ソード・ワールド 2.0 ――そこは3本の剣が創りしラクシア。中世ヨーロッパに似て非なる世界。 ――300年前、蛮族の大侵攻<大破局>により人の文明は破壊され、禍々しい異形なる蛮族や 怪物が闊歩することになった世界。 ――そんな世界を自由に旅する者たちがいた。人々は彼等をこう呼んだ ――冒険者――と。 百年の虚読SW2.0リプレイ(5) ◆成長申告をどうぞ GM:それでは第5話を始めます。というわけでそれぞれ成長申告をテューレから――テューレ:まずはシューターを2LVに上げました。 現在シューター2、マギテック3、スカウト3です。能力値成長で敏捷が上がって24でブレイク、 さらに器用度が上がる指輪を買ったのでソレを足して24でブレイクッス!(1) ミナ:なんか凄い強くなった感じね(笑) テューレ:いろいろタイミングが良かったッスからね。あとマギスフィア(中)も買いました、成長は以上ッスね。 アルト:次はアルト! グラップラーを3LVから4LVに上げたよ! 能力値は生命力が22になった! あとアラミドコートを買った! 防具習熟は無いけど、筋力+10だから無理して着てる!(2) ミナ:武器も防具も無理して着てるのね(笑) アルト:ちょっとキツい(笑) あと敏捷のあがる指輪も1つ買っておいた。それぐらい〜。 ミナ:次は私ね、能力値は3ゾロ……またです。そんなわけで筋力がアップ。技能はエンハンサーを1LV取得で錬技は<ガゼルフット>を取得。買い物は無しね。(3) 権兵衛:最後は余だな。余は技能の成長は無し、能力値は知力が上がり28になった、叡智の腕輪を持ってるので総計30、ブレイクだ。 GM:30もあるのか……。なんか今回は能力値のボーナスがブレイクする人が一気に出ましたね。 ミナ:私はしてないけどね。 ◆表1つの裏2つ
南の森で伝説の黄金の毛皮を狩って帰ってきたミナ達だったが、その報告をした時、マスターは微妙に顔を曇らせたのだった。
ミナ:ねぇマスター、何かあったの?GM:「ああ、実は実入りの良い仕事があるんだが……ちょっとキナ臭くてな」――挫折の始まり亭に戻って来たキミ達から黄金の毛皮を受け取りつつ、マスターは教えてくれます。 ミナ:キナ臭い? GM:「ああ、お前らが森に行ったあと、ちょっとあってな……そうだ、お前らこそ森で何かおかしなことがなかったか?」 権兵衛:そうだな、ミナが乙女で無いとか乙女で無かったとか。 ミナ:権兵衛のこめかみをゴリゴリする――ってか、両方同じ意味じゃないのよ! テューレ:まぁおかしなことって言うと、額に傷のある白い馬が何頭かいたッスね。 GM:テューレの話を聞いて「やっぱりか」的な顔をします。 アルト:どうかしたの? GM:「今3つ程依頼が来ているんだが、どれか受けてみる気はないか?」 ミナ:いきなり唐突ね……それがキナ臭い話に繋がってるなら、3つともどんな依頼か聞かせてくれる? GM:「そうだな。じゃあまず……――」 ――マスターの話した3つの依頼―― ◆1つ目。表の依頼。幻獣ユニコーンの密猟者退治。 密猟者1パーティを退治するごとに2500ガメル。 またユニコーンを無事保護することで1頭辺り1500ガメル。 ◆2つ目。裏の依頼。幻獣ユニコーンの密猟依頼。 ユニコーンの角1本あたり3000ガメル。 また密猟の邪魔をするパーティを1つ倒すごとに3000ガメル。 ◆3つ目。裏の依頼。幻獣ユニコーンの退治依頼。 最近、人に害を出しているユニコーンがおり、奴らは害獣である。 害獣ユニコーン1頭退治するごとに2000ガメル。 また害獣退治を邪魔するパーティを1つ倒すごとに2000ガメル。 ミナ:裏の依頼直球ね、そして裏の方が報酬が魅力的だわ♪ テューレ:裏の依頼の方が多いのは、挫折の始まり亭だからッスかね。 権兵衛:それぞれの依頼主はわかっているのか? GM:ああ、裏の依頼もあるしスカウトで振って下さい。 テューレ:俺っちがやるッスかね(コロコロ)……ファンブル。 権兵衛:……余は10だ。余はなんでも知っておる。 GM:2つ目の密猟依頼の依頼主は『黒い炎』という、麻薬系に強い犯罪組織だね。 ミナ:1つ目の保護依頼は? GM:表の依頼だから有名です。『騎士神ザイア神殿』から出てます。 ミナ:騎士神ザイアか……確かに保護とかしそうね。 テューレ:3つ目の依頼主はわかるッスか? GM:マスターからの情報程度ですが、3つ目の依頼主は単純にこの街を守りたいって思っているある貴族らしいね。害獣と化しているから退治したいけど、表向きはユニコーンを倒すと密猟者扱いされかねないので裏の依頼になってる。 アルト:つまりその貴族さんは良い人なんだね! ミナ:神殿からの保護依頼、犯罪組織からの密猟依頼、貴族から退治依頼……ね。 GM:ちなみに貴族の依頼では、襲ってくるような害獣化してるユニコーン以外は倒しさないで良いと言ってるようです。あ、そろそろユニコーンについてセージで判定して下さい。 権兵衛:(コロコロ)……18だ。余の知ってる事を教えるが良いGM(笑) GM:む、ユニコーンの弱点まで抜きますね。ユニコーンは6LVのモンスターで、妖精魔法を6LVまで使います。まぁ最大の特徴は[癒しの角]だね、MP10点でHPを完全回復させます。(4) 権兵衛:――と、言うわけだ。 テューレ:ユニコーンのMPっていくつッスか? GM:86です。 アルト:86!? それじゃあ8回も完全回復してくるの? さ、さすがに勝てないかなぁ……。 GM:そうだミナ。ユニコーンの角は倒した際に残っていたMPが、そのまま角に残ります。そして残ったMP×300ガメル分の価値が、その角にはつきます。 ミナ:……え!? それじゃあMPが10残ってるだけで3000ガメル? 86点丸々残ってたら……25800ガメル! おお!! テューレ:あ、姉御、さすがに普通にやって勝てる相手じゃないッス。皮算用も良い所ッスよ(笑) 権兵衛:データだけ見るなら長期戦をすれば勝てそうだが……長期戦になると向こうは完全回復をしてくるからやっぱり無理だな(笑) ミナ:それにこの攻撃力……2D6+6……みんな2撃食らうと落ちちゃうわね。 アルト:うーん、正面切って戦ったちゃダメなの? ミナ:正直無理ね。裏の依頼は両方魅力的なんだけどなぁ……。 テューレ:そういえば前回の最後、白い馬に姉御達が跳ねられたッスけど、あれってユニコーンだったんスか? GM:あ、それはもう一度セージ技能で振って下さい。 権兵衛:(コロコロ)……成功、あれはユニコーンだ!――と、わかって良い? GM:わかって良いです。そして、それと同時に権兵衛は不思議に思う。先ほど言ったようにユニコーンの角は売れます。なので角を奪われる場合、すでにユニコーンは倒された後がほとんどです。 権兵衛:つまり生きたまま角の無いユニコーンは違和感がある、と? アルト:じゃあユニコーンが自分で角を無くす……とかは? MP使いきっちゃったりして。 GM:MPを使いきると角は消滅します。そして同時にユニコーン本体も死亡します。 アルト:そうなんだ……うーん、アルト良くわかんない(笑) GM:マスターが言います――「裏仕事がココに来るのは不思議じゃないが、ユニコーン関連だけこうも集まるのはキナ臭くってな……」 ミナ:まぁ、確かに何かありそうよね。 GM:「もっとも、そんな事はまったく気にしない者どもが、ココには集まってるんだけどな」――と自分のテーブルに着いたまま、幻獣の森から帰って来たミナ達から、何か今回の依頼に役立ちそうな情報が盗み聞けないかと、じっと耳を欹てている冒険者グループが何組か……。 テューレ:姉御、奴らやっちまうッスか? アルト:そういう卑怯っぽい事は嫌い! アルトがガツンとやる? ミナ:じゃあ立ち上がって、その数組がいる方を見ましょう。 GM:視線を一斉に逸らします(笑) ミナ:あんた達もこの依頼を受けようとしているのよね?もちろん、私たちはさっき森である情報を手に入れた、ユニコーンに関するね。……さて、その情報が欲しかったら300ガメル払いなさい。そしたら売ってあげるわ! 権兵衛:売るのか!(笑) テューレ:さすが姉御ッス(笑) GM:冒険者たちは「300か」「でも300は高いよな」とかコソコソ。 ミナ:じゃあ宣言する――ただし! GM:ただし? ミナ:先着1グループのみによっ!! GM:「買った!」
さりげなく300ガメルせしめるミナ。
GM:「それじゃあ貴族の依頼を、我らは受けようと思う。情報感謝するよ、ミナ」――紫髪の女性を筆頭にしたパーティーが、そのまま挫折の始まり亭を出て行きます。ミナ:あ、貴族の依頼を受ける人だったんだ。 テューレ:マスター、あのパーティーが行ったせいで、もう貴族の依頼は受けられないなんて事になったりするッスか? GM:そんな事は無いです。複数パーティが同じ依頼を受けても構いません。 ミナ:そうなんだ……よし、それじゃあ残ったチームに向かって、私は笑顔でもう一度言おう――さて、さっき話した情報だけど、条件次第じゃ他のみんなにも話してあげなくは無いわ。 GM:「え、マジかよ!?」 権兵衛:モヒカンとかが「でもどうせ600ガメルとか言うんだろう」とか(笑) ミナ:チッチッチッ、次は100ガメルよ。 アルト:え? どういうこと? ミナ:それも、先着順じゃなく、100ガメル払ったパーティーにはちゃんと教えてあげる。 GM:どういうことですか? 条件が……あるんですよね。 ミナ:もちろん♪ 100ガメルで売る条件は――『暗い炎の密猟依頼を受けること』――よ。 GM:え、そんな事で良いなら(コロコロ)……3組ほど100ガメル払います。もともと金に困ってる連中で、こんな所にいるチームです。裏の仕事だろうと報酬が高いものを選ぶのは基本ですし。 テューレ:本当にその条件で良いんスか姉御? ミナ:もちろんよ。それじゃあその3チームに情報を話します。ごにょごにょ……――。 権兵衛:なるほど……そういうことか! ミナの考えてることがわかったぞ! 余だからこそわかった! アルト:ウサギさん、アルトわかんない……教えて教えて? 権兵衛:そっちのエルフはどうだ? テューレ:む……ま、まぁ、姉御の考えはいつも深いッスから、俺っちにはなんとも……ッスね。 権兵衛:ふんっ、2人ともしょせんは凡人だな。やれやれだ(笑) テューレ:耳掴んで吊るすッスかね。 権兵衛:教えてやろう。つまり……密猟者をわざと底増ししているんだ。違うか、ミナ?(5) ミナ:ピンポーン♪ 権兵衛正解! テューレ:そういう事ッスか! さすがは姉御ッス(笑) アルト:え、え、ええ? どういうこと? 権兵衛:つまり今の交渉で密猟者が3チーム増えただろう。そしてミナ本人は神殿の依頼を受けるんだ。そうすれば確定で3チームは密猟者がいる(笑) ミナ:ま、そういうことね。 アルト:うわぁ、ミナが凄い悪い顔してる(笑) ミナ:天下の美少女を捕まえて悪い顔とは失礼な! ◆ザイア神殿の神官戦士
