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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ


――次元のひずみ――

1人の少女がただよっていた。
全ての力を使いきり、全ての想いを仲間に託した少女が……。
その少女の傍らには1本の剣。
白く神聖な光りが少女と剣を守るように包みこんでいた。
やがて、その光が傍らの剣に収束すると――

――ズバシュッ! バチバチバチ……――

空間が切り裂かれ、少女はただようだけの夢幻界から移動する。
そして、
その気配を感じ取ったのは数人。

世界魔術師協会アンゼロット 聖女の血を引きし者リーン

混沌軍竜王カイザー

そして――

「なるほど……これがお前の言っていた勇者ルオの気配か……」
「はい。中々手ごわい小娘でして」
「ふん……」
サルガクの同意に、その男は鼻で笑う。
「では、その実力……試させてもらおう」


真竜伝説

第30話「赤い尖塔、漂邪騎団の罠!!」


シーン1:変わらぬ学校、変わる登校シーン

封印図書館より帰還したイシル達は、情報を整理するため一時の休息を得る。
そして、この機会を利用してこの世界に馴染もうとする者も……。
GM:図書館より帰還して数日後に話は飛びます。場面は飯床高校の登校場面から始まります。
小夏:いいとこのがくえん?
イシル:ルオやめぐみ殿なんかが通っていた学校だったはず。
めぐみ:過去形はやめて下さい!(笑)
イシル:おお、スマン(笑)
GM:さて、君はどうする?(と、めぐみちゃんの方を見る)
めぐみ:もちろん、女生徒の制服で行きます!(一同爆笑)
小夏:やっぱ行くんだ(笑)
GM:では朝方、お父さんとお母さんが「い、行ってらっしゃい…」とぎこちなく見送る。
めぐみ:「行ってきま〜〜す♪」
GM:めぐみちゃんが家を出た後、食卓で――「母さん、これは避けられぬ運命なのか?」「もうここまで来たら…あきらめるしか」――と呟く。
イシル:いいのかめぐみ殿、思いっきり両親に諦められているぞ(笑)
GM:ではそのままシーンは学校です。
めぐみ:「おはようございま〜〜す♪」――と自分の席へ着席。
GM:「あ、おはよー……って……ねぇねぇ、誰か彼女知ってる?」
イシル:(男子生徒A)『おい、入院中の政二の席に座ったぜ?』
小夏:(男子生徒B)『転校生なんじゃねーか? …ちょっと可愛いよな』(笑)
ミスティ:(女子生徒)『私、聞いてくるね』――『あの…もしかしてクラス間違えてない?』――とめぐみさんに話し掛けます。
めぐみ:「ここは私のクラスですよ? 出席番号は33番です♪」
GM:それは政二の番号だった。
ミスティ:(女子生徒)『え、え〜と…』――戻ってきて『出席番号は政二君の番号だったよ』(笑)
GM:と、皆が騒ぎ出すと、めぐみちゃんの前に一人の男子生徒が来て――「おい、転校生! そこは俺の親友の席だ。あいつは今、病院で病魔と戦ってるんだ! 座るなら別の席にしろよ縁起悪ぃ!」
めぐみ:もしかして私のコネクションである、『親友:渡辺龍』君ですか?
GM:うむ、そのとーりだ(笑)
小夏:(男子生徒B)『おいおい、せっかく可愛い転校生が来たんだから、イチャモンつけんなよな龍!』
イシル:(男子生徒A)『龍、お前ちょっと来いよ』――と引き離す(笑)
GM:では龍君が離れた所で先生が入ってきます――「おーいお前ら、静かにしろー、席につけー」
ミスティ:(女子生徒)『先生ー! 転校生が居まーす!』
GM:「転校生が居るだと? 何所にいるんだ?」
ミスティ:(女子生徒)『政二君の席に座ってまーす!』
GM:「………………政二、お前男なんだから女の制服を着ることないだろう?」
ミスティ:教室の温度が一斉に下がる(笑)
めぐみ:「先生〜〜それは男女差別だと思いま〜〜す!」
小夏:ちげーよ!(一同爆笑)
イシル:その瞬間、教室は阿鼻叫喚と化したのだった(笑)



GM:……で、途中で切って悪いんだが、イシルとミスティはどうしてるんだ? 世界魔術師協会日本支部に居候なのか?
小夏:はいはーい! 俺の家に来ると良いよ! あと20部屋ぐらい開いているから(笑) 煌家だから日本にも家があっていいよね?
GM:うん、煌家は日本にも家があるぞ。
小夏:じゃあ問題なし! イシルもミスティも日本支部だと落ち着かないだろう?
イシル:ああ、そうしてもらえると助かる。
ミスティ:ポンポン同伴でも構わないのでしたら問題無いです(笑)
GM:ちなみにディランはどうするんだ? ヨーロッパに帰ってるの?
ディラン:いや、日本にある高級ホテルの最上階スウィートルームに宿泊中だ。金ならある、レオンからかっぱいだ物が腐るほどな(笑)
イシル:すげー金持ちが居る(笑)
小夏:違う! 奴は本当の金持ちじゃない! 成金だ!(笑)
ディラン:違うなぁ坊や、それを言うならおじさんは犯罪者さ(一同爆笑)
イシル:駄目だろ(笑)
GM:え〜〜と、それは置いておいて、イシルとミスティは何歳だっけか?
イシル:19歳。
ミスティ:16歳です。
GM:ふむ……。



GM:場面は飯床高校一年生の教室――「お前ら、実は今日、そこの政二なんかじゃなくて、本当に転校生が来る。ちなみに性別は女の子だ!」
小夏:(男子生徒B)『マジッ!?』
イシル:(男子生徒A)『先生! オカマじゃないですよね?』(笑)
GM:「違う!」
めぐみ:「オカマって言うな!!!」(一同超爆笑)
GM:「あ〜〜静かにしろ! じゃあ入って来てくれ!」――とミスティ、どうぞ(笑)
ミスティ:あ、やっぱり私ですか(笑) では制服からはみ出る左半身は包帯が見えますが、それでも髪の毛とかでギリギリ隠して入ってきます。
GM:では流れるような長いブロンドの髪、憂いを持った瞳、そして神秘的なたたずまいの少女が入ってくる。
ミスティ:ではちょっと頑張って――「ミスティ…と申します。宜しくお願いします」――笑顔を(笑)
GM:おうぉうおーー!!(←奇声)
小夏:な、なんだよいきなり!
GM:いや、なんかいいじゃないか! ミスティが制服姿だぞ? なんというか…やっとここまで来たかって感じだ! イラストレイターが居たら、絶対に依頼しているシーンだ(笑)
小夏:冷静になれ。お前はゲームマスターだ(笑)
GM:ぬ、いやまったく、俺としたことが、つい想像の世界へぶっとんでしまった(笑)
イシル:(男子生徒A)『ミスティちゃーん! 苗字はなんてーのー?』
ミスティ:苗字?
GM:ん、そういえばミスティって苗字無いな。別にゲーム的には問題無いが、学校生活では必要かな? どうしたい?
ミスティ:そうですね……じゃあ私は自分の運命を皮肉って"ミスティ=フォーチュン"と言いましょう。
ディラン:まさしく謎の運命だな(笑)
イシル:いつ敵になってもおかしくないからな。
GM:じゃあそれで。
ミスティ:出身はスコットランドって事にしておきます。ブロンドの髪ですし、なにより有名な国だと何か聞かれた時にボロが出ます。
GM:了解。
小夏:(男子生徒B)『転校生のミスティ=フォーチュンさん! 僕達は君を心から歓迎するよ! なぁみんな!』
イシル&GM&ディラン:(一般生徒)『おーーー!』(笑)

