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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

イシルが目を覚ますと、いつの間にか"おにぎり"状態になっていた。
突然の出来事に周囲を見回せば、自分の周りには同じような"おにぎり"がたくさん並んでいる。

――「な!? ここは……」
GM:イシルが目を覚ますと"おにぎり"状態になっており、さらに周りには"おにぎり"がたくさんある(一同爆笑)
イシル:いきなりかよ! ――「な!? ここは……」
GM:他に見えるものは、目の前がガラス張りになっていて、その前を不思議な服を来た人間達がたくさん横切っていく。後ろもガラス張りなんだけど、こっちは割烹着を着たおばちゃんが一人立っているだけだね。
イシル:「どこだここは……」
GM:と、ガラスの前に人間が立ち影が差す。そして――「げはははは、すまんがこの紐のようなものの生えた珍しい"おにぎり"を俺様に売ってくれ!」
イシル:アルゲルかよ! いいかげんもう出てくんなよ! PLは現状を把握した! ここは"おにぎり"屋さんで、今、俺はショーウインドの中だな?
GM:ご名答――「毎度あり! 120円だよ」――とおばちゃんの手が迷い無く、動き回っていた"おにぎり"イシルを掴む!
イシル:「ちょっと待てー!?」
GM:「さ・て・と…久々に"おにぎり"を――」(一同爆笑)
イシル:って、なんのシーンですかコレは!? マジなのか? こんな始まり方でいいのか!?
GM:いや、さすがに冗談だ(笑) いうなればアニメ番組が始まる前の――『この後は! ○○○○! 始まるよ!』『見てねー!』みたいなノリだ(笑)
イシル:声優が遊んでただけじゃないですかー!!!(一同爆笑)
ボブ:この後は! 『真竜伝説』!
ヒデ:第二部始まるぜ!!(笑)
夢月:おったのしみに〜♪(笑)
GM:(アルゲルの声で)『"おにぎり"も大活躍』(一同爆笑)  



それは混沌とした世界だった。
精霊界と人間達が住まう8世界の狭間。
そこに二人の影があった。
それは黒いゴスロリの少女、そして笛を持った道化の男……。
幼い外見に似つかわしくない大人びた表情で少女が口を開く――

「サルガク、あなたは何をしようとしているの?」

笛を持った道化が答える――

「眠れる暴君を起こすのですよ」
「眠れる…暴君?」

少女の顔に疑問符が浮かぶ。
「そう…暴君です……」

――言葉と同時に笛が口元へ運ばれ、道化の演奏が始まる。
何も無い空間に次々と"何か"が流れてくる。それは――
「死体? 人だけじゃない…天使、クリーチャー、精霊まで? でも…みんな死んでる死体ばかり……」

道化の演奏が終了する頃には、多種多様な死体が集まっていた。

「さぁ眠れる暴君マルドゥーク様! 我等が母は目をお覚ましになられました。あなた様もそろそろ……」

数秒後、その空間は先ほどまでの空間と異なる空気に支配された。

「なに……この圧倒的なプレッシャーは?」

少女の額に緊張が走る。

「これが我等が混沌軍最強の団長……漂邪騎団団長、暴君マルドゥーク様の存在感でございますよ」

そして――あたりを埋め尽くしていた雑多な"死体"が一斉に砕け散る。

――どうやら、目覚めては見たものの、私の予備にさえならぬ器ばかりだったようだな……――

声が聞こえた。圧倒的な威圧感と共に……――
「そんな事は御座いませんよ、ほら、一つだけ残っています。あなた様の力に耐えられそうな器が……」 ――ふっ…よかろう…ソレを器としようではないか、多少なりとも持ちは良さそうだ――

空間を支配していた空気が"ソレ"に集まり、凝縮されていく。
「これが……暴君……」
「そうですよリーン様…そして――おはよう御座います。暴君マルドゥーク様」  


真竜伝説

第28話「異世界へ!」


プリプレイ:新しく始まる物語のPL達

ついに超長編キャンペーンと銘打つこのリプレイも第二部へと入る。それでは後半戦で最初から活躍してもらうPL/PC達の紹介をしよう。
PL:ガルチラ
  熟練TRPGプレイヤー。S=F(N=W)を自分でもマスターする程の慣れ具合である。ロールプレイに熱が入りすぎて実際に涙を流した事もある熱いお人。主人公属性でセリフが長い。
PC:イシュエル=シルヴァーナ(相性イシル) 男性 19歳
クラスLv:ウォーリア/ライトアーマー 総合レベル12
特徴:"おにぎり"
出身:ラース=フェリア(マリーシ?)
攻撃方法:二部より二刀流
一部よりの背景:どうやら"おにぎり"の呪いは魔王タラスに関わっているらしい。また、魔剣バハムートの使用者らしいが、その魔剣の所在は不明である
備考:第二部ではついに主人公!





PL:夢月
  S=F(N=W)系もさすがに慣れたPL。演技は上手く、特殊能力さえ演出に利用する応用力を持つ。第二部では自意識過剰なキャラと他人を立てるキャラと、自キャラが2人出てきて忙しい。
PC:ミスティ 女性 16歳
クラスLv:マジックナイト(プリースト)/フォーチューンテラー(メイジ) 総合レベル11
特徴:疎まれた子、死神
出身:ラース=フェリア(フォーチューン地方アラムート)
攻撃方法:魔剣リンドヴィル
一部よりの背景:混沌軍が崇める"大いなる母"の器らしい。半身に焼け爛れたような跡がある
備考:肩に乗せたポンポン(赤く丸い喋るスライム)がパートナー、「〜ですポン」が口癖





