セブン=フォートレス V3 & パワード
超長編キャンペーンリプレイ
――世界名:ファー=ジ=アース 地方名:日本 場所名:???――
まったくを持って忌々しい。 人間とは愚かで浅はかで貧弱で、地を這う虫けらと同意義だと言うのに。 それなのに……時に思いもかけない力を発揮する。 『あの時は油断したわ……』 声にならない呟きが、その可憐な唇から紡がれる。 "彼女"は新たな身体に憑依し着々と計画を進めていた。 必要な駒を呼び寄せ。 必要な場所に入り込み。 そして、力が復活するのを待った。 『全ては私の手の平の上……しょせん、人間なんてこんなもの』 声が出ていたのなら、コロコロと鈴のような笑い声が響いたであろう。 "彼女"は心躍るように思いを馳せる。 もうすぐ全てが思い通りの結末を迎える。 制服姿の"彼女"は、目的地に到着し、その建物を見上げていた。 そこは、あの子と会う為に指定された場所だった。 真竜伝説 第34話「宿命の復活! 魂の咆哮!」 シーン1:イシルと王の出会い
王僵屍を倒して事件に一段落つけた王や小夏だったが、なぜかその胸中は穏やかではなかった。
王:「弱すぎる……何か裏がありそうだ」なぜなら…… 小夏:「ああ」 GM:って、まだそのネタ引っ張るのかよ(笑) 王:引っ張るね(笑)――「それに、なぜ日本に来たのかも気になる……もう少し、ここに留まろうかと思う」 小夏:「ならウチに来いよ。お前なら姉さん達も知っているし、文句も言われないさ」 GM:では小夏と王は小夏の家に帰るんだね? 小夏:そうする。 GM:じゃあめぐみちゃんは? めぐみ:一般人の人達が助かったのかどうか凄い気にはなりますが、後の事は普通のナイトウィザードの方々に任せて、一段落したら家に帰ります。 ディラン:私もホテルのスウィートルームへ帰るか。 GM:では小夏と王のシーンから行こうか。家に帰ってくると……そうだな、イシルは何をしているんだ? イシル:俺はソードマスターに転職したんで、その修行をしています。いや、今その修行が終わった事にしましょう――「ふぅ…こんなものか」――汗を拭きつつ。 小夏:「お〜〜い、イシル! もう大丈夫なのか? なんかこの前ぶっ倒れてたけど」(笑) イシル:「ん? ああ小夏、もう大丈夫だ。ちょっとバハムートの"気"にあてられただけさ。これからは俺もルオのように、精神を鍛えなければならないようだ」 小夏:「ふぅん、まぁ元気になったならそれでいいや」 イシル:「それより、その横の御仁は誰だ?」 小夏:「ああ、俺の古い友人で"王(ワン)"って言うんだ。いくら名前がワンでもワンワンじゃないぞ」(笑) 王:「だからそう言う紛らわしい紹介の仕方をするな! ゴホン……王だ。白虎の獣人だ」 イシル:「イシュエル=シルヴァーナ。イシルと呼んでくれ。ただの剣士さ」 小夏:おいおい、両方プレイヤーが一緒だから、このシーンやってるとちょっと面白いぞ。 イシル(王):いや、もうやめて下さい。どう考えても一人芝居です(笑) GM:じゃあ自己紹介も終わった所で3人は屋敷の中に入っていく。屋敷の中はまたドタバタしているね。 小夏:ドタバタ? ああ、事後処理とかそういう感じかな。 GM:それもあるけど……そうだな、メイドのナオミを見つけると、彼女は大きな鞄に荷物を詰めたり荷造りしている。 小夏:「ナオミー! 何やってんの?」 GM:「あ、小夏坊ちゃま! 帰り支度をしているんです。春鹿お嬢様の分は今終わりますから、次は坊ちゃまの分をやりますね♪」 小夏:「あ、そっか……アレを倒したんだから春鹿姉さんは九龍に帰るんだ。あ゛〜〜えっと、悪いんだけど、俺の荷造りはいいや。まだやる事ありそうなんだ」 GM:じゃあナオミはちょっと悲しそうな目をして――「そうですか……残念です」 小夏:「とりあえず、ご飯とか用意してくんない? もうお腹空き過ぎでさ(笑)」 GM:「はい、すぐに用意させますね! イシルさんと王もどうぞ?」 イシル:「ありがとう御座います」 王:「すまん」 シーン2:見守る者、託す者
都内某所にあるホテル最上階。特別な者だけが借りる事ができるスウィートルーム。
GM:ディランにカメラは向けられます。キョンシー騒ぎは夜魔の魔法使い達によって収拾が付けられ、次の日――キミはホテルのスウィートルームで優雅に寛いでいます。ディランは血のように赤い液体が入った、高級なグラスを傾けていた。 ディラン:では血のように赤い液体をグラスで傾けていよう(笑) GM:そんなディランは視線を感じます。知覚ジャッジ目標値24ね。 ディラン:(コロコロ)……成功。監視者の後ろへ『ダーム』で現れるぞ。演出なのでダームの距離は無視だ(笑) GM:なら君の因縁の相手がそこにはいる。場所はホテルから数km離れたビルの屋上。 ディラン:「覗きが趣味になったのか……カイザー」 GM:「気が付いていたか」――カイザーは驚きもせず反応する。 ディラン:「ふん。わざと気配を隠さなかった者がよく言う……私に何の用だ」 GM:「………………」 ディラン:反応があるまで黙っています。 GM:「………………いつまで"そちら側"にいるつもりだ」 ディラン:「……お前の知った事ではない」 GM:「終わりの魔剣……バハムートが気になるか」 ディラン:「察しが良いな。あれを所持者がどう使うか……私はそれを見届ける」 GM:「だが、アレは単体では真の力を発揮しない。もう一本と揃ってこそ本当の力を解放させられる」 ディラン:「ああ、わかっているとも」 GM:「なぜ、そのような遠回りな方法を取る。我等には時間が無いのだぞ? あと数百年後に訪れる我等の運命からは、今動かずして機はない」 ディラン:「もしそれが本当に運命というのならば私は諦めよう。だが"まだ"数百年ある。人間達がその運命を変える可能性もある」 GM:「万に一つに賭けると言うのか」 ディラン:「その可能性を引き上げてみせるさ」 GM:「………………」 ディラン:「………………」 GM:一陣の風が2人の間を吹き抜ける。そしてカイザーが再び口を開く――「ハラハラ=ルオには会ったか?」 ディラン:「始まりの魔剣ティアマトーの魔剣使いだな」 GM:「我はあの者の成長を目の辺りにし、その可能性を信じた。