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エムブリオマシンRPG
シナリオ

遺跡荒らしの盗賊団退治。
モノクルを付けた偉そうな男から直接受けたEM戦の依頼。
しかし、向かった遺跡では、
1人の少女が起動キーを抱えて震えていた。
「ねぇ、お願い……せめて、アルテミスを……」
少女の切なる願い。
報酬も無く、正規の依頼でも無い。
ただの――お願いごと。


エムブリオマシンRPG
『少女の願い』


それは月の女神との出会い

●概要
宿場街ドルチでモノクルをかけた男シュナイダーから、遺跡を襲ってきた盗掘団の退治依頼を受けるPC達。
目的の遺跡へと向かう途中、PC達は襲われた発掘隊の唯一の生き残りの少女リーザと出会う。
リーザは遺跡から新型EM(機体名アルテミス)が発見された事を伝え、自分はその起動キーだけを持って逃げ出した事を話す。

リーザから発掘隊の敵討ちをお願いされ、遺跡へ向かい盗掘団のEMを撃破するPC達。
しかし、盗掘団のリーダーの話と、PC達の話にはいくつか食い違いが生じている。
盗掘団(正確には傭兵団)に依頼をした人物の話を聞けば、モノクルをかけた軍人だったと言う。
遺跡からの帰り道、リーザが隠れていた小屋に向かうと、すでにそこは"襲われた後"だった。

「モノクルをかけた男に起動キーを……お願い、せめてアルテミスを……」

皆との絆である新型EMを取り返すようPC達に願い息を引き取るリーザ。
シュナイダーを追いリーザの願いを聞くも、このまま報酬だけ受け取って去るもPC次第です。

●事前情報
宿場街ドルチの斡旋所で依頼を受けようとするPC達。
しかし現在ドルチで受けれる依頼は無く、依頼が来るまで待つことに……。
と、その時駆け込んでくるモノクルをつけたオールバックの黒髪の男。
男は20代後半でシュナイダーと名乗る。

ある遺跡を調査中の発掘団から救援連絡を受けた。EMを持った盗掘段に襲われたらしい。
すでに調査団の生存は絶望的だが、遺跡だけは盗掘団から取り返して欲しいとの事。
急ぎの依頼であり報酬はカルディア鉱石を1人につき10個。
(ただし斡旋所が裏を取る前の依頼である事。裏を取っていたら間に合わない等)
遺跡はここから北に向かい半日の距離、森の中にある。

●展開その1
遺跡がある森に到着し、遺跡へ向かって進んでいると、森の中にポツンを隠れるように小屋を発見する。
(この時、PCが慣れてないようなら【スカウト】による判定を行う)
小屋には明かりも付いておらず1人の少女、リーザが隠れている。
PC達のEMを見れば、リーザは「国の救助隊ね!!」と喜ぶ。

リーザの話によれば、リーザは父親と共に調査隊に参加しており、盗掘団の攻撃に巻き込まれたらしい。
遺跡から新型EM(名称はアルテミス)が発見され、資金を出していた国に連絡を入れた所だったとの事。
リーザ以外の調査団は(リーザの父親も含め)全員殺されたと思われる。
リーザは父親達からアルテミスの起動キー(女神と"アルテミス"と文字の入ったカード)を受け取っており、このカードはPC達が説得しても意固地になって渡そうとはしない。

国から新型EMを確認するための査察団が来るまでの辛抱と隠れていたリーザだが、PC達が盗掘団を退治しに来たとしると父親達の仇を取ってほしいとお願いする。
この時、小屋を観察する気配があるが、PCが気が付いた場合、その気配は何もせずに去っていく(この気配はシュナイダーがPC達に付けた監視である。シュナイダーはここでリーザと起動キーの情報を得る)。

●決戦その1
  森の中にぽっかりと開けた平地。中央が丘になっていて銀色の遺跡がそこに突き刺さるように埋まっています。盗掘団のEMは3機。ハニービー2体と、チムニーが1体。データはルールブック巻末にあるNPC用機体データを使用。ただしハニービーのうち1体は腕にヒートクローを装備し、これがリーダーである。

PCの勝利条件は『敵の半数以上を戦闘不能にする事』。敵の勝利条件は『PCの全滅』である。
3機のうち2機を戦闘不能にされると3機目の敵NPCは降伏を行う。

●展開その2
  降伏した盗掘団は「自分達は遺跡を無断で盗掘する一団を皆殺しにしてくれと依頼された」と説明します。柄は悪いが本当に傭兵の一団のようです。依頼者について聞くと、最初は口を開きませんが拷問や交渉で判定すればあっさり口を開きます。

「オールバックの黒髪にモノクルを付けた軍人の若い男だった」

  シュナイダーは遺跡で発見された新型EMアルテミスの情報を秘匿するため、傭兵を雇い調査団を皆殺しにし、今度はPC達をやとって傭兵団の口封じをするつもりです。その事をPCが気がつくよう誘導して構いません。
  その後、PC達がドルチの街へ戻る途中、リーザの小屋のある方向から黒い煙が立ち上るのを見ます。

リーザの小屋に行くと、すでにEMに襲われた後であり、小屋は焼け落ち、リーザは虫の息で倒れています。PCが助け起こすと致命傷な事がわかります。

「オールバックの軍人が来て……アルテミスの起動キーを……」
「あれは……お父さんと皆が、やっと見つけた絆なの……お願い……アルテミスを……あんな奴らに……渡さない……で……」

  リーザはPC達にアルテミスを奪ったシュナイダーの事を告げ事切れます。
  PC達がドルチの街へ戻ると、斡旋所でシュナイダーからの後金を貰えます。斡旋所の係員に聞くとシュナイダーは後金だけ預けていなくなったとの事です。

  街で情報収集するとシュナイダー達がドルチから西へ向かって出発した事がわかります。シュナイダー達がEMを2機持っている事もわかって構いません。
  シュナイダー達を追跡する場合、斡旋所の係員が――「依頼でも無いのに何しに行くんだ?」と聞きます。PC達はどんな答えを返すでしょう。
  もちろん、シュナイダーを追わず後金を貰って何もしないでも構いません。シナリオをそこで終わらせましょう。

●決戦その2
シュナイダー達を追跡すると、国境沿いの橋で追いつきます(PCの行動によっては待ち伏せても構いません)。この時、橋は四方4柱を破壊すれば破壊できる事を説明しておきます。柱は耐久値20で回避は行いません。敵はシュナイダーが乗るヒストリクス改(巻末データ参照)と護衛のハニービー(盗掘団リーダーと同じ機体)です。

●終局
  シュナイダー達を倒したところで何か報酬がもらえるわけではありません。ただ、リーザの無念に報いる事ができたPC達は、何かしらの感慨があるでしょう。
  もしこれをキャンペーンとして続ける場合、アルテミスの機体、または起動キーをPCに渡し、もう片方をシュナイダーが持ち逃げする展開。または情報を知ってしまったPC達をシュナイダーの本国が狙う展開も考えられます。

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