ほのぼの あったか ろーる ぷれいんぐ ゆうやけこやけ 物語 しなりお 『大好きだよ、お婆ちゃん』 ◆1.登場人物 お婆ちゃん:秋山ヨモギ お婆ちゃんの犬:プレイヤーキャラクター お婆ちゃんの孫:秋山若葉(小学生) お婆ちゃんの息子夫婦:秋山草太、秋山すみれ ◆2.適正 プレイ時間:2〜3時間 プレイ人数:2〜3人 ◆3.「ふしぎ」と「想い」 この物語で語り手が各場面に使える「ふしぎ」は10点、「想い」も10点です。 ◆4.物語の概要 あるところに1人の優しいお婆ちゃんと、1匹の犬がいました。 お婆ちゃんは少し前にお爺ちゃんを亡くしていましたが、街の変化たちとも仲が良く、 家には飼い犬もいます。お婆ちゃんは決して寂しくはありませんでした。 ある日、お婆ちゃんの家に息子夫婦が孫を連れてやってきました。 お婆ちゃんの犬は、その孫と一緒に街の変化たちと遊びました。 それから数日後、犬が起きると首輪が外されており、家には誰一人姿が見えません。 その日、唐突にお婆ちゃんが家からいなくなったのです。 犬は変化達に相談し、お婆ちゃんの行方を捜します。 優しかったお婆ちゃんはどこに行ってしまったのでしょう? 犬は、お婆ちゃんに会いたい一心で変化します。 犬は、もう一度お婆ちゃんに会えるのでしょうか? ◆5.シナリオ本編 この物語は『ゆうやけこやけ』のリプレイ用に作成された物語です。 登場人物が多いように見えますが、物語の序盤はとにかく『お婆ちゃん』の演技に集中しましょう。変化たちがどれだけお婆ちゃんを好きになるかが成功の秘訣です。また、物語中盤以降はお婆ちゃんの孫の演技に集中します。この物語に出てくる"お婆ちゃんに飼われている犬"は、変化の1人ですが、実際に変化として行動するのは物語の中盤からです。お婆ちゃんがいなくなるまでは普通の犬として行動します。できれば『ゆうやけこやけ』に慣れた人がやる方が良いでしょう。 ◆6.語り手の準備 物語の鍵となるお婆ちゃんは『雑貨やのおばちゃん』を流用するのが良いでしょう。お婆ちゃんの孫は『真面目さん』を、息子夫婦は『都会の人』を使いましょう。 また「夢」を視覚的に渡せるよう、おはじきやトランプ、何かのチットなどを用意しましょう。 ◆7.物語本編 ●最初の場面(場所:変化たちのたまり場 / 時間:夕方) お婆ちゃんは犬(まだ変化では無い)を連れて、街の変化たちのたまり場へ来ています。お婆ちゃんはお菓子も持ってきており、その他にも畑で取れた野菜も少量ながらあります。 楽しい時間を過ごしたら、お婆ちゃんは犬を呼び寄せ帰って行きます。 「すまないねぇ、今日は息子夫婦が孫を連れてやってくるの。早く帰って夕飯の支度しなくちゃ」 「ゴホッ、ゴホッ……うう、夕方は冷えるね、じゃあ、また明日ね」 ●第二場(場所:変化たちのたまり場 / 時間:夕方) お婆ちゃんは犬と小さな子供(お婆ちゃんの孫)を連れて、再び街の変化たちのたまり場へやって来ます。孫は都会の子で変化たちの事をしりません。何か不思議な事をしたらびっくりしましょう。お婆ちゃんの孫――若葉ちゃんと言います――と仲良くなったら、暗くなる前にお婆ちゃん達は家へと帰ります。 「わかば、さんにちここにいるの、動物さん、またあそぼうね♪」 ●第三場(場所:お婆ちゃんの家 / 時間:夜〜朝) お婆ちゃんの犬は、その夜ふしぎな夢を見ます。お婆ちゃんが犬の首輪を外して優しく微笑むのです。 「ちょっとの間、我慢しておくれ、その間、お前は自由だからね……ね……ね……――」 朝、目が覚めると犬は変化していました。 お婆ちゃんの家からは誰の気配もありません。 お婆ちゃんも、息子夫婦も、わかばちゃんの気配もありません。 途方にくれた犬の変化は、ともだちを頼るでしょう(もしくは偶然通りかかってくれるかも)。 ともだち達と家の中を調べると、どうにもお婆ちゃんや息子夫婦の荷物が置きっぱなしである事がわかります。【大人】の高い変化なら、一時的に家を空けているだけで、きっと帰ってくると解ります。 ●第四場(場所:お婆ちゃんの家 / 時間:昼) お婆ちゃんの家が慌しくなります。息子夫婦とわかばちゃんが帰ってきたのです。 ただ、そこにお婆ちゃんの姿はありません。変化のことを知っているわかばちゃんと話ができれば、知っている事を教えてくれます。 「お婆ちゃん、ずっとおびょうき、だったんだって……」 「お婆ちゃん、びょういんからいなくなっちゃったの……ねぇ、お婆ちゃんがどこにいるか知らない?」 また、息子夫婦の会話に耳をそばだてれば、衝撃の言葉を聴きます。 「ここに帰ってきてると思ったのに……いったいあの体でどこに……」 「ああ、お養母さんったら、手術成功の確率が5分5分だって聞いたもんだから……きっと……」 ●最終場(場所:任意 / 時間:夕方) お婆ちゃんがどこにいるかは変化たちの推理に任せます。変化たちが推理しても、なかなか答えがでないようなら、お婆ちゃんは病院のある村から、ここへ戻って来ていると教えてあげましょう。お婆ちゃんは山を越えて徒歩で向かってます。ただ、この時間になっても到着していない事を考えると、途中で何かあったのかもしれません。 (基本は変化たちの推理した場所にお婆ちゃんはいる事にしましょう) 変化たちがその場所に行くと、お婆ちゃんが座り込んでいます(または木に寄りかかって座っています)。犬が人間の状態で近づくと、一発で飼い犬だと気がつき、優しく頭をなでてくれます。 「寂しかったわよねぇ……突然いなくなってごめんなさい。またバーバが一緒にいてやるからね」 「病気なんてへっちゃらよ? 病気は気からって言うでしょ、あなたがいてくれればバーバは元気いっぱいなんだから」 ◆選択 お婆ちゃんの病気は実は酷いです。すぐにでも病院で安静にする必要があります。しかし、お婆ちゃんは犬の変化を悲しませたくありません。犬が一緒にいようと言う限り、お婆ちゃんは病院へは帰らず、そのまま死んでしまいます。 他の変化たちは、お婆ちゃんに入院するよう促し、犬にも二度と会えなくなるわけじゃないと諭すでしょう。もしかしたら、お婆ちゃんの病気に対してなんらかの能力を使うかもしれません。語り部はその行為が『幸せな物語を紡ぐ行為』だと判断した場合、その結果を優遇しましょう。 |