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ガンアクションRPG ガンドッグ

『The Final Mission』

◆シナリオデータ

本シナリオは『ガンドッグ』を適用して遊ぶことを前提としたシナリオです。プレイ時間は10時間。プレイ人数は6人〜8人。前後編の2編行う2卓リンク型セッションです。

◆推奨キャラクター
●サンプルキャラクター
  ブリッツ、クインビー、オーガ、バイパー、デュラハン、アムリタ。(追加ニードル、プロフェッサー)
●キャラクタークラス
  前半はステルスエントリーとダイナミックエントリーの2卓に別れ、後半は1つの施設を別の入り口から2チームで侵入して行きます。ガンドッグらしく銃の扱いに長けたアサルトとスナイパー、前半のステルスエントリーの為にスカウトの入ったキャラクター構成がベストです。

  ※ダイナミックエントリー――簡単に言って派手な作戦。大爆発を起こしその混乱に乗じて制圧する等。
  ※ステルスエントリー――敵にこちらの存在を気が付かれないように行う隠密作戦。

◆概要
  コーディネイターであるマルシオ・カルロスからPC達は呼び出しを受けます。それはGM社(ゼネラル・マニュファクター社)と日本の鳳凰院財閥が提携して研究する生物兵器『V−ウィルス』が、近々完成するという話です。これがテロ組織に売買され、世界中で使われるようになれば戦争どころの騒ぎではありません。各国の著名ワイズマン達は密かに手を結び『V−ウィルス』の抹消を決定します。テロ組織に渡ってからガンドッグを派遣するのでは、被害が尋常じゃないと判断した事によります。もちろんマルシオ・カルロスにもコーディネーターとして『V−ウィルス』の破壊をガンドッグに頼むよう依頼が来ました。

  PC達に与えられる任務は前半と後半の2ミッションです。1つは鳳凰院財閥の保有する私有地にある施設(V−ウィルスの人体実験場とされています)の徹底的な破壊。もう1つはGM社のとある研究所から他の主要施設の情報を奪取し、痕跡を残さずその研究所も破壊する事です。
  後半のミッションは『V−ウィルス』開発・実験施設の潜入、主要研究者の抹殺とウィルス事態の破壊です。

◆ミッションの流れ
  このシナリオは前後編のシナリオ構成であり、2卓のリンク型セッションです。
■オープニング マルシオ・カルロスから依頼を受けます。チーム分けをどうするかPLに相談させます。
  ↓
■卓1 ダイナミック 『V−ウィルス』の人体実験が行われている鳳凰院財閥の施設を破壊。
■卓2 ステルス GM社の研究所から他の主要施設の存在場所の情報を入手。
  ↓
■ミドルブリーフィング
  ↓  マルシオ・カルロスから『V−ウィルス』開発実験場の破壊依頼を受けます。
■卓1 西生活棟より侵入 研究員住居施設から地下の実験場を目指します。
■卓2 東研究棟より侵入 『V−ウィルス』研究施設から地下の実験場を目指します。
  ↓  実験場の最終部屋への侵入コードは研究員住居施設と研究施設に分かれているのでチームが合流。
■クライマックス
  ↓  実験場の最終部屋でGM社研究主任の将門我門がいます。
  『V−ウィルス』に侵された生態兵器『Fシリーズ』と戦闘になります。 ※Fはファイターの意
■エンディング

◆スケジュール表

時間 内容 備考
10:00 PL集合 キャラクターの成長。
10:30 オープニング ミッションの説明・チーム分け。
11:30 お昼ご飯 チーム分け終了。チーム毎に部屋に移動。及び、お昼タイム。
12:00 前半ミッション開始 2部屋に分かれて2卓同時にミッションスタート。
14:30 前半ミッション終了 時間になった時点でタイムアップ。休憩と移動。
15:00 ブリーフィング 1つの部屋に集合。後半のミッションの説明・チーム分け、その後移動。
15:30 後半ミッション開始 2部屋に分かれて2卓同時にミッションスタート。
18:35 クライマックス 最終部屋前で合流してなかった場合、この時間でラストイベント発動。
19:30 エンディング 生き残ったメンバーのエンディングを演出。

◆事前準備
■備品
  ガンドッグ一式、シナリオ、マップ、ダイス、筆記用具、できればトランシーバー2機〜PL人数分。
■部屋
  部屋は2部屋用意。それぞれ3〜4人用の通常卓配置を行い、片方の部屋には通常卓以外に、ブリーフィング用に6〜8人用の卓配置を行っておく。