まずは表の依頼を受ける事にしたミナ達は、そのまま神殿に向かうことに。
ミナ:うーん……実は迷ってるのよね――と歩きながら(笑)大通りを4人で進み、やがて大きなザイア神殿が見えて来た。 アルト:迷ってる? ミナ:私たちってユニコーンが害獣化しているのを身を持って知ってるわけでしょう? だから神殿の保護するって依頼はマトモに受けたくないのよ。 アルト:まぁアルト達は轢かれたしねぇ。 ミナ:でもせっかく増やしたんだし、密猟者退治もしたい……。だから神殿の依頼を半分だけ請け負いたい……っていうのが本音かな。 権兵衛:神殿の方が良いに決まっている。国を動かすには政治だけでは駄目なんだ、宗教も取り入れる必要があるからな。 テューレ:タビットって神様信じないんじゃなかったんじゃないッスか? 権兵衛:神など信じぬ! だが、民衆はそのような拠り所を必要とするのもまた真実。 ミナ:まぁ、なんでも良いから二重に依頼受けましょうよ? 権兵衛:それが本音かっ!(一同爆笑) アルト:アルトも本音を言うと、あの角無しはぶっ飛ばしたいなぁ。 テューレ:角が無ければHP全快の特殊能力も……たぶん……使えないッスから、勝算はある気がするッスね。 権兵衛:余としては1つの依頼に全力を注ぎたい派、たぶんそういう派だ。今決めた。 GM:で、結局どうするんですか? ミナ:ん? もちろん神殿に行くわ。密猟者退治を受けるのは確定だしね。
――神殿に到着
GM:神殿の中、ガタイは良く、しかし顔は優男風な戦士が現れます。ミナ:ガタイが良い優男風……キモいわね。 権兵衛:なんだお前は! 余は密猟者退治にやってきた! GM:「おお! 正義の心を持つ冒険者の方ですね! 心強い! 詳しい話を致しましょう、こちらへ」 権兵衛:いや、余はもう行く! すぐに密猟者を倒すのだ! GM:「いや、詳しく話を――」 権兵衛:詳しくなんて良い! さっさと南の森へ行く、来るなら勝手についてこい! GM:「え、ええと……」 ミナ:ちょっと権兵衛、神官戦士?さんが困ってるじゃない。ねぇあなた、冒険者の店で依頼を見たんだけど……。 GM:「おお、あなたも正義の心を持つ冒険者でしたか、てっきり懺悔にでも来てる小悪党かと」(笑) ミナ:アッパーかまして――殴って良いかなテューレ? テューレ:もう殴ってるッス。 GM:「こ、これは失礼を……」 ミナ:あのさ、ユニコーン自体には大して興味無いんだけど、密猟者っていう人種は許せないのよ。だから密猟者退治だけ協力させてくれないかしら? GM:「密猟者退治に協力して下さるなら願ったりです」 ミナ:じゃあその分の報酬だけ貰える? GM:「ちゃんと密猟者を突きだして貰えれば支払は致します」 権兵衛:ユニコーンに撥ねられるような密猟者は死んでしまえ! アルト:アルトパーンチッ!(笑) 権兵衛:ヨヨヨって立ち上がり――余は行くぞ! 国を脅かす犯罪者どもは余が退治せねばならぬ! GM:「あちらのタビットは?」 ミナ:……仲間です。一応。 権兵衛:行かぬなら余だけ先行して南の森へ行くぞ? 良いのか? テューレ:ちょ、姉御姉御! 権兵衛が一人で行くとか言い出したッス(笑) ミナ:はぁ? まぁ……確かにこの後貴族の所行かないといけないし、ぶっちゃけ一人で行動した方が楽なんだけど……。 権兵衛:では出発する! 余の正義の心が呼んでいる! ミナ:いやいや、ちょっと権兵衛、行くならせめてアルトぐらい一緒に連れて行きなさいよ? 権兵衛:アルトか……。 アルト:一緒に行くー? 権兵衛:駄目だ! こいつではまた馬に撥ねられる!(一同爆笑) アルト:ぱんちぱんち! さりげなくウサギさんの尻尾を! 権兵衛:何も感じないぞ(笑) テューレ:はぁ、じゃあ姉御、俺っちがついて行って良いッスか? 権兵衛:なんだテューレ、一緒に来たいのか? 来たいと言うなら連れて行ってやろう。 ミナ:まぁ、権兵衛1人じゃ心配だしね……テューレお願い。 テューレ:了解ッス。 ミナ:それじゃあアルト、私たちはちょっと準備してから出発するわよ? 権兵衛、テューレ、後でね。 権兵衛:ふん、ミナが来るころには全て余が解決し終わっているだろう! ゆっくりくるが良い! GM:あ、待って下さい――と、神官戦士が話しかけます。 ミナ:ああ、居た居た。忘れてたわ(笑) GM:「あの、私はザイア神に仕える神官戦士ザインと申します。この依頼の責任者なのですが、私も今から出発致しましょう。せっかくウサギの……ええと、権兵衛殿が正義の炎を燃やしているのです。私も一緒に行かねば騎士の誇りが許しません」――ザインは4LVのファイタープリーストだと思って下さい。 アルト:強そう? GM:少なくとも装備は強そうです。Aランクの武器とAランクの防具を着ています。 テューレ:4レベルで両方Aランクって事は、戦闘特技は武器習熟と防具習熟に費やしたッスね……あんまり強そうじゃないッス。 権兵衛:たしかにな(笑) ミナ:ねぇあなた、えっと……ザインだっけ? 部下とかはいないの? GM:いきなり呼び捨てか(笑) ミナ:なんとなく金持ちのボンボン臭がするから、イラっと来た。 アルト:それだけでイラっとくるって……ミナは酷いと思う(笑) GM:ザインはちょっと青筋浮いてたりしますが、素直に3人の部下と一緒に任務に当たる予定だと教えてくれます。ちなみに部下は1〜2レベルのファイターとかプリーストです。 権兵衛:おお、部下連れか! 良いだろう良いだろう、余とザイン殿が居れば密猟者の1匹や2匹、軽く赤子の手を捻るがごとくよ! GM:「まったくですな! はっはっはっ!」 テューレ:なんとなく、まるでダメな男臭がぷんぷんするッス(笑) ◆匿名の貴族スミス卿
ミナとアルトはザイン軍団とテューレ達を見送ると、次に貴族の依頼を受けに行くことに。
ミナ:スミス……スミス卿とでも呼べば良いかしら?挫折の始まり亭のマスターの紹介で、裏路地を通ってとある屋敷の裏口から応接間に入って行くミナとアルト。 その屋敷で待っていた貴族は、自分のことを「スミス」と名乗った。(6) GM:「なんと呼んで貰っても構わんよ。それより依頼の件だが」 アルト:倒します! GM:「いや、まだ私は何も説明していないが……」 アルト:あのお馬さんをぶっ飛ばします! GM:「うむ、話が早くて助かる。しかし、説明は最初からさせてもらおうか」 アルト:わかりました! ミナ:………………。
スミス卿の話によると、南の森では人が追い払われたり、密猟者が被害にあったりは有ったが、薬草を取りに行くような近隣のレンジャーなどに被害が出るようなことはなかった。
GM:「実は狩人の中でも、何人かは森から帰ってこない者たちも出てきている……事は一刻を争う」しかし、ここ最近はそのような被害が続出しているらしい。幻獣であり希少だからと保護して来たが、実害が出てしまったのならモンスターとして処理するべきは当然。 アルト:この人は……良い人? ミナ:真面目だとは思うわ。正論過ぎて嫌われるタイプな気がするけど(笑) GM:「今回の件、命からがらユニコーンから逃げだした狩人が、冒険者の店で話したのが噂が広がるきっかけでな……今では何を勘違いしたのか、ユニコーン擁護派も現れる始末だ」 ミナ:ザイアの神官戦士ザイン……でしたっけ? GM:「あのバカの事をすでに知っていたか」 アルト:バカなんだ(笑) GM:「バカだな。純粋に聖なる動物だからこそ、守らないといけないと言いだした男だ。何が優先されるか……それすら解らない愚か者だ」 ミナ:その意見には納得だわ(笑) GM:「では、私からの依頼、受けてくれるのだな」 ミナ:ええ、喜んでお受けします。それでユニコーンを討伐した場合の証拠は何を持ってくれば良いでしょうか? GM:「それと解れば何でも構わんよ。迷うようなら首級で良い」 ミナ:一応私たちの情報も伝えておこう……角無し3頭を見たと。 GM:「ふむ、キミ達はかなり優秀な冒険者のようだな。こちらの情報と一致している」――スミス卿は害獣が3体いると把握してたようだね。 ミナ:私たちを轢いた落とし前、高くつくのを教えてあげないとね。 GM:「そうそう、それとこの騒ぎが起きる数日前に、森で数人の一般人を見た……という情報もあった、もしその者達を発見し、それが街の人間だった場合は保護して貰えると助かる」 ミナ:それが……街の人間じゃなかったら? アルト:どういうこと? ミナ:つまり……角を折った犯人ね。 GM:「ふっ……決まっているだろう。不慮の事故はあってしかるべきだ」 テューレ:完全に裏の世界に繋がってる人ッスね、この人(笑) ミナ:ちなみに、私たちの邪魔になるかもしれないザイアの神官戦士たちはどうしますか? GM:「何度も言わせるな……不慮の事故は、つきものだろう?」 アルト:うわぁ、怖い、怖いよこの人(笑) 権兵衛:悪い奴だな。嫌われ役を買って出る宰相みたいな奴だ(笑) ミナ:解りました。それじゃあ1つだけ条件を……。 GM:「なにかね?」 ミナ:この依頼、スミス卿が満足できる出来だった場合……今後の私たちの後ろ盾になってもらえますか? GM:「私の満足できる出来か……もうそうなったら、こちらこそお願いしたいぐらいだ」
その後、挫折の始まり亭に一度戻って荷物の準備をするミナとアルト。
