TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 真竜伝説                      戻る

セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ

――世界名:ファー=ジ=アース 地方名:日本 場所名:吉祥寺――

東京吉祥寺付近のとある電気屋の前で、1人の青年が足を止めた。

『……さて、次のニュースです』

店のウィンドウにはニュースを流しっぱなしのテレビがいくつも置いてあり、
青年だけでなく街行く人の足も少なからず止めていた。

『数日前から発生している集団失踪事件ですが、新たな情報が明らかになったらしく、
警視庁より発表がありました。
それによりますと、事件は常に夜間にて行われている可能性が高く、
  また、どうやら犯人は数人単位の複数犯との見解がでているもようです。
被害は関東圏――特に東京に集中しております。都民の皆様、外出は控えて下さい。
この件につきまして都知事は……』

足を止めていた青年は、拳を強く握り締める。
だが、その口元には長年の友に再会した時のように、ニヤリと端が上がっていた。
そして、そこから覗くのは……
肉食獣の牙だった。

真竜伝説

第33話「僵屍王を倒せ!」

シーン1:事件の予兆

魔剣バハムートを手に入れ、日本へと帰って来たイシル達は、
世界魔術教会日本支部にてアンゼロットに報告をすませる。
一方、魔のトライアングルへ向かったミスティやロンギヌス達は、とある事情で出発が遅かったらしく、
いまだ帰還していないとの事。
イシル達はとりあえず、ミスティ達が帰ってくるまで一時的に休息を得る。
めぐみ:では帰りますね。実家でダラダラ〜〜(笑)
ディラン:私もホテルのスウィートルームに戻るか。
小夏:じゃあ俺も家に帰ろう。イシルも一緒に帰るだろ?
イシル:まぁな。バハムートを手に入れて、それと同時にソードマスターにクラスチェンジした俺は、ちょっと山に篭って修行……ってのも考えたんだが、まずは休む事にするよ。
GM:では小夏とイシルです。煌家の家にいくと、なにやらテンヤワンヤになってます。
小夏:「春鹿(チュンルー)姉さん! どうしたんだよ! 何かあったの?」――姉さんを探して事情を聞こう。
GM:春鹿姉さんは会議室にて、いろいろと指示を出しています――「小夏! 今までどこ行ってたの!」
小夏:いきなり怒られたよ(笑)――「いろいろあってさ。それより何の騒ぎなのさ?」
GM:「そうね…何から話せばいいか……とりあえず、これを見て」――というと、大きなスクリーンが天井から降りてきてそこにテレビのニュースが流れ出す。このTV放送は、それぞれ自分の部屋かなんかで見てていいので。
ディラン:じゃあホテルのスウィートルームでゆったりと見ていよう。
めぐみ:私は実家の居間で見ています。
GM:ではマスターシーン――
東京都吉祥寺付近…とある電気店の前で、一人の青年が足を止めた。
――『……さて、次のニュースです』
店のウィンドウにはニュースを受信しっぱなしのテレビがいくつも置いてあり、青年だけでなく街行く人の足を少なからず止めていた。
――『数日前から発生している集団失踪事件ですが、新たな情報が明らかになったらしく、警視庁より発表がありました。それによりますと、事件は常に夜間にて行われている可能性が高く、またどうやら犯人は数人単位の複数犯との見解が出ているもようです。被害は関東圏――特に東京に集中しており、都民の皆様、外出は控えて下さい。特に夜間の一人歩きは危険です。この件につきまして都知事は……』
足を止めていた青年は拳を強く握り締める。だが、その口元は長年の友に会えた時のようにニヤリと端が上がり、その口元から牙が覗いていた。
GM:――って、こんな感じです。
イシル:今のマスターシーンに出てきた青年って……。
ディラン:牙とか言っていたぞ?
めぐみ:実は私だったり♪ 牙も生えていますよ? 九十九(タヌキ)と融合しましたから(笑)
イシル:実は"青年"だしな(笑)
GM:何を言う、めぐみちゃんは実家で見てるって自分で宣言してたでしょーに(笑) では場面は煌家に戻って、スクリーンには東京との地図が映る。そこには赤い印がたっくさん付いてる。
イシル:「まさかこれが被害にあった一般人の印か?」
GM:「ええ、東京都内だけで100人以上の被害が出ているわ」
小夏:「この事件……あの九龍城で逃がしたキョンシーが原因なんだね」
GM:「そうよ。だからこそ私達煌家は何に変えても奴を討たなくてはならない」
小夏:「でもおかしくない? あのキョンシーに人がやられているんなら、キョンシーだってエミュレイターでしょ? なら被害にあった人は世界の記憶から消去されて、こんなに被害がおおっぴらになる事はないんじゃないの?」
めぐみ:おお〜そう言えばそうですね。
GM:ここで春鹿姉さんが頭を抱えながら――「問題はそこなのよ……実はあのキョンシー、自分が襲った人間を、殺さずに自らの配下にして徒党を組み出したのよ」
イシル:「どういう事だ?」
GM:「つまり、キョンシーに襲われた被害者は、生きたまま仮死状態で操られている――そう思っていいわ」
小夏:「じゃあ……一般人と戦わないといけないって事か……」
GM:「ええ、覚悟しないといけないわよ。これ以上被害を増やすわけにはいかない」
小夏:ドンッと胸を叩いて――「任せてくれよ姉さん、奴を復活させたのは俺にも責任がある。なんとかして奴を倒すよ!」
GM:「期待しているわ。基本的に0−Phoneでこっちに連絡くれれば最新の情報は与えるから、あなたもがんばって頂戴」――と春鹿姉さんは悔しそうに――「なんで私には力が目覚め無いのかしら……こんな時に力になれないなんて……」
小夏:「大丈夫だって! 姉さんの分も俺がなんとかするからさ! じゃあ行こうぜイシル、手伝ってくれるだろ?」
イシル:「ああ、もちろん」
GM:と、その瞬間イシルは精神力ジャッジ30ね。
イシル:30!? (コロコロ)……無理です。それは失敗するって!
GM:では小夏が振り向くと、バタンッと音を立ててイシルが倒れる。気絶状態。
小夏:「おいイシル! どうしたんだよ!! おいっ!!!」



