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第六猟兵ＴＲＰＧ
シナリオ
第六猟兵ＴＲＰＧ（３）ＵＤＣアース・シナリオ
『赤い靴の少女』
■シナリオの概要
静岡県Ｓ市にて行方不明事件が発生、それは解纜教という邪神を信奉する邪悪な教団によるものだった。解纜教は浚った子供達を実験台にし異界への扉を開く儀式を行っており、ついにその儀式を完成させる。それは神隠しから戻ってきた子供の記憶を代償に異界への扉を開くというものだった。
ＰＣ達は解纜教から逃げだした少女、岩崎美希と出逢う事でこの事件に関わっていく。
そして美希を逃がす手助けをした解纜教の巫女、鬼姫真白との邂逅もまた、事件の真相へ辿り着く手がかりとなる。最後に解纜教の教主である境口雨情と、雨情が異界の門から呼び出した解纜教が信奉する邪神である異人さん（ザ・フォーリナー）を倒し、異界の門を閉める事が出来ればこのシナリオは終了となる。
■シナリオの背景
邪神『異人さん（ザ・フォーリナー）』を信奉する宗教団体『解纜教』。
解纜教は約百年前（１９２２年頃）に発足した宗教団体であり、その教義は「地獄たるこの世界を旅立ち、幸せな異世界へ行こう」というものである。赤い靴を履いた女の子を生け贄に捧げるという奇妙な祝祭によって、信者達のうち何人かは超自然の力を得たり、教義通りの結末を迎えたりしていた。
今から３年前、異界理論の研究者である境口雨情が入会する事で、神隠しにあって戻ってきた子供に共通する波長を研究・増幅する事で、異界の門を強引に開き解纜教の信徒全てを異界に導くという計画が持ち上がった。
■ステージセッティング
●世界観説明＜ＵＤＣアース＞
●ＵＤＣアースの特殊用語
ＵＤＣ（アンディファインド・クリーチャー）
ＵＤＣ（アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ）
この世界は現代の地球と考えて貰って構いません。ただ私達のいる地球と違っているのは「ＵＤＣ（アンディファインド・クリーチャー）」と呼ばれる太古から蘇った邪神とその眷属達が存在し、それに対抗する為、狂気にさらされながらも邪神を取り込み力とする人類防衛組織「ＵＤＣ（アンダーグランド・ディフェンス・コープ）」が存在する事です。
今はまだ「ＵＤＣの存在は民間人に知られていません（怪物も人類組織もどちらも知られていません）」。しかし最近では怪物達が凶暴化、頻出化し、ＵＤＣ組織だけでは手が足りなくなってきています。
狂気を狂気で駆逐せよ！ それが、このＵＤＣアースでの冒険です。
●キャラクターの作成
▼ＰＣ① ＵＤＣアース出身。行方不明になった年下の幼馴染みがいる。
＜アクシスコード：岩崎美希を救う＞
▼ＰＣ② 猟兵として多様な世界でいくつもの事件を解決した事がある。
＜アクシスコード：真白への興味＞
▼ＰＣ③ 猟兵として多様な世界でいくつもの事件を解決した事がある。
＜アクシスコード：子供達を助ける＞
▼ＰＣ④ 猟兵として多様な世界でいくつもの事件を解決した事がある。
＜アクシスコード：境口雨情へのわだかまり＞
キャラクターの名前を決定し、各々自己紹介をして貰います。
■アクシスコード
●ＰＣ① 出身世界：ＵＤＣアース
きみにはかつて岩崎美希（いわさき・みき）という年下の幼馴染みがいた。
病弱で入退院を繰り返すような身体の弱い子で、今から５年前、彼女は忽然と病院から姿を消した。そして５年の月日が流れ、きみは再び彼女に出逢う。
「あなたは……誰？」
そう、記憶を失った幼馴染みに……。
＜アクシスコード：岩崎美希を救う＞
●ＰＣ② 出身世界：自由
ＵＤＣアースでとある事件の調査中、きみは偶然カフェで同席になったアルビノの女性に、強引に恋人のフリをして欲しいと頼まれた。
どこか切羽詰まった物言いに、彼女の言う通りにする事にするも、最後に訪れた神社で複数のスーツ姿の男達が現れ、彼女は諦めたようにきみに別れを告げる。
「そうだ、私の名前を言って無かったね……私は真白（ましろ）、もう逢うことも無いと思うけど……楽しかったよ、ありがとう」
＜アクシスコード：真白への興味＞
●ＰＣ③ 出身世界：自由
ＵＤＣアースで起こった行方不明事件。
グリモア猟兵が提示したＵＤＣアースでの依頼を受け、きみは現場に向かった。
「夕飯の時間になっても帰ってこなくて……今まで、こんな事はなかったのに……」
行方不明になったのは子供ばかりだった。
グリモア猟兵が言うには、この事件にはＵＤＣが関係しているらしい。
子供達の安否が心配だ。
＜アクシスコード：子供達を助ける＞
●ＰＣ④ 出身世界：自由
今から３年前、ＵＤＣアースで研究者仲間から虐げられた老研究者が、邪神に心の弱さをつけ込まれ、自身を虐げた研究者達に復讐しようとする事件があった。
事件はきみら猟兵達によって未然に防がれ、被害者はゼロ、老研究者――境口雨情（さかぐち・うじょう）も一命を取り留め、責任を取らされるよう雨情は学界から追放された。
だが、事件を解決してもきみの中ではわだかまりは消えなかった。
果たして、きみたちの判断は間違っていなかったのだろうか……と。
＜アクシスコード：境口雨情へのわだかまり＞
■主要人物紹介
●岩崎・美希（いわさき・みき）
「あなたは誰……どうして、私に優しくしてくれるの？」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
岩崎美希は小さい頃から病弱で入退院を繰り返すような子供だった。
そんな家と病院を行き来するような生活だった為、友達はＰＣ①以外におらず、若干ＰＣ①に依存しているような子供である。
今から５年前、美希は入院中の病室から忽然と姿を消す。これはアリスラビリンスのオーガによる誘拐であり、美希はアリスラビリンスへアリスとして連れ去られてしまったのだ。
その後、アリスラビリンスの世界で死ぬ程辛く苦しい思いをしながら何とか扉を見つけ故郷たるＵＤＣアースへと戻ってきたのが数ヶ月前。その間に美希の両親は死亡しており、天涯孤独で元の世界に戻ってきた美希は、そこを解纜教に捕まり実験台とされてしまう。
実験台にされた代償で子供の頃の記憶も、アリスラビリンスの記憶も失った美希だが、それを哀れに思った鬼姫真白により解纜教から連れ出され、ＰＣ①と再会する事となる。
