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ソード・ワールドRPG
――フォーセリアと呼ばれる世界がある。そこは人間ばかりでは無く、エルフやドワーフなどの亜人たち、さらには竜や神といった怪物や伝承が現実に存在する世界。そして"魔法"の存在する世界。
――中世ヨーロッパに似て非なる異世界……ある時、誰かが言った――剣と魔法の世界フォーセリアと。
2004年3月7日セッション開始
シナリオ『消えた品物を追え!』リプレイ


百年の虚読SWリプレイ(1)

悲しい瞳を売っちゃおう!


◆はじまり

その日、その部屋の中には5人の男女(GM含む)が集まる予定でいた。そう5人の男女が……。
GM:さて、今日はキャラクター作成をしてもらいます! 使うシステムは某有名TRPGシステム・ソードワールドRPGです!
プレイヤーC:でもプレイヤーDが遅刻してるよ? いいの始めちゃって?
GM:実は携帯持ってない奴だから連絡がつかないんです……いや、ちゃんと事前連絡はしてあるので、たぶん電車やなんかでトラブルがあったと見るべきだと……。
プレイヤーA:ふ〜ん、まぁ来るならいいじゃん始めようよ。私、ソードワールドって10回ぐらいしかやった事ないから、あんまりルール知らないけど大丈夫だよね?
プレイヤーB:10回もやれば十分ですよ(笑)
プレイヤーC:ダイス振ってればキャラもできるしね(笑)
GM:と、いう事です! 何も心配要りません!
プレイヤーA:じゃあ心配しない(笑)
GM:それと今回は"ちょっとだけ"冒険を一緒にしたパーティーでやってもらうので、初期経験点+6000点で作って下さい。それとそれぞれ5000ガメル程度のアイテムを1人1つずつ進呈しましょう。今までの冒険の戦利品です。1)
プレイヤーC:おお、太っ腹(笑)
プレイヤーB:6000点って結構長く組んでるパーティーじゃないか(笑)
プレイヤーA:でもこのプレイってリプレイ取るんでしょ? いきなりパーティー組んでていいの?
GM:今回はそれで行きます。気が向いたらパーティー結成時の作りたて状態でのセッションを"いつか"やりましょう(笑)
一同:了解。
GM:ではキャラクター作成ですが、まずは種族を選択してもらいます。種族は人間・ドワーフ・グラスランナー・エルフ・ハーフエルフの5種類から選んで下さい。種族を選んだらそれぞれの種族毎に決まった数のダイスを振って、A〜Hの副能力値を出します。
プレイヤーC:ダイスって一回振ったらそれで決定?
GM:いえ、せっかくですからA〜Hまで全部振ってから、気に入らない場合は3回まで振り直し有りでいいです。「Bだけ振りなおし」とかではなく、振り直す時は「A〜Hまで全て」を振り直して下さい。
プレイヤーA:ねぇGM、プレイヤーDが遅刻してるんだし、ここは彼が来るまで何回でも振り直し有りじゃ駄目?
GM:3回じゃ足りませんか?
プレイヤーA:足りない(断言)。私は頭の良いキャラがやりたい。
GM:エルフとかやると頭いいですよ?
プレイヤーA:じゃあエルフで頭良いキャラがやりたい!
GM:………………。
プレイヤーB:でもあいつ、いつ来るかわからないし……あ、来た瞬間まだ決まってなかったら、その時のデータが決定のキャラって事で(笑)
プレイヤーC:あ、それ面白い(笑)
GM:わかりました。ではプレイヤーDが来るまでの間なら何回でも振り直して構いません。ただし「A〜Hまで全て」を振り直す事だけは守って下さいね。2)
プレイヤーA:OK♪ 十分十分♪ (コロコロ)……(←さっそく振ってる)
プレイヤーC:わ〜〜い、グラスランナーやろうっと(笑)
プレイヤーB:皆さん、何だかんだで振るの好きなんじゃないですか(笑)  
――そして好き勝手に振り出して1分も経たないうちに――
プレイヤーA:やったー! CとDが両方6!(エルフは両方とも1D+6である)これで知力は最大値の24!
プレイヤーB:おお、これでお目当てのキャラができますね。
プレイヤーA:早かったな〜〜まだ2回目の振り直しなのに(笑)(コロコロ)……1。
プレイヤーC:まだ2回目なの? 遅いよ! 俺なんてもう4回目だよ(笑)
プレイヤーA:しょうがないじゃん、慣れてないんだから(コロコロ)……1。あれ?
GM:EとFが1ですね。
プレイヤーA:うわ、どうしよう!?
GM:振り直す場合は全部最初からですからね。プレイヤーBはもう振ってないですけど、いいのですか?
プレイヤーB:迷ってる。一応平均値以上の能力値にはなったが……6の倍数がボーナスの計算値なんだよね……16と17が半分を占めているんだよ。3)
プレイヤーA:勿体なぁ。振り直しちゃいなよ!(笑)
プレイヤーB:まったくこの人は他人事だと思って(笑) 振り直してヘボくなって、その瞬間にプレイヤーDが来たらどうするんですか!
プレイヤーA:ほら、それはそれ(笑)
プレイヤーC:(コロコロ)……あああ、どうしても敏捷が最大にならないよ〜〜! そっちのダイス貸してよ!(コロコロ)……――
それから10分ほど経ち、プレイヤーDが来る。
GM:やっと来ましたね。もうみんなキャラクター作りしているのでさっさと始めましょう。
プレイヤーD:振り直しは何回までいいんだ?
GM:A〜Hまでを全振りで3――
プレイヤーA:1回振り。
GM:えッ!?
プレイヤーD:1回振りか、きびしいなぁ(コロコロ)……(と振り出す奴)
プレイヤーB:(こそこそ)――自分がキャラ作終わってるからさっさとプレイ始めたいんだよ。
プレイヤーC:(こそこそ)――哀れプレイヤーD(笑)

◆キャラクター紹介

ティアリート(ティート)
  ソーサラーのエルフ(女)。魔法の発動体はPLが「他に無いもの」と言うので特別仕様の『髪飾り型発動体』である。4)グラスランナーのPLから「頭振って魔法飛ばすの?」と言われて、華麗に踊りながら魔法を飛ばすという意味だけにバードを1レベル取った人。一応小型の竪琴も持っているらしい。
知力が最大値の24だが、いかんせん使い切れていない。一人称は「私」。



サリオン
  メガネをかけた18歳の人間。父親が傭兵であり母親がラーダ神官だった為に、ラーダを信仰する神官戦士になった。口癖は「データ的に言って……」――データってなんだ? とか言う疑問はこの際置いておく事にする。   魔法しか効かない敵が出てきた時用に、銀のバスタードソードを持っている。が、本人がホーリーウェポンをかければいい事にはプレイ開始後に気がつく。5)一人称は「僕」。



ポロ・トリス・ペンネ
  グラスランナーの男。外見子供の一人称は「ぼく」。プレイ前に一生懸命にダイスを振っていたが、なんだかんだで目的とするデータにはならなかったらしい。
  最上品質の銀のライトフレイルを持っているが、理由は「ポコポコ殴る方が楽しいから」だとか……バード技能にも長けていて背中にはリュートを背負っている。



バルク
  パーティーに振り回されている男ドワーフ102歳。趣味は武器作りで、自作の武器を誰かに使ってもらいたいと思っているらしいが……なぜ、こんな貧弱筋力なパーティーに席を置いているのだろう?
  知力が9なので本人は振り直したかったらしいが、某人物のプレッシャーにより1回振りのままプレイが開始されることに……。基本的にパーティーの不幸を一身に背負わされる。一人称は「わし」。


 キャラクター名:ティアリート
 種族:エルフ(女)
 冒険者レベル:2
 A:10 B:C:12 D:12 E:F:G:H:
 器用度:18(+3) 敏捷度:20(+3) 
 知力:24(+4) 筋力:2(+0)
 生命力:8(+1) <抵抗力3>  
 精神力:16(+2) <抵抗力4>

