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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

どことも知れぬ暗闇の中、彼女の意識は次第に薄れて行きつつあった。

――(せっかく……この時代になったのに……)――

彼女……ユーフォリアの意識は消えようとしていた。いかに魔王の娘が転生体だったとしても
魔力の無い状態で肉体と魂が離れてしまえば身動きはできない。
崩れていく肉体……
薄れていく魂の存在……
ユーフォリアは諦め切れない思いを声ならぬ声で叫びながら最後の時を待つ。
しかし、完全なる闇が訪れる前に、その声は聞こえてきた。

――まだ、消滅するには早いぞユーフォリア――

誰? と考える気力も無いまま声だけはさらに届いてくる。

――お前の魂は我が目的の為、お前の肉体はいざと言う時の母の為、必要なのだ……――

――(そうだ……その声は……お父様……)――


真竜伝説

第21話「目指せ! 最後の砦」


キャラクター紹介

ハラハラ=ルオ(17歳女性 エクセレントウォーリア/魔剣使い 火/虚)
魔剣ティアマトーを唯一使用できる運命の勇者。TRPG初心者だったのが懐かしい。現在魔剣ティアマトーを封印中であるが、その勇者としての決意と実力は本物。常に前向き。アルゲル用あだ名は「勇者」。

イシュエル=シルヴァーナ(19歳男性 ウォーリア/ライトアームズ 闇/氷)
通称イシル。女性に強く触られると"おにぎり"に変化する呪い持ちな不幸者。自分の力がどこまで通じるか確かめる為旅をしている。アルゲルが復活してかなり嬉しげ。アルゲル用あだ名は「"おにぎり"」。

リーン=ハインリヒ(7歳女の子(本当は27歳) ナイトウィザード/ぷち 冥/虚)
常に冷静なベテランウィザード"だった"。必中のレンガは「イリュージョン」の掛け声で無限に出てくる。一度死亡し生き返った際、副作用で体が7歳に縮んでしまった。アルゲル用あだ名は「レンガの娘」。

ミスティ(16歳女性 マジックナイト/フォーチュンテラー 幻/海)
生まれた時から"世界を滅ぼす鍵"の運命を持つ心優しい少女。ティアマトーの暴走時に半身を焼かれる。魔剣リンドウィルに勇者天使の魂を受継ぎマジックナイトになった。アルゲル用あだ名は「地下牢の女」。

めぐみ(16歳男性(?) ナイトウィザード/魔物使い 冥/火)
通所めぐみちゃん。本名は政二貴良なのだが"もしかしてイケてる?"と目覚めてしまった少女(?)。相棒の狸は九十九という。ジョニーとはいつの間にからぶらぶである。アルゲル用あだ名は「タヌキの女」。

シャルマ=オーヴェルン(17歳女性 エンジェル/ソーサラー 冥/火)
かつて混沌軍悪魔兵団団長ダークネスだったが、魔剣ティアマトーの力で浄化され呪縛から解き放たれた。同じ天使仲間<人造天使第一師団>と共に世界の為に戦っている。アルゲルからは「ダークネス」と呼ばれる。

シーン1:サルガクの暗躍

GM:ではそろそろ、この真竜伝説も折り返し地点です!
一同:『おお〜〜』
ルオ:さすがに今日はフルメンバーだね!
めぐみ:前回は申し訳ありませんでした〜。
ミスティ:前回も前々回もなんと言っていいやら(笑)
イシル:だが、二人ともこっちと別れている間、いろいろあったらしいじゃないか?
※このセッションプレイ時点では、まだリプレイ外伝がアップされていなかったので、ミスティやめぐみちゃん以外は、それぞれが何をやったのか知らなかったのだ。
めぐみ:ありましたよ、そりゃあもういろいろと(笑)
ミスティ:その話は物語中にお話致しますね(笑)
シャルマ:ちょっと楽しみね!
リーン:でも本当、なんか久しぶり(笑)
シャルマ:私なんてよく考えると、シャルマとしてメインメンバーと一同に期するのは初めてじゃないかしら?
イシル:そう言えば……(笑)
GM:まぁ無駄口叩いてないで、そろそろ始めるよ(笑)
一同:『は〜〜い』
………………………………………………………………………………………………
GM:では最初のシーンはマスターシーンです。それはリーン地方にある大暗穴と呼ばれる場所、その大地にポッカリと開いた漆黒の闇…その最奥、混沌軍の居城。その中にあるとある一室に男が入ってくる――「げはははは…この俺様とした事が、危なく地下要塞の倒壊に巻き込まれ生き埋めになる所であったわ!」
イシル:アルゲルじゃないか!(笑)
GM:「おやアルゲル様…どうしてこちらに? あなたは確か、魔王様の命令でカイザー様が攻めているアルセイル地方に赴き、ユーフォリア様を復活させる任務中では?」――その声に反応するのも一人、どうやらこの部屋には今、その二人しかいないらしい。
シャルマ:アルゲルと…口調からしてサルガクね。
イシル:しかしアルゲルの奴、目的はユーフォリアの復活だったのか……。
リーン:でも思いっきり本人忘れていたよね(笑)
GM:「いや何……何? そんな命令だったか!?」(一同爆笑)
イシル:やっぱり駄目だろアルゲル(笑)
GM:「げっはっはっはっはっ、もちろん知っていた。命令通りユーフォリア様は復活なされた。しかし実はな……(かくかくしかじか)……と、言うわけで魔導器より復活されたユーフォリア様は地上へと向かいになり、それを追い勇者どもは地上へと行ったわけだ。そこで俺様は勇者どもの目を欺き、始まりの魔剣を封印するとか行っていたダークネスから魔剣を奪うべく、地下要塞を最下層へと引き返し――」
イシル:(突然サルガク)『始まりの魔剣を奪った……と?』(笑)
GM:「いや、それは無理だった」
イシル:(サルガク)『アルゲル様…あなたはいったい何を……』
GM:「まてサルガク、そこで俺様は見たのだ。黒い空間のようなものの中へ魔剣を投げ入れていた、ダークネスのようなダークネスでないようなダークネスの姿をな!!!」
イシル:(サルガク)『ダークネスのようなダークネスでないような?』
GM:「まるで別人のようでもあったな」――と、さすがに次のサルガクの台詞はこっちが引き継ぐぞ(笑) サルガクは言う――「黒い穴は異次元に繋がる次元回廊のようなものでございましょう。そしてダークネスの別人……そうか…そうでございますか! ……ふっふっふっふっふっふっ」――イシル(のPL)は変りにアルゲルやってくれ(笑)
イシル:(今度はアルゲル)『何がおかしい!』
GM:「いいぇ、さすがは造魔戦団団長、外道勇者アルゲル様です。お手柄でございますよ」
イシル:(アルゲル)『そうであろう、そうであろう! で、話の続きなんだが――』
GM:「すばらしい! すばらしいですよ!!」
イシル:(アルゲル)『――ユーフォリア様を見失った俺様は……ってオイ! サルガク!?』
GM:「始まりの魔剣を異次元に……ふっふっふっ…」
イシル:(アルゲル)『………………』
GM:「ユーフォリア様はあのような状態になってしまわれましたが、アルゲル、あなたの情報のおかげで、魔王様の勝利でございますよ! はーはっはっはっはっはっ!」
イシル:(アルゲル)『……まぁなんだ? よくわからんが…とりあえず俺様のおかげよ! げっはっはっはっはっはっはっはっ!!』

