ダブルクロス2ndシナリオ
『平安京影裏杏の術』 ◆シナリオスペック 本シナリオは『ダブルクロス The 2nd Edition』に『アルターライン/平安京物怪録』を適用して遊ぶことを前提としたシナリオです。プレイ時間は3〜4時間。プレイ人数は3〜5人。ステージはアルターラインに載っている平安京を使用します。◆プリプレイ ●シナリオハンドアウト PC1用ハンドアウトロイス:心の鬼 推奨感情:P:遺志/N:恐怖 クイックスタート:因果の紡ぎ手(アルターライン P18) カヴァー/ワークス:指定なし/陰陽師 キミがまだ独り立ちする前、影裏闇之丞(かげうらやみのじょう)という声聞士に師事していた。しかし、その師匠は心の鬼に負け検怪異使に退治されてしまう。キミは時々聞くのだ自分の中にいる鬼の声を―― PC2用ハンドアウト ロイス:影裏杏(かげうら あんず) 推奨感情:P:慕情/N:不安 クイックスタート:降魔の獣(アルターライン P22) カヴァー/ワークス:物の怪/指定なし キミは京を根城にする物の怪だ。夜の裏路地を歩いている時、上空から少女が振ってきた。突然の出来事だったが少女のセリフにキミは反応する――「ごめん、検怪異使に追われてるの!」 PC3用ハンドアウト ロイス:影裏闇之丞(かげうら やみのじょう) 推奨感情:P:親近感/N:敵愾心 クイックスタート:闇を狩る者(アルターライン P20) カヴァー/ワークス:指定なし/検怪異使 キミは呪いや怪異から都を守るために組織された検怪異使の1人だ。今から十数年前、安部晴明とともに都を騒がす声聞士――影裏闇之丞を倒した。だが最近、死んだはずの影裏闇之丞を見たという噂が囁かれていた。 PC4用ハンドアウト ロイス:在原業平(ありわらの なりひら) 推奨感情:P:敬意/N:食傷 クイックスタート:純白の歌(アルターライン P26) カヴァー/ワークス:姫/指定なし いつも1人だった。不思議な力がある…周りの人間は常に1歩離れてキミと接した。そんなある夜、キミはその美しい男と出会った。その男はキミの力が必要だと言った。その男はとっくに死んだ事になっている男だった。 PC5用ハンドアウト ロイス:影裏闇之丞 感情:P:連帯感/N:憐憫 クイックスタート:放浪の験者(アルターライン P24) カヴァー/ワークス:指定なし/指定なし キミはかつて芦屋道満の弟子だった。そして今から十数年前、師匠である芦屋には2人のライバルが居た、安部晴明と影裏闇之丞……しかし、その2人は対決し、勝敗は晴明にあがった。キミの師匠はニヤリと笑う。 ●PCの番号順にロイスと結ばせること。また、全PCに<情報:平安京>を1レベル与えること。 ●ストーリー かつて安部晴明、芦屋道満と共に陰陽道を競い合った男がいた。かの者の名は影裏闇之丞。しかし今より十数年前、闇之丞は心の鬼に負け自身さえ鬼と化し、結果…安部晴明と検怪異使(の前進となった陰陽師達)によって滅ぼされた。そして現在、京の都には鬼が出る。その鬼は執拗に陰陽師を狙い、その矛先は常に検怪異使であった。鬼ついて調べるとその影にはかつて滅んだ影裏闇之丞の姿があった。それと時を同じくしてPCは影裏杏という声聞士(無許可の陰陽師)の少女と出会う。その素直さ健気さに心惹かれるも、杏は亡霊と化した父親が、利用する為に都へ呼び寄せた贄だった。無念を晴らすためには娘さえ利用しようとする影裏闇之丞を倒せば、シナリオは終了となる。 ◆オープニングフェイズ ◆変わらぬ思い(マスターシーン) ◆描写:そこはどことも知れぬ屋敷の中だった。