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第六猟兵TRPG
シナリオ

第六猟兵TRPG(5)
アリスラビリンス
シナリオ
『Ogre in Wonderland』



■シナリオの概要

 アリスラビリンスで起こった迷宮厄災戦も終わり、この世界でオブリビオンが新たに発生する事が無くなり、各小世界は少しずつ平和を取り戻していた。

 そんな中、『鏡の向こうの屋敷』『蝶々と花の花壇』『相席列車』『名無しの森』『売り物の無い雑貨店』『プラムケーキの街』『料理を紹介するレストラン』という7つの小世界に住む住民達が「時が止まった」かのように停止する事件が発生、唯一止まっていなかった『名無しの森』の時代樹から話を聞き、どうやらオブリビオンによって記憶を弄られた者達が停止してしまったらしいと事件のあらましが発覚する。そしてそのオブリビオンは現在、唯一抵抗した時代樹の記憶に入り込み、時代樹の記憶を改変しようとしていると言う。

 猟兵達は、オブリビオンと同じく時代樹の記憶に入り、記憶を換えようとしているオブリビオン『リバーシフロウシープ』を倒せば、このシナリオは終了となる。

■シナリオの背景

 猟書家の1人たるリバーシフロウシープは特異な能力を持っており、それは『歴史の分岐点となる記憶を知る者全ての記憶を書き換える事で、実際の歴史を記憶に遭わせて改変する事ができる』というものだった。シープは『鏡の向こうの屋敷』『蝶々と花の花壇』『相席列車』『名無しの森』『売り物の無い雑貨店』『プラムケーキの街』『料理を紹介するレストラン』という7つの小世界に住む住民達の記憶を書き換える。

なぜなら、かつてこの7つの世界を支配しようと侵略戦争を起こした2代目『ハートの女王』が敗北した記憶を、2代目ハートの女王が勝利した記憶に書き換え、2代目ハートの女王を復活させようと考えたからだ。

ただ、唯一その行為に抵抗したのが『名無しの森』の中央にそびえる『時代樹』であった。時代樹は全ての時代を正しく記憶する事を使命としており、それ故にシープの改変に抵抗できたのだ。しかし、その抵抗もいつまで持つか時間の問題であり、時代樹がシープに屈した時、2代目ハートの女王による侵略戦争はオウガ側が勝利した歴史こそ正史となり、そしてそれは迷宮厄災戦時に不在だったハートの女王が存在した歴史へと改変は波及する。そう、現代の事象全てが書き換わってしまうのだ。

■ステージセッティング

●キャラクターの作成
▼PC@(オリフィス) 出自自由。行方不明となった妹を捜している。
 <アクシスコード:オルガを捜し救う>
▼PCA 出自自由。PC@(オリフィス)に頼まれ協力している。
 <アクシスコード:ハートの女王の復活を阻止する>
▼PCB 出自自由。PC@(オリフィス)に頼まれ協力している。
 <アクシスコード:猟書家を倒す>
▼PCC アリスラビリンス出身。PC@(オリフィス)に頼まれ協力している。
 <アクシスコード:この世界の異変を正す>

キャラクターの名前を決定し、各々自己紹介をして貰います。

■アクシスコード

●PC@(オリフィス) 出身世界:自由 <オリフィス>

 きみは遂に捜していた妹の手がかりを手に入れた。手がかりのキーワードは7つ。
 『鏡の向こうの屋敷』『蝶々と花の花壇』『相席列車』『名無しの森』
 『売り物の無い雑貨店』『プラムケーキの街』『料理を紹介するレストラン』
 最初は何の事か解らなかったが、どうやらアリスラビリンスの小世界の名前らしい。
 きみは知り合いの猟兵3人と共に、その7つの世界へとやって来たのだった。
 <アクシスコード:オルガを捜し救う>



●PCA 出身世界:自由 <儚>

 きみは知り合いの猟兵であるオリフィスに頼まれ、アリスラビリンスへやって来ていた。
 どうやらこの世界の7つの小世界に、オルガの手がかりがあるらしい。
 だが、やって来て解ったのは、明らかに何か異常事態が起こっているという事だった。
 そしてこのままだと、大変な事に……。そう、ハートの女王が復活すると言うのだ。
 <アクシスコード:ハートの女王の復活を阻止する>



●PCB 出身世界:自由 <ジュリア>

 きみは知り合いの猟兵であるオリフィスに頼まれ、アリスラビリンスへやって来ていた。
 どうやらこの世界の7つの小世界に、オルガの手がかりがあるらしい。
 だが、やって来て解ったのは、明らかに何か異常事態が起こっているという事だった。
 そしてこの異常事態の裏には、最近噂の猟書家が動いていると言う……。
 <アクシスコード:猟書家を倒す>



●PCC 出身世界:アリスラビリンス <スパ郎>

 きみは知り合いの猟兵であるオリフィスに頼まれ、アリスラビリンスへやって来ていた。
 どうやらこの世界の7つの小世界に、オルガの手がかりがあるらしい。
 だが、やって来て解ったのは、明らかに何か異常事態が起こっているという事だった。
 そして、きみの記憶が一時的におかしくなる。きみの知る歴史が薄れつつあるのだ……。
 <アクシスコード:この世界の異変を正す>

■主要人物紹介

●オウガ・プリンセス
「私はオウガのプリンセス、戴冠の儀を行い、新たなるハートの女王となる者」

▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
 アリスとして召喚され、孤独な際に味方だと思った愉快な仲間達に覚えていた自身の名前を告げると「オウガだって!?」と逃げられた事で心に傷を負い、本当にオウガに取り込まれる。
 オウガ達にオウガプリンセスと呼ばれ担がれ、戴冠の儀式を行い、2代目のハートの女王へとさせられそうになった所を、猟兵に救われる。
 その後は、自身がオウガプリンセス時代に支配した7つの小世界に関わるアリス達を全員無事に帰す事を誓い、7年の月日を費やし全てのアリスを帰還させ、最期のアリス(春野桜=チエリ)を帰す際に自身の誓いのユーベルコードが願いを叶え、自身も最期のアリスと一緒に同じ世界へと帰還してしまう。今から2年前の話である。
 家族のいない寂しさ、故郷のない孤独感、などがオウガプリンセスの絶望のキーワードである。
 本当の名はオルガ、今から10年前、ダークセイヴァーで吸血鬼により故郷の村を滅ぼされるも吸血鬼の元を偶然逃げだし孤児院に拾われるも、その孤児院も吸血鬼の遊び場であり、そこを猟兵に救われ孤児院の子供達が次々に故郷に戻っていく中、最期まで孤児院に残っていたオルガは、そこで自分だけが1人であると絶望し、アリスラビリンスへ招かれる。これが9年前の話である。