◆オープニング
  PC達は契約しているコーディネーターであるマルシオ・カルロスに呼び出されて、彼の所属する民間警備会社ペドロ・タクティカル・ソリューションズ、ニューヨーク支部のブリーフィングルームに来ています。
  部屋にはカルロスともう1人、迷彩服を着て松葉杖をついた眼光の鋭い不機嫌そうな中年男性がいます。
「さて、キミ達に集まってもらったのは他でもない。すでに大変な事が起っていてね」
「GM社と鳳凰院財閥が手を組んで、究極の生物兵器を開発しているらしい」
「もちろん、その事でテロや事件は発生していない……ただ、世界中のワイズマンから事前にこの兵器がテロ組織に渡る前に潰して欲しいと連絡があってね」
「報酬は成功報酬で1人$10万。破格の値段だが前金は一切払えない。額からも解るように生死の保障は無い」
「何か質問は? もちろん無理にとは言わない……どうする?」

――PCが了承したら……
「ではミッションの説明と行こう……まずその生物兵器の名称だが、ワイズマン達は『V−ウィルス』と呼んでいる。由来は情報源は解らないけど、僕達もその名称で統一しているから覚えて置いて欲しい。」
「さて、この『V−ウィルス』に関係していると思われるGM社と鳳凰院財閥の施設なんだが、かなりの数がピックアップされていてね」
「この国だけでも数施設ある。もちろん他のコーディネーターとガンドッグもそれを潰す為に向かっている。それで僕の担当の施設も2つ程あってね……」

――部屋の明かりが消え、スクリーンが下りてくる。そこに写される地図。
※アメリカの地図でロッキー山脈の1点と、五大湖付近の1点に印が付いています。

「1つはロッキー山脈の荒野にある鳳凰院財閥の私有地だよ。そこに1つの施設があるんだけど、どうやらその生物兵器の実験場になっているらしい」
「作戦内容はダイナミックエントリー。徹底的な施設の破壊だ。必要な機材や装備があれば言って欲しい」
「この作戦のフォローは僕じゃなくて……そうだ、紹介してなかったね。
彼の名前はマーティン・ジョーンズ。僕のセキュリティ・コンサルティング会社でガンドッグの戦闘訓練を主に担当してもらっている者だよ。彼は元一流のガンドッグでもあってね。銃器・兵器については僕なんかより詳しいしピッタリだと思う」
「俺がジョーンズだ。お前達はさっき命を俺達に預けた。あとは死ぬ気で走りまれ! 走りつかれたヤツから死んでいく。わかったか!」

「もう1つは五大湖近辺の針葉樹林の森の中にあるGM社の外界隔離施設だ。ここでは『V−ウィルス』の研究が行われているらしい」
「ただ、作戦内容はその破壊では無い。この施設はあらゆる通信施設と隔絶していてね。それもあってGM社の極秘情報が……特に『V−ウィルス』関係の情報が蓄積されているらしい。月に一度だけ生活物資を運ぶトラックがあるんだが、それを横取りして潜入して欲しい」
「この任務は情報の奪取が目的だからね。あとでオペレーターの人にも合流してもらう予定だ。こちらの作戦は僕がフォローする」

「作戦は五大湖施設のトラックに合わせて一週間後になる。今いるメンバーでチーム分けを行ってほしい。すでに何度か同じミッションを行って、顔も実力もわかりあったメンバーもいるだろう? 自分達で納得の行く人選をお勧めするよ。さて、他に質問はあるかな?」

以下に、よくありそうな質問とその回答を書いておきます。
●「ミカドがいないようだけど?」
「彼はいざこざが無ければ鳳凰院財閥の頭首だった子だ。今回の作戦に私情を持ち込まれても困るからね。わざと連絡を取らなかった」

※ミカドのPLには集合時間を遅く伝えておき、リアルに来ない感を出させます(笑)

●「ヘリや車も」
「必要とあらば軍用ヘリだって手配しよう」

◆卓No1:『ロッキー山麓の実験場を破壊せよ!』
●作戦:ダイナミックエントリー
●メイン・オブジェクト:施設の破壊
●サブ・オブジェクト:施設の調査
●タイムリミット:2時間30分
※時間になったら終了するようなシナリオを作成します。

シナリオ作成におけるポイント
(1)場所は鳳凰院家の私有地(荒野)です。しかしGM社の息のかかった人々がいます。
(2)この実験場は麻薬による強化兵士の実験場です。『V−ウィルス』と直接的な関係はありません。
(3)ボスは鳳凰院家の執事のお爺さんです。鳳凰院家を何十年と裏側から支えた汚れのトップです。
(4)実験場――イメージとしては工場では、巨大な人間が何体も置いてあったりします。実験の素体です。

■タイムリミットの場合:この実験場から素体が数体、バミューダ諸島のある『V−ウィルス』研究島へと運ばれます。結果、後半シナリオで『Fシリーズ』の個体数が増えます。