記憶を取り戻した場合、アリスラビリンス時代の壮絶な記憶が精神を蝕み、常に何かに怯える精神病に侵される。
アリスラビリンスの時代も、解纜教に捕まっている時代も、ＰＣ①と撮ったツーショット写真を常に持っており、ＰＣ①が疑うようであれば写真を取り落とし確証を持たせる事。写真はアリスラビリンス時代に貰ったペンダント（ロケット）に仕舞っている（パスケースに入れていたがボロボロになり写真だけアリス時代に移し替えた）。
▼外見、ロールプレイ、人称
年齢はＰＣ①より年下であれば調整可能。シナリオ上は16歳としている。
記憶喪失ではあるが自分の名前だけは覚えている。
ロングの黒髪の少女、パッと見は優等生な女子高生なイメージ。
自分の事は「私」、他人の事は「～さん」、ですます口調で丁寧なしゃべり方をする。
▼ユーベルコード
アリスラビリンス時代にアリスとしてユーベルコードを使用していたが、邪神「異人さん（ザ・フォーリナー）」に≪赤い靴（ザ・レッドシューズ）≫を使われている為、ユーベルコードも封印されており、また赤い靴は脱ぐことができない。
もし封印が解け、アドリブでユーベルコードを使用する必要が出てきた場合は、基本的に≪ガラスのラビリンス≫を使用すること。
≪ガラスのラビリンス（がらすのらびりんす）≫
戦場全体に、【透明なガラス】で出来た迷路を作り出す。
迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
▼元ネタ
赤い靴はいていた少女の元となったと言われる岩崎きみ。
●鬼姫・真白（おにひめ・ましろ）
「私は真白（ましろ）、もう逢うことも無いと思うけど……楽しかったよ」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
鬼姫真白も岩崎美希と同様、アリスラビリンスでアリスとして戦い続けた女性である。
アリスラビリンスでの真白の呼び名はオーガ・プリンセスであり、心の弱さにつけ込まれオーガになりかけた過去を持つ。
だが、アリスラビリンスの仲間達のおかげが自我を取り戻した真白は、なんとかアリスラビリンスを脱出、しかし偶然が重なり真白は自身の扉ではなく、仲間のアリス（春野・桜）の扉を一緒に潜ってしまいＵＤＣアースへと流れ着く。しかも運悪く、見慣れぬ地を彷徨っている時に解纜教に捕まってしまう。
しかし真白は解纜教の目的が、自身の目的（故郷に帰る）に利用できると考え、自ら志願し研究と儀式に協力、その特異な力（アリスとしてのユーベルコード）もあり、解纜教のナンバー２とのし上がる。オーガ・プリンセスという名は現地（日本）では通りが悪い為、鬼姫真白と名を変えた。
自身の目的の為に解纜教に協力するが、美希や奉子達のような犠牲者は出来るだけ出したくなく、美希を逃したのもそれ故である。美希を安全な所まで連れ出したかったが、途中で解纜教に追いつかれそうになっていると気づいた真白は、自身を囮に、美希だけ逃すことにする。
▼外見、ロールプレイ、人称
20歳のアルビノの女性、私服時は白いブラウスにジーンズ、赤いヒール、やや無骨な鞄。解纜教の巫女として登場する際は赤い袴の巫女服に赤いヒールの姿となる。
真っ白な髪の毛と、赤い瞳が印象的な女性。
自分の事は「私」、他人の事は「あなた」。誰でも気さくな感じで喋る。
▼ユーベルコード
邪神「異人さん（ザ・フォーリナー）」の≪赤い靴（ザ・レッドシューズ）≫によってユーベルコードは封印されているが、異人さんか異人さんと繋がっている境口雨情の許可があればユーベルコードを使う事が可能である（基本的に常に許可が出ているので鬼姫真白は自由にユーベルコードを使用できる）。
≪ラビリンス・オブ・ヘル（じごくのめいきゅう）≫
戦場全体に、【生気を吸い取り対象の動きを止める無数の骨】で出来た迷路を作り出す。
迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
≪アリス・ミラージュゲート（ふしぎのくにのとびら）≫
【鏡の扉が出現し、指定した者達】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現（テレポート）する。
▼元ネタ
無し。
●境口・雨情（さかぐち・うじょう）
「わしは間違っていない！ 異界の門を開き、わしは歴史に名を残すのだ！」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
異界理論の提唱者であり、そのトンでも理論故に学会で仲間外れにされ他の研究者からも厄介者扱いされていた。研究者仲間から虐げられ、その心の弱さに邪神につけ込まれ邪神の力で復讐しようと３年前に事件を起こしたが、猟兵達の介入によって未然に防がれ、犠牲者は０、主犯の雨情も記憶消去と社会的抹殺処分（学会追放）となり命までは取られる事はなかった。
だが３年前の事件が雨情の心に暗い焔を灯し、記憶を取り戻すと共に再び自らの理論を証明する為、異界への旅立ちを掲げる解纜教に近づき数年を賭けて自らが教祖となる。
教祖となってからは解纜教の金と人材と邪神の力を使い、異界の門を開く儀式の実験を続けている。
解纜教が信奉する邪神『異人さん（ザ・フォーリナー）』に力を分け与えられており、
ある程度のユーベルコードは使用可能。
▼外見、ロールプレイ、人称
70歳の男性、研究者時代は白衣を纏っていたが、解纜教の教主となってからは装束を着ている。
禿頭に顎髭の老人、重たい瞼に目が潰れて見えないが、その瞳には暗い焔が燃えている。
自分の事は「わし」、他人の事は「お前」。誰にでも偉そうに話す。
▼ユーベルコード
≪異界生物理論（ＵＤＣシオリィー）≫
無敵の【自律行動するＵＤＣ達や邪神達】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、
能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
≪奉子発見計画（プロジェクト・ＵＤＣシオリィー）≫
【神隠しから戻ってきた子を見つける】という願いを【解纜教の信徒達】に呼びかけ、