▼外見、ロールプレイ、人称
 9年前、11歳の女の子、くすんだプラチナブランドの髪、金色の瞳、
 アリスとして呼ばれた当初は質素なワンピース姿である。
 サクセサーオブハート(2代目ハートの女王)に覚醒する際、髪も瞳も赤く染まる。
 ハートの女王にならずに説得に応じると、髪の毛は真っ白になるが、瞳は赤いまま。
 サクセサーオブハートの際の服装は、赤い布のドレスである。
 2年前、オウガプリンセスとしてアリスを助けて回っている際は、赤いフードとローブで姿を隠しながら活動していた。フードの下も赤い布を巻いたような姿。当時は18歳。
 自分の事は「私」、他人の事は「あなた」。誰でも気さくな感じで喋る。

▼ユーベルコード
≪ノットリターンボウ(かえらずのちかい)≫
 【侵した地のアリス達を帰すまで自身も帰れぬ】という願いを【自らに誓い、助けたアリスを慕う者達】に呼びかけ、[賛同人数÷願いの荒唐無稽さ]の度合に応じた範囲で実現する。

≪ラビリンス・オブ・ヘル(じごくのめいきゅう)≫
 戦場全体に、【生気を吸い取り対象の動きを止める無数の骨】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

≪プリンセス・モード(はーとのけいしょうしゃ)≫
 自身の【身体の何割かを一時的にオウガに貸す事】を代償に、【自身の中に眠るオウガ・プリンセス】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【対象の成功率を代償の割合分減らし、心の炎】で戦う。

≪アリス・ミラージュゲート(ふしぎのくにのとびら)≫
 【鏡の扉が出現し、指定した者達】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポ−ト)する。

▼元ネタ
 無し。

●『名無しの森の』時代樹
「やつは〜〜、わしの記憶の中じゃ〜〜、わしの記憶に潜り込み〜〜、直接記憶を改竄するつもりなのじゃ〜〜」

▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
 名無しの森の中心に聳えたつ全長100mほどの巨大樹。
 下の方の幹に顔が付いており(眠そうなお爺さんの顔)、喋る事が可能。
 この世界に起こった全ての歴史を記録する事を使命としている。
 大地が根を張っている為自立的に動くことは不可能。
 リバーシフロウ・シープに記憶を侵略され、たまたま立ち寄った猟兵に助けを求めた。

▼外見、ロールプレイ、人称
 年齢は数千歳のお爺さん。
 巨大な樹であり、幹の下の方についている顔でしゃべる事が可能。
 非戦闘主義者で戦う事はできない。
 自分の事は「わし」、他人の事は呼び捨て。凄くゆっくり間延びした口調で話す。

▼ユーベルコード
≪記憶の中へ(きおくのなかへ)≫
 演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【気にさせ、時代樹の記憶の中に入る力】を与える。

▼元ネタ
 無し。

●『黒髪のアリス』チエリ
「お姉ちゃんは誰? 助けてくれるの?」

▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
 UDCアースから連れてこられたアリス適合者。
 オウガプリンセスによるアリス救済活動の最期の1人。
 本名は春野・桜、2年前のUDCアースへ帰還する際の時は13歳。

▼外見、ロールプレイ、人称
 2年前、年齢は13歳。
 元気で純粋な少女だが、UDCアースでは自然災害で全ての家族を失っている。
 自分の事は「私」、他人の事は呼び捨てか「〜さん」。元気いっぱい純粋っこである。

▼ユーベルコード
≪ガラスのラビリンス(がらすのらびりんす)≫
 戦場全体に、【透明なガラス】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

▼元ネタ
 UDCアースシナリオ『赤い靴』登場のNPC。

●猟書家『時逆の羊』リバーシフロウシープ
「ふむ……私は未来から逆向きの時を生きる羊……もっとも覚えているのは再来週の記憶」

▼シナリオにおける立場と経歴、そして秘密
 猟書家の1人、未来から過去へと向かって生きていると事象する芋虫羊。
 ただし、他者の記憶に入り込む能力は事実であり、それにより記憶を改変できる。
 さらに歴史の分岐点となる記憶を持つ全ての人物の記憶を改変できれば、改変した記憶が正しい歴史となって現実を塗り替える事となる。
 恐ろしい力を持った猟書家だが、特異な力の使い道が限定的過ぎるのが問題であり、他の猟書家達からは下に見られている。
 現実世界で出会った場合、対象の記憶を操作して動きを止める事が可能(ただしシープはその相手のトドメをさせず、1ヶ月以上経っても記憶を操作した歴史が変わらなかった場合、改変した記憶は消え動きを取り戻してしまう)。

▼外見、ロールプレイ、人称
 外見はもこもこの羊が芋虫のように連なっている姿。全長は5m程。
 自分の事は「私」、他人の事は敵であっても「〜様」。執事っぽしゃべり方をする。

▼ユーベルコード
 侵略蔵書『干戈倥偬(かんかこうそう)』は「戦争時、2章クリア時にHP回復ができない」の効果。

原書の巨人
≪白き妖蛾(ホワイト・モス)≫
 【侵略蔵書】を使用する事で、【自身に対するユーベルコードを無効化する羽】を生やした、自身の身長の3倍の【全ての記憶に入る力を持つ羊毛の大妖蛾】に変身する

≪時逆の力(リバーシフロウ)≫
 【歴史の転換点を体験したほぼ全ての対象の】【転換点時の記憶を改竄する事で、歴史自体を】【変える侵略蔵書を持つ。また未来視の力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

≪強敵の記憶(リボーン・ヴィラン)≫
 【対象が覚えている強敵のオブリビオン】の霊を召喚する。これは【そのオブリビオンのユーベルコードでの防御】や【そのオブリビオンのユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。