シーン2:リーン地方を目指して

今、ルオ、イシル、リーン、シャルマの四人は超高速型水氷両用船の上にいた。それは一隻だけではなく、数隻の同種船による船団である。
ルオ達の乗る船には指揮をとる氷導王シェディ、以下氷魔騎士団、そしてキーンもいた。
船団は海の上を疾走する。東へ――リーン地方を目指して……。
GM:ってなわけで、今ルオ達4人は船の上です。ミスティとめぐみちゃんの出番はもう少しあとだから、ちょっと我慢してね(笑)
ミスティ:はい。
めぐみ:わかりました♪
ルオ:なんで船の上にいるの?
イシル:それに氷導王シェディって! 俺達を指名手配していた本人じゃないか! まさかまた捕まったのか!?
GM:いや、そういうわけじゃない。ので、ここから回想シーンへと引き戻ります(笑)
………………………………………………………………………………………………

――それは復活したユーフォリアを勇者ルオが必殺技で天へと見事討ちはなったあとの事
GM:ルオ達4人は氷魔騎士団補給部隊白鯨師団の面々に傷を治してもらいました。
ルオ:え、そうなの?
シャルマ:まぁ治してくれるのなら大人しくしていようかな。
GM:治療するよう指示した氷導王シェディが近づいてきて――「君達の手配書は撤回させよう。私は自分の目を信じる。君ならやってくれるだろう。その可能性を私はこの目で見た」――それは穏やかな表情であり、何かを認めたような瞳だった。
ルオ:「ありがとう認めてくれて」
GM:「我等氷魔騎士団もその数・戦力は半数以下になってしまった。前のように強攻策を取るわけにもいかない。これ以降、我々は君達に協力する事を約束しよう」
ルオ:「うん」
イシル:「氷導王様、もし協力してくれるというなら、まず始めにリーン地方の現状を教えて頂きたい。俺達はこれから最後の封印を解く為にリーンの暗砦に行かなくてはならないんです」
GM:「リーン地方か……君達は聞いていないのか? 残念だが、リーン地方は壊滅した」
イシル:「壊滅した? それじゃあ…あの闇導王も?」
GM:「ああ……」
イシル:「………………」
GM:「もっとも、リーン地方は奴等混沌軍の本拠地があった場所だ、そこでアイツは良く耐えてくれた方だよ。おかげで、リーン地方を除く6地方は、全て君達の力によって解放された」
シャルマ:本当にあの闇導王が死亡?
イシル:しかたない事です。シュローティアをでる時の選択肢で、ラ・アルメイアを取るかリーン地方を取るかで決まったようなものだし(笑)
リーン:リーンを見捨てたのよね(笑)
イシル:そうそう(笑)
リーン:(ムカッ!)レンガ投げる! イシルに!
イシル:なんでだよ! わけわかんねぇよ!!(笑)
ルオ:「じゃあ、リーンの闇砦がどこにあるのかは探さなくちゃいけないんだ……」
GM:「いや、それはない。闇砦の場所なら私が把握している」
ルオ:「本当?」
GM:「シェイラから"もしもの時"に備えて情報交換しておいたのだ。東の端にある海岸から、リーン地方へ一気に乗り込む準備はすでに整っている。今すぐにでも出発できるが…どうする?」
シャルマ:「ずいぶんと手回しがいいじゃない?」
GM:「今となっては、海導王ロヴァスの案に乗るしかないが……。元々私達は君達の仲間である、幻導王フィルナに育てられし少女を始末し、そのままリーン地方混沌軍本拠地へ攻め入る手はずだったからな」
シャルマ:「海導王ロイヴァスの案?」
イシル:「いや、シャルマ! そんな事より今、すごく気になる事言わなかったか?」
ルオ:「幻導王に育てられた少女を始末って言った!」
GM:「ああそうだ。確か名は……そう、ミスティと呼ばれていたか……そういえばそのミスティはどこにいる?」
リーン:「フォーラの森砦で静養中のはずよ」
GM:「そうか、君達と行動を共にしていなかったのか……無意味に追い掛け回してしまっていたようだな。すまないことをした」
ルオ:「それより、ミスティを始末するつもりだったってどういうこと!?」
GM:「そうだな、丁度ここにその少女がいないのも好都合か……説明しよう。ミスティ――彼女は混沌軍に狙われているのだ。その"器"としての能力を……」
イシル:「混沌軍に狙われている?」
シャルマ:「器……」
リーン:「じゃあ氷導王様はミスティを保護しようとしていたの?」
GM:「それは海導王ロイヴァスの案の方だな。私は器として利用される前に、その器を壊すために動いていた。もっとも、これだけの戦力に落ちてしまった今、君達と敵対関係になるのは非効率的だ。私も海導王と同じ道を歩む事にする」
シャルマ:「器…と言ったわね。それは何の器なの?」
GM:「それはわかっていない。ただ一つ言える事は、混沌軍が狙っている以上、魔王と同レベル、もしくはそれ以上の脅威である事は間違いないだろう」
イシル:「混沌軍にとっての切り札…か」
リーン:「どうするルオ? 氷導王様の話だと今すぐにでもリーン地方に出発できるみたいだけど? それともここでミスティやめぐみちゃんを待つ?」
イシル:「確かに迷うところだな、ミスティが狙われているなら尚の事だ」
シャルマ:「だけど、ゆっくりとしていられる程、世界に時間は残ってないはずよ」
ルオ:「………………行こう、リーン地方へ、今すぐ」
GM:氷導王シェディは頷き、他の氷魔騎士団の面々も準備を始める。
リーン:「それじゃあ私達も準備しましょうか」
シャルマ:「ま、あの二人の事だし、きっとあとから追いついてくるわ」
GM:「運命の勇者ルオ、一つ、これだけは覚えておいて欲しい」
ルオ:「うん」
GM:「この後、リーン地方にて混沌軍を壊滅させたとする。しかし、一度バランスの崩れたこの世界が、元通りになるにはいかにラース=フェリアと言えどかなりの時間を労するだろう。だから、世界を手助けする"あるアイテム"を見つけて欲しい」
ルオ:「あるアイテム?」
GM:「これは預言者達が同時に言い出した予言なのだが――"三本の魔剣が世界を救う"――これまでの調査で一つは『始まりの魔剣』、もう一つが『終わりの魔剣』である事が解っている」
ルオ:「じゃあ、一つ目はティアマトーなんだね」
イシル:「それじゃあ、最後の一本は?」
GM:「わからない。3本目が何か…それはまだつかめていないのだ。空の神官長エリオラの指揮の元、情報収集に力を入れたようだが、今だに何の情報も無い」
シャルマ:「でも、その予言を聞く限り、例え魔王を倒したとしても、その3本の魔剣を見つけない限り、平和はやってこないって事かしらね?」
GM:「もちろん、この世界から混沌軍を追い払えば、今までのような平和は戻るだろう。だがそれは――」
シャルマ:「仮初めであり一時的なもの……そういう事ね」
ルオ:「わかった3本の魔剣を見つければいいのね。うん、なんとかやってみる」
リーン:「でも、なんでそれがルオの役目なの?」
GM:「彼女は『始まりの魔剣ティアマトー』の所持者だ。予言の言葉を素直に受け取るなら、それは『終わりの魔剣』とも関連性のある代物のはず、ゆえに何か、両者でないとわからない事や運命的な事があるだろうと思ってな」
リーン:「ふーーん」
GM:「もっとも、異世界より来たと言う勇者に、この世界の後始末の平和まで頼むのは欲張りすぎなのかもしれないが……」
ルオ:「そんなことない! 私はこの世界でたくさんの人にあった。だから平和であって欲しい、この世界に住む人々のためにも」
イシル:「勇者殿……」
リーン:自分の事じゃないけど、ちょっと満足そうな顔してます(笑)
シャルマ:別の方向見ながら、口元に笑みを(笑)
ルオ:「じゃあ行こう、混沌軍を倒しに! いざリーン地方へ!!」