GM:一方、夕ご飯を食べながらニュースを見ていためぐみちゃんの家です。今日は家族4人揃っています。
めぐみ:ああ、貴士も退院したのですね。
GM:そういう事、今日も家のご飯は美味しいね(笑)
めぐみ:「貴士、病み上がりだけど、いっぱい食べなさいよ?」
GM:いや、それこそ病み上がりだから小食だって(笑)――と、和気藹々と食べていると、めぐみちゃんにお父さんが聞いてくるぞ――「どうだ最近、体に変わったことはないか?」
めぐみ:「え? うん、大丈夫だけど」
GM:「そうか……よかった」――とつぶやくように「お父さん……」「……せめてこれ以上、変わらないでくれ……」悲痛そうに呟く。
めぐみ:「お父さん? 今何か……」
GM:「いや、何でも無い。ほらいっぱい食べろよ、今晩も見回りで忙しくなるぞ。なんせ、ここいらの一帯のウィザード総出でも足りるかどうか怪しいからな!」
めぐみ:「見回りって、さっきのニュースですか?」
GM:「ああそうだ。今夜からお前にも手伝ってもらうからな」
めぐみ:「わかりました♪」



GM:さて、ディランなんだが――
ディラン:いや、今回の展開がだいたいわかったから、私のシーンは要らない。その代わり自由に登場させてもらえると助かる(笑)
GM:いいよ、じゃあ好きに出てきてくれ(笑)
ディラン:了解!
GM:じゃあ代わりに煌家にカメラを回そう。今、小夏の前のベッドでイシルが昏睡状態だ。
イシル:ええ!? 倒れっぱなしなのか?
GM:倒れっぱなしです。夢の世界でイシルは袴姿で野武士風のおじさんに言われる――『やはり、急激に力を使った反動は大きかったか……』
イシル:「ルオはいつもこんな重圧を跳ね除けて魔剣ティアマトーを振るっていたのか……!」
GM:『今しばらく休め、すぐにまた戻ってこれる』
イシル:じゃあ次回からは俺も精神を伸ばそう(笑)
GM:ってな感じで小夏よ、イシルは使い物になりません。
小夏:「使えねぇ…(ボソっと)」
イシル:役立たずみたいに言うなよ! いや、確かに役立たずだけどさ!(笑)
小夏:メイドのナオミいるかな? 「ナオミ、こいつを見ていてくれよ。キョンシー退治には俺が一人で行ってくる」
GM:近くで控えていたメイドのナオミが頷こう――「わかりました。くれぐれも気をつけて下さいね」
小夏:「ああ」――ってわけで俺は一人、夜の街を散歩中。
イシル:ところでマスター、俺はどうなるんだ?
GM:まぁ今は昏睡状態で寝ていないさい。すぐに君が必要になるから。
イシル:了解
東京の裏路地。
通りからは今だ眠らない人々の喧騒が聞こえてくる。
結局の所、ニュースを見ても普段の生活をやめない人々がここには住んでいる。
GM:では小夏、知覚ジャッジを振ってくれ。目標値は(コロコロ)……22だ。
小夏:マスターも振ったって事は対抗判定か?(コロコロ)……24!
GM:なら通りの角から誰かがやってくる気配を感じた。一般人ではないね。足運びが静か過ぎる。
小夏:来たかキョンシー! プラーナを全快にしてスターンスターンとステップを踏む!
イシル:不意打ちできたのに意味無ぇなあ(笑)
小夏:いいんだよ! 俺は正々堂々殴ってやる!――「手前ぇか!」――とりあえず声をかける。
GM:角から男が現れて呟こう――「……何者」――首から下は見えていても、建物の影で顔はまだ見えない。
小夏:「最近、ずいぶんと暴れまわっているらしいじゃねーか、あの時は別の用事があって逃がしちまったが、今度は逃がさねぇぜ! この煌小夏の名にかけて!」
GM:君が名乗りをあげると、その男が息を飲むのがわかる。
小夏:息を飲む?
GM:「!?……ふっ…ずいぶんとおしゃべりになったじゃないか」――そう言って、男は小夏の方へ歩いていきます。そうすると影で見えなかった顔も見えるようになって――(イシルにとあるキャラシーを渡す)――はい。以降はお任せします
イシル:???(渡されたキャラシーを見て)……ああ! そういう事か!
小夏:なにがどうしたの?
イシル:男の顔がはっきりと見えるようになる。その男は九龍城のジャンクキッズ達を纏め上げていた獣人の少年ウィザード、キョンシー復活の際にともに肩を並べた仲間――そう、王(ワン)だ!
王(ワン)――詳しくは第27話『番外編 九龍の申し子』を参照。王はその話に出てくる白虎の獣人である。緑色の目から"双緑<ツァンリュー>"という別名がある。ちなみにPLはイシルのPLであった。