ミナ:どうかしたのマスター?いざ出発のタイミングでマスターが2人を止めたのだった。 GM:「ああ、お前達だから言うんだが、お前らと同じぐらいのパーティーが2組、今回の依頼を受けて行ったぞ?」 アルト:同じぐらい……同じLVってこと? GM:まぁそういう感じです――「詳しいことは話せないが、どいつがどの依頼を受けたかは教えといてやる」 ミナ:タダでくれる情報なら聞いておきましょうか(笑) GM:「まず密猟依頼に行ったのは、モヒカン軍団の中でもトップグループのパーティだ。リーダーはゴメス」 ミナ:ああ、あの……――とか顔見知りなんだろうなぁ。 アルト:もう1組は? GM:「スミス卿の退治依頼だ。双剣のランジェがリーダーのパーティが向かった。ほら、紫髪の女がいただろう」 ミナ:ああ、ランジェのチームね。それはちょっとやっかいかも。 GM:ランジェは現実主義な男勝りな傭兵って感じです。レベルは今いる挫折亭の中では一番高いです。始まり亭のマスターは言います――「ま、なんにせよ、生きて帰ってくるんだぞ」 ミナ:誰に行ってるのよ? 大丈夫に決まってるでしょう? アルト:お馬さんの首持って帰ってくるね!! GM:「おう、行ってきな!」 ◆いつの間にやら密猟者退治
ミナ達より一足先に到着するザインと権兵衛とテューレ。
GM:森に到着します。時間は昼の12時ぐらいですね。場所は前回と同じく草原です、そして行くとすぐにわかるのですが、10人ほどのモヒカンが倒れています。(7)そこは一面の草原。左手に林が、右手に丘稜地帯が、そして正面の奥には山が雄大な姿を見せていた。 権兵衛:生きてる? GM:死んでます。ザインが慌てて――「キュアウーンズ!」 テューレ:意味無いッスね。 GM:「なんという事だ、私が来るのが遅かったばっかりに……」 権兵衛:くっ、余が本当に姿だったのなら、このような姿からも生き返らせる事もできたと言うのに……。 GM:「本当の姿? なんだソレは」 権兵衛:うむ、教えて欲しいか? この姿は仮の姿で、本当は三種の神器が揃えばペラペラペラペラ(笑) GM:「なんと!?」 テューレ:ザインの部下達と現場検証でもしてるッス。 ミナ:(部下)「ザインさんも仕事して欲しいよなー」 アルト:(部下)「ったく、俺が見習いじゃなかったら、絶対あんな人の言う事聞かないのに……」 GM:ザインの人気無いな(笑) とりあえず調べるならスカウトかレンジャーで判定して下さい。 テューレ:(コロコロ)……13。 GM:この10人は挫折の始まり亭の奴らだね。3パーティ分いるけど、一緒に同じグループとして行動していたっぽい。そしてその死体なんだけど、馬に踏まれて死んでいるね。 テューレ:馬ッスか……。馬が向かった先はわかるッスか? GM:そうだね、山の方に向かったみたいだね。 権兵衛:テューレ、何かわかったのか? テューレ:どうやら姉御達が先に来て、密猟者を倒したっぽいッスね。 GM:そう言うのか(笑) テューレ:密猟者は姉御が倒したことにしないと、報酬が貰えないって後でどやされるッス(笑) 権兵衛:テューレが学んでいる……じゃあここは気付かないでおこう(笑)――なんとミナ達が! いつの間に追い越されていたとは……こうしてはおれん! GM:「まったくだ! 私たちが遅れを取るわけにはなりませんぞ権兵衛殿! ほら、お前達も森へ入る準備だ!」 ミナ:これでお金が手に入るわね。 GM:ただこいつら全員で1パーティ計算でお願いします。 テューレ:了解ッス。権兵衛達が見て無いスキに、モヒカン達の荷物を猟るッス。 権兵衛:鬼かお前は(一同爆笑) テューレ:だってやれって姉御から電波が(笑) アルト:ええー、今のミナのは密猟者退治の報奨金の話をしたんじゃないの? ミナ:まぁ、そうなんだけど……お金が増えるのは良いことなので、テューレGO(笑) テューレ:了解ッス! GM:じゃ、じゃあ、戦利品判定でもして下さい。 アルト:もしかしてミナがお金持ちでいられるのって、実はテューレのおかげなんじゃない? 権兵衛:確かにな……さりげなく集金能力高いしな(笑) テューレ:(コロコロ)……9。
大きな銀貨袋を見つけ、中に入ってた500ガメルをゲット。
テューレ:懐にナイナイしておくッス。アルト:ただの物盗りじゃん(笑) テューレ:手を合わせておくッス。なむ〜。 権兵衛:なんて慈悲深いっ! GM:「まったくだ! エルフのテューレ殿、あなたも神を信じる身だったのですね!」 テューレ:………………そッスね。 ミナ:適当だ(一同爆笑)
その後、足跡を追って草原を奥へと進もうとするテューレ達。
GM:草原の奥へと入って来た所で危険感知判定をして下さい。テューレ:(コロコロ)……8。 権兵衛:……余は12だ! GM:ぎゃーぎゃーと声が聞こえてくる。良く見るとひときわ大きなモヒカンが見える。(8) テューレ:あれって……挫折の始まり亭にいる冒険者のゴメス達ッスね。 権兵衛:チームゴメスだと!? ザイン殿、敵です!(笑) GM:「何、敵だと! どこだ!」 テューレ:あそこにモヒカンチームがいるッス。きっと姉御達が討ち漏らしたんだと思うッス。 GM:「む、ミナ殿達の手から逃げた輩か。ならば倒すしかあるまい」 権兵衛:しかしザイン殿、本当に敵かわかりませんぞ? いや、余は奴らを敵だと長年の経験から解っておりますがな! GM:「むぅ、どっちだか解らないが、私もあんなモヒカンは敵だと思うから大丈夫だ権兵衛殿。しょせん人は見た目!」 ミナ:嫌な事言う神官ね(笑) テューレ:俺っちはガンナーなんで後衛から援護するッス! 権兵衛:余も魔法使いだから後方から支援するぞ! GM:「それでは私は騎士として前衛で……行くぞ皆の者! 邪悪な密猟者(決めつけ)退治だ!」――とザイアの神官戦士達は前衛に行ってくれます。 テューレ:なんか楽ッスね(笑) GM:それでは神官戦士達の突撃に気がついたゴメス達が「ユニコーンを狩る邪魔すんじゃねー!」とばかりに乱戦になります。えっと……ほとんどNPC同士の戦闘なのではしょって良いですよね? 権兵衛:それは構わぬが、どうやって勝敗を決するんだ? GM:単純に2D6+冒険者レベルで、一人ずつ達成値の比べあいで決めます。ゴメスチームはゴメスが5LV、残りが3人いるんですが、こいつらは3LVです。(9) テューレ:ザイン達は何レベルッスか? GM:ザインが4LV、ザイア神官戦士3人が2LVで判定しましょう。 権兵衛:余達が援護する分は修正付くのか? GM:そうですね……MPを3点消費するごとに、1人に+1の修正でどうでしょう。 権兵衛:なるほど、なら余とテューレで6点ずつ消費し、全員ダイス勝負にしてしまおう。 テューレ:そうッスね。俺っちとしてはどっちが勝っても良いわけだし。 アルト:そうなの? ミナ:そうでしょう? どうせ残った方を潰せば良いんだから。 アルト:あ、ああ……そうなのね。 GM:まさかこんなところでせっかく作ったNPC同士が潰し合いになるとは……なぜこんなことに。それでは振りますよ!(コロコロ)……―― ゴメスチームソーサラー8 vs 神官戦士A6 ゴメスチームシューター9 vs 神官戦士B3 ゴメスチームドワーフ8 vs 神官戦士C7 テューレ:ああ!? 神官戦士達がボロボロッス(笑) 権兵衛:大丈夫! まだザイン殿がいる! テューレ:一番心配じゃないッスか(笑) GM:では最後、ゴメス対ザイン、行きますよ(コロコロ)…… ゴメス7 vs ザイン11 テューレ:おおっ! GM:だがしかし、ゴメスは「俺を普通の冒険者と思うな……俺は、普通の奴より頑強なんでな!」――と、戦闘特技≪頑強≫分のHPで立ち上がります。さぁもう一度判定だ! 権兵衛:悪役ちっくにしぶといな。ザイン殿、奴はまだ倒れていない! 油断なされるな! GM:「なんだと! おのれ、今度こそ神の裁きをくらうがいい!!」――ザインはそっちが振ってくれ(笑) 権兵衛:なら余が振ろう(コロコロ)……10! GM:(コロコロ)……ゴメス9!――「バカな、この俺が……」――と、本当にバカなだよ! これでゴメスは死にました。 権兵衛:よしっ! テューレ:ザイン強ぇッスね(笑) GM:しかし、ザインも相当な重症を負ったらしく――「くっ、しかし私もこれ以上の無理は……権兵衛殿、テューレ殿、あとは任せて宜しいか」 権兵衛:死ぬ? GM:いや、疲れた。 テューレ:疲れたんスか(笑) ミナ:そろそろ私たちが都合良く登場しましょうか? 権兵衛:そうだな、その方が良いな。 ◆ぐうの音も出ぬほど
ミナとアルトが南の森へ到着すると、最初の草原に死屍累々とモヒカン達が転がっていた。よく見なくても顔に覚えがある。ミナが挫折の始まり亭で情報を100ガメルで売った者達だった。
GM:という感じで死屍累々です。ミナ:うわぁ……。 アルト:大変だよミナ! 挫折の始まり亭のモヒカンさん達が!? ミナ:密猟依頼に参加するって言ってたからね……たぶん、先行したテューレ達にやられたのね。 アルト:そっか、テューレ達頑張ったんだねぇ。でも、殺すのはやりすぎだと思う……。 ミナ:まぁね……――とレンジャーで誰にやられたか判定して良い? (コロコロ)……12ね。 GM:馬ですね。 ミナ:アルトに言いましょう――でも、彼らも冒険者よ。いつ死んでもおかしくない仕事をしているのは解ってるはず。覚悟はあったはず。私たちも……そうでしょう? アルト:エヴァンを思い出してコクリと頷く、かな――……そう、だね。うん。アルトも、覚悟はあるよ。 ミナ:アルトの頭でも撫でつつ歩いていきます。 権兵衛:良いこと言ってるが、モヒカン達はミナに殺されたも同然だと思うのだが。 ミナ:うっさい、余計なこと言わんでいい!(笑) GM:ではミナとアルトがやってくるのをテューレと権兵衛は見つけます。 権兵衛:ミナにアルト! 丁度良いところに! GM:合流して良いです。そしてミナ達を見てゴメスの仲間3人は――「ちくしょぅ! ゴメスさんがいねぇ俺たちに対して援軍まで……卑怯だぞお前ら!」 ミナ:卑怯? はんっ、希少なユニコーンを密猟しようとしている、あんた達には言われたくないわね! それで、ゴメスはどこよ? GM:「ゴメスさんは……そこの神官戦士に殺された!」 ミナ:本当だ! まぁ、そういう事もあるわ。 GM:「ねーよっ! おのれ、こんな事でゴメスさんが……」――本当に、こんな所でゴメスチームを使い潰されるとは! アルト:ちゃんとデータがあって強そうだったのにねぇ。 GM:「こうなったら俺達だけでもゴメスさんの意志を継いで、ユニコーンを狩ってやるぜ!」 テューレ:戦闘になるなら遠慮はしないッスよ。 アルト:やろうやろう! アルトも戦いたかったし! 権兵衛:ふん、余に剣を向けるとは愚かな奴らよ。 ミナ:それじゃあ、ぐうの音も出ないほどに、やっつけてあげましょうか!