シーン3:心強き仲間達

回想シーンも終了し、場面は現代へと戻る。場所は氷導王の紋章が入った船の上。船尾では一人キーンが手摺に持たれかかりながら、離れていくアルセイル地方を眺めていた――
シャルマ:そこは私が出たい! シーンに登場! 「まさか、あなたがこの船に乗ってくるとは思わなかったわ」
GM:「………………ユーフォリアを失い、自暴自棄にでもなると思ったていたか?」
シャルマ:「ふっ、そうね。もしくはシェディに戦いを挑むかも……それぐらいは考えていたわ」
GM:「両方とも、そこまで考えた事はないさ」
シャルマ:「そう?」
GM:「……薄々、そんな気はしていたんだ……ユーフォリアが人ならざる者ではないか…と……」
シャルマ:「それでも、助けたかったのでしょう? 彼女を」
GM:「………………流されていたのだろうか、この私は……」
シャルマ:「そうね、そういう運命だったのかもしれない」
GM:「だとしたら、今こうして君達と再び共に進む道を選んだ事も、その運命とやらなのかもしれないな。是非とも君達に協力したい。罪滅ぼしなのかもしれない……だけど、手伝わせて欲しい……」
シャルマ:「例えそれがユーフォリアの望まない事であっても?」
GM:「ああ、私の力でどこまで行けるかわからないが、これは私の決めた事だからな」
シャルマ:「……そう。わかったわ」
GM:と、ここで――「シャルマ殿〜? シャルマ殿はどちらにおられますか〜?」と兵士の呼ぶ声が聞こえる。
シャルマ:「じゃあね、今度は道を違わぬように…祈っているわ」
GM:"ふっ"とキーンは微笑み、場面は氷導王シェディのいる船室です。シャルマはその部屋に呼び出されました。
シャルマ:「なにか用?」
GM:その部屋、シェディの前には水晶球が置かれており――「来たか…今、フォーラにいるグリューナ王と繋がっている。君に話があるらしい」
シャルマ:テレビ電話?(笑) 覗いて見る――「お久しぶり」
GM:『久しぶりじゃの……封印の話はシェディ殿より聞いた。わしが余計な事を言ったばっかりに……』
シャルマ:「あなたが悪いわけじゃない。アルゲルもあそこにいたし、遅かれ早かれユーフォリアの封印は解かれていたと思うしね。まぁ、ルオがいた分だけでも、今回のタイミングで良かったんじゃないかな」
GM:『ふぉっふぉっ、そう言ってくれるか、わしも救われる』
シャルマ:「それで、私に話って? まさか封印の罪悪感にかられて謝りたいって訳じゃないでしょう?」
GM:『そうじゃった、そうじゃった…実は話があるというのは、わしではないのじゃ』――とグリューナ王は水晶の向こうで席を外れる。代わりに水晶に映るのはローラだ!
シャルマ:「ローラ!? やっぱり無事だったのね」
GM:『はい。隊長もお元気そうで何よりです。実は私達の方で動きがありまして……』
シャルマ:動き?
GM:簡単に説明しちゃうと定時連絡みたいなものだ。まず森砦で寝ていたリューガやリリン達が治りました。どうも"平べったいバナナ"のような物を食べたら元気になったらしい。
イシル:霊薬リーフじゃないですか、それ(笑)
シャルマ:「凄いじゃない。これでみんな動けるようになったわけね」
GM:『はい。それで話というのは今後の指示についてなんです』
シャルマ:「指示? そっちにはメリース指揮官の補佐であるメイヤーがいなかった?」
GM:『いえ、先日の森が消失する事件に巻き込まれて……今やこの世界に残る人造天使は、私達第一師団のメンバーしかおりません』
シャルマ:「そう……メイヤーまで……」
GM:『しかし隊長、それはミカエルの送り込んだ人造天使も全て全滅したという事です。ダークシードに侵されミカエルの元にいたリューガの話では、全ての人造天使をミカエルはこの世界へと送り込んでいたという事です』
シャルマ:「つまり、今のミカエルには自身の駒が無い……という事ね」
GM:『はい。ですから指示を仰ぎたいのです。この機を逃さず私達の第五世界エルフレアへと帰還し、ミカエルを討つべきか。それとも、隊長に合流しまずはこの世界を救うべきか……』
シャルマ:「………………」
GM:『どのような命令であっても、私達5人は隊長の命に従います』――と水晶が引いてローラ、アレイス、クレイ、リリン、リューガの5人が全員映る。片膝を付いてるね。
シャルマ:5人? 「ローラ、あなた達それで全員なの? カゼインやシェインは?」
ミスティ:その問いに一瞬言葉を詰まらせるローラ(笑)
イシル:なんでミスティが知ってるんだ?
ミスティ:さぁなんででしょう(笑)
シャルマ:「ローラ?」
GM:『………………実は、XAがこの砦へ攻めて来たんです。その時、カゼインとシェインは相打ちとなって次元の狭間へ……』
シャルマ:「そう……」
GM:『私達は、彼等の命を無駄にしないためにも……』
シャルマ:「そうね…わかったわ。ではこれより第一師団師団長シャルマとして命令を下します」
GM:『はっ』
シャルマ:「伝承にある"三本の魔剣"――その情報を求め、この世界を探し回って欲しい」
GM:『"三本の魔剣についての情報"…了解です』
シャルマ:「早急に頼むわ。できれば最終決戦前には集合して欲しい」
GM:『わかりました。……それでは隊長、御武運を』
シャルマ:「あなたもね。私達の世界――第五世界エルフレアに行くのはその後よ。みんな死なないよう」
GM:『はい』――と水晶の向こうで5人の声が唱和した。