そして、剣を教え自らの限界を引き出す術を教えた」 ディラン:「やはりあの子に剣を教えたのはお前か」 GM:「だが……」――と、第一部の最後の回で、ルオが限界を超えてティアマトーの力を引き出すシーンがカットインされ(笑)――「だが……あの者は限界を超える力を使ってしまった。いずれ力に飲み込まれるだろう」 ディラン:「しかし、望みは1人では無い」 GM:「もう一人の魔剣使い……か」 ディラン:「お前がルオを見たのなら、私はイシルに力を貸そう。私は証明してみせる」 GM:「……いいだろう。お前の言うもう一人が信じられる存在か、可能性を持ちし者かどうか……我も見てみたい」 ディラン:「ああ」 GM:「だが、我は我で動かさせてもらおう。もう一本の魔剣がお前の言う可能性を持ちし者に渡らなかった場合……我は強行手段に出る」 ディラン:「私が側にいてもか?」 GM:「そちらには手を出さんよ。ただ、我の教えは最後まで受けてもらう……彼女にはな」――と消えていくカイザー。 ディラン:ではふっと空を見上げて呟く――「可能性を持ちし者……か。本当に私は託すしかないのか?」 シーン3:音信普通の事実とは
世界魔術教会日本支部。
GM:次はめぐみちゃんのシーンです。めぐみはキョンシー事件のあらましをアンゼロットに報告していた。 その顔は晴れない。何か思いつめたように沈んでいた。 めぐみ:私はアンゼロット様のところに行きたいです。 GM:ではアンゼロットの前です。王僵屍を倒した報告とかをしていたのでしょう。 めぐみ:「申し訳ありません……私は、例えキョンシーだったとしても助かるかもしれない人を……倒す事ができなかったんです……」 GM:ふむ、そういうシーンがやりたいのね。アンゼロットが応えましょう――「確かに、ウィザードとしてエミュレイターを倒すことは大事なことです」 めぐみ:「……はい」 GM:「しかし、そう言った甘さや優しさがあなた本来の強さなのです。例えそれがウィザードの本質と違っていたとしても……」 めぐみ:「………………」 GM:アンゼロットは優しい溜息をつきながら――「それを変えてしまっては、あなたはあなたではなくなってしまいますよ」 めぐみ:「それは……この前の判断で間違っていなかったという事でしょうか?」 GM:「それはわかりません。ただ、迷い逡巡する事は、時に必要な事です」 めぐみ:「…………はい!」 小夏:そうだ! 俺も登場して良い? キョンシー事件の裏をアンゼロット様に聞きに来たい。 GM:OKだよ。イシルと王も両方出てくるのかな? イシル:そうですね。2人とも気になっているでしょうし小夏と一緒に来ましょう。 小夏:じゃあ扉を開けて入ってくる。先客であるめぐみちゃんに――「お、めぐみちゃんも来てたのか」 めぐみ:「え、ええ…」 GM:「何か御用ですか?」 小夏:「はい。アンゼロット様、実は先日のキョンシー事件について聞きたいんです。どう考えても裏があるとしか……」 王:「なぜ日本に来たのか……何か知らないか?」 GM:「日本に王僵屍が来た理由に付いては、現在諜報部で調査中です」 小夏:「なら、なんで奴はそんなに弱かったんですか?」 GM:おい(笑)――「弱体化についてですか……まだはっきりした事はわかりませんが、誰かに操られていたのでは? との見解も出ています」 イシル:そんな馬鹿な(笑) あれはマスターのダイス目が悪かったからだ!(笑) GM:違う! 操られていたからだ! 小夏:ほらほら、マスターも一生懸命弱かった理由を考えたんだし(笑) めぐみ:「では、あの時の王僵屍より強い存在が……」 GM:「否定はできません」
めぐみの発言に神妙に頷くアンゼロット。気まずい沈黙が下りる。
イシル:沈黙を破るように言おう――「あ、そういえば……ミスティは?」小夏:おお、忘れていた(笑) GM:「それが……連絡が取れないのです」――困った風にアンゼロットが言います。 イシル:「連絡がって……」 めぐみ:「でも、一緒に上条先輩もいたのだから、連絡が取れないって無いんじゃないですか?」 小夏:「それに虎の子のロンギヌス達も一緒に行ったんですよね? それなら――」 GM:「それでも、連絡が取れなくなったのです……仕方ありませんね。これはあなた達の心労を増やすだけだと思い、黙っていたのですが」――と部屋にスクリーンが降りて来る。 イシル:「これは?」 GM:「ロンギヌスからの最後の映像です」――それは海の中をどんどん潜っていく映像です。画面外から"ボコボコボコ"と泡の音も入っています。 めぐみ:「魔のトライアングル……バミューダ海域に潜って行ってる時の映像ですか?」 GM:「そうです」――とチラホラと小さなエミュレイターが見えてくる、その数は数百。どれも月衣のバリアーで消滅するような蟲程度の存在だ。 めぐみ:気持ち悪いです……。 GM:と、映像はさらに潜って行き……その小さなエミュレイターが少なくなっていく。――「問題は、ここからです」――と知力ジャッジ! 小夏:(コロコロ)……11! イシル:努力して16! 王:ちなみに王は10だ(笑) めぐみ:20ですよ♪ ディラン:私はこの場にいないしな……。 GM:ではめぐみちゃんはわかる。海の底に巨大な影を、"目"と思わしき光点が妖しく…そして複数光るのを! めぐみ:大きなエミュレイターですか? GM:そして! 次の瞬間、映像を送ってきていたロンギヌスの横を合計640点のレーザー(怪光線)が貫く! 一同:『精霊獣かよ!!!』 GM:「か、回避できません!?」「無理…――」……そして上条の「ミスティーーー!!」との叫びが入って画像はブラックアウト――「これ以後、彼らとの連絡は取れていません。つい今朝方の出来事です」 イシル:「そんな……」 めぐみ:「ミスティを助けに行きたいです!」 GM:アンゼロットは少し考えた後……「わかりました。あと2時間待って下さい。それまでに準備しましょう」 イシル:「よし!」 小夏:「助けに行ける!」 王:王が言おう――「そのミスティという者も仲間か?」 小夏:「ああ――」 GM:と、言った所で王は急に苦しくなる。精神ジャッジ24で失敗は気絶ね。 王:(コロコロ)……ぬ、失敗してしまった。バタン。 小夏:「王! おい王!?」 めぐみ:「王さん!」 シーン4:2つの魂
