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セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ファー=ジ=アース 地方名:??? 場所名:???――

どことも知れぬ漆黒の夜。
イシルに似た浅黒い顔の青年が、黒いゴスロリを着た7歳ぐらいの少女と向き合っている。

「私の言った通り、彼とは会えたでしょ?」
「……ああ」

青年のぶっきらぼうな答えに、クスリと少女が笑みを浮かべる。
凍れるような夜風が少女の衣装を荒々しく撫で付け、気が付けば少女の手には一冊の本があった。

「この本は、次に彼が向かうと思われる場所が記されている」

少女はその本を青年に向かって放り投げる。
まるで吹き荒れる風がそこだけ道をあけるかのごとく、本は放物線を描いて青年の手へと収まる。
青年は本を手に、ごくりと呟く……

「つまり、ここに魔剣バハムートがあるわけか」
「あなたの目的が、達成できる事を祈っているわ」

青年の言葉に少女は満足気に頷くと、
全身から黒い炎を吹き上がらせ、そのまま異空間へと消えて行った。
漆黒の夜空の下、本を片手に青年は1人呟く……

――俺の目的か……イシルは倒す。だが、俺の本当の目的は……――

雲に隠れていた月が顔を出し、青年の寂しげな顔を照らす。

――お前達混沌の……消滅だ――

その言葉を聞くものは、夜風と月光、そして世界だけだった……。


真竜伝説

第31話「天敵達の邂逅! イシル最悪の一日」


シーン1:東京タワーの事件より数日が経った……

イシル:マスター! ミスティのPLがいないぞ! どうする?
GM:どうするったって……いないんだろ?
イシル:いない。
GM:なら取るべき行動は一つだ!
ディラン:ミスティは外伝か(笑)
GM:そういう事(笑) 今回ミスティは別行動するので宜しく!
めぐみ:まぁ風邪じゃあ仕方ありませんしね。
イシル:まぁな(笑)
小夏:よっしゃ! プレイを始めよう!!



東京タワーの事件より数日。
ホテルの最上階スウィートルームで、その吸血鬼は優雅に寛いでいた。
GM:最初はディランのシーンです。君はホテルのスウィートルームで優雅にくつろいでいる。と、いつの間にかアンゼロットが現れます。
ディラン:「前回の精霊獣についてか?」――最上階の景色を楽しみながら言おう。
GM:アンゼロットはディランの横に並び、神妙に頷きます――「精霊界との穴を開けられるとは思いませんでした。いくら精霊王の従者が儀式を行っていたとしても……それに――」
ディラン:「いくらなんでもあれだけ巨大なものは、そう簡単にはできない――か?」
GM:先読みされたよ(笑) 「ええ」――頷こう。
ディラン:「マルドゥーク――を知っているな? 奴が動いている」
GM:「マルドゥーク……まさか!?」
ディラン:「確かな情報だ。あの書庫での一件も、あいつが関わっているのだろう。裏で糸を引いているのがあいつなら、精霊界とこの世界を繋ぐ穴を開けるなど、造作も無い事だ」
GM:「事態は私が思っているより深刻なようですね……」
ディラン:「この世界のことは任せるぞ。私は運命の鍵となる魔剣を見守る」
GM:「ええ、わかりました。そちらの方はあなたに任せます……。そうそう、一つ言い忘れていました。最近、世界各地でエミュレイターではなくクリーチャーが目撃されています。精霊獣とは別に、何かが動いていると考えていいでしょう」
ディラン:「わかった、気をつけておこう」
GM:ではアンゼロットはいなくなりました。
ディラン:「クリーチャーか……バハムートの所持者よ、お前を追って奴等はやってきたぞ。お前は……どうする?」――と渋く呟いてカット!(笑)



そこは日本にある煌家の大屋敷。
東京タワーの一件以来、世界中のウィザード達は忙しく飛び回っており。
ウィザードを支援する煌家も例外無く、その屋敷中を喧騒が包んでいた。
GM:場面は小夏です。
小夏:じゃあ朝起きて寝ぼけながら朝食を食べに行こう。
GM:と、君が廊下を歩いていると、会議室から複数の声が聞こえて来る。その声はどれも煌家のお偉方の声だ。
小夏:「?」――とりあえず覗く〜。
イシル:やる気ねーな(笑)
小夏:違う! 寝むたいんだ(笑)
GM:中では円卓を囲んで会議中だ。その中の一人が――「さて、どうなさいますか? 世界魔術教会からの支援要請です。あからさまに無視するわけにも……」
小夏:「(世界魔術教会?……なんであそこがウチに?)」――と心の中で思う。
GM:「それだけではありません。イギリスのダンガルド魔術学校からも援助の要請が来ています。その件もなんとかしなくては……」
小夏:ダンガルド? どっかで聞いた事あるような……。
めぐみ:確かリーンさんが主席で卒業したとか言う魔術学校だった気がしますね。
小夏:おお! そうだリーン様の学校だ! ってか何を話しているんだ???
GM:では議長席に座るキミの姉――煌春鹿(ファン・チュンルー)が言う――「何度も言わせるな。私達はその二つの援助要請よりも優先するべき事がある。私達の不注意で取り逃がした九龍城に封印されしキングキョンシー……あれがここ日本に来ている。それを捕殺する事こそ最優先、煌家のメンツにかけても行うべき事だ!」
小夏:ああ、あのキョンシーを追って日本に来たとか言っていたっけ。
GM:しかし、春鹿以外の人は意見が分かれている――「だが、世界魔術教会にはアンゼロットが……」「ダンガルドだって後ろにはマーリンがいる……」
小夏:バーン! とドアを開け放って言おう!――「春鹿姉さん大丈夫! 世界魔術師教会のキョンシーも、ダンガルドのキョンシーも、全部まとめて俺が面倒みてやる!!」
イシル:まだ寝ぼけてるんじゃないか!(笑)
小夏:要約するとそうなるんだよ!(笑)



