! ここにミスティとめぐみちゃんのPLが居たら、もっと酒場のギャラリーが増えていたはずだ!(笑)
イシル:あえて反論はしません(笑)
GM:「げっはっはっはっはっ! どうやら自分で自覚しているようだな! 人間"おにぎり"!」(笑)
イシル:「違う! 俺は人間がベースだ! 俺は人間だ!」
GM:「違うな! 貴様は"おにぎり"だ!」
イシル:「断定するなよ!」(笑)
GM:「誰か女はおらんのか? さぁこいつに抱きつくのだ!!」
イシル:「うわ〜〜やめろー! 卑怯だぞアルゲル!!」
リーン:(一般人女性)『私抱きついちゃお〜♪』
イシル:「うおおおおおおっ!」 サッとどいてアルゲルで変わり身! アルゲルに抱きついてなさい!(笑)
GM:「間違えるな女!」――とアルゲルは向かってきた女性を躊躇無く一本背負いの投げっぱなし!(笑)
リーン:(一般人女性)『きゃ〜〜!?』――空中を飛ぶ女性(笑)
イシル:「もっと躊躇しろよ! 何、問答無用で投げ飛ばしてんだ! 外道過ぎるぞ貴様!!」
GM:「げはは、外道も外道、ド外道よ!」(一同大爆笑)
イシル:くっそ〜! その女性を助ける。下に回りこんでキャッチ!
GM:『ボンッ!』――"おにぎり"化(一同笑)
イシル:おのれアルゲル! ギャラリーの足の間を滑るように抜け、アルゲルの足元で「貴様――
リーン:(一般人女性)『きゃー! 可愛いーー♪』
シャルマ:(一般人女子)『本当に"おにぎり"だ〜♪』
イシル:ぎゃー、たかられたー!(笑)
GM:「モテモテだな"おにぎり"」(笑)
イシル:「うるせー!」(笑)
GM:「そうそう婦女子どもよ、一つ教えてやろう。その"おにぎり"…意外と……美味いぞ」(一同超爆笑)
イシル:ふ、ふ、ふ、「ふざけんなー! 何教えてんだよ! そんな事言ったら――
シャルマ:(一般人女の子)((コロコロ……)←唐突にダイスを1個振る)
イシル:振るなよーーー!!!(一同大爆笑)
シャルマ:(一般人女の子)2! 2/6食べた――『もぐもぐ……美味しい♪』(笑)
リーン&ルオ:(のPLハモッて)『本当!?』(一同爆笑)
一同大爆笑である。
イシル:俺は逃げるぞ! ギャラリーの頭をピョンピョン跳ねながら、さらに華麗なフットワークで樽と樽の間をチョコマカと――くっそ〜〜、知覚なんてしなきゃよかった! いや、それより何でアルゲルは生きてるんだ!? 確か魔王にダメージを移し変えられて爆発してなかったか?
シャルマ:ほらアルゲルって何の団長だったけ?
イシル:何のって確か……混沌軍造魔戦団だったっけか?
シャルマ:造魔って漢字解るかい? "造られし""魔"よ?(笑)
イシル:ああ、ってかアルゲルって造られし者かよ! いや、ある意味一番合っている気もするけど(笑)

シーン8:迷いながらの決意

一方、ルオとリーンはキーンの部屋まで来ていた。必要最低限な荷物しかない殺風景な部屋だったが、レジスタンス活動をしていると考えれば、そんなものなのだろう。
GM:「来たか勇者よ」――キーンが言います。
ルオ:「来ました」
リーン:「私もいるわよ」
GM:「二人か、まぁ別に構わないさ。内密の話があったわけじゃない」
ルオ:「その話の前に、一つ聞いてもいい?」
GM:「ああ、なんだ?」
ルオ:「あなたはユーフォリアを復活させてどうしたいの?」
GM:「ずいぶんと漠然とした質問だな。そうだな…少なくとも今の、シェディの統べるマティールよりは良くなるだろう。シェディは自己を過信し過ぎている…君達勇者を狙って動いたのも、混沌軍を君達に任せるより自分でなんとかできる自信があったからだろう。だが、私は違う」
ルオ:「違う?」
GM:「人、一人の力なんてちっぽけなものだ。人は協力しお互いの弱い部分を補って初めて本当の力が出せる。もし君達が協力してくれて、ユーフォリアを奪回できたなら、私達は全面的に君達に協力しよう」
ルオ:うわぁ、なんか良い人だね!