◆卓No2:『五大湖の研究施設に潜入せよ!』
●作戦:ステルスエントリー
●メイン・オブジェクト:情報の取得
●サブ・オブジェクト:施設の破壊
●タイムリミット:2時間30分
※時間になったら終了するようなシナリオを作成します。

※ミカドはここで合流します。
※NPCのオペーレーターはニューヨーク市警の刑事で、カルロスが前々からガンドッグに勧誘していたアルジュン=タージ(男)です。サラのテロリスト時代の兄貴分です。よくもまぁ刑事に(笑)

シナリオ作成におけるポイント
(1)場所は針葉樹林の多い森の中にある一見コンクリート作りな長方形の施設です。
(2)この研究所は『V−ウィルス』の前段階薬『B−ウィルス』の研究が行われています。
(3)ボスはブラックボロサスから派遣されて警備についているスパイラルという傭兵です。
(4)研究所内には無数の実験動物がおり、情報として他の実験場の座標やその内容が存在します。

※アルジュンはスカウト/オペレーターであり、作戦行動中にスカウト系の判定に失敗する事はありません。

■タイムリミットの場合:この研究所が先に潜入していたブラックボロサスのメンバーによって占拠されます。彼らの目的はPC達と同じく、『V−ウィルス』研究施設の存在場所です。結果、後半シナリオでバミューダ諸島研究所が襲撃されており、ブラックボロサスの傭兵と一般研究員・警備員が大量に『V−ウィルス』に犯された状態でPC達の敵となります。

◆ブリーフィング
  前半のシナリオ後、PC達は再びペドロ・タクティカル・ソリューションズ、ニューヨーク支部のブリーフィングルームに呼び出されます。
  その部屋にはすでにカルロスとジョーンズがおり、前半のミッション結果を発表します。

「さて、ずいぶんと大変な任務だったが……実は切羽詰った事実がわかってね」

――部屋が暗くなりスクリーンが下りてきます。そこにアメリカの地図が再び写され……
「ここから東に行ったバミューダ諸島、そこに『V−ウィルス』を研究する研究所がある事が発覚した。それも小さな無人島まるまる一つを使っている」

※バミューダの研究島の情報は、五大湖の研究所で入手した情報により発覚したものです。もしPCが情報の入手に失敗していた場合、他のガンドッグが襲撃した他の施設から入手した情報だと伝えましょう。

「問題は時間なんだ、どうやら情報によるとすでに『V−ウィルス』は完成しており、運び出す準備に入るのも時間の問題らしいんだ」
「今、世界中で動いているガンドッグの中、バミューダ諸島に一番近い場所にいるのは……(PC達を見回す)……そう、キミ達しかいないんだ」
「すでに研究施設の間取りの情報までは入手している……これを見て欲しい」

――スクリーンに研究島にある『V−ウィルス』研究所の地図が写されます。

「この研究所は山の斜面に埋まるように作られている。西側の埋まっていない方が研究員の生活棟、東側の埋まっている方が研究棟だ。さらにこの2棟が地下で繋がっていて、その地下部分が『V−ウィルス』を使った実験施設になっているようだ」
「作戦はこうだ。まずA小隊とB小隊に分かれて西生活棟と東研究棟から侵入、実験棟を制圧し『V−ウィルス』と研究データを全て破壊する」
「島の近海まではヘリに乗り、途中からはボートで向かって欲しい。上陸後は小隊に別れてターゲットに侵入してほしい」
「チーム分けはキミ達に任せる。自分達で納得の行く人選をお勧めするよ。それと時間は刻一刻を争う。すぐに出発の準備に入って欲しい……さて、最後に何か質問はあるかな?」

以下に、よくありそうな質問とその回答を書いておきます。
●「なぜ2チームに分ける」
「どちらかが死んでも、どちらかのチームが任務を達成できるようにだ」

●「研究員は殺してかまわない?」
「ワイズマン達は『V−ウィルス』に対して過敏でね。その研究情報を持った人物は1人だとて逃したくないそうだ。殲滅を依頼されている……が、最終的には現場での判断、キミ達の判断に任せる」

●「優先順位は?」
「研究所の破壊・及び実験データの抹消……次いで研究員の抹殺だ。すぐに結果の出てしまう現物の方が、人は取り逃しても再びその研究を完成段階まで持っていくには時間がかかる。でも現物はすぐにテロに使われるだろう……だからと言って、どちらも優劣のつけられるレベルのものじゃないけどね」

●「他に救援は?」
「間に合えば島に向かってもらうつもりだし、他のガンドッグも急ぎ向かってくれているはずだ……ただ、それを待ってからでは間に合わなくなる可能性もある。期待はしないでくれ」