倒れた王は世界魔術教会の医療室へと運び込まれた。
GM:一応医療班が診たところ王は肉体的には問題無い。ただ、あまりに原因不明の為、魔術的な検査を行う事になります。ガラス張りの部屋で寝かされ、CTスキャンとかで検査を受ける王。ここにいてもと小夏とイシルはミスティを助けに行く準備をしに家へと戻り、 めぐみだけが王の側に残っていた。 めぐみ:それをガラスのこちら側から心配そうな表情で見ています。 GM:検査員のいる部屋には、めぐみちゃんと……そうだなアンゼロットもいよう――「今の所、異常は見当たりませんね」 ディラン:「それはどうかな」――と部屋に入ってこよう。 めぐみ:「おじさん?」 ディラン:入ってきてモニターの前に立つ――「上段の左から3番目のモニターを拡大しろ」 GM:「え、あ、はい!」――と検査員が拡大。 王:ってなんだよ! いったい何を見つけたんだ? ディラン:知らん! 私に聞くな! 私は話しの流れから先読みして台詞を吐いているにすぎん!(笑) GM:ではアンゼロットが――「これは!?」と発見します。それは魔力をサーモグラフィーのように感知する検査機なんだが、王の魔力で一番強い部分が二重に重なって見える。 ディラン:「影だ……それも中心部に」(一同爆笑) 王:おいおっさん! なんか恨みでもあるのか?! 変な事言うなよ!(笑) GM:いやアンゼロットも否定しない(笑)――「魂を司る部分に、もう1つ……同じぐらいの魔力が集まって――いえ、融合している?」 ディラン:「そういう事だ。めぐみ、何か王に変わったことは?」 めぐみ:「別に……出会った時から何も変わっていません。王僵屍の毒を喰らってはいませんでしたし……それに……」(と、言葉に迷うPL) 小夏:(アンゼロット)『なぜ頬を赤くするのです?』(一同爆笑) めぐみ:じゃあそれで(笑)――「彼は、今まで出会った男の人の中で、とびっきり強い武人でしたから♪」 イシル:おいーーー! ってジョニーはどうした!? まだ形見を持っているんだろう? めぐみ:ジョニーさんはとびっきり素敵な男性です♪ 小夏:あ、一応区別はつけてるんだ(笑) ディラン:「めぐみ、こいつの素性を知っている奴を知らないか?」 めぐみ:「確か小夏が昔からの友人だって言っていました!」 ディラン:「連れてくるんだ。何かわかるかもしれない」 シーン5:約束の裕香
小夏とイシルが煌家の家へと帰ってくると、門のところで制服姿の女子高生がウロウロしていた。
イシル:「あれは?」それは、誰かを待っているかのようだった。 小夏:おお! きっとルオの友達に違い無い! 確か名前は裕香!? GM:その通り、彼女は君に気がついて走ってくる――「小夏さん……ルオは!?」 小夏:「約束だったしね。じゃあ行こうか」 GM:「はい」――笑顔で答えます。 イシル:「って小夏、この子は?」 小夏:「ああ、ルオの親友だってさ」 GM:「裕香です」――イシルに向かってちょこんと会釈します。 イシル:「あ、どうも……俺はイシュエル=シルヴァーナ。イシルと呼んでくれてかまわない」 小夏:(裕香に向かって)「まぁこいつもルオの友達さ」 GM:「ええ!? まさか……ルオの彼氏ですか? 外国の人?」 イシル:「いや、そういうわけじゃないが――」 GM:「でも、ルオがいなくなる前、あの子、彼氏がいたみたいですよ」――と裕香の説明する"彼"は、どう考えてもジョニーだ――「ちょっと、変だったけど……」 イシル:「大丈夫。その男にはちゃんと彼女がいるから」(笑) めぐみ:ポッ♪ イシル:って、彼女じゃねーじゃん!(自分にツッコミ) それにそこも"ポッ♪"とかしない!!(笑) GM:それを聞いて裕香は驚こう――「ええ! じゃあ彼女がいるのにルオにちょっかいかけていたんですか!?」 イシル:「いや、なんて言うか……」 小夏:「そうだね」(断定) イシル:おい!!(笑) 小夏:だって俺、そのジョニーって奴知らねーし(笑) GM:「ルオ、騙されやすい性格だから……それにしても、そのジョニーって人、酷い人ですね!」 めぐみ:ガンッ!!!――「ふーッふーッ」――って言いながら後ろに立っています。倒れる目の前の女子高生。 一同:『おいッ!』(一同大爆笑) めぐみ:「小夏〜〜何やっているんです〜」 小夏:「いや、何やってるってのはお前だよ!!」(笑) イシル:「一般人……だぞ?」 めぐみ:(逆ギレ)「何よこの子は! この子、ジョニーさんの何なの!?」(一同爆笑) イシル:「何でもないぞ。ただ話題に出てただけで……」 めぐみ:「ふぅ〜〜ッふぅ〜〜ッ……」――と、少し落ち着いて――「思わずここに何しに来たか忘れるところでした」 イシル:ところで裕香殿は? GM:気絶中って事で(笑) めぐみ:「とりあえず、小夏を借りていくので」 イシル:「え、俺は? それにこの子は?」 めぐみ:「知らないわよ、そんな子!!」(一同笑) 小夏:「いや、関係無いってその子」(笑) めぐみ:では小夏と一緒に退場します。 小夏:「イシル、その子をルオに会わさせてやってくれ!!」――最後に叫んでおこう。 イシル:「ああ、わかった」 シーン6:魂の夢は……
そこは真っ白な空間だった。そこを漂うように王は1人。