 技能名:
  セージ  :1Lv
  バード  :1Lv
  ソーサラー:2Lv
  シャーマン:1Lv
 キャラクター名:サリオン
 種族:人間(男)
 冒険者レベル:2
 A:11 B:C:D:E:10 F:G:11 H:
 器用度:18(+3) 敏捷度:16(+2) 
 知力:16(+2) 筋力:18(+3)
 生命力:19(+3) <抵抗力5>  
 精神力:17(+2) <抵抗力4>

 技能名:
  ファイター:2Lv
  セージ  :1Lv
  プリースト:2Lv(ラーダ)
 キャラクター名:ポロ・トリス・ペンネ
 種族:グラスランナー(男)
 冒険者レベル:3
 A:B:16 C:11 D:E:F:G:13 H:11
 器用度:23(+3) 敏捷度:27(+4) 
 知力:16(+2) 筋力:5(+0)
 生命力:15(+2) <抵抗力5>  
 精神力:24(+4) <抵抗力7>

 技能名:
  シーフ  :3Lv
  レンジャー:2Lv
  バード  :2Lv
 キャラクター名:バルク
 種族:ドワーフ(男)
 冒険者レベル:3
 A:16 B:C:D:E:10 F:G:13 H:15
 器用度:19(+3) 敏捷度:10(+1) 
 知力:9(+1) 筋力:19(+3)
 生命力:22(+3) <抵抗力6>  
 精神力:28(+4) <抵抗力7>

 技能名:
  ファイター:2Lv
  プリースト:3Lv(マイリー)
  クラフト :5Lv(鍛冶)
 

◆のんべんだらりと冒険者の店

時刻は気だるい午後、通りでは犬も猫も日向ぼっこがてらお昼寝しようかという陽気だった。職人の街エレミア6)にある冒険者の店7)『輝く剣先亭』――そこに、4人の冒険者がいた。
GM:ではプレイに入りましょう。なんか4人パーティーなのに全技能を全員で賄っている凄いパーティーですね。
ポロ:器用貧乏パーティー(笑)
ティート:どっちつかずでもいいわね(笑)
サリオン:データを確認するとですね、僕とバルクが"もろかぶり"なんですよ。同じ神官戦士だし。
ティート:じゃあドワーフ要らない。ポイッ(笑)
バルク:なんでわしが捨てられるんじゃ! わしの方がプリースト技能高いんじゃぞ?
ティート:でも、あんたドワーフだから頭悪いじゃん(一同爆笑)
バルク:お主……さっき聞いたぞ! お主等わしが遅刻している間に、何回も振り直ししたらしいじゃないか! わしだって知力9なんてやりたくなかったわい! なんせ共通語の読文さえできないのだぞ!!(笑)
ポロ:バーカ(笑)
バルク:……わしのセッション開始時の行動は決まった。たとえどんな場所で始まろうとも、このグラスランナーを追っ駆けてるからな!(笑)
サリオン:落とし穴の有るダンジョン攻略中から始めましょう(笑)
ポロ:で、ぼくがヒョイっと落とし穴越えて、後ろでバルクが引っ掛かるの(笑)
バルク:お主ら……。
ティート:さぁ馬鹿な事やってないで早くプレイを始めましょう! 最初は冒険者の店でしょ?
ちなみにティートが一番最初に酷い事を言いだした"言い出しっぺ"である。
GM:まぁその通り、冒険者の店から始まります。舞台は職人の国と言われるエレミアです。この国では武器や工芸品作りが盛んであり、まさに職人達の都です。そんなエレミアの大通りにある冒険者の店『輝く剣先亭』から始まります。時刻は気だるい午後です。
バルク:宣言通りわしはグラランを追っているぞ。待たんかコラ!!(笑)
ポロ:へっへ〜〜ん! 捕まらないよ〜〜だ(笑)
バルク:どしどし走り回るぞ(笑)
GM:「(ボソッ)お前達…店を荒らすな」(←店の主人)
サリオン:さてティート、いつもの風景ですがこれからどうしますか?
ティート:データ的に言うと?
サリオン:いつもならここで冒険の依頼を受けるのが常套手段ですね。ただ、現在の財政状況を鑑みるに、無理をしてまで依頼を受ける必要もない――と出ています(笑)
実際、この時のパーティーメンバーの所持金は大変潤っていた。買い物を必要としないソーサラーのティートとシーフのポロ。8)そして剣や防具の片方をGMからの報償アイテムで賄ったサリオンとバルクも、十分な蓄えがあったのだ。
ティート:ふむ……じゃあ私は街に出てウィンドウショッピングでも楽しんで来ようかな。せっかくの職人の街だし。と、私は店を出ちゃうけど――いい?
GM:いえ、あなたが出ようとすると、逆に店に入ってきた冒険者風の男に突き飛ばされます――「おおっと、すまねぇな」ドガッ!
ティート:……筋力2の私は倒れよう。たぶん無理だし。
GM:「倒れるモヤシの方が悪いんだ、悪く思うなよ、がっはっはっはっ」
ティート:モヤシじゃない! 私は儚げなの!
ポロ:枯れそうだしね(笑)
ティート:枯れそうじゃない! "可憐"なの!!(笑) とりあえずこの男に魔法を――
バルク:だーー! 街中で魔法使うでない! 口を押えるぞ!
ティート:なに? 駄目なの?
バルク:街中で魔法を使うのは、現実世界で刃物取り出すのと同じレベルだと考えい!
ティート:う〜〜ん、そう言われるとやめておこう。今まで10回やったソードはみんな人間の戦士やってたしなぁ(笑)
GM:リ、リプレイに取るのに新境地に挑戦したんですか(笑)
ティート:せっかくだし(笑)
GM:まぁ騒いでいる君達ですが、全員(知力ボーナス+冒険者レベル)で判定して下さい。成功すると、さっきの『ガッハッハ戦士』と店の主人の会話が聞こえます――「親父! これで借金は全て返したぞ!」「ほう、お前ら"干されていた"のに良い仕事でも見つけたのか?」「まぁ運が向いてきたって事だ! じゃあまたな親父! がっはっは」と店を出て行く戦士。
サリオン:それって1人なの?
GM:いやパーティです。がっはっはの戦士が金属鎧。他に3人ほど皮鎧がいた。
ティート:全員戦士かな? バランス悪いなぁ(笑)
バルク:バランスが良すぎるのもどうかと思うがな。
GM:と、その戦士達と入れ違いに店に入ってくる恰幅の良い中年男、何か店に入ってきてから落ちつかな気におろおろしている。
サリオン:話し掛けよう。何か困っている事がおありでしょう?(一同爆笑)
ポロ:いきなり押し付け&決め付けだ(笑)
GM:「凄いですね、よくお解りで!」(笑)
サリオン:いえいえ、統計的に僕のデータがそう言っているのですよ(笑) そう、あなたが困っている人だと(笑)
GM:「ええ、まさにその通りなんです。実は困っていまして……できれば冒険者の方を紹介して頂けないでしょうか?」
サリオン:実は私、冒険者なんです(笑)。仲間もあっちにいますし奥のボックス席へ行きましょうか。
ティート:じゃあそっちに行こう。
バルク:というか、こういう仲介役は店の主人の仕事なのではないのか? インターセプトしていいのか?
ポロ:いいんじゃない? その方が仲介料差っ引かれないし(笑)
バルク:いや、だからこそ店の主人に許可を得ないと以降の仕事がやりにくくならないか?
ティート:どうでもいいんじゃない? どうせ依頼料なんてシナリオで決定しているから変わらないんだし。
GM:うわ、身も蓋も無い事を……いや、その通りなんですが(笑) 「まぁ今回だけだぞ」――と店の主人も許してくれます。
バルク:ふむ、ではわし等もボックス席へ行こうか。  

