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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ラース=フェリア 地方名:アルセイル 場所名:吹雪の中――

視界を全て白一色に染める吹雪の中、男は……
幻竜軍団団長カイザーは、同族との会話を思い出していた。 『カイザー……どうしても運命に逆らうというのか……』
目の前で巨大な体を横倒しにしたまま、苦しそうに言葉を発してくる。
第一世界最後の竜……アルマジーロだった。
カイザーはその問いに答えない。なぜなら、すでに幾度と問答を重ねた問いだったから……
『確かにこのまま待ては数百年後に我等のほとんどは滅びるだろう』
「アルマジーロよ……お前だって死にたくは無いはずだ」
『無論だとも……しかし、ラシィの言うように数百年後の戦いに、我等龍族は必要なのだ』
首を地面に横たえながらもアルマジーロは声をつづる。
『だからこそ……今、この時代の戦いは……運命に任せるべきだ……』
無意味な問答だった。
もう何度と繰り返したか……。
この運命の歯車が回り出す前から……そして回り出してからも……。
カイザーは何もそれ以上語らずその場をあとにした。 目を開ければ吹雪は一時的に止み、遠くに塔のような魔道建造物が見える。
カイザーはまだ迷っていた。
アルマジーロの言う事も正しい……しかし……。
見極めるしかなかった。


真竜伝説

第18話「外伝3 勇者立つ!!!」


シーン1:ついに明かされる謎の6日間

その日、前回のセッションで唐突に決まった外伝を行う為、そこにはルオのPLとGMの2人だけが集っていた。
GM:ではセッションを始めよう!
ルオ:よろしくお願いします。
GM:状況としては、キーン達のアジトを案内役の騎士4人とともに、氷砦へ向けて旅立ったって場面です。
ルオ:オリハルコンの剣を腰に差して、背中にはいつもの魔剣ティアマトーは差さずに出発しています。
GM:外は吹雪です。案内役の騎士4人はこの天候にも慣れた者なのか、足取りもしっかりと――「勇者殿、大丈夫ですか?」――と、騎士の一人が言う。
ルオ:「さ、さぶい……」と、そろりそろりと歩いています。
GM:騎士達4人はそんなルオに猜疑的だね――(本当にこんな少女が役に立つのか? キーン様が言うから案内はするが……)って視線。
ルオ:私は……今凄く自信の無い状態なので、その厳しい視線に一生懸命耐えながら黙って歩きます
GM:さて、そんなこんなで(コロコロ)……2日が過ぎ3日目の朝です。吹雪も止み目の前には見慣れた雰囲気を持つ塔(砦)が見えてきます。そのまわりには、何か建造物の残骸だったり、兵士の詰め所の瓦礫だったりと、そんな廃墟がある――「炎導王が氷砦へと近づく者を退けるために作った、炎の杭という砦のなれの果てだな……フレイスが滅びて打ち捨てられたのだろう……」
ルオ:「フレイス……」――そんなこと言われたら、なおさら責められた気分……(みんな、ごめんなさい)
GM:「どうかしたか勇者殿、ついに目的地の氷砦だが?」
ルオ:「……世界のために……」と、ぼそっと言いながら歩き出します。
GM:騎士達もそれに続く、今はもうルオが先頭だね。
ルオ:ではそのまま進みます。
GM:瓦礫の中を進む一行――と、ここでルオは気が付く、誰かに見られている事に!
ルオ:知覚ジャッジ!(コロコロ)……見つけた! 「………………!!!」背中に手を伸ばして剣を構えようとする。もうきっとルオとしては癖になっているのです!(笑)
GM:しかし、いつもの場所にいつもの剣は無い!
ルオ:「あ………………あれ!?」かなり焦ってワタワタ(笑)
GM:重なり響く声――『色無き天使の翼<アズゴラム>!!!』――「危ない!!!」――ルオを庇う騎士団!
ルオ:「えっ!?」
GM:突き飛ばされるルオ、目の前で横合いから飛んできた魔法の本流に飲み込まれる4人!
ルオ:「え、な、なっ!?……み、みんな!!」
GM:『ゴウゥッ!!!』 魔法の消えた後には、4人とも居なくなっています。
ルオ:「だ、だれ!」――辺りをキョロキョロします。
GM:「まったく、狙われてもいないのに飛び出すからそうなるのよ、そうでしょ? ゴスペル」「そうねアスペル……狙いは一人だったのにね……」――声の先に視線を向ければそこには2人の天使がいる。純白の翼、顔つきは双子の姉妹だろうか。
ルオ:「なぜ!」――でも今は砦のほうへ走っていく! 逃げるように!
GM:ショートカットのゴスペルと呼ばれた少女の天使、髪束ねたロング(ポニーテ−ル)でアスペルと呼ばれた少女の天使(詳しくビジュアルが知りたい場合はS=FV3のp183参照)――「……仲間を消されて逃げ出すの? あなたは立ち向かわないの?」 ショートのゴスペルが後ろから言う。それと共に、ルオの目の前にロングのアスペルが回りこむ――「逃げられないわよ、勇者さん?」
ルオ:「ううぅ……」――では、やっと腰からいつもより重く感じられる剣を抜くと、天使の方へ構える。
GM:そんなルオは感じる。今まで会って来た守護者達とこの天使達はどこか似ている――いうなればその神聖な感じが同じだ。邪悪な気配は感じない。だが4人の騎士が魔力の本流に飲まれたのも事実!
ルオ:「??………なぜ、何もしていない彼らを攻撃したの!?」
GM:「それは違う……私達は"あなた"を攻撃したの……」「それに人の心配しなくていいわよ? 一応無関係な人間だし、途中で空間転移の魔法と入れ替えておいたからね」
………………………………………………………………………………………………