絶世の美男子とも呼べる男が1人、涙を流しながら九字を切っていた。やがて四方に張った結果符が燃え上がり、部屋の中央、男の目の前にゆらりと立ち上がる影が生まれる。 その影は延々と恨み辛みを喚き散らすと、何かに気が付いたように部屋を出て行く。 亡霊が居なくなった部屋でに悲しい声が響き渡る。 ――「月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身一つは もとの身にして」 (つきやあらぬ はるやむかしのはるならぬ わがみひとつは もとのみにして) 月も春も、あの頃のままの何も変わりはしない。それに反してなぜ人は変わってしまうだろう。 京の都に悲しい調べが木霊する。 ◆解説: かつて蔵人頭(天皇の側近にして機密文書の保管を司った役職のトップ)であった在原業平は怪異となって今も生きている。在原はその役職柄ずっと後ろ暗いものを見てきたため、現在の都には失望していた。このシーンは誰にもわからぬ場所で陰陽術を用い、恨みある亡霊を生き返らせたシーンである。 生き返ったのは影裏闇之丞という声聞士である。 描写を読み上げたら、シナリオタイトルを告げ、シーンを切ること。 ●都を騒がす亡霊(PC3) ◆描写テンツクテンツク…そんな子供達の声が響く人通りの少ない平和な通りを抜け、君はいつものように都を見回っていた。塀の内側に伸びた桜から、淡い色の花びらがヒラヒラと舞っていた。そんな平穏な都の日常……ふと、声をかけられた気がして振り向けば、同じ検怪異使の桐生院月彦がいた。 ◆解説 検怪異使仲間から、夜な夜な怪異が出ているとの噂を聞く。その噂はまだ上に報告していないらしい。なぜなら何度となく取り逃がしているからだ。仲間の話を聞くに、どうやらその怪異の名は影裏闇之丞と言うらしい。PC3は影裏闇之丞の事を知っていて構わない。かつて安部晴明と共に倒した鬼(正確には鬼となってしまった人間)である。ちなみに桐生院月彦はチョイ役である。 シーン終了後、影裏闇之丞へのロイスを結ばせること。 ▼セリフ:桐生院月彦 「あ、PC3さん、知っていますか? 最近出回っている怪異のこと」 「名前は影裏闇之丞って言うらしいんです。夜な夜な出回っては陰陽師や声聞士を殺して回っている らしいんです。でも、まだみんな上には報告していないらしいんですよ。 何でも数回は捕まえる機会があったにも関わらず 取り逃がしたらしくって……」 「PC3さんも今夜は巡回でしょう? 気をつけて下さい」 ◆結末 この都を騒がせるとは…キミは楽しそうに毬を付く子供を眺めたあと、夜の準備の為に足早に去って行った。 ●芦屋道満の来訪(PC5) ◆描写キミの家の扉を無遠慮に開けて入ってくる男、それはキミの陰陽道の師である芦屋道満だった。彼はまるで自分の家のように居間に上がりこむと、勝手に酒を飲んで一息付く――「クハハッ たまらんのう」 ◆解説 師匠である芦屋道満から影裏闇之丞が復活したという噂を聞く、闇之丞はかつて道満や晴明と肩を並べた陰陽術師である。道満は少し気になるから調べてみよとPCに命令する。 シーン終了後、影裏闇之丞へのロイスを結ばせる事。 ▼セリフ:芦屋道満 「うむ、中々に良い酒だなこれは……」 「ところでPC5よ、影裏闇之丞……この名を覚えておるか? かつてわしや晴明と技を競い合った程の 陰陽師だ。もっとも、最後は己が中の鬼に負け、その身を異形と転じ、晴明に滅ぼされた愚か者だがな」 「最近都を騒がす怪異……どうも噂では奴が蘇ったらしい。 わしも奴とは因縁浅からぬ、ちとおぬしが行って調べてくれぬか?」 「クハハハハッ、鬼に負けた弱きものなど、すでにわしは興味が無いわ。 