シーン2:精霊界の気配

そこはホテルの最上階。特別な存在しか予約できないスウィートルーム。
その男はそこで優雅に寛いでいた。
GM:場所は変わって、ホテル最上階スウィートルーム。窓からは東京タワーを望む絶景だ。
ディラン:「ボーイ君、私の頼んでおいた最高級のワインと納豆巻きは、そこに置いておいてくれたまえ」(一同爆笑)
小夏:おっさん!!!(笑)
イシル:なんで最高級のワインに"納豆巻き"なんだよ! どうみても合わないだろ!(笑)
GM:運んできたボーイさんも顔に疑問符を浮べているよ(笑)
ディラン:「ボーイ君、これはチップだ」――と紙幣を数枚握らせてから――「ふむ、この組み合わせが不思議かね? まぁ無理も無い。だが、あと数百年も経てば理解できるようになる」(一同爆笑)
小夏:数百年も経ったら生きてないって(笑)
イシル:ますます理解不能だなおっさんは(笑)
ディラン:ではボーイも去った所で、優雅にランチとしゃれ込むか(一同爆笑)
GM:昼飯だったんだ……(笑) ではそんなランチタイムに突然気配を感じる、直接部屋の中に誰かが転移してきたらしい。――「相変わらず、良くわからない嗜好をしていますね」
ディラン:「アンゼロットか? 用件は何だ? ……いや、前回の事だな」
GM:「ええ、封印図書館に行ってもらったとき、あなた達は禁書の部屋にて"擬態虫"を見たと言っていましたね」
ディラン:「ああ、確かに見た。もっとも、そこまで行く間に十分な冥魔達も見たがな」
GM:「いえ、冥魔は予想の範囲です。もともと、冥魔を封印した封印書はいくつかありましたから……ただ……」
ディラン:「ただ、精霊界のものを封印した封印書は無かった……か?」
GM:「その通りです」
ディラン:「やはりそうか……あそこへ入った時、二重にある封印の扉が強引にこじ開けられていた。それに、中の本も数冊荒らされた後だった。そいつが置き土産に擬態虫を置いて行った…と言った所か」
GM:「さすがですね。もうそこまでよんでいましたか……とにかく、気をつけて」
ディラン:「ふん、知れたこと」
GM:「そして、多少なりとも覚悟はお願いしますよ。そのような精霊界の存在が、再び現れるとも限りません、そのレベル次第では……あなたの本当の姿に頼らざるをえなくなるかもしれませんから……」
ディラン:「………………」
GM:「それだけです」――とアンゼロットは消える。
ディラン:「"真の姿"……か」――呟き、ワインを一口。

シーン3:煌家の喧騒

日本の都心部から少し離れた住宅地に、その豪邸は存在した。日本における煌家の別宅である。
日本庭園を模した広大な庭に、純和風と中華風の交じり合った建造物。
今、イシルと小夏はそこにいた。
GM:ではイシルと小夏です。ここは日本にある煌家の別邸です。
小夏:じゃあ修行中って事にしよう。俺は転職してウォーリアになったので、『二刀流』使って拳打が連撃になった(笑)
GM:そこにバタバタと足音も高々に入ってくるメイド服の女性――「坊ちゃま!」
小夏:その呼び方は……「ナオミ!?」
GM:走りこんでくるのは旅行鞄やトランクも両手に持ったままの煌家のメイド世良ナオミさんだ――「坊ちゃま、何もお変わりありませんか? お一人で大丈夫でしたか?」
小夏:「子供じゃ無いんだし、大丈夫だって」(笑)
GM:「あら? そこの方は坊ちゃまのお友達ですか?」
小夏:「ん、ああ。イシルって言うんだ」
イシル:「イシュエル=シルヴァーナです。ここでお世話になってます」
小夏:「こいつちょっと不幸でさ、女の人に抱きつかれると"おにぎり"になっちゃうんだ」(笑)
イシル:「言うなよ!」(一同爆笑)
GM:「なにをお坊ちゃま、そんな事があるわけ――」と行った所でナオミはスカートの裾を踏みつけて倒れる。倒れる方向はもちろんイシルだ(笑)
イシル:何イキナリ不自然に倒れるかな!?
小夏:ナオミはドジッ娘属性な人だから(笑)
イシル:ああいいですよ! あきらめますよ! 抱きとめて――『ボンッ!』(笑)
GM:「あ、本当に"おにぎり"になった……」
小夏:「けっこう美味しかったよ」(笑)
イシル:何余計な一言付け加えてんじゃねー!(一同笑)
GM:「ではお言葉に甘えて――ちょっとだけ」……ハムっと食べる。
イシル:食べんのかよ! お言葉に甘えてってそんな進めてなかったじゃないか! ってか、やっぱ食うな!(一同爆笑)
GM:(コロコロ)……5(笑) ちょっとどころじゃないな。頬張った(一同超爆笑)
イシル:ぐっはぁーーー! HPが既に6分の1しか残ってない……。(コロコロ)……あと4分で戻れる。
GM:と――「小(シャオ)! 元気だった?」――春鹿姉さんだ。こっちはちゃんと荷物を部屋に置いてから来たらしい。髪とかまでは治してないけどね。
小夏:「春鹿姉さん! どうしたんだよいったい、姉さん達まで日本に来るなんて聞いてなかったよ?」
GM:(春鹿)「実は前に私達の九龍半島で復活した"キング・キョンシー"が居たでしょ? アレが海を渡って日本にやってきたらしいの。それを追って……ね」
小夏:「そうか……なにかあったら言ってよ。あいつの件は僕も気になるしな」
イシル:「小夏、"きんぐ・きょんしー"とは何者だ?」
小夏:「まぁ有体に言って動く死体――俺達の敵さ」
イシル:「……なるほど」
GM:と、ここで小夏のO−Phoneが鳴る。
小夏:「ハイ、小夏です」
GM:電話の相手はアンゼロット様です――「小夏、あなたの電話で悪いのですが、イシルに代わってもらえますか?」
イシル:「はい、代わりました。用件はなんでしょうか?」
GM:「実は……ルオの居場所がつかめました」
イシル:「ルオの居場所!?」



GM:では場面を変えて飯床高校の一年生教室、めぐみちゃんにアンゼロットより通信が入る。内容は同じ、ルオの発見と、収容された病院の場所だ。
めぐみ:病院……確かに、精神的にも疲れきっていておかしくない状態だと思います。
GM:その電話を聞いていたポンポンが、ミスティの鞄の中から――「ご主人! 勇者様が生きていたですポン!」
ミスティ:付いて来てたんだポンポン(笑)
イシル:どうりで静かだと思ったら、学校に居たのか(笑)
ミスティ:では教室だけど真面目な顔して――「うん。私は信じていました。あの人はきっと生きているって……行きましょうポンポン」
めぐみ:私もミスティを追います!

シーン4:眠る勇者

一方、アンゼロットに教えられた病院に向かったイシルと小夏だったが、病院に入った所で別々に行動する事になる。(イシル:「その箱の転移装置は閉じ込められるから嫌いだ! 俺は階段で行く!」)
GM:ではエレベーターで行った小夏が一人だけ先に着く、606号室…ルオの部屋だ。
小夏:イシルを待たずに入ろう。リーン様と一緒に旅をしていた勇者には興味がある。
GM:部屋の中に入ると、そこにはすでに一人の男がいる。何か昔スポーツをやっていたような体系のおじさん。
小夏:見た事ないけど、ルオも戦士だし、このおじさんはお父さんかな? あ、お父さんってイノセント?
GM:うん、"ルオのお父さん"はエミュレイターも世界結界も知らない一般人(イノセント)だよ。――「君は?」とおじさんは聞いてくる。
小夏:「あ、波乱原の友達の煌小夏です」
GM:「そうか……」――とおじさんはルオの方に視線を戻す。ルオは宙空を見ているように植物状態だ。
小夏:龍脈の流れを読む、ルオに流れるチャクラはどうなってる?
GM:停滞しているね。神聖力の塊のような白いチャクラが全身から溢れている。本来持っているルオのチャクラは、その白い神聖力で掻き消されちゃっている。
小夏:「まるで天使か何かみたいだ……」
GM:君がそうやってルオを見ていると、おじさんは部屋を出て行くよ。
小夏:「どこへ行くんですか?」
GM:そこで小夏は知覚ジャッジをどうぞ!
小夏:(コロコロ)……17。
GM:小夏はおじさんの呟きを聞き取る――「………して、いたのだがな………」
小夏:「えっ?」
GM:おじさんは部屋を出て行きました。
小夏:な、なんなんだ? さっきの知覚ジャッジでおじさんの顔とかから、その言葉の意図を汲み取れない?
GM:まぁ全部は聞き取れなかったけど、ニュアンス的には『一流スポーツ選手を育てようとした監督が、選手が途中で怪我をして一流の道を断念せざるをえなくなった時』の顔と同じだ。
小夏:それは解り易い(笑)
イシル:そろそろ部屋に入ろう。――「小夏! ルオは、勇者殿は大丈夫なのか!?」
小夏:「それが……」