「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合に応じた範囲で実現する。
▼元ネタ
童謡「赤い靴」の作詞家である野口雨情より。
●邪神・異人さん（ザ・フォーリナー）
「ＷＯＲＯＲＯＲＯＲＯＲＯＲＯＲＯＲＯ……！」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
解纜教が信奉する邪神。ＵＤＣアースと別の次元に封印されており、解纜教の信徒達を使って自身が通り抜けられる門を作り、ＵＤＣアースに顕現しようと目論んでいる。
▼外見、ロールプレイ、人称
帽子を被った揺らめく巨大な黒い人型の影。全長は20ｍ～40ｍ程。
解纜教の教祖とは意思の伝達は出来る。それ以外の人間とは不可能。
叫び声は人語とは思えぬ雄叫びとも悲鳴ともつかない声を響き渡らせる。
▼ユーベルコード
≪異人さんのお国（フォーリナー・ロード）≫
【拒否時にＨＰが１減るダメージを受ける言葉】を放ち、レベルｍ半径内の指定した対象全てを
「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
※拒否しなかった場合、別次元に飛ばされる。戻ってくる手段がなければ退場扱い。
≪赤い靴（ザ・レッドシューズ）≫
命中した【ら対象のユーベルコードを封じ続け、居場所】の【補足を可能とする呪いの波動】が
【対象の足に纏わり付き、赤い靴】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
≪異界より出でし者達（ダウツサニティ・クリーチャー）≫
【チャレンジの成功率を０にする異界の怪物達】の霊を召喚する。これは【理解不能の武器】や
【認識不能の言葉】で攻撃する能力を持つ。
▼元ネタ
童謡「赤い靴」に出て来る異人さん。
●ヒュエット
「Ｈｙｕｅｅｅｅｅ……！」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
解纜教が信奉する邪神【異人さん（ザ・フォーリナー）】の眷属。
▼外見、ロールプレイ、人称
２ｍほどの十字架に無数の手が生え、十字架の中心に瞳がある邪神の眷属。
その瞳を見た者は狂気と共に記憶を忘却する。
▼ユーベルコード
≪狂気の瞳（きょうきのひとみ）≫
自身の身体部位ひとつを【見た者の記憶を操作する狂気を放ち続ける瞳】に変異させ、
その特製を活かした様々な行動が可能となる。
≪潰す手達（つぶすてたち）≫
【掴んだものを捻り潰す無数の伸びる手】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数の
どれを重視するかを選べる。
≪もう１人の自分（もうひとりのじぶん）≫
自身が戦場で瀕死になると【特殊能力【ダブルコード】を持つヒュエット】が召喚される。
それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
▼元ネタ
童謡「赤い靴」に出て来る異人さんの元となったと言われる宣教師の名前。
●バブルソープ
「（キラキラキラキラ）……」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
解纜教が信奉する邪神【異人さん（ザ・フォーリナー）】の眷属。邪神。
特殊能力【見切り】を持っており、この敵に同じユーベルコードは通じない。
同じユーベルコードを使用すると２回目以降ユーベルコード分の成功率を得られません。
▼外見、ロールプレイ、人称
50ｃｍ～３ｍほどの無数のキラキラした透明な玉。しゃぼん玉にみえる。
▼ユーベルコード
≪奪い尽くす泡（スティールバブル）≫
自身の【分身で体当たり攻撃し、自身の表面】から【対象のアイテムを取り込み宙に漂う泡達】を
放出し、戦場内全ての【アイテムによる成功率】を無力化する。
ただし１日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
≪忘れ尽くす泡（スキルロストバブル）≫
自身の【身体から猛毒を噴出し、自身の表面】から【対象の技能を忘却させる泡達】を放出し、
戦場内全ての【技能による成功率】を無力化する。ただし１日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
≪反射し尽くす泡（ドッペルバブル）≫
自身の【分身たる泡】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで
［分身たる泡］から何度でも発動できる。
▼元ネタ
童謡「赤い靴」の作者の別作品しゃぼん玉より。
●七つの子
「ＫａＲａａａａａ……！ ＫａＲａａａａａ……！」
▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
解纜教が信奉する邪神【異人さん（ザ・フォーリナー）】の眷属。
▼外見、ロールプレイ、人称
無数の翼と無数の嘴を持つ大型の黒い鳥のような異次元生物。七匹同時に現れるが七匹で１体の生物として存在する。
▼ユーベルコード
≪狂気の子（きょうきのこ）≫
自身の【嘴で攻撃し、自身の翼】から【対象のアイテムを弾き、技能を忘却する羽】を放出し、
戦場内全ての【アイテム及び技能による成功率】を無力化する。
ただし１日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
≪子の勝手（このかって）≫
戦闘力が増加する【物理透過の肉体を持つ七首大蛇】、
飛翔力が増加する【精神攻撃無効を持つ巨大鴉】、
脅かせ力が増加する【事で自身を見た対象を狂気表送りにする群体】のいずれかに変身する。
※ 狂気表については、第六猟兵TRPG（3）UDCアースを参照
≪七つの子（ななつのこ）≫
自身が戦場で瀕死になると【特殊能力【ダブルコード】を持つ七つの子】が召喚される。
それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
▼元ネタ
童謡「赤い靴」の作者の別作品七つの子より。
■その他紹介
◆解纜教（かいらんきょう）
