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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ラース=フェリア 地方名:ラ・アルメイア 場所名:イス=フィア幻導王の城――

今、イス=フィアは幻導王の居城には数人のメンバーが集っていた。
「――日に決行する。海導王ロイヴァスと合流の上、リーン地方で合流を願う。世界の平和の為に……」
城の文官が空の紋章が付いた書状を読み終わる。
それは空導王アンブレアス=ガェアからの混沌軍に対する一斉決起の連絡状だった。
「情報に寄ればリーン地方のシェイラに続き、フレイスのラーガ、フォーラのピピンも死亡したそうです」
それはすでに承知の事実となって導王達には連絡が来ている。
「しかし、そろそろ勇者もリーン地方に入るとの事……」
「確かに……戦うなら今しかない……」
「フィルナ様……ご決断を」
会議の場に居る全ての者の視線が幻導王フィルナへと集る。
フィルナは一度全員を見渡したあと、一言だけ呟いた。
「戦いましょう」
会議の席が一気に騒がしくなる。
「フィルナ様、我等幻獣の里は全面的に協力致します」
「うむ、頼む」
翼を背負った幻獣の里が里長は、勇者達の一件よりかなり協力的であった。
フィルナは会議に集ったメンバーのうち、一人に視線を向け――
「ナティノ大僧正、すみませんがあなたには残ってもらいます」
ナティノは一瞬だけ残念そうな顔をするが、それもすぐに消え公務の顔になる。
「そうですね、お任せ下さい。この地は私が守って行きます。安心して出発して下さい」
ナティノの声に最後の心残りは消えた。
騒がしくなっていた会議場が何かを察して一瞬だけ静まりかえる。
その間隙をフィルナの声が制する。