途中でタクシーを拾い、急いで病院へ駆けつけたミスティとめぐみちゃん……6階の6号室には『波乱原ルオ』とのネームプレートがかかっていた。
ミスティ:「ルオさん!?」――駆け込みます!
イシル:俺は苦虫を噛み潰したような顔でいよう。
めぐみ:「イシル、小夏…ルオ先輩は……」
小夏:「見ての通りだよ」
ミスティ:信じられないような表情で――「ルオ…さん……」
そこには、光無い瞳で中空を見つめ続けるルオがいた。
ベッドに横たわり、心ココにあらず……それは植物状態と言って良かったが……。
それでもそこに、波乱原ルオはいた。
イシル:「今のルオはここにいるが、いないのも同じだ」
めぐみ:「きっと戦っているんです……心の中の聖なる意思と……」
小夏:「聖なる意思か……確かに俺にはそれが見える。きっとルオは心の大半をそれに使っているんだろうな」
めぐみ:「ティアマトーとは白神の化身だと図書館にあった本に書いてありました……もしかしたらルオ先輩は、それほどまでに大きな力を使いながら、ずっと自分の意志を保っていたのかも……」
小夏:「彼女を取り巻く白いチャクラ……神の力を自分一人で押さえ込んでいるとしたら……それは、想像を絶する精神力を費やしているんだろうな。常人なら…いや並みのウィザードだってこのチャクラには耐えられるかどうか……」
めぐみ:ちなみに魔剣ティアマトーはあるのでしょうか?
GM:いや、無いね。アンゼロット様の報告によれば発見されたとき、すでにルオは魔剣を持っていなかったらしい。
小夏:魔剣が無いのか。危険だな。
ミスティ:「嘘……どうして……」(←震えるような声で)――とルオの肩に手をおき、ゆさゆさと揺らします。
GM:ルオに反応は無いね。ただ小夏は見えるよ、ルオを取り巻く神聖力が一気に力強さを増していくのを!
小夏:「やめろ! それ以上刺激したら、やっと残っている自我さえ、白神の意識に飲み込まれるぞ!」
ミスティ:「えっ……」――離れます。
GM:と、ミスティの両手は少し焼けただれ煙が上がる。すぐ自己治癒するがな。
ミスティ:「私は……私はルオさんに……」――自分の両手を見てからルオに視線を戻します。
イシル:「ミスティ――」と肩を抱こう――
ミスティ:ならイシルに八つ当たり(笑) イシルの胸をバシバシ叩く(笑)
イシル:「ミスティ…」
ミスティ:「あそこで……置いて行ったりしなければ………私が…………」――走って部屋を出て行きます。
イシル:「ミスティ!」――うおっ、どうしよう俺(笑) ルオも心配だがミスティも心配だ(笑)
めぐみ:ここには私達が居ますから大丈夫ですよ。
小夏:それに、第二部から主人公はお前だ! 主人公はヒロインを慰める義務があるのだ!(笑)
イシル:そ、そうだった(笑)――「ミスティ!」――俺も部屋を後にしましょう。
GM:ではミスティとイシルが部屋を出て行くのと入れ違いに、めがねをかけたサラリーマン風のおじさんと、ちょっとポーとした感じな天然っぽいおばさんが部屋に入ってくる。――「ルオ! 数ヶ月間連絡が無いと思ったら、意識不明で入院中だったなんて……」「あまりお母さんを心配させないでちょうだい……」
めぐみ:ルオ先輩のお父さんとお母さんですか?
GM:「あら? あなた達、ルオのお友達? ありがとううちの娘を心配してくれて――」
めぐみ:どうやら両親のようですね。
小夏:???



両親に気を使い、部屋を後にする小夏とめぐみちゃんの2人。
しかし、廊下に出た所で小夏が引っかかっていた疑問を口にする。
GM:さきに小夏とめぐみちゃんのシーンをやろうか?
小夏:では病院の廊下を歩きながら、ふと俺は思い出します――「あれ? そういえば……」
めぐみ:「小夏?」
小夏:「いや、さっきの二人が彼女のご両親だよな?」
めぐみ:「そうですよ」
小夏:「なら、あの時会った男は……誰なんだ?」
めぐみ:「男?」
小夏:「ああ、俺が最初に病室へ入った時、そこには立派なスポーツマンのような体躯をし、立派な髭を生やした、まさに彼女の父親に相応しい男がいたんだ……」
めぐみ:「髭のダンディーおじさんですか?」
ディラン:「それは"竜王カイザー"だな」
めぐみ:うわああああ!(叫)
小夏:って、いきなり会話に割り込むなよおっさん! いつシーンに登場したんだよ!
めぐみ:普通に驚きました(笑)
ディラン:ここで割り込まずにいつ割り込む! そろそろ私にもしゃべらせろ(笑)――『ダーム』で二人の影から現れたって事で!
小夏:「あのイシルの言ってた竜王が……あの男だって言うのか!?」――見た事ないし。
めぐみ:「あの噂のカイザーが……」
GM:竜王カイザーはルオとリーンとシャルマしか見た事無いと思うし。
めぐみ:「でも、なんでルオ先輩の所にあいつが来たのでしょう? それに、来ただけで何もしてないなんて……」
小夏:「確かに、ルオに何かされたあとやチャクラの乱れは無かった……」
ディラン:「魔剣ティアマトーの所持者である勇者ルオか……カイザーはその時、何か言ってなかったか?」
小夏:「ああそう言えば、奴が去り際に――『……していたんだがな……』って……たぶん、あれは『期待していたんだがな』って事だったと思う」
めぐみ:「期待ですか? 混沌軍の団長でもあるカイザーが?」
小夏:「そう言ったように聞こえたんだよ! なんかニュアンスがな」
ディラン:「ふふ……そういう事か……」――一人でニヤリとしようか(笑)
小夏:「おっさん、何ひとりでニヤニヤしてるんだよ!」
めぐみ:「気持ち悪いです」(笑)
ディラン:黙して語らんから。
小夏:「まぁいいさ、おっさんはいつもそんな感じだし」

シーン5:屋上にて……

その病院の屋上では、風に流される雲と同じように、ミスティの髪がはためいていた。
手摺に持たれかかり空の彼方を見つめるその瞳は、いったい何を見ているのか……。
ミスティ:私は病院の屋上で手摺につかまっています。
GM:長い髪が風にたなびいている。
イシル:「ここに居たのかミスティ」――背中に話し掛けましょう。少し離れてね。
ミスティ:「………………」――振り返りません。
イシル:「お前も解っているだろう。ルオがああなってしまったのは、あの時、魔剣ティアマトーの力を押さえ込んだ反動だ」
ミスティ:「なんで……なんであの時、一緒にいてはいけなかったの!? なんで離れなきゃならなかったの!? どうしてルオさんが苦しんでいる時に、私達は力になってあげられなかったの!? なんで……――」
イシル:「あの時、ルオは魔剣ティアマトーから溢れ出す力を必死で押さえ込んでいた。それはなぜだ? 俺達を巻き込みたくなかったからじゃないのか? それがわかっていて、俺達があの場に踏みとどまる事はできないだろう。足かせになるだけだ……」
ミスティ:「だからどうしたっていうのです! あの人はあんなにも苦しんでいるのに、どうして側にいてあげられないのですか? 私達はどうして逃げなければならなかったのです……信じる事だって……できたはずなのに…………」
GM:イシルとミスティの間を音も無く風が吹き抜けていった……そんな一瞬の沈黙のあと――
小夏:ナイスナレーションだ!(笑)
イシル:「信じているからこそだ」
ミスティ:「………………」
イシル:「お前の言いたい事はわかる。俺も自分自身の無力が許せない……」
ミスティ:「もう、嫌です……なにもできない私が……」
イシル:「ミスティ」
ミスティ:「なんであの人が……あの人ばかりが…あんな目に会わなければならないんです!」――もう、イシルが悪いと言わんばかりに言います。
イシル:「………………」上手い言葉が出てこないな……。
GM:では、イシルの声で――「それが勇者の運命だ」――と聞こえる。
イシル:ちょ、ちょ、ちょっと勝手に俺の台詞を作らないで下さいよ!(笑)
ミスティ:それは聞こえた事にしていいのでしょうか?(笑)
GM:いいよ。どうせ背中だし(笑)
ミスティ:バッと振り返ります。そのままイシルとすれ違いながら――「確かにあの人は勇者です。でも、勇者の前にあの人は――」