◆バミューダ島『V−ウィルス』研究所
  島の近海までヘリで向かい、空中から海にボートが落下します。PC達はそのボートに乗り込んで島へと上陸します。上陸後はA小隊とB小隊に分かれて西生活棟と東研究島へと向かいます。
  ヘリにはジョーンズ・アルジュンも乗り込んでおりPC達が降下する前に無線機を渡します。
「お前達が潜入した後、アルジュンに島全域を覆う妨害電波を流してもらう。研究所から救援を呼ばれるとやっかいだからな……だが、逆に居ればお互いの情報も取り合えなくなってしまう。そこで1つのルールだ」
「作戦開始から25分ごとに5分間だけ妨害電波を遮断する。その間にお互い連絡を取り合って欲しい。それ以外の時間では連絡が付かないと思え」
「さぁそろそろ降下ポイントだ。時計を合わせておけ」

▼注意)
前編の各ミッションの成否によって後半のミッションに影響が与えられます。
『ロッキー山麓の実験場』――ミッション成功:出現する『Fシリーズ』が1体。
                   ――ミッション失敗:出現する『Fシリーズ』が2体。
『五大湖付近の研究施設』――ミッション成功:西生活棟・東研究棟の地上部分に出現する敵は普通の人間。
                       ※地下に出現する敵は全てゾンビである。
                   ――ミッション失敗:西生活棟・東研究棟に出現する敵はゾンビ。

※ここからは小隊ごとに2卓に分かれてセッション開始です。それぞれの棟で起こるイベントを、リアルタイムでの発生タイミングを表にして記述します。
★=五大湖失敗時はゾンビ状態
(注意):表には記載されていませんが、ロッキー山麓のミッションでFシリーズの素体を乗せたトラックを破壊できなかった場合、Fシリーズの出現数は2体になります。この場合、各棟のGMが好きなタイミングで出しても良いですし、話を合わせて同じ棟に2体同時に出現したりして構いません。Fシリーズの残りHPやPCに攻撃を受けた時の演出(片腕が無くなった等)は、それぞれのGM同士で連絡を取り合い共有する事。

リアル時間 西生活棟 備考 東研究棟 備考
15:30〜15:35 通信時間 ミッション開始 通信時間 ミッション開始
15:35〜16:00

★警備員応戦

Fシリーズ登場

以降好きに出現 ブラックボロサスの死体
(ゾンビに殺られた)
★研究員応戦
動物解放ボタン
Fシリーズの情報
五大湖の失敗時
(ウィルス散布の情報)
以降好きに出現
ボタンがすでに押済み
16:00〜16:05 通信時間   通信時間  
16:05〜16:30 実験動物出現

この辺りの部屋で
Vウィルスのワクチン
情報
以降好きに出現

鍵が発見される
実験動物出現
Vウィルスの情報


Fシリーズ登場
以降好きに出現



16:30の通信中に襲撃
16:30〜16:35 通信時間   通信時間  
16:35〜17:00 ロープウェイ

Fシリーズ登場

将門我門の情報
木々に隠れた
ヘリポート


研究所の所長
ロープウェイ

医務室

Fシリーズ登場
木々に隠れたヘリポート

ワクチンがある

17:00〜17:05 通信時間   通信時間  
17:05〜17:30 Fシリーズ登場
東棟の鍵場所情報
  地下実験場の情報


Fシリーズ搬入情報
西棟の鍵場所の情報
鍵が2つ必要な事、
それぞれが西と東に
ある事がわかる。
17:30〜17:35 通信時間   通信時間  
17:35〜18:00

Fシリーズ登場
  この辺りの部屋で
ゾンビ研究のカプセル
鍵が発見される。1つ割れている。ファゾルフがいたカプセルである。
18:00〜18:05 通信時間   通信時間  
18:05〜18:30