シーン4:仮面の男

フォーチューン地方、かつて魔の森と呼ばれた場所の中心……クレーターに立つ塔――森砦。今、その砦の中で5人の天使達がいそいそと旅支度を整えていた。
ミスティ:「何かあったのですか?」――ローラさんに聞いてみます。
GM:「はい、シャルマ隊長からの命令で、世界各地へ飛ぶことになったんです。隊長との…勇者ルオとの合流、私達は一緒にいけなくなりました。ごめんなさい」
ミスティ:「いいえ、お互いやる事があるのですから。ローラさん達もがんばって下さい。私は一人ででも、必ずみんなに追いついて見せます」
GM:「そうですね。諦めなければきっと間に合います。頑張りましょう! それと……」
ミスティ:ん? と首を(笑)
GM:「シェインの事、忘れないでいてあげて下さいね。あの子は私達全員の弟であり家族だったんです。そして、唯一の希望、たった一人の勇者だったから……」
ミスティ:「はい。忘れません」
GM:その答えにローラは微笑みを返します。――「みんな準備はいい? 出発します!」――そして5人の天使は空の彼方へと飛んでいく。
ミスティ:見えなくなるまで見送ってから、私も一人出発します。目指すは東、リーン地方!
ルオ:自分で聞くのもなんなんだけど、ミスティって今どんな服とか着ているの? 特に――
リーン:顔をどうしているか知りたいんでしょう?(笑)
ルオ:(笑)
ミスティ:え〜と、顔を含めて体の半分がただれているので……
リーン:うわぁ(笑)
ルオ:ごめんねミスティ〜(泣)
ミスティ:いいえ、大丈夫ですから(笑) その顔の半分は前髪をそこだけ垂らす事で隠しています。片方だけの赤いショルダーアーマーに、胸の部分を覆うブレストプレート、それにマントとサークレット。それに白のスカートと白の服、あとただれた手や足を隠す包帯です。
シャルマ:赤の肩当(片方)がポイントね(笑)
ミスティ:それと忘れてました! 手には両手剣を持ってます。銘は魔剣リンドヴィル!
リーン:回復系のミスティが持つとちょっとカッコイイ(笑)
ミスティ:ふふふ(笑)
イシル:しかし、ミスティ大丈夫か? お前は今やっと出発だろう? でもその時の俺らはすでに船の上でもうすぐリーン地方に到着だぞ? 間に合わないんじゃねぇか?
ミスティ:確かに私はアルセイルにさえまだ着いていませんが……それでも諦めません(笑)
GM:では時刻は夜、旅立ってから数日がすでに経っています。夜空には月と星が瞬いています。アルセイルにもついてないなら、ちょっとした森の中ってイメージかな。
ミスティ:アルセイルに近づくにつれだんだんと寒くなってきています。焚き火に当たっていましょう。
GM:と、君は人の気配が近づいてくるのに気がつく!
ミスティ:「誰?」
GM:ガサガサ……現れた男は戦士だ。ただし普通でない部分が一箇所だけある。
ミスティ:普通じゃない?
GM:この男、顔を仮面で隠しています(笑)
ミスティ:あ、妖しいです(笑)
ルオ:うん、妖しいね(笑)
シャルマ:ちょっと仮面騎士時代を思い出すわ(笑)
リーン:殺っちゃえば?(笑)
イシル:みんなボロクソに言っているが……俺の予想が正しければ……
GM:「誰だと? 私の事はイシルから聞いているのではないのかな?」
イシル:やっぱりーー!!(笑)
ミスティ:「では…もしかしてあなたがイシルの剣の師匠……」
GM:「クロトワ=フィルナスだ。探したぞミスティ」
ミスティ:「私を?」
GM:「ああ、そうだ。行くのだろう勇者の元へ? さぁ……私の手を取るんだ」――と手を差し出す。
ミスティ:良く解らないけれど……握り返します。
GM:その瞬間! 魔方陣が展開、たちまちミスティの背中に魔法の翼が生まれる!――「これでリーン地方まで飛んでいく。少々肉体に負荷が与えられるが…耐えられるか?」
ミスティ:サシャから譲り受けた魔剣リンドヴィルを一振り、その剣圧で焚き火の火を消して――「耐えられます。もう、昔のままの私ではありませんから……」
GM:「……あの子の志を継いだか……いいだろう! ついて来い!」――クロトワも魔方陣を転換、自身に魔法の翼を生やして東に飛んでいく!
ミスティ:ついて行きます!――「みんさん、今行きます!」

シーン5:3導王集結

GM:ではお待たせしました、めぐみちゃんのシーンです。
めぐみ:はい〜♪ 私はそろそろシュローティアでしょうか?
GM:そうだね海導王や幻導王と船に乗って、今まさにシュローティアに到着した所、船から降りた所で、待っていた空導王アンブアス=ガェアと、船で到着した海導王ロイヴァス=ヴェルターブーフ、幻導王フェイルナ=メイがあいさつを交わしている。
イシル:導王が3人も揃っているのかよ!?
ミスティ:フィルナ様もいるのですね。
ルオ:さっきのミスティの方も気になるけど、めぐみちゃんの方も何があったのか気になる!(笑)
GM:さて、一通り挨拶が終わると、空導王がめぐみちゃんの方へ近づいて来て――「久しいな。どうやら幾多の試練を乗り越え成長したようだ……まさか、女になっているとは思わなかったぞ」(一同爆笑)
イシル:成長どころってそこかい!(笑)
めぐみ:「いえいえ、時間が流れればそれだけで人は変るものですから♪」
GM:「そうだな、世界とてそれは同じ」
めぐみ:「世界ですか?」
GM:「ああ、君たちの活躍もあって、今やリーン地方を除く全ての地方が解放された」
めぐみ:「それは良かったです♪」
GM:「そこで頼みたい」
めぐみ:???
GM:「混沌軍の本拠地であるリーン地方に存在する大暗穴……今こそ攻め込むチャンスだと考えている。協力してくれるな!」
シャルマ:うわぁ〜〜微妙に頼みじゃないしね(笑)
イシル:さすが空導王(笑)
めぐみ:私とてしては吝かではないので――「はい! 喜んで♪」
GM:そんな所でいったんシーンを切る。
イシル:ところで思ったのだが、ジョニーはどうしたんだ? 確か助けに行ったのだろう?
めぐみ:それは後で説明いたしますね♪

