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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

その日、私は年に一度の祭りを楽しんだ。
今日の夜には引っ越すから、祭りを最後まで楽しんではいけない……そう父に言われていたが、
気が付けば日はとっくに落ち、通りの窓からは明かりがもれ始めていた。
私は慌てて家路を急いだ。 ――そして故郷との別れが突然訪れる―― 当時の私は5歳になったばかり、確かじゃない記憶の中で私は見た。
家を取り囲む十字架を持った人々を……。
怖くて家に近づけなかった私を、抱えるようにして逃げる父を――。


真竜伝説

第25話「外伝6 これは……私のもの」


シーン1:リーンの決断

闇に満たされた廊下を進み、カイザーが入っていった部屋に入る。リーンは決断したのだ……――
GM:では別室に移った所でカイザーとの問答のシーンの続きです。――「その話はまたにしよう。ここで聞かずとも、いずれ運命はその事を告げる……それよりも今は君に決断を迫ろう。――力が欲しいか?」
リーン:「力?」
GM:「あの魔導書さえ手中におさめたのだ。さらなる高みを望みはしないか? もし望むというのなら、私は力を貸そう」
リーン:「力……でも、いったいどうやって?」
GM:「手に入れる事、そのもの事態は簡単な事だ……だが、それに見合う覚悟があるかどうか……それが知りたい」
リーン:キッ!と睨んで――「覚悟なら…あるわ。あのヘッポコ勇者に先を越されるわけには行かない」
GM:ふっ…少し笑うカイザー――「その覚悟は本気か? この後、勇者達は魔王タラスと闘う事となるだろう。その後、最後の最後にお前は勇者達を裏切る事ができるか?」
リーン:「裏切る?……どういうこと?」
GM:「それが私の聞きたい覚悟だ……さすがにそれはできぬか……」――去ろうとするカイザー。
リーン:「わたしは、私は力が欲しいだけ……こんな姿(7歳)になっても、仲間を、裏切っても……支配されることの無い自由な力が欲しいの」――とつぶやきつつ……「待って!」と、手を伸ばしましょう!
GM:ではカイザーは後ろを向いたままで言う――「では付いてくるが良い」――闇へと消えていく。
リーン:少し立ち止まって意を決すると、闇へと進む。そこには今までのリーンの雰囲気は全く無いの。

シーン2:海上神殿急襲

フォーチューン地方、その神殿は海上にあった……別名――海上神殿。
GM:次のシーン、今リーンは空に浮いています。カイザーの作った魔法球の中だ。
リーン:周りを見渡してみます。
GM:眼下には海、そしてその海の中にある島――その島の上にある神殿が見える――海上神殿とこの世界では言われている――とカイザーが教えてくれる。
リーン:「それで?」と、冷めた感じで(笑)
GM:「あそこの地下には、とある魔方陣が――魔導儀式が展開されている。それは……間接的に君の魔力を抑えるものだ」
リーン:びっくりです!(笑)――「私の力を!? 私は、何者なの!!?」
GM:カイザーは無視して続ける――「だが、その儀式は人間達にとって大事なものだ。今もシュローティアとフォーチューンの神官達が守護している。それを蹴散らし、海上神殿の地下にある儀式を破壊できるかな?」
リーン:「行くわよもちろん……取り戻してみせるわ、私の魔力をね」
GM:ではカイザーは魔球を地面に降ろします。衝撃で軽いクレーターが出来上がる。
リーン:「………………」
GM:音と衝撃を聞きつけ、わらわらと現れる神官達! ちなみにリーンと共にカイザーも降りて来ています。ちなみにカイザーは降りたところから一歩も動かない。どうも君をここで見ていようってな感じだ。
リーン:まぁそれは構わない。
GM:そして神官達が――「何者だ! ここは今立ち入り禁止だ。妖しい奴め、それ以上の侵入は敵と見なして攻撃するぞ!」
リーン:「敵? 違うわ。 私は魔力を返してもらいにきたの……そこをどきなさい」――すでに歩き続けながら。
GM:ゴスロリ服な子供だしな……「子供だとて容赦はしないぞ! 止まれ! 魔力を返してもらいにきた? 何を言っている! 今、この海上神殿は例え誰であろうと侵入は許されぬ! 動くな! それ以上は……聖な光よ……」――神官の喋ってた奴は魔法の準備にかかる!
リーン:じゃあ、ダークバリアを詠唱。
GM:神官は抵抗の意志有りと見なして呪文発動「――爆裂せよ! 『リーブレイ!』」
リーン:バリアーで完全防御。その後、即、ナハトムズィーク詠唱。神殿へ向かう道に向かって発動!
巻き起こる爆発!
GM:では海上神殿から異常を察して出てくる神官達。後ろでカイザーが呟く――「まずはお手並み拝見…か」
リーン:『ダークブリング』で入り口まで移動して……あの神殿から出てきた神官を後ろから魔法で攻撃。その後、『ディムニードル』で蹴散らしながら地下へ、さらに途中で神官に変化(イリュージョン!)して正体をくらまします。