GM:と、こんないつも見る夢を王はベッドで寝ながら見ています。王をいつもの意識が支配する。 それは17、8歳の女の人を殺すという使命感だ。誓いや約束と表現してもいい。 『殺す…あいつを……それが…生まれてきた理由(わけ)……』 だが、その女性の顔だけははっきりしない。ただ王は理解していた。 もしその人に会ったなら、絶対に思い出すだろうと言う事を。 『あいつだけは許さん……あいつだけは殺さないと……そう、魂に誓って――』 王:そう言えば、そんな記憶があったな。すっかり忘れてたけど(笑) GM:ガラスの向こうには王、こちら側にはアンゼロットとディラン。その部屋にめぐみちゃんと小夏が入ってきます。 小夏:「おい、王が変なんだって?」 ディラン:「ああ、変だな。小夏、お前は何か知らないか? 少なくとも最近起こった事じゃない。もっと昔の……」 小夏:GM。俺は何か知ってるか? GM:ここで小夏は思い出す。今から5年前の話を―― 小夏:ほう! GM:それは世界中を周っていた小夏と、王僵屍を追っていた王がとある街でたまたま再会した時の話。その日は雨が降っていた。 王:その過去のシーンで小夏に背中を向け呟きます――『俺には二つ、探し物がある』 小夏:じゃあ俺も過去のシーンで静かに聞いていよう(笑)――『……』 王:『一つは封印を解いてしまった王僵屍……もう一人は女だ』 小夏:『女?』――と訝しげに。 王:『ああ、顔も名もわからない。ただ、そいつだけは許すわけにはいかない。そう、この魂がずっと叫びをあげるんだ……そいつを殺せ…とな』 小夏:『運命……いや宿命という奴か?』 王:『そんな…ところだ』――と自嘲気味に笑って回想シーン終了(笑) めぐみ:王さんカッコイイです〜〜♪ 小夏:「と、そんな夢を見るとか昔言っていたなぁ」 ディラン:「何かの強迫観念として、その夢の女を殺したいのだろうか……」 GM:「とにかく、今は様子を見ましょう」――最後にアンゼロットが仕切って、王は麻酔で寝ているまま病室へと運ばれていきます。 シーン7:再会するは凍て付く女王
王は繰り返しあの夢を見ていた。
王:「お前だけは許さない……絶対に許さん!!」――と叫んで起きよう。顔も名前もわからない女性を殺す決意をする夢を―― めぐみ:では目の前で涙目になって私がワナワナしています(笑) 王:「あ、いや、違うんだが……」(笑) めぐみ:「ご、ごめんなさい!」 王:「いやめぐみの事ではない。勘違いするな」 めぐみ:「そ、そうなんですか?……はぁ…よかった〜。でも大丈夫ですか?」 王:では少し遠くを見るような感じで――「実はずっと夢を見ていた……」 めぐみ:じゃあ小夏の言っていた夢の話をして――「もしかして、こんな夢ですか?」 王:「ああ、その通りだ。だが、どうしてそれを?」 めぐみ:「小夏から聞きました♪」 王:「そうか……誰にも言うなと言ったはずなんだがな」――苦笑しよう。 小夏:ごめーん(笑) 王:「まぁいい。あの夢を最近は良く見るんだ。もしかしたら近いのかもしれない……」 めぐみ:「その"殺さなければならない女"って人とですか?」 王:「ああ、そうだ」 GM:と、こんな辺りで隣の部屋から悲鳴というか、叫びが聞こえて来る。 小夏:(突然)「あぶないイシル!!!」(一同爆笑) イシル:おおおおぃぃぃ!!! なんで俺が危ないんだよ!!! 小夏:なんか暇だし(笑) GM:まぁなんでもいいんだが、じゃあその設定で行こう(笑) イシル:なんだその投げやりな設定は!(笑) GM:イシルは回避してみて(コロコロ)……命中63。 イシル:63!? (コロコロ)……無理だろそんなの。 GM:では隣の部屋はたまたまルオの病室だったのだが、その部屋にいた裕香にイシルは抱きつかれました(一同爆笑) イシル:「や、やめろ! それをされると俺は……『ボンッ』」(笑) 小夏:じゃあ俺は王の事が終わってから、裕香が心配でルオの部屋に来ていたんだな。それでそのシーンを目撃(笑) ……あれ? なんで命中が60もあるんだよ! 裕香一般人だろおかしいぞ、それ! イシル:それはドアの隙間から廊下へと逃げますよ! (コロコロ)……ギャー! 11分も直らねぇ(笑) GM:小夏は信仰心ジャッジをどうぞ。目標値18。あ、ディランもやっていいよ。 小夏:(コロコロ)……19! ディラン:(コロコロ)……クリティカルで21! GM:ではディランは、どこかの廊下を歩いている時に、"キンッ"とばかりに気がつきます。どこかで邪悪なる気配が高まっていくのを。 ディラン:「チッ」――と舌打ちしてそこへ『テレポート』する。 GM:そして小夏は見る。目の前で邪悪なオーラを纏っていく裕香の姿を。 小夏:裕香の方なのか!? ルオが目覚めたのかと思ったよ! ディラン:そんな小夏の横に出現して――「やはりか…こんな事だろうと思ったぞ」 小夏:「おっさん!?」 ディラン:「隠したくも隠しきれない悪意がうろついていると思ったが……どうやら目的はティアマトーの魔剣使いだったようだな」 イシル:廊下から"おにぎり"状態で言いますよ――「なんで裕香殿……いや、どうして俺の呪いの事を!?」 GM:裕香はうっすらと冷笑を浮かべて――「バハムートの所持者には、役立たずになっていてもらった方が楽だから……それに、あなたの呪いは私のお父様が与えたモノですもの、知っていて当然でしょう?」 イシル:は? え、ちょっと待って、それってもしや……。 GM:ルオもリーンもシャルマもいないしな……女性の声に思い出す事ができるのはイシルだけだ。知力ジャッジ18。 イシル:(コロコロ)……クリティカルで成功(笑) GM:裕香の言葉は、裕香自身の声も含んでいるのだが、それと重なるようにもう一人女性の声がかぶっている。その声をイシルは気いた事がある。そう、それは極寒の地――アルセイル地方での事だ。 『あなたが運命に選ばれし勇者ね』 『どうしようかしら? あなたをここで殺しておいた方がいいのかしら?』 『私? 私はそうね……あなたたち人間を滅ぼすもの……魔王の娘……そうとでも呼んでもらえばいいかしら』 イシル:苦々しい顔で("おにぎり"状態だが)言います――「魔王タラスの娘……ユーフォリアか」 GM:ふふふっと口元に笑みを浮べましょう。 イシル:ビシッっと指しながら――「お前はアルセイルで、ルオに倒されたはずだ!」 小夏:「誰だよイシル! この子は裕香じゃないのか?」 GM:「私は混沌軍を仕切る魔王タラスの実の娘ユーフォリア。訳あって今はこの子の体を頂いているわ。体が馴染むまで時間が必要だったから、少々この世界のエミュレイターで時間稼ぎをさせてもらったけど」 ディラン:「なるほど……王僵屍を日本に誘導したのはお前という事か」 GM:「ええ、その通り。……もっとも、それはただの"ついで"だけどね……王僵屍をこの国に誘導した本当の目的は別にある……」 ディラン:「本当の目的だと?」 