 魔法の本流に飲み込まれたと思った騎士4人だったが、気が付くとそこは別の都市だった。
「ここはどこだ?」
「この街は……マティール!?」
そう、戦いが続いているせいか、そこかしこに苦戦の跡が見られるが、ここは確かにマティールだった。
「俺達は氷導王のお膝元まで飛ばされたのか?」
「あの勇者はどうなったんだ?」
 
………………………………………………………………………………………………
ルオ:「!?」――ますます混乱します。「私を? けど、あなた達には黒く冷たい心は感じられない……」
GM:「私達は……氷の守護者を守る者……」――ショートカットなゴスペルが呟き、「故に言われたようにあなたと闘うのよ?」――ポニーテールのアスペルが笑う。そして双子の天使は、言うと同時に攻撃を仕掛けてくる! 連携攻撃だね――ズバッ−ズババッ!!(笑)
ルオ:(コロコロ)……よけられないっ!? い、痛い……。
GM:HPが半分ぐらい?――「これが勇者……」「拍子抜けもいいところじゃない! これで世界を救おうって言うの!?」
ルオ:「くっ……!」(ティアマトー……)一瞬心に浮かぶけど――「なんで……なんで私を攻撃するの?」
GM:二人揃って――『守護者様に言われたからよ』
ルオ:「え!?」
GM:「アスペル……言われたとおりにやりましょう……たとえどんな結果に終わろうとも……」「そうね、守護者様は『ここで終わるようなら、結局は全てに負ける』と仰られていたものね?」――さらに連続的に攻撃してくる双子。やらないなら再びこっちからいくよ?
ルオ:「なぜ守護者に!?」――仕方なく迎撃します。『衝撃波』『なぎ払い』で攻撃!
GM:『色無き天使の鎧<アスペラム>』――と呪文発動、回避ジャッジ(コロコロ)……にクリティカルなので呪文の効果で絶対回避しました。「………………」「さぁ、私達にも解らないわ? でもね、確かに今のあなたという天秤には、世界という重りは重すぎるんじゃないの?」
ルオ:「………………」(私をためしている――。……私を。世界を救う資格があるのかどうか……)――「そんなこと……無い!」――もう一度『衝撃波』『なぎ払い』!!!
GM:MPを20点消費で呪文効果を永続、そのまま(コロコロ)……回避クリティカル! そして絶対回避(笑) ルオの攻撃は風に舞う木の葉を切るかのごとく、まったくといって当たらない。しかし敵の攻撃は容赦なくルオを切り裂いていく――「……そんなこと……ある……」「ここで私達相手に手間取るようじゃ、次の敵にはかなわないわ」
ルオ:「……くうっっ!」ボロボロになったルオはその場に膝をつく。「負けないっ! でも……あたらない!」
GM:「ま、そういう事だから! 諦めなさい!」「………………」――とどめとばかりに二人が攻撃を繰り出した瞬間だった!
ルオ:「!?」