邪神『異人さん（ザ・フォーリナー）』を信奉する宗教団体。
創立は約百年前（１９２２年頃）であり、教義は「地獄たるこの世界を旅立ち、幸せな異世界へ行こう」というものである。信者は約200人ほど。
解纜とは出航の意味を持ち、異界へと出航する、という意図で付けられている。
◆奉り子（まつりご）
解纜教に誘拐された神隠しから戻ってきた子供達の総称。解纜教では特別な巫女として崇められており特別待遇を受けているが、解纜教の外の世界へは出られない。
全員が共通して赤い靴を履かされており、それが邪神『異人さん（ザ・フォーリナー）』によるマーキングであり、これによりユーベルコードが封印され、またどこに居ても居場所が邪神には解る（異人さんより教祖である雨情に居場所が伝わる）。
◆静岡県Ｓ市
富士の樹海に行ける立地でそれっぽい場所として。
◆神奈川県Ｙ市
赤い靴履いてた女の子の歌の舞台の港町としてそれっぽい場所として。
■シナリオ本編
●キャンペーン『赤い靴』
※冒頭１～５は、通常のＴＲＰＧのようにプレイしても良いし、箇条書きの情報として口頭で簡略化した情報のみをＰＬに伝えても良い。もちろん、前者の方が感情移入は深くなるだろうが、セッション時間等と相談した方が良いだろう。
◆冒頭１：虐げられし研究者の復讐（ＰＣ④）
今から３年前、ＵＤＣアースで研究者仲間から虐げられた老研究者が、邪神に心の弱さをつけ込まれ、自身を虐げた研究者達に復讐しようとする事件があった。
きみはその依頼を解決する為、依頼を一緒に受けた他の仲間達と共に、事件が起こっている大学の研究室に飛び込み、間一髪、被害に遭う予定だった研究者達を助ける事が出来た。
そして、きみ達の前には邪神に取り憑かれた男――境口・雨情（さかぐち・うじょう）が憎悪に燃えた瞳できみ達を睨み付け。
「なぜだ！ どうして邪魔をする！ 奴等は、このわしを！ わしの理論を！ バカげた妄想だと一笑に付し、研究費や設備など、わしの分を横領し、自分達だけが利益を得ていたクズどもだ！」
還暦を過ぎた研究者が叫ぶと同時、影から闇が立ち上がるよう邪神の気配が強まる。そして……。
邪神を倒すと同時、境口の髪の毛が全て抜け落ち、がっくりと膝を突く。
「わしは……ただ、わしの理論を皆に認めさせ、世の中にわしの名を残したかった……だが、その努力の機会すら奴等に奪われ……わしは、わしはどうすれば良かったのだ……何が間違っていたのだ……」
きみ達のおかげで事件は被害ゼロにて解決した。
首謀者の老研究者、境口雨情も一命を取り留め、責任を取らされるよう学界から追放された。
だが、事件を解決してもきみの中ではわだかまりは消えなかった。
果たして、きみたちの判断は間違っていなかったのだろうか……と。
＜アクシスコード：境口雨情へのわだかまり＞
◆冒頭２：グリモア猟兵からの依頼（ＰＣ全員）
背後の風景が次々に違う世界の景色に代わる小さな世界。グリモアベース。
その一角で、菊模様の黒い着物を着た少女、グリモア猟兵の四華森・花（しかもり・はな）は、集まった４人の猟兵達に此度の依頼を説明する。
「皆さん、集まって頂きありがとうございます。今回の依頼はＵＤＣアースで起こった行方不明事件です」
花が言うにはＵＤＣアースのとある地域で、子供達が一斉に行方不明になった事件が発生したらしい。そしてその事件にＵＤＣ（アンディファインド・クリーチャー）――邪神の気配を感じ取ったと言う。
「誘拐された子供達はＳ県Ｓ市にある児童養護施設藤に所属していた子供達数人です。行方知らずになったのは今から３日前の夕方、それ以上の詳細については、現地で直接調査願います」
どうやら今回の予知は、邪神が関わっている事こそ感知出来たが、それ以外の詳細は解らなかったらしい。代わりに、現地での調査で困った事があったら、ＵＤＣ（アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ）のＳ市支部に言えば、協力して貰えるとの事だった。
「それでは皆さんが事件を解決できるよう祈っています。宜しくお願い致します」
そう言って花は、輝く菊の花を手に生み出すと、ヒラヒラと菊の花びらが舞うと同時、全員でＵＤＣアースへと転移したのだった。
◆冒頭３：児童養護施設藤（ＰＣ③）
ＵＤＣアースで起こった行方不明事件。その解決の為、まずは被害にあった子供達が所属していたという児童養護施設藤にやってきたきみは、施設の婦長さんから話を聞いていた。
「夕飯の時間になっても帰ってこなくて……今まで、こんな事はなかったのに……」
「いなくなったのは１年生から６年生までそれぞれ１人ずつ、計６人、男女比も半々、真面目な子もやんちゃな子もいて、６人で揃って遊ぶような事もなかったと思うんです……もちろん、２人で遊んだりはあったでしょうが、基本的に学校の同学年の友達と遊ぶ事が多くて、もし身内で遊ぶ場合も、施設に帰ってきてからの場合がほとんどでしたから……」
行方不明になった子供達６人について聞いた所は以下の通りだった。
小学１年生、一番屋ヒロ（いちばんや・ひろ）、男。
小学２年生、似鳥ふみ（にとり・ふみ）、女。
小学３年生、三菱美衣（みつびし・みい）、女。
小学４年生、吉本洋平（よしもと・ようへい）、男。
小学５年生、幸楽苑五香（こうらくえん・いつか）、女。
小学６年生、ロック・ムーア（ろっく・むーあ）、男。
どの子も、学校から帰って来て、外に遊びに行ったっきり帰って来なかったらしい。
「どうして、あの子たちがこんな目に……」
婦長さんに頼んで６人の写真を借り受けるきみ、どの写真にも子供達が元気に遊んでいる姿が移っている。
この事件を解決し、なんとしても子供達を助けなくては。
＜アクシスコード：子供達を助ける＞
◆冒頭４：謎の美女とのデート（ＰＣ②）
ＵＤＣ絡みのアースで起こった行方不明事件、その調査のためきみは現地でいろいろ聞いてまわっていた。
そして、少し疲れを感じカフェのテラス席で休憩しつつ情報を整理していると……。
「ここ、相席良いかしら」
20歳ぐらいの女性だった。赤いマフラーに白いブラウスと紺色のジーンズ、赤いヒール、やや無骨な鞄が不釣り合いだが、何より印象的だったのは真っ白な髪の毛と、赤い瞳だった。アルビノというヤツだろう。
ふと、視線を感じると相席に座った女性がきみの事を見つめていた。