GM:「答える必要は無いわね」 イシル:「それより、俺の質問に答えろ! どうしてお前が生きている!」 GM:「私の体は一度この子(ルオの方を見て)に壊されてしまったから……今は治療中なの。でも、それだと私が暇だから、この子に会えるコネクションを探して憑依させてもらったのよ」 小夏:「そんな事ができるのか!?」 イシル:「魔王タラスは人間の体に憑依していた。その娘のこいつが、それをできないいわれは無い」 ディラン:「魔王タラスの娘と聞いて、黙って見過ごすわけにはいかんな…正直、その裕香という娘にとっては不幸だが、ここで消滅してもらおう」――とマントがたなびきかせ、私の魔式邪念鞭がヒュンヒュンと音を立て始める。 小夏:「おっさん? ……いや、あんたは確かにそういう奴だな」 イシル:「クソ! "おにぎり"でさえなければ……」――と、ドアの影に隠れます(笑) ディラン:「一つだけ答えて貰おう。あの王僵屍が弱かったのはお前のせいだったわけだな」(笑) GM:(ピクッ)――「ええ、そうよ」(断言) 小夏:マスターが断言したぞ(笑) イシル:ダイスのせいでは無いと言いたいらしい(笑) ディラン:「だが、弱体化した王僵屍をわざわざ使うようならば、もっと強力なクリーチャーをお前程の者なら呼び込めたはずだ。そう……精霊獣とかな」 GM:「………………」 ディラン:「なぜ、わざわざ王僵屍を日本に呼び込んだ。それとも、精霊獣を使えなかったのか?」 小夏:何を言っているんだおっさん? ディラン:カマかけだ。どうも精霊獣だけ単体で動いているような気がしてな。 GM:「前半部分の質問にだけ答えてあげる。なぜ日本に王僵屍を呼び寄せたのか……それはね――そう、こういう事よ」――と裕香(ユーフォリア)がドアの方を指差すと、叫び声を聞いてやってきためぐみちゃんと王がいます。 めぐみ:ああ、いつのまにか来ていました!?(笑) 王:小夏の声が聞こえたし来るだろうとは思っていたがな(笑) めぐみ:どちらが指差されているのでしょう? GM:その指は王を指している。そして王、君はこの病室のドアのところから部屋の中を見た時、一人の女性の顔が夢の女性と一致する。 王:「あれは……」――ルオ……か。 小夏:俺の中だとミスティ説も濃厚だったんだけどな(笑) 王:しかし、なんでルオを殺す必要があるんだ? プレイヤーとして理解できないんだが……。 GM:では王の頭の中にフラッシュバック的に記憶が戻ってくる。それは君の魂に融合している、もう一人の魂の記憶だ。 ――それはとある森での約束―― 『この森を、動物達を、守る――約束』 その君の問いに、勇者ルオは真摯な目で頷いたのだった。 ――それは森が破壊された後の結末―― ルオ:「×××……ごめんなさい。あなたとの約束守れなくて……」 『オマエ、約束破った。それ、ワタシ許せない』 ――それは雪原の決闘―― 『ワタシの同朋、勇者の力で死んだ。その事実、変らない』 ルオ:「ごめん×××。謝ってすむことじゃない事なのは解ってる。……でも、ごめん」 『言葉、イラナイ。ワタシ、戦う、約束の為、約束破ったモノ、殺す……』
その時、ルオの病室の前で一人の獣人が叫びをあげた。
王:声の限り吼えて、ルオをキッと睨みつけるぞ!――「見ツケタ!」それは雄叫びとも悲鳴とも取れる魂の咆哮だった。 GM:そして全てを思い出す。自分がかつて混沌軍の超獣魔団の軍団長だった事を、そして獣魔大帝パンジャと呼ばれていた事を! 小夏:どういう事なんだ? ユーフォリアはまだ魔王の娘だし理屈もわかるが、なんでパンジャが王なんだ? GM:ではネタばらしと行こう。パンジャが倒されたあの時、こんな演出を私が言っていたのを覚えているかな?
――GM:ルオの目には見えるかな、パンジャが光の粒子となってどこかへと飛んで行くのを、風に流されるように消えて行くのを――
イシル:あぁ〜〜言っていたような気がする(笑)小夏:正直、あんま覚えてないがな(笑) GM:ま、まぁいい。そしてパンジャは人狼だけじゃなくて、プリーストもクラスに入っていたんだ。 イシル:それは覚えている。『命の盾』でガードされた覚えがあるし。 小夏:プリースト……そうか! アレを使ったのか! めぐみ:アレ??? GM:プリースト特殊能力『魂の共有』だ。これを使うと死亡時にその者の記憶を持った転生者が生まれる。もっとも、生まれたのはラースではなく、ファージアースだったし、時代的にも隔たりが生まれちゃったけどね。 王:だから時代が同列に来るまで、パンジャの記憶は封印されていた……そんな所か。 GM:そんな所だ。パンジャが死んだ時の光の粒子……これが魂だったわけだね。――そしてユーフォリアが言う――「勇者に会わせてパンジャの記憶を呼び覚ます。その為に王僵屍を使ったの…ちょっとめんどくさかったけどね」 王:「全て思い出した。どうして一人孤独だったか……どうして自分を"王"と名乗るようになったか……そう、自分は全ての獣の王だったからだ」 めぐみ:「王…さん?」 王:「王でありパンジャ……獣の王であり魔獣達の大帝……だが、それよりも優先するのは、約束を破りし勇者……奴は殺さねばならない」 ディラン:バチンッ! と王の足元を邪念鞭が打ちつけ、私が立ち塞がろう。 王:「邪魔するな」 ディラン:「そうはいかんな」 小夏:「おっさん! ちょっと待てよ! 王、お前もお前だ! いきなり何言い出すんだよ!」 ディラン:「話は聞いていただろう。王…奴は混沌軍――敵の生まれ変わりだ」 王:「すまんな小夏、お前のことを忘れたわけではない。ただ、その女の息を止める事は、全てに優先するんだ」――説得するように小夏に言い、冷徹な声で続ける――「そこをどけ、その女を大人しく渡すなら、他の者の命までは奪わん」 小夏:「だから落ち着けって! 正気かよ王!」 王:「正気だとも、何も狂ってなどいない」 小夏:「でも王――」 GM:と、小夏が頑張っているので邪魔しましょう(笑) ユーフォリアが手を上げ、ドアの方――王の方を向いている小夏の背中に向かって、不意打ちで魔法を放つ。 小夏:む、それは気が付けない。 めぐみ:「小夏危ない!」――私は王さんと一緒にドアの所にいるから気がついていいですよね! 