シーン3:アナスタシアの最後

海上神殿を爆発と轟音が包む、一歩一歩、その小さき襲撃者は神殿を進んでいく。
その歩みが止まる事はない、それだけの力を持つ者は今の所いなかった。
GM:かなり地下まで降りました。もうすぐ最深部って所で大きな扉の前、数人の神官が居ます。その中の一人に……知力ジャッジで目標値20(笑)
リーン:(コロコロ)……余裕ですよ、それ(笑)
GM:その中の神官団に、一人知った顔がある。きっとリーンのように頭良くなかったら思い出せなかったであろう人――最初にこの世界へ飛んで来た時、政二君(当時)を拾ってくれた空の神殿"アナスタシア"だ。
リーン:ああ、ちょっと政二君を好きになっちゃった。
GM:神官(16歳)女性だ(笑)
リーン:どんな様子ですか?
GM:一直線に皆の視線が敵意満々。神官に化けている君を見ている(笑)
リーン:じゃあ、イリュージョンを解きます――「扉を開けなさい?」
GM:アナスタシア(←どうもリーダーっぽい)が言う――「やはり敵の変装でしたか……ここを退くわけには参りません」
リーン:「どうして?」と、聞いてみましょう――「元は私のものなのよ?」
GM:「世界の命運を握る儀式が展開されているのです。どうしてそれをあなたが自身のものだと主張するのかはわかりません。ですが、この儀式が邪魔されては、邪悪な魔力は溜まる一方――混沌軍の思う壺です」
リーン:じゃあ、狸の主人に変身してみま――イリュージョン!
GM:「!?」
リーン:政二君の姿になって――「僕を覚えてる?」
GM:「………………」「リーダー?」「アナスタシア?」――アナスタシは震えるように声を出します
――「………………政二さんは……政二さんは元気にやっているんです……どうして、どうしてそうやって人の傷を掘り返すような事を……」――どうやら、神殿で別れた後も何か展開があったらしい言葉を吐くアナスタシア(笑)
リーン:じゃあ、そのままで話します(笑)――「僕たちは勇者と共に世界の平和のために頑張ってきた」
GM:「皆さん、聞く耳を持ってはなりません!」――と言いつつ、しっかり聞く(笑)
リーン:「でも、いくら頑張っても邪悪な力を打ち砕く切り札は見つからなかったんだ」
GM:「やめて下さい! これは! この儀式には世界の命運がかかっているんです! その顔で……政二さんを使って……これ以上のことはさせない!」――アナスタシアが手を向ける。神官団の半分が同じ動作をして――『落ちよ神の裁き――ヴォルク・タン!!!』――一斉掃射! ダメージが(コロコロ)……――
リーン:その程度じゃ意にかえさない。動かないでわざと魔法を喰らってからイリュージョン! 今度はボロボロな政二を見せる。
GM:「くっ……」――目に涙を浮べて、もう一度同じように手を向けるアナスタシア――「もう…やめて……聖なる光の……」『聖なる光の……』――他の神官団も唱和し全員がキミに手を向ける。
リーン:『ダークブリング』で彼女の後ろに回り、特殊能力『庇護』を使います。
GM:じゃあ他の人が放った『聖光爆裂(リーブレイ)』を全てアナスタシアがカバーリング(笑)
リーン:にやり(笑)
GM:「リーダー!?」「アナスタシア!」
リーン:そんな喧騒を無視して、扉の向こうへ行きます。

シーン4:儀式の間

GM:ではそこは儀式の間です。複雑な魔方陣が幾つも描かれ、それらが複雑に絡みあって再び大きな一つの魔方陣を完成させている。その魔方陣上には真っ黒な球状の闇が"門"のように開き、その闇の向こうはこちらからは見えない。
リーン:魔法陣の中心に向かって歩きます。
GM:そこで扉のところから残りの神官団が――「やめろ! そこに近づいてはならない! 魔方陣に入るな! 魔力の流れが乱れる!!!」
リーン:入ります。扉からの固定カメラで、リーンが闇に向かってる感じで(笑)
GM:そうするとビリビリと画面が揺れて光る魔方陣がほぐれ出す。そしてリーンは見るわけだ。その闇がどこかへ繋がっているのを……。君の見た事のない世界……そう、君の感覚で例えるなら――地獄。
リーン:「これは……まさか」――もの凄く震えて驚きながらも、足は止めない。両手をゆっくり挙げてそれに触れる。
GM:と触れた瞬間その闇は消える。足元の魔方陣も一瞬だけまぶしく輝いた後、その効力を無くして光を失いはじめる――「な、なんという事を……」
リーン:「………………」――おや? と思います。
GM:「それは魔王の送るであろう魔力を、冥界へと返還していた魔方陣だったのですよ!」――「言っても無駄よ……あれは、どう見ても混沌軍……」――神官団も魔方陣が消えたので部屋に入ってきます。最悪の事態発生、せめてリーンだけでも取り押さえようとします。
………………………………………………………………………………………………………………
――海上神殿地上部――