「今こそ混沌軍を叩くときです!」


真竜伝説

第20話「外伝5 幸福の約束」


シーン1:突然の再会

そこは海上に建った神聖なる神殿。フォーチューン地方が誇る海上神殿だった。今、仲間の転移魔法によって一人の少年……いや少女?がその地へ降り立つ。
GM:では始めましょう。今回はめぐみちゃんの外伝です。
めぐみ:ジョニーさんを生き返らせないといけませんね♪
GM:ま、その目的の為にシャルマに送られて、めぐみちゃんは今フォーチュ−ン地方の海上神殿へとやってきました。ここは海の上に建っているその名の通りの神殿です。ちなみにジョニーの氷は縄でぐるぐる巻きにされ、今は九十九が引っぱっています。
めぐみ:「ジョニーさん……」
GM:さて、ここは海上神殿という"かなり有名(イシル談)"な神殿のはずだが、君が見る限り閑散としている。神官の数が極端に少ない感じがするね。
めぐみ:「あらら? 聞いていたのと少しちがいますぅ」――神殿の中を入り口付近から観察です。
GM:一応閑散とはしていも、神官がいないわけじゃない。
めぐみ:「あの〜〜、誰か〜〜、助けて下さい〜〜!」
GM:付近の神官(男)が寄ってくる――「ちょっとちょっと、今は立ち入り禁止ですよ。一般人は島に渡って来れないはずですが? あなたはなんですか!」
めぐみ:見張りの人?――「来ちゃ行けなかったのですか!? 大切な人が怪我をしているっていうのに!!」
GM:「あなたの大切な人がどれだけのものかは知りませんが……今、この海上神殿は世界の命運をかけた(ゴホンゴホン……)――あ、いや、とにかく! 一般人は入らないで下さい!」
めぐみ:「それは……門前払いってやつですか?」
GM:「そういう事になるな、さぁさぁ、一般人はこの島から出て下さい!」――とその神官に追い出されそうになっていると、めぐみちゃんは、視界の隅に知り合いの神官を見つけるぞ。
めぐみ:「え、えっと……あの〜〜もしかして、そこの方は…確か……」
GM:アナスタシアです。女性の15歳。空属性の神官。
※"アナスタシア"――めぐみちゃんがまだ政二貴良だった頃、この世界へやって来たばかりの政二を(次元を超える圧力に政二は気絶した)介抱してくれた空の神殿の女性神官である。
めぐみ:「アナスタシアっ!」――駆け寄ります!
GM:「えっ?」とアナスタシア(笑)――「なっ! お前、アナスタシアさんのお知りあいか!?」――男の門番神官が驚きの声を上げる!
めぐみ:「はい♪ 知り合いです!」――アナスタシアの両手を掴んでブンブン上下に!(笑)
GM:「そ、そうでしたっけ??? ……あ、でも確かにどこかでお会いしたような……」「そうですか、アナスタシアさんのお知りあいならば」――と、門番は引き下がる。
めぐみ:おお〜♪
GM:で、二人だけです。ちょっと場所を神殿のとある廊下に移しました――「それで、あの……どちら様でしょうか???」
めぐみ:「あの……この顔に見覚えありませんか?」――と顔を近づけます。
GM:では、アナスタシアが……「もしかして…政二さんのご家族の方ですか!?」
めぐみ:「惜しい!(笑)――じゃなくて……はいです! そうなんですよ♪ 私は政二めぐみって名前です♪」
GM:「めぐみ…さん? もしかして運命の勇者様と一緒に旅をしているという噂のめぐみさんですか!? 海導王様から聞いたんです! まさかご兄妹で勇者様と同じパーティーだったなんて! あの……政…お兄さんはお元気ですか???」――と、ちょっと頬を赤らめるアナスタシア。
めぐみ:「もちろん貴良は元気ですよ♪ アナスタシアさんに宜しくって言ってました」
GM:ぐはぁ(笑)――「あ、あの、政二さん、私の事言ってたんですか? うあぁ、嬉しいなぁ……お元気なんですね。良かった……」
めぐみ:「すごくあなたに会いたいって言っていましたよ」(笑)
GM:じゃあ顔を赤くしてうつむく。とても嬉しくて、また恥ずかしいらしい(笑)――「あ、え〜と、その…ところで、妹さ…めぐみさんは、どうしてここに? 今、この海上神殿では世界を救うための儀式の真っ最中なんです」
めぐみ:口笛を吹くとそこへ九十九が現れます♪ ジョニーさんの氷も引きずられてです。
GM:「どうしたんですか、この氷の人?」
めぐみ:「アナスタシアさん……大変なんです! この人は貴良をかばって瀕死の怪我をおったんです! なんとか助けてくれないでしょうか?」
GM:「政二さんを庇って!? た、大変……(と、ここで急に真面目な顔で)……でも、こんな状態では…本当に高位の神官でないと……ごめんなさい。私回復とかより攻撃専門なんで……エリオラ様達の儀式が終われば……」
めぐみ:と、ここでタイミング良く儀式が終わると(笑)
GM:ご都合主義な(笑) まぁいいか。
めぐみ:助かります♪
GM:「エリオラ様!」――ぞろぞろと神殿の奥からたくさんの神官(身なりからかなりの高司祭と見受けられる)がやってくる――そしてアナスタシアの声にエリオラ(空の神殿の偉い人)が気が付く――「どうしたの?」「かくかくシカジカ」(笑)
めぐみ:神妙に待ってます。
GM:エリオラ様が手招きして、めぐみちゃんを呼んでいるよ。
めぐみ:「あの…はじめましてです。勇者ルオの仲間の1人のめぐみです。会えて光栄です」
GM:「アナスタシアから簡単に話は聞きました、今は一刻を争うのではないのですか? 私に氷を見せて下さい」
めぐみ:「九十九〜」――九十九がジョニーさんを持ってきます――「彼は助かるのでしょうか?」
GM:ではエリオラは九十九が引っ張ってきた氷に手を触れ――「完全な冷凍状態…しかも、死の一歩手前ですね…よく生きていられるものです。奇跡か…もしくはよほど潜在的な何かを秘めているか……少しの間、彼を借りますよ?」
めぐみ:「彼を助けて……たすけて、くれ、ますか?」目に涙を湛えて言います。
GM:「この人も運命の勇者ルオの仲間なのでしょう? 私がなんとか致します」――そう言うと、数人の神官(回復役)がやってきて――「蘇生の準備に入ります。まだ完全に魂が抜けていない今の状態ならなんとかできるでしょう」――
めぐみ:「……お願いします」
GM:他の神官は驚く――「そんな、たった今、あの儀式を終えたばかりなのに!?」「人の命には比べられません」「………はい」――そう言ってジョニーをどこかへと連れて行く。
めぐみ:ボソッと「九十九っ」と言ってタヌキを抱えてジョニーさんを見送ります。