PL:ヒデ
  ガルチラ以上のTRPG熟練者。GMも片っ端から行う猛者。第一部ではシャルマを担当していたが、第二部は熱血少年キャラで登場。ノリが良くボケもツッコミも可能。
PC:"白掌"煌小夏(ファン・シャオシー) 男性 17歳
クラスLv:エクスプローラー/龍使い 総合レベル10
特徴:煌春鹿姉さんがいる。個人資産世界一な煌家に生まれる
出身:ファージ・アース(香港九龍半島)
攻撃方法:拳
一部よりの背景:二部より登場キャラ、幼少時よりずっとリーンの事を想い続けている
備考:直情で自信過剰、筋力は5…パーティ最弱。本人曰く身長150の可愛い少年龍使いらしい。





PL:伍長
  初心者で参入した割りに、ダイスによってロールプレイを変えたり、1人でラブコメに走ったりとかなりの成長(?)を遂げているTRPGプレイヤー。第二部ではどうなることやら……。
PC:めぐみ(政二貴良) 外見女性 16歳
クラスLv:ナイトウィザード/人狼(魔物使い) 総合レベル10
特徴:養子、ひょっとしてイケてる!?と女に目覚めた元男(笑)
出身:ラース=フェリア(日本)
攻撃方法:人狸変化で爪攻撃、回復魔法も使える
一部よりの背景:ジョニーという恋人がいたが死亡し、形見の3つに繋がった勾玉首飾りをしている。
備考:外見は女性、ばれるからという理由でガーヴ・オブ・キングス(シースルー)の装備を断念した。





PL:ボブ
  TRPG暦は伍長と同等な、今回より参加するTRPG半初心者プレイヤー。あまり前へ前へと出るプレイはしないが、自分にスポットライトが当った瞬間に突き抜ける強さを持つ。
PC:ディラン・ベルモンド 男性 外見37歳
クラスLv:ナイト・ウィザード/吸血鬼(転生者) 総合レベル10
特徴:世界の守護者、超金持ち
出身:?(現在はドイツ在住)
攻撃方法:魔式邪念鞭(無限に伸縮し対象の生命力を吸う鞭)、援護・回復・対抗・移動魔法全般
一部よりの背景:二部より登場キャラ、なぞのおじさん。アンゼロットとは旧知らしい謎の人。
備考:自分しか登場しないシーンではカッコイイ、コートを着たダンディーなおじさん…らしい。GMより『真の力』という特別待遇特殊能力を付与されている。

シーン1:あの人は今……

飛行機の窓から見える光景はゆっくりと変化が無く、いつになったら到着するのかと少年の胸を焦らせる。白い雲は絨毯のように広がっているばかりだった。
GM:では最初のオープニングシーン。場面は新キャラである小夏から始めよう。場所は空の上、日本へ向かう飛行機の中。
小夏:「日本か……俺の大好きなあの人には会えるかな…」って、今ってどれくらい? 九龍半島で上条達と会った後?
GM:そうだよ、正確には九龍半島で出会った上条から、リーンは波乱原って女の子の勇者と一緒に、異世界へ旅立ったと伝えられる。で、日本にいるアンゼロットに聞けば、その後の情報が何かわかるかもしれないってわけで、君は"上条と一緒に"日本へとやってきているわけだ。
小夏:か、上条と一緒なんだ(笑)
ミスティ:(上条のPL)『どうした小夏? なにかわからない事があったら遠慮無く聞きたまえ! なんせ私は天才だからな!』(笑)
GM:ああ、PLがいるって楽だなぁ(笑)
小夏:「上条、本当に日本へ行けばリーン様の手がかりがつかめるんだな?」
ミスティ:(上条)『ああ、きっとな。少なくともアンゼロット様なら何か知っているはずだ』
GM:そんな事言っていると飛行機は日本へ到着する。
小夏:「リーン様……きっと俺が……」――と空を見上げて終わっておこう。新キャラっぽいな(笑)

シーン2:目覚めた時

叫びが木霊すると思うと、パチリと目を覚ます。最初に眼に飛び込んできたのは白い天井だった。
GM:では次はイシルに行こう。君は『アルゲルー!』と叫んだところで、夢から目が覚める。
イシル:夢落ちかよ!(一同爆笑)――「アルゲルーー! (がばっと起きて)…夢か、ってかなんで俺があいつの夢を……いや、ここは?」
GM:君は一人、ベッドで寝ている。装備品他はベッド脇に置いてあるね。そして君の横には、もう一つベッドがあり、そこではミスティとポンポンが寝ている。ちなみにさらに奥にも、もう一つベッドがあるけど、そこはもぬけのカラだ。
ミスティ:私は寝ているのですか?
GM:寝てます。ちなみに部屋は簡素な病室って感じね。
イシル:「ここは……俺達はあの光の中へ入って……」――ベッドから起きて、横のミスティを起こしましょう。
ミスティ:では起きましょう。

シーン3:ナイトウィザードとして

その少女は自らの居城がある次元から足を踏み出すと、日本にある支部の一つへと出現する。呼び出しておいた部屋へと入ると、そこには懐かしい……??? と疑問に思えるほど変化を遂げた少年……いや少女が待っていた。
とりあえず、以上の事は横に置いておき長い冒険の報告を受けることにする。
GM:次はめぐみです。イシル達と同じ施設の中にある、とある一室。目の前にはアンゼロット――「それで、報告は以上ですね」
めぐみ:「はい」
GM:「………………」
めぐみ:「どうしたのですか?」
GM:「いえ、あなたも変りましたね」(一同爆笑)
イシル:ああ〜まったくだ(笑) 女装癖な先生が生きていたら(笑)
GM:「しかし、帰ってきたのがあなたと上条真の二人だけだなんて……少々、私も予想外でした」
めぐみ:「えっ? 上条先輩も生きていたのですか?」
GM:「ええ、ただ先ほどあなたの報告にもあったように、異次元の狭間で彼は力を使いました、その影響か、はたまた異次元そのものの影響か、とにかく彼は少々の時間軸のズレと、この世界へ現れるポイントがズレてしまったようです。簡潔に言って、上条真はつい最近、香港にて確認しました」
めぐみ:「そうですか♪」
GM:「彼もこちらへ向かっているとの連絡も届いています。すぐに会えますよ。そういえば、そろそろあなたの連れて来た仲間達が気がついてもいい頃ですね」
めぐみ:「はい」
GM:「あの二人は異世界の住人。何かとこの世界は初めてが多いと思われます。目覚める時には側にいてあげた方がいいでしょう」
めぐみ:「では、私は部屋に一度戻ります」――と退場。

