ぶっつけ天羅万象・零リプレイ
〜動乱に響く鈴の音〜 [第一幕]〜鈴鳴り響き〜 第一場 戦の号令 GM:では 1 幕です。時鳴が一番敏捷が早いので、時鳴からにしましょう時鳴:あのさGM、戦を起して欲しいんだけど 清廟院:それは自分で起せばいいじゃん――「何?戦が起きるのですか!?」――みたいに(笑) 時鳴:いや、このキャラは不幸を背負いたいから、そういう事態には淡々と頷いていたいんだ。もともと国や領地より個人的な方向で動くキャラだし 清廟院:なるほど、それなら無理か GM:じゃあちょっと偉い人が現れて、集まっている傭兵部隊全員に向かって話そう――「これより、狼煙との戦が始まる、諸君等傭兵部隊には指示に従い、働いて貰う…期待しているぞ」 時鳴:「……はっ……」 GM:「そこの傭兵、どうした歯切れが悪いな?」 時鳴:「若林殿…此度の戦、どこで行われるのですか?」 清廟院:若林は傭兵部隊の部隊長だったのか(笑) GM:では傭兵部隊の部隊長である若林が言う――「ふむ、場所は狼煙と紅川の国境の廃村だ」 時鳴:「そこは…もしや……鈴風の村があった所では?」 GM:「確か…1年前まではそんな村があったな」 時鳴:「あそこで戦を起すのは止めて下さい……あの村の者達に安らかな眠りを与えたいのです……」 清廟院(轟雷):「おいおいおい、何気にしてんだよ」――と現れたのは傭兵仲間の轟雷(ごうらい)君(笑) GM:うわぁすぐ死にそうな名前だ(笑) 【ぶっつけコラム 四 「うわぁすぐ死にそうな名前だ(笑)」 】
清廟院(轟雷):「俺たちゃただの傭兵だ。言われたように動き、言われた事をこなせばいいのさ。村なんかどうでもいいだろうに」 GMは常にメモを片手にプレイしているのだが、この時重要なのが2つ 「PL(PC)が語った設定」 「PLが名づけた固有名詞」 である。これらは基本的に、物語後半に生かすべく話の流れを持っていくのである。 特に名前のあるNPCが出てきたときは、PC並に強かったり、何かを策謀していたり する事が多く、PLもそれを望んで名づける場合があるのでGMは注意が必要である。 しかし、今回の"轟雷"は、あまりにも死にそうなザコ名だったので、みんな死に役だ と思った事だろう(笑) 時鳴:刀をスチャッと抜いて――「それ以上、あの村について語るな」 清廟院(轟雷):「おお怖い怖い」 GM:「時鳴、一介の傭兵ごときが作戦に異をとなえるとは何事か……もとよりお前の命を救ったのは私だぞ」 時鳴:黙っています GM:「では解散!」 第二場 村の暮し GM:次は楓の場です楓:私は鈴風村跡地近くの村でお世話になっています。戦の噂を聞きつけて国境にやって来たのです。もちろん、緋葉とは名乗らず楓と名乗ります GM:「戦が近いらしいぞ」 時鳴(村人):「しかし、住み慣れたこの地を離れるわけにもいかんし……」 楓:「大丈夫ですよ。もし侍達が来たら、私が追い払ってみせますから!」 GM:「しかしのぅ楓さん…いくらあんたが野党どもを追っ払った凄腕の持ち主とはいえ、紅川の侍達を相手にできるとは……」 清廟院(村の爺さん):「そうじゃそうじゃ。無理じゃ無理に決まっておる!」 楓:「まぁそうとも限りませんよ。来ないとは思うのですけどね……」――それに、来たら私の本当の名を使うしかないんだろうなぁって思ってます 時鳴(村の子):「楓姉ちゃん僕たちと一緒に逃げようよ!」 清廟院(村の爺さん):「そうじゃそうじゃ、もし来たらどうするんじゃ? 悪い事は言わん、早く帰りなされ」 GM:「こんな村に居たって何も良い事はないぞ?」 楓:「でも、皆はここにいるのでしょう?」 清廟院(村の爺さん):「わし等はこの村で生まれてこの村で死ぬのじゃ、のうお婆さん」 GM:「そうじゃのう爺さん」 楓:「なら私もここに居ます」 清廟院(村の爺さん):「まぁそこまで言うのなら……」 楓:「ちょっと散歩してきますね」――村の外に出て戦が起こったら、どの方角から敵兵がくるのかなぁとか…… GM:じゃあ<軍略>で判定していいよ 楓:え〜と<軍略>が……持ってないので(笑)――「(でもどこから来るか解らないなぁ)」――とか思ってます(一同爆笑) 第三場 戦の準備 時鳴(部下その1):「清廟院隊長、戦が始まりますが兵のほうはどう致しますか?」