     
18:30〜18:35 通信時間 最後の通信 通信時間 最後の通信
18:35〜19:30 地下実験場への扉

2つ鍵が必要 地下実験場への扉 2つ鍵が必要
19:30〜 エンディング エンディング エンディング エンディング

●西生活棟イベント
★警備員応戦――登場以降は自由に出現可能。
       五大湖のミッションに失敗している場合は全員ゾンビである。

Fシリーズ登場――ビジュアルは映画『エイリアン』に出てくる尻尾のないエイリアン。
実験動物出現――登場以降は自由に出現可能。
       五大後のミッションに失敗している場合は全部ゾンビである。
この辺りの部屋で鍵を発見――鍵が何かわからない状態で発見。具体的には『青いカードキー』とする。
       この時点では沢山のカードに混じっている為、全てを持っていく以外には無い。
Vウィルスのワクチンの情報――アスピリンとパナルジンの情報(※詳細は後述)
ロープウェイ――西棟から東棟への荷物運搬用のロープウェイ。ただしPCは何の為のものかは解らない。
       荷物用なので1人が限界である。一度乗って東棟に到着するとその時点で壊れる。
       乗って移動中に、下の森の中、木々に隠れてヘリポートと2機のヘリを発見する(通常ヘリとアパッチ)
将門我門の情報――将門我門(まさかど がもん)44歳の男性、日本人。鳳凰院家の縁者であり、
        鳳凰院家のお家騒動を計画した張本人。目的は鳳凰院家との提携と資金力でGM社で
        Vウィルスの計画を進める基盤を作る事。
        その企みは成功して、この施設の総責任者・Vウィルス研究所の所長となる。
東棟の鍵がある場所の情報――東研究棟の研究主任の部屋、主任の机の一番上の引き出しにある
        赤いカード。
地下実験場の扉――西棟と東棟でそれぞれ入手した鍵がないと侵入は不可能。

●東研究棟イベント
ブラックボロサスの死体――ゾンビに殺されている。唯一の生き残りはウィルスの散布で、実験情報を
        持ち帰るのが任務だった……が任務失敗(これはF1の妨害によってであるがPCに言う必要は
        ない)、自分達が散布したウィルスによってゾンビ化した人間によって殺される。
★研究員応戦――登場以降は自由に出現可能。五大湖のミッションに失敗している場合は全員ゾンビである。
動物解放ボタン――すでに押されている。前ではゾンビ(またはF1)に襲われ研究員が死亡している。
Fシリーズの情報――ウィルスによって強化された戦闘マシーン。ファイターシリーズ(略してFシリーズ)。
        Vウィルスの過剰摂取によって後頭部(脳)が異常に膨れている。しかし、それは知性が
        高まっているわけではなく、ウィルスの侵食から脳を護る為に自衛的に膨れただけである。
        しかし、膨れすぎた脳は退化を開始、結果……破戒衝動のみの怪物となる。
        知性ある完成形を目指してさらなる研究が行われている。
実験動物出現――登場以降は自由に出現可能。五大後のミッションに失敗している場合は全部ゾンビである。
Vウィルスの情報――ヴァンパイア・ウィルス(略してVウィルス)。体液を媒介に生物に感染するウィルス。
        体内に入ると血液を媒介に体全体に行き渡り、完全に行き渡った時点で一度血液を完全凝結。
        その瞬間に現状の血液を組み替え、別の生物へと生態自体を変換させる。
        その時点でその生物はゾンビとなる。ゾンビにも血は流れている。しかしそれはVウィルスによって
        変換させられたモノなので、色が漆黒である。
ロープウェイ――東棟から西棟への荷物運搬用のロープウェイ。ただしPCは何の為のものかは解らない。
        荷物用なので1人が限界である。一度乗って西棟に到着するとその時点で壊れる。
       乗って移動中に、下の森の中、木々に隠れてヘリポートと2機のヘリを発見する(通常ヘリとアパッチ)
医務室――アスピリンとパナルジンがある。もっとも、その薬品名を狙って探さないと多種多様の薬品が
        あるので見つける事はできない。
地下実験場の情報――扉は厳重であり破壊は不可能。2つのカードキーが必要であるが、それを
        持っているのは研究所所長のみ。予備を誰かが持っているという話だが……。
Fシリーズ搬入情報――ロッキー山脈の実験場からFシリーズの材料となる被検体が運び込まれた。
        完全体の実験が●月●日(ミッション日時)には終了するだろう。時間が無い事が発覚。
西棟の鍵がある場所の情報――西生活棟に、研究所の所長の愛人がいたらしい。どうやらその愛人が
        青いカードキーの予備を持っていたらしい。
この辺りの部屋で鍵を発見――研究主任の部屋。机の上にはパソコンがあるが壊れている。
        机の一番上の引き出しに文房具と一緒に赤いカードキーがある。
ゾンビ研究のカプセル――ファゾルフのいたカプセルは割れている。
地下実験場の扉――西棟と東棟でそれぞれ入手した鍵がないと侵入は不可能。