シーン6:突撃! リーンの暗砦

リーン地方に到着し数日、勇者一行と氷導王達はリーンの闇砦を見下ろせる小高い丘の上にいた。
ルオ:「あそこに見えるのが……闇砦」
リーン:「最後の封印が解けるわね」
ルオ:「うん」
GM:しかしその闇砦なんだが、その塔の周りに黒いツブツブが一杯あるね。地上にもあるし、塔の周りの空中にもある。
イシル:「あの黒いのは……まさか……」
シャルマ:「全てクリーチャーね」
イシル:「そんな馬鹿な! 数え切れない程いるぞ!?」
GM:えっ?
イシル:………………え? ちがう?
シャルマ:「私達が闇砦を目指すのを知って、ずいぶんと集めたみたいね」
リーン:「数え切れないなんて言っても、しょせん雑魚の集まりよ。私達の敵じゃないわ」
GM:じゃあここで氷導王シェディがルオに言おう――「勇者よ、これを渡しておこう」……一本の剣を差し出す。それはシェディが持っている白い剣と同型品の剣らしい。色は黒。
ルオ:「これは?」
GM:「"ダークウィーバー"と言って、この剣で与えたダメージは全て使用者の属性に関係無く"闇"属性になり、また闇属性の敵に与えるダメージが増えるという剣だ。私の持つ"アイスウィーバー"と同型の魔導武具でもある」
ルオ:「これを私に?」
GM:「ユーフォリアを倒した時に、君の持っていた超古代兵器オリハルコンの剣は粉々になっていただろう? それに比べればランクは落ちるかもしれないが、普通の剣よりかは良い働きをするはずだ」
ルオ:「……ありがとうございます」――素直に受け取ります(笑)
シャルマ:「さぁ、いつまでもここから眺めているだけじゃ何も進まないわ」
イシル:「そうだな。覚悟を決めよう」――今回は乱戦必死のようだから、もうブレードは抜いておこう。
リーン:「覚悟? そんなもの、この世界へ来た時からずっとある……」
ルオ:貰ったダークウィーバーを数回振るってから――「……行こう。あんな奴等にいつまでも世界を占領されているわけにはいかない!」――小高い丘から駆け下りて行く!
GM:ルオが先陣を切り、それに次々と続くシェディ、キーン、そして氷魔騎士団の面々。
シャルマ:『天使化』発動! 私は黒い翼を生やして飛空していくわよ!
イシル:じゃあ俺は――
リーン:「あっと! こんな所に石が!? ごめんイシル!(←ざーとらしく)」(一同爆笑)
イシル:なんで俺に捕まるーー!!!
GM:『ボンッ!』(一同爆笑)
イシル:「うぉおおおおおおっっっ! なんで俺だけ"おにぎり"状態で転がっていなかきゃならないんだーーーー! 納得いかーーーーん!!」(一同爆笑)

シーン7:つぶやく声

大暗穴――とある場所。一人作業を続ける精霊師団四神導師シキの元に訪れる者がいた……。

「魔王様……」
「作業は捗っているかシキよ?」
「はい。何も問題無いです。きっと運命の勇者も喜んでくれる」
「ふっ、期待しているぞ」――魔王タラスはそう言い残し去って言った。

一人残ったシキに、ふと悲しげな表情が浮かぶ。
「どうせ僕は捨石なんだろ? 結局…なら……せめて……」
もくもくと作業を続けるシキ……
彼にはすでにわかっていた。自らの混沌軍における存在意義と、そして運命を……。

「ユーフォリア様……僕もあなたと同じだ……」

シーン8:砦乱激戦!