――やっつけられました。
ミナ:ま、こんなものよね。GM:あっと言う間の惨劇だった……最後の一人も一言呟いて倒れます――「ぐぅ」 ミナ:ここは30分ぐらい休憩しましょうか。救命草と魔香草使わないとね。 テューレ:その間にゴメス達の戦利品を漁るッス。それとも、こういうのは道義的にダメッスかね? GM:死体から剥ぎ取ってる時点でそれを聞く必要無いでしょう!(笑) テューレ:じゃあ遠慮なく(笑)(コロコロ)……――
銀貨420ガメル相当に、宝石が750ガメル相当を剥ぎ取り。
テューレ:懐に入れておくッス。アルト:毎回ミナが捕まったりした場合の保釈金とかは、ココから出てるんだね(笑) テューレ:裏金が現在3000ガメル程溜まってるッス(笑) GM:ちなみに雑魚との戦いで範囲魔法くらったザイアの神官戦士も気絶していますが。 テューレ:それは手をつかないッス。ザイン生きてるし。 ミナ:あ、最後にザインも回復してあげよう……アウェイクポーション。 GM:「うう……」 ミナ:あなたの強さは良く解ったわ……だけど、あなたは仲間を連れて神殿に戻った方が良い。 GM:「う……そ、それは……しかし密猟者を」 ミナ:私たちがいる。あなた達の意志を継いで、私たちが悪を倒すわ。 GM:「お、おお、ミナ殿」 権兵衛:それに、いずれ余が支配する国であろうと、ザイン殿、お前がいなかったらどうする? ここで無駄死にしてはならない。 GM:「そ、そうだな。無駄死にはするわけにはいかない……なんか前半、不審なこと聞こえた気がするけど……」 ミナ:気のせいです――と権兵衛の口押さえておく。 権兵衛:なにをする!……ってもごもご(笑) GM:「しかし、ミナ殿達だけで大丈夫か? 見たところ癒し手たるプリーストがいないようだが……」 アルト:大丈夫だよ! 今の奴らも、草原の入り口で倒れてたチンピラも、ぜんぶ倒したのアルト達だもんね! ミナ:え?……あ、いや、間違って無いか。 アルト:うん、アルトはそう理解してるよ? 草原のを倒したのはテューレ達だと思ってるし(笑) GM:「確かに、ミナ殿達ならなんとかできるかもしれない……わかった、私は仲間を連れて神殿に戻る事にしよう。あとは……頼んだぞ!」――3人の部下を引きずりつつ、ザインは街へ帰って行きます。 権兵衛:行きは揚々としていたのに、帰り道はザイン1人しか生き残っていない……寂しい後ろ姿だな(笑) アルト:出世できなさそうだよねー。
ザインはこの後、この件をきっかけに様々な苦難が振りかかる激動の人生を歩む事になる……が、それはまた別のお話。
ミナ:で、結局私たちが来るまでに何があったの?権兵衛:カクカクシカジカだ! アルト:なるほど(笑) ミナ:それじゃあ私の方の情報も伝えましょう。ここにゴメス達だけでなく、ランジェのパーティも来ているみたいなの。 テューレ:ランジェって言うと……奴らも5LVパーティッスね。 ミナ:まぁランジェ達は貴族の依頼を受けてるみたいだし、交渉でなんとか乗り切りたいわね。 アルト:ええー、アルトは拳で乗り切りたいよー。 ミナ:それは角無し達のために取っておきましょうね。 アルト:そうだった! それじゃあ角無しを探しに探索しよう! GM:じゃあ回復やら何やらで時間が経った事にしますね。今は14時って所です。 ミナ:マップの移動とかは前回(第4話)と一緒? GM:一緒です。探索をしてもしなくてもマップ1つで1時間が経過します。 テューレ:ここは草原ッスから、丘か林に行けるッス。それとさっき足跡を見つけたッスけど……馬は山に向かったみたいッスね。 ミナ:山かぁ……。 権兵衛:山なら大丈夫だろう、そのランジェとか言うチームも山は登れないだろうからな。しょせんそいつらも余より、いや全ての者が余より弱いのだからな。 アルト:ええー! 山に行ったなら今度こそ山に行こうよ!! ミナ:はいGM、私たちは「林」に移動するわ。 アルト:ぶーぶーぶー。 ミナ:あとでソーセージあげるから。(10) アルト:本当♪……だ、騙されないもん!! ◆林、湖、そして森へ
その後、林のマップへ移動し、滝登りでテューレと権兵衛が落下し大ダメージを受けたり、川で口を開けて待っていた巨大ワニの追撃を逃れたりしつつ、なんとか林を踏破し次のマップへ移動するミナ達。
GM:「湖」も突破されましたか……淡水シャークはオリジナルモンスターで、特殊な攻撃方法はないけどLV6だったんですがねぇ。次のマップは「湖」。林の中に広がる湖には、なぜか巨大な鮫――シャーク――が泳いでおり、必死に湖の水辺を走りきりなんとかシャークを振りきるミナ達。 そして、かなりの消耗をしつつ次のマップへと進むのだった。 ミナ:そんな強敵と戦ってられないわよ!(笑) テューレ:それで、次のマップは何ッスか? 「森」って書いてあるッスけど。 GM:薄暗い森です。時刻もすでに17時で空も暗くなってきています。そして森を歩いていると……4人ほどの人影を見つけます。(コロコロ)……向こうもこっちに気がついたようだ。 テューレ:もしかしてランジェ達ッスかね? ミナ:じゃあ声掛けよう――ランジェ達でしょう? そっちは大丈夫? GM:紫髪のランジェを筆頭に4人のパーティが近づいてくる――「ミナ達か、お前達はどの依頼でここに? 密猟者では無いだろうな」 ミナ:同じ依頼よ。スミス卿って言えばわかるかしら? GM:「なるほどな……ならば、さっさとここから去るべきだ。お前達には危険過ぎる」 テューレ:どういうことッスか? アルト:そうだよ! ランジェ達とアルト達、LVだってそんな違わないじゃん! ミナ:あなた達、退治を諦めて帰るつもりなの? GM:「いや、我らはすでに1匹仕留めた」――と、ミナ達がぐだぐだやってる間にランジェ達は1匹仕留めています。後ろの仲間が角無しの首を袋から取り出しますね。 権兵衛:ほぉ、余がいないのによくやったものだな。ところでどこで倒した? GM:「我らが戦ったのはあそこの山だな」――中央の「山」マップを指さします。 ミナ:山かぁ……。 GM:「どうもあの山を根城にしているらしくてな……丁度1匹居たから偶然にも倒せた。もし2匹以上一緒にいたらと思うと……こうなっていたのは逆に我らの方だったかもしれん」 ミナ:ふぅ〜ん、それでランジェ達はこのあとどうするつもり? GM:「一度休憩し態勢を整えたら、再び山へ登るつもりだ。もう1匹ぐらい角無しを倒しておきたい所だしな。お前達も山へ登るなら一緒に行くか? 我らと一緒の方が安全だと思うぞ。それに我らも、少しとはいえ戦力が多いにこしたことは無い」 権兵衛:少しだと! 馬鹿にしているのか! 余らがいれば、いや余がいるだけであんな角無しユニコーンの1匹や2匹、すぐにブリザードで凍死させられるのを知らんのか! GM:「何?」――喧嘩売られたかと思ってランジェが険呑な雰囲気に。 ミナ:テューレ、権兵衛を。 テューレ:黙るッス――たぷたぷたぷたぷ。 権兵衛:な、何をする、テューレ! ミナ:私たちはもうちょっとで山裾を全て探索できそうなのよ。もし山に向かうとすればそれからね。悪いけど今は一緒に戦えないわ? GM:「……そうか。なら山裾を全て探索し終わり、まだユニコーンが残っていた場合は共闘しよう」 ミナ:そうね。残ってたら……共闘ね。行くわよテューレ、アルト。――ランジェ達を放っておいて森の奥へ進みます。 GM:じゃあランジェ達はそこで傷の手当てとかを再開し、やがて見えなくなります。 権兵衛:ミナ! あんな無礼者は手討ちにしてしまえばよかったのだ! ミナ:うん、あきらかに私たちを格下に見てたからね……やっても良かったんだけど……。 テューレ:姉御が喧嘩売りたくなさそうだったから、何もしなかったッス。 ミナ:まぁね。同じスミス卿の依頼を受けてる身だから、ランジェ達を倒しても1銭のもうけにもならないのよ。 権兵衛:完全に損得勘定じゃないか! それより侮辱された誇りの為に倒したって良いだろう! プライドと金とどっちが大事だと思っている! ミナ:金。 権兵衛:言うと思ったけど!(笑) アルト:ねぇねぇ、それよりユニコーンを倒そうよー? アルトそろそろ飽きてきたー。 GM:ああ、じゃあ森の奥へ進んだ皆さん……夜目が利かない人は? ミナ:見えるわけないじゃない、人間だし。 権兵衛:余も見えぬ! タビットだから……いや、もともと人間だったからな! GM:2人は以降、何かする場合に明かりが無いと判定にペナルティを受けますので。 テューレ:ランタンはつけておくッス。 ミナ:それじゃあ森を探索しましょうか。 ◆謎の子供と白い馬
森の中を探索する一行。
GM:森の奥に角無しユニコーンが1匹いる。そしてその側に人間の子供がいるね。その子供は怪我しているみたいですね。子供が襲われているように見える。結果、テューレと権兵衛が14と12と、森の中で動く何かに気がつく。 テューレ:姉御、あっちにユニコーンが……そして人間の子供がなぜか襲われているッス。 ミナ:襲われてる? 私は子供を、アルトはユニコーンをお願い。突っ込むわよ! アルト:まっかせて! GM:では先制判定ですね。こちらは14。 テューレ:(コロコロ)……ああ、11ッス。出目が低い。 権兵衛:……ふふ、余が14だ! ユニコーンと同値! GM:ならミナ達が先です。モンスターの先制値が固定の場合、目標値だと考えるので。 アルト:じゃあユニコーンに近づいて、錬技3種を発動!<キャッツアイ><マッスルベアー><ビートルスキン> そのまま殴る!――よくも撥ねたなー!! GM:来なさい。ユニコーンは乱戦を宣言。 アルト:パンチパンチパンチ(コロコロ)……15、14、12! GM:それは2回命中します。 アルト:ダメージは(コロコロ)……1回目は回って24点と、2回目は13点! GM:角無しユニコーンはちょっと弱っている感じなので……かなりキツイところまできました。 ミナ:私も近づいて斬るわよ。角無しと子供の間に割り込むようにして(コロコロ)……16命中のダメージは7点だわ。 GM:それでもダメージがちょっと入ります。 権兵衛:(コロコロ)……<エネルギー・ボルト>を16で! GM:抵抗失敗です。 権兵衛:ダメージは10点だ。 ミナ:いい加減、諦めなさい! 角無しのあなたに私たちが負けるわけないわ!――と妖精語は解るので語りかけたり。 GM:角無しは意味の解らない言葉を叫んでいる。狂っているようだ。 ミナ:………………。 テューレ:次はトドメになるッスかね……姉御良いッスか? ミナ:ええ、なんで狂っているのか解らないけど、放っておくと子供が危ないわ。 テューレ:じゃあ遠慮なく<クリティカルバレッド>で(コロコロ)……15命中のダメージ13点ッス。 GM:それで落ちました。
