天羅万象・零リプレイ
セッション収録:2002年前後
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時は戦国、数百年続き、行く末さえ見えぬ戦乱の時代。和神61年、帝紀にして2701年。小競り合いを繰り返す『烈火の国』と『流水の国』の国境に位置する小村『風谷の村』において、1つの悲しき物語があった。 [前準備]〜ステージセッティング〜 GM:今回のシナリオでは、出来上がっているキャラクターの中から選んでもらいます。<サムライ><金剛機><戦闘用傀儡>のサンプルキャラですが、少し戦闘が派手なシナリオの関係上もあって、<武芸者>などを組み合わせたオリジナルになっていることに注意して下さい。
※サムライ……陰陽術により人の肉体に"式"を憑依させた生物。自らの霊力を使うことで体内の式を発動し、人とは思えぬ姿に変わって人以上の力を引き出すことが出来る。
GM:それでは、みんな選びましたか? リプレイのためにも自己紹介して下さい。※金剛機……体の中に"明鏡"といわれる魂を宿す装置を組み込んで動く機械。明鏡に宿された魂は、昔、修羅であった死人の魂である。その魂は生前の記憶を封印され、主人に忠実に従うようプログラムされる。人間の判断速度・感情の無い冷徹さ・機械の体による人外のスピード、世界最強最凶の兵器である。 ※修羅……果たせぬ望みを望み、果たせぬことを知ってなお果たすことを忘れられぬ存在、それはもう人ではなく修羅である。 ※傀儡……神木から作られた木偶に術をほどこした人形。傀儡師たちは究極の美を求めて傀儡を作る。傀儡は人と同じように泣き、笑う。汗もかくし血も流れる。唯一人と違うのは"傀儡は物である"という事だ。傀儡は人と同じ心を持ち人以上の美しさを持つ、しかし傀儡は人形なのだ。 壮一朗:<サムライ>をやります。名は西園寺壮一朗(さいおんじ そういちろう)35歳。海南一刀流の使い手で[因縁]は<感情:弱さへの憎悪>と<その他:死ぬことと見つけたり>です。 牙炎:我が名は牙炎(がえん)。[因縁]は<その他:封印記憶>。以上だ。 雅:<戦闘用傀儡>の雅(みやび)です。性別は女性で年は……若いってことで(笑)。[因縁]は<秘密:傀儡であること><感情:孤独への恐怖>です。みなさん、よろしくお願いします。 GM:わかりました。ちなみにあなた達は、『烈火の国』と『流水の国』の2つに別れています。<金剛機>と<サムライ>は烈火の国、<戦闘用傀儡>は流水の国側の人間です。あっ、金剛機は烈火の国の所有物なので、名前に"火"に関係した漢字を入れて下さい。 牙炎:"炎"が入っているが? GM:……ならいいです。 壮一朗:ところでGM、因縁の<死ぬことと見つけたり>ってわかんないんだけど?
※因縁……キャラクターの過去の出来事(トラウマなども含む)や目的といったもの。
GM:と、言う訳です。ところで雅さん。※<死ぬことと見つけたり>……死ぬべき場所で死ねなかった。今でも死ぬべき場所を探している。ルール的には死亡の欄が埋まっているので、死亡修正が判定時に使用できる。ちなみに死亡の欄が埋まっているので気絶すると死亡する。 雅:はい? GM:あなたが傀儡であるという事は、他の人には言わないようにして下さい。傀儡は高級茶器と同じようなもので、またそれ以上の価値がありますからバレると狙われたり売られたりします。人形だと知っているのは、自分の仕えている五行(ごぎょう)という陰陽師だけです。 雅:わかりました。 GM:ではみなさん、初期の[因縁]2つで[気合]獲得ロールを行い、初期の[気合]を獲得して下さい。それが終ったらキャラクター同士の[因縁]を結びます。サムライは金剛機に、金剛機は戦闘用傀儡に、戦闘用傀儡はサムライに[因縁]を取って下さい。
※気合……気合は1つ使うごとに行動を追加したり、ダメージのサイコロの数を増やしたり、判定に成功しやすくしたり、美味しい場面に偶然登場できたりする。また、キャラクターの成長も気合を使うことで成長する。
GM:(すこし経って……)それぞれ、[因縁]はどうなりました?壮一朗:牙炎に対して<恐怖:金剛機への恐れ>、こいつは強い!それにいつ暴走するかわからない!(笑) 牙炎:傀儡に対して<共鳴:雅への共感>、造られし物同士ということで。 雅:私は壮一朗さんに対して<好感:壮一朗への憧れ>にしました。 GM:なるほど、それでは一同に特別な[因縁]である[宿命]を渡して前準備は終了です。ちなみに最初の裁定者は雅さんです。休憩を挟んで[零幕]を始めましょうか!
※宿命……各個人に対応した特別な[因縁]。そのシナリオでは、その宿命が目的であることが多い。
※裁定者……プレイヤーが交代でする役割、他の人(GMを含む)が良い演技をした時、合気チットを渡して褒める(笑)。合気チットを渡せるのは、裁定者とGMだけである。 [零幕]〜形亡き目的〜 サムライ 西園寺 壮一朗 宿命:<仇敵:水神>
君がいた部隊は謎の敵に襲撃された。仲間が次々と悲鳴をあげて殺されて行く。「殺される!」君はそう"死"を覚悟した。しかし、偶然にも君は1人だけ助かった。いや、助かってしまった。
GM:君は夜の森を仲間達と一緒に行軍中だ。この作戦がうまくいけば、敵本陣の後ろを取れるはずだ。が、突然後方にいた仲間の1人が悲鳴をあげたと思うとそれっきり返事がない。何も出来なかった己の弱さを、自らの屈辱を、君は忘れない。 襲撃者は金剛機だった……流水国の水神(すいじん)。君は復讐を誓った。 壮一朗:「どうした!?」 GM:合気チットをあげましょう。返事はありません。視界の利かない暗い森の中で姿の見えない襲撃者に、1人……また1人と仲間の悲鳴が響き……途切れる。 壮一朗:「一体何事だっ!」 GM:君の隣にいた仲間が言います。「場所が悪いぞ!」君はまだ無事な仲間達と共に方向を変え走り出す。こっちには川が流れていたはず! 壮一朗:「向こうに川がある! 視界の開けた場所に出るんだ!」 GM:『了解!』……定期的に続く仲間の悲鳴を聞きながら、君と残った仲間達は川原まで辿り着く。振り返り、夜の闇の中襲撃者を探す。また悲鳴、今度は君のすぐ隣に立っていた仲間だ。 壮一朗:「おいどうしたっ!?」 GM:見れば首の無い体が、何色かの液体を撒き散らしながら倒れるところだった。 壮一朗:だー(笑)。「汚いぞ! 姿を見せよ!!!」 GM:ふぬ、それでは君は見る。夜の暗闇から溶け出したような黒を、戦場を駈ける死神<金剛機>を。君は死を覚悟した。それでも仲間が助かれば、たとえ1人でも生き残れば、そう決意を固める……<金剛機>が襲ってきます。 壮一朗:サムライ化して対抗します。(コロコロ)8成功。 GM:(コロコロ)こっちは15成功。 壮一朗:死にますな。いや、ここで死亡にいれたのか!(笑) GM:(笑)そうして、<金剛機>から一撃を受けた君は、背後の川に吹っ飛びます。そして……次に気が付いたとき、君は生きていた。死を覚悟したというのに。そして、その覚悟をしてまで助けたかった仲間達は誰一人として帰って来なかった。 壮一朗:「ここは……くっ、生き残ってしまった……のか?」 GM:1枚あげましょう。 雅(裁定者):私も1枚あげます。 GM:君は後で知る。君の部隊を襲ったのは流水の国の金剛機<水神>だと言うことを……。 戦闘用傀儡 雅 宿命:<感情:五行への反感>
君には従うべき主人がいる。彼は希代の陰陽師であり、その力は皆が認めるところだ
GM:君は自分を作ってくれた傀儡師と共に平和に暮らしていました。今までは……しかし、彼の考え方には思うことが多い。このままでは、ついていけない……そう思う日も近いだろう 君は彼の命に背くわけにはいかない。自分は一人ぼっちになったところを彼に救ってもらったのだから…… 君は彼に従う 雅:今までは? GM:今、君の周りでは黒く燃えきった家の残骸が音を立てて崩れます。まだ火が燻っているのでしょうか、煙はそこかしこで立ち昇り続けています。やがて燃え尽きたのか立ち上る煙も無くなり、あたりはすべてが焼けた匂いと、いつも通りの静寂が訪れます。君は座ったまま何時間も泣いていました。これからどうなるのか? 君はわかりません。だから、座ったまま泣きつづけました。どれ位たった事でしょうか? それは突然君の目の前に差し出されました。やさしい声で……「一緒に来るか」と。 雅:「誰?」 GM:そして君は救われた。拾われた……という者もいる。しかし、君は確かに救われたのだ。彼の名は五行、その時は旅の陰陽師でしたが、今では流水の国のお抱えです。君は五行に仕えることになりました。あれから5年。君達はとある村にいた。そこで農民の一揆を鎮圧した君達は、今、首謀者達を連れて行くところだった。村の民家からは一揆と無関係な農民達が、こそこそと君達を見ている視線を感じる。とそこで、いきなり五行が式を打ち、式が村の民家へと飛んでいき爆発と共に次々と燃え上がらせる。 雅:家が? GM:そう、無関係な村人の家がです。 雅:「何をするのです五行様!」 GM:「この方が美しいだろう?」 雅:「……!!!」って言いたいことを飲み込みます(笑) GM:チットをあげよう(笑)。君は村人の悲鳴を聞きながら、五行と共に歩いて行きました。 金剛機 牙炎 宿命:<目的:任務の遂行>
幾多の戦場、数多の暗殺、君はまだ壊れていない。壊れない限り、任務は与えられる
GM:牙炎は呼ばれます。烈火の国の領主に……「牙炎、牙炎は居らぬか!」今度の任務は楽なのだそうだ 記憶の無い君は、それを判断できない。感情の無い君は、判断しようとは思わない 時々蘇る記憶……何かを憎んでいた自分。しかし君にとってそれは思い出せない、思い出したくない記憶だ ……それでいい 我ハ金剛機、任務ヲ実行ス 牙炎:すでに金剛機なのか……そうだな、シュタっと現れて「ココニ」 雅(裁定者):1枚どうぞ! GM:「うむ、牙炎よ。お前に新たな任務を与える。流水との国境にある風谷の村へ行き、不思議な力を持つと言われる霊石を取って来るのだ。風谷の村には最近"妖"がでるとの噂がある。また、この任務には2人で行ってもらう。頼むぞ」 牙炎:「御意」
※妖……"あやかし"と読みます。いわいる妖怪・変化・悪霊・付喪神・荒神などの総称です。
GM:と短いですが、これで一同の[零幕]は終了です。それでは次幕予告を――
〜次幕予告〜
平和な暮らしを続けている村 その村をたった一人で守る女剣士 風谷の村に集まった"つわもの"は、そこで何を感じるのか 次回、『零跡の村』、第一幕「彼女の名は水葉」 [零幕の幕間] GM:幕と幕の間にある[幕間]では、[因縁]の書き換えや、新しい[因縁]の取得などが出来ます。とは言っても、今回の[零幕]ではキャラクターの過去だったので、あげられる[因縁]は[宿命]ぐらいなんですがね。壮一朗:じゃあ、<仇敵:水神>を初級から中級にあげよう。 雅:私も[宿命]を中級にしました。 GM:牙炎は? 牙炎:ああ、<目的:任務遂行>をあげたよ。 零幕終了時での各PCの[因縁] ○ 壮一朗 <感情:弱さへの憎悪>中級 <その他:死ぬことと見つけたり>初級 <感情:牙炎への恐れ>初級 <仇敵:水神>中級 ○牙炎 <その他:封印記憶>上級 <その他:雅への共感>初級 <目的:任務を遂行する>中級 ○雅 <秘密:傀儡であること>中級 <感情:孤独への恐怖>初級 <感情:壮一朗への憧れ>初級 <感情:五行への反感>中級
※[封印記憶]とは……金剛機の魂は、死んだ修羅の魂を用いる。しかし、その魂をそのまま使ったのでは大変危険なので、生前の記憶に封印を施す。これが[封印記憶]なのである。もっとも、この封印されし記憶は、なんらかの状況が重なると解除される事がある。つまり、生前の記憶と、人間の感情を取り戻すのだ。