小夏:「えッ」――と言って振り向いた瞬間―― ディラン:――『邪眼』発動。その魔法を打ち消す! 小夏:なぬ!?(笑) めぐみ:私は胸を撫で下ろします。 ディラン:「少しぐらい待ったらどうだ。まだ話しの途中だ」 GM:ユーフォリアは余裕の笑みを浮べよう。 小夏:「おい王!」 王:「どけ小夏、友であるお前までこの爪にかけたくはない」――と『獣化』して爪をギラリ(笑) 小夏:「例え、俺かお前か、どちらかの命が尽きようともか?」 王:「それが獣王の道だ」 めぐみ:「王さん……」 王:「すまんな、君も邪魔はするな。今は個人の思いより、約束を違えた者を処断する事こそ優先されるんだ」 めぐみ:「なら…私はあなたの前に立ちます。あなたも大事な人だけど、ルオ先輩も大事な仲間です……」 王:「………………そうか。なら仕方無い」――『超獣化』!! ディラン:「小夏、めぐみ、王はお前達に任せるぞ」 小夏:「ああ、この馬鹿は俺達に任せろ」 めぐみ:「はい、止めてみせます!」 ディラン:「さて」――そして私はユーフォリアへ向き直ろう――「お前の相手は私がしてやる」 GM:「そう……それは楽しみね」――では戦闘に―― イシル:マスター! ちょっと待ってちょっと待って! 俺は"おにぎり"に変身してから何分経ったか判定したいぞ! やっていいか? GM:あ、そうだねいいよ。 イシル:(コロコロ)……クリティカル! じゃあ元に戻っていいんだな(笑) GM:いいけど……2ターン目から戦闘に参加していいって事でいいかな? イシル:それで結構! じゃあ最初は王に集中しよう(笑) シーン8:大帝の魂
ルオの病室で繰り広げられる戦闘。
めぐみ:「王さん、あなたを止めます」(コロコロ)……命中20!王vs小夏&めぐみ、ユーフォリア(裕香)vsディランの戦闘である。 ルオのベッドの付近には、ユーフォリア、小夏、ディランが、病室のドア付近には王とめぐみが立っていた。 王:それは目を閉じたままスッ(コロコロ)……回避成功。その手を優しく掴んで後ろへ受け流し――「どいてくれ」 めぐみ:ああ、優しくされた(笑) GM:次は王かな? 王:そうだな。しかし、なんて都合のいい特殊能力を取っていたんだ。まさか自分が敵になるとは思ってもみなかったが……『瞬撃』――全力移動後に攻撃可能。ルオを速攻で殺れる(笑) GM:ではどうぞ。 王:全力移動(コロコロ)……7スクエア移動、目にもとまらぬ一陣の風となりディランと小夏の間に入って、ルオに攻撃する。 小夏:まだ未行動だからカバーリング可能だよね? ルオを庇うぞ。 王:ぬ、それは寸止め不可能だな(コロコロ)……ファンブル。命中30。 小夏:ファンブルでそれかよ(笑) (コロコロ)……受け31で成功! 王:ダメージは(コロコロ)……96点だ。すまんな小夏(笑) 小夏:『気功』使用(コロコロ)……80点防いだ。王の爪を俺の手で止めきる! だが、爪はめり込み血が流れ出る――「王、本気なんだな」 王:「……さっきからそう言っている」 小夏:『龍炎』! 俺の炎が手を包み込み――「もう後戻りはできないぜ! あとから後悔するなよな!」 王:「無論だ」 GM:では次はユーフォリアだな。オリジナル特殊能力を使います。 ディラン:オリジナル? GM:裕香とユーフォリアの声が重なって聞こえるって言ったでしょ? これを使って、二つの口で同時に二つの魔法を使います。 ディラン:連続魔か!? GM:その通り。今回は両方の声がハモリます、同じ魔法を2つ使う――『凍れる竜の鋭きアギトよ。彼の者喰らいて切り裂きたまえ――"氷竜裂壊<ギルド・ギタン>"』――2体の氷の竜が出現します。召喚術みたいなレベル。ディランと(コロコロ)……めぐみちゃんを狙います。 ディラン:めぐみの方に『ダークバリア』! 抗魔を上げとけ! めぐみ:ありがとうございます! GM:では命中が(コロコロ)……ディランに34。めぐみちゃんには(コロコロ)……36。 ディラン:回避失敗だ。 めぐみ:『超獣化』で42回避! GM:じゃあディランだけか。ダメージは(コロコロ)……91点! ディラン:魔法ダメージは厳しいな(コロコロ)……だが、重症値までは行ってない。余裕の顔で佇んでいようか(笑) GM:「なかなかやるみたいね」 ディラン:「この程度、過去の戦いに比べたらどうという事はない」 めぐみ:次は再び私の行動です! 移動して王さんを殴ります(コロコロ)……命中27。 王:片腕は小夏に取られているからな、もう片方の手で受けよう(コロコロ)……よし、受け成功! めぐみ:ダメージは35点です。 王:(コロコロ)……うむ、防ぎきった! 完全に受け止める!――「これ以上はやめるんだ……どけ!!」――2人の腕を持って、2人をまとめて投げ飛ばしたい! GM:筋力ジャッジで対抗していいよ。 小夏:(コロコロ)……14! めぐみ:(コロコロ)……29! 小夏:おお! めぐみちゃん凄い(笑) 王:甘いな、こっちは37だ!――「めぐみ、小夏…獣の王はこの程度では立ち止まらない」――と2人を壁まで突き飛ばし――「ルオ…お前を殺すまでな」 GM:次は小夏かな。 小夏:なら壁まで吹っ飛んだ俺が白いプラーナをまとって立ち上がる! そして立ち上がると同時にそのプラーナが拳に集まってくる! ――「手加減は無しだ。確かにお前は強いよ……でも、今のお前はそれだけだ! 心の伴わない強さなど、本当の強さじゃない!」――『気功』『神竜』発動! 王:「小夏……」 小夏:そして『明鏡止水』!! 王:なにーーー!? 回避だけが希望だったってのに(笑) 小夏:友と対峙する時は全力を持って相手をするのが礼儀! (コロコロ)……ダメージは502点!! 王:500? それは即死だろう(笑) 小夏:「後悔はしないって言ったよな」 王:「ああ……言ったさ」――と、呟いくと同時に胸元から血が噴出す! ディラン:次は私の番だ。王が即死する前に『コールド・スリープ』をかけたい。リプレイで前にシャルマという女天使が使っていた方法だ。何も問題は無いはず。(コロコロ)……発動成功。 めぐみ:「この魔法はジョニーさんが一時的に救われたあの……」 王:パキパキパキ……と氷が全身を覆って凍て付いた氷柱になろうか。 小夏:「おっさん」 ディラン:「お前も…後悔はしたくないだろ」――そしてターン終了! GM:丁度良いな(笑) 王が動けなくなって、イシルが逆に動けるようになるし(笑) イシル:まったくだ(笑) シーン9:死の接吻