◆探して欲しいのは中古品です

輝く剣先亭にある酒場…その奥まったテーブルに着いて依頼人の話を聞く、皆が微妙にやる気なさ気なのは、その陽気のせいだけではないだろう。
サリオン:全員水でも貰いながら依頼人の話を聞きましょう。
バルク:じゃあわしはエールを頼む!
ティート:依頼人の前で酒飲むの?
バルク:飲むぞ。
サリオン:バルクいいのですか? これから仕事を受けるかもしれないというのにアルコールを摂取するのは、データ的におかしいですよ。その行動はいざという時の戦闘行動の妨げとなって――(と云々)
ポロ:(勝手に依頼人に)おじちゃん、何で困ってるの?(笑)
サリオン:まだ僕の話が終わってないのに切るな!(笑)
ポロ:長いんだもん!!
サリオン:ここでちゃんと説明しておかないと、今後の僕達の戦闘における生存率が――(云々)
ちなみにリプレイでも長いので半分ぐらいに省略しています。                      イラスト
GM:依頼人は一人真面目そうなエルフの女性に話し掛けます。
ティート:真面目? 私はただ面倒だなぁって気だるくしていただけだよ?(笑)
ポロ:それってタダだらだらしてるだけじゃん!(笑)
ティート:そうとも言う。まぁ依頼人の話ぐらい真面目に聞くよ。
GM:「私はこういうものなのですが……」――と、この人は最近街に出来たアブソレイト商会工房部門担当のパージと言う人らしい――「実は依頼を受けてもらうならば内容をお話しても構わないのですが……断られるのでしたら、商会の信用問題に関わるのでこれ以上は言えないのです」
ポロ:もう十分情報漏洩してると思うけどね。
バルク:アブソレイト商会って有名なのか?
GM:それなりに有名です。武器から生活雑貨まで何でも売ってる複合商会です。ちなみに依頼料は1人につき1500ガメル。9)詳しい事は言えないけど「探し物」の依頼らしい。
ティート:受けようこの依頼! 生活雑貨まで揃っているお店なんてコネが出来たらいろいろ面白そう!
バルク:わしとしては武器屋へのコネは嬉しいのう。
サリオン:ポロはどうしますか? あなたが賛成ならこの依頼を受けましょう。
ポロ:ん、いいよ別に。探し物なら簡単そうだし、命の危険も無さそうだしね(笑)
サリオン:ではパージさん、この依頼受けさせて頂きます。詳しいお話の方をお聞かせ願いますか?
GM:「ああ、ありがとう御座います。実は工房倉庫から、アウトレット品が数点、無くなっていることに気づいたのです」
ポロ:アウトレット品?
ティート:中古品の事でしょ。
GM:このエレミアの街には品質向上委員会なるモノが働いていまして、店頭には傷モノや不良品を売りに出せないのですね。そのせいで、ちょっとした傷物等の中古品は倉庫に置いておいて、どこか別の街へ輸送したりしていたんです。
サリオン:この街では売れないので、別の街のアウトレットモールにて売りさばくのですね。効率的です。
ティート:ちなみにいつ頃から無くなったの?
GM:「二週間前からです。もしかしたらそれ以前にもなくなっていたのもしれませんが、私の確認したのは2週間前からなんです。無くなっているのはどれも必要筋力の小さい小型のものばかりでして」
バルク:まぁ持ち運びも便利だしな。必要筋力が高いものより需要もありそうじゃ。
ポロ:シーフが盗んだって可能性は無いの?
GM:「外部犯の可能性は少ないのです。なんせギルドには保護料を払っているので……」
ポロ:もぐり以外はない……と。
ティート:じゃあ内部犯で決まりね。店員によるお小遣い欲しさの万引き犯行ってところじゃない?
GM:「ちなみに内部犯なら、無くなっていたのは朝なので夜勤や片付け連中が怪しいと思っているのですが……私では本格的な調査が行えないのです。自分が下手に疑ってしまうと、職人たちの仕事に影響が出てしまうので……」
ティート:だから私達冒険者への依頼なのね。いいんじゃないやってあげようよ?
ポロ:本当に命の危険は無さそうだね(笑)
GM:「ああ、そうだ! これは大事な事なのですが、この事は極秘でお願いします。事が公になれば、品質向上委員会が動いて、最悪、店の営業権を取り上げられてしまうので……」
サリオン:わかりました。出来る限り検討します。
ポロ:検討なんだ(笑)
サリオン:君達がいるのです、無難な事を言っておいた方がいい(笑)
ティート:グラスランナーだしね。
ポロ:姉ちゃんも同類な気がするけどなぁ。
バルク:とにかく犯人を見つけて盗まれたアイテムを回収できればいいんじゃな?
GM:「そうです。それにどのようなルートでどこに流れていたかも調査してもらえるなら、そこまでやって頂きたいです。宜しくお願いします」――では他に聞きたい事が無ければパージさんは商会へと戻っていくけど?
サリオン:問題無い。聞きたい事は全部聞いた……あ、僕もパージさんと一緒に商会へ行こう。内部で目星のついている人の名簿とかを頂きたい。
ティート:じゃあ行ってらっしゃい。そっちは任せるわ。
サリオン:行ってきます。パージさんと一緒にいなくなりました。
ポロ:ぼく達はどうしよっか?
ティート:シーフギルド10)で情報集めてきてよ、アブソレイト商会の裏を取ってきて欲しい。
ポロ:ま、ぼくの役割か…うん、わかった行ってくる。
ティート:それとバルクはお客さんの振りして、実際にアブソレイト商会の武器でも見に行って、表向きはどんな感じか調べてきて。
バルク:了解した、良い仕事しているか気になってはいたんじゃ。
ティート:よしOK、じゃあ私はここにいるから皆頑張ってね!
一同:『お前も働けーーー!!!』  