[第一幕]〜彼女の名は水葉〜 第一場 任務:霊石を持ち帰れ GM:まずは烈火の国からです。壮一朗は領主から呼び出されます。壮一朗:「なんでしょうか?」 GM:「国境にある風谷の村へ行き、そこにある不思議な力を持つ霊石を取ってきてくれ。牙炎!」 牙炎:「ココニ」 壮一朗:おうっ!? 居たのか! GM:「2人して行って来てくれ」 壮一朗:「この程度の任務、私1人でも大丈夫です」 GM:「そうもいかぬのだ。隣国の流水の奴等も、どうやらその霊石を狙っているとの情報もある。もしもの時は……解っているな?」 牙炎:「御意」 GM:それでは、領主から正式な書状をもらいました。牙炎は虚無僧の変装でもしてから行ったってことで。 壮一朗:それでは出発します。 第二場 主従:五行に従い GM:次は流水の国です。雅のところへ五行が来て言います――「雅、行くぞ」雅:「はい。……ところで一体どこへ?」 GM:「烈火の国に属する、風谷の村だ」 雅:「五行様、この度は、どのような任務なのですか?」 GM:「ん? お前は知らなくて良いことだ。私の護衛だけしておれば良い」 雅:……「はい。わかりました」 GM:それでは、こっちも出発します。……あ、そうだ、壮一朗は3年前、風谷の村を訪れたことがあるから、もちろん"霊石"らしいモノも見ている。 壮一朗:そうなんだ。 GM:今回の任務に君が選ばれたのも、そのあたりが理由だったりする。 壮一朗:わかった。 第三場 噂話:妖の影 GM:烈火の国組です。風谷の村までもう少し……といった宿場町、ちょうど昼飯時だったので、君達は飯屋で昼飯を食べています。壮一朗:金剛機って昼飯食うの? GM:いや、食わんぞ。 壮一朗:じゃあ、1人だけ食っています。 GM:そうだね、飯代に比べて、ご飯の量が少ないね。 壮一朗:「少ねぇ……(←ボソッと)」 GM:「すまないねぇ、お侍さん。今年は雨なんかのせいで不作だったんですよ。この辺りじゃこれが相場でねぇ」 壮一朗:「少ねぇ……(←やっぱりボソッと)」 GM:そうしてると、隣の席から話し声が聞こえてくる。……「おい知ってるか? 風谷の村に化け物が出るらしいぞ!」「ああ、知ってるさ、何でも村に行って帰ってきた奴がいないらしいじゃないか」 壮一朗:ガシッと掴んで――「おい、おっさん! その話、詳しく聞かせろ」 GM:「お! サ、サムライ!?」 壮一朗:「風谷の村が一体どうしたっていうんだ?」 GM:「い、いや、何でも風谷の村に妖が住み着いていて、その村に行った者は誰一人帰ってこないらしいんですよ。まぁ、オレも噂で聞いたんですがね」 壮一朗:「その話、誰から聞いた?」 GM:「誰からって……飯屋で今みたいに誰かが話しているの聞いたんですよ」 壮一朗:「妖か……用心しといた方がいいかもな」 GM:と、横の方から小さいお婆さんが……「むかし……この辺りで戦があった。その時の無念をもった魂が成仏できずに彷徨っとるんじゃ……祟りじゃ……た〜た〜り〜じゃ〜」……なんて(笑) 壮一朗:「戦……か」 GM:まぁ、風谷の村は、ほとんど自給自足で外界との接触はあまりない。時々、旅の行商人とかは訪れるけどね。 第四場 彼女の名は:水葉
鬱蒼と下草の生えた森の小道を進み、壮一朗と牙炎は村を目指していた。その道は荒れ果て、まるで何年も使われていないよう。そのうち霧が辺りを包み薄暗くなっていった。
GM:で、今君達は、その村を見下ろしているところだ。2人は数刻も歩いただろうか、唐突に霧が晴れると、2人は森を抜けていた事に気が付く、彼等の視界には森に囲まれた盆地ある、風谷の村が入る。そこには20軒ぐらいの家が建ち並び、静かな農村といった印象だ。 壮一朗:じゃあ、歩いて向かって行く。 GM:では、少し進むと、突然君たちの前に1人の少女が立ち塞がります。……「こりずにまたやって来たのか! 流水の侍たちめ!!」……両手に二振りの刀、年の頃は18ぐらい、隙のない構えで両手の刀を君達に向けています。 牙炎:二刀流? 龍虎一天流か? GM:牙炎が見た限り、構えは君と同じ龍虎一天流だ。 壮一朗:ちょっと待て、私達は流水の者ではない。 少女:「流水ではない?」 壮一朗:「この書状を……」――と、書状を見せる。 少女:「…………烈火の国の……使者?」 壮一朗:「そうだ」 少女:「……それで、一体あなたたちは何しにきたんです?」 壮一朗:「書状に書いてなかったか? 霊石を受け取りに来た」 GM:少女は『霊石』と聞いて不思議そうな顔をするが……「霊石? ……何のことだか解りませんが、国からの使者の方なのでしたら、私の父に会って下さい。私の父はこの村の村長をやっていますので」 牙炎:「了解シタ」 GM:と、金剛機の合気チットが四枚を越えたので、<その他:封印記憶>が発動…… 君はどこかの戦場にいる、両手に持った刀はすでに赤を越えべっとりと付着した黒になっている。君は次の獲物を探して歩き出す。その心を染めるのは――「戦人は全て斬る! 憎い! 戦人め! 憎い、憎い、憎い!!!!」 牙炎:「ッ……ナン、ダッタ……ノダ?」 壮一朗:少女はどうしたんだ? 少女:「私について来て下さい」……って言うよ。 壮一朗:「お前、名は?」 少女=水葉(みずは):「水葉よ」 第五場 別人:村長
水葉に案内され、その父親でありこの村の村長である家に着く二人。向かいには水葉の父であり、風谷村の村長である地五郎(じごろう)が座っており、二人の持ってきた書状を読んでいた。
GM:「なるほど……解りました。出来る限りこちらもご協力しましょう。この村にいる限りは私の家で部屋をお貸ししましょう」壮一朗:「いや、心使いはありがたいが、私達も主の命で来ているので……」 GM:「しかし、この書状にある『霊石』ですが、私どもには心当たりがないのですが」 壮一朗:「何? ……どう思う牙炎」 牙炎:「知ラヌ」 GM:そうだ! 忘れてたことがある。……壮一朗くん、君は三年前にこの村に訪れたことがあるが、村長さんが三年前と違う。 壮一朗:いや、そういうことは話す前に言ってくれ!(笑)――「ところで村長、前の村長はどうしましたか?」 GM:「前の? ……いや、ここ十年ほどずっと私が村長でしたが?」 壮一朗:「…………」 GM:で、そろそろ、村長さんの一家を紹介したいんだが? 牙炎:すればいいじゃないか? GM:では……自分(地五郎村長)の妻の雷花。長女の水葉、そして12・3歳ぐらいの少年の時に……「僕! 炎と書いて『えん』って言います! あの、お侍さんたちはいつまでこの村にいるんだ? い、いやいるんですか?」 壮一朗:「長くはいられんな」(即答) 炎:「そうなんですか……」……残念そうだ(笑) GM:とまぁ、そこで父親の地五郎村長が……「こら炎! お客様にいきなり何を言うんだ! 失礼じゃないか」 壮一朗:「まぁまぁ」 GM:と、ここで……「村長! てーへんだ!!」との声と共に、1人の村人が駆け込んできます。村長は……「どうした?」……と、その村人の話によると、壮一朗たちが来たのと別方向から、また誰か来たらしい。 牙炎:「逆……流水カ?」 GM:「私が行って来る!」……水葉が刀を二本掴んで飛び出して行く。 壮一朗:水葉の手を掴んで――「待て、お前はここにいろ、私が様子を見てこよう」 水葉:「この村を守るのは私の役目です」……手を振りほどいて走って行く。 壮一朗:しょうがないから、ついて行く。 牙炎:我は残るぞ。 第六場 陰陽師:五行 GM:少し時間が戻りますが、流水の国組みです。ふと雅に五行が言います。……「雅、今回の旅の最中、私は旅の陰陽師。お前は私の弟子だ。わかったな?」雅:「あの、五行様が陰陽師なのは解りますが、なぜ私が弟子なのですか?」 GM:「(無視して)それから、お前は陰陽術を教わってはおらず、まだ術の公使は出来ない設定だ。ほかに何かあったら私に口裏を合わせろ」 雅:「それは……今回の任務と何の関係があるのですか?」 GM:「ふんっ、お前はそんなことを気にする必要はない。私の言った通りにしていろ」 雅:「……解りました」 GM:と、そんなこんなで、森の中を歩いていると、いつの間にか霧が出てきて視界が悪くなる。それでも歩き続けると、突然霧が晴れて盆地に家が数十軒……「着いたようだな、行くぞ雅」 雅:「はい。五行様」 GM:と、……「こりずにまたやって来たのか! 流水の侍め!!」……と水葉と壮一朗が現れます。 壮一朗:そうなのか。 GM:そうです。それで、水葉は雅と五行を見て……「侍……なの?」 壮一朗:水葉を手で制して――「貴様等、何者だ?」 GM:五行が答えます。……「私はただの旅の陰陽師、五行<ゴギョウ>と申します。美の追求のため、各地を旅して周っているのです。この村は興味深いですねぇ(村を眺めて)、人里だと言うのに自然の雄大なる美を損なっていない。これこそ調和の美と言うのでしょう!! ほら雅、お前も感じるものがあるでしょう!」 雅:「これが"美"ですか。あ、私は五行様の弟子の雅と申します」 GM:「サムライ殿」 壮一朗:「……なんだ?」 GM:「あなた方は、この村の自警団か何かでしょうか? 出来れば私もこの村に滞在したのですが? この村の美を研究したのです!」 壮一朗:「どうするんだ水葉?」 GM:「そうですね。まぁいいんじゃないでしょうか……徴税官っぽくないし(ボソッと)……」 壮一朗:「だそうだ」 GM:「それはありがとうございます。では行くぞ雅!」 雅:「はい、五行様」 GM:と、村長の家に行く間に、五行がキョロキョロしながら……「興味深い、実に興味深いですねぇ……」 雅:「五行様、一体どこが興味深いのですか? 修行不足の私にはわからないのですが?」 GM:ムッとした顔で雅を見て……無視して歩いていく(笑) 雅:五行様〜。 第七場 出会い:夕食の場 GM:水葉と壮一朗が出て行ってから、牙炎は?牙炎:「村長」 GM:「な、なんでしょうか」 牙炎:「霊石ニツイテ、何カ知ッテ無イカ?」 GM:「さぁ……霊石といえば確かに伝承では聞いたことがありますが……実際にそれを見た者はおりませんが?」 牙炎:「ソノ伝承ニ、詳シイ者ハ?」 GM:「それなら、村に1人そういうことに詳しいお爺さんがいますが」 牙炎:「ソコニ、案内シテクレ」 GM:そんな話をしていると、水葉達が帰ってくる。村長さんも驚くけど、五行がさっきみたいな説明をして、地五郎村長も少しの間なら私の家に、と歓迎する……村長さんが、壮一朗たちのことを五行たちに話そうと……「こちらは……」 壮一朗:気合を二点使って"割り込み"――「旅のサムライです」 GM:なるほど、しかし、そっちの金剛機はどうする? 壮一朗:金剛機って解るの? 変装解いてるのか? 牙炎:書状もあったし、素になっていなければ失礼にあたるだろう? GM:では五行が牙炎を見て……「そちらは……?」 牙炎:「気ニ、スルナ」 GM:五行は少し考えると……「なるほど」……と1人で納得して……「それでお名前は?」 牙炎:「…………牙炎ダ」 GM:まぁ、自己紹介を見計らって、村長さんが……「先ほどの牙炎様のお話ですが、今日はもう日も暮れましたし明日ということでどうでしょう? 村人達もこの時間に訪問されるのは困るでしょうし……」 牙炎:「ソレデ構ワヌ」 GM:「それでは夕食にいたしましょう」 GM:夕食です。水葉の母親が忙しそうに食事を並べています。……「あら、ほんとに今日はお客様が多いわねぇ……あっ! ご飯のことは気にしないで下さい! 沢山ありますから」 壮一朗:何!?――「この土地では不作が続いたのではないのか?」 GM:「不作?……まぁこの村は盆地にありますから、その性で天候が他と違うのかもしれませんね?……あっ、ほらほら、炎も運ぶの手伝って!」 壮一朗:ところで、牙炎のチットがもうたまってるぞ? GM:では封印記憶(笑)……そうだな、君は昔、このように幸せな食卓を囲んだ覚えが蘇る……って事で 牙炎:「一体……我ハ、一体……」
〜次幕予告〜
何かが違う……それが確信に変わった時、村の真実の姿が見え始める。 強さに疑問を持つ水葉、強さに憧れる炎、彼女たちとて幻なのか…… 次回、『零跡の村』、第ニ幕「違和感」。 [第一幕の幕間] GM:さて、第一幕で登場した『水葉』と『炎』と『五行』は、このシナリオの重要人物なので、それぞれ[邂逅ロール]をしてもらいます。それで、好きなNPCに[因縁]を取って下さい。[因縁]は誰に取ろうと、何人に取ろうと構いませんが、『水葉』にだけは絶対取って下さい。彼女はこのシナリオのキーパーソンなので。雅:私は五行様にすでに持っているので、取らないでいいのですよね? GM:そうだね。五行に取るのなら、壮一朗と牙炎の二人だけかな。 壮一朗:水葉に対して(コロコロ)……"黒い泥"? GM:いや、それは……そうだなぁ……2つ動かして(2つ合気チットをあげるので)"望郷"にして下さい。 壮一朗:"望郷"って? GM:『幼馴染みに良く似ている。あの頃の黄金時代があなたの心に去来する』……まぁ、昔の自分を重ねてしまうと、解釈していいんじゃないかな? 壮一朗:そうか。 雅:私は……"あこがれ"ですね。 GM:『心に満ちる暖かなキモチ』 雅:きっと家族団欒にあこがれたんですね。 GM:なるほど、そういう取り方もあるね。 牙炎:ところで……"既視"ってどういう事だ。 GM:『なんだろう、いつかこんな事があったような気がする』 壮一朗:修羅になる前に見た事があるとか(笑) 牙炎:それは封印記憶があるから無理だろう。 GM:そうだね。2つあげるので"血縁"でもしましょう。 雅:"血縁"……『父、母、兄、妹、あるいは自分。とにかくあなたの血縁に良く似ている。もしかしたら縁者なのかもしれない』……だって。 GM:まぁ、封印記憶に出てくる人に、水葉が重なるって事でどうでしょうか? 牙炎:……じゃあ、『水葉が記憶にあるの女性と重なる』とでもするか。 壮一朗:あと炎にも振りたいんですが。 