シーン2:待っている女…

その日の夜、儀式はぶっ通しで行われていた。エリオラ達の疲労も原因の一つだが、生き返らせる対象であるジョニーに、聖なる魔法が効き辛かった……とは、後でエリオラが話していた事だ。
GM:めぐみちゃんは眠れない。今、どこにいますか?
めぐみ:部屋にいます。
GM:では、アナスタシアと相部屋です。――「眠れないのですか?」
めぐみ:「いえ、夢を見るのが怖いのです……」
GM:「夢?」
めぐみ:「あの人が、もう目を覚まさないんじゃないかって不安で不安で不安で……」
GM:「ジョニーさん……でしたっけ……。好きなんですねめぐみさん、あの人の事が」――ちょっと微笑むアナスタシア。
めぐみ:「私は彼が大好きです♪」
GM:「ふふ……めぐみさんは気持ちに正直なんですね……私は叶わぬ恋ですから……告白もできないんだろうなぁ」
めぐみ:「その人自身に言わなくたって、その想いはもう伝わっていると思いますよ♪」
GM:「ありがと♪ めぐみちゃん…やさしいね。………………大丈夫だよ、こんなに優しいめぐみちゃんに愛されているんだもの、きっとジョニーさんは戻ってくるよ――だから、信じましょう」
めぐみ:「そうですね、九十九ーこの話は内緒だよ」――と、言って九十九をでこピン(笑)

シーン3:復活の男

次の日、めぐみは夜ずっと起きていたのがたたってか、それとも今までの疲れが一気に出たのか、朝になる頃にはぐっすりと眠りの世界へと落ちていた。そして――
GM:では次の日の朝、いつの間にか寝ていためぐみちゃんが起きると、ベットの脇に一人の男性が座っている。
めぐみ:「……?」
GM:その男はジッと君を見つめている……そう、ジョニーだ。
めぐみ:「あう〜?」――目をこする。
GM:幻じゃないね(笑)――「めぐみ…」微笑むジョニー。
めぐみ:「おかえりなさい」――微笑み返します♪
GM:「ああ……心配かけたな」
めぐみ:「すごく心配しました」
GM:「すまない」
めぐみ:「わたしも後を追おうかと考えちゃったぐらいだよ……」
GM:「本当にすまない。今の俺は――『俺が大切に思っている、孤児の俺を引き取って育ててくれた義理の父親』――な状態さ……大事な養父……だいじようふ……大丈夫…ってな」
めぐみ:「ほんとうにー大丈夫なのー!?」――肘撃ちをボディに容赦なく(笑)
GM:「ゲホッゲホッ!」――でもジョニーは我慢、罪悪感があるらしい――「ああ、大丈夫さ、あの黒い影も感じないしな」
………………………………………………………………………………………………

 ――朝食後の海上神殿、二階にあった部屋のバルコニーに2人はいた。
GM:場面は朝食後のシーンです。海上神殿の港には何隻もの軍艦船がいくつも並んでいる。いつのまにか来たらしい。君とジョニーは神殿の2階、外に突き出したバルコニーからそんな港を眺めている。
めぐみ:じゃあジョニーさんと楽しくお話します♪
GM:では――いくらかジョニーと話し込んだ君だったが、話の合間を見てジョニーが言う――「ところで、これからどうするんだ? もし何もないなら……二人で静かに暮さないか? 俺ももう混沌軍には戻れない。二人平和に暮らすのも悪くないんじゃないかな?」
めぐみ:「そんな……急に……」
GM:「俺は、本気だ」
めぐみ:「ジョニーさんは素敵でカッコよくて面白くて一緒にいると楽しくて楽しくていつもわたしは笑ってしまって……」
※どうでもいいが……結構GMは辛かったりします(笑) イシルをいじるのが懐かしい……。
めぐみ:――でも、そんなわたしは貴方のことが好きで、大好きだから……」
GM:ジョニーは黙って聞いています。
めぐみ:「ジョニーさんは私のことをどう思っているのですか?」
GM:「もちろん……好きだ。愛している」
めぐみ:「わたしも、ジョニーさんが大好きです」
GM:「なら!」
めぐみ:「うん……浮気したら許さないんだからね♪」――笑顔で♪
GM:「じゃあ、一緒に暮してくれるんだな!? ありがとうめぐみ……」
めぐみ:「うん……長生きしようね♪」
GM:「ああ、ありがとう」――そう言ったジョニーの顔は本当に嬉しそうだった。