シーン4:その男の名は

朝靄が立ち込める田舎の畦道を、その裏切り者は必死の形相で走っていた。
一瞬だけ振り返り、追跡者がいない事に安堵の息を吐く。
その瞬間、靄の中から1条の鎖状剣が伸び、その裏切り者の胸を貫いた。
GM:では初登場! おじさんディランの場面です。
ディラン:私は転生者だが転生前の記憶は謎だ。今は吸血鬼なので、それなりに隠遁生活を送っているのだが、ときどきおおっぴらに活動している吸血鬼を裏切り者として始末している。
GM:そういえばライフパスの『お金持ち』ってなんで? 隠遁生活ならお金持ってなさそうなんだけど。
ディラン:ああ、それはレオンハルトの城からかっぱいだものです。
イシル:かっぱいだんかい! 偉い事してんなぁ(笑)
※レオンハルト――ファージアースの吸血鬼の長。つまり、吸血鬼の中で一番偉い人。
ディラン:で、場所はヨーロッパの田舎町、朝霧の立ち込める中で私は裏切り者の吸血鬼に、つまらなそうな顔をして止めをさす"ドスッ!"――「ふん、くだらん」
イシル:おお〜〜!
小夏:いいなぁおやじキャラ(笑)
GM:その吸血鬼は灰となりサラサラと消える。が、霧の向こうから近づいてくる足音と共に――「まだ、そんなことをしているのか……ディラン?」
ディラン:? なにやら親しげ?――「ああ、こんな生活も気にいっている。お前こそどうした、まさか私に会いに来るなんて思ってもみなかったぞ」――って、誰?(笑)
イシル:知らないのかよ!
ディラン:知ったかプレイです(笑) きっとPLは知らなくてもPCは知っているはず!(笑)
GM:現れるのは君と同じような外見年齢のおじさんだね。髭を生やした男で、鎧とか着ているんだけど、それはあきらかにファージアース製品じゃない。――「もう、記憶は取り戻したようだな」
ディラン:「お前の知った事ではないな」
GM:男はフッと口元を緩め――「さすが……とでも言っておくか、この竜王に向かってそんな事を言うとはな」
ミスティ:竜王!?
イシル:竜王ってあの竜王カイザーですか?
GM:うん、そうだよ。
ディラン:「知らない仲じゃないだろう。しかし……竜王か、懐かしい名を聞いたな。どうした? 何をしにきた?」
GM:「今日ここへ来たのは他でもない。お前を仲間に誘いに来たのだ。お前のその本当の力を解放し、こちらに加わってくれるのなら……」
ディラン:「断る。悪いがあの姿に戻るつもりはない。それに、私はこの世界の"人間"というモノもそれなりに気にいっている。人間は面白いものだ」
GM:「面白い? 人間を気に入る? ふん、あのようなクズどもを気に入るとはな……」
ディラン:「どうとでもいえ…どちらにせよ、お前の提案には乗れぬな」
GM:「………………そうか、わかった」――竜王は去って行くよ。ただ、最後に足を止めて――「そうそう、この世界に"終わりの魔剣バハムート"の所持者が現れるぞ」
ディラン:「魔剣バハムートだと!?」
イシル:なんだなんだ? なんかバハムートについて知ってるのか?
ディラン:知らん!(笑)
GM:「ただ、それだけだ。ディラン……また会おう」――竜王カイザーは霧の中へと帰っていく。
ディラン:「魔剣バハムートか……やれやれ、さすがにアレが出てくるようでは、こちらも動かねばならぬか……」『テレポート』で瞬間的に消えます。
めぐみ:ところで、戻りたくない"あの姿"ってなんですか〜?
ディラン:知らん(笑) でもGMから『真の姿』なる特殊能力がある。ってプレイ前に耳打ちされたから、それじゃないでしょうか?(笑)
小夏:なんかPCは知ってるみたいだが、PLは何にも知らない奴だな(笑)
ディラン:かっこいいからいいじゃないか!(笑)