GM:どうぞ。 壮一朗:(コロコロ)……63"好敵手"(笑) GM:ほぅ、14の少年をライバルに据えるのかね君は?(笑) 壮一朗:ああ、据えるさ!(笑) 奴はいずれ俺の敵になる! 俺にはわかるっ!!(一同爆笑) GM:そ、そうか、好きにしてくれ(笑) 雅:それで[気合]はいつ取ればいいの? GM:ああ、これから取ってくれ。今取った[因縁]でも振っていいからね! 雅:五行! 私を無視するな!!!(コロコロ)…… 一同:(大笑い) 一幕終了時での各PCの[因縁] ○ 壮一朗 <感情:弱さへの憎悪>中級 <その他:死ぬことと見つけたり>初級 <感情:牙炎への恐れ>初級 <仇敵:水神>中級 <感情:水葉は過去の自分>初級 <感情:炎は強くなる>初級 ○牙炎 <その他:封印記憶>上級 <目的:任務を遂行する>中級 <その他:雅への共感>初級 <感情:水葉が記憶にある女性と重なる>初級 ○雅 <秘密:傀儡であること>中級 <感情:孤独への恐怖>初級 <感情:壮一朗への憧れ>初級 <感情:五行への反感>中級 <感情:水葉への憧れ>初級 [第二幕]〜違和感〜 第一場 朝稽古:牙炎 対 水葉 GM:では、次の日の朝です。牙炎はどうしているの?牙炎:金剛機は寝ないでいいんだよな……まぁ、廊下でジッと座ってるか。 GM:じゃあ、朝早く稽古着を着た、水葉がたずねてくるよ。 牙炎:「何用ダ」 GM:「あの……稽古の相手になってくれないでしょうか?」 牙炎:「……ヨカロウ。ヌシモ龍虎一天流ノヨウダシナ」 GM:「なっ! どうしてそれを!?」 牙炎:「我モ龍虎一天流ダ。構エヲ見レバ解ル」 GM:それでは庭に出ます。水葉は自分の分と牙炎の分と4本の木刀を持ってきます。 牙炎:「始メヨウ」 GM:「はい」……ちなみに練習試合なのでダメージは負傷ゲージに入れないように。全て活力に入れてね。 壮一朗:俺って[因縁]<死ぬここと見つけたり>があって[死亡]が埋まってるんだけど……。
※通常、活力にだけダメージを入れていれば、活力がマイナスになった時に気絶するだけで死亡することは無い。しかし、壮一朗は<死ぬここと見つけたり>のせいで、すでに[死亡]ゲージが埋まっている。[死亡]ゲージが埋まっていると、気絶した場合、ホントに死亡してしまうのだ。
GM:君の場合は練習試合も死ぬ気でやってくれ(笑)壮一朗:そ、そうなのか(笑) GM:さて、水葉の敏捷は"8"だ。 牙炎:ならこっちからか(コロコロ)……結構厳しい……よ、4個(笑) 一同:4個っ!?(大笑) GM:(コロコロ)……おお、すごい、金剛機に一撃与えたよ(笑) 雅:5個ですね(笑) GM:じゃあ、差が2で木刀のダメージ修正が2で、龍虎一天流の<上級>を使っているので、修正は4ということで、合わせて5ダメージ(笑) 壮一朗:水葉強え〜(笑) GM:それじゃあ――「女だからって、手加減は無用ですっ!」……普通に5個成功。技能上級だしね。 壮一朗:はっはっはっはっ(笑) 雅:なんですか、それ(笑) 牙炎:さ、3個……。 GM:本当かいっ!? ……本当だったよ(笑)じゃあダメージは6点だ。 牙炎:なんでだ!? 技能が中級でも12個も振ってるのに!! 壮一朗:金剛機じゃねぇよ、それ(笑) 牙炎:次はこっちだな……「本気デ行クゾッ!!」 GM:こっちは……6成功だ。 牙炎:……5個(一同爆笑) 壮一朗:やっぱ金剛機じゃねーよ(笑) 雅:水葉さん強いですね〜(笑) 牙炎:なぜだっ! なぜ勝てん!!! GM:ダメージは3点ね(笑) 壮一朗:そこで[気合]を1点使って登場する!――「そこまでっ!!」 GM:おおっ(笑) じゃあ、水葉は構えを解こう。 牙炎:「クッ!」(←悔しいらしい(笑)) GM:水葉が少し不満そうに――「今度やる時こそ、手加減無しでやって下さいね」って言うよ(笑) 牙炎:「……アァ」 GM:「それでは、そろそろ朝御飯の手伝いに行かなくちゃいけないんで……」……タッタッタッタ 壮一朗:何かツッコミが入れたいなァ――「牙炎。お前本当に手加減していたのか?」 牙炎:……「当然ダ。一般人相手ニ本気ヲ出スワケニハ、イクマイ」 GM:なんか面白いから1枚!(笑) 壮一朗(裁定者):俺も1枚!(笑) GM:では次の場面に―― 牙炎:待った! 今ので俺の合気チット数が共感以上になったのだが……。
※牙炎は前の[幕間]で合気チットを2枚ほど気合に変換せず残していたのだ。
GM:それじゃあ、[封印記憶]が発生か……う〜ん。そうだなぁ……よしっ! 牙炎は水葉との[因縁]で<記憶にある女性と重なる>って取っていたから、君は昔、自分の姉に剣術を習っていたんだ。それで、その姉にはどうしてか勝つことが出来なかった! そんな修羅に落ちる前の記憶を思い出そう(笑) どうでしょう皆さん?雅:面白いです(笑) 壮一朗:OKでしょう(笑) 牙炎:「イ、今ノハ一体……」 壮一朗:「どうした? 負けたのがそんなに悔しいのか?(笑)」 牙炎:「五月蝿イ!」(一同爆笑) 第二場 見物:朝稽古 GM:その時間の五行と雅の部屋、なんか五行が庭の方を見ているよ。雅:窓から? GM:窓って言うか、障子を少し空けて。 雅:五行様、何を見ているのですか? GM:「いや、いや、なかなか面白いモノを見せてもらいましたよ」 雅:「????」 GM:まぁ、そうすると、村長さんの妻の雷花が、「そろそろ朝御飯です」って言って来る。 雅:「五行様? あの、なにが面白かったのですか?」 GM:「ふんっ……」とだけ言って、五行は朝食に向かっちゃう。 雅:本当に何が面白かったんだろう? アレを見て……。 壮一朗:やっぱ金剛機が負けてたからじゃないの(笑) 第三場 少女の悩み:強さとは……
その後、朝食の席で地五郎村長が今日何をするのか聞いた所、五行と雅は村の見物。壮一朗と牙炎は伝承を知っているお爺さんに会いに行くと言うことになった。そこで、壮一朗達には水葉が案内役につくことに……
GM:では、伝承を聞きに言った方だけど……。壮一朗くん、君は3年前にこの村に来たことがあるって言ったよね?壮一朗:ああ、言ったのはGMだけどな。 GM:茶々入れない! で、村の風景だけど、まず変わっていない。田畑の位置から家々の配置まで、君が来た時と同じだ。もっとも詳しくは覚えてないけどね。 壮一朗:水葉にもう一度聞こう――「本当に村長は地五郎さんなのか? 私は3年前にも、この村に来たのだが、その時と村長が違うのだが」 GM:「そうですか? ……でも、お父さんは10年前から代わらずに村長をしていますが」 壮一朗:「そうか……」 GM:「私は2年前に村に戻ってきたので、壮一朗さんが来たことは知りませんが……」 壮一朗:う〜ん――「それより、どうして剣術を?」 GM:「この村は烈火の国に属していますが、流水との国境にあることもあり、時々流水の侍が強引に税を取りたてていくことがあるんです」 牙炎:「何所ニデモ、アル話ダ」 GM:「そんな時、たまたま村を通りかかった剣豪が、流水の侍達をやっつけたんです。私はその時12歳だったんですが、その剣豪に無理言って弟子入りしたんです」 壮一朗:「よく、そんな決断をしたな」 GM:「村のみんなが苦しんでいるのは知っていましたから……私が村を守らなくっちゃって思ったんです」 壮一朗:「弱れば何も守れないからな……」(←しみじみと) GM:「はい。……でも、最近思うんですよ。強さって一体なんなんだろうって、どんなに強くったって守ることが出来なければ意味が無いって……」 壮一朗:「弱さには限界があるが、強さには限界など無い。皆を守りたいのなら守れるだけの力を、そう納得できるだけの自信を、持てるまで己を磨き続ければいいさ」 GM:「はい」 壮一朗:「それに……君にはまだ、守るべき人たちが生きている」 GM:「…………・・」 第四場 伝承:霊石 GM:それでは伝承を知っているというお爺さんの家に付きました。お爺さんは水葉を見ると、「おや、水葉ちゃん。どうしたんだね? こんな爺やのところに」と言って君たちを入れてくれます。まぁだいたいのことは水葉が説明したとして「……と言う訳なんです」壮一朗:「霊石について知りたいのだが」 GM:「霊石かね?……う〜ん、確かに、この村は霊石によって守られておるのじゃ。霊石が無かったらこの村は……」 壮一朗:「その時は水葉の出番だ」 GM:じゃあ、ちょっと水葉が喜ぶかも……「ありがとうございます」って(笑) 壮一朗:「いやいや、金剛機とまともに渡り合えるのだからな」(一同笑) GM:水葉は牙炎の方をチラって見てから……「そんな、私なんて……」(笑) 牙炎:「…………」――何も言わんぞ。 GM:爺さまが……「まぁ霊石はこの村を守ってくださっておるが、実際にそれを見た者はおらんでな」 壮一朗:「霊石について、この村に伝わっていることは無いのか?」 GM:「そうじゃのう、霊石は、この村に災いが降り注いだ時、守ってくれるっちゅうのが言い伝えでの〜」……って、話を要約すると、どうも先代からの言い伝えとかであって、ただの土地伝説とか地方信仰みたいな感じだね。 壮一朗:私が会った村長の顔の特徴とかを言って「……知らないか?」 GM:「先代の村長は、地五郎殿の親父殿じゃったからのう。少なくとも、お前さんの言う人物ではなかったの」 壮一朗:ついでに水葉にも聞いてみよう。 GM:「いえ、そんな人見たこと無いですが……」 壮一朗:「どうする牙炎?」 牙炎:「伝承ヲ描イタ、巻物トカ無イノカ?」 GM:「口伝じゃぞ」 壮一朗:「そうだ、この村に神社とか無いか?」 GM:「それなら村の北に土地神様を奉った祠があるが……まさか!? あの祠にゃ近づいちゃならねぇ! まして、よそ者はタタラれるでぇ!!」 牙炎:「他ハ?」 GM:「他には……村の中心に……おろ? なんじゃったか? 何かあったような……???」 壮一朗:村の中心と村の北側……「ありがとう爺さん」って出ていく。 第五場 少年の悩み:強くなる為には…… GM:では雅です。五行は今、食後のお茶でゆっくりしています。雅:ジッと待っています(←不満そう)。 GM:そうすると、君のところに水葉の弟『炎』がやってきます……「僕、炎って言うんです」 雅:「私に何か用かしら?」 GM:「お姉ちゃんって強いんでしょ! 刀持ってるし!」 雅:「いいえ、とても五行様にはかないませんよ」 GM:「でも、あの人は陰陽師だから、きっと"式"とか使って戦うんでしょ! でも、僕がなりたいのは水葉姉さんのような剣士なんだ!」 雅:「それなら、金剛機さんを見習いなさい」 GM:「いや、それは……今朝ので……」(笑) 壮一朗(裁定者):GMにあげましょう(笑) GM:「雅さんは、どうやって強くなったの?」 雅:そう言われてもねぇ〜、そう作られたとしか……。 GM:でも、こっちは君の事を"人間"だと思っているから。 雅:「そうねぇ……御飯をいっぱい食べて、野菜も好き嫌いせずに食べて」 壮一朗:何言ってんだ? GM:「いや、僕が聞きたいのは、お姉ちゃんはどうやって強くなったかなんだけど……」 雅:「実はお姉ちゃん強くないのよ」 GM:「えっ! そうなの?」 雅:「そうよ。でなければ弟子なんてやってないわ。一人で旅してるもの」 GM:「そ、そうなのかぁ……」ってなんか炎も納得したのかしないのか、とりあえず、このお姉さんはいいや(笑)ってことで、どっか行っちゃいます……「そうだ、あのおサムライさんに聞こう!」 壮一朗:そのおサムライさんは、炎の才能を見い出すんだよ。 牙炎:[邂逅ロール]の"好敵手"か(笑) GM:と、「何をやっている雅、子供と戯れて何が楽しい?」 雅:「……そうでしょうか」 GM:「子供など、ただ煩いだけではないか……まぁいい、そろそろ私たちも行くぞ」 雅:「何所に行くのですか?」 GM:「さっき村長に聞いてきたのだがな、村の北の方に『祠』があるらしい。そこに向かうぞ」 雅:「祠ですか」 GM:「それに村で聞き込みもしておきたいしな」 雅:「はい。わかりました」 第六場 広場:霊石の跡? 牙炎:こっちは村の中心に向かうか……。壮一朗:じゃあ、向かいながら水葉に聞こう――「村の中心には何があるんだ?」 GM:「村の中心ですか? 別に広場になっているだけですけど」 壮一朗:「そうか……」 GM:(う〜ん、少しダレそうかな?)……そうだね、2人とも【感覚】の≪敏捷≫で振ってみて? 壮一朗:(コロコロ)……2個成功 牙炎:……成功しない(0だった) GM:じゃあ、金剛機はつまずいてコケル――ドテッ! 牙炎:なんなんだよ!(怒)――「チィ!」――心の声だからな。 雅:怒ってるし(笑) 牙炎:下を見てみる。 GM:そうすると、今、村の中心――広場――にいるのだけど、ちょっとした穴(?)みたいのにつまずいたらしい。 牙炎:掘る(即) GM:堅い。なんかが置いてあったみたいだ。大きさは拳大ね。 