――私の友達です――

ミスティ:屋上のドアから中へ戻っていきます。イシルを置き去りにして。それで一人になった所で――「……だから、運命なんて言葉で、私は自分を誤魔化したくなんかない……」――と、シーンカット(笑)
GM:ミスティは退場ね(笑)
イシル:なんですかマスター! 俺が言ってない台詞使って! 勝手にミスティがシーンを閉めちゃったじゃないですか!(笑)
GM:問題無い。なぜならこのシーンはまだ終わってないからだ。ミスティは退場したがな。
ミスティ:そうなのですか?
GM:うむ。屋上でイシルは"キンッ"と何かを感じ取っているよ。殺気…嫌悪感……。
イシル:なら俺の後ろには屋上のドアがあり、その上は貯水タンクがあのです。気配はそこからします。俺は振り向きもせず――「でて来い。余計な一言を言ったのは……お前か」
めぐみ:上手く自分が言ってない事にしましたね(笑)
GM:いや、もともとそのつもりだったから、イシルの言ったとおりだ(笑)――貯水タンクの上に人影が現れ――「いいのか追わなくて」
イシル:「あいにく、抜き身の剣を前に、後ろを見せるわけにはいかないさ」――瞬間振り返り、一気に抜刀!
GM:イシルの居合いと、襲撃者の刀身が火花を散らし――

シーン6:イシルの影

病院の階段を駆け上がる小夏、めぐみちゃん、ディランの3人。
それは、屋上でイシルが戦う気配をディランが感づいたからだった。
ミスティ:3人が上って来るのなら、屋上から降りてくる私をみつける……わけですね。
GM:じゃあそのタイミングで。
めぐみ:「ミスティ!」
ミスティ:無視します。どんどん降りていく、行く宛ては無いけれど、屋上には居たくありませんから(笑)
小夏:「めぐみちゃん、あいつ行っちゃったぞ?」
めぐみ:「そうですね……」
ディラン:「小夏、お前がミスティを追ってくれ」
小夏:「へ? なんで俺が? 付き合い長いめぐみちゃんの方がいいじゃん」
ディラン:いや、今屋上でイシルが誰かと戦っている事を考えると、回復魔法の使えるめぐみは屋上に行ってほしい。かといって屋上が誘導や足止めでミスティが襲われる可能性もある。その為には、完全前線系が護衛についた方がいい。
小夏:おっさんだって鞭で戦うんだろ?
ディラン:私は援護支援魔法が主の中距離系だ。それに、いざとなれば移動系呪文で不利な方へ合流できる。
めぐみ:システマティックですね(笑)
小夏:まぁそこまで言われちゃ俺が行こう――「ったく、イシルはちゃんと慰めたのかよ! めぐみちゃん、おっさん、あとは任せるぜ! 俺はミスティを追う!」――退場しましょう。
めぐみ:では急ぎましょう。イシルが心配です。
ディラン:……ああ、そうだな。



イシル:くそっ……こいつ……強い。――『肉を切らせて』を使ったのに、倒れたのは俺だけ……か。
GM:ではそっちは戦闘不能だね、一時戦闘を解除しよう。めぐみちゃん達は、ここから登場自由です。
めぐみ:了解です。
ディラン:イシルは?
イシル:俺は血だらけで倒れている。戦闘不能だから動けん……。
GM:そして、そんなイシルに止めを刺そうと黒い刀を突き立てようとしている奴がいる。ローブ姿の男だ。
ディラン:では屋上のトビラをぶち割って、一本の鞭がローブ男のいた場所を削り取る!――「またお前か」
GM:謎の男はイシルに止め刺すのをやめ、貯水タンクの上まで戻り距離を取る。
めぐみ:「おじさん…知ってる人ですか?」
ディラン:「ああ……」
イシル:「くっ……」――剣を杖代わりにして立ち上がる。
GM:「心技体…全ておいてお前は俺に劣っている。当たり前だがな」
イシル:「なんだと!?」
GM:「最後の相打ち覚悟の一太刀はなかなかだったが……それでもまだ、俺とお前の差は歴然だ」――男がそれを言った後、イシルの胸がブシャー!と斬れる。
イシル:「な、ぐ…そ、そんな……」――倒れます。でも顔だけグググっと持ち上げてタンクの上を睨む。
めぐみ:駆け寄って回復します!
GM:「ふん、仲間か……命拾いしたなニセモノ。だが、次は無いと思え」
イシル:ニセモノ? 俺の事か?
GM:うん、そのようだね。
イシル:「俺が……偽者……」
GM:「ニセモノ、一つだけ言っておこうか、俺の呪いを全て被ってくれて…ありがとうよ」
イシル:「呪い? 全て俺だって!?」
ディラン:「逃がすと思うか?」――翼を生やして貯水タンクと同じ高さまで飛びます。
GM:「……悪いがお前と本気で戦う気は無い」――と言うや否や、ディランの視界一杯に魔法球が迫る!
ディラン:「ちっ!」――翼でガードします。
GM:では魔力球は霧散するが、視界がはれたとき、ローブの男はいなくなっている。
ディラン:「あいつは……」

GM:と、ここでマスターシーンを挿入しましょうか。

とあるビルの影、イシルの前から消えたローブ男が呟く――「あの捨て身の一撃……まさかここまで達しているとは……」――その瞬間、ファサリと顔を隠していた部分のローブが斬れ落ちる。あらわになったその顔は、まさにイシルその者だった……。

ディラン:
やはりイシルのシャドーか。
イシル:ニセモノが……ニセモノが!! 俺より強ぇーーー!!!(笑)
小夏:全データ的に上らしいな(笑)
ディラン:魔法も使っていたぞ。
イシル:うぉおおおおおおぅ! 何一つ勝てねぇ!!(笑)
ミスティ:違います。あなたは彼に無い能力を持っています。その部分だけは彼に勝っています。そう――。
イシル:(言葉を遮って)――それは呪いであって有利な能力じゃねーーー!!!(一同爆笑)

シーン7:心に残るは……

世界魔術師協会日本支部内にある医療施設。あのあと、気を失ったイシルはそこに運ばれていた。
GM:イシルの怪我は全快していていいので。
イシル:俺はベッドで寝ているのか?
GM:そうだね、気絶したイシルをめぐみちゃんとディランが運んだのでしょう。
めぐみ:ええ、運びました♪
ディラン:私は部屋の壁に腕を組みながら寄りかかっていよう。
ミスティ:私も部屋の中に居ます。イシルのことは心配ですし……。
イシル:じゃあ気付く――「うう…ここは……」――上半身を起こして、ふとミスティと目が合う。
ミスティ:なんて演出を(笑) 私は心配顔なのですが、目が合うとバツが悪そうに目を反らします。でも、すぐ顔を上げ――「無事で、良かった」――と微笑みましょう。
イシル:お前こそなんて演出を(笑)――「ああ」と短く。もうわだかまりのような物はなさそうです。
GM:そのようだね。
小夏:そこで――「イシルー! よかったよかった!」――と涙ながらに背中を叩こう(笑)
イシル:「いて、痛いって!」ってか、なんで小夏が泣いてんだよ!(笑)
小夏:「いやー、お前のこと助けるっつったのに、何もできなかったからさ」
イシル:「気にするなよ。俺も油断していた……それに、あいつとは何か因縁のようなものを感じるんだ。あいつとは俺が決着を付けなくちゃいけない…そんな気がするんだ」
ディラン:「奴はお前より確実に強いぞ」――腕を組んだまま呟きましょう。
イシル:「わかっている。力も技もスピードも、全て敵わなかった」――と『風裂く刃』を鞘から抜きましょう。刀身はボロボロになってます。
小夏:「それは……」
イシル:「俺の力が足りないばかりに……」――もう使えそうにないので、装備欄から消しておきましょう。
GM:ランクDの魔導具を……。
めぐみ:もったいないです〜(笑)
ミスティ:いえ、彼は演出のためなら全てを捨てられる男ですから(笑)
イシル:「それに……このニオファイトブレードも」――見ればまるで"斬られた"かのように、真っ二つになってます(笑)
ディラン:男ですね(笑)
イシル:「俺が強くなるだけじゃ駄目なんだ。それ相応の武器でないと……」
めぐみ:「でも……一般的な武器じゃイシルのプラーナに耐え切れないものばかりですよ?」
GM:そうなんだ(笑)
イシル:じゃあそういうことで(笑)
小夏:「でも、その2本だって十分すぎるほどの高品質、または魔法の武器だったんだろ? それ以上のものなんてあるのかよ?」
イシル:「一つだけ、心当たりがある……」
ディラン:「魔剣…バハムート……」
イシル:無言で頷こう。
ミスティ:「イシル……でもアレを使ったら……」(ルオみたいに)――という最後の言葉は飲み込みます。
イシル:「それでも俺はあいつに勝たなければいけない気がするんだ」