GM:ってなわけで、今日はキョンシー話なのでイシルはお休みです。変わりに王をやってあげて下さい。
王:了解。あのキョンシーの臭いを追って、ここまでやってきたって設定だな。
GM:その通り! なので君は、その臭いを追っていけば親玉にたどり着けます。
小夏:便利だなぁ〜さすがワンワン(笑)
王:犬みたいな呼び方するな(笑)――「久しいな小夏……だが、悠長にはしてられん」――と追ってきた事を説明しよう。
小夏:「なるほどね……それで、お前まで日本に来たのか」
王:「奴の臭いは覚えてある。もうすぐそこだ」
小夏:「で、そこってどこだよ」
王:「知らん」
小夏:「知らねーんじゃねーか!」(笑)
王:ち、違う! 王は東京の地名がわからないんだよ! だから方角だけで――「こっちだ」(笑)
小夏:わかったわかった(笑) じゃあ俺も王について行こう。これが一番早道っぽいしな。

シーン2:一般人を討て

まだ、夜空に浮かぶ月は赤くなかった。
都内の夜間パトロール。
字面だけ聞くとなんともだが、パトロールに当たっているウィザード達は真剣だった。
この夜空の下、100人近い部下を連れた凶悪なエミュレイターがいるのだから……。
GM:一方めぐみちゃんですが、今宵は家族総出でウィザードとして夜間パトロール中です。
めぐみ:キョンシー事件のためにかり出されています。
GM:では知覚ジャッジ目標値20で振ってみて。
めぐみ:(コロコロ)……成功しました♪
GM:ならば君のタヌキの鼻にキョンシーの死臭が引っ掛かる。
めぐみ:「この臭いは……」
GM:では(コロコロ)……弟の貴士が――「どうしたの?」
めぐみ:「貴士、あなたはお父さん達と一緒にいなさい。私は別行動とるから……」――と臭いのする方へ行きます。
GM:そこは公園だね。6人ほどの人影が……まぁ近づくとキョンシー化している事がわかるんだが(笑)
めぐみ:他に一般人は公園にはいないのでしょうか?
GM:うん、いた人は全員キョンシー化しているから、カップルとかも中にはいるね。(コロコロ)……どうやら、新しい獲物に気が付いたらしい。キョンシー×6体がピョンピョン跳ねながら君に向かってくるぞ。
王:ところで、キョンシーってのは全部死んでるのか?
GM:基本的には死んでる。ただ、まだキョンシー化してすぐの人は血色も良いし、見たところ仮死状態な感じだとはわかる。まぁキョンシーには違い無いけどね。
王:了解。
小夏:でも普通ならキョンシー化してすぐに完全死亡じゃない?
GM:今回は特別って事で、その方が面白いし(笑)
ディラン:えげつ無いな(笑)
めぐみ:とりあえず、そういう事なら逃げます! 人気の無い場所まで逃げながら誘導します!
GM:では階段を上がって神社までやって来た。ここなら人はいないぞ、遠慮しないでやれる。
めぐみ:でも……「まだ生きてるかもしれないのに……そんな被害者さんを殺すなんて……」
GM:そんな風に迷っているようなら、境内まで追い詰められるぞ。
めぐみ:でも……まだ生きている人も……(迷っている)
GM:じゃあ迷っているようなら――
めぐみへと迫るキョンシー達、それでもめぐみは彼らを攻撃できないでいた。
まだ仮死状態の人もいるなら、彼らにも救いの道があるのではないだろうか?
その希望が決心を鈍らせ判断を遅らせていた。
しかし、キョンシーにその思いは通じない。
境内へと追い詰められ、めぐみが我に返った時には、すでに時遅しだった……
ディラン:そのキョンシー達が一斉に四散する! スローモーションで細切れになる中、縦横無尽に私の禁鞭が波打つ! GM、登場する。
GM:じゃあディランの禁鞭でキョンシー達は四散しました。
めぐみ:「!?」
ディラン:目的を果たし禁鞭が主の下へと戻る。そこは神社の鳥居の上、赤い月を背負うようにして、そこには私が立っていた。
めぐみ:「おじさん…どうして……」
ディラン:「こんなザコを倒しても、元を断たねば意味は無い…か」
めぐみ:「違います! どうして……まだ、助かった人がいるかもしれないのに!!」
ディラン:「甘い。そんな事では、いずれ浸け込まれる」
めぐみ:「でも……」
ディラン:「躊躇うな――それだけだ」……と、私は消えましょう。
めぐみ:「そんな……」――私はしばらく神社でぼ〜としてますが、すぐに街へ戻ります。おじさんに何を言われようと、やっぱり私は救いたい!