▼元ネタ
 鏡の国のアリスに出て来る白の女王。

▼≪強敵の記憶(リボーン・ヴィラン)≫
・奴隷商コーチマン≪我が命に従え(コーチマン・ドンキー)≫
 【指さした相手をロバに変え、自動追尾の鞭】が命中した対象にルールを宣言し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。

・獅子級災魔グランド=アザー≪獅子咆吼(フィリーズィング・ウェイブ)≫
 【相手のエンチャントを打ち消す獅子の咆吼】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

・邪神異人さん≪異人さんのお国(フォーリナ−・ロード)≫
 【拒否時にHPが1減るダメージを受ける言葉】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。

・運命龍フォーチュンオブフェイト≪死の宣告(レベル5デス)≫
 【シナリオ難易度が5の倍数の時、】【判定の成否に関わらず、】【対象のHPを1点減らし、その奪った生命力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常のどれを重視するか選べる。

●不愉快な仲間達(白のポーン騎士団)
「死ね! 死ね! 殺せ! 殺せ!」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称は自分。余計な言葉はしゃべらない。

▼ユーベルコード
≪ファイブフィスト(ファイブフィスト)≫
 【この攻撃に対する判定を+5する呪いの拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30m以内の対象にしか使えない。

●白のナイト
「我こそは騎士! 主君を守るため……死ね!」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称は自分。騎士道精神な感じで喋る。

▼ユーベルコード
≪ライトニングブラスト(ライトニングブラスト)≫
 【神速で接敵し、ランス】から【爆裂魔法】を放ち、【次のターンもこの戦場に留まざるをえない傷】により対象の動きを一時的に封じる。

≪シャドウホース(シャドウホース)≫
 【敵を自動的に攻撃する見えない馬】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。

●白のキング
「我こそは王なり! 王とは全てに勝った最強の駒なり!」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称は自分。大仰で上から喋る。

▼ユーベルコード
≪キングオーダー(キングオーダー)≫
 対象の【四肢】に【自身の支配力を放ち、王への畏敬の念】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[四肢]を自在に操作できる。

≪キングスキャン(キングスキャン)≫
 【目からビームで攻撃する。また身体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自分の銃から何度でも発動できる。

≪キングバースト・マキシマム(キングバースト・マキシマム)≫
 【全身内部から誘導ミサイルの一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

●白のクイーン
「わらわはクイーン! 盤面にて最強の力を持つわらわに、下々の者はひれ伏せよ!」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称はわらわ。超上から目線で喋る。
 ※先制攻撃を使用で、1度先に攻撃可能。
▼ユーベルコード
≪クイーンファンネル(クイーンファンネル)≫
 レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き飛翔する、レベル×10本の【触れただけで対象を消滅させる暗黒剣】で抱囲攻撃する。

≪ストーンクイーン(ストーンクイーン)≫
 自身に【触れた対象が石化し砕けるオーラ】をまとい、高速移動と【触れた対象が石化し砕ける遠距離攻撃の波動】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了までに毎秒寿命を削る。

●白のビショップ
「私はビショップ。僧兵と思い見くびるな……私は、残忍なのだよ」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称は私。快楽殺人者な性格。

▼ユーベルコード
≪アシッド・スモッグ(アシッド・スモッグ)≫
 自身が装備する【魔法の杖】から【非生物・生物を問わず即座に腐食させる霧】を放ち。レベルm半径内の敵全員にダメージと【超腐食】の状態異常を与える。

≪エアロカッター(エアロカッター)≫
 【レベルの二乗m届く風魔法を放つ。風魔法が】命中した対象を切断する。

●白のルーク
「ワレはルーク……全テを……守リ……粉砕スル」

▼シナリオにおける立場と経歴、外見、ロールプレイ、人称
 リバーシフロウシープの配下オブリビオン。一人称はワレ。たどたどしく喋る。

▼ユーベルコード
≪カウンターバリア(カウンターバリア)≫
 全身を【物理ダメージを対象に反射するバリア】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【ユーベルコードでの攻撃回数】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。

≪バシルーラレイ(バシルーラレイ)≫
 【この効果は判定終了時に発動。縮地で接近する事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【判定後に強制的に隣の戦場へ転移させる光】で攻撃する。

●7つの小世界
▼7つの世界とウサギの穴
『鏡の向こうの屋敷』ー『蝶々と花の花壇』ー『相席列車』ー『売り物の無い雑貨店』ー『プラムケーキの街』ー『料理を紹介するレストラン』ー『鏡の向こうの屋敷』と繋がっており、それぞれ6つの世界はまた別の世界へと繋がっている。6つの世界全てと繋がり、かつ6つの世界としか繋がっていないのが中央に位置する『名無しの森』である。

▼『鏡の向こうの屋敷』
 何もかもが鏡で移したように真逆の洋風の屋敷の中。とはいえ元が何か知らない者からすると居たって普通の屋敷である。ただし本等の文字は鏡文字なので読みづらい。
 かなりの大富豪のお屋敷なのか部屋数はかなり多い。
 屋敷の住人は屋敷にありそうな物が全て愉快な仲間となっている。
 蝋燭立て、置き時計、タンス、羽根ばたき、コート掛け、など。

  ▼『蝶々と花の花壇』
 屋敷の広大な庭のような世界。バラやオニユリの生け垣などがある。
 蝶々や青虫、バッタ等の虫類とバラやオニユリなどの花が愉快な仲間となっている。

▼『相席列車』
 無限に車両が続く列車。基本的に廊下と4人部屋の個室が数室で1つの車両が構成される。客室に座るとひっきりなしに雑談に興じる必要がある。
 紙を着た紳士、山羊、蝉、巨大な蚊、など基本的に五月蠅い生物の愉快な仲間が乗客として乗っている。

▼『売り物の無い雑貨店』
 所狭しと商品棚に商品が並んだ雑貨店。郊外の巨大ショッピングモール並に広い。
 ただし棚に並んだ商品に手を伸ばすと、その商品が消えてしまう。
 棚に並んだ商品達はどれも愉快な仲間であり、お菓子の入った箱、ナイフ類、鞄、鍋、タオル、煙草、お酒、石けん等など。ただし手を伸ばすと消えてしまい、少し経つと別の棚に出現する。