「ああ、ごめんなさい。なんでだろう、なぜか……あなたから不思議な感じがして……」
「あなた、普通の学生って訳じゃないんじゃない？」
「だって、昼間っからこんな処でお茶している学生さんがいるとは思えなくって」
他愛ない雑談をして、きみが丁度立ち上がった時だ。目の前の彼女もガタリと立ち上がり、テーブルに十分なお札を置くと、ガッときみの腕を組み、やや強引に歩き出す。
「ごめん、ちょっとだけ付き合って」
そう言った彼女の声は強ばり、何か切羽詰まったように聞こえた。
その後も、強引な彼女に引っ張られるように、本屋で２人で本を選んでいるフリをさせられたり、ブランドショップの前で恋人のようにウィンドウショッピングをしているフリをさせられたり、露天でなんだか解らないものを一緒に買わされたり……まるで強引なデートのように連れ回され。そして百段近い階段を昇らされ高台の神社へ辿り着く。
「ねぇ、せっかく来たんだから、あなたもこの絵馬っていうの書いたら？」
アルビノの女性が絵馬を結びつつきみに言う。
ここまで強引だったのもあり聞きそびれていたが、そろそろ聞いても良いだろう。
きみには解っていた。彼女が誰かからか逃げるように恋人のフリをしていたという事に。
「え、そうだったかな？」
惚けてみせる彼女だが、どこか諦めた風でもあり。
「ごめん、私の事情に付き合わせちゃって……きみ、いい人だね」
僅かな沈黙、そして、その沈黙を破るように何処かしこからスーツ姿の男達が姿を現す。
「どうやら時間切れみたい……」
『鬼姫様、これ以上勝手な振るまいは、我等も教祖様にご報告せねばなりませんぞ』
「わかってるわよ」
アルビノの彼女は、スーツ達に囲まれるように去って行く。
「そうだ、私の名前を言って無かったね……私は真白、もう逢うことも無いと思うけど……楽しかったよ、ありがとう」
＜アクシスコード：真白への興味＞
◆冒頭５：突然の再会（ＰＣ①）
今から５年前の話だった。
入退院を繰り返すほど病弱だった近所の幼馴染みの岩崎美希（いわさき・みき）が、また入院したというので、きみはいつも彼女がお世話になる病院へとやって来ていた。
看護師さん達にもきみの事はすでに知れ渡っており、顔パスで彼女の部屋に案内される。
３階の角部屋が、いつも彼女が入院する時に入る部屋だった。
「ＰＣ①ちゃん！ 来てくれたんだ♪」
きみが部屋に入ると、ベットから起き上がって彼女が笑顔を見せる。
「ごめんね、今日は公園でＰＣ①ちゃんが作った凄い飛ぶ紙飛行機を見せてくれるって約束だったのに……」
彼女は心臓が弱いらしく、運動は控えるよう言われていた。だが、病室から紙飛行機を飛ばすぐらいは問題無いだろう。きみが窓から飛ばした紙飛行機は、風を掴んで思ったより遠くまで飛んで行く。
「うわぁ?」
「私も、いつか、あんな風に自由にどんな所でも行けるようになれたらなぁ……」
「うん、それが私の夢なんだ。その時はＰＣ①ちゃんも、一緒に行ってくれる？」
「約束だよ」
そして、その日を最後に、きみの幼馴染みは忽然と姿を消した。
翌日の朝、看護師が部屋を開けた時にはベッドはもぬけの空となり、彼女は行方不明になったのだ。
その日から、美希の両親は八方手を尽くして行方を捜したが、結局彼女を見つける事は出来なかった。そして、その絶望感からか美希の母親は身体を壊しそのまま病死し、また美希の捜索資金を稼ぐ為に無理に働いていた美希の父親も同じく身体を壊し他界してしまった。
あの日から５年の月日が流れた。
きみは猟兵となり、もしかしたら彼女が行方不明になったのはＵＤＣのせいなのではと思うようになっていた。
そして、今回のＳ市で起こった子供の行方不明事件も、何か関係が無いかと思っていなかったと言えば嘘になる。
そして、調査の為にＳ市を歩いている時、運命はきみの前に現れる。
その少女はキョロキョロと不安そうに周囲を見回しながら歩いていた。
赤いワンピースに赤い靴、そんな場違いな格好のまま、彼女――岩崎美希は、５年の月日が流れ16歳に育った姿で、そこにいたのだ。
きみが近づき呼びかけると。
「どうして……私の名前を知っているの？ あなたは……誰？」
「わからない、私はどこから来たの？ 家も、故郷も、何もかも……名前しか、思い出せない……思い出せないの……！？」
５年越しの再会、しかし幼馴染みの美希は、きみの事どころか、全てを……そう、記憶を失っていたのだった……。
＜アクシスコード：岩崎美希を救う＞
●追加ルール【キーワード調査】
通常のシナリオの進め方として、本編の事件とは関わりないキーワードを調査する事が可能。
キーワードはそれぞれ独自の難易度を持っているが、それにより本編のシナリオ難易度が減る事もあれば、減らない事もある。この事は事前に参加者に伝えておく事。
また調査できるキーワードは最初から調べられるキーワードと、途中から調べる事が可能となるキーワードがある。キーワードは本編に関係のある内容が発覚するものもあれば、まったく無関係の内容のものもある。
●第１話『行方不明事件』
シナリオフレーム：オリジナル＜冒険→冒険→ボス戦＞
１章：事件の調査／難易度９０
２章：樹海のアジト／難易度１２０
３章：儀式場／難易度１５０
◆シナリオの内容：
▼１章：事件の調査／難易度９０
行方不明事件の調査を行うと、子供達は養護施設に学校から帰ってきた後、外に遊びに行き、施設に帰ってきた所を付近の道路で待ち伏せていた誘拐犯達によって車に拉致され、連れ去られた。犯人グループの乗っていた黒いバンの行方を探ると、富士の樹海付近で車を止め、子供達が入った袋を担いで樹海に入っていったのが解る。誘拐するタイミングでＵＤＣ怪物（ヒュエット）が誘拐犯のバンから現れ、目撃者や監視カメラのチェック員の思考を狂気に侵し、事件の調査を遅らせている。
▼２章：樹海のアジト／難易度１２０
樹海の中、蔦と木々で隠された洞窟に誘拐犯のアジトがある。アジトの中は壁こそ岩を削ったままだが電線が通され電気も通っている。
・【診療室】
誘拐された子供達が寝かされているベット室がある。ベットは１０台、誘拐された子は全員寝ている。
・【奉子の部屋】
電子ロックの部屋がある。窓（マジックミラーでこちらからは中が見える）が扉に付いており、中が見える。中には中学生ぐらいの子供達計４人がゲームや玩具やらで遊んでいる。４人とも巫女服＋赤ポックリ。