シーン4:運命は2人を逃さない

数日後――
GM:ジョニーもそろそろ完全に復活という頃、アナスタシアが二人を訪ねて来ます――「数日前から停泊している港の軍船は見ましたか?」
めぐみ:「あれはどちらの軍艦なの?」
GM:「海導王様のものです。これからリーン地方の混沌軍のアジトに、全世界の導王達と一緒に攻撃をしかける作戦が開始されるんです。エリオラ様達も海導王様の船で、そちらへ向かう事になっているんですよ」
めぐみ:「リーン地方にですか? でも……確かリーン地方は最初に落ちたんじゃ……?」
GM:「そう、リーン地方は最初に混沌軍に落とされました。でも、確かな情報では、そのリーン地方に混沌軍のアジトがあるのは確実なんです。だから…他の導王達と協力して一斉に攻勢に出るんです!」
めぐみ:「ルオ先輩達にはそれは伝わっているのかな?」
GM:「勇者様達ですか? さぁどうでしょうか……今、どこにいるかもこちらでは確認がとれませんし……。それに、たとえ伝わっていなくとも運命に導かれてきっと一緒に戦ってくれるはずです」
めぐみ:「………………」――黙ります。迷います。
GM:と、ここで黙ってたジョニーが言葉を発します――「俺達二人も便乗させてもらう事はできないか?」
めぐみ:「ジョニーさん?」
GM:「心配なんだろう? 仲間達のことが……だったら迷う事は無い。2人で静かに暮らすのは仲間達を救ってからでも遅くはないさ」
めぐみ:「はい♪」
GM:「頼む、俺達も乗せてくれ」――アナスタシアは――「もちろん喜んで! 勇者様のパーティーの一員であるめぐみさん達が一緒に来てくれるのなら歓迎されますよ♪……あの、でしたら一つ、めぐみさんに頼んでもいいでしょうか? とても個人的な事なんですが……」
めぐみ:「はい、なんでしょう?」
GM:「実は、先日までエリオラ様たちが行っていた儀式は、この海上神殿の最地下において『鍵を介して流れ込むであろう邪悪な魔力を、冥界へと送る通路を作るもの』だったんですが……」
めぐみ:はい?
GM:「私は、その通路を封じる時期がくるまで、ここで守護する役目を仰せつかっていまして……本当なら、最後の戦いでは政二さんと肩を並べて闘いたかったんですが……だから……だから……その……――私が元気だって……そう、伝えてもらえますか?」
めぐみ:「わかりました。確かにその言葉受け取りましたよ! 必ず伝えますね♪」
GM:「(アナスタシア微笑んで)――ありがとう」