▼『プラムケーキの街』
 パンケーキやフルーツケーキなどの家が並んだ街。
 ライオンやユニコーン、虎やネズミ、蛇、犬など肉食動物と空想動物の愉快な仲間達が住んでいる。
 基本仲良しだがプラムケーキがあった場合のみ喧嘩する。

▼『料理を紹介するレストラン』
 大きなレストランで高級フレンチ系。
 テーブルで料理を待つのはチェスのコマの愉快な仲間達であり、料理を運んでくる給仕係はポットやソーサー、水差しやナイフ、フォーム、スプーン等の料理道具の愉快な仲間達である。ただし、料理はテーブルそばまで着て給仕係がその説明をしたら下げられてしまう。

▼『名無しの森』
 入ると物の名前が思い出せなくなってしまう。
 鹿やリスなど小食動物の愉快な仲間達がいる。
 森の中央に『時代樹』と呼ばれる幹に顔のついたお爺さんの愉快な仲間がいる。

アリスラビリンス:不思議の国のデスゲーム

▼かつて起こった歴史
 9年前、アリスラビリンスにやってきたオルガは、何が何か解らないままうろ覚え名自分の名を告げる……しかし、周囲にいた愉快な仲間達は、それを聞き間違い「オウガだって!?」と騒ぎ、オルガは名前すらあやふやな記憶のままアリスラビリンスで孤独となる。そして、孤独となったオルガの絶望をオブリビオンがさらに肥大化させ、オルガをオウガへと変異させてしまい……そして生まれたのがオウガクイーン。

オウガクリーンはオウガ達を統率し、アリスラビリンスの世界を次々に征服して行った。だが、それをアリスラビリンス出身の異能者(のちの猟兵)達が許すわけもなく、クイーンの軍団は徐々に異能者達によって押されていき、最後は居城まで乗り込まれ敗北する。その時、オウガクイーンが良心として残した分離体を異能者達が保護、オウガクリーン討伐と共に分離体を融合し、オウガクイーンはオルガへと戻る。

その後、オルガはオウガクイーンとして置かした罪を償う為、自身が指示して支配した小世界達のアリス達を出来る限り元の世界へ返す事を約束する。

 その後、7年が経ち、オルガはオウガプリンセスと呼ばれるようになっており、そして、ほぼ全ての小世界のアリスを元の世界へ返したオルガは、最後のアリス(春野桜)を帰す際、自らもまた一緒にその扉を潜り、アリスラビリンスを後にしたのだった。

(ユーベルコードで誓いを立てていたが、どの世界に帰れるかまで決めていなかった為)

■シナリオ本編

●キャンペーン『Ogre in Wonderland』
■『Ogre in Wonderland』特殊ルール:時代樹の抵抗限界
 このキャンペーンが終了するまで、PCの判定において失敗した場合は+1、
ファンブルした場合は+2のカウントを累計する。これは各章・各話終了時にリセットされない。
 カウント0〜4:PCCは10の倍数の場合に記憶錯乱が発生する。
 カウント5〜9:PCCは5の倍数の場合に記憶錯乱が発生する。
 カウント10〜14:PCCは3の倍数の場合に記憶錯乱が発生する。
 カウント15以上:時代樹が抵抗限界を迎えゲームオーバーとなる。

■マスターシーン

 これはプレイヤーのいないGMの独り語りのシーンである。言うなれば、映画で主人公の出ない敵側だけで話合っているシーンを観客が見ているような、そんなシーンである。

◆マスターシーン1:出来損ないの猟書家
「われらが書架の王よ、オウガ・オリジンから力を奪取するこの機に、些末事ながらご報告が……王の模造能力を持ちしアレが書庫から逃げました」

 貴族然とした格好の老紳士が青い髪の少年王へ報告する。
「そうか……だが、今はオウガ・オリジンの力を奪い取る方が優先だ。些末事に時間を裂く必要はない。それに、この動きは六番目の猟兵も見ている。もうすぐ猟兵達もこのアリスラビリンスへ介入してくるだろう。それこそ、全戦力を投入する勢いで……だ」

 書架の王と呼ばれた少年が老紳士の貴族へ答える。その答えに老紳士は僅かに会釈で答えるが、反論は別の所から――鉤爪の海賊風の男が口を挟む。
「良いのか書架の王よ、模造とはいえあの力は脅威。私達がこれから行おうとする侵略の結果、全てが私達の思い通りになったとしても、アレが力を使えば全ては元の木阿弥と化す可能性すらある」

「優先順位をはき違えるな。それに、アレの力は限定的すぎて使える条件を揃える事こそ不可能に近い。例え使える条件を見付けたとしても、今すぐにどうこうはできないはずだ……それこそ、私達の侵略が全て成功した後にでも回収すれば良い」

 書架の王はこの話はこれで終わりだと言うように手にした本を閉じ、鉤爪の男もそれ以上の追求を辞めたのだった。
 青い髪の少年、書架の王たるブックドミネーターは思案する。

「(それに……もし私達の侵略が成功しなかったとしたら……その時こそ、アレには不確定要素として動くのを期待しよう。例えそれが、どれだけ低い可能性だったとしても……)」

■冒頭

 ※冒頭1は、通常のTRPGのようにプレイしても良いし、箇条書きの情報として口頭で簡略化した情報のみをPLに伝えても良い。もちろん、前者の方が感情移入は深くなるだろうが、セッション時間等と相談した方が良いだろう。

◆冒頭1:協力者達(全員登場)
 PC@(オリフィス)からスタート。
 場所はグリモアベースの一角。
 アックス&ウィザーズの夢見の姫オーロラの占いによって、きみはオルガの手がかりを手に入れた。それは7つのキーワード。すなわち、『鏡の向こうの屋敷』『蝶々と花の花壇』『相席列車』『名無しの森』『売り物の無い雑貨店』『プラムケーキの街』『料理を紹介するレストラン』。そして調べた結果、それらがアリスラビリンスにある隣接し合う小世界の名前だと判り、きみは知り合いの猟兵達のうち手の空いている者達に協力を仰いだ。
 そしてやって来たのがPCA(儚)とPCB(ジュリア)、グリモア猟兵の花、なにより有り難かったのはアリスラビリンス出身のPCC(スパ郎)が来てくれた事だった。