●研究棟イベント詳細

(1)『荷物移送ロープウェイ』
  この研究棟は西生活棟と東研究棟に分かれていますが、地下の実験棟によって繋がっています。しかし、実験棟で危険な実験を行う場合、実験棟は西と東を繋げる通路を含めて、全てを隔離します。その場合の緊急の荷物受け渡しの手段が、このロープウェイです。この事はPCにもPLにも教える必要はありません。聞かれたら応える程度です。
  ロープウェイを使う上でPLに言っておく事は――
・荷物用らしく1人が限界(総重量などは武器に関係するので適当にいいましょう。スペース的に1人が……等)
・通信機を誰が持つか確認して起きましょう。
  ロープウェイを使うと、西と東の中間点ぐらいで下の林の中にヘリポートが隠されている事がわかります。そこにヘリが2機ある事もわかります。通常のヘリと軍用ヘリがあります。
  乗ったPCが別の棟へと移動しきった所で、そのPLにもう1人のGMの方へ行って指示を仰ぐように言います。そのPLはキャラクターシートやダイスを持って移動となります。
  以降、メンバーが欠けた状態で作戦は進みます。
  PLがロープウェイのロープを伝って戻れるか?と聞いて来た場合、目の前でロープが切れてしまっていいです。

※PLがロープウェイで渡ってきたGMの方は、元々いたチームと、渡ってきたPCがなるべく合流できるように敵を使って誘導したりしましょう。この瞬間から、システムの動かし方を映画などでよくある『シーン制』にする事をお勧めします。

(2)『V−ウィルスによるゾンビ化』
  Vウィルスは生物の体液を媒介に感染します。つまりゾンビに噛まれたりした場合、そこから感染します。
  感染後、そのPCがどうなると完全にゾンビ化するか以下に箇条書きにします。

・感染した瞬間より3時間後に完全にゾンビ化します。
・感染後、さらにゾンビに噛まれるなどすると1時間ゾンビ化が早まります。基本的にゾンビに殴られたりする場合は感染しません。あくまで噛み付かれて体液が接触した場合に感染します。
・リアル時間で30分ごとに、感染したPCは<強靭>の判定をしてもらいます。失敗した場合、30分ゾンビ化が早まります。
・アスピリンを投与するとゾンビ化が3時間先延ばしにできます。1人に1度しかこの効果は得られません。
・パナルジンを投与するとゾンビ化が永久に(少なくともセッション中はずっと)先延ばしにできます。1人に1度しかこの効果は得られません。ただしパナルジンには副作用があり、投与したPCは血液の凝固作用が失われます。つまり[出血]した場合、血が流れ続けて死亡します。これはメディックがいてもどうしようも無い事です。
・メディックがいた場合、<医療>を成功させる事でゾンビ化を3時間先延ばしにできます。1人に1度しかこの効果は得られません。

※ゾンビ化するとNPCとなります。すぐ傍のPCに向かって襲ってきます。その時、ゾンビPCの<格闘>を4LV、耐久力が+30とします。判定はゾンビPCのPLにやってもらいましょう。

※アスピリン(別名バッファリン81):血液が固まらないようにする薬。
※パナルジン:血液を固まらないようにする薬。強力ですが副作用(血小板減少等)も報告されている。
  血小板が減少すると血が凝固しなくなり止血が不可能になります。

※ワクチン効果のあるアスピリンとパナルジン――Vウィルスは感染者の血液を一度完全に凝固させ死亡させます。そうなってからゾンビ化の変換を行うので、血液が固まらなくなる上記2種の薬は、ゾンビ化を遅行させる効果があるのです。

(3)『最後の扉』
  地下実験場への扉は、2つのカードキーが無いと開きません。研究主任の部屋で見つかる『赤いカードキー』と、所長の愛人が持っている『青いカードキー』です。
  2つを使うことで実験場の扉が開きます。
  扉を開いた時点で『リアル時間の18:35』を過ぎていた場合、と過ぎてない場合でイベントが違います。
  将門我門は、PC達と対話しFシリーズ完全体について説明したら、実験場の奥にあるエレベーターに乗りこんで地上のヘリポートに逃げます。

●18:35を過ぎていた場合
そこには6体のFシリーズ完全体が待ち構えています。所長の将門我門が中心に立っており――
「遅かったな犬どもが! だがお前等の悪あがきもここでおしまいだ! 世界は次世代の戦争へと突入する! このVウィルスを使った人体兵器によってな! 見よ、この完成したフォルム!」
「行け! Fシリーズ完全体! 犬どもをぶち殺せ!!」
  Fシリーズ完全体が動き出します。所長の将門我門は逃げ出します。追うPCは(6)へ、追わないPCは(4)へ行きます。

★18:35までまだ時間がある場合
  その部屋の中心には所長の将門我門が立っており――
「くっ! もう来おったか犬どもが! だがお前等の悪あがきもここでおしまいだ! 世界は次世代の戦争へ突入する! このVウィルスを使った人体兵器によってな! 見よ、この完成したフォルム!」
  言うと同時に、部屋にあった大きな円柱形のカプセルが6つ照らされます。そこにはFシリーズの完全体が1つにつき1人入っています。
「さぁ目覚めよFシリーズ完全体! そして犬どもをぶち殺すのだ!!」
  将門が叫ぶと共に、カプセルが足元から黒い液体で満たされていきます。そして将門我門は逃げ出します。追うPCは(6)へ、追わないPCは(5)へ行きます。