王の身体がぴきぴきと氷に覆われていく。
GM:「せっかく、パンジャを思い出させてあげたのに……これじゃあ拍子抜けね」――つまらなそうに言い捨てます。ディランの放った魔法は、対象の生命活動を寸前で停止させ眠りに付かせる魔法だった。 そして、王の体を氷が完全に隠すのを、つまらなそうに見る女性がいた―― 小夏:それは怒ったぞ! ユーフォリアを睨みつける! GM:「怒ったの? でも駄目よ。この体はこの子(ルオ)のお友達の体、おいそれと攻撃しては死んでしまうわ?」 ディラン:「ふん、お前の思い通りに行くと思うな」 GM:「そうね。でも今のように『コールド・スリープ』で助ける事はできないわよ。いざとなったら、この体を自爆させる事なんてわけないのだから」 ディラン:「くっ……」 GM:「さぁどちらがイニシアチブを持っているか理解してくれたかしら? ならそこの男……ディランと言ったわね。王にかけた氷の魔法を解きなさい」 めぐみ:どういうことでしょう? GM:簡単に説明すると、現状の王は重症値の状態で冷凍されているんだ。『コールド・スリープ』はそういう魔法だしね。で、このターンの最初の行動はユーフォリアなので、王に向けて『凍える痛み<キ・ロー>』を使って、重症状態でも動けるようにします。 小夏:回復されるってわけだな。 ディラン:私的には裕香が死のうが王が死のうがどちらでも良い――というのが本音だが?(笑) どうする2人とも(と小夏とめぐみを見る) 小夏:くっ…この冷血おっさんめ! めぐみ:迷い無さ過ぎです! ディラン:そう言うな、私は私の行動理念で動いているんだ。キミたちとは違う。 めぐみ:「やめて下さい! もうこれ以上、王さんを罪人にしないで!!」 小夏:「それに、王の氷をといたら、王はまたルオを狙う……俺は次も止めきる自信は無い」 ディラン:「と、いう事だ」――ユーフォリアに向き直ろう。 GM:「つまり、あなた達は、王をほうっておいて、この裕香という人間を殺す選択をするわけね」 小夏:「それは違う」 GM:「どうして?」 小夏:「どうしてもだ!!」 GM:「……子供ね、考え方が」 イシル:「そうでもないさ。寄り代からお前を追い出せばいいだけの話だ」――と、部屋に人間に戻った俺が入ってくる。 小夏:「イシル!」 イシル:「それに、例え氷をといたとて、お前がその子(裕香)の体を解放するとは思えん」 GM:「ふふっ…良くわかっているじゃない。私が約束を守るとでも思っていたの?」 小夏:「なんだってー!?」 イシル:「思ってないさ。お前の嘘にはアルセイルで十分に懲りているからな」 GM:「そんな悪いことを言う子には――」と最初の行動はこっちなので、瞬間移動でイシルの目の前、イシルの顎を持ってキスをします。 めぐみ:キィスゥ〜!? ディラン:接吻か。 小夏:戦闘中に何をしとんじゃこの女は! イシル:ちょっと待て! キスってそれって内臓凍る即死魔法じゃ!? GM:その通り! 即死魔法です『氷色吐息<チル・リップ>』(コロコロ)……発動。
『氷色吐息<チル・リップ>』――抗魔20に成功しないかぎり即死する。抵抗に成功しても魔法攻撃力37のダメージを受ける。直接、被害者の口から冷気を吹き込み、内臓に致命的なダメージを与える魔法。
GM:忘れていないだろうが、これも裕香とユーフォリアのダブル発動なので、2回判定してな(笑)小夏:うわぁ〜〜美味しいシーンだな。 めぐみ:思わず凝視しちゃいます(笑) イシル:いやいやいや、女性に抱きつかれて『ボンッ』な俺としては、こんな事は初めての経験だよ!? ディラン:よかったなイシル。 イシル:良くねーよ! 何が楽しくてこんな性悪女と! GM:ちなみに普通にキスの命中は物理命中として扱うので(コロコロ)……命中65。 イシル:高ぇーよ! なんだその尋常じゃない数値は!(笑) GM:魔王の娘ですから。前回は復活したてで弱かったからな。今回は人間の寄り代とはいえ、パワー調節は問題ない。 イシル:クッ……だが、ここで当たるわけには(コロコロ)……クリティカル! 『見切り・壱』効果で絶対回避!! めぐみ:おお〜!?(←ちょっと残念そう) 小夏:チッ(笑) イシル:後ろに飛びのいて――「妙な行動に出ると思ったら『氷色吐息<チル・リップ>』か……あいにく、内臓から氷付けにされるわけにはいかないのでね」 小夏:とか言いながら、イシルの心臓はバクンバクン言っていると(笑) イシル:違う!(笑) あ、いや、わからんが(笑) GM:さて、次はめぐみちゃんだぞ。 めぐみ:「わからない……どうすればいいの」――と行動を遅らせます! GM:次は小夏。 小夏:めぐみちゃんと同じだ。少しの間とは言え、裕香とは話をしたし、殺すのは目覚めが凄く悪い。拳に迷いが出て行動が遅れるよ。 イシル:次は俺だが……小声でおっさんに――「おい、おっさん。前にルオは魔剣ティアマトーを使って、心を邪悪に侵された人々を救っていた。もしかしたらこの魔剣バハムートでも同じ事ができるんじゃないか?」 ディラン:「ほう……」 イシル:「力を貸してくれ……たぶん、いやきっと俺一人の力では無理だ。あんたの魔力がいる」 ディラン:「いいだろう。力を貸してやる」 イシル:と、言うわけでおっさんの行動順まで行動を下げます。 GM:ふむ、何か企んでいるようだが……まぁ次はユーフォリアだ。連続魔法で(コロコロ)……『氷竜裂壊<ギルド・ギタン>』発動。ディランとイシルに(コロコロ)……29と32命中。 ディラン:『物質透過』で完全回避。私の後ろの壁が氷の竜によって破壊される。 イシル:プラーナ解放(コロコロ)……35回避! GM:ぬぅ、さすがにイシルは回避が高いな(笑) ディラン:さぁ今度はこっちの番だな――「イシル、準備は良いな」 イシル:「ああ…」――と言って、バハムートを鞘に収めて『居合い』の体制をとります――「ユーフォリア、お前の魂だけを断ち切ってみせる!」 