 ちなみにPCCの出身世界である『雀のお宿』は、7つの小世界のうち『料理を紹介するレストラン』と隣接している。
 ある程度4人が話したら花が「それではアリスラビリンスへ向かいましょう。まずは『鏡の向こうの屋敷』世界へ行きます」と5人は転移する。

◆冒頭注意点:PCCの記憶錯乱
 冒頭よりPCC(スパ郎)は異変に襲われる。
 それは今まで認識していた過去とは違って、別の過去が実体験と共に思い出されるのだ。
 それはPCCの故郷『雀のお宿』世界がオウガに支配されてしまっている記憶だ。
 (今までのPCCの記憶では『雀のお宿』はオウガに支配されず平和に稲を育てている)
 そして以降、PCCは判定で10の倍数を出す度に、オウガに支配された故郷の記憶が正しいと思ってしまい、猟兵の邪魔をしようとしてしまう。これは一瞬の錯乱として、すぐに元のPCCに戻る。

 判定が10の倍数だった場合、判定結果は成功でも失敗でもなく『錯乱』となる。(失敗でないのでHPは減らない、成功でないのでシナリオ難易度も減らない)
 時代樹の抵抗限界カウント5以上(判定での失敗カウントが5以上)になった場合、10の倍数ではなく5の倍数が『錯乱』となる。
 時代樹の抵抗限界カウント10以上(判定での失敗カウントが10以上)になった場合、5の倍数ではなく3の倍数が『錯乱』となる。
 ※オウガに支配された故郷では、オウガが稲を人質に取り、スパ郎に「猟兵の邪魔をしてこい」と命令されている。という認識となり猟兵を妨害するロールプレイを行ってしまう。


■第1話『猟書家と7つの世界』
シナリオフレーム:オリジナル<冒険→冒険→集団戦→ボス戦>
0章:時の止まった世界/冒険/難易度100
1章:その少女の名は……/冒険/難易度100
2章:不愉快な仲間達/集団戦/難易度160
3章:ハートの女王/ボス戦/難易度250

◆シナリオの内容:
▼0章:時の止まった世界/冒険/難易度100
 『鏡の向こうの屋敷』にやってくる5人。
 ここはどこもかしこも鏡で移したように左右反転した世界だ。とはいえ『元』が解らない5人からしたらかなり一般的な洋風の屋敷なのだが……。
 ただ、ここの住民である愉快な仲間達が時が止まったかのように動きを止めている。世界から音という音が消えて静まりかえっている。
 『鏡の向こうの屋敷』からは『蝶々と花の花壇』『名無しの森』『料理を紹介するレストラン』へ通じるウサギの穴があるが、穴を管理する時計ウサギも止まっていて別の小世界へ移動できない。→雀のお宿の時計ウサギに依頼するか、花がグリモアベースとの転移を繰り返せば可能。
 最終的に『名無しの森』に行くと木々の葉擦れの音が聞こえ、中央に聳え立つ『時代樹のお爺さん』から話を聞ける。
 時代樹のそばには8人の猟兵がおり、8人とも動きを止めている。

 時代樹から聞ける話は以下の通り。
・ある日、7世界の住民達が次々に動きを止めていった。今では自分以外全て止まった。
・原因は猟書家『リバーシフロウシープ』と名乗っていた。
・シープは対象の記憶を書き換える能力を持っている。そして、この7世界でかつて起こったある事件の結末の記憶を全て書き換えようとしている。
・もし、その事柄を知る者の全ての記憶が書き換われば、現代も、その記憶通りに書き換わってしまうだろう。
・今、シープは記憶改竄に抵抗した最期の1人たる儂の記憶に潜っている。ヤツに儂の記憶まで書き換えられたらお終いだ。
・かつてこの7世界で起こった事件ーーそれは9年前に起こった2代目ハートの女王の戴冠式。今、ハートの女王はオウガフォーミュラの戯れに殺されて存在しないが、9年前にそのハートの女王を継ぐ者が現れた。もっとも8人の異能者(のちの猟兵)達が駆けつけ2代目になるのを阻止できたが……。
・儂は歴史を記憶する事が使命、自身は無理だが他者を自身の記憶に送り歴史を見せる事破可能。この力を使って4人を自分の過去の記憶に飛ばすので、シープを倒して欲しい。 (グリモア猟兵の花は何があるか解らないので、一応現実に残る事に)

 ※『猟書家』とは、最近スペースシップワールドでも悪いをしている第三勢力とも取れるオブリビオン集団、スペースシップワールドのオブリビオンフォーミュラである銀河帝国を倒したが、今、空座であるスペースシップワールドのオブリビオンフォーミュラの席を狙って活動している。
 ※『ハートの女王』とは、今から1年半前に起こったアリスラビリンスでの大戦争、迷宮厄災戦にて本当ならオブリビオンフォーミュラであるオウガオリジンの幹部配下として参戦する予定が、オウガオリジンの戯れで殺された為、戦争に参加できなかった幹部オブリビオンの事。ハートの女王が生きていれば戦争の行方は違っていたかもしれない。

▼1章:その少女の名は……/冒険/難易度100
 気が付くと『名無しの森』の時代樹の前にいる4人。
時代樹『気が付いたか、今はお前達の世界から見て9年前の過去の世界だ』『きみたちがこの世界で何をするべきなのかは解らない。ただ、やるべき事があるからこそ、この時代に出現したのだろう』
 『名無しの森』で情報収集すると『鏡の向こうの屋敷』でアリスが保護されたとの噂。
 『鏡の向こうの屋敷』に行くと愉快な仲間達が勝利のパーティ中。情報収集するとアリスだと思って保護した少女が、実は名前を聞いたら『オウガ』だった。最初は皆隠れたけど弱いオウガなのかキョドっていたから勇気を出して皆で石を投げて追い出した。オウガの少女は『蝶々と花の花壇』の穴がある方へ走って行った。

 ★転移してきたアリスはワンピース姿の11歳の少女、プラチナブランドの長髪。金色の瞳が綺麗だった。
 『相席列車』『売り物の無い雑貨店』『プラムケーキの街』『料理を紹介するレストラン』は名無しの森と同じ情報=アリスが鏡の向こうの屋敷で保護されたとの噂。
 ちなみに7つの小世界は平和そのもの。
 『蝶々と花の花壇』に到着すると2章へ。