※Fシリーズ完全体――漫画ドラゴンボールに出てくるフリーザの完全体です。

(4)Fシリーズ完全体と戦闘
  Fシリーズ完全体6体と戦闘です。遠慮せずにやりましょう。この時点で時間がなくなっているのは確かなのですから……
  もしPCが負けて全滅した場合、Fシリーズ完全体は将門我門を追っていきます。刷り込みと同じく将門我門の言う事しか聞かないためです。Fシリーズ完全体は他のゾンビと違って多少なりとも知性があります。もっと言うと「……コノ……ごみドモメ……」とか台詞可能です。
  この戦闘でFシリーズを全滅させた場合は(7)に、Fシリーズを全滅できずにPCが全滅した場合は(8)へと行きます。

(5)Fシリーズ完全体の蘇生阻止
  Fシリーズ完全体の蘇生を阻止する場合です。カプセルを黒い液体(Vウィルスの凝縮液)が完全に満たすとFシリーズは目覚めます。これはTRSを使います。

Fシリーズ完全体の蘇生阻止TRS
『ターゲット:Fシリーズの入ったカプセルの破壊』
――リミットは7のカウント方式(8R目に入った時点でカプセルが開く)
レンジ1:【射撃】系   −20%(※1)  カプセルの1点に小さなヒビが入る。
レンジ2:【射撃】系   −20%(※1)  カプセルのヒビから縦に亀裂が入る。
レンジ3:【射撃】系   −20%(※1)  カプセルの亀裂がビシビシと音を立てて広がる。
レンジ4:【射撃】系   −20%(※1)  ガラス全体にヒビが入り中身が見にくくなる。
レンジ5:【射撃】系   −20%(※1)  カプセルの1つを破壊した!

※1 この修正は"部位狙い"を行う必要がある為である。爆発物で範囲攻撃の場合その修正は無効とする。

状況:
(1)距離は25m前後に位置する為、PCの慎重移動によって近距離にも中距離にもなる。
(2)カプセルはある1点を集中して撃つ方が破壊が速やかに行われるので、部位狙い(腕)のレベルで集弾さ
せる必要がある。銃機の貫通力などは関係ない。
(3)複数人で協力して1つのカプセルを破壊する場合、レンジが変わった時点で全てのコマを、そのレンジのスタート地点に置く。(例:PCAがレンジ2からレンジ3へ移動した瞬間、レンジ2の2マス目にいたPCBのコマもレンジ3のスタート地点へと置かれる)
(4)カプセルは6つあり、どれか1つを壊した時点で別のカプセルを壊す事が可能。その場合は現在進行しているレンジのスタート地点にコマを置く。

 このTRSで1つでもカプセルを破戒できないと、そのカプセルが開き(ガラス部分が地下に沈む)、黒い液体がザバァと流れ出すと同時に、Fシリーズが1歩2歩と進み出す。しかし、動き出したFシリーズは数歩歩いた時点で何も喋らず倒れる。以降、PCが調べると脈は無く死亡している事がわかる。
  死体でも危険と判断して銃で撃つなどダメージを与えた場合、与えたFシリーズ完全体を記録して置くこと。

 ※PCもPLも知らない事だが、Fシリーズが倒れ死亡したのはVウィルスによる血液の凝固……ゾンビ変換時の一時的な死亡である。

 このFシリーズが動かない事をPCに伝えたら、あまり長居をさせずに次のシーンへ向かう。エレベーターがタイミング良く降りてきた……などの演出を入れ、PC達に急ぎ将門我門を追うように示唆すると良い。
  このTRSでFシリーズのカプセルを全て時間以内に破壊した場合は(7)に、Fシリーズのカプセル破壊をいくつか破壊できなかった場合は(8)へと行きます。

(6)将門我門を追え
  エレベーターを使って地上へと逃げていった将門我門を追います。エレベーターのドアは自力で開きます。そこからエレベーターのシャフト/側面についている梯子を使って追うしかありません。
  エレベーターは業務用の超重量に耐えられるものなので、基本的にゆっくりです。

将門我門追跡TRS
『ターゲット:将門我門を追いかけ捕まえる』
――リミットは5のカウントアップ方式
レンジ1:<運動>     0%  エレベーターの梯子を使って昇る。
レンジ2:<運動>     0%  エレベーターの梯子を使って昇る。
レンジ3:<運動>   −10%  上り坂が少し急になってくる。
レンジ4:<運動>   −40%  エレベーターが下りてきて押し潰されそうになる。
レンジ5:<運動>   −20%  上り坂がほぼ垂直となる。