シーン5:日本の地を踏む少年

小夏と上条は、日本へ到着したその足ですぐ世界魔術協会の日本支部へと向った。
すでに協会のトップたるアンゼロットは、部屋にて2人を待っているとの事だった。
GM:次、登場は小夏とNPCの上条君。場所はすでにアンゼロットのいる部屋。が、部屋に入ると入れ違いに女の子が出て行こうとします。
小夏:じゃあぶつかって――「あ、お嬢さんゴメンな」
GM:でも(キャラシーを見て)、小夏は筋力5かい!(笑) なら小夏の方が倒される!
小夏:な、なにー! 「って、てて……」
めぐみ:「あら? 大丈夫ですか?」
小夏:「ああ、別に問題ないさ」
GM:上条が言おう…「ま、まさか……政二君か?」
めぐみ:「上条先輩! お久しぶりです♪」
小夏:――ねぇ、俺って上条からリーンさんや勇者の剣について話を聞いていた事にしていい?
GM:いいよ。別に問題無いし。
小夏:「政二って……もしかしてリーン様と一緒に異世界へ旅立った人か!? 男みたいな名前だと思ったから勘違いしていた……まさか女だったとは」(笑)
めぐみ:「ええ、今は"めぐみ"と呼んで下さい(笑) あの〜あなたは一体?」
小夏:「煌小夏(ファン・シャオシー)、ウィザードの間では"白掌(パーチェム)"の名の方が通っているかな」
※リプレイでは載せていないが、小夏は『政二→めぐみ』への経緯を知ること無く、とりあえずめぐみちゃんに対しては、男だけど女装癖という理解をした。
めぐみ:「はぁ〜…ところで、リーンさんをご存知なのですか?」
小夏:「当然だ! あの人は俺の心の拠り所であり、夢の先であり、愛の落ちつく場所だ! さぁリーン様はどこだ! リーン様を出せ!」
めぐみ:「え、実は……」
GM:「それは私が説明しましょう」――部屋にはアンゼロットがいるので彼女が説明しましょう。「カクカクシカジカ」ってなわけで、第一部(ラース=フェリア)であった事を説明しました。
小夏:「そんな! リーン様が裏切るなんて!」
めぐみ:「悲しいですけど……事実です」
小夏:「嘘だ…そんなはずない!」
めぐみ:「なら、他の人にも聞いてみたらいいです……今、私やリーンさん達と一緒に旅をしていた他の仲間達も来ていますから……」
小夏:「よし、わかった。じゃあ――」
GM:と、言った所で『ヴーヴーヴー』とサイレンが響き渡る。
小夏:「な、なにが起きたんだ上条!?」
ミスティ:(上条)『火事だな』(一同爆笑)
GM:か、火事なのか!?(笑)
めぐみ:そうなのですか?(笑)
小夏:「なんでわかるんだよ?」――GMだって驚いてたぞ(笑)
ミスティ:(上条)『もちろん、天才だからだ!』(一同爆笑)
めぐみ:「ああ…変ってませんね先輩」(笑)
ミスティ:(上条)『さらに言うなら、火事が起きているのは2階のキッチンからだ!』(笑)