周囲には様々な属性、様々な眷属、様々なクリーチャー達で溢れていた。勇者一行を筆頭にそこへ斬り込んだ氷魔騎士団だったが、圧倒的な数の前に戦況は人間側に不利であった。
GM:右を向けば蝙蝠の羽を持った全身黒色の人型クリーチャー、左を向けば黒いローブを纏い大鎌を持ったクリーチャー、後ろからはオーロラ色のローブな腐乱死体、空を見れば前足が翼となった首の長いワイバーンのような爬虫類などなど……あたり一面が敵だらけだ。
シャルマ:めちゃくちゃ強い奴等ばっかじゃない!
ルオ:そうなの?
イシル:最初から言うとバベルイフリートにサーヴァントオブピット、クロノスクリューに最後がゼットヴァーンだったかな? とりあえずレベル6、7、8だったと思う。
ルオ:望むところ! こっちだってレベルはそれぐらいだし!!
イシル:それは甘い。
ルオ:なんで?
イシル:S=Fの戦闘は、PC多数vsNPC少数でバランスがとられているんだ。つまり、NPCの方が多数の場合、たとえれレベルがこっちと同等、もしくは以下だとしても絶対に勝てないんだ!
ルオ:ええ〜〜! じゃあどうするの!?
リーン:ふふんっ、私に任せて――『ドーンッ! ドーンっ!!』――と私はクリーチャー達を魔法で蹴散らしながら闇砦を一直線に目指し走る!
シャルマ:そういうことね(笑)――「数が多すぎる、私達は闇砦を目指すわよ!」――襲いくるクリーチャーとまともに戦わない。それでも来る敵は受け流すかいなすかして、相手にしないわ! ここは演出で切り抜けるのよ!(笑)
ルオ:じゃあ私も――『ドシュッ! ドシュッ!!』(笑)
イシル:勇者殿の演出簡単だな(笑) 俺ももう人間状態だろうし必死に戦うか。
GM:ではリーンの横でペンギンが――「リーン殿、なにやら私は何もしないでも良いようでございますな?」
リーン:いたんだオノルン(笑) 「何もしないって言うか…この状況であなたに何ができるの?」(笑)
GM:「応援ならできますぞ! フレーフレー! "お""に""ぎ""り"!!」(笑)
イシル:「そこー! "おにぎり"って言うな! この忙しいのにくだらない事やってない! だいたいオノルン、お前は本当に何もできないのか!?」
GM:「できませんな! わたくしのようなペンギンに一体何ができるとお思いか?」
イシル:「胸張るなよ(笑) そうだなぁ…例えばリーン殿のように魔法を使うとか――」
GM:「――おお! 今、あちらで勇者殿の剣が燃え上がりましたぞ!」
ルオ:「『エンチャント・フレイム〜!』」――ドシュッ! ボアッ!(笑)
GM:「向こうではシャルマ殿が空間転移で敵の死角をつきまくりですぞ!」
シャルマ:『テレポート』でザシュシュッ!(笑)
GM:「してイシル殿は魔法をお使いにならないので???」
イシル:「……う、うるせー! どーせ俺は魔法使えねーよ!」(一同爆笑)
そして周りの足止めを氷魔騎士団に任せ、ルオ達4人は一直線に闇砦の入り口を目指し……
GM:闇砦の入り口――扉が見えてきます。だが、その前には門番のように2体のクリーチャーが待ち構えている。一体は光り輝く鎧に身を包み白馬に乗った騎士、もう一体は黒豹のごとき顔に真紅の右目で背中にはコウモリの羽がある。
イシル:なんで相反する属性のが一緒にいんだよ!
シャルマ:"混沌"軍だし。
ルオ:なになに? また強いの?
イシル:強いどころの騒ぎじゃねー! レベル9とレベル10のラースフェリア上に存在するNo1とNo2の最強クリーチャー達だよ!
GM:ペンギンが言います――「皆様、ここは逃げるが勝ちですぞ? しからば旅の又ペンギンはこれにて失敬」――と旅支度して逃げるオノルン。
リーン:あ、あのペンギンは〜〜!
イシル:「いや、オノルンの判断は一番正しいのかもしれない。ただ、俺達は引くわけには行かない」
ルオ:「う、うん」
イシル:「行くぞ!」
シャルマ:「不用意に出るなイシル! あ、あぶなーい!!」(笑)
イシル:危ないだとう!?(笑)
GM:黒豹顔の闇の精霊が呪文を紡ぐ――「『虐殺(ブロウ・ギャスト)』」……イシルが闇に包まれたと思った瞬間、イシルは重症状態で倒れる。
イシル:「う……くぁ……ち、力が…抜け……」
と、ここでイシルのPLはミスティのPLをちらりと見る。
ミスティ:………………。
ルオ:「イシル!」――イシルを闇から引っ張り出す!
シャルマ:……そうか私が回復役なのか(笑) イシルの元へ行き呪文を唱えながら――「油断できないわよ。こいつら、雑魚とはレベルが違う」
リーン:じゃあ私はここに近づいてくる雑魚たちを魔法で牽制しながら――「ルオ!」
ルオ:剣をそいつらに向ける!――「私が相手よ!」
GM:光の騎士が――「仲間に刃を向けし心弱き罪人が、己の未熟さも弁えぬか……」――そして闇の精霊の右目が光る――「愚かなり勇者よ、我等に相応しいか試してくれよう」
イシル:「駄目だ、あの紅い瞳を見たら……」
ルオ:でも戦っているし見ちゃうと思う(笑)
GM:じゃあ精神力ジャッジ20! 失敗すると戦闘能力が全てマイナス5されるから。
リーン:やばい精神ジャッジで来たよ(笑)
シャルマ:まずいわね(笑)
イシル:心弱き勇者だからなぁ(笑)
ルオ:みんな酷い!(笑) プラーナ解放! (コロコロ)……よし、成功!
GM:「ほう、我瞳の魔力に耐えるとは……少しは骨があるようだな。だか、これはどうかな?」――と闇の精霊は呪文を唱え出す!
ルオ:そんな隙は与えない斬り込む!――「私はもう…心弱き勇者じゃない!」
GM:邪魔するように光の騎士がルオの前に飛び出し、剣で受ける。"キンッ!"
イシル:「ラースの常識じゃ考えられないコンビネーションが展開されている」(笑)
GM:「これで終わりだ運命の勇者よ……冥界に存在し純然たる暗黒の影よ……『力ある闇』」――ルオの足元か実体を持った闇が吹き上がり、一気に大爆発を起こす!
ルオ:そんな魔法、プラーナ解放! 耐えてやる!
リーン:その呪文を見て"ハッ"とする!――「ルオ! それを受けちゃだめ! 避けてーー!!」(一同爆笑)
ルオ:えっ!? リーンさんなんでそんな事言うのよ!(笑)
リーン:う〜〜ん、なんとなく盛り上げようと思って(笑)
ルオ:じゃあ避ける避ける避ける!
GM:「ふっもう遅い。はじけよ闇よ、全てを散らし闇へ帰さん!」――ルオのいる数十メートル四方の範囲が大爆発!
ルオ:うわぁ遅いって言われたー!(笑)
イシル:「ゆ……勇者殿ーーー!!」
ここでイシルはちらりとミスティのPLを見る。
ミスティ:………………。
GM:「ふっ、運命の勇者とやらの力も、我等の前では意味を持たなかったようだな」
シャルマ:「同感ね」――その声は空から!
GM:「何!?」
シャルマ:爆煙が晴れると天使化して飛んでいる私がルオを抱えている!
ルオ:おおー(笑)
シャルマ:「最強レベルとやらの高位精霊も、私達の前では雑魚と同意儀ね」――地面に降りるわ。
ルオ:「ありがとシャルマ」
シャルマ:「間一髪だったわ。イシルの回復をキャンセルした判断が良かったのね」(笑)
イシル:えっ!? じゃあ俺まだ重症なの!?
シャルマ:しょーがないわねー「ほら"おにぎり"はこれでも飲んでなさい」――"ピシッ"とイシルの顔にポーションをぶつける(笑)
イシル:ごくごく飲んでから言うぞ――「ちっくしょう! "おにぎり"差別だぁこりゃ!」(笑)
GM:では全員1D振ってみ?………………出目の合計は14か、じゃあ14ターンかかったけど、なんとか光の騎士と闇の精霊スピリットオブザナイトを倒しました。
シャルマ:「やっと終わったわね」
イシル:「余計な時間をとってしまったな」
リーン:「さすが混沌軍……と言いたいけど、まだまだ甘いわ」(笑)
ルオ:「さぁ、今のうちに闇砦の中へ入ろう!」
GM:その瞬間! はい、全員知覚ジャッジで目標20以上!
リーン:……あれ? 私だけ失敗?
GM:じゃあリーン以外は気配に気がつく、"パカラッパカラッ""ズズズズズ……"と砦への道を邪魔するように次々と現れる。
イシル:「そんな……馬鹿な……」
GM:スピリットオブザナイト(コロコロ)……10体と、光の騎士(コロコロ)……9体現れました。
シャルマ:「合計20体近く……少々骨が折れそうね」
リーン:「甘かったのは私達の方だったかな?」(笑)
ルオ:「………………」
イシル:くそっ! 演出で切り抜けるのも限界だ! 「みんな! ここは俺が道を切り開く!」――駆け出す俺!
GM:光の騎士2体がイシルの正面に来る。一人が『チャージ』してくる。
イシル:それは避ける! 紙一重で避けた!
GM:避けるとイシルは気がつく、一体目のせいで死角になっていた場所から、2体目が『落雷(ヴォルク・タン)』
イシル:それは無理っぽい(笑)
三度目、またミスティのPLを見るイシル。
ミスティ:仕方ないです……可哀相ですから登場します。
イシル:遅せーーーよミスティ! 敵が増えちゃったじゃないか!!
ミスティ:ではイシルに魔法が命中する瞬間、虹色のバリヤーがイシルを防御――『虹色の衣(レイン・ロウ)』です。 『虹色の衣(レイン・ロウ)』――術者が宣言した属性からの攻撃ダメージを半減させる魔法。 イシル:「う、うわぁぁぁぁぁ……!! ………………あ、あれ? 生きてる? この虹色の衣は……?」
ミスティ:さらに2体の光の騎士も倒されます。"ザシュザシュッ"これはクロトワさんです(笑)
イシル:「俺は…無事……なのか?」
ミスティ:「間に合ったみたいですね」
ルオ&イシル:『ミスティ!!』