◆情報集めてバイトの面接

それぞれが情報を集めに街へと走り、そして戻って来た時には……すでに夕方になっていた。
ティート:街の人の話を聞いたら、なんかアブソレイト商会は最近手を抜いているんじゃないかって噂されてた。どうにも夜の当番の人が5・6人でやるところを3人ぐらいでやっちゃってるらしいよ。
バルク:わしが聞いてきたところによると、最近新人が入って来て、その研修・修行のために少人数でビシバシ夜の仕事を鍛えているらしいぞ?
ティート:じゃあ誤解されているんだ。ま、別にいいけど。
サリオン:メモを読み上げながら言おう。僕が調べてきた話によると、その夜番の3人はドライ・ツバイ・アインという3人組みです。ドライがベテランでツバイとアインの新人に教育しているらしいですよ。
ティート:とりあえず筋は通っているのかな?
バルク:今の所な。で、ポロはどうじゃった?
ポロ:ギルドに顔出して聞いてきたんだけど、アブソレイト商会が商売敵から恨まれる理由は無いみたいだよ。気になった情報としては、給料が安いと有名なんだってさ。
サリオン:内部犯の可能性が上がっただけですね。
ティート:どうしよっかサリオン?
サリオン:データ的に言って次はやはり内部調査ですね。誰かが潜入するべきです。
バルク:ではここは人間のサリオンが行くべきじゃろう。違和感無いしな。
サリオン:それは無理です。僕はさっきパージさんと一緒に商会へ行ってしまいましたから、面が割れています。
バルク:わしもさっき思いっきり客として行ったから面は割れているぞ?
ティート:じゃあ私とポロでバイトを受けに行こうか、行くよポロ!
ポロ:別に面接受けなくてもいいじゃん? パージさんに手を回してもらおうよ(笑)
アブソレイト商会の裏口から入り、誰にも見つからないようにパージさんに会うティートとポロ――
GM:「……つまり、新人として雇って欲しいと?」
ティート:そうそう、それで内部で怪しい人がいないか調べるから、夜番に入れてね。
GM:「わかりました。そういうことなら手を回しましょう……とは言え、冒険者だとバレてしまっては元も子もありません、お2人には"丁稚"とその"保護者"で宜しいでしょうか」
ポロ:ええ!! なんでぼくだけ!?
ティート:それで構いません(しれっと)
ポロ:ちょ、ちょっと2人でやるんじゃないの!? ずるいよ1人だけ!!
ティート:私は最初からこのつもりでいたけど?
GM:そんな感じがしました。あなたなら絶対そうしたいだろうって(笑)
ポロ:うわ〜〜ひで〜〜。
サリオン:いつもの事です。あきらめなさいポロ(笑)
バルク:ティートの性格ぐらい、いい加減理解した方がよいぞ(笑)
ポロ:ううゔ……。ずるいよ、さっさと保護者として帰る気だろ!!
GM:「あのティートさんも一応保護者として内部の人に挨拶ぐらいはして下さいね」
ティート:それぐらいならわかりました。一緒に行きましょう。工房…こっちですか?
GM:「ええ、こっちです」
ポロ:酷いよ、人身御供だ!11) 人身売買だ! 泣いてやる!!
ティート:じゃあ可哀相だから歌でも歌ってあげる、私バード1レベル持ってるし……ドナド――
ポロ:い〜や〜〜!! 売られて行くよ〜〜(一同爆笑)
そこは鉄やオイルの臭いが充満した場所だった――工房――鎧や武器、はては別の雑貨やアクセサリーなども作られている。そんな場所に場違いな2人が……。
GM:「お〜い、みんな注目してくれ! 今日から臨時で入る事になった新人だ!」――とパージさんが紹介する。汗臭い筋骨隆々な男達が一斉に注目。
ティート:うわぁ…なんか視線が痛い。私のいる場所じゃない(笑)
ポロ:いいじゃん! どうせすぐ帰っちゃうんだし!!
GM:実際男達は美人なエルフに注目していたりします。
ティート:宜しくお願いします。私の弟で丁稚奉公の"ポチ"です(一同大爆笑)
ポロ:ポチ!?
ティート:いや、名前変えておいた方がいいかなぁって、冒険者だとバレたら駄目みたいだし(笑)
ポロ:だからってポチは酷いじゃないか! もっとマシな名前だってあるじゃん!!
ティート:じゃあ"ボロ"。
ポロ:うわぁ…センス無ぇ……ポチでいいや。
GM:「と、言うわけだ。ポチは夜番になる、とはいえ仕事を覚えてもらう為に夕方から入ってもらう。ビシバシ鍛えてくれ!」
ポロ:いやパージさん!? 別にビシバシ鍛える必要無いって! そんな事されたら調べる暇なくなっちゃうって!!
ティート:では皆さん弟のポチを宜しくお願いします。出て行こう。
ポロ:あ、ティート! じゃないティート姉! もうちょっと居ようよ!
ティート:じゃ〜ね〜〜私は肉体労働向いてないから〜〜(笑)
ポロ:ぼくだって筋力5だよ! ボーナス0だって!!
ティート:はい、私工房から出たから。                                      イラスト
ポロ:早ッ!!!
GM:ではポロは男達に連れて行かれます。ここの仕事は大変なので筋力ボーナス+冒険者レベルで判定、12を目標に振って下さい。
ポロ:(コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……なんとか全部成功した。ふぅ〜……。12)
GM:「おお! 良い仕事っぷりじゃないか!」
サリオン:(突然仕事人)『お前見所あるじゃないか! どうだ今日の帰りに一杯引っ掛けていくか』
ティート:(同じく仕事人)『可愛いガキだと思ったが、それがどうした! ポチ良い働きっぷりだ!』
バルク:(上同)『どうだ坊主! 大きくなったらうちに永久就職しないか?』
ポロ:グラランなんだからこれ以上は大きくならないって(笑)
GM:「お前等もポチを見習え!」
ティート&バルク:(仕事人)『ウィ〜〜ス!!!』
サリオン:(変な仕事人)『ポチはうちらのマスコットじゃ〜〜』(笑)  

◆1人の犠牲、3人の冒険者

輝く剣先亭……そこにバイトの面接に行ったはずのティートが帰ってきた。そう1人で……。
バルク:どうしたんじゃ一人で帰ってきて、ポチはどうした?(一同爆笑)
ポロ:ポチじゃない! しかもどうして伝わってるんだよ!!(笑)
バルク:すまん間違えた(笑)
サリオン:バイトに行ったのではないですか?
ティート:じゃあ説明した。ポロがポチで悲しい瞳で見ていた(笑)
ポロ:酷い説明だよ……。
サリオン:わかりやすい説明でした(笑) では内部調査はポロに任せましょう。もともとシーフですから作業には向いてますし。
ティート:ついでにパージさんに、夜番の3人の性格とか聞いてきたいんだけど?
GM:ああ、それは教えましょう。アインは気弱な青年です。ツバイは淡々とした男です。ドライは豪快で威張ってます。ドライはどっちかっていうとツバイの方を贔屓しているらしいですね。
サリオン:ドライがベテランの教育係…ですよね?
GM:そうです。
バルク:それで、わしらはこの後どうする?
サリオン:そうですね……夜の間外で見張るというもの手ですが……データ的に暗視ができない私は役に立ちませんね。
バルク:わしに行けと?
ティート:ねぇ、そんな事する必要も無くない? どうせポ……ロが彼らと一緒に仕事してるんだし、怪しいと目星つけた奴ぐらい、きっと自分で追跡とかして調べてくれると思うな。
ポロ:うわ〜〜ティート姉、グララン使いあっらいわ〜〜。
サリオン:そうですねティート、それが一番効率良い行動ですし、過去のデータにも裏打ちされています。
バルク:つまり、わしらは何をすればいいんじゃ?
ティート:わっかんないかなぁこのドワーフは、つまり私達が何をすればいいかっていうとね?
「宿屋で寝て待っていればいいのよ」
 