シーン8:弟の仇……姉がとる!?

一方、医療室の廊下では、ポンポンが所在なさげに暇をしていた。
GM:「まったく、最近シリアスシーンが多くってぽっくんは暇ですポン! イシルが"おにぎり"になってくれればぽっくんの出番も増えるというのにですポン!」
イシル:余計なお世話だ!(笑)
GM:と、ポンポンが廊下で暇していると、その前をガラガラとベットにけが人を乗せて医療班が通り過ぎる――「大丈夫ですか貴士君!」
小夏:貴士? 誰だそれ?
ミスティ:今まで聞いた事の無い名前ですから、ストーリーと関係無いエキストラNPCではないでしょうか?
小夏:じゃあ勝手に死んでくれてもいいな(笑)
GM:ちょっとめぐみちゃん、君は自分のキャラクターシートの"コネクション"という欄を見た事はあるかね?
めぐみ:ありますよ? 親友の渡辺龍とか書いてありますし(とコネクションの欄を見て)――「貴士! もしかして弟の貴士!?」――と廊下に飛び出します(笑)
小夏&イシル:『弟かよ!!』(一同爆笑)
ミスティ:自分の弟を忘れては駄目ですよ(笑)
めぐみ:廊下で押されていくベッドに駆け寄って貴士か確認します。本当に弟なら、使い魔である鳶のモモが付き従っているはずです。
GM:そういえば弟も魔獣使いとか聞いた覚えがあるな……じゃあ鳶がベッドに止まって心配そうに貴士を見ています。
めぐみ:「モモ〜〜いったいなにがあったのですか!?……うん、うんうん…そんなことが……――
小夏:解るのか!?(笑)
GM:じゃあ解る(笑) モモが言うには、東京タワーが3つ首の犬のエミュレイターに支配されて、タワーごとフォートレスと化したらしい。それを排除するために貴士達パーティーは向かったのだが、返り討ちにあったらしいよ。
めぐみ:「みなさん、そういうことです!」
イシル:「そういう事も何も……弟君は本当に大丈夫なのか?」
GM:貴士はベッドからかろうじで声を――「そこにいるのは……もしかして……お兄――」
めぐみ:(突如大きな声で)「そうよ! "お姉ちゃん"よ!!」(一同爆笑)
GM:「そうか……俺、力が無くって皆を……お兄――」
めぐみ:(やっぱ遮って)「心配しないで! "お姉ちゃん"が仇は討つから! あなたはゆっくり体を治しなさい!」
GM:「ありがとう……お兄――」
めぐみ:(叫んで)「だから後は"お姉ちゃん"に任せなさい!」(一同爆笑)
GM:では弟の貴士君はちょっと納得いかない顔して集中治療室へ運び込まれていく(笑)
イシル:めぐみ殿、最後まで貫いたな(笑)
小夏:弟がちょっと哀れだったぞ(笑)
めぐみ:「と、言うわけなんです。東京タワーのエミュレイター退治、手伝ってくれませんか?」
イシル:「ああ、それは問題無いが……敵はどの程度の奴なんだ?」
小夏:「3つ首の犬と言っていたからケルベロスだろう? 10レベルを超えている俺達にとっては雑魚みたいなもんさ」(笑)
めぐみ:ケルベロスが雑魚……強くなったものですね(笑)
ミスティ:「行きましょう。あの塔にモンスターが巣くっているのなら、早く行った方が良いと思います」
イシル:「ああ、今すぐ出発しよう」
小夏:「でもイシル、お前武器はどうするんだ?」
イシル:あ……(笑)
ディラン:「これを使え」――と、ロングソードを月衣から取り出し渡します。
イシル:「いいのか?」
ディラン:「昔、私が使っていた剣だ。何の魔力も無いただの剣だが、そこいらで売られている一般品よりかはマシだろう。少なくともフォートレス内程度ならそれで十分だ」
イシル:それはつまり、ボス戦になったら壊れるかもしれないって事か?(笑)
ディラン:それはマスターに任せます(笑)
イシル:まぁいい――「すまないなおっさん、使わせてもらう」
ディラン:「ならさっさと行くぞ、みんな私の近くに寄れ」――全員まとめて『テレポート』!

シーン9:赤い月が昇る

GM:では東京タワーの前にきました。
ディラン:フォートレスの中には入れなかったのですか?
GM:フォートレス内には一気に魔法での侵入は不可能です。一応結界だしね。
ディラン:了解しました。
GM:今、君達の目の前には東京タワーがドドンと構え、そのバックには夜空に浮かぶ紅い月!
小夏:「紅い月……戦いの合図だ」
GM:と、後ろから声をかけられる――「なんだお前達、全員揃ってどうした? この天才の活躍でも見に来たのか?」
小夏:自分で天才なんて言う奴は一人しかいねぇ(笑)――「上条?」
めぐみ:「上条先輩こそ、どうしたんですか?」
GM:そう、そこには上条が居ます――「なに、東京タワーに出たエミュレイターにウィザード数人が返り討ちにあったのでな。天才の私が一人で尻拭いに来たわけだ」
小夏:ああ、でも確かに、ケルベロスなら一人でも余裕か(笑)
めぐみ:「上条先輩……この件、私達にやらせてもらえないでしょうか」
上条:「君達に? それほどの相手ではないぞ?」
めぐみ:「返り討ちにあったのは私の弟なんです!」
イシル:「めぐみ殿に、仇を取らせてやれないだろうか」――まだ弟は死んでないがな(笑)
GM:「まぁいいさ、こんな相手、わざわざ天才の私が出る必要も無いしな……わかった、君達に任せるとしよう」
めぐみ:「ありがとうございます上条先輩♪」
イシル:「じゃあ行くか?」
小夏:「おう!」
GM:と、ミスティの肩でポンポンが言う――「ところでご主人、めぐみちゃんと弟君は、全然似てなかったですポン」
ミスティ:「え〜〜と、なんて答えれば良いのでしょうか?」(笑)
小夏:「ほら、めぐみちゃんは化粧しているから」(笑)
GM:「そういうもんですポン?」
めぐみ:「そういうものですよ♪」(笑)