牙炎:金剛機パンチで掘れない? GM:それなら、掘れていいよ。でも何も無い。 壮一朗:「おい、何してる?」 GM:水葉も不思議そうに君を見ている。 牙炎:作業を止めて――「穴ダ」 壮一朗:「穴だなあ」 GM:「穴ですねえ」 牙炎:まぁ、何かが置いてあったらしいことは言っておこう。 壮一朗:「村の中心に何かあった……」――前に来た時に見てないかなぁ? GM:そうだね。【知力】で≪観察≫を振ってくれ、2以上出れば成功ね。 壮一朗:(コロコロ)……思い出した! GM:そうか、なら君は3年前に来た時、ここには石が置いてあった、っていうより奉ってあったのを思い出す 壮一朗:「そういえば、ここには石が奉ってあったような……ん? それって霊石なんじゃ……」 GM:「私は昔から、こうだったと思いますが」 壮一朗:そうだな、村長の家に戻って、少し聞いてくるか。 第七場 戦:村人の噂 GM:「雅、ちょっとその辺の村人から、この村で昔あったことなどを聞いて来い」雅:「五行様は自分で聞かないのですか?」 GM:「この私に、農民どもと口をきけと言うのか?」 雅:「あ、いえ、私が行って参ります」 GM:じゃあ、五行は畑の外から見ている。畑を耕していた人が……「な、なんですな?」 雅:「この村であった。昔の戦とか、そういう話を教えて欲しいのですが」 GM:「昔のことですか? と言われましてものぅ……戦なんとワシは知りませんし……まぁ有ったと言うなら、烈火の国の徴税管と流水の国の徴税管が鉢合わせした時の喧嘩ぐらいかのぅ」 雅:「それは、どうなったのですか?」 GM:「いや、べつに、少し言い合いになった後、正当でない流水の奴らが逃げていったが? あとは〜……水葉ちゃんが流水の奴らを追っ払ってくれてることぐらいじゃのぅ。ありがたいこっちゃ」 雅:「そういえば、村の北には祠があるそうですね。他にはそういう場所は無いのでしょうか?」 GM:「さぁ〜……思いつかんのう」 雅:御礼を言ってから、五行の所へ戻りましょう。 GM:「で、どうだった?」 雅:「どうも昔、烈火の国と流水の国でいざこざが在って、流水が悪かったみたいです」 GM:「……それから?」 雅:「それから、祠以外に怪しい場所は無いみたいです」 GM:「……で、お前の意見は?」 雅:「…………」(←なんか黙っている) GM:じゃあ、五行はスタスタ歩いて行っちゃう。で、ボソッと呟く……「所詮は道具か」 第八場 違和感:風谷の村 壮一朗:家に戻ってきたのか?GM:うん、そうすると、君の方に1人の少年がやってくるよ(笑) 牙炎:来たか(笑) 壮一朗:来たな(笑) GM:もちろん炎だよ(笑)……「壮一朗さん! 壮一朗さんはどうやって強くなったんですか?」 壮一朗:「強くか……そうだな。強くなりたい――ただその気持ちを持ち続けただけだ」 GM:「強くなりたい……気持ち……」 壮一朗:「強い意思を持て、絶望や諦めに負けるなよ」 GM:「ハイッっ!!」……元気良く返事して走っていこう。 壮一朗:その後姿を見て――「あいつは、強くなるな」 GM:と、炎は急に立ち止まると……「あの、壮一朗さん。あとでお話したいことがあるんですけど……」 壮一朗:「ああ、いいだろう」 GM:そのあと、水葉をチラッと見て、また走っていく。 壮一朗:では村長に話をしよう――「村長、村の中心の広場なんだが、昔私が見た時は、そこに御神体が奉ってあったはずなんだが」 GM:「確かに、広場には…………。んっ? いや、何もなかったか? 何を言おうとしたんだ私は?」 壮一朗:「????」 GM:「ええ、なにも無かったはずですが」 牙炎:「跡ガ在ッタゾ」 壮一朗:「村長も来てくれ」 GM:じゃあ、村長さんも来た。……「確かに、なにか掘り起こしたような跡がありますな」 牙炎:(笑) GM:「しかし、何も記憶に無いのですが……」 壮一朗:「う〜む、しかし、私が3年前ここに訪れた時は、霊石があったのだが……」 GM:と、雅に合気チットを1枚あげるよ。んでこの場に召喚。 雅:強制的に出てくるのね。 GM:「おやおや、こんな所でどうしたんです皆さん?」……って五行が、後ろには雅もいる。 壮一朗:「なに、私が過去にこの村を訪れたことがあったという話をしていただけだ」 GM:「ほう……過去にですか? それで、過去の村はどうでしたかな?」 壮一朗:「あなたの言う通り美しい村でしたよ」 GM:「ほぅ、なにも変わり無かったと?」 壮一朗:「えぇ」 GM:「まったく」 壮一朗:「えぇ」 GM:「……なるほど。雅、今ので解ったか?」 雅:「昔と今とで何かが違うのですか五行様?」 GM:「…………」 雅:「あの? 五行――」 GM:「いやいや、サムライ殿、気を悪くしないで下され」 壮一朗:「私の言うことを疑っているのか」 GM:「そんなそんな……。あなたは実に正直なお方だ。私には解りますよ(ニヤニヤ)」 壮一朗:どういうことだ? GM:そんなことしてると村長が……「しかし、一体どう言うことでしょうな?」 壮一朗:「いや、私の夢だったのだろう。気にしないでくれ」 GM:じゃあ、村長さんは帰ったよ。 雅:「五行様、なぜここに来たのですか?」 GM:ん〜、それでは壮一朗・牙炎・水葉と雅・五行に別れた後ね……「ん? お前も聴いていただろう?」 雅:「はい、聞きましたが……」 GM:「奴らは何かを探しているらしいな。……まぁアレだろうがな」 雅:「アレとは?」 GM:「ふむ、そう言えばお前には言ってなかったな」 雅:「はい」 GM:「それよりも、土地神様とやらを奉ってある北の祠に行くぞ」 雅:「…………」 第九場 祠:調査 GM:北の祠です。ちょっとした洞窟のようになっていて、奥に何かを奉ってある祠が見える。五行が洞窟の入口で雅に言うよ……「お前は、ここで見ていろ」雅:「わかりました」 GM:じゃあ、五行が1人で祠の周りを1周して見てみたり、ちょっと触ってみたりと調べている。 雅:独り言ね――「最近の五行様は一体何を考えているのか……」 GM:「なるほどな……。ふむ、なるほど……」 雅:「五行様、何がなるほどなのですか?」 GM:「……ん? ふぅ……雅、お前はまだ、この村で何が起きているのか解らぬのだろう?」 雅:「そのようなことを言われても……来いと言われて付いて来ただけの私には……」 GM:「そのようないいわけなど、聞きたくは無いわ!」 雅:「申し訳……ございません……」 GM:五行が祠から離れながら一人ごちる……「風谷の祠……やはり、壊れていなかったか……」 雅:「…………」 第十場 考慮:心 GM:水葉が先導しながら壮一朗たちを北の祠へと案内します。少し歩いて、ちょっとした洞窟になっている場所が見えてきました。と、そこから五行と雅が出て来て、五行が君たちに気づくと……「これは皆さん、お探し物ですかな?」壮一朗:「そちらこそ、この場所へはどのようなご用件で?」 GM:「いやいや、たいした用ではありませんよ。あなた方はどうしてここに?」 壮一朗:「なに、私たちもせっかくここに留まらせて頂いているのですから、この土地の神様にお祈りをと思いまして」 GM:「ん〜なるほど、それはいい心がけですな」……そうして、君たちをゆっくり見回してから……「興味深い、実に興味深いですねぇ……どうやら、あなた達は私達と同じ人間のようだ」 壮一朗:一緒にされたよ。 牙炎:心外だな。 雅:五行様は行ってしまうの? GM:ん? そうだよ……あ、やめよう。五行は皆がいる前で、ふと立ち止まると……「雅よ」 雅:「はい」 GM:「そう言えば、この村で起きていることにまだ気が付いていない様だな?」 雅:「はい」 GM:「お前は今まで良く働いてくれた、しかしな、私は役立たずの道具は必要無い」 雅:「役――!? 私が……!」 GM:「もし、この村の謎が自力で解けなかった時は……解っているな?」 雅:「えっ、でも!」 GM:「私は、役立たずの道具など要らんと言っておるのだぞ」 雅:「しかし、私のことを道具などと!」 GM:カチンッ! と五行が……「私に口答えするな! 分をわきまえよ!!」 雅:「はっ、はい……申し訳……ありませんでした」 GM:「ふんっ」……五行は君を置いて、一人でスタスタ行っちゃったよ。水葉は雅を心配そうに見ているけど、他の2人は? 壮一朗:とりあえず声をかけるよ。 牙炎:祠に入って行く。 壮一朗:雅に近づいて行って――「一体、どうしたのだ?」 雅:「聞いていたでしょう? この村に起きている謎を解かねば、私は五行様に処分されてしまう……」 GM:「そんな! 人間を処分なんて!?」 雅:「それでも、五行様だったらそれぐらい可能な力を持っていますし……」 GM:「そんな……それに道具だなんて」 壮一朗:「ああ、人を道具呼ばわりするとは気に食わんな」 GM:「まったくです!」 雅:「私もまだ死にたくありません。この村で何が起こっているのか。知っていたら教えて頂けませんか?」 壮一朗:「それは夜中に足の無い女性を見たとかの話か?」 GM:「でも、そんな話は聞いたことありませんが?」 雅:「無いのですか? 本当なのですか?」 壮一朗:「そもそも、あの陰陽師は何の目的でこの村に来たんだ?」 GM:「確かに」 壮一朗:「少なくとも"美の追求"などとは違うようだな」 雅:「何かを探しに来たみたいですが……そういえば、さっき五行様はあの祠を調べて、何かわかったふうでしたが……」――って言っていいのかなぁ? 壮一朗:「祠か……?」
一方その頃、祠を調べていた牙炎だが、たいして変わったところも無く、祠に異常は無い。調査も徒労に終り牙炎は洞窟を出てくる。
壮一朗:「牙炎、何かあったか?」牙炎:「イヤ、普通ノ祠ダ」 雅:「そうですか? でも五行様はその祠を見て何か知ったような……」 壮一朗:「他に奴は何か言ってなかったのか?」 雅:「あとは、"この村は何か違う"と、言うようなことを言っていたような」 牙炎:「トリアエズ、見テミルカ?」 壮一朗:「ああ」 GM:では、祠です。水葉も……「祠には村の人たちも近寄るなって言うだけで、変わった所はないと思いますが……」 壮一朗:「やはり、普通の祠か」 雅:「そういえば、この村で昔起こった戦のことを調べていましたね。実際は烈火と流水の小競り合いがあったらしいですが……」 壮一朗:私は、その事について知らないのか? GM:知らないね。って言うより、流水が国境の小村に不当な税の取立てに来るのは、別に風谷の村に限った事じゃないしね。君が3年前に来たのも、その苦情が村からあったからだ。 壮一朗:なるほど、そんなものか……「ならば、流水の金剛機について何か知らないか?」 雅:私は知っているのですか? GM:知ってる。水神という金剛機があって、戦では多大な戦果を上げている。そうだな、【知力】≪事情通≫で振ってくれ。難易度は3。 雅:(コロコロ)……失敗。 GM:じゃあ詳しくは知らない。まぁ存在するのは知っていていい。最近は見ないけどね。 雅:「たしかに流水には、そのような金剛機が存在しますね」 壮一朗:「ほぅ、君は流水の出なのか?」 雅:「えっ! いえ、私自信は違いますが、五行様が流水の……あ、いえ」……ちょっと誤魔化す(笑) 壮一朗:「流水の?」 GM:水葉も聞こう……「流水の?」 雅:「五行様はなにか流水と関係があるらしいのですが、詳しくは……」 壮一朗:疑いの眼差し(笑) 雅:「私は孤児だったところ五行様に拾われました」 GM:「捨て子だったのですか?」 雅:「いいえ、火事で焼き出されたところを拾われて、育てて頂いたのです」 GM:「でも、いくら連れだからって、さっきの陰陽師さんの言い方は酷いと思います!」 雅:「しかたが……無いのです。私には力が無いから……従うしか、私には出来ないから……」 壮一朗:「ただ従うだけでは、何も変わらないのではないか? 自分に力が無いという前に、従う以外にできることを探したらどうだ?」 牙炎:「任務ヲ全ウスル事ハ、当然ダ」 壮一朗:「確かに……だが、盲目的に任務を全うことだけが、全てだと限らないだろう」 牙炎:「ソレハ、人間ノ考エ方ダ」 壮一朗:「お前は、人間ではないからな」 GM:「でも、雅さんは人間なんですよ」 牙炎:霊導夢で傀儡だと解るのだが……ん〜ここは言わないでおこう。 GM:「任務のために心を機械のように凍りつかせるのは間違っていると思います!」 牙炎:「違ウナ、任務遂行ニ感情ハ、イラヌ」――ところでGM、さっきから[合気チット]が共感を2枚上回っているのだが? GM:何っ!? それでは[封印記憶]が発動だ。――まだ、若い……戦の乱戦真っ只中に君はいる。周りを取り囲む足軽、機人、侍、サムライ……君の心は1つの感情に支配されいている『戦人が憎い! 戦人が憎い!!』君の二刀が敵を葬り、また新たな血を求めて振りかぶる――修羅だった頃の記憶だ。 牙炎:なるほど。 