GM:(渋い声で)『皇竜剣奥義"白焔(シエン)"』

ルオ:シエン!?
GM:――白き龍のごとき光の波動が、双子の天使を薙ぎ払います!
ルオ:「え、え? え!?」
GM:「くっ……なにが………」「きゃーーーー!?」
ルオ:はっ! っとそちらを見る!
GM:片手に剣を――いや、必殺技を放ったその格好で、壮年の男性が構えている。睨む謎の男性、圧倒される双子の天使………………&ルオ(笑)
ルオ:圧倒されていますとも(笑)
GM:「うぅ……」「な、なによ!?」――――男性がそこでプラーナを解放、金色のプラーナだ(笑)――「去れ、今なら見逃そう」――「そ、そんな脅しに守護天使の私達が――」「――アスペル、ここは撤退しましょう……」「う、そ、そうね、そうしましょう」「………………」最後にルオを見つめてから、双子の天使は去ります。
ルオ:「……あ、ありがとう」圧倒されつつもお礼を言いまうす。

シーン2:自らの限界を知る為に

時間的にはまだ正午だった。
しかし、空は湿気を含んだ雲に覆われ太陽の光を見ることはかなわない。
双子の天使が氷砦へと撤退し、今、ルオと謎の男性は瓦礫に座っていた。
GM:ルオの寒さを凌ぐために焚き火でも囲んでいます(笑) 謎の男性は火にも当たらず寒がりもせず無言です。ちなみに男性の背中には剣が背負われています。
ルオ:「えっと………………」
GM:「なんだ?」
ルオ:「………………ありがとうございました」
GM:「………………」
ルオ:「あ、あの……」
GM:「――迷っているな」と呟く。
ルオ:「!?」――なぜわかるの? という表情を一瞬して……「なにも、なにも迷いなんかない! 私は世界を救う勇者だから!」――強がります!
GM:「………………」――じっとルオの瞳を見る。視線は逸らさない。
ルオ:うう……と、私はその男の人の前に出て――「嘘……そんな事無い……私は……」
GM:男はまだ視線を逸らさない。
ルオ:ググッと拳を握ってから搾り出すように――「私にその技……その強さを教えて下さい!」
GM:男は一瞬、本当に一瞬だけ迷ったような顔をするが……目を閉じると、少しして――「いいだろう」
………………………………………………………………………………………………