シーン3:馴染みの友2人で

帰る家もなく彷徨っていた所を襲われたのか、浮浪者のキョンシーを小夏と王は問答無用で始末する。
さらに王の鼻を頼りに臭いの元を辿って2人は夜の街を駆ける。
GM:ニュースでが夜間の外出は控えるようと言っていたが、そんな事は無い、現代の人間がそんな事を言われたからって外出が完全に無くなる事は無い。今夜も人々は普通に外出しています。
小夏:じゃあ一般人たくさんいるじゃん!
GM:まぁそれでも通常よりは明らかに減っているね、外出を控えている人の方が多いには多い。
王:それを聞き入れない輩は常にいるものさ。九龍城時代の仲間を思い出す(笑)
GM:そんな中、あきらかに場違いな人を見つける。その人は制服姿の女子高生だ。しかも一人っきり。
小夏:一人!? オオカミの群れに入った子羊状態じゃないか!
GM:ちなみに誰かを探しているっぽいね。写真とか見せているし。
小夏:その娘に話し掛けるぞ!――「ねぇ君、ニュースは見ただろ? 今は危険なんだ、一人で出歩かないでさっさと家に帰った方がいい」
GM:「あなた集団行方不明事件のこと言っているの?……嫌よ。私はそれぐらいで負けちゃいけないの……だって、そうでもしないときっとあの子は見つからない……」
王:「わけありか?」
GM:「友達を…探しているの……その子、ずっと学校に来なくなっちゃって……もしかしたら事件に巻き込まれたのかも……」
小夏:友達か……それは手遅れな気がする。
王:ああ、ただの誘拐ならまだしも、本当はキョンシーによる被害だからな。あきらめさせて家に帰らせた方が早いな。
小夏:「君の気持ちは解った。でも、今日はもう遅いそれにやっぱり危険だよ、早く帰った方がいい」
GM:「そう……いいわ、心配してくれてありがと。でも、私はあきらめたくないの。もう少しだけ探してから帰る」
王:「駄目だ。今すぐ帰るんだ」
GM:「どうして? あなたに言われる筋合いは無いじゃない」
小夏:「でもさ、こんな夜遅くに一人じゃ危ないよ。その友達だって、もしかしたら家に帰ってるかもしれないじゃん?」
GM:その女子高生は首を横に振るね。
小夏:「じゃあこうしよう、君の親友は俺達が探しておいてあげる。それならいいだろ?」
GM:そうイキナリ言われてもなぁ(コロコロ)……反応は悪くないかな。女子高生は写真を見せてくれる。映っているのは彼女とルオだ。
小夏:ふ〜〜ん……ってルオ!? ルオって勇者のルオの事?
GM:そうだよ、もっとも学生服のルオだけどね。楽しそうに目の前の彼女と笑っているよ。
小夏:「これは……もしかしてルオ?」
GM:「ルオを知っているの!?」
小夏:えっと、今はルオってどうなっているんだっけ? 病院から抜け出して東京タワーに乱入してきて――
GM:その後は、世界魔術教会日本支部の地下医療施設の一室で昏睡状態だ。
小夏:じゃあルオにこの子を会わせる事も可能?
GM:君達のロールプレイ次第かな。アンゼロット様をうまく使うとかね。
小夏:OK!――「ルオなら今、特別な病院で治療中なんだ……俺も同じ病院にいたから知っている。あ、俺はそこで知り合ってルオと友達になったんだ」
GM:「どこ? その病院はどこにあるの? お願い教えて!」
小夏:「わかった教えるよ。だけど、その代わり今日は家に帰ろう。明日一緒にルオに会いに行こう。それでいいだろ?」
GM:「……うん、わかった。でも、本当に――」
小夏:じゃあ俺の家の住所と簡単な地図を渡す――「煌家っている華僑の大きな家だからすぐわかる。明日の12時に来てくれ、小夏と言えばわかってくれるよう手配しておく」
GM:「煌家……うん、わかった。ありがとう」
王:煌家の知名度はさすがだな(笑)
GM:では彼女は君にお礼を行って帰っていく。
小夏:そうだ、彼女の名前は? まだ聞いてなかった。
GM:彼女の名前は『裕香』だ。ルオのコネクション。本当ならミスティが高校行って、裕香にあれこれ聞かれるってシーンもあったんだが……まぁミスティは今、魔のトライアングルにいるしな(笑)
小夏:思わず約束してしまった。これでアンゼロット様に「駄目です」とか言われたら辛いなぁ(笑)