GM:まぁ、感情を少し取り戻す感じかな? ……「牙炎さん!? 牙炎さん大丈夫ですか!」って水葉が心配したりして。 牙炎:「ここは……危険だ……」――とか錯乱中(笑) 壮一朗:「まさか……暴走!?」 牙炎:「イヤ、大丈夫ダ。我ニ異常は無イ」 壮一朗:「まったく、金剛機とはいつ暴走するかわからん奴は危険だな」 牙炎:「ソノ時ハ、オ前ガ壊セバイイ」 壮一朗:「ああ、遠慮無く壊させてもらうよ」 牙炎:「壊セレバノ、話ダガナ」 雅:「あの、お2人は仲間じゃないのですか?」 壮一朗:「違うな、ただ部隊が一緒なだけだ」 牙炎:「任務ノ為、行動ヲ共ニ、シテイルダケダ」 GM:まぁ、何の話をしていたのか、[封印記憶]の辺りからわからなくなって来たので、場を閉じましょう。一応、時刻も結構すぎて、もう夕方だ。村をいっぱい周ったしね。 第十一場 相談:これから GM:では、村長さんの家に戻ってきました。雅:私は村長さんに村の詳しい話を聞きたいので、会いに行きます。 壮一朗:私は2人で(牙炎と)話がしたいな。 GM:じゃあ、壮一朗たちは客間へ、雅は村長のところね。 牙炎:わかった。 GM:まず村長さんの方……「おや、どうしましたかな? もうすぐ夕御飯ですぞ」 雅:「いえ、この村に伝わる伝承とかを教えて頂きたいのですが」 GM:地五郎村長さんは、霊石の話をしてくれた。さすがに説明は割愛する。 雅:う〜ん、五行様の言っていたことは、その霊石のことだったのかな〜って考えてしまうかな?――「五行様に伝えなくては」 GM:でも五行は居ないから、夕御飯なのに、まだ帰って来てない。 雅:「五行様はまだでしょうか?」って帰ってくるのを待っていましょう。 GM:では、烈火の組です。水葉は夕御飯の手伝いに行っちゃう。 牙炎:「壮一朗、アノ五行ト言ウ男、目的ガ同ジヨウダナ」 壮一朗:「ああ、確かに邪魔になりそうだ」 牙炎:「任務ノ為、排除スルカ」 壮一朗:「いや、まだそれには早い。それよりも奴の動向を調べたほうが良いだろう。もしかしたら、奴を探る事で霊石について私達の知らない情報が見つかるかもしれんしな」 牙炎:「何ヨリ、奴ニ先ヲ越サレテハ、ナラヌシナ」 壮一朗:「では、私はこれから食事をしに居間に行くが、お前は五行の動向を探ってくれ。夕食に金剛機が居なくても怪しまれる事はないだろう」 牙炎:「了解シタ」――では五行の部屋に行くか。 GM:しかし五行は居ないのだが。 牙炎:どこにも? GM:うん。まだ帰って来てないらしい。 壮一朗:で、私は夕食を食べ終ったと。 GM:いや、まだ食べ終わってない。居間に向かう途中に炎がやってくる……「壮一朗さん、話が、相談したい事があるんだけど……」 壮一朗:「なんだ?」 GM:「姉さん、水葉姉さんのことなんだけど。なんか悩んでるみたいなんだ」 壮一朗:「水葉の? どういうことだ?」 GM:「うん。村の人は皆、『水葉がいるから大丈夫だ』って言って、姉さんに頼りきっているけど……ねぇ壮一朗さん! 強いっていいことだよね?」 壮一朗:「そうだ」(即答) GM:「でも、僕、姉さんが『強いだけでは守ることが出来ない』って1人で泣いてるのを見たんだ……」 壮一朗:「……確かに、強いだけではできない事もある。彼女はそれに悩んでるんだろう」 GM:「壮一朗さんは強いんでしょう? それなら、姉さん悩みをなんとかしてくれないかなぁ」 壮一朗:「それは違う」(また即答) GM:「えっ」 壮一朗:「炎、お前の姉さんを救えるのは私じゃない。それは、お前自信なんだ」 GM:「え、僕?」 壮一朗:「なぜだか解るか?」 GM:少し考えて……「ううん、わかんないよ……」 壮一朗:「この村は水葉1人に守られている。お前ももう十四だろう。一人前の男が年上の姉に頼ってばかりいていいのか?」 GM:炎はガーンって(笑) 壮一朗:「お前が姉と同じ場所に並んだ時、その悩みをお前も知る事が出来る。話は、それからだ」 GM:じゃあ、炎は何か決意したように……「ありがとう壮一朗さん! わかったよ! 僕が強くなって姉さんを助ければいいんだね!!」 壮一朗:「そうだ」 GM:「壮一朗さんに話して良かったよ。ありがとう壮一朗さん!!」って炎はすっきりと晴れ渡った顔をして駆けて行く。 壮一朗:ゆっくりと歩きながら――「あいつは強くなるな……」(←とても満足げ) 第十二場 決別:人形 GM:では夕御飯ですが五行がいません。と、五行を抱えた村人が駆け込んできて「大変じゃ! 村外れに、この人が倒れていたんじゃ」雅:「五行様! いかがなさいましたか!?」 GM:では、水葉達も協力して、五行は彼にあてがわれている客間に寝かされます。さて、ここで【感覚】の≪観察≫で対抗判定してくれ! 雅:4成功。 壮一朗:2成功。 牙炎:2成功。 GM:五行の懐刀が見えていて、それに流水の紋が入ってるのを発見する。気がつく順番は成功数の多い順だ 雅:それは隠さねば!(笑) 「五行様起きて下さい!」――ユッサユッサと揺さぶりながら懐刀をしまう。 GM:じゃあ、残りの二人はなんか雅が怪しいとだけ解る。 壮一朗:隠しているのを見破れないの? GM:なら、雅の【敏捷】≪早業≫と壮一朗たちは【感覚】≪観察≫で対抗判定してみて 雅:0でした〜(笑) 壮一朗:こっちは成功――「何を隠した!」って、その手首を持つ。 雅:「な、なにを!?」――カラ〜ンって懐刀が落ちる(笑) 壮一朗:「これは流水の紋……貴様これはどういうことだ」 雅:「隠しては……おけませんね。でも、私が五行様に拾われたのは事実です。そして、今回この村へ来た経緯も私は五行様から聞かされていません。それは信じてほしい……」 壮一朗:「どうする牙炎?」 牙炎:そうだな……。 GM:今、この場には水葉や雷花(水葉の母)は、忙しく何かしていていない。いるのは壮一朗、牙炎、雅と寝ている五行だ。すると……「ん、んん……」と五行が置き上がって、顔に手を当てながら「ここは……?」 雅:「五行様!」 GM:五行は周りを見まわして、ちょっと考えた後……「なるほど、それで旅人は帰ってこなかったのか……」 壮一朗:懐刀を抜いて五行に――「お目覚めはいかがかな?」 GM:「な、なにをするつもりだ!?」 雅:「そ、そうですよ! やめて下さい!!」 壮一朗:「これを見ろ」――流水の紋を見せる。 GM:「ふっ、それか? それは昔流水の国で良い"式"を打ったと褒美に頂いたものだが?」 壮一朗:「そろそろ、本当のことを言ってほしいものだな」 雅:「五行様、私も今回の目的を、いいかげん教えてほしいです!」 GM:「貴様……私に口裏を合わせろと言っておいただろう!」 雅:「五行様! しかし!!」 GM:「この〜!!! 貴様のような役立たずはもう要らん! 失せろ!!!」……外を指差す。 雅:「……私はまた1人ですか」(沈んだ声で) GM:「だからどうした? 道具風情がどこで壊れようと私の知ったことではないわ!」 雅:「今まで、命を救って頂いた恩に報いる為、懸命に仕えてきましたが、最近の五行様はおかしいです……」 GM:「おかしいだと? そうだな、確かにおかしい。私が拾った頃のお前は従順に私の命に従っていたものだ。それがなんだ? 感情だと? 人形ごときがそんなものに振り回されよって」 雅:「私は確かに人形ですよ! ですが人形とて心はあります。正直、最近の五行様にはついて行けません!」 GM:「ならば勝手にするがいい……壮一朗殿、見苦しいところをお見せした」……五行は部屋から出ていくよ。 壮一朗:割り込む――「何所へ行くつもりだ」 GM:「この村の真実を確かめに行く」……ピシャッて障子を閉める。 壮一朗:「牙炎」――ボソボソっと。 牙炎:「承知」 雅(裁定者):どうぞ! 牙炎:ここで[封印記憶]かよ。 GM:う〜、どうするか……まぁ、今まで姉がどうこう、とか出てきたから、そのお姉さん関係で行くか……そうだね、なんかの戦いで、君は姉を亡くしたんだよ。きっと、……たぶん。で、「ねぇさ〜ん」とかやってる場面を思い出していいよ。勝手に。 牙炎:なんかやる気ねぇなぁ(笑) GM:(笑)まぁ、そんなビジョンがフラッシュバックしたという事で…… 壮一朗:「大丈夫か?」 牙炎:「アア」 GM:牙炎は五行をつけるんでしょ? 見つからない様に≪隠身≫の判定して。 牙炎:……4成功。 GM:五行は(コロコロ)……1成功。どうやら見つかん無いね。では残った2人に行こう。 雅:ボウッとしているかな? 五行様も出て行っちゃったし…… 壮一朗:「これから、どうするつもりだ?」 雅:「わかりません……でも、五行様……いえ、五行のやろうとしていることは見届けたいですね」 壮一朗:「そうか…………私と一緒に来る気はないか?」 雅:「!!! いいのですか? 本当に!?」 壮一朗:「ただし、お前の素性を洗いざらい話てもらおう」 雅:……いや、話しましょう。傀儡のことも話します……「と、言うわけです。私が傀儡だとしても、一緒に行っても良いのでしょうか?」 壮一朗:「たとえ傀儡だろうとも、心がある。お前を見てそれを知った」 第十三場 確認:確信 GM:牙炎の方。五行だけど居間を見た後、地五郎村長の部屋に行く。君の霊導夢の反応では、今入って行った五行と、元から居た村長さんの2人の反応がある。牙炎:壁際に隠れて聞き耳を立てるか。 GM:じゃあ、【感覚】の≪観察≫かな? 牙炎:成功。 GM:なら「今は…………帝紀にして…………」との村長の声がした後、「…………ありがとうございます」と五行が礼を言って、出口に近づく五行の足音が……。 牙炎:さがる。 GM:それで五行は……「なるほど、やはりそうでしたか……」って呟いた後……「興味深い、実に興味深いですねぇ……」って言いながら、居間の方へ戻って行く。 牙炎:村長に……いや、五行を追おう。 GM:五行は居間で夕飯を食べている。水葉とかが「雅さんたちはどうしたんですか?」とか聞いていたり 牙炎:それを確認したら、村長の部屋へ行く。 GM:それじゃあ、村長の部屋……「これは、どう致しました?」 牙炎:「何ヲ話シテイタ」 GM:「五行殿の話ですかな?」 牙炎:「ソノ通リ」 GM:「それがですなぁ……いや、なんでかは知らないのですが。今年の年代を聞かれたのですよ」 牙炎:「シテ、今ハ何年ダ」 GM:「今は正神元年、帝紀にして2625年の6月5日ですが……」
※ここで思い出してほしいリプレイ第1回の題字の下に書いてあったことを(セッション開始宣言を)……。
GM:と、ここで、第ニ幕を閉じます。時は戦国、数百年続き、行く末さえ見えぬ戦乱の時代。和神61年、帝紀にして2701年。小競り合いを繰り返す『烈火の国』と『流水の国』の国境に位置する小村『風谷の村』において、人知れぬ悲しき物語があった。 さすがに、これが伏線だと気が付いた人はいないでしょう。いや、当たり前だが……。
〜次幕予告〜
この村の真実を知ったとき、もう一つの真実を知ることになる。 「どんなに強くても、守ることが出来なかったら意味が無いって……」 水葉の言葉が意味したこと、それは…… 次回、『零跡の村』、第三幕「既視感」。 [第二幕の幕間] GM:次の幕が始まっても時間は進まないので、なんか、五行に聞きたい事とかあったら、話をまとめておいてね。雅:聞きたくないな〜 壮一朗:そろそろ拷問するか……(←危ないッス(笑)) GM:因縁も書き換えたりしてちょうだい! 雅:サムライは頼れそうだ……<五行への反感>を上級に……傀儡ってばれちゃったしなぁ……。 牙炎:合気チットが溜まるのが早いんだよな……零って[封印記憶]が発動し易いよ……。 壮一朗:炎はもう出てこないかなぁ……雅になんか取るか……。 雅:五行死ね!!!(←気合獲得ロール中) 壮一朗:水葉に対する因縁で3回振ろう(コロコロ×3)……気合が12も増えた(笑) 雅:<孤独への恐怖>でも振ろうかなぁ……。 壮一朗:おお! 気合が33点もあるよ(笑) やっぱ死亡に入ってるからかなぁ。 GM:御家人が入ってるからねぇ。 壮一朗:なんとか、このセッション中に死なないと(笑) 雅:えっ!? 『付いて来い!』って言っておいて、また私を1人にするつもりですか!!! 壮一朗:だって、死んだほうがカッコイイじゃん(笑) 雅:そしたら、金剛機に「連れていって下さい」とか(笑) 一同:(その場を想像して大爆笑) 二幕終了時での各PCの[因縁] ○ 壮一朗 <感情:弱さへの憎悪>中級 <その他:死ぬことと見つけたり>初級 <感情:牙炎への恐れ>初級 <仇敵:水神>中級 <感情:水葉は過去の自分>中級 <感情:炎は強くなる>初級 <感情:雅は放って置けない>初級 ○牙炎 <その他:封印記憶>上級 <目的:任務を遂行する>上級 <その他:雅への共感>無級 <感情:水葉が記憶にある女性と重なる>初級 ○雅 <秘密:傀儡であること>初級 <感情:孤独への恐怖>中級 <感情:壮一朗への信頼>初級 <感情:五行への反感>上級 <感情:水葉への憧れ>初級 [第三幕]〜既視感〜 第一場 夕食後:決意 GM:それでは、3幕をはじめましょう。