遠くの方に氷砦が見える廃墟にて、ルオとその男は対峙していた。
GM:「一つ聞こう……お前は自分の限界を知っているか?」
ルオ:「限界……(考えたこともなかった…)――私に、限界なんてあるんですか?」
GM:「奢るな……全てに限界はある」――銀光がきらめく!
ルオ:反射的に飛びずさって避けます!
GM:ならば一瞬で間合いを詰めて攻撃してくる男の剣撃!――「まずは知る事だ」――追撃、連撃、斬撃!
ルオ:うわっ! か、かっこいい! 惚れる(笑)――「うっ!なっ!…くっ!」 懸命によける! それでこっちも反撃!……「はっ!」
GM:キンッ! 鋭い音を立てるルオの剣と男の長剣――「そうだ、本気で来い……でなければ、二度と覚めぬ夢を見ることになるぞ」――カキンッ! ルオの剣を弾きそのまま吹っ飛ばす! ゆっくりとルオに歩き近ずく。
ルオ:か、かっこイイ〜〜〜! その男の気迫に押されピクリとも動けない! でも――(ティアマトー…)――と手を背中に伸ばす!
GM:ガシッ! ルオがいつもの位置まで手をもって来る寸前、その手を掴む男! そのままルオごと放り投げる!
ルオ:「きゃっ!」 ふっとんで地面に叩きつけられます(笑)
GM:「遊びではないのだぞ……お前の限界はそこまでなのか?」――抜き身の剣を右手だけで持ち、ゆっくりと語りながら近づいてくる
ルオ:「遊び…なんかじゃない! なくったって…ティアマトーが無くても、私は!!!」
GM:「いいだろう……」――一直線に駆け込み、その剣を一刀の元に振り下ろす!
ルオ:頑張りますよ!

GM:そして夜が来る、ルオのプラーナは空っぽだ。
ルオ:「はぁ、はぁ……」――息は荒いです。
GM:「これで終わりか?」
ルオ:「……、まだ。まだ出来る! まだ動ける!」――『生命の炎』でHPをプラーナに変換!
GM:さらに朝が来ます。ついにHPも残り1だ。残っているのはMPのみ。
ルオ:なに〜! ならば『キュアウォーター』で自分回復! そいでもって『生命の炎』!!
GM:ほほう(笑)――「ふっ…面白い……はぁ!!!」
ルオ:「まだ、まだ戦える!!!」

GM:だが、そんなルオに遂に限界が来ます。時刻は正午、24時間闘っていた事になるかな? 『キュアウォーター』→『生命の炎』→プラーナをMPに変換 のコンボも遂に成り立たなくなります。
ルオ:「くうう……」 もう白目むきそうです(笑)
GM:HP・MP・プラーナが0みたいなもんだ(笑) 難易度16の精神ジャッジ! 気絶判定をどうぞ。
ルオ:(コロコロ)……気絶しません!!
GM:「今、お前は踏み越えようとしている。それがわかるか?」
ルオ:「……踏……踏み…越える…?」――フラフラです。極限状態(笑)
GM:「あと一歩踏み越えれば…それは死だ。お前は今、自らの限界に立っている」
ルオ:「げ…んかい……。……・げんかい……限界……! こんなの……こんなの限界じゃ……ない!!!」 と、私の体から最後のプラーナが! 赤紫の炎がゆらゆらと立ち上る!
GM:ではその瞬間、目の前の男が消えたようにルオの目には映る。次に鈍痛が腹部に走る! ただでさせ意識が引っ掛かっていた程度だったのが、いっきに持っていかれます。
ルオ:「う、ゔゔっ……。」――それは素直に気絶しましょう。崩れ落ちる私、そして動かなくなります。