シーン6:2Fのキッチン

GM:ではイシルとミスティのシーンです。二人は今、2階のキッチンにいます(一同爆笑)
イシル:そこで俺は何をやってんですか!?(笑)
GM:ポンポンが叫びます――「火事になったですポン!!」(一同爆笑)
イシル:「ばっかやろう! だから勝手にそんなノズルを回すなっていったんだ!」
GM:「じゃ、じゃあこっちのノズルをやってみるですポン!」――状況悪化! 更に火が強まり、なんか『ヴーヴーヴー』って鳴り響き出す!(笑)
ミスティ:「イシル、このホースみたいなのから何か音が聞こえるみたいです」
小夏:そりゃガスボンベのホースだ!(笑)
GM:「水ですポン! きっと水が流れているですポン! 早く斬るですポンこの"おにぎり"!」
イシル:「"おにぎり"って言うな!」――そのホースを斬る!
GM:じゃあ大爆発(笑)
ミスティ:それは、さすがに部屋から出ます(笑)
イシル:同じく。
GM:では部屋の外にでるとすでに数人の不思議な服を来た人達に囲まれています。手に武器を持っている人も数人。
イシル:俺達の武器や装備はあっていいんだよね?
GM:まぁさっきホースも斬ってたし、さすがに知らない場所だし装備はつけるんじゃないかな、不安になるだろうから。
ミスティ:ではフル装備ですね。
イシル:なんとか自衛はできそうだな。
小夏:(警備員役)『そこの2人組、大人しく投降しなさい。この世界魔術協会の日本支部にやってくるとは大胆不敵にも程がある!』(笑)
ディラン:(警備員役)『馬鹿なエミュレイターどもが!』(笑)
イシル:なんだか「美味しい匂いがするですポン」っていうポンポンの後をつけていったのが不味かったか(笑)
ミスティ:私はいまいち状況の把握ができてないって事で(笑)
小夏:よし! 俺は登場する!
GM:いいよ(笑)
小夏:ダダダダダ!(←走ってくる効果音)「どうしたんだ! いったい何があった!?」
GM:『キッチンが襲撃されました!』
ディラン:(警備員役)『しかしなぜか…やつら自爆しています』(一同爆笑)
小夏:「とにかく! この爆発を起こしたのが奴等ならば、鎮火と攻撃を同時に行うぞ! 『アクレイル』用意!!……発動! いけーー!」(笑)
GM:(コロコロ)……じゃあ二人とも、命中は19ね。ダメージは29。
イシル:「なんかやばい!」(コロコロ)……避けた!
ミスティ:私は命中しました。壁まで吹っ飛ばされました。
ディラン:(警備員役)『男の方が回避しました!』
小夏:「よし、そいつは俺に任せろ!」――突っ込んで行って――「でぇりゃぁぁぁあ! 『龍炎』『白龍』 覚悟!!」
  ※『龍炎』『白龍』――どちらも攻撃力UPの龍使いの技、拳が白い炎をあげる!
イシル:「なんか来たーー!?」(笑)
GM:イシル、その時君はわかる! 君と同年代のこの少年、その目は本気だ!(笑)
小夏:(コロコロ)……命中25!
イシル:俺も自分がどこにいるかわからい状態ではある……とりあえず、避ける! (コロコロ)……26回避!
GM:イシルの後ろの壁がぶっ壊される!(笑)
小夏:じゃあイシルの方を向いて――「避けるなー!!」
イシル:「避けるわーー!?」(笑)……やばい、こいつは本気だ…しかも強い。ここは少し距離を取って――
小夏:させるかーー! 『刃龍』で移動攻撃だ!
イシル:「なに!? 一気に距離を詰められただと!?」(笑)
小夏:本気だと言っただろう! 『気功』発動!
※『刃龍』――3sqまでなら移動攻撃が可能になる龍使いの技。
※『気功』――1シナリオにクラスLv+2回までしか使えない技。使用プラーナを3倍としてジャッジできる。
イシル:「やらなければ……やられる……やるしか、ない! 『肉を斬らせて』!」
小夏:プラーナ20点解放! 『気功』の効果で60点分に計算! (コロコロ)……命中76!!
イシル:ななじゅうろく!? だが、俺にはクリティカルすれば絶対回避の『見切り壱』がある(コロコロ)……駄目だ、クリティカルしない(笑)
小夏:(コロコロ)……57で魔法ダメージ!
イシル:魔法!?(笑) それはプラーナを使って(コロコロ)……クリティカル! 30点ぐらい入った(笑)
GM:『肉を切らせて』だから同時にイシルの命中をするんだ! ラース=フェリアの冒険が伊達じゃない事を見せてやれ!
イシル:もちろんだ! プラーナ解放! (コロコロ)……命中66!!
小夏:それはキツイ……『気功』!(笑) 基本60! (コロコロ)……6! 避けた!(一同感嘆)
GM:違う! 60+6じゃ66だ! 同値なら攻撃側が有利だ!
小夏:くらったーー!?(一同爆笑)
イシル:(コロコロ)……ダメージが43! ただし防御力は0だ! 今回から俺は『二刀流』で戦っているからな、避けたと思ったら、2本目の剣が襲ったって感じだ!
小夏:(コロコロ)……35点通った(笑)
イシル:「ぐはぁ……これほどの腕とは…まさか、こいつ混沌軍の奴か!?」
小夏:「がはぁ……エミュレイターのくせに…こいつ、強い!?」
イシル&小夏:(爆笑)
ミスティ:なんか男の世界ですね(笑)
めぐみ:ではそれとなく登場しましょう。
ミスティ:ああ、早くあの二人と止めて下さい(笑)
めぐみ:たったったっとやって来て――「あの、敵はどこにいるんですか?」
イシル&小夏:『ここだ!』(とお互いを指差す……そして二人爆笑)
めぐみ:「は、はぁ〜……???」
だ、誰かこいつらを止めてくれ(笑)
ディラン:よし、ではそろそろおじさんが登場しよう。イシルと小夏のちょうど真ん中、突然、霧が渦巻いたかと思うと、そこに一人の謎おじさんが現れる!
ミスティ:突然割り込んできました(笑)
めぐみ:ああ…おじさんに任せます(笑)
ディラン:「ふっ……」――と、ちょっとおじさんはかっこつけて――
イシル:「新手か!?」
小夏:スターンッ! スターンッ! ステップステップ!
イシル:「どうやら、敵の敵は味方というわけでは無いようだな」
小夏:「敵を倒すために、一時的に手を組むか」
イシル:「そうだな、俺達の勝負はこいつを片付けてからだ!」(笑)
小夏:「ああ、とっとと終わらせる!!」(笑)
ディラン:……なぜだろう…まだ一言も喋ってないのに(一同爆笑)
小夏:(コロコロ)……61魔法ダメージ!
ディラン:それは片手で防いで『霧散化』! ダメージは0! さぁ次来い!
ミスティ:うわぁおじさん強気です(笑)
イシル:(コロコロ)……ダメージは72点物理!
ディラン:対抗『漆黒の翼』で防御力UP! 50スタート! プラーナ解放! (コロコロ)……80防御!! 剣の柄部分を受けた演出だ!(笑)
小夏:「お、俺の拳が受け止められた!?」(笑)
イシル:「初動が見切られたのか!?」(笑)
GM:「ご主人! あのイシルの剣が簡単に受け止められたですポン!」
ミスティ:「う、うん……あの人何者なの?」
GM:さぁカッコよく決めたおじさんの番だ! さぁ争っている二人に言ってやれ!(笑)
ディラン:「ふっ……この私を攻撃するとはな……次は、私の攻撃の番だ!」
イシル&小夏:『仲裁しろよ!!!』(←ハモッタ)(一同爆笑)
なにしに出てきたんだディランよ……
ディラン:うむ、冗談だ(笑)――「くだらない事はやめておけ、お前もそう思うだろう? ……アンゼロット」――と、人だかりの向こう、廊下の先を見つめます。
めぐみ:「ア、アンゼロット様?」――って、いるの?
GM:いや居るらしい(笑) ではアンゼロットが人垣から現れ言う――「ディランの言うとおりです。小夏、拳を引きなさい。異世界の戦士イシル…あなたもです。剣を納めなさい」

シーン7:勢ぞろい

日本支部、アンゼロットの部屋。その欧州貴族風に統一された洒落た部屋に異世界人のイシル、ミスティ、ウィザードたるめぐみ、小夏、そしてディランとアンゼロットが揃っていた。
GM:「イシル……いえ、バハムートの所持者よ。第八世界ファージ=アースへようこそ。そしてミスティ…あなたも歓迎します。私はアンゼロットといい……」――ってウィザードとかの話だけは説明したって事で(笑)
ミスティ:「ここがルオさんの居た世界……」
イシル:「バハムートの所持者? なぜそれを?」
めぐみ:「私が言いました♪」(笑)
イシル:お前かい!(笑)
GM:「めぐみ、この二人はまだこの世界に慣れていないでしょう。二人に慣れてもらうためにも、東京案内でもしてくるといいでしょう」
めぐみ:「はい、わかりました♪ 二人とも付いて来て下さ〜〜い♪」
小夏:じゃあさっき戦ったイシルに声をかけよう――「お前、リーン様と一緒に旅していたイシルっていうんだろ?」
イシル:「あ、ああ」
小夏:「(口調が軽くなって)いや〜〜、実は俺、さっきのアンゼロット様から君達に協力するように言われていてさぁ(笑)」
イシル:「そうなのか?」
小夏:「そう! そうなんだよ。だからリーン様の事とか知ってたらいろいろ教えてくんない?」(笑)
GM:結局そこに落ち着くんだな(笑)
ミスティ:そう言えば上条はどうしたのでしょう?
GM:ああ、彼は別任務ですから気にしないで下さい。元PLさん(笑)