シーン9:進め!!!

光の騎士の魔法が直撃し、あわやという瞬間そこに現れたのはフォーラで別れたミスティだった!
GM:それとクロトワさんが光の騎士を切り倒して――「成長したようだな……イシル」
イシル:「クロトワさんまで!」
ルオ:「ミスティ大丈夫なの? ごめんね…私、あのとき……」
ミスティ:いろいろ半分隠していますが――「はい、大丈夫です。それより今は――」……闇砦を見上げます。
ルオ:「うん……そうだね。行こう一緒に!」
ミスティ:「はい!」
リーン:でも闇砦の入り口前にはスピリットオブザナイトもいるし……。
GM:「『氷結光線(ミーファイズ)!!!』」――響く声、消滅する闇の精霊! その魔法を放ったのは氷導王シェディだ。「何をやっている! 天下の導王を足止めに使っているんだ、さっさと先に行かないか!」
リーン:この人もいたのよね(笑)――「わかった!」
シャルマ:「『ガイア・ブリーズ!!!』」そして轟音! 闇砦の扉をぶっ壊す!(笑)――そのまま入っていく!
ルオ:シャルマに続く!(笑)
ミスティ:同じくです。
リーン:うん、入る(笑)
イシル:「クロトワさん! 俺もここで足止めに回ります!」
GM:「忘れたのかイシル、お前の役目は勇者を守り導く事だ。……行け! ここは我々に任せておけ」
イシル:「…………わかりました。後でまた手合わせ願います。あれから俺がどれだけ強くなったか」
GM:「ああ、約束しよう。楽しみにしておこう」
イシル:「はい!」――俺も闇砦へと走って行く!

シーン10:仲間の下へ

――同刻シュローティア
GM:「空導王様、大変です! 氷導王シェディと氷魔騎士団が運命の勇者とともに、現在リーン地方の闇砦へと向かったとの事です!」
めぐみ:私のシーンですね――「ルオ先輩達が……」
GM:空導王が――「馬鹿な! 闇砦には今、混沌軍のクリーチャー数万が集結しているのだぞ! シェディは何を考えている!?」
めぐみ:「空導王様、私はみんなを助けに行きたいです」
GM:「それは……無理だ」
めぐみ:「なんで……」
GM:「ここからでは距離がありすぎる。どんなに急いだとしても間に合わん」
めぐみ:「そんな……でも…もしもそれでみんなが――」
GM:「今は信じるしかないな。そして我々は我々ができる事を行うのだ」
めぐみ:「………………」――落ち込みます(笑)
GM:と、その時子供の声――「お兄…お姉ちゃん!!」
イシル:誰だ、誰だ?
ミスティ:誰でしょうか? お兄ちゃんと呼びかけてた所を見るに…見破っている?(笑)
ルオ:あ、わかった! あの子だ! ほら、幻獣の里にいた男の子!
めぐみ:「クラマ君?」
イシル:おお! あの子か!(笑)
GM:クラマ君は、傍らにいる小さな狐――ビーストテイマーであるクラマ君の魔獣・九尾の狐テールに指示を出すと、小さかったテールが3階建てぐらいの巨大九尾狐に変化する――「お兄――お姉ちゃん乗って!」
めぐみ:走って行きます!――「九十九! 行くわよ!」――巨大化したテールに九十九と共に乗ります!
GM:「目指すは闇砦だね」――テールがふわりと浮き上がり、そのまま空を駆け出す。
めぐみ:「でも闇砦の場所はわかるの?」
GM:「たぶんテールなら解るはずだよ。ね、テール?」――それに反応するように一声鳴く九尾の狐、すでにシュローティアのラ・メイアは遥か後ろ。
めぐみ:「ルオ先輩…みなさん……約束通り、すぐに追いつきます♪」