清廟院:「今討って出る必要もあるまい。どうせ向こうも様子見だ。な〜に、こちらにはあの大ヨロイがある。心配するな」 GM:ではその辺りで――トントン……「いるか清廟院?」 清廟院:「ああ若林か、入れ」 GM:「おおそこの者、すまぬが席をはずしてくれんか?」 時鳴(部下その1):「はっ」 清廟院:「で、なんだ?」 GM:「これより鈴風の地にて戦が起こる」 清廟院:「ほぅそれはまた……急な話だな。様子見も行ってはおらぬではないか」 GM:「ああ、上が話していた話によると、陰陽師の作製していた大ヨロイ……」 清廟院:「完成したのか?」 GM:「どうやらな……初戦はそのヨロイの試運転のようだ」 清廟院:「ふん、なるほどな……しかし操縦者は、本当に良いのか…姫達で」 楓:な〜に〜(笑) 妹がいるの!? 清廟院:自分でもいいよ(笑) GM:まぁご自由に(笑)――「御館様がそう言っているのだ。我等が口出す問題でも無かろう」 清廟院:「そうだな……ではその完成した大ヨロイ…ひとつ見に行こうでは無いか」 時鳴:と、そこでピシャンと襖を開けて登場!――「若林殿! 先のお話、やはり納得がいきませぬ」 清廟院:「何者だ?」 GM:「すまんな清廟院、こやつは傭兵の中でも血気盛んな若者でな」 清廟院:「ふむ」 時鳴:「なぜあそこで戦を起すのですか!」 GM:「時鳴、少し口を慎め。機人化部隊の部隊長殿であるぞ」 清廟院:「いや、構わんさ……時鳴…と言ったか?」 時鳴:「は……私には解せませぬ、なぜあのような廃村で戦を起すのです! あのような場所を会戦の場に選ぶは無意味かと……」 清廟院:「なに、それも何か考えがあったの事だろう」 GM:「もし、お前がどうしても気にかかるのなら、この作戦を立てし陰陽師殿に直接聞けばよかろう……もっとも、会えるとは思えぬがな」 時鳴:「くっ…」 清廟院:「そう血気にはやるな。我等とてこの地を守るために戦うのだ。我等を……信じろ」 時鳴:「……くっ!! 失礼する!!!!」――出て行きます! 清廟院:「ふっ…若いな」(一同爆笑) GM:「まったくだ…」(一同爆笑) 第四場 訪れし陰陽師 楓:あ、GM! 秋の桜と書いてシュウオウっていう弟がいる事にしたい!GM:秋桜(しゅうおう)ね。了解。この子はヨロイ乗りなのかな? 楓:なんか必要になりそうだし(笑) 10歳の弟ヨロイ乗り、由来はコスモス(別名:秋桜)から取りました 一同:『おお〜』 GM:では楓のいる村です。一晩たって朝がくると村が騒がしいです 楓:おや?何が起こっているのですか? GM:ふむ、村の中で人垣で出来ていて、その中心にいるのは陰陽師然とした格好のお爺さんが一人 楓:ではその辺の村人に聞きましょう――「どうしました?」 GM:「それが、怪しい陰陽師が……」 楓:「陰陽師?」……人垣を掻き分けて行ってみましょう GM:では怪しい陰陽師のお爺さんがいます(笑) 清廟院:GM! そのままじゃないか!(笑) 楓:いぶかしげな顔をして――「どうしました?」 GM:「おや、やっとおいで下さいましたか? 待っていましたよ。私の名は十干(じっかん)と申します」 楓:「十干?」 清廟院:十干か……陰陽師軍団とか出てきそう(笑) GM:「さぁさ緋葉(楓の本名)様、私と一緒に帰りましょうか」 楓:「誰だお前は!?」 GM:「そう言えば面識はありませんでしたな。私は雇われ陰陽師の十干と申します。話は……まったくと言って聞いておられませんでしたかな?」 楓:「何の話……?」 時鳴(村の子供):「ねぇ、お姉ちゃん、おんみょうじってなぁに?」 楓:ああ、村人がいるんだっけ――「十干とやら、とりあえず話は聞きましょう。ただ、その前に場所を移しませんか」 GM:「場所を移す? その必要は無いでしょう……。それとも、周りが気になるのなら、気にならないようにしてさしあげましょうか?……ねぇ、紅川の地が姫君であらせられます…緋葉様?」 時鳴(村の子):「えっ…お姉ちゃん? お姫さま?」 清廟院(村の爺さん):「緋葉!? そりゃこの地の姫君様でねーか!?」 