さっきの続きで今は夜です。五行も帰って来たので夕食を皆で食べています。ちなみに五行は雅に話しかけたりしないから。雅:こっちも顔さえ合わせません! 壮一朗:水葉に話したいのだが? GM:じゃあ、御飯が終って水葉は後片付けしてるって所で……。 壮一朗:「水葉……炎から何か悩んでいると聞いたが、一体何を悩んでいるんだ?」 GM:「えっ!? 炎がですか!……そうですか……でも、もう大丈夫です。心配しないで下さい」 壮一朗:「どういうことだ?」 GM:「私、思ってたんです。どんなに強くたって、守ることが出来なかったら意味が無いんじゃないかって……でも、壮一朗さんが言ってくれたじゃないですか! 『皆を守りたいのなら守れるだけの力を、そう納得できるだけの自信を、持てるまで己を磨き続ければいい』って……」 壮一朗:あの時のは、そういうことだったのか。 GM:そういうことだったのですよ。 壮一朗:そうだな――「……そうして、いつまでも1人で守り続けるつもりか?」 GM:「この村には私しかいませんから……ワタシが、私であり続ける限り、1人ででも守っていきます」 壮一朗:「そうか……なに、もう2・3年もすれば、お前に代わる者が現れるだろう」 GM:「2・3年……ですか……」……なぜか、水葉は辛そうに言うよ。 壮一朗:「それは――」 GM:と、ここで牙炎に[合気チット]を贈呈、この場に登場してくれ。 牙炎:そうか、じゃあ登場したよ。 GM:「あら牙炎さん、どうしたんですか?」 牙炎:「話ノ途中デ悪イガ、壮一朗ヲ借リテ行クゾ」 壮一朗:「そ、そうか」 GM:「じゃあ、私は片付けがありますから」……っていなくなる。2人は居間を出て……どうする? 牙炎:「追跡ノ結果ダガ」 壮一朗:「ああ」 牙炎:「奴ハ村長ト話ヲシテイタ」 壮一朗:「それで、一体何を話していたんだ?」 牙炎:「ドウヤラ……村長ノ言ウ年代ト、我々ノ年代トデハ、食イ違ッテイルラシイ」 壮一朗:「それはどういうことだ? 詳しく説明してくれ」 牙炎:説明した。 GM:いや、まぁ、簡単に言って、村長の言う年代は、君たちの年代より100年近くも昔だってことだ。 壮一朗:「なるほどな、それで3年前に来た私の記憶と、この村の現状が違うわけか……」 牙炎:「五行ダガ、村長トノ話ノ後、何カ解ッタヨウダッタガ」 壮一朗:「なるほど、奴に聞けば何か解るかもな……問い詰めてみるか?」 牙炎:「ソレシカ、方法ガ無イダロウ」 壮一朗:五行の部屋へ行きます。 GM:じゃあ、着いた。牙炎の霊導夢には部屋内に1人の生命を感知! 壮一朗:一応ノックする。 GM:「なんだ、雅か?」 壮一朗:「私だ。話がある」 GM:「サムライ?」……って声と共に、部屋に入っていいよ。 壮一朗:じゃあ、入る。 GM:「これは壮一朗殿、何用ですかな?」 壮一朗:「聞きたい事がある。村長と何を話していた?」 GM:「村長とですか? いえいえ、最近の天気の事などを聞いておりましたが、それが何か?」 壮一朗:「ほおぉう」 GM:「どうも、この村だけ農作物が豊作のようですしな、それで地形の話などを少々」 壮一朗:「なぜ貴様は、そのようなことを知る必要がある」 GM:「あなたも見たでしょう、この村の自然を……これはきっと天候と地形に関わりあるに違いありません。もっとも、あなたのような方に、そのようなことを説明しても理解出来ないでしょうが」……ちょっと見下している(笑) 壮一朗:「……言いたくないのなら、それでもいいだろう」 GM:「は?」 壮一朗:「ただ貴様を、流水の密偵だとして、国へ連れていくだけだ!」 GM:「な!? そ、そのような証拠、どこにあるのですかな?」 壮一朗:「ここだぁ!」――五行の懐からあの懐刀をガッて取り出す。 GM:「ですから、それは――」 壮一朗:「異議があるなら、我が御館様の前で言ってもらおう!」 雅:[気合]を使って、場に登場します! バッと障子を開けて――「五行様、私としても聞きたい事があります」 GM:う、これは分が……しょうがないか。観念しよう 第二場 謎:解明 GM:五行は君たち3人の顔を一巡してから、観念した様に話し出すよ……「話さぬわけにも、いかぬか……わかった。全て話そう。私がなぜここに来たのかも……雅、お前が聞きたい事もそのことだろう?」雅:頷きます。 GM:「だが、まず最初に、これだけは言っておく、私はお前たちと争う気は無い。どうもお前達は烈火の国の密偵のようだしな」 壮一朗:まぁ……無言の肯定って感じで(笑) GM:「私がこの村に来た理由だが、3年前に我が国を出奔した金剛機・水神<すいじん>を探しに来たのだ」 牙炎:「スイジン?」 壮一朗:「水神だとっ!?」 GM:「雅、お前なら知っているだろう。水神が最近、我が国にいないのを」 雅:「それなら、知っていますが……」 GM:「ヤツは3年前、記憶を取り戻してな、兵士と言う兵士を切り捨てた後、どこかへと消えてしまったのだ。だが、最近になって、風谷の村近辺で見かけたという情報が入ってきてな」 雅:「それを探しに来たのですか?」 GM:「そういうことだ」 雅:「それだけとは、とても思いませんが」 GM:「お前は金剛機の重要性が解らぬのか?」 雅:「それは解っています。しかし、それでは村の祠で一体何に納得しておられたのです」 GM:「祠? なるほど、そっちの話もせねばならぬか……壮一朗殿、100年ぐらい前にこの村の近辺で戦があったのはご存知かな?」 壮一朗:知っているのか? 雅:私は昼間に、村の人から小競り合いがあったって話を聴いてたのですけど GM:確かに聞いたね。でも、そうじゃないのだ。壮一朗と牙炎は【知力】で≪事情通≫の2以上で成功 牙炎:1だ。失敗した 壮一朗:4つで成功 GM:じゃあ知っている。正神元年、帝紀にして2625年の6月6日に、風谷の村へ烈火の兵と流水の兵がなだれ込んで来て戦の戦場になった。その時、村は1度壊滅したらしい 壮一朗:「確かに、それは知っているが」 GM:「ふむ、私もその話を知っていたからな、あのような場所に祠が現存しているとはとても思えぬ」 壮一朗:「まぁ、そうだな」 GM:「私は、そのことで、この村で何か異常が起きているのに確信を持ったのだ。そして先ほど、この村から出ようとしたのだが……途中で霧が出てきたと思うと気を失ってしまったのだ。つまり、このままでは、この村から出られぬのだろう」 壮一朗:「なるほどな、それで風谷村から帰ってきた者がいないと言う噂が流れるわけか」 GM:「そういうことだ。さらに言うなら、あなた方は知っていると思うが、この村には不思議な力を持つ霊石があることを……」 壮一朗:「……ああ」 GM:「この異常事態、私はその霊石の力を村人の誰かが使っていると踏んでいるがな」 壮一朗:「霊石の霊力は感知できないのか?」 GM:「さすがの私も霊力までは感知できぬな。少なくとも霊石と思われる霊力は感じることが出来ない」 雅:つまり、わざわざ暴走した金剛機を探しに来たんですよね? GM:う〜ん、暴走したとはいえ金剛機の重要性は……。
※暴走した金剛機……[封印記憶]が解けたことにより、主人の命令を聞かなくなり、自らの感情のままに暴走しだす金剛機のこと。暴走したとはいえ、一体の金剛機には『明鏡』と『心珠』という部品が1つづつ使われている。これは例え名代(領主の上の位)でも普通では手に入らない貴重品で、世界の支配者たる神宮家より下賜る以外は、金剛機などに入っているものを再利用するのが常である。よって、戦場で朽ち果てた金剛機は、味方によって『明鏡』と『心珠』だけは回収されたりする。
GM:……と、言う訳で、五行が暴走した水神探しの命令を受けるのも、異常でもなんでもないのです。壮一朗:暴走した金剛機が水神って聞いた瞬間にピクッと反応する。 雅:「と、いうことは、この辺りに暴走した水神がいるのですね?」 GM:「さぁな、だがそれよりも今は、この村から出るのが先決だろう。少なくとも、私はそう考えるがね」 壮一朗:じゃあ、こっちも霊石があった村の中心から、霊石がなくなっていることとかを言おう。 GM:五行も……「やはり霊石の力か……」 壮一朗:「これから貴様はどうするつもりだ?」 GM:「いや、なにもしないが? 戦があった日は正神元年6月6日、日にち的にはちょうど明日だ。もともと歴史上に存在しない私たちは、なにもせずとも村さえ滅べばこの過去の村から解放されるだろう」 雅:「楽観的な……」 GM:「まぁ、そういうことだ。歴史通りなら兵が攻めて来るのは明日の正午のはず、私はゆっくり観戦でもしているとしようか」 雅:「ご自分が殺される危険性を考えていませんね」 壮一朗:「五行、貴様は生き残るとでも思っているのか?」 GM:「確信はないがな、しかし、攻めてくるのは烈火と流水の一般兵だろう、私の力にかなうものはいない」 雅:「村は、この風谷の村は……」 GM:「所詮過去の話だ。過去は変わらん。弱き者がどう死のうと私の知ったことではない」 壮一朗:「貴様〜!!!」――五行を殴る! GM:じゃあ、殴られた<軽傷>に一点……「くっ」 壮一朗:「この村の人々の世話になっておきながら、出てくる台詞がそれか!! この村を守ろうとは思わないのか!!」 GM:口から出る血でも拭いながら……「ふんっ、どうせ明日になれば全て滅びる。それは所詮過去の出来事、いまさらどうしようと変わるわけがあるまい」 雅:「やはり、あなたは……」 GM:「それで? お前達はどうするつもりだ」 壮一朗:「私は……私はこの村を守る!」 GM:「無駄だというのにか?」 壮一朗:「なぜ無駄だと決めつける」 GM:「過去は変えることが出来ないのだよ。……そう、どんなにつらい過去であってもな……」……五行がちょっと遠い目をする(笑) 牙炎:なんかあったのか? GM:まぁ、それは今回とは関係無いということで(笑) 壮一朗:「そんなことは知ったことではない!」 雅:「この村は歴史的には過去なのかもしれない。しかし、私達が今に存在しているのなら、明日は、それこそ未来になるのではないのですか」 GM:「ほぅ……雅も言うようになったではないか」 雅:「…………」――嬉しくないって事で(笑) GM:「ま、お前達がどうしようが私の知ったことではない。それより出ていってくれないか? ここは私の部屋だ」 壮一朗:雅の部屋でもあるのでは? 雅:いえ、さっき水葉さんと一緒の部屋に移らせてもらいましたから。 GM:そうだったのか。いつのまに(笑) 壮一朗:「貴様のさっきの台詞、後悔させてやる」――出て行く。 雅:私も無言で出ていきます。 牙炎:「…………」 第三場 会議:話し合い GM:では、あの後、君達3人は壮一朗と牙炎の部屋に集まっているということで。壮一朗:水神が明日現れるとしか思えないな。 雅:なんでです? 壮一朗:いや、宿命の仇だし(笑) 雅:明日か〜。 壮一朗:じゃあ牙炎に聞こう。どうする。霊石の存在がわからぬ以上、任務の続行は今現在不可能だろう。 牙炎:そうだな、村が崩壊してから探した方が、見つけやすいかも。
この後、プレイヤー達はいろいろな案と、現状の謎の解明に頭をひねらせる。この村すべてが幻、五行が霊石を使っている、実は過去でない、などなど……だが、結局明日の行動を決めて終了する……。
牙炎:勝手にやらせてもらう。ちなみに、この時、いきなり牙炎が(牙炎のプレイヤーが)『わかった!!!』と大声で叫びだし『なんで俺、気がつかなかったんだろ!』とか『ああ、でもプレイヤーが先に気がついちゃったらなぁ』などと、他のプレイヤーに関係なく騒いでいたことも述べよう。……で、各キャラクターの行動だが―― 壮一朗:私は水神を倒すぞ。 雅:じゃあ、私は村を守りましょう。 GM:じゃあ、昼にしていいの? 壮一朗:いや、ダメだ。その前に村人を避難させたい。 牙炎:何所にだ? 雅:森にでも逃がせばいいのでは、別に村人を狩るために兵が押し寄せるわけではありませんし。 壮一朗:そうしよう。 雅:やはり水葉さんにも協力してもらいましょうか? 壮一朗:そうだな。では私が言ってこよう。 第四場 協力:涙・稽古 GM:では、水葉は夕食の後片付けも終り、ゆっくりしていると。壮一朗:「水葉、話がある」 GM:「壮一朗さん? 一体なんでしょうか?」 壮一朗:「驚かないで聞いてくれ、明日、この村に流水の兵が攻め入ってくる」 GM:水葉は一瞬、何を言っているのか解らない、と言った感じで―― 壮一朗:「この風谷の村が、明日、戦場になるんだ」 GM:「そ、それが本当なら……私は――」 壮一朗:「騙していた結果になるが、私と牙炎は戦場となるこの地の視察に来ていたんだ。戦が始まるのは本当のことだ」――嘘もついてるけどね(笑) GM:そういうのはアリでしょう。水葉は……「解りました。……なら、流水の兵にこの村は荒らさせません。私が、私1人ででも守りきって見せます」 壮一朗:「1人じゃないさ、私も牙炎も協力する。それに五行と一緒にいた雅も一緒に戦ってくれると言っていた」 牙炎:我は言ってないぞ。 GM:「でも、それじゃあ……」 壮一朗:「守るんだろ、この村を?」 GM:じゃあ、水葉は俯いて「ううっ……」って涙を流しながら、消えそうな声で……「ありがとう」って。 壮一朗:おお。 GM:そして、クッと涙を振り払って……「だったら、早く村の人達を非難させないと!」 壮一朗:「ああ、急ごう」