◆怪しいささやき

仕事も終盤に近づきそろそろ深夜という頃、ここアブソレイト商会の工房では1人の人間があたりを仕切り始めていた。
GM:では深夜になろうという頃、ドライと呼ばれる男が周りに向かって――「おい、そろそろ皆は上がっていいぞ! ここからは俺が新人達をみっちり教え込んでやる!」「おお、いつもすまねぇな!」「先あがらせてもらうわ!」「アイン、ツバイ、頑張れよ〜〜」――とこんな感じ。
ポロ:近くの人に聞いてみよう。ねぇねぇ、どういうこと? みんな帰っちゃうの?
GM:「ん? ああ、なんかドライの奴が教育熱心でな、ヘタに俺達がいると邪魔だってんで、帰れって言うんだ。まぁここは給料が安いからな、早く帰れるにこしたこたぁねぇよ」
ポロ:ふ〜〜ん。ねぇぼくも新人だし、その研修受けたいな?
GM:じゃあそれは他の人が口添えしてくれる――「おう、ドライ! 今日から入ったポチにも教えてやってくれよ! こいつは見込みがあるぜ」
ポロ:宜しくお願いしま〜す!
GM:ドライは最初嫌な顔をするけど、新人なら仕方無いって感じで許可してくれます。他の人達は三々五々帰っていく。残ったのはアイン、ツバイ、ドライとポチの3人です。
ポロ:いちおう言っておくけど――ポロだからね。
GM:はい、間違えました(笑)……それから数時間経ってから、ドライがポロに話し掛けていきます――「ちょっとお前は見込みがありそうだ。住所と名前と…とにかくこの紙に記入してくれ、新人の決まりでな」
ポロ:そうなの?
GM:ちなみにドライの手書き履歴書です。
ポロ:怪しい……でも書こう。どうせ住所なんて無いし、嘘をつらつらと書いた。
GM:ドライは満足そうにそれを懐に入れて――「よし、今日は関係無いがいろいろしなきゃならねー事は多い、それを明日は教えるからな、ちゃんと来いよ」
ポロ:「いろいろ?」
GM:「まぁそれは明日だ……だから明日もちゃんと来いよ、この紙があるから何かあっても、お前の家に行くからな」
ポロ:う〜ん……まぁ下っ端な手口なのにちょっと引っ掛かるけど……大丈夫です! 必ず明日も来ますから!
GM:「よしよし、とりあえず今日はこのまま仕事を終わらせちまうぞ! ほら、アイン! さっさとそれを運べ! ポチはそっちだ!」
ポロ:わかりました!
その頃、寝ているサリオン:僕のデータによると……ムニャムニャ(笑)
その頃、寝ているティート:うちのポチは一生懸命頑張ってますか? スースー(笑)
その頃、寝ているバルク:犬じゃな…ぐおーぐおー(笑)
ポロ:ううう…なんでぼくだけ……。
そして空も白く染まってきた朝方……。
GM:「よし! 今日の仕事はここまでだ! 朝番と交代して引き上げるぞ!」
ポロ:やっと終わった〜〜ボロボロ〜〜。
GM:とドライがアインとツバイにボソボソとなにかを話していますね。
ポロ:『聞き耳』〜〜(コロコロ)……達成値は14!
GM:ではドライがツバイに『……じゃあ連絡はつけておけ、任せたからな』『はい、任せて下さい』――さらにアインには『お前解ってんな言うんじゃねーぞ』『はい…はい……』
ポロ:アインは虐められっ子?
GM:「じゃあ今日は解散! ポチ、お前は今夜来いよ!」
ポロ:うぃ〜〜。
GM:では3人はばらばらに帰っていきます。
ポロ:すっごい疲れているけど……後をつけます〜〜。
GM:3人ともバラバラの方向ですが?
ポロ:ツバイを『尾行』します。
GM:シーフ技能+知力ボーナスでお願いします。
ポロ:(コロコロ)……13!
GM:ツバイは賭博場へと入って行きます。
ポロ:間を置いて中へ入る。ツバイについて噂とか誰かしてない?
GM:「あいつ結構使ってるけど大丈夫なのか?」「なんでもいい仕事見つけたみたいだぜ?」とか聞こえてきます。
ポロ:常連さん?
GM:そんな感じですね。中へ入ってツバイを見ると、少し経って1人の男が近づいてきます。シーフ技能+知力ボーナスで『記憶力』判定をお願いします。
ポロ:(コロコロ)……13!
GM:なら大丈夫ですね。見覚えがあります。昨日の昼に酒場で会ったガハハ戦士と一緒にいた皮鎧の男ですね。
ポロ:ああ〜〜。
バルク:やっとつながったようじゃな。
ポロ:『聞き耳』(コロコロ)……9!?
GM:それじゃあ話の内容はわかりません。その後、話がまとまったのか、皮鎧の男は帰っていきます。ツバイはそのまま賭博を続けます。
ポロ:その皮鎧をつける!『尾行』(コロコロ)……11。
GM:(コロコロ)……朝もや深い街の裏路地で――「おい、俺をさっきからつけているガキ、いったい何のようだ?」
ポロ:逃げる(即答)。
GM:まぁ逃げ切れていいでしょう。別に追ったりもしません。
ポロ:はぁ〜〜やっと帰れる……。
GM:ではポロは戻ってきました。そして――
1日以上の激務を終えたポロが『輝く剣先亭』の部屋で見たのは、気持ち良さそうに寝入っている3人だった。12)
 

◆気弱なアイン

その日のお昼頃、全員がボチボチと起きだし、ぼちぼちとお昼を食べ始める。そんな昼下がり……。
ポロ:という感じでご飯食べながら昨日(朝?)あった事を説明した。
サリオン:つまりドライって奴がリーダーで、ツバイが中古品を下ろしている奴との繋ぎ役って感じですね。
ティート:まぁとりあえずドライ達3人が黒なのは確実ね。もっとも、気弱なアインの家に行って裏を取りましょうか。住所はサリオンが貰ってきた名簿を見れば書いてあるでしょ?
GM:書いてありますね。
ティート:じゃあそこに行きましょう。サリオン付いて来てくれる?
サリオン:ええ、行きましょう。
ティート:ポロは夜までゆっくりしていていいから。バルクも一緒に残っててくれない?
バルク:わしは構わんが。
ポロ:夜のためって……やっぱ夜にまた行くんだね……。
GM:ではアインの家にティートとサリオンが来ました。バルクとポロはお留守番でいいんですね?
ポロ:寝てる〜。
バルク:酒でも飲みながら待っているか。
サリオン:アインの家族構成はわかりますか?
GM:パージさんから性格とか聞いた時に教えてもらってたことにしましょう。病気の母親が1人いるだけです。父親は既に他界しています。
ティート:サリオン、この場合はどうしたらいいかな?
サリオン:過去のパターンによると、問答無用に乗り込んで行っても大丈夫でしょう。
ティート:じゃあトントンッ! こんにちは。
GM:「はい? ああ、ポチのお姉さん♪」
ティート:今なんか発音がハートちっくだったんだけど?
GM:ハートですよ。美人ですし。
ティート:ちょっとお邪魔しますね♪
GM:「え、あ、はい、どうぞどうぞ」
サリオン:さり気に入ろう。
GM:「あの…それで、いったい何の用でしょう?」
ティート:「実はこちらの冒険者の方に調べてもらいました。アインさん、あなた最近よからぬ事に手を出しているようですね……うちの弟が一緒に働いているというのに、そんな犯罪に手を染められては……」
GM:「あ、あ、あ……ほんの出来心だったんです!!!」
ティート&サリオン:『早いよ!!!』(一同爆笑)
GM:ええ!?
ティート:もっとこう交渉は無いの?(笑)
サリオン:言葉一つ一つで追い詰めていかないでもいいの? ティート、こんな根性無し僕のデータには無いです(笑)13)
ティート:まさかこんなにあっさり認められるとは思わなかったな……それでアインさん、あなたがやっていた事を洗いざらい教えてくれますか?
GM:涙涙にアインは話します。
――アインの話した情報――
   ◆最近、臨時ボーナスをやるから『ツバイ』と一緒に片付けを引き受けろと『ドライ』に言われた。
   ◆『ドライ』から指示があった日の仕事終り。商品価値のないものを倉庫から持ち出して、
     町外れの小屋にもって行く。それが"片付け"。
   ◆許可は出ている。他言無用。そう『ドライ』から言われた。
   ◆怪しいと思いながらも、お金は病気の母の為に切実に欲しかった。
   ◆実際、アインがもらっているお金は微々たるもの。
   ◆今夜、また持っていくように言われている。
GM:小さな一間の家で、奥の方に布団で誰かが寝ています。時々ゴホゴホッと咳き込む音も聞こえますね――「ごめんなさい。でも、病気の母のためにお金が欲しかったんです……見逃して下さい」
サリオン:どうしたものですかね。
ティート:いいわ、病気のお母さんのためにやっているんなら、可哀相だし許してもいいじゃない。悪いのはドライでしょ? それにドライから『許可は出ている』って言われているなら問題ないでしょ?
サリオン:そうですね、彼に悪意があったわけでは無いですし
GM:「ほ、本当ですか……」
サリオン:ただ、こうなるとアウトレットを運ぶ時、その箱に入って現場を押えるのが一番効果的だと思います。
ポロ:ぼくは入らないよ! ぼくは箱を運ぶ役だからね!
ティート:う〜〜ん、そうか……まぁアインには言っておこう――ただし、一つだけ条件があるの。今日の夜の仕事はドライの言う通りに動いて欲しい。アウトレットに紛れて彼の仲間が潜入するから、あなたは何も知らないふりをして、いつも通りに運んで欲しいの。
GM:「あ、はい。それぐらいで済むなら、いくらでも協力します」  