シーン8:動き出す

イシル、ミスティ、めぐみ、小夏が部屋から出て行くと、ディランとアンゼロットだけが残った。
ディラン:マスター! 転生前は守護者だったらしいので、アンゼロットと二人で語るシーンが欲しいです!
GM:許可します、では部屋からイシル達がぞろぞろ出て行った後、残っていたディランにアンゼロットが声をかけよう――「ディラン…なぜここに?」
ディラン:「バハムートの所持者が現れたって聞いてな」
GM:「誰からそれを……いえ、例え噂を聞いたとしても、あなたはもう世俗を離れると言っていたではありませんか?」
ディラン:「竜王にあったよ」
GM:「あの男に?」
ディラン:「世界の運命が動き出そうとしている。いや、奴が動いているという時点で、竜王の奴は運命に逆らおうとしているのかもな」
GM:「そう…ですか……あの竜王カイザーが……」
ディラン:「これではゆっくり余生も送れん」
GM:「そうかも知れませんね…ところで、イシルがバハムートの所持者だというのはわかっていますね? もしよければ、彼をサポートしてもらえないかしら」
ディラン:「さぁな、それは奴次第だ」――私も部屋から出て行きながら、一人口の中で呟きます――(はたして、あいつはアレを持つに相応しいかどうか……)

シーン9:呪いもパワーアップ?

東京案内という事でどこに案内するか迷う一同だったが、結局、めぐみちゃんの「東京なら東京タワー」と言う言葉に目的地が決定する。
GM:で、めぐみちゃんや小夏はいいが、イシルとミスティの服はどうする?
めぐみ:確かにファンタジーなラース=フェリアの服じゃ違和感バリバリですしねぇ。
イシル:とりあえず剣は持ちます。
小夏:「おい、そこの! 武器なんて持ってんじゃねーよ」(笑)
イシル:「馬鹿か? 敵に襲われたらどうする?」
小夏:「教われねーよ! それにこの世界じゃ、武器を持っているだけで犯罪者なんだよ!」
イシル:「そ、そうなのか?」――とっても悔しそうに武器を置きましょう。
小夏:「だー! しょうがないな!」――イシルの剣をポイっと俺の月衣に入れておこう。
イシル:「不思議な技を使うな」
めぐみ:「何言ってるんですか? 月衣は私もルオ先輩もリーンさんも全員使ってたじゃないですか」
ミスティ:………………いや、武器とか入れたのみるのは初めてだと(笑)
GM:………………そうか、ルオはティアマトーと呼び出せたし、めぐみちゃんは九十九がいた。リーンは唯一レンガとか取り出してたけど、別段『イリュージョン』って叫んでたから不思議に思わなかっただろうな(笑)
その後、イシルは革関係で統一した服装に、ミスティはめぐみちゃんから借りた(?)服へと着替え、東京タワーを見るべく、神谷町(東京タワーに近い駅)を目指し地下鉄に乗ったのだった。
GM:ってなわけで地下鉄だ。
ミスティ:「わ〜鉄が動いていますねー」――と子供のようにイスに立ち膝で窓の外を見ています(一同笑)
小夏:「ねぇねぇ、政二君、恥ずかしいからやめさせられないかな?」(笑)
めぐみ:「めぐみです♪」
小夏:「……いや、だから政二君?」
めぐみ:「め・ぐ・み…ですよ♪」
小夏:ああ、わかったよ(笑) 「ねぇめぐみちゃん、恥ずかしいからミスティのアレ、やめさせられないかな?」
めぐみ:「ミスティ、これは地下鉄ですから、窓の外を見ても真っ暗ですよ?」(一同爆笑)
ミスティ:おお、そうでしたね(笑) では鉄の箱がこのスピードで走っているのが珍しいって事にしましょう(笑)
小夏:「めぐみちゃん…ツッコミ所が違うって!」(笑)
イシル:俺はミスティとは違って立ってる、広告とかを不思議そうに見てたり(笑)
めぐみ:「イシル、ミスティ、そろそろ混んでくるから、気をつけた方がいいですよ?」
GM:じゃあ次の駅でドバーっと人が乗ってくる。もう、ギュウギュウ詰め(笑)
イシル:「な、なんだこの人たちは!?」
ミスティ:「す、凄い人です!?」(笑)――あ、イシルは満員電車なら"おにぎり"ですね(笑)
イシル:は!? 言うなよミスティ!
GM:ではミスティとめぐみちゃんは、『ボンッ』という聞きなれた音を聞いた。イシルは何分か2D振っといてね(笑)
イシル:ほらみろ! ミスティが言うから!(笑) あ、そうだマスター! 第二部から、俺は『居合』から『二刀流』に攻撃方法を変更したので、"おにぎり"状態の楊枝剣も変更です!
GM:変更? 楊枝じゃなくなるの?
イシル:そう。"おにぎり"の武装はレストランのお子様ランチとかについてくる、プラスチックでできた剣を持ってます(笑) しかも二刀流!
ミスティ:安っぽくなりましたね(笑)
イシル:ファージ=アースっぽくなったと言え(笑)
GM:ではイシル、君は"おにぎり"化して、視界に見えるのは人の足・足・足! だが、そんな足の樹海の奥から凄い速さとフットワークで近づいてくる赤い物体!
イシル:「ハッ! 殺気!?」(笑) 俺も逃げる! ポンポンに食われてたまるか! どこだミスティ!?(笑)
小夏:変身した瞬間とか見てた事にしていい? ――「おいめぐみちゃん、今、あいつって"おにぎり"にならなかったか?」
めぐみ:「なりましたねぇ」
小夏:「いや、ってか、そんな冷静に返答されてもな」(笑)
ミスティ:「イシルは子供の頃、呪いを受けて、異性に強く触られると"おにぎり"に変身してしまう体質にされてしまったのです」
小夏:「はぁ〜大変だな奴も」(笑)
GM:と、『次は〜〜次は――』とアナウンスが入る。
めぐみ:「さぁ行きますよ〜〜。みなさん降りましょ〜〜」
イシル:なんとか人の足の間を抜け、ポンポンの追撃を振り切ってホームまで逃げます。
小夏:じゃあそれを拾った。
イシル:「小夏…か、よかった。助かった」
小夏:デコピン。バチン!
イシル:バッシャー! って頂部が吹っ飛ぶ。米を撒き散らしながら(一同爆笑)
小夏:「やべえ、本当に"おにぎり"だよこいつ」(笑)
イシル:「じょ、冗談でこんな呪いを受けるか!?」(笑)
小夏:「そりゃそうだ」(笑)
GM:じゃあポンポンがミスティの肩に乗って――「ちっ、もう少しだったですポン!」(笑)