・【執務室】
事務やら書類やらのある部屋。行方不明の６名は大事な奉子を消費しない為の実験台として誘拐した。奉子は下記４人（本当は５人目（岩崎美希）もだが、美希を逃がす際に鬼姫真白が書類は処分した）。この組織は解纜教（かいらんきょう）と言う。
春野・桜（はるの・さくら）中学３年生、女子、１５歳。
江夏・海（えなつ・うみ）中学２年生、女子、１４歳。
秋山・月（あきやま・るな）中学１年生、女子、１３歳。
冬木・雪（ふゆき・ゆき）中学１年生、女子、１２歳。
以降、キーワードとして【奉子】【解纜教】を調べる事が可能。
・【儀式場】
大きなホールのような場所、左右に解纜席が段状にあり、そこに信者達がたくさんいる。儀式の広場には境口が異界への扉がもうすぐ完成すると演説している。境口の傍には鬼姫真宙が赤いマフラーに赤いヒールだが、服装だけは巫女服となっており静かに佇んでいる。
▼３章：儀式場／難易度１５０
儀式場にいる境口か鬼姫に話しかける。
境口は邪魔が入ったと言い「我等が崇め奉りたる大いなる神よ、我等が解纜の邪魔する者達を、その力の片鱗にて打ち払いたまえ」と、信仰する邪神に祈ると同時、ＵＤＣ怪物（ヒュエット）が現れ戦闘となる。
その戦闘中に、境口雨情と鬼姫真白、周囲の信者達、そして奉子達が姿を消す。誘拐された子供達は無事（必要なくなったので置いて行かれた）。誘拐した子供達を助けた事になるので依頼は達成、シナリオは成功となる。
ちなみに境口雨情達が姿を消すと同時、邪神の力で居場所を感知し境口雨情（または邪神『異人さん』）は、岩崎美希を再度誘拐してしまう。
●ヒュエット
データは主要登場人物参照。
●第１話終了時の成長を行う。
●キーワード
▼キーワード【３年前の事件（境口の事件）】難易度１０
所属する大学の他の教授達から、境口への嫌がらせ（費用の改ざんや設備申請の不備など）を受けていたが、自身の異界理論を纏めたデータや論文をデリートされた事で限界を迎え、邪神につけ込まれた。当時の資料で邪神は人の心につけ込む怪物であり、今回のシナリオとは無関係のようだ。
▼キーワード【境口雨情について】難易度２５→３→０
異界理論の提唱者であり、そのトンでも理論故に学会で仲間はずれにされ他の研究者からもはみ出し者として厄介者扱いされていた。
３年前の事件後、記憶を取り戻すと共に、再び自らの理論を証明する為、異界への旅立ちを掲げる宗教を見つけ、その宗教に入信、３年を賭けて自らが教祖となる。
教祖となってからはその宗教――【解纜教（かいらんきょう）】の金と人材と邪神の力を使い、異界の門を開く儀式の実験を続けている。
▼キーワード【鬼姫真白について】難易度２５
戸籍を調べるも登録が無く、その名前は偽名だと推測される。ただし、ＵＤＣ本部のデータバンクを漁ると、２年前に似た風貌の女性（当時１８歳ぐらい）が、春野・桜（はるの・さくら、当時１３歳）という少女と共に、神隠しから戻ってきたとの記録がある。春野桜は記憶混濁で病院へ、一緒にいた１８歳ぐらいのアルビノの女性も病院へ搬送されたと記されている。その後、ほどなくして春野とアルビノの女性は病院から行方不明となる。
▼キーワード【岩崎美希について】難易度４０
・いろいろ話しかけるとアリスラビリンスの冒険を思い出す。「お菓子の家」「しゃべる動物たち」「怖いオーガが……熊さんを、スプーンさんを、みんな、みんな……！」「やめてやめてやめて！」「誰も助けに来てくれない、独りぼっち、誰も誰も誰も！」
・美希が室内でも赤い靴を履いている。脱がすがちょっと目を離すと赤い靴が足に収まっている。
・話かけ続ければ記憶がだんだん戻ってくるのが解る。医者から「相当辛い記憶を持っているようだ、記憶が戻った時、精神がどうなるかわからない」と告げられる。
＜この状態ならＰＣ①と昔話を語ったり、懐かしい話をしたりできる＞
・それでも話しかける場合、扉を見つけてやっと戻ってきた事、解纜教の信徒達に捕まって奉子と呼ばれていた事。何かの実験に利用され記憶を失った事を思い出す。同時、精神病を発病、誰か１人と１対１の状態なら問題無いが、自身の視界に２人以上を認識するとその全てが化け物に見え恐慌状態となる。恐恐状態で強引な手段に出るとユーベルコードを使おうとする（赤い靴で封印されており使えないが）
→難易度０にすると現時点で進行中の本編シナリオ難易度が２０減少する。
▼追加キーワード【春野桜】難易度２０
今から５年前、当時１０歳の時、サナトリウムの個人部屋から行方不明となった。
今から２年前、神隠しから戻ってきてふらふら歩いている所を保護された。この時、アルビノの女性（１８歳ぐらい）と一緒にいた。２人とも病院に搬送されるも、暫くしてその病院から行方不明となる。
→難易度０にすると【奉子４人について】の難易度が２０減少する。
▼追加キーワード【奉子４人について】難易度４０
春野・桜（はるの・さくら）中学３年生、女子、１５歳。
江夏・海（えなつ・うみ）中学２年生、女子、１４歳。
秋山・月（あきやま・るな）中学１年生、女子、１３歳。
冬木・雪（ふゆき・ゆき）中学１年生、女子、１２歳。
時期は違えど、４人ともサナトリウム・病院・アサイラムの個人部屋から数年前に行方不明になっている。うち半分（春野と江夏）はＵＤＣアースに帰還し保護された記憶がある。その２人も病院搬送後、再び行方不明となった。
→難易度０にすると現時点で進行中の本編シナリオ難易度が２０減少する。
▼追加キーワード【解纜教について】難易度２５
解纜教（かいらんきょう）、邪神を信奉する宗教団体。
創立は約百年前（1922年頃）であり、教義は「地獄たるこの世界を旅立ち、幸せな異世界へ行こう」というものである。
解纜とは出航の意味を持ち、異界へと出航する、という意図で付けられている。
→難易度０にすると現時点で進行中の本編シナリオ難易度が１０減少する。
▼追加キーワード【赤い靴について】難易度２５
どうやらユーベルコードの力によって具現化されている靴のようだ。脱がしても再び足に履いてしまう……というより足に具現化する感じ。邪神の気配を感じる。
→難易度０にすると現時点で進行中の本編シナリオ難易度が４０減少する。