 エレベーターの梯子を上りきると、そこはヘリポート(ロープウェイから発見できた場所)です。
  レンジ4の移動中にリミット6に入った場合、そのPCはエレベーターに押し潰されて死亡する。これは先にPLに伝えておくこと。
  5リミット以内にクリアした場合、ヘリポートを余裕ぶって歩いている将門我門を捕まえる事ができます。将門我門は――「おのれ! 犬どもに殺されるぐらいなら!……カチリ」――と奥歯で何かを噛み砕くような音がすると、ビクリと跳ねてから動かなくなります。すでに脈は無く死んでいます。口元から一条の赤い血が流れました。PLには毒を飲んで死んだと思わせましょう。事実は奥歯に仕込んでいたFシリーズ完全体用Vウィルスを飲み込み、ゾンビ化の一時的な死亡になっただけです。すぐにシーンを変えます。
  クリアに6リミット以上費やした場合、ヘリポートで普通のヘリに乗り込んでいる将門我門が見えます。そこですぐにシーンを変えます。

(7)ラスト戦闘――vsエイリアン
  (4)か(5)でFシリーズを全滅/蘇生を全て阻止した場合にここに来ます。蘇生場に居たPC達が、戻ってきたエレベーターに乗ってヘリポートへと到着すると、そこでは将門我門と彼を追っていったPCがいます。追いついたか追いつかなかったによって、将門我門がヘリに乗っている/乗っていないの違いがありますが些細な問題です。最終的に将門我門はヘリに乗って戦闘するので、ここでは乗っていないとして進めます。
  ヘリポートに全員集ったところで軽く状況を整理させ、その後、全員に<感知>判定をさせます。成功したPCは気が付きます。エレベーター内を何かが強引に昇ってくる音に、そしてエレベータの扉が内側から強引に開けられていくのを……そう、Fシリーズの未完成体である『エイリアン』が1体、そこから出現します。こいつはまだ生きていたのです!
  PCがエイリアンに気を取られた瞬間、将門我門が動き出し(縛られたりした場合は、Fシリーズの怪力で引き千切ります)ヘリコプターへと乗り込みます。
  将門ヘリコプターとFシリーズ未完成エイリアン1体と戦闘です。ここはなるべくポイントマップを使います。将門ヘリコプターは旋回する事が必須なので、3ラウンドに1回しか攻撃して来ません。しかし3マス分の幅を1列まとめて掃射してくるので危険です。

(8)ラスト戦闘――vsフリーザ
  (4)か(5)でFシリーズを全滅失敗/蘇生で幾つかを破壊失敗した場合にここに来ます。蘇生場に居たPC達が、戻ってきたエレベーターに乗ってヘリポートへと到着すると、そこでは将門我門と彼を追っていったPCがいます。追いついたか追いつかなかったによって、将門我門がヘリに乗っている/乗っていないの違いがありますが些細な問題です。最終的に将門我門はヘリに乗って戦闘するので、ここでは乗っていないとして進めます。
  ヘリポートに全員集ったところで軽く状況を整理させ、その後、全員に<感知>判定をさせます。成功したPCは気が付きます。エレベーターの出入り口の天井が破壊され、その破壊され歪んだ天井に片足をかけ、怒りの形相でこちらを睨むFシリーズ完全体がいる事を! その後、生きているFシリーズ完全体(またはカプセル破壊が失敗した完全体)の数に合うように、周囲にFシリーズ完全体が現れます。
  PCがFシリーズ完全体に気を取られた瞬間、将門我門が動き出し(縛られたりした場合は、Fシリーズの怪力で引き千切ります)ヘリコプターへと乗り込みます。
  将門ヘリコプターとFシリーズ完全体数体と戦闘です。ここはなるべくポイントマップを使います。将門ヘリコプターは旋回する事が必須なので、3ラウンドに1回しか攻撃して来ません。しかし3マス分の幅を1列まとめて掃射してくるので危険です。

◆エンディング
  島から脱出、もしくは将門我門/Fシリーズを倒し敵が居なくなればミッション終了です。
●経験点
第1目標(2点)
  Fシリーズの破壊。
第2目標(1点)
  将門我門の殺害。

◆PC死亡時の対処
  今回のシナリオはリンクセッションで前後編なので、PCが死亡した場合そのPLは暇になってしまいます。そこで、前半で死亡した場合は後半から、後半で死亡した場合は後半の途中から新PCで参入してもらいます。

PC予備軍:
アニータ=シルベイラ
アルジュン=タージー
マーナ=ファゾルフ(ゾンビ状態)

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