助けた子供は5歳ぐらいの男の子で、この近隣に住む狩人の息子とのことだった。
ミナ:それで、父親はどこにいるかわかる?どうやら狩人の父親に連れられてやってきたが、なぜかはぐれてしまって困っていたという。 GM:「お父さん、いつもは沼で狩りをするから、そっちに行けば会えるかも……」 ミナ:……とりあえずテューレは馬の方の処置宜しく。 テューレ:了解ッス。角無しの首を切って証拠として袋詰めしておくッス。(11) 権兵衛:さりげなくグロイな(笑) テューレ:完了ッス(笑) アルト:それじゃあ子供の親を探しに沼の方へ行くの? ミナ:ごめんね、お姉ちゃん達は冒険者だから、依頼を受けて行動するの。ボク、お姉ちゃん達に依頼ができるかな? ちゃんと報酬ある? 権兵衛:ミナ! こんなあどけない子供からも報酬をねだるのか! 酷いじゃないか! それでいいのか! ミナ:私たちはプロよ? どんな小さな依頼だろうと報酬がなかったら受けないわ。 GM:じゃあ子供は自分の付けてた首飾りを持ちあげて――「これで良い?」 ミナ:OK。それを頂戴。 権兵衛:おいミナ! 本当に子供からカツアゲする気か! ミナ:カツアゲって人聞きが悪いわね!(笑) こんな森に1人いる子が普通の子なわけないじゃない! 正体暴く前に貰えるものもらって何が悪いのよ! 権兵衛:それが本音か! 最悪だ!(一同爆笑) GM:あ、そこでぐだぐだしてるなら、ちょっと危険感知して下さい。10以上でわかります。 テューレ:(コロコロ)……10以上なら余裕ッスね。成功。 ミナ:子供に不意打ちされる? 権兵衛:あっちだ! あっちから何か来るぞ!――と指さしてみる。 アルト:アルトだけわからないー。早く沼行こうーとか言ってる(笑) GM:子供じゃありません。権兵衛が指差した方向から、何か危険なものが近づいてくるのを感じます(笑) ミナ:とりあえず隠れるわよ! ◆戦ってはいけない存在、角有りユニコーン
木の後ろなどにそれぞれ隠れる一行。
ミナ:角がある!?そして現れたのは純白の毛並みを持つ馬が1頭。 その額には魔力溢れるねじれた長い角がついていた。 GM:そして現れたユニコーンは何かを探すように歩いて来て、やがて首の無い同胞の死体を見つけます。 テューレ:あ。 GM:「許さん……許さんぞ人間ども! よくも我が同胞を!!」――妖精語で怒りもあらわに叫びますね。 ミナ:ああ、私しか解らない(笑) アルト:解らない言葉だけど、なんとなくアルトも何言ってるか解った! テューレ:俺っちもなんとなく想像付くッス(笑) 権兵衛:余は妖精語を持って……ないな。だが余はあらゆる言語をマスターしているのだ。うむうむと頷く。 GM:ちなみにこのユニコーン、角無し達より一回り体格がでかいです。強さもワンランク上っぽいですね。戦うならちょっと待って下さい。データ作ります。 ミナ:戦わないわよ! データ作るってなにさ!?(笑) 権兵衛:ミナ、余らが勝てないデータを作るつもりだ。GMの目が爛々と輝いておる! アルト:このGMの事だし、たぶん7LVにブーストしたユニコーンとか作るよ……さすがのアルトも戦いたくないかなぁ。 GM:はっはっはっ、嫌な勘ぐりはやめて下さいよ。せっかく作ったゴメスチームともランジェチームともザインチームとも戦ってくれなくて、フラストレーション溜まってるなんてありませんから(笑) ミナ:嘘を付けーーー!(笑) テューレ:どうするッスか姉御? あっちの方がLV高いし、このまま隠れててもいずれ見つかると思うッス。 ミナ:そうね、ここは子供の手を取ったまま姿を現そう――ちょっと! あなたは正常なの!? GM:「そこにいたか人間め! 我が同胞の首を切って殺したか! 愚か者どもが!!」 ミナ:ち、違うわ! 私たちはそのユニコーンに襲われていたこの子を助けただけ。倒した人間達のパーティは見たけど彼女達は別のところに向かったわ……私たちじゃない! GM:「なんだと……ふん、貴様、一応人間の乙女か」 ミナ:一応とか言うな(笑) GM:「乙女であろうと人間は人間、貴様らは我らを毒そうとした……いや、すでに何頭かは毒された。全て貴様らのせいだ!!」 ミナ:何を言ってるかわからないわ!? 私たちはあなたの味方よ? だからこの森には密猟者を退治しに来たの。 GM:「ふん、人間の言う事など信じられるか! もし信じて欲しいなら証を持ってこい」 ミナ:証? GM:「人間の密猟者の首だ。首を自ら持ってきたのなら信じてやろう」 権兵衛:グロイ話になってきたなぁ(笑) ミナ:この森の入り口、草原の辺りに行ってみると良いわ。私たちが退治した密猟者の死体がおいてある。 GM:「ほう……嘘では、ないようだな。ではもう一つ聞く、なぜそんな奴と一緒にいる。こんな森の中、幼い子供が1人でいるのを妖しいと思わなかったのか」 ミナ:ええ、全力で妖しいと思ったわ。 GM:子供はビクっとします。そしてユニコーンが――「その子供は人間などではない。お前達とも敵対する蛮族、我らの森を汚した者達の仲間だ!」 ミナ:子供に剣を突き付けます――本当は報酬を貰ってからにしたかったんだけど……ね。 テューレ:姉御が言うと本気としか思えないッスね。 権兵衛:いや、本気だったろう。さっき言ってたし。 GM:すると子供は変身を解いて――「けー! バレちまっちゃしょうがねー!」 ミナ:バラすの早っ!(笑) もうちょっと粘りなさい! なんですぐに諦めるのよ! 交渉とか意味無いじゃない!(一同爆笑) GM:「うっせー! バーカッバーカッ!」(笑) 権兵衛:セージでモンスター判定して良い?(コロコロ)……14だ。 GM:ディープグレムリンですね。人間の子供に<ディスガイズ>して化け、酷い悪戯を行う蛮族です。風属性が弱点でダメージが追加で+3点入ります。 権兵衛:出てきて言おう――ミナ! そいつはディープグレムリンだ! 子供に化けて人間を騙す蛮族だぞ! テューレ:銃をターゲットしつつ木の陰から出てくるッス。 アルト:アルトもー! ミナ:ユニコーンに刺されるか、私に斬られるか、どっちが良いか知らないけど、まずは知ってることを全部教えてもらいましょうか? もしかしたら、命を助けてあげられるかも……ね? GM:「バーカッバーカって、マジで? 言う言う! 命助けてくれ!」 ――ディープグレムリンの情報―― ◆自分のお父さん役で森に来ているレッサーオーガがいる。 ◆レッサーオーガーは人間を食べるとその人間と同じ姿になれる。 ◆森でレッサーオーガーと一緒に人間を騙していたら、自分達に交渉を持ちかけてくる人間達がいた。 ◆その人間は黒ずくめだったが、彼らはユニコーンの角を麻薬に混ぜて新薬としてバラまく予定らしい。 ◆彼らから貰った不思議な薬を使って角を折ると、ユニコーンは死なないで狂いだす。 ◆次の取引の場所はゴメスという人間が連絡役で伝えに来てくれるらしい。 テューレ:つまりこいつら、犯罪組織「暗い炎」と取引していたってことッスね。 権兵衛:ゴメスか……もう口を割らないな(笑) GM:「えっと、いろいろしゃべったので助けて下さい」 ミナ:そうね。私は許すけど、あとはあっちに任せるわ――とユニコーンの前に突き出す。 GM:すると「え?」とグレムリンがなった瞬間、キュピーンとユニコーンの眼が光り、グレムリンを角で突き刺さします。グレムリンが動かなくなったのを確認すると、ブンッと死体を捨て――「ふん、とりあえず蛮族の味方では無いようだな」 ミナ:こちらとしても、やっと森の事情がわかったわ。あとはレッサーオーガと、暗い炎の黒幕を潰せば良いんでしょう? 私たちも協力するわ、手を組まない?――とユニコーンに。 GM:「それはできない」 テューレ:なんでッスか? GM:「我と懇意にしている人間の子供が、奴らに捕まっている……我が手をだせばその子の命が危ないのだ……」――実は街で調査をしていると解った情報だったりします。 テューレ:本当はシティシナリオだったんスかね(笑)(12) ミナ:わかった。そういう事情なら私たちだ動いてみるわ。 GM:「本当か?」 ミナ:ええ、ただその前に……狂った角無し達は元に戻るの? あの子たちのせいで私たち人間側もかなりの被害を受けてて困っているのよ。 GM:「それはすまなかったな……だが、同胞達は角を折られ正常な判断がでなくなったとしても、この森を出ることは絶対に無い。治す手段が見つかるまで、人間にはこの森へ入ってこないよう伝えて貰えないだろうか」 ミナ:うーん、まぁ、それが妥協案ってところかしら。わかったわ、伝えておく。その変わり蛮族退治をするうえで陰ながらフォローしてちょうだい。 GM:「うむ、表に出ない協力なら可能だろう。そして蛮族どもと、同胞の首を切った者達を亡きものにしてくれようぞ!」 ミナ:………………。 テューレ:首を切った人を許してないみたいッスね。 ミナ:蛮族だけじゃ……ダメ? GM:「当たり前だ! それとコレとは話が違う! そういえばこの同胞の首を狩ったパーティを知ってるとか言っていたな」 ミナ:え、ええ、まぁね。でも話の通じる相手だから、きっと交渉すれば蛮族退治に協力して貰えると思うのよ。 GM:「駄目だ! 許さん! 同胞を殺した仇に何を助けを求める必要がある! 奴らから頂くのはその穢れ斬った魂だけだ!」 テューレ:なんかそこは譲らないっぽいッスね。 ミナ:とりあえずあなたの同胞の首を狩ったパーティなら、今だとちょうど山に向かっている頃だと思うわ。 権兵衛:ランジェか……売るんだ(笑) ミナ:うん、ちょっとカチンと来る輩だったし、遠慮することないでしょう。 アルト:道徳的にどうかと思うけど(笑) テューレ:命あってのモノ種ッスよ。 権兵衛:どんだけお前等小悪党根性なんだ(笑) GM:ユニコーンは言います――「そうか! そいつらを見つけたら串刺しにしてくれる!」 ミナ:ええ、そうね。それじゃあまずはこの森にいるレッサーオーガかしら? そいつを倒して街の暗い炎についての情報を得ましょう。 GM:「うむ、いいだろう」――と、出発する前にテューレ。隠匿判定してくれ。 テューレ:隠匿ッスか? GM:馬の首ってけっこう大きいし、まだ血も滴ってる状態でしょう。見つかったらヤバイよ? テューレ:た、確かにコレがバレたら今までの姉御の交渉がパアッスね(笑) 権兵衛:それどころかモズのはやにえになるぞ(笑) GM:隠匿の目標値は12で。 ミナ:意識を逸らすように話しかけまくるわよ? そのパーティはランジェっていう女が……たぶんそろそろ山を下って来て……ランジェの性格は……って(笑) GM:じゃあ目標値10で良いです。 テューレ:ここで1ゾロ出すとシャレにならないッスね(笑) 権兵衛:戦闘配置だ(笑) テューレ:スカウト3、器用ボーナスが3、出目で4以上ッスね(コロコロ)……あ、3。 権兵衛:ミナ達が歩いてる後ろで、テューレがゴソゴソってやると――ゴトンっ。