シーン10:赤い尖塔の月匣

そして、月匣(フォートレス)へと突入する一行。しかし、内部の罠はことごとくレベルが低く、すでに二桁の代に乗っているPC達に対しては足止めにもならなかった。ただ――
小夏:「今のはなんだったんだ?」
イシル:「書庫で見ただろう……あれは精霊獣の幻をまとう"擬態虫"だろ」
小夏:「違う! なんでそんなヤバメなクリーチャーがこんなところにいるんだ? 脈絡無いじゃん?」
イシル:「……確かに」
めぐみ:「とにかく先に進みましょう!」
しかし、さらに進み"ある"クリーチャーを倒す一行。そのクリーチャーとは――
ミスティ:「"精霊獣の首"です。精霊界にいると言われる精霊獣の一部、首だけになっても生きているほどの生命力……クリーチャーレベルは3ですから、擬態虫よりも低いですよ」
イシル:「低いとはいえ……やはり何か変じゃないか?」
小夏:「月匣内トラップとボスのケルベロスのレベルは、こんなもんだと思うけど、さっきから出てくる"擬態虫"や"精霊獣の首"はバランスが違うぞ」
めぐみ:「どういうことでしょうか?」
ディラン:「何かが起こっている……としか言いようが無いな。それは先に進まなければわからないだろう」
イシル:「おっさんの言うとおりかもな。先に進もう」
そして……――
GM:ボスの部屋に到着しました。
めぐみ:「ケルベロス覚悟です!!!」
GM:ふむ、部屋に入るとそこには50mぐらいの巨大な人がいます。それは人が数十人もごちゃごちゃに混ざり合った巨人です。その巨人の足元に3つ首の犬の死体がある。
イシル:その絵は見たような気がする。クリーチャー知識で知力ジャッジしてもいい?
GM:いいよ。(コロコロ)……ちなみにポンポンは――「あんなクリーチャー見た事ないですポン!」と言ってる。目標値は35です。
ミスティ:(コロコロ)……「私も知らないです。それにポンポンも知らないなんて、普通のクリーチャーではない!?」
イシル:(コロコロ)……無論失敗です。
めぐみ:ルオ先輩と馬鹿さ加減を競った仲の私です……もちろんわかりません(笑)
小夏:クリティカル! みんな馬鹿だな〜〜(コロコロ)……29! 届かない!(笑)
ディラン:ふっ…ここは年の功というのを見せてやろう。プラーナ20解放! (コロコロ)……40!
一同:『おお〜〜』
小夏:「あれは何だ!?」
ディラン:「あれはな(ルールブックを読み)精霊界に住むといわれるクリーチャー"精霊王の従者"だ」
一同:『精霊獣の従者!?』(←わざわざ声をそろえる一同)(一同爆笑)
ディラン:「かつて精霊界へ落ちた人間達のなれの果てだ」――パワードに載ってる精霊界系クリーチャー最強の奴だな。
めぐみ:そして……ケルベロスは死んでるのですよね?
小夏:たぶん、あの従者に殺されたんじゃないかな? いわば月匣の主たるケルベロスをあいつが殺して、月匣を乗っ取ったのかな?
イシル:だが、なんのために?
GM:ああ、一つ言い忘れた。その精霊獣の従者だが、手という手を全て空へ掲げ、一心不乱に何か呪文を紡いでいる。
ディラン:「精霊獣の従者よ…なぜ、お前のような存在がここにいる?」
GM:では、いくつもの顔のうち一つがディランの方を向く――「我に話しかけるとは良い度胸よ」
イシル:「話した? 言葉が通じるのか!?」
ディラン:知性は人並と書いてあったからな(笑)――「一体、何をしている?」
GM:「我は混沌軍――精霊界の生物達で組織されし漂邪騎団が団長、暴君マルドゥーク様の部下――」
ミスティ:「混沌軍?」
イシル:「精霊界の生物で組織されたって……やばいぞ。ついに龍と対を成す最強の軍団が現れた!」
小夏:「混沌軍っては向こうの世界でお前達がやっつけたんじゃないのか?」
イシル:「確かに魔王は倒した。だが、やつら全てを倒したわけじゃない。あいつが言ったように、まだ生残っている軍団長もいる」
めぐみ:でも……暴君マルドゥークっていうのは初めて聞く名前ですよ?
イシル:いや、ファージ・アースのプロローグで天才上条と高薙先生が、ダークネスから聞いたじゃないか? ――「眠れる暴君を起こすな」って。まぁ上条も高薙もシャルマ(ダークネス)もいないから、さっぱりだけどな(笑)
小夏:「精霊界の生物で組織された軍団ってなんだよ! それを束ねる軍団長って……ええ!?」
イシル:「簡単に言って、精霊獣たちを束ねる存在……それ程の敵が残っているって事だ」
小夏:(こいつら、いったいどんな敵と戦ってきたんだ!?)―― というような驚愕の表情を(笑) 今やっと異世界での冒険というものを垣間見た気がする(笑)
GM:従者は続けます――「これより、我が軍団最強の生物を、この世界へ呼び込む所だ。そこで大人しくまっているが良い」
イシル:「そういうわけにはいかない。そのマルドゥークとやらを呼び込ませるわけにはな」
GM:「??? 何か勘違いしているようだな。我等がマルドゥーク様はすでに復活なされた。我が呼び込もうとしているのは、我が世界の奥底に住まう最凶の同志だ」
ミスティ:「まさか精霊獣そのものをこの世界に!?」
イシル:「それやばいって!」(笑)
精霊界には第1階層から第5階層まであり、奥へと進むほど、その場所には最強の生物が住まうと言われている。普段見る精霊界の生物は第1階層の生物であり、また第3階層以降の奥底にいる生物は、人の知力さえ越える知恵と知識をもっている程だ。
GM:今回、従者が呼び出そうとしているのは第2階層の精霊獣だ。その中でも比較的第3階層に近い存在を呼び込もうとしてます。
小夏:まずいまずいまずい! ああ、そういえばここはNPCのシーンが入りそうだ(笑)
GM:そうだね。じゃあお約束、アンゼロットのシーンを入れましょう。



――世界魔術協会――

「……"世界結界"に綻び! いえどんどん広がっています。その侵蝕率…10%…30%……駄目です。"世界結界"突破されます!」
「このままでは、再び世界の常識が書き換えられてしまいます!」
「アンゼロット様! 特異点を算出しました! 東京タワー内部の月匣です!!」
「付近にいるウィザードに連絡、タワー内部のエミュレイターの排除、及び、最悪の事態を想定し精霊獣ごと月衣――いや月匣に確保!」
「し、しかし、精霊獣をまるごと入れられるほどの月匣を張れるウィザードは世界でも数人しか――」
「それでもなんとかしなさい! あの時の……秋葉原の惨事(フレイスの炎砦参照)を繰り返してはなりません」

――東京某区――

その病院の606号室……白い光が輝いたかと思うと、窓から一条の光が飛び出す。
他の患者から聞いて部屋に飛び込んだ看護婦が見たものは――
「波乱原……さん?」
もぬけの殻のベッドだった……――




イシル:なんかいろいろ平行して起こっているような……。
小夏:まぁどんな演出があろうと――「こいつをどうにかしないことには……」
GM:と、呟いた瞬間だった。白い光が月匣を突き破って精霊獣の従者に落ちる!
イシル:「なっ!」
めぐみ:「まさか召喚成功ですか!?」
GM:白い光が落ちるとともに、叫びを上げて消滅する精霊獣の従者。光の中、一人佇む少女を見る。その手に"あの"魔剣を下げて。
ミスティ:「ルオさん!!!」
イシル:「目が覚め――て、無い!?」
GM:そのとおり、ルオの目は真っ白。イシルやめぐみちゃん、ミスティ的には前にフォーラで見た白神に乗っ取られたルオと同じ目だ。
小夏:「なんていうチャクラの流れだ」――ここはおっさんのカッコつけるシーンだろうな(笑)
イシル:ああ、そうだな(笑)
ディラン:私に期待か? いいだろう。でもちょっと考えるから時間をくれ(笑)
イシル:じゃあその間時間稼ぎ演出でも(笑) 少しずつルオに近づく俺――「駄目だ、これ以上は近づく事ができない!?」
小夏:なら俺はそれを危険な状態にしよう(笑)――「離れろイシル! これ以上近づけば、その圧倒的なプラーナに巻き込まれて、怪我どころの話じゃなくなるぞ!!」
めぐみ:ちなみにルオ先輩は、誰かさんを目指すのですよね?(笑)
GM:そうだった(笑) ルオは従者を倒した後、ゆっくりとミスティの方へと殺気を放ちながら進んでいく(笑)
ミスティ:やっぱりですか(笑) 私も痛いプラーナを我慢しながらルオの方へと近づきましょう。
ディラン:みな……なぜ自ら命を縮める?(一同爆笑)
イシル:いや〜〜なんでだろうな(笑)
ミスティ:ついつい(笑)
小夏:信じてるって事だよ、どんな状況にしてもおっさんが(正確にはPLが)なんとかしてくれるって事を(笑)
イシル:一応ミスティは俺が押えておきますんで。
ミスティ:またイシルに邪魔されました。
イシル:またとか言うな!(笑)
めぐみ:私はミスティの怪我を治しましょう――「ミスティ…あなたは近づいては駄目です! また、あの時のようになってしまいます」
ミスティ:「でも、ルオさんが! ルオさんが…!!」
ディラン:では期待に答えてそろそろ動こうか――「下がっていろ」――イシルやミスティに言ってルオに歩み寄っていきます。
GM:圧倒的なプラーナが君の精神を圧迫するが?
ディラン:私は"真の姿"の力をほんの少しだけ解放します。サングラスの奥で目が変わる。私から放出されるプラーナは黒魔力! その特殊な魔力がルオの白いプラーナを中和するのだ。『ズゴゴゴゴゴゴ…』という効果音がバックに入っても構わん(笑)
小夏:「すげー、あのおっさんが、あれだけのプラーナを押さえ込んでる!?」
ディラン:だが、私の本当の姿を見せるわけにはいかないので、この姿のままで使える力はこれが限界だ――「さぁ今のうちに彼女の剣を奪え! 私が抑えこんでおくことができるのにも限界があるぞ!」
イシル:俺はミスティを押えているしなぁ。
小夏:ならここは俺の出番かな? 一気に近寄って魔剣ティアマトーを奪取! あ、そういえばこの剣って前に見た事あるな。春鹿姉さんとナオミが大事にしてたのを道化師が持っていった覚えがある。
イシル:それで第一部の最後に魔王の手に渡ったんだから困ったもんだ(笑)
小夏:まぁ今回はそれどころじゃないから、その話はしないで置こう。
GM:ではティアマトーを引き剥がすとルオはバタリと倒れる。また病院にいた時と同じ植物状態に戻っているぞ。
ミスティ:「ルオ……」
イシル:「俺が運ぼう」――ルオを背負います。
GM:と、月匣フォートレスが崩壊し出します。