◆箱入り大作戦

アインの家から帰って来て、ポロとバルクに裏が取れた事を話します。そして、結局誰が箱に入るかという話になり――
ポロ:駄目だよ、ぼくは運ぶ係だから。
ティート:それは解ってるって、ポロはドライやアインと一緒に上手くバレないように運んで欲しいしね。
バルク:そうすると残りは3人じゃな……。
ティート:(バルクを見ている)
バルク:なんじゃ?
ティート:別に。
サリオン:ティート、今回ばかりは僕と君が箱に入ろう。調べたデータによると、受け渡しは夜だし、野外での活動ができるバルクは、アインから聞いた受け渡し場所に先回りして待機しているのが一番良いと思う。
ティート:あ〜〜確かに……反論はできないなぁ。
サリオン:反論しないでいいから(笑)
ティート:じゃあ私とサリオンで箱に潜入しましょう。ポロ、お願いね。
バルク:そう言えば、今は『輝く剣先亭』じゃな? ならポロの言っていた取引相手と見られる、ガハハな戦士の冒険者パーティーについて、店の主人は知っておらんのか?
GM:それは知ってます――「ああ、あいつらは、依頼達成率が0%の駄目パーティーでな、あまりの失敗率の多さに最近まで干されていたんだ。リーダーで重戦士のモノ、軽戦士のジー、盗賊のトリ、精霊使いのテトラの4人組だな」
ポロ:うわぁ解り易いなぁ。
ティート:じゃあバルクに地図を渡そう。アインから聞いた場所を書いたからね。
バルク:いや、文字を書かれても読めないのじゃが(笑)
ティート:あ、そっかあんたドワーフだもんね。14)
バルク:そういう問題でもないがな。
サリオン:僕が描き直しておきます。全部絵で描いて幼稚園児でもわかる地図に仕上げました。
バルク:すまんな世話をかけて。
サリオン:いいんですよお爺さん(一同爆笑)
ポロ:介護中のお母さんですか!?(笑)
サリオン:っ失礼、今のは無かった事で(笑)
ティート:じゃあ作戦開始と行きましょうか!
その後、パージさんに言って、それぞれ箱に入り込むティートとサリオン、さらにドライ達と一緒に夕方から働き出すポロ、地図を片手に現場へと先回りするバルク……ついに作戦が実行に移される。
GM:では夜、アブソレイト商会の工房です。すでにティートとサリオンは箱の中です。ドライ達を残して他の男達も帰ってしまいました。
ティート:(箱Aの中)ここにいるのって実は暇ね。
サリオン:(箱Bの中)そうですね。まぁ、仕方ありません。
GM:「おい、アイン、ポチ、そろそろ始めるぞ!」
ポロ:ここは一応聞いておくかな。あの、何をやるのでしょうか?
GM:「ああ、言ってなかったな。上の方からの命令でな、ここにあるアウトレット品を、街外れまで運ばなきゃいけないんだ。もっとも、この事は他言無用だ」
ポロ:仕事なのに他言無用なの?
GM:「そういう仕事もあるって事だ。いいからお前は言われた通りに運べばいいんだよ! アイン、ボヤボヤするなよ!」「は、はい!」――とかそんな感じ。
ティート:(箱の中)そろそろのようね。
ポロ:あの〜〜この箱Aと箱Bってどこに置きましょうか? 台車に持っていけばいいんですよね?
GM:「ああ、頼んだ」
ポロ:じゃあゴツンゴツンって箱を運ぼう。AもBも(笑)15)
ティート:(箱の中)ちょ、ポロ! あんた解って――
サリオン:(箱の中)ここは右回転の運動という事は、自身が左回転で――
ポロ:あっと、Aの箱が台車から落ちちゃったよ(笑) ドカンッ!(笑)
ティート:(箱の中)ポロ……燃やすよ(ボソ)。
ポロ:あとアイン宜しくね〜〜(笑)  

◆干されパーティーとの戦い

ガタガタと夜中に荷車を街外れに運び出し、ちょっとした小屋に運び込むドライ達。付近にはすでにバルクが待機していた。
バルク:わしはすぐ駆けつけられる付近から隠れながら見張っているぞ。
GM:わかりました。
ポロ:じゃあ荷物はこんな感じでいいですね?
GM:「おう、十分だ。じゃあアイン、ツバイ、今日は俺のおごりだ。ポチも来い俺が奢ってやるぞ」
ポロ:あ〜〜と、ごめんなさい。姉さんが早く帰って来いって心配しているんで、遠慮しておきます。
GM:「そうか? まぁじゃあいいや、美人の姉ちゃんに宜しくな」
ポロ:わかりました〜♪ じゃあまた〜♪――そこから街へ帰る振りをして、バルクと合流する。
GM:それなら合流できます。ティートとサリオンはどうしますか?
ティート:(箱の中)もう少し待ってる。
サリオン:(箱の中)そうですね。きっとモノ達がやってくるでしょうから、それから行動を起こしましょう。
GM:では御期待に答えてモノ達4人組がやってくるのを、物陰からポロ達は発見します。ティート達も声や足音が近づいてくるので気が付くでしょう。
サリオン:(箱の中)現行犯まで待ちましょう。
GM:待つと、次々と荷車に詰め込まれます。そしてガラガラガラと荷車を引きながら、モノ達が――「おい、ちゃんと食料は持ったか?」とか言ってます。
ティート:(箱の中)食料? このまま運ばれればどこに運んだかわかるけど、その前に私は食料を持ってない(笑)
サリオン:(箱の中)そうですね。意外と遠くに運ぶようですし、計算外でした。
ポロ:もう出ちゃってもいいよね? そこまでだ!!! と飛び出した(笑)
GM:「ん? いったい何の用だ? 子供は帰ってミルクでも飲んでろ」16)
ポロ:お前達の悪事は全てお見通しだ! その運んでいる荷物が何か、ぼくは全部知ってるぞ!
GM:「探偵ゴッコは帰ってやんな。痛い目見たくなかったら今日見た事は忘れるんだな」
ポロ:じゃあその荷物を確認してみろ! いや、もっと言うと早く荷物を確認しろ! やりたいなら槍で貫いてもいいぞ! ぼくは止めない!!(一同爆笑)
ティート:(箱の中)………………。
サリオン:(箱の中)ティート……あいつは馬鹿です。
バルク:やれやれ、わしが別の方角から出てきて相手をしよう。モノ、ジー、トリ、テトラの4人組じゃな、すでに裏は取れておる大人しく降参するなら良し、しないのなら少々痛い目を見てもらうぞ。
GM:「なんだこのドワーフは!」「たった一人で何偉そうに言ってやがんだ? あぁあ?」
ポロ:いや、ぼくも見て(笑)
バルク:とある筋から頼まれてな、お主等の悪事を見逃すわけにはいかんのじゃ。
GM:じゃあドワーフは4人に囲まれます――「ばれちゃあしょうがねぇ、口封じさせてもらうぜ、永遠に眠ってもらおうか」
バルク:ほう、お主等ごときがわしを止められるかな。
サリオン:今の内に箱から出ましょう。
ティート:わかった。なんかバルクが頑張って引きつけてくれてるしね。
ポロ:じゃあ4人組に指差して、ほら後ろ後ろって合図を(笑)
サリオン:送るな!(笑)
ティート:ちょっと情けない状態なんだから(笑)
GM:大丈夫です。子供には目が行っていないので4人組は気が付きません。ティートとサリオンは1ターンだけ好きに行動していいですよ。その後、戦闘に入ります。
ティート:敏捷が早いのは私の方よね。叫んじゃいましょう! そんなに眠りたいなら好きなだけ寝させてあげる!『スリープ・クラウド』17)(コロコロ)……9!!!
GM:「なに!? どこから!!」――(コロコロ)……全員寝ませんね。ちなみにポロとバルクも範囲内なので抵抗して下さいね。
ポロ:(コロコロ)……それって余裕過ぎなんだけど(笑)
バルク:(コロコロ)……わしらは精神抵抗だけは異様に高い2人だからのう(笑)18)
ティート:仲間がいたから手加減したのかな。
ポロ:ティート姉の腕が悪いんでしょ? 役に立たないなぁ(笑)
ティート:ポロ介! あんたさっき何さらしてくれた!!!
ポロ:ポロ介って……。
サリオン:覚悟は出来ているのでしょう……ゴゴゴゴゴゴゴ(笑)
ポロ:うあっ、なんか仲間から得も知れぬ殺気を感じられます(笑)
サリオン:僕は近寄って攻撃。誰がいる?
GM:厚い鎧が1人と、残りは皮鎧3人。皮鎧はそれぞれ槍とメイスとショートソードを持ってます。
サリオン:薄い鎧の槍使いに(コロコロ)……命中14。
GM:(コロコロ)……回避できません。
サリオン:(コロコロ)……11点ダメージ。
GM:「何!? うちのルーンマスターを!」
サリオン:ルーンマスターだったのですか(笑)
GM:まだ倒れませんよ。シャーマンです。