興味があるとすれば……そう、どうして今更奴が蘇ったかという事だ」 ◆結末 キミは道満に言われるまま闇之丞を調べる事となった。かつて死んだ亡霊がなぜ今になり蘇ったのか……それに師である道満と技を競い合った程の腕前、興味無いと言えば嘘になる。 ●夢の中の鬼(PC1) ◆描写キミは夢を見ていた。その夢の中でキミは都の人々をその手にかけていた。真っ赤に染まる大通り、返り血を浴びてキミ自身も夕日のように赤かった。やがてキミは無情なる殺戮の果てにとある屋敷の庭先に来ていた。舞い散る桜の花びらの中、目の前には澄み渡った池がありそこにもう1人の自分が映っている。 ◆解説 PC1が夢の中でもう1人の自分(心の中の鬼)と出会うシーン。『心の鬼』から誘惑される。やがて池に映ったもう一人の自分は、かつての師匠である影裏闇之丞となり語り掛けてくる。闇之丞が鬼になった事…そして鬼になる事こそ真実である事を。 シーン終了後、心の鬼にロイスを結ばせる事。 ▼セリフ:心の鬼 「気分はどうだ、PC1」 「これが本当のお前だ。これが真実だ。何も怖がることはない。漫然と生きている 今のお前こそが夢幻なのだ。」 「解放しろ、我を」 ▼セリフ:心の鬼変じて影裏闇之丞 「忘れたか私の事を。かつてのお前の師である私のことを……」 「私はかつて心の中の鬼に従った。そして知ったのだ本当にこの世があるべき姿を…… 人間とはなんであるか……どうしてこのような力があるか…を」 「こちらの世界へ来いPC1、お前なら本当の力を手にする事ができる。 晴明も道庵もたどり着けなかった境地へと……」 ◆結末 べっとりと寝巻きが濡れていた。窓からは春のうららかな風が心地良く吹き込んでくる。不愉快な夢だったが、妙に現実味のある不思議な感じがした。 ●禁色を許されし者(PC4) ◆描写キミは姫でありながら自由が許されていた。それは自身の持つ不思議な力のせいだ。周りの人間は常に1歩離れてキミと接した。だからこその自由。そんなある夜キミは1人で夜の散歩をしていた。月に照らされた桜の花が、妙に艶やかに目に映る。そんな時、ふと誰かの声を聞き行ってみれば、この世のものとは思えぬほどの美男子が静々と歌を歌っていた。 ◆解説 夜の散歩中にPC4が在原業平と出会うシーン。業平はPC4に協力して欲しい事があると言う。数日後、PC4のところに声聞士の少女が飛び込んでくると思うので、その少女を匿って欲しいとの事だ。業平についてPC4は知っている事にしても良い、その場合はかつて蔵人頭まで上り詰めた男であり、史実的にはすでに数十年前に死亡している事を知っている。業平は頼み事をするとどこかへと消えてしまう。 シーン終了後、在原業平へのロイスを結ばせること。 ▼セリフ:在原業平 「月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身一つは もとの身にして」 「実は姫に頼み事があり参上いたしました」 「数日後に声聞士の少女が逃げ込んでくると思われます。その少女を匿ってあげてほしい。 理由は…少女から直接聞いてください」 「これは、きっと姫にしか出来ぬことなのです。世の無情は常。宜しくお願い致します」 「そうそう、まだ名を言っていませんでしたね……私の名は在原業平(ありわらのなりひら)と申します。 それでは……」 ◆結末 男は禁色を纏っていた。それでいてあの美しさ……一度見たら忘れない男なのに、なぜかその背中は虚ろで寂しげだった。 ●影裏杏との出会い(PC2) ◆描写都の夜は早い。それは桜咲く春だとしても変わりは無いことだ。