楓:「うっ…く……」 GM:ふっふっふ…と十干は笑っている 時鳴(村の子供):「お姉ちゃん! お姉ちゃんがお姫様なら、これから戦を、戦を止めてよ! お姫様なら戦を止めるのできるでしょ!!」 楓:あぁ、そんな止めの一撃を(笑) GM:では追撃しましょう(笑)――「緋葉様、あなたがここに居座るのであれば、ここは戦に巻き込まれるでしょう。戦場の変更なぞ造作も無い事…」 楓:「どうして! 私は…私のできる事で民を守ろうと思って、動いているのに、それなのに、戦は、戦いは私に着いて回るっていうの!?」 GM:「今回の戦には緋葉様と秋桜様が必要不可欠でしてな」 楓:「秋桜が!? 一体何をしようとしているの!?」 GM:「それはもちろん……(にやり)……戦の準備ですよ」 楓:「……わかった。城に戻ろう」――で、十干を睨んで――「だが、この村には戦の被害を出さない!わかったな!!」 GM:「それは……楓様しだいですよ……ふっふっふっ…」――では場を閉めましょう 楓:は〜い 時鳴:ああ、こういうシーンなんだ! 俺はこの村を人質にして楓をヨロイに乗せるのかと思ってたよ 清廟院:それでいきなり子供やってたのね(笑) GM:いや〜、ヨロイには秋桜を使えば、いくらでも乗せられると思っていたからね〜(笑) 時鳴:俺より酷いじゃん(笑) GM:普通普通(笑) 清廟院:基本基本(一同爆笑) 第五場 禍々しきヨロイ GM:では次は噂のヨロイを出そう。ヨロイ倉の場面だ!清廟院:なら拙者が出よう。さっき若林とヨロイを見に行く、みたいな事言ってたし(笑) 時鳴:ヨロイの名前は? GM:できれば悪霊みたいな名前がいいなぁ(←すでに何かを考えている) 【ぶっつけコラム 五 「悪霊みたいな……」】
清廟院:じゃあ『しのみこと』ってのは? この時点で出てきた設定は「鈴風」「響香」「秋桜」「大ヨロイ」「陰陽師十干」 「鈴風の村」は廃村であり、時鳴の出自よりどうやら蟲の巣であるらしい 「秋桜」と「響香」は楓と時鳴の行動理念らしい さらに、「大ヨロイ」の実験を「陰陽師十干」は「鈴風の村」跡地で動かすらしい つまり、廃村である鈴風の村には"何か"があるのだ。鈴風の村の設定から、それは 「蟲」もしくは響香達村人が死んでいる事による「死人」のどちらか その二つを比べてみて、GMである私は時鳴の行動理念である。 「死人」=「村人たち(つまり響香)」を使った実験をしようと考えたのだ。 GM:しのみこと? 清廟院:漢字で"死"に"命"で死命(しのみこと) GM:うむ、じゃあ死命(しのみこと)に決定 楓(秋桜):清廟院達の後ろから出てこよう――「どれが僕が乗る"しのみこと"なの〜♪」 GM:弟かい!?(笑) 清廟院:「これは……秋桜様」 楓(秋桜):「怜嗣! これが僕の新しいヨロイなの?」 清廟院:「はい。そうです」 GM:「それに、もうそろそろ、城を出ていた緋葉殿がお帰りになる所です」 楓(秋桜):「わ〜い♪ お姉ちゃんが帰ってくるの!? 早く会いたいなぁ♪」 清廟院:「さて、秋桜様、ヨロイに乗るのは今日ではありませぬ、緋葉様が帰ってくる前に、出迎えの準備に、歌でもお作りになられてはどうでしょう? 緋葉様もさぞやお喜びに……」 楓(秋桜):「そうだね! うん! 僕そうするよ♪」――秋桜はヨロイ倉を後にしましょう(笑) 清廟院:では秋桜様を見送ってから、若林に向き直って――「ところで若林、このヨロイ、本当に完成しているのか?」 GM:「完成しているか……とは?」 清廟院:「この大ヨロイ、あまりにも邪気が激しい……死命とは…良く言ったものだ……」 GM:「確かにな……次の戦、これのお披露目…と言った所かな」 清廟院:「そうだな…。しかし、できればこのようなモノ、使わずに済ませたい所だ。……緋葉様が帰ってくる…か……ふん、困ったものだ……」 GM:「なんでも、その緋葉様を連れ戻すため、この大ヨロイを製作した陰陽師集団の頭目――十干が(じっかん)が、直々に姫様を迎えに行っているそうだ」 清廟院:「なに!? 聞いてないぞ!」(一同笑) 楓:ではそのタイミングかな? 