▼2章:不愉快な仲間達/集団戦/難易度160
 『蝶々と花の花壇』で隠れているアリスを見付ける。
 だが、元々いた『蝶々と花の花壇』の住人達と違う、オブリビオンが化けた愉快な仲間達がウロついている(元々の住民は皆隠れて避難している)。
 不愉快な仲間達は口々にアリスをオウガと呼び「死ね、殺せ」と大声で繰り返している。
 集団戦の戦闘となる。不愉快な仲間達は白いポーン(チェスの駒)型である。
 不愉快な仲間達を全滅させると、生け垣に隠れたアリスと、それを追い詰めるオブリビオン『リバーシフロウシープ』を見付ける。羊の芋虫な見た目。
 ちなみにアリスはワンピース姿の11歳の少女、プラチナブランドの長髪。金色の瞳。1年ほど成長しているが、それがオルガだとオリフィスは解る。
 ※オルガはアリスなので記憶消失、唯一覚えていた単語を言ったら「おるが→オウガ」と勘違いされたので、その言葉は言いたくない。
 オルガはシープの言葉に絶望し始めており、髪の毛が赤く染まりハート型のお団子ヘアに、瞳も赤く染まり黒目部分は丸でなくハート型に変わりつつある。服装は羽衣のような赤い帯が胸から湧き出て体の周囲を渦巻いている。

▼3章:ハートの女王/ボス戦/難易度250
 リバーシフロウシープは邪魔されると会話してくる。
「この子はとっても特別な子なんだよ? 本当ならこのままオウガブラッドの力に覚醒して、すこしずつその力に食われ、やがてハートの女王となる……まさにサクセサーオブハートなんだ」
「僕は、それを少し早めようとしているだけ。今ここでこの子の心を絶望に染められたら、今、この瞬間にも彼女は覚醒するのさ! そう! 2代目のハートの女王にね!」
「それにしても、きみたちはどこから来たんだい? 僕が覚えている限り、この時代の記憶に、きみ達は存在しなかったはずだけど……」
「まったく、現実世界で遭ったなら、きみたちの記憶を変えて動きを止められたっていうのに……本当、六番目の猟兵達は厄介だね……」
「それじゃあ、きみ達の相手は彼にお願いしようかな……おいで、僕のナイト」

 白いナイト(チェスの駒)が現れ戦闘となる。
 白いナイトを倒すと、シープは少女の絶望化を諦める。
「え? もう倒しちゃったの? 困ったなぁ……そんなに強いとは思わなかったよ。でも、歴史の転換点はまだあるから、次の転換点を変えるとしよう」
 そう言うと空間に穴を開けて逃げていく。その穴は少しずつ小さくなっていく。その穴に入って終わらないと、シープの言う『次の転換点』に辿り着けないと解る。
 ふと見れば、少女は泣いたままだが、まだ絶望しきってはいないようだ。髪の毛は赤く、髪型もハートのお団子、瞳の黒目もハート型になったが、意識はアリスのままのようだ。とりあえず、この時点でのハートの女王化は防げたらしい。

●第1話終了時の成長を行う。


■第2話『サクセサーオブハート』
シナリオフレーム:オリジナル<冒険→集団戦→ボス戦>
1章:敗北した猟兵達/冒険/難易度100
2章:女王戴冠戦争/集団戦/難易度216
3章:女王を継ぐ者/ボス戦/難易度310

◆シナリオの内容:
▼1章:敗北した猟兵達/冒険/難易度100
 気が付くと再び『名無しの森』の時代樹の前におり、気が付いたPC達に時代樹が声を賭ける。
時代樹『気が付いたか、今はお前達の世界から見て8年前の過去の世界だ』『きみたちがこの世界で何をするべきなのかは解らない。ただ、やるべき事があるからこそ、この時代に出現したのだろう』『だが、それはもしかしたら火を見るより単純な事なのかもしれない……なぜなら、今、この世界を含め周囲の小世界は、オウガ達の侵略に遭っているからな』

 まずはシープがこの時代でどんな歴史改変を行おうとしているか情報収集しながら突き止める。
 時代樹のそばには8人の死体が転がっている。それは現実世界で時代樹のそばで時間が止まっていた8人だと解る。
 『名無しの森』で話を聞くと、オウガ達がハートの女王の後継者を担ぎ上げて、この7つの小世界に侵略を始めたとの話が聞ける(PBWで言う所の、1人のMSが行っている連続シナリオ、または複数人のMSが行っている連携シナリオ、みたいな少し大きな話)。
 『名無しの森』と『プラムケーキの街』はまだ安全。
 『鏡の向こうの屋敷』ー『蝶々と花の花壇』ー『相席列車』は侵略されている。
 (侵略拠点は『蝶々と花の花壇』にあるらしい)
 『売り物の無い雑貨店』と『料理を紹介するレストラン』は侵略され中。
 オウガ達の目的は、小さな世界を侵略し恐怖と絶望を集めて『ハートの女王の後継者』に捧げる事で、後継者をハートの女王に昇格させる儀式にあるらしい。儀式は侵略拠点である『蝶々と花の花壇』にて行われている。

▼2章:女王戴冠戦争/集団戦/難易度216
<侵略蔵書『干戈倥偬(かんかこうそう)』の効果発動>
<干戈倥偬:戦争時、2章クリア時にHP回復ができない>
 戦争の侵略が始まっている中、いかにして儀式を行っている場所に到達するか。
 判定に失敗してオウガ達に見つかった場合、または問答無用で戦闘を行って突破を計る場合は、『白のポーン』軍団と戦闘となる。この際、白のポーンは毎戦闘ごとに初めに1度先生攻撃を行ってくる(これは一緒にいるなら誰が担当しても良い。ただし判定に成功してもシナリオ難易度は減らない)。先生判定後、通常の判定を手番のPCが行う。
 『蝶々と花の花壇』の中央辺りに生け垣で作られた式典場のような場所が作られており、そこの中心にアリス(ハートのお団子、赤い髪、ハートの入った赤い瞳、服装は赤い帯がドレスを形作っている)がおり、その頭上に豪華なティアラが浮いており、それが周囲から黒いオーラを吸ってゆっくりと頭に降りてきている。
 周囲のオウガは「姫様万歳!」「新たな女王に万歳!」と繰り返している。
 儀式場にはアリス以外にリバーシフロウシープと、真っ白な王様(白のキング)がいる。