キミは都の路地をいつものように歩いていた。夜はキミが自由に動ける時間だ。人の目を気にせず、本当の自分のままで……。空には美しい月が出ていた。あの月はずっとあの美しい姿のままなのだろう。そうやって見とれていた時だった。上空から何かがキミの上に降って来た。 ◆解説 夜の平安京、月を眺めていたPC2は突然降って来た少女に踏み台にされる。少女はすぐに謝るが、PC2を一目見ると急いで逃げようといってくる。少女は影裏杏と良い、なぜか検怪異使に追われているらしい。ちなみに杏は今の落下(どうやら屋根を伝って逃げてきたらしい)の際、足を挫いてしまったらしい。基本的に命に関わるような怪我でもないのでリザレクトは発生しない。それでも足が痛いのは代わらないので自力で走るのは辛そうである。 シーン終了後、影裏杏へのロイスを結ばせること。 ▼セリフ:影裏杏 「ご、ごめんね? 大丈夫だった……わけないか……? ねぇ本当にごめんなさい」 「私、影裏杏って言うの♪ こう見えてもれっきとした声聞士なんだよ♪」 「っと、いっけない! 今、検怪異使に追われているんだった! ねぇどこに逃げればいいかな!」 「痛ッ!? ううん、なんでもない……ちょっと足を捻っちゃって……あなたは逃げて、巻き込んでごめんね」 ◆結末 やれやれと思いつつ、君は少女を見捨てて逃げる事はしなかった。ちょっとした同情か、それとも仲間意識か……とにかく、キミは彼女を方って置けなかったのだ。 ◆ミドルフェイズ ■出会い系シーン ●再会(PC1→PC3・PC5) ◆描写キミが夜の都を歩いている時だった。うっすらと白い影が現れたと思うと、その姿は懐かしい姿へと変わった。そう、十数年前に晴明に滅ぼされたはずの師匠――影裏闇之丞だった。 ◆解説 PC1と影裏闇之丞の再会シーン、闇之丞はPC1に内なる鬼について聞いてくる。その上で、安部晴明の居場所について聞く。このシーンではPC3とPC5が登場しやすいだろう。 ▼セリフ:影裏闇之丞 「懐かしいなPC1、驚いたか? わしは復活した。 晴明への恨みの念、そしてなによりわし自身の叶えられなかった夢の為に!」 「あれからどうだ、お前のうちなる鬼の様子は? 解放するというのは心地良いぞ、 全てが自分の思い通りになる。そこに不安、恐怖、迷いは無い。全てが己を肯定する」 ◆結末 闇之丞はそのまま消えていく。 ●声聞士の少女(PC2→PC4) ◆描写少女に言われるままにやってきたが……どうやらどこかの貴族の庭先らしい。 「どうしても普通の人じゃわからなくってさ。やっぱ貴族に聞かないとね♪」 が、そんな軽口もそこまでだった。藪を抜けて先に、1人の姫がいた。まずい。 ◆解説 PC4に登場をしてもらう。姫とはPC4の事である。PC4は杏こそが在原業平の言っていた少女であろうと伝えること。安部晴明に繋がるためにはPC3が必要である。PC2もPC4もPC間ロイスをちゃんと結んであるなら、PC3の事を思い出して構わないだろう。 ▼セリフ:影裏杏 「ねぇ、安部晴明がどこにいるか知らない? わたし、どうしても安部晴明に会って勝負しないといけないの……それが、お父様の願いだから」 「都壱番の陰陽師になるの……それがお父様の夢だったから……」 ◆結末 さて、なにやら巻き込まれだしたぞ? ■情報収集 ◆影裏闇之丞<情報:検怪異使、裏社会>8 ・今から十数年前、安部晴明・芦屋道庵と肩を並べると歌われた声聞士。 しかし、自らの内に住む鬼の誘惑に負け、その姿を異形へと転じてしまい、安部晴明とPC3によって 滅ぼされた。 最近、都で現れている亡霊は影裏闇之丞であるらしい。 ◆影裏杏 <情報:裏社会、平安京>6 ・影裏闇之丞の娘であり声聞士。父親の才能を受け継いでおり、その陰陽道の腕前は大した物である。 貴族の抱えにも検怪異使にもならず、市井の人々の為に陰陽術を使うので検怪異使や貴族に抱えられ ている陰陽師には嫌われている。明るく無鉄砲だが、それは自分の腕に裏打ちされた自信からきている。 ◆内なる鬼 <情報:検怪異使、裏社会>3 ・陰陽師や声聞士が抱える心の中の鬼。 鬼の誘惑に負けると体を乗っ取られ本能のままに行動する物の怪と化す。 ◆在原業平 <情報:裏社会、平安京、噂>3 ・絶世の美男子と言われる六歌仙の1人。 かつては蔵人(天皇の側近に使えて機密文書の保管などを司る部署)の頭であった。 880年に死亡している。 ※現在は安部晴明が生きている事から950年前後だと考えられる。 ■トリガーイベント ●敗北(マスターシーン) ◆描写牛車を式神に引かせて中に乗った男は悠々と都を出ようとしていた。 男――都一の陰陽師と言われる安部晴明は。 しかし、何かを察して急に牛車の牛がいななく! 程なく、牛が静まると童子に護衛させていた式神の気配が消え去った。 晴明は慌てること無く、それでいて我が目で確かめようと外へでる。 そこには首だけ残して地中に埋まった牛と、元は式神だった散らばった札だけが残っていた。 ◆解説 安倍晴明はこれから、平城京へ早良親王を静めに向かう途中である。その途中で亡霊闇之丞に襲われ戦闘に入る。 ▼セリフ:影裏闇之丞 「久しいな晴明、主を倒し都一の陰陽師になるがため、冥府より舞い戻った」 「なんとでも言うが良い。だが、勝つのはわしだ!!!」 ▼セリフ:安倍晴明 「影裏闇之丞……いや、今のあなたは鬼……ですか」 ◆結末 2人の懐から同時に式札が飛んだ! それは両者の中央で激しくぶつかり、快音と衝撃を生む!! ◆クライマックスフェイズ ●陰陽大戦(PC2) ◆描写戦いの音に誘われ、その場に着いた時、すでに勝負は決していた。 安倍晴明が倒れ、影裏闇之丞が立っていた。 しかし、闇之丞の顔は優れない。まだ何かを探す目をしていた。 その瞳が一点で止まる。闇之丞の体が消え、次の瞬間……杏の傍に重なるように出現していた。 ◆解説 闇之丞は最強になるため杏に憑依する。<抗いがたき言葉><ナーブジャック>で操る。杏は父親を常にカバーリングする。基本的に闇之丞の行動を消費して攻撃する。戦闘終了後、杏は自分が間違っていたと気が付いた場合、クリスタル化と炎の花びらを散らして父親と共に消滅する。消滅をとめられるのは、真に杏の事を思った説得ロールプレイのみである。 ▼セリフ:闇之丞 『我が娘の才覚と肉体、わしの知識と技術があれば、都一番の陰陽師になれる!』 『まずは貴様等で力試しと行こうか』 『そんな……わしが……最強な……馬鹿……な……』 ▼セリフ:杏 「あ、あ、ああ……」 「都一の陰陽師に……都一の陰陽師に……都一の陰陽師に……都一の陰陽師に……都一の――――」 「ありがとう……でもこれ以上皆に迷惑かけれない。お父さんはまだここに残ってるし…… このままお父さんと一緒に消えるね……ありがとう」 ◆結末 熱によって赤輝したクリスタルの結晶が、夜桜のように花びらを散らして逝った。 ●絶世の六歌仙(PC1) ◆描写「世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」 (世の中に全く桜がなかったとしたら、花を気づかう必要もなく、春は平和に過ぎていったのだろう) ◆解説 在原業平は歌を読み、そのまま消える。