そこはいたって平凡な日本の朝食風景だった。
タマゴ焼きに納豆、海苔までがテーブルに並んでおり、中央には醤油や胡椒が置かれていた。
食卓にあるご飯と味噌汁は3人分、父親と母親、そして――
GM:次はめぐみちゃんです。場面は平和の朝食シーン。
めぐみ:その前に、弟は大丈夫だったのでしょうか?
GM:それは大丈夫です。多少プラーナを失っていたせいか、怪我が治りきっておらず入院中だけどね。
めぐみ:命に別状が無いなら安心です……。
GM:まぁそんなわけで、今日の朝御飯は父親と母親だけの3人だ。
めぐみ:「ああ、やっぱり家で食べるご飯は最高だなぁ♪」――笑顔で食べてます。
GM:「そうか貴……めぐみ、いっぱい食べていいんだからな」「そうよ貴……めぐみ、いっぱい食べなさい」
小夏:お父さんもお母さんも大変だなぁ(笑)
イシル:可哀相だ(笑)
めぐみ:「ありがとう、おかわり!」
GM:そんな感じで食べていると、夢中になっているめぐみちゃんをよそに、父親がボソっと母親に呟く――「やはり、そろそろアレを伝えるべきなのだろうか……」
めぐみ:???
GM:母親もめぐみちゃんに聞こえないようにボソッと――「そうですね。それに、貴好が食べるご飯だけは何を材料にしていたのかも……」
めぐみ:………………私の家って一体?



イシルは1人、煌家の庭を歩いていた。
なにか重要な会議があるとの事で、一族と無関係なイシルは追い出されたのだ。
GM:ではイシルは今、煌家の庭にいます。家では一族会議が行われるというので追い出されました。
イシル:庭を散歩でもしていよう。
GM:庭は和と中華の混じった不思議な感じの庭です。もっとも異世界人のイシルにはまったくわからんが(笑)
イシル:「不思議な庭だな」(笑)
GM:と君は後ろから声をかけられる。見ればメイドのナオミさんだ。
イシル:「どうかしましたか?」
GM:「いえ、一度ちゃんと謝っておこうと思いまして……」
イシル:「謝る?」
GM:「ええ、魔剣ティアマトーの事です」
イシル:「ティアマトーの? でも、あなたには何も関係が無いんじゃ?」
GM:「いえ、あのティアマトーがアルセイル地方で一度あなた達の手を離れた時、あの魔剣はこちらの世界にあったのです。そしてそれを管理していたのが私と煌家でした」
イシル:「な!? あの時シャルマが封印したって場所は、こっちの世界に送っていたって事だったのか…!?」
GM:「ですが、こちらの世界へ来た魔剣は……」――と九龍城編の話をします――「と、いうわけで、キョンシーやなんだと騒いでいる間に、道化の者に奪われてしまい……きっと、あなた達の世界に多大な迷惑が……申し訳ありません」
イシル:「いえ、仕方の無い事です。向こうがこちら以上に策略・謀略に長けていた……それだけです」
GM:「イシルさん…」
イシル:「それに、今は魔剣ティアマトーもルオの元にある。何も問題はありませんよ。……そして、残りの魔剣も必ず俺達が手に入れます」
GM:と、ここでナオミはいつもの雰囲気からガラっと変わって、神聖的な声で――「そうですね。そうなる事を信じましょう。残りの2魔剣、あれも世界の根幹を揺るがす剣です。使う時はくれぐれも気をつけて……頼みましたよ」
イシル:「え……ナオミさん?」――その厳かな雰囲気に一瞬呑まれよう。
GM:「あ、それではお嬢様達の会議の手伝いに行かなくてはなりませんので…では!」――と、いつもの調子に戻ってナオミさんは家に帰っていく。
イシル:「世界の根幹を揺るがす存在……か」――去って行くナオミさんを見送りつつ呟こう。