●幕間（前半）
※幕間１～５は、通常のＴＲＰＧのようにプレイしても良いし、箇条書きの情報として口頭で簡略化した情報のみをＰＬに伝えても良い。もちろん、前者の方が感情移入は深くなるだろうが、セッション時間等と相談した方が良いだろう。
◆幕間１：子供達のその後（ＰＣ③）
樹海のアジトから行方不明になっていた６人を救出したきみ達。
子供達は念のために病院で検査を受ける事となり、その結果、身体的に疲労は見えてもその他外傷等はなく問題無いとの事だった。
ただし、あくまで肉体的な問題は……だ。
ＵＤＣの医者が言うには６人が６人、記憶喪失状態になっていると言う。
「自分の名前や簡単な一般常識程度は覚えているようですが、それ以外に関しては何も……６人が６人とも、です」
「邪神の影響で狂気に陥り、同じような症状が出る事はあります。ですが、これは今まで看た恐怖や狂気から来る記憶障害とは違うように思えるのです……」
「忘れている……というより、すっぽりと消えてしまったというか……」
医者の話はそこまでだった。
外に出ると別にエージェントが待っており。
「樹海のアジトをくまなく捜しましたが、巫女服の子供４人の姿は見当たりませんでした……どうやら、首謀者達と共にいなくなったようで……」
まだ被害は続く、確実に。
◆幕間２：境口雨情のその後について（ＰＣ④）
キーワード【境口雨情について】の情報を得る。
事前にこのキーワードについて調べ尽くしていた場合、別のキーワードをＰＣ④の自由に調べる（判定する）事が可能。
◆幕間３：岩崎美希について（ＰＣ①）
キーワード【岩崎美希について】の情報を得る。
事前にこのキーワードについて調べ尽くしていた場合、別のキーワードをＰＣ①の自由に調べる（判定する）事が可能。
美希の持ち物として、しわくちゃの写真があったと告げられる。それはＰＣ①と子供の頃に撮ったツーショット写真であり、きっとアリスラビリンスでの逃亡生活中もずっと握りしめていたであろう事がわかる。
そして、岩崎美希が誰かに連れて行かれて再び行方不明となるが、監視カメラにはどこからか転移してきた境口雨情が現れ、岩崎美希を連れて再びどこかに転移する姿が映っている。これはＰＣ①に伝えて良い。
◆幕間４：再びの邂逅（ＰＣ②）
ＵＤＣの人たちから事件の結果を聞いた帰り道、電車を待つホームに立った時に景色が代わる。暗く赤い空、骨をちりばめたような大地、そして周囲の喧噪は静寂となり、電車を待つ人々は消え、その空間にはきみと……そして相対するように赤いマフラーにピンヒール、巫女服ではなく私服姿の鬼姫真白が立っている。
「もう１度あなたと、何気ない雑談をしてみたくって……」
「あなた家族は？ 友達は？ 将来の夢は？ 恋人は？」
「命までは奪ってない……記憶ならこれから幾らでも増やせる。無くなったって、そこまで困らないはずよ。あの子達の命は救われたわ」
「私は解纜教のＮｏ２、鬼姫真白、今回はあなたに警告に来たの……あなたの事は、少し、気に入ってるから」
「あなたは、何を賭しても叶えたい願いってある？」
「楽しかったよ……じゃあ、ね」
ざわめきが戻り、人々が周囲に現れ、景色が元に戻る。
ホームに電車が入ってきて、向こうのホームに立っていた真白が電車の影に消え。
次の時には、彼女はもうそこからいなくなっていた。
◆幕間５：解纜教の祝祭（ＰＣ全員）
グリモアベースの一角、グリモア猟兵の四華森・花に再び招集される４人。
「事件は終わっていません。境口雨情率いる解纜教は、浚った子供達を使って邪神に何か願いを叶えて貰うつもりのようです。皆さんは解纜教のアジトに潜入し、坂口の行う儀式を止めて欲しいのです」
解纜教が儀式を行っている場所は予知にて解っていると言う。
それは神奈川県Ｙ市の港町、そこにある半円形のビルの最上階４３階が儀式場です。エレベーターは４０階までしか上がれず、それ以上は階段で最上階を目指して欲しいとの事だった。
「４０階～最上階の４３階までの４階層は、全て解纜教の領域だと思って下さい」
どうやら潜入ミッションが今回の依頼らしい。
●第２話『解纜教』
シナリオフレーム：オリジナル＜冒険→冒険→ボス戦＞
１章：ビルへの潜入／難易度１１０
２章：儀式発動／難易度１１０
３章：異界への門／難易度１８０
◆シナリオの内容：
▼１章：ビルへの潜入／難易度１１０
ビルに侵入する。
４０階は一般信者の部屋、４１階への階段前には警備（一般人）。
４１階は教団幹部の部屋、仕事部屋、資料室など。階段前に警備はいない。
※解纜教の目的、儀式による記憶を代償、本番は奉子が必要だと解る。
行方不明となった６人は儀式の試運転実験の為に使われた。
４２階は奉子の為の部屋、フロアには警備（一般人）がいる。
※奉子は４人とも揃っており、全員と話すことが出来る。外に出たいとは思わない。
外はアリスラビリンスと同じ怖い世界だと誤認識されている。
４人とも巫女服に赤いぽっくり。
▼２章：儀式発動／難易度１１０
４３階は儀式場。猟兵のＰＣ達が辿り着くと大きなホール部屋（儀式場）に出る。
儀式場では鬼姫真白が儀式を起動しており、魔方陣や機械は起動している。
儀式の準備が整ったら生け贄を座らせるのか、魔法陣の中央には椅子がある。
部屋の壁際に、朦朧とした状態で岩崎美希が待機させられている（生け贄である）。
真白「あとはここに奉子を座らせ、儀式を始めれば扉は開く」
だが、真白を説得できそうな所で、儀式場が起動する！
境口雨情が別室からモニターしており、儀式をスタートしたのだ。
鬼姫真白は奉子の素質が有るため、そのまま犠牲となる。
いろんな世界の景色がグリモアベースのようにチラチラ切り替わる扉が出現。
「どうして！？ まだ奉子達を座らせていないのに！？」
『ふははは、鬼姫、貴様がわしの目を盗み、奉子を逃がしたり、子供達を逃がす手引きをしているのを知らないと思ったか？ 貴様のような裏切りものは、異界の狭間に飛ばされ死ぬがいい！』
「ああああ???！？」
そのまま異世界に飛ばされる鬼姫真白。
そして、異世界の扉が開いた状態で固定され残る。
『異世界への門は開いた！ あとはどこでも良い！ 向こうの世界と狭間の世界を繋ぐ門を奉子を使い開くのみ！』
▼３章：異界への門／難易度１８０