シーン10:鉄の箱パートU

一行は駅から地上に出ると、東京タワーを目指して道を歩く。イシルとミスティにとっては巨大な直方体の建物が立ち並ぶ、どれもこれも珍しいものばかりだった。
GM:ディランは一緒にいるのかな?
ディラン:付いて来ていますよ、アンゼロットにも頼まれたしな。
イシル:(←もう元に戻っている)「ところで、あんた(ディラン)は、なんで俺達について来るんだ?」――後ろを振り返って聞こう。
ディラン:「まぁ私の事は気にしないでくれたまえ」(笑)
めぐみ:「アンゼロット様のお知り合いのような感じでしたが……お目付け役ですか?」
ディラン:「そんな所だ」
GM:地上に出て歩けば、すぐ近くを鉄の箱が凄いスピードで走っていく。そうだな、横断歩道を渡ろうとしたら、赤信号で止まったと思いねぇ。
ミスティ:す、凄い気になります。いかにも説明が欲しげな視線をめぐみさんに(笑)
めぐみ:「あれは自動車というものです。その――(と、ちょっと本気で詳しいPL説明が入る)――です♪」
ミスティ:「は、はぁ…」(笑)
小夏:よくもまぁガソリンの説明から詳しく…(笑)
GM:ではめぐみちゃんの暇な説明に飽きたポンポンが――「ご主人! なんでみんな止まっているですポン!? さっさと行くですポン!」と赤信号無視で渡っていく(笑)
ミスティ:「あ、駄目ですポンポン」――とか言いながら私も一緒に(笑)
小夏:こらー!(笑) それは俺が腕を取る! 「赤信号だろう! よく見ろよ!」
ミスティ:「でも、ポンポンが」――と、ポンポンの方へ。
小夏:じゃあ俺は筋力5なので、引っ張られる――「あ〜〜れ〜〜」(一同爆笑)
イシル:駄目だろそれじゃ!! 「ミスティ! 小夏! 危ない!!」
ディラン:(トラック野郎) 急ブレーキ! キキー!! 『オラ! 危ねぇだろうが! 死ね!』(笑)
GM:と、トラック野郎に怒られました(笑)
ミスティ:怒られてしまいました。
小夏:「あのなぁ、この世界は交通ルールってのがあってだな……」――と説明。信号が青になったらみんなで渡るぞ。
GM:では皆が横断歩道を渡っているところで……ディラン、君だけ知覚力でジャッジをしてみてくれ。目標値は20だ。
ディラン:(コロコロ)……成功です。何かに気がつき私は一人、横断歩道を渡らずにいます。
GM:それは視線だね、君達を見つめる誰かの視線だ。
めぐみ:「あら、あのおじさんがいませんよ?」
小夏:じゃあ横断歩道を振り返って――「おい、おっさん! 早く渡んねぇと赤になっちまうぞ!」
ディラン:私は彼等の声に耳を貸さず、一人あらぬ方向を睨んでいる! ――「どこだ……」
イシル:しょうがないな、俺がそのおっさんの手を引いて横断歩道を渡らせよう。
ディラン:………………「お前達、気がついてないのか?」
小夏:「なにが?」
ディラン:「見られているぞ」
GM:あっ、イシルや小夏が知覚しても、すでに気配は消えているから。
イシル:「見られている? (コロコロ)……別に何も感じないが?」
小夏:「ああ、俺もそんな気の流れは見えねぇな、おっさん…何か見間違えたりしたんじゃねーのか?」
ディラン:「ふっ……そうだといいがな」――と、横断歩道も渡ったようなので東京タワーの方へ歩き出しましょう。コートをはためかせて。
小夏:「おい、イシル、あのおっさん大丈夫か?」(笑)
イシル:「いや、俺も今、それを考えていたところだ」(笑)
ディラン:………………おかしい、俺はカッコよくないのか?(一同爆笑)