シーン11:精霊獣召喚!!

東京タワーから出ると、そこには数台の車とそれに乗ってきたであろうウィザード達が集っていた。
GM:その集っているウィザードの中に、イシル達は知っている男を1人見つける。
小夏:「上条?」
GM:その通り。――「ん? やっと戻ってきたか。待っていたぞ。……どうした? 波乱原君を背負って……まさか彼女の力が暴走したか?」
イシル:「ああ、ちょっとな……」
小夏:「それより上条、お前こそどうしてここに? 東京タワーは俺達に任せるって言ってなかったか?」
GM:「この天才の手を煩わせるような事態が起こってな。あれを見ろ」――東京タワーの先端、さらにその先の空を指差します。そこには世界結界を今にも壊そうと精霊獣が見える。
イシル:「精霊獣!?」
小夏:「従者の言っていた儀式はすでに完成していたのか!?」
めぐみ:「どうするのですか?」
GM:「ああ、あれが暴れ出したら尋常じゃない被害が出る。だから、天才たる私が凡人では張れない程の巨大な月匣を作り、一時的に奴を、この世界から隔離する」
小夏:「でも、お前って実力行使苦手じゃん」
GM:「だから、倒すのはお前達に頼みたい。その為に待っていたんだ」
小夏:「やっぱりこのパターンか……」
イシル:「制限時間は?」
そこでGMは戦闘管理シートを4つ繋げたものを机の上に置く。
GM:精霊獣はこの端っこから毎ターン2スクエアずつ動きます。逆の端っこを越えると、上条君の天才月匣を打ち破って現実世界へと精霊獣が出現します。
ミスティ:24スクエアあって、毎ターン2スクエアですから……12ターンがぎりぎり境界線ですね。
イシル:問題は精霊獣を俺達が倒せるのかって事だ。マスターが取り出したルールブックがS=FEXというのも気になるしな(笑)
小夏:俺達の出現場所は?
GM:精霊獣と逆側の端っこです。
イシル:「上条殿、ルオを頼む」
GM:じゃあ上条は結界で手一杯になると思うので、他のウィザードがルオを受け取る。
小夏:ああ、そういえばこのティアマトーどうしようか……ルオと一緒にしておくと危険だし、とりあえず俺の月衣の中に入れておこう。問題ある?
GM:別にないよ。ちょっと重いなぁってぐらいだ。
小夏:まぁ殆ど入ってないから別にいいや。
めぐみ:「さぁ精霊獣を倒しましょう!」
GM:準備はいいか? なら上条君は特殊能力を使用! 『月匣』そして『小さな奇跡』で結界拡大!――「さぁ頼んだぞ!」
そして、精霊獣との戦闘が始まる。