憮然とした態度で私がヨロイ倉へと入ってこよう 清廟院:頭(こうべ)を垂れよう GM:若林も同じく 時鳴(十干):「さぁ緋葉様、これが秋桜様とお二人で乗られる大ヨロイ…死命です」 楓:大ヨロイを見て顔を顰めましょう。――「なんて禍々しいヨロイなの……」 清廟院:「緋葉様…お久しぶりです」 GM:若林も同じく(笑) 楓:「怜嗣、若林……お前達も元気そうでなによりだ」 清廟院:「そう言えば先ほど、秋桜様が緋葉様が帰ってきたら何か準備があるとか言っておられましたが」 楓:「秋桜が?」 GM:「今は中庭の方に居られるかと……」 楓:「そうかわかった。秋桜に会いに行こう……怜嗣、私の居ない間、今までありがとう」 清廟院:「いえ、今までではありません……"これからも"…です」(笑) 楓:「そうだったな……よろしく頼む」――秋桜の所へ行きましょう。退場します GM:清廟院は? 清廟院:まだ十干に話したい事があるんだよね… 時鳴(十干):じゃあ――「この死命……早く動かしてみたいものですな」 清廟院:「その事について、少々お聞きしたいことがある! 十干殿」 GM:では十干は私がやろう――「ほう、清廟院殿……なんですかな?」 清廟院:「いや、ここでは……今宵、下の桜の間にでも……酒ぐらは用意致しますよ。ゆるりと話そうではありませんか」 GM:「ふむ……いいでしょう」――弟子の陰陽師達に向き直って――「お前達、では死命の整備にかかる。最終調整だ、手を抜くでないぞ」 時鳴(十干の弟子):ボソボソと小声で(笑)――「十干様、例のアレですが、いまだに動いていないのですが……」 GM:「構わん。それは鈴風の地へと行けば起動する……」 時鳴:おお〜〜 清廟院:蟲大ヨロイ決定だね(笑) 【ぶっつけコラム 六 「蟲大ヨロイ決定だね(笑)」】
GM:ああそうだ、若林が一つ聞きたい事がある――「清廟院、姫様が城を出られてから1年……何か、変ったと思うか?」 時鳴も清廟院も、鈴風の村を実験場に使う事から、「蟲」を使いたかったらしい。 GMのメモに、「大ヨロイには蟲が入っており、その起動には死者が必要」と書かれた(笑) 清廟院:「変わ…られてしまったな……」(一同爆笑) 楓:私は、何が変ったんだ〜〜!!!(一同爆笑) 第六場 歌 GM:では縁側に座りながら、秋桜と楓がいます――「お姉ちゃんできたよ!」楓:「読んでみせて秋桜」 GM:「『静けさや、山に染み入る、蟲の声』」(一同爆笑) ※静けさや、山に染み入る、蟲の声
時鳴:じゃあ後ろから――「響香!?」叫ぶように声を張り上げ驚きましょう(笑) 静かな廃村で、山のような大ヨロイに何かが吸い込まれる、そこに響くは蟲の声 今後の展開を予想しての俳句である。某有名俳句のパクリである(笑) GM:ビクっと振り向くよ 楓:私も同じです。振り向きます 時鳴:「響香…ち、違う……そうだとも違う……」――「すみません。いるわけありませんよね。彼女は…鈴風の村にいるのですから……」 GM:そうだなぁ、時鳴は秋桜様の事は知っていて構わないと思うよ。秋桜は領主の息子だしね。ただし緋葉の事は話には聞いてはいても、実際に見た事はないでしょう。君がこの家に仕えるようになったのと同じぐらいに、緋葉は家を出ているからね 時鳴:なるほど 楓:そして私の顔は、時鳴の元彼女である響香に似ていると(笑) 時鳴:「秋桜様……そちらの女性は?」 GM:「お姉ちゃんだよ♪」 楓:「私は秋桜の姉である緋葉、それとも、"紅川の地の不良娘"……の方が通りがいいかしら?」 時鳴:「あなたが……姫、一つ聞いてよろしいか? なぜ姫はこの地を出奔なされたのか」 楓:「戦でしか救えない世に……歯がゆさを感じて……ね」 時鳴:「国の上の者が、そのような事では、戦で散っていった者達は、浮かばれない……」 楓:皮肉げに笑って――「そうね…鈴風の村さえ守れなかった執政者が……これから死ぬ者達を救えたのなら……」 時鳴:「姫、それ以上はやめて下さい。鈴風の村の者達が……悲しみます」 楓:「………………」 時鳴:「姫、無礼を承知で頼みます。鈴風の村跡で、戦を起す事、あなたの口から言って中止にしてはいただけないだろうか」 GM:「何言っているの? 