シーン3:ココロのままに

GM:気が付くと、ルオは寝かされています。場所は半分以上崩れている建物の中、焚き火が焚かれ煙が壊れた天井から空へと抜けている。温度はそうだな…氷が覆う外よりかはマシな程度か。昔は炎の杭を守る炎導王の兵士の詰め所だったのではないだろうか……。横には剣を抱えたままマントに包まっている男。ルオが目覚めると同時に目を開ける。気配で起きたって感じだ――「起きたか」
ルオ:「う…」――体を起こそうとするけど、全身が重いです。
GM:「………………」
ルオ:「………………」
GM:「なぜ……力を求める」
ルオ:「世界を…世界を救いたいから…」
GM:「口だけだな……お前の言葉はどこか軽い」
ルオ:「………………」
GM:「………………」
ルオ:「……この、この世界に来てからたくさんのことを経験した。魔法を見たり、天使に会ったり……人が死んだり、悲しんだり……。喜んでる顔なんてほとんど見なかった」
GM:男は黙って目を瞑っています
ルオ:「でも!……でもね、私が来ると皆突然明るい顔になって『勇者が来た! 勇者様が来た!』っていうの」
GM:「………………」
ルオ:「私嬉しくなっちゃって……、それに皆が私に色々頼みごとをして……。私も、なんでも出来るような気がして……今までやってきたんだ――もちろん、めぐみちゃんやリーン、イシルにミスティー、それにシャルマ……みんながいたからこそ今までやって来れたのもわかってる……」
GM:焚き火がパチパチと音を立てる。再び静寂。
ルオ:「……でも、だからこそ、誰にも言えなかった。自分は……自分は勇者の証であるこのティアマトーも使いこなせない、なんの力もない人間だって……。怖かった。自分が剣の力に振り回されているのが。自分の剣でいくつもの命を切り落としていくことが……。……怖い。……怖い………………」
勇者の……いや、1人の少女であるルオの声は、まるで嗚咽のように廃墟に響いた。
ここに仲間が居たら話せなかっただろう。
しかし今は言えた……堰を切ったようにルオの心から今まで溜めていたプレッシャーが溢れてくる。
――もう、泣くのはやめようと思ってたのに……――
涙がいくら我慢してもあふれてくる。
GM:「怖い……か」
ルオ:動かず…泣きながら…でも声は聞こえています。
GM:「お前は、世界を救いたいと言う……しかし、その前には立ち塞がる者も現れるだろう。お前の言う世界には、その者達も含まれるのか?」――ルオの頭には、今まで倒してきた敵の顔が……言うなれば幻のラ・アルメイアで倒した影狼姫シャドー★ウルフ、それにフレイスのA−K、そしてフォーラのパンジャ……
ルオ:「……。私は……世界を、多くの人達を、ただ小さな、ほんの少し、一人が思ったことだけのために破壊して行く人達は許せない……」
GM:「………………」
ルオ:「だから……、私の言う世界には……そんな人達は……いない」
GM:「何かを生かし何かを殺す。それは自然の掟だ。何かを成す時には見合った犠牲が必要であり、また代償が存在する――しかし、時にそれはあまりに大きすぎる犠牲を……予期しえぬ代償を払う事にも繋がる」――魔の森を払った時の天使達の死体が、ティアマトーの光で傷ついたミスティの顔が頭をよぎる
ルオ:「……私は世界を救うことができるのかな……」 不安が鎌首をもたげます
GM:「犠牲と代償……それは運命と言い換えても良いだろう。お前が世界を救いたいと言うのなら、いずれそれ相応のものがお前の手の中から零れていくだろう」――男は手を握り締め、そして放す――「だが、他の誰も犠牲にできない時、他の何物も代償として支払えない時が来たらどうする? お前なら、何を代わりに差し出す?」
ルオ:「………………」 黙り込む。そして――「……私の……命」
GM:カメラが男の口元だけを写します――微笑むのが解る(笑)――「怖くなったら自分を信じろ、他の誰でもなく他の何にでもない。ただ自分だけがお前の全てだ………立て、我が奥義を教えよう。勇者ルオよ」
ルオ:不安と希望を瞳の奥に宿して立ち上がると……しっかりとした足取りで、男の後をついて行きます!