それぞれ全力移動をプラーナを使用しつつ行動し。最後に精霊獣の行動となる。
GM:やっと回ってきたか、ではまだまだ距離もあるし、口やら触手やらから怪光線を発する!
めぐみ:目標は誰でしょうか?
GM:全部、効果範囲12の射線貫通、射程は286スクエアだ。基本ダメージは630の魔法らしいぞ。
一同:『なんじゃそりゃー!!!!』
GM:だが、さっき演出したように、それぞれから光線の乱れ撃ちだから、避けれる可能性は高い。(コロコロ)……命中は全員一律に18だ。
小夏:(コロコロ)……避けた! バタフライダンス! バタフライダンス!
イシル:……その程度、基本値で避けてる。
ディラン:クリティカルで避けました。
めぐみ:問題無いです〜〜!
ミスティ:怖かったのでプラーナをちょっと使ってしまいました(笑)
GM:では次のターンだ!
2ターン目、それぞれが全力移動し――
小夏:よッしゃ! 全力移動に『気功』使っただけある! 最初の一撃は貰った!! 『炎龍』『白龍』は使用済みだ! 必殺の『神竜』に超対抗で『気功』! ありったけのプラーナを白く燃えた拳から放たれる龍に乗せる!
GM:命中は振らないでいいよ。精霊獣はでかいから絶対当たるって事にするから。
小夏:じゃあダメージ! (コロコロ)……クリティカル! (コロコロ)……393点!!!
一同:『おお〜〜!』
GM:ふむ、精霊獣は結構削れたな。
小夏:もうプラーナが無い。俺は燃え尽きた……ってか、精霊獣タフすぎだ、あれだけ叩き込んでも落ちる気配がねぇ……。
イシル:次は俺です。(コロコロ)……クリティカル! (コロコロ)……よし追いついた!
小夏:「来たかイシル!」
イシル:「ああ」――次の二回目の行動で俺のありったけを叩き込む!
そのターン中、他の3人は全力移動をし――
小夏:2回目の行動! イシルと同時に攻撃だ! 『二刀流』と『白龍』を使って連打連打連打!!!
イシル:俺は『急所突き』を使ってそっちの防御ジャッジはファンブル! そしてプラーナ全開放!
小夏:(コロコロ)……53と58のダメージ!
イシル:(コロコロ)……俺は104点!
GM:………………ふむ、あと3分の2になってしまったよ。
ミスティ:まだそんなにあるのですか……?
イシル:精霊獣は確か900〜1000近いHPだったはずだからな(笑)
めぐみ:それって勝てるのでしょうか?
小夏:勝てるかじゃねー! 勝つんだ!(笑)
GM:では最後はこっちの行動だね。攻撃してきた小夏を精霊獣は飲み込もうとする。命中が(コロコロ)……おお、クリティカル!
小夏:ふざけんなー!!!
ミスティ:特殊能力『運命反転』を使います! それはファンブルです!
イシル:ナイス対抗!
小夏:ありがどうミスティー!!
GM:おのれ……なら命中は19だ。
小夏:(コロコロ)……それは避けた。
ミスティ:ファンブルで19という事は基本が29ですか?
イシル:やばいぞ、EXに載ってる基本的な精霊獣より命中がえらい高い(笑)
GM:言ってたでしょう? なるべく第3階層寄りの精霊獣を呼び込むって。しかし避けられるとはな、せっかくの150点ダメージが……ちっ!
小夏:チッ! じゃねー! 本気で死ぬわ!!!
3ターン目。速攻攻撃する2人。
小夏:『二刀流』(コロコロ)……ダメージは55点と、58点ダメージ!
イシル:剣と柄を使って『二刀流』(コロコロ)……82と…駄目だ柄は44点だ!
GM:まだまだだな。他の人は全力移動かな?
ミスティ:はい。なぜかディランさんが遅れています。あ、私は追いついたので、次の行動から攻撃しますので。
イシル:おっさん、遅れてんのか?
ディラン:ダームより全力移動の方が早いと、さっき気がついてな(一同爆笑)
めぐみ:私も、もうすぐ到着です!
GM:了解。
その後、残り3人は全力移動で接敵する。
GM:ではまた二人だよ。
小夏:「どうしたらダメージが与えられるんだ……そうだ! こんな時こそ――『レンガ〜〜♪♪♪』」(一同爆笑)
GM:レンガってなんだよ!(笑)
小夏:リーン様から伝授されたレンガ投げをいつか披露する日のために、わざわざ月衣の中にレンガを入れておいたのです(笑)
ミスティ:うわぁ(笑)
イシル:ってかそれって強いのか?
小夏:リーン様のレンガと同じだと無敵になっちゃうんでデータを作ってくれマスター(笑)
GM:そうだな。じゃあ――
レンガ、重さ1、攻撃力修正+1、射程は全力移動表を筋力を基本にジャッジして判定。
GM:命中修正にマイナスが無いのは、上手く投げる方法をリーンから教わったからって事で(笑)
小夏:それでいい! 俺はレンガを構えそして――『真空破』を使います! これで攻撃された場合は防御÷2だ!
イシル:基本防御が高そうだから意外と有効かもしれんな(笑)
めぐみ:でも、使った武器は使用後に壊れるって書いてありますよ?
小夏:大丈夫! レンガはまだまだ持ってるから(一同爆笑) って事で――「おりゃー!」(コロコロ)……46点!!
GM:(コロコロ)……それは、さっきの2回分以上のダメージを食らっている(笑)
小夏:おっしゃー!!!
ミスティ:では私です。精霊獣を"キッ"と見つめまして、天使の少年――シェインの事を思い出しながら攻撃します。『マジックインパクト』と『魔剣』を使用します。
GM:『マジックインパクト』は魔法を混めて、武器のダメージを底上げする奴だよね?
ミスティ:そうです。使う魔法は『偽りの魔弾(エルム・グラス)』です。さらに『魔剣』の効果で防御力は半分でお願いします。プラーナ全開放(コロコロ)……魔剣リイドヴィルが輝き! ダメージは81点!
GM:(コロコロ)……痛いな。HPも半分切ったか。
ミスティ:やっと半分ですか!?
めぐみ:では私ですね。獣化しているのですでに狸娘です(笑) 攻撃は(コロコロ)……56点! 通りましたか?
GM:とおったよ。
めぐみ:『ファングモード』! (コロコロ)……実ダメージ16点です。
GM:けっこう痛いな(笑)
ディラン:そして俺の番。待たせたな、まだまだプラーナは70点オーバーだ(笑) プラーナ全開放で(コロコロ)……ファンブル(一同爆笑)
イシル:おっさん!!
小夏:幸運の宝石はどうした!?
ディラン:宝石はさっきのフォートレスで使い切った!(笑) ダメージは――56点です(笑) ダメージ通りましたか?
GM:うん、通ったね。
ディラン:なら『収奪』宣言! (コロコロ)……実ダメージ12点です。
GM:実ダメージ系が二人に、防御力半分が二人……やっかいな(笑)
イシル:次は俺ですが、行動を遅らせます。
小夏:なら俺だ! レンガ投げレンガ投げ! (コロコロ)……45点!
GM:防御半分は痛い(笑) 最後はイシル!
イシル:もう初心に戻ります。これしか残された道はありません。
めぐみ:「イシル、その剣でその技をやってしまっては、きっとすぐに剣の限界がきてしまいます!!」(一同爆笑)
イシル:マジで!?(笑)
小夏:躊躇うな! それがお前の生きる道だろう!
イシル:そうだった! 『肉を切らせて』対抗して『チャージ』(コロコロ)……105点!!! 防御点は無し!
GM:(コロコロ)……5。素でちょうど100点入った。
イシル:よし!
GM:だかその瞬間イシルのロングソードが悲鳴をあげる! 1D振って1だったら壊れるからな!
イシル:望むところだ! (コロコロ)……1っ!? マジで!?(一同爆笑)
小夏:望んでたんじゃねーのかよ!
イシル:剣が無くなってしまった……俺はどうやって戦えば(笑)
ディラン:だが、もう予備の剣はないぞ(笑)
ミスティ:そうです。その時マスターシーンが入るのはどうでしょう? 場面は東京タワーの下、寝かされているルオさんがポツリと呟くんです――『私の…剣を……』
GM:おお!! その瞬間! 小夏の月衣が内側から熱くなる!
小夏:「な、なんだこれは!?……魔剣ティアマトー? まさかこれを……ええいままよ! イシル!!!」――と放り投げる!(笑)
イシル:バシッ! と受け取ってシャララーと抜き放ちます! 俺はさっきのルオの声が聞こえた気がするんです。――「ルオ、これを使えって言うのか……」
めぐみ:でも、ティアマトーって所持者以外が使用する場合は、えらく重たくなった気がします。
小夏:そういえばそうだった。確か魔剣ティアマトーの筋力分がそのまま重量だったってシャルマ時代に聞いた覚えがある(笑)
イシル:ティアマトーの筋力っていくつですか?
GM:えっと〜〜最終戦に向けて7レベルまで上がったしな(ゴソゴソをキャラシーを探す)――あ、あったあった。え〜と魔剣ティアマトーの筋力は……17(一同爆笑)
イシル:めちゃくちゃ重たいじゃないですか!!!!
GM:いや〜〜最終戦に向けて攻撃力UPを狙って筋力を上げたんだった(笑)
ミスティ:イシル……装備可能なのですか?
イシル:なんとかするしかねぇ!(笑) さっきロングソードが壊れましたが、その反動が俺の方まで来ていたんです。そして、ロングソードとともに、俺の鎧などの防具が"全て"壊れます!!!(一同超爆笑)
小夏:もったいねぇ〜〜!(笑)
イシル:俺の筋力は17だからどうしようもないんだ!!(一同大爆笑)
めぐみ:やる気しかないです(笑)
ディラン:そこまでやる勇気は私にはないな(笑)
イシル:うるせぇ! こうなったらぜってー勝つぞ!!!!!
その後、精霊獣が複数攻撃である触手で全員に攻撃、さらに光線、顎噛み、と連撃を重ねるが、ことごとく(紙一重の奴もいたが)避けきり、それぞれ防御力半分の『魔剣』『真空破』、実ダメージの『ファングモード』『収奪』、そして防御点無視の『肉を切らせて』をコツコツ積み重ね、やがて……。
GM:そろそろ最後だな(笑)
イシル:順番は誰だ!?
ディラン:私だ。
小夏:おっさん!!
イシル:美味しいぞおっさん!!(笑)
ディラン:ふっ、任せておけ。プラーナ解放! (コロコロ)……ダメージ71点!!
GM:それは通ったが、あと12点残った(笑)
ミスティ:止めには至らなかったみたいですね。
小夏:しょせんはおっさんか。
イシル:しょせんはおっさんだな。
ディラン:おい、そこの小坊主二人! 大人を舐めるなよ! 残しておいて良かった(笑) 最後の『収奪』を宣言する! (コロコロ)……14点だ!
GM:丁度死んだ(笑)
ディラン:最後ぐらい演出させてもらいましょう(笑)――「そこで眠るがいい」――鞭を伝わって魔力の氷が精霊獣全体を包んでいく――「もう、お前の眠りを妨げる者はいない」――パッシャー! キラキラキラと氷のかけらが空から舞い落ちる!
一同:『カッコイイーーー!!!』

東京タワーを見下ろすとあるビルの上。

「まさかあれを倒すとはな……我が軍団の中でも十分な強さだったのだが……」
東京タワー上空を包む月匣が解除される。
紅い月はいつも通り白い光を称えたものへと戻った。
「まぁいい。この私が居る限り、奴等に明日はないのだからな……そう――

――この暴君マルドゥーク様がいる限り――


超長編キャンペーン  リプレイ『真竜伝説』
第30話「赤い尖塔、漂邪騎団の罠!!」

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