戦をするなんて僕聞いてないよ? 鈴風の地で大ヨロイを動かすだけだって言ってたよ♪」 時鳴:「大ヨロイを動かすだけ? そんな……そんな、一体あなた達は何をお考えなのですか!?」――と、この辺で御領主様に出てきて欲しいなぁ GM:いいでしょう(笑)――「何を話しておる。こんな所であまり大声を出すものではないぞ」 清廟院(秋桜):「あ、お父様♪」 (GM:じゃあよしよし(笑)) 時鳴:「蒼衛様! 聞いて頂きたい!」 GM:「誰だお前は? このようなところに居てよい輩ではあるまい?」 時鳴:「その事は存じております。しかし私の話を―― 清廟院:と、そこで登場しよう。君達、話が終わらなさそうだ(笑)――「御領主様!」 【ぶっつけコラム 七 「話が終わらなそうだ」
GM:「どうした清廟院」 普通なら「このシーンでやりたい事」をGMが決めシーンを作るが、ぶっつけは通常の シナリオと違い、その殆どのシーンをPLが自主的に作る。今回の場合、時鳴は楓(緋 葉姫)に「戦を止めるよう領主を説得して欲しい」と考え、楓はそれに応じない反応を 返した。しかし、時鳴がそこで諦めなかったため、楓が意見を変えるつもりが無く、話が 平行線になると考えた清廟院が、割り込んだのだ。 清廟院:「実は…ヨロイの件で少々……(周りを見回し)……ここでは」 GM:「……いいだろう」 時鳴:柱をガンッ!っと叩いて――「あなた方は……戦に勝つために……兵を動かしているのではないのですか!?」 清廟院:「時鳴君、いいから下がりたまえ」 時鳴:「ですが!?」 清廟院:「聞こえなかったのかな? もう一度言う…下がりたまえ」 楓:「怜嗣、その意見には私も時鳴に賛成だ」 清廟院:「姫様、今は聞かないで頂きたい。意味は解るでしょう」 楓:「解らないわ! 父上は―― GM(蒼衛):「緋葉!!! 今は止めておけ……」 楓:「く!?……ちちうえ……」 GM(秋桜):「ねぇどうしたの、どうしたのお姉ちゃん?」 楓:「………………」 清廟院:「秋桜様、そろそろ御夕飯の時間です。下の方へ参ったら如何でしょう?」 楓:じゃあ『どうして?どうして?』って聞いてくる秋桜を、抱き締めながら無言で下へ行く――言えねぇっつーの!!(笑) 第七場 桜の間 GM:では時間を夜まで飛ばして、清廟院と十干が話す場面に行きましょう清廟院:そうだなぁ、酒を用意して……すでに飲んでる(笑) GM:十干は程なくして来るよ。少年のような弟子を一人だけお供につけている 清廟院:ふむ、右手側の方に刀を置いておこう。一応利き手は左手という設定だし 時鳴:そこって武器なんて意味ないじゃん(笑) 清廟院:まあな(笑) ※「武器って意味無いじゃん」
GM:十干は弟子を入り口に待たせ、中まで入ってくると――「少々遅れたかな?」 清廟院の武器は、左腕に仕込んだカラクリ(白熱掌と爆射掌)である 清廟院:「なに、たいした事ではないさ……まずは一献」 GM:では頂こう――ちびちび飲もうかな(笑) 清廟院:グゥイっ! ゴトンッ! 一気に飲み干す(良い子は真似しないように!)――「さて、聞きたい事はいくつかあるが……あの大ヨロイ…死命についてですが……」 GM:「ふむ?」 清廟院:「聞いてませんでしたぞ…蟲を入れるなんて事は…」 GM:「蟲か……そうでしょうな。その事はお上にしか進言しておりませぬから……部隊長である清廟院殿に、伝わっていないのも無理はありませぬよ」 清廟院:「それは会議の場で正式に言うべき事ではないのですかな?」 GM:「ふっ…どちらにせよ、蟲はまだ起動してはおりませぬ」 清廟院:「どちらにせよ……か――。起動させる気は…あるのでしょうなぁ……あのような事を準備なされているのですから」 GM:「それはどうでしょうな……私とてあのような蟲は初めて見るもの……正直、不安は尽きませぬよ」 清廟院:「だから…あの傭兵を泳がせているのですかな?」 時鳴:私かーー!!(一同爆笑) GM:「ふっふっふっ……なんの事やら……ふっふっふっ……」(笑) 清廟院:「拙者は反対だ。あのヨロイを動かすのはな」――と急に真顔になって睨もう 楓(弟子):「しかし、御領主様は了承なされましたが?」 