『我等が神よ！ 大いなる邪神に願いますれば、我等が敵を供物と捧げ、我等汝を信仰せし全ての民を、異界の箱船にて汝が傍に！！！』
境口雨情の声が聞こえなくなる。同時、実は信徒達全員と奉子４人も異界の船に転移しこの世界からいなくなる。異界の門は閉じる。
逆に異界の門からはＵＤＣ怪物――邪神バブルソープが現れ戦闘となる。
邪神を倒すと異界の門は消えたが、儀式場と儀式の機械などは残る。
●バブルソープ
データは主要登場人物参照。
●第２話終了時の成長を行う。
幕間（後半）
※幕間１は、通常のＴＲＰＧのようにプレイしても良いし、箇条書きの情報として口頭で簡略化した情報のみをＰＬに伝えても良い。もちろん、前者の方が感情移入は深くなるだろうが、セッション時間等と相談した方が良いだろう。
◆幕間１：解纜教の追跡方法（ＰＣ全員）
グリモアベースの一角、グリモア猟兵の四華森・華が４人に説明する。
解纜教を追跡する事は難しいだろう……と。
「現地のＵＤＣエージェント達が調査した結果、どうやら境口雨情率いる解纜教は、すでにＵＤＣアースに存在せず、どこか別次元にいるとの結果が出ました」
「そして境口雨情が最後に残したセリフからさっするに、どこか別の次元に潜伏しつつ、奉子を生け贄にどこか別の世界へ通じる扉――言うなれば出口を開こうとしていると思われます」
「そして問題なのが……彼等が『別次元に潜伏している』という点です。どこかの世界に渡ったのなら、その世界に皆さんをお送りする事ができます。ですが、世界と世界を結ぶ異次元のような場所となると……私達グリモア猟兵でも、そこに転移する事は、唯一の例外を覗いて不可能としか言えません」
「唯一の例外ですか？ それは……異次元で行っている解纜教の事件を、予知できれば……あるいは」
「ただ、予知は自発的に出来る事ではありません。この世界、グリモアベースには常時１００人前後のグリモア猟兵が在中していると言っても過言ではありません。もしかしたら、いつか誰かがその予知をする可能性は無くは無いですが……いつになるか、正直わかりません」
「解纜教が使った儀式場や設備はＵＤＣが管理していますが、どちらにせよ特殊な生け贄を必要とする時点で、異界への門――つまり入り口を開くのは難しいかと……」
ここで以下の選択肢がある事を参加者達に伝える。
１．誰かしらグリモア猟兵が解纜教の予知をするのを待つ
デメリットは遅い事。結果、奉子達がどうなるか不明。
メリットは正確な場所に転移できる事、また事件の内容を事前に知る事が可能。
２．自らＵＤＣアースに赴き調査する
何か手を見つける事ができるかもしれない。見つけられないかもしれない。
●第３話『ザ・フォーリナー』
シナリオフレーム：オリジナル＜冒険→集団戦→ボス戦＞
１章：あの過去を犠牲に／難易度１１０
２章：異次元の戦い／難易度１７０
３章：異人さん／難易度２２０
◆シナリオの内容：
▼１章：あの過去を犠牲に／難易度１１０
ＵＤＣアースで異界の門を開く（入り口を開く）事が出来ないか調査する。
岩崎美希は奉子である為、儀式の生け贄にすれば門が開く。
無論、岩崎美希は全ての記憶を失い、今度こそ思い出す事は無い。
最後に美希の胸元からしわくちゃの写真がポロリと落ちる、それはＰＣ①と子供の頃に撮った
ツーショット写真であり、きっとアリスラビリンスでの逃亡生活中もずっと握りしめていたであろう事がわかる。
（グリモア猟兵に頼った場合（幕間選択肢１．の場合）この１章は省略する）
▼２章：異次元の戦い／難易度１７０
異次元の狭間、別次元を飛びながら（浮遊しながら）解纜教を捜す。
※ＰＣ②は赤いマフラー（真白の遺物）を発見しても良い。
やがて異次元に巣くう邪神の眷属（七つの子）が猟兵達を攻撃してくる。
敵を倒すとＵＤＣアースの港に停まっているような大きな豪華客船を発見する。
どうやら、あの船が解纜教が移動に使っている大型船のようだ。
（グリモア猟兵に頼った場合（幕間選択肢１．の場合）この２章も省略する）
▼３章：異人さん／難易度２２０
解纜教の豪華客船に乗り込む。甲板で雨情が待っている。
「ここまで追ってくるとは愚かな……わしが歴史に名を残す瞬間を、その目で見るが良いわ！」
見れば甲板にはビルにあった儀式場と同じ設備が整っており、春野桜が眠った状態で生け贄の場に寝ている。
（グリモア猟兵に頼った場合（幕間選択肢１．の場合）、すでに４人の奉子は儀式に使われ記憶を失って転がっている。雨情の合図で門が開き、その向こうには別の世界が見える）
「（儀式を邪魔しようとする）――本当に愚かな者達だ、この偉業をその目で見る幸運を自ら投げ捨てるとは！ ならばここで朽ち果てるが良い！ 我等が解纜教が信奉する、大いなる邪神よ！ 今こそここに顕現され、我等が前に立ち塞がりし、愚かな猟兵共をその慈悲深き腕にて、いと遠き所へ連れ去りたまえ！」
巨大な黒い渦から巨人が――邪神『異人さん（ザ・フォーリナー）』が出現する。
猟兵達と戦闘となる。
『異人さん（ザ・フォーリナー）』を倒すと、その力で保っていた大型客船も瓦解し、異次元に解纜教の信徒達は放り出され死亡する。また邪神と通じ合っていた境口雨情は狂気に置かされ狂ったまま船から飛び降りる。
ＰＣ達は急ぎ入り口（ＵＤＣアースから開いた異界の門）に戻って帰還する。
（グリモア猟兵に頼った場合（幕間選択肢１．の場合）、グリモア猟兵が迎えに来て転移して帰還する事ができる）
●七つの子
データは主要登場人物参照。
●邪神・異人さん（ザ・フォーリナー）
データは主要登場人物参照。
●境口・雨情（さかぐち・うじょう）
データは主要登場人物参照。
●エンディング
エンディングはＰＣ達の選択によって幾つかに別れるだろう。
下記ではその代表的なものを記載しておく。
◆ＰＣ④
雨情の研究テーマがとんでも理論としてＴＶで紹介されるも雨情の名は出ない。
◆ＰＣ③
記憶を失った子供達だが、前向きに元気になりつつある姿を見る。
◆ＰＣ②
真白とデートした場所に戻って１人……。神社の絵馬にＰＣ②の幸せが願われている（名前は聞いてない場合は）。
◆ＰＣ①
記憶を失うor取り戻した長馴染みとのエンディング
●第３話終了時の成長を行う。
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