▼3章:女王を継ぐ者/ボス戦/難易度310
<侵略蔵書『干戈倥偬(かんかこうそう)』の効果発動>
<干戈倥偬:戦争時、2章クリア時にHP回復ができない>
 リバーシフロウシープは猟兵達がやって来た事に気が付くと。
「せっかくプリンセスの戴冠式を執り行っているのに……またきみたちかい?」
「プリンセスを助ける8人が運良く現実世界でここに来てくれたから、邪魔が出来ないよう記憶を操作して止めたっていうのに、きみ達みたいなイレギュラーはいい加減にして欲しいよ。もともとこの歴史にはまったく関わりがなかっただろうに!」
「でも、ここでプリンセスが女王に覚醒すれば、この後の迷宮厄災戦争ではハートの女王が復活している状態で戦争に突入する事になる……第六の猟兵達も、そうなれば僕やオウガオリジンに、正史の通り完全勝利するのは難しくなるだろうさ!」
「さて、僕は戴冠の儀式を続けるから、猟兵達の相手はきみに任せるよ……頼むね、白の王様」

 白のキング(チェスの駒)が襲いかかってくる。
 白のキングを倒すと、リバーシフロウシープは儀式を中断し虚空に穴を開けて逃亡する。
「え? もう倒しちゃったの? 困ったなぁ……きみ達、本当に強いんだね……しょうがない、歴史の転換点はまだもう1つあるから、そっちで歴史を変える事にするよ」
 そう言うと空間に穴を開けて逃げていく。その穴は少しずつ小さくなっていく。その穴に入って終わらないと、シープの言う『最期の転換点』に辿り着けないと解る。
 白のキングが倒れるとオウガ達はどんどん逃亡を始める。倒れているアリス(オルガ)からは赤いオーラがどんどん抜けていくのが見える。赤い髪からも赤い色が抜けていく。やがて花や蝶々の愉快な仲間が現れアリスを助ける……と言う所まで見ていられる。どうやら、儀式をシープが中断した事で、ハートの女王にはならずに済んだようだ。

◆マスターシーン2:帰らずの誓い
「大丈夫? 大丈夫?」
 アリスがゆっくりと意識を取り戻し目を開けると、自分の事を心配している蝶々や虫の愉快な仲間達の顔が見えた。
「(そうだ……私、ハートの女王にさせられそうになって……)」
「良かった、無事だったみたいだね」
「世界はボロボロになっちゃったけど、オウガ達もみんないなくなったし、一安心だね」
「そうだね、一安心だね」
 愉快な仲間達の言葉にハッとする。小高い丘に走って行き周囲を見下ろせば、オウガによってボロボロにされた世界が広がっていた。そして自分がオウガ達にプリンセスと持ち上げられ、自分を旗印にこの7つの小世界に戦争を仕掛けた事も、朧気ながら覚えていた。
「私は……私の、せいで……ごめんなさい、みんな、ごめんなさい……」
「どうしたの? 無事だったんだから泣かないで?」
「そうだよ? ハートの女王が生まれなかったんだから、良いじゃない?」
 優しい愉快な仲間達の言葉に、アリスは声を殺して泣いた……。

 ーーそれから数日後。
 アリスは自身が侵略した7つの世界を見て回り、そして覚悟を決める。
「私は、この世界の為、この世界の皆の為、そしてこれ以上、私のような存在を作らない為にこの身を捧げる……私はここに、誓いを立てる!」
 そう覚悟を決めた時、1つの特異な力が生み出され、アリスは自身の思いに共鳴したその力を躊躇せず発動する。
「≪ノットリターンボウ(かえらずのちかい)≫!ーー私はこの世界に残って、この世界の為に生きます!」

≪ノットリターンボウ(かえらずのちかい)≫
 【侵した地のアリス達を帰すまで自身も帰れぬ】という願いを【自らに誓い、助けたアリスを慕う者達】に呼びかけ、[賛同人数÷願いの荒唐無稽さ]の度合に応じた範囲で実現する。

●第2話終了時の成長を行う。


■第3話『迷宮厄災戦の片隅で』
シナリオフレーム:オリジナル<冒険→ボス戦→ボス戦>
1章:7つの小世界の危機/冒険/難易度40
2章:迷宮厄災戦/ボス戦/難易度230
3章:猟書家リバーシフロウシープ/ボス戦/難易度330

◆シナリオの内容:
▼1章:7つの小世界の危機/冒険/難易度40
 気が付くと再び『名無しの森』の時代樹の前におり、気が付いたPC達に時代樹が声をかける。
時代樹『気が付いたか、今はお前達の世界から見て1年半ほど前の過去の世界だ』『きみたちがこの世界で何をするべきなのかは解らない。ただ、やるべき事があるからこそ、この時代に出現したのだろう』『しかし、自体はそう悠長な事を言っていられない。すでにこの地を含め周囲7つの小世界が戦乱に巻き込まれている……今、この世界は迷宮厄災戦というオブリビオンフォーミュラ『オウガ・オリジン』を首魁とするオウガ軍団と、きみ達第六猟兵の全兵力、そして第三勢力たる猟書家たちによる、三つどもえの大戦争の真っ只中なのだから』

 まずはシープがこの時代でどんな歴史改変を行おうとしているか情報収集しながら突き止める。
 情報収集すると7つの小世界がオウガ達によって侵略されており、ほぼ支配領域と化しているとの事。
 黒髪の少女アリス「チエリ」と愉快な仲間達からも『プリンセスが助けてくれるはず』と教えてくれる。プリンセスは元オウガのプリンセスで、かつてサクセサーオブハートと呼ばれていたらしいが、この7つの小世界の救世主的な活動を行っているアリスだと教えて貰える。
 また、スパ郎の記憶だと、ここの7つの小世界は、迷宮厄災戦でオブリビオン達に攻められはしたが無事だった小世界だったはずと覚えている。なぜ無事だったかまでは知らない。ただ、歴史を元通りにする為には支配されている7つの小世界からオブリビオンを追い出し、7つの小世界を解放する必要があると解る。