シーン4:それは……出会い

影がさらに影を作る都会の裏路地……そこを30人のキョンシーに追われ、逃げて行く少女が一人……。
もっとも、その少女のシルエットには耳や尻尾がついていたが――
GM:ってなわけで再びめぐみちゃんは追われています(笑)
めぐみ:でもヘタな攻撃はできません。やっぱり追われます(笑)
GM:ではそれから数分、急に後ろから迫っていたキョンシー達の気配が遠のいていく。
めぐみ:遠のいて? それは逆に追跡します。
GM:それなら敏捷ジャッジの目標値30ね。凄いスピードだ、一般のウィザードが同じように追跡しようとしているが、まった追いつけずに逆に巻かれるしまつ。
めぐみ:プラーナ解放(コロコロ)……うん、成功!――「逃がしはしないんだから!」
GM:そうするとキョンシー達は大きな池のある公園に入っていく――別名【井の頭公園】!
めぐみ:追って来たら吉祥寺まで来てしまいましたね(笑)
GM:と、キョンシー達が公園の中に入っていくと、さすがに見失います。その代わり小夏と白い虎の獣人を見つける。彼らの何かを探しているらしい。お2人は登場願います。
小夏:了解――「おい王、本当にここに間違いないんだな?」
王:「ああ、だが…ここはキョンシーの臭いが多すぎる。交じり合って詳しい場所が特定できん」
小夏:「しょうがねえ、しらみつぶしに調べるしかないか……」
めぐみ:では呼びかけます――「小夏〜〜!」
小夏:気が付いていいんだよね?――「めぐみちゃん? もしかしてキョンシーかい?」
めぐみ:「そうです♪」――はッ、知らない獣人さんがいますね……しなしな(笑)
小夏:しなしな?
めぐみ:しなを作っているんです♪(笑)
王:うっ、確かに久々に会う獣人仲間だ――「小夏…この子は?」――と、ちょっと顔を赤くしながら(一同爆笑)
小夏:馬鹿かよお前は! 何めぐみちゃんに赤くなってんだよ!!(笑)
王:しかしだな、今の王はめぐみちゃんの正体を知らないはずだ(笑)
GM:そう言えばそうだな(笑)
めぐみ:「小夏、こちらの素敵な方は誰ですか?」(笑)
王:さらに顔が赤く(一同爆笑)
小夏:なんなよ赤く! ――「ったく、この子はめぐみちゃん、最近一緒にチーム組んでる仲間の一人さ。で、こっちの白虎の獣人が王<わん>、子供の頃の友達だよ」
めぐみ:「めぐみです。宜しくお願いしますね♪」――と手を出します♪
王:じゃあ手を服の裾で拭いてから――「王だ。こちらこそ宜しく頼む」(笑)
小夏:って王! お前知覚高いんだからいいかげん気がつけよ!
めぐみ:それはどうでしょう? 私もメイクの技術が上がっていますから(笑)
GM:じゃあめぐみちゃんの器用ジャッジと、王の知覚ジャッジで対抗判定しよう。
めぐみ:(コロコロ)……クリティカル(笑) 今日は素晴らしくキメていますよ♪ 達成値は22!
王:まぁ知覚は自信あるからな……うむ、6以上振れば問題無い(コロコロ)……4!?(一同爆笑)
めぐみ:「ああ、まだ手を握りっぱなしでした……」
王:一瞬だけ手を放すのを躊躇ってから手を放すぞ(笑)
めぐみ:「えッ?!」
王:「あ、いや、すまん」(笑)
小夏:「………………」
めぐみ:「王さんの手、沢山傷ついてます……きっと大変だったんですね」(GM:小夏暇なら知覚ジャッジしてみて目標値24)
王:「あ、いやそれ程でもない。め…めぐみさんこそ、小夏なんかと組んでウィザードをやっているんだ、大変だろう」(小夏:(コロコロ)……25)
めぐみ:「めぐみさん…だなんて……めぐみ――でいいですよ♪」(GM:じゃあ(ゴニョゴニョ)という状況だとわかる)
王:「いや、しかし初対面でそれは――」
ディラン:(←ずっと笑っている人)
小夏:「おい馬鹿っプル! いい加減にしろ、周り囲まれちゃったじゃねーか!」
王:「何だと!?」
GM:その通り、公園の木とかに隠れているが、あきらかにキョンシー達に囲まれているね。
小夏:「ったく、王、お前が鼻の下伸ばしてるから気がつかねーんだぞ!?」
王:「ゔ……スマン」――構えを取ろう。
GM:では、不意打ちができなくなったので、ぞろぞろとキョンシー達は現れます。
王:「めぐみ、君は下がっているんだ」
小夏:「まだ言うかこの発情期の犬っころが!」(笑)