シーン4:皇竜剣奥義"紫炎"

GM:さて、外では夕日が沈もうと言う時間です。雪はまだ降っていない、白銀の世界が少しずつ赤に染まっていく。そして男は外に出ると、右手一本で剣を持ち地面と水平に構える。
ルオ:私は見ています。真剣にもほどがあるほど、しっかりとそれを見ています(笑)
GM:「はぁぁぁ……」開いている左手に金色のプラーナが集まり始める。その量は圧倒的だ――「この世界の全てはプラーナから成り立っている。それを限界まで引き出し」――左手は金色を通り越して、さらなら輝きを増す、それは純粋なる光。その白光する左手をスッと剣に滑らせるように載せ、そのまま構えを取り――「それに自らの命をも乗せる」――剣が白光の左手に触れた部分から、光の刃と化したかのように白刃へと変る――そして――『皇竜剣奥義"白焔"(しえん)』――輝く龍に飲み込まれるように、男の前の瓦礫が消滅する。
ルオ:か、かっこいい〜……! PL発言です(笑)
GM:「何をしている? 次はお前の番だ」
ルオ:その龍の閃光に息を飲む。そして一歩前に出て剣を……水平に構え、左手に気持ちを、心を集中させる。……が、感じられる気は大きくなるのだが、肉眼では何も変化が無い。
GM:「命(HP)と存在(プラーナ)、その全てを限界まで引き出せ……お前は限界を知ったはずだ」
ルオ:丸1日闘って、自らの限界を悟った瞬間を思い出す私。そして、空気が一瞬ゆらりと揺れ剣を持ってない左手は紫色の炎で包まれる!
GM:その紫の炎は、ルオの左手を焼く! ジリジリと皮膚が焼かれる!
ルオ:でも、私は焼けるまま……その左手を右に構えた剣の上に置き、そして…抜くように手を流すと、剣は炎に包まれる!
GM:「ほぅ」
ルオ:「私はもう恐れない。……私を……私の力を信じて……放つ!!!」
GM:迷いを……自分の弱さを正面から見据えて放つ――格好良いな(笑)
ルオ:『紫炎っっっ!!!!』 刃の炎は男と同じように龍となり、……その後には目の前に紫の炎の筋がゆらめく!――「ああ…、私にも……でき…た……」――パタリ
GM:ルオが気絶したところでシーンチェンジだ

シーン5:金色なりし竜の瞳を持つ男

GM:場面は移り、ここは氷砦の最上階です。ルオの左手には包帯が巻かれています。正面には守護者が自らを封印したであろう水晶のような物体がある。
ルオ:もう最上階なんですか? あの双子の天使は?
GM:ではカット割で氷砦の外、空を見ながら倒れている双子――
「……いい目をしてた。覚悟のある目だった……」
「それに強くなってたわ、あれは……あれはまるで……」
「うん、まるで……」
――双子の天使の声が重なり、何か単語をハモッテ呟く――『………………』
GM:はい、何を言ったかわからない所でシーンを戻します(笑)
ルオ:では守護者に――「もう剣を、ティアマトーを差し出したりはしない……」――そして膝まづく――「私の中に眠る、勇者の力を…解放してください」
GM:ルオの目の前で守護者が現れ、ルオに力を与えよう。なんども見た光景だ――「人が成長するためには覚悟が必要だ。そして覚悟をするためには決意と決断が要る……お前は一つ真なる者へと近づいたのだ」――守護者から光が……っていうわけでパワーアップです!(笑)
ルオ:こくり、とうなずき――「あなたたちが見守って来た世界を……大切にしてきた世界を……私が……」
………………………………………………………………………………………………
GM:氷砦の外にカメラを写します。氷砦を見上げる男、その視線の先は砦から出てくるルオだ。
ルオ:さっきの人ですか?
GM:さっきの人です。そのまま行けばすれ違う事も可能だし、立ち止まる事も可能だ。だが、ルオはうすうす気が付いていい。彼が何者なのかを!
ルオ:私はその男の真横まで歩いてくると立ち止まり、その"龍のような瞳"を見据えて言いましょう――「……あなたは……」

ルオの言葉に反応することもなく……男は、ただ静かに立っていた
辺りには、アルセイルの雪面が静かに広がっている中で―――静寂の雪夜
ルオは…心の中に何か確かなるものがあるのか、その男を後にし、仲間達が待っている方へと歩いていった……


真竜伝説
第18話「外伝3 勇者立つ!!!」

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