シーン5:現れ最強の敵

それから数時間後……すでに軍船は出港し、めぐみとジョニーはすでに船の上だった。
GM:船には海導王ロイヴァス、空の神官長エリオラ等が乗り込み、また護衛船も数隻同行している。導王が言うには「勇者達の活躍によって各地の混沌軍も力を弱めました。今こそ空、海、幻、氷の全ての力を結集して、混沌軍を打つ時です」――との事。
めぐみ:総攻撃ですね。人間側が攻勢に出る時が来たんです!
GM:と、海の向こうから別の船が進んで来るのをめぐみちゃんは発見する。そしてその船には幻導王のマークが入っているね。
めぐみ:確かフィルナ様という名前でした。
GM:海導王の指示の元、その幻導王の船と合流する船団。そして数人の乗組員が幻の方から、こっちの船に乗り込んでくる。もちろん幻導王フィルナもだ。そして――「おに……お姉ちゃん、久しぶり! 元気だった?」――小さな狐を連れた少年が幻の船からこっちにやってきて君にあいさつする。
めぐみ:「うわ〜〜本当に久しぶりですね♪」
GM:そう、彼はクラマという幻の大地で会ったビーストテイマーの少年だ。その彼についているのが九尾の狐のテール。
めぐみ:自分の身長と比べて――「ちょっと背伸びたんじゃない?」
GM:「うん♪ 実はちょっとだけ伸びたんだ!」
めぐみ:「うんうんやっぱり〜〜♪」
GM:「えへへ♪ ……ねぇ、おに――お姉ちゃん、この隣の男の人って誰???」
めぐみ:「ジョニーさん? 自己紹介して欲しいな、小さな彼は私の友達なの」
GM:「俺はジョニーだ。彼女のそうだな……狐の役者だ」――クラマ君は「???」――そしてジョニーは「コン役者(婚約者)だ」――クラマ君「………………」
めぐみ:「くすくすくす」
GM:「面白いの!?(笑)……ま、いいか、二人とも心の底から楽しそうだし(笑)」
めぐみ:「彼がジョニーさんです。とっても素敵でかっこいーでしょ?」
GM:「う〜〜ん、どっかで見た顔な気がするんだけど……」と、そこでクラマは急に真面目な顔になる。めぐみが横を見れば、ジョニーも真面目な顔になって、別の方向を見ている。クラマと同じ方向を見ているね。
めぐみ:つられて同じ方向をみます。
――奇しくも、ちょうど海導王ロイヴァスと幻導王フィルナが握手を交わした瞬間だった。暗雲が急に立ちこめ、稲光が走り、轟音が響く、そして海は荒れ高波が船を横倒しにせんとばかりに揺らし出す。
GM:ジョニー達が見ているのは船の後方だ。
めぐみ:「???」
GM:一際大きい雷鳴と共に、その空間が歪み一人の男が中空に出現する。そこに停止したように男は立ち、片手を護衛船の一つに向けると、そこから魔力球を打ち出す――ドッカーン!――撃沈!
めぐみ:ええっ!?
GM:その姿をめぐみちゃんは知っている。フレイスの闘技場で出会った……そう、魔王タラスその人だ。
めぐみ:えええ!? なんでここに!!!
GM:クラマ君が――「な、船が一撃で……誰、誰なの!? 心が読めない、暗すぎてあの人の心の中は感じられないよ!?」
めぐみ:「あれは……魔王タラスです!」
GM:「クラマ! テール!」――導王達のいる方向から、クラマと一緒に来ていた幻獣の里の長が叫ぶ。クラマは走り出し、テールは巨大化。導王二人をテールの背に乗せる。そして……魔王タラスが全員に聞こえるような響く声で――『鎖は返してもらうぞ……』――他の船から、遠距離魔法が飛ぶが、魔王の前は一瞬で魔力も散らされる。
めぐみ:「つ、強い…強すぎです」
GM:ジョニーが――「めぐみ……逃げるんだ」
めぐみ:「逃げる? 逃げるなんて出来ないです……九十九っ!」
GM:「じゃあどうやって君は戦うつもりだ? この船団全てを守りながら……それに、敵は上空、君は空を飛べるのか?」
めぐみ:「でも、何も出来ずに目の前で人が死ぬのを見過ごすことなんて…そんなこと」
GM:「ならお前は……人を守れ」
めぐみ:「……わかった…がんばるね!」
GM:「船団の魔法使いたちが遠距離魔法しかやっていないところをみると、どうやら空を飛べるのは、あの狐の幻獣だけのようだ。めぐみ、お前はこの船を、この船団全てを守るんだ」――ジョニーの顔に決意が刻まれている。
めぐみ:「ジョニーさん?」
GM:「(にやり)……いつでも会えるさ。そんな顔をするなよ? 俺の大好きな笑顔で見送って欲しいもんだぜ?」
めぐみ:「ジョニーさん……大好きだよ♪」
GM:「飛竜(ヴィリウトラー)!!!」――ジョニーの叫びに天から小飛竜が舞い降りる――「ああ、俺もだめぐみ! また後で会おう。もちろん、生きて…だ!」
めぐみ:「九十九っ」――九十九に呼びかけジョニーとは反対の方向へ「………………」
GM:じゃあ巨大化したテールがめぐみを待っている……「おに――お姉ちゃんいいの!? あの人1人で魔王に向かって行っちゃったよ!?」
めぐみ:「あのひとは私の大好きなジョニーさんです! 魔王に負けるわけ無いもの!!」
GM:「………………うん、そだね! わかった」――船団は離れていく。海の遠くの方、魔王と戦い1人足止めをしているジョニーがいた。時々光る閃光だけが、その存在がまだ確かである事を語っている。
めぐみ:「ジョニーさん……笑えないよ…………」

真竜伝説
第20話「外伝5 幸福の約束」

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