シーン2:魔剣封印の地

それから数日。イシル、ミスティ、めぐみちゃん、小夏、ディランの5人は、
世界魔術教会日本支部にある一室へ集められていた。
少し遅れて部屋へ入ってきたアンゼロットが、5人を前に静かに語り出す。
GM:アンゼロットは、先日君達から報告のあった『書庫から奪われた本』数冊について話し出します。
小夏:ああ、あの七不思議みたいな感じの奴か。
GM:盗まれたのは3冊、ナスカの地上絵とストーンヘンジと魔のトライアングルについてです。そして、それらの詳しい情報を調べ終えたらしい。
イシル:「それで、それぞれ何がわかった!?」
GM:「まずナスカの地上絵ですが……ここには昔から何かが封印されているという話がありました。その気配や魔力を微弱ながら私たちは感じていた事も確かです。ですが……一ヶ月ほど前からその気配が消えました。まるで、何かの封印が解かれたかのように……。この時期はあなた達がこのファージ・アースに到着するタイミングと前後します」
ディラン:「その封印、そんなにわかりやすいものだったのか?」
GM:アンゼロットはスクリーンを出して、そこに映像を投影する。封印が解かれる前と後の写真が出るが、ナスカの地上絵の中で、ハチドリの絵が無くなっている。
イシル:「この鳥のような絵は……」
GM:うむ、ラースで見た混沌軍の居城と似ているね……もっとも、あれの全体像を見ている人はここにいないので、わからないが(笑)
めぐみ:「なにか見た事があるような……ないような……」(笑)
小夏:「兎に角、そこはすでに封印が解かれているのなら諦めよう。残りの2つは?」
GM:「魔のトライアングルとストーンヘンジは未調査ですが、トライアングルの方は私の右腕達であるロンギヌス部隊を先遣隊に向かわせました。ストーンヘンジの方はダンガルド魔法学園が動いています。そのどちらかに魔剣があるのは確かだと思われます。どちらに行くかの決断はあなた達にお任せします」
小夏:「わかりました……それでイシル、どうする? どちらに行く?」
イシル:「………………ストーンヘンジに行こう。なんとなく……カンだ」
GM:「わかりました。ではイギリスへの準備は」――とアンゼロットが話したところで、ミスティが口を挟む――「私は魔のトライアングルへ行きます」
イシル:「ミスティ!?」
GM:ミスティは続ける――「もしラース=フェリアの混沌軍が魔剣バハムートを狙ってきているのなら、混沌軍を知っている人間がそれぞれに向かった方がいいと思います。だから、私は魔のトライアングルへ行きます」
ディラン:「確かにな」――頷こう。
イシル:「だがミスティ一人で行くのは危険だ! それなら俺か小夏か、せめておっさんの誰かと一緒に行く方がいい!」
小夏:「俺は嫌だぜ? ダンガルド魔術学校はリーン様の卒業した学校だからな、是非行きたい!」
ディラン:「私も久々に旧友に挨拶しておきたい。イギリスに行かせてもらう」――どうせPLの居ないミスティと一緒にはいけないのだ(笑)
小夏:そうそう(笑)
イシル:お前等ぁ! それでも俺は言うぞ!――「なら俺が一緒に行く! みんなとはバラバラになるが戦力は均等になった方がいい」
GM:「いえ、イシルはストーンヘンジの方へ行って下さい」――そしてミスティは決意を込めた目でイシルを見つめ――「お願いします、イシル」
イシル:「しかし…」
GM:「イシル……」――その瞳には何か悲しみが含まれている。決意の影に隠れているそれは、決して君に言う事の無いだろう悲しみだ。
イシル:「………………わかった。そっちはお前に任せる。だが危なくなったら無理はするなよ」
ミスティ:「そっちこそ、気をつけて下さいね」
GM:「では、ミスティはこれから現地に向かう上条と合流してから出発して下さい。他の者はすぐにでも出発します。必ずや目的の物を……」――アンゼロットが言うとともに、ミスティが君達とすれ違いながら別の扉から出て行こうとする。
ディラン:ここは私が皆に聞こえない程度の声で知ったかをしよう――「一緒に行くのは辛いか?」
めぐみ:おお(笑)
イシル:辛いって何が辛いんだおっさん(笑)
ディラン:知らん(笑) ミスティが辛そうだからそう言ったまでだ!
GM:ではすれ違いざまにディランに答えよう――「これ以上は耐えられない。みんなを巻き込みたくないから……」――そう言ってミスティは去って行く。
ディラン:ほれみろ、私の言葉通りじゃないか(笑)
イシル:結果論じゃねーか! それもマスターが台詞あわせたっぽいぞ(笑)
めぐみ:(ナレーション風)――『そして、それがミスティを見た最後の姿となるとは、誰が想像していたでしょうか……』(一同爆笑)
イシル:勝手に殺すなよ! PLいねーんだから!(笑)

シーン3:空を飛ぶ鉄の鳥

世界魔術教会日本支部を出発して2時間後、イシル達4人はイギリス行きの旅客機に乗っていた。
ちなみに最近出番が少なく影が薄くなってきているポンポンは、ミスティと一緒に魔のトライアングルへと向かった。さらに影が薄くなるポンポンであった……
イシル:「これが飛行機という奴か!? 凄い鳥だな、体の中にこんなにも人間を乗せて空を飛ぶとは!」
小夏:田舎者だなぁと恥ずかしくなる(笑)
GM:あ、そうそう、小夏もディランもめぐみちゃんも、イシル以外はチケットに書いてある席は、もっと前のファーストクラスだ。
イシル:俺以外?
ディラン:「じゃあ私達はあっちだから、また後でな」
小夏:「あんま恥ずかしい事するなよ」
めぐみ:「ではイギリスで♪」
イシル:「って、おい! なんで皆行っちゃうんだよ! 俺だけハブか!?」――マスター! これは陰謀か!?
GM:うむ、さっきダイス振って君だけ空港で謎のおばさん集団に巻き込まれたでしょ?
イシル:は!? あの時の集団でチケットが混ざったのか!?
※リプレイでは紹介されていないが、空港についた時――「さぁイギリスへ行くでちゃんこ!」「美味しいもの沢山食べるちゃんこ!」と謎の語尾をつけるオバサン集団に遭遇し、運悪くイシルだけその集団に巻き込まれる事件があったのだった。
小夏:そしてファーストクラスの席へ着くと、横には見慣れぬちゃんこオバサンが一人(一同爆笑)
イシル:俺の席だろーが! じゃあ今の俺は両脇にオバサン達がいる席なのか!? なんで俺だけこんな目に!?
小夏:まぁいいじゃないか(笑) 俺はゆったりとファーストクラスを満喫しよう。
ディラン:いつもはテレポートの魔法で世界を周るが……たまにはこういうのも良いかもな。
めぐみ:お腹がすきましたね……早く機内食が食べたいな♪(笑)
イシル:みんな好き勝手に……俺は一人暑苦しいオバちゃん達に囲まれてるってのに……。
GM:では場面はファーストクラスの3人です。めぐみちゃんが「お腹空いたぁ」って感じでいると、横に座っていた女の子が――「お腹好いているんですか? これをどうぞ、美味しいですよ♪」――と食べものをくれます。
めぐみ:「あ、ありがとうございます♪」――では頂きま〜す!
小夏:食べ物って何食べたんだよ! ちゃんと確認した方がいいんじゃないか?
めぐみ:そう言えば……「これは何でしょうか〜?」
GM:女の子は君より年下だね。日本の高校(中学?)ぐらいの学生服にローブを着ていて――「これは日本の偉大な伝統的食"おむすび"です♪」
小夏&めぐみ&ディラン:『なにーー!?』(とイシルのPLを見る)
イシル:……(一瞬遅れて)……なんだとーーー!? まさか俺かっ!?(一同爆笑)
GM:いや、そのおむすびは、手も生えてなければ「"おにぎり"って言うなー」と喋りもしない。正真正銘普通の"おむすび"だ(笑)
イシル:(←安心して一息ついている人)
小夏&めぐみ&ディラン:(←とても残念そうな3人)
イシル:なんだその目は! 失望した目で俺を見るな!(笑)
GM:ちなみにその女の子は藍色の髪をしたメガネっ娘だ。――「美味しいですよ」と自分自身もおむすびをパクリ。
小夏:なんか異様に描写が細かい……今回のヒロインNPCだと見た!――「なになに? 俺にもチョーダイ!」
GM:「はいどうぞ」――と分けてくれます。
小夏:「サンキュー! ……いや〜やっぱおむすびは美味しいなぁ(笑)」
めぐみ:そう言えば……「"おむすび"なの? "おにぎり"じゃないの?」
GM:女の子は言います――「"おにぎり"じゃありません! "おむすび"です!」
小夏:「まぁどっちでもいいじゃん? 美味しいんだし」――なぜイシルが俺を睨んでいるか理解に苦しむが(笑)
イシル:俺も何故恨めしく思えるのかわからないよ(笑)
GM:「まだまだありますから遠慮しないで下さいね♪」――と異空間に手を入れ、ポコポコおむすびを取り出す(笑)
めぐみ:異空間!?
イシル:月衣(かぐや)か! って事はこいつもウィザード!?
小夏:やはり重要NPCだと見た!――「そうそう、俺達の仲間には"おむすび"に変身する奴がいるんだ」
イシル:いきなり何言ってんだよ!
小夏:ファーストクラスにいない奴はしゃべるな。
イシル:うぉ! こんな時だけ!
GM:じゃあ女の子は……ディランを見つめる(笑)
ディラン:「いや、違うぞ、私では無いからな」(笑)
小夏:「おっさん何慌ててんだよ(笑) イシルって奴でさ、ちょっとこの飛行機の中で迷子になったみたいだから一緒に探しに行くか?」
GM:「本当に"おむすび"に…?」
めぐみ:「すっごい美味しいんですよ〜♪」
GM:「是非一緒に探させて下さい♪」
イシル:余計な事吹き込むなよ!この女の子絶対俺を食べる気だ!台詞のニュアンスがそう宣言してるぞ!