(一同爆笑)
アルト:ゴトンって何、何その擬音(笑)ミナ:はぁ……あんだけ交渉したのに全てが無駄かぁ……。(13) テューレ:お、おおぅ!?(笑) GM:「そ、それは我が同胞の……き、き、き、貴様らかーー!!」 ◆全滅必死の遭遇戦
ユニコーンとの長い交渉の結果、なんとか協力関係を築くことができホッとするミナ達。
ミナ:剣を抜いて言おう――くっ、バレてしまったらしょうがないわね! そうよ、あなたの同胞を殺したのはこの私たち! あなたもこうなりたくなかったら、素直に言う事を聞きなさい!さぁまずは蛮族退治と出発しようとした矢先、ゴトンと後ろで音がする。 振り返ればテューレが角無しユニコーンの生首を落っことした音だった。 怒りの雄叫びをあげるユニコーン。 一瞬のうちにいくつもの言い訳と行動選択肢が頭に浮かび、そしてミナが取った行動が―― アルト:え、えええーーー!?(一同大爆笑) 権兵衛:ミナ! 解ってはいたが、完全に悪者だぞ(笑) テューレ:すんません姉御。手が滑ったッス。 GM:「貴様ら汚い人間は今、この場で、この我が! 串刺しにして殺してくれる!」――全力で行きます。ユニコーンのデータを作るのでちょっと待って下さい。えっと通常のユニが6だから……(ぶつぶつ言いつつ何かを書いている) テューレ:なんか通常のユニコーンじゃない気がするッス。嫌な呟きが聞こえたッスよ?(笑) 権兵衛:普通のユニコーンが6レベルだから、たぶん7か8に修正しているんだと思うぞ。ぶっちゃけ、勝てないけどどうする?(笑) アルト:な、なんとか勝てないかな? 権兵衛:こっちを甘く見ている間に、全力で畳み掛けるぐらいだろうな。HP全快の癒しの角を使われたらアウトだ。 ミナ:こんな事ならゴメスやランジェとまともに戦ってれば良かったかしら? テューレ:そういっても……角有りと戦う気はなかったっスからねぇ。 ミナ:しょうがない。権兵衛の作戦で行くわよ! これがボス戦だと思ってリソースの出し惜しみはしちゃダメ! アルト:うん! 全力の戦闘だね! やるからには思いっきり行くよ! 権兵衛:この後控えてる暗い炎とかレッサーオーガはどうするんだ!? とか言いたいが、今はそれどころじゃない気がした(笑) GM:はい、どうするんだ?と自分に聞きたい気もするけど、今は忘れたことにします。全力であなた達を潰します! ミナ:そこが自棄になってどうするのよ!(笑) GM:なに言ってるんですか! 中ボス全てを回避されてみて下さい。ユニコーンの1頭や2頭、強化して出したってバチは当たりません! 権兵衛:完全私怨じゃないか!(笑) テューレ:ゴトンしちゃった自分はあんまり言えないですね……。銃を構えて死も覚悟の上で戦うッス。の責任は自分で取るッスよ! GM:それではハプニングによりバレてしまったミナたちは、ここでユニコーンとの全力戦闘に入ります。 ――第1ラウンド GM:まずは先制判定! こっちは15!権兵衛:(コロコロ)……13しか無い! テューレ:……頑張った! 17ッス! ミナ:ナイスよテューレ! 権兵衛:まずは余から! 全員に<カウンターマジック>(コロコロ)……発動! 全ての精神抵抗に+2! GM:渋いな(笑) 権兵衛:当たり前だ! 生き残ることに全力で動くぞ! GM:しかし、あんだけ長話しておいて、こうなるとは思いませんでしたね。 ミナ:本当だよ! どんだけ交渉頑張ったと! GM:首なんか狩るから……。 アルト:GMの依頼じゃん!(笑) ミナ:そうしないと確証にならないって言ったからじゃない!(笑) テューレ:とりあえず不始末は自分でつけるッス!――銃で撃つッスよ?(コロコロ)……14! ダメージは9点。 ミナ:まったく、あんたは肝心な所でいつもいつも!――ってテューレに言いつつ(テューレ:すまねぇッス(笑))、錬技<ガゼルフット>発動、そして剣で攻撃、(コロコロ)……14! GM:(コロコロ)……それは回避。 アルト:乙女のパンチを受けて見よー!――パンチパンチパンチ! 16、15、13! GM:15、12、15で回避!――「どこが乙女だ、このハムが!」 アルト:ダメージは12点と13点――ハムじゃないもん!! ミナ:ソーセージだしね。 アルト:それも違うっ!(笑) ミナ:それにしても……今回ユニコーンを助けて正統な冒険者の道に進めるようになるって思ってたのに、まさかゴトンとか言われるとは。 アルト:正道に戻れなかったねぇ(笑) テューレ:ゴトンのせいッスか?(笑) 権兵衛:というか、ゴトンという擬音で合ってるのか? 余は適当言っただけだが(笑) GM:とりあえずもう悪党の道しか残って無いってことで……ここで死ぬが良い! ミナ:おいっ(笑) GM:正道じゃない冒険者など、さっさと全滅させるがリプレイ界の為! ユニコーンは≪魔力拡大/数≫で前衛2人に<アイスボルト>! 死ね、似非乙女!(コロコロ)……15! アルト:エセじゃないもん!(コロコロ)……16! ミナ:……ぎりぎり15で抵抗! カンタマあって良かった(笑) GM:ちっ(コロコロ)……ダメージは15点、半減して7点のダメージ! ――2ラウンド目 権兵衛:ユニコーンに<パラライズ>(コロコロ)……よしっ! 19だ!GM:(コロコロ)……クリティカル!――「なめるな若造が!」 ミナ:なら直接剣で命中13! GM:15で回避――「人間どもが、我に勝てるとおもうてか!」 アルト:手数で勝負だもん(コロコロ)……15、18、16! GM:14、15、14……フルヒットした。 アルト:ダメージは14点、10点、50点ゲット(笑) GM:それでもけっこう来たな。 テューレ:今度は<エフェクトウェポン>でエンチャントするッス。アルトに炎属性でダメージも追加+1入るッス(コロコロ)……発動成功! アルト:アルトの拳が真っ赤に燃える! GM:さぁユニコーンだ。同胞の首を落としたエルフと、さっきからパンチがうざいエセ乙女に≪魔力拡大/数≫の<カオスショット>(コロコロ)……15! テューレ:(コロコロ)……カンタマのおかげで16成功。 アルト:……あ、失敗した。 GM:ならダメージが(コロコロ)……テューレに8点、アルトに17点! アルト:残りHPが9点に。 ――3ラウンド テューレ:今回は俺っちが先に動くッス(コロコロ)……発動。<ヒーリングバレット>でアルトを……6点回復ッス。権兵衛:余は<プロテクション>を4倍掛け!(コロコロ)……発動、全員ダメージをマイナス1点できるぞ! ミナ:ありがたいわね。 アルト:3連撃(コロコロ)……16、18、13命中! GM:こっちは……15、14、クリティカル回避! アルト:2回か(コロコロ)……あ、回った……回った……24点! それと(コロコロ)……また回った……18点! GM:よし、まだまだ死なんっ! ミナ:そろそろ危ないんじゃない? 剣で攻撃(コロコロ)……13で命中! GM:(コロコロ)……18で回避! ミナ:なんで私の時だけそんな高いのよ!(笑) GM:「お前が我を騙そうとしたのだろう! お前とそのエルフだけは絶対に許さん!」――と、言いつつ癒しの角を発動。HPを全快させます。(14) 一同:『ぎゃーーーっ』 ――4ラウンド目 テューレ:<エンチャントウェポン>をミナとアルトに(コロコロ)……発動、ダメージに+1だ!ミナ:それじゃあ次は私から斬るわ(コロコロ)……14命中! GM:(コロコロ)……18回避(笑) ミナ:うぎぎぎ(笑) テューレ:<ヒールバレット>でアルトを……9点回復ッス。 アルト:ありがとー♪ そしてアルトは錬技が切れるから掛け直し、ただMPが無いから今回は<キャッツアイ>と<マッスルベアー>だけ! そして3連パンチ(コロコロ)……15、15、15! GM:16、12、17だから、1発だけです。 アルト:(コロコロ)……回らなかった。12点ダメージ! GM:ユニコーンの番か、さっき言った通りテューレとミナを狙います(コロコロ)……<カオスショット>で2人に15! テューレ:(コロコロ)……あ、1足りない(笑) ミナ:……ああ!? ファンブった!(笑) GM:「死ぬが良い! お前らの邪道な冒険もここまでだ!」 ミナ:あんたが私たちの何を知ってるのよ!(笑) [運命変転]でひっくり返す。クリティカルで抵抗よ! GM:ちっ、おのれ! ダメージは15点! ミナは半減で7点! テューレ:残りHP1点ッスよ! ミナ:私は10点、もう一撃耐えられるか妖しいわね。 ――5ラウンド目 アルト:先に殴るよ! パンチパンチパンチ(コロコロ)……17、14、13GM:15、17、14で回避。 