シーン5:救える可能性

ディランは一人、世界魔術教会にてアンゼロットに会っていた。
その真意は……――
ディラン:「――というわけだ。あのキョンシー達、助かる見込みは無いのか?」
GM:アンゼロットが答えましょう――「正直、少ないとしか言いようがありません」
ディラン:「では…ゼロではないのだな?」
GM:「はい。一般人がキョンシー化してからまだ日が浅ければ助かる可能性はあります。しかし、キョンシー化してから数日が立ってしまえば、その肉体は仮死状態から完全死の状態に移ります。そうなっては手遅れです」
ディラン:「完全死になるまでの期間は?」
GM:「わかりません。個人差に寄ると思います」
ディラン:「ま、それだけわかれば十分だ」――と、去ろう。
GM:その去り際に――「しかし、あなたがそんな事を聞きに来るとは思いませんでしたよ」
ディラン:「ふっ…手のかかる甘い子供がいるんでね」
GM:「そうですか」
ディラン:「もっとも、俺も十分…甘い大人なのかもしれんがな――」とダームで部屋から消えていきます。
小夏:おお、なんかおっさんがカッコいい事してる(笑)
めぐみ:しかもちょっと希望が見えました(笑)
GM:ディランが去った後アンゼロットが少し微笑みながら呟く――「ディラン…あなたもずいぶん変わりましたね(微笑)」



ディラン:そして私は井の頭公園にテレポートだ。目の前では今まさに小夏やめぐみが30人のキョンシーに一斉に襲われる瞬間!
王:でも躊躇無く殺すぞ?
小夏:同じく。だから別にピンチでもなんでもないぞ?
ディラン:………………。
めぐみ:そんな事はないです! なぜなら殺されては叶わないと、私が小夏と王を後ろから押えます(笑)
小夏:「めぐみちゃん!?」
王:「おい! 殺らなければ殺られるんだぞ!?」
めぐみ:「それでも、中には助かる人だって――」
ディラン:ナイスだめぐみ(笑) その瞬間私の禁鞭で全てのキョンシーを吹っ飛ばす!
GM:夜空に舞う30人のキョンシー達!
王:遠慮ないな。血肉飛び散るのか?
ディラン:いや、今回は全員生きている。ただ吹っ飛ばしただけだ。そして禁鞭が森の中へと戻っていき、そこから私はゆっくり歩きながら現れよう。
王:「誰だ!?」――めぐみをかばうように(笑)
GM:ディランとも初顔合わせだな……王は感じる、ディランからはウィザードともエミュレイターとも違う、何か底知れぬ圧倒的なプレッシャーを。
王:「敵……か」
小夏:「いや違うって、あれも今の俺の仲間さ。名前は……えっと"おっさん"」(一同爆笑)
ディラン:「ディランだ」
めぐみ:それより――「また、殺したの……?」
ディラン:「一時的に気絶させただけだ。まだ血色の良い、肉体が完全に死んでいない者達なら、可能性は五分五分だが助かる見込みはある」
めぐみ:「本当ですか!?……良かった……」
GM:と、喜ぶのも束の間! 吹っ飛んだキョンシー達が90°直角にピョコンと直立不動で起き上がる。特殊能力『ピップホップ』使用(笑)
小夏:無駄な能力取ってんなぁ(笑)
ディラン:「あれで気絶させられないとはな……」
王:「たぶんだが……キョンシーになった一般人は痛覚が遮断されている」
ディラン:「なるほど……小夏、めぐみ、そしてそこの獣人、ここは私に任せてお前達は大元のキョンシーを探せ! この公園のどこかにいるはずだ!」
小夏:「ああ、任せるぜおっさん!」
めぐみ:「わかりました! でも、なるべく殺さないようにお願いします」
王:「すまない! それと……俺の名前は王だ!」
ディラン:「ああ、覚えておくさ――」――そしてその瞬間、私の禁鞭が踊る! 小夏達が囲いから抜け出せるように一点集中でキョンシーを吹き飛ばします。多少のダメージは食らっても構わん――「今だ! さぁ行け!」