清廟院:「下っ端は黙っておれ!」 楓(弟子):「ぐっ」 GM:弟子に黙るよう視線を投げてから――「御領主殿も、最初は反対なされておった……しかし、あの効果さえ発揮されれば、今まで戦で散って逝った魂も……救われる。そう知って御領主殿は納得された」 清廟院:「よくもまぁ―― GM:「嘘だと思うなら、そう思っておればよい。なにが正しいか、当日になればいやがおうにでもわかる――それともお主には…戦で死んでいった者達の悲しみがわからぬのか?」 清廟院:「わからんな!――拙者のこの目には、もっと大切なものが映っている」 GM:「それはなんですかな?」 清廟院:「お主のような陰陽師ごときに、語るような口は持たぬよ」 GM:「私も…この耄碌した目では、あなたの心に秘めるものまでは見通せませぬ。……ただ、死命が動き出せば、この地は救われましょう」 清廟院:「いいだろう…だが、覚えておけ。死命…無事に動かせると思うなよ。必ず――止めてみせる」 GM:「ふっふっふっ…それはどうでしょう(ニヤリ)」 時鳴(弟子):よし、ここで出よう――「十干様、時鳴が参ったようです」 GM:「入れてやれ」 時鳴:部屋に入って来て言おう――「私がなぜ、このような場所に呼ばれたのですかな」 GM:「少々、大ヨロイについて、君に話しておこうかと思ってな」 清廟院:苦虫を噛み潰したような顔をする(笑) 時鳴:その反応を待ってました(笑)――「なぜあの場所で行うのです。あの場所にはもう何も無いというのに!! それはあの場所に住んでいた、私が一番解っている」 GM:「お主…確か蟲使いでもあったな……ならば…死恨蟲(しこんちゅう)…という名の蟲を知っているか?」――【知力】<蟲術>で判定して下さい 時鳴:なんだよそれ! GM:知らん。適当に言った(笑) 清廟院:でもあると思うよ(笑) 時鳴:(コロコロ)…… 3 個成功 GM:なら漢字を教えよう。死ぬの"死"に……たまし…………いや、やっぱ恨みの"恨"に"蟲"にしよう(笑) 清廟院:基本でいくとヤバイからな(笑) 時鳴:「死恨蟲だと!? なぜその名を知っている!! あれは使ってはならない蟲……それに、全て私が焼き払ったはず!」 GM:「残っていたのですよ……ある者によってね」 時鳴:「あの蟲を何に使う気だ!!!」 GM:「ふふ…さぁどうでしょうな……ただ、君にはその事を伝えておこうと思いましてね――明日鈴風の地で行われる、死命の試運転……その時になればわかりますよ」 清廟院:「時鳴、耳を貸すな!」 時鳴:清廟院は無視して――「ならば十干殿! 明日の試運転の場に、この私も同席させて頂きたい!」 GM:「もちろん、構いませんとも――(にやり)」(同時に清廟院:「愚かな……」) 清廟院:ここで幕を切るかい? そろそろ第二幕じゃない? GM:う〜んそうだな、せめて大ヨロイの試運転を行ってからにしたいな 清廟院:試運転か…それもありかな 【ぶっつけコラム 八 行動理念
清廟院が幕を切ろうとしたがGMが続けようと言った。 その理由は「一つ足りない」からだ。 ぶっつけは、PLが言えばその設定は生きてくる、しかし、あまり言わない場合は、 PLの半身たるPCも物語に入りづらくなる。 ぶっつけ慣れしている時鳴と清廟院は、死恨蟲や鈴風村で行動理念を持ったが、ぶっつ け天羅が始めての楓は、行動理念がイマイチであった。そこで死命を動かし、秋桜を使っ て、楓の行動理念の確立を確保しようとしたのだ 第八場 鈴の音 GM:では大ヨロイ死命は寝かされ、ガラガラと台車に乗せて馬数頭で引きずって行く。そして鈴風の村跡地までやって来ます楓:ところで私は<接合>覚えてないよ? GM:まぁ気合10点で今取って下さい。専門技能は幕中には取得不可なんだけど、今回は構いません(笑) 楓:じゃあ取った(笑) GM:「では緋葉様も死命に接合して下され。秋桜様はすでに乗っておられますぞ」 楓:「しかし、十干……」 GM:「なに、心配なさらずとも、緋葉様が接合なされる明鏡には、業は少しも溜まっておりませんよ」 楓:「このような禍々しいヨロイ……いったい何を考えておる」 時鳴(秋桜):「お姉ちゃん乗った? まだなの? 早く動かそうよぉ」――と秋桜は接合しながら話そう(笑) 清廟院(裁定者):1本やろう 楓:そう来ると思ってたさ――ヨロイに接合しましょう 時鳴:おう、NPC合気チットがすでに6本(笑) 清廟院:拙者も似たようなものだ(笑) もっとも、拙者はPLもPCも一緒にしてるがな(笑) 楓:私も〜(笑) ※NPCチット