村人達の非難誘導が始まる。壮一朗、雅、水葉の3人が、村中を説得して周る。しかし、体の不自由な老人、病症の村人、そして、壮一朗たちの話を信じない者、結局、村人の総人口の3分の1ほどが残ってしまう。仕方なく、残った村人達は、村で1番大きな建物である村長の家に集める事になった。そして
壮一朗:「やはり一同は無理か……」正午まで、あと2刻ほど(約3時間)となる。 雅:「いきなり言って、信じろって言うほうが無理なのですから、十分な成果だと思いますよ」 壮一朗:「そうか……なら、私はそろそろ迎撃の準備に入ろう」……流水を迎え撃つポイントは村の外にしたいんですが。 GM:OK。というより、流水から風谷の村に入るためには、必ず通る道があるってことで、君はその道の村から離れた場所に陣取ると? 壮一朗:それでいい。見晴らしも良いとこね。 雅:村人の説得はもう無理なの? GM:まぁね、さっき散々やったし、水葉も……「もうこれ以上は無理です。こうなったら村に入ってくる前に全て迎え撃ちましょう!」 雅:「そうですね。わかりました」 GM:牙炎は? 牙炎:解ってしまったんだよ。 GM:まぁ、わかったって言ってもプレイヤーでしょ? 牙炎:そう、だから迷っているんだ。 GM:とりあえず、他のプレイヤーには解らないように御願いね。 牙炎:ああ、それは解ってる。 GM:じゃあ、牙炎はこの3時間どうするんだ? 牙炎:そうだな……静かになった村を歩いてよう。 GM:……じゃあ、【感覚】の≪観察≫で振ってみてくれ。 牙炎:(コロコロ)……成功。 GM:……じゃあ、もう人が逃げた家の中から、なにか物音がする。 牙炎:霊導夢の反応は? GM:1人の反応がある。 牙炎:見てみる。 GM:見ると、炎が2つの刀を両手に持って、一心不乱に練習している。どうも水葉と同じ龍虎一天流のようだ。まだ、初級だけどね(笑) 牙炎:「何ヲシテイル?」 GM:「えっ!? あ、牙炎さん……」……ちなみに、炎には水葉が直々に逃げなさいって言っていたのを知っているよ。炎もその時は解ったって頷いてたんだけどね。炎は……「牙炎さん、僕がまだ残ってることは、姉さんには言わないほしいんだ」 牙炎:「オ前ガ残ッテ、何ヲスル」 GM:「僕は……僕は守りたいんです! いつも守られてばかりの僕だったけど、それじゃいけないんです! 今度は、僕が姉さんを、この風谷の村を守るんです!!!」 牙炎:「ナラバ、来イ」――珠忍刀×2を抜いて、龍虎一天流の構えを取る。 GM:「うわぁあああ」って攻撃しましょう(コロコロ)……2つ成功 牙炎:8成功。もちろん手加減はするからな。 GM:じゃあ、ダメージは入らないけど切り返された。炎は痺れたのか、手を押さえながら刀を落とそう。カチャン、ズシャ!(笑) 牙炎:「ソンナものカ?」 GM:ぬぅ……「まだ……まだだ!」って炎は刀を拾うと、また打ちかかっていこう。 牙炎:(コロコロ)……7成功。 GM:いや、炎ってダイス5つしか振ってないし……今度は吹っ飛ばされて、尻餅とか。 牙炎:「アト……2刻」――ギリギリまで炎に稽古をつける。 壮一朗:それって金剛機か? 牙炎:ふっ俺は気づいてしまったのだよ。 第五場 正午:戦 GM:それでは、正午も近くなって来た頃、壮一朗がいる場所に水葉がやってくる。雅:私も一緒に来ています。 GM:ああ、わかった。 壮一朗:水葉が来たのか――「水葉、お前も逃げろ」 GM:「いいえ、私は村を守ります。どんなことになっても」 壮一朗:「お前に、そこまでする義務はない」 GM:「いいえ、私は次こそ……今度こそ守るんです」 雅:「今度こそ?」 壮一朗:「そうか……だが、ここは私1人でいい。水葉と雅は村の中で守るんだ」 GM:「中でですか」 壮一朗:「そうだ、そこが最後の砦だ」 雅:「あなたは、1人で大丈夫なのですか?」 壮一朗:「ふっ愚問だな、サムライをなめるなよ」――刀を抜いて、ニヤリ。 GM:「わかりました。私達は村を、行きましょう雅さん!」 雅:「壮一朗さん」 壮一朗:「ん?」 雅:「一緒に連れていってくれるのでしょう? 私、待っていますから……死なないで」 壮一朗:「…………」――それには答えないでおこう(笑) GM:「雅さん!」……急かしてあげよう(笑) 雅:うう……わかりました。私も走っていきましょう。 GM:と、ここで『ワァアアー』との流水の兵たちの掛け声が聞こえてくる。 壮一朗:「我が命、今ここで尽きようと!!!」――サムライ変化! 流水の軍団に単騎突っ込んで行く! GM:では、雅さんは村へ向かっている途中ですね。【心力】の≪白兵≫をどうぞ。 雅:???(コロコロ)……3つ成功です。 GM:では林の中に、君達と平走する黒い影が! しかも何人かはクナイを投げてくるよ(コロコロ)……2成功、避けるか、叩き落すかしてくれ。 雅:刀で叩き落します……4成功なので、キンキンッ! キキンッ!! GM:まぁ、クナイを投げた奴も、他の奴等と同様に村の方へと林の中を走り去っていく。 雅:「忍びか!? 急がないと、村が……」 GM:では最後に金剛機です。稽古をつけていると、君は流水の兵たちの雄叫びを聞きつける。 牙炎:まだ遠い? GM:遠い。金剛機だからこそ解る距離。 牙炎:じゃあ、適当に炎を打ち負かして、炎の刀を弾き飛ばす。 GM:それは、刀をまた拾って……「まだ……まだ!」 牙炎:「時間ダ」――刀をしまう。 GM:「牙炎……さん?」 牙炎:「コレヲ」――秘伝書を渡す。 GM:秘伝書? 牙炎:武芸者のアーキタイプを取ると付いて来る奴、龍虎一天流の秘伝書だ。 GM:そ、そんなもん持ってたんだ……炎が「これは」 牙炎:「持ッテイロ」 GM:なんだか解らないだろうけど、きっと炎は懐にしまったよ。 牙炎:「行ケ、……姉ヲ、助ケルノダロウ?」 GM:「う、うん……牙炎さんは?」 牙炎:「過去ハ、変ワラヌ……」――動こうとしない。 GM:わかった。……じゃあ、炎は走って君の元から離れて行ったと思うと、振り返って……「ありがとうございましたっ!」深々と頭を下げて走っていく。 牙炎:炎が見えなくなってから、1人呟くよ――「我ハ、何故……」 第六場 戦:流水 対 烈火 GM:さて、獅子奮迅しているサムライの方へいきますか、どれくらいがんばっているか振ってみて?壮一朗:サムライ化してるから、14個か……8個成功。 GM:なら、一振りで2人の首を跳ね飛ばしたり、走り抜けざまにザックザックと斬り付けて行ったり、正に獅子奮迅・一騎当千と言った感じだ。 壮一朗:敵の指揮してる奴とかいないのか? GM:そうだなぁ。総大将は見えないけど、小隊の隊長っぽい人は、騎馬に乗ってるので解る。 壮一朗:そいつに向かって一直線。で斬る!――「うぉぉおおお!!!」 GM:今度は雅たちだ、君と水葉はなんとか村まで戻ってきて、今は敵の忍び達を村長さんの家に近づけないよう、がんばっている。 雅:「なんとか……なんとか防がないと!」 GM:「雅さん! そっちは大丈夫ですか!」 雅:「ええ、大丈夫よ」 GM:もう一度サムライ、君は見て解る。1人獅子奮迅の戦いをしてはいるが、敵の数は圧倒的に多い。村の方へ雪崩れ込んで行ってる雑兵や傭兵が結構いるよ。 壮一朗:まぁ、そりゃあねぇ。 GM:道が1本とはいえ、別にそこを通らないでも脇の林を通ればいいしね。1人じゃ限界があるのですよ。 壮一朗:大将っぽいのは見える。 GM:とても遠くに見える。 壮一朗:……そこまで行く間に村が潰れそうだな……1度後退する。 GM:ところで牙炎はどうしたね? 牙炎:五行を探そうと思っていたのだが。 GM:じゃあ、今まで君は五行を探していたけど、彼の姿は見えない。見つからないね。 牙炎:そうか……じゃあ見ていよう。 GM:見てる。 牙炎:戦を傍観する。 GM:わかった。 GM:じゃあ、雅と水葉です 雅:現状はどうなの? GM:まぁ、なんとかなってる。敵は忍びは忍びでも草なのか、高等な忍術を使ってこないしね。 雅:「どうにか、なりそうですね」 GM:「ええ」……水葉の声と共に君は気がつく、流水方面の道から騎馬武者だの雑兵だの、取り逃がした兵士達がやってくる。 雅:「ついに雑兵たちが……」 GM:「この命に変え様とも、私はこの村を守る!」……水葉が雑兵たちへと駆けていく。 雅:水葉を追います。 GM:と、そこに、今までとは雰囲気の違うシノビが立ち塞がる。雰囲気を簡単にいうとカタカナのシノビだ(笑)……5つ成功。 雅:「邪魔よ!」(コロコロ)……あうっ、3つしか成功しない。何点? GM:そうだねぇ……いや、ここは彼も登場しよう。シノビの攻撃を君は3回まで見切れたが、それ以上は無理だった。やられる! と思ったとき、君の目の前でキンキンッ! とシノビの刀が止まる。君とシノビの間に、二刀流の少年が!(笑) 雅:「炎!?」(笑) GM:「僕も戦う! そして、この村を守るんだ!」……牙炎との稽古で中級まで使えるようになったとはいえ、炎の能力値は5なので、結局敵のシノビに負けるのですが(コロコロ……コロコロ)……2差で負けたか。 雅:割り込みます。(コロコロ)……今度は6個成功です。 GM:なら斬り返しだね。 雅:「炎、あなたは家を守っていて! ここは私が!!」 GM:では金剛機。 牙炎:ああ、見ている。 GM:じゃあ、君は烈火の国の方からも、烈火の兵士達が流れ込んできたのを見れる。そっちのほうの家とかは火を付けられたりして、燃え出している。 牙炎:ああ、でもなにもしないから。 GM:わかった。では、そんなところで、この場を閉じます。 第七場 牙牙炎:記憶解放 GM:戦は終りました。村は廃墟と化しております。たくさんの家は燃え、残った村人は殺されました。そんな中、村の広場に君達3人と水葉が集まっています。そこで、水葉が言う……「結局……結局守れなかった……どんなに強くっても……」……両手の刀をカランッカランッと落とす……「結局守れなった……また、守れなかった……」壮一朗:また? GM:君達はわかるかな、彼女の背中には何本もの矢が刺さっているよ。 雅:「っっっ!!」(←こうとしか表現できない声) GM:水葉は力なく膝を折ると、そのまま倒れ込む。 壮一朗:「水葉?」 GM:……死んでる。 雅:「えっ」 GM:水葉は死んだよ。 壮一朗:「水葉……水葉……みずは〜〜〜〜!!!!!」――大声で叫ぶ。 GM:……その時、君の声に反応したのか、近くの崩れていた家屋から『ガラガラガラッ』って音が。 壮一朗:「なに!?」 GM:見ると、一人の少年が立ち竦んでいます。彼は二振りの刀をもっている。 壮一朗:「…………」 雅:「…………」 GM:少年は動かなくなった水葉を見て叫びます!……「なんで、なんで戦なんてモノがあるんだ!! 戦人なんて! 戦人なんて! すべてこの世からいなくなればいいんだっ!!!!」……少年の叫びと共に、君達の視界はホワイトアウトして行きます。 牙炎:じゃあ、村のビジュアルが白に染まっていきながら一言「…………姉さん」
〜次幕予告〜