シーン11:最後の封印を開放し……

リーンの闇砦。その最上階――今、最後の力が解放された所だった。
GM:では闇の守護者より最後の力の封印が解かれます。きっとどこか別の世界で魔剣ティアマトー自体も光っている事でしょう。闇の守護者は続ける――「これで全ての力が解放された」
ルオ:静かに聞いています。
GM:「……もう解っているとは思うが、今まで七砦で解放してきた力は魔剣の力を解放しているわけでも、まして勇者よ、君自身の力を解放していったわけでも無い」
ルオ:「はい」
GM:「今まで守護者である我等が解放してきたのは、元々ある勇者と魔剣の繋がりを、元に戻しているに過ぎない。剣は君であり、君は剣自身だ。覚えておくんだ……」
ルオ:ペコリと頭を下げる。
GM:ルオをもう一度見て頷くと、闇の守護者は完全に自己を封印し消えて行く。
ルオ:「ふぅ……これで全部の砦を回り終えたね」
イシル:「ああ、全ての力が解放されたはず、あとは混沌軍を倒して世界を救うんだ」
ルオ:「うん」
リーン:ねぇ、ちょっと計算してみたんだけどルオ以外は全員、全ての守護者に会ってないのよね(笑)
ルオ:そうなの?
リーン:イシルとミスティは森砦と氷砦、私は炎砦と氷砦、シャルマは空砦・幻砦・海砦・氷砦、そしてめぐみちゃんは氷砦とこの闇砦に来れてない(笑)
イシル:そうか、氷砦はしかたないとしても、それ以外にも一つは行ってない砦があるのか、キャンペーンの目的をいまいち勇者以外は理解してないって事か?(笑)
GM:おいおい。
シャルマ:それより砦の外の様子はどうなの? まだ大丈夫?
GM:闇砦の外ではすでに入り口付近までクリーチャー達に攻め込まれている。壊れた扉前で2人が必死で防いでいる。残りの騎士団は誰もいない、すでに全滅だ。
イシル:全滅!?
ミスティ:二人って言うのは、氷導王シェディとクロトワさんですか?
GM:そうだね。その二人が一騎当千獅子奮迅してる。"戦況を見れる"もしくは"戦術を知ってる"自負のある人はちょっと知力で振ってみて?
ルオ:私は無理そうかも、ティアマトーに会うまで普通に女子高生だったし、ウィザードとしての勉強も高薙先生から教えてもらった数日だし(笑)
ミスティ:私もそういう世界は皆と旅に出てから初めて体験する事でしたから、知らないです。
シャルマ:私はある! プラーナ解放(コロコロ)……26!
リーン:私も知ってそう……24。
イシル:習ったと思うな(コロコロ)……16。なんか桁が違う(笑)
GM:15以上の人はなんとなく思う――"二人が押されている"と。20以上の人は"自分達が二人に合流しても勝てるかどうか怪しいかも"と解る。それで25以上だった人は"例え自分達が加わっても、確実にクリーチャーに数で押されて負けるだろう"と理解する。
イシル:「まずいな、クロトワさん達の方が押されている」
ルオ:「やっぱりそうなんだ…私達が――」
リーン:「例え私達が合流したとしても……」
シャルマ:「数の暴力……このままのこのこと外に出て行っても確実にこちらが負ける。力の解放はすんだのだし、この包囲網から脱出する方法を考えたほうが懸命ね」
ミスティ:「ここから脱出なんて……あの数の敵からどうやって……」
GM:と、ここで誰かが最上階の部屋へ入ってくる。それは傷だらけのキーンだ。
ルオ:「キーンさん?」
ミスティ:味方のようなので近づいて回復魔法をかけます。
GM:効かない。
ミスティ:効かない…ですか?
シャルマ:私も近づいて回復するわよ。
GM:やっぱ効かない。
ミスティ:どういう事でしょうか?
シャルマ:つまりこういう事よ……「ミスティ、彼の傷はすでに致命傷よ。回復魔法でも追いつかないくらいに……」
ミスティ:息を飲みます。
ルオ:「キーンさん!」
GM:「下で戦っている二人から伝言がある、それを伝えに来たんだ」
ルオ:「伝言?」
GM:「ああ――『ここに集まっているクリーチャー群は私達がなんとかする。だからお前達は早くこの砦から放れるんだ』――だ、そうだ」
イシル:「そんな! なんとかするって言ったって、この数はどうにかできるレベルじゃない!」
シャルマ:私はふと二人のやろうとしている事を察して――「イシル…私達はルオと共に後に控える混沌軍の魔王を倒さないといけないのよ? ここで雑魚達相手に時間をかけている暇は無いわ」
イシル:うう……それを言われるとクロトワさんからも言われた俺の使命が発動して言い返せない(笑)
リーン:「でも、この最上階からどうやって逃げ出せって言うの? 無理よ。シャルマみたいに全員が空を飛べるわけじゃないんだし」
ミスティ:そこで私が言います――「窓を見て……何か…空を駆けて何かが近づいてくる」
そう言ってめぐみちゃんのPLを見るミスティ(笑)
めぐみ:わかりました(笑) ぐんぐん近づいてくる巨大九尾の狐テール!
ルオ:「あれは……あれはクラマ君のテール!」
めぐみ:そんなこと言っている間に到着していいですか? テールには空中で停止してもらって窓の下につけます。――「みなさ〜ん♪ 今のうちです! 早く窓から飛び降りて下さい!」
リーン:即座に飛び降りる! ふかふかのテールの背中で安全に着地(笑)
ルオ:「めぐみちゃん!」――私も飛び降りる♪
ミスティ:目を瞑りながらジャンプです(笑)
シャルマ:私は最後がいい。
イシル:じゃあ先に――「シャルマ、何やってるんだ! 早く行くぞ!」――窓から飛び降りましょう。
シャルマ:キーンに近づいて――「さぁあなたも早く」
GM:「ふっ…いや、俺は無理だ。どうやらここが俺の来れる限界だったみたいだ」
シャルマ:「何を言っているの!」――と手を引っつかみ連れて行く!
GM:"ズルリ…"キーンの手がシャルマの手から抜ける。シャルマの手は真っ赤だ。
シャルマ:「………………」
GM:「勇者に伝えてくれないか……最後に、お前のような正しき者に出会えてよかった…と」
シャルマ:「ええ、わかった」
GM:「………………」
シャルマ:「………………」
GM:「さらばだ勇者達よ!!!」
シャルマ:何も言わず『天使化』で飛行しながら窓から飛び出す!
イシル:「シャルマ! キーンさんは!?」
シャルマ:「早くこの砦から離れるのよ! 全速力で!」
めぐみ:「クラマ君! 出発です!」
GM:「うんわかった! 行くよテール!!」――テールが一声鳴いてそらを駆け出す!
ルオ:「シャルマ……キーンさんは?」
リーン:「………………」
シャルマ:「ルオ、彼はあなたに感謝していたわ。最後に会えたのがあなたでよかった……って」
ルオ:「そんな……」――ちょっと落ち込む。
ミスティ:「勇者様……」
………………………………………………………………………………………………

――リーンの闇砦入り口部――

一時的に敵を牽制し、クリーチャーからの攻撃の手が止む。
二人の視界に南のシュローティアへと飛んでいく巨大狐の影が入った。

――ニヤリ――

自虐的な…それでいて誇りを持った笑みが口元へ浮かぶ。
そして……二人が自爆技を放ったのは、ほぼ、同時だった………………。

………………………………………………………………………………………………
GM:テールの背中、遠ざかっていく闇砦で眩い光の柱が立ち昇り、さらにその後ドーム状に光が爆発を起こす。それは最後のプラーナの輝き、命の光。
イシル:俺は叫ぶぞ!――「クロトワ…さん……? クロトワさーーーーーん!!!!!」――遠ざかる闇砦を背に、俺の叫びが無情に空へと響き渡ったのだった――


真竜伝説
第21話「目指せ! 最後の砦」

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