シーン6:神竜一閃

ディランに一般人キョンシーを任せて3人は公園を走る。
王の鼻には周囲から漂う死臭にまぎれ、王僵屍(キョンシーキング)の所在を掴めないでいた。
だが、急がなくてはならない……――
王:いくら臭いが混じっているとは言え、その臭いの中から奴の臭いだけを判別する事はできないのか?
GM:別にやってもいいけど、知覚ジャッジ目標値35ね。
王:あのディランという親父に報いるためにも…プラーナ解放! (コロコロ)……よし成功だ!
GM:臭いは池の中からしてくるよ。
王:「ここだ……この池の中から奴の臭いがする」
めぐみ:この公園って井の頭公園ですよね? あそこの池ってすっごく大きくありませんでしたっけ?――「池と言っても……こんなに大きいんじゃ……」
小夏:それは俺がスッと前に出て――「あとは任せろ!」――プラーナを解放し、その全てを俺の右手に集中させる!
GM:(何がしたいか理解)演出も入っているしな。今なら解放力無視して使ってもいいよ(笑)
小夏:よっしゃ! なら97点分全てのプラーナを右手に集める! 白く白く! キィィィーーーンとプラーナが凝縮!
めぐみ:「こ、これは……!?」
王:「久々に見る。小夏がなぜ白拳(パーチェム)の二つ名で呼ばれるか……」――あ! 自分は池に背を向け、両手を組んで腰だめにして小夏を見ます!
小夏:ジャンプの台座にしろって事だな(笑)
王:言わずもがなだ!(笑)
めぐみ:???――「なにをどうするんですか?」
王:ニヤリと笑って小夏を見よう。
小夏:じゃあ助走をつけて王に走り込む! そして腕の組んだ手に足をかけて、それを台座に大ジャンプ! 池の真ん中上空へ跳ぶ!!
めぐみ:ああ(納得)
小夏:そして『気功』『神竜』発動! 頂点に来た所で白熱した拳を眼下の池の中心へと打ち下ろす! 白き龍が降臨し池が白く白熱する!! (コロコロ)……811点!
GM:一瞬にして池が蒸発し、その底に人影を見て取れる。20人近いキョンシーと、そしてじっと小夏の方を見つめる親玉のキョンシーを!
小夏:「見つけたぜ」
王:「もう…逃がさん」
ディラン:と、おもむろに私のシーンがカットイン!
GM:おう(笑)
ディラン:私の周りには一様に気絶したキョンシー達。と、池の方角から水柱が立つ!――「始まったか」
GM:では1D6ターン後に戦闘に合流していいので!

シーン7:我は王僵屍……

干上がった池の底へと降りていく王とめぐみ、目の前には24人のキョンシー達。
その内半分――12人はまだ血色が良いキョンシー達だった。
GM:じゃあ最初の行動だが。
小夏:俺は『神龍』打ったし、2ターン目から行動するよ。今はまだ上空(笑)
めぐみ:では私ですね! 親玉キョンシーに接敵して――「あなたを倒して一般人を救わせてもらいます!」
GM:なら答えてあげよう――「我は王僵屍……卑小なる存在よ、お主も我と共に歩むがいい」こっちの攻撃はめぐみちゃんに(コロコロ)……命中した? ならダメージは(コロコロ)……67点。
めぐみ:『アーマーフォーム』と『シールドフォーム』で68点止めました♪
GM:おのれ、毒を流しそこなったか!
めぐみ:毒!?
王:どうせキョンシーかする毒の事だろう。こっちも行くぞ! 『獣化』してザコキョンシーに攻撃。『イレイズ』発動で2体を殴り倒す。
GM:なら2体は殺されました。しょせんは一般人。
めぐみ:「なにしているのです!?」
王:「?」――という顔を(笑)
めぐみ:「まだ助かったかもしれないのに……」
王:「ならどうすればいい?」
めぐみ:「王僵屍を……」
GM:「愚かだな。同じ脆弱な同朋の為に、攻撃の手を鈍らすか……ならばお前達よ」――と王僵屍が一般キョンシーに命令。(王僵屍と一般キョンシーを同じスクエアに入れる)
王:汚!
GM:「卑小なる人間達よ、我を護りし肉の壁となれ」――同スクエアの一般キョンシーは以降カバーリングします。――さぁ次のターンだ。 小夏:じゃあ降り立って――「おい、何やってんだよ! ここで躊躇って何の意味がある!」
めぐみ:「でも……」
王:自分的には揺れているな。戦いたいが、めぐみの言う事もわからなくはない。
ディラン:では私の出番だな。ちょうどこのターンに登場できるし(笑)――「ここは私に任せておけ」
めぐみ:「おじさん」
ディラン:で、実は今までは私の声だけが響いていたのです。そしてこの瞬間! 私は王僵屍の真後ろに転移(登場)!
GM:まぁ許可しよう。どのスクエアに登場するかは自由だしな(笑)
ディラン:そしてプラーナをつぎ込んで『テレポート!』対象は私と王僵屍だ! (コロコロ)……達成値52! これを目標に抵抗しろ王僵屍!
一同:『おお〜〜!!!』
GM:なんかイニシアを無視しているが面白いからいいか(笑) (コロコロ)……5! ファンブルかよ(笑)
ディラン:では……(と計算して)……限界の5スクエアはなれた場所に移動!
めぐみ:王僵屍のいるスクエアまで全力移動です!
GM:なら王僵屍がめぐみちゃんに攻撃(コロコロ)……24!
めぐみ:対抗『超獣化』(コロコロ)……28で回避です!
GM:一般キョンシーは残っている王に攻撃(コロコロ)……16、17、18、16、17、15!
王:そんな攻撃、ファンブルしたって当たらない。演出だけで回避するぞ。必要最低限の動きで見切って回避(笑)
  血色悪いキョンシーを2体屠ろう。
小夏:じゃあ俺も血色悪いのを屠る。
GM:じゃあそれぞれ倒されました。次のターンに行くぞ。