GM:と、小夏と女の子が出て行ってからすぐ、ファーストクラスにイシルがやってきます。おばさん達に囲まれていたら、チケットを間違えたと気がついたおばさんが、君に謝ってチケットを戻してくれたんだ。
ディラン:はっ! 気がつけばちゃんこおばさんがいない!?(笑)
イシル:まぁ助かりましたので、皆に合流です。
めぐみ:「あら? 小夏達に会いませんでしたか?」――とイシルに。
イシル:「ん? いや、会って無いが?」
ディラン:「じゃあすれ違ったのだろう。彼は今、君を探しに行った所だ」
イシル:「それは悪い事をしたかな――
小夏:なら戻ってくる――「なんだよイシル、先に戻ってきてたのかよ」
イシル:「ああスマン、すれ違いだったみたいだ」
小夏:「ほら、彼が"おむすび"だよ」――と女の子に(笑)
イシル:ほ、ほぅ……。
GM:女の子はイシルの横に来てお辞儀をペコリ――「どうも始めまして"おむすび"さん♪」(笑)
イシル:それはお辞儀の最中は思わず一緒にペコリとしますが、言葉を聞いた途端に"ピシッ!"と割れます(笑)
小夏:「この子、さっき会った子でさぁ、同じウィザード仲間なんだ」
イシル:「そうか……だが、小夏いくつか説明して欲しいんだが……第一になぜ彼女は俺の事を"おにぎり"と呼ぶんだ?」(怒)
小夏:「彼女はとても"おにぎり"が好きらしいんだ。だから紹介してあげたわけだ」
イシル:「ほ、ほぉ…」
GM:「違います小夏さん! "おにぎり"ではなくて"おむすび"です! "おむすび"は日本の偉大な伝統食です!」――と彼女は今にでも口からヨダレが垂れそうだ(笑)
ディラン:「どっちも変わらんがな」
イシル:「なるほど……で、二つ目だ。なぜ彼女は俺を食べ様としている?」
小夏:「彼女はとても"おむすび"が好きらしいんだ」
イシル:「一つだけ言っておく、俺は"おむすび"では無い、まして"おにぎり"でも無い! 俺は人間だ!」
小夏:"ガシッ"とイシルを後ろから羽交い絞め――「まぁこれもコミュニケーションだと思って」(笑)
イシル:ガシッっじゃねー! 「そんなコミュニケーションはお断りだー!」
ディラン:"ドン"と小夏ごとイシルを少女の方へそれとなく突き飛ばす(笑)
イシル:それとなくねーよ! 思いっきりあからさまだろうが!!
GM:じゃあ少女はよろめくイシルを――
めぐみ:『ボンッ』(一同爆笑)
イシル:効果音入れんな! しかも早ぇーよ!(一同大爆笑)
GM:まぁ可哀相過ぎるから、回避ジャッジで25超えたら小夏から逃げた事にしてもいいよ
イシル:おおお!!(コロコロ)……9! クリティカル! 回避29!!
小夏:じゃあ『明鏡止水(1シナリオ1回だけの絶対命中の特殊能力)』を使ってイシルを少女にぶつけよう(一同爆笑)
イシル:使うなよこんな場面で! ギャグに全力投球すんな!!
小夏:ぬぅ、面白いと思ったんだけどなぁ(笑)
GM:と、ドタバタやっていると、少女の携帯が鳴り一言二言少女が話すと――「めぐみさん、小夏さん、ごめんなさい。私ちょっと急用が入ってしまいました!」
小夏:「そうなの? 今良いところなのに」
イシル:良くねーわ!!(笑)
めぐみ:「でも、この飛行機はまだ飛んでいるよ?」
GM:「急用なんで仕方ありませんし……では今度会う時があればその時こそお願いしますね、"おむすび"さん♪」
イシル:「違うって言ってるだろうが!」
GM:そのまま少女は飛行機の後ろの方へ行っちゃう――それからすぐの事だ。飛行機の窓の外を『ババ・ヤガーの箒(空を飛べる魔女の箒)』に乗って空を飛んでいる少女を見る。
めぐみ:手を振りましょう。
GM:では少女も君達に手を振ってくれる、その後、旋回してどっかへ飛んで行っちゃう。
イシル:「そういえば……あの少女は誰だったんだ?」
小夏:「だから同じウィザードだって」
めぐみ:「ああ、名前聞くの忘れてましたね」(笑)
イシル:「それに、俺の名前をちゃんと覚えずに別れてしまった……俺の名前をまったく覚えない嫌な奴の事を思い出すな」