リーン:う〜ん、なんか話の論点が途中から意図的に脱線していたような……。
GM:「勇者ルオ、君を呼んだのも他でも無い。確か君達は各地方にある七砦を探しているのだろう? ここアルセイルにある氷砦にはもう行ったかな?」
リーン:「あ、氷砦の場所を知ってるの?」
GM:「そうかまだか…氷砦はついこないだまで炎導王の支配下にあったのだ」
ルオ:「炎導王? なんでまたアルセイルに炎導王?」
GM:「炎導王と氷導王は仲が悪くてね。お互い牽制していたって所だ。そのパワーバランスが最近崩れた。フレイスの訃報は知っているか?」
リーン:「それは聞いたわ。混沌軍の総攻撃にあって」
ルオ:「炎導王ラーガは殺された」
GM:「ああ、だがそのおかげで炎導王が氷砦を覆うようにして築いていた砦が放棄されてな」
イシル:もしや炎導王の杭!?
※氷導王に敵対する炎導王がキィルト平原に建てたと言われる氷の属性防御を持つガーディアンを多数配置した砦。S=FAd参照。
シャルマ:そうか、あれは氷砦を占領していたものだったのか(笑)
GM:そうだったのです(笑)
リーン:「それじゃあ自由に氷砦へ行けるの?」
GM:「ああ、天候にもよるが往復には4〜6日かかる。ユーフォリア解放の作戦実行日までには帰ってこれるだろう」
ルオ:「ねぇ、なんでそんなに協力的なの?」
GM:「君達には全力で協力して欲しい。その為に情報を惜しんだりはしないさ。なんなら氷砦までの案内役を数人つけよう。アジトの入り口で待っていてくれないか。早いほうがいいだろう」
ルオ:「あ、え、でも私……」
リーン:「いいじゃない? せっかく教えてくれるんだしさ。混沌軍もいる。今こうしている間にも不幸になっていく人がたくさんいる。だったら、行ける時に氷砦に行っておいた方がいいでしょう」
ルオ:「そう……かな」
そして――キーンの部屋からの帰り道。
イシル:(突然アルゲル口調で)『げっはっはっはっ、やっと捕まえたぞ、この"おにぎり"めが!!』(一同爆笑)
GM:何いきなり自分でピンチになってるんだお前は?(笑)
イシル:いやいやいや――「舐めるな!」――と俺は逃げ出し廊下に出て隠れますよ!
GM:じゃあルオとリーンがいるんだろうな――「どこだ"おにぎり"! おや、貴様等は勇者? なぜここに……いやそんな事はどうでも良い(イシル:どうでも良くないだろう混沌軍が!)。ここに"おにぎり"がこなかったか?」
リーン:「あっちの通りに走っていったわよ」
GM:「そうかそうか、すまないな。待てぃ"おにぎり"!」――とアルゲルは走っていく。
ルオ:「な、なんでアルゲルが生きているんだろう?」
リーン:「………………さぁ?」
イシル:ではリーン殿の肩あたりにヨジヨジ……「ふぅ、あぶない所だった。すでに2/6を食べられていたからな、これ以上は死ぬところだった」
リーン:「じゃあもうちょっと隠れてる?」
イシル:「すまない。そうしよう」
リーン:"おにぎり"を私のポーチにでも入れよう。
GM:じゃあポーチを開け、黄色い嘴の見える袋の中へと……。
イシル:ちょっと! ちょっと! 「リーン殿! なんか嘴が見える嘴が!!」
リーン:入れる(ポーチに)。
GM:(コロコロ)……3。3/6食べた。――「なかなかの美味でございますな」
イシル:やっぱオノルンかよ! 俺もう重症だよ! さすがに人間に戻っていいですか?