GM:
では次のラウンドです。最初はポロ。19)
ポロ:さっさと決めちゃうよ。シャーマンに向かってクリティカル−1の『強打』20)(コロコロ)……命中13!
GM:(コロコロ)……それは回避しました。
ポロ:あれ?
ティート:ほら見なさい! あんただって役に立ってないじゃないの!(笑)
ポロ:違うよ! サリオンが走ってきたからビックリして剣先が鈍ったんだよ!(笑)
サリオン:僕のせいにするのはデータ的に言って間違っていますね、今あなたが攻撃を外したのは――
バルク:コラァッ!!! お主等いい加減にせんか! 今は戦闘中だぞ! 真面目にやらんと死んでしまうぞ!!
ティート:うあ、怒られた(笑)
ポロ:『コラッ』とか初めて聞いたよ(笑)
サリオン:だから攻撃の命中率におけるデータから推移すると――
バルク:お・ぬ・し・ら……。
ティート:あ〜〜はいはい、真面目にやるって(笑) 次は私の番だよね?  華麗に舞いを踊りながら『エネルギーボルト』21)を槍使いのシャーマンに!
GM:どうぞ。
ポロ:踊る必要はあるの?
ティート:あるよ。発動体が髪飾りだから、踊りと共に私の付近の宙空にエネルギー球が生まれて、呪文詠唱終了とともにシャーマンに飛んでいく(コロコロ)……発動は11。
GM:(コロコロ)……よし、耐えました! 0レーティングでダメージを下さい。
ティート:(コロコロ)……9だから3点。
GM:それに魔力を足して下さい。
ティート:ソーサラーが2レベルで知力ボーナスが4だから魔力は6、さっきの3と足すと9点のダメージ。
GM:それは(コロコロ)……お腹にエネルギー球を食らって気絶します。モノが――「おのれよくも! うちのシャーマンを!!」
ティート:ま、こんなものよね。
GM:では軽戦士のジーが子供を攻撃します(コロコロ)……命中14です。
ポロ:『強打』したから回避がマイナス4だしな(コロコロ)……13で当たります。
GM:(コロコロ)……ダメージは14点です。
ポロ:(コロコロ)……8点来た。痛い。
ティート:8点……私はその時点で死亡よ(笑)
サリオン:次は僕です。薄い鎧のメイス持ちを(コロコロ)……命中16。ダメージは12点。
GM:切られました。だが、まだ倒れませんよ――「卑怯な! 後ろから狙うなんて!」
サリオン:後ろだったのか……しかしデータ的に言って、これが一番効率が良いのです。
ポロ:なんでもありだ(笑)
バルク:わしはマイリー神官だからな、ちょっとその戦い方は推奨できんぞ。
ティート:ドワーフ頭悪いから(一同爆笑)
バルク:違う! 信仰の問題じゃ!
ティート:私エルフだから神様って信じないし、ポロはわかる?
ポロ:ぜんぜ〜〜ん(笑)
バルク:おのれ、エルフとグラランの無信仰コンビめ!22)
GM:メイスはサリオンの目の前で防御専念。次はバルクです。
バルク:では重戦士のモノに命中が(コロコロ)……14。
GM:(コロコロ)……かわせません。
バルク:(コロコロ)……ダメージも14点。
GM:……半分持ってかれたか。
ティート:そう言えばバルクって武器何?
バルク:マトックじゃ。
ティート:マトック?
サリオン:簡単に言って「ツルハシ」ですね。工事現場のあの工具です。23)
ポロ:嫌だなぁ。かっこ悪い。
バルク:これが一番強いんじゃから仕方無いじゃろうが! サリオンならデータ的にこいつが一番効率的だとわかってくれるじゃろ?
サリオン:今まで会ったドワーフ族の武器としては、普通はアックスですね。つまりバルクのマトックは異例です。
ティート:駄目じゃん。
バルク:たぶん次点ぐらいでマトックだと思うぞ?24)(笑)
ポロ:あ、ちょっと納得(笑)
ティート:ツルハシの使用頻度が高いってのは……そんなのだからドワーフって言われるのよ(一同爆笑)
バルク:洞窟に住んでいるのがドワーフじゃから、わしは何も恥ずかしくないぞ! というかツルハシは最高じゃ!!!(一同爆笑)
ティート:開き直るとは……。
GM:「おのれドワーフ!」重戦士モノもモールで攻撃します(コロコロ)……命中は13! ダメージは15点!
バルク:(コロコロ)……5点ほど食らってしまった。なかなかお主もやるようじゃな。

GM:では次のターンです。
ポロ:誰が残ってる?
サリオン:役立たずのポロ(一同爆笑)
ポロ:ち〜〜が〜〜う〜〜! 敵の方!!
GM:重戦士モノがドワーフと一騎打ち中。シャーマンがすでに倒れていて、軽戦士が怪我をしていますが防御専念中。何もダメージを受けてないショートソードの盗賊があとは残っています。
ポロ:なんか効率的じゃないなぁ。1人ずつ落とすのが基本だよね?
ティート:ダメージ食らっている重戦士落としちゃいなよ。半分ぐらいは削ったみたいだし。
サリオン:僕達に卑怯という言葉はない。あるのは戦略的に裏付けられた、効率的な戦い方だけです!
バルク:マイリーなわしとしては、一騎打ちを邪魔されるのはかなり憤慨じゃぞ?
ポロ:なんかドワーフが怒ってるよ?
ティート:無視無視(笑)
サリオン:多数決によってポロの行動は許可されます。
バルク:数の暴力じゃ!!(笑)
ポロ:じゃあ重戦士のトリに『武器狙い』25)(コロコロ)……13命中!
GM:(コロコロ)……回避しました。
ポロ:避けられた〜〜。
ティート:本当に役に立ってないわね(笑) じゃあ次は私ね(コロコロ)……1人ずつ落とすわよ『エネルギーボルト』で12! 狙いはメイス。
GM:(コロコロ)……成功です。
ティート:(コロコロ)……ダメージは8点。
GM:くっ……気絶しました。
ティート:はい、2人目。
ポロ:ティート姉は本当に効率的に戦っている気がする(笑)
ティート:めんどくさいし(笑)
サリオン:次は僕ですね(コロコロ)……『フォース』26)で重鎧モノに(笑)
バルク:またこっちか! 邪魔するでない!(笑)
GM:(コロコロ)……抵抗はしました。
サリオン:ダメージは……4点。
バルク:サリオン!!
サリオン:いや〜〜、目の前の奴を狙ったら避けられてしまいましてね。と適当に誤魔化します。
ポロ:本当に適当な(笑)
バルク:そういうのはちゃんと狙え! 神への信仰が足りないのじゃ!!
ティート:本当、ちゃんと狙わないとね〜〜(笑)
ポロ:ね〜〜(笑)
GM:盗賊のトリは逃げ出します。進路妨害がしたい人は次のラウンドの行動でやって下さい。
ティート:ポロに任せて大丈夫よね?
ポロ:まっかせて! 敏捷には自信あるから(笑)
ティート:そこで失敗したら本当に役立たずのレッテルを貼ろう(笑)
バルク:なんかさっきから邪魔ばかり入るが(コロコロ)……命中が8!?
GM:(コロコロ)……避けました。
サリオン:バルク、集中していませんね。コンセントレーションですよ。
バルク:誰がわしの集中力を乱していると思っておる! 一騎打ちさせてくれ!(笑)
ポロ:『うわぁついにバルクも他人のせいにしてきたよ』…あ、これってエルフ語でね(笑)
ティート:理解できるのは私だけか(笑) 『まぁドワーフだし仕方ないじゃない?』(笑)
バルク:………………。
GM:とりあえず、こっちの重戦士は『なぎ払い』27)でポロ、サリオン、バルクの3人に(コロコロ)……12命中。
ポロ:(コロコロ)……余裕余裕(笑)
サリオン:(コロコロ)……来ると思いましたよ。回避です。
バルク:なせじゃ? わしだけ当たっておる(笑)
GM:(コロコロ)……ダメージは12点。
バルク:(コロコロ)……お、わしは2点しか通っていないぞ。
GM:く、さすがドワーフ固い。