シーン4:ダンガルド魔術学校到着

それから数時間後、一行はイギリスのウィザードに迎えられ、イギリス・グラストンベリにあるとある大きな学校までやって来ていた。
そして、その門にはこう書かれていた――『ダンガルド魔術学校』――と。
GM:では君達を乗せた車は、森の中の霧を抜け、ダンガルド魔術学校までやってきました。
ディラン:「ここに来るのは久しぶりだな」
イシル:「来た事があるのか?」
ディラン:「ちょっとした旧友がいるんでな」
イシル:「旧友?」
小夏:「おおお!! ここがリーン様が学生時代を過ごした学校! (す〜〜は〜〜と深呼吸) うん! リーン様の匂いがする!!」(一同爆笑)
イシル:「(間髪いれず)しねーよ! 何年前の事だよそれ」(笑)
小夏:「わっかんない奴だなぁ、雰囲気だよ雰囲気!」
めぐみ:「みなさ〜ん、早く行きましょ〜」
GM:ではそのまま行くと、皆は校長室へと案内される。その部屋には三角帽子をかぶった髭の長いローブのお爺さんが待っている――「良くきたな、話はアンゼロット殿から聞いておる。わしがこの学校の責任者、マーリンじゃ」
イシル:「イシュエル=シルヴァーナです」
めぐみ:「えっと……めぐみです(笑)」
小夏:「煌小夏(ファン・シャオシー)です」
ディラン:「ふっ……」
イシル:「おっさん、いくらなんでも失礼だろ。挨拶ぐらいしたらどうだ?」
ディラン:「挨拶か……久しぶりだなマーリン。だが、他人に頼るとはずいぶんお前も弱きになったじゃないか」
GM:「お前と一緒にするなディラン。人には寿命というものがあるのじゃ……あの頃のようにはいかんよ」
イシル:「??? 知り合いなのか?」
ディラン:「旧友に会いに行く…そう言ってなかったか?」
小夏:ああ、そう言えば言ってたような。
ディラン:「マーリンとは昔、ともに肩を並べた事もある戦友だ」
GM:「しかし、レオンハルトの元で悠々隠居生活を送ると言っておらんかったか?」
ディラン:「カイザーに会ってな……そう休んでいられなくなったって所だ。が、お前が気にする事じゃない、あいつとの因縁は私が責任を持つ」
GM:「そうか……」――と自己紹介が終わった所で、マーリンは最近のストーンヘンジについて状況説明をしてくれます。あ、皆はソファーとかに座っているって事で。
めぐみ:眠らない程度に聞いています(笑)
GM:まず、このイギリスのストーンヘンジは、この世界(ファージ・アース)において一番プラーナの集まる場所らしい。そしてここ最近、そのストーンヘンジにクリーチャーが襲撃に来るようになったという話だ。
小夏:エミュレイターではなく?
GM:そう、クリーチャー。冥界の者やラースの魔獣とかだね。
イシル:混沌軍か……。
GM:今の所、それらのクリーチャーは先遣隊と言った所で、たいした被害は出てないが、いつ敵の本隊が来てもおかしくない状況にある。
ディラン:それで魔剣バハムートの話は?
GM:バハムートの直接の話は無い。が、ストーンヘンジにはある伝承が伝えられている。それは――『魚に死を与えし者来たる時、かの地へ続く真なる道が現れるであろう』
めぐみ:意味が解らないよ! 特に前半部分!
GM:マーリンは言う――「前半部が何を差しているかは不明だが、私の見解は"勇者"を表しているのではないかと思っておる」
めぐみ:「ますます意味不明」(笑)
ディラン:正直PLもさっぱりだ(笑)
GM:マーリンが言うには、前半部を解読したわけではなく、もしストーンヘンジにバハムートがあるとしたら、その所持者が来た時こそ、真なる道は開くはずだとの考えから推測したらしい。
イシル:「そして……俺がその所持者…って事か」
GM:「アンゼロット殿からは聞いておる、敵の狙いも同じであろう。決して奪われてはならぬぞ」
イシル:「はい。必ずこの手にバハムートを」