折れた刀を両手に持って、今一度彼女は立ち塞がる。 変わることの無い過去、忘れえぬ思い出。 前に進まぬ人間に、救いの道は無いのだろうか? 次回、『零跡の村』、第四幕「過去との決着」。 [第三幕の幕間] GM:それでは、諸行無常フェイズです。因縁の昇華や変更を行って下さい。今回のセッションでは、これが最後です。あと、金剛機の[封印記憶]は解除されているので、昇華して下さい。牙炎:水葉に取るかな GM:それなら、いきなり<上級>を取っても良いよ。 壮一朗:水葉死んじゃったからなぁ……でも、どうしようかなぁ。 牙炎:もう<任務を遂行する>どころじゃないな……待てよ、いくら<上級>を取っても、<記憶封印>も昇華したから、業がすごい減って、明鏡修正が(笑) GM:みんな書き換えたなら<気合ロール>してちょうだい! 壮一朗:五行から水神の話が出たから、これで振るかな。 雅:まったく五行は!!!(コロコロ)…… 壮一朗:もう、気合が40超えているよ(笑) 雅:すごいね(驚) 牙炎:全部使えば修羅るな。 壮一朗:でも、死亡埋まってるし、その前に死ぬでしょう(一同大笑) 二幕終了時での各PCの[因縁] ○ 壮一朗 <感情:弱さへの憎悪>中級 <その他:死ぬことと見つけたり>初級 <感情:牙炎への恐れ>初級 <仇敵:水神>中級 <感情:水葉は過去の自分>中級 <感情:炎は強くなる>初級 <感情:雅は放って置けない>初級 ○牙炎 <その他:封印記憶>無級 <目的:任務を遂行する>無級 <その他:雅への共感>無級 <感情:水葉が記憶にある女性と重なる>無級 <感情:姉を守れなかった>上級 ○雅 <秘密:傀儡であること>初級 <感情:孤独への恐怖>中級 <感情:壮一朗への信頼>初級 <感情:五行への反感>上級 <感情:水葉への憧れ>初級 [第四幕]〜過去との決着〜 第一場 現実:再び GM:では、この村に入った場所が別々ということもありまして、まずは壮一朗と牙炎からです。壮一朗:はい。 GM:気がついた時、君達2人の周りには霧が立ち込めている。やがてその霧が薄れて、周囲の状況が見えて来ます。少し離れた所に半分埋まった状態で、光を放つ拳大の石が見えます。あれがきっと霊石でしょう。 壮一朗:霊石か。 GM:とここで声が聞こえてきます……「コリズニ、マタヤッテ来タカノカ! サムライ達メ!!」 牙炎:……!!! GM:同時に君達と霊石の間に、漆黒の体を持った影が……流水の国の金剛機<水神>が立ち塞がります! その装甲は所々剥がれ落ち、無残としか言いようの無い姿です。 壮一朗:「なっ!? 貴様は<水神>!!!」 GM:水神は……「村ヲ荒ラス戦人ヨ。今スグコノ村カラ出テイケ!」……金剛機は両手に二本の太刀持ち、それを隙のない構えで君達に向けています。二振りの太刀はすでに両方とも折れてしまっています。 壮一朗:あははははは(←プレイヤーの笑い)。 GM:もう気がついてるだろうから、何も言わないぞ(笑) 牙炎:どうするか……。 壮一朗:でも、<水神>なんでしょ?――「友の……友の仇を取らせてもらうぞっ!!!」――刀を抜く! 牙炎:そうだなぁ……壮一朗と<水神>の間に、割って入って――「やめてくれ、壮一朗さん!」 壮一朗:「どう言うことだ牙炎! そこをどけっ!!」 牙炎:「あれが……<水神>が……誰だか解らないんですか!」 壮一朗:解らない訳では無いのだが……これ迷うなぁ〜……どっちを取るか? 困ったなぁ〜(笑)……――「誰だとっ!? <水神>こそ、友人達の仇! あの時の無念、晴らさせてもらうぞ!!!」――俺はこっちの選択だ! サムライ変化!!! 第二場 修羅:永久の囚人 GM:では雅が気がつくと、周囲は霧に覆われています。そして1人君が立ち上がると、すぐそばに五行がいることに気がつく。君が立ちあがったのを見たか見ないか……五行が……「そういえば知っていたか? 烈火の国の牙炎は、その昔、戦場で恐れられた炎という若き剣剛の魂を封じてあるらしい。もし、それがあの『炎』なら、姉弟同士の戦いになるなぁ」雅:「……姉弟同士?」 GM:「そうか、お前は知らなかったか? 我が国の金剛機が"誰"の魂を使っていたのか」 雅:「……いや、言わなくてもいいです。解りました……つまり、あなたは、同士討ちにしたい訳ですか」 GM:「丁度良いじゃないか? 明鏡と心珠が2つも手に入る。もともと<水神>の物だけ回収するつもりだったが、好都合というものだ」 雅:「たとえ暴走していようとも、<水神>である彼女と過ごした数日……私は忘れることは出来ません! それを……それをあなたは!」 GM:「<水神>か……そうだな。……雅よ、過去に縛られ、今を生きれぬもの……それを何と言うか知っているか?」 雅:「……修羅」 GM:「そう、修羅だ。しかし修羅とは愚かなモノだな。見ただろう? 命をかけ修羅道に落ちようとも戦いつづけた少女を」 雅:「…………」――無言で GM:「ふっ、この世に命を賭けてまですることなど、何もないと言うのに……お前もそう思うだろう? 雅よ」 雅:「それは違う。五行……あえて呼び捨てで呼ばせてもらいます。五行! それは違う!! 命とは……命とは、あなたのような奴が玩んでいいようなモノじゃない!!!」 GM:「なんだと?」 雅:「あなたは前に、"美しい"と言うだけで村を燃やし、罪の無い人々の命を奪いましたね」 GM:「……だからどうした?」 雅:「確かに、修羅となった者を救うことは出来ないかも知れない……だけど、修羅でさえ、それを救おうとする者がいる。けれど、命を軽んじるあなたには、救おうとする者すらいないでしょう」 GM:「何が言いたい」 雅:「あなたのような人は、居ては、いけないんです……」 GM:「それで?」 雅:無言で刀を抜きます。 GM:「……それがお前の答えか。いいだろう……役立たずの人形は、我が手を持って壊してくれる」 第三場 宿闘:因果 GM:では、<水神>の方です。壮一朗:もちろん<水神>に斬りかかる。 牙炎:待った! 気合を2点使って割り込む。 壮一朗:(コロコロ)……11成功。 牙炎:こっちは6個。 GM:差と武器修正を足して……ダメージは11点か。壮一朗の刀が寸での所で牙炎に止められる。 牙炎:活力に入れて――「やめてくれ、頼むからやめてくれ」 壮一朗:「何故だ! 何故止める牙炎!」 牙炎:「違うんだ壮一朗さん……僕は、牙炎じゃない」 壮一朗:「まさかお前……封印が!?」 牙炎:「そうだよ。僕は……僕は"炎"……だから、姉さんを斬るのはやめてくれ!」 壮一朗:「姉さん? ……!! じゃあ<水神>は……水葉!」 牙炎:「お願いだよ壮一朗さん。水葉姉さんを殺さないでくれ」 壮一朗:「…………それはできん!」 牙炎:「姉さんが悪いわけじゃないじゃないか!」 壮一朗:「私は烈火の国の侍だ。いずれ流水の国は討つつもりだ」 牙炎:「姉さんは、もう流水とは関係無いじゃないか!」 壮一朗:「だが、だがこいつは! <水神>は私の仇なんだ!!!」 牙炎:「冷静になって考えてくれ壮一朗さん。あなたの仇は、もういない……ちがいますか?」 壮一朗:「違わないかもしれない……だが、目の前に居るこれは! これは!!!」――血の涙を流しながら、刀を落とす。 GM:ザスッと地面に刀が刺さる。 牙炎:「壮一朗さん……」 壮一朗:「どこへでも行ってしまえ! 私はただ、任務を続行する」――フラフラと霊石に近づきます。 GM:霊石に近づく? なら、無情の声が君にかかるよ……「立チ去ラヌカ、戦人ヨ。ナラバ、斬ルノミ!」……<水神>が目の前に現れて、壮一朗に斬りかかる。 壮一朗:どうぞ、一撃で死ぬつもりです(笑) GM:高速機動で……あ、龍虎一天流の<上級>使ってるから(コロコロ)……17個成功。壮一朗の首を跳ね飛ばそうとする。 牙炎:割り込む! GM:「ソウカ、貴様モ去ラヌカ、戦人ハ、全テ死ネ!」 牙炎:「姉さん! もうこれ以上、意味のない戦いは止めてくれ!」 GM:「姉サン? モウ、炎ハ、イナイ、我ハ村ヲ守ル」 牙炎:「僕が、僕が炎だよ水葉姉さん!!!」 GM:「我ハ……我ハ……村ヲ守ル、今度コソ、今度コソ村ヲ守ル!」……18個成功。 壮一朗:割り込んで刀を拾い、追加行動で<水神>斬り返す!(コロコロ)……9個成功。 GM:9プラス8で17点。 壮一朗:……うん、死んでいない。「炎。姉弟で争うことは無い。水葉、お前を縛るその鎧、私が解き放ってやろう」 第四場 恩仇:思惑 GM:では五行の方ですが、五行は式を早打ちします。それはみるみる周囲の紗を取り込んで、風船に牙の生えたような式となり、君に向かって飛んで行きます。雅:<回避>します(コロコロ)……失敗です。 GM:なら12点プレゼントです。雅が式を避けようとした瞬間、風船のような式は爆発し、辺りを土煙で覆い隠す。そして、土煙が無くなった後、余裕の五行の横には戦闘用の式が待機している……「ふっ、お前などこいつで十分だ」 雅:斬りますよ。(コロコロ)……7成功。 GM:式は……3成功(笑)まぁ式って弱いしね。戦闘用の式がボフッと霧散するよ。 雅:刀を五行に向けて――「五行、あなたが来なさい。あなたには、もう1つだけ聞きたいことがあります」 GM:「いいだろう。私が直々に相手をしてくれる」……小太刀を抜いて……「一体、何が知りたい? 冥土の土産に答えてやろう」 雅:「<水神>を救う方法、あなたなら知っているはずです」 GM:「救うだと? 修羅となった者を救う方法など無い。未来へと踏み出すことを止め、過去に縛られ現実を直視せぬ者、それが修羅だ。例えば村を守ろうとした修羅がいよう、しかし、村は現実には滅んでいる。それでも村を守ろうとするのが修羅だ。まぁ、<水神>がここに居ることを確認したからな、私は国へ帰ってサムライ隊と共に、奴の明鏡と心珠を回収するとするか」 雅:「あなたを流水へ帰らせはしない」 GM:「ほう」 雅:「もはやあなたを命の恩人だとは思わない!」 GM:「道具が! 良く言うようになったわっ!!」(コロコロ)…… 雅:サイコロ10個ブースト!(コロコロ)……12個成功 GM:う〜ん、それはねぇ……グサって刺さった後、五行は君の手を掴んで……「道具などに……道具などに倒される私では無いぞ!!!」……ドカッーンッ!!! 爆発します(笑) 雅:自爆ですかぁー!?(笑) GM:と言う訳で、7点ダメージをどうぞ(笑) 雅:……致命傷に入りましたね――「……五行……」 第五場 救済:水神 壮一朗:「水葉、お前を縛るその鎧、私が解き放ってくれる」ダイスを29まで増やして(コロコロ)……19個成功GM:(コロコロ)……21個成功。 壮一朗:うっっそぉお!? GM:「戦人ニ死ヲ!」 壮一朗:気合使って21まで引き上げる。 GM:なら相打ちの8点だけ入って。 壮一朗:あ〜、なら22まで引き上げる。 GM:壮一朗の斬り返し成功。<水神>の装甲が剥がれるね。 壮一朗:そして[正念場]宣言!――「水葉、私がお前を救って見せる!!!」――海南一刀流<上級:捨身夢想>(コロコロ)……39成功。 GM:こっちのダメージ? 壮一朗:いえ、全て埋まりますし……「あの時拾ったこの命、今、死ぬことと見つけたり!!!!」 GM:壮一朗と<水神>が交差し、壮一朗の刀が水神の胸――心珠――を貫く。君が珠刀の引き金を引いた途端、ドガッと風穴が空くわけです。 壮一朗:「友よ……仇は取ったぞ。これで、水葉も……救われ……る……」――満足げな微笑を浮かべて……ガクッ。 GM:ドサッと倒れる壮一朗。動かぬ<水神> 牙炎:「姉さんは、救われたの?」 GM:と、<水神>が動き出す……「イ、い、戦人は、コ、殺ス、逃さぬ……」 牙炎:「僕が、僕が救ってあげるよ……水葉姉さん」 GM:ダイスが増えて強くなった<水神>は(コロコロ)……。 牙炎:「結局僕は……守れなかった」(コロコロ)……27。 GM:こっちは25成功だ。 牙炎:「……ごめん」――散華――
※散華とは金剛機に組込まれた自爆装置である。
第六場 終場:孤独 GM:では最後の場です。風谷の村から流水の首都へと続く道、一人の男が歩いています。呟く言葉は……「今の爆発、まさか散華を使うとは……明鏡を回収出来なくなったことは残念だが、まぁしかたが無い。今回は諦めるか……」雅:場に登場します――「やはり、生きていましたね」――五行の後ろから声をかけます。もう服とかボロボロで立っています。 GM:「雅、貴様! 生きていたのか!?」 雅:「五行、あなたを殺すまで私は死ねない。それが、あなたが殺してきた者達へのせめてもの償いです」――刀を構えて走って突っ込む! GM:「!?」……6個成功。 雅:(コロコロ)……14成功。 GM:うっ……なら「人形など……人形などに……!?」五行は死亡します。 雅:五行の死体を見つめながら涙を流します――「あの時差し伸べてくれた手の温もりを。私は今でも覚えています……」――もう動かなくなった五行の手に触れ様として、途中で止めて、その場を立ち去ります。村の爆発が起こった方へと。 GM:では雅は壮一朗達の方へと向かったのかな。 壮一朗:しかし、散華なら私の死体すら残らないような(笑) GM:確かに、ではシナリオの最初に、村を見下ろした場所まで戻ったことにしよう。前は村の家々が20件ほど見えたけど、今はクレーターが見える。 雅:呆然とするしか無いでしょう! GM:では雅さん、あなたはこれからどうするのですか? 他の2人は死んだしね。 雅:そうですね……無言で村に別れを告げて一人、旅に出ます。今度の人生は道具としてでは無く、人間として生きていきます。 GM:わかりました。あなたがその後、どう生きていったのかは、また別の機会の話です。 時は戦国、数百年続き、行く末さえ見えぬ戦乱の時代。小競り合いを繰り返す"烈火の国"と"流水の国"の国境に、1つの小村があった。その村の名は"風谷そこはある者にとっては出生の村であり、またある者にとっては終焉を迎えた村であり、そしてまたある者にとっては始まりの村であった。 それぞれがゼロの軌跡を残す村、私はこの物語を『零跡の村』と名づけた。 零跡の村 終 |