めぐみ:
最初は私です! 『ウェポンフォーム』(コロコロ)……44命中!
GM:(コロコロ)……ファンブル。なんか多いな。
王:そういう星の元なんです(笑)
めぐみ:攻撃が(コロコロ)……67点! さらに『ファングモード』で(コロコロ)……16点実ダメージ!
GM:ぐッ痛いな……。
王:全力移動で終了だ。
GM:さぁこっちだ。王僵屍は『激龍』発動!範囲攻撃で王とディランとめぐみちゃんに(コロコロ)……命中23!
めぐみ:(コロコロ)……回避です。
王:対抗『超獣化』(コロコロ)……回避だ。
ディラン:ふっ…一人だけ当たってしまったか(笑)
GM:ダメージは(コロコロ)……66点ね。
ディラン:55点防御。ま、ちょっとだけ来たか。次はこっちの番だ(コロコロ)……命中23!
GM:その程度は(コロコロ)……余裕で回避だ!
その後、王の『死点打ち』が発動し、小夏の『気功』&『真竜』コンボも炸裂する。
そうして一気にHPを持っていかれる王僵屍。しかし――
GM:奥の手を使うか――特殊能力『霧散化』! 今の小夏のダメージは無効だ!
ディラン:やはり持っていたか。
王:何、最後の悪あがきだ(笑)
GM:次のターン!
小夏:よっし! 最初は俺だ!(コロコロ)……命中42! 『気功』でダメージ113点!
GM:『霧散化』2回目!
王:次はこっちだ。(コロコロ)……命中44! ダメージは105点!
GM:………………ラスト『霧散化』(笑)
王:本当にジリ貧じゃないか(笑)
めぐみ:次は私ですね♪
ディラン:止めをさしてしまえ(コロコロ)……『エアブレイド』でめぐみの命中+5!
めぐみ:(コロコロ)……合計42命中です!
GM:無理!
めぐみ:ダメージが(コロコロ)……62点! 魔法ダメージ!
GM:(コロコロ)……ファンブル。抗魔の達成値合計10(笑)
王:本当に運が無いですね(笑)
小夏:今年最後のセッションだぞ?(笑)
※このセッションのプレイ日は2003年の年末であった。
GM:まるで来年のダイス運を予期しているようだ……めぐみちゃんの一撃で王僵屍は倒れる。それと連動するように、一般人キョンシーもバタバタと倒れていく。
王:「ようやく…事を成し遂げた……」
小夏:「王、おつかれ! でも……思ったよりあっさり終わったな」――とても弱く感じたぞ(笑)
ディラン:一重にファンブルのせいだがな(笑)
王:「王僵屍のこの弱さ……何か、別の狙いがあったのかもしれない……」(真面目に)
小夏:「お前もそう思うか? やはり何か裏がありそうだな」(真面目に)
王:「もう少し、この日本に留まるべきか……」(真面目に)
ディラン:マスターの賽の目の悪さをシナリオの展開のせいだと言わんばかりの演出だな(一同爆笑)
GM:お、おのれ(笑)
めぐみ:「それより! 早く一般人の人たちを! 今ならまだ、間に合うかもしれない!!」

真竜伝説
第33話「僵屍王を倒せ!」

TOPリプレイ ⇒ S=F ⇒ 真竜伝説                      戻る