シーン11:東京タワー

車の行きかう坂を登ると、紅い尖塔が見えてくる。
GM:では東京タワーの付近まで着ました。
ミスティ:「先端が鋭く尖って……すごい高い建造物ですね」
イシル:「でかいな、もしかしたら七砦より大きいんじゃないか?」
GM:「きっと、この塔の最上階まで行けば魔剣の力が解放されるですポン!?」
めぐみ:「それは無いです」(笑)
小夏:「無駄口叩いてないで、さっさと入るぞ!」
ディラン:私は一人、さっきの気配を気にしつつ、皆に着いていこう。
GM:ではエレベーターに5人は押し込められます。
イシル:じゃあ後ろで閉まったドアに焦って――「しまった! 閉じ込められた!?」
ミスティ:ドンドンドン! と両手でドアを(笑)
イシル:「くそっ、こうなったら――」(笑)
小夏:スパーン! と二人を落ち着かせます!――「いいんだよこれで! 別にトラップじゃないんだから落ち着け! これはこの世界の移動手段の一つだ!」
GM:では少し経って扉が開く、展望室に到着しました。見渡す限りの景色がさっきと違う、いつの間にやら高い場所に出たらしい。
イシル:「そうか、さっきのは転移装置だったのか……」
めぐみ:「まぁそんな所です♪」(笑)――そういえば、せっかく東京タワーなので、さらに上の展望室にまで行きたいですね。
小夏:それは俺も行きたいな、せっかくだし二人を連れて行きてぇ(笑)
GM:まぁ二人は今、窓の外に夢中だろう(笑)
めぐみ:とりあえず先にチケットを買いに行きます!
小夏:じゃあ俺も!
GM:では残念ですが、最上階の展望室は現在工事中で一般人は立ち入り禁止です。
めぐみ:それは残念です。
小夏:しゃーない、この展望台で我慢するか。

シーン12:ファージ・アースの空

そこから見える光景は、イシルやミスティにとってなんとも奇妙に映るのだった。
自然はほぼ無く、白や灰の無機質な建造物が地平まで広がっている。
心なしか、空まで灰を垂らしたかのようにくすんで見えた。
イシル:では俺は街並みを見下ろして――「しかし……この灰色の景色……自然が無い世界だな」
ミスティ:「そうですね。無機質な色の建物ばかりです」――イシルの横に来て言いましょう。
ディラン:小夏とめぐみはチケット買いに行っていないのですよね? なら私の出番でしょう――「だが、これがこの世界…第八世界ファージアースだ。魔法ではなく科学という常識が統べる世界、お前達が見てきた"走る鉄の箱"や"密室の転移装置"…全ては科学の力で動いている。少なくとも、この世界の圧倒的多数がそう信じている」
イシル:「どういう事だ?」
ディラン:「魔法など無いと信じている事が、平和に暮らす人々の無意識の防衛機構なのだ。彼等が世界の危機を知らない限り、この世界は平和でありつづける。科学を信じる事が鉄を走らせ、魔法を信じない心が、魔王の存在を否定する」
ミスティ:「でも、魔王もクリーチャーもこの世界にはいるのでしょう?」
ディラン:「無論存在する。だから……」――
GM:どうしたの?
ディラン:やっぱやめました。私のキャラでは無い――「だから、あいつらがいるんだ」――と、戻って来た小夏達に視線を向け――「人知れず世界の危機と戦う"夜魔の魔法使い"(ウィザード)がな」
GM:ではその瞬間! ディランだけは感ずく! それは横断歩道で感じた気配と同じものだ!
小夏:じゃあそれに気がつかずに(笑)――「イシルー! 次は下の蝋人形館に行くぞー」(笑)
イシル:「ロウニンギョウカン? なんだそれは?」
めぐみ:「見ればわかると思いますよ? さぁミスティも行きましょう♪」
ミスティ:「ディランさんはどうしますか?」
ディラン:と、すでにそこにはいません。私だけ気が付いた気配を追って『ダーム』で気配の元へ向かいました。
ミスティ:「――いない? あの皆さん……」

シーン13:それは……

東京タワーは工事中の最上展望室の屋根の上。300mを越える高さで、風がバサバサとディランのコートをはためかす。
ディラン:無言で辺りを警戒します。
GM:では上の方から声が聞こえて来る――「お前はイシュエルの仲間か?」
ディラン:そっちの方向を見よう。
GM:鉄骨の上、ローブで顔も見えない男が立っている――「仲間ではないのなら、もう手を引け。これはお前の為を思って言ってやってるんだ。ありがたく思え」
ディラン:なんだか知らんが――「お前は誰だ?」
GM:「お前の知った事ではないな」――声は若いね。10代後半から20歳前後って感じだ。
ディラン:「たとえお前が誰であろうと……私を止める事はできぬぞ――まずは顔を見せてもらおうか」――目にもとまらぬ抜き打ちで、無限に伸びる魔式邪念鞭が顔を覆ったローブを切り裂く!
GM:では君は(ディランのPLにメモを見せる)を見た。
ディラン:「な!? お前は!?」
一方その頃……――
GM:君達は蝋人形館の前まで着ました。
小夏:「おっさんがいないって? 別にいいよあんな変な人」(笑)
イシル:「だが、道に迷ってたらどうする? こんな見ず知らずの地で迷ったら致命的だぞ?」
小夏:「お前達異世界人じゃないんだから迷ってたまるか! だいたいあのおっさんって吸血鬼だろう!? 何百年生きていると思ってるんだよ!」
ミスティ:「あの…吸血鬼ってクリーチャーのヴァンパイアの事ですよねぇ?」
めぐみ:「そうですよ?」
イシル:「じゃあ、あのおっさん敵じゃないか!?」
小夏:「ああ、いいんだよ、そういう奴もいるの。この世界には」
GM:うわ〜〜やる気ねぇ(笑)
イシル:「そうか…この世界のことを俺達の世界の尺度で測っても駄目って事だな」
小夏:「そういうこと。ま、あのおっさんがどうなろうと知ったこっちゃねーけどな」(笑)
イシル:「それもそうだな」
めぐみ:「別に親しい間柄ってわけでもありませんし」
GM:「影薄いですポン」
ミスティ:本人のいないシーンで実はヒドイ言われっぷりですね(一同笑)
イシルを狙う謎の人物、その正体とは!?
真龍伝説は舞台をファージ・アースへと変え、もう1人の勇者の伝説を紡ぎだす。
全ては、運命のままに――


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第28話「異世界へ!」

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