アルト:ダメージは1発で……15点! GM:キツクなって来たな……。そろそろ切り札使うかな。 ミナ:私は自分でポーション飲んで……8点回復。 テューレ:俺っちも自分に<ヒーリングバレット>で……10点回復ッス。 権兵衛:今度こそ余の魔法を(コロコロ)……<スリープ>が15! GM:(コロコロ)……17!――「させぬ! 同胞の仇を取る為、我はまだ戦い続けなければならない!」 権兵衛:カッコイイこと言ってるぞ!(笑) ミナ:それにしても、このままじゃこっちはどうやっても負けるわ。逃げることも考えた方が良いかしらね。 アルト:逃げたくない!……けど、負けるのも嫌! テューレ:そうだ! GMGM! この前ポッケにナイナイした魔法のアイテム、エンジェルリングをユニコーンに付ければ眠らせることできないッスかね? アルト:ああ!! 権兵衛:だが、馬用じゃないんじゃないか? GM:そうですね……馬用じゃないので強引に広げて使うってことで使い捨てってことにします。また馬にかぶせる時には近接攻撃の判定と同じとします。(15) アルト:1度っきりかぁ。 テューレ:しかもファイターとか技能無いから俺っちには無理ッスね。命中しないッス。 GM:また、武器じゃないから命中に−2のペナルティを入れて判定してもらいます。 ミナ:うーん、やってみる価値はあるわね。 GM:しかし順番はユニコーン。そして切り札を使います。7レベル妖精魔法<カオスブラスト>! 権兵衛:なっ!? ユニコーンは6レベルまでの妖精魔法しか使えないはず! おかしいじゃないか! GM:言ったでしょう。他のユニコーンよりワンランク上だと、この森のヌシをなめるな! アルト:ヌシってさっきの鮫じゃなかったっけ? ミナ:ああ、そういえば権兵衛がそんなこと言ってたわね(笑) 権兵衛:うむ、あっちのユニコーンはヌシその2ってことだ。 GM:「適当な事を言うな!」――攻撃の対象は全員!(コロコロ)……18! ミナ:高いって! そんなの(コロコロ)……50点(笑) テューレ:……出目良かったけど16じゃ無理ッス。 アルト:あ、抵抗した! 権兵衛:余も無理だ。 GM:ダメージは全員15点! ミナ:残り5点で残った。回復しといて良かった。 アルト:残り18点でまだ大丈夫! 権兵衛:余も大丈夫だ。 テューレ:あ、ダメッスね。マイナス2で倒れるッス。 ミナ:テューレ!? テューレ:あ、姉御、すまないッス……。 ミナ:そんな台詞は聞きたくない! せめて懐のアイテムについてしゃべりなさい!(一同爆笑) 権兵衛:酷いぞミナ! だけど懐に首以外のものがあるって言うんだテューレ!(笑) テューレ:じゃあ――あ、姉御……背嚢の中に首以外に……コ、コレを……――コロンとエンジェルリングが袋から転がります。 ミナ:そ、それは!(笑) GM:テューレは生死判定して下さい。 テューレ:(コロコロ)……生死判定は成功ッス。気絶、ガクッ――。 ――6ラウンド目 ミナ:私はこのラウンド、テューレのアイテムを拾う!――こ、これはエンジェルリング……どうしてこんな高価なモノを! あとで理由は問い詰めるとして、今は使わせてもらうわ!アルト:その間、遠慮なく殴る(コロコロ)……17! 16! 50点ゲット!(笑) GM:15、11で2回命中ですね。 アルト:1発目(コロコロ)……回って……20点ダメージ! 2発目……15点ダメージ! 権兵衛:余は<ファナティシズム>をアルトに(コロコロ)……発動、命中+2の回避−2だ! アルト:ありがとう! これで<キャッツアイ>が切れても殴り続けられる! GM:ファナティがかかって回避が落ちたよね。ユニコーンはアルトを角で突き刺す(コロコロ)……17命中。 アルト:頭良いなぁユニコーン! えっと回避−2中だからクリティカルのみ(コロコロ)……無理!(笑) GM:ダメージは11点。 アルト:8点来た、残りHP10点。 ――7ラウンド目 ミナ:まずは補助動作でアウェイクポーションを落とす、とかできる?GM:かまいませんよ。 ミナ:じゃあ権兵衛!って叫んでアウェイクンを落とす。そしてテューレが私の為に買っておいたエンジェルリングをユニコーンの頭に取りつけるわよ! GM:命中判定の前に、馬の頭に合わせてリングを広げられたか冒険者LV+筋力ボーナスで判定して下さい。目標値は12で。ちなみにファンブったら壊れます。 ミナ:これが最後の希望なのよ!(コロコロ)……13で成功! GM:次のラウンドから命中−2でかぶせれるか判定して良いです。 ミナ:このラウンドを乗り切るのよ! アルト:わかった! アルトがんばるよ!(コロコロ)……20! 15! 50点ゲット〜♪ GM:17、17ってか、どんだけファンブルしてるんですか(笑) アルト:今日だけで凄い数になってる(笑)(コロコロ)……ダメージは13点。 ミナ:権兵衛はアウェイクポーションでテューレを! 権兵衛:しょうがない奴だ。拾ってテューレに飲ませるか。 テューレ:あれ? 俺っちって生きてるんスか?――気がつくッス。 GM:ユニコーンはさっきから魔法がうざかった兎と、パンチしてくるハム(アルト)に<アイスボルト>(コロコロ)……16! 権兵衛:余に魔法など(コロコロ)……17で抵抗! アルト:……16で抵抗できた! GM:ダメージは16点です。半減で8点ですね。 権兵衛:残り7で立ってる。余は……余は……まだお腹いっぱいのケーキを食べて無い……。 ミナ:どういう食いしばりよ(笑) アルト:抵抗したけど残りHPが4点。 ミナ:私も5点しか残って無いし……ちょっとGM! 本気で全滅するわよ!? GM:すればいいさっ!(16) 一同:『ふざけんなっ!!』 ――8ラウンド目 テューレ:倒れたままデリンジャーに持ち替えて<ヒーリングバレット>を姉御に(コロコロ)……10点回復ッス! 姉御の行動にかかってるッス!ミナ:ええ、かぶせようとするわよ(コロコロ)……ダメだ、命中13。 GM:それは……16で回避した。 アルト:だったら力押しで倒すもん! 3連撃で14! 14! 14! GM:11、13、15で2回当たり! アルト:12点と13点ダメージ! 権兵衛:もう余はMPが尽きた……何もできない。行動放棄だ。 GM:それじゃあユニコーンですね。 アルト:来いっ! テューレ:もう、誰に来たって良いッスよ! 権兵衛:やれること無いし、余に来ても良いぞ(笑) GM:わかりました。それではユニコーンは癒しの角を使ってHPを全快させます。 一同:『………………(絶望的な表情)』 GM:「何をしようとしているかわらからないが……あとはお前を倒せば何もできまい」――次からはミナを集中攻撃します。 ミナ:バレてる!? ってか、もう逃げない? これ以上戦っても勝算無いんだけど!? GM:乱戦を宣言します。 ミナ:あんた最悪だ!!(笑) ――9ラウンド目 アルト:もうやれる限りやるよ!(コロコロ)……16、19、14命中GM:15、19、13でフルヒットされた。 アルト:11点、13点、12点。 GM:ユニコーンはHP全快なので余裕です――「哀れだな。死に追いやられた人間の脆弱な反抗とは……」 アルト:く、くっそー! ミナ:人間はね……追い詰められてからが怖いのよ!!――エンジェルリングを今度こそかぶせる!(コロコロ)……命中14! GM:(コロコロ)……16回避――「そんなガラクタで何をするつもりだ。くだらんな」 ミナ:くっ。 テューレ:再び<ヒーリングバレット>を姉御に(コロコロ)……6点回復ッス! かぶせるまで残ってくれれば……。 権兵衛:余は行動放棄だ。いや、ユニコーンの周りをバカにして回る――ふん、馬風情が何を粋がっている。そんなに同胞が欲しいなら、余と共に東方の国へ帰ればユニコーンごとき10頭でも20頭でも与えてやらんでもないぞ?(笑) GM:ではユニコーンは<ウィンドカッター>を……権兵衛に撃ちます。 権兵衛:ミナじゃないのか!? いや、作戦的にはこっちに来るのが一番効果的だけど(笑) GM:「同胞達を侮辱することは……絶対に許さん!」(コロコロ)……達成値16のダメージ14点! 権兵衛:余は馬ごときに(コロコロ)……よしっ! 17で抵抗! ダメージが半減のプロテクション分で引いて……HP1で残った!! GM:「な、なんだと!」 権兵衛:魔法は偉大なり!(笑) ――10ラウンド目 アルト:3連撃行っくよー!(コロコロ)……20、13、50点(笑)権兵衛:もうアルト、セージ取れるぐらい溜まってるんじゃないか?(笑) アルト:かもしれない(笑) GM:こっちはクリティカルと16で回避。 アルト:当たらなかった……。 ミナ:アルトに気が向いてる間にかぶせる!(コロコロ)……14! GM:はぁあ!? 出目が3! 回避失敗した! ミナ:この駄馬がーーー!(一同爆笑) 一同:『よっしゃーーー!!』 ミナ:長かった! 本当に長かった!! GM:「な、こ、こんなガラクタで我を……我を……zzz……」――とユニコーンはバタンと倒れて眠ります。 ◆ユニコーンの呪い
眠ったユニコーンを布で巻き正体を隠すと、木の棒で逆さ吊りに縛り持ち帰る準備をするミナ達。