GM:「終わりの魔剣バハムート……か」――(コロコロ)……バハムートが来た場合は回避59で避けるので。 イシル:ぬ、警戒されてるのか? ディラン:ほう、では私の攻撃は避けないという事かな? GM:避けないであげましょう。どうせ死ぬのは裕香の体ですからな。 ディラン:……イシルに目線だけで突発的に作戦変更を伝える! イシル:はぁ!? いきなり何言うんだよおっさん! ディラン:まずは私が魔式邪念鞭で攻撃する! 避けないのなら絶対命中でいいな? ダメージは74点! でも重要なのはダメージではない! そこで『邪眼』発動! GM:『邪眼』? 別に魔法は使ってないぞ? ディラン:魔法的なものを"排除"する事は可能なはず! もちろん、私だけの力ならできないが……(チラリ) イシル:そうか! バハムートの『小さな奇跡』を使用! おっさんの鞭が裕香からユーフォリアの精神だけを抜き取る! ディラン:その通りだ! さらに『収奪』を使用! 剥がしたユーフォリアの精神体を凍らす! 私の魔力は精神体だろうと全てを凍らせる!――「今だイシル!」 イシル:………………。 ディラン:どうした? イシル:いや、よく計算したら俺の攻撃力はダイスを入れても100を越えるか越えないかだ。 ディラン:それがどうした? イシル:確かユーフォリアをルオが倒した時、120点強ぐらいのダメージを与えてた覚えがある……そう考えると、この一撃で倒せん。 ディラン:おい!(笑) 小夏:でも、今までのパターンを考えると、次の行動になったら、ユーフォリアは復活しそうだぞ? イシル:そうなんだよな……。 めぐみ:バハムートってそんなに強くないんですか? イシル:いや、『大いなる怒り』と『斥力場』があるから、本当は強いんだけど、まだこの力は引き出せてないんだ。正確に言うとGMから許可が下りてない(笑) GM:まぁその二つは"あるイベント"をこなさないと自由には使用できないからな。 めぐみ:フラグが立ってないんですね(笑) GM:そういうこと(笑) イシル:!? そうだマスター! この二つの特殊能力を使ってもいいかな? もちろん、その後ルオがやっていた精神ジャッジは覚悟するから! GM:ほう、その覚悟があるなら良いだろう。バハムートは君に力を貸す(笑) イシル:「今だけでいいバハムート! 俺に力を!」――『大いなる怒り』×3! 『斥力場』でユーフォリアが俺の方へ自動的に引かれて来る! そして絶好の間合いになった所で『居合い』だ!! GM:氷の中でユーフォリアの精神体が驚いた顔をする。 イシル:「今も昔も、お前は人間を舐めすぎだ! 人間を、そしてそれらに連なる全てを――『明鏡止水』」そしてプラーナ全部解放!――「ユーフォリア、お前の時代はもう終わったんだ。帰るべき場所へ帰るがいい」――(コロコロ)……ダメージ132点!!! GM:氷がユーフォリアごと砕け散る!――『これで……私達の計画が滞ったとは思わない事だ……今だ、計画通り世界は進んでいる……そう、全ては大いなる母の為に(にやり)』パッキーーンと砕ける。 イシル:砕け散った氷に向け――「言われなくとも判っているさ。俺達人間は、お前達魔族や混沌軍に比べて、はるかに力も無く魔力も無い。だがそれゆえに、常に前を向き歩き続ける事ができるんだ。この後、お前達がどんな計画を進めていようと、俺達は負けない。決してな」――パチンとバハムートを鞘に収めます。 めぐみ:おお〜カッコいいです〜♪ 小夏:うむ、今回ばっかりは認めてやろう(笑) ディラン:良くやった。これでカイザーにも面目が立つ(笑) GM:だけどイシル君、この後君は精神ジャッジ目標値30だ。 小夏:あ……。 イシル:大丈夫。その為にあと10点だけプラーナを残しておいたのだから笑) ディラン:意外にこすっからい事しているな(笑) GM:では判定してくれたまえ。 イシル:プラーナ解放で24なので、6以上(コロコロ)……5。失敗(一同大爆笑) GM:なにやらイシルから黒いオーラが立ち昇り始めます。邪悪な感じはしない。 イシル:馬鹿な!? いい計算だとおもったのになぁ(笑) めぐみ:結局ルオの二の舞です(笑) 小夏:認めるわけにはいかないな(笑) ディラン:カイザーに面目が立たなくなったぞ(笑) イシル:うっさいな! しょうがないだろダイス目なんだし! ディラン:「やはり、ルオを選んだカイザーの方が正しかったのかもしれんな」(ボソっと) めぐみ:「このままじゃ……フォーラの魔の森のように……」 小夏:「なんかやばそうだ! 悪いがイシル! ちょっと痛いけど我慢しろよ!」 めぐみ:「小夏!」――と『エンチャントフレイム』をかけて、それと同時に『プラーナ譲渡』! 小夏:「よし、これで『神竜』が打てる!」 めぐみ:「イシルが暴走する前に早く!!!」 イシル:ってめぐみ殿!? なんで譲渡できるのに、俺にしてくれなかったんだよ!? めぐみ:あ、そういえば……そうでした(笑) 小夏:結局、気絶させればいいのか? GM:そうだね。イシルが気絶すれば暴走は止めれた事にしよう。でも今回はイシルのHPにバハムート自体のHPやプラーナもプラスされるから。それを全部削りきらないと気絶させられないぞ。 小夏:OKじゃあプラーナ解放! 計算的に言って、ちょっとイシルは死んじゃうけど諦めろ! クリティカルを4回ぐらい振って気絶しなかった場合の方が大惨事だ(笑) イシル:いいとも、それぐらい覚悟の上だ。 小夏:行くぞ『神竜』! (コロコロ)……172点! GM:バハムートはプラーナを22点解放! イシル:自分のHPとバハムートのHPを足して、えっと……ダイス目で28以上振れば死なない。 一同:『いや、死ねよ』 イシル:なんか声揃えて死ねって言われるのは嫌だなぁ(笑) ほっ(コロコロ)……7クリティカル(笑) 一同:『おい!!!』 イシル:いや、大丈夫ですって(コロコロ)……よし止まった(笑) マイナス14点で死亡。 小夏:よし! イシル:俺は気絶しながら、今だ弱い自分の心に悔しがります。――『まだ、修行が足りなかったか……まだ、まだだな』――バタン。 真竜伝説 第34話「宿命の復活! 魂の咆哮!」 了 |