シーン5:予知夢

イシル達は到着したその日は休み、次の日の朝ストーンヘンジへ出発する事になった。
案内役を一人付けてくれるとの話だったが、どうやらその案内役がまだ現地調査から帰って来てないらしく、そのままその日のうちに出発はできなかったのだ。
小夏:何やってんだよ案内役は!
GM:「すまんな、今日中に資料をまとめておけと言っておいたのじゃが、少々帰国時間が狂ったらしいのでな。まぁ今日のところは休んでくれ、場所は寄宿舎があるからそこの空き部屋を自由に使ってくれてかまわない」
めぐみ:「わかりました。ご飯はどうすればいいでしょうか?」
GM:「寄宿舎に共同の食堂がある、そこで食べるといい」
イシル:「わかりました」――じゃあ今日のところは寝るか。
小夏:ま、時差ボケでほとんど寝れない気がするけどな(笑)
GM:ではその日の夜です。時差ぼけもあるのですが、それでも数時間ぐらいは眠りに落ちます。と小夏以外は全員夢を見る(笑)
小夏:なにーー! なんで俺だけのけ者なんだ! のけ者はイシルのはずだろ!(笑)
イシル:おい! 何勝手に俺を虐められっ子にしてるんだよおまえは!(笑)
GM:その夢は君たちの知らない世界、言うなれば"宇宙"が一番イメージが近いかな? 君達は宙空に立っていて、手にはそれぞれ武器やなんかを持っている。背景には8つの星が見え、目の前には一人の敵がいる。
イシル:俺はともかく、めぐみちゃんも一緒???
めぐみ:私達だけなのですか?
GM:いや、他にも数名いるよ。有名どころで言うと、ディランの前にはカイザーが居る。敵と向かい合っている所を見ると味方のようだね。他にも若い男が数名、それに天使や獣人なんかも一緒にいるね。
ディラン:カイザーか……もしや私やカイザーは今と変わらぬ姿でも、イシル達は別人だったりするのか?
GM:ご名答。まるで別人だ。
ディラン:どうやら、これはお約束の――過去の出来事――を夢で見ているのだろうな。
イシル:は!? 目の前に立ち塞がっている敵というのは、ミスティに似ていませんか?
GM:うん、どことなく雰囲気が似ている。深い藍色の髪をした女性だ。
イシル:「大いなる母……」
GM:目の前の女性は余裕を持って笑みで答える。
イシル:やはり!
小夏:うお〜〜俺だけのけものだー皆ずるいー!
GM:まぁまぁ、夢はこんな所で切れる。イシル以外はね。
めぐみ:私とおじさんは目覚めました。
イシル:俺だけさらに夢の続きか?
GM:続きというか……場面が変わる。背景とかはさっきと同じだけど、登場人物は違う。君は乳白色の球体になっており、その前には6本足の巨大なトカゲがいる。
イシル:6本足? どっかで聞いた……ああ、魔王タラスか!
GM:タラスは言う――「……いずれ我等が大いなる母が再び目覚めるであろう。ティアマトーの所持者には転生術を上手く使われたが、お前はそうはいかん。なにせ我が母に止めを差したのはお前だからな……」
小夏:ティアマトーの所持者は転生? イシルは駄目だったのか?(笑)
GM:いや、この球状になっているのが転生術の発動過程だと思ってくれ。
イシル:では今無防備じゃないか! なにやら嫌な予感が……。
GM:「転生術もここまで発動してしまっては、お前を殺して発動を阻止しても無駄な事。だが……」――タラスは何か呪文を唱える。
イシル:すっげー嫌な予感なんだけど。
小夏:何言っているんだ! 俺は凄い期待の予感だ(笑)
GM:「バハムート……確か人間達は貴様を"大食を司る悪魔"だとか騒いでおったな……くくくッ、お前に素晴らしい呪いをプレゼントしてやろう。お前は人間に触られると人間の食事に変わるのだ。転生後、生まれでた途端にお前が守った人間によって、お前は食べられ死ぬのだ! はーっはっはっはっはっ!!」――とタラスはイシルに"大食の呪い"をかけて消えていく。
小夏:すばらしいーーー!!!
めぐみ:タラス様様ですねぇ(笑)
イシル:何言ってんだよ! こいつのこの行為のせいで俺がどれだけ苦労しているか!!
GM:夢は続く、乳白色の玉はそのまま光って8つの世界のうち8番目の星へと向かっていくが、その途中で玉が分裂し、その一つは向かっていた星の横の星、1番目の星へと流れていく。
イシル:それが黒い俺……この世界で会ったもう一人の俺……か。
GM:って所で夢は終わる。ただ、夢の終わりに――これはイシルだけじゃなく、めぐみちゃんやディランもだけど、30過ぎで黒い袴姿の野武士風な男を見る。そして――『待っているぞ、あの時の決着を付ける時が来たのだ……』
めぐみ:む〜〜まさにイシルが主人公な感じの夢でしたね(笑)
ディラン:まぁ今回は仕方が無いだろう。やっとバハムートが手に入りそうでもあるしな。
小夏:いや、それじゃあ俺の気がすまん! だいたい俺は皆と同じ夢だって見ていないんだ! イシルは更に続けて夢を見るんだ!
イシル:は? 何言ってるんだ!?
GM:じゃあ夢を見る。小夏はちょっと可哀相だったから好きに演出してもいいよ。
小夏:ならイシルは"おにぎり"になって暗い世界を走っているんだ。それを追う二つの影!
イシル:おい! なんだよその夢は! 思いっきり"オチ"じゃないか!-――「や、やめろ! やめてくれーーー!!」(一同爆笑)
ディラン:ノリノリだな(笑)
GM:なんだかんだでシリアスよりギャグの方が好きなのか?(笑)
小夏:2人の追っ手はついにイシルを掴む! 良く見ればそれは男と女!
イシル:「やめろー俺は"おにぎり"じゃねー!って言ってるだろう!!」(笑)――って男と女って誰?
小夏:『大丈夫です、あなたは生粋の"おむすび"ですから』『げはははは、"おにぎり"は黙って俺様に食べられているがいい!』
イシル:さっき飛行機で会った女と、アルゲルじゃねーか! それは起きるぞ! 食べられる前に目覚めて――「はーッはーッはーッ…夢か、嫌な夢だった」(笑)
めぐみ:それじゃあ最初に見た夢は全てデリートで(笑)
イシル:確かに! なんか上書きされた気分だ(笑)