ミナ:あ、あのさぁ……もうボロボロよ、一端ルキスラに帰らない?激闘は終わった。まさに死の覚悟と絶望感の支配する戦いだった。 アルト:賛成ー。 テューレ:正直、アイテムも何もかも、底をついてるッス。 権兵衛:余はふかふかのベッドで眠りたいぞ。 GM:えっと……じゃあ帰るんですか? ミナ:うん、もういい加減限界だわ。 GM:じゃ、じゃあ、帰り道のですが、森の奥で何か光ってるようなのが見える。 ミナ:何かしら? テューレ、見てきてくれる? テューレ:あらほらさっさー……と力無く偵察に行くッス。 GM:そこは小さな泉だ。神聖な雰囲気に包まれている。泉の中央に宝珠<宝珠>が祭られている。よく見れば人魂のような光がひゅんひゅん飛んでいるね。 テューレ:この森を守護してるような……そんな感じッスかね? GM:まぁエルフはタビットやルーンフォークと違って神様信じられるしね、そんな気がする。 テューレ:とりあえずお宝っぽいから、手に入れるッスかね。 権兵衛:おいっ(笑) アルト:手に入れるんだ。 ミナ:止めないわよ? GM:ではテューレは気がつく、そのオーブから神聖な雰囲気がどんどん失われていっている事を。そして近づくなら見えるから、そのオーブの中に魔剣が映っているのを。 テューレ:魔剣ッスか? GM:ミナの持っているハインリヒソードだ。 テューレ:ああ、これは姉御の! GM:そして目の前で魔剣の姿がオーブから消えると共に、オーブは完全に闇に染まって邪悪な雰囲気が周囲を包みだす。 テューレ:………………。 ミナ:………………。 権兵衛:とりあえずミナのせいじゃないのか? アルト:それともヌシ様であるユニコーンをやっちゃったかな? ミナ:いや、ユニコーンは生け捕りにしたから殺してないし……もしかしてコレってやばい剣? GM:そしてテューレは見る、目の前でどす黒く染まったオーブが、バキンと自動的に破壊されます。 テューレ:おお!? GM:そのオーブから邪悪なオーラ――森を守護する魂達――が飛び出て、ミナの方に飛んでいきますね。 テューレ:ああ、姉御危ないッス(笑) ミナ:ええ? テューレの行った方を見るわよ! GM:黒い怨念が凄い勢いで飛んできてミナに……正確にはミナの腰に下げてるハインリヒソードに吸収される。 ミナ:ちょ、ちょっと、今変なのが入っちゃったわよ!? アルト:えんがちょー。 ミナ:つぇいっ!(アルトにちょっぷ) 権兵衛:怨念っぽかったぞミナ?(笑) ミナ:ちょっと、どういうことよ!? GM:しょうがないじゃないですか、本当はパワーアップアイテムだったのに、森の秩序完璧に乱しちゃうし。 ミナ:ユニコーンを倒したのは不可抗力じゃない! GM:というわけで、ミナの魔剣ハインリヒソードは呪われました。(17) ミナ:ちょっとーーっ!(一同爆笑) GM:その変わり魔剣が+2相当の剣にパワーアップはします。 権兵衛:あれは……三種の神器だと思ったら、違っていたようだな(笑) GM:さらに魔剣に特殊能力が追加されます。 ――ハインリヒソードの特殊能力<呪い>―― ◆宣言することで対象1体と1対1の空間を作り出すことが可能。 ◆この空間は他の誰にも邪魔されない。 ミナ:それって私に死ねと言ってるわね……使わないに決まってる(笑) テューレ:まぁ呪いッスからね。とりあえず依頼の為にも角無しの首はもう一度袋に入れておくッスかね。 ◆依頼の報告と祝勝会
そうしてユニコーンを生け捕りにしたままルキスラへ戻ってくるミナ達
GM:「ま、まさか密猟者の退治や、角無しの害獣を倒すだけではあきたらず……」まず向かったのはスミス卿の館だった。 そして「やっちゃった」とばかりに全てを話すことに……。 ミナ:ええ、角の有るユニコーンを生け捕りにしてきたわ。 テューレ:今は寝ているから、起きればMPも全快になるッスね。 アルト:アルトと権兵衛は挫折の始まり亭に戻ってて良い? この場にはいたくない(笑) 権兵衛:ランジュ達と共に依頼の打ち上げでもしていよう。パティシエはどこだ!(笑) テューレ:これほど貴重なものは無いッスよ? GM:「わかりました。このユニコーンも私が買い取りましょう。ちゃんと街の為に有効利用させてもらいますよ?」――えっと、報酬なんですが……。
成功報酬に追加報酬、エンジェルリング代に、そして生け捕りにしたユニコーン代。
GM:「もろもろ含めて20000ガメルでいいかな? もちろん、私は生きたユニコーンなど貰っていない。2頭の害獣の首を提出してもらったという話だ」テューレ:生け捕りをなかったことにする気ッスね。 ミナ:まぁ生け捕りユニコーンなんて値段にしたらいくらになるかわからないしねぇ――それで、今回の件のもろもろを含めて、それ以外に何かあるんじゃないかしら? GM:「もちろんだ。今後何かがあった際、私はキミ達の後ろ盾として動こう。その変わり、困った事があったら私の専属冒険者として動いて欲しい」 ミナ:ええ、構わないわ。お互い良い関係でいましょう。 GM:「こちらこそ宜しく頼む」――生け捕り分は今後の協力関係、貴族のコネクション取得ってことで許して下さい。 ミナ:いいんじゃない? もともと私はソレが欲しかったんだし(笑) テューレ:姉御が良いなら俺っちはそれで良いッス。 権兵衛:バブリーになる必要は無いからな。 アルト:お金がいっぱいあってもねー笑) GM:それでは酒場組に―― ミナ:ちょっと待って! もうひとつ報酬を受けとる場所がある! ザイアの神殿に行くわよ! GM:ああ、ザインか……。
ザイア神殿に行くとザインは神殿の裏手の階段に座り込み、何かげんなりとやる気を失っていた。
ミナ:あ、こんなところにいたのね。GM:「ああ、ミナ殿……聞いて下さい。あの森の、ユニコーンが、死んでしまったのです……うう、私の力が足りないばっかりに……」 ミナ:そんなことはどうでもいいから、報酬よこしなさい。 GM:「そんなこと!? 何を言ってるんですか! 希少な幻獣であるユニコーンが、何者かによって密猟にあって――」 ミナ:あのねぇ、だから私は最初からユニコーンの保護は受けないって言ってあったじゃない。それより密猟者退治で2パーティ倒したんだから、報酬の5000ガメルよこしなさいよ。 GM:「ミ、ミナ殿! この依頼はあくまでユニコーンを守ることが第一であって――」 ミナ:ドンっとザインを突き飛ばして上から見下ろしつつ言うわよ――ザインの騎士様とも有ろう方が、契約を反故にする気? GM:「し、しかし……」 ミナ:いいからさっさと5000ガメルよこしなさいよ!――踏みます。 権兵衛:完全に借金取りだしな、悪者がいるぞ(笑) テューレ:何を今更ッスよ(笑) ミナ:あんたが言うんかいっ!(テューレをちょっぷ) GM:「わ、わかりました……払います、約束はもちろん守りますとも」――5000ガメル出します。 ミナ:そうそう、それで良いのよ♪ GM:「……強欲が」 ミナ:なにか言った? GM:「い、いえ、何も……それじゃあ私はこれで」――トボトボと神殿とは逆方向に帰って行きます。 テューレ:そっちは神殿じゃないッスよ? GM:「ふふっ……実は今回の件、私の独断だったんです……依頼を成功させたわけでもなく、さらにユニコーンの密猟まで行わせてしまったと……神殿の顔に恥を塗ったと降格処分を受けたんです……今の私は、ただの信者ですよ……はは。それじゃあ……」――裏路地へと消えて行きます。 アルト:そんなザインから5000を奪う……ミナは鬼だね(笑) GM:最後のなけなしの5000ガメルでした(笑) 権兵衛:ま、さすが強欲のミナと言われるだけある。 テューレ:いつの間にそんな通り名が(笑) ミナ:とりあえず、これで万事解決ってことで、挫折の始まり亭に戻って打ち上げるわよ! テューレ:了解ッス!!
そうして、今回の依頼もたくさんの挫折者を出しつつ、冒険は終わった。
GM:その夜、挫折の始まり亭ではランジュ達と共に宴会が行われた。それは挫折の始まり亭では珍しい勝利の宴。たくさんの報酬と……さりげなく呪いを受け取って。 権兵衛:ところでミナ、このデザートはもうちょっと酸味を利かせた方が良いな! ミナ:なんでメインを待たずにデザート食べてるのよあんたは(笑) 権兵衛:ところでミナ、女の子が暗い炎に誘拐されてるとかの話はどうでも良いのか? ミナ:あ……。 アルト:そういえば……ユニコーン戦が終わって、忘れてた。 テューレ:暗い炎が蛮族とも交渉してるんスよね……確か。 ミナ:………………。 アルト:ミナ? ミナ:と、とりあえず今日は飲むわよ! そしてその事はまた後で考える! 今日は忘れるまで飲むわよ! アルト:アルトは食べるー♪ 権兵衛:ミナの分のケーキも余が食してやろう(笑) テューレ:というか、忘れちゃダメッスよ(笑)
某日、挫折の始まり亭
マスター:「いらっしゃい、ここは挫折の始まり亭だよ」客:「あの、いろいろ挫折しちゃって……もう、行くところがなくって……」 マスター:「ああ、遠慮するな。ここはあんたみたいな奴の行きつく場所さ、誰もがみんなあんたの同郷、誰もあんたを差別したりはしねぇ。ゆっくりしていきな」 客:「あ、あ、ありがとうございます」 マスター:「ところであんた、名はなんというんだ?」 客:「は、はい。元ザイア神殿神官戦士、ザインと申します」
ソード・ワールド2.0 リプレイ
第五話 『全滅必死の密漁者!!』 了 【おまけ補足・GMのひとりごと】 (1)『ブレイク』:ソード・ワールド2.0は能力値6毎(端数切り捨て)に、判定値が1上がる仕組み。(2)『無理して着てる』:上級防具は「防具習熟」技能が無くても、必要筋力が10以上低いと着れます。 (3)『ガゼルフット』:一定時間、自分の回避力を上げる練技。これがやっかいでもう・・・ (4)『MP10点でHPを完全回復』:しかし多分、ガチで使っちゃいけないんだろうな。 (5)『密猟者をわざと底増し』:なんというマッチポンプ。 (6)『スミス』:偽名の定番。偽名に困ったらスミスを! (7)『モヒカン』:モヒカン+集団+ガラ悪い=ザコ。 (8)『大きなモヒカン』:モヒカン+大きい=中ボス。 (9)『2D6+冒険者レベルで』:即興で決めたハウスルールです。念のため。 (10)『ソーセージ』:アルトの好物。というか成分。 (11)『袋詰め』:今回のトリガー。もとい導火線。 (12)『暗い炎』:一応、このシナリオは暗い炎探索ルート(シティシナリオ)もありました。 (13)『全てが無駄かぁ……』:この後のシナリオも無駄かぁ……。 (14)『HPを全快させます』:悪いPCにはガチで使ってOK。悪いGM以外はマネするな! (15)『強引に広げて使うってことで使い捨て』:GM、思わぬ今後の為のチャンス到来。 (16)『すればいいさっ!』:手加減、お互いに面白くないでしょ? (17)『呪われました』:GM、最後の抵抗。 |