GM:では十干手勢の陰陽師集団は鵺のような式を飛ばして、死命と戦わせたりしますが、これは余裕です。ばったばったとなぎ倒せます。相手になりません 時鳴はNPCを演じた時に貰った[合気チット]は別に分けていたらしい 時鳴:私は来てるんだよね? 十干に聞こう――「十干殿、死命は十分に強い。なぜあの蟲まで使おうと言うのです」 GM:「今の死命は普通の大ヨロイと同程度、たったそれだけの強さですよ。本番はこれからです」 時鳴:「どうしても死恨蟲を使おうというのか!! あの蟲は死人の魂を食らう蟲ですぞ!!! それを解っているのですか!?」 GM:「もちろん。だからこの地を選んだ。あの二人もね……」 時鳴:「この地に眠る同胞達だけでなく…姫と秋桜様まで犠牲にするつもりか!!!!!」 GM:「犠牲にはなりませんよ――平和への礎となるのです。それに…死人だとて同じ事、彼等は犠牲になるのでは無い。救われるのですよ。戦場で散った人々の…命を…想いを…」 時鳴:「それは間違っている! 死人を食らう事に変りは無い!!!」 GM:「ほら見てみなさい。そろそろ死恨蟲が動きだした……」 時鳴:じゃあ"グシュッ"っとヨロイが―― 清廟院:ああ、そうなのか? 俺の中じゃ空気中に浮遊する魂が具現化して、大ヨロイに吸い込まれだす感じだったんだが GM:俺も清廟院と一緒だな 清廟院:最終幕じゃあ数十倍の大きさになりそう(笑) ま、魂の冒涜だねぇ(笑) 楓:それで行きましょう。緋葉は内部に居るので、内側も侵蝕されてる感じ(笑) 清廟院:俺的にはシャーマンファイトのヨロイのようなイメージで 時鳴:俺は幽遊白書にでてくる弟の最終形態 一同:『ああ〜』 GM:じゃあそれで(笑) 弟にイメージ決定(笑) 【ぶっつけコラム 九 イメージの統一】
ぶっつけでは演出が無い。なぜならGMが用意していないからだ。 そこで、PL達とGMでそれぞれのイメージを掏り合わせるわけだが、 中々上手く行かないものである。 最初は時鳴の言葉に、GMと清廟院は違うイメージを持っていた。 アニメを元に例えたが、清廟院の例えは清廟院しか解らなかったようだ。 結局、とあるアニメの例えで全員が納得したが、決まらない場合はGMが演出するべきだ。 下記は当日には語られなかった演出の文章である(笑)
時鳴:「十干殿!! これ以上はやめて下さい! ここにいる者達には静かに眠っていて欲しいのです。使うのなら、この村に来た落ち武者達のように、敵国の兵士を使えばいいでしょう!!!」 「ほら見なさい。そろそろ死恨蟲が動き出した……」 憂いを帯びたような陰陽師の声と共に、死命が駿動を始める 背筋が凍るような寒さが辺り一面を覆い、心臓を鷲掴みされているような圧迫感が身を包む 死命の左右の肩についた突起物、そこを中心に空気が色を持ち始める それは紫。 ――……ン…リ……ンッ…ンリンッ……リンリンリンリンリン……―― 始めは小さく、だんだんと大きく、死命から鈴の音が響き出す ともない具現化する紫色の霧、それは死者の苦悶の顔・顔・顔…… 紫色の霧に変った死者の魂が、鈴の音に惹かれるように死命に吸い込まれていく ――リンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリン……―― 鈴の音は鳴り止まない GM:「敵国の落ち武者? おや君は若林殿から何も聞いていなかったのかな?」 時鳴:「……どういう事だ―― 清廟院:そこで!! 死命の準備終了! 周囲の魂を吸収しきる!!! 内部で異常が!(笑) GM(秋桜):「お姉ちゃん!? お姉ちゃん何か変だよ! いろんな人が語りかけてくるよ!!??」 楓:うぅ〜わぁ〜…キモ!! 時鳴(食われし死人):『苦しい…苦しい…誰か…助け』『ゔゔぉぉぉ〜〜』 GM:たぶんこの大ヨロイ、明鏡だけで4枚ぐらい使用しているでしょう。