シーン6:イシルの天敵×2

朝食に向かって歩くイシル達、寄宿舎の廊下を歩きながらGM的には夢の話をして欲しかったのだが……。
小夏:「いや〜〜時差ぼけでなかなか寝付けなくってさぁ」(笑)
イシル:「確かにな…なぜかあまり眠れた気がしないよ」(笑)
めぐみ:「そういえば、不思議な夢を見ちゃった♪」
イシル:「何? めぐみ殿もか!?」
小夏:「なになに? 2人とも不思議な夢を見たの?」
めぐみ:「実は〜〜――
GM:と、いう所で食堂の扉の前に到着、その扉の向こうからこんな声が聞こえて来る――『"おむすび"は日本の偉大な伝統食です! "おにぎり"ではありません!』『馬鹿女が! 俺様が"おにぎり"だと言ったら"おにぎり"なのだ! わかったか! げははははは!』(一同爆笑)
イシル:それは扉をガッと開いて2人をスパパーンッ!! と叩く――「あの夢は正夢か! どうりでお前等に追われて捕食される夢を見るわけだよ!!」(一同大爆笑)
GM:「貴様は"おにぎり"!?」「あなたは"おむすび"さん♪」
イシル:「俺をその名で呼ぶなーー!ってその前に! なんでお前等がいるんだよ! 特にアルゲル! お前は敵だろーが!!」
GM:「それは俺様が聞きたいぐらいだ!」
イシル:「知るかよそんな事! だいたいお前はあの時死んだはずじゃねーのかよ!」
GM:「ふん、馬鹿"おにぎり"が! 俺様は我が主人の魔力が尽きぬ限り不死身だといったであろう」
イシル:ぬお…「確かに、そんな事を言っていたような気がする」
GM:「それより、なぜ貴様がここにいる!」
イシル:「だから、それはこっちが聞きたいと言ってるだろうが!!」
ディラン:「仲良さげだな」
イシル:それはアルゲルと声を揃えて言いますよ!――『仲良さげとか言うな!!!』(一同爆笑)
小夏:「おっさんも朝飯か?」
ディラン:「ああ、だがとりあえずイシルもそこの男も朝食にしないか?」――と席に着こう。
GM:アルゲルも席に着く。
イシル:「ところでめぐみ殿、さっきの夢の話なんだが……」
めぐみ:「大丈夫です! イシルさんとはまったく違った、普通の真面目な夢でしたから」(笑)
ディラン:私は何も言わないぞ、それが運命だと知っているからな(笑)
小夏:俺は何も言えないぞ、なんせ夢なんて見ていないからな(大笑)
イシル:………………もういいさ。俺はどうせギャグだよ。
小夏:「そうだ、飛行機の中でも会ったけど、君ってここの人だったの?」――と"おむすび"って言う女の子に聞くぞ。
GM:「え、はい。私はマーリン先生にバハムートの所持者達をストーンヘンジに案内するように頼まれたんです。あなたがイシルさんだったんですね"おむすび"さん♪」
小夏:(アルゲルっぽい口調で)『いや、こいつは"おにぎり"だとさっきから――』
イシル:「って、もうそれはいい! いい加減にしろ! アルゲルは一人で十分だ!」(一同爆笑)
めぐみ:「案内役ってあなただったのですか! 私はめぐみです。宜しくお願いしますね♪」
GM:「はい。宜しくお願いします。私はマユリ=ヴァンスタインです(とナイトウィザードの基本ルールブックのサンプルキャラ魔術師の絵を見せる)」
めぐみ:おお〜〜眼鏡で制服にローブ(笑)
小夏:やっぱマユリか! ぜったいそうだと思ってたよ!
※マユリ=ヴァンスタイン――キクタケ先生のリプレイ『紅き月の巫女』に出てくる魔術師の女の子である。リプレイ『紅き月の巫女』は、前回の東京タワー精霊獣のプレイが終わり、今回のシナリオを考えている間に発売されたので、マスターはこれを読んで是非ともイシルと絡ませたいキャラだと思ったのである。
ディラン:なんせ『"おむすび"は日本の偉大な伝統』とか言ってる時点で、こいつしかいないと思ったからな(笑)
イシル:くそ〜〜なんてキャラを公式リプレイで発表するんだ! よりによって"おむすび"だなんて……サンドイッチとかにしてくれれば……(ぶつぶつ)
GM:「とりあえず、昨日1日かけて、集められるだけの資料を集めておきました。食べながら皆さんで見て下さい」
そう言って、マスターはストーンヘンジの資料をバラァと机にばら撒くのだった。