「儀式が止まったか……さて、リーンよ。今まで苦労したおまえ自身のその魔力、流れを止めた今、それは全て自分へと帰って来る。越える事ができれば、お前は力を手に入れるだろう。しかしそれに耐え切れなかったのなら……」

――カイザーの足元には海上神殿守護の神官達が数百人と倒れていた。
………………………………………………………………………………………………………………
GM:ってな分けで、リーンは恐ろしい勢いで、身体の内側から張り裂けんばかりの魔力を感じる。
リーン:「ああああぁぁぁぁっ!!」――と叫んで、もだえる。
GM:どよめく神官団。二の足を踏んでいます。
リーン:私は?
GM:内側から侵蝕してくる魔力が激しい勢いで昇ってくる! かつてはその魔力に負け、君の身体は常に蝕まれる結果になった。
リーン:じゃあ、周りに逃がすように魔法をいくつか打ちましょう。
GM:その魔法は君の予想を越えたモノだった。自分の放った魔法の3ランク上位の魔法と同等の威力だと思いねぇ(笑) そしてぶっとぶ神官団! まだまだ魔力はまだ収まらない。
リーン:「私は……れば……力さえあれば……」――と、故郷を追われて苦しんだ日々を思い出す。
GM:魔力を押さえ込もうとするが、暴発、地下神殿の壁を流れ出した魔力が、そのまま魔力弾として破壊する。そしてまた再び頭に流れる映像。それはルオが力に悩み、シャルマやイシルにいろいろ言われていたシーン。
リーン:じゃあ、それに自分を重ねますが、そんなのもう自分には関係の無いことだと思い変えます。
GM:では考えを変えた所から、じょじょに力を押さえ込みだす。
リーン:調子に乗ってだんだん高揚してくる!
GM:じゃあ無差別に壁を壊していた魔力弾が次第に制御されていき、リーンの周りを戯れるように周り出す!
リーン:ちょっと思い通りの場所に打ってみます。そして魔力は自分の思い描いたように魔力が飛んでいく。前よりも強大で、なおかつ正確に! そして笑顔輝く私!!

シーン5:その力は汝の……

その少女は帰ってきた。その身は溢れんばかりの力を宿し……――
リーン:不敵な笑みを浮かべながら外に戻って来ました。
GM:カイザーが待っている――「どうやらその顔……」
リーン:誇らしげに――「ついに、この力を制御できた……って感じね」
GM:「そのようだな」
リーン:「まだ……教えてはくれないの?」
GM:「お前の出自についてか?」
リーン:「………………いえ、いいわ。この力があれば私は困らない。自分の事についても自分で調べる」
GM:「ふっ……ああ、好きにしろ」
リーン:「一応、感謝はしておくわカイザー」
GM:「それは所詮、もともと君自身が有していた力だ。後天的な運命が、さらなる力を君に与えた」
リーン:「そうね。もう何も聞かないわ。これは……私のもの」
GM:カイザーは自分だけ魔力球で包み浮遊。
リーン:私も自分の魔力を制御して空を飛びます。そして向かう方角はカイザーと一緒。
GM:闇が支配する大地、夜のリーン地方、リーン…君は自分の名を冠したその地方が最終地点となる事に、すこし因縁めいた何かを感じた……――
………………………………………………………………………………………………………………
 私は今だからこそ思い出していた。
  あの頃の記憶を――
 故郷を逃げ出しドイツで何者か(あとでローマ聖王庁第13課だと知った)から逃げ続ける日々から数年。
  しかし、いつまでも逃げ切れるはずもなく、ついに私と父は追い詰められた。
  そして――

「逃げろリーン!!!」

 父が最後の力を振り絞るように叫ぶ。
私の目の前には父が不思議な力で開けた、トンネルのようなものが開いていた。
  私はそれに飛び込み、逃げ延びた……。

 その後のことはあまり覚えていない。
  父と離れた私は力に目覚め、異常とも言える魔力が暴走した。
  気が付いた時、森だった周囲は草一本生えていない荒野になっており――
  そして、私は運良く偉大なるマーリンに拾われ、ダンガルドに所属する事となった。
  十字架を持った男達は、私がダンガルドにいる間は手を出してこなかった。

 ダンガルドにいる数年間で私は知った。
  奪われない為には何が必要かを――
  同情や情けは意味を持たず、運命を切り開くのは……ただただ"力"だという事を……――。

真竜伝説
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