しかも、余っている2枚には死恨蟲が接続されてるとしよう。死者を取り込み強くなる。もうここまで起動すれば問題無いでしょう 清廟院:つまり死恨蟲の明鏡に操縦を奪われるのかな? GM:じゃあそうしよう(笑) 清廟院(弟子):「十干様…死者の魂の集まり具合が……」 GM:「どのくらいだ?」 清廟院(弟子):「それが、予定の三割程にしか……このままでは」 GM:「確か、この付近に村があったな」 楓:ここで言おう外部スピーカーで――「十干! どういう事だ! ヨロイが言う事を聞かん!! 止まらぬぞ!!!」 GM:「緋葉様、お困りならば接合を解かれたら如何ですか? さすればヨロイも止まりましょう――ニヤリ」 楓:「秋桜! 秋桜先に降りなさい! 秋桜!!」 GM(秋桜):「お姉ちゃん何! どうしたの聞こえないよ!?」(同時に清廟院(死者):お゙おぉぉお゙お゙……) 楓:兎に角! 私だけでもヨロイから降ります! 開かないなら強制的に入り口壊すけど? GM:じゃあ壊して下さい(笑) 楓:じゃあ壊した(笑) 外に降り立って山のような死命に叫びます――「秋桜! あなたも早く! 秋桜!!!」 GM:君の呼び声に秋桜は答えず、大ヨロイ死命は周りの兵士達をなぎ払い、その魂を食らいます 時鳴:「十干殿!!!!!」 GM:死命の動きはまだ止まらない。兵士をなぎ払うと、目的地があるかのように歩き出す……ズン…ズン… 楓:「そっちは村が!?」(笑) 清廟院:そろそろ登場しようかな? GM:そういえば何をしていたんだ?君は? 清廟院:うむ、実は御領主様と直々に話していたのだ。このヨロイを止めるためにね! それで遅くなった GM:ふむ…して話の結果は? 清廟院:「十干…御領主様が許可を出された」 GM:「ほう?」 清廟院:「いいそうだ。あのヨロイを、どうあっても完成させろ……と」 時鳴:「清廟院殿!? その意味がわかっているのですか!!!」 清廟院:「わかっているとも」(一同爆笑)
〜次幕予告〜
動き出した死命 鈴風の地に鈴の音が鳴り響く その調べは風に乗り…… 「爺ちゃん、昔聞こえていた鈴の音が…また聞こえてきたね」 「これは……死者の泣く声……」 ……死恨蟲は貪欲に魂を求めた 平和だった村に死命が迫り来る 取り込まれし秋桜の運命は!? 死恨蟲を、死命を、止める事は出来るのか!? 死者を導き鈴の音と……そして……第二幕―――「死恨蟲」。 「森へ向え! 森に向うんだ!! 止める手立てはそこにしか無い!」 一幕終了時での各PCの[因縁]
特別場 〜幕間中の会話〜 GM:ところで死恨蟲が魂を吸い込むってのはわかってた?清廟院:途中からそんな感じかなぁって思ってね、その方向で話してた(笑) GM:OK! OK!(笑) 時鳴:そういえば鈴風の村って蟲の巣だったのかな? 清廟院:そりゃそうでしょう 時鳴:じゃあ死恨蟲ってその巣の特別品? 清廟院:特別品って言うより禁忌の蟲じゃないかな GM:ああ、禁忌っぽい(笑) 楓:ところで鈴風って漢字は鈴虫の鈴にウィンド? 清廟院:ウィンドでしょう GM:鈴虫かぁ…死恨蟲は鈴虫みたいな姿なんだろうなぁ(笑) 時鳴:鳴き声も同じように――リンリンリンリン――(笑) 清廟院:そうやって魂吸い込み出すからね(笑) GM:ずおぉぉぉぉ〜(笑) 清廟院:「死者が…泣いている……」(一同笑) 時鳴:蟲の設定まで作っちゃったよ(一同爆笑) GM:鈴虫ってメモの所に書いておこ(笑) 楓: じゃあ鈴風の村からは良く鈴の音が……風に乗って鈴の音が聞こえてくるから鈴風の村と呼ばれた(笑) 時鳴:思いついた!――(村の子供の声で)「昔、聞こえてた鈴の音が…また聞こえてきたね」 清廟院:「これは……死者の泣く声……」(笑) GM:次幕予告か!? もらった!!!(一同爆笑) 【ぶっつけコラム 十 幕間】
幕間は、全員の頭の中にある場面のイメージや、今後の方向性を掏り合わせるのに、 もってこいのタイミングだ。さらに、ノリだけで言った事に理由つけをしたりする のにも丁度いい。 以降の幕間にも、上記のような会話が常になされた事を明記しておく |