▼2章:迷宮厄災戦/ボス戦/難易度230
<侵略蔵書『干戈倥偬(かんかこうそう)』の効果発動>
<干戈倥偬:戦争時、2章クリア時にHP回復ができない>
・黒髪のアリス「チエリ」はユーベルコードのガラスの迷宮で『名無しの森』の愉快な仲間達を保護してあげている。
・敵の行動
 (基本1)未侵略世界に侵攻した場合、今まで居た小世界は白のポーン部隊が置かれる。
 (基本2)白のポーン部隊は移動不可能。
 (優先1)未侵略世界がある場合、幹部駒の特製順に従い侵攻する
 (優先2)未侵略世界がある場合で侵攻する幹部駒がいない場合、
      特製順に関係無く余っている幹部駒が侵攻する。

 <敵の初期配置>
『鏡の向こうの屋敷』ビショップ
『蝶々と花の花壇』クイーン「先制攻撃」を持つ
『相席列車』ビショップ
『売り物の無い雑貨店』ルーク
『プラムケーキの街』ナイト
『料理を紹介するレストラン』ルーク
『名無しの森』いない(もう1体のナイトは1話で撃破した為)

 <敵駒の特性順>  ナイト:小世界を1つ飛ばしに移動する事で未侵略世界があった場合は侵略。
 ルーク:『名無しの森』以外の世界で隣接する未侵略世界があった場合に侵略。
 ビショップ:『名無しの森』が未侵略世界だった場合に侵略。
       『名無しの森』に居る場合はそれ以外に未侵略世界があれば侵略。
 クイーン:常に『オウガプリンセス』が守る場所に侵攻する。

・オウガプリンセスの行動
 PCからの指示が無い限り、『鏡の向こうの屋敷』ー『蝶々と花の花壇』ー『相席列車』ー『売り物の無い雑貨店』ー『プラムケーキの街』ー『料理を紹介するレストラン』ー『名無しの森』の順番で戦場を渡り歩く(ただしチエリのいるエリアが敵幹部に占領された場合、そのエリアへ転移し移動する)。敵幹部を倒す事はできず、戦闘時は「5%」のオウガ浸食率が上がる。

 オウガ浸食率が100%になった時点で、再びハートの女王に覚醒してしまう。初期浸食率は「今までのプレイヤーの失敗数×10%」。  共に戦う場合「5%」のオウガ浸食率が上がるが、敵からの「先制攻撃」を無効化できる。また常にコンビネーションが発動として+10%加算される。

・オウガに占領された小世界が1〜2まで減るとイベント発生、愉快な仲間が来てーー「チエリがいなくなったんだ!? 自分の扉を感じる……とか言って、●●(残っているオウガの支配領域の小世界を指定する事)に通じるウサギの穴に入って行っちゃって……」
・全ての小世界を救う(オウガの支配から解放する)と、リバーシフロウシープが現れ、強引にアリス(オウガプリンセス)の浸食率を上げようとしてくる。 ※シナリオ難易度が0で、敵幹部(ポーン含む)が残っている場合、そのまま3章に行くこともできる。その場合、残った幹部をプリンセスが倒した事となり、残った幹部人数×20%、オウガ浸食率が上がる。または、シナリオ難易度0のまま幹部を倒すまで続けるか、選べる。

▼3章:猟書家リバーシフロウシープ/ボス戦/難易度330
<侵略蔵書『干戈倥偬(かんかこうそう)』の効果発動>
<干戈倥偬:戦争時、2章クリア時にHP回復ができない>

 扉の前、チエリを捕らえた状態でリバーシフロウシープが現れる。
 オウガプリンセスもいっしょに登場「チエリを帰せ!」と。
「迷宮厄災戦争の真っ只中で、ハートの女王を目覚めさせようと思ったのに……きみたち、いい加減にしてくれないかな?」
「プリンセス、このアリスを助けたいなら……自分の中のオウガに身を任せるんだ……そうしればこのアリスを助けてあげるよ」
「約束だぞ……」とオウガプリンセスはオウガに身を任せ暴走を開始する。
「はははははっ! さあ、途中で止まっていた戴冠式を再び始めよう! ハートの女王が目ざめたら、最初にこのアリスを献上しようか! きっと首を撥ねろと騒ぐはずだから!」

 そしてリバーシフロウシープとの戦闘となる。
 オウガプリンセスはPC全員が1順すると行動、10%オウガ浸食値があがる。この時、静止するような説得をした場合、攻撃してこないで行動は終わる(浸食値はあがる)。
 黒髪アリスのチエリはシープが後ろに放り投げるので、基本的に気にしないで良い。
 戦闘でリバーシフロウシープを倒すと。

「そんな……やっと、やっと僕の能力が使える転換期を見付けたのに……こんなの、こんなの、あんまりだぁ〜〜」
 そう言うと消滅する。
 オウガプリンセスは再び正気に戻る。赤いオーラが体から抜け、髪の毛も完全に白くなる。瞳が赤いままだがハート型の黒目の形は普通の丸に戻る。
 チエリが扉を開き、記憶を取り戻す。
チエリ「思い出した……私、両親が不仲で、お互い殺し合って、私も殺されそうになって……でも、偶然、私だけ助かって……病院でひとりぼっちになって、気が付いたらここにいたんだ……」
「私の名前は春野、春野桜、ありがとう……私、辛いけど、やっぱり元の世界に戻るね」
 そう行って桜は扉を開いて消えていく。
 と、同時、オウガプリンセスの体が輝き出す。それはユーベルコード≪ノットリターンボウ(かえらずのちかい)≫の輝き、愉快な仲間達が「もう十分だよ」「ありがとう」「プリンセスは十分この世界の為に頑張ってくれたよ」「帰らないなんて意地を貼らないで良い」
 そしてプリンセスは「わかった……私は、自分の罪を精算したんだな……みんな、いつか、また、どこかで会えたら……ばいばい」と消えていく。


●エンディング
 エンディングはPC達の選択によって幾つかに別れるだろう。
下記ではその代表的なものを記載しておく。

◆PC1〜4
 現実世界の戻ってくる。
 時代樹の前で気が付く。
「皆さん、大丈夫ですか?」
 とグリモア猟兵の花が。
 オウガプリンセス=鬼姫真白=オルガ、だと気が付く。
 つまりオルガの居場所は……。 

●第3話終了時の成長を行う。

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