GM:いいよ。オノルンも「ここはキツイですな」とニュルンとポーチから出てくる。
リーン:いたんだねオノルン(笑)
イシル:「オノルン貴様! お前には後で話がある」
GM:「"おにぎり"の中身についてですかな?」
イシル:「違うわボケ!」(笑)
シャルマ:なんか暇だから登場する! 「何やっているの? キーンの話はどうだった?」
リーン:「氷砦がここから近いから決行日までに行ってくれば? って話だったわ」
シャルマ:「氷砦が…………そう」――と後半は真面目な顔で。
イシル:「そうなのか、それは……どうしたものかな」――オノルンはもうほっとこう(笑)
ルオ:「でも、私は行かない方がいいよね……これ以上ティアマトーが強くなったら、私は本当に、その力を押える自信が無い」
リーン:「ルオ!」
ルオ:「ごめんリーンさん……これ以上、ティアマトーに振り回されるのは……」ミスティの事が脳裏を過ぎります。
リーン:「いいのルオ? この作戦の後、氷砦に再び来れる確証は無いのよ! このチャンスを逃したら、次が来るかどうかわからないのよ!?」
イシル:「リーン殿落ち着いて……」
リーン:ボソリと……「(私ならチャンスを逃すなんてしない……)」
シャルマ:ん? 今なんて言ったの? 声が小さくて聞こえなかったんだけど?
イシル:テープに入ってますかね?
リーン:いえ、気にしないで、録れて無くてもいいから(笑)
GM:いや、良くないって(笑)
録れてました。
ルオ:え〜〜と続けます(笑)――「私はティアマトーを止められない……」
リーン:「………………」
イシル:「勇者殿……」
シャルマ:「………………何か、勘違いしているようね」
ルオ:「えっ」
シャルマ:「ついこの前まで魔剣に頼っておきながら、次は全てを魔剣のせいにして言い訳?」
ルオ:「そんな、ティアマトーのせいになんて……」
シャルマ:「本当に何も解ってないようね。フレイスの炎砦、フォーラの森砦それぞれでの力の解放、そして実際にこの魔剣を手に持って確信したわ。この魔剣自体は初めから何も変っていない」
ルオ:そうなの!?――「ええ!?」
イシル:「………………」
リーン:「どういうこと?」
シャルマ:「つまり七砦で解放されていたのは魔剣の力では無く、勇者として魔剣を使いこなす資質――ルオ、あなた自身に秘められた力なのよ」
ルオ&GM:そうだったんだ……(←ハモリ)
シャルマ:「剣士は剣で戦うんじゃない。自分自身が剣になるの……イシル、あなたはこの事に少なからず気がついていたんじゃない?」
イシル:「……ああ、もしかしたらって思ってた」
シャルマ:適当言うなよ嘘つき(一同爆笑)
イシル:嘘じゃねーって(笑) ――「あのダークネスだったシャルマを救ったのも、アラムートの死霊を浄化したのも、結果の大小はどうあれ、魔剣の効果は同じだった。違いは勇者殿が自らその力を引き出したかどうか……」
シャルマ:うまく繋げたものね(笑) 確かにどっちも『小さな奇跡』に変わりない(笑)
ルオ:「それじゃあ……私は……自分に……」
シャルマ:「そうよ。あなたは自分の力に振り回されていたの。あなたはもっと自分を知らなければならない。氷砦があると言うのなら行ってくるといいわ。でも、私達は誰も一緒には行かない。あなた一人で行きなさい」
リーン:何も言いません。
イシル:黙ってましょう。ここは沈黙が似合う。
ルオ:とぼとぼ…と歩き出す。途中で止まって――「シャルマ、ティアマトーはまだあなたが預かっておいて……ティアマトーが無くても、私が行けば力は解放されると思うから――」
シャルマ:「わかった」
ルオ:「――じゃあ……行ってくる」――とぼとぼ…と歩いて行く。ミスティやフォーラの森の事、全部自分のせいだったなんて……と自己嫌悪に感じながら。
GM:では一人アジトの玄関(?)までやってきたルオ。そこには氷砦までの案内役が4人待っている。皆、キーンの部下だった元氷魔騎士団の方々だ。――「他のお仲間は? 我等とて氷砦の中まではお供いたしませぬぞ? 一人で大丈夫なのですかな?」
ルオ:「うん……わからない……わからないけど…………行こう」――歩き出します。
GM:アジトの外はすでに大吹雪だ。案内役の騎士達はこんなアルセイルの天候にも慣れているせいか、すたすたと歩いて行く。
ルオ:私にはまったく先が見えません。それでも騎士に従って進んで行きます。まだ自分が進むべき道がわからないけど……今は、踏み出すしかやれることが無いから……。
真竜伝説
第16話「湯けむり時々思わぬ再会!?」

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