キャンペーン化する場合の複線のようなもの。 ▼セリフ:在原業平 「なぜ、人間は生きつづけるのでしょうか?」 「なるほど……それもまた真実」 ◆結末 ふと視線を戻せば業平はすでに消えた後だった。 ■DATA:影裏闇之丞 ●シンドローム:ソラリス/オルクス ●コードネーム:都を騒がす亡霊 ●能力値 技能 【肉体】13 <回避>2 【感覚】6 <知覚>2 【精神】7 <RC>10 <意志>10 【社会】3 <交渉>10 <情報:検怪異使5 【HP】40(90) 【イニシアチブ】19 ●侵蝕率:150%(ダイス+6) ●取得エフェクト: <抗いがらき言葉>3、<命の盾>3、<苦痛の矢>3、<錯覚の香り>3 <要の陣形>3、<幸運の守護>3、<縮地>2、<絶対の空間>3、<大地の加護>3、<大地の牙>3、<猫の道>2、<縛鎖>3、<破砕の顎>3、<ふたつめの牙>2、<完全なる世界>3、<ナーブジャック>2 <ヴァイタルアップ>2、<生霊化>2、<早九字>3 ●コンボデータ ★コンボ名:大地隆起の術 <要の陣形>+<絶対の空間>+<大地の加護>+<大地の牙>+<完全なる世界>+<早九字> 大地が隆起し対象を押しつぶす攻撃、<RC>で判定し、ダイス22個、クリティカル7値、攻撃力+9、4人まで攻撃可能、対象の回避判定に−1Dのダイスペナルティ。対象は抵抗判定のクリティカル値+1。 ※セカンドアクションは<ふたつめの牙>を使って大地隆起の術を再び行う ★コンボ名:大地守盾の術 <幸運の守護>+<絶対の空間>+<命の盾> 大地がまるで盾のように持ち上がり対象を守護する。<RC>で回避判定をでき、ダイス18個、クリティカル値7。 ★コンボ名:平安京影裏闇之丞の術 <絶対の空間>+<大地の加護>+<縛鎖>+<破砕の顎>+<完全なる世界>+<苦痛の矢>+ <早九字> 対象の首から下が地面に埋まる攻撃、<RC>で判定し、ダイス23個、クリティカル値7、攻撃力+8、範囲攻撃、対象は回避判定に−1個のダイスペナルティ、対象は抵抗判定のクリティカル値+1。対象はそのラウンドの間<戦闘移動><全力移動>ができなくなる。対象が次に行う判定のクリティカル値+1する。 ※PCがばらばらの場合は<大地の牙>と<要の陣形>を組み合わせる。さらにPCが移動できなくなった所で<縮地>を使って離脱する。 ■DATA:影裏杏 ●シンドローム:モルフェウス/サラマンダー ●コードネーム:"自称"都一の陰陽師 【肉体】3 <回避>2 【感覚】6 <知覚>2 【精神】7 <RC>2 【社会】3 <交渉>2 【HP】20(70) 【イニシアチブ】19 ●侵蝕率:150%(ダイス+6) ●取得エフェクト: <砂隠れ>3、<砂の結界>2、<砂潜り>2、<ペトリファイ>3、<魂の練成>3 <炎陣>2、<氷の戒め>3、<氷の加護>3、<氷の塔>3、<静かなる霧>3、<ブリザードブレス>3、<ブレインコントロール>3、<プラズマカノン>3、<極大消滅破>3 <ヴァイタルアップ>2、<形代>2、<早九字>3 ●コンボデータ ★コンボ名:平安京影裏杏の術 <ペトリファイ>+<氷の戒め>+<氷の加護>+<氷の塔>+<静かなる霧>+<ブリザードブレス>+<ブレインコントロール>+<早九字>(+<プラズマカノン>) 対象の首から下が地面に埋まる攻撃、<RC>で判定し、ダイス20個、クリティカル値7、攻撃力+10(+22)、範囲攻撃、対象は回避判定に−3個のダイスペナルティ、対象はその3ラウンドの間すべての移動ができなくなる。対象はそのラウンドの間全ての判定に−5Dのダイスペナルティがつく。 ※憑依時 <ペトリファイ>+<氷の戒め>+<氷の加護>+<氷の塔>+<静かなる霧>+<ブリザードブレス>+<絶対の空間>+<大地の加護>+<完全なる世界>+<早九字> 対象の首から下が地面に埋まる攻撃、<RC>で判定し、ダイス25個、クリティカル値7、攻撃力+15、範囲攻撃、対象は回避判定に−3個のダイスペナルティ、対象は抵抗判定のクリティカル値+1。対象はその3ラウンドの間すべての移動ができなくなる。対象はそのラウンドの間全ての判定に−5Dのダイスペナルティがつく。 ■DATA:在原業平 ●シンドローム:バロール/??? ●コードネーム:六歌仙が一人 【肉体】? <??>? 【感覚】? <??>? 【精神】? <??>? 【社会】? <??>×? 【HP】?? 【イニシアチブ】?? ●侵蝕率:???% ●取得エフェクト: <ファスト・フォアード>3、<???>×? <ヴァイタルアップ>2、<生霊化>2 「つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」 (ツヒニユク ミチトハカネテ キキシカド キノフケフトハ オモハザリシヲ) (最後に行く道という事は知っています。しかし、それが昨日今日の事とは思ってもみなかった) ※解説 在原業平は雰囲気なNPCである。キャンペーンプレイでは謎の敵、もしくは謎の味方となる。(6歌仙が全てがオーヴァードでも良いだろう)しかし、単発プレイの場合、ただ平安京"らしさ"を出す小道具扱いである。 ◆エンディングフェイズ ●決別(PC1) ◆描写都の大通りを歩いている時、ふと風景が重なって見えた。 それはかつて夢で見た、血まみれの大通りだった。 しかし、その風景は一瞬で消え去る。もう鬼に誘惑される事は無いだろう。 ◆解説: オープニングでみた殺戮の大通りを既視感する。心の鬼と決別した事を際立たせるシーンが良いだろう。 ●杏(PC2) ◆描写キミは杏と2人で都の夜、屋根の上を駆けていた。 仕事は上場、問題は見つかった事ぐらいか……。 「いたぞ! もぐりの声聞師と物の怪だ!!」 ◆解説: 「ちぃいいい 検怪異使が!!」と言わせれたら勝ち。平穏な日常に帰ってきたシーンが良いだろう。相棒として杏が居座るかどうかはセッション中のPC次第である。 ●晴明(PC3) ◆描写酒を飲みながらの花見。晴明に呼ばれて久しぶりにゆっくりしていた。 「ところで……もし私が心の鬼に負けたとしたら……どうしますか?」 晴明はグイっと飲み干し冗談とも本気とも付かぬ声で聞いてきた。 ◆解説 晴明と花見酒をしながら事件について振り返るシーンが良いだろう。PCの活躍にもよるが、晴明の口からPC3こそ都一の陰陽師であると言ってあげるのも良い。 ●月のある夜(PC4) ◆描写いつものような月夜の散歩道。 ふと誰かの歌を聴いた気がして立ち寄ってみると、そこは捨てられた廃屋だった。 不思議な事に、その廃屋の中には陰陽道で使う儀式陣といくつかの式札があった。 ◆解説 在原業平の歌に導かれるようにある廃屋にやってくる姫。そこは影裏闇之丞を復活させる儀式を、在原業平が行った場所である。 ●師匠(PC5) ◆描写キミの報告と聞いて師匠はクハハと笑った。 「心の鬼は陰陽師であれば誰でも抱えるもの……お主もせいぜい気をつけるのだな」 そう言って師匠は家を出て行った。その手にはしっかり、隠しておいた一本を握ったまま。 ◆解説 芦屋道満に釘を差される。心の鬼に負けることはすなわりジャーム化である。 ◆アフタープレイ ●ダブルクロス 2nd P130を参照する。 |