シーン7:ストーンヘンジ・パンフレット疑惑

ストーンヘンジへ向かう日の朝、イシル達一行は、案内役のマユリから渡されたヘンジのパンフレットを見ながら、わきあいあいと朝食を取っていた。
めぐみ:(じっさいのパンフを見ながら)「へ〜〜円の中に馬蹄型の鳥居のような石柱があるんだね」
ディラン:「この馬の蹄の空いている部分を伸ばしていくと、虐殺の石というのがある。さらにそのまま伸ばしていくとヒールストーンと呼ばれる石がある。ヒールストーンは別名"扉"と呼ばれていて、このストーンヘンジの出入り口だと言われているんだ」
小夏:「詳しいなおっさん!?」
ディラン:「まぁな、もともと私はこっち(ヨーロッパ)を拠点に動いていたからな」
GM:ちなみに、今ディランが言った事も、ちゃんとパンフ読めば書いてあるからね。
小夏:……あ、ほんとだ(笑)――「なんだよおっさん、パンフ読んだだけじゃねーか」(笑)
めぐみ:「アンチョコだ」(笑)
ディラン:「お前ら信じてないのか? ならその中心と虐殺の石、そしてヒールストーンを一直線に結ぶとだな、その直線上には夏至の際に太陽が昇ってくるんだ。覚えておけ」
めぐみ:「それも書いてありますね(とパンフ上で指指す)」
ディラン:「………………もういい、私は何も言わん」
小夏:「まぁそう拗ねるなよおっさん」(笑)
イシル:「お前等いいかげんにしろよ! なんでこの状況でそんなに和やかに話してられるんだ!」
GM:「うるさいぞ"おにぎり"、朝飯ぐらい静かに食えんのか」(←アルゲル)
イシル:「誰のせーだよ! お前がいるからだろーが!」
小夏:「あのさぁ、さっきからなんでお前は騒いでるんだ?」
イシル:「だから! こいつを見てなにも思わないのか!?」
小夏:だって俺達アルゲルの事初めて見るんだぞ?――「はぁ?」って感じだ?
ディラン:まぁせいぜい――「ラース時代の友人か?」と言った所だな。どちらかというと、今までのやりとりで、かなり仲の良い友人だと解釈(笑)
イシル:めぐみ殿!
めぐみ:魔王城で戦ってから友情が芽生えたのかと(笑)
イシル:「だ〜〜! 違う! こいつは敵だ!! だいたいマユリ殿、どうしてこいつがここにいるんだ!」
GM:マユリは――「実はアルゲルさんとお話していたら、私の"おむすび"より美味しい食べ物があるって言うので、聞いてみたら『それは"おにぎり"だ』って言うので、言い争いになってしまいまして」
イシル:………………
GM:「つ〜ま〜り〜お前の事だ"おにぎり"よ」(一同爆笑)
イシル:「やっぱりかー! いい加減にせーよアルゲル! なんで俺がそう何回も食べられなきゃならないんだ!」
小夏:「やっぱ仲良しじゃん(笑) イシル、いい加減紹介してくれよ?」
イシル:「敵だ! 混沌軍の6団長の一人で名はアルゲル! 俺がラースで倒したはずなんだが復活してきた」
小夏:「うん、わかりやすい。で、その混沌軍の奴がなんでここにいるんだ?」
GM:「うむ、実は俺様にもなぜここにいるかが思い出せないのだ。どうにもここに来る事までは覚えていたんだが、何をしに来たか忘れてしまってな。げっはっはっはっ!」
小夏:「とりあえず、無害そうだな」(笑)
イシル:「俺にとっては実害だ!」(一同爆笑)
GM:「ところで"おにぎり"、なにやら見かけぬ顔をいくつか見るが……誰だ?」
イシル:「ん? ああ、俺のこの世界での仲間だ」
めぐみ:「めぐみです」
GM:(コロコロ)……お、珍しく期待値以上だ――「ん? お前はタヌキの女ではなかったか? どこか雰囲気が似ておる」
めぐみ:でも今はタヌキの耳と、タヌキの尻尾を生やした獣人だよ♪
GM:「まぁいい、その変な耳に尻尾、今日からはタヌキの女改め、タヌキ女と呼んでやろう」
めぐみ:「はい♪」
GM:「で、そこの親父は誰だ?」
ディラン:「"そこの親父"では無い、私の名はディラン。ディラン=ベルモンドだ」
GM:「そうか、覚えておこう"そこの親父"」(笑)
イシル:それは……今までで一番酷いあだ名かもしれん(笑)
ディラン:私に決定権は無しか……。
小夏:「俺は煌小夏(ファン・シャオシー)だ。白拳(パーチェム)って通り名で呼ばれてる」
ディラン:あ、ズルッ!
イシル:自分から教えやがった(笑)
小夏:はっはっはっシャルマの時代から、こいつの扱い方はいい加減覚えた(笑)――「それで、本当に何も思い出せないのか?」
GM:「うむ、まったくだ。そうだな……だが、レンガの娘に命令されたような覚えはある」
イシル:「レンガの娘……やはりリーンにか……」
小夏:「リーン様だってーーー!?」(←過剰反応)
GM:「リーン…様?」
小夏:「おいアルゲル! お前リーン様の知り合いか! 今リーン様はどこにいるんだ! なんでも良いから教えろ!」
GM:「??? なんなんだお前は一体、あんな小娘に様付けしよって……お前はあの娘の下僕か?」
小夏:「そうだ!(即答&断言)」(一同爆笑)
GM:「そ、そうか……だが、それ以外は覚えておらぬのだ。すまぬな"リーンの下僕"よ」
小夏:「くそぅ…せっかくの手がかりだったのに……」
イシル:小夏、たぶん今のでお前のあだ名が上書きされたと思うぞ(笑)
小夏:かまわん! リーン様の下僕なら望むところだ!(一同爆笑)
ディラン:しかし、このアルゲルという男……本当は何をしに来たんだ?
イシル:これは俺の予想だが、たぶん抜き取られた書庫の本のうち、ナスカは封印は解除されていたので、残り二つの場所をリーンとこいつで別々に探索する事にしたが、こっちについてマユリと"おにぎり"談義で盛り上がっているうちに忘れたのではないかと……。
小夏:ああ〜〜。
めぐみ:ありえますね。
ディラン:さすがイシル、以心伝心だな(笑)
イシル:………………。
めぐみ:ここでマユリさんが言うのです――『私思うのですけど、きっとアルゲルさんも、美味しいモノを食べれば思い出すと思うんです♪』(一同爆笑)
小夏:「なるほど」
イシル:「マユリ殿! 何余計な事言ってるんだ! それに小夏も乗せられんな!」
ディラン:「ま、それに、例えこの男が何かを思い出したとしても、敵である私達に教えるとは思えん」
イシル:「いや、こいつは教える(←超断言)」
ディラン:「自信たっぷりだな」(一同爆笑)
小夏:「さすが友、なんでも解るんだな」(笑)
イシル:なんでも……いや俺は……本当に以心伝心?(過去を回想中)
小夏:「リーン様のためだ、さらば我が友よ――マユリさんゴー!」
GM:じゃあ命中が(コロコロ)……
小夏:ぶつぶつ言ってるイシルを不意打ちで押さえ込みます!(笑)
イシル:「はぁ!? 小夏貴様! 女の為に友を悪魔に売り渡すのか!!」(一同笑)
小夏:「全てはリーン様のために!」(笑)
めぐみ:『ボンッ!』
イシル:だから勝手に効果音入れんなよ! (コロコロ)……ああ、10分も"おにぎり"だよ……
小夏:「さぁ食えアルゲル! そしてリーン様を思い出せ!」
イシル:「餌付けすんなよ!」(一同爆笑)
GM:じゃあアルゲルは"おにぎり"を持って――「なんだ女、お前も欲しいのか? いいだろう半分分けてやろう、これが最高の食べ物"おにぎり"だ」――とイシルを半分こする
イシル:「ぎゃーーーーー!!!!」
GM:(コロコロ)……3、うん、アルゲルは丁度半分食べた。そしてマユリは(コロコロ)……3(笑) マユリも半分食べた(笑)
めぐみ:「ああ、イシルがそれぞれ一口で」(笑)
イシル:死亡判定じゃないか! 何てことしてくれるんだ!(笑) (コロコロ)……よし、死んではいない。その辺りに現れて気絶しています。
魔剣バハムートを求め、イギリスはストーンヘンジまでやって来たイシルだったが、
災難という名の不幸は、どうやらまだまだ終わりそうになかった。
イシル:「今日は……なんか長くなりそうだ……」

超長編キャンペーン  リプレイ『真竜伝説』
第31話「天敵達の邂逅! イシル最悪の一日」

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