GM:
では次のターンです。盗賊が逃げようとしていますが……。
ポロ:その盗賊の腰にタックル♪ 逃がさない(コロコロ)……――
GM:(コロコロ)……あ、こっちクリティカルです。
ポロ:腰に捕まったまま…あ〜〜れ〜〜(一同爆笑)
バルク:遊んでるんじゃない!!!(笑)
ティート:本当に役立たないわね(笑)
ポロ:だって〜〜(笑)
ティート:だって〜〜じゃない!!
ポロ:『スリープクラウド』とかで眠らせちゃってよ。
GM:ちなみに盗賊はティートの方向へ逃げていっています(つまり範囲にティートも入ると言っている)
ティート:う…それは嫌だ、私は自分が抵抗する自信が無い(笑)
サリオン:とりあえず、その盗賊には降伏勧告。降伏しなさい! データ的に言ってあなた達に勝機はありません。
GM:「俺は逃げ切ってやる!」――と興奮状態ですね。
ティート:あ、そうだ。せっかくだしバード技能で取ってた『チャーム』28)を使ってみよう(笑)
ポロ:『チャーム』持ってたんだ。
ティート:魔法発動で必要な舞踊のためにとったバードだけど、とりあえず一つ呪歌をもらえるって言うから、魅了<チャーム>を取ってみた。これも魔法と同じ感じで振ればいいの?
GM:そうです。2D+呪歌の魔力が抵抗目標値です。
ティート:じゃあ竪琴を装備して歌い出します。
ポロ:あれって頭に響くんだよなぁ。
サリオン:こっちも抵抗ですね。
バルク:また一騎打ちの邪魔をされる……。
ティート:大丈夫だって、呪歌はバード技能+精神力ボーナスだから魔力低いし、仲間には効かないって(コロコロ)……――あれ?(一同大爆笑)
ポロ:バカーーー!!! (コロコロ)……こっちもクリティカルなんて出ないよ!
サリオン:なにクリティカル出しているんですか!!29) (コロコロ)……無理ですよ!!
バルク:(コロコロ)……無理じゃ(笑)
GM:(コロコロ)……駄目です、こっちの2人もかかりました(笑)
ティート:あっはっはっはっ…とりあえず――降伏しなさい!(一同爆笑)
その瞬間、ティートと中心に仲間も敵も全てが……
一同:『はは〜〜』
ティート:びっくりした(笑)
ポロ:って、これって絶対リプレイになっても信じないよ!!(一同超爆笑)  

◆失い物の行方

その後、縛り上げたモノ達パーティから、アブソレイト商会のアウトレット品をどこに流したかを聞き出す一行。
GM:ここから2日程行った山に、ローブの男がいてその人に渡していたらしい。との情報が聞けました。
ティート:とりあえず、ポロもモノ達と一緒にぐるぐる巻きだから。
ポロ:ええ!? なんでぼくまで!?
ティート:『チャーム』した時に指示し間違えちゃってさぁ〜〜。
ポロ:わざとだ! 絶対わざとだ!
サリオン:そうですね。きっとわざとですね。と言いながらポロに座ってましょう。
ポロ:うう〜…お〜も〜い〜(笑)
バルク:まぁ2人ともそれぐらいにしてやれ。
ティート:とりあえず、ルートも発見したし、パージさんに報告に行きましょう。
GM:ではパージさんの前です。
サリオン:スラスラと説明しましょう。
GM:「そうでしたか、ありがとうございます」
ティート:それからすでに渡されてしまったアウトレット品は、受け渡された先は突き止めています。
GM:「では、続けて依頼してもいいでしょうか? その既に渡されてしまったアウトレット品の回収をお願いします」
バルク:いいんじゃないか? ここで止めるのも気持ちが悪い。
ティート:まぁ別にいいかな。最後までやったげよっか。
サリオン:ここで辞めたら、結局コネは手に入らずじまいの確立が高いですしね。
ポロ:とりあえず、今日のところはいったん休ませて、ずっと働いてたから疲れちゃってさ(笑)
ティート:戦闘では役に立ってなかったけどね(笑) まぁ工房で頑張ってくれたのは確かにポロだし、今日はゆっくり休みましょうか(笑)
ソードワールドリプレイ
『悲しい瞳を売っちゃおう!』 了


【おまけ・専門用語その他解説】

1)ある程度強い状態の方が、いろんなクラスを同時に選べるソードワールドRPGは面白い(GMの偏見。)
2)このルールはかなり甘い。しかし、プレイヤーの納得できるキャラのほうが楽しい。(GMの偏見。)
3)ソードワールドは、『技能LV+能力値/6(切り捨て)』で行動の成否を判定。つまり、能力値12≒17。
4)面白そうなので許可。(あまり無い代物。アル意味激レア)
5)『ホーリーウェポン』(プリースト魔法)アンデット以外の通常武器無効生物には、打撃力は素手と同じ。
  銀製の武器はそんなことは無いので、実は結構意味がある。
6)砂漠の国。オアシスの国。職人の国。ハーレムの国。色々な呼ばれ方がある。
7)お金を払えば、冒険者の仕事斡旋+食・住を提供してくれる。冒険者達の家。
8)お金がかかるのは主に武装で、軽装しか出来ないキャラクターはどうしてもお金が余る。
9)1ガメル=100円くらい。(場合によって急騰・下落)
10)盗賊の溜まり場。組織化していて、いろんなところに潰しが利く。
11)グラスランナーの役割@。いけにえ。
12)グラスランナーの役割A。つかいっぱ。
13)ティート・サリオンのPLは、かなりの駆け引き好きである。
14)誤解してはいけない。一般的なドワーフはちゃんと字が読める。
15)グラスランナーの習性。ちょっかいだし。
16)グラスランナーの認識。子供。
17)『スリープクラウド』(ソーサラー魔法)広範囲に眠りをもたらす雲を撒き散らす。
   乱戦ではいい迷惑になりかねない。なる。
18)子供でもおじいちゃんでも、ドワーフとグラスランナーは精神抵抗が高い。
19)ソードワールドの戦闘は敏捷度の順番に処理される。
20)『強打』(戦闘オプション)回避を捨てて攻撃に専念する行動。
   ダメージの低いグラスランナーが行っても・・・
21)『エネルギーボルト』(ソーサラー魔法)初歩の攻撃魔法。
   初歩といっても、魔力の高いものが使用するとしゃれにならない威力を発揮する。
22)エルフは神を信じない。グラスランナーは神がなんなのかよくわかってない。
23)ダメージで見るなら、ソードワールド最強の武器。つるはしが最強の武器。
24)ドワーフの武器支持率:アクス>ウォーハンマー>メイス>フレイル>・・・>マトック。
   やはり異様である。
25)『武器ねらい』(戦闘オプション)器用さで武器に当て、筋力で武器を落とす行動。
   筋力の低いグラスランナーが行っても・・・
26)『フォース』(プリースト魔法)使用コストの高い『エネルギーボルト』。
   口さえ開いていれば出来るので、結構便利。
27)『なぎ払い』(戦闘オプション)武器をぶん回して、周りにいる全ての敵に攻撃をする行動。
   命中が落ちるので、雑魚には便利だが同等の敵には通用しない。
28)『チャーム』(呪歌・バード技能)聞いた相手に盲目的にほれさせる、一撃必殺魔法。
    効果は歌を聴いた全ての生物。迷惑極まりない最強魔法(一部での説)。
29)つまり、この魔法がクリテリカルで決まれば、精神攻撃無効の敵以外は全て同時に落とされる。
    GM最大の敵。

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